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2006年5月28日 (日)

『Santo Contra las Bestias del Terror』(『サント対恐怖の野獣』 1972年)

 

Santo Contra las Bestias del Terror』(『サント対恐怖の野獣』 1972年)

 借金のために誘拐を企てる男女、しかし何故か死体盗みをしてゾンビを作ろうとする博士が登場、この男女が誘拐した女もろとも捕まってしまう、これにサントとブルーデーモンが絡んでという物凄い展開。これで面白いのかというと、それがそうでもないんですなあ。

おお、巻頭いきなり三人がかりにぼこぼこにされる男、ペドロ(アントニオ・デ・ハド)であります。実はペドロ、三人組のボス、ラッキー(クィンティン・バルナス)に大金借りておりまして「われ、こら、金かえさんかい、借りた金は気持ちよく返す、これが世の理やで!」と痛めつけられていた訳。このペドロを救ったのが彼の情婦、ノーラ(エルサ・カルディナス)であります。彼女は三人にピストルを突きつけて「やめないと、体中穴だらけにするわよ!」このブッソウな脅しにこらたまらんと逃げ出す三人組。

 でも、借金は相変わらず残っている、早く返さないと今度はぼこぼこにされるぐらいじゃ済まないぞ、ということでペドロ、ノーラと二人で「よっしゃ、金持ちの娘さらって身代金もらお、それで借金清算すればいいや」と決意したのであります。ここでオープニングクレジット。タイトル出ます。『Santo Contra las Bestias del Terror』、いちおうこの作品、サント映画のくせに贅沢にもマイアミでロケしているのでありました。

さて、オープニングクレジットが終わったとたん、道を歩いてくる美女スージー(アルマ・フェラリ)。ペドロ、何のためもなく彼女に襲い掛かって車に押し込みます。恐怖に顔を引きつらせる女にノーラが拳銃つきつけて、はい誘拐の一丁あがり。さらに一度売店に寄って公衆電話でスージーの身代金を要求します。スージーの姉はその要求を呑んで「払います、払います」「よっしゃ、これで明日には金が入るぜ」とペドロ、ノーラはにやにや。随分と簡単ですなあ。

 ここで新たなる登場人物。墓場から女の死体を盗み出す怪しい男達。なんだ、マイアミ来たってやっていることはいつもと同じじゃん(笑)、しかも御馴染みのカルロス・スアレズ(サントの助手のカリートスを演じていた人)が部下のロトやってるし。こいつらのボスがマシュー博士(ヴィクター・ジャンコ)という人で当然ながら死体を盗掘しちゃ、蘇らせる実験を行っているという・・・。ますますやっていることがいつもと同じ。しかも間抜けさ加減も変わらなくって死体を盗んで車で逃走したらパンクしちゃったというお粗末。ここにたまたまペドロたちの車が通りかかる訳です。ペドロ、売店からこっち車の中でラッパ飲みしていたラム酒のせいで尿意を催してやがる、車を止めてじゃーじゃーってバッカじゃねえの、お前(笑)。そんなことしているから博士たちにとっ捕まってしまったじゃないか。博士は「ひひひ、女が二人もいる、これは好都合だ」ということで車ごと三人をアジトに拉致したのでありました。

 連れ込まれるなりさっそくノーラと盗んできた死体をチューブやら電線でつないで何やら実験開始。博士、一人で盛り上がっております。「ふふふ、ローナ、お前の体から血とエネルギーを死体に注入するのだ。そして生き返らせるのだ、はははは」すると本当にぱちりを目を開ける女の死体。博士ますます盛り上がって「見ろ、見ろ、ついにやったぞ、私は奇蹟をなしとげたのだ」

 ぱっと画面が切り替わって本作の事実上の主人公である私立探偵トニー・カレリ(シーザー・デル・キャンプ)の登場。彼はダンサーで彼女のアルマ(イダニア・デル・カナル)といちゃいちゃしております。ここに電話が掛かってきて、これがスージーの姉、ローナ(マリア・アントニア・デル・リア)から。彼女は誘拐犯人からの電話が途絶えてしまったことを酷く心配してスージーの捜索をトニーに頼んだのであります。「よっしゃ、きっとスージーは大丈夫ですよ、きっと見つけてみせますよ」と安請け合いのトニー、早速聞き込みを開始します。まずブルーデーモン(やっと登場ですな)に会ってサントに協力を依頼、次にトニー、いきなりナイトクラブに行きまして会ったのがあのラッキーという凄い偶然。ラッキーは彼の情報屋だったのです。彼は高額の報酬を約束して、ラッキーに情報収集を依頼します。トニーが帰るなり電話をかけるラッキー。これがあなた、マシュー博士のところへですよ、そして「博士、気をつけてください、探偵がかぎまわってますぜ」だって、ご都合主義にもほどがある(笑)。

