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2006年3月24日 (金)

『バック・ロジャース Planet Outlaws』 1953

 

『バック・ロジャース Planet Outlaws』 

 これは1939年製作のシリアル(連続活劇)を編集して1953年に劇場公開したもの。相当無茶な編集をやっているようでして話がぽんぽん飛びます。約70分の映画なのに地球から土星まで何度も往復したりします。私は頭がくらくらしてしまいました。

 冒頭ニュースフィルムで世界のあちこちで起こっている奇怪な現象、空飛ぶ円盤について語られます。アナウンサー曰く「これは一体どこから何の目的で来ているのでしょうか。専門家は円盤は地球外のもので完全にコントロールされている存在だと言っています。ついに宇宙戦争が勃発するのでしょうか」ここでアナウンサー「ここにその回答があります。皆さん、どうぞごゆっくりお楽しみください」

 この回答というのが『バック・ロジャース』という訳(笑)。ここから本編へ移行するという趣向です。新開発のガスを使った飛行船でテスト飛行中のバック・ロジャース(バスター・クレイブル)と相棒のバディ(ジャッキー・モラン)。しかし悪天候のため飛行船はコントロール不能。「わあ、落ちるねんて、落ちるねんて」どかーん、雪山に激突します。ごろんごろんと転がった飛行船、さらにその上からなだれがどー。飛行船は完全に雪の中に埋まってしまったのであります。

 この飛行船を発見したのが変な服着た未来人、二人で飛行船の中に入ってきて「お、人間じゃ、まだ生きとるぞ」「ほうか、ほうか、それ運び出せ」目覚めたロジャースとバディ、彼らの飛行機械に乗せられて「隠された都市」に連れていかれるのでした。彼らはそこで科学者、ヒューアー教授(C.モンタギュー・ショウ)から驚くべきことを聞かされます。彼らの名前を尋ねた教授、本をぺらぺらめくって「おう、あったぞ、なに、1938年とな。おおう、君は科学上の大奇跡だ、ミラクルの軍隊の位でいえば将軍様だ。君らはあの飛行船の中で500年を眠ってすごしたのだ!」どうやら雪山の寒さと新開発のガスの作用で冬眠状態になったらしい。バディは仰天して「ええっ、500年すか、そしたらひいひいじいさんくらいになる年月じゃないっすか、冗談じゃないっすよ」

 まあ、この話はここまで(笑)。なにしろシリアルを69分の映画に編集したものですから話が早い、早い。新たに登場した美人中尉のウィルマ・ディアリング(コンスタンス・ムーア)が「教授、また我々のパイロットがキラー・ケーン(アンソニー・ワード)に捕まりました!」「何、捕まったとな」教授早速ビュースクリーンを作動させます。するとそのキラー・ケーンとやらが引っ立てられてきた隠された都市のパイロットに「おい、お前、都市の秘密の入り口を教えるのだ。さもないとヒドイぞ」と脅しをかけているのが映るという・・・(笑)。ビュースクリーンえらいところまで映しますなあ。

 パイロットは一瞬たじろぎますが勇敢にも「馬鹿をいうんじゃない、この陰金の包茎野郎、そんなことが教えられるか」このパイロット、頭に精神ヘルメットを無理やりかぶせられてキラー・ケーンの思いのままになるロボットになってしまったのです。他にも同じヘルメットをかぶせられた隠された都市の捕虜がいっぱいいましてキラー・ケーンの奴隷になっております。なんという悪辣非道な奴なのでしょうか!

 しかし、思いのままに操ることのできるヘルメットでしょ、これで秘密の入り口の場所を喋らせたらどうかと思うのは私だけでしょうか(笑)。

 

 ここで出てきたのがこの隠された都市のリーダー、クレイグ長官(ウィリアム・ゴールド)。彼はロジャースに2538年の地球の現状を話して聞かせるのです。「今の地球の支配者はあのキラー・ケーンと悪党どもだ。地球は悪党の惑星になってしまったのだ」ロジャース、その話に驚きながらも「どっか助けを求めることはできないんですかねー」「土星には土星人がいる。彼らが助けてくれればあるいは・・・」ロジャース、胸をどんと叩いて、「僕が行ってきましょう」「おい、危ないぞ、地球の空はケーンのパトロール隊によって完全に封鎖されているのだ」「そんなの簡単です、おとりを使えばいいんですよ」バック・ロジャースはバディ、ウィルマとともに土星へ旅立つことになりましたとさ。

