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2006年4月24日 (月)

『Prehistoric Women』1950年

 

この映画はあの『恐竜百万年』のごとく、原始人のキャラクターはお互いの名を呼ぶ以外は「ワー」とか「ギャー」とか「アレ」とか言うだけで言葉を喋りません。その分ナレーションが全てを説明、いや説明せんでもいいところまで説明してくれるという映画なのです。

ナレーションは言う。これは原始の時代、ヒロイン ティグリとヒーロー アンガーのロマンティックな物語である。見たまえ、ティグリと彼女の部族は満月の下で踊り狂っている!ティグリ(ローレット・ルイーズ)、ローティ(ジョアン・ショーリィ)、アーバ(マラ・リン)、トゥーレィ(ケリー・ヴォーグ)、エラス(ジュディ・ランダン)、ニカ(ジョー・キャロル・デニソン)、そして長老格の賢きもの、ワイズワン(ジャネット・スコット)だって7人しかいないじゃないの(笑)。そしてナレーションはこの部族の過去を語りだすのでした。

 ティグリたちが少女だった時代、彼女の母、ターナー(ジャニー・ソレル)たちはまだ男達と暮らしていた、そして暴虐なる男どもに苦しめられていたのです。男が「エンガチョ、エンガチョ」(おめーらよ、早くこの獲物を運ばんかい)、男に言われて大きな獲物を女数人で担ぎます。男たちはふんと鼻を鳴らして先に行ってしまう。女達は彼らに追いつこうとするのですが何しろでっかい荷物を抱えているものですからすぐに疲れてしまって、休憩します。すると男の族長がやってきて、「ウマレテスミマセン!」(おめーらよ、何休んでんだよ、なまけてるとぶっ殺すぞ)、さあ、ついにターナー切れた。彼女は「ケツノアナシリノス!」(そんなに言うのだったら男が運びなさいよ)と叫ぶなり手近の石を掴んで族長の頭をごっ。族長、昏倒します(笑)。女達は喝采を叫ぶのですが、すぐにこのままでは男達に復讐されてしまう。さあ、逃げるのよということで男達から逃げ出したのでした。そうして女達は狩や釣りを覚えて自立の道を踏み出したということらしい。

 なんか夫の暴力に悩まされていた奥さんが逃げ出して自活したみたいな話ですな。

 男から逃れて幸せに暮らす女達。しかし事件が起こります。森で二人の女が怪巨人グアディ(ジョナサン・パターソン)に攫われてしまったのです。以来、女達は男に加えてこの怪巨人にも怯えながら暮らすことになったのでした。はい、早15年の年月が流れまして、現在となります。賢きもの、ワイズマン、ティグリを始めとする女達に「サンジノオヤツハブンメイドウ!」(部族の存続のためには男が必要じゃ。そなたたちは満月と満月の間に男を捕まえてこなければならぬ)そうしてティグリたちは必ず男を捕まえるのだという強い決意で(笑)ペットの豹を連れて出発するのでありました。捕まえるったって相手を見つけるという穏やかな意味じゃないですからね、文字通り捕まえてくるんですからね。

 ここで男が登場。アンガー(アラン・ニクソン)をリーダーとする部族の男達です。彼らは落とし穴を掘ってトラを捕まえたところ。槍をぐさぐさトラにさしておりますと、女達が近くを通りかかった。するとトラの血の匂いで彼女たちのペット、豹が興奮したのですな。豹はふんぎゃーと狂いだしぱーっと走っていくとアンガーに襲い掛かった!アンガー豹と戦います。仲間達も駆けつけて石斧で豹をぽくり、ぽくり!わあ、豹殺しちゃった。しかしアンガー、傷を負ってしまい仲間達は彼を懸命に手当てします。この時とばかり、女達は「カステライチバン、デンワハニバン」(キャー、男よ、捕まえるのよ)、投石器を使って石を投げまくり。男達を攻撃したのでした。そしてあっという間にアンガー以外みーんな女達に捕まっちゃった。

 アンガーはなんとか逃げ出します。その彼を追ったのはティグリでしたが茂みに隠れた彼を見失ってしまいました。仕方なく仲間達のところへ戻るティグリ。そして捕らえた男三人を引き連れて彼女達の村に凱旋するのであります。獲物の男達を賢きもの、ワイズワンが仔細に吟味して「ゲンパツホウシャノウ!」(よーし合格!)、なんじゃ、そりゃ。女達は大喜び。さっそく優先権があったらしいニカ、エラス、トゥーレイが男を連れて木の上にある自分の小屋へ引っ込みます。そして男と仲良くなるという・・・。ちなみに興奮した男が乱暴に女を扱うと下の女達から投石器で石を投げられることになっております。

