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2006年8月31日 (木)

『The Astral Factor』(1976年)

 

超能力実験の末に自分の姿を消す能力を身に着けた殺人犯が、病院を脱走。その能力でもって自分に不利な証言をした女達に復讐を開始!という映画なのですが、断言しましょう。あなた、こんな映画見てると結婚できなくなりますよ。一生を棒に振りますよ。早く目を覚まさないと取り返しのつかないことになってしまいますよ。

ここはカリフォルニア州立病院、その一角に牢屋がしつらえてあって精神にモンダイのある(有体に言えばキチガ×)犯罪者が収容されております。ここでヨガのポーズで瞑想している男が一人。実の母親を絞め殺した罪で収監されているロジャー・サンズ(フランク・アシュモア)。夜の夜中に何やっているんだと思っておりますと、突然彼の体が緑色にぴかぴか輝いてあっ、透明になった!この出来事を偶然目撃した黒人囚人がびっくり。「うわああ、お前、一体何してんねん!」ロジャーはふっと姿を現すと「お前、よけいなこと言うたら殺すど」「へへん、牢の中やで、殺すっていったいどないするつもりじゃ」するとロジャーの目がぴかーっ。黒人のかけていた眼鏡のレンズがぱきっ(大笑い)。黒人は転がりまわって苦悶しはじめたのでした。「ひー、やめてんか、誰にもいわへん、堪忍しとくんなはれやー」どうやらこの男、透明になれるばかりか念力まで使えるらしい。

 この騒ぎを聞きつけた警備員が「こら、お前ら、 静かにせんかい」ここでロジャー、再び精神を集中。透明になります。警備員は空っぽの牢を見てびっくり。「ややっ、ロジャーの奴が脱走じゃ」中を調べようと入ったところでがちゃん、透明ロジャーに閉じ込められてしまったのです。「うわー、えらいこっちゃ、助けてくれー」他の警備員達がぞくぞく駆けつけてくるのですが、うかつにもドアを開けっ放しにしやがった。ロジャーはそのドアを通って難なく脱走に成功したのです。

 墓地まで来て姿を現したロジャー。ある墓の前にひざまずいて「母さん、母さん、僕は戻ってきたよ」どうやらここは彼の母のお墓のようですな。彼の記憶の中で母親が叫びます。「これからパーティに行くの。だいたい私には息子なんかいないことになっているのよ。戻ってこられても困るの!」ひでぇ母親だなあ(笑)。ロジャーが思い出し怒りに身を震わせているとやってきたのが墓地の警備員。「こら、お前、夜中にこんなところで何やっとるのや」またまたロジャーの目がぴかーっ。警備員、目に見えぬ何かに押されて埋葬に備えて掘られていた墓穴にどてっ。さらに脇に詰まれていた土がどさどさと降り注いで警備員を生き埋めにしてしまったのでした。

 さて、この後ロジャーはどうするか。透明になれるんだからお風呂屋に忍び込んで女湯覗こうか。それともポルノ映画を無料で覗くか、道路に寝転がって若い女のスカートの中を覗こうかって、あんた、覗いてばっかりですな!まあ、当然ながらこういうことにはならず、ロジャーはある女の後を付回すのでした。彼女の名前はダーリン・デロング(スー・リオン)、ロジャーの母親の友達で裁判でロジャーに不利な証言した5人の女達の一人だったのです。デロングはゴージャスな彼女のマンションへ戻ります。ロジャーはすかさず透明になって彼女の後を追い、まんまと部屋に潜入したのでした。そうとは知らぬデロング、バスタブにお湯をためてお風呂タイム。優雅に石鹸で体を洗っておりますと、透明のロジャーがすいと来て「ハロー、母さん」透明のまま彼女の首を絞めて殺害したのであります。
 
 さっと場面は変わってテレビで白黒のスラップスティック映画を見ている男。チャールズ・バレット警視(ロバート・フォックスワース)であります。傍らの電話がなって取り上げると「警視、殺人ですわ。すぐ来とくんなはれ」バレットはがくっとして「わしは休暇中やぞ」「それでも来とくんなはれ、これは警部の命令ですのや」しぶしぶながら起き上がるバレット。彼は服を着替えて妻のキャンディ(ステファニー・パワーズ)に「じゃ、行ってくるわ」。ちゅっとキスして出かけます。

 そして現場であるデロングの部屋へ。検視官といろいろ調べていくうちにバスルームのドアノブと電話に怪しい指紋を発見。これが脱走したロジャーのものであることがすぐに分かってしまうのがいいですな(笑)。奴は何らかの方法を使って自分を透明にして脱走、殺人を犯したらしい。バレット警視はすぐさまロジャーが犯人であると判断。彼の裁判のいきさつから「こら、あかん、他の証言者たちも襲われるわ!」ということで直ちに証言者の保護と護衛に取り掛かるのです。彼は部下のホールト刑事(マーク・スレイド)に「お前、ロクサーン・レイモンド(レナタ・ヴァシール)いう女を捜さんかい。わしはクリス・ハートマン(エルク・ソマー)を引き受けるから」

 どたばた駆け回った末にクリス・ハートマンの護衛体勢を完了、ホールトからも「ロクサーンはプロのダンサーですわ、彼女の出演している劇場見つけましたわ」という報告も来て一安心。バレットはロジャーを担当した医者から彼についての話を聞くことになります。その結果、ロジャーは母親から息子である自分の存在を徹底的に否定されて彼女を絞殺したこと、彼女の友達を殺すことによって母親殺しを再体験していること、彼は超能力に関心を抱いていたこと。また彼に対して何らかのESP実験が試みられたこと、などが判明します。特にESP実験ではロジャーはいきなりぶっ倒れて失神、死んだかと思われたのですが、20分後に回復したというのです。これが彼の超能力を目覚めさせる結果になったのではないかと言うのですが、どうも捜査の役には立ちそうにない証言ですなあ(笑)。

