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2006年3月24日 (金)

『The Lost Jungle』1934年

 

The Lost Jungle』(1934年)これは世界一の猛獣使いクライド・ビーティが主演したジャングル冒険シリアルの再編集映画版だ!このクライド・ビーティという人はライオンの調教をサーカスの出し物にした世界最初の人なのだそうで。この人はライオン・トラ・豹など異種の猛獣をひとつの檻にぶち込んで芸をさせるというショーで人気を博し自身のショーをもつサーカス興行主になったのであります。

 その一方役者としてこの『ザ・ロスト・ジャングル』のような冒険シリアルやアボット・コステロの『凸凹猛獣狩り』などの映画に主演していたといういつの世でも必ず一人はいるマルチタレントというやつですな。

 冒頭がおー、うおーと咆えるライオン、トラ。そしてタイトルでます。一転して今度は興行の準備に余念のないサーカスへ。ここで暴れる豹を調教しようと懸命なのが駄目調教師のシャーキー(ワーナー・リッチモンド)。でもあんまり言うことを聞かない豹に腹をたてて檻へ追い込むと「やい、こら、豹、人を舐めやがって、こうしてくれるわ!」棒でつつきまわすという・・・。しかし豹の悲鳴を聞きつけたクライド・ビーティが飛び出してきて「動物をいじめるやつは死刑だ!」とシャーキーをぶん殴るのであります。シャーキーは暗い顔でうつむいて「コノウラミハラサデオクベキカ」とつぶやくのでありました。

 さて、このサーカスにやってきたのがクライドの恋人、ルース・ロビンソン(セシリア・パーカー)とその父親ロビンソン船長(エドワード・レセィント)であります。実はこの二人、リヴィングストン教授(クロフォード・ケント)の探検行のため今日にでもアフリカ方面へ出航することになっていたのでした。ロビンソン船長はこの出航前に娘とクライドを結婚させてしまおうとしていたのであります。「ルースや、とっとと行ってあの動物馬鹿に責任を取れっていいなさい。15分しか時間がないから急ぐんだよ」動物馬鹿はひどいなあ(笑)。

 ここで出てきたのがクライドの友人でマネージャーのラリー・ヘンダーソン(シド・セイラー)、「やあやあルースにこれはロビンソン船長じゃありませんか、えっ、クライドですか、楽屋にいますよ」彼の言葉で意を決して楽屋に向かうルースであります。彼女はクライドに会うと「ちょっと時間を下さらない、とても大事な話があるの」

 ところがタイミングの悪いことに新入りのライオンが搬入されてきたのであります。がおがおと暴れ狂うライオンに気もそぞろのクライド。ついにもじもじしているルースに「ちょっととりあえずライオン見てくるわ、話はその後ね」がーんとなるルース。「私、ライオンに負けちゃった!」ということですな(笑)。彼女はラリーに今日アフリカへ出航することを知らせて涙ながらに帰っていくのです。そのまま彼女はパパと船へ。

 そんなこととは露知らずライオンの調教に熱中するクライド。荒れ狂うライオンになんとか首輪をつけることに成功。このロープを引っ張ったのがシャーキー。クライドは檻の中に入って芸を仕込む準備をします。ライオンに立ち向かう彼の武器はたった三つだけ。ムチ、木の椅子、そして空砲をつめたピストル。ここでシャーキーわざと転んでロープを放してしまうのです。がおー、くびきを解かれたライオンはいまだ準備の整ってないクライドがいる檻へ突進するのでした。クライド、大ピーンチ。そしてその様子をにやにやしながら眺めているシャーキーって、これはもう殺人だぞ、洒落になってないぞ(笑)。暴れまわるライオンに苦戦するクライドですが、さすがは世界一の動物使い、ピストルをばんばんぶっ放してようやくライオンを檻へと追い払ったのです。

 意気揚々と檻から出てきたクライド。でもラリーからルースのアフリカ行きの話を聞いてこっちもがーん!「大事な話というのはそれだったのか」彼は車を飛ばして港に向かうのですが、はい、時すでに遅し。船は出港してしまっていたのです。肩を落としてサーカスに戻るクライド。

 がっかりのクライドですが彼は早くも次の出し物に挑戦します。それはなんと、ひとつの檻にライオン・虎・豹・熊を入れて芸をさせようという世界初の試み!ラリーは大変心配しておりまして「もうルースがいなくなってから無茶ばっかりするんだから」しかしクライド、これに取り合わず檻に入ってこのショーのリハーサルを開始するのでした。彼の合図で入ってくるわ入ってくるわ、檻の中にメスライオン×2 豹×2、熊×3、がおーがおーうおーうおー五月蝿いといったらありゃしない。しかしさすがはクライド、このややこしい動物たちをたくみに操るのであります。これを見ていたラリーと興行主のメイスン、「これは上手くいきそうですな」「いやいや虎がきたらどうなるか分からんぞ」

