« 『Abbott and Costello Meet Jeckyll and Hyde』 1953年 | トップページ | 『ロイドの用心無用』(『Safety Last!』 1923年』) »

2006年6月29日 (木)

『Abbott and Costello Meet the Keystone Kops』 1955年

 

Abbott and Costello Meet the Keystone Kops』 1955

 A&Cがキーストン・コップスと競演!他にも馬車によるおっかけ、飛行機での大アクションシーンなどなどえらく盛りだくさんの映画で実に面白い映画であります。冒頭、あからさまな詐欺にひっかかるA&Cもお間抜けでもう最高。

警告、警告、このDVDのリージョンは1です。したがって日本国内のDVDプレーヤーでは再生できません。警告、警告。

時は1912年、世はサイレント映画花盛り。今日も今日とてコステロ、劇場で映画に見入っております。赤ん坊をつれて雪の荒野を逃げる女、犬を使って追う悪漢ども。追い詰められた女は大河を流れる流氷に飛び乗ります。コステロ、もう滂沱の涙。そして「頑張れ、ちくしょー、そんなひどいことを、そんなの僕が許さないぞ!!」あんまり騒ぐもんで警備員にたたき出されてしまいましたとさ。

 さて、コステロ、おばさんに届ける5,000ドルを持っていたのですが、ここでアボットから悪魔の誘い。新聞の広告をみた彼が「おい、コステロ、これ見ろよ、一流の映画スタジオが5,000ドルで買えるってさ、これで俺達も映画作って大儲けだぜ!」コステロもほいほい乗せられて売主のジョセフ・ゴーマン(フレッド・クラーク)とロレッタ・ヴァン・クリーフ(リン・バリ)に会うことになりました。このジョセフ・ゴーマンがまた調子のいい野郎で「いやー、あなたがたは幸運ですよ、私はね、西海岸と東海岸のそれぞれに一つずつスタジオ持っている、でも二つを往復するの大変、だから売るのです、分かりましたか」「分かりました、分かりました」と頷くA&C。ゴーマンはさらに「ほら、これがお売りするスタジオです、ほらね立派なものでしょ」「あのー」コステロが手を上げて「ここにエジソンって看板出てますけど、これ何スカ?」「おー、エジソン、それは私のミドルネーム」ってウソつけ(笑)。つまりは詐欺だったのです。

 まんまとA&Cにエジソンスタジオを売りつけ5,000ドルを毟り取ったボーマン、ヨーロッパの映画監督セルゲイ・トゥマノフと名前を変えてロレッタと一緒に逃げちゃった。一方、さっそく「A&Cスタジオ」の看板を拵えてエジソンスタジオに向かった二人、警備員のおじさんから「やあ、またきただね、カモが」と言われて仰天。ようやく自分達が騙されたことに気がついたのでした。他にも騙された奴がいっぱいいてその数だけ看板が残っているというギャグがケッサク。

あわててボーマンの行方を捜しますが判明したのは彼らがLAに向かったということだけ。「LAたって広いよ、見つかるかなあ」不安そうなコステロをアボットが張り倒します。「ばか、なんとしてもあの詐欺師めを見つけて金を取り戻すんだ!」って最初に騙されたのはあんたやんか(笑)。

 LAに行くといっても金はなし。そこで二人は線路をたどって歩き始めます。そこで早速発揮されるコステロのドジ能力(笑)。線路に足を挟まれてしまったのです。しかも列車が来た!まっさおになったA&C、アボットが慌ててポイントを切り替えようとするのですが上手く行きません。列車はどんどん近づいてきます。危うし、コステロ、しかし彼は大丈夫でした。轢かれる寸前になんとか足を引き抜いたのです。しかしアボット、いきおい余って転倒したコステロを見て「ウワー、轢かれちゃったよ、コステロ、大丈夫か、しっかりしろ、俺がLAまで負ぶって行ってやる」この後、ずっとコステロを背負って歩くアボット。おお、たまにはやさしいことをしますな、この人も(笑)。この二人を見つけたのが馬車のおじいさん。親切にも「乗っていくかね」と声をかけてくれたのです。すると意識のない筈のコステロがぱちっと目を開けて「うん、乗る、乗る」アボット、コステロを放り出して「われ、目ぇ覚ましとるやないけ!」

