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2006年3月28日 (火)

『サントと死のホテル』( 『Santo En el Hotel de la Muerte』1961年)

 

Santo En el Hotel de la Muerte』(『サントと死のホテル』 1961年)

サント映画でありながらエル・サントの登場は映画開始から50分を過ぎたあたり。それまではずっとメキシコ警察の警部、フェルナンドとコンラド、そしてヴァージニアのホテル殺人捜査が続くのであります。このあたり、きちんとミステリーになっていて感心させられるのですが、ラストで明かされる驚愕のオチにびっくり仰天。いきなりいつものサント映画に戻るのでありました。

冒頭メキシコ名物遺跡のピラミッド観光をしている暢気そうな観光客達。彼らにピラミッドの説明をしているのが引退した考古学者、コルベラ教授(ウォーリィ・バロン)であります。観光客の一人から「この遺跡に宝があるって本当ですの」と問われた教授、「まあ、いままでそんな宝が見つかった試しはありませんなあ。そんなことよりこれで遺跡観光は終わりです。ホテルへ戻ってゴハンにしましょう」観光客たちはぞろぞろとホテルへ戻ります。やり手のビジネスマン、アルマンド(ルイス・アラゴン)はフロントで「俺に客来なかった」と尋ねるのですがクラークの返事は「いません」「おかしいな、ビジネスの約束なのにな」と首をひねるアルマンド。そんな彼を怪しい男が見つめております。

 その夜レストランでダンスパーティ。ジャズバンドがロマンティックな音楽を奏でておりますな。そして女が出てきてドラムを叩きながら一曲披露。英語の字幕がつかないのでよく分からないのですが、「彼女と彼がチューをして、ああ、その先はベッドの中」とか、とにかくそういう歌なのでありましょう。そんな中一組の新婚カップルが「ねえ、外に出ましょうようん、あなた」外へ出ます。そしてキスしようとしたところでホテルの庭の小川にどんぶらこっこ、どんぶらこっこ、と女の死体が流れてきたぁ!ギャーッ、カップルの悲鳴にみんな飛び出してきます。、「ああ、川に死体が、女の死体が」しかし、死体はどこにもない。みんなが飛び出してくるまでのわずかな時間に消えてしまったのです。みんなはカップルを「幻覚でも見たのではないか」と非難するのですが、カップルの男のほうは憤然として「違う、確かにみた、あれはコロンビアから来た女だ!」ホテルの支配人も出てきて「ええ、それではミス・ラス・シニーガのお嬢さんが殺されたのですか」はい、謎の殺人事件となりました。

 この事件の捜査に派遣されてきたのがフェルナンド(フェルナンド・カサノバ)とコンラド(ベト・エル・ボリカリオ)。警察の署長さんがホテルの支配人の友達だったのですな。そして当然ながらヴァージニア(アンナ・ベルタ・ルペ)ももれなくついてくる(笑)。署長さんはフェルナンドに「お前の彼女な、新聞記者でうるさいから絶対この事件のこと教えるな」と釘を刺しておいたのですが、ヴァージニアがジャーナリストのカンとやらで勝手についてきてしまったのであります。彼女のルームメイトであるイリーナ・リペルト(ルチア・プラド)もなぜか一緒。こういう場合、こんな女は絶対殺されるに決まっておりますな。

 しかし三人が到着する前に大きく動き出すこの事件。あの若い男がプールサイドでくつろぐアルマンドの隣にやってきてこんなことを言い始めた。「いや、私の読んでいる小説なんですがね、若い女と結婚した男がおりましてね、それ自体はいいんですけど、男の方が三人の子持ちの未亡人に惚れちゃいまして、何しろ未亡人が金持ちなんですよ」アルマンドがぎくっ(笑)。「それで男は若い女を捨てて未亡人の下に走った。若い女と正式に離婚せずね」アルマンド、ぎくぎくっ(笑)。「そんな過去を持った男の話なんですけど」はい、アルマンド降参です。この人は未亡人の遺産目当てに重婚していたらしい。彼は若い男に「分かった、分かった、金は払う、それで秘密を守ってくれ」あの男はアルマンドを脅迫したのであります。ちなみにお金の額は10万ドル、現金で72時間以内に用意しろということになりました。

 ようやく到着してホテルの支配人から事件の状況を聞きだすフェルナンドとコンラド。「ホテルからの出口はピラミッド側だけです。あの夜出口からは誰も出ていなかった。従業員がそう言っております」ぬぬ、すると犯人はお客の中にいるということか。そして支配人はお客達の身元を説明しはじめるのでした。彼はプールサイドのお客達を順番に指差して「あれは、ヴァスケスさん、化学者です」「なに化学とな」コンラドが勢いづいて「だったら毒薬を調達できますな!」フェルナンドと支配人に無視されます(笑)。続いて「あれはアルマンドさん、ビジネスマンですね。そして周りにいるのが彼の三人の娘さん、グロリア、リサ、アンジェラです」ははあ、あの三人が未亡人の娘ってことですね。「そしてあそこにいるのがコルベラ教授、考古学者です。以前は大学で教えていたのですが、引退されまして、ここで観光客のガイドをやって貰っています」

 お客さんたちの説明を聞いた後、殺されたというコロンビア人観光客の部屋を調べるフェルナンドとコンラド。すると窓に怪しい人影が現れたではありませんか。フェルナンド、窓をばっと開けて外に飛び出しその怪しい人物を追っかけたのですが、すぐに見失ってしまいます。しかし彼は残されていた足跡を見つけ、泥を回収することに成功します。また窓枠に手紙がナイフで止められていました。読んでみると「やい、まだ間に合うからとっとと出て行け」支配人憮然として「前にもこんな脅迫を受けたんですよ。どうやら私を追い出したがっている奴がいるようで。そういえばホテルを売ってくれという奴もいたなあ」観光客が殺され死体が消える、支配人はへんな脅迫を受けているという、外見は華やかですが、どうも困ったホテルであります。

 で、ヴァージニアが連れてきたイリーナ嬢も当然ながら訳ありです(笑)。彼女は前のボーイフレンドに付きまとわれていたのであります。彼からもう何度も「殺してやる」と脅されているそうで、本当にこの映画は脅迫されてばっかりだ。そのことを知ったヴァージニア、「フェルナンドに相談したら?」というのですがイリーナは「いや、いいわ、自分で解決するから」はい、これで解決する訳がない(笑)。思ったとおり夕食の時にコンラドが誘いにいくとイリーナ嬢がバスタブの中で血まみれになって死んでいたという。そして仰天したコンラドがフェルナンドたちを呼びに行く間に彼女の死体もまた消えてしまったのです。残されていたのはわずかな血痕と前と同じ足跡。フェルナンド、考え込みます。「どうもこの事件は証拠がありすぎる。ひょっとしたらわれわれはこの証拠に騙されているんじゃないか」

 そんなフェルナンドを心配したヴァージニア、「サントに連絡してみたら」とアドヴァイス。そら、そらそらそらそら、出ましたよ(大笑い)。しかし、フェルナンドは「いや、この事件は僕が自分の力で解決したいんだ」ヴァージニア、お前は関係ないから、黙っていろと言わんばかりのフェルナンドに怒ってビンタ一発。憤然として部屋に戻るのでした。ところが部屋に暴漢が隠れていて電灯のスイッチを切るなり襲い掛かってきた!さっき頬桁張り飛ばしたことなどすっかり忘れてヴァージニアは「助けてー、助けてー、フェルナンデス!」またフェルナンデスもぱっと駆けつけるのですな。そして男と戦い始めるのですが、ヴァージニアを庇った隙に椅子で殴られて昏倒しちゃいました。暴漢は逃げてしまいます。フェルナンドは自分でやるといったけど、もうこうしちゃいられない。ヴァージニアはフェルナンドが腕に嵌めている腕時計型通信機X-アルファを取って「サント、聞こえますか、サント」フェルナンドもねえ、サントに連絡したくなかったらX-アルファ、しまっちゃえば良かったのにねえ(笑)。この時点で映画が始まってから35分、今までのサント映画で一番遅いサントの登場ですね。

 「はい、もしもしこちらはサント」速攻で応答するサント。彼はヴァージニアのすぐ来てという言葉に「ようがす、及ばずながらお手伝いしやしょう。でもその前に」あれだろ、プロレスやってからだろ。「試合をひとつやりますんで」はい、やっぱりプロレスだ。ということで恒例のサントの試合。相手をあっという間にキャメルクラッチでギブアップさせ、勝利を収めます。

 失神から目覚めたフェルナンド、「なんで連絡したの」とヴァージニアを問い詰めるのですが、「だってあなたのことが心配だったのヨ」と言われて返す言葉なし。一方、アルマンド、若い男からいきなり「事態が変わった、72時間も待てない、明日金払え」と言われてしまいます。困ったアルマンドが部屋で悩んでおりますと床からがたごと言う音が。するとどうしたことかカメラが切り替わって洞窟を映し出すのです。そこでは二人の男がとんてんかんとんてんかんツルハシを振るっているという・・・。そして顔の見えない謎の男が「急げや急げ、暗号によると主墓室はもう直ぐだ、どんどん掘るのだ」とハッパをかけているのであります。ふーん、ということは宝がホテルの地下にある。だからこのホテルの存在が邪魔となっているいうことなのかな。あんまり突然に地下が出てきたのでなんだか良く分からなくなってしまいました(笑)。

 フェルナンド、ホテルの部屋で例の血と泥の分析を終えましてベッドでぐーぐー寝ているコンラドをたたき起こすと「おい、コンラド、今日はハードな1日になるぞ。ホテルの宿泊客の靴を調べるのだ」この後フェルナンドは一人ピラミッドの遺跡に行って土を調べます。途中、彼はX-アルファを使ってサントに連絡。「サント、どうぞ、こちらフェルナンド」サントはマティアスと共にサントカーでホテルへ向かっているところ。「フェルナンド、あっしは午後くらいにそっちにつかあ、捜査の具合はどうだね」「証拠はたくさんあるんだが、容疑者が絞り込めないんだ、サント、君の到着を待っているよ」「合点だい」サントの登場はここまで。本格的なサントの出番まで今しばらくお待ちください。

 ホテルではコンラドが宿泊客の靴を集めております。部屋に忍び込んで靴を取ってくるという乱暴な方法(笑)。無茶するなと思っていたら案の定、シャワー上がりのアルマンドの娘に見つかって「キャー、変態、どすけべ、出て行ってよ」ほうほうのていで退散するコンラドであります。仕方ないのでとりあえず部屋に戻り集められただけの靴の土を分析します。しかし該当するものはなし。「後はアルマンドとここのコックの靴だけだなあ」次に宿泊客をロビーに集めて筆跡鑑定。あの脅迫状を書いた人間を特定しようというのですが、やっぱり該当者はなし。ただ、メイドから「夜中に人を埋葬するような音が聞こえてきます」という証言が得られたのが唯一の収穫か。

 がっかりしながら部屋へ戻ったフェルナンドとコンラド、すると部屋の中がむちゃくちゃにあらされています。あの脅迫状も盗まれてしまいました。幸いなことに土のサンプルだけは残っていたのですが、誰の仕業なのか。謎は深まるばかり。そしてそうこうするうちに第三の犠牲者、アルマンドの三人娘の一人、グロリアがプールで殺されていたのであります。それを見た妹(リサかアンジェラ)があまりのショックに「ひーっ」ばったり倒れてしまいました。「大変だ、ブランデーを飲ませるのだ、いや、部屋に運んだ方がいいぞ」大騒ぎとなります。そしてその隙に三度死体が消えてしまったという・・・。

 ここでコンラド、ようやくコックの靴の確保に成功します。コックは靴を部屋に隠していたのです。むむ、これは怪しいということで早速検査してみますと、果たせるかな、靴についていた土がサンプルと同じであることが分かった。フェルナンド、拳銃を構えてコックが働いていると思われる倉庫らしき場所へ忍び込むのでした。そうしたらコックの奴、倉庫の片隅で無線機使って誰かと交信しているんですよ(大笑い)。もうちょっとこっそりやったらどうなんだ、お前は。「あの警察官の目的が分かったらお知らせします」なんて喋っているコックの背中に拳銃つきつけたフェルナンド、「よし、手をあげろ、ゆっくりとだぞ」さあ、後はこいつを尋問すれば事件の謎が解ける、しかしそうは問屋がおろしません。隠れていたコックの仲間たちがわっとフェルナンドに襲い掛かってきたのです。危うしフェルナンドと思いきや「おう、ちょっと待ちな、悪の所業、天は見逃してもこのサントさまはゆるさねえ!」そうです、サントの登場です、わー、パチパチパチ!サントは悪漢どもをぼっかんどっかん殴り倒します。味方を得て勇気百倍のフェルナンドもサントを助けて大活躍。ついに悪漢どもを捕らえてしまったのです。彼らを地元警察に引き渡すフェルナンド、彼らを尋問して・・・、あれ、じ、尋問しないの?悪漢どもはこれを最後に映画から消えてしまうのでありました。

 サントはどうしたかというと、地元警察がきたのをしおにひっそりと姿を隠すというまっこと正義の味方に相応しい謙虚さでございます。

 フェルナンドは再び宿泊客を集めて「これ以上危険を冒すことはできません。女性の皆さんは安全のためにこのホテルで一番大きな部屋、11号室に集まって夜をすごして頂きます」この言葉に怒ったのがコルベラ教授、「おい、そりゃ、わしの部屋じゃないか、勘弁してくれ、部屋には貴重な資料が山ほどあるんだぞ」しかし、非常時だからということでこの提案は却下。悔しそうに唇を噛む教授です。この後、またあの地下の洞窟が出てきて、「おい、急げ、急いで掘るんだ、お宝まであと5メートルだぞ」あ、部下を叱咤しているのはコルベラ教授ではないですか。あの謎の男はコルベラ教授だったのです。そんなあっさり正体見せていいんかいの(笑)。まあ、これでようやく彼のたくらみがわかってきましたな。教授は部下に指示します。「わしの部屋から電磁探知機を持ってくるのだ。それでお宝の場所を特定するぞ」

 その夜フェルナンドの指示通り11号室に集まる女達。もちろん、ヴァージニアもここに泊まります。ところがこの部屋には秘密の覗き窓や通路があった。あの地下の洞窟から直接繋がっていたのです。探知機を取ってこいといわれた部下が部屋の様子をひそかに覗いて「あ、女がいっぱい、こりゃ駄目だ!、探知機持ってこれないや」部下の報告を聞いた教授、「うがー」激怒しますって、探知機ぐらいあらかじめ持ち出すがよかろう。この後再び11号室に戻ってきた部下達、秘密の隠し通路を使って部屋へ潜入、探知機を持ち出します。その時、目を覚ましたヴァージニアが騒ぎそうになったので、一緒に拉致してしまったのであります。ヴァージニアを見た教授、なぜか大喜び。「よし、この女を次の犠牲者にしよう」彼はヴァージニアを石のベッドに縛り付けると顔のサイズを測ります。何するつもりなんだ、この人ァ。

 さて、もう皆様お忘れになったかも知れませんが、アルマンドと彼を脅迫していた若い男の件が残っております。若い男はアルマンドをバーに呼び出して「さあ、金を払って貰おうか」しかし、アルマンドは懐から拳銃を取り出して「金なんぞ、払わん、殺すぞ!」ここで風のごとく現れたサント、アルマンドの腕をがっとつかめて「おやめなせえ、こんな男相手に罪を犯すことはねえ」いきなり覆面レスラーが現れて腕つかまれたら驚くと思いますよ(笑)。若い男、この隙を見逃さず、ぱっと拳銃を奪って逃げ出します。彼を追うサント、若い男は拳銃を乱射してサントを追い払おうとするのですが、そんなことでひるむサントではありません。ついに彼を捕まえてプールに投げ込んだのであります。「わっぷ、わっぷ」溺れております。この騒ぎを聞いて駆けつけてきたフェルナンドに助けられてはい、御用となりました。アルマンド、若い男を指差して「こいつ、わしを脅迫していたんだ、こいつがグロリアを殺したのに違いない」「いや、殺してないって、俺はただドラマーの女と一儲けしようとたくらんだだけだ」ついでに共犯者のことも喋っちゃう若い男。はい、ドラマー女も御用となってしまいました。これにてこの一件はおしまい。

一応犯人探しのミスリーディングなのでしょうが、それにしてはあっさりとしすぎておりますな。

 後はヴァージニアを探すだけ。フェルナンドは11号室の壁を調べて隠し通路を見つけます。そこを通ってピラミッドの中へ。一方、奇妙なことにコンラドがサントにさらわれてしまいました。はて、何をするつもりなのかしら。ピラミッドの地下通路を調べるフェルナンドです。するとひとつの部屋に消えた三人の女の死体が、しかし、奇妙なことに死体は生前そのままの美しさを保っております。不審に思ったフェルナンドが指で触ってみますとべっとり塗料のようなものがついた。なんと、あの消えた死体は蝋人形だったのです!唖然として立ちすくむフェルナンド、ここで教授の部下に捕まってしまいました。


 フェルナンドは教授の下へ連行されます。部屋に入るなりベッドに縛り付けられているヴァージニア、おまけにこれも捕まったサントがいる。教授はフェルナンドに得意そうに説明するのでした。「ふふふ、あの死体はな、蝋人形だったのだ。つまり誰も死んではおらぬのだ」ここで連れてこられる死んだ筈の女達。「わしはここで宝を探している。その間ピラミッドからみんなの注意をそらすためにやったのよ!」うーん、余計なことしないでただ掘ってりゃ誰も気がつかないと思うんですけどね(笑)。メイドが人を埋葬するような音と表現した掘削音も昼間やれば目立たないし。

 「しかし、フェルナンドとサント、お前らには死んで貰うぞ、しかし、その前に」教授、にやっ。「サント、お前の素顔を見せて貰おう」やっぱりこのパターンですなあ(大笑い)。教授がばりっとマスクをはぐとああ、現れたのはコンラドの顔。なんとコンラドとサントが入れ替わっていたのでありました。素顔をさらした瞬間、体つきがだるんとするコンラドに私は呆れてものがいえません(笑)。そして響き渡るサントの声「おう、ちょっと待ちな、悪の所業、天は見逃してもこのサントさまはゆるさねえ!」サントは教授と部下達に襲い掛かる訳です。これにフェルナンドも加勢して、部下達みーんな伸しちゃった。そして一人逃げる教授、しかしあっという間に捕まってサントにボディスラム。「いててて」と立ち上がって逃げようとしたら、ああ、床が崩れて下の部屋に落ちちゃった。これがなんと宝の部屋。教授、あたりを見回して、「フハハハ、フハハハ、これは宝だ、ついに見つけた、みんな、俺のものだ、フハハハ」教授はすでに発狂していたというオチ。

 まあね、床が崩れるシーン、床の色がそこだけ違っていてね、落とし穴みたいになっているのがもろばれなんですけどね(笑)。

 すべての事件が解決しました。サント、ピラミッドから走り出てくるとマティアスが乗っているサントカーにジャンプ。ぶろろろーと走り出します。その彼を見送るのがヴァージニアとフェルナンド。「サントある限りメキシコの安寧は守られるのだわ」「凄い、さすがは銀色の仮面の男だ」そして二人でキス、ぶちゅぶちゅぶちゅちゅちゅー。エンドマーク。

娘さんが殺された、でも死体が消えてしまった、その死体は蝋人形だったという驚くべきミステリー三段活用。人形作って殺人事件を演出して娘さんたちさらって、おまけに宝も掘っていたコルベラ教授、ご苦労様でした。

モノクロ・スタンダード。画質は黒がきちんと沈んでいて立体感もあります。音はそこそこのレベル。このクオリティで英語字幕もついている、こんなDVDなら私は10万枚買いたい(ねえよ、そんなに)。COLECCION GRANDES CLASICOSシリーズのDVD

エロの冒険者
       HOMEPAGE http://homepage3.nifty.com/housei/
      SFシネクラシックス 輸入DVDでみるSF黄金時代(笑)

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2006年3月25日 (土)

『サント対犯罪王』(『Santo Contra el Rey del Crimen』 1961年)

 

『サント対犯罪王』(『Santo Contra el Rey del Crimen』 1961年)

 『サント対悪魔の頭脳』『サント対犯罪王』『サントと死のホテル』の所謂ロドリゲス・ピクチャーズ三部作の第一作であります。この映画ではなんとサント誕生秘話が語られます。どんな誕生秘話なのか、それは皆様ご自身の目でお確かめ下さい。びっくりしますから(笑)。

 授業が終わって学校から帰宅しようとする少年、ロベルト(フランシスコ・クリエル)、彼は一人の少女が男の子たちにいじめられているのを見つけます。男の子達は酷いことに彼女の飼い犬にあんなことやこんなことをしていたのです。義憤に駆られたロベルト少年、割って入って「おい、犬をいじめるのはやめるんだ」そしてリーダー格の少年と決闘。ロベルトは小兵ながらボクシングの技術を使って少年を翻弄するのですが、ああ、卑怯にも他の少年達がロベルトを押さえつけた!ロベルト、動くことができず、少年にさんざん殴られてしまうのです。

 ぼろぼろになったロベルト(笑)礼をいう女の子を無視して帰宅します。その彼を出迎えたのは執事のマティアス(アグスト・ベネデコ)、彼はロベルトの姿をみてびっくり。「ぼっちゃま、どうされたのです。これではお父様に叱られてしまいますぞ。さ、このマティアスがこっそりと家に入れて差し上げますから急いで着替えてらっしゃい」こそーっと屋敷の中に入るロベルトとマティアスですが、すぐに「おう、ロベルトか、こっちにおいで」パパに見つかっちゃった(笑)。でもパパは酷い姿のロベルトを叱りはしませんでした。それどころかロベルトが「女の子がいじめられていたんだ。助けようとしたんだけど相手が大勢で・・・」と話すのを聞いて「良くやった、息子よ」と満足げにうなずくのであります。

 微笑ましい父と子の姿。しかしここからだんだんおかしくなるという・・・。パパ、いきなりこんなことを言い出すのです。「ロベルトや、お前、サントという人を知っているかい」ほら、おかしくなった(笑)。きょとんとしたロベルト、「知っているけど、サントって伝説の人だよね」「いいや、息子よ、サントは実在したのだ」パパ、書棚の絵の裏に隠された秘密のスペースを開けます。中に入っていたのはおお、なんとサントの銀色のマスクではありませんか。パパ、「私はサントだったのだよ」ええーっ!「我が家系は代々サントを受け継ぎ悪と戦っていたのだ」ええーっ!「次のサントになるのは息子よ、お前だ」ええーっ!「私は病に侵されもはや長くない。私亡き後この」マティスが頷きます。「マティスがそなたを導いてくれるであろう」ええーっ!「しかし、サントになるということは決して簡単なことではないぞ。例えば愛する女性にだってそなたの素顔を見せてはいけない」ええーっ!ここでちょっと嫌な顔をするロベルトでした。

 いやー、代々サントの仮面を受け継いで悪と戦うサントの一族ですか。びっくりしたわー。

 はい、時は流れて十数年、立派に成長したロベルト少年はプロレスのチャンピオンとなります(大笑い)。同時に彼は弱気を助け強きをくじく正義の男になった。サントになる資格は十分だ。「さあ、今こそお父様との約束を果たす時です。あなたは正義と真実の使徒、銀色の仮面の男、エル・サントになるのです」「分かった、頼むよ、マティアス」マティアス、こちらに背を向けたままのヤング・ロベルトに仮面を被せたのでした。はい、サントの誕生です。マティアスは続けて「さあ、祖先から伝わる隠れ家をごらんに入れましょう」「おう、こちとら江戸っ子だい、何があっても驚きゃしねえぜ」、あ、仮面被ったら言葉使いまで変わりやがった。書棚のスイッチをカチッ。すると書棚ががーっと開いて地下への通路が現れます。わあ、バットマンみたい、バットケイブならぬサントケイブだ。でも予算がないから単なる地下室だ(大爆笑)。ごちゃごちゃと並んでいる電子装置を見回したサント、「あたしゃ、こんなものがあるなんてちーとも知らなかったぜ」そんなサントにマティアスはあの時計型通信機を手渡すのです。「これはお父様の発明品。高性能通信機X-アルファです。あなたはこれを使って誰とでも交信できるのですよ」

 サント、マティアスとがっちり握手して「頼むぜ、マティアス、世の平和を守るのはあっしたちをおいて他にはねえ!」翌日新聞に「プロレスチャンピオン ロベルト失踪」の記事が出て、ようやく長い長いプロローグが終わりましたとさ。

 場面は一転してアリーナへ。プロジャイアライの試合が行われております。ジャイアライとは先にカップのついたスティックを使って壁にボールを投げあうスポーツ。まあ、スカッシュを連想していただくと分かりやすいでしょう。この試合を見に来ているのがメキシコ警察のフェルナンド・ラベル刑事(フェルナンド・カサノバ)、相棒のコンラド(ロベルト・ラミレス)、フェルナンドのガールフレンド、ヴァージニア(アナ・ベルタ・ルペ)の三人組。白熱した試合が続いたのですが、見るからに怪しい男三人がマッチを使ってあからさまな合図。するとスマラカリグという選手がわざとらしい空振りをして負けてしまったのです。これを見つけたヴァージニア、「八百長よ、八百長!」しかしフェルナンドとコンラド、そんな彼女を相手にせず「そんなことあるわけがない、君の勘違いさ」で片付けちゃった。憤然とするヴァージニアであります。しかし怪しい男三人はもういかにも犯罪組織のボスといった風情のドン・コスメ(ギルモア・ビアンキ)のオフィスへ行き褒美のお金をもらって大喜び。そうヴァージニアの疑いは当たっていたのです。

 納得できないヴァージニアはモラレス編集長(ヴィクター・ヴェラスケス)に八百長の取材をさせてくれと頼み込むのですが、やっぱり「そんなの君の気のせいさ」とまともの受け取って貰えない。それどころか「そんなにスポーツの取材がしたいならサントの試合に行ってこい、あれは注目株の選手だからな」と言われてしまうという・・・。おお、上手くサントを絡ませましたね、この絡ませ上手、溶き卵だってそんなに上手く絡まないっての。

 はい、サントの試合です。ヴァージニアは例によってフェルナンドとコンラドの三人で見に行きます。そこで彼女はまた怪しい三人の男を見つけるのでした。さあ、試合が始まった。サント対フェルナンド・オセアス。どったんばったん一進一退の攻防が続きます。熱狂する観客、「サント、サント」の大コール。ついにサント、キャメルクラッチで一本。さらに盛り上がる大観衆。続いて始まる二本目、ここでヴァージニアはまたあの三人の男がマッチを使って合図を送るところを目撃したのです。一転してラフファイトを繰り出すオセアス。でもその甲斐なくサントにまたキャメルクラッチでやられちゃった。合図送っても強い奴を負けさせなければ八百長は成立しないだろう(笑)。怒った三人組、なんとセコンドのマティアスの隙を狙ってサントのタオルに毒物を振りかけたのです!しかしやっぱりヴァージニアは見ていた、彼女は叫びます。「サント、タオルを使っちゃ駄目よ、危ない」あわてて逃げ出す三人組。

 タオルを例のサントケイブ(笑)の研究室で分析したところ、ヴァージニアの言った通り強い毒物が検出されたのです。「あの人たちはあっしの命の恩人だ、この恩は決して忘れねえ」サント、お礼をしなくちゃというのでマティアスを警察署に行かせます。そしてフェルナンドとコンラドに例のX-アルファをプレゼントしたのですねえ。「おお、カッコいい腕時計ですな」とはしゃぐ二人に「いや、これは腕時計ではありません。通信機です。これであなた方はサントと何時どこででも交信できるのです」ちょっと微妙な表情のフェルナンドとコンラッド。どうせお礼をもらうならそんな訳の分からないものよりも高級腕時計の方がよかったと考えているみたいですな(笑)。

 さあ、フェルナンドとコンラドによる八百長組織の捜査が始まった。二人はまずあのジャイアライの試合場に行きスマラカリグを張り込み。それから練習を終えて出てきた彼を尾行します。そうしていきついたのが昼間から大盛況の酒場。スマラカリグ、なんとそこであの男たちと会っていたのでした。隣のテーブルに陣取ったフェルナンドとコンラッド、いや、ものすごく都合のいいテーブルが空いていたもので(笑)、男達とスマラカリグの会話に耳を済ませます。「おい、スマラカリグ、良くやってくれたな。ボスもお喜びだぜ」しかしスマラカリグ浮かない顔。男達は「また、今度やってくれねーか」しかしスマラカリグ、「すいません、もう勘弁してください」と席を立ってしまったのです。あっけに取られる男達。

 フェルナンドとコンラドはここまで聞けば十分ということで、スマラカリグを追って酒場を出ます。とそこにいたのがヴァージニア。彼女も独自に調査していたのであります。フェルナンドは彼女に「すまん、ごめん、君が正しかった。八百長やってたわ」これから三人で一緒に調べようということになったのでした。しかし、これをこっそり見ていた男がおりまして、早速酒場の男達に御注進。一人の女、二人の警察官が首を突っ込んできたことがドン・コスメに分かってしまったのです。ドン・コスメ、オフィスで部下達に「そいつらがどこの誰か調べて、分かったらずったんたんのぎったんたんにしてやれ!」そうとは知らずヴァージニアを自宅へ送り届けるフェルナンド。車でがーすか眠っているコンラドを放っておいてヴァージニアとキスなんかしております。「おやすみ、ダーリン、これはまだ記事にしないでおくれよ」「うん、分かったわ、お休みなさい」 

 ヴァージニアを送った帰り道、フェルナンドとコンラドはギャングの部下達に襲われます。ギャング達8人、フェルナンドとコンラドは多勢に無勢で苦戦するのですが、ここで風のよう現れたのがサント。彼はたちまちギャング達をたたき伏せてしまうのです。フェルナンド、荒い息をつきながら「サント助かったよ」するとサントは「いや、あっしはただのレスラーじゃないんで。正義と平和のために戦っているんでやんす」サントはフェルナンドとがっちり握手して「これからも共に悪と戦っていきやしょう。でもひとつだけ頼みがありやす。あっしの身元をさぐらねえで欲しいんで」ですってさ(笑)。ともあれ、ここにサントと警察の協力関係が成立したのでありました。

ククク、クククク、サント、「身元を探らないで」だって、ヒー、おかしい、なんじゃ、そりゃ、ハハハハハ。

 しかしギャングたちの悪行は続きます。彼らは協力を拒否したスマラカリグの殺害をもくろんだのであります。ギャング達はジャイアライの控え室に押しかけていって、トニーという選手に「やい分かっているんだろうな」ジャイアライの試合が始まりました。また客席で見ているギャング達、フェルナンド、コンラド、ヴァージニアって仕事しろよ(笑)。今回はさらに階段の上からサントがこっそり試合を覗いているという・・・。覆面レスラーが階段にいたら目だって仕方ないと思いますけど(笑)。

ジャイアライの試合は白熱、観客達は手に汗を握ります。ここでギャングの一人がまたひそかに合図を送った!トニー、頷くとスティックを振りかぶってびゅん!ああ、放たれたボールがスマラカリグの後頭部に命中したぞ(大爆笑)。スマラカリグ死んじゃった。おまけにスポーツ上の事故ということで処理されて警察も手が出せなかったのであります。しかしサントは黙っちゃいない。酒場を出てきたトニーを捕まえて「やい、おめえは一体誰に頼まれてスマラカリグを殺めたのだ、白状しろい!」夜の公園で覆面レスラーが一般人の襟首締め上げている、よく考えたら凄い絵ですな(笑)。しかしここで銃声が響いて、定石どおりトニーを口封じ。サントは歯噛みして「畜生、また手がかりが消えちまった」まあ、トニーを殺すくらいなら最初っからサント狙えというツッコミは野暮でしょうなあ。

 翌日の新聞、ヴァージニアの書いた記事、「マフィア、スポーツ八百長事件、選手二人殺さる!」が一面トップとなっております。これを読んであわてたのがフェルナンド、新聞社に電話かけて「ヴァージニア、こんなこと書いて狙われたらどうするんだ。今クラブにいるからすぐに来い!」記事を編集長に誉められて得意満面だったヴァージニアはしゅん。急いでフェルナンドと会うことになりましたとさ。これからクラブ(どういうところなのか、良く分かりません。プールがあって食事もできるような店なのですが)でどうでもいい幕間劇。フェルナンド、やってきたヴァージニアに「あんな記事を書いちゃいかん」とお説教。またその最中にX-アルファを使ってやっぱり記事を読んだサントから連絡が来るという・・・(笑)。でもサントったら「ヴァージニアを守るんだ」と言うきりであまり役にたつアドバイスとはいえませんな。それから話に飽きたフェルナンドがプールへ飛び込みます。しかしなかなか浮かんでこない、心配したヴァージニアとコンラドが探し回ると、フェルナンド、プールの底に沈んでストローを使って息をしていたという。あー、つまらねえオチだよ。

 またギャングたちの悪巧み。彼らは別のジャイアライ選手、フレディを誘ってポーカー。当然ながらフレディ嵌められて大負け。借金を作ってしまうのです。この借金、とても返せるような額ではない。ならばどうするか。「八百長しなよ」とギャングがにやにやするのですな。フレディは断固として拒否するのですが、かといって借金を返せるあてもない。ジャイアライ試合場の控え室で悩んでおりますと、いきなりサントが入ってきた。はい、ジャイアライの試合が始まります。そして変なアナウンス。「フレディ選手は個人的な都合でマスクを被って出場します」は、はぁ、するとサントがフレディと入れ替わった訳?ああ、本当にサントのマスク被った選手が出てきた。でもサントと体つき全然違う!凄く貧弱になっちゃったぞ、なんじゃ、そりゃ。それにマスクを被る個人的な都合って何なんだよ(大笑い)。当然ながら体つきがやけに貧弱なサント(笑)、八百長なんかすることなく試合に勝ってしまいます。怒ったギャングたち、控え室で体つきが元に戻ったサント(笑)に襲い掛かるのですが逆に返り討ち。みんなノされてしまいましたとさ。サントは駆けつけてきたフェルナンドたちに「こうするしかなかったんでさあ」ロッカーを開くと手足を縛られたフレディが転がり出てきます。するとサント、控え室に入るなりフレディ襲って縛り上げたのか。どっちが悪者なんだか分からないぞ。

 サントのおかげでなんとかギャングたちの誘惑から逃れることのできたフレディですが、あ、ギャング達に拉致されて殺されちゃった。どうも哀れなものであります。死体を調べていたフェルナンド、手紙を見つけて読んでみると「次はお前と彼女の番だぞ、バカヤロー」やっぱりサントが連絡してきて「ヴァージニアを守れ」とまた役に立たないアドヴァイス(笑)。そのサント、その夜プロレス試合に出場。ヨーロッパチャンピオン マックス・ストロバーク(エドアルド・ボナダ)と対戦するのです。ところがこの試合場にギャングの殺し屋がいた!殺し屋はバイオリンのケースに仕込んだライフルでリング上のサントを狙います。ズドンと撃ったら「ギャーッ」倒れました、マックス・ストロバークが(笑)。このお約束の展開はいいですなあ。これを知ったドン・コスメはもうかんかん。「お前ら、何でそうドジなの。それじゃ部下じゃなくって馬鹿ですよ」部下達、もう真っ青。

 それで何をするかというと、ようやくヴァージニアを拉致するのですなあ。もうちょっと早くやっときゃいいのにと思いますが(笑)。彼女を使ってフェルナンドをジャイアライの試合場におびき寄せて彼も捉えてしまいます。そして二人を助けにきたサント、しかし、彼はギャングたちの待ち伏せにあい、彼もまた捕まってしまうのです。サントの前ににやにやと現れたドン・コスメ、「ふっふっふ ではお前の素顔を見せて貰おうかな」だからそんな暇があったらさっさと殺せっての。ほら、言わんこっちゃない、何者かが試合場の電気のスイッチ切っちゃったじゃないか。真っ暗となって「わあ、なんだ、なんだ」慌てるドン・コスメと部下達。ぱっ、電気がつきました。「ああ、サントがいない」また電気が消えた!「わあ、またかよ」ぱっ電気がつきました。今度は捕らえて金網に縛り付けていたフェルナンドとヴァージニアが消えた!三度電気が消えて、どす、がす、べき。ぱっ、電気がついたらドン・コスメ以外の部下がみーんな倒れている。

 ここでサント再登場。彼はジャイアライのスティックを持っております。「ドン・コスメ、大人しく裁きを受けるんだ」ひゅん、スティックを振った!ボールがびゅーっと飛んでドン・コスメの頭にすこーん(笑)。「ひー」サントは再びスティックを振り下ろします。すこーん、今度は腹にボールがどすっ。「ギャーッ」三度サントがスティック振り上げたところで「もう堪忍してー、やったこと全部喋るから許して」ここに稀代の大悪党、ドン・コスメの野望は潰えたのでありました。サントはドン・コスメと部下達を警官隊に引き渡すと、カッコよく去っていきます。

 最後にフェルナンドとヴァージニアが熱い、熱いキスをかわしてエンドマーク。

モノクロ・スタンダード、このDVDも画質は非常にいいのですが、やっぱり音が小さくなる。これさえなければ私は1,000枚買うのにってねえよ、そんなに。英語字幕付。COLECCION GRANDES CLASICOSシリーズのDVD

エロの冒険者
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『サント対悪魔の頭脳』(『Santo Contra el Celebro Diabolico』 1961年)

 

『サント対悪魔の頭脳』(『Santo Contra el Celebro Diabolico』 1961年)

『サント対悪魔の頭脳』 『サント対犯罪王』 『サントと死のホテル』 いずれも1961年製作 は全54作のサント映画の中でもロドリゲス・ピクチャーズ三部作とでもいうべき特異な位置を占めております。この三部作の実質的な主人公はサントではなくメキシコ警察の刑事、フェルナンドとコンラド、そしてフェルナンドの恋人ヴァージニア、ストーリーは彼らを中心として進み、サントは彼らを手助けするという立場に留まるのであります。

そして映画の題材に超自然的な要素はまったくなくマフィアや地方の悪い実力者が主な相手となるのです。『サント・ブルーデーモン対フランケンシュタイン博士』(1974年)のごとく、相方のブルー・デーモンが敵の基地に忍び込みサント救出のために青いマスクを被ったまま敵の医者に変装するみたいな素っ頓狂さには欠けるものの、こういった地に足がついた現実的なストーリー展開のサント映画もいいかなと、え?良くないですか。

冒頭サントカーで走っているサント。逃げる悪漢の車、おお、サントのカーチェイスだと思いきや、ここでのサントはただ画面に一度でてきただけ(笑)。追っかけているのは警察のフェルナンド・ラベル刑事(フェルナンド・カサノバ)と相棒のコンラド(ロベルト・ラミレス)の車だったのであります。悪漢どもは「このままじゃ逃げ切れねえ、やっちまえ」拳銃を取り出してずどん、ずどん。ついにフェルナンドたちを振り切ってアジトの酒場に逃げ込んだのでありました。このアジトの酒場、なぜかいきなりナイフ投げのショーをやってお客様を楽しませております。

 しかしフェルナンドたちは彼らのアジトを知っていた。さっと酒場に車で乗り付けて悪漢どもが隠れている部屋を急襲したのです。たちまち起こる殴り合い。フェルナンド、コンラドは強い、強い。パンチの一振りで相手の顔面を陥没させたりキック一蹴りで相手の睾丸をぐしゃぐしゃにしたり大活躍です。ついに悪漢どもを捕らえて意気揚々と連行したのでありました。警察上司は「良くやった、後は最後の大ボスを捕まえるだけだぞ」と大喜び。しかしそこに飛び込んできたのがフェルナンドの恋人、ヴァージニア(アナ・ベルタ・ルペ)が行方不明という知らせ。新聞記者である彼女は編集長のモラレス(ヴィクター・ヴェラスケス)が止めるのも聞かず、レフィジオ・カナルス(ルイス・アチーブ・カスティナーダ)なる人物の単独インタビューに出かけたというのです。フェルナンド、驚いて「げぇっ、カナルスって行ったら悪の大ボスじゃん」これは大変だということでフェルナンド、上司の許可を得てコンラドと共にヴァージニアを探すことになります。

 カナルスが支配している町、デルリオに出発する二人。警察と知られたら大変にマズイので牛買いのカウボーイを装うことになります。そして車を使わずわざわざ馬に乗っていくという徹底ぶり。途中、二人はお葬式をしている村人に出会います。デルリオへの道を尋ねた二人に顔を泣きはらした少年が「死んだのは僕のパパだ、カナルスにやられたんだ、家も焼かれちゃった、うわーん」ウウーム、カナルス、評判に違わぬ大悪人のようですな。さて、ようやくデルリオに到着した二人。早速町に一軒きりのホテルに投宿しまして荷物も解く間もなヴァージニアを探します。女といえば酒場だということで、行ってみると本当にヴァージニアがいるのですなあ(笑)。彼女はどうやら身分を偽って酒場で働いているよう。二人をみたヴァージニア、仰天して見つからぬよう隠れるのでありました。

 そんなこととは露知らぬ二人、カウンターに陣取るとバーテンに「ドス、テキーラ、ポルファボール」(テキーラニ杯くんな)。そうしてさりげなく「あのさあ、カナルスってよくここに来るの」ところが隣の酔っ払い、アドリアン(ホセ・ロサ)がこれを聞いて怒り出しちゃった。「なに、ういー、カナルスだって、ひっく、おめえら、やつのともらちかっての、だったら俺の敵だっての、ひっく」しかしここで彼の手をがっと掴んだのはカナルスの部下ローク(ホセ・シバス・トー)でありました。「旦那の悪口を言う奴はゆるさねえ」なんだかややこしいことになったなあ(笑)。さらにこのロークを止めるフェルナンド、「なんだ、お前やるってのかよ」はい、お定まりの大乱闘。バーテンがそっとカウンター内の大鏡をはずして床に置くのは定石ですな。

 もうどっかんどっかんロークとフェルナンドに直接関係ない筈の客まで乱闘に加わって酒場は大騒ぎですよ。どうなるかと思い始めたころになんとカナルスその人が登場。彼の一声で酒場がぴたりと静まってしまうのはさすがのカンロク。カナルスはフェルナンドとコンラドに握手を求めて「いやー、どうも申し訳ない。うちの町はこんな乱暴ものばっかりではないのです。どうか気を悪くしないでください」しかしこの愛想の良さももちろん表面だけ。彼は部下をホテルへやって二人の荷物を調べさせるのでした。その間、フェルナンドとコンラドは酒場の女ラ・ジョルカ(セリア・ヴィアレス)ともう一人とで楽しい飲み会をやってます(笑)。

 部下はあっという間に彼らの荷物から警察バッヂを見つけてしまうという・・・(大笑い)。持ってくるか、フツー。ついでに「おお、これはなんだ、時計か?」「いや、違うぜ、そら、あれだ、腕時計型の通信機って奴だ、この間ボスがエージェントぶっ殺しただろ、あれも持ってたぜ」「よーし、早速ボスに知らせなくちゃ」実はこの会話、通信機を通じて筒抜けになっていたのであります。その筒抜け先がどこかというと、皆さん、分かりますか、「ええ、分かりますとも、サントでしょう」はい、そういうことです。でもこの時点ではサントは姿を見せません。電子音をたてる通信機器が映るだけです。皆さん、もう少しお待ちくださいね。

この腕時計通信機、名前をX-アルファと申します。フェルナンドは『サント対犯罪王』でサントを助けたお礼にこれを貰ったのであります。

 依然として酒場で飲んでいるフェルナンドたち。ジョルカに「俺達いとこのヴァージニアを探しているんだ、君達、知らない?」「うーん、そういえば新入りの娘がいるけど、ヴァージニアって名前じゃないわ、アマリアっていうのよ」ジョルカはちょっと複雑な表情で「もうアマリアはカナルスとちんちんかもかもね」ここでようやく腰を上げるフェルナンドとコンラド。コンラドは「もっと飲みたいよー、女と喋りたいよー」と駄々をこねるのですが、フェルナンドに無理やり連れ出されてしまいます。

 さあ、ここでようやくサント登場。実に巻頭から24分、満を持しての登場ですな。彼はさっきの会話の録音を執事たるマティアス(アグスト・ベネデコ)と聞いております。サントは「これはいけねえ、フェルナンドたちが危ない」と呟くのでした。。


 どうなるのかと思ったら舞台は再び酒場へ。個室でカナルスがヴァージニアをがんがん口説いているという・・・。「俺はのう、この町で一番偉いんじゃけんのう、ホテルもこの酒場もみんな俺のもんじゃけんのう、贅沢させたるでー」キスされそうになるのですが、幸い、ここに二人の荷物を調べていた部下が駆けつけてきて「旦那、あいつら警察ですぜ」「そりゃ、いかん」ということで部下と一緒に出て行くカナルス。ヴァージニア、ホッとします。でもこの調子だといつ取材できるか分かりませんな(笑)。

さあ、帰ろうかという時にジョルカがテキーラの壜片手に「今日はぱーっと行こうじゃん!」ヴァージニアは早く帰りたいのですが何しろジョルカの家に居候させて貰っている身なので付き合う他ないのであります。テキーラをがぶがぶと飲んだジョルカ、「あたしゃねえ、8歳の子供を捨てちゃったんだ、そうしてこの酒場に流れてきたんだよ」と聞かれもしない身の上話。しかもずーんと重いの。「でも、あたしはカナルスが好きなんだ、でもあれはあんたを」隣の席でギターの伴奏で男が歌いだします。良く分かりませんが「メキシコシティに帰る列車降りたときからグアダラハラは雪の中」とかそんな歌詞なんでしょう。これを聞いて感極まったジョルカ、うわーっと泣き出すのでした。やれやれ。

 ホテルへ戻ったフェルナンドとコンラド、スーツケースの鍵が壊されているのを見つけて大騒ぎ。「大変だ、X-アルファはあるか」これが無事だったことを知ってほっとする二人。フェルナンドはその腕時計型通信機を使って「サント、どうぞ、サント、どうぞ」「はい、モシモシこちらサント」サントが答える訳です。フェルナンドは「俺達は今デルリオにいる。ヴァージニアを探しているんだ。僕達を助けてくれないか」「ようがす、すぐそっちへ向かうぜ」、二つ返事で引き受ける僕らのサント!「だけど気をつけてくんな、おめえたちの正体、すでにばれてるぜ」でもこれはサント映画ですから出かける前にプロレス会場にて一試合(笑)。

 フェルナンドとコンラドはベッドに毛布でいかにも寝ているようなふくらみを作って待ち伏せします。すると飛んで火にいる夏の虫、のこのこ部下が二人、ナイフをもってやってくるんだ、これが。二人は同時にナイフをぐさっ、「ああ、騙された」って見りゃ分かるだろう(笑)。そこに襲い掛かったのがフェルナンドとコンラド。どたんばたんまた殴り合いです。あ、コンラッド殴られて昏倒しやがった。あ、でも殴った奴、逃げちゃうの。どうしてこのチャンスに殺さないんだ(笑)。一方フェルナンドはもう一人の部下を抑えて「やい、お前をよこしたのはカナルスだろ、白状しろ」すると窓の外からナイフが飛んできてぐさぁっ。部下は死んでしまいます。はい、お約束の口封じ。

 フェルナンドとコンラド、部屋の外へ飛び出すのですが、ここへどやどやと押し寄せてきたのがロークたち。多勢に無勢でおまけにロークたちはライフルを持っています。こりゃ適わないやということでフェルナンドとコンラド大人しくつかまってしまいましたとさ。なんかナイフの部下なぞ使わず最初っからこうしておけと思うのですが(大笑い)。それにフェルナンドとコンラド、ロークがカナルスの部下であることを知っているはず、つまりあの口封じ、何の役にも立っていないのです。

さあフェルナンド達大ピーンチと思ったらば、はいいきなりサントが登場。ホテルの二階からジャンプ!して悪漢どもに襲い掛かるのでした。サントがこのホテルへやってくる場面は一切なし、それになにより一階のロビーは悪漢どもとフェルナンドたちがいるのにサントどうやって二階に上がったのか(笑)。これからしばらくどったんばったんと戦いが続きます。しかし悪漢たち、ロークをはじめとしてみーんなノサれちゃった。サントたちはこの隙にさっさと逃げてしまうのです。ここで馬に乗ってカナルスと手下たちが到着。だから口封じになってねーっての(笑)。彼は伸びていたロークを揺り起こすと「一体どうしたというのだ」「旦那、刑事どもは逃げました。サントって奴が助けたんで」「なに、サントとな」抱き起こしていたロークをぱっと話して立ち上がるカナルス。ロークはまた頭を床にぶつけて失神します。「サント、あの銀色の仮面の男か」

 翌朝騒然としているデル・リオの町。カナルス一派がフェルナンド達を探して町民の家を家捜ししているのです。そこに馬で現れたのは髭の男が二人。んーと良く見てみますとこれはフェルナンドとコンラドだ。付け髭して変装しているつもりなんです、この二人(笑)。この変装が功を奏したのか、小さな町だからよそ者が二人現れて目だって仕方ないというのに誰も気がつかない。フツー気がつくだろう(大笑い)。フェルナンドとコンラド、大胆にもまた酒場へと乗り込みます。フェルナンドはアマリアがヴァージニアではないかと考えていたのでありました。二人はまたあのジョルカたちとビールをぐいぐい。まだ午前中というのにいい気なものですな。フェルナンドは早くも顔を赤くして「ねえねえアマリアって娘はまだ来ないの」「んー、もうちょっと待っててね」するとここで思いもかけぬお客さん。あのロークたちが来たという・・・。こいつらもテーブルに陣取って「テキーラ、ポルファボール」もう酔っ払いばっか。

 そうしてみんながぶがぶやっております。しかしフェルナンド、一生の不覚。彼はなんと腕につけていたあのX-アルファをロークの部下に見られてしまったのです。変装しているのに刑事のシンボルたるX-アルファをそのまんま身に着けている。どうも間抜けなことで嫌になります。フェルナンドとコンラドはロークたちに捕まりあっという間に付け髭をむしられてしまいました(笑)。はい、そのままカナルスの屋敷に連行されてしまいましたとさ。さあ、張り切るカナルス、「お前ら、何をしにきた」ロークから受け取ったX-アルファをチラつかせて「おい、これはどうやって使うんだ」ここで機転を利かせたコンラドが「おい、ここはカナルスの屋敷か、俺達捕まえてどうするんだ」この会話をサントがサントカーの通信機で聞いているという・・・。サント、「剣呑、剣呑、いそがにゃならねえ」サントカーに飛び乗ってカナルスの屋敷を目指すのでした。

 一方フェルナンドとコンラドは拷問室に連れて行かれて苛烈な拷問を受けております。紐を額にぐるりと巻きつけて棒を差し込みぎりぎりと締め上げていく、地味な拷問(笑)。ぎり、ぎりぎりぎり、「どうだ、早く白状しろ」ぎり、ぎりぎりぎり、「お、」フェルナンドが「俺たちゃ孫悟空か」「ウハハハハ、苦しかったら本当のことを話すのだ」がくっ。フェルナンドとコンラドは失神してしまいました。カナルスは部下にバケツの水をぶっかけさせます。二人が意識を取り戻したらまたぎり、ぎりぎりぎり。本当に地味な拷問だよなあ。

 ここでジョルカ達から二人のことを聞いたアマリアことヴァージニアが屋敷に飛び込んできたのです。止めに入った部下を押しのけて拷問室に突進してきたヴァージニア、ぐったりしているフェルナンドを見て「ああ、フェルナンド」あ、この馬鹿女、本名ばらしやがった、せっかく拷問に耐えていたのにぜーんぶ無駄にしやがった(大爆笑)。「ウハハハハ」カナルスは大喜びです。「よし、後はこのヴァージニアちゃんから聞こうじゃないの。おい、お前ら、この二人は始末しなさい」この時ようやく到着したサント、見張りを倒して屋敷に潜入するのですが・・・。

 と思ったらロークと部下たちがフェルナンドとコンラドを外に連れ出しているぞ。馬で処刑場所の谷に向かっているぞ、屋敷に潜入したサントの努力が台無しじゃないですか、どうも口封じが台無し、拷問に耐えたのが台無しと台無しづくしの映画ですな。サントはどうしているのかというと、ちゃっかり馬に乗ってロークたちを追っかけている。馬をどうしたのかなんていう説明は一切なし。男らしい(笑)。さあ、谷に到着しました。ローク、フェルナンドとコンラドを馬からおろさせて「ウハハハハ、この谷底に突き落としてやる。死体も上がらないぞ」 いきなりフェルナンドに殴られます(大爆笑)。あっさり反撃食らってどうする。

さらにサントも到着してまたまただらだらとした戦いです。サント、悪漢の一人をぐいと持ち上げるとそのまま谷底へぽい。「ギャーッ!」また一人捕まえるとまた谷底へぽい。「ギャーッ!」もひとり捕まえてこいつも情け容赦なく谷底へぽい。「ギャーッ!」ついに悪漢どもは全滅してしまいましたとさ。あ、いや、たった一人レナトという奴が逃げました。彼は屋敷に戻って「おら、ええやろ、させんかい」とヴァージニアを追っかけまわしているカナルスに御注進、「旦那、旦那、サントが来ました。奴はタイガーです、悪魔です、とってもかないません」「なに、サントとな」仰天したカナルス、ヴァージニアと有り金持って部下見捨てて逃げちゃった。

