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2006年3月24日 (金)

『地球最終戦争』 1961年

 

『地球最終戦争』(『IL PIANETA DEGLI UOMINI SPENTI』アメリカ公開題名『BATTLE OF THE WORLDS1961年 オリジナル84分)

 地球に謎の隕石接近。地球滅亡の危機だ、どうしよう映画の一本。田所博士のような半マッドサイエンティストが登場するのですが、偉そうに文句を言っているばかりであまり役に立っていないのが玉に瑕。ま、良かったらご覧くださいな。

 これは今はなきディレクTVSFチャンネルで録画したものです。放映時間の関係で多少カットされております。そのため映画に矛盾が出ることもありますがまあ、あんまり気にしないでください。

 巻頭いきなり海岸ぺりの崖を降りてくる女、彼女は海で泳いでいる男に、「フレッド!今知らせが来たわ。転属の許可が出たのよ、もちろん、私も一緒よ」「イブ、それは本当かい、まったく素晴らしいことじゃないか」このフレッド(ウンベルト・オルシーニ)はもと軍人の天文学者でどうやらイブ(マヤ・ブレント)の恋人らしい。

 ですぐさま転属したのがこの島にある天文台、いや、転属はまだしてないのかな、ちょっとカットされているらしくって良くわからないのです(笑)。その天文台で宇宙を観測しているフレッド、なにやら異変に気がつきます。彼は上司のコーンフィールド博士に報告、さらに詳しく調べるために電子望遠鏡を使うのでした。そしていまひとつ何が起こっているか分からないけれども、みんなとにかく真っ青。「えらいこっちゃ、えらいこっちゃ」だからそのえらいこっちゃというのは何なのですか。

 フレッドはこの結果を持って同じ島に隠棲している数学者、ベンソン教授(クロード・レインズ)を尋ねるのでした。彼は自慢の植物園で植物に水をやりながら「ふん、ようやく来たか。この馬鹿者どもめが」「いきなり馬鹿者ってなんですか」むっとするフレッドですが教授委細構わず「だからお前たちは徹底的な馬鹿者だというのだ。わしなんか5日も前にこれに気がついていたぞ」「それでは我々の結論と同じですか」「そうだ、太陽系外から惑星アウトサイダーがやってくる」どうやらこのアウトサイダーとやらが地球に衝突するのではないかと、それでみんな大慌てだった訳です。

 話はいきなり地球人の火星基地へ飛びまして司令官のロバート・コール(ビル・カーター)が何らかの原因によって軌道を外れた2隻の宇宙船MS-15 J5にさかんに呼びかけております。現在火星基地はナトリウム系の磁気嵐(どんなものか分からないけどとにかく字幕がそうなっている)に取り巻かれておりまして詳しい観測ができません。だから2隻の宇宙船が軌道から引き離された原因を調べることができないのです。そうこうするうちに宇宙船にいきなり接近してきたのが惑星アウトサイダー?宇宙船はこれの重力に引かれていたのです。このままでは早晩アウトサイダーに墜落してしまう!コールはJ5の乗組員に脱出してMS-15に移乗するよう命令。そしてMS-15のパイロットに「とにかく目一杯エンジン吹かせ、ゴーッといけ、根性と気合で乗り切れ」という適切な指示を与えて(笑)見事アウトサイダーの重力圏から脱出させたのです。

 この時、火星基地はようやくアウトサイダーの観測に成功します。

 またまたベンソン教授の自宅に集まるコーンフィールド博士、フレッドたち科学者。教授の指示を仰ぎに来たのですがどうやらベンソン教授、そのアクの強い性格で前職を失った経験があるらしい。だから「いいもーん、だってわしの言うことなんてどうせ、誰も信じないもーん」と拗ねております(笑)。それをなだめすかして意見を聞きだす博士たち。どうも難儀なことであります。その意見とは「アウトサイダーは地球に衝突などせん。15万キロまで最接近するが、それだけだよ」というもの。コーンフィールド博士、うっかり「いやー、先生、他の天文台や月・火星基地では衝突間違いなしっていっているんですけど」「ふーん、だったらいいよ、ほら、わしのいうことなんか誰も信じやしない」あー、また拗ねちゃった。

 拗ねたベンソン教授は放っといてどんどん進めましょう。火星基地よりコール司令官が地球に帰還。彼は対アウトサイダー作戦の指揮を取ることになったのです。ベンソン教授を信じない政府はアウトサイダーを爆破しようとしていたのでした。ここでまた新展開。アウトサイダーは教授の予測どおり地球へ15万キロまで接近。地球の周回軌道に占位したのであります。この事を知らされた教授、「ほら、馬鹿者が、わしの言ったとおりになったであろうが」と威張るのかと思いきや顔を曇らせて「それはありえない」何を考えたのか教授、一転してアウトサイダーの破壊を主張しはじめたのです。しかしアウトサイダーがさらに接近してきたため爆破は地球に悪影響を及ぼすとの理由でキャンセル。教授、またまた「ほら、わしの言うことなんかだーれも信じないもんね、いいもん、いいもん、わしぐれるもん。夕暮れの海岸走ってこの俺の青春を止められるかって叫ぶもん、暴走族入って富士山目指して年越し暴走やるんだもん」どうも困った人ですな。

