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2006年3月24日 (金)

『White Pongo』1945年

 

White Pongo1945

 ミッシングリンクを発見せんとの使命に燃えて秘境アフリカの地に赴いた探検隊の運命やいかに!という映画。なんてことはないアフリカ探検ものなのですが、このミッシングリンクという部分がかろうじてSFに引っかかっているのではないかと。まあ、このミッシングリンクとやら、ただの小汚い白いゴリラでどこが世紀の大発見かと思いますが、そんなこと言ってたらこの手の映画は見られないのでございます。

 暗黒大陸アフリカ、ナレーションが人類未踏の地あり、文明の恩恵を受けぬ未知の部族ありとぶちあげます。その文明と隔絶された部族、グリトー。何か嬉しいことがあったのか部族みんなでうんがうんがというタイコにあわせて踊っております。彼らに捕らわれている白人一人、ガンダーソン(ミルトン・キビー)。この踊りが終わったら首をはねられるかどうかするのでしょう。まったく哀れなことですと思っていたら唐突に現れた救いの神、年老いた白人、ゲリグ博士(エゴン・ブリーチャー)であります。彼はディエドローフ博士の探検隊の一員として十年前このジャングルに来たのですが、もはや年をとって文明社会への帰還は諦めているのだといいます。彼はガンダーソンの縄をといてやり「君は若いから13回ぐらい平気じゃろうじゃなかったジャングルから脱出できるだろう」彼は自分とディエドローフ博士は重大な発見をしたのだといい、それを記録した日誌を文明社会に持ち帰ってくれと頼むのでありました。彼の手引きでグリトーの村を抜け出すガンダーソン。ちょうどその時奇妙な白いゴリラが現れていちゃつこうとしていたカップルを襲い部族の注意を引き付けたこともあって、無事逃亡に成功したのです。

 次の場面、コテージのベッドに寝かされているガンダーソン、しかし彼はジャングルをさまよっている間に重い熱病を患ってしまっていたのです。「うう、白いゴリラ、白いゴリラ」うなされております、うなされております。もう瀕死の状態ですが、彼はなんとかディエドローフ博士の日誌をドクターに渡したのでした。ドクターからこのことを聞いたピーター・フォン・ドーン(ライオネル・ロイス)はびっくり。「何、ディエドローフ博士ですと!」日誌を調べて再び驚いた彼は彼は人類学者のハリー・ブラグドン卿(ゴードン・リチャーズ)を呼び出して「えらいことです。この日誌が本当であればディエドローフ博士たちは白いゴリラを捕まえたというんです。その白いゴリラは高い知能を持っていて、これが猿と人間のミッシングリンクに違いと言ってます!」じゃあ、ワシらで探検に行ってそのミッシングリンクと白人を連れて帰ろうじゃないかということになりました。そう決まったとたん、ドクター来て「ガンダーソン、死にましたわ」だって。

 探検隊のメンバーを紹介します。まずブラグドン卿、ピーター、ブラグドン卿の娘、どうして妙齢の娘をそんな探検に連れていくんだと思いますが、とにかく娘のパメラ・ブラグドン(マリス・ウリクソン)、ブラグドンの秘書クライブ・カーズウェル(マイケル・ダイン)、ガイドのハンス・クロゲート(アル・エヴェン)、お手伝い(ライフルマン)のジェフリー・ビショップ(リチャード・フレイザー)他二名(役名なし)、それにもう一人、お笑い要員のバクスター(ジョージ・ロイド)であります。これにアフリカ人ポーター頭のマンボー・ジャンボー(ジョエル・フルウレン)、ポーター多数を加えてさあ、カヌーで出発です。

 マンボー・ジャンボーって何か天気予報しそうな名前ですなってそれはヤンボー・マーボーだから。それとクライブ・カーズウェル、こいつが秘書のくせに空気読めない奴で「うおおお、ミッシング・リンク」「白いゴリラ萌えー!」と盛り上がっているブラグドン卿とピーターに思いっきり「それってインチキっスよ、白いゴリラなんていないっスよ」と言ってにらまれたりしております。

