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2006年4月29日 (土)

『The Brain Machine』1977年

 

The Brain Machine1977

 私の英語のヒアリングがまずいせいもありましょうがとにかく訳が分からない映画。また中盤までのぐたぐたした展開は実につまらなくって危うく眠ってしまうところでありました。はっきり言ってつらいです、こんな映画を見るのは。

冒頭何やらの研究所に到着する車。まあ、研究所といってもどこかの病院にしか見えませんけどね(笑)。病院を研究所に見立てるその心が大切なんです。その車から降り立った二人の科学者、ローランド・ロス(ダグ・コリンズ)と彼の助手、キャロル・ポートランド(バーバラ・バーゲス)は白衣を着ればどんな人でも科学者という映画のお約束に従って白衣に着替えます。そして階段を使って地下へ降りていくのです。「これだから僕はジムに通う必要がないんだ。だって120段の階段を12階往復するんだぜ、イヤでもやせちゃうよ」とか暢気なことをいうローランド。えー、この階段はとてものこと120段もあるようには見えませんが、それはもういつものことなのであんまり気にしないように。

 ここで事件発生。重要書類らしきファイルが散らばった部屋が映ります。警備責任者が電話を取り上げ「急げ、将軍に繋ぐのだ」えー、何が起こったのかと申しますと何者かが重要書類を持って逃げたということなので、え、そんなこと言われなくても分かっている、はい、それは失礼しました。電話に出た将軍(トーマス・フィリップス)は「それで盗まれたファイルは分かるか」「はい、ブレイン・マシーンプロジェクトとクリスナー博士のプロジェクトに関する書類です」「だったら犯人はクリスナーだ」即断する将軍。「その二つのプロジェクトに関わっているのは彼奴だけだからな。よし、逃がすな、彼奴を捕まえるのだ!」

 一方さっきのローランドとキャロルはヴォランティア被験者を選抜すべくスライドで彼らの写真を見ております。あ、言い忘れていましたが、この研究所は表向き地球の環境問題を研究していることになっています。さて、次々に映し出される被験者たち。まずは22歳の女の子ミニー・リー・パークス(アン・ラサム)、「22歳、独身、係累なし、出身テネシー、おほ、可愛いね、こりゃ、僕のタイプだ」うっかりこんなことを言ったロス、キャロルにどつかれたりしております。次にジャド・リーブス(マーカス・J・グレープス)、「31歳、独身、係累なし、ペンシルバニア出身、大工」、エモリー・ニール(ジェームス・ベスト) 「神父、2年前に自動車事故で妻子を亡くしている。ゆえに係累なし」、ウィリー・ウェスト(ジェラルド・マクレーニー)「良く知らんけどとにかく係累なし」こんな風に被験者たちが紹介されていく訳です。これが終わって明るくなったとたん、「あ、クリスナー博士!」なんと、重要書類を盗んで逃げるクリスナー博士(ゼフリン・ハイレム)が通りかかったという・・・。すごいタイミングですな(笑)。

 このクリスナー博士、黄色いレインコートを着た追っ手から、雨も降ってないのになんでレインコートを着てるか分からないですけれども(笑)とにかく逃げる、逃げる。ショットガンを構えた追っ手に逆襲して射殺!そしてまた逃げる。しかし彼はなんともドジなことに書類の入ったカバンを置き忘れてしまったのでありました。なんじゃ、そりゃ。彼は町へ出て電話ボックスに入り、ロスに連絡しようとします。でも不在。おまけに追っ手に見つかった。彼は三度逃げて今度はモーテルへ。そしてワシントンの上院議員(スチュワート・ランカスター)に連絡とろうとするのですが、この議員、実は将軍の仲間でありました。議員から将軍へ連絡が入って、はい、クリスナー、追っ手に踏み込まれて射殺されるのです。