まあ、こんなに前言をくるりと引返すような人は信じてもらえなくて当然だと思います(笑)。

 この後天文台に招かれるベンソン教授。コーンフィールド博士やフレッドたちとアウトサイダーを調べに行く宇宙船を特製のヴュースクリーンで見守ることになります。バシューッとロケット吹かして宇宙空間を疾駆する宇宙船BZ8。ていうかこれは誰が撮影しているのでしょうかというのはもはやこの手の映画に対する定番のツッコミですな。地球のみんなが固唾を飲んで見守る中、アウトサイダーに接近するBZ8。すると驚いたことにアウトサイダーから空飛ぶ円盤群が飛び出してきたのです(大笑い)。円盤群はBX8を取り囲むと怪光線で攻撃、あっというまにBZ8を破壊してしまったのであります。

 驚愕する科学者たち。一人ベンソン教授だけは「これがわしの恐れていたことじゃった。アウトサイダーは何らかの知的生命体によって操作されているのだ!」だったらもっと早く言え、公開当時、劇場ではこういうツッコミが飛び交ったそうです。

 地球の司令部はベンソン教授に対抗策を尋ねます。あんな惑星に72,000キロまで接近されたら地球の大気はめちゃくちゃ。人類の滅亡だ。しかし、教授ったら「わしに一切の指揮権を渡せ。そうすれば地球は救われるぞ」なんてことを言う。だから「一応教授には最高学位は差し上げますけど指揮権は渡しません。軍部が主導します」教授、またまた「ほら、わしの言うことなんかだーれも信じないもんね、いいもん、いいもん、わしぐれるもん。夕暮れの海岸走ってこの俺の青春を止められるかって叫ぶもん、暴走族入って富士山目指して年越し暴走やるんだもん、バスでシルバーシート座って年寄り来たって席譲らないんだもん」イブと一緒に悄然と自宅に戻るのでありました。

 さて、驕敵アウトサイダーを殲滅せんと地球で作戦が立てられます。「おとりのミサイルを撃って円盤を引き付ける。その隙にアウトサイダーをやっつける」という諸葛孔明も真っ青の名作戦。元軍人のフレッドも出撃することになりました。彼はベンソン教授に「イブを頼みます。僕は先輩であるコール司令官と一緒に出撃します」教授、「ふん、素晴らしい同窓会になるだろうよ」まあ、ここでだってイブがあんまり僕のこと気にしてないみたいなんです。そりゃあ、イブが行かないでといったら戦争なんかにいきませんよというフレッドの愚痴が入るわけですが、面倒くさいので省略させて頂きます。

 さあ、宇宙船アルファ23に乗り込みアウトサイダーを目指すフレッドとコール。あの「おとりミサイル作戦」はどうなったのか、いきなり円盤に囲まれしまいます(大爆笑)。地球と交信しつつ円盤の攻撃をかわすアルファ23。コールは「うぬぬ、これでは埒があかん、地球との交信を切って自由に戦うのだ」びゃーん、びゃーんと飛び回るアルファ23。何故か今まで彼らの行動を読んでいたかのように先手を取っていた円盤群の動きが鈍ってしまいます。「そうか、奴らは地球との交信を傍受していたんだ」

 調子に乗ったフレッドとコール、手近の円盤に向って突進。衝突寸前できゅうと交わします。その勢いにびびったのか、円盤はバランスを崩してふらふら。地球めがけて落下しはじめたのでした。他の円盤群はこの攻撃に驚いたのかアウトサイダーへ撤退。地球人類はじめての勝利であります。コールは通信機に叫びます。「あの円盤を拿捕して徹底的に調査するんだ」

 円盤地球へ軟着陸します。ベンソン教授はりきるまいことか。「よし、早速円盤の内部を調べるのだ」マシンガン抱えて円盤内部に潜入するフレッドたち。のんのんずいずいと進んでいくのですが、予想したようなエイリアンの姿はなし。コール司令官はぽつりと「フツー、このヘンでバケツ抱えた宇宙人出てきて水をくれと手振りで頼んできたりするものだが」そんなマニアにしか分からないクスグリはよしましょう。彼らはついに円盤の中央部に到達。球体から多数の足が生えているような奇怪な装置を発見するのです。「よっしゃ、その装置を運び出せ。彼らの秘密を暴けるぞ」さらにはりきるベンソン教授です。

 みんなでわっせわっせと教授の自宅へ運び込むという・・・。急ぎ装置の分析が進められるのですが、その間にもアウトサイダーは地球にどんどん接近します。大気中の放射能が活発化して、地震・雷・火事・親父、火山も爆発して地球えらいことになってしまいます。軍司令部からは「まだ分析終わらないのですか、あんまり時間がかかるようだったらわしらの方で核ミサイルぶち込みまっせ!」しかし、ベンソン教授、ゆうぜんと「一休み、一休み、あわてない、あわてない」と一休さんみたいなことを言っておりますな(笑)。