 馬車のおじいさんには「俺達、もっと早くにLAに行きたいから」と断って二人の旅は続きます。浮浪者の残していったパンを齧ったり、逆に浮浪者たちに服やなけなしのお金をとられたり、貨物列車の車掌とサイコロばくちやって浮浪者が残していったイカサマサイを使って大儲けしたりして、ようやくLAにたどり着いたのです。「やったー、はるばるきたぜ、LA」と喜ぶ二人ですが目の前をあのおじいさんの馬車が通り過ぎていくではありませんか。「なんだ、あの馬車の方が早かったのかよ」

 それならやっぱり馬車に乗せてもらおうということになって後ろから飛び乗るのですが御者台にいたのはおじいさんとは似ても似つかぬ屈強な男が二人。「あれ、ヘンだな」二人が首をかしげた瞬間、後方から馬に乗ったインディアンの一団が現れ襲ってきたのです。御者台の二人はライフル銃で応戦するのですが矢で射殺されてしまいます。「わあ、大変だ」慌てたA&C、御者台に移って馬車を走らせるのですが・・・。はい、当然ながらこれは映画の撮影だったのですね。しかも監督していたのがあのジョセフ・ゴーマン=セルゲィ・トゥマノフ。偶然ですねえ(笑)。彼はLAへの逃亡中にアマルアルガメーラ社の社長、ルドルフ・スナーベリー(フランク・ウィルコックス)にスカウトされていたのです。当然ながらロレッタもインディアン娘の役でこの映画に参加しております。

 本物のインディアンに追われていると勘違いしたA&C、むちゃくちゃに馬車を走り回らせます。しまいには崖の間をびゅーんと飛び越したってそりゃいくらなんでも無茶や。セルゲィは「わたしの映画がムチャクチャになりましたデス」とカンカンなのですが、スナーベリー社長はいたく感激。「なんてすごいスタントだ」はい、A&C、スタントマンとして雇われることになっちゃいました。この展開はいいですなあ(笑)。二人をみてぎょっとするセルゲィ。なんとか取り繕って「ふむ、ヨロシイ、私が面倒見るデショウ」 何の面倒を見るつもりなんだ、コラ。

 ちなみにA&C、つけひげで妙なアクセントで喋るセルゲィが捜し求めるゴーマンだとは気がついておりません。ロレッタにも「僕、どこかで君と会った様な気がするんだけど」とコステロが尋ねたのみ。もちろん、「会ったことなんてないわよ」の一言で済まされちゃってます。んー、セルゲィはともかくロレッタには気がつけよ、A&C

 さて、A&Cの二人をスタントマンとして使うことになったセルゲイ、さっそくコステロに「ロレッタのダブルで飛行機に乗るデス!空中戦のシーンを撮影するデス!」もちろん、ただの飛行機じゃありません。セルゲイの部下ハインズ(マックス・ローゼンブルーム)が操縦かんに細工した奴です。彼はセルゲイにこっそりと「くくくく、操縦かん抜けるようにしておきました。おまけに機銃を撃つ飛行機には実弾積んでおきましたから、あいつらイチコロですよ、うひひひひ」セルゲイは「良くやった、イチコロか、むひひひひ」どうにも悪い奴らですなあ(笑)。

 セルゲイ、コステロにシーンの説明をします。「ロレッタのインディアン娘、ワシントンへ飛びマス、アメリカ政府とインディアンとの仲良し条約を結ぶためデス、しかし、それ面白くない人いる、そこで追っ手を差し向けてゲキツイ企みマス!」これを聞いたアボット、「いやー、そんな時代に飛行機あったのかね」「ウルサイ!」どなりつけるセルゲイ。「細かいこと気にする、それあなたの悪いクセ!」さらに続けて「飛行機、サンセットに向かって飛びます、ベリー、とても美しいシーン」ここでコステロ、「ワシントンだから東でしょ、太陽は沈まないと思うけどなあ」「ウルサイ!」どなりつけるセルゲイ、「私の映画では太陽、いつも東に沈んでイル!」説明になってないですけど。

 アボット、パラシュートを背負ってよろよろしているコステロを補助するために飛行機へ。なんとか彼を後部座席に押し込みます。さあ、降りようとしたその瞬間、しのび寄ったハインズが車輪止めを外しちゃった!パイロットがまだ乗り込んでいないのに飛行機滑走を始めちゃったのです。機上のA&C、大慌て、「コステロ、お前操縦できるか」「できる訳ないじゃん!」そうこうするうちに飛行機は飛び上がっちゃった。セルゲイもカメラマンを連れて飛行機で舞い上がります。あくまでも映画撮影中の事故にするためですね。

