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2006年3月24日 (金)

『鮫の呪い』 1958年

 

『鮫の呪い』(『She Gods of Shark Reef1958年)

 ロジャー・コーマン監督の南洋の楽園もの。孤島にはきれいで純な女子はんがぎょうさんおりまっせ映画です。例によって『ハワイの雷鳴』との2本撮り。ついでにコーマン休暇をとってバカンス楽しみよったという一石三鳥のコーマンシステム。

 冒頭海がぱぁっと映りまして「海にいったら鮫がいた、海にいったらイルカもいた、ああ、きれいだな、ああ、きれいだね」なんていう歌詞(ウソ)の主題歌が流れます。これが終わっていよいよ本編の開始。夜、桟橋の下を泳ぐ二人の男。白人のリー・ジョンストン(ドン・デュラント)とターバンに髭のアジア人?らしき男であります。二人は夜の闇にまぎれて桟橋をよじ登ります。そして巡回している警備員を襲うのです。リーが紐で首をがっとしめたところでターバン男が蛮刀でどすどすどす。それから二人は倉庫らしきところを調べて木箱からライフルを盗み出そうとするのでした。しかし、ここで現れたのが第二の警備員。ターバン男はとっとと海に飛び込みリーは警備員と取っ組み合い。どうなるのかと思ったらリーも海に飛び込んで逃げてしまったのです。うーん例によってくらいところじゃ何をやっているかまったく見えないくらいの低画質だからもう何が起こっているのかさっぱり分からん(笑)。

 どうもこの二人は海軍からライフルなどの武器弾薬を盗んで売っているという設定のようなのですが。

 この後、唐突にリーのナレーションで「われわれは夜を利用して島の反対側まで逃げた。そして隠してあった弟クリス(ビル・コード)の船でズール海の孤島に逃げようとしたのだ。ところが突然の嵐で我々は難破してしまった」船は謎の島の環礁で座礁してぶくぶくぶく、水中に沈んでしまいます(笑)。彼らを助けたのはその謎の島の住民である女たち。彼女たちはクリスとリーを助けて丸木舟で島に戻るのでした。船に乗っていた筈のターバン男はそのまんま。どうやら彼はあえなく溺れ死んでしまったらしい。

 この島は国際的な真珠製造販売会社に島ごと雇われておりまして女たちはすべて海に潜って真珠をとる仕事をしております。何故か男がいないのが怪しいですが(笑)これで島全体の生活が賄われている訳。島の族長であるプア(ジェーン・ガーソン)は二人に向かってさっそくがみがみ言います。「だいたい、ここは来てはいけないところなんじゃ、神の呪いがかかるぞよ」「いや、そんなこと言ったって」リーとクリスはボヤきますな、「嵐でやられたんで仕方ないじゃないですか。僕らだってこんなところに来たくなかったですよ」職業をたずねられたクリスはまさか犯罪者である兄の逃亡中だとはいえずに「僕たち博物館の海洋調査隊なんです」「ああ、そうかえ、二人は学者の先生さまかえ」

 こんな学者様がおるかえ!というツッコミはもはや覚悟の上でございます。

 とりあえずプアは二人をゲストハウスに案内します。「ここにしばらく滞在せよ、10日後には“会社”の船が来てお前たちを連れ帰ってくれるだろう」プアは親切で言っているのですがリーは真っ青。クリスと密かに「俺、海軍から逃げているんだから、そんなのまずいよ。よし、この島で船を見つけて逃げ出そう!」と相談しております。

 プアはヤシの木に旗を掲げます(笑)。これがどうやらこの島の通信手段らしい。

 さて逃亡用の船が見つかるまで、あるいは10日後に“会社”の船が迎えに来て海軍に逮捕される(笑)までのだらだらとした生活が始まります。リーは島を歩き回って船を捜し、クリスは船を砂浜から押し出したりして女たちの手伝い。そんな中彼らはプアに環礁に存在する鮫神さまについて聞かされる(脅かされる)のです。「鮫神タンガロア、けっして侵してはならぬタブーじゃ。その怒りに触れると大嵐になってしまうのじゃあ。だからお前たち、自重せよ」そのうち、生贄とか言い出すのだろうな、きっと(笑)。