 バレットはホールトを連れてロジャーの母親の家に。偶然にもそこにいたロジャーってご都合主義にもほどがあります(笑)。ロジャーは彼らの来訪を知ってすぐさま透明になるのでした。そして二階から飾りの石膏像をびゅんと投げつけるのです。バレットたちはこれを交わして拳銃で応戦。しかし何しろ相手は透明人間、弾が当たるはずもなくあっさり逃げられてしまったのでした。しかしロジャー、寝室になぜか「殺すべき女のリスト」を残していました。そのメモにはすでに御馴染みのデロング、クリス・ロクサーンのほかにコリーン・ハドソン(レスリー・パリッシュ)という名前が。バレットはホールトを呼んで「コリーン・ハドソンを探して保護するのや」でもコリーン・ハドソン、あっさりロジャーに殺されてしまうという…。

 わざわざ自分の目標を警察に教えてしまったに等しいロジャーのメモ。間抜けですが、こんな確かな手がかりを得ていながらコリーン・ハドソンを保護できずあっさりロジャーに殺させてしまう警察もなんなんだかなあ(笑)。

 やっと休みが取れて自宅へ戻りキャンディから今日はあなたの誕生日よと知らされるロジャー。キャンディはミョーに張り切って「だから私手作りのケーキ作ったのよ」このケーキとやらがまるでゴムのよう。ロジャーが実に不味そうにケーキを食うというあんまり意味のない場面がえんえん続きます。さらにキャンディと酒を飲んでベッドイン。バースディファックと洒落込んだのでした。しかし、夜中過ぎにやってきたホールトにたたき起こされてコリーン・ハドソンが殺されたことを知らされたバレットは愕然。寝不足に呻きながら出動することになります。

 一方、ロジャー、今度はロクサーンが出演している劇場へ。裏口を伺っていたところをパトロール中の警官に誰何されるのですが、またまたロジャーの目がぴかー。パトカーを遠隔操作して警察官をひき殺してしまったのです。どうもいろいろ便利に使える超能力ですね。邪魔者を排除したロジャー、劇場に忍び込みます。

 ロジャーがロクサーンに迫る。ロクサーン危うし!でもバレットはのんびりしたもの。ゆっくりゆっくり着替えをして、それから出かけると思いきやキャンディと一緒にコーヒーを一啜り。まったく意味のない場面であからさまな時間かせぎです。ようやくキャンディにお別れのキスをして外に出たバレット、劇場に急行するかと思いきやホールトに「お前、劇場に行け。ロクサーンにぴったり張り付いて絶対目を離すのやないぞ。必要だったらトイレも風呂も一緒に入れ」ってムチャなこと言ってる(笑)。自分はどうするのかというと、なぜかESP研究所というところに行ってドクター・オーマー(アレックス・ドレイラー)にテレキネシスの実験というか実演を見せて貰うのでした。「すると離れたところから犠牲者の首を絞めることもできよる訳ですな」とたんに張り切るバレット。すると今までの犯行は透明になったロジャーがテレキネシスで首を絞めていたってことなのかな。なんかよく分かりませんが、まあどうでもいいじゃありませんか。

 このあんまり意味のない場面が終わってようやく劇場に行くかと思いきやクリス・ハートマンの屋敷に立ち寄るバレット。警護のためとはいえ屋敷に閉じ込められるのに飽き飽きしたクリスは「うち、外へ出たいのん、ドライブがしたいのん」と彼に訴えるのです。もう面倒くさいからこんな女好きにさせとけと思いますがバレットの立場としてはそうはいかないようで「ま、もう少しの辛抱です。我慢しとくんなはれ」と懸命に彼女を説得するのでした。ここもほとんど意味のない場面だなあ。

 ようやく劇場にやってきたバレット。すでに公演が始まっております。ずーっと彼女に張り付いていたホールト、「彼女はこれから生贄の役やります」その時、舞台脇のドアがすーっと開いて見えないけど、ロジャーの登場。警備員はあれ、ドアがひとりでに開いたぞと不思議そうな顔をするのみ。そして舞台では磔台に鎖で縛り付けられるロクサーン、その彼女の表情ががらっと変わって「ぎゃーっ」という恐ろしい悲鳴。でも役者も観客もそれが生贄の演技だと思ってしまうのです。がくっと首を垂れて絶命するロクサーン。ここでようやく皆気がついて大騒ぎになるのでした。バレットは悔しそうに「あかん、またやられたがな」って本当に役に立ちませんな、あんたら(笑)。

 次なる犠牲者は女優のバンビ・グリア(マリアナ・ヒル)であります。彼女は愛人の映画プロデューサーのクルーザーに匿われておりました。警察官も二人乗り込んで警備も万全と思いきやロジャーがスキューバダイビングで海からやってきた。船によじ登って透明になるのかと思ったのですが、今回ばかりはそのまま。二人の警官を首を絞めたり水中銃で撃ったりして殺害してしまうのです。そのままバンビに襲い掛かって首をきゅう。ちょうどその時ボートでやってきたバレット、船から逃げ出したスキューバダイビング姿のロジャーを追跡するのですが、ロジャーはダイビングスーツを脱ぎ捨てて透明化、まんまと逃げ延びてしまいます。