 さあ、大空をむちゃくちゃに飛び回るA&Cの飛行機。アボットはハインズの狙い通り操縦桿を引っこ抜いてしまって「きゃーっ」、またコステロが操縦席から転がり出て尾翼にしがみつくのはお約束(笑)。セルゲイ、なんともうれしそうにこれをカメラマンに撮影させております。やがて空中戦の場面、ハインズによって銃弾を実弾に変えられたことなど知らない銃撃担当のパイロット、何のためらいもなくA&Cの飛行機をずどどどど、「うわあ、これ、実弾じゃん」でももう後の祭り。撃たれたA&Cの飛行機は地上へ向かってまっさかさま。たまらずアボット、コステロからパラシュート奪ってってひどいなあ(笑)。機から脱出、コステロも後に続いてアボットにズボンにぶら下がった。「うわあ、よせ、離せ」「離したら死んじゃうっての!」やがてアボットのズボンがびり、びりりり。カメラマンは撮影しながらわっは、わっは、と笑っております。セルゲイ、カッとなって「これはコメディ違うデス!」と怒ったりなんかしております。

 A&C、そのまま海へどぼん。カメラマンが心配して「どうやって助けるんすかね」セルゲイ、無責任に「潜水艦が浮上してきたりして」すると本当に潜水艦がA&Cを乗っけて浮上してきたという・・・。

 結局A&Cの暗殺は失敗。おまけにこの時撮影したフィルムを社長の前で映してみると、なぜか映写技師が大笑い。アボットのズボンがびりびり破れるくだりになるともうたっておられず床をのたうち回ってひいひい言ってます。セルゲィ、またもカッとなって「これはコメディ違うデス!」しかし、ここで社長が大英断。「よし、あの二人を我が社の新コメディチームにしよう。セルゲイ、彼らを使ってコメディを撮影するのだ」セルゲイ、憤然となって「わたし、コメディ違う、ドラマ専門、そんなの困るデス!」すると社長はにやりとして、「分かっているんだよ、君、ゴーマン君」セルゲイ、ぎくっ。「カツラ、ひげ、そしてその奇妙な言葉のアクセント、上手く変装したものだ」セルゲィ、ぎくっ、ぎくぎくっ。「私は君の指紋を警察に送って調べて貰ったのだ。なんだな、ゴーマン、君はいろんな人から金を騙し取っていたんだってねえ。そこで僕は君のために被害者たちと協定を結んだのさ。君はこれから映画を作る。そして毎月の給料から被害者たちに金を返していくんだ、いいね」

 さあ、えらいことになった。セルゲイ、いや、ゴーマン、慌ててハインズ呼び出して「状況が変わった、あのデブとヤセを殺すのはヤメだ」 一方、ひょんなことからセルゲイがカツラだったことを知ったA&C、彼がゴーマンではないかと疑い始めます。「じゃあ、夜奴の家に忍び込んで証拠を探そうということになるのですが・・・。さて、警官に扮したコステロ、覆面被って強盗に扮したアボット、「万が一捕まってもコステロの警官が来れば問題なし作戦」の開始であります。さっそくセルゲイ邸に忍び込もうとするアボットですが、悪いことに先客がいた。アボットと同じ格好、畢竟こそ泥なんて同じような格好になるものです、おまけに覆面までしている別の泥棒です。彼はあっさりゴーマンに見つかってお酒の壜でガンとやられて昏倒します。そして電話を取り上げて「オペレーターさん、警察へ繋いでクダサイ」とたんに、玄関の呼び鈴がなって警官のコステロが現れると。「な、なんだ、早いね」呆然とするセルゲイ(笑)。「いや、もうそれが我々のモットーですから」、コステロはアボットと間違えて泥棒をひっかつぎ、「じゃ、どうもさようなら」しかし玄関を出たとたんに意識を取り戻した泥棒に殴られ昏倒します。

 さて、ようやく窓を破ってセルゲイの家に侵入したアボット、しかしすぐに見つかって酒の壜でガン。セルゲイ、呆れて「何デスカ、もう逃げ出してまたきたデスカ」警察を呼びます。今度やってきたのは本物の警官。またこれがコステロが扮した警察官にそっくり。セルゲイ、当然同一人物だと思い込んで「まったくもう逃がさないでクダサイ」本物の警官はそんなこと知りませんからけげんそうに「はっ、本官は逃がしてなぞおりませんが」とにかくアボットを警察の護送車に放り込んで連行しようとするのですが、どーん、発進と同時に後部ドアを破ってアボットが飛び出してきた。彼はまたセルゲイの自宅へ向かいます。ええ、この後、こういうことが延々と繰り返されるのです(笑)。