 ヴァージニア助けにまた屋敷に潜入するフェルナンド、コンラド、サント。待ち伏せていた部下たちに囲まれるのですが、カナルスを呼びに行こうとしたレナトが「あー、ボス、逃げちゃった」これで部下達はあっという間に戦意喪失。三人にノサれてしまうのでした。フェルナンドはレナトの腕をねじりあげると「おい、カナルスはどこに逃げるのだ」「ボスは川のそばの飛行場へ行きました。そこから飛行機で」レナト、なぜかボスの逃げ方に詳しい(笑)。それってんでサントはサントカー、フェルナンドとコンラドは駆けつけてきた地元警察から借りた車でカナルスを追いかけるのでした。

 さあ、カナルス、サント、フェルナンドのカーチェイスになるかと思いきやカナルスあっさり空港に着いちゃった。同乗していたパイロットに手伝わせてヴァージニアを飛行機に押し込みます。そしてエンジンかけてプロペラ回して発進、間に合わないかと思ったところでサントも登場。彼はサントカーから飛び降りると飛行機に向かって走る、走る。あ、尾翼掴んだ、そして足を都合よくたっていた杭に絡ませて、おお、凄い、サント、飛行機を力づくで止めたぞ(大笑い)。「なんだ、なんだ」とあせるカナルスとパイロット。この時ようやくフェルナンドとコンラドが到着。二人は飛行機に駆け寄るとカナルスとパイロットを引きずり出して殴る蹴るの乱暴です。どてぽきぐしゃっと音がして二人は伸びてしまいましたとさ。

 さあ、エンディング、涙ながらにフェルナンドにしがみつくヴァージニア、「ああ、ダーリン、心配かけてごめんなさい。私をぶって、あなたを危ない目にあわせた罰よ」するとフェルナンド、ヴァージニアを横抱きにしておいおい、お尻ぺんぺんかよ。この奇妙な光景を尻目にサントカーで走り去るサント。エンドマーク。

敵味方ともやることなすこと間抜けなことばかりですが(笑)ラストのサント大活躍で許しましょう。セスナをがっと掴んで止めてしまうサント、ああ、カッコいいなあ。

モノクロ・スタンダード。画質は良し。しかし台詞の録音が悪く、時々ヴォリュームが落ちて聞こえなくなるのには参りました。英語字幕付、COLECCION GRANDES CLASICOSシリーズのDVD

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『サント対悪のマフィア』(『Santo Contra la Mafia del Vicio』 1970年)

 

『サント対悪のマフィア』(『Santo Contra la Mafia del Vicio』 1970年)

 悪のマフィアってマフィアは悪いにきまっとるわというタイトルですな(笑)。この映画ではサントがレスラーとシークレットエージェントを兼任していることになっております。そんなありえない設定をつらりとやってしまう、これもサント映画の魅力でありましょうか。

 巻頭いきなり海に面した岩の上で男が歌っております。下のほうでは歌に合わせてくねくね踊るビキニの美女。あ、あれ、サントもいるぞ、一体何をしているんだ、あんたら!実はこの映画のサント、おそらくメキシコ湾沿岸のリゾート地で休暇を過ごしているという設定になっているのです(笑)。サントはいつものマスク姿でビキニの美女たちと泳いだりいちゃいちゃしたり美食を楽しんだりしている訳ですな。さあ、その間もえんえん歌い続ける男。スペイン語なので歌詞は分かりませんがおおかた「メキシコ良いとこ、一度はおいで、テキーラは美味いし、セニョリータは綺麗だ、ワッワッワッワー」とかいうのでしょう。

 このなんとも言えない能天気なオープニングが終了してようやく本編の開始。いきなり建物が爆発します。そして湧き上がる激しい火炎。何者かに放火されたようです。この事態に怒ったのがメキシコ警察の署長さん。並んだ部下たちに「お前ら、一体全体何やっとる、これで薬品工場の放火は五件目だぞ、それなのに未だ手がかりが何もないとはどういう訳だ。お前らとっとと捜査に行け!今度は手がかり掴むまで戻ってくるな!」ぞろぞろと部屋を出て行く部下の皆さんです。ここで署長、最後の一人になったウルティア警部(ハリー・ゲイナー)を呼び止めて「おい、待て、お前には特別の任務を与える」署長はウルティアに手紙を渡して「お前、サントを見つけてこれを渡せ。そしてもう休暇は終わりだと伝えるのだ。あ、それからな、お前、この件が片付くまでサントの相棒になれや」

 場面はプール付の豪邸に変わります。プールサイドで金髪美女エルサ(エルサ・カルディナス)といちゃついているのがマフィアのボス、フィデル(ダゴベルト・ロドリゲス)であります。彼があの放火事件の黒幕だったのであります。その彼に届けられる電報、中を開いてみますと「来週LAよりマーベル・ムーン来る、彼女は学友、クラブ、ブラックパンサーのダンサー、パトリシア・フェロウと邂逅せり、用心せよ!」ここでフィデルが部下のサルジオ(フェルナンド・オセス)に次の仕事の指示をしている隙にエルサが電報を盗み読んだと思われる場面が挿入されるのですが、これが後の伏線になっているのでありますな。

 さてウルティア、リゾート地に行きまして、水上スキーの美女をこれまた美女二人をはべらせたモーターボートで引っ張っているサントを発見します。暑い中、わざわざメキシコシティからやってきたのにサント、あんなことしてやがる。ウルティア、ちょっとムッとしております(笑)。あ、サント、美女とキスしてやがる、さらにムッとするウルティア。しかし、彼もプロ。そんな感情を押し殺してサントと食事、署長の手紙を渡すのでした。サント、海老をむしゃむしゃやりながら「はは、これであっしのお楽しみも終わりか。よし、さっそくメキシコにもどるでやんす」

 ちなみに、この警察署、国際的麻薬組織から大量の麻薬を押収したばかりだったのであります。あの放火事件はその報復だと言う訳。

 夜になりまして、はい、クラブ・ブラックパンサーであります。また男の歌手が歌います(笑)。スペイン語なので歌詞は良く分かりませんがおおかた「テキーラが飲めるテキーラが飲めるテキーラが飲めるぞ、1月は正月でテキーラが飲めるぞ」とかいうのでしょう。この歌の間、テーブルで仲良く話しているのが電報の女、マーベル・ムーン(マーベル・ルナってそのまんまかよ)とブラックパンサーのダンサー、例のご学友、パトリシア(パトリシアってこっちもそのまんまかよ)であります。二人は昔話に花を咲かせていたのですが、男の歌が終わりそうになったところでパトリシア、「じゃ、次は私の出番だから」ここで新たなお客が入ってきます。あ、あれは部下一人を連れたフィデルとエルサじゃありませんか。

 パトリシアを含めた8人の女、男1人のダンスが始まりました。フィデルは部下に「お前、ちょっとあのマーベル・ムーンをナンパしてこいや、それで外に誘い出せたら好都合じゃ」部下はうなずいてマーベルのテーブルに行き「お嬢さん、一杯テキーラをいかがですかな」でもあっという間に嫌われて追い払われてしまいましたとさ(笑)。仕方ない、それじゃ強行策だということでフィデルの部下が深夜にパトリシアのアパートメントを襲います。ベッドに寝ている二人の女を棒っきれでぼかぼかやって失神させマーベルを拉致してしまったのです。

 場面変わってもう次の日(笑)。パトリシアは警察署で署長さんに「マーベルを早く助けてください」と訴えております。傍らにはなぜかサントが腕組して立っているという・・・。一応署長さんは「私らがマーベル助けますから」と約束するのですが、どうにも頼りなさそうな表情。そしてサントがパトリシアを車で送っていくことになります。マーベルを心配して今にも泣き出さんばかりのパトリシア、「彼女はメキシコにきたばかりよ、誰も彼女のことを知らない筈なのに、どうして誘拐なんかされたの」サントは「お嬢さんはさっきおっしゃっていたじゃあありませんか、マーベルお嬢のおじさんは化学薬品工場を経営しているアメリカ人の大金持ちだって、あっしはそれが関係していると思いやすぜ。ま、とにかくあっしはインターポールにコンタクトをとってみます。誓ってマーベルお嬢は助けますから大船に乗った気持ちで安心しておくんなせえ」

これで別にインターポールが関係してくる訳じゃないのですが(笑)。

 一方フィデルの豪邸に囚われているマーベル。なぜかエルサと同じくビキニ姿で(笑)プールサイドで日光浴。エルサは「ここから逃げようなんて考えないことね」と彼女に説教します。そして「あなたの叔父さんがメキシコに来るわ。あなたを助けるためにね」憮然とするマーベルであります。ここででてきたフィデル、エルサに「お前、サントに会いたくないかえ?」エルサは驚いて「ええっ、サントってあのプロレスのチャンピオンでシークレットサービスのエージェントでしょ」私も驚くわ(大笑い)。シークレットサービスのエージェントって全然シークレットじゃないじゃん!フィデルはうなずいて「明日、サントの試合があるのじゃ」はい、恒例のサントの試合でございますね。

 さあ、黒マスクのレスラーと戦うサント。リングサイドにはフィデルとエルサ、その部下たちが陣取っております。あれ、パトリシアもいるぞ、お前、マーベルのこと心配じゃないのかよ(笑)。ここから延々とプロレスの試合が続いて、まあ、サント映画ですからサントが負けることなどありえず、黒マスクを押さえ込んでカウント3、見事勝利を収めます。試合後、控え室で着替えようとするサント、するとやってきたのがスポーツ誌の取材を装ったフィデルの部下達。用意のいいことカメラまでもってやがる。「サントさん、一枚写真いいっすか」「ようがす、一枚といわず何枚でもお撮りなせえ」カメラを構える部下。シャッターを押すと、ぷしゅーっ。ああ、シビレ薬が噴出したぞ。あっと口を押さえるサント、それっと飛び掛ってきた部下たちと戦うのですが、次第に薬が効いてきてああ、失神しちゃった。部下たちはサントを試合場の外に連れ出しやっぱりフィデルの豪邸へ拉致してしまったのであります。

 ここで明かされるフィデルたちの恐るべきたくらみ。彼は部下の一人、フェルナンド・バルガスにサントと同じ覆面を被せて偽サントにしたのであります。そして彼をスパイとして警察へ送り込もうとしていたのでした。「本物のサントはぶっ殺す」フィデルはブッソウなことを言います。「彼奴めが麻薬押収に協力した時から彼奴の死刑は決まっていたのじゃ!」地下牢に叩き込まれるサント。しかし彼は失神した振りをして彼らのたくらみをすべて聞いていたのです。サントはフィデルたちが立ち去るやいなやぱっと起き上がって牢屋の鍵に棒状の器具を押し付けます。これがしゅーっと燃え上がってあっという間に鍵を焼ききっちゃった。牢を脱出したサント、マスクを被ったままうろうろしている偽サントに襲い掛かりのしちゃったのであります。サントは偽サントを牢屋へ叩き込んでしまいました。サルジオがやってきて地下牢の偽サントをずどんずどん。そしてむごいことに死体をごうごう燃え盛る暖炉に放り込んで燃やしちゃったのです。ああ、ひでぇなあ。こうしてサントは偽サントに化けて敵組織への潜入を果たしたのでしたって、行き当たりばったりの展開ですなあ(笑)。

 偽サントに化けたサントはって、ああややこしい、フィデルによってエルサに紹介されたりしています。一方、叔父さんがメキシコにやってくることを信じようとしないマーベル、「そんなね、叔父さんはね、ここに来て身代金を払うほど馬鹿じゃないわ」それがこの後すぐに叔父さんのムーン博士(ヴィクター・ジャンコ)やってくるんだなあ(笑)。「ああ、叔父様」「おお、マーベル、無事だったのかい」ひしと抱き合う二人。しかし、なんということでしょうか、実はこのムーン博士こそがマフィアの大ボスであったのです。わざわざ姪を誘拐させたのはどういうことなのか、いまひとつ分かりませんけれども。

 ムーン博士は身代金の相談をするといってフィデルと別室へ。そこで態度をがらりと変えて「お前、この前の失敗が組織でも問題になってるからな、今度失敗したらぶち殺してダイチョー引きずり出す」真っ青となるフィデルです。

 あせったフィデルはパトリシアの殺害を計画します。この先この女が邪魔になると考えたからなのですが、だったらマーベル拉致する時にどうかすりゃ良かったのに(笑)。サルジオと三人の部下はまたクラブ・ブラックパンサーにお出かけ。踊るパトリシアを見ながら「ばらばらにするには惜しい女だぜ」三人の部下は楽屋に潜入、爆弾を15分後にセットするのでした。と、ここに突然飛び込んできたのが黒覆面の男、体つきから顔を隠したって丸分かりですけれども(笑)。男は三人に襲い掛かって殴る蹴るの乱暴、彼らを昏倒させてしまうのです。来たときと同じように風のごとく走り去る男。えっ、爆弾そのままなの?

 ステージが終わったパトリシア、最前から彼女をにやにや眺めていた男、ウルティアに食ってかかるのでした。「あなた、私の後をつけているわよね、美容院でもレストランでもあなたを見たわ、あれでしょ、私がダンサーだから、安いダンサーだから簡単にヤレると思ってつきまとっているんでしょ」何もそこまで言わんでもと思いますが。驚いたウルティア、仕方なく警察のバッヂを取り出して「私はあなたのボディガード、サントに頼まれたのさ」するとパトリシア、がらりと態度を変えまして「あら、警察の人なの、よく見たらいい男ねえ」なんだ、お前は(笑)。ここでついに爆弾がどかーん。昏倒したままの三人、ばらばらになってしまいましたとさ。

 さあ、パトリシア、ウルティアが命の恩人になった。ウルティアも「僕も君のことを愛しているんだ」とか言い出しまして、ついにキス。ぶちゅぶちゅぶちゅちゅちゅー。なんなんだかなー。

 一方フィデルはもうカンカン、うなだれている部下たちに「お前らはなんでそんな失敗するの、それじゃ部下じゃなくって馬鹿だっての!、チクショー、パトリシアめ、生まれたことを後悔するような目にあわせてやる!」こんなブッソウなことを言われているとは露知らず(笑)。パトリシアはウルティアと爛れた愛淫生活。ベッドでパトリシアが目をさますとウルティアが「おはよう、お寝坊さん」と朝食を持ってくるのであります。そうして朝飯前に「ああ、愛している」「ああ、私も」ぶちゅぶちゅぶちゅちゅちゅー、暑苦しいキスを交わします。

 さて、そろそろ叔父さんの様子がおかしなことに気がついたマーベル、ムーン博士に「叔父様、もう身代金は払ったんでしょ。だったらフィデルは何故私達を解放してくれないの」「マーベルや」ムーン博士は世にも苦しい説明。「実は身代金は現金で払ったんじゃないんだ。小切手を使ったんだよ。だからそれを現金化したら解放してくれるさ」なんじゃ、それは(笑)。一方フィデルの部下フェルナンド・バルガスが化けた偽サントになりすましたサント、ああ、ややこしい、懐中電灯もってエルサの部屋を調べております。机、棚、あちこちあさっているうちに、見つけたぁ、エルサの身分証明書。開いてみると、シークレットエージェントなんて書いてある。ああ、やっぱりエルサはわれわれの味方だったのか。

でもわざわざそんな身分証、潜入捜査先に持ってくるなあ(大爆笑)。ここでエルサ戻ってきます。サントはさっとクローゼットの中に身を隠すのですがエルサは鏡で彼を見つけてにやり。いや、エルサはサントが本物のサントとは知らない筈なんですけどねー。あくまでフェルナンド・バルガスの偽サントと思っている筈なんですがねー。エルサは知らん振りをしてベッドへ。サント、彼女が電気を消したのを見計らってそっと部屋を出たのでありました。

 ウルティア、パトリシアを実家のママに預けます。いつまでも彼女をアパートメントに置いていては危ないからでしょう。しかし、ウルティアママったらパトリシアにいきなりこんな話をするのです。「あなた、息子を愛してくださっているんでしょう」うなずくパトリシア。しかしママ「おやめなさい、悪いことは言いません、今のうちに別れなさい」激しくズッコけるパトリシア。ママは続けます。「私の夫、ウルティアの父ね、も警察官だった。彼は十回目の結婚記念日の後に悪漢に殺されたのよ。息子も夫のようにならないとも限らない。あなたを私のような目に合わせたくないの」こんな重い話を聞かされてずーんと落ち込むパトリシア(笑)。

 舞台はフィデルの屋敷に戻りまして、いきなりサルジオがマーベルに襲い掛かります。「ええやろ!させんかい」「ひーっ」ここに飛び込んできたのが黒いフード被ったサント。サルジオとどっかんどっかん取っ組み合い。サルジオ、たまらず懐からピストル取り出してズドン、ズドン。「こりゃいけねえ」サント、フードを毟り取ってわざわざ銀色のマスクを露出させて逃げるのであります。なんとも不可解なサントの行動ですが、これに気がつかないサルジオやフィデルも間抜け。サント、エルサの部屋に逃げ込んで匿って貰うのです。ピンチを脱したサント、エルサにあの身分証を返してぶちゅぶちゅぶちゅちゅちゅー、キスするのでありました。ああ。

 どうもだらだら話しが進んで困りますが、ついにフィデル、麻薬の奪回作戦を発動させます。彼は集まった部下達に「サントの情報によると」おめーもサントって呼ぶなよ、あくまでもフェルナンド・バルガスだろうがよう(笑)。「警察の奴らは森の中で麻薬を燃やして処理するようだ、そこを襲うのだ」麻薬の処理なんてわざわざ森の中でやることか(笑)。警察の中で処理しろと思うのですが、実はこれが作戦。フィデルたちにわざと麻薬を奪わせて証拠にしようというのですな。サントはサルジオ以下三人を引き連れてこの処理現場に向かいます。そして麻薬に火がつけられた!この時サントたちは警察官たちに襲い掛かってまんまと麻薬を奪ってしまったのであります。

 サントに殴り倒された警察署長さん、病院のベッドでニヤーッ。

 さあ、麻薬は奪い返した。もうこれで仕事は終わった。ムーン博士はフィデルに「わし、もうヨーロッパに戻るわ。マーベルも連れていって」ここで彼は壮絶な笑みを浮かべます。「あれは私の手で殺す」部屋の外でサントが立ち聞きしているという・・・(笑)。サント、サルジオに見咎められると、「いえね、あっしはボスのガードをしていたんで」そんな言い訳に騙される訳もなくサルジオ、サントを疑い始めるのでした。もうぐずぐすしちゃいられない。エルサはマーベルに自分の正体を明かします。叔父さんの真実の姿も話したのでマーベルびっくり仰天。さらにサントがやってきて「今夜、とっとと逃げちまいましょう」サント、無線機を取り出して「今夜ダックを逃がす。セクター24、地図のZZZ地点、座標は8-16」ウルティア、この暗号通信を聞いて「よっしゃ、今夜、サントとマーベルを助けるぞ、パトリシア、君は危ないからママといろ!」しかし、パトリシア、頭を振って「いいえ、私、あなたと行くわ、あなたと離れたくない」んー、単純にいって仕事の邪魔ですな(笑)。

 夜になりました。サント、エルサとマーベル連れて屋敷を抜け出します。マーベルに見張りもついていないのですな(笑)。それでとっとと逃げ出すのかと思いきやなぜか地下の倉庫へ。雑然とした荷物の中で何かを探し始めます。あ、サルジオだ、サルジオが赤外線暗視装置をつけて、何、暗視装置ったって唯の大きなメガネなんですけどね、彼らの後をつけているぞ。そうとは知らぬサントたち、探していたもの、麻薬を見つけて「ほら、これだ、動かぬ証拠だぞ」でも飛び出してきたサルジオに「やい、手を上げろ」とピストル突きつけられる訳ですよ。サルジオ、「サント、お前、そのマスクを脱げ、何かしようとしても無駄だぞ、おれは赤外線暗視装置でみているからな」なんでマスクを脱がせようとするかなあ(笑)。サント、マスクを脱ぐふりをして、しゃっ、あ、何か燃えるものをサルジオに投げつけた。彼がひるんだところに飛び掛ってまた取っ組み合い。さらにエルサがピストルで加勢すると、サルジオ、こらたまらんと逃げ出してしまいましたとさ。しかし、彼は外にでるとみんなを呼び集めサントたちを倉庫に閉じ込めてしまいます。さらに毒ガスを注入して、「やい、サント、おとなしくでてくるのだ」

 フィデル、ムーン博士もやってきて「サントがでてきたら問答無用に射殺せよ!」部下達が扉に駆け寄って鍵を開けようとします。他の奴らは銃を構えて・・・、サント絶体絶命の大ピンチ。しかしここでようやく警察が駆けつけてきたのです。たちまち巻き起こる激しい銃撃戦。サントはその隙をついて扉を蹴破りあわてた部下たちと取っ組み合い。この状況下でそんなことしてたら絶対撃たれると思いますが(笑)。ウルティアもパトリシアとともに駆けつけてきて、銃撃戦に加わります。しかし、顔面に銃弾を受けて倒れ付すウルティア、パトリシアは悲痛な声で「ウルティア!」しかし、この二人の出番はこれでおしまい。後はまったく出てこないという・・・、いい加減なものでありますな。あのママの悲しい告白は一体何であったのか。

 そして次々に撃たれる悪漢たち。フィデルもムーンも撃たれて絶命します。叔父さんが撃たれてマーベル、大ショック?いえいえ、彼女もこの後ぱたりと出てこなくなるから関係ありません(笑)。これでとにかく事件は解決したということになってしまうのです。

 さあ、ラスト、あのリゾート地のレストランでエルサと食事しようとしているサント、彼はウェイターに「オクトパスとライスくんな」タコ飯かよ(笑)。そうしてエルサといちゃつこうとするのですが、いきなりエルサの同僚がやってきて「エルサ、香港で新たな任務だ。すぐに出発してくれ」エルサは呆然としているサントに「私達、こういう運命なのね、またどこかで会いましょう」あー、行っちゃった。取り残されたサント、憮然としますがここでレストランに入ってきたのがこの映画の冒頭でいちゃついていたセニョリータ二人。サント、エルサのことをマッハのスピードで忘れて二人といちゃつくのです。

 さらにまたまたモーターボートで水上スキー引っ張ってる。水上スキーが好きだね、この人ァ。しかしサントのところにもエルサと同じく別のボートが寄ってきて「サント、また新しい任務だよ」綺麗なオチがついたところでエンドマーク。

ラストの銃撃戦のいい加減さがいい味だしてます。フツー、映画の中でそれなりに活躍していたキャラクターが脇役とはいえ撃たれてそのまんまというのはあり得ないですよ(笑)。

 カラー・スタンダード モノラル音声。思いがけないほど画質がいい。そりゃあ古い映画でしかもメキシコ映画だから画質の悪い箇所もあるけれど全体としてサント映画とは思えぬ品位の高さ。デジタルレストアの霊験アラタカというところでありましょうか。絵英語字幕付 COLECCION GRANDES CLASICOSシリーズのDVD

エロの冒険者
       HOMEPAGE http://homepage3.nifty.com/housei/
      SFシネクラシックス 輸入DVDでみるSF黄金時代(笑)

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『サント対ゾンビ軍団』(『Santo Contra Los Zombies』 1961年)

 

メキシコを恐怖のどん底に陥れるゾンビ軍団、我らがサント、これに完全と立ち向かわん!という映画ですが、この場合のゾンビとは、おっさんゆっくり歩かせるだけでゾンビの出来上がり、特殊なメイクや衣装がいらないから安上がりでできますわ、というぐらいの意味です。あまり期待してはいけません。

うわー、これは画質が綺麗なDVDだなあ。例によって冒頭からプロレスの試合なのですが(笑)会場の黒が浮くことなくまたへんなノイズも少ない。そりゃあ最新ハリウッド映画なんぞとは比べ物にならないけれども、サント映画にこのクオリティは十分すぎるほど。英語字幕だってちゃんとついているし、ああ、私は良いDVDを買った。

 てなことを述懐しているうちにですな、サントの試合(タッグマッチ)も佳境であります。しゃっと相手をマットに叩きつけすばやく覆いかぶさって見事なフォール。レフェリー、サントとパートナーの手を高々と上げる。ここでタイトルでます。そしてオープニングクレジット。さあ、いよいよ映画本編が始まるぞと思ったらああ、今度はサントのミドル級タイトルマッチだ、またプロレスかよ(大笑い)。相手はブラックシャドウ、彼もなかなかの実力者でサントとの戦いは一進一退の展開、観客の熱狂はいや増すばかりです。あっ、サントがブラックシャドウの一瞬の隙をついてキャメルクラッチ。ブラック・シャドウたまらずギブアップ!

 サントの戦いに異様に喜んでいる男が一人。「それ、サント、やっちまえ、さすがだ、強いぞ、サント」ここに二人の男女がやってきましてこの男を見つけます。「あ、あいつめ、やっぱりここにいたぞ。あいつはプロレスが三度の飯より好きだからなあ」実はプロレス好きの男はロドリゲス(ジェイミー・フェルナンデス)と言いまして泣く子も黙るメキシコ警察の警部さん。二人の男女はロドリゲスの同僚でサべージ(アルマンド・シルベストリ)、イザベル(イルマ・セラノ)、彼らは上司に言われてロドリゲスを呼びにきたのであります。ロドリゲス二人の顔をみてげっそり。「もう一番いいところなのに、行きますよ、行けばいいんでしょ」彼らが立ち去った後、サント、あっさりブラック・シャドウをフォール。勝利を収めます。

 さて、警察署に戻ってきたロドリゲス、上司アルマダ(デゴバルト・ロドリゲス)によってグロリア・ラザフォード(ロレーナ・ヴェラスケス)という妙齢のお嬢さんに引き合わされます。彼女の父であるラザフォード教授が突然失踪してしまったというのです。ロドリゲスは以前教授の教え子だったことがあり、その縁でグロリアが頼ってきたという訳。「彼はハイチから戻ってきたばかりでしたの。そして父は二週間前に次の本を書き上げたのですが、その原稿を持ったままいなくなってしまったのです」うわーっと泣き崩れるグロリア。ロドリゲスは「むむっ、ハイチ、ということは教授はゾンビについて研究していたのでは」はい、ハイチと来たらゾンビ、この短絡的なところがいかにもサント映画(笑)。とにかくロドリゲス、イザベル、サべージの三人は教授の自宅に行って手がかりを探すこととなりました。

 それから6時間、教授の書斎で書類をひっくり返して調べたのですが手がかりなし。さすがに疲れたロドリゲスたち、今日は帰って屁ェこいて寝よう、明日からまたがんばろうということになります。ここでまた新たな登場人物、教授の兄、つまりグロリアの叔父であるハーバート(カルロス・アゴスティ)。彼は数年前鉱山の落盤事故で盲目となっております。そんな彼に付き添うのが執事のロジャー(ラモン・バガリーニ)。ロドリゲス、何を考えたか弟を心配して眠れない様子のハーバートに「私たちは医学生です」そんなトウのたった医学生がいるかと思いますけれども(笑)。グロリアはびっくりするのですがロドリゲスはしゃあしゃあと「敵を欺くにはまず味方からと言いますからね」


 さあ、場面はいきなり変わって深夜の宝石店の前。怪しい車にこれまた怪しい三人の屈強な男が乗っております。すると車のダッシュボードに取り付けられたスピーカーから「行け、獲物は宝石だ!」という謎の声が。すると三人の男、車を降りて一列縦隊で宝石店に向かうのでした。まあ、フツー一列縦隊で強盗に向かう悪党はいませんからな、するとつまりこの三人はゾンビということなのでしょう。ゾンビ三人はゾンビのくせにガストーチを使い宝石店の裏口を焼ききります。同じくガストーチで金庫も破って持参のバックに宝石をざらざら流し込むのでした。ここで警備員が駆けつけてきます。彼は「お前ら、やめないと撃つぞ」当然やめないのでズドン。警備員は驚愕します。銃弾が一人の額に命中してぼっこり穴を開けたのにまるで倒れもしない。警備員はさらに拳銃を乱射するのですがやはり効果なし。ゾンビに殴り倒されてしまいました。さらに外部の警備会社から警備員二人が駆けつけてくるのですがやっぱり拳銃を乱射してもまったく効果なし。ゾンビたちは車に乗り込んでゆうゆうと逃走するのでした。

 この報告を聞いたアルマダ、「信じられん、そんなことがある筈がない」 そんなこと言っても事件が解決する訳じゃなし(笑)彼はイザベルとサべージに宝石強盗事件を担当させることにします。そして彼はなぜか部屋にどかんと置いてある無線機のスイッチを入れてアンテナをくるくる回し「サント、サント応答願います」来た、来た、来ましたよー(大笑い)。場面変わってここはサントのオフィス。アルマダの呼びかけに無線機のマイクを取ったサント、「はい、モシモシ、こちらサントでやんす」「おお、サント、大変な事件が起こったのだ」

 さて洞窟の階段をしずしずと降りてくる黒いフードを被った怪しすぎる男。彼は洞窟内にあつらえられた実験室に向かいます。むむ、あたりにあのゾンビたちがたむろしているし、ひょっとしたら、いやひょっとしなくても彼がゾンビを操っている首領なのでしょう。彼はおもむろにマイクを取り上げると、「101723号 直ちに出頭せよ」すると実験室にあの宝石店を襲った三人のゾンビたちが入ってくるのです。彼らからバックを受け取った首領、中を確かめてニヤーッ(笑)。分かりやすいですなー。

 この間も教授の行方を捜しているグロリアとロドリゲス。まあ、これはいいのですが、車の中でロドリゲス、まったく唐突に「僕は君を助けてくれる人を知っているよ」ええ、それはもしかしたら、「そうサントさ」グロリアびっくりします。「サントってあのプロレスラーの?」「彼はただのプロレスラーじゃない、弱きを助け強きをぼこぼこにする正義の人なのさ」あー、やっぱりそう来ましたか(笑)。そしてロドリゲスはグロリアを連れて試合場へ。客席からサントの試合に声援を送るという段取りになっております。この試合のサント、タッグマッチですがあっさり相手をやっつけて勝利を収めます。またまた大喜びのロドリゲス、でもちょっぴり不安そうなグロリアでした。

この無茶な展開がまさしくサント映画。好き者の私は大喜びです。

 一方セクシーなダンサーが踊るナイトクラブに姿を現したのはサべージとイザベルです。サべージはあわてて挨拶に出てきたこのクラブの主人ディノ・ポヴェッティ(ジュリアン・デ・マーシー)に「いやー、俺、実はこの女と結婚するんだ」とイザベルを紹介します。ポヴェッティは満面の笑みで揉み手しつつ「これはどうもおめでとうございます」「それでね、花嫁に宝石を送りたいんだよ。それもスッゲェの。でもスッゲェのは高いだろ、だから君に安く手に入れてもらおうとおもってさ」ポヴェッティは苦笑します。「旦那、そんな冗談はいいっこなしだ。あっしゃとうにその稼業からは足を洗ったんですぜ。今はまっとうなナイトクラブの経営者だ、宝石強盗なんか知らないよ」あ、余計なことを言っちゃった(笑)。あわてて口を押さえるポヴェッティ。彼は元宝石泥棒で、サべージは彼が今回の事件に関係しているのではないかと疑っていたのでした。

 「とりあえず君の言い分を信用しておこう」イザベルを促してテーブルから立ち上がるサべージ。「でももし事件に関係していたら酷い目にあわせてやるからな」二人は帰っていきます。深々と礼をして見送ったポヴェッティでしたが、彼らが見えなくなるやいなや、部下を呼び寄せて何事か耳打ち。けしからぬことを考えている様子。

悪のボス、またゾンビたちに命令を下します。「おい、孤児院へいって子供をさらって参れ。新しい実験材料にするのだ」出動する三人のゾンビ達。しかし、ここで私はびっくり仰天。この様子をサントが自分のオフィスのテレビモニターで見ているんですよ(大笑)。敵のアジトの様子が手に取るように分かってしまうという・・・。そんなことが分かるならサべージ達に知らせんかいと思うのです。さて、孤児院へ車で乗り付けたゾンビたち。金属の短い棒を持って孤児院へ乱入します。きゃあきゃあと怯え騒ぐ子供たち。警備員が一人駆けつけてきたのですが、ゾンビに棒で殴られあっけなく失神。なぜか孤児院の床が燃え出して子供たち大ピンチであります。しかし、これはサント映画だ、おお、なんのためもなくサントが孤児院に走りこんできたぞ!彼は三人のゾンビ達を外へ連れ出してどっすんばったんと殴り合いするのであります。

ここで無線連絡を受けて助けにやってきたのがイザベラとサべージ。サべージは「危ない、サント、加勢するぜ」ピストルをずどんずどんとゾンビに撃ち込むのですが当然ながら効果なし。逆にゾンビ達にぼっこぼこに殴られ失神。サントも衆寡敵せずこれまたぼっこぼこにされて伸びてしまいましたとさ(笑)。さらにロドリゲスまで駆けつけてくるのですが、やっぱりピストルが効かず彼もまたぼっこぼこに殴られ昏倒するのでありました。ごろんと転がる三人の男。なんじゃ、こりゃ。

 さあ、邪魔者はいなくなった。ゾンビ達は孤児院に戻って子供たちを・・・と思いきや彼らは車に乗り込んで逃走するのであります。もうみんな失神しているんだから、どうしてこの隙に子供さらわないかねえ。そして失神から目覚めたサントたち、ゾンビの車を追いかけてカーチェイスとなります。この成り行きを実験室のテレビモニターで見ている悪のボスって、サントもこいつも凄いモニター持ってるねえ(笑)。ボスは悔しそうに「うぬぬ、サントめ、しかし証拠は残さぬぞ」何やらボタンをカチッ。ずどーん、なんとゾンビの車が自爆してしまったのであります。ゾンビ、かわいそうにみーんな焼けちゃった。呆然として立ち尽くすサべージたち。そんな中サントはサべージにゾンビが持っていた金属棒を渡して「この指紋を調べてみてくだせぇ」と言い残すやいなや、車に飛び乗って走り去るのであります。

 サントの言葉に従って指紋を調べてみますと奇妙な事実が判明しました。この指紋の持ち主はルイ・マルコという犯罪者。ただ、この男は警察署にて11年前に獄死していたのです。アルマダ部長は「そんなことはありえない。私は奴の死体を見た。彼は解剖されたんだぞ」ロドリゲスは「ゾンビの研究をしていたラザフォード教授が失踪して、死者が蘇った。これは偶然じゃないですよ、ゾンビは間違いなく存在するんです」

 さて、今一度ポヴェッティの店へ出かけるサべージとイザベラ。開店前の閑散とした店内で「ポヴェッティ!」と呼ぶのですが誰も出てこない。おかしいと思って奥の部屋へ行ってみたらあっ、ポヴェッティ、ぶらーん(笑)。吊るされていたのです。サべージは「ウウーム、畜生、口封じで殺しやがったな」でも、結局ポヴェッティがどういう風にこの事件に関わっていたのか最後まで良く分からないの(笑)。がっかりするサべージとイザベラ。とりあえず今夜は疲れたから帰って屁ェこいて寝よう。サべージはイザベラを自宅まで送っていくのでした。ところがこのイザベラがゾンビ達に襲われるという・・・。しかもまたなんのためも前触れもなくサントが飛び込んでくるという・・・。またテレビモニターで見ていたのかしらん。

 さあ、しばらくどったんばったんと戦うサントとゾンビたち。この様子をまたまた悪のボスがテレビモニターで見ておりまして(笑)、旗色悪しとみたのかまた怪しいボタンをカチッ。するとどうしたことでしょう。ゾンビ達の姿がちかちか瞬いて消えてしまったではありませんか。サントは驚いて「一体全体どうした訳だ、世の中間違っとるよー」まあ、それでもイザベラを助けることができたということで、満足して帰っていくサントであります。ちなみにこの消えるゾンビの謎、これも結局最後まで明らかにされません。やったらやりっぱなし、犬の小便みたいなモンです。

 イザベラ襲撃も失敗して怒り心頭の悪のボス。あれ、いつの間にかボスと同じような黒いフードの男が一人増えてるぞ。ボスの部下なのでしょうが、この映画に出てきた登場人物でボスと部下一人という組み合わせは、ああ、彼らしかないじゃないですか。もうこの時点で敵が誰か丸わかりですよ。この黒フード二人組はいきなりプロレス雑誌取り出して(笑)、「中量級チャンピオン サント、ハリー・ドレルと対決!」という記事を見てにやにや。「これは絶好のチャンスだ」彼らはゾンビをハリー・ドレル(フェルナンド・オセス)の自宅に向かわせて彼を拉致させます。そうして彼を実験室の手術台に寝かせると怪しい薬をぶすりと注射。さらに二人がかりで入念なマッサージ!を施すと、ああ、あっという間にハリー・ドレル、ボスの命令を何でも聞くゾンビになっちゃった!うーん、だったら死んだ人間をそれも解剖されたような奴をわざわざ使わんでもいいのと違いますか(笑)。

 さあ、いよいよ始まるサント対ハリーの試合です。リングサイドにはちゃんとサべージ・イザベラ・ロドリゲスもいる。君達、プロレス見てないで仕事をしたらどうかね(笑)。ゴングがなって試合開始。最初はクリーンなファイトをしていたハリーですが、次第にゾンビの本性現してサントの首を閉めに掛かります。例によってこの試合もモニターで見ている悪のボス、「ほら、そこだ、いいぞ、やっつけろ」と応援しながらダイヤルをがちゃがちゃやっている。一応このダイヤルでゾンビを操作しているってことなんですかねえ。大ピンチのサントですが、ここでいきなりハリーのパンツの中が燃え出した(大爆笑)。どうやらゾンビを操作するためのベルト受信装置が壊れてしまったようです。ばちばちとアソコから白煙を噴出して苦悶するハリー。ついにばったり倒れて動かなくなってしまいました。サントはリング上に上がってきたロドリゲスたちに「あっしは、こいつの家を調べてきやす。あんたがたはこの死体を調べてくだせえ!」

いやー、役者さんたちも大変だ、本当にパンツから煙が出ているのですから(笑)。

 ハリーの自宅にいっていろいろ調べて回るサント。そしたらまたゾンビ達が襲ってくるという・・・、悪のボスが「サントをさらってくるのだ」と命令したのです。もういい加減おんなじことするのはよしなよと言いたくなりますな(笑)。またまたゾンビ達とどったんばったん戦うサント。マスクをはがされそうになって苦し紛れにゾンビの腹を蹴り上げますと、またばちばちばち、ベルトをぶっ壊したらしい。さあ、反撃開始と思ったらもう一人のゾンビに殴られてサント昏倒しちゃった(大爆笑)。ゾンビは動けなくなったもうひとりを抱えて逃げ出しますって、サント失神しているんだから、こっちを拉致すればいいじゃん!

 ここから話は急展開。唐突に再登場したグロリアがアルマダ部長に「私、父の書類を見つけたんですの」と電話したのであります。しかし不可解なことに「書類は父にしか分からない暗号で書かれているようです。でも走り書きの普通の文字でゾンビとか死体とかって書かれてますの。これってもしや私の父が・・・」グロリアは書類を持って車に乗り込み警察署を目指すのでした。この様子をやっぱりサントがモニターで見ております(笑)。車を走らせるグロリア、でも定石どおりゾンビ軍団が現れてあっという間に拉致されてしまいました。サントは乗り捨てられた彼女の車をたよりにあたりを捜索。ついに研究所のような普通のような、気がついたらいきなりサントが中にいたんだよ、だから外観見られなかったんで分からなかったんだよ(笑)。そんな建物の中を探索しはじめます。


 一方、さらわれてきたグロリア、速攻で手術台に縛り付けられてしまいます。悪のボスは「ワハハハハ、お前の父親に会わせてやろう」ダイヤルぐりぐり。するといかにも年寄りのゾンビがよろよろと出てきた。悲鳴を上げるグロリア、「きゃああ、お父様!」なんと教授、すでにゾンビにされていたのです。調子に乗る悪のボスは「ワハハハハ、お前もゾンビにしてやろう」部下に手伝わせてあの怪しい注射を用意します。一方その頃サントは何をやっていたのかというと、迷っていたと(笑)。建物の中でうろうろしているのがなんとも間抜け。しかしそれでもなんとか暖炉の隠し通路を見つけて中へ入り込みます。あ、サント、懐中電灯持ってやがる。どこから取り出したんだ、そんなもん。

 さあ、注射の用意ができた。「ワハハハハ、お前は最初の女ゾンビになるのだ」ボスは注射器をグロリアの首筋に近づけて「おおっと、その注射待ったァ!、その所業、天は見逃してもこのおいらが許さねえ!」サントがようやく飛び込んできます。最後の戦い、サントは悪のボスとその部下を相手に孤軍奮闘。あ、悪のボスがひっくり返したテーブル飛び越えようとしたサントがズッコケた。ああ、カッコ悪い(笑)。この時地上ではサントの後を追ってきていたサべージ達三人とアルマダ部長が、あれ、あっさりとゾンビに捕まっちゃった。そのまま地下へ連行されてしまいます。どうでもいいけど、とことん役に立たない人たちですな。

 ようやくクライマックス。サントは悪のボスをひっつかんでコンピューターに叩きつけます。ばちばちと火花が散ってボスは感電死。部下のほうも頭をカチ割られて絶命します。すると都合のいいことにゾンビたちのベルトがばちばち燃え出してみんな倒れて死んでしまうという・・・。そしてサントが悪のボスと部下のフードをはがすとはい、大方の予想通り、この大悪事をやっていたのは盲目のはずのハーバートとロジャーでありました。「ええ、なぜおじ様が!」と泣き崩れるグロリア。ここにのこのこサべージ達が姿を現すのがなんとも間抜けですが。

 一人立ち去るサント。アルマダ部長が「これからも正義とメキシコとわれわれのために戦ってくれる。だって彼は銀色の仮面の男なのだからな」とサントをヨイショしたところでエンドマーク。

意外と面白かった。ただせっかく苦労してゾンビ軍団を結成したのにやった悪事といえば宝石店から宝石盗んだだけ。孤児院を襲ってもみたけど結局サントに妨害されてしまいましたから、なんとも効率の悪い悪事ではあります。

モノクロ・スタンダード。前述の通り、画質・音質はこの手の映画としてすこぶる良し。英語字幕もついてこんなDVDなら私は一万枚買いたい(ねえよ、そんなに)。COLECCION GRANDES CLASICOSシリーズのDVD

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2006年3月24日 (金)

『金星ロケット発進す』 1959年

 

Der Schweigende Stern』(『金星ロケット発進す』ドイツ公開1959年 109分 ドイツ公開版130分)

 多種多様の人種で構成された金星探検隊が金星へ出発。そこで彼らが見たものは…。かなりセットに手がかけられておりまして豪奢といってもいいくらい。しかし、なんかアメリカのSF映画に比べると地味で垢抜けないのですなあ。今見るとその垢抜けなさがかえって“味”になってはいるのですが。

 これは今はなきディレクTVSFチャンネルで録画したものです。放映時間の関係で多少カットされております。そのため映画に矛盾が出ることもありますがまあ、あんまり気にしないでください。

 時は1985年、地球人類はすでに月への進出を果たしておりました。人類初の月基地ルナ3が建設されここを足がかりとして更なる宇宙進出をもくろんでおります。そんな中、緑化計画が進められていたゴビ砂漠より奇妙な岩石が発掘されました。急ぎ分析してみますと、これがなんと地球のものではないらしい。地球外の物質だということになります。そこで思い出されたのが1908年にシベリアで起こった大爆発。いわゆるツングースカ隕石であります。国連調査団による再調査の結果、これは地球外の宇宙船が墜落したのではないかという結論になった。岩石はこの宇宙船から放たれたものではないかと考えられたのであります。

 岩石についてさらに分析を進めますと、どうやらこれがある種の記憶メディアであることが判明、作業にあたっていた科学達、核物理学者オルロフ博士(イグナシー・マホフスキー)、言語学者のチェン・ユー(タン・ハター)、インドの数学者シカーナ(カート・ラックルマン)たちは大興奮。この岩石から地球の大気成分や元素名などのデーターが続々と出てきたからです。さらには異星語らしい言葉も発見されました。

 宇宙船のコースも解析されてこれはどうやら太陽系内の惑星から飛来したもののようだ、それも地球のすぐ近くから、近くからというと水星か金星?水星はとても生物が住む環境ではない。そうだ、宇宙船は金星から来たのだって結論が早いですな(笑)。さあ、これが発表されて地球に時ならぬ金星ブームが巻き起こった!各国はこぞって所有するパラボラアンテナを金星に向けてメッセージを送ります。目端の利く業者は金星饅頭とか売り出します。金星のヴィーナスちゃんというフィギュアが発売されて大ヒット。アニメにもなります。歌謡界だって負けてはいません。「金星小唄」「金星のあなた」「金星に帰れ」「旅情金星港町」とか金星ソングを乱発していずれも大ヒット。映画界も遅れてはならじと「金星と火星の間に」「金星七転び八置き」「金星いたるところ青山あり」等々の文芸大作を発表。人々が映画館に押し寄せたのでありました。小説界も大ノリで「金星殺人事件」という本格ミステリ、「金星のよろめき」という恋愛小説等々を世に問うてこれまた大ベストセラー。

 ええ、こういうクスグリはここまでにしておきましょう(笑)。

 しかしこんな地球の金星ブームにも関わらず期待された金星からの応答はまったくなし。そこで国際宇宙財団で作られた最新型宇宙ロケット コスモストレーターで金星にいくべえということになったのでありました。これから宇宙船のクルーがてきぱき紹介されていきます。隊長はソ連の科学者アルセニエフ・デュランド(ミハイル・ポストニコフ)、オルロフ博士、チェン・ユー博士、シカーナ博士、ハリングウェイ博士(オルドリッチ・ルークス)、アメリカ人パイロットのブリンクマン(ガンサー・サイモン)ケニア人パイロット助手のタルア(ユリウス・オンゲア)、そして日本人女医のスミコ・オギムラ(谷洋子)、世界中から満遍なく集めてみましたという国際色豊かな顔ぶれであります。

 さらにこれに加わるのがデュラン博士が考案・製造したロボット、オメガ。小型の戦車に頭をつけたような格好。デュラン博士はみんなの前で「このロボットは凄いんだ、天気予報ができるんだぜ」するとオメガの頭がかーっと開いてぽんと何かが飛び出てきた。ああ、あれは日本の下駄じゃないか(笑)。下駄がからんころーんと転がってはい、ひっくり返ってしまいました。オメガは「ハイ、アシタノテンキハアメデアリマス」みんな「おお、なんて凄いロボットだ」としきりに感心するという、どうも古臭いネタで申し訳ありません。でもロボットに天気予報をさせるのはホントなんですよ。

 さあ、人類の期待を担って宇宙船コスモストレーター、いよいよ発進です。すらりとした船体に巨大な三対のひれをつけたようなデザインのコスモストレーター、しゅばーっと発進して大気圏を離脱、ここでおなじみ無重力騒動。クルーがベルトを外して宙に浮かびあがり大はしゃぎというアレですな(笑)。人工重力装置を作動させこの騒動を終わらせたデュラン博士、「ようし、いよいよ金星に向けて出発だ」そして月を通過します。この時窓から月をみて涙にくれるスミコ。彼女の知り合いであったブリンクマンは「彼女は夫を月で亡くしたのさ。彼は俺の親友だった」まあ、はっきりいってどうでもいい話ですけれども(笑)。もうひとつどうでもいいエピソードがあって、オメガとチェスで対戦するオルロフ、しかしなんどやっても適わず腐ること、腐ること。デュランはあまりに彼が落ち込むものでスミコのアドバイスもあってオメガを改造、ちょっと弱くしてあげます。そしてついにオルロフが勝利。大喜びするという、うわあ、これも本当にどうでもいい話だ。

 その後一度これもお約束の流星群に遭遇。減速ロケットをやられてしまうのですが、決死の船外作業で修理。なんとか機能を回復することができたのでした。

 ここで新たな展開。宇宙旅行の合間に岩石の分析を進めていたシカーナとチェン・ユーがついに異星語(金星語)の解読に成功したのであります。しかし、読んでみると「まず大量の核兵器を地球にぶち込む、しかるのち地球に進出して生物を皆殺しにする」だって(大笑い)。なんと金星人、地球侵略を計画していたのでした。戦慄するクルー達。そんなヤクザみたいな金星人はいやだ、もういっそこのまま地球に帰ろうかという意見も出たのですが、ここでデュランが「この岩石がきたのは80年も昔だ、でも金星人は未だ侵略に来てない。この謎を探らずに帰ることはできないぞ」と鶴の一声。予定通り金星に着陸することとなります。

 しかし問題がまた一つ。金星からの猛烈な妨害で地表の様子が分かりません。おまけに地球や月との連絡も途絶えてしまいました。さあ、どうしよう。するとブリンクマンが「ようがす、あっしがひとつ探査艇クローラーで先発しましょう」彼はオメガを連れてクローラーに乗り込みます。そしてそのまま船を離れて降下したのでありました。金星の大気圏はもうえらい嵐で何もみえやしない。ブリンクマンは「山とかあったらずどんだぜ」と危惧しているのですが、さすがは人類初の月着陸を果たした男、「根性と気合でばーっと行け!」強引に着陸してしまったのです。

 さっそくオメガを連れて外にでるブリンクマン。オメガは大気を分析して「キョウドノホウシャノウデス、ワレワレハハチフンシカタエラレマセン」大気の組成は二酸化炭素27パーセント、フォルムアルデヒド14パーセントで、当然ながら呼吸はできず。「こりゃやなところに来ちゃったな」と呟くブリンクマンです。おまけに何故か突然探査艇クローラーが爆発しちゃった。「ええっ、なんでそうなるの」と仰天したブリンクマン、走り出したとたんに洞窟のようなところに落ちちゃいました。「ひー、泣きっ面に蜂ってのはこのことだよ」その彼の目の前を飛び交う不思議な物体。捕らえてみるとそれは超小型の飛行ロボットでありました。「これが金星の文明というやつか」

 一方衛星軌道上のコスモストレーター、クローラーの爆発を観測して大慌て。「攻撃か、ブリンクマンが危ない」結局コスモストレーターも着陸しちゃう。どうもあまり偵察の意味が無かったようで(笑)。おまけにクルーが外にでてみるとブリンクマンがあっさり姿を見せて「いやー、危なかったよ」そしてクローラーの爆発の原因も判明します。なんとクローラーの下に高圧電線が通っていたという・・・。「よし、この高圧電線を辿れば金星の都市にいけるはずだ」

 な、なんですか、高圧電線って。

 さあ、金星の探検だ。ドロシーたちは黄色のレンガ道をたどったのですが、この隊員たちは高圧電線ををたどるのです。フォロー・ザ・イエロー・ブリック・ロードならぬフォロー・ザ・ハイ・ボルテージ・ラインということですな。そしていきついた先がオズの国ならぬゴルフボールのような形をした巨大なドーム。調べて見てもこれが何なのか良く分からない。さらに結晶状の森とでもいうべき構造物も発見されたのですが、こっちも何のための施設なのか分からない。あれほど地球を攻撃するぞ、おーっ!と張り切っていた筈の金星人も出てこない。謎だけが膨らんでいくのでありました。

 そんな中、チェン・ユーがブリンクマンの捕まえて来たロボット昆虫を分析します。するとなんとこれがある種の記憶装置であることが分かったのです。あのゴビ砂漠で発見された岩といい、金星人は記憶させるのが好きですな。よっぽど物忘れが酷かったのでしょうか。記録されていた金星人の言語を解析しますとなにやら地球攻撃を計画した後に金星人は未曾有の災害に襲われたらしいことが分かります。「未曾有の災害?」オーロフはにやにやして、「これはあれだ、一夜にしてキングギドラに滅ぼされたんだ」誰も相手にしませんでしたけど(笑)。さらにあの結晶の森は巨大なエネルギー投射装置、つまり兵器であることも判明します。シカーナは「災害のことを調べなくてはならない。高圧電線の出発点を探すのだ」はい、またフォロー・ザ・ハイ・ボルテージ・ラインの始まり。

 だから高圧電線って何?