 あれ、ロジャー、今まで着ている服ごと透明になっていたのに。ダイビングスーツじゃなぜ駄目なんだろう。なんかよく分かりませんが、まあどうでもいいじゃありませんか。


 さあ、これで残るはクリス・ハートマンのみ。警察の面子にかけてもこの女だけは殺させへんぞ!刑事が増援されて屋敷の周囲のフェンスには電流を流し、さらにライフルで武装という完全警備。屋敷の階段には電線を配置スイッチ一つで電流を流せるようにします。警備は完全、これで蟻一匹入ることはできんぞとみんな思ったのですが・・・、まあ、ロジャー、どこからともなく入り込んでくるのですなあ。彼は刑事達を銃で射殺、あれ、わざわざ銃を使わんでも得意のテレキネシスを使えばいいじゃないかと思うのですが。それとも透明になっている間はテレキネシス使えないってことなのかなあ。

 用事を終えた配達のトラックが屋敷から出て行くという場面がロジャーの侵入前に挿入されるので、私なぞはてっきりトラックのために開けられたゲートから忍び込んでくるのかと思ったのでありますが、そんな描写は一切なし。どうやらトラック、本当に出て行っただけのようです。なんかよく分かりませんが、まあどうでもいいじゃありませんかってあんた、そればっかりですな!

 ロジャーはクリスがこもる屋敷の二階を目指します。ドアがすっと開いてロジャーの侵入を確信したバレット、無線機を使ってクリスについていたホールトに「今や、クリスを階段へ向かわせんかい!」ええ、なんでそんなアブナイことするの、階段には電線通っているんだからスイッチ入れれば済むじゃないの。うわあ、本当に部屋からクリスが出てきたぞ(大爆笑)。彼女を見たロジャー、よせばいいのに、「ハロー、母さん、僕戻ってきたよ」と声出しちゃった。バレット、声が聞こえたあたりを狙ってライフルをずどーん。見事命中、ロジャー、電線の上に倒れこんで今度はびびびと感電します。ついに最後の時を迎えたロジャー、うわんうわんと姿を現して「ぐふっ」絶命したのでありました。

 ようやく事件が解決しました。疲れ切って自宅へ戻ったバレット、出迎えたキャンディに「うー、今日はえらかったわ、ほんと、しんどかった。キャンディ、わしを慰めてや」二人でキス、ぶちゅぶちゅぶちゅちゅちゅーとこれまた意味のない場面があってようやくエンドマーク。

 ようやく映画が終わりました。疲れきってテレビのスイッチを切る私。思わず「うー、この映画はえらかったわ、ほんと、しんどかった」でも慰めてくれるキャンディはいないのであります。

 カラー・スタンダード モノラル 画質はちょっとまし。極悪画質まではいかずせいぜい悪画質というところか。音質はなかなか聞き取り易かったです。12枚のDVD50本の SF映画が収録された「SciFi Classics Collection: 50 Movie Pack」の一本。 Digital 1 Stop DVD

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『オレだって侵略者だぜ!!』(『The Galaxy Invader』 1985年)

 

 うっかりアメリカの田舎町に落っこちたばかりに、貧乏白人からライフルでやいのやいのと追い回される宇宙人。1953年の『宇宙から来た妖怪』(『Phantom from Space』)と同じ宇宙人受難の物語でございます。

冒頭からちんけな光の玉が地球へ向けてしゅぱーっ。アメリカはハーレイビルという田舎町の夜空をひゅんひゅん飛びまわった挙句近くの森に墜落。これを目撃したのが車で走っていたデヴィッド・ハーマン(グレッグ・ドーラー)、彼は急いでこのことを大学の恩師、トレイシー博士(リチャード・ディゼル)に電話したのでした。時間は午前5時くらい、まだがーがー寝ていたところをたたき起こされたトレイシー博士ですが、彼は根っからのUFOマニア。たちまち意気込んで「ん、君はどこで目撃したんだい、ハーレイビル、そうか、これから急いでそっちへ行く。6時間後に現地で合流しよう」

 さて、墜落したか、不時着したか、それともちゃんと着陸したのか、定かでない空飛ぶ円盤、何しろ、円盤本体がちらとも画面に映りませんからなあ、良く分からないのです(笑)。これから一人の宇宙人らしきものが降り立ちます。彼は森をうろうろ歩き回ると一軒の人家を発見。地下室にもぐりこみます。そして何か様子がおかしいと見に来たその家の夫婦を情け容赦なく殺害するのでありました。ちなみにここでやっと全身を露にする宇宙人、緑の鱗に覆われて顔は骸骨を思わせる不気味なもの。この着ぐるみだけはなかなか良く出来ています。80年代クズSF特有の一点豪華主義という奴ですよ。

 ここで新たな登場人物、森の中で一軒家を構えるモンタギュー一家。お父さんのジョー(リチャード・ラクストン)は破れたシャツでへそだしルック。オマケに朝っぱらから酔っ払っているという典型的な駄目オヤジ。今日も今日とて娘のキャロル(フェイ・ティルズ)と彼女のボーイ・フレンド、マイケル・スミス(クリフ・ランバート)のことで大喧嘩です。「お前、あんなボンクラと付き合うのは許さんぞ」「ボンクラって何よ、マイケルは立派な男だわ、ボンクラなのはそっちじゃない、朝もはよから酔っ払ってこれで朝風呂入ったら小原庄助さんよ」激怒したジョー、キャロルの頬をバシーンとひっぱたきます。しかしキャロルも負けてはいません、持っていたコップの水をジョーの顔にばしゃーっ。さっと逃げ出したのです。怒り狂ったジョー、母の妻のエセル(アン・フリース)、長男のJJ(ジョージ・ストーバー)、次女のアン(キム・ドーラー)が止めるのも聞かず「あいつぶっ殺す」と叫んでキャロルの後を追ったのです。呆れたことにライフルまで持っているという…。

しょうがねえなあ、これだからレッド・ネックはなあ。

 エセルはおろおろしながら「JJ、お父さんを止めに行きなさい」「いやー、僕行ってもお父さん駄目だよ、言うこと聞いてくれないよ」「いいからいくの!」JJ、しぶしぶとジョーの後を追いかけます。なんともしょぼしょぼプーな展開であります。