 ここからカヌーで延々川を下る映像が続きます。そんなに川くだりがしたけりゃ、鬼怒川へ行け、鬼怒川へ行けと思います(笑)。さすがに退屈したのかカヌーの上で立ち上がったのがビショップ。鳥を見つけてさっそくズドン。しかしギャーっと悲鳴を上げて川へ落ちたのは一人のポーターでした。「いけない、いけない」あわてて二弾目を放つビショップ、しかしやっぱりギャーッ、また一人ポーターがぼちゃん。うーん、こんな人にライフル持たせて大丈夫か。一方、ジャングルの中では多数のゴリラが木の葉っぱみたいなものを食べています。そこに現れたのが白いゴリラ。白いゴリラは普通のゴリラたちを追っ払うと腰を下ろして葉っぱをむしゃむしゃ。とても高い知能を持つ特別のゴリラとは思えないんですけどねえ(笑)。

 えー、川から上がって小休止。ここでパメラ、ビショップに大接近。やはりさっきのライフル射撃の腕前に惹かれたのでしょうか(笑)。仲良く話している二人を見て嫉妬のほむらめらめら燃やしたのがカーズウェル。彼はずかずか二人の間に割り込んでいくと「君、君ィさぼってちゃ駄目じゃないかね。君は使用人だからもっとちゃんと働いてもらわないと」とビショップを追い払ってしまったのです。さあ、これで邪魔者はいなくなった、本当は自分が邪魔者なのが分からないカーズウェル(笑)はパメラに微笑みかけるのですが「あなた、父の秘書だからと言って私が仲良くする相手を選べると思ったら大間違いよ」と肘鉄食らわされてしまうのでありました。足早に立ち去ったパメラ、ブラグドン卿に「あたし、次からビショップと同じカヌーに乗るから」ああ、徹底的に嫌われちゃった(笑)。一方ガイドのハンスはビショップに「ようよう、上手い事いったらおめエ、逆玉って奴だぜえ」ビショップ、うるさそうに「そんなの興味ないです」と答えるのでありました。

 なんだよ、逆玉って(笑)。

 またえんえん川くだりの映像。ライオンとか思い出したように出てきますがすぐ引っ込んで面白くないったらありゃしない。アフリカの探検ものなんだからここまでくればポーターがライオンに食われたり、底なし沼に落ち込んでずぶずぶ沈んだりしてくれなくっちゃ困るんだよ。でもそんなことはまったく起こらなくって割とあっさりとグリトーの村へ着いちゃう。凶暴な人食い×人が攻撃か!と思いきや探検隊から布などを贈ってもらうことを条件にここでキャンプしてもいいとか言われちゃうのです。な、なんじゃそりゃ。おまけにふらふら出てきたのがゲリグ博士。なんだ、こっちもあっさり見つけてしまいやがった。

 そしてゲリグ博士、親切にもブラグドン卿とピーターに写真まで使って十年前のことを話して聞かせるのでした。ちょっと若いゲリグ博士(笑)とディエドローフ博士。そして二人の目を奪ったのは檻に入れられている白いゴリラ!「私らはこれを捕まえて五年ほど飼っていたのですじゃ。ところがそいつが逃げ出して・・・」え?逃げ出してどうなったの、ここらへん、台詞が聞き取れなかったのです。ディエドローフ博士が殺された?え?あー、もう良くわからん。いいや、後から分かるだろう。ゲリグ博士、二人にディエドローフ博士の一行と同じ地点にキャンプを張って白いゴリラを探しなさいとアドヴァイスをします。どうやらディエドローフ博士たちはそのキャンプの周りに白いゴリラが好む植物を植えたらしい。

 ブラグドン卿はゲリグ博士に「一緒に文明世界へ帰りましょう、このジャングルにいつまでもくすぶっていても仕方ないでしょう。横井さんじゃないんですから」しかし博士はかぶりをふって「いや、もうわしはいいわ。このジャングルで余生を過ごすことに決めておるのじゃ」

 さあ、ゲリグ博士のアドヴァイスに従ってグリトーの村を出発します。ちゃんと布のほか贈り物をたくさんやったのに野蛮な×人どもが騒ぎ出して不穏な雰囲気だったのでちょうどいい。また川をカヌーでのんのんずいずい。パメラ、相変わらずビショップと一緒のカヌーに乗っていちゃいちゃ。この様子をジャングルの中からこっそり見張っている白いゴリラ。

 一応こうやって探検隊の行動を見張っているのがこのゴリラの知能の証らしいのですが…。

 再び川から上陸して歩き出します。ほどなくバクスターが「あ、これは檻の一部だぞ」するとここがディエドローフ博士のキャンプだったところか。一行はここでキャンプ、白いゴリラの捜索に当たることになったのです。