 探査車クローラー(探査艇とは違うのか)でがらごろ進む探検隊のメンバー。彼らは巨大な建物を発見します。その壁面はなぜか真っ白。近辺に恒星に匹敵するという超高熱地帯も見つかって、どうやら建物はこの超高熱で焼かれたらしい。「一体全体どんな災害だったのよ」とうめくスミコ。まあ見ている私らにはうすうす分かっていますけどね。そしてようやく高圧電線の出発点を発見。これまた巨大な建造物。しかも内部の装置はまだ作動しております。わいわい中に入っていたブリンクマンたちは「おお、太陽系の模型があるぞ、すげー」「おお、竪穴があるぞ、覗いてみよう」覗いてみたら覗いてみたで「おおー、下にまた部屋がある、あっちはコントロールルームか」ってうるさいよ。観光客じゃないんだから(笑)。

 ここでスミコ・ブリングマン・シカーは下へと降りていきます。この辺ちょっと良く分からないのですが、あのコントロールルームとは別の場所らしい。そこは広い空洞になっていて巨大な柱が何本も立っています。そしてその柱のひとつひとつに斜路がついているのでした。窓のようなものもあってこれは金星人の居住区なのでしょうか。またこの洞窟の一部は泥の海になっておりましてこれが不思議なことにうんがり、うんがりとうねっております。三人はあちこち調べるのですが、うっかり足元の小石を蹴飛ばして泥の海に落としちゃった。するとなんとしたことでしょう、泥が生き物のように盛り上がり三人を追ってきたのであります。「ウワー、やばい、逃げろ」しかしそのスピードを速めて追ってくる泥に退路をふさがれてしまった!三人は仕方なく柱の斜路を登り始めます。同じく彼らを追う泥。斜路を逃げる三人、ああ、行き止まりだ。もはや絶体絶命かと思われたその時、ブリングマンが光線銃で泥をしゅぴぴぴぴー。追い詰められた末の発作的な行動だったのですが、これが見事に当たった。泥は攻撃に驚いたのか退き始めたのです。このチャンスを逃がすなとばかり斜路を駆け下り無事外へ逃げ出す三人であります。

 探検隊はとりあえず宇宙船に戻ることになりました。またクローラーに乗り込んでがたごとと。途中、スミコは白い岩に人影が焼きついているのを発見します。「なんと恐ろしい災害だったのかしら」まあ、岩に人影が焼きついていたら考えられるのはアレだけなんですけど(笑)。船に無事到着して調査結果の解析が行われます。そしてシカーナがついに未曾有の大災害の正体を発見するのです。彼はみんなを集めて「金星は地球攻撃を計画した後に核兵器を暴走させてしまったのだ。すべての金星の核兵器が連鎖反応して彼らの文明を全滅させてしまったのだよ」そう、思ったとおりというかなんとひねりのないというか(笑)金星人は核によって自滅していたんですねー。

 さあ、そろそろ地球へ戻ろうかということになるのですが、ここで最後の変事が勃発。どうやらあの泥を攻撃したのが良くなかったらしい。金星の防衛機構が作動を開始してしまったのです。例のドームが赤く光って強大な重力を発生させます。このため宇宙船は離陸が不可能。しかも結晶の森からは放射線がどばー。おまけにその影響を受けたオメガが狂いだしへリングウェイに大怪我負わせちゃった。スミコが直ちに手術を開始したもののその容態は油断を許しません。

 考えたらこのロボット、ほとんど役にたってない(笑)。ブリンクマンに金星の大気組成を教えただけじゃないのか。

 こうなりゃやけだ。あのコントロールルームに行って防衛機構をとめようということになります。この任務にあたるのがチェン・ユーとトルア。彼らはクローラーに乗って再び高圧電線の出発点へ。そしてトルアがロープを使ってコントロールルームに下りていきます。そのロープを引っ張っていたチェン・ユー、あ、ロープが切れてしまった。おまけに切れて跳ね飛んだロープが彼の宇宙服を切り裂いてしまったのです。「あ、空気が漏れる、ああ、駄目だ、死んじゃう」トルアはコントロールルームの中で立ち往生。無線で様子を聞いていた宇宙船からブリングマンが救出に向かいます。彼はいきなり出てきた探査機に乗り込み飛び立つのであります。探査艇とは違うのかしら?また、こんなものがあるなら今までの探検でも使えば良かったのにと思うのは素人の浅はかさでしょうか(笑)。

 ところがなぜか例のドームが発する重力波が急に弱くなった。コントロールルームに入ったトルアが何かしたらしいのですが、このへんは何が何だか分かりません。とにかく重力が弱まって宇宙船スターストレーターは浮かび上がってしまった。ブリングマンの探査機もコントロールを失い切り揉み状態。一方なんとかコントロールルームを脱出、地上に戻ってきたトルアですが、スターストレーターもブリングマンも彼を助け出すことはできません。「あー、おれおいてきぼりになっちゃったよう」悲痛な叫びを上げるトルアです。

 チェン・ユーは窒息死、トルアは置いてきぼり、ブリングマンは行方不明。ひでー(笑い)。断腸の思いで金星を飛び立ち地球へ向かうスターストレーター。たった一つの救いはスミコの手術が成功してへリングウェイが一命を取り留めたことだけでした。そして地球へ帰還。へリングウェイは彼らを迎える群集の前で「われわれは犠牲となった三人を決して忘れないでしょう。そして科学の暴走で滅亡した金星の轍を踏まぬよう努力します」と演説。スミコがはらはらと涙をこぼしたところでエンドマーク。

 ところであの泥はなんだったんでしょうねえ。結構力の入っている特撮シーンなのですが意味が良く分かりません。金星人の侵入者に対するトラップでしょうか。泥を光線銃で撃ったら金星の防衛機構が作動というつながりもなんだかなあ。

 カラー・スタンダード モノラル音声。画質は赤く変色しています。また例によって暗いシーンでは何やっているのかさっぱり分かりません。日本語字幕つき

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『幽霊屋敷の蛇淫』 1964年

 

『幽霊屋敷の蛇淫』(『Danza Macabra』 『The Castle of Terror 1964年 オリジナル95分)

『地球最終戦争』『SOS地球を救え』『惑星からの侵略』等々のあまり芳しくない作品でSFファンに知られているアンソニー・ドーソン先生の代表作。かのスティーブン・キングもこの映画をホラー評論集のタイトルに使った(「死の舞踏」)に使っております。ドーソン先生、やるときゃやるのです。

これは今はなきディレクTVSFチャンネルで録画したものです。放映時間の関係で多少カットされております。そのため映画に矛盾が出ることもありますがまあ、あんまり気にしないでください。

陰鬱なロンドンの情景。とある街角に一台の馬車。降りてきた男は酒場に入っていきます。そしてテーブルに座って「そは半年前にみまかりしわがいとこなり。白き歯の輝きが我が目をうたん」と大声で自作の詩を朗読しているおじさんにご挨拶。じつはこのおじさん、かの有名なエドガー・アラン・ポー(モンゴメリー・グレン)だったのであります。男はアラン・フォスター(ジョルジュ・リヴィエール)といいましてなんだか映画のノヴェライズ書きそうな名前ですが(笑)、彼はタイムズ紙の記者。彼はロンドン滞在中のエドガー・アラン・ポーに単独インタヴューを申し込んだのであります。

 にこやかに了承するポー。彼はフォスターとしばらく話をするのですが、いきなりこんなことを言い出した。「私は巷間言われているような小説家ではない。いわば君と同じ、記者だ。私は本当の、実在する話を書いているのだよ」「は、はあ?」当然ながらアランは信じません。ポーはさらに「死など存在しない。墓に入るだけでそのまま実在し続けるのだ」「はあ、でもそれはないですよ。死の先には魂があるだけです。死者は死んだまま、そのまんまですよ」この実りのない論争に割って入ったのがじーっと沈黙と続けていたポーの友人、ブラックウッド伯爵でした。「あなた、私の城で一夜を過ごしませんか。100ポンド賭けますよ。私の城は一年前新婚夫婦、花嫁の方は私の妻のいとこだったのですが、が行方不明になっていらい無人となっているのです。私は何度か同じような賭けをしたのですが」ブラックウッド伯爵、ここで壮絶なる笑みを浮かべまして「みんな死んでしまいました。どうです、あなた、これに挑戦しませんか」

 さあ、こうなったらアラン、意地でも後には引けない。でも彼はあんまりお金を持っていなかったので「あのすみません、100ポンドはきついので10ポンドにしてください」まあ、負けちゃったら死んでしまうので(笑)あんまり掛け金のことは考えなくてもいいと思うのですが。さあ、賭けは成立しました。伯爵は言います。「じゃあ、さっそく今夜から城に入って貰いましょうか」「ええ、それは急ですな」「ふふふ、今夜は人呼んで死者の夜、死者が甦って過去の惨劇を繰り返すと言われる夜ですからな、どうしても今夜じゃなくちゃいけない」「おー、それは良い記事になりそうですな」アラン強がり言ってるけれども、もうこの時点でびびってる(笑)。

 馬車で2時間かけて伯爵の城へ。馬車の中でアランはさらにポーにインタビューをするのですが放送の都合上カットされているみたいです。だからあっという間に城に着いてしまいます。馬車から降りるアラン。伯爵は「考え直した方がいいですよ、まだ間に合いますよ」「そうしたら10ポンド取られちゃうじゃないですか」「そうですか、では明朝迎えに参ります」はい、馬車は走り去ってしまいました。アランは闇の中に聳え立ついかにもなんか出そうな城を見上げてため息(笑)。しょうがないので城に向うべく前庭に足を踏み入れます。びくびくおどおどと歩いておりますと、猫がしゃーっ、風で木の枝がぱきぱきぱき・・・、アラン、その度に飛び上がってもう涙目ですよ。おまけになにやらドレスが落ちているし、一体なんだここは。アラン、ようやく城にたどり着いて中に入ったのでした。

 あちこちで蝋燭や蜀台に火をつけて部屋を照らしほっと一息つくアランです。「よっしゃ、城の中を調べてみるか」いろいろ歩き回る訳ですよ。そうしたら今度は窓が風でがたーん、時計がごーんごーん、しまいには鏡に映った自分の姿を見て腰を抜かしそうになるアラン(大笑い)。こんなんで朝まで頑張れるんかいの。そうかと思ったら飾ってある美しい女性の肖像画がゆらゆらゆれて思わずアラン、目を擦ります。次に隣の部屋から聞こえてきたのがなんとも大時代なハープシコードの音色。なんだ、なんだと覗いてみたアランは仰天、なんとその部屋で舞踏会やっているではありませんか。またまた目をこするアラン、するとドアがばーんと大きな音を立てて閉まったのです。アラン、また飛び上がって「もー、勘弁して」おそる、おそるドアを開けてみると、舞踏会をやっていた人間はきれいさっぱり消えていてハープシコードがあるだけでした。

このへんはアレですな、何、アレと言われても分からない、アレ、スティーブン・キング原作の映画『シャイニング』ですよ。あのオーヴァールックホテルで夜な夜な開かれる怪しいパーティの元ネタはこの映画だったのですねえ。

 よせばいいのにそのハープシコードを弾いてみるアラン、するとその背後から手が、ばーん!びくっとして振り返ったアランが見たものは美しい妙齢の女性、エリザベス(バーバラ・スティール)だったのであります。「ふふふ、あなた、兄から言われてきたの?」「えっ、えっ、えっ?」アランはしどろもどろになって「いや、兄って、あなたブラックウッド伯爵の妹さんですか、あ、あの、誰もいないって聞いたから、おれ、アランっていいます」エリザベスは嫣然と微笑んで「私はエリザベスよ。兄は私が死んだと言っているのです。だって私は兄の世界から消えたから、庭師との結婚に反対された時から」どうも訳の分からないことをいう娘さんですが、まあ美人だからいいやと密かに考えるアランです(笑)。

 「で、あなたは兄との賭けでここにきたんでしょ、あの人、毎年やるのよねえ。いいわ、私とあなたで協力して兄を負かしてしまいましょう」ここでエリザベス、アランを寝室に案内します。途中、またまたあの女の肖像画がゆらり、ゆらり。「わあ、まただ。さっきもゆれていたぞ」びびりまくるアラン。しかしエリザベスは平然と「あれはね、ジュリアなの。すぐに会えるでしょう」また訳の分からんことを言ってけつかる。寝室に入ったらベッドに二人並んで仲良くお話。「ねえ、あなたのことを聞かせて」ぐいぐいエリザベス迫ってきます。アランは顔を上気させながら「あの、私はロンドンの記者で独身で孤独でーす」合コンやっとるんか、お前は(笑)。「そう、孤独なの」さらにエリザベスが迫ろうとしたとき、新たな登場人物が部屋に乱入。ジュリア(マルガリート・ロブサム)でした。彼女はアランを見て「あら、見慣れない顔ね」エリザベス、カッとなって「もう邪魔しないで!」

 しかし結局ジュリアの「彼を休ませてあげるのです」という鶴の一声でエリザベスは部屋をでていくのです。ジュリアはちょっと残念そうなアランに「ではまた」「朝にお会いしましょう」ジュリアはかぶりをふって「いいえ、もうあえないわ」「というと、出立なさるので」「違う、昼間は駄目なのよ」いよいよもってヘンなことを言う人たちだなあ。アラン、首をかしげるのでした。部屋の外ではジュリアとエリザベスが激しい言い争いを始めます。エリザベスは「私はあの人を愛しているの。そうしてあの人と一緒にここを出て行くの。幸せになるのよ」ジュリアは悲しげに「だめ、あなたはこの城に囚われているから出ていくことなんてできない。幸せになることもできないわ」「うそよ、うそよ」絶叫するエリザベス、はあはあ、だいたい彼女らの正体が分かってきましたな。

 女に逃げられて(笑)手持ち無沙汰となったアランは部屋を探り始めます。すると何時の物か分からないけれども「真夜中、庭の樫の木の下で待つ、パーパス」なんてメモが出てきた。カルマス著「医学療法の初歩」なんていう本も出てきた。分かりやすい伏線!この時密かにエリザベスが戻ってきた。「ああ、あたし、あななにどうしても会いたかったの、ダーリン」「僕もだよ、エリザベス」「ああ、私を抱いて」「ああ、君は綺麗だ、エリザベス」「ああ、キスしてダーリン」「ああ、××××××だ」「ああ、あなたこそ、あ××××よ」「ああ」「おお」ベッドイーン!しかし映画とはいえよくもこんないやらしいこと言えますな。私なぞ映画見ながら顔赤くしてしまいましたよ。

 この様子を伺っていたジュリア。ここに別の男が現れて「今エリザベスはどうしているんだ」と尋ねます。「男とヤッているわよ。こうしちゃいられないわ、パーパスに知らせなくちゃ」歩き去るジュリア。残されたこの男はなにやら考え込んでおります。一方、一回済ませたアランとエリザベス、ベッドの中で語り合っておりますな。ふとエリザベスの胸に頭を乗せたアラン、ぎょっとして飛び起きます。「エリザベス、君、心臓動いてないよ!」さあ、とうとう秘密がばれた。エリザベス、ついに観念。「実は私は10年前に死んでいるの」と言い出したのでありました。さらにいきなりドアが開いて「てめえ、エリザベス、何やってけつかる!」いきなり飛び込んできた男。エリザベスは「パーパス!」と叫びます。すると彼がさっきジュリアの言っていた・・・。と考えるまもなくパーパスはナイフ振り上げて「この売女!どうしてはじめて会った男と簡単にヤッちゃうんだ!」ぐさーっ、エリザベスをさしてしまうのです。「びわーっ」倒れ付すエリザベス。アランは彼女を守るべく懐から拳銃取り出して逃げ出したパーパスの後を追います。そして追いつめてから拳銃を乱射。パーパスも「びわーっ」と倒れるのでした。しかし、怪奇なことに彼の体はすっと消えてしまったのです。またまた目をこするアラン。でもやっぱりパーパスは消えたまま。おまけに部屋へ戻ってみるとエリザベスの死体まで消えていたという・・・。

はい、もう分かりましたね。要するにこの城で出てくるキャラクターはみーんな幽霊、幽的なんですねー。

 城の中を探し回るアラン。そしたらさっきジュリアにエリザベスのことを聞いた謎の男が現れた。「うわあ、またヘンな人が出てきた」アラン、うんざりの体です。男はそんなアランの態度にも動ずることなく「私はカルマス博士(ヘンリー・クルーガー)、この城を借りてある種の実験をしていました」と自己紹介。彼はさらに「エリザベスのことは忘れなさい。彼女の世界はあなたのそれとは違うのですから」まあ、こういうこの博士も死んだと伝えられている訳で・・・。しかし、納得できないアラン、「いや、そんなことはない、彼女は確かに実在した。あの感触は間違いない」あの感触ってどこの感触なんだよ、コノヤロー!博士は彼をなだめるように「人間というのは三つの要素で構成されておる。肉体、これが一番脆弱ですな。魂、これもたいした影響力を持たない。問題は三つ目の感覚ですよ。これは死んだ後でも残る。特に殺されたりした場合、その影響力は一層強くなる」

 カルマス博士は「実験で証明しよう」と言い出します。そしてどこからか取り出したのは本物の蛇。それを板の上に乗せると、わあ、本当に蛇の首跳ねちゃったぁ(大笑い)。ぴくぴくともがく蛇!しかしまもなく蛇は死んでしまいます。ここで博士、指をつーっと切断された蛇の頭に近づけて「でも感覚は死んでいない」ばっと蛇の頭が起き上がって博士の指に噛み付こうとするのです。「ほら、ごらんなさい、私の言ったとおりでしょう」これは蛇の生命力が強いだけじゃないすかねえ(笑)。

 カルマス博士はさらにアランを前庭に案内します。「ほら、エリザベスはあの墓の下に埋まってますよ。ジュリアだって同じだ」「信じられない」アラン首を振って「だからあの感触が死者のものだなんてとても思えない」だから、あの感触ってどこの感触なんだっての(笑)。カルマスはにやっとして「全ては運命の犠牲者。今宵は112日、死者の夜。死者は甦り運命の時を繰り返すのです」はあ、はあ、だんだん分かってきましたぞ。ぼーんと時計がなっていきなり眼前が明るくなった。ぎょっとするフォスター、すると彼の目の前がむやむやとゆがんでああ、舞踏会だ、これはエリザベスの夫ウィリアムの帰国を祝って開かれた舞踏会だ。そしてその夫の留守の間にエリザベスとよろしくやっていたのがあのパーパスだったのであります。パーパスはお客様の見送りで外に出てきたエリザベスを捕まえます。そして物置に連れ込むと「なんだよ、君は僕を愛していると言ったじゃないか」エリザベスは「だって、私はあの人の妻なのよ、あなたとどうなることもできないのよ」パーパス、うきーっと怒って「君はあいつとヤルなよ、もしヤリやがったら誓って殺してやるからな」

 でもエリザベス、夫とヤッちゃう。するとがばーんと寝室の扉が開いて飛び込んできたのがパーパス。「だからヤッたら殺すといっただろ」と叫ぶなりウィリアムの首をがっ。あっさり絞め殺してしまいます。エリザベス、あまりのことに「ドギャーッ」と悲鳴。怖いのは分かるけど、「ドギャーッ」って何だよ(笑)。パーパスはエリザベスの首をもしめようとするのですが、さっきの悲鳴を聞きつけたジュリアが飛び込んできて蜀台でパーパスの頭をぼかっ。殴り殺してしまいました。ジュリアはエリザベスを抱きしめて「いつか、こうなるのではないかと思っていたわ。でももう安心よ、私がパーパス殺したから」しかし、何を考えたかエリザベス、ジュリアをナイフで刺してしまうのですなあ。「びわーっ」あっさりと死んでしまうジュリア。エリザベスはもう一度、「ドギャーッ」と悲鳴を上げてふらふらとどこかへ去ってしまいました。「これは過去の出来事」カルマス博士の声が響きます。「死者は異次元に存在し、死者の夜に甦って惨劇を繰り返すのだ」

 この光景に目を奪われていたアラン、はっと気がつくとベッドの死体は消えていました。カルマス博士もどっかに行っちゃいました。彼はエリザベスを求めて城の中をさまよいます。もういい加減いやになっていたアランはよろよろ歩き回りながら「もうたくさんっす、賭けは僕の負けでいいっす。10フラン払うっすから勘弁してください」しかし、こんなことで済むはずがない。彼の前に再びカルマス博士が現れたのです。しかし、今度のカルマス博士、どうやらアランの姿が目に入らぬよう。声をかけても気がつきません。すると、今回の彼は過去の存在なのかしら。このカルマス博士、城の中をさまよいます。もう出てくる奴みんなさまようという・・・。そしてたどり着いたのが地下室。ここが廟堂になっておりまして、棺おけやらミイラがごろごろしている訳ですねえ。よせばいいのにカルマス博士、ある棺おけの蓋を開けちゃった。中に入っていたのはおお、あれはまごうことなきエリザベスのミイラ。ぎょっとして立ちすくむカルマス博士の前で棺おけからむくむくと白い煙が・・・。「こら、いかん」怯えた博士は地下室を出て自分の書斎となっている部屋へ戻るのでした。

 するとまたもパーパス出てきて、ナイフを振り上げます。アラン、思わず「博士、危ない」と声を掛けたのですがもちろん聞こえません。博士、あえなくパーパスに刺し殺されてしまいました。そして響き渡る博士の声。「これが私の運命だった」博士、消えてしまいました。もう何が何だか分からないフォスター。しかも彼はへんな紙切れを見つけるのです。その紙切れには「血こそ死せるものを復活させるものなり、生命の泉、我らの泉はこの城ならん」なんてへんなことが書いてある。そして読み終わったとたんに「ハハハハハ」響きわたる謎の声。

 へろへろのフォスターですが、さらにまた二人の男女がやってきた。「うわあ、素敵な城ね、私達の初夜に相応しいわ」なんて言ってやがる。あ、この二人はアレだ、一年前この城に入って行方不明になったというあの新婚夫婦だ。二人はアランの「やめろ、殺されるぞ、戻ってこい」という叫びにも関わらず、まあ、聞こえてませんからね(笑)。寝室に入っていちゃいちゃ。そして例によってパーパスによってどすぐさべしゃばりと殺されてしまったのでした。アラン、「いや、本当にシャレにならないから、勘弁して、ここから出して」

 彼の周りに死者達が集まります。カルマスが「運命を受け入れよ」、ジュリアが「今度はあなたの番よ」、あの新婚夫婦が「復活には血が必要なの」、ハーパス、無言でナイフを振り上げる(笑)。しかしここで彼を助けたのがエリザベスでした。彼女はアランの手を引っ張って「さ、こっちよ」と別の部屋に引っ張り込みます。アラン、夢中で逃げるのですが、いつの間にかあの地下廟堂に迷い込んでしまったのです。そしてカルマスの時と同じく棺おけから煙が!むやむやと現れたのがジュリアでした。また他の奴らもいつの間にか集まってきて「血をくれー」の大合唱。ここで再び彼を助けたのがエリザベスって繰り返すなよ(笑)。地下廟堂の隠し扉がクルリと回ってアランはエリザベスと一緒に地下通路に入ります。「さ、ここから逃げて」「君も一緒にいこう」「だめよ、私はあなたの世界には戻れない、だって死んでいるから」それでも無理やりエリザベスの手を引っ張って逃げようとするアラン。「だから駄目だったらー」外に出たとたん、エリザベスはばたりと倒れて、ああ、骸骨になっちゃった(大笑い)。アラン、目の前に「エリザベス・ブラックウッド」と記されている墓があるのを見て戦慄するのでした。

 しかし、死者たちはまだおってくる。むわんむわんと集まってきて「血をくれー」「逃げられないぞ」アラン、走って彼らを引き離し門を開けて脱出することに成功したのでした。しかし、ほっとしたのもつかの間、開け放たれた門が突然しまって飾りがアランの首筋にぐさーっ。アラン、立ったまま息絶えたのであります。

 さあ、朝になって約束どおりに馬車で迎えにきたポーとブラック・ウッド伯爵。「あ、アラン、門のところで私ら待っている。伯爵、賭けはあなたの負けですな」でもアランは死んでいた。門の飾りが突き刺さって立ったまま死んでいた。慄然とするポー。しかし、伯爵はアランの死体の懐をまさぐって財布を取り出します。「気の毒だが負けは負けだからな」10ポンド札を抜き取るせこさ(笑)。二人はアランをそのままにしてってひでぇ、馬車に乗り込み城を立ち去るのです。ラスト、ポーのモノローグ、「この話を書いても人は言うだろう、よくできたつくり話だね」と。さらにエリザベスの声が「アラン、ありがとう、私のために残ってくれたのね」「そうさ、エリザベス」と答えるアランの声でエンドマーク。

 公開当時このラストシーンで観客がいっせいに「ちゃうちゃう、残りたくて残ったのと違うで!」とツッコンだそうであります。

 それとポー、これは作り話にしか思われないって、別にあなたが城の中の出来事を知っている訳ではないですから、たんに男が事故死したというだけでしょ。これで作り話だねとは言われないと思うのですが。

 モノクロ・スタンダード、モノラル音声。例によって画質は駄目駄目。黒が浮いててノイズもひどい。それでいて暗い場面になると何やっているのか分からない。音質もぴーぴーというノイズが乗っていて台詞自体が酷く聞き取りずらいですなあ。日本語字幕つき。

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『スターダスト計画』 

 

『スターダスト計画』(『...4...3...2...1...Morte』『Mission Stardust1967年 オリジナル95分)。

 これは世界最長の記録を誇り現在もなお続いているSF小説シリーズ「宇宙英雄ペリー・ローダン」第一話「スターダスト計画」を映画化したものであります。まず画面いっぱいに広がる青・赤・黄色・緑の色彩。これがぐにゃぐにゃ動き回る中で主題歌「SELI」が延々と歌われるという・・・。ここでタイトル、オープニングクレジット。

これは今はなきディレクTVSFチャンネルで録画したものです。放映時間の関係で多少カットされております。そのため映画に矛盾が出ることもありますがまあ、あんまり気にしないでください。

 さあ、今にも打ち上げられんとしている宇宙ロケット。「これは月のマーカムクレーター付近を着陸して調査するという任務を帯びております」と宇宙基地の会議室で集まった記者たちにミッションの説明をしている司令官。彼は次に宇宙船の搭乗員を発表するのでした。「隊長はペリー・ローダン少佐(ラング・ジェフリーズ)、NASAの最長宇宙滞在記録を持っております。火星探査にも参加、月にも二回行っておりますから、これ以上の人材はおりませんな。はっはっは。次にロケット推進学の権威、ブル大尉(ルイス・タビラ)、彼はエンジニア担当。そして通信担当のファイバー、医療担当のマノリ博士(ヨアヒム・ハンセン)でおります。彼らは必ずやこの調査任務を遂行してくれるでありましょう」立て板の水の名解説でありますが、記者たちはかえって怪しみ「いまさらあんなところにいくのが怪しい、本当の目的は他にあるのでは」などとささやき交わしております。

どさくさに紛れて「アポロは本当に月に行ってないのではないか」とか言っている奴もいる(笑)。

 そして月探査ロケット「スターダスト」が発射。そして月への道行きでその本当の目的が明らかにされます。半年前ヌーカムクレーター付近で採取された土壌からコバルト以上の価値をもつ金属が発見されていたと。今回の探査任務はその金属にあったのです。ところがこれを察知していたのが地球の巨大麻薬組織。どうやら宇宙基地とスターダスト間の通信を傍受したらしい。やたらにえらそうな悪のボス(ジャンニ・リッツオ)が葉巻をぷかぷか吹かしながら「よっしゃ、そいつをいただくのだ。大もうけになるぞ」

 さて、無事月軌道に入ったスターダスト、地球からの遠隔操作によって着陸にかかるのですが、突然ぴーぴーがーがー「わあ、コンピューターが狂った」「うわあ、コントロールできひん」「ひー、落ちるねんて、落ちるねんて」あわやというところでローダン少佐が「落ち着いて着陸脚ださんかい!」と命令。なんとか月面に着陸したのです。しかし、コンピューターを調べても異常はなし。でもまったく動かない。通信装置もうんともすんとも言わず地球へ交信することもできないのです。「こら、妨害電波や、よっしゃ、調べにいくで」またまたローダン少佐の鶴の一声。スターダストから月面探検車を下ろし、彼とファイバーが妨害電波の発信源を調べることになりました。

 この探検車、形があのうそのう早く言えば、遅く言っても同じなのですが、とにかく形がチンチンに似ている(笑)。おまけに走る時に「ぴひょろろーぴひょろろー」と音を立てるのではっきり言って物凄くカッコ悪い。

 月面をぴひょろろーぴひょろろーと走る月面車。ほどよく走ったところでローダンはファイバーに「よっしゃ、このへんでアンテナたてんかい。地球と交信できるか試してみるで」「へえ、分かりましたさかい」ファイバー、ボタンをポチッと押しますとぐいぐいと月面車の屋根からアンテナが伸びていく。さっそく地球に呼びかけるファイバーですが、「わあ、通信機焼けよった」突然、ぱひゅーんぱひゅーんと奇妙な音がしたかと思ったら目の前で通信機が焼けてしまったのであります。いや、それどころではありません。エンジン本体の熱も急上昇「あかん、爆発するで、はよ逃げんと」月面車から転がりでるローダンとファイバー、直後月面車は緑の光とともに消えてしまったのであります。

 唖然とする二人が見たものは月面に着陸している球形の大宇宙船でした。ローダン、「ほう、とにかくわてらの他にだれかおった訳やね」大宇宙船の底部からチューブがしゅーっと降りてきます。扉がスライドして現れた怪しい宇宙服の人物。「君たちに危害は加えないからこっちにきなさい」びびったファイバーは光線銃を取り出そうとするのですが、怪しい人物の目からこれまた怪光線がぴしゅー!どろどろと溶かしてしまったのであります。「うわっちっちち」飛び上がるファイバー。こりゃかなわんということで二人はその怪人物に従って乗降チューブに乗り込んだのでありました。

 宇宙船の内部に入ると怪人物は「ここの空気はあなた方にも呼吸可能です。宇宙服のヘルメットをはずしても大丈夫ですよ」やれやれとヘルメットを外すローダンたち。しかし怪人物のヘルメットはそのままです。不審に思ったローダンが「あれ、あんた脱がへんの?」怪人物がここでようやくヘルメットを外すとあらわになったのが二つの目玉がついた機械装置、「げっ、ロボットやないけ」驚くローダンとファイバーというオチ。まあ、ロボットだったらわざわざヘルメット着脱式にしなくても良さそうですが(笑)。ひょっとしてメンテナンスのためかしら。

 「はははは、驚かせて申し訳ありません、地球の人よ」奥から現れたのは白髪・赤眼の異星人二人組。老人と美女の組み合わせ。老人は「私たちは3400万光年離れたアルコン星からやってきました。私の名はクレスト(ジョン・カールセン)、それからこっちの女性はこの宇宙船の船長トーラ(エシィ・パーソン)」「船長いうたかて二人しかおらんやないけ」この時ローダン、ひそかにこう思ったとか思わないとか。クレストは割と物腰柔らかな老人でいいのですが、いけないのがトーラ。もう高飛車です。「あんたたちは野蛮ですからね、すぐ銃を取り出します。だからあんたたちが私たちを見つけられないようあの原始的なロケットの操作を妨害したんです。なんです、その目はええ、野蛮人のくせに私を糾弾しようというのですか」とたんにムチを取り出してぴしと鳴らすトーラ。「ええい、女王様とおよび、お前など犬になりなさい、ぺっ」

 まあ、威張ること甚だしいアルコン人たちですが、その実情はお寒いもの。この宇宙船、故障しておりまして地球時間の半年前から動けなくなっていたという。これが修理できないの(笑)。おまけにクレストは何らかの病気にかかっており生命の危機に瀕しております。何でもアルコン人、その卓抜した科学力で持ってすべての病気を根絶したのですが、ちょっと月にきてみたら未知の病気にかかってしまったそうな。こっちも治療不可能でどうにも困ったことですな。ローダン、「じゃあ、うちのせんせ呼びましょう。あんたの病気なんとかなるかも知れませんで。ひとつひとっ走り行って呼んできますさかい」するとトーラ、「そんな出かけていく必要はなくってよ」ボタンをポチッと押すと、なんとはるか離れたスターダスト号がふわりと浮き上がり宇宙船めがけて飛んできたではありませんか。「わあ、なんやねん、これ」スターダストの中でごろごろ転がるマノリとブル。「もう勘弁してくんなはれー」

 さて宇宙船に連れてこられたマノリ、クレストを診断します。「はい、クレストはん、息吸って、吐いてー、息とめてー、うーん、クレストはん、もうお年なんでっさかいお酒はほどほどにしてもらわんとなー」マノリはクレストの病気を「白血病」と断定したのでありました。白血病は致命的な病気でありこのまま手をこまねいていればクレストも早晩死ぬ。おまけにアルコン人の遺伝子は弱りきっており、地球人より退化しているくらいだ!クレストはため息をついて「これが我々アルコンの大問題なのです。我々の種族は生物的に疲弊しきっているのです。私たちがここまでやってきたのもその問題の解決策を見つけるためでした」

 ここでマノリが妙案。「そういえばイギリスの医者でハガード先生という人が白血病の血清発明したはずですわ。それ使えばクレストはん、あんた助かりまっせ!」話はいっきにまとまって彼らはハガードが住んでいるというアフリカのモンパサに向うことになったのです。「じゃ、スターダスト使いまっか。お安くしときますで」「あんなボロ船に乗られないっての」結局アルコンの小型探査船を使うことになります。

 さて、唐突にトーラに話がしたいと言い出すローダン。「いいわよ、じゃあ、私の部屋へいらっしゃい」この私の部屋に、何故か円形のベッドがどすんと置いてあるという・・・。アルコン人、ラブホテルみたいな部屋が好きなのですなー(大笑い)。しかもトーラ、衝立の向こうでいきなり着替え始めよる。ローダン、「一体あんたたちは何しにきたん?」「それはね、生物的活性の高い種族を見つけて交配するためよ」要するに生物的活性の高い種族とはピンピンピンのピン!であるということでしょうか。交配という言葉に敏感に反応するローダン、「うほ、交配、そんならわてらと」「駄目よ、あんたたちはレベル4だもの。レベル9の私たちとは身分が違うわ」さすがにこんな訳の分からないこと言われたローダン、怒ります。着替えを終えたトーラをがばっと抱きすくめると「レベル4のキスを受けてみよ!」ぶちゅぶちゅぶちゅちゅちゅー。トーラは「極めて原始的な行動ね」「原始的?それならレベル3になったろかい」お前らいい加減にせんかい。

 出発するアルコン探査船。巨大な球形宇宙船の上部ハッチが開いて小型でまったく同じデザインの球形宇宙船が発進。マトリョーシカかい(笑)。この地球行はアメリカの宇宙基地にも秘密です。万が一にもこの超技術の塊である探査船を危険にさらすことができなかったからです。探査船は強力なる妨害電波を発信。やすやすと地球のレーダー網を突破してアフリカ モンパサ砂漠に着陸するのでした。でせっかくレーダー網を潜り抜けてきたのに着陸後さっそくアフリカ連邦軍?のジープに見つかってしまうと(笑)。兵隊たちはごろっと砂漠に着陸している宇宙船にびっくり仰天。しかし「こら、あかん」とうろたえるローダンたちを尻目になにやらリモコンらしきものを取り出したトーラ、宇宙船にエネルギーバリアを張って兵隊たちをさらに驚かせます。ジープで突撃しようとしたらガーン!、じゃあというので指揮官がピストルで撃ってもかんかん跳ね返されるばかり。なめるなというのでライフルで一斉射撃してもやっぱり駄目。しまいには宇宙船の重力制御装置で宙に舞い上げられどすんと落とされてしまうのでした。兵隊たちはほうほうの体で引き上げていきます。

 さあ、ハガード医師を誘拐、もとい協力を要請して連れてこよう。しかしローダン、あることに気がつきます。「あかん、ハガード乗せる車がない。金がいるで、飯だってくわなかんし」するとトーラがこれを使ったらと水銀を持ってきたのです。「これ、地球で売れないかしら」「あかん、温度計作るんやないんやから」がっかりするトーラ。しかしブルが何かを見つけます。「こ、これなんですか」「あら、それは洗浄機のネジよ、そんなものどうするの」ブル、その見つけたものを彼女に見せます。「これは、これはダイモヤンドじゃなかったダイヤモンドでっせ。こんなんネジにしたらあきませんわー」仰天する地球人たち。「あら、そんなに凄いものなの。だったらたくさんあるから好きなだけ持っていきなさい」アルコン人凄い(笑)。

 ところが、何者かが宇宙船の無線機使ってこのことをあの悪のボスに連絡しちゃった。ははあ、なるほど、スターダスト乗組員の中にスパイがいたと。「よっしゃ、金儲けの時がきた、ものども、出かけるぞ」となっちゃった。おまけにアフリカ連邦軍、ジープの兵士たちの報告を聞いた将軍様が激怒、ヘリコプターで宇宙船を調べに来たのです。「おら、もっと近づけ、何してる」パイロットは「いや、でもなんか見えない壁があるとか」「そんなキチガイのいうことを信じるな、さあ、行くのだ」がん!はい、バリアにぶつかってそのまま地上に降りちゃった(笑)。

 ルーン将軍のヘリコプター、何故かバリアの内側に着陸しておりました。するとバリアの上部は開いているのでしょうか(笑)。よろよろとヘリコプターから降りてくる将軍、その時彼の目の前にトーラが現れます。「おい、女、この船の指揮官を出せ」トーラはにこやかに「私が指揮官ですのよ」「そんな女が指揮官だと、ふざけるな」しかしにこやかな表情を崩さぬトーラ。将軍、だんだんあせって「と、とにかく、お前らは我がアフリカ連邦の領土に不法侵入したのだ、逮捕だ、逮捕する」「ほほほほほ、逮捕などできませんよ。あなたがたは私たちに適わない」ここでトーラ、ヘンなことを言い出します。「将軍さん、あの山に兵隊さんはいて」いいやと首を振る将軍。トーラは「じゃあ、将軍さん、さようなら」探査船の中に入っちゃった。将軍激怒しますがどうにもなりません。諦めてヘリコプターに乗り戻っていきます。

 直後、再び離陸する探査船。さあ、ハガードを迎えに行こうということなのですが、その前にトーラ、「教訓を与えておかなきゃね」「お、おい、何すんねん、無茶はいかんがな」と騒ぐローダン達を尻目にスイッチをカチッ。すると探査船から光線がほとばしり出て兵隊がいないといわれた山を爆発させてしまったのです。「ひゃー、かなわん、こら、凄い威力や」地上でも将軍と兵隊たちが呆然としているという・・・。探査船、そのまま飛び去ってしまいます。

 一方悪のボス、アジトから自家用飛行機を使ってアフリカへ。空港で出迎えの部下に「船はまた離陸したそうです」と言われたボス、にやりとして「よし、我が友の出番を待とうではないか」つまり、また誰だか分からないスターダスト号のスパイを使おうということなのでしょう。その間もぴゅーっと飛び続ける探査船。あっという間にハガードの研究所があるモンパサに到着。トーラはローダンとブルに例のリモコンを渡し、「気をつけてね」と送り出すのでした。船はまた離陸してもとの砂漠へ。なんだ、誰も手が出せないんだから、ここに留まってハガード乗せればいいじゃないかと思うのですが。こんなことしているからルーン将軍、報告を受けて大統領に「ほら、チャンスです。二人が船に戻るまえに捕まえてズッタンタンのギッタンタンにしてごらんにいれます」張り切り出しちゃった。

 さて、ローダンとブル、モンパサの市場をそぞろ歩き。まずハガードを乗せる車を調達しなくちゃという訳なのです。そこに近づいてきたのがポン引き(笑)。彼は「おや、旅のお方、ここらで女子遊びはどうですか」ローダン、思わず、「ほな、早速四人ばかり頼もうか」といいそうになるのですが、さすがにそれはなし。主人公たるものがそうそう遊んでいちゃ話が進まないですからな。彼はポン引きに車屋を紹介してもらうことになります。でもこんな安いポン引きの紹介ですからその車屋もろくなもんじゃありません。ローダン達が支払いはこれでとダイヤを見せた瞬間、目がきらっ。「じゃー事務所の中で話ししましょ」彼はこっそりとポン引き呼んで「おい、お前手のすいた奴かき集めてこい。ダイヤを全部奪うぞ」だって。

 そうして部下がきたところでローダンとブルに脅しをかけるのです。「こいつらは命知らずで残虐な奴らですからな、目をくりぬくぐらい平気ですよ、さあ、おとなしくダイヤモンドを全部渡すのです。そしたら命は助けてあげます」ローダン、リモコン取り出して赤いボタンをカチッ。エネルギーバリアが発生します。そのバリアで拳銃を取り出そうとした男を壁におしつけちゃった。ローダン、なおもぐいぐいおすと男の顔が眼に見えぬ壁に押されて平べったくなる・・・ってまあ、ガラス板押し付けているだけですけどね(笑)。

この出来事にどぎもを抜かれた男達。ローダンとブルはこのチャンスを逃さず襲い掛かって殴る、蹴るの乱暴。一人隙をみてマシンガン構えた奴がいましたがこいつもリモコンの今度は赤いボタンをカチッ。重力制御装置が働いて空中に舞い上げられてしまいます。ふわふわと漂って急にずどんと落とされてきゅうと伸びてしまいましたとさ。「はっはっは」笑いながら立ち去るローダンとブル。車に乗っかってさあハガード博士の研究所に行こう。

 あっという間にハガード研究所に到着します。熱心に顕微鏡覗いていたハガードはこの時ならぬ珍客にびっくり。「オウ、あなたは宇宙飛行士のペリー・ローダン少佐。お名前は存じておりますぞ、はて、しかし今はあなた方は月の裏側で行方不明になっているのでは」「それが驚くべき話がありますんや、とにかくこの女の話を聞いてつかあさい」ローダンはあのリモコンの今度は丸いボタンをカチッ。するとこれがテレビ通信機になっていてトーラが映っているという。彼女はこれまでのことをハガードに説明します。ハガードはぽんと膝を叩いて、「分かりました。お力になりましょう」さあ、善は急げ、ローダンとブルは車でハガードを連れ出すことになります。しかし奇妙なことに二人の美人看護婦を同行させると言い出すハガード。手術の助手なのだというのですが、はて、ハガードは白血病の血清を発明したんじゃなかったっけ。

 あの悪党店主、ローダン達のことを警察に通報します。そして「奴らはハガード研究所に行くと言っていました」パトカーが急行します。ローダンたちは慌てて「あかん、急げや、急げ、逃げるのや」猛スピードで逃走します。後を追っかけるパトカー、さらにそのあとからずーっと見張っていたらしいボスの部下達の車、三つ巴のスーパーチェイス。ローダン、呻きます。「あかん、このままでは早晩追いつかれてしまうわ、ブル、スピードおとすんや。わてが足止めさせたるわ!」ガソリンタンクと包帯を持って車から飛び降りたローダン、何をするのかというと包帯にガソリン浸して導火線代わりにします。それをガソリンタンクに突っ込んで点火。すると何故かどかーんどかーん、激しい爆発が起こるという・・・。ローダン、停車したパトカーから警察官が降りてくるのを見てびっくり。しかし銃撃されて倒れるのでありました。そこに追いついてきたボスの部下達。警官達を無慈悲に射殺するとローダンを捕らえてしまったのです。そのままボスのアジトに連れていかれてしまいましたとさ。

ローダン、何をやっているんだか(笑)。

 ローダンの働きでなんとか追っ手をまいたブルたち。緊急通信機のボタン押してトーラに連絡。早速飛来した探査船は重力制御装置を使って車を吸い上げ無事収容したのでありました。ローダンのことを心配しながらもとにかくクレストの手術を準備。これでクレストは助かると安心したのですが、もう言ってしまいましょう。このハガードと助手の看護婦二人は偽者だったのです。そしてスターダスト号の裏切りものとはフェイパー。彼はギャンブルにはまって借金こしらえその返済のためにスパイになったのでした。大宇宙を揺るがすSF大事件なのにギャンブルかよ、なんでそんなにセコイんだよ(大笑い)。彼らは手術道具と偽って運んできた機関銃を取り出し探査船を制圧。フェイパーはバリアを解除してボスの部下達を船に引き入れようとします。しかしそうは問屋が降ろさない。SF映画なのに問屋はないだろうと思いますが、とにかくトーラ、隙をみてロボットを起動させたのであります。ロボットは無慈悲にも看護婦二人、偽のハガードを目から発射された怪光線で蒸発させてしまったのでありました。

 一方、ローダンはボスのヘリに乗せられております。裏切り者フェイパーがバリアを解除するから船へ乗り込もうという訳ですな。ここで意外な裏切り者の正体を聞かされて愕然とするローダン。しかし、彼は脇を固めていたボスの部下ぶん殴ってヘリから叩き落します。そうして、ローダンはああ、飛び降りやがった。ぼんと地面に着地して「ああ、いたた、もうわても年やなあ」ってそういう問題じゃないんだよ。現にボスの部下は地面にめり込んで死んでいるじゃないか(大爆笑)。ローダンはオイッチニー、オイッチニーと体操して体の調子を整えるとそれ!探査船に向って走り出したのでした。

 バリアが解除されたことに気がついたルーン将軍、部下に攻撃命令。バズーカ、装甲車、大砲で攻撃を開始。ロボットが一体外に出てきてあの怪光線で装甲車を蒸発させるのですが、攻撃はやみません。探査船、危うし、ローダンはまだか。

 ロボットに追われるフェイパー。彼はそれでもトーラを人質にとって逃走します。ローダンに逃げられて怒っていたボスはフェイパーがトーラを連れてきたので大喜び。「よし、この女さえいればまだ勝てるぞ」彼らはトーラをどこぞの島にある本拠地に拉致したのでありました。その頃ローダンはようやく探査船にたどり着いてバリアを再起動。アフリカ連邦軍の攻撃はまったく通じなくなってピンチを逃れたのであります。

 さて本拠地に連れてこられたトーラ、ここには同じく本物のハガード博士も捕らえられていました。ボスはトーラから奪ったアルコンベルトをひらひらさせながら、「このボタンを押すとどうなるのだ。バリアか、重力制御か、はたまた別の効果があるのか、教えるのだ」トーラはもちろん黙して語らず。するとフェイパー、軽率にも「面倒くさいから押しちゃいましょう」カチッ、押しちゃった。「あ、このバカ、何しやがる」とボスは慌てるのですがもう後の祭り。トーラがニヤーッとしております。実はこのボタン緊急通信機になっておりまして、これを押すとトーラがどこにいるか分かる仕組みになっていたのです。

 探査船では「やった、トーラの居場所が分かったぞ!」クレスト大喜び。さっそく探査船を離陸させて本拠地のある島へ。彼はローダンとブルにアルコン式戦闘服を貸し与えるのでした。「これで百人力や、クレスト、行ってくるで!」ローダン、ブル、張り切ること、張り切ること。二人はあっという間にボスの屋敷に踏み込んできます。えーっと飛んできたのかな(笑)。ひょっとしたら放映の際にカットされているのかもしれません。とにかく屋敷に踏み込んだローダンとブル、「やいやい、神妙にお縄につけえ!」だからSFなんだからお縄はないだろう。驚いたボス、アルコンベルトを持ったまま隠し扉を開けて逃走。フェイパーも「あ、ボス、そんな殺生な、置いていかないで」と閉まり始めた扉をくぐろうとしたのですが、間に合わずに挟まれちゃった。「びびびび・・・」フェイパー押しつぶされて絶命します。悲惨ですなー。

 ローダンとブルは見事にトーラと本物のハガード博士を救出。船に戻ります。トーラ、あのボスの仕打ちに相当怒っていたようで「おしおきしてあげるわ」カチッとボタンを押すと船から放たれる怪光線。島は大爆発してしまうのです。「さあ、これでなんもかも終わった、月にもどろやないですか」めでたし、めでたしとなると思いきや、いきなりボスが現れて「まだまだ死なんぞ」どうやって助かったかのかと思いますがトーラによるとアルコンベルトが転送機になっているのだそうな。それを偶然に作動させてしまったということなのでしょうか。ボスは拳銃を突きつけて「やい、降伏するのだ」しかし、開き直ったローダン、ずいと前に進み出て「撃つなら撃ってみんかい、わてを撃ってもまだブルがおる。ブルを撃ってもトーラがおる、どうや、はよ撃たんかい」この無茶な脅しでボス、ビビッてしまうのですなあ。「いや、ちょっと待って、ねえ、手を組もうよ、そして宇宙を支配するんだ、ね、スゴイだろ」と言いつつ後ずさり。タイミング見計らったトーラがボタンを押すと壁ががたんと開いてボスおっこっちゃった。そのまま排気口から外にぽん。恐怖に顔を歪めて大宇宙を漂うボス、あ、死んだ。

 月面に戻った探査船、母船に収容されるとさっそくハガードがクレストを治療します。あっという間に快癒するクレスト。全てが終わりました。地球人たちはスターダスト号で地球に戻ることになったのです。ブルはクレストに「なあに、すぐ戻ってきますさかい、今度はこの船、修理して飛べるようにしましょ。それにクレストはん、アルコンと地球で交配しよう言うてはったじゃないですか、今度はアルコン美人をどんと連れてきてくださいよ。交配の実験しましょやおまへんか」腰をかくかく動かすブル。「あー、はよう実験したいわあ」さすがにクレスト、気味が悪そうにしております(笑)。

 「あ、そういえばローダン、どこ行ったんでっしゃろ」ようやく腰の動きを止めたブル、ローダンを探します。「少佐、少佐、どこにいてはるんですか」トーラの部屋を覗いてみるとあ、ローダンとトーラがぶちゅぶちゅぶちゅちゅちゅーとキスしてやがる。ブル、悔しそうに「あ、少佐、もう実験してはる」と叫んだところでエンドマーク。

 やっぱりねえ、あの宇宙英雄ローダンがね、地球のね、せこい麻薬組織のボスとガチンコで戦っちゃいけませんよ。ボスもボスでこんな相手に「よーし金儲けのチャンスだ」と張り切ることはない。

 カラー・スタンダード、モノラル音声。画質は汚いセピア色(笑)。ちょっと見たぐらいじゃカラーと分かりません。音声はまあ、普通のレベルか。日本語字幕つき。

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『ゴリラの脅迫状』(『The Gorilla』1939年)

 

『ゴリラの脅迫状』(『The Gorilla1939年)

早い話が当時人気があったらしいリッツ・ブラザース(アル・リッツ、ハリー・リッツ、ジミー・リッツ)という兄弟のコメディチームを使ってでっち上げたホラーコメディ。兄弟であることからマルクス・ブラザーズと比較されることが多かったそうですが、彼らの芸風はむしろダチョウ倶楽部風(笑)。だからあんまり面白くありません。

これは今はなきディレクTVSFチャンネルで録画したものです。放映時間の関係で多少カットされております。そのため映画に矛盾が出ることもありますがまあ、あんまり気にしないでください。

 さて巻頭画面を飾るのは新聞の大見出し。「凶悪殺人ゴリラ、郊外を襲う」「警察、ゴリラはプロの殺し屋と発表」、「ついに5人目の犠牲者!」「ウェストチェスターの住民、恐怖のどん底へ」続いて映ったのはウォルター・スティーブンス(ライオネル・アトウィル)のお屋敷。おや、なにやらけむくじゃらのものが屋根でもずもずしておりますな。これが件のゴリラなんでしょうか。

 ここでシェークスピアの詩の一編を朗読する声。メイドのキティ(パスティ・ケリー)がベッドでシェークスピアの本を読んでいるのでした。すると開いた窓からにゅーっと毛むくじゃらの腕が伸びてきます。そいつは持っていた手紙をキティのベッドへぽとん。彼女はここでようやく腕に気づいて「ギャーッ」、彼女はどたばた部屋から走り出ます。「助けて、助けて、ご主人様助けてください」階下にどたばた下りていって「助けてー、助けてー」ドアをばたんと開けると猫がにゃーっ。びっくりしてさらに悲鳴を張り上げるキティ。「ギャーッ、ギャーッ、ギャーッ」「いくらなんでもうるさいよ、お前」とその頭を引っぱたいたのがベラ・ルゴシ演ずる執事のピータースであります。彼は一体どこから現れたのか。さらにスティーブンスも出てきて「君は夢でも見たのではないかね。とっとと寝室に下がって寝なさい」しかしもちろん、あの毛むくじゃらの腕はキティの夢ではありませんでした。彼らはあの手紙を見つけたのです。中を開けてみると、それはおお、「ウォルターズ、次はお前の番だ」、「ゴリラからの脅迫状だ!」一同愕然とします。

 ちなみにこの脅迫状、新聞の文字を切り抜いて貼った古典的なもので、誰の目にもすぐ脅迫状と分かる親切なつくりになっております。

 ベラ・ルゴシ、奇妙に凄みのある表情で「旦那様、ゴリラは脅迫状の24時間以内に相手を殺すと言われていますよ」スティーブンスは警察に電話しようとするのですが、その前に電話が鳴り出した。スティーブンス、電話を取って相手の声を聞くと慌ててキティとルゴシに「出て行ってくれ」そして謎の相手とこんな会話をするのでした。「なに、月曜日までって言ったじゃないか、それを土曜日、明日までだと無理を言うな、そんな25万ドルすぐ用意できるものか、いや、まってくれ、計画はある。それが上手くいけば払えるぞ」どうやらこのおっさんも何か怪しいところがあるようで…。

 そんな中スティーブンスの姪、ミス・ノーマ・ディンビー(アニータ・ルイス)が明日到着よろしく歓迎されたしという電報が届きます。はて、スティーブンスのいう計画とは彼女に何か関係のあることかしら。それに、ほら、スティーブンスの書斎の窓のところに怪しい人影が。

 話はぱっと飛びまして翌日の夜、ヒドイ嵐の中、電報の予告どおりノーマと彼女の婚約者ジャック・マースデン(エドワード・ノリス)が到着。ノッカーをがんがんやると小窓が開いてベラ・ルゴシがにゅっ。ぎょっとするジャックとノーマです。屋敷の中に入ったノーマとジャックはスティーブンスと感動の再会を果たすのでした。ところが二人の話を聞いて驚くスティーブンス、一ヵ月後に結婚の予定になっていた二人はとうとう辛抱しきれなくなって明後日結婚しちゃうのと言い出したからです。実はノーマの父親の遺産は彼女が結婚するまでスティーブンスが管理することになっておりまして、このヘンがどうやら物語の鍵になっているのではないかと。