 そしてジョーとJJが行き当たったのが例の宇宙人、どうでもいいけど、宇宙人、随分うろうろしてますなあ(笑)。先に宇宙人見つけたJJが「なんだ、ありゃ」と叫ぶとジョーは良く確かめもせずにライフルをずどーん。アブねえなあ、相手が宇宙人じゃなかったらどうするんだ。ライフル弾は宇宙人が持っていた謎の球体に命中。宇宙人はびっくりして逃げてしまいます。ジョーとJJは残された球体を見つけて大興奮。「おおい、グリーンマンが残していった球体、こら、凄いぞ、高く売れるぞ、大儲けだぞ」あー、もうバッカじゃねえの(笑)。

 一方、キャロルはそんな騒ぎになっているとは露知らず森の中の小屋でマイケルと逢引中。マイケルは今朝の事件の話を聞いて「ええ、ジョーがまたライフル持ち出したのかい、これで四回目じゃないか」しょっちゅうライフルもって追いかけてのかい、ジョー(笑)。「そんな家族は捨てて僕と結婚しよう。そして遠くの町で暮らすんだ、子供は二人ぐらいでいいかな」いいかな、じゃねーよ。しかしキャロルは悲しげに「そんな父さんはどうでもいいけど、お母さんや妹を残してはいけないわ」「そんなら僕がジョーに意見してやる!」

 ここでようやくトレイシー博士がハーレイビルに到着です。彼はデヴィッドと合流、「なに、森の向こう側に落ちた、探しにいこうじゃないか」と歩き始めるのでした。

 謎の球体を家に持ち帰って大騒ぎしているジョーとJJ、キャロルがマイケル連れて戻ってきたのにも気がつかない様子。マイケルは勇気を振り絞って「あの、ジョー、ライフルはやめたほうが」彼に気がついたジョーがじろりと睨むとたちまちしおしおとなって「いや、何でもないんです」とうな垂れる軽いギャグ。つまらないし、おまけに意味もありません(笑)。

 さて、そんなモンタギュー家にお客が訪れます。ジョーがあの球体を売りつけようとして呼んだフランク・カスター(ドン・リーファート)とその情婦ベッキー(テレサ・ハロルド)であります。ジョーの知り合いというくらいだからこいつも碌な人間である筈がない。ほら、何か喋ろうとしたベッキーを「女は黙ってりゃいいの」とひっぱたいたりしているぞ、こいつは呆れたDV野郎だ。フランクはジョーがグリーンマンから奪ったという球体に並々ならぬ関心を示します。「こいつはなんだか良く分からないんだが」ジョーが棒で球体つつくと、あ、玉から火が出た。「うわあ、スゲエな、こりゃ。たしかにお前さんの言うとおり大した代物だぜ」フランクはずるそうに笑うと、「でもな、これを持っていたグリーンマンの方がもっと金になると思わないか」うわあ、こんなこと言い出しやがった。「そりゃ、そうだ、お前、頭いいなあ」とあっさり賛成するジョーです。「よし、そうとなりゃ、善は急げ、グリーンマンが月に戻らないうちに捕まえよう」無闇に張り切る三人組、馬鹿ですねえ、いや、馬鹿もいっそここまで来たらむしろ清々しいか。「清々しい馬鹿がきた、希望の馬鹿が」てなもんですね(大笑い)。

 ジョーとフランク・ベッキーはJJを球体の見張りに残し地元の酒場に宇宙人探しを手伝ってくれる人間を探しにいくことになります。しかし、この直後、宇宙人が現れてJJをぼかっ。球体を奪い返されてしまったのです。そうとも知らず、酒場で「おい、今夜ジョーのところで狩をするぞ、手伝ってくれたら金やるぞ、金儲けのチャンスだぜ」酒を飲んでいたこれも地元のボンクラ達が「狩って一体何を捕まえるだね」「それは捕まえてからのお楽しみ」説明にも何もなっておりませんがそれでも金につられて「おら、行く」「おらも」「連れていってけれ」「おら、叔父さん連れてくる」でたちまち5人集まっちゃった。フランクは「よーし、今夜の9時、ジョーのところに集合な。ライフルを忘れるなよ!」

 この時ベッキー、フランクに「ねえ、あたいも連れてって」としなだれかかるのですが、ぼかっと殴り倒されて「女の出る幕じゃねえ、俺達が狩をしている間、ここで飲んでろ!」やっぱりヒドイ男ですな。

 よし、家に帰って準備をしよう。待ってろグリーンマン、俺たちが捕まえにいくぞ!モンタギュー家に戻ってきたらあ、JJが殴り倒されていて、あの球体も無くなっている。フランクは叫びます。「グリーンマンが取り返しにきたのだ」ジョーは「お前、しっかり見張っとけと言っただろう」とJJを怒鳴りつけるのでした。でも球体がなくったって今夜宇宙人を捕まえればどっちにしろ大金持ちだということで「ま、いっか」馬鹿な上に安易なようです(笑)。

 さあ、午後9時になった。モンタギュー家にさっき酒場で集めたボンクラたちがぞくぞくと集まってきます。ジョーとフランクは彼らに向かって「今日の狩の獲物はグリーンマンだ、そう宇宙人だ」「ええーっ」と驚く男達。でもフランクが「これを生け捕りにして売れば俺達は大金持ちだぞ」と言ったとたん、「宇宙人でもグリーンマンでもなんでもいいや、とにかくやっちまおう」「そうだ、そうだ、えいえいおー」皆さん、楽しそうで何よりです。さっそく宇宙人捕獲に出かける男達。