 さて食事の時間、クリスは島の娘、マヒア(リサ・モンテル)と仲良くなります。何しろ島には若い男がいないという好都合な設定ですからな、二人はどんどん仲良くなる。そのうち島の女たちによる踊りが始まります。ひんならひんならと踊る女たち、マヒアはクリスに踊りの意味を話して聞かせるのでした。「あれはね、あなたたちのことなの、「ボートが環礁にごん!大波きてクリスあっぷっぷ」という意味なのよ」うーむ、いくら助けられたからといってこんな歌作られたら私だったら怒りますよ。

 この踊りが終わったら今度はマヒアが立ち上がって「いらっしゃい、クリス、一緒に踊りましょう」プアが険しい顔でにらんでいるのにも気づかず、いちゃいちゃ踊るクリスとマヒア。ところがうっかりクリスがマヒアが首にかけてくれたレイを切っちゃった。そのとたん、マヒアはひっと立ち尽くし、他の女たちも「きゃー、大変大変、恐ろしい」と逃げちゃいました。プアはただでさえ恐ろしい顔をさらに醜くゆがめて「ウワァ、言わんこっちゃない、タブーじゃ、タブーを侵しよった」女たちから渡されたレイを切ってしまう、この島では大変にいけないことらしい。だったらもうちょっと丈夫にレイ作れやと思わないでもないですが(笑)。

 

 その翌朝、マヒアがどこかに行ってしまったとしょんぼりしているクリス。リーはそんな彼を無責任にけしかけるのです。「タブーがなんだ、男と女にそんなもん関係あるかい。それに船を見つけてこの島を脱出するためにはどうしてもこの島の女の協力が必要なんだ。だから、クリス、とっとと女見つけてコマしてしまえ。え、どこでやるのかだと、そんなもん、そこらの茂みで十分じゃないか。なんだったら海の中でもいいぞ」こらこら、あんたはどさくさに紛れて何を言っている。まあ、どこでやるのかは置いといて(笑)クリス、マヒアを探しに行きます。そしてちょっと離れた海岸で一人潜っている彼女を見つけたのでした。

 同時に割りと安易に壊れかかった丸木舟を見つけたリー。なんだい、そんな女の協力者作らなくっても簡単に見つかったじゃないか。

 「あら、クリス」「やあ、マヒア」ということで二人で仲良くお話します。マヒアが仲間たちと離れて一人でいたのはやっぱりプアの言いつけでした。マヒアは恐ろしげに「環礁で人が死ぬ、そうしたら鮫神さまがそれを食べてお腹いっぱいになる。でも、私、あなたを助けた。鮫神様、お腹ぐーぐー、だから怒っている」もうますます、生贄だ!という話になりそうな展開ではないですか(笑)。「だから、プアさまは私にあなたからも仲間たちからも離れるようにと言われたの」「そんなことはどうでもいい、僕は君がいてくれればいいんだ」はい、キスをします。ぶちゅぶちゅぶちゅちゅちゅー。画面では語られませんけれども、この後どっかの茂みかあるいは海の中でやったに違いありませんな。

 でも二人で仲良く歩いているところをプアに見つかっちゃった。そうして小屋に戻ると今度はリーが「おい、舟が見つかったぞ」二人で舟を見に行きます。調べてみるとマストが壊れていましたが「何、これなら修理できる。これで脱出だ」一安心というところですが、そうは問屋が卸さない。プアがクリスを呼び出してマヒアのことで説教したのでありました。「悪いことは言わん。マヒアに近づくな。この島のことはあんたたちには関係ない。船が着いたらそのまま出て行ってくれろ、そうしないとろくなことにならんぞえ」

