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2006年3月24日 (金)

『悪魔の弟子』 1962年

 

『悪魔の弟子』(『The Devil`s Partner1962年)

 ええ、町の嫌われ者だったじいさんが悪魔を使ってあんなことや、こんなことをという映画。田舎町でもそーっと話が進んでもそーっと終わります。まったくもって盛り上がりに欠ける映画で、もし私がこんな映画見せられたら映画の売店のおばちゃん人質に取って立てこもりますな、ええ、誓って立てこもりますとも。

 これは今はなきディレクTVSFチャンネルで録画したものです。放映時間の関係で多少カットされております。そのため映画に矛盾が出ることもありますがまあ、あんまり気にしないでください。

冒頭夜の闇、本当に画面が暗くって何が起こっているのか良くわかりません(笑)。じっと目を凝らして見ておりますと、ああ、どうやらこれは老人らしい、山羊を抱えた老人でございます。老人は彼のものらしい掘っ立て小屋に入るとナイフを振り上げ山羊にぐさっ。めえーめえー、断末魔の山羊。老人は己の手首をも「リストカッティング!」しまして山羊と自分の血を混ぜ合わせ(おぇっ)床に不思議なマークを書き込むのでございます。それから汚らしい山羊皮を取り出しまして羽ペンでなにやら文字を書き出します。そこでふっと何者かの手がペンを取り上げた。同時に老人ばったり倒れて息絶えるのでした。はい、ここでタイトルでます。

 『The Devil`s Partner』 (『悪魔の弟子』)、あらあらディレクTVSFチャンネルったらこれにわざわざ『デヴィルズ・ディサイプル』なんて副題つけてけつかる。これはああた、1960年のバート・ランカスター、カーク・ダグラス主演の大作『悪魔の弟子』(『The Devil`s Disciple』)のことではございませんか。ひょっとしてSFチャンネルのスタッフ、この二つの映画を混同させようとした訳でしょうかね。

 オープニングクレジットの間ひた走るグレイハウンドバス。クレジットが終わると同時に人口1,505人の田舎町ファーナスフラッツに到着します。そしてバスから降り立ったのは一人の若い男。誰あろう彼はニック・リチャードソン(エド・ネルソン)、あの冒頭で死んだ老人、ピート・ジェンソン(エド・ネルソンの二役)の甥だったのです。彼はそのまま町で1軒きりのコーヒーショップに入って「おねえさん、ちょっとコーヒーばくれんね」女主人のアイーダ(クレア・カールトン)はハンサムなお客にすばやく反応。「お兄さん、よか男やねえ、いったいどこの人ね」ここでうっかりニックが「おれはピートの甥たい」と名乗ってしまったから事態は急変。アイーダや他にいたお客たちがピートの名前を聞いてどん引きしたのです(笑)。どうやらピート、この村で大層嫌われていたらしい。お客さんたちはあたふた帰ってしまう。それどころかお客の一人から知らされたのか保安官のトム・フューラー(スペンサー・カースル)までやってきて「ちょっと話したいことがあるけん、保安官事務所へきちゃってんない」と言われてしまうのです。

 保安官事務所にてニックはピートが死んだと聞かされるのでした。保安官とピートの検死を行った医者のルーカス先生は(エドガー・ブキャナン)は彼に同情した様子を見せながらも「ばってん、ただの死に方じゃないと。殺されたかもしれんたい。あの人の小屋の床は血でまっかになっとたと。ばってんピートの傷は手首だけやった。他に山羊も殺されとった。あやしかけん、小屋の床の血ばアルバカーキの研究所へ送って検査してもらいよう」保安官はニックにピートの遺留品をダンボール箱に詰めて渡し、「ま、何かあったら知らせるけん、気をおとさんときやい」礼を言って事務所を辞するニックです。ルーカス先生は彼を見送って「んー、よか青年たい、叔父さんとえらい違いやね」しかし保安官、「彼は暑さに強かごたぁ。今日は35度もあるとに汗ひとつかいとらんかった」

 ニックはピートの小屋に行きあちこち調べ始めます。お、カーペットはがして床のマーク見つけよった。ここでいきなり登場したのがルーカス先生の娘ネル(ジューン・アリスン)。いきなり若い娘が来た、これはニック、ピートの小屋に知らん人がおる、これはネル、お互いにびっくりする二人(笑)。この娘、ネルはピートから山羊の乳を買っていたのですな。それを父ルーカス先生の患者に飲ませていたという訳。彼女だけが町の嫌われものだったピートと割合親しくしていたのでした。その縁で彼が死んでからも小屋に来て勝手に山羊の乳を搾っていたのです。ネルはにっこりして「ニック、おじさんのことは気の毒やった。これからよろしくね」