 気を取り直したスティーブンスは二人にあのゴリラの脅迫状のことを説明するのでした。「スティーブンスさん、当然警察には知らせたんでしょ」とジャック。しかしスティーブンスは首を振って「いや、この場合警察に知らせては逆効果だ。その代わりに腕利きの探偵を呼び寄せた」で、その探偵がこの嵐の中をオープンカーでやってくるという・・・(笑)。これが三人組で車の中で傘をさしている、おまけに運転しやすいように傘に覗き穴があけてある、公開当時、観客達はこのギャグ三連発に涙まで流して笑い転げたといいます。さらにノッカー鳴らして出てきたルゴシの怪しさに「ここはもぐり酒場かよ」とリーダーのモリガンが呟く軽いギャグ(笑)。もう公開当時観客達は叫んだそうです。「これ以上笑わせないでくれ、は、腹が痛い、殺す気か!」

 一応この三人組の探偵を紹介しておきましょう。リーダーのモリガン(アル・リッツ)、ハリー(ハリー・リッツ)、ギャリティ(ジミー・リッツ)、そして探偵社の名前がACME。アクメと読みます。

 さて、探偵たちは屋敷に入ってスティーブンスと面会。そして彼らを呼んだ理由がゴリラの脅迫状であることを知らされます。ここで一発、「聞いてないよー」はお約束ですね。それでも仕事だからということで屋敷を調べ始める三人です。一方ジャックはノーマに「どうもこの事件は信用できない、怪しい感じがする」、スティーブンスは書斎の隠し金庫を開けるのですが、その様子を怪しい人影が覗いていると、まあ、いろいろなことが起こっている訳です。そして夕食の時間になりました。スティーブンスたちが食堂で夕食食べている間、探偵たちはキティを取り調べ。「やい、お前、昨日の夜のアリバイは」うんざりしたキティ、「あたしはシェークスピアと一緒にいたわよ」「なに、そいつは誰だ」「もうとっくに死んでいる人よ」「何、殺人事件か」「死んだのは何百年も前なの」「すると時効だな」探偵三人組は声をそろえて叫びます。そして突然クルリとカメラの方を向くと「カットしないでね!」そういうクスグリはいいですから(笑)。この調子で捜査は一向に進まない。

 さて夕食終わってスティーブンスの書斎に集まった一同、雷がなったかと思うと突然停電します。同時にがちゃーん、窓を破って投げ込まれたのは手紙のよう。ここでぱっと電気がつきます。そしてその手紙を開いてみると「真夜中だぞ」探偵たち、各々の腕時計を確かめて「10時半だ、あと一時間半だな」「いや、おれの時計は11時だ、あと1時間だぞ」「いんや、11時半だ、あと30分しきゃないぞ」スティーブンス、心底がっかりした顔で「1045分だよ、君たち、馬鹿じゃないの」探偵三人組は声を揃えて「何?バカ?」、「ははーん、バカだなあ」派手にズッコける皆さんです。

 ここで何者かが本物のゴリラの檻を開けてしまう場面が挿入されます。ゴリラ大喜びで逃げ出します。

 そのまま書斎で真夜中を待つ一同。午後1155分になったとたん、ラジオが突然鳴り出して「あと五分だぞ、スティーブンス」みんな飛び上がります。ここで2階からがたんごとんという音がします。それっと駆けつけた探偵三人組。しかし音はすれども姿は見えず。足音が階段を下りてきて三人組の前をひたひたひた。さらにドアがばたんと開くのであります。仰天する三人組。するとまたドアが開いて現れたのがベラ・ルゴシ。透明人間かというギャグなのでありますな。三人組おそるおそる「あなた、今、ここ通った?と聞くのが宜しい。

 またまたラジオが突然鳴り出します。「あと一分だぞ、スティーブンス」どうでもいいけどそんなに細かく知らせてくれなくていいと思うよ(笑)。ノーマはたまらなくなって「警察に電話しましょう」しかし、どうしたことか電話が通じない。うろたえさわぐうちについに午前12時。ぼーん、ぼーん、ぼんとまた電気が消えて真っ暗闇。いつの間にか現れたルゴシがぱちりとスイッチを入れて明るくなったのですが、なんと、スティーブンその人が姿を消していたのでした。驚いた探偵三人組声を揃えて「つかみはOK!」「OKじゃないだろう」ジャックに張り倒されてしまいます。

 さあ、どこに行ったかスティーブンス、捜索が開始されるのですがなかなか見つかりません。そんな中、書斎にいたキティ、クローゼットのドアがゆっくり開くのを見て仰天。中からまた毛むくじゃらの手がにゅー。キティ、「ぎゃー、ゴリラが、ぎゃーっ」つくづくうるさい人ですな、この人ぁ。そこでクローゼットを開けてみたらごろん、失神した見知らぬ男が転がり出てきたのです。一同唖然としますが放り出すわけにもいきません。2階に寝かせてノーマが看病することとなったのです。

 さて、探偵三人組、書斎でへんなことを考え付きます。消えたスティーブンスを探すために犯行状況を再現してみよう!リーダーのモリガンはギャリティを書斎の机に座らせ「ここで電気が消えたんだ」スイッチをきるとはい、真っ暗闇。すぐにスイッチ入れなおして「この時にはもうスティーブンスは・・・」ギャリティも消えちゃった(笑)。頭を抱えたモリガン、「じゃあ、今度はギャリティを探すために犯行状況を再現してみせよう」いやがるハリガンを無理やり座らせます。そして電気をぱちっ、はい、予想通り今度はハリガンまで消えちゃった(大笑い)。しかしそれでもこりずに今度はキティを座らせてスイッチをパチッ。今度はモリガンその人が消えて代わりにルゴシが現れたという・・・。キティはびっくりして目をこすります。今の今までモリガンがいたのに、なぜかルゴシに入れ替わってしまったからです。キティ、「なんで、あんたがいるのよ!」

 ここで新たな展開。なんのためもなくしごくあっさりと書斎に謎の人物が入ってきたのであります。彼は書斎をきょろきょろ見回すと例の脅迫状を見つけてポケットに。そして物音に気がついてあのクローゼットのドアを開けるとモリガンが転がりでてくるのであります。モリガンは「うわー、うわー、いきなり暗くなったと思ったら、こんなところに、一体どうしたんだ、俺、畜生、訴えてやる」帽子をむしりとって床にたたきつけるサービスぶり(笑)。彼は謎の人物にようやく気がついて「あんた誰」謎の人物は涼しい顔で「いや、車が故障してね、電話を貸してもらおうと思って」モリガン、当然ながらそんな言い訳を信じず、ピストルぱっと取り出して「やい、お前がゴリラだろ、白状しろ」しかし逆に殴られて気絶、謎の人物から手錠を掛けられてしまうのです。

 モリガン張り倒して手錠までかけた男、あの壁の隠し金庫を開こうとします。しかしモリガン気がついて「助けてー」その声を聞きつけたジャックがやってくるのです。男はこりゃいかんと本棚のスイッチをカチッ、ずーんと開いた秘密の通路に逃げ込むのでした。モリガンはジャックに手錠を外して貰いながら「ゴリラっすよ、捕まえようとしたら逆にやられたんですよ」さらにあのクローゼットからがたんがたんという音。開いてみるとしばられたギャリティとハリガンが転がり出てくるという・・・。

 もう面目丸つぶれの探偵三人組、というか、とっくに面目つぶれ放題につぶれておりますが(笑)、一大決心。「なんとしてもゴリラを捕まえるのだ。ムッシュムラムラー!」そうして彼らは隠し扉や通路を見つけようと壁をとんとんたたき始めます。とんとん、とんとん、とんとん、がんがん、ん?とんとん、がんがん、とんとんは壁を叩いている音だけどがんがんというのは何だろう。それは玄関のノッカーでした。開けてみると怒り狂った紳士が飛び込んできます。紳士、コンウェイ(ポール・ハーベイ)は実はスティーブンスの電話の相手。彼は叫びます。「わしは25万ドルの借金を取り返しにきたのじゃ。スティーブンスはどこじゃ、奴は計画があるから借金返せるといっておったぞ」この言葉を聞いて眉をひそめるジャック。「計画というのはなんだ、ひょっとしたらノーマをどうにかして・・・」

こんな話なのに登場人物だけやたらに多いですな。

 さて、探偵三人組、ついに地下室の捜索に着手します。というか、もっと早くに調べたらどうかと思いますが(笑)。わいわい言いながら降りていく。そうしてあちこち調べておりますと、モリガンの背後にゴリラが登場。ハリガンとギャリティはゴリラを見て恐怖するのですがモリガンは気がつきません。「きゃーっ」不人情にもモリガン見捨てて二人逃げちゃった。ここでようやくゴリラに気づくモリガンでしたが、「ははあ、ぬいぐるみだな」とか思ってる。「君、いい加減で脱ぎたまえ」しかしゴリラ、火かき棒を取り上げるといとも簡単にぐにゃー、曲げちゃった。いかん、本物だ、モリガンもまた「きゃーっ」逃げてしまうのでありました。

 この騒ぎを聞きつけたジャック、ノーマを残して見に行きます。そうするとノーマの目の前でまた秘密の扉からゴリラの腕がニューッ。また「きゃああ」という悲鳴。どうもこの映画、男女を問わず悲鳴を上げてばかりですな。ジャックや探偵三人組がかけつけてくると、丁度秘密の扉の向こうにゴリラが逃げていくところ。「それ、おっかけろ!」みんなでどやどや通路に押し入るのですが、どーん、ゴリラが扉を急に開けたので跳ね飛ばされてしまいましたとさ。そのまま台所にごろんごろんと転がりでてしまいます。どんな構造になっているんだか。この後ゴリラがキティをさんざん驚かしたあげくに攫ったりするのですが、あんまりおんなじことが繰り返されるので僕はもう嫌になってしまいました(笑)。

 ここでまたまた新たな登場人物、ゴリラの調教師(ウォーリー・バーノン)です。彼はジャックと探偵三人組に、自分とゴリラのポールはパーティの余興に呼ばれたというのです。そうしたらいきなり頭をやられて今まで失神していたのだとか。「ゴリラを探さなきゃ。下手をしたら人間を殺してしまう」そんな物騒な動物余興に呼ぶなと思います。ジャックは「じゃあ、あの脅迫状は何だ、ゴリラが書いたのか」しかし、調教師、「そんなね、ゴリラが字かけるわけないでしょ」謎は深まるばかりです(笑)。

 ラジオが三度鳴り出します。「ゴリラの役目は終わった。スティーブンスは死んだぞ!死体はガレージにあるぞ」ノーマは立ちすくんで「ああ、叔父様、やっぱり警察に届ければ良かった」泣き出します。ジャックと探偵たちはガレージへ。しかしスティーブンスの死体はなく、それどころかいきなりどんとゴリラの檻が置いてあるという・・・。中にはキティが閉じ込められていて「早く助けてよ」と金切り声を上げております。彼女を助けたジャック、「これは罠だ、しまった、ノーマが危ない」でもいくら罠だからといってこんな檻、鋼鉄製ですよ、を運び込むだけで大変だと思うけど。

 ジャックの思ったとおりノーマはゴリラに攫われてしまいました。嵐の中、ゴリラは屋敷の屋根にノーマぶら下げて上がっちゃう。うわあ、本当に女優さん吊るしてるよ(笑)。ノーマ危うしかと思われたのですが調教師が「ポール、駄目だよ、降りてくるんだよ」と叫ぶと割合あっさり降りてきちゃうという・・・。そのままノーマを放り出して逃げてしまいます。みんなはノーマを担ぎ上げて屋敷に運び込むのでした。どうも拍子抜けな話で申し訳ありません。そのゴリラ、書斎でまたまた隠し金庫を開こうとしていたあの男を襲います。男はまた隠し扉を開いて逃げてしまいました。

 ここでゴリラの出番はオシマイ。ゴリラは調教師共々「じゃ、お世話になりました」ってんで帰っちゃう。なんなんだかなあ。公開当時、呆れた観客も帰っちゃったそうです。

 みんなことの成り行きにあっけに取られております(笑)。どうなるのかと思っているとジャックが「あ、あんなところに服が挟まっているぞ」何かと思いきやあの本棚の隠し通路から背広がはみ出ているという・・・。ここにゴリラがいるのに違いない。みんなで「おーい、出て来い」するとあの謎の男が「いやいやどうも」と出てきやがった。ようやく男は名乗ります。「私はコレッティ(ジョセフ・カレリア)秘密情報局の警察官、そしてあなたのボディガード」ジャックは呟きます。「いや、ボディガードじゃないけれども」コレッティはそんなジャックを気にも留めずに「実は私、ゴリラの捜査をしておりました。この屋敷は隠し通路だらけです。ほら、さっきラジオが勝手になったでしょ、あの配線をたどればゴリラの正体が分かりますよ」

 彼の言葉にしたがってぞろぞろとラジオの配線たどる一同。隠し通路の中まで辿って行って小部屋にたどり着いた。「あ、なんてことだ」探偵三人組が叫びます。「マイクがあるぞ」「そして縛られているのは」これはジャック、「スティーブンスじゃないか」コレッティは頷きます。「そう彼が本物のゴリラだったのです」彼らはスティーブンスを引き連れて書斎へ戻るのでした。

 何故か借金取立て男のコンウェイまで加わって謎解き。実はスティーブンスはノーマを殺して財産横取りを画策していたと。それで警察には届けず、現場を混乱させるためにACME社のバカ探偵三人組を雇ったのだというのです。探偵三人組はこれを聞いて、「何?バカ?」、「ははーん、バカだなあ」でも二回目だから受けないの。スティーブンスはゴリラの腕を模した手袋を使ってキティに自分宛の脅迫状を届けたらしい。

 さあ、すべてが終わった。いろいろあったけれども君たちありがとう。コレッティはモリガンと握手するのですが、あ、何故かその手が毛むくじゃら。モリガン、叫びます。「いや、違う、彼こそゴリラだ」は?本物のゴリラは関係ないんじゃなかったの?それに狼男じゃないんだから毛深いだけでなぜ犯人になっちゃうの。呆れたことにコレッティまで「わははは、良くぞ気がついたな。そう、俺こそが本物のゴリラよ。スティーブンスに罪をかぶせて25万ドルを奪うつもりだったのだ」25万ドルはコンウェイの借金の額でノーマの財産とは違うでしょ(笑)。もうめちゃくちゃ。

 コレッティはピストルをみんなにつきつけて「かわいそうだがそうと知られたんじゃ生かしちゃおけねえ、さあ、覚悟しな」この時背後にすっと現れたのがベラ・ルゴシ。彼は逆にコレッティの背中にピストルを押し付けるのでした。はい、これまでよ。スティーブンスは電話を取り上げて、あれ、不通じゃなかったの(笑)「もしもし警察ですか、ゴリラを捕まえました」

 これから本当の謎解き。スティーブンスの保険会社はゴリラのせいで破産寸前だったのです。そこでコレッティと二人でゴリラをおびき出す計画をたてたというのですが、そのコレッティがゴリラその人だったと。もうぜんぜんリクツに合わないし、矛盾だらけなのですが、何しろ映画がこうなっているのです。私らは我慢するしかありません。しかし、納得しないのが探偵三人組、スティーブンスのあまりな告白を聞いてモリガンが怒りだしてしまいます。帽子をむしりとると床にたたきつけ「訴えてやる!」ハリガンとギャリティが彼をなだめて「リーダー、リーダー、今、カメラ回ってる」三人そろって頭を下げて「すみません、取り乱しました」はい、エンドマーク。

限られた屋敷の中で同じような騒動をえんえんと繰り返す。個々のギャグには優れたものもあったのですが、この単調さには耐えられません。私は一番最初にこの映画を見た時、最初の10分で深い眠りに入ってしまいましたよ。

モノクロ・スタンダード、モノラル音声。画質はそこそこ。音質もそこそこ。でも映画が決定的に駄目だった(笑)。

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『地球最終戦争』 1961年

 

『地球最終戦争』(『IL PIANETA DEGLI UOMINI SPENTI』アメリカ公開題名『BATTLE OF THE WORLDS1961年 オリジナル84分)

 地球に謎の隕石接近。地球滅亡の危機だ、どうしよう映画の一本。田所博士のような半マッドサイエンティストが登場するのですが、偉そうに文句を言っているばかりであまり役に立っていないのが玉に瑕。ま、良かったらご覧くださいな。

 これは今はなきディレクTVSFチャンネルで録画したものです。放映時間の関係で多少カットされております。そのため映画に矛盾が出ることもありますがまあ、あんまり気にしないでください。

 巻頭いきなり海岸ぺりの崖を降りてくる女、彼女は海で泳いでいる男に、「フレッド!今知らせが来たわ。転属の許可が出たのよ、もちろん、私も一緒よ」「イブ、それは本当かい、まったく素晴らしいことじゃないか」このフレッド(ウンベルト・オルシーニ)はもと軍人の天文学者でどうやらイブ(マヤ・ブレント)の恋人らしい。

 ですぐさま転属したのがこの島にある天文台、いや、転属はまだしてないのかな、ちょっとカットされているらしくって良くわからないのです(笑)。その天文台で宇宙を観測しているフレッド、なにやら異変に気がつきます。彼は上司のコーンフィールド博士に報告、さらに詳しく調べるために電子望遠鏡を使うのでした。そしていまひとつ何が起こっているか分からないけれども、みんなとにかく真っ青。「えらいこっちゃ、えらいこっちゃ」だからそのえらいこっちゃというのは何なのですか。

 フレッドはこの結果を持って同じ島に隠棲している数学者、ベンソン教授(クロード・レインズ)を尋ねるのでした。彼は自慢の植物園で植物に水をやりながら「ふん、ようやく来たか。この馬鹿者どもめが」「いきなり馬鹿者ってなんですか」むっとするフレッドですが教授委細構わず「だからお前たちは徹底的な馬鹿者だというのだ。わしなんか5日も前にこれに気がついていたぞ」「それでは我々の結論と同じですか」「そうだ、太陽系外から惑星アウトサイダーがやってくる」どうやらこのアウトサイダーとやらが地球に衝突するのではないかと、それでみんな大慌てだった訳です。

 話はいきなり地球人の火星基地へ飛びまして司令官のロバート・コール(ビル・カーター)が何らかの原因によって軌道を外れた2隻の宇宙船MS-15 J5にさかんに呼びかけております。現在火星基地はナトリウム系の磁気嵐(どんなものか分からないけどとにかく字幕がそうなっている)に取り巻かれておりまして詳しい観測ができません。だから2隻の宇宙船が軌道から引き離された原因を調べることができないのです。そうこうするうちに宇宙船にいきなり接近してきたのが惑星アウトサイダー?宇宙船はこれの重力に引かれていたのです。このままでは早晩アウトサイダーに墜落してしまう!コールはJ5の乗組員に脱出してMS-15に移乗するよう命令。そしてMS-15のパイロットに「とにかく目一杯エンジン吹かせ、ゴーッといけ、根性と気合で乗り切れ」という適切な指示を与えて(笑)見事アウトサイダーの重力圏から脱出させたのです。

 この時、火星基地はようやくアウトサイダーの観測に成功します。

 またまたベンソン教授の自宅に集まるコーンフィールド博士、フレッドたち科学者。教授の指示を仰ぎに来たのですがどうやらベンソン教授、そのアクの強い性格で前職を失った経験があるらしい。だから「いいもーん、だってわしの言うことなんてどうせ、誰も信じないもーん」と拗ねております(笑)。それをなだめすかして意見を聞きだす博士たち。どうも難儀なことであります。その意見とは「アウトサイダーは地球に衝突などせん。15万キロまで最接近するが、それだけだよ」というもの。コーンフィールド博士、うっかり「いやー、先生、他の天文台や月・火星基地では衝突間違いなしっていっているんですけど」「ふーん、だったらいいよ、ほら、わしのいうことなんか誰も信じやしない」あー、また拗ねちゃった。

 拗ねたベンソン教授は放っといてどんどん進めましょう。火星基地よりコール司令官が地球に帰還。彼は対アウトサイダー作戦の指揮を取ることになったのです。ベンソン教授を信じない政府はアウトサイダーを爆破しようとしていたのでした。ここでまた新展開。アウトサイダーは教授の予測どおり地球へ15万キロまで接近。地球の周回軌道に占位したのであります。この事を知らされた教授、「ほら、馬鹿者が、わしの言ったとおりになったであろうが」と威張るのかと思いきや顔を曇らせて「それはありえない」何を考えたのか教授、一転してアウトサイダーの破壊を主張しはじめたのです。しかしアウトサイダーがさらに接近してきたため爆破は地球に悪影響を及ぼすとの理由でキャンセル。教授、またまた「ほら、わしの言うことなんかだーれも信じないもんね、いいもん、いいもん、わしぐれるもん。夕暮れの海岸走ってこの俺の青春を止められるかって叫ぶもん、暴走族入って富士山目指して年越し暴走やるんだもん」どうも困った人ですな。

まあ、こんなに前言をくるりと引返すような人は信じてもらえなくて当然だと思います(笑)。

 この後天文台に招かれるベンソン教授。コーンフィールド博士やフレッドたちとアウトサイダーを調べに行く宇宙船を特製のヴュースクリーンで見守ることになります。バシューッとロケット吹かして宇宙空間を疾駆する宇宙船BZ8。ていうかこれは誰が撮影しているのでしょうかというのはもはやこの手の映画に対する定番のツッコミですな。地球のみんなが固唾を飲んで見守る中、アウトサイダーに接近するBZ8。すると驚いたことにアウトサイダーから空飛ぶ円盤群が飛び出してきたのです(大笑い)。円盤群はBX8を取り囲むと怪光線で攻撃、あっというまにBZ8を破壊してしまったのであります。

 驚愕する科学者たち。一人ベンソン教授だけは「これがわしの恐れていたことじゃった。アウトサイダーは何らかの知的生命体によって操作されているのだ!」だったらもっと早く言え、公開当時、劇場ではこういうツッコミが飛び交ったそうです。

 地球の司令部はベンソン教授に対抗策を尋ねます。あんな惑星に72,000キロまで接近されたら地球の大気はめちゃくちゃ。人類の滅亡だ。しかし、教授ったら「わしに一切の指揮権を渡せ。そうすれば地球は救われるぞ」なんてことを言う。だから「一応教授には最高学位は差し上げますけど指揮権は渡しません。軍部が主導します」教授、またまた「ほら、わしの言うことなんかだーれも信じないもんね、いいもん、いいもん、わしぐれるもん。夕暮れの海岸走ってこの俺の青春を止められるかって叫ぶもん、暴走族入って富士山目指して年越し暴走やるんだもん、バスでシルバーシート座って年寄り来たって席譲らないんだもん」イブと一緒に悄然と自宅に戻るのでありました。

 さて、驕敵アウトサイダーを殲滅せんと地球で作戦が立てられます。「おとりのミサイルを撃って円盤を引き付ける。その隙にアウトサイダーをやっつける」という諸葛孔明も真っ青の名作戦。元軍人のフレッドも出撃することになりました。彼はベンソン教授に「イブを頼みます。僕は先輩であるコール司令官と一緒に出撃します」教授、「ふん、素晴らしい同窓会になるだろうよ」まあ、ここでだってイブがあんまり僕のこと気にしてないみたいなんです。そりゃあ、イブが行かないでといったら戦争なんかにいきませんよというフレッドの愚痴が入るわけですが、面倒くさいので省略させて頂きます。

 さあ、宇宙船アルファ23に乗り込みアウトサイダーを目指すフレッドとコール。あの「おとりミサイル作戦」はどうなったのか、いきなり円盤に囲まれしまいます(大爆笑)。地球と交信しつつ円盤の攻撃をかわすアルファ23。コールは「うぬぬ、これでは埒があかん、地球との交信を切って自由に戦うのだ」びゃーん、びゃーんと飛び回るアルファ23。何故か今まで彼らの行動を読んでいたかのように先手を取っていた円盤群の動きが鈍ってしまいます。「そうか、奴らは地球との交信を傍受していたんだ」

 調子に乗ったフレッドとコール、手近の円盤に向って突進。衝突寸前できゅうと交わします。その勢いにびびったのか、円盤はバランスを崩してふらふら。地球めがけて落下しはじめたのでした。他の円盤群はこの攻撃に驚いたのかアウトサイダーへ撤退。地球人類はじめての勝利であります。コールは通信機に叫びます。「あの円盤を拿捕して徹底的に調査するんだ」

 円盤地球へ軟着陸します。ベンソン教授はりきるまいことか。「よし、早速円盤の内部を調べるのだ」マシンガン抱えて円盤内部に潜入するフレッドたち。のんのんずいずいと進んでいくのですが、予想したようなエイリアンの姿はなし。コール司令官はぽつりと「フツー、このヘンでバケツ抱えた宇宙人出てきて水をくれと手振りで頼んできたりするものだが」そんなマニアにしか分からないクスグリはよしましょう。彼らはついに円盤の中央部に到達。球体から多数の足が生えているような奇怪な装置を発見するのです。「よっしゃ、その装置を運び出せ。彼らの秘密を暴けるぞ」さらにはりきるベンソン教授です。

 みんなでわっせわっせと教授の自宅へ運び込むという・・・。急ぎ装置の分析が進められるのですが、その間にもアウトサイダーは地球にどんどん接近します。大気中の放射能が活発化して、地震・雷・火事・親父、火山も爆発して地球えらいことになってしまいます。軍司令部からは「まだ分析終わらないのですか、あんまり時間がかかるようだったらわしらの方で核ミサイルぶち込みまっせ!」しかし、ベンソン教授、ゆうぜんと「一休み、一休み、あわてない、あわてない」と一休さんみたいなことを言っておりますな(笑)。

 軍司令部の忍耐力も限界に近づいた頃、ついに装置の分析が完了。喜色満面で叫ぶベンソン教授。「アウトサイダーの言語が分かったぞ、あの円盤どもに自爆命令だって出せるぞ」ついに反撃を開始する地球人!伊福部昭の音楽が鳴り響き多数の宇宙ロケットが進発します。もちろん、コール司令官、フレッドも出撃しているぞ、どうも円盤撃墜したり内部を調べたりさらに彼らの電波を分析したり忙しいことですな(笑)。そしてアウトサイダーより飛来してくる円盤群。てっきり解析したアウトサイダーの言語で円盤に自爆命令だすのかと思いきや「よーし、電波攻撃だ」まあ、具体的にどんな兵器でどんな具合に攻撃しているのか良く分からないのですが、とにかく円盤の一機が大爆発。「よーし、この勢いを持ってアウトサイダー本星に攻め込みかの惑星を破壊してしまへ!」大喜びの軍司令部です。

 しかし、そこに待ったをかけたのがベンソン教授。彼はアウトサイダーの内部を調査させよと言い出すのです。彼はまた「そうさせてくれなきゃ、わしぐれるもん。夕暮れの海岸走ってこの俺の青春を止められるかって叫ぶもん、暴走族入って富士山目指して年越し暴走やるんだもん、バスでシルバーシート座ってじいさん来たって席譲らないんだもん、タバコすぱすぱ吸って吸殻投げ捨てるんだもん」夕暮れの海岸走られたり、年越し暴走されたり、シルバーシートに座られたりタバコの吸殻ぽい捨てされてはかないません。軍司令部、しぶしぶ教授に調査の許可を出したのでした。

 かくしてアウトサイダー探検隊が結成されるのです。メンバーはもちろん、ベンソン教授、おなじみコール司令官とフレッド、それになぜかコール司令官の妻キャシー(キャロル・ダネル)、教授のおつきでイブ。後は宇宙船パイロットのボイド(レンゾ・パーマー)という大所帯。さっそく宇宙船に乗ってシュパー。アウトサイダーに着陸するのです。イブは教授に宇宙服のヘルメットをかぶせてあげようとして「あら、教授、眼鏡はどうなさったんですか」教授は「わしが見たいのは真実だけさ」どうも二人でかみ合わない会話をするのでありました。

 さて、宇宙船を降りて内部へ向おうとする一行。タイムリミットは三時間、その後はミサイルが打ち込まれてアウトサイダーは破壊されることになっております。なにやら探知機のようなものを使って内部への入り口を発見。のんのんずいずいと降りていきます。その内部は赤いパイプがありとあらゆるところを埋め尽くした気味の悪いもの。コール司令官は「もういいから帰りましょうよ、こんなのイヤですよ」と弱音を吐いてばっかり。そんな中雑音を一切気にせずどんどこ進んでいくベンソン教授です。

 そして一行はついにアウトサイダーの中枢を思われる大ドームに到達したのでした。その中には円盤にあったものと同じような球体がどーんと置かれています。そして忌まわしいことにこのドームの床はエイリアンと思われる死体に埋め尽くされていたのでした。「見よ、彼らは宇宙の難民だ。何らかの危機から一生懸命逃げてきたのだ。しかし、哀れなことに彼らは放射能のせいで死んでしまったのだよ」つまり、あの球体は電子頭脳でそれがアウトサイダー本体と円盤群を操っていたという訳。この謎が判明したとたん、ばっちりのタイミングで電子衛星の防衛機構が発動。自壊を開始したのです。こらあ、あかんと逃げ出しにかかる一行。しかし、ベンソン教授だけは後に残るというお約束のパターン。

 それ逃げろ、やれ逃げろ、しかし途中でキャシーが落ちてきた瓦礫で大怪我。なんとか宇宙船まで運び込んだものの、あっさりと死んでしまいましたとさ。軍指令部は50秒後に特殊弾頭ミサイルを発射すると通告してきましたので、これ以上アウトサイダーに留まることはできません。やむなくベンソン教授を残して離陸する宇宙船、あの大ドームに残ったままの教授は「ま、待て、ミサイルは中止しろ、このアウトサイダーを元の故郷に帰してやるのだ」でもミサイルぎゅーん(笑)。観念した教授、宇宙船のイブに「さよなら」を言って、「人間とはおろかなものだ」ぼかーん、大爆発が起こってエンドマーク。

 愚かなのはこの教授だと思います(笑)。何もね、アウトサイダーの中に一人残るこたぁないやね、この期に及んでミサイル待て!と言ったって車とミサイルは急に止まれないんだからさ。

 カラー・スタンダード。モノラル音声。カラーですが赤茶けた画質でもう見られたもんじゃない(笑)。アルファビデオのDVDを彷彿とさせる低画質です。音もゆがみっぽく字幕がついていなければ聞き取りに苦労させられたことでしょう。日本語字幕つき。

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『悪魔の弟子』 1962年

 

『悪魔の弟子』(『The Devil`s Partner1962年)

 ええ、町の嫌われ者だったじいさんが悪魔を使ってあんなことや、こんなことをという映画。田舎町でもそーっと話が進んでもそーっと終わります。まったくもって盛り上がりに欠ける映画で、もし私がこんな映画見せられたら映画の売店のおばちゃん人質に取って立てこもりますな、ええ、誓って立てこもりますとも。

 これは今はなきディレクTVSFチャンネルで録画したものです。放映時間の関係で多少カットされております。そのため映画に矛盾が出ることもありますがまあ、あんまり気にしないでください。

冒頭夜の闇、本当に画面が暗くって何が起こっているのか良くわかりません(笑)。じっと目を凝らして見ておりますと、ああ、どうやらこれは老人らしい、山羊を抱えた老人でございます。老人は彼のものらしい掘っ立て小屋に入るとナイフを振り上げ山羊にぐさっ。めえーめえー、断末魔の山羊。老人は己の手首をも「リストカッティング!」しまして山羊と自分の血を混ぜ合わせ(おぇっ)床に不思議なマークを書き込むのでございます。それから汚らしい山羊皮を取り出しまして羽ペンでなにやら文字を書き出します。そこでふっと何者かの手がペンを取り上げた。同時に老人ばったり倒れて息絶えるのでした。はい、ここでタイトルでます。

 『The Devil`s Partner』 (『悪魔の弟子』)、あらあらディレクTVSFチャンネルったらこれにわざわざ『デヴィルズ・ディサイプル』なんて副題つけてけつかる。これはああた、1960年のバート・ランカスター、カーク・ダグラス主演の大作『悪魔の弟子』(『The Devil`s Disciple』)のことではございませんか。ひょっとしてSFチャンネルのスタッフ、この二つの映画を混同させようとした訳でしょうかね。

 オープニングクレジットの間ひた走るグレイハウンドバス。クレジットが終わると同時に人口1,505人の田舎町ファーナスフラッツに到着します。そしてバスから降り立ったのは一人の若い男。誰あろう彼はニック・リチャードソン(エド・ネルソン)、あの冒頭で死んだ老人、ピート・ジェンソン(エド・ネルソンの二役)の甥だったのです。彼はそのまま町で1軒きりのコーヒーショップに入って「おねえさん、ちょっとコーヒーばくれんね」女主人のアイーダ(クレア・カールトン)はハンサムなお客にすばやく反応。「お兄さん、よか男やねえ、いったいどこの人ね」ここでうっかりニックが「おれはピートの甥たい」と名乗ってしまったから事態は急変。アイーダや他にいたお客たちがピートの名前を聞いてどん引きしたのです(笑)。どうやらピート、この村で大層嫌われていたらしい。お客さんたちはあたふた帰ってしまう。それどころかお客の一人から知らされたのか保安官のトム・フューラー(スペンサー・カースル)までやってきて「ちょっと話したいことがあるけん、保安官事務所へきちゃってんない」と言われてしまうのです。

 保安官事務所にてニックはピートが死んだと聞かされるのでした。保安官とピートの検死を行った医者のルーカス先生は(エドガー・ブキャナン)は彼に同情した様子を見せながらも「ばってん、ただの死に方じゃないと。殺されたかもしれんたい。あの人の小屋の床は血でまっかになっとたと。ばってんピートの傷は手首だけやった。他に山羊も殺されとった。あやしかけん、小屋の床の血ばアルバカーキの研究所へ送って検査してもらいよう」保安官はニックにピートの遺留品をダンボール箱に詰めて渡し、「ま、何かあったら知らせるけん、気をおとさんときやい」礼を言って事務所を辞するニックです。ルーカス先生は彼を見送って「んー、よか青年たい、叔父さんとえらい違いやね」しかし保安官、「彼は暑さに強かごたぁ。今日は35度もあるとに汗ひとつかいとらんかった」

 ニックはピートの小屋に行きあちこち調べ始めます。お、カーペットはがして床のマーク見つけよった。ここでいきなり登場したのがルーカス先生の娘ネル(ジューン・アリスン)。いきなり若い娘が来た、これはニック、ピートの小屋に知らん人がおる、これはネル、お互いにびっくりする二人(笑)。この娘、ネルはピートから山羊の乳を買っていたのですな。それを父ルーカス先生の患者に飲ませていたという訳。彼女だけが町の嫌われものだったピートと割合親しくしていたのでした。その縁で彼が死んでからも小屋に来て勝手に山羊の乳を搾っていたのです。ネルはにっこりして「ニック、おじさんのことは気の毒やった。これからよろしくね」

 このネルのフィアンセがガソリンスタンドを経営しているデビッド(リチャード・クレーン)。がっぽり稼いで「はよ、ネルと結婚するったい!」と張り切っていると。

 次の日、ネルはピートの小屋へやってきます。そして庭いじりをしていたニックに「ちょっとミルク配りば手伝っちゃらんね!」「おー、よかですよ」と二人で車に乗って患者さんたちの家に山羊の乳を配りまわるのであります。患者の一人、ハリー(ブライアン・オハラ)も何故かニックを激賞。「うん、あの叔父とはえらい違いたい!」この町の人たちはみんな同じことを言う(笑)。しかしハリー、配られた牛乳を飲んだとたん、「うっ」死んじゃった。当然ながらルーカス先生と保安官が死因を調べるのですが、先生ったら「ミルクは関係ありませんばい、山羊の乳は足が早かですけん配る前にきちんと検査ばしよりますと」そ、そうかなあ、どうみたって食中毒なんだけどなあ(笑)。かといって心臓発作も考えられないし、結局はリーの死因はうやむやになってしまうのです。

 ここで電話があってピートの小屋の床を真っ赤にした血の分析結果が知らされます。「やっぱり山羊でしたばい」なかなか盛り上がりませんなあ(笑)。

 と思ったらようやくストーリーが動きます。その夜、あの床のマークの上に四つんばいとなったニック。デビッドと彼の飼い犬、シェパードのプリンスの写真をじっと見つめるのでした。その頃、デビッドの家では今まで大人しかったプリンスがとつぜん「うーうーうー」とうなりだしたのです。あまつさえ、飼い主であるデビッドに吠え掛かる始末。「お、どげんしたとな、プリンス」「わん、わん、わわわん、わん」「お前、おれが主人のデビッドぜ、なんばするとや」「わん、わん、わわわん、わん!」「ヒーッ!」プリンス、デビッドに襲い掛かった!デビッドからくも近くにあった石の置物を取り上げプリンスの頭をぽくっ。「きゃんっ!」ああ、ひでぇなあ(笑)。なんとか命拾いをしたデビッドですが、彼の顔面は無残に噛み裂かれていたのであります。

 命には別状なかったものの顔面に傷が残るのは間違いなし。おまけに安静にしなくちゃならないのでガソリンスタンドの仕事もできない。俺は金ば稼いで早く結婚したかったいのデビッドは意気消沈してしまいます。そこで手伝いを申し出たのがニック、彼はデビッドが完治するまでガソリンスタンドの仕事をやってくれることになったのです。その親切な申し出に感動したネル、「あん人はくさ、あんたと友達になりたかとよ」しかし、デビッドは面白くなさそうに「はん、そげんですかね」

 ガソリンスタンドで快活に働くニック。彼の評判はうなぎのぼりです。ガソリンスタンドにやってきた保安官、てきぱき働く彼に感心しながらも「あんた、暑さに強かっちゃねー、こんな天気で汗かいとらん」ニックはにやりとして「そら、僕、悪魔ですもん、地獄はもっと暑かですたい、あっはっは」何言ってるんだか(笑)。そんな中、再び怪奇な事件が起こります。ルーカス先生がデビッドの傷を治療するために有名な整形外科医、マークス先生を呼び寄せたのですが、このことを聞いたデビッド、夜になるとまた床のマークの上に四つんばいになって・・・。

 ファーナスフラッツへ車を走らせるマークス先生。しかし彼が道路上に見たものは牛!「うわあ、ブレーキたい、ブレーキ!」キキーッ「モー!」「ヒーッ!」どがちゃーん、なんとマークス先生牛に激突して死んじゃった(大笑い)。この現場を調べた保安官、「なんで牛や、ここから牧場まで何キロも離れとるったい、ここまで牛が迷い込んでくる筈なか」と首をかしげるのでありました。

 この事件があって、デビッドますます拗ねちゃった。彼は顔面の傷でネルに嫌われるのではないかと疑心暗鬼に駆られたのです。「うちはあんたが好きたい、だけん傷やら関係なかとよ」とネルがいくら言っても駄目。それどころか「お前、あのニックのあんぽんたんとデキとっちゃろうが」とまで言い出したのです。あまりのことにネルはデビッドのほおげたビターンと張り飛ばして「そげんこというあんたは好かーん!」と逃げ出してしまったのであります。彼女はそのままガソリンスタンドに行ってニックの胸にすがりつきって、そんなことするから疑われるんだけど(笑)。「デビッドがデビッドが、うちとあんたがデキというやら言うっちゃん!」そうしたらニックの奴、「うん、そげん運命かもしれん」とネルにキスするのでありました。ぶちゅぶちゅぶちゅちゅちゅー。何がそげんか。何が運命か。

 その一方でニック、村の酔っ払い駄目親父のペーパーズ(バイロン・フォルガー)に小遣い与えて手なづけております。どうやら彼を使ってなにやらけしからんことをやらそうと考えているらしい。「今夜、10時に家にきやい」ニックに命令されてうんうん頷くペーパーズ、しかし、酔っ払い駄目親父だからガソリンスタンドで寝込んでしまうと。そしてたまたまパトロールで通りかかった保安官に「おい、もう午後10半時ぜ、はよ帰ってねらんや」と起こされます。仰天したペーパーズ、「げぇ、10時半てや、こらいかん、遅刻たい」彼はニックの家に急ぎます。

 遅刻してあせりまくったペーパーズ、ニックの家に走っていってぜーはーぜーはー。鍵が掛かっているので中に入れず周囲をぐるぐる回っているとデタァ、ニックだ。「うわぅっ」と飛び上がるペーパーズ、そらびっくりしますわな。ニックは冷ややかな目で「おい、おそかぜ、遅刻やないや、はよ、家にはいりんしゃい!」ニックはペーパーズから保安官に起こされたという話を聞いてむっとします。「保安官にうちに来るていうたとや、誰にも言わんごとしろて言うたろうが」「ばってん、しかたなかったとですたい!」「まあ、よか、今からいいもん見せちゃるけん」

 ニック、山羊を連れてきます。ナイフを取り出します。ひっと恐怖に顔をゆがめるペーパーズ、ニック、カーペットめくって例のマークを露出させます。ペーパーズ、もう泣きそうになって「おれ、帰るけん、もう金やらいらん、帰しちゃらんね」ニック、山羊にナイフぐさっ。「ひー」ますます怯えるペーパーズ。そしてさらに怪奇なことが起こりました。ペーパーズの目の前でニックの顔があっという間にひげぼうぼう、頭は真っ白、そう、ピートに変身したのであります。「おいばおぼえとるか、おいたい、ピートたい」ニックはピートがなにやらの手段を使って変身していた仮の姿だったのでした。こらえきれなくなった、ペーパーズ、「ひーっ」と逃げ出します。するとピート、マークの上にまたまた四つんばい。なにやらぶつぶつ唱え始めるのでした。

 走って逃げるペーパーズ、後から現れたのは馬だ(笑)。馬はぱっかぱかと駆けてペーパーズに追いつきひひーん、その蹄で彼を踏みにじったのであります。「ひひーん」「ひー」「ひひひーん」「ひー」ペーパーズ、馬に蹴られて死んじゃいました。なんだか人の恋路を邪魔した人のようです。

ところでピート=ニックはペーパーズに何させようとしてたんでしょ。

 翌日たまたま通りかかった旅行中の家族が馬に蹴られて死んだペーパーズの死体を発見。「なんだか人の恋路を邪魔した人のようだなあ」保安官に連絡。彼はただちにルーカス先生を連れて検死に向うのです。ルーカス先生、「これは馬に蹴られて死んだとですたい」保安官、「それじゃ、まるで人の恋路を邪魔した人のごたぁ」はい、このクスグリはここまで(笑)。もう一つ重大なことが発見されます。ペーパーズが死の間際に地面に指で何かを書いていたのであります。いわゆるダイイングメッセージ、こんな映画でシャレたことをやりますなあ。でもそのメッセージとは「ピートは金持ち(rich)」という訳の分からないもの。「うーん、ピートてあの死んだピートかいな」「あの甥のニックがさいしょはそらあ貧乏やったけど最近金ばもうけて銀行に2,000ドル預けよりました。そのことやろか」首をひねる二人です。ここで何事かを思いついた風情の保安官。「先生、ペーパーズが馬ん蹴られて死んだ、人の恋路を邪魔した人のごたぁ死に方したことを黙っといてつかあさい。車に引かれてぺっちゃんこと言うてつかあさい。おいに考えがあるとですたい」

 この時点でようやくニックを疑い始めた保安官です。

 保安官はニックの家へ。警察犬ならぬ自分の飼い犬を使って(笑)いろいろ調べます。中に入ってみたら犬があのマークを見つけた。外にでると、ここほれ、ワンワン、埋められていた山羊の骨が出てきた。いよいよ、ニックが怪しい。

 一方ようやくデビッドの顔の包帯が取れます。包帯をはずして彼の顔面を覗き込んだルーカス先生がぎくっ(大笑い)。その様子に気づいたデビット、ぱっと鏡に走りよります。そして自分の顔面を見てがーん、ヒドイ傷跡が斜めに走っていたのです。ルーカス先生、必死に「いや、たいしたことはなかばい、こげん傷くらい整形手術でちょちょいのぽいで直ってしまうバイ」しかしデビッドがそんなことで納得する訳もない。彼は思い切り暗い顔になって「先生、こげん顔じゃ結婚やらできまっせん、ネルと別れますたい」あーあ、やけになっちゃった。

 保安官、ガソリンスタンドに行ってニックに探りを入れます。パトカーの後部座席に乗せていたさっきの犬がニック見るなりわんわんわん。保安官、これは怪しいとまた思うのです(笑)。そしてニックはニックで「あー、ペーパーズ、馬ん蹴られて死んだそうやなかですか。まるで人の恋路を邪魔した人のごとある」とか言っちゃう。先生には口止めしているのにどうしてそれを知っている。このとき保安官の疑いは決定的なものになったのです。保安官はすぐルーカス先生のところへ言って「あいつは怪しかです。いつもは愛想のよか家の犬がわんわん咆えた、あいつの家ん中には山羊の皮やら山羊の血やらあった。床に六角形のマークが書いてあって、おまけに外から山羊の骨がでてきたとですたい!どうやって化けたかしらんが、あいつはニックやなか、ピートですたい!」ここでダイイング・メッセージの種明かし。「そうか、分かったばい、あのrichは金持ちやなか。ニックたい、ニック・Richardsrichたい!」それなら最初っからピートはニックと書けばいいんじゃないか。少なくともピートはリチャーズと書くよりもよほど簡単だと思うぞ(笑)。

 さあ、それからは一気呵成にストーリーが進みます。町を出て行くことになって荷造りをするデビッド。その彼を説得してとルーカス先生、保安官に頼むネル、また床のマークにひざまずくニック。すると、しゅーしゅー、あ、あれはがらがら蛇だ、がらがら蛇がデビッドの部屋に侵入したぞ。ああっ、気づいたデビッドに拳銃でがんがん撃たれちゃった(大爆笑)。ここでルーカス先生、ネル、保安官が彼の家に到着して「大丈夫や、何があったとや」「がらがら蛇ですたい。拳銃で撃ちましたたい」一方ニック、なぜか腕を撃たれて血を流しております。へ、すると、ニックは魔術で蛇に変身していた訳?じゃあ、最初の犬は?あれはデビッドに撲殺されたんだけど(笑)、あの牛は?車ともろに衝突したんだけれど。

なんかもう良く分からーん、どういうこと、これ?

 とにかくニックの家へ行ってみよう。みんなは車でニックの家へ。そうしたらいきなり馬がひひひーんと飛び出してきたのです。保安官、その馬に向ってまたずがーん、ずがーん、ばたりと倒れる馬。するとその姿がニックになります。真相を目の当たりにして仰天する一同。ニックはさらにピートへ変わってついに絶命するのでした。同時にデビッドの顔の傷がすーっと消えたところでエンドマーク。

ね、盛り上がらないでしょ(笑)。悪魔の力借りてやろうとしたことが適わなかったネルへの恋の成就?いくら魔法使ってがらがら蛇に化けても床をしゅーしゅー這い回ってたらやられるに決まってるし、悪魔もこんな考えの足らない奴を仲間にすんな!

モノクロ・スタンダード。モノラル音声。オリジナル73分。夜のシーンは暗くて何やってるのかさっぱり分かりません。音声は普通。日本語字幕つき。

     エロの冒険者
       HOMEPAGE http://homepage3.nifty.com/housei/
      SFシネクラシックス 輸入DVDでみるSF黄金時代(笑) 

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『Colossus and the Amazon Queen』 1960年

 

Colossus and the Amazon Queen』(『Regina della Amazzoni,La1960

 これも所謂イタリアの「剣とサンダル」もの。アマゾンの女護ヶ島に迷いこんだギリシアの男たちが鼻の下を伸ばし放題に伸ばすという映画です。一応ギャグが入ってコメディ映画となっていますが、そっちの方はつまらないので(笑)過剰な期待はしないようにしましょう。

 巻頭いきなりぽんぽこびー、ぽんぽこぴーという間の抜けた音楽。ギリシアで「一番強い男選抜ギリシャ選手権」が始まったのであります。まるでTVチャンピオンみたいですが、とにかく野っぱらに屈強な男がわらわらと集まって、ドラの合図で手近な相手と殴りあう、つまりプロレスでいうバトルロイヤルですな。この大会の大本命がギリシアきっての筋肉馬鹿、し、失礼、戦士でした、グラーコ(エド・フューリ)でした。彼はその期待に良く応えちぎってはなげ、肘打ちかまして相手の頭蓋を陥没させ、激しいキックで相手の顎を蹴り砕き、ついに勝利を収めたのであります。

 その夜酒場で祝勝会をやって酒をがんがんやっているグラーコ。目がどんどん座ってきて、ちょっと恐ろしい(笑)。その彼のテーブルから少し離れたところに座っているのがこの映画で彼の相棒となるピーロ(ロード・テイラー)です。このピーロのところにやってきたのがちょっと怪しげな商人二人組(アルフレッド・ヴァレリ、ジーノ・ブザンカ)。彼らはピーロに「お願いがあります」「大事なお願いです」「あのグラーコを」「雇いたいのですが」なんだかザ・ピーナッツの小美人みたい。「私たちは航海します」「たっぷりのお宝を載せてます」「海賊に襲われるかもしれない」「おお恐ろしい」「だから」「あのグラーコを雇いたい」「でもさっき直接お願いに行ったら」「断られてしまったので」商人二人組はグラーコを船に乗せてくれたらお礼は弾みますよといいます。お金に困っていたピーロ、二つ返事で「よっしゃ、俺にまかしとき」その時グラーコはついに暴れだして同じテーブルで飲んでいた仲間を次々にぶん殴り始めた!ギリシア一強い男が酒乱、いやな組み合わせですなあ(笑)。

 ピーロ、この大暴れのちぐーすか眠ってしまったグラーコを縛り上げて船に運び込むのでした。そして出航。しかし商人二人組は縛られたままぐーすか眠っているグラーコを気味悪そうに眺めて「彼が目を覚ましたら」「暴れませんか」ピーロはわははと笑って「大丈夫っすよ、縛っているんだから」そのとたん、目を覚ましたグラーコがむんと体に力をこめるとぶつっ。縄が切れてしまいましたとさ。ピーロ、商人二人組大慌て。グラーコは二日酔いの頭をぐらぐらさせながら「おい、なんだ、これは船を戻せ、うう、気持ち悪い」と暴れ始めるのでした。ところがピーロ、何を考えたかいきなり船底に下りると斧で船壁をがんがん。穴を開けてしまいます。水が浸水し始めたので驚いたグラーコ、手で穴をふさごうとするのですがとうてい無理。彼は叫びます。「おい、ピーロ、手伝え、お前、何りんご食ってのんびりしているんだ。船が沈むだろ」ピーロは涼しい顔で「じゃあ、お前、この航海に参加するって言えよ、そうしたら手伝うから」「ウウーム仕方ない、参加するよ、参加すればいいんでしょ」こんなんで説得されてしまうグラーコはどうかと思いますが(笑)。

 そのうち、船はある島に上陸します。みんながびっくりしたことにゃ、海岸には金銀財宝が山と積まれていたのでした。商人二人組はふふふと笑って「これは私どもの」「商品の代価です」ピーロ、思わず「こんな金銀財宝と引き換えるなんて一体どんな商品なのだ?」しかし、その一抹の疑問も財宝のほかに用意してあった食べ物とワインであっというまにすっ飛んじゃった。商人二人組はさらに笑いを大きくして「私どもの取引相手は」「そりゃあ、気が利いてまして」「こんな食べ物と酒を用意してくれました」「皆さん、どうぞ、ご自由に」「お食べください」わっと食べ物に群がる男達。ワインもがぶがぶやりますとも。しかしそのうち、みんなふらふらしだしてバタンキュー。グラーコもピーロもグースカピー。どうやら酒に眠り薬が入っていたらしい。商人二人組「しめしめ上手くいったぞ」「ちょろい奴らだな」

 一人酒を飲まなかったソーフォー(イグナチオ・レオーネ)、彼はエジプト人でエジプトに行く船と間違えて乗っちゃったという(笑)、彼はグラーコを引っ張って物陰に隠れるのでした。その直後、わらわら現れた謎の兵士たち。兵士たちは眠りこけているギリシア人どもを抱きかかえるとどこへともなく連れ去ったのでありました。もうお分かりでしょう。金銀財宝の引き換えとなったのは彼ら自身でした。彼らがその商品だったのです。

 さて、ソーフォーに助けてもらって難を逃れたグラーコ。暢気にも「あー、良く寝た」目をぱちぱちさせて「あれ、みんなどこ行ったの?」彼はソーフォーから謎の兵士たちの話を聞いて「そうか、奴らに捕まったか、よし、探しに行くぞ」次の瞬間もう洞窟の中を歩いている。早い展開ですなあって要するに編集の仕方がまずいだけかと(笑)。そこで偶然に秘密のスイッチ見つけて作動させるとごごごごー、洞窟の壁が開きます。その向こうに見えたのは美しい海とこれまた美しい都市でした。おまけに滝や湖などあって美女が水浴びしとります。グラーコ、たちまち目が釘付け。「オー、ええ女、おるやん」しかし、この女、アンタイオピー(ドリアン・グレイ 凄い名前だなあ)は物騒でして、「おー、君、綺麗ジャン、こんないい女見たことない。ひょっとして君女王様?」と直球ストレートに口説いてくるグラーコに向ってはっしと槍を投げつけるのでした。いきなり口説きだす男も男だが槍投げる女も女ですな。

 しかしさすがはグラーコ、その槍をぱっと掴んでへし折ってしまいます。「ワハハハハ」と笑うグラーコですが、とつぜん女隊長率いるたくさんの兵士が現れ彼を捕らえてしまったのです。アンタイオピーも戦士で女、この女隊長メリータ(ダニエル・ロッカ)に率いられた兵士たちも全部女。女、女、女、そうグラーコはアマゾンの国に紛れ込んでしまったのでした。とっとと引き立てられるグラーコ。ソーフォーはこれまた物陰に隠れて難を逃れております。そして牢に放り込まれるグラーコです。ここで先に捕まっていたピーロたちがわっと集まってきて「あいつらは一体なんなんだ」「女だよ、みーんな女だ。ここはアマゾン、女の国なのだ」こんな状況にも関わらず「女」という言葉に敏感に反応する男達。「だったら、そんな急いで逃げる必要はないやね、うへへへへ」あのな、君たち、一言言わせてもらうけど、馬鹿だろ!