 そんな中、今までずーっと森の中で円盤探していたトレイシーとデヴィッド(笑)、「腹ごしらえしようや」ということで件の酒場へ。そこで酔っ払ってビリーという男相手にくだを巻いているベッキーを見つけます。彼女が取り留めなく喋る言葉を聞くことなしに聞いていますと、なにやら「ウチの人はねえ、ヒック、宇宙人捕まえてねえ、ヒック、金持ちになるのよ、ウィー」これを聞きつけたトレイシーとデヴィッドは飛び上がってベッキーを自分達の席に呼び寄せます。「お酒おごるからさ、今の話を詳しく聞かせてよ」はい、ビッキー、フランクから厳しく口止めされていたのにも関わらず酒に釣られて「ジョーとあたしの旦那、フランクが森でグリーンマン見つけたのよ、これを捕まえて売って大金持ちになるんだから、ヒック。今頃ジョーの家の近くで狩りをしているわ、ヒック」これを聞いたトレイシー、デヴィッドに「ジョーの家の場所分かるか」「分かりますとも」「じゃあ、急げ」「急ぎましょう」酒場から飛び出します。後に残されたビッキーは「ヒック、あたしの酒はどうなったんだよう」

 森の中をのんのんずいずいと進むジョー・フランク、そして男達。なんのタメもなく宇宙人見つけてライフルばんばん。「うわあ、当てるなよ、生け捕りにするんだから脅かすだけにしろよ」フランクの叫びを聞いたかどうか、とにかくやたらにライフルを乱射する男たちです。しかし、宇宙人も反撃開始。懐から光線銃取り出し、こちらもばんばん乱射。レッドネック対宇宙人の銃撃戦と言う世にも珍しい光景が展開されるのでありました。最初は互角かと思われたのですがさすがは遠い彼方の星から地球にやってくるだけの科学力を持つ宇宙人です。次第に光線銃が男達のライフルを圧倒し始めます。「うわ」「ぎゃー」「ひー」たちまち三人が光線銃で撃たれて即死。レッドネック軍団危うし。しかし、フランク、ジョー、JJの三人には秘策があったのです。その秘策とはロープもって宇宙人の後ろに回りこみやにわに躍りかかって縛り上げてしまうという・・・(大爆笑)。こんなこと考える三人も三人だが本当に捕まっちゃう宇宙人も間抜けだ!この光景を物陰から見ているのがトレイシーとディビッド。トレイシーは悔しそうに「畜生、これは科学上の大発見なのにあんなレッドネックどもが」と呟くのでした。

 男達は縛り上げた宇宙人をトラックに積み込んでジョーの家のガレージに運び込みます。フランクはもう嬉しさを隠し切れずににやにや。「明日、俺が買い手見つけてくるわ、ジョー、J・J、グリーンマンの見張りよろしくな!」そしてフランクは他の男達に「さっきの銃撃戦で死んだ奴らの死体を埋めてこい!」この後、死体を埋めに行った男達は映画に出てこなくなります。あれだけ分け前だ、金だと目を血走らせていたのにおかしなものですな(笑)。

 さて、フランクと他の男達が出て行った後、ジョーとJ・Jは宇宙人から取り上げた球体と銃のテスト。「パパ、あの球体からエネルギーが出ていたみたいだよ」「J・J、それならお前球触ってみんかい」J・Jがおそるおそる球体にタッチしますとたちまちウィーンと唸りだし、銃がぴかぴか光りだします。「おお、これが射撃準備完了の合図だな」ジョーが引き金絞るとぴゅっと光が出て地下室の中でどかーん。「おお、こりゃ、凄い」また引き金絞って光がぴゅっのどかーん。「これで何も怖いことはないぞ」

 朝になりました。モンタギュー家の近くの藪にトレーシーとデヴィッドが隠れております。宇宙人が監禁されているのはあのガレージだなってんで、さっそく忍び込む二人。すると本当にロープで縛られた宇宙人が床に転がっているという・・・(笑)。トレーシーは「まったくあいつらはなんてことを。デヴィッド、ロープをほどくのだ」宇宙人、縛めを解かれてすっくと立ち上がります。トレーシーとデヴィッドと宇宙人、脱出のチャンスをうかがってガレージから外を覗きますと、あ、実にまずいことにフランクが来ちゃった。ジョーもJ・Jも出て来ちゃった。三人は「買い手が見つかったぞ、俺たちゃ大金持だ、ばんざーい」なんて話している。これじゃ彼らに見つからずに脱出することなどできません。トレーシー、腕を組んで考えて、「よし、強行突破だ」策も何もありゃしませんな(笑)。そのままガーッとガレージのシャッターを持ち上げて「さあ、走るのだ!」トレーシー、走ります、デヴィッド、走ります。宇宙人も走ります(大爆笑)あっという間に見つかって「お前ら、何してやがる」フランクはライフルを乱射。ヒドイことにトレーシーを射殺してしまったのでした。

しょうもない映画の割に人がたくさん死にますなあ。

 この間、父のあまりの愚行に憤ったキャロル、家の中から宇宙人の銃と球体を持ち出して宇宙人に渡してしまいます。その宇宙人を見つけたフランク、ライフルで攻撃するのですが、逆に宇宙人に射殺されてしまったのでした、ひぃー、また死んだ。宇宙人、そのまま逃げようとしたのですが、ジョーがフランクのライフルをとってまた乱射。宇宙人ばったり倒れてしまいます。てっきり死んだものと思ったジョー、あの球体と銃を奪うのでした。その後むっくり起き上がる宇宙人、もうメリハリのない進行でイヤになります。