 このネルのフィアンセがガソリンスタンドを経営しているデビッド(リチャード・クレーン)。がっぽり稼いで「はよ、ネルと結婚するったい!」と張り切っていると。

 次の日、ネルはピートの小屋へやってきます。そして庭いじりをしていたニックに「ちょっとミルク配りば手伝っちゃらんね!」「おー、よかですよ」と二人で車に乗って患者さんたちの家に山羊の乳を配りまわるのであります。患者の一人、ハリー(ブライアン・オハラ)も何故かニックを激賞。「うん、あの叔父とはえらい違いたい!」この町の人たちはみんな同じことを言う(笑)。しかしハリー、配られた牛乳を飲んだとたん、「うっ」死んじゃった。当然ながらルーカス先生と保安官が死因を調べるのですが、先生ったら「ミルクは関係ありませんばい、山羊の乳は足が早かですけん配る前にきちんと検査ばしよりますと」そ、そうかなあ、どうみたって食中毒なんだけどなあ(笑)。かといって心臓発作も考えられないし、結局はリーの死因はうやむやになってしまうのです。

 ここで電話があってピートの小屋の床を真っ赤にした血の分析結果が知らされます。「やっぱり山羊でしたばい」なかなか盛り上がりませんなあ(笑)。

 と思ったらようやくストーリーが動きます。その夜、あの床のマークの上に四つんばいとなったニック。デビッドと彼の飼い犬、シェパードのプリンスの写真をじっと見つめるのでした。その頃、デビッドの家では今まで大人しかったプリンスがとつぜん「うーうーうー」とうなりだしたのです。あまつさえ、飼い主であるデビッドに吠え掛かる始末。「お、どげんしたとな、プリンス」「わん、わん、わわわん、わん」「お前、おれが主人のデビッドぜ、なんばするとや」「わん、わん、わわわん、わん!」「ヒーッ!」プリンス、デビッドに襲い掛かった!デビッドからくも近くにあった石の置物を取り上げプリンスの頭をぽくっ。「きゃんっ!」ああ、ひでぇなあ(笑)。なんとか命拾いをしたデビッドですが、彼の顔面は無残に噛み裂かれていたのであります。

 命には別状なかったものの顔面に傷が残るのは間違いなし。おまけに安静にしなくちゃならないのでガソリンスタンドの仕事もできない。俺は金ば稼いで早く結婚したかったいのデビッドは意気消沈してしまいます。そこで手伝いを申し出たのがニック、彼はデビッドが完治するまでガソリンスタンドの仕事をやってくれることになったのです。その親切な申し出に感動したネル、「あん人はくさ、あんたと友達になりたかとよ」しかし、デビッドは面白くなさそうに「はん、そげんですかね」

 ガソリンスタンドで快活に働くニック。彼の評判はうなぎのぼりです。ガソリンスタンドにやってきた保安官、てきぱき働く彼に感心しながらも「あんた、暑さに強かっちゃねー、こんな天気で汗かいとらん」ニックはにやりとして「そら、僕、悪魔ですもん、地獄はもっと暑かですたい、あっはっは」何言ってるんだか(笑)。そんな中、再び怪奇な事件が起こります。ルーカス先生がデビッドの傷を治療するために有名な整形外科医、マークス先生を呼び寄せたのですが、このことを聞いたデビッド、夜になるとまた床のマークの上に四つんばいになって・・・。

 ファーナスフラッツへ車を走らせるマークス先生。しかし彼が道路上に見たものは牛!「うわあ、ブレーキたい、ブレーキ!」キキーッ「モー!」「ヒーッ!」どがちゃーん、なんとマークス先生牛に激突して死んじゃった(大笑い)。この現場を調べた保安官、「なんで牛や、ここから牧場まで何キロも離れとるったい、ここまで牛が迷い込んでくる筈なか」と首をかしげるのでありました。