 結果からいうとこのリハーサルは大成功。心配されていた虎はちゃんと玉乗りするし、熊は前転で愛嬌を振りまきます。後からきたオスライオンもちょこんと台に座ってさすが百獣の王の貫禄。なぜかいないはずの象の鳴き声がするけれども、それは気にしない、気にしない(笑)。終わりがけに虎と雄ライオンがリアルファイト始めてラリーとメイスンをはらはら、シャーキーをニタッとさせるのですが、これもなんとか治まった。さすがは世界一の動物使いクライドでありますな!

 本番も大成功。しかしクライド本人は浮かない顔をしています。ラリー、そんな彼を気遣って「ルースが出発してからもう三ヶ月だからなあ、無理もないよ」そのルースはというと・・・。船が大嵐にあって難破、船長・船員たち・リヴィングストン教授と共に見知らぬ島に漂着していたのであります。するといきなり船員の一人、スレード(マックス・ワーグナー)が大怪我している(笑)。実はライオンが出てきて船員たちを襲ったらしい。

 そしてなんとしたことか虎とライオンが登場。リアルファイトです。これを見たリヴィングストン教授は大コーフン。「われわれはついに失われた島、ケイモアについたのだ。ライオンと虎が同じジャングルにいる、これは世界でケイモアだけなのだ。すごい、これは科学の大発見だ!」ああ、そんなもんですか(笑)。難破して漂着した島がじつは目的地だったというのはもうお約束みたいなものですな。

 しかし、こら物凄か、科学の発見じゃと盛り上がっているのは教授一人。船長をはじめとする残りのクルーたちはどうやって帰ろうか、船を修理するのも大変だなと思案投げ首。出た結論が仕方ないから伝書鳩使おうというものでして・・・(笑)。ルース、その鳩にちゅっとキスをして「愛する人に伝えておくれ」などといいまして鳩を放ちます。これが原地住民につかまってそこから白人の手に、それが電信で伝えられて最終的に世界科学協会の本部に電報として届くのであります。科学協会の幹部たちはケイモア島発見の知らせに大コーフン。すぐさま飛行船を使って救助隊を送り込むこととなったのです。

 一方ちょうど新たなる動物の仕入れに出かけようとしていたクライド、救助隊派遣を知らせる新聞を読んで「よっしゃ、動物の仕入れ先はケイモア島に決まったぞ。ルースも助けてケイモア島の珍しい動物も捕まえられる。これが本当の一石二鳥だね!」科学上の大発見である未知の島からさっそく動物仕入れようってんで、さすがワシントン条約採択30年前!の世界はおおらかなものでありますなあ。

 クライドはさっそく科学協会の救助隊に参加を申し込みます。同行するのはラリーとシャーキー。ラリーは分かるけどシャーキーをなぜつれていくのか。飛行船の中でも大はしゃぎで居合わせた乗客に「あれなんだよ、おれがついてないとクライド・ビーティなんか何もできないんだから。世界一の動物使いなんていったってぜんぜん駄目なんだから」と法螺吹きまくっているし、厄介の種にしかならないと思うんだけど。クライドによるとシャーキーは動物捕まえる時の縄でひっぱる係りなんだそうで。つまり3K仕事のためにつれてこられたと(笑)。

 その間島ではリヴィングストン教授がおともの船員連れて探検中。この島の失われた文明を探そうとしているのです。なぜかロープの手すりがついた(笑)丸木橋を渡っているところで突然ライオンががおーっ。お供の船員が「ひーっ」と食われてしまいました。教授はびっくりして大事なライフル銃谷底に落としてしまいます。ライフル落っことした教授がどうなったのかというと・・・、出てこなくなるのであります(笑)。いろいろあった筈なのですが映画はクライド・ビーティの活躍を見せるのが主なのでどうも切られちゃったみたい。

 まあ連続冒険活劇を再編集にして映画にしたものですから、こんな風になるのもやむなしですかな。

 さて、大空を進む救助隊の飛行船も嵐にあっております。雷びかびかひどい気流の乱れで翻弄される飛行船、ブリッジの船長へ次々被害報告が届きました。「ラジオコンタクト途絶!」「アンテナを点検せよ!」「船体の崩壊が始まりました」「降下しています」「うわー、えらいこっちゃ、落ちるねんて、落ちるねんて」急降下する飛行船。