 この後、マイアミの街を車で延々走り回るトニー。サントも登場してやっぱり車で走り回る。そして無線で「トニー、何か見つかりやしたか」なんて聞いている。それからまた延々と車で走り回るという・・・、盛り上がりませんなあ(笑)。ここでわざとらしくあの墓地の管理人がサントの車を止めて「あー、サントさんですか、いやね、また死体が盗まれまして」って覆面レスラーに言わずに警察に連絡しろっての(大笑い)。

 さて、ラッキー、マシュー博士の部下、サンドロ(フェルナンド・オセス)を呼び出しまして、「なあ、お前、俺のおかげで随分稼いだよな、俺に借りがあるよな」この人は「借り返せ」ばっかりだ。「なあ、ペドロとノーラの居場所を教えるのだ。礼は弾むぜ」この会話をひそかに盗み聞きしているアルマ。場面はぱっと変わりましてマシュー博士の屋敷らしきところで監禁されているペドロとノーラであります。「早くここから逃げて身代金をとるのだ」ノーラはにやっとして「あのキチガイ博士は私に気があるみたい。彼を利用しましょう」「さすが、ノーラだぜ」二人は抱き合ってキス、ぶちゅぶちゅぶちゅちゅちゅー。ところが博士、この様子をこっそり覗いていたのであります。彼は部下達と共に部屋へ踏み込んで「そうは問屋がおろさないぞ」と叫んで二人を別々に監禁してしまいましたとさ。

 車内のサントとトニー。「ラッキーが情報を持ってくるはずだ」「しかし、彼が失敗したらどうするんで、あっしは何か別のやり方も考えておいた方がいいと思いますがねえ」こんな会話を交わしていると、子供が怪しい手紙を持ってきた。開いてみると、「何々、スージーを助けたくば午後11時にナイトクラブに来い」、「こら罠に決まってやすぜ」しかしトニー、頭を振って「いや、虎穴にいらずんば虎児を得ずという。危険をおかしてみる価値はあるってもんさ」「は、なんです、虎穴ってあの天気がよくなる奴ですかい」「それは高気圧だから」サント、悪いけれどもそのボケはあんまり面白くないや。

 再び舞台はマシュー博士の屋敷へ。どうやらここは地下の牢屋らしい。檻に入れられているペドロ。そして壁につながれている美女たち。実に怪しい雰囲気であります。博士はノーラを連れてきて、「あの女たちを見よ、わしの神経処置によって記憶も意思も失ってしまったのだ。彼女たちはわしの命令はなんでも聞くのだ。舐めろいうたら舐めるし股開けいうたら開くぞ」なんでいきなり下品になるんですか、博士(笑)。どうやらこの人、こういう女を外国に輸出して稼いでいるらしい。そして博士はノーラに「お前もあのようになるのだ。しかし、うひひひ、その前にお仕置きを受けるのだ、やれ、サンドロ!」サンドロ、ノーラを壁に繋いで鞭打つという・・・。博士は大いに笑って「そうだ、もっとだ、もっとやれサンドロ!」子供には見せられないシーンですなあ。この様子を見ているペドロはウキー、怒り狂うのですが何しろ牢屋に入れられているのでどうしようもありません。

 さて博士、ノーラをさんざん鞭打たせて気が済んだのか急にやさしくなるのです。彼はサンドロにノーラの縛めをほどかせると、「おお、ノーラ、許しておくれ、お前は素晴らしい女だ、こんな女をわしゃ、待っていたのじゃ」ここで博士、驚いてじっと見ているサンドロに気がついて「お前、何見てんの、さっさと探偵誘拐してこいっての!」

 そのトニー、ナイトクラブに来ております。一応あの手紙に誘い出されたのですが、ここは彼のガールフレンド、アルマの勤め先、トニーったら仕事のことを忘れて彼女といちゃいちゃ。困りましたな、これは(笑)。ここでボーイさんが「トニーさんですか、駐車場で人が待っておられます」この待ち人がサンドロやロトたちで、やっぱり罠であったと。のこのこ駐車場に出ていったトニー、拳銃突きつけられて拉致されてしまったのです。しかし、これをさらに見張っていたものがいた、それは我らがブルーデーモンだ。ということでブルーデーモン、悪漢たちの車を追跡。ついでに無線機で、「サント、どうぞ、サント、どうぞ、きゃつらは84号線を逃げている」と連絡。これを聞いたサントもトニー救出に向かうのです。