 この事件があって、デビッドますます拗ねちゃった。彼は顔面の傷でネルに嫌われるのではないかと疑心暗鬼に駆られたのです。「うちはあんたが好きたい、だけん傷やら関係なかとよ」とネルがいくら言っても駄目。それどころか「お前、あのニックのあんぽんたんとデキとっちゃろうが」とまで言い出したのです。あまりのことにネルはデビッドのほおげたビターンと張り飛ばして「そげんこというあんたは好かーん!」と逃げ出してしまったのであります。彼女はそのままガソリンスタンドに行ってニックの胸にすがりつきって、そんなことするから疑われるんだけど(笑)。「デビッドがデビッドが、うちとあんたがデキというやら言うっちゃん!」そうしたらニックの奴、「うん、そげん運命かもしれん」とネルにキスするのでありました。ぶちゅぶちゅぶちゅちゅちゅー。何がそげんか。何が運命か。

 その一方でニック、村の酔っ払い駄目親父のペーパーズ(バイロン・フォルガー)に小遣い与えて手なづけております。どうやら彼を使ってなにやらけしからんことをやらそうと考えているらしい。「今夜、10時に家にきやい」ニックに命令されてうんうん頷くペーパーズ、しかし、酔っ払い駄目親父だからガソリンスタンドで寝込んでしまうと。そしてたまたまパトロールで通りかかった保安官に「おい、もう午後10半時ぜ、はよ帰ってねらんや」と起こされます。仰天したペーパーズ、「げぇ、10時半てや、こらいかん、遅刻たい」彼はニックの家に急ぎます。

 遅刻してあせりまくったペーパーズ、ニックの家に走っていってぜーはーぜーはー。鍵が掛かっているので中に入れず周囲をぐるぐる回っているとデタァ、ニックだ。「うわぅっ」と飛び上がるペーパーズ、そらびっくりしますわな。ニックは冷ややかな目で「おい、おそかぜ、遅刻やないや、はよ、家にはいりんしゃい!」ニックはペーパーズから保安官に起こされたという話を聞いてむっとします。「保安官にうちに来るていうたとや、誰にも言わんごとしろて言うたろうが」「ばってん、しかたなかったとですたい!」「まあ、よか、今からいいもん見せちゃるけん」

 ニック、山羊を連れてきます。ナイフを取り出します。ひっと恐怖に顔をゆがめるペーパーズ、ニック、カーペットめくって例のマークを露出させます。ペーパーズ、もう泣きそうになって「おれ、帰るけん、もう金やらいらん、帰しちゃらんね」ニック、山羊にナイフぐさっ。「ひー」ますます怯えるペーパーズ。そしてさらに怪奇なことが起こりました。ペーパーズの目の前でニックの顔があっという間にひげぼうぼう、頭は真っ白、そう、ピートに変身したのであります。「おいばおぼえとるか、おいたい、ピートたい」ニックはピートがなにやらの手段を使って変身していた仮の姿だったのでした。こらえきれなくなった、ペーパーズ、「ひーっ」と逃げ出します。するとピート、マークの上にまたまた四つんばい。なにやらぶつぶつ唱え始めるのでした。

 走って逃げるペーパーズ、後から現れたのは馬だ(笑)。馬はぱっかぱかと駆けてペーパーズに追いつきひひーん、その蹄で彼を踏みにじったのであります。「ひひーん」「ひー」「ひひひーん」「ひー」ペーパーズ、馬に蹴られて死んじゃいました。なんだか人の恋路を邪魔した人のようです。

ところでピート=ニックはペーパーズに何させようとしてたんでしょ。

 翌日たまたま通りかかった旅行中の家族が馬に蹴られて死んだペーパーズの死体を発見。「なんだか人の恋路を邪魔した人のようだなあ」保安官に連絡。彼はただちにルーカス先生を連れて検死に向うのです。ルーカス先生、「これは馬に蹴られて死んだとですたい」保安官、「それじゃ、まるで人の恋路を邪魔した人のごたぁ」はい、このクスグリはここまで(笑)。もう一つ重大なことが発見されます。ペーパーズが死の間際に地面に指で何かを書いていたのであります。いわゆるダイイングメッセージ、こんな映画でシャレたことをやりますなあ。でもそのメッセージとは「ピートは金持ち(rich)」という訳の分からないもの。「うーん、ピートてあの死んだピートかいな」「あの甥のニックがさいしょはそらあ貧乏やったけど最近金ばもうけて銀行に2,000ドル預けよりました。そのことやろか」首をひねる二人です。ここで何事かを思いついた風情の保安官。「先生、ペーパーズが馬ん蹴られて死んだ、人の恋路を邪魔した人のごたぁ死に方したことを黙っといてつかあさい。車に引かれてぺっちゃんこと言うてつかあさい。おいに考えがあるとですたい」