 要するにこの研究所では秘密裏に恐ろしい実験を行おうとしていた。それをクリスナーが外部に知らせるため逃げ出したということらしい。このブレインマシーンプロジェクト、議員によればアメリカの内外の敵に対抗できる唯一の手段なんだそうです。そして議員と将軍は裏切ったクリスナーの代わりにロスを使うことにしたのでした。将軍はマジックでリストにあったクリスナーの名前に×印。うーん、国家の存亡に関わる秘密計画の責任者ともあろうものがマジックなんか使うなあ、×印なんかつけるなあ(笑)

 そんなことになっているとは露知らず、ヴォランティアたちと面接を続けるロスです。スライドを見せていろいろ心理的な質問。それを別室でキャロルともう一人のドクター、エルトン・モリス(ギル・パターソン)がコンピューターに記録するという・・・。正直言って何が何だか良く分かりません。環境のための研究でこんなことユーチョーにやっていていいんかいの。これがだらだら何時までも続きます(笑)。

ようやく終わって夜になりました。研究棟のあてがわれた部屋で眠っているヴォランティアたち。すると怪しい人物がミニー・リーの部屋のドアを静かに開いて潜入します。そうして何をするのかと思って息を呑んでみておりますと、ああ、ミニー・リーの寝巻きのボタンを外しだすという・・・。「ぎゃーっ」と驚いて飛び起きるミニー・リー。怪人物はぱっと逃げてしまいました。彼女の悲鳴にみんな「なんだ、なんだ」と集まってくるのですが、さすがに怪人物がわざわざやってきて寝巻きのボタンを外そうとするなんて想像できる筈もありません。結局ただの悪夢ということになっちゃいました。

 さて、ようやく将軍、実験とやらの開始を命令します。この映画ではたびたび将軍の豪邸が出てくるのですが、彼は地下の司令室にこもりきり。でもこの司令室がどうみてもボイラー室みたいなところにセットを持ち込んでおります。ははあ、別撮りですな(笑)。そして二人の部下が「はい、実験開始します」なにやら機械を操作。多分、多分ですよ、あの被験者たちに何か怪しいことをしかけようというのでしょうが、本当に良く分かりません。さあ、唸るコンピューター、ヴォランティアたちは頭を抑えて苦しみだし・・・ってな風にはなりません。システムに組み込まれていた安全装置が作動、コンピューターが停止してしまったのです。これは将軍、大慌て、そしてロスたちもコンピューター停止の原因をエンジニアに調べさせることになりました。

 これは実験を阻止するためにクリスナーが仕込んでおいたのかなあと思いましたが、説明はありません。ますます訳が分からなくなります。

 地下の機械室へ赴いたエンジニアのウィリアムス(スティーブン・C・バーンハム)はあちこち調べて「うーん、おかしいな、どこも故障してないっすよ」この後、怪しいケーブルを見つけます。いかにも「さあ、触ってみんさい」といわんばかりの極太です(笑)。ウィリアムス、ぱっと触れると、びりびりびり、感電して死んでしまったとさ(大爆笑)。この後将軍の部下たちは必死にいろいろやってダウンしていたコンピューターを復帰させるのでした。ロスたちはウィリアムスの死に疑問を抱くのですが、まあ、この時点でこれ以上の進展はなし。これだけ盛り上がらない映画も珍しいですよ、本当。

 そのままようやく環境研究らしい実験が開始されます。それは人口の爆発的な増大による人間への心理的影響を調べようというもの。人口の急激な増大をシミュレートするのですが、その方法というのが、人間の数を増やす代わりに実験室がどんどん狭くなる仕掛けを使うことなのです。つまり実験室の壁が機械仕掛けでスライド、内側に迫っていく実験室なのですな。こんな大掛かりなもの使うくらいなら人間放り込めと思いますけれども(笑)。とにかくこの実験室にヴォランティアの皆さんを放り込みいろいろなセンサーをつけて血圧や鼓動の変化を記録するのであります。