 さて、キャロル、デヴィッド、マイケルの三人は、ジョーから球体と銃を取り返して宇宙人に返すことを計画。あ、言い忘れていましたが、この三人はお互い知り合いだったのです。田舎町というのはこれほど左様に人間関係が濃密なのです。決してご都合主義などではないのです、分かりましたか(笑)。その諸葛孔明も真っ青の名作戦とはジョー以外のモンタギュー家の面々を巻き込んでジョーを家の外におびき出しその隙に銃と球体を奪おうというもの。はあ、そうですか。

 ここから不可解にもこの計画が実施されることなく一夜が過ぎます。この時宇宙人がモンタギュー家の地下室に潜入、何事かと見に来たキャロルと出くわしてあっさりと逃げていく幕間劇。まったく意味がありません。ひょっとしたらテレビ放映用に尺を伸ばすためだったのか。

 次の朝、いつものごとく二日酔い頭で目覚めたジョー、エセルに「朝飯作れ!」というのですが、家の中には誰もいません。みんな、森の中へ出かけていってデヴィッドたちと銃奪還作戦の打ち合わせをしていたのです。マイケルは「あんたたちがジョーを足止めするんだ。その間に銃と球体奪って宇宙人に届けるから」前日の作戦と微妙に違うのがミソですな(笑)。「よし、早速計画開始だ」

 誰も戻ってこないのでふてくされたジョー、がぶがぶとウィスキーを飲んで寝込んでしまいます。すると、誰かがドアをノック。目を覚ましたジョーがドアを開けてみますと、これがなんとベッキーだったのです。彼女は戻ってこないフランクを心配して探しにやってきたのでした。ジョーはそんなベッキーに「フランクは逃げた宇宙人を追っかけて森に行ったよ。ま、それはそれとして一杯やらんかね」「酒なんか飲まないわ、それよりフランクのところへ連れて行って頂戴」ここでジョーやにわにベッキーに躍りかかって「ええやろ、させんかい!」「ヒーッ!」ベッキー、死に物狂いでジョーを押しのけ逃げ出します。怒ったジョー、ライフル持ち出すと走るベッキー狙ってズドン、わあ、射殺しやがった。本当になんという映画なんだ。ジョー、「わしはえらいことしてもうた」と三分ほど後悔してから(笑)彼女の死体を隠して知らん顔。

 そういやフランクとトレイシーの死体はどうなったのですかねえ。まさか放ったらかしなんてことはありませんよねえ。さすがにどっかに埋めるなり隠すなりしてますよねえ。

 ここでようやくモンタギュー家にやってきたデヴィッドたちってあんたち、ベッキーがレイプされそうになった挙句射殺された間、一体どこに行ってたんだ。打ち合わせ場所から家まで来るのにそんな時間は掛からないだろう(笑)。ま、とにかくみんなで家の中を覗きます。するとまた酒くらってがーがー寝ているジョー。デヴィッドとマイケルは抜き足差し足し伸び足で部屋に入り、銃と球体をそっと持ち出すことに成功するのでした。あー、寝ているジョーを起こさないようにゆっくりゆっくり歩くデヴィッドとマイケルってなんてショボイ絵なんだ。

 デヴィッドとマイケル・キャロルの三人は宇宙人を探しにいくことになります。後に残るエセル、アン、J・Jに「ジョーが起きたら足止めしてくれ」と言い残して。しかし、そんなことでジョーの暴走を止められる訳がありません。ジョー、目を覚ますなり銃と球体がないことに気づいて「んがー、キャロルとマイケルが盗んだのかー!」J・Jがそんな彼にへなへなパンチ。しかし逆にジョーからへなへなパンチで殴り返されてばったり倒れてしまいます。ジョー、またライフルもってキャロルたちの後を追っかけた。J・Jたちも大変だというのでやっぱり後を追いかけた。さて、これからどうなるのでしょう。

 あっという間にジョーに追いつかれるキャロルたち。崖に追い詰められてしまいます。「ウッヘッヘッへ」下品に笑うジョー。「銃と球を足元に置くんだ。置いたら下がれ」こうしてジョーはまたまた球体と銃を取り戻したのです。そこに最悪のタイミングで現れる宇宙人(笑)。ジョーはライフル弾を四発ほど叩き込み宇宙人が倒れたところをさらに銃でとどめ。哀れ宇宙人、故郷を遠く離れた星で舎の駄目オヤジに殺されてしまったのでした。ジョーはぎらりと目をむくと「後はお前らだ」マイケルに襲い掛かります。マイケル、J・J、ジョーと同じようなへなへなパンチで応戦、もうみんなへなへなパンチばっかりなの。要するにこの映画の殴り合いのアクションが物凄く下手ということですな(笑)。ジョーはあっさりそのへなへなパンチをかわすとマイケルに馬乗りになって彼の首をぐいぐいと絞め始めたのでした。

 そこへ駆けつけてきたエセル、J・J、キャロルの面々。エセルはこの光景を見るなり「もう我慢できないわ」落ちていたライフルを拾い上げジョーを一撃。このライフルで殴るところがスローモーションになってしかも何度もカットバックする。今更そんな仕掛け使われても白けるばかりですよ(笑)。ジョー、ギャーッと叫んで崖から落下。血まみれになって絶命すると言う、オソマツでございました。

カラー・スタンダード モノラル 発色は汚い、暗いシーンじゃ何やっているか分からない、妙なノイズが入るという極悪画質。音質も歪んでいるしもうちょっと真面目にDVD作ったらどうかと思います。12枚のDVD50本の SF映画が収録された「SciFi Classics Collection: 50 Movie Pack」の一本。 Digital 1 Stop DVD

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『Now or Never』(1921年)

 

ほぼ全編、列車の中で展開されるロイド喜劇。いささか退屈ではありますが(笑)ラストちかくでトンネルに突入せんとする列車の上でロイドが逆向きに走るアクションが凄い。この場面だけで僕はもうお腹いっぱいです。