 さて怪我を負って逃げ出したアンガー、ようやく自分の村にたどり着くのでした。そして手当てをうけ、ほどなく回復します。そしてアンガー、「ヘソノゴマホジルナ!」(あの女たちに復讐だ。捕らえられた仲間たちも救い出すぞ)と決意するのであります。母親から女達の村の場所を教えて貰ってさあ、出発。しかしいきなり象に襲われてしまうのですなあ(笑)象が「ぱおー、ぱおー」が突進してきたのでアンガー、「ミズムシカユイカユイ!」(こら、たまらん)と逃げ出します。彼はからくも象を振り切ったのですが途中ですっころんで持ってきた石斧をなくしてしまったのです。

そんな大事なもんなくすなよ、オメー。

 武器なしでは話にならん。木の枝と石を拾って新たな武器を作ろうとするアンガー。二つの石をたたき合わせて石斧にしようとしております。カチ、カチ、カチ、すると火花が飛んで近くの枯葉がぼっ。燃え上がったではありませんか。今だ火を知らなかったアンガーはびっくり。なんじゃ、こりゃということで火を触って火傷したりしておりますな(笑)。さらに彼はこの奇妙なるもの、火を使ってたいまつを作るのでした。お、さっき初めて火を見たのにたいまつをつくるとはやるねえ。ここで上手いタイミングでニシキヘビ登場。アンガーは松明を使ってこの蛇を撃退します。しかし池に逃げ込んだ蛇に火を当てようとして松明を水に突っ込んだらじゅっ。アンガー、さらに火は水で消えるということを学んだのでした。

 とりあえず火は置いといてアンガー、改めて武器をつくります。そして女達の村を目指すのですが、わあ、出たぁ、怪巨人グアディだ!彼は慌てて木の上に上ります。グアディ、彼の上った木の下に来るとでっかい棍棒で幹をがーん、がーんとたたき始めたのです。アンガー、大ピーンチと思いきや、グアディ、この木になっていた木の実が目当てだったという・・・。ぽとりと落ちた木の実をかじって満足げなグアディ。彼は立ち去ります。ほっとするアンガーってつまらないギャグじゃのう。

 また女達の村を目指すアンガー。あ、でもティグリたちに見つかった。わっと飛び掛かられてはい捕まった(大笑い)。彼はなすすべもなく縛り上げられたのです。あっさりと捕まってしまったアンガー、あれよあれよと彼女達の村に連行されてしまいます。お、女達どさくさに紛れて「ゴー、ゴー」言うとるぞ。君達まともな言葉喋らないんじゃなかったの(笑)。村では先に捕まった男達が女達に奉仕活動。足を揉んだり大きなウチワで扇いでみたり、どうして傅くというと大きなウチワで扇ぎますかな。ティグリはアンガーを自分のものとすると言い、彼を自分の小屋に登らせます。そんな彼をみて先に捕まった男達は「おー、アンガー」と手を振ったりしている。どうにも暢気なことですけれども。また悔しそうに立ち尽くしているのはアーバ。彼女はハンサムなアンガーに惚れてしまっていたのですがティグリに先を越されてしまったという訳。ナレーションがまたウレシそうに「男と女がいれば当然起こるトラブルだ」なんて言ってやがる。

 その夜みんなが寝静まったところでティグリの小屋を抜け出そうとするアンガー。脱走は上手くいくかに思えたのですが下で待ち構えていたのが番犬ならぬ、番豹。フギャーと唸られてみんなおきちゃった。怒ったティグリにさんざんドつかれて小屋に戻るアンガーです。

 さあ、朝が来ました。生肉をばくばく貪る女達。樹上の小屋で男達がうらやましそうに見ております(笑)。それに気がついたティグリ「アンドロ、メダ、メダ」(男達に食事を持っていっておやり)、ここでチャーンス!を目を輝かせたのがアーバ、食事持って行くついでにアタシも食べてと考えたのであります。しかし、その彼女の目的に気がついたティグリ「ティグ・リス、ユー、フラテステス!」(何をするんだい、アンガーはアタシのモノだよ)、アーバも「エジプト、ピラミッドスゴイスゴイ!」(むきー、あんないい男、独り占めにさせるもんか)、えー、キャットファイトですわ(大笑い)。しばらくこれが続いてでもやっぱりヒロインであるティグリが勝利を収めると。まあ、いいんですけどね。

 これをきっかけにだんだんと仲良くなるティグリとアンガーです。ティグリはアンガーに大きな岩を示して「ユニクロビックカメラサンワリヨンワリアタリマエ」(この石を動かしてみなさいよ)、アンガー、がっと岩に取り付くのですが彼の強力を持ってしても岩はびくともしません。するとティグリ、実に得意そうな顔で木の棒を岩のしたに差し込むとてこの力を使ってやすやすと動かしてみせたのでした。「マールイミドリノヤマテセン、マンナカトオルハチュウオウセン」(ほーほほほほほ、頭を使いなさいよ、男って本当に馬鹿ね)、あ、あんまり仲良くなったとはいえないか。