 で、将軍がまたも「よし、こっちも実験開始だ」二人の部下が機械を操作。ブレインマシーンから怪しい波動がヴォランティアの皆さんの脳に送り込まれた!もうお分かりでしょう、ロスの実験はブレインマシーンのためのカモフラージュに過ぎなかったのです。実験を秘密裏に行うために環境の研究をすると偽ってヴォランティアを集めたのであります。だからロスたちのやっていることはみーんな無駄。実験室内部の監視カメラも将軍側に使われちゃって「あ、カメラが故障した、これじゃ中の様子が分からないぞ」という情けなさ。

 さあ、むやむやと送り込まれる怪しい波動。最初に影響を受けたのはミニー・リーでした。彼女はピストル自殺したと思しき父親の姿を見て「ぎゃーっ」悲鳴を上げるのです。次に怪しい電波を送り込まれたのがジャド・リーブス。びびびと体を痙攣させて見た夢はどかーん、だだだだだー、ぎゃー、お定まりのベトナム戦争。彼もひっと飛び起きます。すると、モリス博士がいる研究室のコンピューターがかたかたかたと動いて紙を吐き出した。なんだなんだと読んでみると「被験者NO1 結婚の前歴について質問せよ!」モリスははて?被験者NO1といえばミニー・リー、彼女は結婚してない筈だけど。しかし、このことを聞かれたミニーリーは真っ青。なんと彼女、確かに結婚はしていない、しかしボーイフレンドと赤ん坊作っちゃってたんですなあ。彼女は始末に困ったその赤ん坊を「殺したのよ、仕方なかったのよ!」わあ、陰惨な話になってきた(笑)。さらに「パパに見つかっちゃって、パパ殺しちゃった!」あ、あの彼女の夢らしい映像にでてきたパパは自殺した訳じゃなかったんだ。あの映像はコンピューターによって送り込まれたものではなく、コンピューターが彼女の脳波から読み取った記憶だったのであります。

 つまりブレインマシーンとは人の脳波を採取・分析してその内容を読み取ることができる装置だったのです。分かりにくいわ、こんなもん!

 続いてまたコンピューターがかたかた、次の質問を吐き出します。それは「被験者NO2 リーマン中尉殺害事件について質問せよ!」これはもちろんベトナム戦争の映像を抜き取られたジャドに対するもの。ジャド、絶叫します。「そんな俺は関係ない。中尉は自殺したんだ」錯乱した彼は止めようとしたウィリー・ウェストと殴り合い。もうどうでもいいや、こんな映画と思った瞬間(笑)コンピューターがオーヴァーロード。実験室に非常警報が鳴り響きます。この警報がうるさいといったらない。皆耳を押さえてのたうちまわるのです。「こりゃいかん」慌てたモリスは研究室を飛び出して仮眠していたロスを起こすのでしたって、あんた、こんな大事な時に寝てたのかい(大笑い)。ロスはサクソンを呼び出して「コンピューターがおかしいぞ、異常を調べてくれ」しかしサクソン、「いやー、壊れてはないけどなー」はい、そのまんま。

 この大騒動が一段落してまたまた実験再開です。将軍の命令で二人の部下がスイッチオン。今度の実験対象は神父です。むやむやと像が現れておー、これは女や、あー、こいつ、神父の癖に不倫してやがった。そして次に現れたのはミニーリー、あー、こいつ、ミニーリーの部屋に忍び込んで胸のボタンを、あー、そうか、あの痴漢はこいつだったんだ。またコンピューターがかたかた動いて「マーガレット・カーターの名前に対する反応を調べよ。また被験者NO1の部屋への侵入についても質問せよ」神父、これで切れちゃいました(笑)。彼は「不倫するとがいかんとやー!」まあ、いけないと思います。「夜中に女の部屋に忍び込んで胸のボタンを外すのがそんなにいかんとやー!」はい、いけません。「むきいいい、外に、俺を外に出してくれええ」錯乱した彼はフェイルセイフと表示されたボタンをがちゃん、押してしまったのです。