 さて発進したおとりの宇宙船。あっという間にパトロール隊に発見されて撃墜されます。この隙を逃がさず勇躍発進するバック・ロジャース、そして計画どおりパトロール隊を振り切って宇宙へと躍り出たのでした。宇宙船を操縦していたウィルマ、「上手く行ったわね、ロジャース。私疲れたから寝るわ、操縦代わって頂戴」頂戴ってあなた、うーん、うーん、これでいいのかなあ(笑)。思ったとおり良くなくってロジャースの宇宙船、密かに背後にしのび寄ってきたラスカ少佐(ヘンリー・ブランドン)率いるケーン部隊に奇襲を掛けられてしまうのでした。そして土星にようやくたどり着いたのもつかのま撃墜されてしまったのです。ロジャース、ウィルマ、バディは落ちていく宇宙船から飛行機械重力ベルトを装着、辛くも脱出するのでした。

 しかし地表へたどり着いて地球と連絡、無事を知らせたまでは良かったのですが、彼らを追って着陸してきたケーン軍の兵士にあっという間に捕まっちゃった(笑)。さらに奇怪なロボット人間を連れた土星人、タレン王子(フィリップ・アン)まで現れてラスカ少佐たちと一緒に土星の最高幹部会の前に引き立てられてしまったのです。本当に早い展開だ!そして幹部会の前で変わりばんこに自分の立場を訴えるロジャースとラスカ少佐。ロジャースは「こいつらはまったくどうしようもない悪党で地球の罪もない人々を苦しめているのです。どうか、我々を助けてください」ラスカ少佐は「何をいうか、この股ずれちんちんが。ケーンさまこそが地球の正当なる王だ。こいつらが反乱を起こしているのです」残念ながら幹部会はラスカ少佐を贔屓。ロジャースたちを拘束しようということになります。しかし捕まってはたまらないと、ロジャースたち、一瞬の隙をついて武器を奪い、まんまと逃げ出すことに成功するのでした。

 そしてケーン軍の宇宙船を奪ってひらりと空中に舞い上がります。そのまま地球に向って一直線!ところがこの宇宙船、通信機が壊れていた(笑)。「隠された都市」では敵の宇宙船がやってくるのでそりゃ勘違いしますよ。おまけに通信機壊れて連絡できないのだから「あれは敵に違いない。どうしたことかこの都市の入り口を知っているようだぞ。じゃあ、一旦扉を開いて誘い込み、扉を戻して挟み込んでしまえ!」そうとも知らず宇宙船を入り口に侵入させるウィルマ、やい、このアマもうちょっと考えるが良かろう。そして扉が閉まってぐしゃあ、宇宙船挟まれてしまいました。でもみんなかすり傷ひとつない。元気で宇宙船から降りてきて、マーシャル長官、ちょっとひどいんじゃないですかと文句を言ったりしております。意味のない出来事です。

 さて土星では最高幹部会がタレン王子に地球へ行くよう命令します。ケーンに会ってラスカ少佐の話が本当だか確かめてこいということなのですな。本当だったら一緒に戦うための条約を結ぶことになるという…。ああ、バック・ロジャース、「隠された都市の面々」大ピーンチ!このことを知ったロジャース、さっき扉に挟まれて大破したケーンの宇宙船から服を取り出して、これを着込んで敵の都市に潜入するのであります。彼らは宇宙船に乗って都市の近くまでいくと重力ベルトを使って降下ってケーンの空中パトロール部隊はどうしたんでしょう?マーシャル長官は地球の空は彼らによって完全にガードされているって言ってたんですが(笑)

 その頃総統府ではタレン王子がまんまとだまくらかされ友好条約調印目前。ここにロジャースたちが飛び込んでくるのです。彼らは光線銃でケーンを脅してダイナモルームの映像をビューアーに映し出させます。「さ、王子、彼らが捕虜にした我々の仲間に何をしたかとくとごらんください」はい、精神ヘルメットをかぶせられてのろのろと動く捕虜たちです。「おお、これはひどい。ロジャース、土星はあなたがたに味方しますぞ」とあっという間に心変わりするタレン王子です。ロジャースとバディは彼にもう一つ持ってきていた重力ベルトをつけさせると窓から外に飛び出すのでした。そして彼らはケーンその人の特別製宇宙船を奪って「隠された都市」めがけてまっしぐら。

 「隠された都市」からはウィルマ率いる宇宙船部隊が彼らを探しにきたのですがって、やっぱりケーンの空中パトロール部隊はどうなったんだか(笑)。そして飛んでくるケーンの宇宙船を探知、あっ、また敵と間違えやがった(大笑い)。ちょっとは確認すればいいものをいきなり撃つのです。大慌てでケーンの宇宙船を着陸させるバック・ロジャース。船外に出てきた彼らを見てウィルマ、「ンマー、あなたたちだったの」宇宙船に彼らを乗せてようやく「隠された都市」に帰還します。クレイグ長官はタレン王子と会って「おお、ようやく誤解がとけましたな」頷くタレン王子「あの悪逆非道なるケーンめと一緒に戦いましょう」ここに土星との友好条約が結ばれたのです。