 同じ泥棒が捕まえても捕まえても逃げてやってくる。そしてその度に同じ警官がやってくる、これが繰り返されてセルゲイ、頭に来ちゃった。ついに夕食のターキーの皿を持ったまま、やってきたコステロに「わたしをいい加減に休ませてクラサイ! Let Me Have a Little peace!」、コステロ、「はっ、何スカ?」「だから休ませナサイ言っているんデス!Have a Little peace!」「あ、一切(piece)れいかがってことですね」コステロ、ターキー食っちゃった。「もふもふ、これは美味しいターキーですなあ」この手間が掛かった割に今ひとつ面白くないギャグにセルゲイズッコケます。

 その翌日、ハインズがこんなことを言い出した。「あれでしょ、映画の制作費が75,000ドル、社長の金庫に入っているんでしょ、それ頂いてトンズラしましょうや」一度は社長の提案どおり真面目に金を返すつもりだったセルゲイ、いやゴーマン、もともとこつこつ働くのが嫌いな性分ですからあっという間に心変わり。「よーし、いっちょ、ぶわーっとやったろうか」真昼間からロレッタと二人で金庫破りであります。当然ながらその現場を何故か警察官の格好をしたA&Cに見つけられると。「ややや、お前はやっぱりゴーマン、それにその女はなんだ、そうだ、ロレッタだ、やっと見つけたぞ」ゴーマンとロレッタ、二人を金の袋でぶん殴って逃走します。

 後を追うA&C、「警察はいないか、警察、悪党が逃げ出したぞ!」そこにいたのがキーストンコップスだったという。キーストンコップスの一団、二人の願いを快く聞き届けて映画撮影用の警察車両でA&Cともどもゴーマンとロレッタを追跡するのです。それからなつかしのサイレント時代のどたばた喜劇。キーストンコップスのトラックはカーブを曲がるたびに二台の警察官達を振り落とします。警官たちはわらわらと起き上がってトラックの荷台へ。何事もなかったかのように走り出すのがスゴイ。A&Cは途中で落っことされますが郵便配達員のサイドカーを奪って追跡を続行。このサイドカーが木に激突して左右泣き別れになるのもお約束ならば、またくっついて元に戻るのもお約束。

 その後も線路で立ち往生したキーストンコップスのトラックをみんなで「ひっぱれ、ひっぱれ」「いや違う、押すんだ」と両側から引っ張った挙句真ん中から切れて列車が通過。その後、前後を繋ぎ合わせて走り出すギャグ。A&Cのサイドカーが農場に突入、干草の山に突っ込んでそのまま走ると怪奇、走る干草の出来上がり。これを見た案山子が慌てて逃げ出したり、一杯やりながら作業をしていた老人がこりゃいかんと酒瓶叩きわったりするギャグ。まあ、いろいろやってくれます。

 最後に飛行場へ突っ込んだゴーマンとロレッタ、愛用の飛行機で逃げようとしますが、ついにコステロたちに捕まってしまった。後から社長が本物の警官隊を連れて現れついにこの稀代の詐欺師コンビは逮捕されてしまったのです。悄然として警察の護送車に乗り込むゴーマンとロレッタ。護送車には先客、すでに捕まっていたハインズです(笑)。コステロは取り返した金が入っているカバンを高く掲げて「どうです、僕たちはあなたのお金を守りましたよ」と叫んだ瞬間、ゴーマンの飛行機のプロペラから発せられた風で札束がぶわわと吹き飛んでまたまた大騒ぎというオチで映画は終わります。

 ラストのおっかけは凄いの一言。本当に猛スピードで走るトラックの荷台から人間がばらばら落ちている。こんな映画でムチャやりますなあ(笑)。また劇中で喜劇の王様、マック・セネットが本人の役でカメオ出演しているのもウレシイ。

 モノクロ・スタンダード、モノラル音声。両面二層のディスク2枚に映画と特典が収録されている良心的な仕様。画質・音質は文句のつけようがなし。素晴らしいですね。英語字幕付 Umvd のDVD。

|

« 『Abbott and Costello Meet Jeckyll and Hyde』 1953年 | トップページ | 『ロイドの用心無用』(『Safety Last!』 1923年』) »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 『Abbott and Costello Meet the Keystone Kops』 1955年:

« 『Abbott and Costello Meet Jeckyll and Hyde』 1953年 | トップページ | 『ロイドの用心無用』(『Safety Last!』 1923年』) »