 廃車置場へトニーを連れ込んだ悪漢ども、彼の腹にぼすとパンチを入れて「ええ、どこまで知っているんだ、おとなしく話しやがれ」しかし、悪漢どもの威勢が良かったのはここまで。「おめえらの所業、おてんとさまは見逃してもこのサントが許さねえ!」サント、ブルーデーモンが到着したからです。たちまち起こる激しい肉弾戦。悪漢ども、結局サント、ブルーデーモンには適わず拳銃を乱射しながら逃げ出してしまいます。この時ロトが大声で「急げ、サンドロ!」あ、馬鹿だね、自分達から正体の手掛り与えてどうするの。サントはトニーの縄をほどいて「あっしはメキシコシティへ行きます。ブルーデーモン、その間、トニーを頼んだぜ」「まかせておけ」頼もしく頷くブルーデーモン。

 この後、夜の海岸で怪しい船に精神処置をした女達を引き渡すマシュー博士、外国に女達を売り飛ばしているのでありましょう。一方柔道家の知人のところへ行って昨日聞いたサンドロという名前に聞き覚えがないかと尋ねるブルーデーモン、人の良さそうな柔道家、その名前を聞くなり「何言ってんだよ、ブルーデーモン、そりゃプロレスラーだった奴じゃないか。忘れたのかい」サンドロ、プロレスラーから怪しい博士の部下という絵に描いたような落魄ぶりですな。トニーはトニーでマイラからサンドロのことを聞いております。「ラッキーは彼からスージーの居場所を聞き出すと言っていたわ、ラッキーは危険よ、あいつは自分の母親でも裏切る奴なの、気をつけてね、ダーリン」 この情報を総合するとサンドロというのはスージーの居場所を知っていてラッキーと通じている、そしておまけに元プロレスラー。前の二つはともかくとして最後の元プロレスラーというのはあんまり役に立たない情報かと思うのですがね(笑)。

 そしてトニーはマイラの手引きによってサンドロと会うことに。またブルーデーモンはこんな時でもプロレスの試合。相手は大層な乱暴者、フェルナンド・ガリンドであります。まあ、この試合は定石どおり3本勝負のうち、2本を取ってブルーデーモンの勝利。するとぱっと場面が変わって檻に監禁されているペドロと博士になります。「ふふふ、死ぬ時がきたぞ、ペドロ、さあ、サンドロ、犬を連れてこい」なんと、博士は凶暴な犬を三匹ばかりペドロの檻に放り込んだのであります。「わんわん、わわわん、わんわんわん」「ヒーッ!」ペドロ、ひどいことにずったずったのぎったんたんになってしまいましたとさ。「わはははは」物凄くウレシソウな博士、「これでノーラはわしのもんじゃい」

 トニーはサンドロと会うためにナイトクラブに赴くのですが、まあ当然ながらマシュー博士の部下達に襲われる訳です。ここにブルーデーモンも駆けつけてきて、どったんばったん取っ組みあい。その間ナイトクラブの中ではサンドロがスージーたちの居場所をラッキーに一万ドルで売っちゃった。本当は5万ドルだったのですが、「今は金がない、これを手付けにしとけ」と誤魔化されてしまったのです(笑)。絶対後から残りの金しまい払うつもりなんかないのにね。サンドロはプエルトリコへ逃げ、ラッキーは「これでスージーを助け出せば報奨金がたんまり入る」とほくほくしたのでありました。そうはさせじとサンドロの後をおってプエルトリコへ飛ぶブルーデーモン。

 ここでようやくサントが物語に復帰します。とりあえずプロレスの試合をやってから(笑)メキシコに戻ってくると。そうしてトニーと合流して車に乗り込み「そうですかい、サンドロという男が鍵ですかい、しかし、トニーの旦那、もっと大切なことがありやすぜ」トニーはその大事なことってなんだと聞き返すのですがサント黙して語らず、車をスタートさせたのみ。まあ、どうせたいしたことじゃないのでしょうが。ブルーデーモンはプエルトリコのホテルの廊下でサンドロとおっかけっこ。ホテルにしてみれば迷惑な話です。ようやくサンドロを捕まえて取っ組み合い。ズドーン、なんと懐からピストルを取り出したサンドロ、誤って自分の腹を撃ってしまったのです。たちまち瀕死となるサンドロ、ブルーデーモンは「サンドロ!スージーはどこにいるのだ!」「彼女はマシュー博士の家にいる・・・」がく、サンドロ絶命という一幕。