 一方タレン王子と自分の宇宙船を奪われたケーンは憤懣やらかたならぬ風情で部下をどなりつけております。その槍玉に挙げられたのがクレンコール、「お前、すぐ土星に行ってタレンから余計なことを連絡される前にあっちの最高幹部会を説得してこい」と言われてしまいます。激怒したクレンコール、「そんな向かいのスーパーで卵買ってくるようにはいきません。もう私はあなたのやり方にはついていけませんよ」はい、クレンコールもヘルメットでロボットにされちゃいました。 

 クレンコールを始末した(笑)キラー・ケーン。次にラスカ少佐を呼び出して命令します。「お前、土星に行って直接交渉してまいれ。タレン王子の報告前にすべてをひっくり返してしまうのだ。この任務に成功したら最高幹部会のクレンコールの椅子をお前に与えよう」「ははっ、ありがたき幸せ!」と張り切るラスカです。

 「隠された都市」では彼らと共に戦うことになったタレン王子が早速土星へ報告せんとするのですが、どうしたことかまた通信機が不調。連絡できないのです。じゃあ、しょうがないってんでバック・ロジャースがウィルマ・バディと共にタレン王子を宇宙船で土星まで送ることにまります。しかし、ここで一つ問題が。王子を奪還されて怒り狂ったキラー・ケーンが空中パトロールを二倍に増やしていたのです。「これじゃ、前のように囮を使っても無理だ」首をふるクレイグ長官であります。しかしここで「いいの、あるよ」とまるで宇宙人の写真を見せる韮澤さんのような気軽さで秘密兵器をだしてきたのがヒューアー博士であります。「じゃじゃーん」彼は台座付の光線銃のようなものを指差して、「あれは透明化光線銃なのです!」まったくもー、『フラッシュ・ゴードン』といい、『バック・ロジャース』といいこの時代のSFシリアルはどうしてこう秘密兵器ときたら透明なのか。

 とにかくいいものがあったということで勇躍飛び立つバック・ロジャース達。たちまちケーンのパトロール隊に発見されますが、「教授、お願いします」「あいよ」ヒューアー博士、透明光線銃をびびびび。宇宙船はたちまち透明になり戸惑うケーンのパトロール隊の間をすり抜けて宇宙へ脱出したのでした。あっという間に土星へ到着。そしてあっという間に土星人の最高議会の面々と「キラー・ケーンをいてまいましょう。隠された都市の準備が整ったら連絡してください。私らも宇宙艦隊を送りますわ!」バック・ロジャースたち、タレン王子に見送られて地球へ向けて出発します。何の説明もないので良くわからないのですが、どうやらケーンの命令で土星に向ったラスクは失敗したらしい。やっぱり編集で切られちゃったのかなあ。

 この時点でロジャース、カーネル、大佐と呼ばれております。どうやらいつの間にか昇進していたらしい。

 地球へ帰還するバック・ロジャース。当然ながらまたケーンのパトロール隊に追跡されるのですが、やっぱり「教授、お願いします」「あいよ」で透明になって無事「隠された都市」へ到着したのでした。ところがこの宇宙船の中にラスク少佐が隠れていた(笑)。いつの間に、乗り込んでいたんだか。バック・ロジャースたちは宇宙船を降りて長官に土星での会談の結果を報告します。「こっちの準備が整いしだい力を貸してくれるそうです。これでキラー・ケーンをめっためたのぎったんたんにしてやりましょう」ラスクは宇宙船の隠れ場から出てきて点検中の隊員をぽかり。服を奪ってまんまと「隠された都市」に潜入します。そして通信員をまたぽかりとやってキラー・ケーンへ連絡。「こちら、ラスク、隠された都市の入り口を発見しました。場所を送信しましたから攻撃をお願いします」「よくやった、ラスク!」さっそくに攻撃隊を差し向けるケーン。「隠された都市」知らぬ間に大ピンチであります(笑)。

 「隠された都市」めがけて殺到する宇宙船、都市のゲートを開けてしまうラスク、ここでようやく長官とバック・ロジャースが彼に気がつくのでした。「あ、お前はスパイだな!」ここでしばらくラスク対長官・ロジャースの戦い。ラスク、ロジャースの頭をぽかり。ふらふらと昏倒するだらしなさ。しかし長官その隙をついてやっぱりぽかり。ついに彼を倒すことに成功するのです。そしてぎりぎりのタイミングでゲートを閉鎖。可愛そうにケーンの攻撃隊、わずか三隻の宇宙船が侵入しただけで後は閉められたゲートに激突してぼかーん。そしてせっかく侵入に成功した三隻の乗組員もあっという間に捕まってラスク共々捕虜になってしまったのです。