 馬鹿にされてアンガー、面白い筈がない。彼はなんとかこの状況を打破しようと考えます。でもとりあえず石器で髭剃り(笑)。アンガー、石器をじっと見るうちに「あ、いいこと思いついた」、彼は仲間から石器をもう一つ借りると、木の葉を集めてカチカチとたたき合わせ始めたのです。そうか、彼は火を起こそうとしているんだ、火で女達に対抗しようとしているんだ。でもこれがなかなかつかないの。カチカチ、カチ、女が通るたびにさっと隠すからなおのことはかどらない。カチ、カチ、ついにティグリが彼らの奇行に気がついた。立ち上がって様子を見ようとしたその時、大きな影が地面を横切ります。なんと、空の怪物、フライング・ドラゴン、コラックが襲ってきたのであります。フライング・ドラゴンと言ったってフツーのペリカンやんけ、などと怒ってはいけません。ペリカンだけれども火を吐いて人を食う恐ろしい怪物だと思う、この見立ての心が大切なのです。

 コラックは急降下してティグリを襲った!アンガー、あわてて石器をカチカチ、いつもより余計にカチカチさせております。ついに火がついた。彼は松明にその火を移すとティグリに襲い掛かろうとしていたコラックにじゅっ。「ヒーッ!」合成のコラック、火達磨となって飛び去ります。はい、これで男と女の立場が逆転ですよ。アンガーの活躍に乗じて男達は女達に襲い掛かりあっという間に縛り上げてしまったのです。あの番犬ならぬ番豹も火のついた松明で追い払って男達大勝利。

 で、やることといったら今度は男が女に足をもませているの。でかいウチワで扇がせているの(笑)。

 さらに人類の歴史を塗り替える大事件、生肉を女に見せびらかしながら食っていたルーイだかカマーが食い残しを焚き火に投げ込んだのです。女に対する嫌がらせなのですが、この焚き火の中に放り込まれた肉をアンガーが見つけて食べてみました。すると「ンマー!」アンガーはティグリや他の仲間達に食べるよう勧めます。みんなおそるおそる食べてみてやっぱり「ンマー」ナレーションが重々しく「料理の誕生である。これで人類は新たな進化の階段を上ったのだ」だってさ。

 さて、そろそろクライマックスですよ。もういい加減飽きてきたと思うけど、もう少しお付き合い下さいねー。突然ながらホームシックに駆られたアンガー、母親の姿がぽっと浮かぶというありがちな描写が宜しい(笑)。彼はみんなを引き連れてふるさとへ戻ることにしたのです。そして出発、5分も立たないうちにあの森の怪巨人、グアディに襲われた。彼らは慌てて洞窟に逃げ込むのです。この洞窟は入り口が上手いこと狭くなっていてグアディーが入ってこられない、これで安心かと思われたのですが、さすが森の怪巨人、グアディーはあきらめないのです。入り口の隙間から太い木の枝差し込んでアンガーたちを脅かすのです。

 しかし、ここでまた活用されるのが火!アンガーたちはグアディが差し込んできた木の枝を奪い取って松明つくりますって、あんたら、そればっかりですな!この松明の火でグアディに反撃開始。いきなり松明を彼の股間にじゅっ!「ギャーッ」と逃げるグアディ(大爆笑)。この間に女達を洞窟から逃がすと男達はグアディを取り囲み周りの草に火をつける、ひどいことしますな、あんたら。たちまち燃え上がる炎、グアディはついに焼死してしまうのでした。

 この後、なぜか気が変わって女達の村に戻ろうということになります。そして満月の下で踊る女達、ただ一人、結婚の儀式のやり方を知っているワイズワンがティグリとアンガー呼んで結婚の誓いを立てさせます。右手の親指と人差し指で輪を作り、左手の人差し指を通してみせるワイズマンって違うだろ(笑)。本当は二人の手首をちょっと切って流れる血を混ぜ合わせると「アジャラカモクレンフウライマツコイビトヨキミハタビダツテケレッツノパ」(これで新しい夫婦の誕生じゃ)、この結婚を祝ってがんがん踊る女達。エンドマーク。

一応、火の使い方を覚える人類という裏テーマがありまして(笑)、これが意外に上手く使われております。ところで結局あの怪巨人グアディというのは何者だったのでしょうかね。

モノクロ・スタンダード。モノラル音声。画質は例によって駄目。音質も誉められたものではなく聞き取りにくいのですが何しろこの原始人たち、台詞を喋りませんからなあ。ヒアリングはあんまり関係ないという…(笑)。12枚のDVD50本の SF映画が収録された「SciFi Classics Collection: 50 Movie Pack」の一本。 Digital 1 Stop DVD

         エロの冒険者 

       HOMEPAGE http://homepage3.nifty.com/housei/

      SFシネクラシックス 輸入DVDでみるSF黄金時代(笑)

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