 とんてんかんかん木を切り倒したり草を刈ったりしてあっという間に高い塀で囲まれた村を作ってしまう探検隊の皆さん。そして次にホワイトゴリラを捕まえるための罠の設置にかかります。まあ、罠ったって要するに落とし穴なんですけどね(笑)。乗っかったら落ちる蓋に鐘を繋げておいて、獲物が罠にかかったらからんころーんと鳴り響くという算段。バクスターが自らゴリラとなってこの罠を試します。「ゴッホ、ゴホ、お腹すいたなあ、餌はないかあな、ゴッホ、ゴホ。お、バナナがあるぞ、ゴッホ、ゴホ」そうして自分から落とし穴におっこってしまうというのは定石。みんなげらげら笑って梯子を下ろし彼を助け出すのでした。

 その夜しきりにビショップに秋波を送るパメラ。もうカーズウェルは気が気じゃありません。ついに彼は外へ出たパメラを捕まえて「ねえ、ねえ、ヤラせておくれよう。僕が君のこと愛しているのは知っているだろう」土下座します。しかしパメラは覚めた表情で「あたしたち、友達でいましょ」「ええっ、そんなー」激しく落胆するカーズウェル。彼は「俺がフラれたのはあのビショップめのせいだ」また嫉妬のほむらめらめら燃やすのであります。

 ここでホワイトゴリラ現れて、村の中へ侵入。パメラの小屋ににじり寄って窓から彼女の寝姿を覗くのです。おお、女を覗き見、これぞゴリラらしからぬ知性の証拠・・・なのかな(笑)。パメラ、はっと目覚めてゴリラに気がつきます。「キャー」この悲鳴にブラグドン卿をはじめ他のみんなが駆けつけてきたのですがすでにホワイトゴリラは姿を消していました。そのため「夢でも見たのだろう」と言われて憤慨するパメラ。「アタシ、そんな子供じゃないわよ!」この後、彼女は自分がコドモじゃないことを証明しようとしたのか、ビショップの部屋へ行きます。しかもなんだ、この女、こんな夜中にそんなセクシーなドレス着て。ビショップ、そんな彼女にもうたまらんごとなってぐいと抱き寄せるとぶちゅぶちゅぶちゅちゅちゅーと激しいキス。

 これをカーズウェルが偶然見ちゃった。「きさん、俺のおなごになんばすっとか!」(あなた、私のスイートハートに何をなさるんですかの意)、がばっと殴りかかるのですが、逆にビショップにノサれちゃった。この騒ぎにブラグドン卿たちも駆けつけてきて「一体何があったのだ」殴られた顎をなでながらカーズウェル、「こいつ、お嬢さんとキスしてたんですよ!」ああ、男の嫉妬醜からずや、ですな。ブラグドン卿、その言葉にきっとなってビショップに「わしは君をライフルマンとして雇ったのだ。娘をコマさせるためじゃないぞ。もう君は明日モハービへ帰るのだ」パメラは必死に取りなすのですが、ブラグドン卿の怒りは収まらず。「分かりました、どうもすみませんでした」あ、ビショップかえることになっちゃいました。この後、例の罠に獲物がかかってそれと駆けつけたらホワイトゴリラならぬ普通のゴリラだったというあんまり意味のない出来事があってようやくこの長い夜が終わります。

 さあ、翌朝、カーズウェルはハンスにこんなたくらみを持ちかけるのでした。「おい、ハンス、私は知っている。君にはホワイトゴリラ以外に目的があるんだろう、いや、そっちが最初っから本命だ、そのためにこんな探検隊に加わったのだ」えー、実はハンス、この探検隊にかこつけてジャングルの中に存在するはずの金鉱脈を探していたのだという・・・。ここで二人は、他の奴らを縛り上げて置いて言ってしまおう。パメラだけは連れて行って俺つまり、カーズウェルの嫁にするのだ、ウヒヒヒヒという計画を立てるのであります。

 で、次の場面になったらもうみんな縛られている(笑)。ハンスは彼らに説教します。「ふふふふ、食料もライフルもボートもみんなもってっちゃうからナ、まあ、川辺に最小限のものは置いていくから、それ使って帰れや」アレーと叫ぶパメラを引っ張ってハンス・カーズウェル、そして元からハンスの仲間だった二人の白人ライフルマン、マンボー・ジャンボー、黒人ポーターたち、ってなんだ、ほとんど探検隊やん。それだったら最初っから自分たちで探検隊結成したほうが手間かからなかったんじゃないの(笑)。