 その夜、村で行われる奇怪な儀式。どんがどんがというタイコの音に目を覚ましたクリスはこの様子を覗き見するのでした。焚き火の周りに集まった女たち、プアは手に持ったヤシの実の皮を引きちぎりながら火に投げ込みます。「おお、神よ、海の支配者よ、お言葉を賜りたまえ」ぱっとヤシの実の皮を投げると火がぼうっと高く燃え上がります。「明日の朝、お怒りを静めるための儀式をいたしますう」なんだか良くわかりませんが、この言葉を聞いて不安そうに身じろぎするマヒアです。

 プアの言っていた儀式とははい、もちろん生贄の儀式でした。マヒアによってもたらされた災厄を彼女自身を生贄にすることによって鮫神に許してもらおうというのです。マヒアからそのことを聞いたクリスはかんかんになって「そんな野蛮なことがあるかい!」と憤るのですが、マヒアは「これも運命なのよ」さびしそうに微笑むだけでした。

 翌朝、さっそく開始される生贄の儀式。朝もはよから女たちが丸木舟で環礁へ向います。プアが「おお、海の神よ、タンガロアよ生贄を受け取りたまえ」と唱えて舟の上にたっているマヒアをどん、突き落としてしまったのです。ここでもう一人他の女がどぼんと落とされるのですが、この人の出番はここだけ。あれ、見間違えかな(笑)。水中でもがくマヒア。鮫がやってきた。マヒア、大ピーンチ。しかしここでやってきたのがクリス。彼はサーフィンボードみたいな板を使ってすいすいと海を渡ってきたのです。彼は銛を持って水中に飛び込むやいなやマヒアを狙っていた鮫をぐさっ。一応神様なんだけどな(笑)。クリス、あっという間に鮫を殺してマヒアを助け出すのでした。

 そのまま島に戻ってゲスト小屋にマヒアを匿うクリスです。彼らを追ってきたプア、例のヤシの木の旗をぱたぱた上下させてどこかへ合図を送っております。一応警察に連絡しているようなのですが、この後警察も散々言っていた“会社”の船も結局やってこないので何の意味もなかったりするのですが(笑)。クリスはマヒアにぶちゅぶちゅぶちゅちゅちゅーとキスして「こうなったらもう島から逃げるほかない。一緒に来てくれるね、マヒア」「クリスが行くところ、そこが私のいくところ」なんて言ってやがる、コンチクショー!クリスはリーと協力して舟の用意に出かけます。そして隠しておいたマストと帆を取り出してって、この人たちはいつの間にこんなものを用意したのでしょう?これを丸木舟に取り付けてはい、準備完了。

 舟の用意が出来るまでゲスト小屋に隠れていたマヒア、プアが来るのですねえ。プア、寝ていたマヒアをびびびと引っぱたくと「白人の男と逃げるなんてそうはさせんぞえ」無理やり連れ出そうとします。マヒアは必死に抵抗して「いやー、助けて、クリス」ここで上手い具合に舟の修理を終えたクリスとリーが戻ってきて「何しやがる、このババア」プア、二人に捕まって縛られてしまいましたとさ(笑)。仕方ないのでこのババアも一緒に連れていこう!何でそうなるのと見ていた私は往時の欽ちゃんのようにつぶやくのでした。

 クリスとマヒアは食料と水の調達。リーは“会社”のオフィス(おそらくどっかのリゾートホテルのオフィスをそのまんま使っているのでしょう)から地図を盗むことになります。リーは地図のほか、あわよくば真珠もと思っていたようですが、島の女に見つかって慌てて逃げ出すことに。そのままクリス・マヒアと合流して舟で逃げ出すのです。舟は環礁へ。そこへ一旦上陸して追っ手を交わそうという算段。まあ、鮫のいるところにわざわざいくのですから今後の展開はもう丸分かりですけど(笑)。