 しかし最大の秘密であった「隠された都市」の所在がケーンに知られてしまった。もはや一刻の猶予もならん。こうなれば土星に連絡して先制総攻撃をかけよう!ということに会議で決まるのですが、なんとしたことかやっぱり通信機がおかしくなっていて土星に連絡できない(大爆笑)というか、この通信機、全編を通して土星に連絡できたためしがないんだから。これも映画にするときの編集で切られてしまったのかしら。例によってバック・ロジャースが直接赴くことになります。今度は何故か透明化光線を使わず、さきほど侵入してきたケーノ空中パトロール船を宇宙でも使えるように改造、それを使ってパトロール隊をごまかすことになりましたとさ。ロジャースは一人でこの困難な任務に挑むつもりでしたが、彼と離れたくないバディがこっそりと乗り込んでいたというのは定石の通り。

 ケーンと戦う前にこの無線機をなんとかしろと思います。

 さあ、発進したバック・ロジャースとバディ。空中パトロール隊から「お前らはどこへ行くのだ」と連絡が入るのを「私ら、ケーン様の総司令部行きますから」とごまかしてそのまま土星へ行ってしまうという・・・。バック・ロジャース、土星で「ケーンがきたら土星も地球と同じような目に会わされますよ、何しろ奴は悪逆非道の冷酷漢の人でなしですからなあ」土星、全会一致で攻撃開始を決定します。これに呼応して「隠された都市」からも全戦闘艦艇が発進。いよいよ最後の決戦だ!

 バック・ロジャースとバディ、地球に戻ってどこへ行くのかと思えばキラー・ケーンの総司令部へ。そして捕虜のパイロットたちが洗脳ヘルメットかぶせられて働かされているダイナモルームに侵入します。そして見張りを一人、銃で脅しつけて「おい、クレンコールを呼ぶのだ!」そうしてクレンコールが来るとロジャースとバディ、彼の頭のバケツみたいな(笑)洗脳ヘルメットを取ってしまうのです。はて、なぜロジャースがクレンコールのことを知っていたのか分かりませんが、まあ、これも映画版に編集するさいに切られてしまったのでしょうって本当にそればっかりですな(笑)。

 はっと正気にかえるクレンコール、ロジャーは彼にささやきます。「操られたままの振りをして、みんなのヘルメットを脱がしてくれ」頷いたクレンコール、再びヘルメットをかぶって?ダイナモルームへ。そして次々と「隠された都市」の捕虜たちのヘルメットを脱がしていくのです。さあ、みんな、正気に戻った。暴れ始めてあっという間にダイナモルームを占拠してしまいます。捕まえた敵はみんなヘルメットかぶせちゃう。捕虜たち、ぼーっ(笑)。

 そのままケーンの執務室へ押しかけていくのです。「隠された都市」への総攻撃を命令しようとしていたケーンは驚いて「やや、お前はバック・ロジャース」「ケーン、いつまでもお前の思う通りにはさせんぞ、正義は必ず勝つ」ロジャース、ケーンにヘルメットをかぶせてしまいます。ぼーっとなるケーン。「よし、やったぞ、これで大勝利だ!」え、ええ?ちょ、ちょっと土星人はまったくこの戦いに関係しなかったじゃないですか。こんなんだったらあんなに苦労して土星人味方にすることなかったじゃないですか(大笑い)。

 再び冒頭のアナウンサーが「これでロジャース対ケーンの話は終わりです。ごらんのとおり、我々の武器は民主主義です。宇宙人が攻めてこようが民主主義があればなんということはありません、民主主義は無敵だ、アメリカ万歳!」終わり。

 ええとこの70分の映画で土星へ都合三回往復して(笑)大騒ぎでようやく彼らの協力を得ることができたのに、ケーンと戦ったのは事実上ロジャースだけ。土星などわざわざいかんとあの透明化光線を使って敵のパトロール線を撃墜、服を奪ってケーンの都市に潜入、やっぱりクレンコールを使って捕虜を解放すれば30分で決着ついたのでは。

 モノクロ・スタンダード。モノラル音声。画質・音質は例によって駄目。細かい部分が良く見えないのが困ります。12枚のDVD50本の SF映画が収録された「SciFi Classics Collection: 50 Movie Pack」の一本。 Digital 1 Stop DVD

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