 しかし、さすがはビショップ、ハンスたちが出て行ったのを見計らってさっそく縄抜けの術。あっという間に自分の縛め解いちゃった。他の人たちの縄も解いて、「実は私はローデシアン植民地政府のエージェント。18ヶ月前ある探検隊8人が死体で発見されました。その探検隊のガイドを務めていたのがあのハンスだったのです。だから私は彼の殺人の証拠をつかむためにこの探検隊に加わったのです」でもお嬢さんとキスして探検隊追い出されそうになったんだもんね(笑)。「さ、武器や食料は私がなんとかしますからハンスたちを追いかけましょう」この“なんとかする”というのがいまひとつ分かりません。だって、みんないつの間にかライフル持ってジャングル歩いているんだもの。

 一方川に到着したハンスの一行。最小限の食料や武器を置いていくという約束を守ってそのままボートで川くだりをしようとするのです。驚いたパメラ、「そんな、それじゃパパたち死んじゃうじゃない!」そして隙をみてぱーっと逃げ出します。「あ、ちょっとそんな勘弁して」カーズウェルも彼女を追いかけますな。ハンス、もう面倒くさくなったのか、拳銃を取り出すとカーズウェルの背中を狙ってずどん。「びわー!」カーズウェル死んじゃった(笑)。ハンスはパメラを追いつめて捕まえようとするのですが、そこに現れたのがホワイトゴリラ。ゴリラはハンスに襲い掛かって「ヒーッ!」彼をずったんたんのぎったんたんにしちゃったとさ。はい、これでハンスはおしまい。彼の二人の部下、マンボージャンボー、黒人ポーターたちはこの後どこかへ行ってしまいますっていい加減やなあ(笑)。

 ホワイトゴリラ、パメラを攫って棲家の洞窟へ連れていきます。するとライオンがやってきてがおー、がおー。ホワイトゴリラはこのライオンに向ってやっぱりがおー、がおー、ライオンを追い払うのでした。ちなみにこのライオンは流用フィルムを上手い具合に繋いでいるだけなので、ゴリラとライオン、一度として同じ画面に映りません。パメラ、はっと意識を取り戻し、この隙をついて逃げ出します。ホワイトゴリラ、また彼女を追いかけ捕まえる展開。すると、驚いたことにフツーのゴリラがやってきてホワイトゴリラに戦いを挑んだではありませんか。木の枝拾って二頭でぺそぺそたたき合い。これがもう延々続くのだからいやになりますな(笑)。映画、あと5分くらいしかないんですよ。

 悲鳴を上げているパメラ、この悲鳴を聞きつけたのがライフルを“なんとかして”追いかけてきたビショップたち。「あ、パメラ」「ああ、ビショップ」ようやくパメラは無事に保護されたのであります。その間もえんえん叩き合っているゴリラ。ついにフツーのゴリラが逃げ出しました。ビショップたち、ホワイトゴリラにライフル射撃を浴びせて、おお、見事にこのやっかい極まる猛獣を生け捕ったのであります。

 檻に入れたホワイトゴリラを見ながらほくほく顔のブラグドン卿たち。「ふふふ、ロンドンに帰るのが待ち遠しいよ、きっと凄いニュースになるぞ」「早く検査してこいつがミッシングリンクであることを証明しましょう」これはピーター。ここでバクスター、カーテンをさっと開けるとその向こうにキスしようとしているビショップとパメラという場面でエンドマーク。

 ビショップ、ハンスを捕まえるために探検隊に加わったのに、結局ハンスはゴリラにずたずたにされてお仕舞い。残りの奴らも結構な悪党なのにそのまま映画からフェードアウト。ちゃんと作れば面白くなりそうなプロットなのにどうしてこういい加減に済ませちゃうかなあ。

 モノクロ・スタンダード。モノラル音声。画質も良くないのですが、とにかく音質最低。ノイズまみれでおまけに音が小さい。ヴォリュームをいくらあげてもちーっとも聞こえやしない。こんなDVDはイヤだあ。12枚のDVD50本の SF映画が収録された「SciFi Classics Collection: 50 Movie Pack」の一本。 Digital 1 Stop DVD

         エロの冒険者 

       HOMEPAGE http://homepage3.nifty.com/housei/

      SFシネクラシックス 輸入DVDでみるSF黄金時代(笑)

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