 この辺から事態は急展開。ノーラとスージーは誘拐犯とその被害者という立場を超えて協力しはじめます。スージーにすればここから逃げ出すためには猫の手も借りたい、ノーラにしてみればスージーを助け出せばローナからたんまり礼金が入る、こうして両者の利害が一致した訳ですね。で二人が考えた方法というのが言わずとしれた色仕掛け(笑)。スージーに気があるらしい部下のパウロをたらしこんでしまおうというのです。食事を持ってきたパウロに胸をがーっと開けて迫るスージー、ダボハゼよりも簡単に食らいつくパウロ、あっという間にめろめろとなって二人に檻の鍵を渡してしまいます。

 この間、サントは相変わらず死体盗みを続けている博士の一味の車をつけてはい、マシュー博士の屋敷をつきとめたのであります。どうも良く分かりませんがサントの言っていた「大事なこと」ってのはこの死体盗みのことだったんですかねえ。やっぱりたいしたことなかったですねえ(笑)。

 サントはブルーデーモンを呼び出し屋敷へ向かいます。トニーも警察に応援を要請します。さらにラッキー一味も屋敷へ。なんだかややこしいことになりました。

 スージーとノーラは逃げ出そうとするのですが、その前にペドロを助けなくちゃ。檻へ行ってみると、わあ、ペドロがずったんたんのぎったんたんだ!「ペドロ」と泣き喚くノーラ、そして博士が現れて二人は再び囚われの身になったのであります。ノーラが自分を裏切った!激怒する博士。まあ、この人もノーラの色仕掛けにしてやられただけなのですが(笑)。彼女を手術台に縛り付けて「くそ、この売女め、強酸でその顔をぐしゃぐしゃにしてくれるわ」ひー、恐怖の叫びを上げるノーラ。スージーも手近の柱に縛り付けられて身動き取れません。二人とも大ピーンチ、サントはまだか。しかし、意外なことに二人を救ったのはパウロでした。彼はどこからか持ってきた金属のパイプで博士の頭をごんっ(大笑い)。博士、ピストル反撃、パウロは撃たれてしまいます。しかしひるまないパウロ、再び博士の頭をごんっ!昏倒させてしまいます。そして最後の力を振り絞ってスージーの縛めを解いてやったのです。そのまま息絶えるパウロ。スージーはそんなパウロにまったく目もくれずって、ヒドイ、ノーラをつれて再び逃げ出します。

 ここでようやくサント・ブルーデーモンが到着。博士の部下達と戦います。ラッキーたちも来たのですが、戦っているサントたちを見て、「こりゃ、やばい、裏へ回ろう」しかし、トンマなことにトニー・警察隊と鉢合わせして、みーんな射殺されてしまうという・・・。この時ようやく屋敷からスージーとノーラが飛び出してきた!しかし彼女達は三度博士の部下に捕まってしまうのです。頭に大きなコブをこさえた博士も出てきて「畜生、もう金輪際逃しゃしねえからな、覚悟しやがれ」でも逃げようとしたところで警官隊にピストルで撃たれて博士死んでしまうというお粗末。おまけにノーラも流れ弾受けて死んじゃった。トニーたちに同行していたローナがスージーにすがり付いて「ああ無事で本当に良かった」と泣き崩れ、サントとブルーデーモンが硬い握手を交わして車に乗り込んだところでエンドマーク。

 あのすみません、この映画のタイトル『サント対恐怖の野獣』なんですけど、結局野獣は出てこなかったですよね。まさかあの犬たちが野獣なんてことはありませんよね。

 カラー・スタンダード。画質はノイズが多くて見づらくとても良好とは言えません。一方音質はなかなかのもの。英語字幕もついてます。COLECCION GRANDES CLASICOSシリーズのDVD

エロの冒険者
       HOMEPAGE http://homepage3.nifty.com/housei/
      SFシネクラシックス 輸入DVDでみるSF黄金時代(笑)

   バックナンバーはこちらhttp://homepage3.nifty.com/housei/SFcineclassics.htm

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