 ポンポコペー、また間抜けなBGMが鳴り響いてアマゾンの女戦士たちの訓練風景(笑)。「1.2.31.2.3、はい、右向け右!」「弓矢はね、よーく的を狙うのがコツよ」なんだ、コツって。そんな中宮殿では女王レジーナ(ギアナ・マリア・カナル)を交えて最高幹部会議が開かれております。女王、最高幹部会の前で激論を戦わせているのはアンタイオピーとメリータ。メリータは「あんな男たちは危険。とっとと処刑しちゃいましょ」派、アンタイオピーは「高い金使って買った商品だし、それにいずれにせよ男は必要だし、そんなにとんがらなくっていいんじゃない」派。最高幹部会の投票の結果、アンタイオピーの意見が採用されることになりました。悔しそうに唇を噛むメリータ。実はこのメリータとアンタイオピー、次期女王の座をめぐってライバル関係にあったのですな。

 一方、ソーフォーーはアマゾン国の居住区に迷いこみます。そこでは男たちがなよなよと「ねえ、お隣さん、おさとうかしてくださらなーい?」「おせんたく大変でイヤになっちゃうわよ」つまり男と女の役割が逆転していると。ここに紛れ込んだソーファー、実は彼は発明家でありまして、なんでも発明してしまう人でもあったのです。彼は自身が発明した望遠鏡を取り出して男たちに取り入り、匿ってもらうことになります。この後女たちが帰ってきて男たちは「あーら、今日はお早いのね」「ゴハンできてるわよ」とお迎えするのであります。みんな本気で体をくねくねさせていて、いささかキモチ悪い。

 さて、この後ギリシア人たちは神殿のようなところに連れていかれてしばらくアマゾンの男と女たちの踊りを延々見せられます(笑)。それが済んだら別の部屋に追い込まれて上から水がシャーっ。「おう、シャワーだ」「キモチいいなあ」ギリシア人の男たちは大喜びでお互いの背中を流しっこするのでありました。その後綺麗な服に着替えて闘技場へ。この闘技場では今まさに次期女王を決めるアンタイオピーとメリータの決闘が始まらんとするところ。綺麗になった男たちは賞品のつもりなのかしら(笑)。

 さあアンタイオピーとメリータが馬に乗って槍を構えます。どーん、ドラの合図で戦闘開始。びゃーっと走っていってガシーンと槍で突きあい。「きゃあきゃあ」「もういたいーん」「いやーいやー、そんなとこつっつかないで」みたいな戦い。そしてついに勝負が決しました。馬からメリータを叩き落したアンタイオピーの勝利です。アンタイオピー、誇らしげに馬をおり、男達の前へ行くと品定め。グラーコを選び出すのです。グラーコは「ふふ、分かっていたさ」などといいつつ彼女を抱きしめてキス。ぶちゅぶちゅぶちゅちゅちゅー。他の女たちも男たちに群がって「私、この金髪がいいわ」「おでぶちゃん、こっちへおいでなさい」とまあ、頭の痛くなる展開ですね(笑)。

 でも女王に呼び出されたアンタイオピー、彼女から「女王の最大の資格は処女であることなのよ、男は駄目なのよ」と聞かされて思いっきり「ええ、聞いてないよ」という顔をします(大笑い)。女王か、男か、考え込むアンタイオピー。女王はそんな彼女に「3日間ゆっくり考えなさい。タネンの神殿にこもるがいいわ。きっと神様が導いてくれる」ここまでは良いのですが女王様ったら「それはそうと、キスってどんな感じなの。味はするの、それはカルピスの味?ねえねえ」女王様がカルピスの味とかいうな。

 女たちの男選びは続いております。でも最後までえらばれず一人みそっかすになったのがピーロ。彼は最後にやってきたメリータに必死に懇願します。「僕が君を女王にしてあげるから、僕を選んでよ」メリータ、その言葉にようやく彼を選び出すのでした。この後二人は海岸に行って女王になるための計画をたてます。計画ったって要するにピーロがグラーコそそのかしてアンタイオピー連れて逃げさせようという単純なもの。まあ、グラーコ、いかにもこの単純な計画に乗りそうな男であることは間違いないですけれども(笑)。そして悪巧みが済んだ、じゃあ次はキスだと訳の分からないリクツでメリータに迫るピーロ。いやがる彼女を抱きすくめ、「いやよ、いやよも好きのうちってね、へへへへ」って本当にキスしちゃう。なんだ、バカヤロー。

 

 その計画通りピーロはグラーコをタネンの神殿に連れていきます。そして彼の背中を押して「うまくやれよ」、一方神殿の中で一心不乱に祈りをささげているアンタイオピー、グラーコが来ても心を乱しません。「私は女王になるの。だから私のことは忘れて」しかし、この時、アマゾンの兵士たちがやってきまあした。驚いたピーロ、神殿に駆け込んできて「大変だ、グラーコ、早く逃げよう」アンタイオピー、「私はいかない。でもあなたたちを逃がしてあげる」そうして神殿の裏の出口を教えます。教えたら教えたで「私はいかないけれども、船まで見送るわ」なんじゃ、そら(笑)。

 ピーロは「さあ君たち先に行け」とグラウコとアンタイオピーを送り出します。そうして物陰に隠れるピーロ。そこにメリータやってきて、アンタイオピーの姿がないことに気づくと、にひっと笑って悪巧み。神像の前に置かれていたアマゾンの象徴、世に二つとない秘宝、「聖なるガードル」(大爆笑)を石像の口の中に隠しちゃったのです。この聖なるガードルがなければ女王にはなれない。しかもアンタイオピーをガードル盗難の罪で告発できるという一石二鳥の作戦。でも、後でこっそりそのガードルを取り出して別の場所に隠してしまうピーロ。メリータ、本当にガードルがなくなったことに気がついて大慌て。女兵士たちを招集してアンタイオピーとグラーコの後を追わせるのでした。そしてメリータ、女王さまにご報告。「アンタイオピーがガードルもってっちゃいました」

 馬で突っ走るアンタイオピーとグラーコ。やっぱり馬で後を追う女兵士たち。ややこしいことにここで水を探しに上陸してきた海賊たちが加わります。グラーコとアンタイオピー、うっかり馬から落馬して(笑)打ち所が悪かったグラーコ、血まみれになってノビてしまいましたとさ。アンタイオピー、グラーコが「水、水をくれ」というので泣きそうになりながら水を探しに出かけます。しかし海賊たちがやってきてひっくりかえっているグラーコを発見。「なんだか分からないけどとにかく船に連れていこう」はい、連れていっちゃいました。

 一方メリータとピーロは口争い中。「なんで、アンタ、グラーコたちと逃げないのよ、それに聖なるガードルどうしたの!返しなさい、今すぐに」しかしピーロ、暖簾に釘で糠に腕押し。糠に腕押し付けたら臭くならぁ、それを言うなら暖簾に腕押しでさあ、みたいな風情で涼しい顔。彼はにやにやしながら「君、あのガードル使って女王様になりたまえよ、そうしたら僕は君の愛の奴隷になってあげる」ええと、女王様の第一条件、“処女”であることはどうなったんでしょ?相手が男奴隷だったら構わないのかな。

 さて水を求めてさまようアンタイオピー。彼女は何者かが仕掛けた罠にひっかかって穴の底に引きずり降ろされてしまいます。そこで待っていたのは誰あろう、ソーフォー。皆さん、忘れてませんか、エジプトの発明家ですよ。彼は怒って向ってこようとするアンタイオピーに「待って、僕はグラーコの友達なんだ、君は聖なるガードルを盗んだことにされているよ」はてどうしてソーフォーがガードルのことを知っているのか(笑)。まあ、とにかくこれをきいて愕然とするアンタイオピーです。さらにソーフォーは彼女を外に連れ出して望遠鏡を渡し、「この谷の底を見てごらん」なんとギリシア人の男たちが鉱山で働かされているではありませんか。彼らはいっぺんヤッたら用済み、後は死ぬまでこの鉱山で働かされることになるのです。アンタイオピー、「あたし、ちーっとも知らなかった」とまた驚くのであります。

 この後ソーフォーはメリータの自宅に潜入します。どうやって潜入したかというと、メリータがカーペットを注文していたのですな。筒状に巻かれたカーペットの中にひそんで配達されたのであります。彼はピーロと相談します。「アンタイオピーは僕と一緒にいるよ。彼女にガードル返して女王様にしちゃえばいいじゃないか」

 この時ヒーローたるグラーコはどうしているのかというと、どこか知らないけれどもとにかく酒場で海賊船長(アルベルト・ファルニーズ)と飲んでいると(笑)。彼は酒を飲んじゃ「女を助けなくちゃならないんだ」彼は船長の手を取って「手伝ってくれないか。その国は女と宝物でいっぱいだぞ」「よっしゃ分かった」船長即断します。「でも乗組員集めるの手伝ってくれよな」グラーコはぱっと立ち上がると手近の柱にとりつきぐらぐらゆすり始めます。ついに柱が倒れて天井がどーっ。その下で飲んでいたお客さん、瓦礫に埋もれて失神してしまいました。グラーコはからから笑って、「こいつらを船に乗せればいいじゃん」相変わらず無茶をする男です。

 で、次の瞬間にはもう島についていると(笑)。彼は海賊たちに「僕が一人で先発しよう。3日帰ってこなかったら来てくれ」と言い残し、そのままアマゾン国へ。でもあっという間に女たちに捕まってしまいます。女たちは大喜び、メリータに合図せんとタイコをどんがどんが。この音を聞きつけたアンタイオピーとソーフォー、グラーコを救出に向うのですが、ああ、逆にアンタイオピーに捕まってしまった。メリータ、グラーコとアンタイオピーを女王の前に引き出すのでした。女王は宣言します。「おお、アンタイオピーよ、そなたはタネンの神殿にて神々の審判を受けよ。お前に罪がないならば聖なるガードルが見つかるであろう。もし見つからなければ火あぶりじゃ。もちろん、そなたの男も火あぶりじゃ!」

 さっそく神殿の前の広場に処刑台がしつらえられまして、グラーコはりつけ状態にされてしまいます。足元にわらをたくさん積んで、さあ、火あぶりの準備は整った。「おれは八百屋お七か」とぼやくグラーコです。たいまつに火がつけられていよいよヤバイ。しかし奇跡が起こりました。神殿からアンタイオピーが現れ誇らしげに聖なるガードルを掲げたのです。顔を輝かせるグラーコ、がっかりするメリータ。「奇跡じゃ、奇跡じゃ」と盛り上がる女王様。まあ、たんにソーフォーが隠し場所こっそり教えておいただけなんですけどね。これでアンタイオピーは無罪放免、グラーコも開放されます。さあ、めでたし、めでたしと思っていたら、あ、大変だ、海賊たちのことを忘れていたぞ!

 その海賊たち、そろそろとアマゾン国に忍び寄っております。この国を囲んでいる城壁をどうしよう。簡単さ、木を使えばいいというので、海賊の下っ端がやっこらせと木に登ります。そうしたら木にロープを引っ掛けてみんなでエンヤコラと引っ張ってせーので手を放す。びよよよーん、木の反動で下っ端見事に城壁飛び越えたのであります。後はこれを繰り返すと。いきなり男が空から降ってきたのでアマゾン国の女たちは大混乱。この隙に乗じて次々に城壁飛び越える海賊たち、びよよよーん、びよよよーん。そしてついに海賊たちは城壁の扉をあけることに成功したのでした。わあー、一気呵成に攻め込む海賊たちです。女たちは剣を取って応戦するのですが混乱さめやらず、苦戦を強いられるのでした。

 この時、グラーコたちはどうしていたのかというと、あのギリシア人たちが働かされている鉱山に来ていたのです。彼らを助けて共に戦い海賊たちを撃滅しようというつもり。さあ、どうやって谷底に下りようか、次の瞬間、もう谷底にいるから何だか良く分からない。グラーコが入り口をふさいでいる熊と戦います。この隙をついてあまりにやすやすと鉱山を脱出するギリシア人たち!どうしてここで熊と戦う必然性があったのか。お約束といえどもあまりにもわざとらしいのではないでしょうか。彼らは今の今まで鉱山で働かされていた恨みを忘れて女たちの救出にはせ参じるのでありました。

 さて海賊と戦っている女たち、アンタイオピーとメリータの指揮の下馬車を円形に配置してバリケードにしております。その周囲をぐるぐる回る海賊たち。あー、幌馬車隊とインディアンのつもりなのね(笑)。勇敢に応戦する女たちですが火矢を打ち込まれて馬車が燃え出した!大ピーンチ!しかしここでグラーコたち男が登場。「わあ、男が助けに来たわ」女たちも勇気百倍。お互いに協力し合って見事海賊どもを撃退したのでありましたって、海賊呼び込んだのはグラーコその人なんだけど。

 さあ、再び平和を取り戻したアマゾン国。もはや何の遠慮もいらない。あっちでチュー、こっちでばこばこ、もういたるところでイチャイチャしております。グラーコもアンタイオピーとぶちゅぶちゅぶちゅちゅちゅー、ピーロもメリータとぶちゅぶちゅぶちゅちゅちゅー。そんな中、アマゾン国を去って世界漫遊の旅に戻ろうというソーフォー。皆からの万来の拍手とさよならの声に送られて出発。そんな中、女王様ったら「だから、誰か私にキスってどんな味するのか教えてよ、やっぱりカルピスの味?ねえねえ」だから女王様がカルピスとか言うな。エンドマーク。

 女王の後継者問題はどうなったのか、聖なるガードルは一体どうなったのか、そもそも処女じゃなかったら女王になれないんじゃなかったのか。いろいろ疑問点があるけれども、まあ、とにかく男と女が仲良くなっためでたし、めでたしということで良いんじゃないですかねえ。後は海賊を呼び込んでおいて自分でその海賊たちを退治、ヒーローになるというグラーコのマッチポンプぶりも見事の一言。

 カラー・スタンダード、モノラル音声。画質は赤みが掛かっていてお世辞にも綺麗とはいえません。音質はそこそこ。なんとか台詞が聞き取れるというレベル。12枚のDVD50本の SF映画が収録された「SciFi Classics Collection: 50 Movie Pack」の一本。 Digital 1 Stop DVD

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『White Pongo』1945年

 

White Pongo1945

 ミッシングリンクを発見せんとの使命に燃えて秘境アフリカの地に赴いた探検隊の運命やいかに!という映画。なんてことはないアフリカ探検ものなのですが、このミッシングリンクという部分がかろうじてSFに引っかかっているのではないかと。まあ、このミッシングリンクとやら、ただの小汚い白いゴリラでどこが世紀の大発見かと思いますが、そんなこと言ってたらこの手の映画は見られないのでございます。

 暗黒大陸アフリカ、ナレーションが人類未踏の地あり、文明の恩恵を受けぬ未知の部族ありとぶちあげます。その文明と隔絶された部族、グリトー。何か嬉しいことがあったのか部族みんなでうんがうんがというタイコにあわせて踊っております。彼らに捕らわれている白人一人、ガンダーソン(ミルトン・キビー)。この踊りが終わったら首をはねられるかどうかするのでしょう。まったく哀れなことですと思っていたら唐突に現れた救いの神、年老いた白人、ゲリグ博士(エゴン・ブリーチャー)であります。彼はディエドローフ博士の探検隊の一員として十年前このジャングルに来たのですが、もはや年をとって文明社会への帰還は諦めているのだといいます。彼はガンダーソンの縄をといてやり「君は若いから13回ぐらい平気じゃろうじゃなかったジャングルから脱出できるだろう」彼は自分とディエドローフ博士は重大な発見をしたのだといい、それを記録した日誌を文明社会に持ち帰ってくれと頼むのでありました。彼の手引きでグリトーの村を抜け出すガンダーソン。ちょうどその時奇妙な白いゴリラが現れていちゃつこうとしていたカップルを襲い部族の注意を引き付けたこともあって、無事逃亡に成功したのです。

 次の場面、コテージのベッドに寝かされているガンダーソン、しかし彼はジャングルをさまよっている間に重い熱病を患ってしまっていたのです。「うう、白いゴリラ、白いゴリラ」うなされております、うなされております。もう瀕死の状態ですが、彼はなんとかディエドローフ博士の日誌をドクターに渡したのでした。ドクターからこのことを聞いたピーター・フォン・ドーン(ライオネル・ロイス)はびっくり。「何、ディエドローフ博士ですと!」日誌を調べて再び驚いた彼は彼は人類学者のハリー・ブラグドン卿(ゴードン・リチャーズ)を呼び出して「えらいことです。この日誌が本当であればディエドローフ博士たちは白いゴリラを捕まえたというんです。その白いゴリラは高い知能を持っていて、これが猿と人間のミッシングリンクに違いと言ってます!」じゃあ、ワシらで探検に行ってそのミッシングリンクと白人を連れて帰ろうじゃないかということになりました。そう決まったとたん、ドクター来て「ガンダーソン、死にましたわ」だって。

 探検隊のメンバーを紹介します。まずブラグドン卿、ピーター、ブラグドン卿の娘、どうして妙齢の娘をそんな探検に連れていくんだと思いますが、とにかく娘のパメラ・ブラグドン(マリス・ウリクソン)、ブラグドンの秘書クライブ・カーズウェル(マイケル・ダイン)、ガイドのハンス・クロゲート(アル・エヴェン)、お手伝い(ライフルマン)のジェフリー・ビショップ(リチャード・フレイザー)他二名(役名なし)、それにもう一人、お笑い要員のバクスター(ジョージ・ロイド)であります。これにアフリカ人ポーター頭のマンボー・ジャンボー(ジョエル・フルウレン)、ポーター多数を加えてさあ、カヌーで出発です。

 マンボー・ジャンボーって何か天気予報しそうな名前ですなってそれはヤンボー・マーボーだから。それとクライブ・カーズウェル、こいつが秘書のくせに空気読めない奴で「うおおお、ミッシング・リンク」「白いゴリラ萌えー!」と盛り上がっているブラグドン卿とピーターに思いっきり「それってインチキっスよ、白いゴリラなんていないっスよ」と言ってにらまれたりしております。

 ここからカヌーで延々川を下る映像が続きます。そんなに川くだりがしたけりゃ、鬼怒川へ行け、鬼怒川へ行けと思います(笑)。さすがに退屈したのかカヌーの上で立ち上がったのがビショップ。鳥を見つけてさっそくズドン。しかしギャーっと悲鳴を上げて川へ落ちたのは一人のポーターでした。「いけない、いけない」あわてて二弾目を放つビショップ、しかしやっぱりギャーッ、また一人ポーターがぼちゃん。うーん、こんな人にライフル持たせて大丈夫か。一方、ジャングルの中では多数のゴリラが木の葉っぱみたいなものを食べています。そこに現れたのが白いゴリラ。白いゴリラは普通のゴリラたちを追っ払うと腰を下ろして葉っぱをむしゃむしゃ。とても高い知能を持つ特別のゴリラとは思えないんですけどねえ(笑)。

 えー、川から上がって小休止。ここでパメラ、ビショップに大接近。やはりさっきのライフル射撃の腕前に惹かれたのでしょうか(笑)。仲良く話している二人を見て嫉妬のほむらめらめら燃やしたのがカーズウェル。彼はずかずか二人の間に割り込んでいくと「君、君ィさぼってちゃ駄目じゃないかね。君は使用人だからもっとちゃんと働いてもらわないと」とビショップを追い払ってしまったのです。さあ、これで邪魔者はいなくなった、本当は自分が邪魔者なのが分からないカーズウェル(笑)はパメラに微笑みかけるのですが「あなた、父の秘書だからと言って私が仲良くする相手を選べると思ったら大間違いよ」と肘鉄食らわされてしまうのでありました。足早に立ち去ったパメラ、ブラグドン卿に「あたし、次からビショップと同じカヌーに乗るから」ああ、徹底的に嫌われちゃった(笑)。一方ガイドのハンスはビショップに「ようよう、上手い事いったらおめエ、逆玉って奴だぜえ」ビショップ、うるさそうに「そんなの興味ないです」と答えるのでありました。

 なんだよ、逆玉って(笑)。

 またえんえん川くだりの映像。ライオンとか思い出したように出てきますがすぐ引っ込んで面白くないったらありゃしない。アフリカの探検ものなんだからここまでくればポーターがライオンに食われたり、底なし沼に落ち込んでずぶずぶ沈んだりしてくれなくっちゃ困るんだよ。でもそんなことはまったく起こらなくって割とあっさりとグリトーの村へ着いちゃう。凶暴な人食い×人が攻撃か!と思いきや探検隊から布などを贈ってもらうことを条件にここでキャンプしてもいいとか言われちゃうのです。な、なんじゃそりゃ。おまけにふらふら出てきたのがゲリグ博士。なんだ、こっちもあっさり見つけてしまいやがった。

 そしてゲリグ博士、親切にもブラグドン卿とピーターに写真まで使って十年前のことを話して聞かせるのでした。ちょっと若いゲリグ博士(笑)とディエドローフ博士。そして二人の目を奪ったのは檻に入れられている白いゴリラ!「私らはこれを捕まえて五年ほど飼っていたのですじゃ。ところがそいつが逃げ出して・・・」え?逃げ出してどうなったの、ここらへん、台詞が聞き取れなかったのです。ディエドローフ博士が殺された?え?あー、もう良くわからん。いいや、後から分かるだろう。ゲリグ博士、二人にディエドローフ博士の一行と同じ地点にキャンプを張って白いゴリラを探しなさいとアドヴァイスをします。どうやらディエドローフ博士たちはそのキャンプの周りに白いゴリラが好む植物を植えたらしい。

 ブラグドン卿はゲリグ博士に「一緒に文明世界へ帰りましょう、このジャングルにいつまでもくすぶっていても仕方ないでしょう。横井さんじゃないんですから」しかし博士はかぶりをふって「いや、もうわしはいいわ。このジャングルで余生を過ごすことに決めておるのじゃ」

 さあ、ゲリグ博士のアドヴァイスに従ってグリトーの村を出発します。ちゃんと布のほか贈り物をたくさんやったのに野蛮な×人どもが騒ぎ出して不穏な雰囲気だったのでちょうどいい。また川をカヌーでのんのんずいずい。パメラ、相変わらずビショップと一緒のカヌーに乗っていちゃいちゃ。この様子をジャングルの中からこっそり見張っている白いゴリラ。

 一応こうやって探検隊の行動を見張っているのがこのゴリラの知能の証らしいのですが…。

 再び川から上陸して歩き出します。ほどなくバクスターが「あ、これは檻の一部だぞ」するとここがディエドローフ博士のキャンプだったところか。一行はここでキャンプ、白いゴリラの捜索に当たることになったのです。

 とんてんかんかん木を切り倒したり草を刈ったりしてあっという間に高い塀で囲まれた村を作ってしまう探検隊の皆さん。そして次にホワイトゴリラを捕まえるための罠の設置にかかります。まあ、罠ったって要するに落とし穴なんですけどね(笑)。乗っかったら落ちる蓋に鐘を繋げておいて、獲物が罠にかかったらからんころーんと鳴り響くという算段。バクスターが自らゴリラとなってこの罠を試します。「ゴッホ、ゴホ、お腹すいたなあ、餌はないかあな、ゴッホ、ゴホ。お、バナナがあるぞ、ゴッホ、ゴホ」そうして自分から落とし穴におっこってしまうというのは定石。みんなげらげら笑って梯子を下ろし彼を助け出すのでした。

 その夜しきりにビショップに秋波を送るパメラ。もうカーズウェルは気が気じゃありません。ついに彼は外へ出たパメラを捕まえて「ねえ、ねえ、ヤラせておくれよう。僕が君のこと愛しているのは知っているだろう」土下座します。しかしパメラは覚めた表情で「あたしたち、友達でいましょ」「ええっ、そんなー」激しく落胆するカーズウェル。彼は「俺がフラれたのはあのビショップめのせいだ」また嫉妬のほむらめらめら燃やすのであります。

 ここでホワイトゴリラ現れて、村の中へ侵入。パメラの小屋ににじり寄って窓から彼女の寝姿を覗くのです。おお、女を覗き見、これぞゴリラらしからぬ知性の証拠・・・なのかな(笑)。パメラ、はっと目覚めてゴリラに気がつきます。「キャー」この悲鳴にブラグドン卿をはじめ他のみんなが駆けつけてきたのですがすでにホワイトゴリラは姿を消していました。そのため「夢でも見たのだろう」と言われて憤慨するパメラ。「アタシ、そんな子供じゃないわよ!」この後、彼女は自分がコドモじゃないことを証明しようとしたのか、ビショップの部屋へ行きます。しかもなんだ、この女、こんな夜中にそんなセクシーなドレス着て。ビショップ、そんな彼女にもうたまらんごとなってぐいと抱き寄せるとぶちゅぶちゅぶちゅちゅちゅーと激しいキス。

 これをカーズウェルが偶然見ちゃった。「きさん、俺のおなごになんばすっとか!」(あなた、私のスイートハートに何をなさるんですかの意)、がばっと殴りかかるのですが、逆にビショップにノサれちゃった。この騒ぎにブラグドン卿たちも駆けつけてきて「一体何があったのだ」殴られた顎をなでながらカーズウェル、「こいつ、お嬢さんとキスしてたんですよ!」ああ、男の嫉妬醜からずや、ですな。ブラグドン卿、その言葉にきっとなってビショップに「わしは君をライフルマンとして雇ったのだ。娘をコマさせるためじゃないぞ。もう君は明日モハービへ帰るのだ」パメラは必死に取りなすのですが、ブラグドン卿の怒りは収まらず。「分かりました、どうもすみませんでした」あ、ビショップかえることになっちゃいました。この後、例の罠に獲物がかかってそれと駆けつけたらホワイトゴリラならぬ普通のゴリラだったというあんまり意味のない出来事があってようやくこの長い夜が終わります。

 さあ、翌朝、カーズウェルはハンスにこんなたくらみを持ちかけるのでした。「おい、ハンス、私は知っている。君にはホワイトゴリラ以外に目的があるんだろう、いや、そっちが最初っから本命だ、そのためにこんな探検隊に加わったのだ」えー、実はハンス、この探検隊にかこつけてジャングルの中に存在するはずの金鉱脈を探していたのだという・・・。ここで二人は、他の奴らを縛り上げて置いて言ってしまおう。パメラだけは連れて行って俺つまり、カーズウェルの嫁にするのだ、ウヒヒヒヒという計画を立てるのであります。

 で、次の場面になったらもうみんな縛られている(笑)。ハンスは彼らに説教します。「ふふふふ、食料もライフルもボートもみんなもってっちゃうからナ、まあ、川辺に最小限のものは置いていくから、それ使って帰れや」アレーと叫ぶパメラを引っ張ってハンス・カーズウェル、そして元からハンスの仲間だった二人の白人ライフルマン、マンボー・ジャンボー、黒人ポーターたち、ってなんだ、ほとんど探検隊やん。それだったら最初っから自分たちで探検隊結成したほうが手間かからなかったんじゃないの(笑)。

 しかし、さすがはビショップ、ハンスたちが出て行ったのを見計らってさっそく縄抜けの術。あっという間に自分の縛め解いちゃった。他の人たちの縄も解いて、「実は私はローデシアン植民地政府のエージェント。18ヶ月前ある探検隊8人が死体で発見されました。その探検隊のガイドを務めていたのがあのハンスだったのです。だから私は彼の殺人の証拠をつかむためにこの探検隊に加わったのです」でもお嬢さんとキスして探検隊追い出されそうになったんだもんね(笑)。「さ、武器や食料は私がなんとかしますからハンスたちを追いかけましょう」この“なんとかする”というのがいまひとつ分かりません。だって、みんないつの間にかライフル持ってジャングル歩いているんだもの。

 一方川に到着したハンスの一行。最小限の食料や武器を置いていくという約束を守ってそのままボートで川くだりをしようとするのです。驚いたパメラ、「そんな、それじゃパパたち死んじゃうじゃない!」そして隙をみてぱーっと逃げ出します。「あ、ちょっとそんな勘弁して」カーズウェルも彼女を追いかけますな。ハンス、もう面倒くさくなったのか、拳銃を取り出すとカーズウェルの背中を狙ってずどん。「びわー!」カーズウェル死んじゃった(笑)。ハンスはパメラを追いつめて捕まえようとするのですが、そこに現れたのがホワイトゴリラ。ゴリラはハンスに襲い掛かって「ヒーッ!」彼をずったんたんのぎったんたんにしちゃったとさ。はい、これでハンスはおしまい。彼の二人の部下、マンボージャンボー、黒人ポーターたちはこの後どこかへ行ってしまいますっていい加減やなあ(笑)。

 ホワイトゴリラ、パメラを攫って棲家の洞窟へ連れていきます。するとライオンがやってきてがおー、がおー。ホワイトゴリラはこのライオンに向ってやっぱりがおー、がおー、ライオンを追い払うのでした。ちなみにこのライオンは流用フィルムを上手い具合に繋いでいるだけなので、ゴリラとライオン、一度として同じ画面に映りません。パメラ、はっと意識を取り戻し、この隙をついて逃げ出します。ホワイトゴリラ、また彼女を追いかけ捕まえる展開。すると、驚いたことにフツーのゴリラがやってきてホワイトゴリラに戦いを挑んだではありませんか。木の枝拾って二頭でぺそぺそたたき合い。これがもう延々続くのだからいやになりますな(笑)。映画、あと5分くらいしかないんですよ。

 悲鳴を上げているパメラ、この悲鳴を聞きつけたのがライフルを“なんとかして”追いかけてきたビショップたち。「あ、パメラ」「ああ、ビショップ」ようやくパメラは無事に保護されたのであります。その間もえんえん叩き合っているゴリラ。ついにフツーのゴリラが逃げ出しました。ビショップたち、ホワイトゴリラにライフル射撃を浴びせて、おお、見事にこのやっかい極まる猛獣を生け捕ったのであります。

 檻に入れたホワイトゴリラを見ながらほくほく顔のブラグドン卿たち。「ふふふ、ロンドンに帰るのが待ち遠しいよ、きっと凄いニュースになるぞ」「早く検査してこいつがミッシングリンクであることを証明しましょう」これはピーター。ここでバクスター、カーテンをさっと開けるとその向こうにキスしようとしているビショップとパメラという場面でエンドマーク。

 ビショップ、ハンスを捕まえるために探検隊に加わったのに、結局ハンスはゴリラにずたずたにされてお仕舞い。残りの奴らも結構な悪党なのにそのまま映画からフェードアウト。ちゃんと作れば面白くなりそうなプロットなのにどうしてこういい加減に済ませちゃうかなあ。

 モノクロ・スタンダード。モノラル音声。画質も良くないのですが、とにかく音質最低。ノイズまみれでおまけに音が小さい。ヴォリュームをいくらあげてもちーっとも聞こえやしない。こんなDVDはイヤだあ。12枚のDVD50本の SF映画が収録された「SciFi Classics Collection: 50 Movie Pack」の一本。 Digital 1 Stop DVD

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『バック・ロジャース Planet Outlaws』 1953

 

『バック・ロジャース Planet Outlaws』 

 これは1939年製作のシリアル(連続活劇)を編集して1953年に劇場公開したもの。相当無茶な編集をやっているようでして話がぽんぽん飛びます。約70分の映画なのに地球から土星まで何度も往復したりします。私は頭がくらくらしてしまいました。

 冒頭ニュースフィルムで世界のあちこちで起こっている奇怪な現象、空飛ぶ円盤について語られます。アナウンサー曰く「これは一体どこから何の目的で来ているのでしょうか。専門家は円盤は地球外のもので完全にコントロールされている存在だと言っています。ついに宇宙戦争が勃発するのでしょうか」ここでアナウンサー「ここにその回答があります。皆さん、どうぞごゆっくりお楽しみください」

 この回答というのが『バック・ロジャース』という訳(笑)。ここから本編へ移行するという趣向です。新開発のガスを使った飛行船でテスト飛行中のバック・ロジャース(バスター・クレイブル)と相棒のバディ(ジャッキー・モラン)。しかし悪天候のため飛行船はコントロール不能。「わあ、落ちるねんて、落ちるねんて」どかーん、雪山に激突します。ごろんごろんと転がった飛行船、さらにその上からなだれがどー。飛行船は完全に雪の中に埋まってしまったのであります。

 この飛行船を発見したのが変な服着た未来人、二人で飛行船の中に入ってきて「お、人間じゃ、まだ生きとるぞ」「ほうか、ほうか、それ運び出せ」目覚めたロジャースとバディ、彼らの飛行機械に乗せられて「隠された都市」に連れていかれるのでした。彼らはそこで科学者、ヒューアー教授(C.モンタギュー・ショウ)から驚くべきことを聞かされます。彼らの名前を尋ねた教授、本をぺらぺらめくって「おう、あったぞ、なに、1938年とな。おおう、君は科学上の大奇跡だ、ミラクルの軍隊の位でいえば将軍様だ。君らはあの飛行船の中で500年を眠ってすごしたのだ!」どうやら雪山の寒さと新開発のガスの作用で冬眠状態になったらしい。バディは仰天して「ええっ、500年すか、そしたらひいひいじいさんくらいになる年月じゃないっすか、冗談じゃないっすよ」

 まあ、この話はここまで(笑)。なにしろシリアルを69分の映画に編集したものですから話が早い、早い。新たに登場した美人中尉のウィルマ・ディアリング(コンスタンス・ムーア)が「教授、また我々のパイロットがキラー・ケーン(アンソニー・ワード)に捕まりました!」「何、捕まったとな」教授早速ビュースクリーンを作動させます。するとそのキラー・ケーンとやらが引っ立てられてきた隠された都市のパイロットに「おい、お前、都市の秘密の入り口を教えるのだ。さもないとヒドイぞ」と脅しをかけているのが映るという・・・(笑)。ビュースクリーンえらいところまで映しますなあ。

 パイロットは一瞬たじろぎますが勇敢にも「馬鹿をいうんじゃない、この陰金の包茎野郎、そんなことが教えられるか」このパイロット、頭に精神ヘルメットを無理やりかぶせられてキラー・ケーンの思いのままになるロボットになってしまったのです。他にも同じヘルメットをかぶせられた隠された都市の捕虜がいっぱいいましてキラー・ケーンの奴隷になっております。なんという悪辣非道な奴なのでしょうか!

 しかし、思いのままに操ることのできるヘルメットでしょ、これで秘密の入り口の場所を喋らせたらどうかと思うのは私だけでしょうか(笑)。

 

 ここで出てきたのがこの隠された都市のリーダー、クレイグ長官(ウィリアム・ゴールド)。彼はロジャースに2538年の地球の現状を話して聞かせるのです。「今の地球の支配者はあのキラー・ケーンと悪党どもだ。地球は悪党の惑星になってしまったのだ」ロジャース、その話に驚きながらも「どっか助けを求めることはできないんですかねー」「土星には土星人がいる。彼らが助けてくれればあるいは・・・」ロジャース、胸をどんと叩いて、「僕が行ってきましょう」「おい、危ないぞ、地球の空はケーンのパトロール隊によって完全に封鎖されているのだ」「そんなの簡単です、おとりを使えばいいんですよ」バック・ロジャースはバディ、ウィルマとともに土星へ旅立つことになりましたとさ。

 さて発進したおとりの宇宙船。あっという間にパトロール隊に発見されて撃墜されます。この隙を逃がさず勇躍発進するバック・ロジャース、そして計画どおりパトロール隊を振り切って宇宙へと躍り出たのでした。宇宙船を操縦していたウィルマ、「上手く行ったわね、ロジャース。私疲れたから寝るわ、操縦代わって頂戴」頂戴ってあなた、うーん、うーん、これでいいのかなあ(笑)。思ったとおり良くなくってロジャースの宇宙船、密かに背後にしのび寄ってきたラスカ少佐(ヘンリー・ブランドン)率いるケーン部隊に奇襲を掛けられてしまうのでした。そして土星にようやくたどり着いたのもつかのま撃墜されてしまったのです。ロジャース、ウィルマ、バディは落ちていく宇宙船から飛行機械重力ベルトを装着、辛くも脱出するのでした。

 しかし地表へたどり着いて地球と連絡、無事を知らせたまでは良かったのですが、彼らを追って着陸してきたケーン軍の兵士にあっという間に捕まっちゃった(笑)。さらに奇怪なロボット人間を連れた土星人、タレン王子(フィリップ・アン)まで現れてラスカ少佐たちと一緒に土星の最高幹部会の前に引き立てられてしまったのです。本当に早い展開だ!そして幹部会の前で変わりばんこに自分の立場を訴えるロジャースとラスカ少佐。ロジャースは「こいつらはまったくどうしようもない悪党で地球の罪もない人々を苦しめているのです。どうか、我々を助けてください」ラスカ少佐は「何をいうか、この股ずれちんちんが。ケーンさまこそが地球の正当なる王だ。こいつらが反乱を起こしているのです」残念ながら幹部会はラスカ少佐を贔屓。ロジャースたちを拘束しようということになります。しかし捕まってはたまらないと、ロジャースたち、一瞬の隙をついて武器を奪い、まんまと逃げ出すことに成功するのでした。

 そしてケーン軍の宇宙船を奪ってひらりと空中に舞い上がります。そのまま地球に向って一直線!ところがこの宇宙船、通信機が壊れていた(笑)。「隠された都市」では敵の宇宙船がやってくるのでそりゃ勘違いしますよ。おまけに通信機壊れて連絡できないのだから「あれは敵に違いない。どうしたことかこの都市の入り口を知っているようだぞ。じゃあ、一旦扉を開いて誘い込み、扉を戻して挟み込んでしまえ!」そうとも知らず宇宙船を入り口に侵入させるウィルマ、やい、このアマもうちょっと考えるが良かろう。そして扉が閉まってぐしゃあ、宇宙船挟まれてしまいました。でもみんなかすり傷ひとつない。元気で宇宙船から降りてきて、マーシャル長官、ちょっとひどいんじゃないですかと文句を言ったりしております。意味のない出来事です。

 さて土星では最高幹部会がタレン王子に地球へ行くよう命令します。ケーンに会ってラスカ少佐の話が本当だか確かめてこいということなのですな。本当だったら一緒に戦うための条約を結ぶことになるという…。ああ、バック・ロジャース、「隠された都市の面々」大ピーンチ!このことを知ったロジャース、さっき扉に挟まれて大破したケーンの宇宙船から服を取り出して、これを着込んで敵の都市に潜入するのであります。彼らは宇宙船に乗って都市の近くまでいくと重力ベルトを使って降下ってケーンの空中パトロール部隊はどうしたんでしょう?マーシャル長官は地球の空は彼らによって完全にガードされているって言ってたんですが(笑)

 その頃総統府ではタレン王子がまんまとだまくらかされ友好条約調印目前。ここにロジャースたちが飛び込んでくるのです。彼らは光線銃でケーンを脅してダイナモルームの映像をビューアーに映し出させます。「さ、王子、彼らが捕虜にした我々の仲間に何をしたかとくとごらんください」はい、精神ヘルメットをかぶせられてのろのろと動く捕虜たちです。「おお、これはひどい。ロジャース、土星はあなたがたに味方しますぞ」とあっという間に心変わりするタレン王子です。ロジャースとバディは彼にもう一つ持ってきていた重力ベルトをつけさせると窓から外に飛び出すのでした。そして彼らはケーンその人の特別製宇宙船を奪って「隠された都市」めがけてまっしぐら。

 「隠された都市」からはウィルマ率いる宇宙船部隊が彼らを探しにきたのですがって、やっぱりケーンの空中パトロール部隊はどうなったんだか(笑)。そして飛んでくるケーンの宇宙船を探知、あっ、また敵と間違えやがった(大笑い)。ちょっとは確認すればいいものをいきなり撃つのです。大慌てでケーンの宇宙船を着陸させるバック・ロジャース。船外に出てきた彼らを見てウィルマ、「ンマー、あなたたちだったの」宇宙船に彼らを乗せてようやく「隠された都市」に帰還します。クレイグ長官はタレン王子と会って「おお、ようやく誤解がとけましたな」頷くタレン王子「あの悪逆非道なるケーンめと一緒に戦いましょう」ここに土星との友好条約が結ばれたのです。

 一方タレン王子と自分の宇宙船を奪われたケーンは憤懣やらかたならぬ風情で部下をどなりつけております。その槍玉に挙げられたのがクレンコール、「お前、すぐ土星に行ってタレンから余計なことを連絡される前にあっちの最高幹部会を説得してこい」と言われてしまいます。激怒したクレンコール、「そんな向かいのスーパーで卵買ってくるようにはいきません。もう私はあなたのやり方にはついていけませんよ」はい、クレンコールもヘルメットでロボットにされちゃいました。 

 クレンコールを始末した(笑)キラー・ケーン。次にラスカ少佐を呼び出して命令します。「お前、土星に行って直接交渉してまいれ。タレン王子の報告前にすべてをひっくり返してしまうのだ。この任務に成功したら最高幹部会のクレンコールの椅子をお前に与えよう」「ははっ、ありがたき幸せ!」と張り切るラスカです。

 「隠された都市」では彼らと共に戦うことになったタレン王子が早速土星へ報告せんとするのですが、どうしたことかまた通信機が不調。連絡できないのです。じゃあ、しょうがないってんでバック・ロジャースがウィルマ・バディと共にタレン王子を宇宙船で土星まで送ることにまります。しかし、ここで一つ問題が。王子を奪還されて怒り狂ったキラー・ケーンが空中パトロールを二倍に増やしていたのです。「これじゃ、前のように囮を使っても無理だ」首をふるクレイグ長官であります。しかしここで「いいの、あるよ」とまるで宇宙人の写真を見せる韮澤さんのような気軽さで秘密兵器をだしてきたのがヒューアー博士であります。「じゃじゃーん」彼は台座付の光線銃のようなものを指差して、「あれは透明化光線銃なのです!」まったくもー、『フラッシュ・ゴードン』といい、『バック・ロジャース』といいこの時代のSFシリアルはどうしてこう秘密兵器ときたら透明なのか。

 とにかくいいものがあったということで勇躍飛び立つバック・ロジャース達。たちまちケーンのパトロール隊に発見されますが、「教授、お願いします」「あいよ」ヒューアー博士、透明光線銃をびびびび。宇宙船はたちまち透明になり戸惑うケーンのパトロール隊の間をすり抜けて宇宙へ脱出したのでした。あっという間に土星へ到着。そしてあっという間に土星人の最高議会の面々と「キラー・ケーンをいてまいましょう。隠された都市の準備が整ったら連絡してください。私らも宇宙艦隊を送りますわ!」バック・ロジャースたち、タレン王子に見送られて地球へ向けて出発します。何の説明もないので良くわからないのですが、どうやらケーンの命令で土星に向ったラスクは失敗したらしい。やっぱり編集で切られちゃったのかなあ。

 この時点でロジャース、カーネル、大佐と呼ばれております。どうやらいつの間にか昇進していたらしい。

 地球へ帰還するバック・ロジャース。当然ながらまたケーンのパトロール隊に追跡されるのですが、やっぱり「教授、お願いします」「あいよ」で透明になって無事「隠された都市」へ到着したのでした。ところがこの宇宙船の中にラスク少佐が隠れていた(笑)。いつの間に、乗り込んでいたんだか。バック・ロジャースたちは宇宙船を降りて長官に土星での会談の結果を報告します。「こっちの準備が整いしだい力を貸してくれるそうです。これでキラー・ケーンをめっためたのぎったんたんにしてやりましょう」ラスクは宇宙船の隠れ場から出てきて点検中の隊員をぽかり。服を奪ってまんまと「隠された都市」に潜入します。そして通信員をまたぽかりとやってキラー・ケーンへ連絡。「こちら、ラスク、隠された都市の入り口を発見しました。場所を送信しましたから攻撃をお願いします」「よくやった、ラスク!」さっそくに攻撃隊を差し向けるケーン。「隠された都市」知らぬ間に大ピンチであります(笑)。

 「隠された都市」めがけて殺到する宇宙船、都市のゲートを開けてしまうラスク、ここでようやく長官とバック・ロジャースが彼に気がつくのでした。「あ、お前はスパイだな!」ここでしばらくラスク対長官・ロジャースの戦い。ラスク、ロジャースの頭をぽかり。ふらふらと昏倒するだらしなさ。しかし長官その隙をついてやっぱりぽかり。ついに彼を倒すことに成功するのです。そしてぎりぎりのタイミングでゲートを閉鎖。可愛そうにケーンの攻撃隊、わずか三隻の宇宙船が侵入しただけで後は閉められたゲートに激突してぼかーん。そしてせっかく侵入に成功した三隻の乗組員もあっという間に捕まってラスク共々捕虜になってしまったのです。

 しかし最大の秘密であった「隠された都市」の所在がケーンに知られてしまった。もはや一刻の猶予もならん。こうなれば土星に連絡して先制総攻撃をかけよう!ということに会議で決まるのですが、なんとしたことかやっぱり通信機がおかしくなっていて土星に連絡できない(大爆笑)というか、この通信機、全編を通して土星に連絡できたためしがないんだから。これも映画にするときの編集で切られてしまったのかしら。例によってバック・ロジャースが直接赴くことになります。今度は何故か透明化光線を使わず、さきほど侵入してきたケーノ空中パトロール船を宇宙でも使えるように改造、それを使ってパトロール隊をごまかすことになりましたとさ。ロジャースは一人でこの困難な任務に挑むつもりでしたが、彼と離れたくないバディがこっそりと乗り込んでいたというのは定石の通り。

 ケーンと戦う前にこの無線機をなんとかしろと思います。

 さあ、発進したバック・ロジャースとバディ。空中パトロール隊から「お前らはどこへ行くのだ」と連絡が入るのを「私ら、ケーン様の総司令部行きますから」とごまかしてそのまま土星へ行ってしまうという・・・。バック・ロジャース、土星で「ケーンがきたら土星も地球と同じような目に会わされますよ、何しろ奴は悪逆非道の冷酷漢の人でなしですからなあ」土星、全会一致で攻撃開始を決定します。これに呼応して「隠された都市」からも全戦闘艦艇が発進。いよいよ最後の決戦だ!