 しかしなんとか墜落は免れました。でもエンジンは止まってしまいわずかに残ったガスで浮いているだけ。操船できませんからこれは飛んでいるというより漂流しているといった方がただしい。たちまち食料が不足しまして、みんなおなかをぐーぐー言わせてる(笑)。そんな中、ついに飛行船は謎の島を見つけるのです。船長の命令で降下準備を始める飛行船。ガスのバルブが故障しており降下速度を調整できずへたをしたら島に激突するぞ!でもそれでもこのままだらだらと飛び続けて飢え死にするよりはよほどましという訳で。

 飛行船、島に向かって急降下。思ったとおり降下速度が速すぎる!ここでシャーキー、自分だけたった一つ残っていたパラシュートを身につけ、こっそり落下傘降下してしまうのであります。飛行船はそのまま島に向かって墜落。ちゅどちゅどちゅどどどーん!次の場面になると地面にクライドとラリーが寝ているというこれまたお定まりの場面。何しろ主人公ですからな、飛行船で墜落してもかすり傷ひとつ負わないのであります(笑)。かわいそうなのは他の乗務員で脇役なばかりに全員死亡。彼らの冥福を祈ったクライドとラリー、えっこらせえと島の探検を始めるのでした。

 いち早くパラシュートで脱出したシャーキーはどうなったのでしょう。また彼も悪役らしく無事に降りていたのです。彼はそのまま彷徨ううちに崖に埋め込まれている謎のドアを発見します。それをあけて中の洞窟に入っていくと、突如神殿のような場所が現れて「The Buried City of Kamor (ケイモアの埋もれた都市)」というタイトルが。そして床に倒れているのがあれれ、リヴィングストン教授ではありませんか。彼はシャーキーの姿を見るとおびえきった様子で「頼む、殺さないで、宝を盗んだりしないから」シャーキー、この“宝”という言葉にぴぴぴと反応する訳ですよ(笑)。彼はすぐさま教授を介抱していろいろ情報を聞き出そうとするのです。

 教授はシャーキーがくれた水を貪り飲んで「頼む、ロビンソン船長に伝えてくれ。宝を守っていたガードにやられた。彼らはこの失われた部族の最後の生き残りなのだ・・・ぐふっ」死んでしまいました。シャーキーは憤然として教授の遺体を放り出しってひどいことをしますな、この男は。「なんだい、肝心のお宝はどこにあるんだよ!」しかしシャーキー、教授の胸ポケットにノートが入っているのを見つけてニタッ。これがこの洞窟の地図で宝のありかも記してあったという・・・。

 一方島を探検しているクライドとラリー。途中でいきなりハイエナの群れが出てきて水牛を襲ったり大騒ぎであります。そんな中ラリーが提案。「私が木の上に上って人家がないか探そう」そういうなりするすると木に登ってするすると周囲を見渡します。するとするするとロビンソン船長たちのキャンプが見つかるという、するする型の安易さ。もうちょっと勿体ぶってもいいのではないでしょうか。

 そのキャンプではロビンソン船長が船員のカーヴィー(ホイーラー・オークマン)に詰め寄られております。「船長、もう船は直ったでがんす。いつ出航するでがんすか」ああ、船修理したの。船長は首を振って「いや、リヴィングストン教授が帰ってくるまではこの島にとどまるのだ」「教授はもう帰ってこないでがすよ、ライオンだの虎だのにやられたに決まっているでがんす。もし船長がこのまま島に残るというでがんすならわっしたちがあんたと置いていくでがんす」時ならぬ船員の反乱。船長は明日の午後12時までに決意しろと言われてしまうのでした。

 この後ルースがかわいがっていた子ライオンを逃がしキャンプの外にでます。とそこに現れたのがこのへんのライオンのリーダー、タフィー。がおーっと彼女に襲い掛かるのです。しかしキャンプに向かっていたクライドとラリーが彼女の苦難に気づいて駆けつけてきた。ラリーはルースと一緒に木の上に(笑)。クライドは木の棒とムチに見立てた蔓でライオンに立ち向かうのです。さすがに木の棒と蔓じゃ形勢悪し。ラリー、はっと気がついてハンケチをこれまた木の棒に巻きつけ火をつけます。そして「これを使えクライド」たまにはラリーも役に立つものでこのたいまつでようやくライオンを追い払うことができたのです。