警告、警告、このDVDのリージョンは1です。したがって日本国内のDVDプレーヤーでは再生できません。警告、警告。

大金持ちだけど、仕事で大忙しのパパ、社交界のお付き合いに夢中のママ、そうして放ったらかされた小さな女の子ドリー(アンナ・メイ・ビルソン)が出来上がり。今晩もママは舞踏会を開いてパパはお仕事で外出中。眠っていた女の子が目を覚まして降りてきてしまうのですが、ママはお手伝いのマリー(ミルドレッド・ディヴィス)を呼んで「ちゃんと見てくれてないと困るじゃないの」と叱りつけるばかり。この時いいタイミングでパパが帰ってきたのですが、「明日は出張で早いんだ。すぐ寝るからね」と女の子にキスひとつしようとはしません。

 マリーは明日、幼馴染のロイドと会うために実家へ帰ることになっていたのですが、この両親の冷たい仕打ちに憤然となって女の子を旅行に連れ出そうと決意するのですって、両親に無断なのですから、そりゃ誘拐ですがな(笑)。

 さて、ロイド、マリーの18歳の誕生日に実家で会うという約束を果たすために車を猛スピードで走らせております。暢気な田舎町を一瞬で駆け抜ける暴走車、驚いた保安官は次の町の保安官に「車をすっ飛ばしている阿呆がいるぞ、そっちで捕まえてくれ!」と電話するのですが、それが終わる前にびゅーん、ロイドの車は通り過ぎてしまうという・・・。ますますスピードを上げて暴走するロイドカー。ついに誤って農家の納屋に突っ込んでしまうのでした。納屋の反対から飛び出すとボンネットには男、運転席には豚とアヒルがいるというギャグ。ロイド、恐縮して男に「いやあ、すみません、修理代払いますよ」しかし、この男、農場の主人などではなく、納屋に潜り込んで寝ていた浮浪者だったのです。そのことに気がついたロイドは彼を追っかけます。

 列車の下に逃げ込んだ浮浪者。動き出した列車を追ってロイドも走る。そして首尾よく列車の下部にしがみつきます。ロイドは自分のベルトを浮浪者の足にひっかけてぎゅうぎゅう引っ張り、ついに彼が靴に隠していた金を取り戻すことに成功したのでした。ところが金を取り返した瞬間、近くのパイプからしゅーっと蒸気が噴出してきて、「アッチッチ」お金を全部飛ばしてしまいましたとさ。この後、列車から落っこちそうになったロイド、尻が線路に接触して火花がばちばち。また、「アッチッチ!」となります。列車が駅についた瞬間、ロイドはばっと飛び出して煙を上げる尻を氷の上にどさっ。すると氷が見る見る解けて氷売りのおじさんがびっくりというギャグ。

 この駅で偶然、ロイドはマリーと出会うのです。幼馴染との再会に喜ぶ二人ですが、悪いことにマリーの御主人が同じ列車に乗っていたと言う・・・。ドリーを連れているマリーは「こりゃ、やばいわ」と真っ青。ロイドに、「あなた、同じ列車に乗るんでしょ、だったらこの子を預って、私、ご主人様に説明してくるから」ってロイドにドリーを押し付けちゃった(笑)。ロイドは大弱りです。こんな小さな子供を連れていたら誘拐だと思われそうだし、何より彼はこの列車の切符を持ってないのですから。

 仕方なくドリーを連れて列車に乗り込むロイド。ところが上手くしたもので、この列車に乗り遅れたお客さんが「おーい、待ってくれー」ロイドはぱっと列車から飛び降りるとそのお客さんを助ける振りをして、切符をさっと取るとそのまま走って列車に乗り込んじゃった。憮然とする乗客、とりあえず切符は手に入ったと喜ぶロイド。ヒドイ奴ですなあ(笑)。さて、これで心配事はなくなったとドリーと一緒に客車へ移るロイドです。彼は仏頂面をしているドリーを慰めようと、鍵をかちゃかちゃ鳴らしたり、変な顔をしてみたり奮闘するのですが、ドリーは一言「バッカみたい」どうも子守というものはむつかしい。

 そのまま夜となって寝台車に移ります。寝台券を持ってないロイドはあせるのですが、上手いことに何時だと聞かれて木曜日だと答えるほどぐでんぐでんの酔っ払いが二人。二人を同じ寝台に押し込んでロイド、もう一人の寝台に乗り込んでしまいます。ここでマリーがやってきてしばらくイチャイチャ。しかし、ロイド、寝台のカーテンから突き出ていた他所の女の人の足をミルドレッドの手だと思って撫で回したからさあ、大変。散々に文句を言われてしまうのでした。この騒ぎでマリーは自分の寝台へ戻ってしまいます。がっかりしたロイド、寝ようとするのですが、今度はドリーが「ねえ、子守唄歌ってよ」ロイド、仕方なしに「眠れー、眠れー」と歌いだすのですがこれがトンデモなく下手糞で周りの人から怒鳴られるわ、モノは投げられるわ、さんざんな目に会ってしまうのでした。

 ドリーはさらに「あたち、寝る前にいつもミルク飲んでるの」ロイドは緊急停止レバーを引いて列車を止めると近くの農場で牛の乳を搾るのですってそんなムチャな(笑)。大騒ぎする車掌達を尻目に戻ってきたロイド、ドリーに牛乳を渡そうとするのですが、「ちぇ、もう寝てらあ」

 さて、翌日、洗面所でも大騒ぎ。一人の横柄な客がロイドにどうしても順番を譲りません。頭に来たロイド、そいつのチケットの行く先、エルミアなのを確かめると車掌の声マネで「まもなくエルミア到着です」男は慌てて出て行くというギャグ。この後でゆうゆうと洗面を済ませるロイドであります。客車に戻ってみるとドリーがいません。どうやら彼女も洗面所にいるらしい。しかし、ロイド、まさか女性用洗面所を覗く訳にもいかずやきもき、たまらずちょっと中を覗いてキャーチカンと他のご婦人に叫ばれたりしております。