 バック・ロジャースとバディ、地球に戻ってどこへ行くのかと思えばキラー・ケーンの総司令部へ。そして捕虜のパイロットたちが洗脳ヘルメットかぶせられて働かされているダイナモルームに侵入します。そして見張りを一人、銃で脅しつけて「おい、クレンコールを呼ぶのだ!」そうしてクレンコールが来るとロジャースとバディ、彼の頭のバケツみたいな(笑)洗脳ヘルメットを取ってしまうのです。はて、なぜロジャースがクレンコールのことを知っていたのか分かりませんが、まあ、これも映画版に編集するさいに切られてしまったのでしょうって本当にそればっかりですな(笑)。

 はっと正気にかえるクレンコール、ロジャーは彼にささやきます。「操られたままの振りをして、みんなのヘルメットを脱がしてくれ」頷いたクレンコール、再びヘルメットをかぶって?ダイナモルームへ。そして次々と「隠された都市」の捕虜たちのヘルメットを脱がしていくのです。さあ、みんな、正気に戻った。暴れ始めてあっという間にダイナモルームを占拠してしまいます。捕まえた敵はみんなヘルメットかぶせちゃう。捕虜たち、ぼーっ(笑)。

 そのままケーンの執務室へ押しかけていくのです。「隠された都市」への総攻撃を命令しようとしていたケーンは驚いて「やや、お前はバック・ロジャース」「ケーン、いつまでもお前の思う通りにはさせんぞ、正義は必ず勝つ」ロジャース、ケーンにヘルメットをかぶせてしまいます。ぼーっとなるケーン。「よし、やったぞ、これで大勝利だ!」え、ええ?ちょ、ちょっと土星人はまったくこの戦いに関係しなかったじゃないですか。こんなんだったらあんなに苦労して土星人味方にすることなかったじゃないですか(大笑い)。

 再び冒頭のアナウンサーが「これでロジャース対ケーンの話は終わりです。ごらんのとおり、我々の武器は民主主義です。宇宙人が攻めてこようが民主主義があればなんということはありません、民主主義は無敵だ、アメリカ万歳!」終わり。

 ええとこの70分の映画で土星へ都合三回往復して(笑)大騒ぎでようやく彼らの協力を得ることができたのに、ケーンと戦ったのは事実上ロジャースだけ。土星などわざわざいかんとあの透明化光線を使って敵のパトロール線を撃墜、服を奪ってケーンの都市に潜入、やっぱりクレンコールを使って捕虜を解放すれば30分で決着ついたのでは。

 モノクロ・スタンダード。モノラル音声。画質・音質は例によって駄目。細かい部分が良く見えないのが困ります。12枚のDVD50本の SF映画が収録された「SciFi Classics Collection: 50 Movie Pack」の一本。 Digital 1 Stop DVD

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『幻の惑星』 1961年

 

最初は気合の入ったSF映画だなあと思って見ていたのですが、謎の惑星に到着したあたりからどんどんストーリーがスットコドッコイになってきまして、もう訳が分からなくなります。謎の宇宙人の襲来とか面白いのにどうしてこんなになっちゃったのかねえ。

 10987・・・、カウントダウンが続いています。3,2,1,0、ちゅどどどーん、核爆発が起こります。当然ながら核爆発実験の流用フィルムですが。そしてナレーション、1980年代人類は原子力時代の余勢を駆ってついに宇宙へ進出した。すでに月は人類の宇宙探検のための前進基地となっている。ここを基点として今日もまた勇敢なる宇宙飛行士たちが宇宙の神秘を解き明かそうと頑張っているのだ、続いて宇宙を飛ぶ宇宙船ペガサスⅢ。えらく威勢のいい映画ですが、この勢いは長くは続かない。順調に飛行を続けていたペガサスⅢ、謎の引力源に引き寄せられコースを外れてしまいます。二人の宇宙飛行士は懸命に回避操作をするのですが、ついにコントロール不能に。そしてぶんぶん飛んでくる隕石群。ちゅどちゅどちゅどどどーん。はい、タイトル、でます。『The Phantom Planet

 場面変わってここは人類の月基地、ルナステーション。責任者のランズフィールド大佐(ディック・ハイネス)と部下一人。そして女性オペレーターが二人という構成。そのランズフィールド大佐、地球から通信で偉い人にやいのやいの責められて弱っております。「お前、一月のうちに宇宙船2隻行方不明ってなにやっとんねん!」はあ、と頭をかく大佐。「そうおっしゃられてもですな、レーダーには何も映らないし、回収されたフライトレコーダー聞いても原因が分からないのです。どうしましょうか」「どうしましょうかって、お前はほんま頼りないの。よろし、チャップマンやチャップマンに調べさせんかい」「チャップマン少佐は火星探検計画にかかりきりなのですが」「どアホ、この事故放ったらかしにしといて火星探検も何もあったもんやないわ!」通信を切った大佐、ため息をついてチャップマン(ディーン・フレデリックス)を呼び出すのでした。

 呼ばれて飛び出たチャップマン、「大佐、なんですか、火星探検に使う機材の点検で忙しいんすけど」大佐は彼をなだめて正式に不明宇宙船の探査任務を命令します。さあ、ルナステーションから飛び立つチャップマンと彼の部下、レイ・マコーネン中尉(リチャード・ウェーバー)。宇宙船はさっきのペガサスⅢとそっくりなペガサスⅣだ。けっしてミニチュアの使い回しじゃないぞ(笑)。

 さてチャップマン、いきなりコースを外れます。大佐からはペガサスⅢのコースをたどれと言われていたのにおんなじところ飛んでちゃ話にならんと判断したらしい。マコーネンも「そうですね、雷は同じところに二度と落ちないというし」って雷と一緒にするなよ(笑)。ほどなく彼らのペガサスⅣはⅢと同じく謎の引力源に引かれて宇宙を迷走!「わあ、やばい」二人は大慌てでロケットふかしたり計器を調べたりコースを変えようとしたりするのですが、どれも効果なし。それどころかルナベースとの通信も途絶してしまいます。そしてどこからともなく飛来したのはおなじみ隕石群。「ひーっ」チャップマンとマコーネンは頭を抱えます。そうしておそるおそる顔を上げて、「ど、どうなった?大丈夫、隕石当たらなかったみたい」「よかったぁ」胸をなでおろす二人です。

 しかし安心するには早かった。宇宙船、うんともすんとも言わなくなっちゃった。どうやら隕石で船体が損傷したらしい。二人は宇宙船の外にでて修理しようということになります。宇宙服を着て早速外にでるとあるパネルの隙間からしゅーっと煙がでております(笑)。これを開けてみたら「む、いかん、燃料パイプが切れとるわ!」チャップマンったら普通のモンキーレンチ突っ込んで修理しようとするのでした。それも工具箱から出したんじゃないの、最初っからレンチ一つしか持ってなかったの(大笑い)。

 この時非常に小さな隕石がぴしゅんぴしゅんと音を立てて二人を襲います。これでチャップマンの宇宙服の送気パイプが切断されてしまった!たちまちふらふらとなるチャップマン。マコーネンはそんな彼を助けてエアロックに押し込もうとするのですが、彼もまた隕石に撃たれてしまいます。そのショックで弾き飛ばされてしまったマコーネンはそのまま宇宙の迷い子になってしまいましたとさ。まあ、船外活動をする際には「命綱くらいつけようよ」ということですね。エアロックで失神から目覚めたチャップマン、マコーネンがいなくなったことを知って愕然とするのでありました。

 さらに追い討ち。再び現れた隕石です。今度はでっかいのが一個。宇宙船はその隕石から放射されたトラクタービームに捕らわれ着陸させられてしまったのでした。また宇宙服を着て外にでるチャップマン。さっきからえらいことが続けざまに起きてもはや彼はふらふらです。隕石の表面を歩き始めてすぐばったり倒れてしまったのでした。とその時、ちょろちょろ動き回る小さなもの。「ん、ん、なんだ」私は画面を注視します。「あ、あれは小人だ、小人がでてきたやんけ!」そう、この隕石には小人が住んでいたのでありました(大爆笑)。小人たちは倒れてしまったチャップマンの周囲に集まっていろいろちょっかいを出します。ヘルメットのガラスをばんばん叩く大胆な奴もいます。ついに気がついたチャップマン「わあ、逃げろや、逃げろ」小人たちのっけから英語しゃべっておりますな(笑)。

 

 チャップマン立ち上がってすぐにまた倒れてしまいました。そのショックで宇宙服のヘルメットのガラスシールドがぱかっ。開いちゃったという・・・。チャップマン、この隕石の大気を吸い込みます。するとどうしたことか彼の体がどんどん小さくなり始めたのであります。小人が英語しゃべった時に私は思いました。「もう何が起こっても驚かないぞ」しかし、それは完全なる間違いであったのです。私はびっくり仰天です。一体どんな展開やねん!小さくなったチャップマンに一人の小人が襲いかかります。彼の名前はヘロン(アンソニー・デクスター)、彼は裸になってうろたえているチャップマンに飛び掛りあっという間に取り押さえられてしまったのでありました。

 チャップマンはこのまま引き立てられてこの星、リタンの法廷に引っ張り出されてしまいます。リタンの指導者、シーサム(フランシス・X・ブッシュマン)が裁判長、ぞろぞろ出てきた美女たちが陪審員。先ほどチャップマンを捕らえたヘロンも出席しております。開廷を宣言するシーサム。「異界から来たものよ、そなたを我がリタンの人間を攻撃した罪、この星に侵入した罪によって審議する」チャップマンはヘロンと戦ったのは正当防衛であること、この星には引き寄せられたのであり自分の意思で侵入したのではないことを申し立てるのですが、法廷は陪審員たちは一顧だにせず、あっという間に彼を有罪にしてしまうのでした。

 その罪に対する刑罰は「この星の一員となること」具体的なペナルティはないものの、シーサムはにひっと笑って「もう元の世界には返さないもんね」驚いたチャップマンは激しい抗議をするのですが当然ながら受け入れられません。そんな彼の手を取ったのがシーサムの娘、金髪美女のリアラ(コリーン・グレイ この時39歳)でした。「さあ、あなたのお部屋に案内しましょう」どうもこの星の女の人はチャップマンのような男が好みと見えて裁判の間にもみんなが秋波送っておりましたな(笑)。そんなリアラの態度にむっとしている様子のヘロン。ヘロンはリアラの恋人だってことなんでしょうか。

 部屋への道すがらリアラからいろいろ説明を受けるチャップマン。「この星の大気はね、私たちの重力制御の影響を受けているの。だからあなたの体も縮んでしまったのよ。もしあなたがまた地球の酸素を吸ったら元の大きさに戻るはずよ。ま、あなたは地球へは帰れないから関係ないけど」うーん、うーん、さらにみんなが英語をしゃべっていることについては「私たちが英語を喋っている訳ではなく、この星に言葉を同化してしまう力があるから」なんだそうでよく分からん。とにかく不思議な星だなあと思います。

 場面はとうとつにルナステーションに戻ってまた大佐がぼやいております。「うーむ、チャップマンと2日も連絡がつかない。よし、後、24時間待ってそれでも駄目だったら捜索隊を送ろう」

 再びシーサムに呼び出されるチャップマン。するとですね、リアラともう一人ブルネットの美女ジータ(ドロレス・フェイス)が並んでたっていたのです。シーサムが言うことには「君もリタンの一員になるからには嫁を貰わなければならん。この二人から選ぶのだ。わしの娘のリアラはまあ、いうまでもないな。こっちの」シーサムはジータを指して「ジータは口がきけないががなかなかええおなごじゃぞ、うひひひひ」なんなんだかなあ(笑)。リアラ、当惑しているチャップマンの手を取って「さ、食事に行きましょう」その二人を複雑な表情で見送るジータ。

 なんでいきなり嫁選ばせるんだ、この星は。

 チャップマンはリアラに食べ物をゴチになります。この星では自然の食べ物が存在しないので科学的に合成しているんだとか。そしてリアラたちリタン人はそもそもこの星の空気から栄養分を取れるのでゴハンをほとんど食べる必要がないというのです。なんか仙人みたいですな。そして満腹したチャップマンはぐーぐー。目を覚ましたらリアラから「もうあなたの宇宙船、この星にないから、眠っている間に宇宙に捨てちゃったから」とえらいことを言われて仰天するのでありました。

 久しぶりに出てきたルナステーション、この捨てられた宇宙船、ペガサス、ええっとこれは何番だっけ、そうそう、Ⅳだ、ペガサスⅣを探知するのです。ランズフィールド大佐は直ちにピーチャー少佐(ジョン・ヘリン)に「お前、ちょっと行ってあの宇宙船見て来い!」と命令するのでした。ただちにルナステーションからペガサス何番かの宇宙船で発進します。そしてペガサスⅣに接近して宇宙服をつけて移乗する少佐。しかし誰も乗っていません。ただチャップマンがリタンに着陸する寸前に録音していたテープが再生されているのみ。「マッコーナーはやられた、コントロールができない」当惑したピーチャー、ルナステーションにこのことを連絡します。「なんじゃ、そりゃ」と顎をかくランズフィールド大佐。「コントロールができないってどういうことなんだ」彼はピーチャーに命令します。「よし、宇宙船を回収しろ、詳しく調べてみよう」こんな悠長なことやってていいんですかねえ(笑)。

 さて、その頃リタンでは、退屈な日々に飽きたチャップマンがシーサムに面会を要求します。「この星の重力制御の秘密を教えろ」というのですな。彼が嫌いなヘロンはあからさまにいやな顔をして「駄目っすよ、奴がスパイだったらどうするんです」しかしシーサムは「あんまり人を疑っちゃいけない」ということで快くチャップマン申し入れを承諾するのでした。彼はチャップマンをコントロールル-ムに連れていき、操作パネルらしきもののうえに手をかざします。おお、正面のスクリーンにリタンが現れた。シーサムが手をひょいと動かすとリタンがあちこち移動しはじめたぞ、凄い、さすがリタンの超科学。でも誰がこの映像撮影しているんでしょ(笑)。

 シーサムがいうことにゃこの星の高い密度が重力制御を可能にしているとか。さらにこの星の原子は電子の軌道が狭いので(ここらへん、よう分かりませんわ)重力・反重力をコントロールできるのだそうで。ついでに言っておくとこの原子のためにみんな小さくなっているとか、やっぱり僕よく分かりませんわ!まあ、僕に分からないものがチャップマンに分かるはずもなく(笑)飽きてしまった彼はあたりをぶらぶら歩き回ります。そして彼は石のベッドの上で休んでいたジータを見つけるのです。どうでもいいですけど、寝心地の悪そうなベッドですねえ。彼はジータに微笑みかけると、「さあ、散歩に行こう」どうやら彼を憎からず思っているらしいジータもこくりと頷いて、ああ、手を繋いで散歩に行っちゃった。そして彼が脱いでそのまんまになっている今は馬鹿でっかくなっている巨大宇宙服のそばで仲良くお話するのです。わあ、すげえ巨大ヘルメットの実物大セット作っているぞ(大笑い)。

 チャップマン、ジータの手をとって「君は他の人とは違うね、僕、そういうの好っきやねん」ジータも声は出せども同じ思い。ああ、うれしいわ、あなたとでも言ったように頬をぽっと染めるのであります。そして二人が出て行った後、巨大ヘルメットから出てきたのはヘロンでありました。「見たぞ、聞いたぞ、地球人め」あろうことかこの男、シーサムに「奴はリアラとジータ、二股かけてますよ」と訴え出るのであります。なんじゃ、そりゃ。しかもですな、ヘロン、こいつ、リアラを好きなものだからチャップマンに名誉を汚されたとかいって決闘を申し込むのです。シーサムもこんな理由で殺し合いを許すなよ(笑)。

 この決闘はさっきのコントロールルームで行われます。床に二つの重力プレートが張られておりまして、その上に乗っかると重力波を浴びせられて消滅してしまうという・・・(笑)。チャップマンとヘロンはハンドルつきの棒を使ってお互いを押し合うことになります。プレートのうえに押し込めば勝ち、負けた相手は消滅するのでするという高度な文明を誇る星とは思えぬ野蛮な方法。さて、決闘が始まりました。お互いの命をかけハンドルつきの棒を一生懸命押し合う二人。最初は互角かと思えたのですがさすがは現役の宇宙パイロットチャップマン、すぐにヘロンを圧倒して彼をプレート寸前まで追いつめるのでした。周りで見物しているリタンの女たち、興奮して「やっちまえ、やっちまえ!」ほんと野蛮なんだから(笑)。しかしチャップマン、ヘロンを助けます。彼はこんな殺し合いなどもう馬鹿馬鹿しくなってしまったのでした。

 戦いの後自室に引き上げたチャップマンを追ってきたリアラ。「なぜ彼をやらなかったの」とこれまた野蛮な質問をします。チャップマンはカッとなって「君は僕とヘロンが戦うのを楽しんでいただろう、それになんだ、なぜ殺さないのかって、君はひどい女だな。僕はなんといってもゆるゆるヤリマンと君のような冷血女はだいっきらいなんだ!」がーん、大ショックを受けるリアラ。その様子をみてかわいそうになったチャップマン、「まあ、僕を本当に愛してくれているのならこの星から逃げ出すのを手伝ってくれよ」頷くリアラ。さらにチャップマンの寝床にナイフ片手に忍び込んできたヘロン。復讐に来たのかと思えばさにあらず、なんと「俺、君を逃がすよ。そうしたら大好きなリアラががこっちを向いてくれるだろうから」だって。だったらナイフ持ってくるなと思うのは私だけでしょうか。

 脱走の計画がたてられます。ヘロンがシーサムには内緒でリタンを操縦。月の近くまで持っていきます。すると地球のルナステーションに「不明アステロイド接近中」と探知されますな。そうしたら地球人はルナステーションから探検隊を送ってくるに違いない。チャップマンはあの宇宙服を着て酸素を吸えば元の大きさになる。そこを探検隊に発見されてめでたし、めでたし。うーむ、いろいろ言いたいことはあるのですが、まあ、やめておきましょう。

 さあ、いつ脱走しようかということになりましたが、その時唐突に鳴り響く警報。なんと、リタンの宿敵であるソラリティズが攻めてきたのです。無数の炎に包まれた小型宇宙船がリタンめがけて押し寄せてきます。シーサムはコントロールパネルに手をかざしてリタンを操縦、上手い具合に第一波攻撃をかわすのでした。「ありゃ、一体全体何なのですか」と驚くチャップマン。シーサムはリアラに「彼に捕虜を見せてあげなさい」チャップマン、リアラに洞窟の中の牢屋に連れていかれます。ばーん、そこにいたのは目ん玉飛び出しのとんがり口の化け物、ソラリティの兵士だったのです。しかも中身はリチャード・キール!リアラは説明します。「この捕虜は7年前に捕まえたの。その時の襲撃でまだ少女だったジータが声を失ってしまったの」牢屋は怪しい光で包まれているのですが、これがリタン得意の重力波、ソラリティは非常に力の強い兵士なのですが、これのおかげで絶対逃げ出せないことになっているのです。

 ソラリティの第二波攻撃が始まりました。今度はリタンも反撃。ぴしゅぴしゅぴしゅと双方のビームが飛び交う大変カッコいい場面!激戦が続きますがなんとかソラリティを撃退することができました。喜ぶみんなですが、この時ソラリティのビームで牢屋の重力波装置が故障、囚人が逃げ出していたのです。どうも見張りとかおかないのですかね、この人たちは(笑)。ソラリティはうがーとリタンの中を歩き回ります。そしてやっぱりジータをさらうんだ(笑)。そしてコントロールルームから「わし、もう疲れたから寝るわ」とのこのこ歩いてきたシーサムもソラリティにぼかっと殴られて失神。ここでみんなようやくソラリティが逃げたことに気がつくのであります。

 ソラリティはコントロールルームへ。ジータを降ろしてコントロール装置をいじりまわしなすが「へんぺんぺん」という変な音がでるだけ。うろうろするソラリティ。とても宇宙船使って攻撃してくるような知的生命体には見えません(笑)。ここへ飛び込んできたのがチャップマンとヘロン。「あ、ジータ」駆け寄るチャップマンですが、その背後からソラリティが襲ってきた。この時、ジータ、「危ない、チャップマン」なんと彼女は愛する人を助けたいあまりに失われていた声を取り戻したのであります。彼女の警告によってあやうくソラリティを交わしたチャップマン。彼はヘロンと協力してソラリティを例の重力プレートに追い込んで、シュッ、彼を消滅させてしまったのです。

 さあ、ようやくラスト。ヘロンが約束どおりリタンを月近くまで飛ばします。チャップマンはジータと涙の別れ。「僕は君を愛している」「私も実はあなたに一目ぼれだったのよ、でも喋れないから今まで言えなかった」「ああ、ジータ」「ああ、チャップマン」ぶちゅぶちゅぶちゅちゅちゅーとキス。しかしチャップマン、彼女のためにリタンに残るつもりはこれっぽっちもないようでさっさと出発の準備(笑)。ジータは彼に小石のようなものを渡して「これはお守りよ。これを見て私のことを思い出してね」ぶちゅぶちゅぶちゅちゅちゅー、またキス。どうにも暑苦しいことで。

 チャップマン、ついにジータに別れを告げて宇宙服に入り、酸素を吸って元通りの大きさになったのです。リタンの接近はもくろみどおりルナステーションで探知されます。そして再びビーチャーたちの宇宙船が派遣されてきました。チャップマン、ようやく彼らに救助されるのでした。意識を取り戻したチャップマン、船内に運び込まれてから「あ、あ、みんなはどこだ、ジータはどこだ」ピーチャーと部下は「可愛そうに、幻覚をみているんだなあ」だって(笑)。自身も夢をみていたのではないかと思い始めたチャップマンでしたが、ポケットからあの小石を見つけるのです。「ああ、ジータ、君はやっぱり存在したのだね」ロケットが発進、ルナステーションに向って進み始めたところでエンドマーク。

 「ああ、君はやっぱり実在したのだね」じゃねえよと思います(笑)。まあ、巨大宇宙服に入って巨大酸素を吸ったら巨大になったのだ映画を見るという得がたい体験ができたことをヨシとしようと。こんな風に考えないとやってられないっすよ。

 

 モノクロ・スタンダード、モノラル音声。おお、このDVDセットにしては高画質!音もきちんと台詞が聞き取れる!12枚のDVD50本の SF映画が収録された「SciFi Classics Collection: 50 Movie Pack」の一本。 Digital 1 Stop DVD

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『Moon of the Wolf』 1972

 

Moon of the Wolf』(1972)のテレビムーヴィ。意外ときちんとした狼男ものです。謎解きの過程がちょっとわざとらしい嫌いもありますが、なかなか見られる映画。ただ主役のデヴィッド・ジャンセンの声がなんというかものすごい悪役声(笑)。とても正義の味方とは思えぬだみ声でちょっとびっくりします。

 タイトルどおり夜空にぱあっと月が光っているオープニングに苦笑。犬がわんわん咆えております。あまり犬が騒ぐので不審を覚えたのがトム・ガーマンディ・シニア(ロイヤル・ダノ)とトム・ガーマンディ・ジュニア(ジョン・ディビス・チャンドラー)の親子。ライフルを持って外へ様子を見に行くのでした。そしてあるものを見つけて立ちすくむ二人。「おっとう、大変だ、これは死体だべ」「こらぁ、ローレンスのところのエミリーでねえべか。お、おめえ、保安官に電話してこい」「わかっただ、おっとう」

 翌朝になって(笑)アーロン・ウィティカー保安官(デビッド・ジャンセン 逃亡者!)とドルートン医師(ジョン・ベラディーノ)が沈痛な面持ちでエミリーの遺体を調べている訳です。ドルートン医師の見立てによるとどうやら彼女は山犬どもにやられたらしい。でも不審な点があるので遺体を病院へ運んで詳しく調べなければならないということになります。そこへ飛び込んできたのが知らせを聞いて駆けつけてきたエミリーの兄、ローレンス(ジェフリー・ルイス)であります。彼は半狂乱になって死体へすがりつこうとします。そこを保安官に止められて「誰だ、誰が殺しやがった」もう大変な騒ぎ。

 なんとか遺体をドルートン医師の病院へ運び込んで再び詳しい検視が行われました。その結果、直接の死因は山犬だが、その前に彼女を手ひどく殴りつけたものがいる、気絶した彼女を山犬が襲ったのだ、これは殺人だよということになったのです。彼女の顔の傷から見て犯人は左利きに違いない。これから保安官はこのわずかな手がかりでエミリー殺人犯の捜査を開始するのでありました。

 まずエミリーの実家へ行く保安官。兄のローレンス、お手伝いの黒人女性、サラ(クローディア・マクニール)に迎えられます。ローレンスとエミリーの父親のヒュー(ポール・R・デヴィル)はベッドで寝たきり。エミリーの突然の死に錯乱状態となって「ルカルク、ルカルク」という訳の分からない言葉を叫んでいます。ローレンスに「ルカルクってのはフランス語か」と尋ねた保安官ですが、「いんや、俺も聞いたことがねえよ」という返事が得られたのみ。

 この後、保安官はローレンスから昨夜のことについて聞き出します。エミリーはどうやら男と問題を抱えていたらしい。ピーカンヒルでその男と会うことになっていたようだとローレンスは言うのです。彼は「俺は妹を止めるためにぶん殴ってしまった」保安官はその言葉にぴくりと反応して「それで、どうやって殴ったんだ」「どうやってって、こうやって左でバシッと」保安官、にやりとして「君が左利きだったのは知らなかった」はい、第一の容疑者出ました。

 次に保安官が赴いたのは町の大立者、ローダンテ家のお屋敷。当主のアンドリュー(ブラッド・フォード・ディリアン)に面会します。この屋敷の地所はエミリーが出かけていったと思われるピーカンヒルと彼女の家の中間に位置していたので近道した彼女を目撃しているかも知れないと考えたのです。しかし、アンドリューは「うーん、見ていませんな。何はともあれ犯人が早く見つかるよう祈ってますよ」ここで聞き込み終わりかと思ったら新たな登場人物。アンドリューの妹ルイーズ(バーバラ・ラッシュ)です。旧家のお嬢様らしからぬ奔放な性格の彼女は保安官に声をかけて「知っている?私中学生の時、あなたに夢中だったのよ」などと告白するのであります。さらに「近くにきたら気軽に寄っていらしてね」という彼女に辟易したアンドリューは彼女を家に追い返すのでした。そうして保安官に向って曰く「彼女は病気なのです」実はアンドリュー、ニューヨークで男と同棲していた彼女を無理やり連れ戻していたのであります。

 保安官は改めて殺人現場である沼地に出かけて遺留品を探します。あっという間に見つかったのがペンダント。そこにやってきたのが第一発見者であるガーマンディ親子。保安官は二人にあの夜のアリバイを聞きただします。「おら、寝ちまってたけど、何か問題あるんけ?犬にやられたんだろ」いぶかしむガーマンディ・シニア。保安官は「そうだったら簡単なんだけどな」と答えて沼地を後にするのでした。

 町に戻った保安官。サルファ剤を買いに来たというサラと出会います。彼女は保安官に「ローレンスは犯人じゃないよ。私は真犯人を知っているから」当然ながら保安官、それは誰かと尋ねますな。サラは「それは言えない。誰がエミリーを妊娠させたか調べてみるがいいよ」さあ、急展開。保安官は早速ドルートン医師のところへ行き、エミリーの妊娠について確認します。そう確かにエミリーは妊娠していました。どうして分かっていたはずのドルートン医師がそれを知らせなかったかというと・・・、はい、ドルートン医師がパパだったからです(笑)。あの夜ドルートン医師は子供のことを相談するべくエミリーをピーカンヒルに呼び出したのですが、結局彼女は来ず、そのまま帰って屁ェこいて寝たというのでした。じとーっと疑いの目で医師を見つめる保安官。

 そしてこの後ドルートン医師の言うことが酷い。「エミリーは俺と結婚したがっていた。そして町の人間に知られないようどこか遠くへ行こうと言っていたんだ。俺は真っ平ごめんだった。子供を始末して欲しかった。だって、俺はもう50なんだ。いまさら50で他の町に行って一からやりなおすなんてイヤだったんだよ!」この身勝手きわまることを言う医師をじとーっと疑いの目で見つめる保安官。それに気づいた医師は「いや、俺じゃないって、違うって!」

 まあ、もろに「エミリーが殺されてラッキー!」てなことを言っている訳ですから疑われぬ筈がない(笑)。

 保安官はうろたえるドルートン医師に沼地で拾ったペンダントを見せます。「これはエミリーのものかい」「いや、違う、そんなもの見たことない」頭をふる医師。保安官は「それともうひとつ、あんたは左ききだったかね」「いや違うよ」誠に疑わしい人物ですが、とりあえず保留。保安官はさらに捜査を続けるのでした。

 保安官は医師に不可解な質問をします。「サルファ剤ってなんに使うのかね」「詳しくは知らんが、祖母が狼よけになるっていうのを聞いたことがある」ここで唐突に狼が出てきましたなあ(笑)。

 病院を出た保安官、ルイーズと出会います。保安官は彼女とちょっとコーヒーでもということで町のレストランへ。そこでいろいろとルイーズの身の上話を聞くのであります。彼女はニューヨークでローダンテ家とは身分のつりあわない男と恋に落ち、同棲していた。アンドリューは私立探偵を雇って彼女の行方を捜し、そうして無理やり連れ戻した・・・。こういう話がえんえん続くのであります(笑)。もういい加減にしてくれ、そんな話面白くないと思ったところでアンドリュー登場。妹を連れ出すのでした。帰り際、アンドリューは保安官に「明日山犬狩をします。保安官も良かったら参加してください」

 さて、エミリーの妊娠の相手がドルートン医師であったことがローレンスに知られてしまいます。サラが「あんた、落ち着いて聞いてよ、へんなことをしたら駄目だよ」といいながら彼に秘密を教えてしまったのですな。ローレンス、これを聞いて逆上。だいたい、こんなことを聞いて落ち着いていられる筈がありません。彼は山犬狩でみんなが集まっているところに乗り込んでいって、保安官と話していた医師に「てめえ、俺の妹に手ェ出しやがって」パンチ、続いて「50男が何してけつかる」キックを浴びせたのでした。ローレンスは保安官に取り押さえられたのですが、人々はドールトンをじとーっといやな目でにらんでおります。こんな不穏な空気の中、山犬狩りが始まりました。

 保安官は狩には参加せずローダンテ家へ行きルイーズにお呼ばれ。「暑いね、どうも」ということでレモンスカッシュをご馳走になるのでありました。それから仲良く話す二人です。保安官とルイーズの意味がないレモンスカッシュ対談が終わって(笑)、日が暮れました。月がでています。どこからかうぉぉーんという狼の咆え声がします。保安官事務所には保安官、部下のテリー、そして犬狩りの直前でドクターをぶん殴ったローレンスが牢屋に収監されております。でもまあ、逃げる心配はないだろうというので牢屋には鍵がかかっておりません。保安官はふあーと伸びをして「今日は疲れたから、もう俺帰るわ。テリー、後頼むよ」と帰っていってしまいます。

 彼が車に乗り込んだのを見計らって事務所に近づく謎の人物。ハアハア喘いでおります。こいつはいきなり事務所のドアを破壊、中に躍りこむのでした。ドアの破壊音を聞きつけたテリー、「お前、ここにおれや」とローレンスの牢屋に鍵をかけてよせばいいのに(笑)様子を見に行きます。当然ながら謎の人物、もうはっきり言ってしまいましょう、狼男ですな、に襲われてずったずったのぎったんたんにされてしまうのでした。狼男は次に牢屋の中のローレンスに迫ります。恐怖に顔をゆがめる彼の前で狼男は怪力を発揮、牢屋をあっさり破ってしまったのです。そしてローレンスに襲い掛かってやっぱりずったずったのぎったんたん。もうひどい有様でこの死体を見た葬儀屋さんがあまりのむごさに葬式断っちゃったくらい。

 翌朝騒然となる町の人々。事務所に押し寄せております。その中で検死をするドクター。「エミリーの時と同じだな」保安官は「こいつは素手で牢屋を破っている。並みの人間にこんなことができる筈がない。ドクター、あんたはもう容疑者から外れたよ」この展開はちょっと安易だな(笑)。とにかくこの町を得体の知れない化け物が徘徊している。こうなればボランティア募って24時間見張りを立てよう。保安官はこう宣言するのですが、誰もボランティアにならない、それどころか「そんなあぶねーことやってられるかっての」と怒られる始末です。

 いや、ただ一人志願者がおりました。アンドリュー・ローダンテです。「うちは町一番の名家で金持ちだからね、こういうことはまめにやっておかないとね」保安官はなんてハナモチならない奴だと思うのですが、今はとにかく贅沢を言っている時ではありません。一人でも手が欲しいのです。ということで彼をパトカーに乗せて昨夜殺されたローレンスの家へ向うのであります。到着して車を降りたアンドリュー、「僕は町のこのへんにくるのは初めてだな」とやっぱり人を見下したようなことをいう(笑)。

 その罰があたったのか、ローレンス家のポーチで炊かれていたサルファ剤(狼よけ、正確な名前はよく聞き取れず)の煙にむせて「うご、げは、げへ、ずっず、ぎげげ・・・」と苦しみだしてあげくのはてに失神してしまうのでした。ああ、狼よけの薬に当たって失神する、はい、皆さん、もう分かりましたね。気がつかないのはこの映画の登場人物たちぐらいのもので・・・。保安官はアンドリューをドルートン医師の病院へ担ぎ込みます。診察した医師は「彼の過去の病歴が分からんと話にならんよ」ということで保安官、ルイーズのところへ聞きにいくことになるのです。しかし、本当にこの保安官は良く働きますな(笑)。

 さてローレンスの屋敷へいってルイーズに話を聞く保安官。彼女によると祖父も同じような発作を起こすことがあったとのこと。ふうむと顎をかく保安官です。ここで彼はルイーズとアンドリューの母親の写真に目を留めます。彼女がどこかで見たようなペンダントをしていたからです。そう、保安官が沼地で拾ったペンダント。再びルイーズを問いただすと、「それは母親のかたみに私が貰ったもの。でもなくしちゃったのよ」保安官はようやくアンドリューを疑い始めたのでした。保安官はルイーズを連れてドクターの病院へ戻りアンドリュー本人から事情を聞くことになりました。

 アンドリューの話。実は彼は一年ほどまえから意識を失って自分が何をしていたのか分からないという発作を起こすようになっていたのです。その発作を抑える薬をドルートン医師に内緒で彼に運んでいたのがエミリーだったという訳。おお、アンドリューとエミリーを繋ぐ線が出てきましたな。ちなみに、なんで医師にも内緒で薬を貰っていたのかというと「ほら、俺って町一番の名家でしかも大金持ちだろ、病気なんてことになったら町の奴から何言われるかわかんねーもん」なのだそうで。やっぱりハナモチならん奴だなあ。

 エミリーが殺された晩もやっぱり彼のところへ薬を運んでこようとしていたのですねえ。その時の彼女は誰かと会うためにこぎれいなカッコをしていたのだが、何故か沈んでいた。はい、今は分かってますけど、ドルートン医師と深刻な話をする予定だったからです(笑)。「だから僕は彼女にペンダントをあげたのさ」一応話は繋がっております。しかし保安官から「エミリーと別れてから何をしてました」と聞かれたアンドリュー「何故か薬を飲む気になれなくってソファに座っていたんだ」おお、やばくなってきたぞ。「そこではっと意識を失って気がついたら午前5時、シャワーを浴びていたよ」保安官、さらに質問します。「アンドリュー、あんた左ききだっけ?」「いや、僕は両ききさ。左右どちらでも同じ筆跡で名前をかけるんだ」そんなことを嬉しそうに言うな、馬鹿(笑)。保安官の疑いはますます深くなったのであります。

 ドルートン医師から薬をローレンス・バリファーの実家へ届けるよう頼まれた保安官、ルイーズと一緒に車で向います。バリファー家ではヒューが相変わらず「ルカルク、ルカルク!」と錯乱状態。するとルイーズが「あれはフランス語ね、フランス語だったら分かるわ、私」という誠に都合の良い展開となりまして、ルイーズはヒューとフランス語でしばらく話すのです。そうして真っ青となったルイーズ、「ルカルクじゃないわ、ルガルー、彼は人狼だと言っているの、つまり、狼男よ。そしておお、恐ろしい、狼男の犠牲者は私ですって!」これですべての謎は解けた!アンドリューは狼男だったのであります。

 ちょうど、その頃病室で狼男に変身するアンドリュー。タイミングのいいことですなあ。「ウォーでがんす、ウォーでがんす」と暴れ周ります。ドルートン医師を背後からど突き倒し、看護士たちを怪力でふっ飛ばします。病院をめちゃくちゃに荒らしたあげく、窓ガラスをやぶって外へ飛び出してしまいました。はい、場面はそのまま次の朝となります(笑)。集まった男たちの前で熱弁をふるう町長。「アンドリューは狼男だ、化け物だ、奴がこの町の人間を都合三人も殺したのだ。かまわないから見つけ次第ライフルで蜂の巣にしてやれ!」保安官とパトカーで通りかかったルイーズはこの言葉に仰天して「兄は病気なんです。それを見つけ次第ロープでぐるぐる巻にして車でにつないで10キロばかり引きずり回すなんて、そんな殺生な!」と抗議するのですが、男たちからは「その妹のお前も狼になるんじゃないのか、ロープでぐるぐる巻きで引きずるなんてそんなことはいってないぞ」という野次が飛ぶばかり。ルイーズ保安官に促されて屋敷に戻るのです。

 この後町の男たちが手に手にライフルを持って狼男、アンドリューを追いつめて云々・・・なんてことは一切ありませんのであしからず(笑)。

 屋敷に戻ったルイーズ、書斎にあった本、曾祖父が残したという狼男病についての文献であります。この内容を保安官に読んできかせますな。「これは紛れもない病気で薬でコントロールできる。しかし、次の犠牲者の手のひらには五茫星形の印が現れるという伝説もある」「なんだ、要するに迷信じゃん、今はそんなこと言っている場合じゃないよ」不満顔の保安官に構わず続けるルイーズ。「狼男は聖なる弾丸によって滅ぼされなければならない」聖なる弾丸というのはつまり銀の奴ということなんですかね。

 ここで馬の鳴き声。「やばい、納屋の方だ、おれ、ちょっと見てくる」、ルイーズを部屋に残して出て行く保安官です。でそのまま保安官は狼男を見つけることができず、外をうろうろ(笑)。そうしているうちに屋敷に狼男が潜入して「ウォーでがんす!」ルイーズを狙うのです。ぎゃっと逃げ出すルイーズ、納屋に入り込みます。ランプに火をつけてさあ、どうしようかと考えていたら「ウォーでがんす、ウォーでがんす」納屋の窓から入ってきやがった。ルイーズとっさにランプを投げつけます。干草に火がついて火達磨となる狼男。この間、外をうろうろしている保安官(笑)。

 しかしこんなことで参る狼男ではありません。屋敷に逃げ戻ったルイーズをまたも「ウォーでがんす、ウォーでがんす」と襲うのです。この間やっぱり外をうろうろしている保安官。ルイーズは狼男に追われてアンドリューの寝室に逃げ込みます。そしてベッドのもの入れから拳銃をみつけて、狼男めがけてずどん、ずどん、もう一発ずどん、ばたりと倒れふす狼男=アンドリュー。ここでようやく保安官が駆けつけてきた(笑)。ルイーズは彼にすがりついて「兄さんは私に自分を殺させたのよ、この銃も銀の弾丸もあらかじめ用意していたのだわ」アンドリューの顔がゆっくりと元に戻ったところでエンドマーク。

 いやあ、謎解きが結構面白かったですな。特にじいさんの喚くルカルクの意味が分かるシーンではぞっとさせられました。だってこのじいさん、エミリーが殺されてからこっち、ずっとベッドにねたまま「ルカルク、ルカルク」って喚き続けていたんですよ。だのに映画の後半になるまで誰もその意味が分からずじいさんほったらかしになってたんですからって怖いのはそこかい!

 カラー・スタンダード、モノラル音声。画質・音質、どっちもまあひどいものですわ。12枚のDVD50本の SF映画が収録された「SciFi Classics Collection: 50 Movie Pack」の一本。 Digital 1 Stop DVD

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『鮫の呪い』 1958年

 

『鮫の呪い』(『She Gods of Shark Reef1958年)

 ロジャー・コーマン監督の南洋の楽園もの。孤島にはきれいで純な女子はんがぎょうさんおりまっせ映画です。例によって『ハワイの雷鳴』との2本撮り。ついでにコーマン休暇をとってバカンス楽しみよったという一石三鳥のコーマンシステム。

 冒頭海がぱぁっと映りまして「海にいったら鮫がいた、海にいったらイルカもいた、ああ、きれいだな、ああ、きれいだね」なんていう歌詞(ウソ)の主題歌が流れます。これが終わっていよいよ本編の開始。夜、桟橋の下を泳ぐ二人の男。白人のリー・ジョンストン(ドン・デュラント)とターバンに髭のアジア人?らしき男であります。二人は夜の闇にまぎれて桟橋をよじ登ります。そして巡回している警備員を襲うのです。リーが紐で首をがっとしめたところでターバン男が蛮刀でどすどすどす。それから二人は倉庫らしきところを調べて木箱からライフルを盗み出そうとするのでした。しかし、ここで現れたのが第二の警備員。ターバン男はとっとと海に飛び込みリーは警備員と取っ組み合い。どうなるのかと思ったらリーも海に飛び込んで逃げてしまったのです。うーん例によってくらいところじゃ何をやっているかまったく見えないくらいの低画質だからもう何が起こっているのかさっぱり分からん(笑)。

 どうもこの二人は海軍からライフルなどの武器弾薬を盗んで売っているという設定のようなのですが。

 この後、唐突にリーのナレーションで「われわれは夜を利用して島の反対側まで逃げた。そして隠してあった弟クリス(ビル・コード)の船でズール海の孤島に逃げようとしたのだ。ところが突然の嵐で我々は難破してしまった」船は謎の島の環礁で座礁してぶくぶくぶく、水中に沈んでしまいます(笑)。彼らを助けたのはその謎の島の住民である女たち。彼女たちはクリスとリーを助けて丸木舟で島に戻るのでした。船に乗っていた筈のターバン男はそのまんま。どうやら彼はあえなく溺れ死んでしまったらしい。

 この島は国際的な真珠製造販売会社に島ごと雇われておりまして女たちはすべて海に潜って真珠をとる仕事をしております。何故か男がいないのが怪しいですが(笑)これで島全体の生活が賄われている訳。島の族長であるプア(ジェーン・ガーソン)は二人に向かってさっそくがみがみ言います。「だいたい、ここは来てはいけないところなんじゃ、神の呪いがかかるぞよ」「いや、そんなこと言ったって」リーとクリスはボヤきますな、「嵐でやられたんで仕方ないじゃないですか。僕らだってこんなところに来たくなかったですよ」職業をたずねられたクリスはまさか犯罪者である兄の逃亡中だとはいえずに「僕たち博物館の海洋調査隊なんです」「ああ、そうかえ、二人は学者の先生さまかえ」

 こんな学者様がおるかえ!というツッコミはもはや覚悟の上でございます。

 とりあえずプアは二人をゲストハウスに案内します。「ここにしばらく滞在せよ、10日後には“会社”の船が来てお前たちを連れ帰ってくれるだろう」プアは親切で言っているのですがリーは真っ青。クリスと密かに「俺、海軍から逃げているんだから、そんなのまずいよ。よし、この島で船を見つけて逃げ出そう!」と相談しております。

 プアはヤシの木に旗を掲げます(笑)。これがどうやらこの島の通信手段らしい。

 さて逃亡用の船が見つかるまで、あるいは10日後に“会社”の船が迎えに来て海軍に逮捕される(笑)までのだらだらとした生活が始まります。リーは島を歩き回って船を捜し、クリスは船を砂浜から押し出したりして女たちの手伝い。そんな中彼らはプアに環礁に存在する鮫神さまについて聞かされる(脅かされる)のです。「鮫神タンガロア、けっして侵してはならぬタブーじゃ。その怒りに触れると大嵐になってしまうのじゃあ。だからお前たち、自重せよ」そのうち、生贄とか言い出すのだろうな、きっと(笑)。

 さて食事の時間、クリスは島の娘、マヒア(リサ・モンテル)と仲良くなります。何しろ島には若い男がいないという好都合な設定ですからな、二人はどんどん仲良くなる。そのうち島の女たちによる踊りが始まります。ひんならひんならと踊る女たち、マヒアはクリスに踊りの意味を話して聞かせるのでした。「あれはね、あなたたちのことなの、「ボートが環礁にごん!大波きてクリスあっぷっぷ」という意味なのよ」うーむ、いくら助けられたからといってこんな歌作られたら私だったら怒りますよ。

 この踊りが終わったら今度はマヒアが立ち上がって「いらっしゃい、クリス、一緒に踊りましょう」プアが険しい顔でにらんでいるのにも気づかず、いちゃいちゃ踊るクリスとマヒア。ところがうっかりクリスがマヒアが首にかけてくれたレイを切っちゃった。そのとたん、マヒアはひっと立ち尽くし、他の女たちも「きゃー、大変大変、恐ろしい」と逃げちゃいました。プアはただでさえ恐ろしい顔をさらに醜くゆがめて「ウワァ、言わんこっちゃない、タブーじゃ、タブーを侵しよった」女たちから渡されたレイを切ってしまう、この島では大変にいけないことらしい。だったらもうちょっと丈夫にレイ作れやと思わないでもないですが(笑)。

 

 その翌朝、マヒアがどこかに行ってしまったとしょんぼりしているクリス。リーはそんな彼を無責任にけしかけるのです。「タブーがなんだ、男と女にそんなもん関係あるかい。それに船を見つけてこの島を脱出するためにはどうしてもこの島の女の協力が必要なんだ。だから、クリス、とっとと女見つけてコマしてしまえ。え、どこでやるのかだと、そんなもん、そこらの茂みで十分じゃないか。なんだったら海の中でもいいぞ」こらこら、あんたはどさくさに紛れて何を言っている。まあ、どこでやるのかは置いといて(笑)クリス、マヒアを探しに行きます。そしてちょっと離れた海岸で一人潜っている彼女を見つけたのでした。

 同時に割りと安易に壊れかかった丸木舟を見つけたリー。なんだい、そんな女の協力者作らなくっても簡単に見つかったじゃないか。

 「あら、クリス」「やあ、マヒア」ということで二人で仲良くお話します。マヒアが仲間たちと離れて一人でいたのはやっぱりプアの言いつけでした。マヒアは恐ろしげに「環礁で人が死ぬ、そうしたら鮫神さまがそれを食べてお腹いっぱいになる。でも、私、あなたを助けた。鮫神様、お腹ぐーぐー、だから怒っている」もうますます、生贄だ!という話になりそうな展開ではないですか(笑)。「だから、プアさまは私にあなたからも仲間たちからも離れるようにと言われたの」「そんなことはどうでもいい、僕は君がいてくれればいいんだ」はい、キスをします。ぶちゅぶちゅぶちゅちゅちゅー。画面では語られませんけれども、この後どっかの茂みかあるいは海の中でやったに違いありませんな。

 でも二人で仲良く歩いているところをプアに見つかっちゃった。そうして小屋に戻ると今度はリーが「おい、舟が見つかったぞ」二人で舟を見に行きます。調べてみるとマストが壊れていましたが「何、これなら修理できる。これで脱出だ」一安心というところですが、そうは問屋が卸さない。プアがクリスを呼び出してマヒアのことで説教したのでありました。「悪いことは言わん。マヒアに近づくな。この島のことはあんたたちには関係ない。船が着いたらそのまま出て行ってくれろ、そうしないとろくなことにならんぞえ」

 その夜、村で行われる奇怪な儀式。どんがどんがというタイコの音に目を覚ましたクリスはこの様子を覗き見するのでした。焚き火の周りに集まった女たち、プアは手に持ったヤシの実の皮を引きちぎりながら火に投げ込みます。「おお、神よ、海の支配者よ、お言葉を賜りたまえ」ぱっとヤシの実の皮を投げると火がぼうっと高く燃え上がります。「明日の朝、お怒りを静めるための儀式をいたしますう」なんだか良くわかりませんが、この言葉を聞いて不安そうに身じろぎするマヒアです。

 プアの言っていた儀式とははい、もちろん生贄の儀式でした。マヒアによってもたらされた災厄を彼女自身を生贄にすることによって鮫神に許してもらおうというのです。マヒアからそのことを聞いたクリスはかんかんになって「そんな野蛮なことがあるかい!」と憤るのですが、マヒアは「これも運命なのよ」さびしそうに微笑むだけでした。

 翌朝、さっそく開始される生贄の儀式。朝もはよから女たちが丸木舟で環礁へ向います。プアが「おお、海の神よ、タンガロアよ生贄を受け取りたまえ」と唱えて舟の上にたっているマヒアをどん、突き落としてしまったのです。ここでもう一人他の女がどぼんと落とされるのですが、この人の出番はここだけ。あれ、見間違えかな(笑)。水中でもがくマヒア。鮫がやってきた。マヒア、大ピーンチ。しかしここでやってきたのがクリス。彼はサーフィンボードみたいな板を使ってすいすいと海を渡ってきたのです。彼は銛を持って水中に飛び込むやいなやマヒアを狙っていた鮫をぐさっ。一応神様なんだけどな(笑)。クリス、あっという間に鮫を殺してマヒアを助け出すのでした。

 そのまま島に戻ってゲスト小屋にマヒアを匿うクリスです。彼らを追ってきたプア、例のヤシの木の旗をぱたぱた上下させてどこかへ合図を送っております。一応警察に連絡しているようなのですが、この後警察も散々言っていた“会社”の船も結局やってこないので何の意味もなかったりするのですが(笑)。クリスはマヒアにぶちゅぶちゅぶちゅちゅちゅーとキスして「こうなったらもう島から逃げるほかない。一緒に来てくれるね、マヒア」「クリスが行くところ、そこが私のいくところ」なんて言ってやがる、コンチクショー!クリスはリーと協力して舟の用意に出かけます。そして隠しておいたマストと帆を取り出してって、この人たちはいつの間にこんなものを用意したのでしょう?これを丸木舟に取り付けてはい、準備完了。

 舟の用意が出来るまでゲスト小屋に隠れていたマヒア、プアが来るのですねえ。プア、寝ていたマヒアをびびびと引っぱたくと「白人の男と逃げるなんてそうはさせんぞえ」無理やり連れ出そうとします。マヒアは必死に抵抗して「いやー、助けて、クリス」ここで上手い具合に舟の修理を終えたクリスとリーが戻ってきて「何しやがる、このババア」プア、二人に捕まって縛られてしまいましたとさ(笑)。仕方ないのでこのババアも一緒に連れていこう!何でそうなるのと見ていた私は往時の欽ちゃんのようにつぶやくのでした。

 クリスとマヒアは食料と水の調達。リーは“会社”のオフィス(おそらくどっかのリゾートホテルのオフィスをそのまんま使っているのでしょう)から地図を盗むことになります。リーは地図のほか、あわよくば真珠もと思っていたようですが、島の女に見つかって慌てて逃げ出すことに。そのままクリス・マヒアと合流して舟で逃げ出すのです。舟は環礁へ。そこへ一旦上陸して追っ手を交わそうという算段。まあ、鮫のいるところにわざわざいくのですから今後の展開はもう丸分かりですけど(笑)。

 環礁のうえで縛り上げられたプア、マヒアに「こいつらは真珠を盗もうとしているのだ」と言うのですが、リー、持ってきた地図を取り出して「そんなことはない。見ろ、俺は地図を盗んだだけだ」といいつつ、この男はクリスに「ちょっと様子を見てくるから」と言い残して海にどぼん、密かに島に泳ぎ戻るのであります。狙うはただ一つ、真珠のみ!彼はまた“会社”のオフィスに忍び込みって、女たちも見張りぐらい立てておくが良かろう(笑)。彼はまんまと真珠を奪うのでありました。彼はたまたまやってきた女をぽくりと殴って昏倒させ環礁へ向います。しかし、その頃環礁ではいきなり二人で居眠り始めたクリスとマヒアの隙をついて岩でロープを切ったプアが海へどぼん、逃げてしまったのです。

 余談ながらリーに殴られた女、その後目を覚ましません。どうも死んでしまったらしい。ひでぇなあ。

 プアは島へ泳ぎ着いて「みんな、大変だぞえ、真珠泥棒めが、鮫神さまの環礁にいるぞえ」島の女たちと合流、舟でぞくぞくと出発します。一方、環礁に戻ったリーはプアがいないことに気づいて「てめえ、しっかり見張ってろっていったろ!」と大激怒。クリスとマヒアを詰るのです。しかし、そのとき手に持った真珠を見られちゃった。クリスは「兄さん、何だ、それは、ああ、真珠じゃないか、本当に盗んできたのか」マヒアも怒って「この真珠泥棒め、返せ、返せ」「やかましいワイ!」リー、開き直ります。「え、ここから逃げた後、どうするんだ、俺たちゃ一文無しなんだ、真珠を盗んで売るしかないだろうが!」クリス、リーに飛び掛ります。はい、ここから5分ほどえんえん殴りあう兄弟の絵。

 ついにリーが真珠の袋でクリスの頭を引っぱたいた。昏倒するクリス(大笑い)。この隙にリーは舟に飛び乗って出発しようとするのですが、帆を広げるためにたった瞬間、バランス崩して海に落ちちゃった。なんで落ちるか、お前は。とたんに鮫が寄ってきます。兄さん危うしと見て海に飛び込むクリス、わあ、二匹目の鮫が現れた。プアと島の女たちの舟もどんどん近づいてきます。リーとクリス、いろんな意味で大ピーンチ。しかしナイフを咥えて海に飛び込んだのはマヒア。彼女はためらいもせずに鮫の腹をナイフで切り裂いてクリスを助けるのです。もう神様も何もあったもんじゃないわな(笑)。舟に乗り込む二人。

 リーもなんとか鮫から逃れて舟にあがろうとするのですが、「あっ、真珠を海にこぼしちゃった!」だから、こんな時になぜ真珠をこぼすか、お前は、コントじゃないんだから。意地汚くも海に戻って真珠を拾おうとしたリー、はい、鮫に食われちゃいました。愕然とするクリスとマヒア。そんな二人にプアが呼びかけます。「マヒア、マヒア、戻ってくるのじゃ」しかし、彼女はそんな声には耳をかさず、クリスを促すと舟を出発させたのでした。エンドマーク。

 環礁で「なぜ、そんなに警察を怖がるの」とマヒアに聞かれたクリス、「リーがライフルの密輸やってて人を殺しちゃったんで逃げているんだ」と答えるのですが、冒頭のシーン、とてもライフルの密輸やっているようには見えないのですが(笑)。それにあれだけ真珠の“会社”が“会社”がと言ってた割りに、ついに最後まで“会社”の人間は姿を現しませんでしたな。それに良く考えたらこれ、SFでもなんでもねえ!