 軍司令部の忍耐力も限界に近づいた頃、ついに装置の分析が完了。喜色満面で叫ぶベンソン教授。「アウトサイダーの言語が分かったぞ、あの円盤どもに自爆命令だって出せるぞ」ついに反撃を開始する地球人!伊福部昭の音楽が鳴り響き多数の宇宙ロケットが進発します。もちろん、コール司令官、フレッドも出撃しているぞ、どうも円盤撃墜したり内部を調べたりさらに彼らの電波を分析したり忙しいことですな(笑)。そしてアウトサイダーより飛来してくる円盤群。てっきり解析したアウトサイダーの言語で円盤に自爆命令だすのかと思いきや「よーし、電波攻撃だ」まあ、具体的にどんな兵器でどんな具合に攻撃しているのか良く分からないのですが、とにかく円盤の一機が大爆発。「よーし、この勢いを持ってアウトサイダー本星に攻め込みかの惑星を破壊してしまへ!」大喜びの軍司令部です。

 しかし、そこに待ったをかけたのがベンソン教授。彼はアウトサイダーの内部を調査させよと言い出すのです。彼はまた「そうさせてくれなきゃ、わしぐれるもん。夕暮れの海岸走ってこの俺の青春を止められるかって叫ぶもん、暴走族入って富士山目指して年越し暴走やるんだもん、バスでシルバーシート座ってじいさん来たって席譲らないんだもん、タバコすぱすぱ吸って吸殻投げ捨てるんだもん」夕暮れの海岸走られたり、年越し暴走されたり、シルバーシートに座られたりタバコの吸殻ぽい捨てされてはかないません。軍司令部、しぶしぶ教授に調査の許可を出したのでした。

 かくしてアウトサイダー探検隊が結成されるのです。メンバーはもちろん、ベンソン教授、おなじみコール司令官とフレッド、それになぜかコール司令官の妻キャシー(キャロル・ダネル)、教授のおつきでイブ。後は宇宙船パイロットのボイド(レンゾ・パーマー)という大所帯。さっそく宇宙船に乗ってシュパー。アウトサイダーに着陸するのです。イブは教授に宇宙服のヘルメットをかぶせてあげようとして「あら、教授、眼鏡はどうなさったんですか」教授は「わしが見たいのは真実だけさ」どうも二人でかみ合わない会話をするのでありました。

 さて、宇宙船を降りて内部へ向おうとする一行。タイムリミットは三時間、その後はミサイルが打ち込まれてアウトサイダーは破壊されることになっております。なにやら探知機のようなものを使って内部への入り口を発見。のんのんずいずいと降りていきます。その内部は赤いパイプがありとあらゆるところを埋め尽くした気味の悪いもの。コール司令官は「もういいから帰りましょうよ、こんなのイヤですよ」と弱音を吐いてばっかり。そんな中雑音を一切気にせずどんどこ進んでいくベンソン教授です。

 そして一行はついにアウトサイダーの中枢を思われる大ドームに到達したのでした。その中には円盤にあったものと同じような球体がどーんと置かれています。そして忌まわしいことにこのドームの床はエイリアンと思われる死体に埋め尽くされていたのでした。「見よ、彼らは宇宙の難民だ。何らかの危機から一生懸命逃げてきたのだ。しかし、哀れなことに彼らは放射能のせいで死んでしまったのだよ」つまり、あの球体は電子頭脳でそれがアウトサイダー本体と円盤群を操っていたという訳。この謎が判明したとたん、ばっちりのタイミングで電子衛星の防衛機構が発動。自壊を開始したのです。こらあ、あかんと逃げ出しにかかる一行。しかし、ベンソン教授だけは後に残るというお約束のパターン。

 それ逃げろ、やれ逃げろ、しかし途中でキャシーが落ちてきた瓦礫で大怪我。なんとか宇宙船まで運び込んだものの、あっさりと死んでしまいましたとさ。軍指令部は50秒後に特殊弾頭ミサイルを発射すると通告してきましたので、これ以上アウトサイダーに留まることはできません。やむなくベンソン教授を残して離陸する宇宙船、あの大ドームに残ったままの教授は「ま、待て、ミサイルは中止しろ、このアウトサイダーを元の故郷に帰してやるのだ」でもミサイルぎゅーん(笑)。観念した教授、宇宙船のイブに「さよなら」を言って、「人間とはおろかなものだ」ぼかーん、大爆発が起こってエンドマーク。

 愚かなのはこの教授だと思います(笑)。何もね、アウトサイダーの中に一人残るこたぁないやね、この期に及んでミサイル待て!と言ったって車とミサイルは急に止まれないんだからさ。

 カラー・スタンダード。モノラル音声。カラーですが赤茶けた画質でもう見られたもんじゃない(笑)。アルファビデオのDVDを彷彿とさせる低画質です。音もゆがみっぽく字幕がついていなければ聞き取りに苦労させられたことでしょう。日本語字幕つき。

 エロの冒険者
       HOMEPAGE http://homepage3.nifty.com/housei/
      SFシネクラシックス 輸入DVDでみるSF黄金時代(笑) 

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