 これをカメラで見ていたロスとモリス、「うわああ、馬鹿、そんなの押すなあ」といっても押した後ですからね(笑)。とたんに実験室のドアが厳重にロックされてしまいました。おまけになぜか壁のスライド装置が作動してどんどん迫ってくる。大変だ、このままでは押しつぶされてしまうって、いやー、これは絶対フェイルセイフじゃないぞ(大笑い)。この時ようやくロスはサクソンからこの実験の本当の目的を知らされます。「ええっ、脳波から記憶を読み取るの、そんなの聞いてないよー」ま、ロスでなくても言いたくなりますな、こんなつんぼ桟敷に置かれたら。

 さあ、壁がどんどん迫ってくる。実験室の中にいたポートランド博士はいろいろいじってみるものの、壁は止まらない。どうしよう、逃げ場はないぞ、ようやく盛り上がってきたところでいきなりミニーリーがぶらーん。彼女は首をつってしまったのです。なんでこう盛り上がりをぶち切るような真似をしますかね、この映画の監督は(笑)。さらに恐怖のあまりまたまたジャドと神父が切れた!なかば発狂しかけていたジャドは神父をリーマン中尉と思い込んだのです。「貴様、中尉、今度こそ殺してやる!」首をぎりぎり締め上げます。慌てたウィリー、ジャドを止めようとして頭を金属棒でがん、ぶん殴るという・・・。そしたら頭蓋骨がへこんでジャド死んじゃった。神父も首絞められて死んじゃった。なんじゃ、こりゃ(大爆笑)。

 ロスは残った二人、ポートランド博士とウィリーに「実験室のセントラルコアに入れ。壁をぶち破るんだ」と指示。そしてセントラルコアの天井のハッチから彼らを救出しようとします。しかしそこで立ちふさがったのは警備兵。将軍の命令で研究室と実験室が隔離・封鎖されてしまったのです。いまさらこんなことしてどうしようというのでしょうか。ロス・モリス・サクソンは「手をあげろ!」と言われて降伏したふり。そして隙をみて警備兵に襲い掛かるとあっという間に拳銃奪い取っちゃった。弱い警備兵じゃのう。

研究室を脱出したロスとモリスは梯子を下ってセントラルコアの天井へ。ハッチをぱかりと開けて「おい、助けにきたぞ」あ、馬鹿が、二人ともハッチくぐって下におりやがった。するとパタン、ほらハッチ閉まっちゃったじゃないか(大笑い)。「わあ、出られなくなった」「あんたらなんで二人とも降りてくるんですか、馬鹿じゃないんですか」「しょうがないだろ、そんな映画なんだから」とかどたばたやっているうちにどかーん!何か良く分からないですけれども大爆発が起こってみんな吹っ飛んじゃった。ひとり研究室に残ったサクソン、ここで現れた将軍に向かって「将軍、大変なことになってしまいましたね、これはいくらあなたでも隠蔽できませんよ」「やかましい、死ね」あっさり拳銃で撃ち殺されちゃった。

 その夜のニュース、キャスターが「環境研究所で事故がありました。ロス博士と二人の助手、そして四人の被験者が感電死してしまったのです」このニュースを見ているのが将軍と冒頭出てきたきり、皆さん覚えていますかーの議員。二人は「将軍、いいかね、わしはまったく関係ないんだよ」「はい、良く心得ておりますとも、サクソンは他の部署へ異動させましたし、これは事故ということになりますから」「そうか、お主も悪じゃのう」「いやいや、お代官様にはかないませぬ」「誰がお代官様じゃ」この期に及んでサクソンを異動させたことにする将軍は何のつもりなんだか。エンドマーク。

こんな装置が国家存亡の危機に役にたつんかいの、ねえ。

カラー・スタンダード。モノラル音声。画質・音質どっちも駄目。ついでに映画はもっと駄目。12枚のDVD50本の SF映画が収録された「SciFi Classics Collection: 50 Movie Pack」の一本。 Digital 1 Stop DVD

         エロの冒険者 

       HOMEPAGE http://homepage3.nifty.com/housei/

      SFシネクラシックス 輸入DVDでみるSF黄金時代(笑)

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