 ルースはクライドが自分を助けにきてくれたと思って大感激するのですが、クライド、これがまた女心の分からないやつでつい「いやー、ケイモアって虎もライオンもいるんだろ、一石二鳥だと思って」と余計なことをしゃべってしまうのです。ルースは「ンマー、あなた、私と動物とどっちが大切なのよ」とブンむくれるのでありました。そんな彼女をなだめつつ、三人はキャンプに戻るのです。

 クライド、キャンプにつくなり迎えに出た船長に「なぜリヴィングストン教授を探しにいかないのです?」船長は頭をかいて「いやー、ライオンのやつに船員たち半分食われちゃってね」ええ、ほ、本当に食われたんすか(大笑い)。「探しに行くのを嫌がるのだ。それに彼らはもう島を出たがっている。実は明日までに出航しないとわしらを置いてでも出発するといっているんだよ」ここでクライド、なんとも世界一の動物使いらしい発言、「私がライオンの捕まえ方を教えましょう。ライオンをつかまれば船員たちも無茶は言わなくなると思いますよ」カンフー映画はとにかくカンフーで決着付け、マージャン漫画ではとにかくマージャンで決着つける。そして猛獣狩映画はライオン捕まえて決着つけると、こういうパターンですね。

 さて忘れちゃならないシャーキー氏。彼は教授のノートの地図を使ってあれ、もう宝箱手に入れてるよ(笑)。宝のガードとか失われた部族の生き残りとかいったいどうなったんだ(笑)。これも映画に編集する時に省いちゃったのでしょうがどうにも釈然としませんなあ。彼はもう一度地図を確認して、「よっしゃ、マリー・R号の乗組員たちと合流しよう。そこで船に乗ってアメリカ帰ったらおれ、もう大金持ちじゃん!」彼は洞窟を出てキャンプを目指します。

 ここでまた時間が飛んだらしくすでにクライド、でっかい穴を掘って猛獣用の罠にしております。そこに落ち込んだのが虎、なんだ、ライオンじゃないのかい(笑)、クライドは虎を射殺しようとする船員をとめて「生きたまま捕まえるんだ。僕にまかしとき!」彼はラリー、ルース、船長に手伝わせて虎にネットをかぶせます。そして首尾よく檻の中に追い込んで一件落着。ところがここでやってきたのがシャーキーです。彼は虎の檻の鍵を開けて逃がしてしまいます。そうしてクライドの殺害をたくらんだのですが、クライドは虎を再び罠の中に誘いって虎も同じ手にひっかかるなよ(笑)。不思議なる眼光で虎をひるませその隙に穴の外に出ることができたのでした。

 「チクショー」悔しがるシャーキー。しかし彼は気づきませんでした。いつの間にかライオンのタフィーがキャンプに侵入し、彼を狙っていたことを!がおーっ、ライオンシャーキーに襲い掛かります。「ヒーッ」ああ、シャーキー、ライオンにがりぼり食べられちゃった(笑)。この惨劇に気づいたクライド、ロープ一本を手にライオンに挑みます。彼は輪投げの要領でライオンの首に縄をまくと彼を木にぐるぐる巻きにしてしまったのでした。「シャーキー」クライドは駆け寄るのですがシャーキーを介抱していたラリーが首を振って「彼は死んだよ」

 シャーキーの死体から教授のノートが発見されます。その地図に従って宝箱を発見してほくほく顔のみんな。クライドもタフィーを船に積み込んで「サーカスで会おうな」とごきげん。傍らのルースも大喜びでにこにこしています。船長がそんな二人の様子をみて「クライド、君はこの旅で大変なものを手に入れたな」うなずくクライド、あたし?あたしのこと?と身を乗り出すルース。けれどもクライドは「いやー、すごいライオンを捕まえましたからねえ」みんなずっこけるという最後のボケ。船長呆れて「もういいかげんにライオンから離れてとっとと結婚するのだ」ようやくクライド、ルースがキスしたところでエンドマーク。

 意外と面白いですな、この映画。でもなんでこの映画がSF50本パックの中に入っているんだろうという当然の疑問を感じずにはいられません(笑)。失われた文明というSF要素はかろうじてあるけれども丸ごと削られちゃっているし。

 モノクロ・スタンダード、モノラル音声。画質・音質はかろうじて許せるレベル。比較的台詞が聞き取りやすいのがよろしい。12枚のDVD50本の SF映画が収録された「SciFi Classics Collection: 50 Movie Pack」の一本。 Digital 1 Stop DVD

         エロの冒険者 

       HOMEPAGE http://homepage3.nifty.com/housei/

      SFシネクラシックス 輸入DVDでみるSF黄金時代(笑)

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