 環礁のうえで縛り上げられたプア、マヒアに「こいつらは真珠を盗もうとしているのだ」と言うのですが、リー、持ってきた地図を取り出して「そんなことはない。見ろ、俺は地図を盗んだだけだ」といいつつ、この男はクリスに「ちょっと様子を見てくるから」と言い残して海にどぼん、密かに島に泳ぎ戻るのであります。狙うはただ一つ、真珠のみ!彼はまた“会社”のオフィスに忍び込みって、女たちも見張りぐらい立てておくが良かろう(笑)。彼はまんまと真珠を奪うのでありました。彼はたまたまやってきた女をぽくりと殴って昏倒させ環礁へ向います。しかし、その頃環礁ではいきなり二人で居眠り始めたクリスとマヒアの隙をついて岩でロープを切ったプアが海へどぼん、逃げてしまったのです。

 余談ながらリーに殴られた女、その後目を覚ましません。どうも死んでしまったらしい。ひでぇなあ。

 プアは島へ泳ぎ着いて「みんな、大変だぞえ、真珠泥棒めが、鮫神さまの環礁にいるぞえ」島の女たちと合流、舟でぞくぞくと出発します。一方、環礁に戻ったリーはプアがいないことに気づいて「てめえ、しっかり見張ってろっていったろ!」と大激怒。クリスとマヒアを詰るのです。しかし、そのとき手に持った真珠を見られちゃった。クリスは「兄さん、何だ、それは、ああ、真珠じゃないか、本当に盗んできたのか」マヒアも怒って「この真珠泥棒め、返せ、返せ」「やかましいワイ!」リー、開き直ります。「え、ここから逃げた後、どうするんだ、俺たちゃ一文無しなんだ、真珠を盗んで売るしかないだろうが!」クリス、リーに飛び掛ります。はい、ここから5分ほどえんえん殴りあう兄弟の絵。

 ついにリーが真珠の袋でクリスの頭を引っぱたいた。昏倒するクリス(大笑い)。この隙にリーは舟に飛び乗って出発しようとするのですが、帆を広げるためにたった瞬間、バランス崩して海に落ちちゃった。なんで落ちるか、お前は。とたんに鮫が寄ってきます。兄さん危うしと見て海に飛び込むクリス、わあ、二匹目の鮫が現れた。プアと島の女たちの舟もどんどん近づいてきます。リーとクリス、いろんな意味で大ピーンチ。しかしナイフを咥えて海に飛び込んだのはマヒア。彼女はためらいもせずに鮫の腹をナイフで切り裂いてクリスを助けるのです。もう神様も何もあったもんじゃないわな(笑)。舟に乗り込む二人。

 リーもなんとか鮫から逃れて舟にあがろうとするのですが、「あっ、真珠を海にこぼしちゃった!」だから、こんな時になぜ真珠をこぼすか、お前は、コントじゃないんだから。意地汚くも海に戻って真珠を拾おうとしたリー、はい、鮫に食われちゃいました。愕然とするクリスとマヒア。そんな二人にプアが呼びかけます。「マヒア、マヒア、戻ってくるのじゃ」しかし、彼女はそんな声には耳をかさず、クリスを促すと舟を出発させたのでした。エンドマーク。

 環礁で「なぜ、そんなに警察を怖がるの」とマヒアに聞かれたクリス、「リーがライフルの密輸やってて人を殺しちゃったんで逃げているんだ」と答えるのですが、冒頭のシーン、とてもライフルの密輸やっているようには見えないのですが(笑)。それにあれだけ真珠の“会社”が“会社”がと言ってた割りに、ついに最後まで“会社”の人間は姿を現しませんでしたな。それに良く考えたらこれ、SFでもなんでもねえ!

 カラー・スタンダード、モノラル音声。カラーですが、色が薄いなあ。音はそこそこですか。12枚のDVD50本の SF映画が収録された「SciFi Classics Collection: 50 Movie Pack」の一本。 Digital 1 Stop DVD

         エロの冒険者 

       HOMEPAGE http://homepage3.nifty.com/housei/

      SFシネクラシックス 輸入DVDでみるSF黄金時代(笑)

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