 カラー・スタンダード、モノラル音声。カラーですが、色が薄いなあ。音はそこそこですか。12枚のDVD50本の SF映画が収録された「SciFi Classics Collection: 50 Movie Pack」の一本。 Digital 1 Stop DVD

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『Queen of the Amazons』(1947年)

 

Queen of the Amazons』(1947年)、当時は未だ謎の大陸であったアフリカの風物を見せる紀行映画にジャングルのアマゾネス、さらに象牙の密漁を絡ませたというなんとも欲張りな映画。意外と面白いのですが、やっぱりなんでこの作品がSF映画50本パックに入っているのか分かりません(笑)。

 はるばるインドのアクバルへやって参りましたのはジーン・プレストン(パトリシア・モリソン)、ジョーンズ大佐(ジョン・ミリアン)、教授(ウィルソン・ベンジ)のご一行様。彼らは先発していたウェイン(キース・リチャーズ)に迎えられるのですがいきなり「もう、こんなとこ危なくって駄目ですよ」実は彼らは一ヶ月前に姿を消したサファリ男のグレッグ・ジョーンズ(ブルース・エドワーズ)を探しにやってきたのでした。彼はジョーンズ大佐の息子でありジーンの婚約者。しかし探そうにも手がかりはまったくなく、しかもアクバルの情勢は不安定を極めいつ現地住民が決起してもおかしくない状況だったのであります。

 でも来てしまったものは仕方ない。とりあえずホテルに投宿することになりますが、このホテルのクラーク、ジョーンズ大佐たちがチェックインを済ませるとすぐにどこかへ電話。「あ、すみません、あの男を捜している女がきました」連絡を受けたのはシルエットだけのいかにも悪者の親玉らしいキャラクター(笑)です。そんな中、ジーンの部屋を訪ねてきたのがインド人女性のタンドラ(ベーダ・アルダナ)でした。彼女は自分の夫がグレッグの行方について知っているかもしれないというのです。だったら善は急げ、ジーンはタンドラに現金握らせて(笑)その夫を連れてこさせます。

 タンドラの夫はグレッグの写真を見せてもらうと大きく頷いて「うん、この人はアフリカのカイボウに行ったよ。実はこの人は・・・」窓の外に現れた黒い影がいきなり銃を発射。タンドラの夫を射殺してしまいます。古典的な口封じの手法。この事件で呼ばれてきた警察がきっかけとなってはい、現地住民の皆さんが暴動起こしちゃいました。ジーンや大佐は「よし、アフリカか、すぐ行こう」ってタンドラの夫の死体をそのまんまにしてアフリカ行っちゃいましたとさ(大笑い)。

 飛行船であっという間にアフリカへ。グレッグの生存について懐疑的なウェインは何かにつけて「彼はもう死んでいるよ」「アフリカであてもなくさがそうなんて干草の中の針を探すようなものさ」と口走りジーンをいらただせております。

 カイボウに到着しました。さっそくにグレッグ捜索行の準備が始まります。まず、優秀なガイドがいなけりゃ話にならないというのでカイボウのコミッショナー(ジャック・ジョージ)が紹介してくれたのがゲイリー・ランバート(ロバート・ロウリィ)。しかし一つ問題あり。実は彼は女嫌いでありまして特にサファリに女連れでいくのは真っ平ごめんだという男らしい。これを聞いたジーン、私が説得しますと大張り切り。

 射撃練習をしているゲイリー・ランバート。10の的のうち9発命中させて大得意。ペットのカラス、ジミーに「どうだ、スゴイだろう」などと威張っております。そこに突然やってきたジーン、すちゃっと拳銃抜いてずどん、ずどん。彼女は10発中10発を命中させたのであります。「うわぉ、スゴイ、アニー・オークリーかよ」すっかり感心したゲイリー、最初の女嫌いという設定はどこへやら。快くグレッグ捜索隊への参加を承知してくれたのでした。銃の腕で有無を言わさず説得、ジーン、なかなかやりますなあ。

 さらに彼の紹介で腕扱きのコック、ギャビー(J.エドワード・ブロムバーグ)も参加が決定。彼は猿をペットにしておりまして、この猿がカラスのジミーと騒動を巻き起こすという仕掛けになっております。

 ここでコミッショナーがグレッグについて重大な告白をします。どうやらグレッグには象牙の密猟者を阻止する任務が与えられていたらしい。そうか、じゃああの黒い影は・・・。だんだん話が見えてきたようです。

 さあ、すべての準備が整っていよいよ出発と思いきや、この映画、当時はまだまだ珍しかったアフリカの風習を紹介する意図もあったらしく現地住民の踊りを長々見せてくれるのです。それを見た大佐曰く「これがすべての近代ダンスの祖だな」これが終わってようやく船で出発します。しかし出発したと思ったらあっという間に次の目的地、ツンバラ村についちゃった。ここでポーターを雇ったり食料を仕入れたりしようというのですが、ここでまたまた現地住民の皆さんの歓迎の踊りです(笑)。

 これが終わってようやくジャングルへ向かうのかと思ったらポーター頭のタンガが大佐に「旦那、うちの若いものヴードゥ、怖がる、タンガ、ヴードゥなど怖くない、でも若い奴ら、そうはいかない」ここでのヴードゥはいわゆるヴードゥ教、ゾンビにされるぞ、うわああではなくて何かしら“怖いもの”を意味する言葉のようです。ゲイリーが「そのヴードゥはなんだい」と聞くとタンガは「ジャングルの、白い、女。キレイだが怖い、アフリカではこれをキレイなウンコにはハエがつくという」「キレイなバラには棘があるということかなあ」首をひねるゲイリー。「白い女神、恐れられている」この謎の言葉に疑問を持ったジーンとゲイリーはその夜改めてタンガを訪ねます。

 「タンガ、もう少し白い女神たちについて教えてくれないか」キャンプファイアーのそばに座っているタンガは「昔、昔、船難破した。女たちだけが脱出して、残りの男は死んだ。女たち、住み着いた。そして白い女神になった」女神たちは何でも知っている、何でも分かってしまうと怯えるタンガとは裏腹に「白い女神ってロマンチックねえ」と目を潤ませるジーン。どうも女というものは仕方ないですなあ。

 翌日、探検隊がジャングルに向かって出発します。50人ほどもポーターを従えてしずしず進む探検隊。途中ゲイリーが望遠鏡を覗くと、あ、キリンだ、猿だ、シマウマだ、トムソンガゼルだ!動物がいっぱいでてきていいですなあ(笑)。そしてここで事件発生、タンガがどこからか連れてきた青年、バンダが白人の男に貰ったというアメリカ金貨を見せたのです。ジーンはびっくりして「ああ、それは私がグレッグにプレゼントしたものだわ!」なんでもバンダ、白人の男からこれをコミッショナーのところへ届けてくれと言われたらしい。「私たちの捜索行は間違っていなかった」と感激するジーン。とりあえずここでキャンプしてさらに詳しく探すことになりました。

 その夜、キャンプファイアー(またかい)の傍で話しているゲイリーとジーン。「ジーン、バンダはその白人の男、が白人の女の捕虜になっているといっていた」「白人の女ってタンガが言っていた白い女神たちのことかしら」突然ライオンが出現。ライオンはいきなりゲイリーに飛び掛ります。ゲイリー、必死に戦うのですが荒れ狂うライオンにかなうすべもなし。ひー食われてしまうのかと思ったところでウェイン登場。彼はキャンプファイアーの火を使ってライオンを追い払うのでした。なんとか助かったゲイリー、ウェインに礼を言うのですがウェインは「何、君が好きだから助けたんじゃないさ」とそっけないもの。それからウェインは大佐に耳打ちします。「どこの誰か分かりませんが、私たちがグレッグを探すのを邪魔している奴らがいますよ」

 ジーンはゲイリーの手当てに取り掛かります。ゲイリーは「信じられないかもしれないが、ジーン、あのライオン首輪をしていたぞ」ということはこのライオン、例の白い女神たちに飼われているということなのかしら。ここから二人の会話はちょっときわどくなってきましてジーンは「あたしとグレッグは幼馴染なの。だから私は彼一筋、というか彼以外の人と結婚するなんて考えられないわ」なんてのろけよる。面白くないゲイリー「じゃあ、彼がいなかったとしたらどうなる。例えばこの僕なんか」きゅうと赤くなったジーン、ぱちーんとゲイリーの背中を叩きます。「いてててて」と飛び上がるゲイリー。ジーンは「もう馬鹿、そんなこと答えられる訳ないじゃない、おやすみ」ぱーっとテントに帰ってしまいましたとさ。

 思わせぶりに妨害の可能性を大佐に示唆したウェインですが、あ、あれ、次の朝になったら殺されてます(笑)。ゲーリーは殺人現場に残されていた足跡を見て、「これは裸足になって現地住民の仕業に見せかけようとしているが、明らかに靴を履きなれた人間のものだ。つまり白人なのだ!」

 どうも穏やかではありませんがそれでも旅は続きます。いきなり探検隊の前に立ちふさがったのはイナゴの大群。「いかん、こりゃここでキャンプしよう」とゲーリー。タンガは「旦那、ここ、ライオンいっぱい、ライオンの国、ランド・オブ・シンバ、危ない、危ない」と言うのに、彼は「シンバって古今亭しん馬か、お前、変なこと知ってるな、わははは」と相手にしません。どう考えたってイナゴよりライオンの方がヤバイだろう。その警告どおり、グレッグの手がかりを持ってきたバンダがライオンに襲われて「ひーっ」食べられちゃった。ここでタンガが「わたしたち、バンダのかたきとる、ライオン狩する」この後延々現地住民の皆さんによるライオン狩の映像が流される訳ですね(笑)。槍片手にライオンに挑む現地住民の皆さん、わ、一人ライオンにやられた、これ本当の映像じゃないの。ようやくライオンを倒して旅が続けられます。

 いちおうバンダ、白い女神たちの村への道を知っている唯一の人物だった筈ですが殺されてもあんまり関係ないのですなあ(笑)。それにもう映画が始まって40分にもなろうとしているのにジャングルのアマゾネスはどうなったんだ、いつ出てくるんだ(笑)。

 と思ったら何のためもなくアマゾネスの女王、ジータ(アミラ・ムスタファ)登場。しかも問題のグレッグといちゃいちゃしてはる(大笑い)。なんとグレッグ、ジータに助けられて彼女と恋仲になっていたのでありました。「もうダーリンったらぁん」「ああ、幸せだなあ、ぼかぁ」「ああン、嬉しい」とか本当にこんなこと言いやがってキスなんかしてやがる。ほうっておいたら今にも始めかねない二人でしたが上手いタイミングでライオンのトニーが戻ってきました。女王の飼いライオンらしいのですが、いきなり「トニー」という名前はどうかと思います。「あ、トニー、あなた怪我をしているじゃない」ライオンを調べたジータは「これは弾傷だわ。ということは侵入者が」と表情を険しくするのであります。

 これはキャンプでゲイリーを襲ったやつですか。ウェインは火で脅かしただけで撃ってはいないのですがねえ。

 さらに妙な展開。近づいてくる探検隊の正体を知っているらしいジータ、グレッグにこんなことを頼みます。「ねえ、ダーリン、あなた、私の代わりにアフリカ酋長会議に出てくださらない」なんじゃ、酋長会議って(笑)。グレッグは「探検隊の人に会いたいけれども、君のためならぼかぁいくよ」などと申しまして出かけていってしまうのであります。彼が出て行った後、ジータはライオンのトニーを抱きしめて「トニー、これで邪魔者はいなくなったわ」

 ジータは配下の現地住民に手紙を持たせて探検隊へ届けさせます。なんだ、なんだとゲイリーが手紙読んでみたら「私は女王、ジータ。あなたがたのうち三人だけを歓迎します。安全は保証しますから、私の村へいらっしゃい」三人となれば大佐・ジーン・ゲイリーの組み合わせになるのは決まっていますね。彼らは案内の現地住民に導かれてついにジータの村、アマゾネスの聖地に足を踏み入れたのでした。

 三人を迎えたジータ、開口一番、「なぜこんなところまでやってきたのです。侵入者は歓迎されないと分かっておいででしょうに」ゲイリー、ひるむことなく「私たちはここで捕虜になっている白人男性を探しにきたのだ」ジータはにんまりと笑って「あら、白人の殿方はたしかに滞在しておいでですが、どうやら別の人みたいですわね。だってここの殿方は自分の意思でこの村に留まっているんですから」顔を見合わせる三人です。ジータは彼らを自分の小屋に招くのでした。「さあさあ、ゆっくりなさってください。長旅でお疲れでしょう。シャギー、シャギー」「はい女王様」奥から侍女のシャギー(ケイ・フォレスター)が顔をだします。「皆様に食事と飲み物を持ってきなさい」「はい、かしこまりました」

 えーとどうやらアマゾネスの村、白人の女はジータとシャギーの二人だけらしい。ズルイや、そんなの(笑)。

 それからしばらくジータと三人は食事しながらご歓談。この会話でジータの母が難破した白人女性たちのリーダー格であったため娘のシーターが自然とここの女王になったということが語られます。まあ、どうでもいい情報ですが(笑)。そしてきりのいいところでジータ、「皆様、しばらく私とジーンの二人だけで話をさせてもらえませんか」はい、来ました、来ましたよ。

 別の部屋に移ったジータとジーン。ジータはジーンをみつめて「あなたがミス・プレストンね、グレッグから聞いているわ」きっと眉を吊り上げるジーン、「信じられないかもしれないけど私とグレッグはラブラブなのよ」きっとジータをにらみけるジーン、「あなたとグレッグの婚約は無効ね」かーっとつかみかかりそうになるジーン。「こ、このジャングルの野蛮人。いったいなんてこというのよ」喚き散らします。しかしジータはいささかも動ぜず「もう何もかも遅いの。グレッグと私を邪魔しようとしたらただおかないからね。葬式にきたお坊さんが遺体を見てそのあまりの酷さにお経も上げずに帰ってしまうようなそんな殺し方してあげるから!」

 一旦はかっとなったジーンですが、よくよく考えてみるとあたし、もうグレッグよりもゲイリーの方がいいみたい(笑)てなもんで、いささか無作法なジータの申し入れも許してあげちゃうのです。なんなんだかなあ。

 ここで必要もなく村に近づいて捕まってしまった教授が連れてこられます。この機会を利用してゲイリーはジータに「象牙密漁団のリーダーを教えてくれないか」ともちかけるのです。ジータはしばし迷ってまあ、いいか(笑)てなもんで、「リーダーはね」とあっさり密漁団との約束を破って教えようとするんだこれが。たまらなくなった密漁団のリーダーが「ちょっとちょと待たんかい、お前」飛び出して来ちゃった。「こら、そんなあっさり俺の正体ばらすんじゃないっての!」みんなびっくりして「ああ、お前はキャビー」そう、インドでタンドラの夫を殺し、アフリカではウェインを殺してゲイリーたちがここに来るのを防ごうとしていた密漁団のリーダーはあのコックのキャビーだったのであります。

 「秘密を知られちゃいかしちゃおけねえ」わらわらと彼の部下の現地住民たちが入ってきますな。「やい、野郎ども、ゲイリーや大佐を連れていけ。女は残すのだ。この俺が自ら始末をつけてやる、ウヒヒヒヒ」外へ連れ出されるゲイリー、大佐と教授。こういう場合、当然ながら隙をみて反撃するのが定石であります(笑)また都合のいいことにキャンプに残してきたポーターたちが彼らを救出せんと村の様子を伺っていたのですな。相手から拳銃を奪ったゲイリーと呼応してわぁっと村になだれ込みます。ゲイリーはもう拳銃を乱射、乱射、また乱射。興奮のあまり「死ね、○○め、野蛮人め、白人様をなめるとどうなるか教えてやる」と叫びながら○○い、いや、現地住民の人たちを情け容赦なく射殺するのです。

 キモチは分からないでもないが、差別はいけないと思うよ、ゲイリー君。

 また絶好のタイミングで酋長会議からグレッグが戻ってきた。彼は「あっパパ!どうしてこんなとこにいるの?」と極めて暢気な質問。大佐は大佐で「おお、息子よ」とこっちも暢気。「生きているならどうして知らせてくれなかったんだ」グレッグは大佐と一緒になってついさっきまで仲間だった筈の現地住民たちを射殺し始めます。「何度も手紙は送ったよ」「くそー、そうか、あのコックめが途中で止めていたんだな!」あまるさえ村に火までつけちゃう(笑)。ごうごう燃え盛る村、逃げ惑う現地住民!ひどい!

 さてジータとジーンの運命は風前の灯。キャビー、槍を構えると「そら、死ね」、ジータに投げつけます。でも外れちゃった(笑)。じゃあというので今度は蛮刀を取ってジータをばらばらにしようという算段。ここにゲイリーが飛び込んできます。彼に向かって蛮刀を投げつけるキャビー、また外れた(大笑い)。へたくそなやっちゃなあ。さあゲイリーとキャビーの取っ組み合いとなります。一進一退の攻防、はらはらして見守るジーンとジータ。決着をつけたのは思いもかけぬ人物、シャギーでした。彼女は吹き矢を持ってくるとキャビーめがけてふっ。横腹にぷすりと刺さった吹き矢には猛毒のクラーレが塗ってあったのです。たまらず手足をぴくぴくさせるキャビー。その顔色がみるみるうちにどす黒くなってはい、絶命。

 キャビーの部下たちから象牙を回収してめでたし、めでたし。グレッグは「これで僕の任務も終わりさ」と笑っております。そうして次の場面になると村でジーンとゲイリー、ジータとグレッグの合同結婚式やってやがる(笑)。大佐が「史上初のジャングルでのダブル結婚式じゃ」と愉快そうに叫んでエンドマーク。

 この映画で徹頭徹尾必要のないキャラクター、教授。ただのこのこついてくるだけで何の役にも立ちません。ラスト近くでアマゾネスの村に侵入しようとして捕まるのですが、それだけ。本当に意味のない人です(笑)。

 モノクロ・スタンダード、モノラル音声。画質も音質も誉められたものではありません。特に画質は時々びっくりするようなブロックノイズがでます。12枚のDVD50本の SF映画が収録された「SciFi Classics Collection: 50 Movie Pack」の一本。 Digital 1 Stop DVD

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『King of Kong Island 』 1968年

 

Eva, la Venere selvaggia』(『King of Kong Island 』 1968年)イタリア映画のアメリカ公開版であります。情けないゴリラが出てきて女をさらうという、もうそれ以上でもそれ以下でもない映画だ!

 冒頭ジープに乗ってアフリカの大地を走る4人の男。ところが武装した一団が彼らの前に立ちふさがった。武装集団の一人、本作の主人公であるところのバート・ドーソン(ブラッド・ハリス)が「貴様ら、金をこっちへよこせ」と大喝。要するに金を奪おうというのですね。ジープの男たちは素直に金を渡すのですが、バートの仲間、アルバート・ムーニアー(マーク・ローレンス)はにやりと笑ってマシンガンをずどどどど。ぎゃあ、ひー、ジープの男たちを射殺しちゃった。バートは驚いて「何をするんだ」と叫ぶのですが、アルバートは知らん顔、それどころか「30万ドルか、これで一生金の心配はなくなったぜ」と喜ぶ仲間を「確かに心配はいらなくなったな」ずどどどどマシンガンで撃ち殺してしまいます。そして彼は必死に逃げようとするバートをもずどどどど。ジープと金を奪って逃走したのでした。しかし、バートは死んでいなかった。彼は目を開けると肩の銃傷を抑えて「コノウラミハラサデオクベキカ」はい、ここでタイトルでます。

 いきなり場面は変わって怪しい手術室。どっくんどっくんと心音が響いているのはお約束。二人の医者が手術台に寝かされたゴリラ(笑)に秘密の手術を施しております。ゴリラの耳の後ろをざっくり切開。そうしてその傷口になにやら部品を押し込んでおります。そしてわあ、本当に傷口糸で縫っているよ。で、その糸を手で結んでいるよ(笑)。手術は成功だ。れしいのかマスクをはずして「へっへっへ」と笑う、ああ、あれはバートを裏切ったアルバートではないですか。

 またまた場面は変わってナイロビのリゾートホテルでございます。このホテルのオーナー セオドア(アルド・チェッコーニ)が部屋へ戻ると妻のウルスラ(アドリアナ・アルバン)が楽しそうに誰かと話している。「なんだ、なんだ、間男か」とドアを開けてみるとこれがバートだったのであります。バートと彼らは知り合いだったのですね。バートはなぜナイロビにといぶかしむセオドアに「いやー、近頃は傭兵の口がなくなっちゃってさあ」するとこの人は傭兵でアフリカに来ていたのですか。セオドアはなおも彼の真意を測りかねたのか「バート、お前は何か事件があってそれでアフリカを離れたと聞いたぞ」バートはとたんに凄みのある表情を浮かべて「アルバートを探しているんだ」彼はシャツをはだけて肩の傷口を見せるのでした。「この傷のことでね」

 セオドアとウルスラにさよならを言って部屋を出るバート。このときセオドアとウルスラの会話からウルスラとバートがなにやら訳ありであったことが分かります。セオドア、そんな二人に嫉妬して「よりもどそうとしてるんか、こら」と疑っていたのでありました。

 さて、そんなセオドアの葛藤にはまったく関係なく(笑)。バートが次にあったのがセオドアの子供たち、ロバート(マーク・ファラン)とダイアナ(ウルスラ・ディビス)。再会を喜びあう三人です。実はこのロバートとダイアナの兄妹、禁断のジャングルに聖なる猿を探しにいこうとしております。ダイアナはこれまたバートに気があるらしく「ねえねえ、お願いだから一緒に行ってちょうだいーん」何がだいーんか、お前は。バートはきっぱりと断りって、ざまあみろですな、はははは、彼らにアルバートを知らないかと尋ねます。ロバートは「うーん、アルバート本人は知らんけど、手下のターク(パウロ・マガロッティ)なら良くこのへんうろちょろしているよ」「タークってあの顔に傷があるやつか」目をぎらりとさせるバートでありました。

 タークはつまりあのゴリラを手術した時のアシスタントであったと。画質が悪いんで人の顔が見分けられないんです(笑)。

 ここから映画はホテルのレストランで繰り広げられるゴーゴーパーティに突入します。ここでもいろいろなことが起きるのでありまして、まずウルスラがつつつっとバートに近寄って「あなたを見張っている男がいるわよ。気をつけてね」本当にちらちらこっちを見ている謎の紳士がいる(笑)。次にダイアナとゴーゴーを踊るバート。カメラが執拗にダイアナの尻を映すのに苦笑させられます。と、ここでバート、タークを発見、なんだ、こいつ、本当にこのへんうろちょろしているのか(笑)。タークもバートに気がついたのかつっとレストランから出て行ってしまいます。後を追うバート。ホテルの外ででたところで待ち伏せていたのがタークと三人の部下。バート、あっという間に取り押さえられて蛮刀で首をはねられそうになっちゃう。野蛮なやつらだなあ。しかしさすがは元傭兵のバート、ぱっと跳ね起きるとパンチ、パンチ、またパンチ。さらにあの謎の紳士もかけつけてバートを助けたのでついにたまらず逃げ出すタークたち。「畜生、覚えていろ!」バート、謎の紳士に「借りができたな、ありがとよ」と礼をいうのでしたって、いや、この紳士はいったい誰なの?

 翌日、予定通りに狩に出発するロバートとダイアナ。4人の黒人ポーターとともにジープに乗り込みジャングルを目指します。途中、動物を見かけるたびに「あ、ライオンよ、あ、象よ、あ、鳥よ」と騒ぐダイアナ。アフリカにライオンや象や鳥がいるのは当たり前だ!ジャングルの入り口に到着したのでジープを降りて歩き始めます。いきなり豹が登場。ダイアナ、ライフル構えずどん、「ちぇ、外しちゃったわ」てなことをいうのです。この様子を双眼鏡でじっと見ているのがターク。ああ、ダイアナたち、襲われますな。

 その後もジャングルだらだら歩いてようやくキャンプ。ポーター頭のマロンバの夕食に舌鼓を打つ一行。しかしポーターたちの様子がおかしくなって訳を聞いてみると、「旦那、おらたち、この先いけねえだ、邪悪な精霊がいるだ、呪われるだ!」というもうありがちな展開ですね(笑)。ロバートは「報酬二倍払ってやるから我慢してくれ」本当に我慢して寝てしまう黒人ポーターたち。邪悪な精霊の恐怖もお金に負けたと。

 このキャンプをゴリラの軍団、おそらくあの手術を受けたと思われるゴリラ軍団は統制のとれた行動でポーターたちを殺害、ダイアナをさらってしまったのです。してみるとあのゴリラの頭に埋め込まれたのは何かの受信機のようなものだったのでしょうか。これで彼らを自由自在に操ることができるらしいのです。ただ一人生き残ったのはロバート。彼の前にタークが現れて「妹は預かった。お前はナイロビに帰って父親にいえ。娘を助ける方法はただひとつだと!」これは身代金払えということなんでしょうか。

 あのホテルへ戻ったロバート、セオドアと共にバートにダイアナの救出を依頼します。バートは最初気が進まない風なのですが、タークがいたことを知って「ようがす、やりましょう」そのバートにウルスラがまたつつつっと近づいて「あなたは古代のタブーを犯すことになる。とても危険よ」と警告。今の段階じゃ何のことやら分かりません。そしてバートはロバートとダイアナ救出行に出発するのです。なぜか今度はボートで川をさかのぼります。またワニを見ちゃずどん、カバ見ちゃ、「暑いから俺も河馬みたいに泳ぎたいよ」のんきな道行ですね。

 ボートから降りてジャングルへ。またニシキヘビみちゃ、「わあ、蛇だ!」アフリカに蛇がいるのは…以下略。その後をつけているのはあの謎の紳士。だからあなたはいったい誰なの。途中、ロバートが驚いた様子で「あ、聖なる猿だ、バート、見てください、あれが聖なる猿ですよ!」ってただのチンパンジーじゃん(大笑い)。さらにちらちら見えるのは謎のジャングル少女。いったいこれからどうなるっての?

 いまだ死体が転がったままのキャンプに到着。ロバートはちょいと口実作ってキャンプはなれたかとおもうと、あ、こいつったらタークと密かに会ってやがる。「ターク、約束守ったろ、バートをつれてきただろう、さ、妹はどこだ、早く返してくれ」話が良く分かりませんが(笑)まあ、気にせず進めましょうか。タークはにやっと笑って「バートを捕まえてからだ。まだ妹は返せない」「ちくしょー、バートをどうするつもりだ、殺さないと約束しろ」こういう会話が交わされる訳です。

 夜になるとバートのテントにあのジャングル女が忍び込んできます。で、何をするのかというと寝返りうったバートに驚いて逃げ出すだけ。本当にこれでおしまいなの(笑)。そのまま次の日になってバートたちはダイアナ捜索を再開。ここでうろちょろする謎の男とジャングル女。また例によって本筋に関係ないライオンが出てきてがぉー、象が出てきてぱおーっ。水増しもはなはだしい。

 だからあの男はいったい誰だってのよ。

 さあ、突然ジャングルが静かになります。バートたちの黒人ポーターが「旦那、ジャングル静かになる、これとてもいけないこと、悪い精霊狙ってる」でもあの改造ゴリラ軍団に襲われたのは謎の男のほうだったりします(笑)。本当につながりの悪い映画だなあ。バートはその騒ぎを聞きつけライフルで謎の男を加勢するのです。ずどん、ずどん、ゴリラの一匹を射殺、もう一匹は逃しちゃったけれどもともかく謎の男は無事だった。謎の男、「よく助けてくれた、これで貸し借りはなしだな」実はこの男、インターポールのエージェント(笑)、フォレスター(ジーノ・トリニ)だったのであります。

 彼は謎の天才科学者(ということになっている)アルバートが怪しい実験で世界を危機に陥れるのを防ぐために探していたのです。あの給料強奪事件からバートがきっとアルバートを探すに違いないと思って彼を泳がせていたというのであります。目的はダイアナとアルバート、だったら二人で協力しようじゃないかということになりました。

 ところがキャンプに戻ってみると黒人ポーター、ロバートがゴリラにぎったんたんのずったんたんにされていたという・・・。驚いたバートがロバート(どうでもいいですがこの映画、登場人物がバートにロバートにアルバート、みんなバートがついてややこしいことこのうえない)を抱き起こすと瀕死の彼は「ごめん、バート、君をだましていた。うちの父さんが妙な野心にかられてアルバートに協力していたんだ。でもダイアナはまったく関係してない。ぜんぜん知らないんだ。だから妹を助けてやって・・・」ズドーン、タークが情け容赦なくライフルでロバートに止めを刺しちゃった。タークを追おうとするバートとフォレスターですが、いきなり原住民の部族が登場。二人を捕まえてしまうのです。

 この原住民たちはタークたちとは無関係(笑)。単なる人食い人種だったという。

 棒にさかさまに吊り下げられて運ばれるバートとフォレスター、カッコ悪い(笑)。二人は原住民の隙をみて逃げ出すのですが、あ、バート、フォレスターとはぐれちゃった。当然、この後フォレスターどこかで出てくるのかと思ったのですが、それっきり。どうやら原住民に槍で殺されてしまったらしい。な、なんじゃ、そりゃ。フォレスターのことは歯牙にもかけずとっとと逃げたバート(大笑い)、ようやく安全なところにたどりついたと思ったのか川で水浴び始めます。するといつの間にか岩の上にバナナなどの果物が。なぜかうきーうきーと喜ぶあのジャングル女のチンパンジー。どうやらあの女が彼に食べ物をとってきてくれたようです。

 バート、姿を現したジャングル女に話しかけるのでした。タバコを取り出して「あのさあ、君、マッチ持ってる?」持ってる筈ないない(笑)。逆に持ってたらそっちの方が驚くわ。ジャングル女は言葉が理解できないらしくあいまいに微笑むだけ。バートは「しめた、これだったら何しても騒がれる恐れはないぞ」と思ったかどうか知りませんが、さらなるコミュニケーションを試みんとします。しかし、ああ、ゴリラが襲ってきた。バート、持っていたナイフでゴリラをめった刺しにして危機を逃れるのですが、ジャングル女は怯えて逃げちゃった。仕方ないのでバートは火を起こし木の葉でベッドを作って、グー。

 ここで場面はセオドアのホテルへ戻ります。トランクに荷物を詰めているウルスラ、どうやらこの人はセオドアに愛想つかして出て行こうとしているらしい。「アンタは言ってたわ、こんなところにいつまでもいる訳じゃない。パリ、ロンドン、どこへでも連れていってやるって、その約束を破ったのはアンタ、もう我慢できないからあたしが自分で出て行くの」そんなウルスラにびびびびとねずみ男のような連続びんたをかますセオドア。ウルスラ、銃を取りだして反撃しようとするのですが、それも簡単に奪って「愛しているんだ、だから出て行かないでくれ」ベッドに押し倒して激しいキス。ぶちゅぶちゅぶちゅちゅちゅー。後の展開は皆様のご想像にお任せします。

 さて木の葉のベッドに寝ているバートのところへまたジャングル女がやってきます。実は寝たふりをしていたバート、すばやく挑みかかって女を押し倒すのでした。「そうか、君がロバートの言っていた“聖なる猿”だったのか」はあ?意味わかんねえ。彼はなおも話しかけます。「私はバート、君の名前は、言葉が分からないか、だったらこれはどうだ、ミイ・ターザン、ユウ・ジェーン」尚更分からないっての(笑)。このジャングル女はブレスレットを持っておりまして、それがダイアナのものだったという。それに気がついたバート、イブと勝手に名づけた女に「ダイアナのところへ連れていってくれ」と頼むのでありました。

 冒頭ゴリラを手術していたアルバートの研究所がようやく出てくる訳です。研究所といってもただの洞窟に機材運び込んだだけで電気なんかはどうしているのかと思いますが(笑)。檻の中に入れられているダイアナ。他にも現地住民の女たちが捕まっていてこれは実験材料にされるらしい。アルバートはゴリラの1頭に命じてダイアナを檻から連れ出させます。きゃーきゃーやめて殺さないでかんにんしてーと喚くダイアナにアルバートはいきなり威張り始めるのでした。「ワハハハハ、わしは天才じゃからな、このゴリラたちの脳に受信機埋め込んで自由自在にコントロールできるようにしたのじゃ。ほれ、見てみんかい、この立派な機械を。ここから電波を発信してゴリラどもを命令に従わせるのだ」

 アルバートはこれを人類に応用、すべての地球人類に受信機埋め込み世界を支配しようとしていたのです。「ワハハハハ、地球の権力と金はすべてわしのものよ!」ということなのですが、どうにも気の長い話ですなあ。

 そのとき突如鳴り響くアラーム。アルバートがテレビモニターを見ると、イブに案内されたバートが研究所に近づいてくるではありませんか。にんまりとしたアルバート、マイクのスイッチ入れて「歓迎するぞ、バート、君を手に入れんがためにセオドアに君を誘わせたのだ。君は強くて賢く勇敢だ、さぞや良い実験材料となろう。君は私の奴隷になるのだ、ハハハハハ」そういうことだったのですね(笑)。アルバートはタークとゴリラにバートと女をさらって来いと命じるのです。

 突如現れたゴリラに驚く二人、イブはゴリラの名前「ルンバ」を呼ぶのですがいまやアルバートの兵士となったゴリラには関係なし。「ひーっ」あっさりさらわれてしまいました。タークはバートをライフルで脅し連れていこうとするのですがあら、逃げられちゃった。洞窟の中でバートを追いかけるターク。あ、岩の陰からバートの靴が覗いて覗いているぞ。馬鹿だなあ、体隠して靴隠さずだ。はい、これが靴をおとりにしたバートのトリック。靴に気をとられたタークに背後からばっと飛び掛ってライフルを奪うとぎりぎり首を締め上げたのです。タークは「きゅう」と窒息して死んでしまいましたとさ(笑)。

 アルバート、再びマイクを使ってバートに呼びかけます。「後10分やろう。この間に降伏しろ、さもなければジャングル女とダイアナを実験材料にしてわしの奴隷にしてしまうぞ。そうしてあんなことやこんなことをするぞ」さあ、あんなことやこんなことされてはたまらないバートが降伏してくると思いきや何故か出てきたのがセオドアとウルスラ。物語りも終盤になっているのにこんなことされたら困るなあ。セオドアはライフルを突きつけると「よくもわしの息子を殺しやがったな、お前が世界を征服するといったから金も出してやったのに、この裏切り者」しかしそのセオドアを撃ったのがウルスラでした。「私をここから連れ出してくれるのはあなたでもない、バートでもない、このアルバートだったのよ」げに女は浅ましき。

 ここからもう大騒ぎです。ウルスラ、セオドアの愛情を独り占めにしやがってとダイアナに飛び掛るのですが、イブに止められます。そのイブを殺そうとしたらアルバートが「馬鹿、その女に手を出すな」でズドン。ウルスラ死んじゃった(大笑い)。ここにバートが飛び込んできて「いつまでもお前に好き勝手はさせん、正義は必ず勝つ!」ダイアナが「バート、コントロール装置を撃って」バート、ずどんずどんとライフルで装置を破壊したのでありました。定石どおり狂いだすゴリラ軍団。「わあ、待て、おれがご主人様だぞ、命令を聞けっての」と喚くアルバートを捕まえてぎったんたんのずったんたんにしてしまいましたとさ。

 ボートで戻るバートとダイアナ。彼らはダイアナのブレスレットをイブにプレゼントして「さようなら~」となったところでエンドマーク。

 どうも、アハハハハ、困った映画ですな、どう言っていいのか、分からないや、ハハハハハ、ねえ。

 カラー・スタンダード、モノラル音声。画質も音質もサイテー。12枚のDVD50本の SF映画が収録された「SciFi Classics Collection: 50 Movie Pack」の一本。 Digital 1 Stop DVD

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『The Lost Jungle』1934年

 

The Lost Jungle』(1934年)これは世界一の猛獣使いクライド・ビーティが主演したジャングル冒険シリアルの再編集映画版だ!このクライド・ビーティという人はライオンの調教をサーカスの出し物にした世界最初の人なのだそうで。この人はライオン・トラ・豹など異種の猛獣をひとつの檻にぶち込んで芸をさせるというショーで人気を博し自身のショーをもつサーカス興行主になったのであります。

 その一方役者としてこの『ザ・ロスト・ジャングル』のような冒険シリアルやアボット・コステロの『凸凹猛獣狩り』などの映画に主演していたといういつの世でも必ず一人はいるマルチタレントというやつですな。

 冒頭がおー、うおーと咆えるライオン、トラ。そしてタイトルでます。一転して今度は興行の準備に余念のないサーカスへ。ここで暴れる豹を調教しようと懸命なのが駄目調教師のシャーキー(ワーナー・リッチモンド)。でもあんまり言うことを聞かない豹に腹をたてて檻へ追い込むと「やい、こら、豹、人を舐めやがって、こうしてくれるわ!」棒でつつきまわすという・・・。しかし豹の悲鳴を聞きつけたクライド・ビーティが飛び出してきて「動物をいじめるやつは死刑だ!」とシャーキーをぶん殴るのであります。シャーキーは暗い顔でうつむいて「コノウラミハラサデオクベキカ」とつぶやくのでありました。

 さて、このサーカスにやってきたのがクライドの恋人、ルース・ロビンソン(セシリア・パーカー)とその父親ロビンソン船長(エドワード・レセィント)であります。実はこの二人、リヴィングストン教授(クロフォード・ケント)の探検行のため今日にでもアフリカ方面へ出航することになっていたのでした。ロビンソン船長はこの出航前に娘とクライドを結婚させてしまおうとしていたのであります。「ルースや、とっとと行ってあの動物馬鹿に責任を取れっていいなさい。15分しか時間がないから急ぐんだよ」動物馬鹿はひどいなあ(笑)。

 ここで出てきたのがクライドの友人でマネージャーのラリー・ヘンダーソン(シド・セイラー)、「やあやあルースにこれはロビンソン船長じゃありませんか、えっ、クライドですか、楽屋にいますよ」彼の言葉で意を決して楽屋に向かうルースであります。彼女はクライドに会うと「ちょっと時間を下さらない、とても大事な話があるの」

 ところがタイミングの悪いことに新入りのライオンが搬入されてきたのであります。がおがおと暴れ狂うライオンに気もそぞろのクライド。ついにもじもじしているルースに「ちょっととりあえずライオン見てくるわ、話はその後ね」がーんとなるルース。「私、ライオンに負けちゃった!」ということですな(笑)。彼女はラリーに今日アフリカへ出航することを知らせて涙ながらに帰っていくのです。そのまま彼女はパパと船へ。

 そんなこととは露知らずライオンの調教に熱中するクライド。荒れ狂うライオンになんとか首輪をつけることに成功。このロープを引っ張ったのがシャーキー。クライドは檻の中に入って芸を仕込む準備をします。ライオンに立ち向かう彼の武器はたった三つだけ。ムチ、木の椅子、そして空砲をつめたピストル。ここでシャーキーわざと転んでロープを放してしまうのです。がおー、くびきを解かれたライオンはいまだ準備の整ってないクライドがいる檻へ突進するのでした。クライド、大ピーンチ。そしてその様子をにやにやしながら眺めているシャーキーって、これはもう殺人だぞ、洒落になってないぞ(笑)。暴れまわるライオンに苦戦するクライドですが、さすがは世界一の動物使い、ピストルをばんばんぶっ放してようやくライオンを檻へと追い払ったのです。

 意気揚々と檻から出てきたクライド。でもラリーからルースのアフリカ行きの話を聞いてこっちもがーん!「大事な話というのはそれだったのか」彼は車を飛ばして港に向かうのですが、はい、時すでに遅し。船は出港してしまっていたのです。肩を落としてサーカスに戻るクライド。

 がっかりのクライドですが彼は早くも次の出し物に挑戦します。それはなんと、ひとつの檻にライオン・虎・豹・熊を入れて芸をさせようという世界初の試み!ラリーは大変心配しておりまして「もうルースがいなくなってから無茶ばっかりするんだから」しかしクライド、これに取り合わず檻に入ってこのショーのリハーサルを開始するのでした。彼の合図で入ってくるわ入ってくるわ、檻の中にメスライオン×2 豹×2、熊×3、がおーがおーうおーうおー五月蝿いといったらありゃしない。しかしさすがはクライド、このややこしい動物たちをたくみに操るのであります。これを見ていたラリーと興行主のメイスン、「これは上手くいきそうですな」「いやいや虎がきたらどうなるか分からんぞ」

 結果からいうとこのリハーサルは大成功。心配されていた虎はちゃんと玉乗りするし、熊は前転で愛嬌を振りまきます。後からきたオスライオンもちょこんと台に座ってさすが百獣の王の貫禄。なぜかいないはずの象の鳴き声がするけれども、それは気にしない、気にしない(笑)。終わりがけに虎と雄ライオンがリアルファイト始めてラリーとメイスンをはらはら、シャーキーをニタッとさせるのですが、これもなんとか治まった。さすがは世界一の動物使いクライドでありますな!

 本番も大成功。しかしクライド本人は浮かない顔をしています。ラリー、そんな彼を気遣って「ルースが出発してからもう三ヶ月だからなあ、無理もないよ」そのルースはというと・・・。船が大嵐にあって難破、船長・船員たち・リヴィングストン教授と共に見知らぬ島に漂着していたのであります。するといきなり船員の一人、スレード(マックス・ワーグナー)が大怪我している(笑)。実はライオンが出てきて船員たちを襲ったらしい。

 そしてなんとしたことか虎とライオンが登場。リアルファイトです。これを見たリヴィングストン教授は大コーフン。「われわれはついに失われた島、ケイモアについたのだ。ライオンと虎が同じジャングルにいる、これは世界でケイモアだけなのだ。すごい、これは科学の大発見だ!」ああ、そんなもんですか(笑)。難破して漂着した島がじつは目的地だったというのはもうお約束みたいなものですな。

 しかし、こら物凄か、科学の発見じゃと盛り上がっているのは教授一人。船長をはじめとする残りのクルーたちはどうやって帰ろうか、船を修理するのも大変だなと思案投げ首。出た結論が仕方ないから伝書鳩使おうというものでして・・・(笑)。ルース、その鳩にちゅっとキスをして「愛する人に伝えておくれ」などといいまして鳩を放ちます。これが原地住民につかまってそこから白人の手に、それが電信で伝えられて最終的に世界科学協会の本部に電報として届くのであります。科学協会の幹部たちはケイモア島発見の知らせに大コーフン。すぐさま飛行船を使って救助隊を送り込むこととなったのです。

 一方ちょうど新たなる動物の仕入れに出かけようとしていたクライド、救助隊派遣を知らせる新聞を読んで「よっしゃ、動物の仕入れ先はケイモア島に決まったぞ。ルースも助けてケイモア島の珍しい動物も捕まえられる。これが本当の一石二鳥だね!」科学上の大発見である未知の島からさっそく動物仕入れようってんで、さすがワシントン条約採択30年前!の世界はおおらかなものでありますなあ。

 クライドはさっそく科学協会の救助隊に参加を申し込みます。同行するのはラリーとシャーキー。ラリーは分かるけどシャーキーをなぜつれていくのか。飛行船の中でも大はしゃぎで居合わせた乗客に「あれなんだよ、おれがついてないとクライド・ビーティなんか何もできないんだから。世界一の動物使いなんていったってぜんぜん駄目なんだから」と法螺吹きまくっているし、厄介の種にしかならないと思うんだけど。クライドによるとシャーキーは動物捕まえる時の縄でひっぱる係りなんだそうで。つまり3K仕事のためにつれてこられたと(笑)。

 その間島ではリヴィングストン教授がおともの船員連れて探検中。この島の失われた文明を探そうとしているのです。なぜかロープの手すりがついた(笑)丸木橋を渡っているところで突然ライオンががおーっ。お供の船員が「ひーっ」と食われてしまいました。教授はびっくりして大事なライフル銃谷底に落としてしまいます。ライフル落っことした教授がどうなったのかというと・・・、出てこなくなるのであります(笑)。いろいろあった筈なのですが映画はクライド・ビーティの活躍を見せるのが主なのでどうも切られちゃったみたい。

 まあ連続冒険活劇を再編集にして映画にしたものですから、こんな風になるのもやむなしですかな。

 さて、大空を進む救助隊の飛行船も嵐にあっております。雷びかびかひどい気流の乱れで翻弄される飛行船、ブリッジの船長へ次々被害報告が届きました。「ラジオコンタクト途絶!」「アンテナを点検せよ!」「船体の崩壊が始まりました」「降下しています」「うわー、えらいこっちゃ、落ちるねんて、落ちるねんて」急降下する飛行船。

 しかしなんとか墜落は免れました。でもエンジンは止まってしまいわずかに残ったガスで浮いているだけ。操船できませんからこれは飛んでいるというより漂流しているといった方がただしい。たちまち食料が不足しまして、みんなおなかをぐーぐー言わせてる(笑)。そんな中、ついに飛行船は謎の島を見つけるのです。船長の命令で降下準備を始める飛行船。ガスのバルブが故障しており降下速度を調整できずへたをしたら島に激突するぞ!でもそれでもこのままだらだらと飛び続けて飢え死にするよりはよほどましという訳で。

 飛行船、島に向かって急降下。思ったとおり降下速度が速すぎる!ここでシャーキー、自分だけたった一つ残っていたパラシュートを身につけ、こっそり落下傘降下してしまうのであります。飛行船はそのまま島に向かって墜落。ちゅどちゅどちゅどどどーん!次の場面になると地面にクライドとラリーが寝ているというこれまたお定まりの場面。何しろ主人公ですからな、飛行船で墜落してもかすり傷ひとつ負わないのであります(笑)。かわいそうなのは他の乗務員で脇役なばかりに全員死亡。彼らの冥福を祈ったクライドとラリー、えっこらせえと島の探検を始めるのでした。

 いち早くパラシュートで脱出したシャーキーはどうなったのでしょう。また彼も悪役らしく無事に降りていたのです。彼はそのまま彷徨ううちに崖に埋め込まれている謎のドアを発見します。それをあけて中の洞窟に入っていくと、突如神殿のような場所が現れて「The Buried City of Kamor (ケイモアの埋もれた都市)」というタイトルが。そして床に倒れているのがあれれ、リヴィングストン教授ではありませんか。彼はシャーキーの姿を見るとおびえきった様子で「頼む、殺さないで、宝を盗んだりしないから」シャーキー、この“宝”という言葉にぴぴぴと反応する訳ですよ(笑)。彼はすぐさま教授を介抱していろいろ情報を聞き出そうとするのです。

 教授はシャーキーがくれた水を貪り飲んで「頼む、ロビンソン船長に伝えてくれ。宝を守っていたガードにやられた。彼らはこの失われた部族の最後の生き残りなのだ・・・ぐふっ」死んでしまいました。シャーキーは憤然として教授の遺体を放り出しってひどいことをしますな、この男は。「なんだい、肝心のお宝はどこにあるんだよ!」しかしシャーキー、教授の胸ポケットにノートが入っているのを見つけてニタッ。これがこの洞窟の地図で宝のありかも記してあったという・・・。

 一方島を探検しているクライドとラリー。途中でいきなりハイエナの群れが出てきて水牛を襲ったり大騒ぎであります。そんな中ラリーが提案。「私が木の上に上って人家がないか探そう」そういうなりするすると木に登ってするすると周囲を見渡します。するとするするとロビンソン船長たちのキャンプが見つかるという、するする型の安易さ。もうちょっと勿体ぶってもいいのではないでしょうか。

 そのキャンプではロビンソン船長が船員のカーヴィー(ホイーラー・オークマン)に詰め寄られております。「船長、もう船は直ったでがんす。いつ出航するでがんすか」ああ、船修理したの。船長は首を振って「いや、リヴィングストン教授が帰ってくるまではこの島にとどまるのだ」「教授はもう帰ってこないでがすよ、ライオンだの虎だのにやられたに決まっているでがんす。もし船長がこのまま島に残るというでがんすならわっしたちがあんたと置いていくでがんす」時ならぬ船員の反乱。船長は明日の午後12時までに決意しろと言われてしまうのでした。

 この後ルースがかわいがっていた子ライオンを逃がしキャンプの外にでます。とそこに現れたのがこのへんのライオンのリーダー、タフィー。がおーっと彼女に襲い掛かるのです。しかしキャンプに向かっていたクライドとラリーが彼女の苦難に気づいて駆けつけてきた。ラリーはルースと一緒に木の上に(笑)。クライドは木の棒とムチに見立てた蔓でライオンに立ち向かうのです。さすがに木の棒と蔓じゃ形勢悪し。ラリー、はっと気がついてハンケチをこれまた木の棒に巻きつけ火をつけます。そして「これを使えクライド」たまにはラリーも役に立つものでこのたいまつでようやくライオンを追い払うことができたのです。

 ルースはクライドが自分を助けにきてくれたと思って大感激するのですが、クライド、これがまた女心の分からないやつでつい「いやー、ケイモアって虎もライオンもいるんだろ、一石二鳥だと思って」と余計なことをしゃべってしまうのです。ルースは「ンマー、あなた、私と動物とどっちが大切なのよ」とブンむくれるのでありました。そんな彼女をなだめつつ、三人はキャンプに戻るのです。

 クライド、キャンプにつくなり迎えに出た船長に「なぜリヴィングストン教授を探しにいかないのです?」船長は頭をかいて「いやー、ライオンのやつに船員たち半分食われちゃってね」ええ、ほ、本当に食われたんすか(大笑い)。「探しに行くのを嫌がるのだ。それに彼らはもう島を出たがっている。実は明日までに出航しないとわしらを置いてでも出発するといっているんだよ」ここでクライド、なんとも世界一の動物使いらしい発言、「私がライオンの捕まえ方を教えましょう。ライオンをつかまれば船員たちも無茶は言わなくなると思いますよ」カンフー映画はとにかくカンフーで決着付け、マージャン漫画ではとにかくマージャンで決着つける。そして猛獣狩映画はライオン捕まえて決着つけると、こういうパターンですね。

 さて忘れちゃならないシャーキー氏。彼は教授のノートの地図を使ってあれ、もう宝箱手に入れてるよ(笑)。宝のガードとか失われた部族の生き残りとかいったいどうなったんだ(笑)。これも映画に編集する時に省いちゃったのでしょうがどうにも釈然としませんなあ。彼はもう一度地図を確認して、「よっしゃ、マリー・R号の乗組員たちと合流しよう。そこで船に乗ってアメリカ帰ったらおれ、もう大金持ちじゃん!」彼は洞窟を出てキャンプを目指します。

 ここでまた時間が飛んだらしくすでにクライド、でっかい穴を掘って猛獣用の罠にしております。そこに落ち込んだのが虎、なんだ、ライオンじゃないのかい(笑)、クライドは虎を射殺しようとする船員をとめて「生きたまま捕まえるんだ。僕にまかしとき!」彼はラリー、ルース、船長に手伝わせて虎にネットをかぶせます。そして首尾よく檻の中に追い込んで一件落着。ところがここでやってきたのがシャーキーです。彼は虎の檻の鍵を開けて逃がしてしまいます。そうしてクライドの殺害をたくらんだのですが、クライドは虎を再び罠の中に誘いって虎も同じ手にひっかかるなよ(笑)。不思議なる眼光で虎をひるませその隙に穴の外に出ることができたのでした。

 「チクショー」悔しがるシャーキー。しかし彼は気づきませんでした。いつの間にかライオンのタフィーがキャンプに侵入し、彼を狙っていたことを!がおーっ、ライオンシャーキーに襲い掛かります。「ヒーッ」ああ、シャーキー、ライオンにがりぼり食べられちゃった(笑)。この惨劇に気づいたクライド、ロープ一本を手にライオンに挑みます。彼は輪投げの要領でライオンの首に縄をまくと彼を木にぐるぐる巻きにしてしまったのでした。「シャーキー」クライドは駆け寄るのですがシャーキーを介抱していたラリーが首を振って「彼は死んだよ」

 シャーキーの死体から教授のノートが発見されます。その地図に従って宝箱を発見してほくほく顔のみんな。クライドもタフィーを船に積み込んで「サーカスで会おうな」とごきげん。傍らのルースも大喜びでにこにこしています。船長がそんな二人の様子をみて「クライド、君はこの旅で大変なものを手に入れたな」うなずくクライド、あたし?あたしのこと?と身を乗り出すルース。けれどもクライドは「いやー、すごいライオンを捕まえましたからねえ」みんなずっこけるという最後のボケ。船長呆れて「もういいかげんにライオンから離れてとっとと結婚するのだ」ようやくクライド、ルースがキスしたところでエンドマーク。

 意外と面白いですな、この映画。でもなんでこの映画がSF50本パックの中に入っているんだろうという当然の疑問を感じずにはいられません(笑)。失われた文明というSF要素はかろうじてあるけれども丸ごと削られちゃっているし。

 モノクロ・スタンダード、モノラル音声。画質・音質はかろうじて許せるレベル。比較的台詞が聞き取りやすいのがよろしい。12枚のDVD50本の SF映画が収録された「SciFi Classics Collection: 50 Movie Pack」の一本。 Digital 1 Stop DVD

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『金星怪人ゾンターの襲撃』 1966

 

『金星怪人ゾンターの襲撃』(『ZONTAR THE THING FROM VENUS1966年)とは何ぞや、それは金星ガニで有名な『金星人地球を征服』のリメイクである。しかもよりにもよって稀代のリメイク下手、ブキャナンが監督したのだ。絶対ろくな映画になる筈ねーと思っていたら本当にそのとおり、しょうもない映画でありました(笑)。

 冒頭、今にもレーザー通信衛星ロケットを打ち上げんとしているアメリカの軌道ロケット基地Zone6。ロケット科学者たち、ジョン、アリスなどが計画主任のカート・テイラー博士(ジョン・エイガー)指揮のもと忙しく立ち働いています。

 そこに現れたのがテイラー博士の友人でもある科学者、キース・リッチー(アーサー・ヒューストン)。彼は突然にカートにロケット打ち上げ中止を勧告するのでありました。「そんな馬鹿な、この計画には5,000万ドル注ぎ込んでいるのだ、いまさら中止などできるか」と最もなことをいうカート。しかし、キースは「いや、いけない、我々は地球外知的生命体に監視されているんだ。彼らは我々地球人がいまだ宇宙に進出するのは早いと思っている。この間の衛星が爆発してしまっただろう、あれは彼らからの警告だったのだ」カートは呆れて「はいはい、寝言は熟睡してからいいましょう」キースの警告も空しく発射されるロケット。順調に飛行してなんだか円盤のようなレーザー通信衛星が地球軌道を周回し始めます。ここでオープニングクレジット。

 キース家で会食しているキース、妻のマーサ(スーザン・プジャーマン)、カートと妻のアン(パトリシア・デラニー)、和やかなムードの中食事が進んでいきます。このまま和やかなムードが続くと思ったらさにあらず、カートに「あれから3ヶ月たつけど、衛星は何事もなく周回しているねえ」と言われたキースがかっとなって部屋に備え付けられた無線機のような機械を見せたのです。そしてこんなトンデモなことを言い出した!「僕はね、この機械で金星の友達と2ケ月も交信しているんだ」2ケ月ったらこの前の衛星の打ち上げ後じゃないの(笑)。

 「この機械はレーザー衛星いらずで金星と交信できるんだ」力説するキースですがその機械から聞こえてくるのはぴーぴーがーがーという空電ばかり。カートがそのことを指摘しますと「いや、これは催眠術みたいなもので僕には彼らの言葉が分かるのだ」あぶねえなあ(笑)。

 この金星人とやらの名前を無理やり英語に当てはめると「ゾンター」になるのだとか。いるよなあ、こんなトンデモさん。

 長年の友人がついに狂ってしまった。愕然とするカートでしたがここで基地から電話が掛かってきます。なんとあの衛星が消えてしまったというのです。カートは急いで基地に戻ることになりました。カートとアンが帰った後、不気味に微笑むキーン。「ふふふ、ゾンターがやったのだ。あの衛星を宇宙船にして地球にくるのだ」衛星奪って宇宙船にするってか。こんな奴等がよくも「チキュウジンハミジュクデスカラウチュウニキテハイケマセン」とか言えたもんだな。

 だいたい衛星ってのは地球の衛星軌道回るから衛星じゃないのか。金星からわざわざ衛星引き寄せたのか、そんなことするなら自前の宇宙船作れ、金星人!