 この時点でようやくニックを疑い始めた保安官です。

 保安官はニックの家へ。警察犬ならぬ自分の飼い犬を使って(笑)いろいろ調べます。中に入ってみたら犬があのマークを見つけた。外にでると、ここほれ、ワンワン、埋められていた山羊の骨が出てきた。いよいよ、ニックが怪しい。

 一方ようやくデビッドの顔の包帯が取れます。包帯をはずして彼の顔面を覗き込んだルーカス先生がぎくっ(大笑い)。その様子に気づいたデビット、ぱっと鏡に走りよります。そして自分の顔面を見てがーん、ヒドイ傷跡が斜めに走っていたのです。ルーカス先生、必死に「いや、たいしたことはなかばい、こげん傷くらい整形手術でちょちょいのぽいで直ってしまうバイ」しかしデビッドがそんなことで納得する訳もない。彼は思い切り暗い顔になって「先生、こげん顔じゃ結婚やらできまっせん、ネルと別れますたい」あーあ、やけになっちゃった。

 保安官、ガソリンスタンドに行ってニックに探りを入れます。パトカーの後部座席に乗せていたさっきの犬がニック見るなりわんわんわん。保安官、これは怪しいとまた思うのです(笑)。そしてニックはニックで「あー、ペーパーズ、馬ん蹴られて死んだそうやなかですか。まるで人の恋路を邪魔した人のごとある」とか言っちゃう。先生には口止めしているのにどうしてそれを知っている。このとき保安官の疑いは決定的なものになったのです。保安官はすぐルーカス先生のところへ言って「あいつは怪しかです。いつもは愛想のよか家の犬がわんわん咆えた、あいつの家ん中には山羊の皮やら山羊の血やらあった。床に六角形のマークが書いてあって、おまけに外から山羊の骨がでてきたとですたい!どうやって化けたかしらんが、あいつはニックやなか、ピートですたい!」ここでダイイング・メッセージの種明かし。「そうか、分かったばい、あのrichは金持ちやなか。ニックたい、ニック・Richardsrichたい!」それなら最初っからピートはニックと書けばいいんじゃないか。少なくともピートはリチャーズと書くよりもよほど簡単だと思うぞ(笑)。

 さあ、それからは一気呵成にストーリーが進みます。町を出て行くことになって荷造りをするデビッド。その彼を説得してとルーカス先生、保安官に頼むネル、また床のマークにひざまずくニック。すると、しゅーしゅー、あ、あれはがらがら蛇だ、がらがら蛇がデビッドの部屋に侵入したぞ。ああっ、気づいたデビッドに拳銃でがんがん撃たれちゃった(大爆笑)。ここでルーカス先生、ネル、保安官が彼の家に到着して「大丈夫や、何があったとや」「がらがら蛇ですたい。拳銃で撃ちましたたい」一方ニック、なぜか腕を撃たれて血を流しております。へ、すると、ニックは魔術で蛇に変身していた訳?じゃあ、最初の犬は?あれはデビッドに撲殺されたんだけど(笑)、あの牛は?車ともろに衝突したんだけれど。

なんかもう良く分からーん、どういうこと、これ?

 とにかくニックの家へ行ってみよう。みんなは車でニックの家へ。そうしたらいきなり馬がひひひーんと飛び出してきたのです。保安官、その馬に向ってまたずがーん、ずがーん、ばたりと倒れる馬。するとその姿がニックになります。真相を目の当たりにして仰天する一同。ニックはさらにピートへ変わってついに絶命するのでした。同時にデビッドの顔の傷がすーっと消えたところでエンドマーク。

ね、盛り上がらないでしょ(笑)。悪魔の力借りてやろうとしたことが適わなかったネルへの恋の成就?いくら魔法使ってがらがら蛇に化けても床をしゅーしゅー這い回ってたらやられるに決まってるし、悪魔もこんな考えの足らない奴を仲間にすんな!

モノクロ・スタンダード。モノラル音声。オリジナル73分。夜のシーンは暗くて何やってるのかさっぱり分かりません。音声は普通。日本語字幕つき。

     エロの冒険者
       HOMEPAGE http://homepage3.nifty.com/housei/
      SFシネクラシックス 輸入DVDでみるSF黄金時代(笑) 

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