 さて基地では大騒ぎ。計画責任者のヤング将軍(二ール・フレッチャー)もやってきて「一体全体どうしたのだ」と喚き散らします。科学者たちは「いや、もう何がなんだか分かりません。衛星は故障もしていないのにふいと消えてしまったのです」「ギャーッ!5,000万ドルが!」「もう計画はおしまいだ」と頭を抱えるカート。しかし、再び変事が起こりました。ふいと理由もなく消えた衛星が今度はふいと理由もなく現れたのです。あきれ返るカートたち。とりあえずペンタゴンに連絡、この衛星を回収して原因を探ることになりました。

 その頃キースはあの通信機に向かって「へ、さすがゾンターの若旦那ですなあ。衛星引っ張っていって宇宙船にする、こらもう私のような凡人には思いもつかない妙手でげすなあ。はい、なんですか、もうすぐ地球に来てくださる?はいはい、わたくしめ、誠心誠意お迎えさせていただくでげす」すっかりゾンターのタイコモチになっております。

 さて早速実施される衛星回収計画。しかしなんとしたことか衛星はまるで自分の意思を持っているかのように基地のコントロールを脱し地球大気圏に突入したのです。カート博士たちは驚いてなんとかコントロールを回復しようとするのですが時すでに遅し、衛星とのレーダーコンタクトを失ってしまったのでした。「きいい5,000万ドル損したぞ、畜生」わめき散らす将軍。もうとにかく5,000万ドルがとしかいわないの、この人(笑)。

 その頃通信機の前でキースが大はしゃぎ。「さすがゾンターの旦那、大気圏の突入の仕方なんか私ら素人にはできませんよ、すぱっと入ってずぱーっと抜ける、まるで水と戯れるとびうおのごとしですな!へえ、地球におつきになったらここから6マイルほど離れた洞窟に御逗留なさいませ。洞窟の中は金星と似た温度ですから、ごゆっくりおくつろぎになれるってもんでげす!」すっかりタイコモチが板についてきたキースであります。それからキースはマーサに「金星人ゾンターがきたぞ、彼こそ人類の救世主になってくれるお人だ。戦争だってなくしてくれるぞ」マーサ狂喜しているご主人見て「はあ」ひそかにため息をついております。

 それから次々起こる怪事件。まずはジャクソンの町が大停電。いや、それどころか車、電気、水、あらゆるエネルギーが中和されてしまったのです。カートとアンは車で立ち往生。ジャクソンの人々はこの変事にパニックを起こしてわあわあ駆け回っております。Zone6基地も同様にすべての機械が動かなくなっちゃった。そんな中キーンは、あ、この馬鹿、ジャクソンの有力者の名前をゾンターに教えてやがる。「へい、まずは警察署長のブラッド・クレンショー(ビル・サーマン)、ジャクソン町長のシドニー・パーカー、Zone6基地の責任者、ヤング将軍、ロケット計画主任カート博士、この人たちを抑えれば間違いないとぞんじますです、へい」この後どこかわからないけど洞窟の中かなあ、とにかくふいと姿を現すゾンター。でも画質が悪くって暗くって何がなんだかよくわからない(笑)。

 森の中をキーンの家目指して歩いているカートとアン。彼らの頭上を奇妙な鳥が旋廻しております。あれ、ひょっとしてこれ、ゾンターの手先?でもあんまりばたばたうるさく飛び回ったので怒ったカートに木の枝投げつけられちゃうの。そしてそのまま逃げちゃうの。なんだ、お前は。一方パニックで逃げ惑う人々に当惑しているマーサをキーンが車で迎えにきます。「なんであなただけ車が使えるの?」と尋ねるマーサに「そりゃ、ゾンターがこの町のエネルギーを中和したからさ。友達である僕だけがこうして車を使えるのだ」

 カートとアン、ようやくキーンの自宅にたどり着きます。カートはキーンに「いったいこれはどうしたことだ、君は何か知っているのか」キーン、にやりと笑って「まあ、そうせかさないで、そのうちわかるから」この後キーン、カートにゾンターがエネルギー中和した云々を話したようです。ようですってのは変なのですが、何しろキーンの説明するシーンがないものですからそう推定するしかないんです(笑)。カートは当然ながらゾンターの話を信じません。堂々としているカートにキーンは何を勘違いしたか、「すごい、彼はこんな話をされてもパニックにならない。さすがだ」マーサはがっくりとなって「彼はあなたの話を信じていないだけよ、キチガイだと思っているのよ」

 そうこうするうちに基地を出て森を歩いていた将軍。先ほどカートが木の枝ぶつけた(笑)鳥に襲われます。拳銃で撃退しようとしたのですが、油断したすきに鳥が頭にごーん!将軍ばったり倒れてしまいました。すぐに起き上がったのですが、あ、もうゾンターに操られているらしい。彼は鳥の死体を木の葉で隠すと急いで基地へ戻るのであります。ははあ、あの鳥はゾンターの洗脳装置らしいですな。将軍、基地に戻るやいなや、全兵士に出動してパトロールせよと命令。同時に科学者たちに「この危機が終わるまで外にでてはならぬ」と申し渡します。兵士を追い出して基地を占領するつもりなのか、ゾンター。

 さて、家に戻ったカート、町がパニックになっているのを見てびっくり。逃げ惑う男を捕まえて「何が起こったのだ」と問いただすのですが「放せ、邪魔するな」と振り切られてしまいます。たまらなくなったカート、アンに家にいるよう言って自分は自転車で基地へ向かうのでした。

 ブラッド保安官、人々が逃げ出したジャクソンの町で通りをふさいでいる車を押しております。そこへ飛んできたのがおなじみの鳥。もうゾンター鳥と呼んでしまいましょう。ゾンター鳥は保安官の首にぐさっ。はい、何かを植えつけて洗脳してしまいました。もはや他の存在となった保安官、避難せずに居残っていた老人を見つけると、あ、無造作に射殺しやがった。

 たまたま自転車で通りかかったカートは仰天、「お、お前、ブラッド何をするのだ!」保安官は彼をじろりと見ると「カートか、お前を探していたのだ」「それは誰の命令だ」保安官はにやりとして「聞いて驚くな、ゾンター様よ。お前もそのうちわれわれの仲間になるのだ」でも保安官、仲間になるなんて言っているくせにそのままカート行かせちゃうのですからなんだかよく分かりません(笑)。ここで捕まえてしまえばいいじゃないですかねえ。

 キーンはマーサにゾンターのことを話して聞かせています。「ゾンターは彼の組織の一部を人間の首に埋め込んで、いわばわれわれを彼の一部とするのだ」マーサは呆れます。「なによ、そんな気味の悪いこと、私ごめんだわ」「大丈夫だよ、ゾンターの一部になればそんな感情すら消えてしまう・・・」「えー!」ますますいやな顔をするマーサ。ここでちょっといい場面、マーサ、キースを抱きしめて「私、あなたを愛している。でもこの感情もゾンターに消されてしまうのだわ」しかしそれも効果なし。どんどんゾンターに入れ込むキースです。

 さてようやく基地にたどり着いたカート、警備兵もおらず封鎖されていることに驚きます。そこに出てきたのがヤング将軍、「君、基地は封鎖されて無人になったよ。良かったらジープ、ああ、このジープは特別な試作品だから動くのだ、でジャクソンの町まで送ろう」カート、ジープに乗り込むのですが、偶然に将軍の首筋を見てしまってぎょっ。なにやら怪しい針のようなものが刺さっていたからです。「あ、こいつもやられている」カートは隙をみて将軍をげしと蹴り飛ばしジープを奪います。そうしてキーンの家へ向かうのでした。

 再びキーンと対面したカート、「君の言ったことは本当だったのだな、しかし、ゾンターは地球人を殺しているぞ、いったいどういうことなのだ」キーンは彼をソファーに座らせます。そして「ゾンターは数万年前から金星で文明を気づいていた生命体。しかし、彼らは一種の寄生体でホストを必要とするのだよ。しかし災害で彼らはそのホストを失ってしまった。だから彼らは地球人を欲しているのだ。われらの利害は一致したのだ」「この馬鹿野郎」たまりかねたカートが叫びます。「地球人を殺しているんだぞ」「それは改革につきものの犠牲というやつだ」カートはついに立ち上がり「この裏切り者め」家に帰ってしまいました。

 自宅に戻ったカート、「アン、みんな狂ってしまった。将軍だって操られている大変だぞ」はい、皆様の予想通りアンもすでにゾンターの犠牲者となっていたのです。嫣然と微笑んで「あなた贈り物よ」というアン。彼女の手から飛び出したのはゾンター鳥だ!でもカート、暖炉から火かき棒とってぼかっ。あ、ゾンター鳥死んじゃった(大爆笑)。ここでキースから電話が入ります。ゾンターによって電話も使えなくなっているのですが協力者であるキーンだけは別なのです。電話とめたり使えるようにしたりゾンター電話局の人か。「カート、大事な話がある。もう一回きてくれないか」フツー行くものかと思いますけど、何しろブキャナンの映画ですから、いっちゃうんですねえ(笑)。カート、愛する妻であったものを射殺、キーンの家に向かうのでした。

 キーン、通信機、これもゾンター通信機と呼んでしまいましょう、に向かって「ゾンターの旦那、カート呼びました、へへ、へへ、さすがですなあ、そんな妙手このイッパチめにはとても思いつけません。ああ、あなたのそのおつむりの良さにあやかりたい、あやかりたい」って誰がイッパチなんだよ(笑)。ゾンターは要するにカートを殺せと命令してきたのです。また基地の科学者たちもとうの昔にゾンターの餌食となっておりまして将軍とともにアメリカ大統領暗殺を計画中。将軍に爆弾持たせて大統領もろとも自爆させようというのですな。こんな計画だったら何も科学者たち操らなくても良さそうですが(笑)。

 キーンからカートを殺すのだといわれたマーサ。ついに、“切れて”しまいます。「ゾンターのハゲデブインポの口クサめ、あたしの夫をこんな風にしてもう許さないからね!」彼女は拳銃を用意するとカートと入れ違いに家を出て彼の車に乗り込み洞窟を目指すのでした。一方カートはキーンに対して最後の説得を試みるのです。「キーン、私はアンを殺したぞ。彼女は何か別のものに変わってしまったからだ。今からでも遅くはない、二人で協力してゾンターをやっつけよう!」うーんとこの期に及んでも悩むキーン(笑)。「考えさせてくれ」ですって。

 マーサ、洞窟に入ってゾンターを探します。はい、現れましたゾンター、ぞんざいな感じの三つ目こうもり人間といった風情。「きゃー」マーサ、悲鳴をあげつつも拳銃を乱射します。しかしゾンターには効果なし。あっという間にやられてしまいます。「ギャーッ」この断末魔がゾンター通信機通じてキーンに届くという・・・。「マーサ、マーサ」彼女の死を悟って泣き喚くキーンであります。カートは「どうだ、分かったろう、ゾンターは救世主などではない、ただの侵略者だ」ついにゾンターを見限ったキーン、ゾンターを倒すことを決意するのでした。

 二人は手分けして戦うことになります。カートは基地へ、キーンは洞窟へ。「拳銃が通じないぞ」と注意するカートにキーンはにやり、「いいの、あるよ!」最初に金星と通信するために作ったレーザー光線兵器を持ち出してくるのです(笑)。なんでもプルトニウムルビークリスタル光線銃っていうんだそうで、どうしていきなりこんなもの出してくるのか、ブキャナン。

 この騒動の間、ずうっと外をうろちょろしている兵士たち、その一人が洞窟でゾンター見つけてきゃー。仲間を連れて戻るもまたもゾンター現れてみんな逃げ惑うという何のためにやっているのかわからないシーン。とりあえず尺を伸ばすためでしょうか。

 さあ、ここからゾンター攻撃の始まり。カートは基地へ忍び込んで大統領暗殺計画を実行に移そうとしていた科学者たちと将軍を情け容赦なく銃殺。ひでぇなあ。キーンは洞窟にもぐってゾンター捜索。ほどなく現れるぞんざいな三つ目こうもり人間ゾンター、彼はゾンターに抱きつくようにして例の光線銃を発射、ともに果てるのでありました。

 基地から戻ってきたカート、例の兵士の一人にあって「彼らはどうなったのだ!」すると何にも知らないはずの兵士が「残念ながら死にました」と答えたところでエンドマーク。ああ、疲れた。

 だらだらとしてメリハリのないストーリー。何をしたいのか今ひとつ分からない金星人ゾンター。へたへたと空を飛び回るゾンター鳥。ああ、人生のいくばくかを無駄にしたなと思ってしまいましたとさ。

 カラー・スタンダード、モノラル音声。画質はひどい、音質はもっとひどい。わんわんノイズが入っていて台詞がろくざま聞き取れやしない。12枚のDVD50本の SF映画が収録された「SciFi Classics Collection: 50 Movie Pack」の一本。 Digital 1 Stop DVD

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『Anthar l'invincibile』 1964

 

Anthar l'invincibile』(『Devil of the Desert Against the Son of Hercules1964年)、本作の主人公はアンター(カーク・モリス)というのですがとにもかくにもハーキュリースの息子、するとハーさんったらあちこちで息子作っているんですかねえ。とにかくハーキュリースの息子には間違いないので冒頭からあのすばらしいテーマソングが朗々と流れます。「いけーいけー、僕らのヒーロー、ヘラクレスの息子、怪獣なんかやっつけろ、ひーひーいわせていてこませ、がんばれ僕らのヘラクレスの息子 (2番)走れー走れー、僕らのヒーロー、ヘラクレスの息子、悪の部族は皆殺し、女子どもも容赦なし、無敵の僕らのヘラクレスの息子」

 そしてナレーターが荘厳な声で「我等がヒーロー、ハーキュリースの息子、強きをくじき弱きを助く正義の人、今回の彼の相手は砂漠の悪魔だ!」ここでその砂漠の悪魔というのがちらっと映ります。なんだ、どんな化け物かと思ったらフツーのおっさんじゃないですか、なんかがっかししちゃうなあ。

 さて、映画のはじまり、はじまり。繁栄を極める砂漠の都市、サンドアでありますってこれギリシアの話じゃないの(笑)。このサンドアに到着した騎馬の兵、宮殿に入っていきます。中にいたのはサンドア王の重臣ガーノ(マリオ・フェレシアーニ)、あ、こいつ、さっきの砂漠の悪魔のおっさんじゃないか。兵は彼に耳打ち。ガーノは頷きます。兵は再び宮殿の外へ。そして仲間たちとサンドアの兵士たちを不意打ちして殺害。その衣服を奪って変装し、宮殿に攻撃をかけてきたのです。

 まさか反乱がおころうとは夢にも思っていなかったサンドア王、ろくな迎撃命令をだすこともできず、宮殿はあっという間にガーノの兵に制圧されてしまうのです。王様は無数の矢を受けて即死(笑)。彼の息子、ダイカー王子(マニュエル・ガラード)は勇敢に戦ったもののついにナイフを受けて負傷。どこかへ連れ去られてしまいます。そして王女、サラヤ(ミケーレ・ジェラードン)はガーノに囚われるのです。そしてガーノ、お定まりで「お前をわしのクイーンにする」とくどくと(笑)。「良い女(王女さまのこと)と王座の一石二鳥じゃ、がははははは」しかしサラヤ、「そんなことはさせない。私がいなければお前が王座につくことはできないのだ、はっ!」彼女は勇敢にも開いていた窓から身を躍らせたのです。そのまま宮殿下の川にどぼーん。部下達、「王女を捜しに参りましょう」とうろたえ騒ぐのですが、ガーノは落ち着いたもの。「どうせ、今ごろはクロコダイルの餌食だわ。良い女だが仕方ない、放っておけ、放っておけ」こうしてサンドアはガーノの手に落ちたのでありました。

 さて、このこの川の下流で魚を獲っていたのが我等がハーキュリースの息子、アンターと相棒のシャベレナイ(ホセ・ジャスペ)。シャベレナイはおしで本当にしゃべれないキャラクター。彼にはエミューというリッパな名前があるというのにアンターったら「ハハハハハ、おい、シャベレナイ、この魚はちっちゃすぎるぞ、これじゃ一人分にもならないぞ、ハハハハハ」とか言ってます(笑)。ちょっとゴールデンタイムには放送しづらい映画ですねえ。

 この二人が「あっ、川に人が、ハハハハハ」ということでサラヤ王女を見つけるのです。ただちに彼女を助けるアンター。王女は意識を取り戻します。最初は見知らぬ男と警戒していたのですが、相手がハーキュリースの息子、アンターであることを知ると「私はサンドア王の娘、サラヤ、ガーノなるものが父を殺し王座を簒奪したのです」さあ、これを聞いたアンター、義侠心に駆られて彼女助けようとするのですが、ここに突然現れたのがムーラッド(アルド・チェッコーニ)なる男とその部下たち。彼らは族長アクリム(レナト・バラディニ)が開こうとしている大奴隷市場、奴隷オークション大会のためにあっちこっち回って奴隷を捜していたのです。彼が目をつけたのがサラヤ。アンターは彼らと勇敢に戦うのですが衆寡敵せずついに彼女を奪われてしまいます。「ハハハハ、こりゃ、いかん、まいったな、ハハハハ」彼はシャベレナイと共に馬に飛び乗ってムーラッドを追うのでした。

 ここはアクリムのキャンプ。ムーラッドは物凄い美女が手に入ったと意気揚々と帰還します。その後から来るわ、来るわ、明日の大奴隷オークション市に参加するために続々と各地のセレブがやってきました。その中でもとびきりの金持ちがカマラ(ピエトロ・トディ)、明日のオークションで司会を務めることになっているアブドール(ハワード・ロス)がもみ手しながら迎えるのです。「や、ようこそ、いらっしゃいましたなー、カマラはん、奴隷市はとびっきりの上玉揃えてますさかい、あんじょう楽しんでいってや!」

 その間アクリムはサラヤをテントに呼び出して品定め。サラヤはきっと彼を睨みつけるのですが生粋の大阪商人であるアクリムはびくともしません。それどころか、「あんたはな、明日売られるのやで、それも目の玉飛び出るような金でや。たんと儲けさしてもらうからな」そして彼は侍女のダナを呼び出して「お前、この女の世話まかしたさかい、明日に備えてぴかぴかに磨いてやってや、頼むで」ああ、サラヤの運命やいかに、このまま明日の奴隷市でスケベな大金持ちに売られて、あんなことや、こんなことされてしまうのでしょうか。

 サラヤを捜し求めるアンターとシャベレナイ。アンターは叫びます。「ハハハハハ、奴隷市やってるぞ、きっと彼女はあそこだ、ハハハハハ」彼らは馬を下りてこっそりと奴隷市にもぐりこむのです。シャベレナイは内心「そんな大きな声だしたら見つかっちゃうでしょ」と思っていそうですが、まあ、何しろあれですから、何にも言えないと。さて、アブドールの司会でいよいよ大奴隷オークション市の開催です。「さあさ、皆様、寄ってらっしゃい見てらっしゃい、これなる女奴隷、唇はルビーのよう、目はエメラルドのグリーン、スタイルはずっきゅんのずっぽん、お買い得でっせ」すると会場に集った男たちが目を血走らせながらはいはいはいと手を上げる訳です。「はい、そこのお客様」「150ピアストル」「はい、そっちの太ったお客様」「わしゃ200ピアストル出すぞ」「じゃ300」「くそー、500だそう、これで一杯だ」そうやって次々と女奴隷たちが競り落とされていくのであります。

 そしてついにサラヤの番がやってきました。後から押し出され台の上にあがるサラヤ。その輝かんばかりの美貌に会場からため息が漏れます。「さあ、今日の目玉商品でございます、こないなゴージャスな美女はめったにお目にかかれるものじゃありません、さあ、皆さん、どんどん競ってや!初値は一万からでどないだ!」はいはいはい、と小学生のように手を上げたのがあのセレブのカマラ、「一万五千だ」「一万五千!えらいこっちゃ、さあ、他にいないか、これは東洋のお宝全部に匹敵する価値のある女でっせ!」はいはいはい、と他の男が手を上げて「一万七千!」これから後はカマラとこの男の一騎討ち。ついに二万五千ピアストルの値段がついたのです。しかし、それで満足しないのがアクリム。彼はアブドールを手招いて「おい、一気に5万にしたらんかい」アブドールはびっくりして「5万!そりゃなんぼなんぼでもボリすぎと違いまっか?」「何、かまうこたない、下半身のことならなんぼでも銭出すのが男の性や、やったれ、やったれ」さすが大阪商人は違いますなあ(笑)。

 で、いきなり値段が5万になった。唖然とするカマラともう一人の男。男は「なんぼなんぼでも5万も出せるかい」と降りてしまうのですがカマラはうーんと考え込んで両手の指を使ってなにやら計算して、「よし、51ピアストルだすぞ」セコイなあ(大笑い)。こうしてサラヤはカマラに競り落とされてしまったのです。成り行きを見守っていたアンターとシャベレナイはがっかり。カマラはサラヤを受け取るなり直ちに命令します。「すぐに出発するぞ、皆のもの用意せよ!」諦めきれぬアンターとシャベレナイ、カマラのキャラバンを尾行するのでした。

 その夜、夜営をするカマラのキャラバン隊。さっそくカマラは自分のテントにサラヤを連れて越させます。そして二人っきりになると「うふふふふ」手を彼女の肩に伸ばすのですが、「触らないで、あたしはサンドアの王女、金で買われても心は渡さない!」「そんなこと関係あるかい!」いきなりキスされてしまいます。あっという間に押し倒されてしまいます。「ええやろ、させんかい!」「ひーっ」危し、サンドアの王女、サラヤ!このままヤラれてしまうのか、アンターはどうした!

 アンターはシャベレナイと共にキャンプに潜入しておりました(笑)。彼らは馬の手綱を切って尻をひっぱたき暴走させるのです。たちまち大混乱に陥るキャンプ。慌てた男がランプひっくり返し炎に包まれるテント。アンターとシャベレナイはこの混乱を利用して首尾よく今まさにヤラれんとすという状況にあった王女を助け出したのです。邪魔する奴はざっくざっく切り捨ててキャンプから逃れる三人。そして自分達の馬に飛び乗ってあっという間に闇の中に消えていったのでありました。

 ここで場面はがらっと変わって再びサンドアの町へ。ガーノの兵士達が検問をしいております。それに引っかかったのが馬車の男、彼の馬車から武器が発見されたのでした。「おい、これはなんだ」ばっと兵士を振り切って逃走を図る男、しかし塀の上に配置されていた弓兵に背中に矢を撃ち込まれてしまいました。「ギャーッ」絶叫する男ですがなんとか態勢を立て直し馬を走らせます。そして岩山に姿を隠し追っ手を撒くことに成功したのです。しかし彼の命は風前の灯火、なんとか近くのオアシスにたどり着くとばったり倒れてしまうのでした。そこにいたのがハーキュリース達。あまつさえ王女は男の姿をみて「おお、そなたはハシェンではないか」本当に都合の良いことで(笑)。

 この男、ハシェンはべリンの山の部族よりサンドアの町で囚われているダイカーに連絡をつけようとしていたのです。「まあ、それでは兄は生きているのですね」と喜ぶ王女。「ついでにレジスタンスの人々に武器を届けようとしたのですが、これが見つかってしまって」ここまで喋ったハシェン、がくっと絶命するのでした。

 アンター、決心します。「ハハハハハ、ようし、ダイカーは私が救い出そう、おい、シャベレナイ、お前はサライアを連れて山の部族と合流するのだ、ハハハハハ」サライアとシャベレナイ、やっぱり耳押さえている(笑)。それでもサライアはけなげに「ああ、アンター、あなたは一人で行くの、危ないわ」なんとしたことか、サライア、アンターと恋に落ちていたのであります。「ハハハハハ、大丈夫さ、ハーキュリースの息子、アンター、ここにあり、ハハハハハ」という訳で抱き合ってぶちゅぶちゅぶちゅちゅちゅーとキスをする二人。

 さて、場面は変わってアクリムのキャンプ。血相変えてカマラが怒鳴り込んできました。「アクリム、お前、お前、馬鹿ー、金返せ、あの奴隷、アンターに攫われてしまったじゃないか、私を騙したな、さあ、払え、今払え、すぐ払え、51ピアストル(笑)耳を揃えて返せ!」しかしアクリムは動じません。「まあまあカマラはん、お金の話はじんわりとやりまひょ。まずは落ち着いて酒を一献」「馬鹿野郎」口から唾を飛ばしてカマラ怒鳴ります。「ふざけるな、酒などいらん、金を返せ、今すぐ、返せ」剣を振り上げます。しかし背後にいたアクリムの部下、ワラントがナイフをすばっ。「びわーっ」カマラ背中を刺されてハイ、死んでしまいましたとさ。アクリムはさっと冷酷な表情になって「こいつの連れてきた部下も片づけんかい、始末ついたらすぐ出発するで!なんか、えらいことになりそうやからな」こうしてアクリムはハルディアへ向かいます。おや、どうやらこの人はガーノの部下らしい。奴隷市場もガーノのための資金稼ぎだったのか。

 さて、同じくハルディアへ向かったアンター、下馬すると馬を先に行かせます。目ざとくみつけたガーノの手下、「あ、あれは俺の馬だ、戻ってきた」と喜び勇んで門を開けてしまうのでした。馬鹿ですねえ(笑)。この隙に乗じてハルディアへ潜入したアンター、次に干草の塊に火をつけるのでした。ぼうっと燃え上がったのに「わあ、大変だ、火事だ、水もってこい、110番だいや違う119番!大変だ」と兵士たち大騒ぎ。にやっとしたアンター、うろたえ騒ぐ兵士達を尻目にまんまと宮殿にもぐりこんだのであります。

 女たちがさんざめく宮殿内のプール、アンターはこの部屋の隅に隠れます。どうしていきなりプールが出てきたのかというと、これが後の伏線になっている訳でして皆様、良かったら覚えといてください。まあ、覚えておかなくっても一行にかまやしませんが(笑)。アンター、女たちの目を盗んで柱の上に登ります。さて、ここであのアクリムが到着。ガーノに面会を申し込むのです。

 ガーノの部屋に通されたアクリム、意気込んで「ガーノさま、わて、うっかりサライア王女を奴隷にして売ってしまいましてん。おまけにその彼女をアンターに奪われてしまいましたのや。どないしましょう」ガーノ、「ふーむ」と考え込えこんで「サライアが生きておったか」彼はずるそうな表情になると「サライアのことを知っているのはアクリム、お前だけなのだな」「へ、そないだす。わてはこれでも秘密守るタイプですさかい」「その忠誠心見事なり、褒美を与えよう」ガーノはある部屋へアクリムを招きいれるのです。

 そこは四方が鏡になっているマジックミラーの部屋でした。鏡などというものをみたことのない人であるアクリムはびっくり仰天。「わあ、これはなんや、わてがたくさんおるで、あっちにもこっちにもわてがおるおる、なんや、脂汗でてきた」なんか蝦蟇の油売りみたい(笑)。にやりとしたガーノはナイフをすらりと抜いて彼に迫ります。「アクリム、すまぬな。サライアが生きていることを知られてはならん。いまだ余に忠誠誓わざるものどもを勢いづけてしまう。だから死んでくれ」「わあ、そんな殺生な、堪忍してつかあさい」ぐさっ。「びわー!」アクリム死んでしまいました。「これで秘密が守られた。わは、わは、わはははは」

 でも鏡に無数の自分の姿が映って混乱したからといって、ガーノはアクリムの正面からナイフもって迫っているんですよ、鏡の部屋の意味全然ないんだけれども(笑)。

 この一部始終を天井からアンターが見ていたと。彼はいかにも使ってくださいといわんばかりに天井から釣り下がっているロープを使ってこの剣呑な部屋を飛び越えます。そして彼は出会う兵をいちいち叩きのめしながらさらに宮殿の奥へ。囚われになっているダイカーの牢を目指したのです。ここでアクリムを始末したガーノ、これでも安心できないと見えて部下に「もう猶予はない。ダイカーめにわしの王座就任を要請させるよう仕向けるのだ。さすれば反対派の奴等も文句は言えまい」

 わりと安易にダイカーの牢へたどり着いたアンター。見張りの一人もおけよと思いますが(笑)。びっくりして飛び起きたダイカーに「ハハハハハ、ダイカー王子、われはハーキュリースの息子、アンターなり。サライア王女は生きておられますぞ、ハハハハハ」この五月蝿い男から思いがけないニュースを聞いてダイカー王子、喜ぶまいことか。さっそく二人で脱走しようとするのですが、絶妙のタイミングでガーノたちがやってきた!アンター、さっと物陰に隠れます。ガーノは牢に入ってきてダイカーに「私の王座を認めるのだ、さもないと、お前はもとより山の一族郎党も皆殺しにするぞ、それもただの殺し方じゃないぞ、葬式にきたお坊さんがあまりの死体の惨さにお経の文句を忘れるようなそんな殺し方をするぞ」ダイカー、苦衷の表情を見せて「ガーノ、返事は明日まで待ってくれ」

 ガーノ、なんと本当に返事を明日まで延ばしちゃう。伸ばすなよ(笑)。すぐ決めさせろよ(笑)、そんな暢気なことしているからダイカー、アンターに連れられて脱走しちゃったじゃないか(大笑い)。ダイカーは叫びます。「アンター、宮殿内のプールを知っているか、あそこの底から川まで水路が続いているんだ、そこから逃げ出せるぞ」そんな、いかにも逃げ出せと言わんばかりの設定ですね(笑)。川に直接繋がってたら魚やら迷いこんでくるのではないですか。川の水位が上がったらプールから水が溢れて宮殿水浸しになっちゃわないですか。

 アンターは彼らの脱走に気づいて追ってきた兵士を食い止めます。「ハハハハ、ダイカー、先に行くのだ。川の先に口の喋れない若者が待っている、彼と会って山の部族へ合流するのだ、ハハハハハ」いやいや、あんた、シャベレナイにそんな指示出していなかったから(笑)。どうしてそんなことがわかるのかと思いますね。ともあれ、アンターの援護を受けてプールへ飛び込むダイカー。彼は首尾よくプールの底から水路を抜けて川へ逃げることができたのでした。そこで何の指示も受けていないのにきちんと待っていた(エライ!)シャベレナイと出会います。そして二人で馬を駆り山の部族の下へ向かったのでありました。一方、アンター、ダイカーを逃がした後、一人で大奮闘、十数名の兵士をやっつけるのですが、雲霞のごとく押し寄せる軍勢に適わずついに捕らえられてしまったのです。アンター、苦笑いして「ハハハハハ、こりゃ、まいったね、どうも、ハハハハ」ガーノは耳を押さえて「早くその五月蝿いのを牢に入れてしまえ!」と叫びます。

 ダイカーとシャベレナイは山の部族と合流します。一足先に戻っていたサライヤと涙の再会。そしてダイカーは山の部族の軍勢を率いてハルディアに攻め込むことになったのでした。サライヤは「お兄様、アンターを助けてね」妹の潤んだ目に気づいたダイカー、「そうか、お前は彼を」「そう愛してしるのです・・・」もういい加減にせえや(笑)。

 さて囚われの身となったアンター、広場に引き出されます。ガーノ、「お前をわしに従わぬ馬鹿な民衆の見せしめにしてくれる!」なんと、アンターにサイをけしかけるのであります。サ、サイっすか。これまで一つ目ゴリラ、ドラゴン、ライオンなどと戦ってきたハーキュリスの息子ですが、サイは初めてです。着ぐるみのゴリラ、ドラゴン、生身でも訓練できるライオンとは違ってサイをそのまま役者と戦わせるのはさすがにやばかったらしく(笑)、ちょっとにらみ合ったところで、「ダイカーの軍勢が攻めてきましたー」という見張りの叫び。アンターはこの隙にサイからさっさと逃げてしまいます。この後、もちろんサイは二度と出てこない。

 これから始まるダイカー軍とガーノ軍の戦い。あのシャベレナイが城壁に突き立った槍を利用して鉄棒逆上がりの要領でするすると上がっていき、中に飛び込みます。そして敵の兵士をかわしながら門に取り付き、ついにこれを開放せしめたのでありました。歓声を上げて門から侵入するダイカー軍。アンターもセットに隠されたトランポリンを利用して(笑)ぴょんぴょん飛び回り敵を撹乱するのでありました。

 ガーノ、敗色濃しとみて宮殿へ逃げ込みます。その後を追うアンター、彼はガーノにあの鏡の間に誘い込まれてしまうのでした。鏡に映った無数のガーノがアンターを撹乱します。「わはははは、アンター、いかにハーキュリースの息子といえども鏡の魔力にはかなうまい。本物のわしがどれか貴様にはわからないだろう」いや、分かるから、別に鏡の迷路になっている訳じゃなくって部屋の壁が鏡になっているだけだから。きょろきょろしているアンターのすぐそばでガーノうろちょろしているんだから、本物はどれだって分かるから。まあ、これはお約束ですから言わない方がいいですか。

 アンター、本物をもとめてきょろきょろ、「ハハハハハ、なんだか脂汗でてきたなあ、あれだ、蝦蟇の油売りみたいだなあ、ハハハハハ」その瞬間です。彼の声のあまりの大きさに一枚の鏡が砕けてしまったのです。「ハハハハハ、そうか、鏡を壊してしまえばいいのか、ハハハハハ」また鏡ががちゃーん。それからアンターは剣を振るって鏡をみーんな叩き割ってしまいます。そして露となった本物のガーノをぐさっ。「ハハハハ、悪は滅べり、ハハハハハ」

 ついに父の王国を取り戻した王子、ダイカー。その傍らで抱き合うアンターとサライヤ。二人がぶちゅぶちゅぶちゅちゅちゅーとキスしたところでエンドマーク。それからそれから「今日は楽しい、今日は楽しい、冒険だー、ハーキュリース、ハーキュリース、ハーキュリースは強いんだな」という歌詞のエンドテーマが流れてようやくお終い。

 宮殿のセットなどかなり良くできていてお金も掛かっているのにどうして肝心な鏡の部屋で手を抜いたのか(笑)。鏡の迷路を作るなどそんなに難しいことではないと思うのですがねえ。

 カラー・スタンダード、モノラル音声。画質・音質例によって評価できず。12枚のDVD50本の SF映画が収録された「SciFi Classics Collection: 50 Movie Pack」の一本。 Digital 1 Stop DVD

         エロの冒険者 

       HOMEPAGE http://homepage3.nifty.com/housei/

      SFシネクラシックス 輸入DVDでみるSF黄金時代(笑)

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ハーキュリース 暗闇の国 1963

 

Ercole I'invincibile』(『Son of Hercules in the Land of Darkness 』 1963年)、冒頭からあの『Fire Monsters Against the Son of Hercules』と同じノーテンキなテーマソングが映画の名場面集とともに流れますってこれもうモロネタばれじゃん(笑)。「いけーいけー、僕らのヒーロー、ヘラクレスの息子、怪獣なんかやっつけろ、ひーひーいわせていてこませ、がんばれ僕らのヘラクレスの息子 (2番)走れー走れー、僕らのヒーロー、ヘラクレスの息子、悪の部族は皆殺し、女子どもも容赦なし、無敵の僕らのヘラクレスの息子」

 えー、この映画、英語タイトルではハーキュリースの息子となっておりますが出てくるのはマチステじゃなくてハーキュリース。原語版でもErcoleになっておりますのでどうやらお父さんの方が主人公みたい。よく分かりませんがなにしろ、エル・サントをサムソンにしちゃったアメリカです。こんなのは日常茶飯事、気にせず参りましょう。

 荒野を歩くハーキュリース、ナレーションがまくしたてます。「我等がヒーロー、ハーキュリース、強きをくじき弱きを助く正義の人、これは彼の暗黒の国での活躍を描いた物語である」滝に行き着いた彼は水をごくごくと飲みます。丁度その時響き渡る悲鳴、なんと半裸の美女がライオンに襲われようとしていたのです。彼女の名前はテルカ(スペラ・ロズィン)。近くの小国の王の娘。彼女は母親と散歩にきてふと水浴びがしたくなったのであります。

 「ハハハハ、危しかな、美女!ハハハハハ」えー、ハーキュリースなのですが、一応タイトルが息子となっておりますので、『Fire Monsters Against the Son of Hercules』と同じく主人公は声がでかくて朗らかという設定で参ります。ハーキュリースは今にもテルカを襲わんとしていたライオンに飛び掛って命がけの大格闘。どうもライオンが大人しく(笑)やる気に欠けておりますがとにかく大格闘ということで。ハーキュリース、ライオンの首を捻ってごきっ、絞め殺してしまいました。しかし、ハーキュリースもライオンに引っ掛かれてあちこちから出血。テルカと彼女の母に導かれ彼らの国で手当てを受けることになります。

 この国の王様、テデェオ(ユーゴ・サッソ)はハーキュリースに「君は命の恩人だ」テルカも「お父様、この人ったらとっても強いんですのよ、素手でライオンを倒したんですから」「ハハハハ、いや、それほどでも、ハハハハハ」あまりの声の大きさに皆耳を押さえているのはお約束(笑)。王様はまたこんなことも言い出します。「この国の伝統では乙女の命を救ったものはその乙女と結婚することとなっておる」ハーキュリース、喜びますねえ。「ハハハハ、それはケッコウなことで、ハハハハハ」でも王様ったら「しかし、わしの娘だけは例外だ」ずっこけるハーキュリースです。

 王様はさらに「良かったら君、山に住んで我が王国の民を脅かすドラゴンを退治してくれんかね。退治してその証拠として歯を持ってきてくれれば晴れて君はテルカの夫だ」「ハハハハハ、ようがす、引き受けましょう、ハハハハハ」「やってくれるか、では山の魔女に詳しい話を聞いてくれ」さっそく出発するハーキュリース。どうも私にはテルカを餌に良いように働かされているように思えてならないのですが。ハーキュリースは言われたとおり山の魔女と会い、魔力のあるドラゴンスレイヤー用の槍を貸してもらうのでした。ついでにドラゴンの山への行き方を教えてもらって、「ハハハハハ、さあ、ドラゴンめ、まっておれ、ハーキュリースが行くぞ、ハハハハハ」魔女耳を押さえつつ、「良いから早く行ってくれんじゃろうか」

 もひとつ魔女の言うことにゃ「ドラゴンの歯にはすごい魔力がある。しかしその効力は1回限りだぞえ!」

 その頃テデェオの国では大変なことが起こっていました。デムラスの苛烈なる女王エラ(ジャネット・バートン)の軍勢が襲ってきたのです。抵抗することもできず、王様、テルカはおろか老若男女みーんな攫われてしまいました。家々には火が放たれスゴイ勢いで燃え上がります。この時たるに潜り込んでようやく逃れたのがバーバー(ジョン・サイモンズ)。彼はこの作品のギャグ担当であります(笑)。

 さてドラゴン退治に向かったハーキュリース、「ハハハハ、魔女が教えてくれたのはこの辺のはずだが、お、地面が動くぞ、ハハハハハ」彼は知らぬうちにドラゴンの胴体の上に乗っていたのです。「ハハハハハ、現れたなドラゴンめ、ハハハハハ」ドラゴンも五月蝿くって目が覚めたようで。ここから始まるティラノサウルスみたいなドラゴンとハーキュリースの一騎討ち。でもハーキュリースが例の槍をやっと投げたらぐさっ。口の中から脳天まで槍が貫いちゃった。意外と簡単に終りましたなー。ハーキュリース、どたりと倒れたドラゴンの歯をむしりとって「ハハハハハ、これでテルカを嫁にできるぞ、ハハハハハ」あー、うるせー。

 デムラスへ拉致されてしまった人々は王座の前に引き出されます。ここでごーんと銅鑼がなって「女王さまの御出座!」エラが腹心のカボル(ケン・クラーク)と共に登場します。王座にどかりと腰を降ろしたエラはじろりじろりと人々を眺め「あのグリーンの瞳を持った女をわたしの侍女にせよ、あとはチーママじゃなかった、自儘にせよ」このグリーンの瞳を持った女とはテルカのこと。後のものは王様含めて鉱山で強制労働させられることになっちゃった。

 ドラゴンの歯を持ってさあ、テルカと結婚だ、張り切って戻ってきたハーキュリースですが、「ハハハハ、こりゃまたどうした訳だ、テデェオの国が焼けとるぞ、ハハハハハ」「あ、ハーキュリースさん」彼を見つけたバーバーが隠れ場所のたるから飛び出してきました。「大変です、大変です、デムラスの奴がやってきてみんな連れていってしまいました。奴らは地下の宮殿に住む住んでいて女子どもの喉を裂いて生血を啜る野蛮人なんです」「ハハハハハ、それは剣呑、剣呑、ハハハハ」バーバー耳を押さえて「ハーキュリースさん、これからどうするのです?」「ハハハハハ、知れたこと、みんなを助けるのさ、ハハハハハ」

 それから二人でのたのたデムラスまで歩いていくという・・・。途中直立して歩くサーカスの熊みたいな(笑)月の輪熊にバーバー仰天というギャグが入ります。そしてようやくデムラス付近へ到達した二人。しかしそこからデムラスへは溶岩が流れる谷を越していかなければならなかったのです。「こりゃ、駄目だ、帰りましょう」と涙目で訴えるバーバー。しかし上手いタイミングで敵の兵士がやってきました。どうなるかと隠れてみていると岩山の一部ががたんと倒れて秘密の橋が現れたのです。「ハハハハ、やつら、いいものもってるな、ハハハハハ」「ハーキュリースさん、もう少し小さな声で喋って貰えませんか、さっきから耳が痛くて、それに見つかっちゃいますよ」「ハハハハハ、すまん、すまん、ハハハハハ」とでっかい声で謝るハーキュリースです。

 ハーキュリースは都合よく生えていた大木を怪力ふるって谷に差し渡すのでした。これを渡ろうとするとがおー。あの直立歩行のサーカスの熊みたいな月の輪熊が再び襲ってきたのです。木の上で熊と戦うハーキュリース、お前は足柄山の金太郎か。えいと熊を溶岩に叩き落しておしまい・・・とはならないで落ちかかった熊を助けるハーキュリースでした。

 さて無事にデムラスの大地に降り立ったハーキュリースとバーバー。地下への入口捜してうろつき回るのですが、何故かここは罠ばかり。リンゴをもぎ取ったら網が落ちてくる、水を飲もうとしたら槍が飛んでくる、紐引っ掛けたら矢が飛んでくる。でもみーんなあっさりかわされちゃって意味ないの(笑)。この後洞窟みつけて潜り込んでみると、ああ、神殿があった。ハーキュリースとバーバーは巡回している兵士をやり過ごしながら先へ進みます。うっかり出会った兵士二人を溶岩に叩き込んだ後でなぜか底なし沼に沈みかかってうめいている男を発見。それはテカラの兄(サンド・ビーンティ)でした。沼から引きずりだしたものの、既に虫の息、「妹は女王エラの侍女にされている。助けてやってくれ」と言い残して絶命。怒り狂ったハーキュリース、襲ってきた兵士を片っ端から底なし沼に放り込んでしまいます。ギャーギャー喚きながら沼に沈んでいく兵士たち。どっちが残酷なんだか(笑)。

 まー、こんなにがんがん兵士やっつけてればそのうち追いつめられるのが当たり前。ハーキュリース、大勢の兵士に取り巻かれ多勢に無勢。兵士をとっ捕まえてジャイアントスイングで投げ飛ばしたり拳の一撃で頭を叩き潰したりするのですが、炎の罠にひっかかりついに捕らえられてしまいます。ハーキュリースはそのまま女王の前へ引き出されてしまいました。彼の姿を見てはっと息を飲むテカラ。女王はハーキュリースに「そなたは我が兵士を多数殺害した。その罪許しがたし、明日象裂きの刑に処す!」象裂きの刑、イメージわかないなあ。「ハハハハ、象裂きですか、困ったな、ゾウしようかな、ハハハハハ」ハーキュリース、でっかい声で駄洒落を言います。

 ショックを受けたテカラ、むせび泣きます。その彼女を慰めるのがカボルの娘メリッサ(カーラ・カルロ)であります。どうやらエラは本来はカボルのものであった王座を自分のものにしているらしい。それを怨んでいるメリッサはテカラに好意的なのですね。「どうしたのいったい、そんなになぜ泣くの」「あの人よ、ハーキュリースは私の夫になる人なの、それなのに象裂きの刑ですって、ゾウしたらいいのかしら」お前まで駄洒落かい(笑)。

 さてハーキュリースが捕らえられた時、隠れていて難を逃れたバーバー、うろうろしているうちに牢屋にたどり着きます。「あ、王様!」テデェオ王をはじめ男たちはみんな鎖につながれております。おまけに大声を出したせいで見張りに見つかってしまいました。うわっと逃げ出すバーバー。しかし彼は智恵を絞って兵士を待ち伏せ。やってきたところに柱を倒して見事、彼を倒したのでした。そして兵士の鎧を奪って着込み大得意となります。しかしバーバー、他の兵士に見つかって大慌て。わっと大勢押しかけてくるのを岩のくぼみに隠れてやり過ごします。それから彼は兵士になりすましてデムラスのあっちこっちに出没することになるのです。

 さて次の日になりまして女王の間に引き出されたハーキュリース、すでにでっかい象が二頭用意されております。「ハハハハ、本当に象がいるよ、ゾウしたらいいんだ、ハハハハ」耳を押さえた女王は「その痴れ者をやっつけてしまえ」ハーキュリース、両腕に鎖をつけられまして象にひっぱられることになります。「パオー、パオー」ひっぱる象、「ハハハハハ、ハハハハ」耐えるハーキュリース、「パオー、パオー」ひっぱる象、「ハハハハハ、ハハハハハ」耐えるハーキュリース、「パオー、パオー」ひっぱる象・・・ってええ加減にせんかい!ついにハーキュリースにつながれた鎖がぶつんときれてしまいました。象は勢い余って玉座の女王に向かって突進。女王は「はっ」と息を呑んで立ち尽くします。しかし意外なことに彼女を助けたのはハーキュリースでした。ばっと女王の前に立ちふさがると突っ込んでくる象をがしっ。「ハハハハハ、困ったゾウ、ハハハハハ」彼は象をぽいと投げ捨てるのでした。エラ女王はそんなハーキュリースにあっという間にフォーリン・ラブ!目を潤ませて「後からわらわの部屋へくるがよい」やっぱり敵味方区別なくくどかれますな、ハーキュリース(笑)。

 ここでいきなり物語は中断。ナレーターが後半のハーキュリースの活躍をお楽しみに!と叫びます。すると後半のハイライト場面が次々と。あっ、処刑台のテカラを助けようとしたテディオ王が槍でぐさぐさどす!うわ、凄いネタバレ(大笑い)。こんなこといきなりやられちゃかなわんなあ。

 ようやくこのハイライトが終りまして、さて女王に呼ばれたハーキュリース、あてがわれた部屋で身支度拵えております。一応用心のため、例のドラゴンの歯を隠して、さあ、女王のところへいこうかな。ところがあにはからんや、何者かの手がドラゴンの歯を奪いあまつさえ眠り草を燃やしてハーキュリースを眠らせてしまったのであります。そいつはそのまま女王の部屋へ行くと、ハーキュリースをどうやってコマしたろかと考え中の女王の背中にナイフをぐさり。ああ、あれはメリッサではありませんか。彼女はついに女王の座に対する野望を露にしたのです。

 彼女は女王を殺害したその足で、カボルのところへ。「お父様、大変です。女奴隷のテカラが女王さまを手にかけました!」激怒するカボル、「ううぬ、テカラめ、我等が女王さまになんてことを、この罪許しがたし、きっと償わせてくれる。お葬式の時、お坊さんがあまりの死体の酷さにびっくりして木魚を叩きそこなうみたいな、そんな殺し方をしてやるわ」哀れテルカは無実の罪で処刑されることになってしまいました。そしてこのどさくさに紛れてメリッサ、「お父様、次の女王はこの私ね」ああ、本当に女王さまになっちゃった(笑)。

 ところでメリッサはドラゴンの歯のことをどうして知っていたのでしょう。テルカを騙して聞き出したのかな。

 囚われのテルカに近づいた兵士は「お前は死ぬ前に己の血を新しい女王さまに捧げるのだ!」テルカの足をさくっ。流れ出た血をボールに受け止めます。痛みと恐怖で絶叫するテルカ。ここでようやく目を覚ますハーキュリース。部屋に忍び込んできたバーバーに揺り起こされたのです。彼は隠しを探ってぎょっ。ドラゴンの歯がない!おまけにバーバーはテルカが危ないと喚くしハーキュリース大慌て。「ハハハハ、仕方ない、とにかくテルカの牢へいこう、ハハハハハ」こんな時でも笑ってる(笑)。

 新女王はハーキュリースが部屋からいなくなったことを知って「すぐにあの筋肉馬鹿を捜すのです」いくら女王さまになったからといって筋肉馬鹿はヒドイと思うぞ(笑)。その筋肉馬鹿、も、もといハーキュリースは追っ手の兵士をかわして鉄の扉をブチ破りテルカを捜し求めます。しかし、彼女の姿はありません。「ハハハハ、しまった、遅かった、ハハハハハ」バーバー、憮然として「ハーキュリースさん、笑っている場合と違うんですけど」こうなったら作戦変更、まずはテディオを助け出すことに。バーバーが、もうみんな忘れているかもしれませんけれども、彼はずっと兵士の鎧を着こんでおります、牢屋へ行って「女王様の命令だ、あのクソ女めの父親を連れてこい」こうやってまんまとテディオを救出することに成功したのであります。

 「ハハハハハ、テディオ王よ、ディラスの弱点を教えて貰えませんか、ハハハハハ」耳を押さえて頷くテディオ。「ディラスは溶岩に取り巻かれている地下王国だ。この溶岩をせき止めている防壁を開けば溶岩が流れ込んでいっかんの終わりだぞ」便利なことにこの防壁にはウィンチ、また出たよ(笑)がついていてこれを回すとゲートが開いて溶岩ドバーッという仕組みになっているのです。なんでもディラスが外敵に侵入された時の用心らしいですが、なんでまたこんなハーキュリースが回しやすい仕組みを作るかねえ(笑)。

 彼らは二手に別れます。残りの奴隷たちを解放に向かうのがテディオとバーバー。ハーキュリースは残ってウィンチ回してゲートを開くと。ほら、やっぱりハーキュリースが回すんだ。ハーキュリース、がっとウィンチにとりつきぎりぎり回します。テディオとバーバーは突然現れた仲間たちと共に(笑)牢を攻撃、奴隷たちを救いだすのでした。一方、女王の間で今にも始まらんとしている生贄の儀式。テルカ、処刑台に縛られております。ぎりぎりぎり、ウィンチを回すハーキュリース。

 ハーキュリース、依然としてウィンチ回しております。いつもより余計に回しております。ついに防壁が開いて溶岩が流れ込んできました。さあ、後は反撃だ、時を同じくして反乱を起こし女王の間へ踊り込む奴隷たち。ここからくんずほぐれつ汗水たらしていやんいやんの大活劇。テディオはテルカを助けるべく処刑台へ。彼女の縛めをほどくのですが敵兵士から槍でぐさぐさやられてばったり倒れてしまうのでした。うわ、ハイライトで見たとおりやんか(笑)。

 戻ってきたハーキュリース、女王に詰め寄ります。「ハハハハハ、テルカはどこだ、テルカの居場所を教えれば安全なところへ連れて行ってやるぞ、ハハハハハ」女王あまりの五月蝿さに顔をしかめて「わらわはディラスの女王メリッサなり。我が手にドラゴンの歯のアミュレットあるかぎりわらわは不滅じゃ。我が名は永劫に語り継がれようぞ。ハーキュリース、テルカはあそこじゃ」処刑台を指差します。「もう良いからとっとと連れて逃げよ」「ハハハハハ、王女よ、ドラゴンの歯の力は一回限りだぞ、もう役には立たんぞ、ハハハハハ」ハーキュリース、処刑台からテルカを助けだします。そして瀕死のテディオに「娘を頼む」と言われて「ハハハハハ、まかしとき、ハハハハハ」「あーうるせえ」がくっ。テディオ絶命します。「ハハハハハ、さあ、とっとと逃げ出そう、ハハハハ」

 一人女王の間に残ったメリッサ、流れ込んできた溶岩に向かって「下がれ、下賎のものよ、我はディラスの女王メリッサなり、ドラゴンの歯にかけて命ずる、下がれ、下がるのだ」はい、当然ながら効果なし。これがあの魔女が言っていた「ドラゴンの歯の効力は一回だけ」ってことだったんですね。さて、逃げろや、逃げろ、ハーキュリース、テルカ、テディオの民たちはあの岩の橋を降ろして外へ逃げ出します。ハーキュリースはみんなが渡ったことを確かめて橋の下にもぐりこむと「ハハハハハ、ハハハハハ」肩を橋の下にあてて押し上げはじめたのです。さすが、ハーキュリース、その怪力比類なし。橋がめきめきと崩れだし、ディラスの騎馬兵士が渡りだしたところでついに谷に向かって落ちてしまったのです。絶叫を上げながら橋もろとも落下する騎馬兵たち。

 ハーキュリースは橋が崩れる前に渡っていた少数の騎馬兵士をあっという間にやっつけてしまいます。ここのところで画質がぼやける、青くなる、赤くなる、音も途切れる、ざーざー言う、本当にしょうもないDVDやなあ。最期にハーキュリースがテルカを抱き寄せたところでエンドマーク。それから「今日は楽しい、今日は楽しい、冒険だー、ハーキュリース、ハーキュリース、ハーキュリースは強いんだな」という歌詞のエンドテーマが流れてようやくお終い。

 ドラゴンの歯の効力は1回限り、ということでしたが、はて、その一回目はどこで使われたのか。メリッサはドラゴンの歯の魔力で女王様になれたということなのでしょうか。良く分かりませんが、まあ、いいでしょう。

 カラー・スタンダード、モノラル音声。画質がとにかく最低。音質もばりばりびりびりいっていて耳が痛くなります。12枚のDVD50本の SF映画が収録された「SciFi Classics Collection: 50 Movie Pack」の一本。 Digital 1 Stop DVD

         エロの冒険者 

       HOMEPAGE http://homepage3.nifty.com/housei/

      SFシネクラシックス 輸入DVDでみるSF黄金時代(笑)

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