 ドリーが戻ってきてこれでようやくゆっくり出来ると思いきや、検札に来た車掌さんがロイドの切符を見て、「こりゃ、お客さん、乗り過ごしてますよ、次の駅でおりなさい」まー、人の切符を奪ったのですから文句は言えません(笑)。無論、ドリーを置いていくわけにはいきませんので、ロイド一計を案じて、「いや、この切符は女の子のでして」ロイド、次の駅でドリー置き去りにしちゃった。それはないだろうと思っていると、ロイド、列車の中を猛スピードで走って最後尾へ。そこでドリーを無事拾い上げるのです。

自分で降りて戻ってきた方が手っ取り早いのではないかと思うのですが(笑)。

 こんなに頑張ったのにやっぱり車掌に見咎められてロイド、追っかけられることになります。彼は窓から列車の屋根へ。車掌をやり過ごそうとしたのですが、あ、窓を車掌が閉めちゃった。呆然とするロイドです。しかも前方にトンネルが迫ってくるではありませんか。ヤバイ、ロイド、列車の後部に向かって走り出します。でも列車の速度に叶うすべもなくトンネルとの距離がどんどん縮まって、ロイド、トンネルのすぐ前で走っている。ウワー、アブナイ、ロイド、ばったり倒れてついにトンネルの中へ吸い込まれてしまうのでした。あっという間に真っ黒になるロイド。

 やれやれと列車の後部デッキに下りますと、そこでは御主人と彼に説明を終えたマリー、そしてドリーがいました。マリーはロイドと抱き合ってキス、ぶちゅぶちゅちゅちゅちゅちゅー。これにてオシマイ。

モノクロ・スタンダード サイレント。画質はなかなかの出来。『The Harold Lloyd Comedy Collection Vols. 1-3 (1923)New Line Home VideoDVDボックスセット。

エロの冒険者
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2006年8月 4日 (金)

『豪勇ロイド』(『Grandma's Boy』 1922年)

 

気の弱い男が暴漢相手に大活躍。馬鹿にしていた人たちを見返して美しい花嫁までゲット!めでたし、めでたしって、ロイド映画ってこういうのばっかですな(笑)。

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田舎町ブロッサム・ベンド。火曜日の急行が水曜日の午後やっと到着するというくらいのんびりしたところ。ここに住む青年ロイド、彼は子供の頃からそれは気が弱くていじめられてばかり。今でも好きな女の子ミルドレッドと仲良くアイスクリーム作りをしていると、彼のライバル、チャールス・スティーブンソンが現れて彼を邪魔するのです。「何、アイスクリームだあ」チャールスは彼をぐんぐん押して井戸に追い詰めると、「こうしてやる」彼のネクタイを毟り取って井戸へぽい!カラーも毟り取って井戸へぽい!しまいにはロイドを持ち上げて井戸の中へぽい。「うわああ、そんな人を貞子みたいに!」

 チャールスはこの隙にアイスクリームを持ってミルドレッドのお母さんにおべんちゃら。「どうです、このアイスクリーム、僕が一人で作ったんですよ!」どうにもヒドイ奴で。一方ロイド、井戸からやっと這い上がって家へと戻ります。しかし、ずぶ濡れになった背広が乾くにつれてぴちぴちぴちーと縮んじゃってロイド、つんつるてん。女の子達に笑われたロイド、恥ずかしさのあまりだーっと走り出すのでした。そのまま家に戻っておばあちゃん(アンナ・タウンゼンド)に「うわーん、大変だよう、背広が縮んじゃったよう。今夜のミルドレッドのパーティに着ていけないよう」

 さらに悪いことに悪漢ローリング・ストーン(ディック・スザーランド)が図々しくもロイド家の庭に侵入。椅子にどっかと納まって鼻くそなどほじっております。このローリング・ストーンという男、転石苔むさずなんだけど、土は集めるということでつまりは埃まみれ。大層汚い。おばあちゃん、「あいつを追っ払わなきゃ」そうしてロイド、ローリング・ストーンに近づくと、「あの、ここはウチの地所なんで、どっか他所へ行って貰えますか」ローリング・ストーンは彼をじろりと見て「がおー」ロイドぴゃっと逃げ出します。それじゃというので家の飼い犬のくさりを解いて「ほら、あいつをやっつけろ」わんわんわん、わわわん、わんと威勢よく駆け出す犬ですが、ローリング・ストーンはまた「がおーっ」犬もあっさり逃げ出します。次にロイドは箒を振り上げるのですが、ローリング・ストーンが立ち上がって迫ってくると、「お出かけですか、レレレのレー」お掃除始めちゃうという・・・。

 業を煮やしたおばあちゃん、ロイドからぱっと箒を取り上げると、「出ていきな、この極つぶし」ローリング・ストーンの頭を箒でばっしんばっしん叩いてあっさりと追い出してしまうのでした。これを見たロイド、「ああ、僕はやっぱり駄目だ」すっかり落ち込んでしまうのです。

 おばあちゃんはそんなロイドのためにこう言い出します。「背広が駄目になったって、いいさ、おじいさんの背広があるからこれを仕立て直せばいいんだよ」そうですかね(笑)、おばあちゃんの気持ちも分かるけど、おじいちゃんの背広は1862年モード。いくらなんでも古くさすぎるでしょ。おまけにおばあちゃんたら魚脂を塗って靴を光らせているし、もう知らないよ!

 背広の用意が出来ました。これをりゅうと着こなしたロイドは意気揚々とパーティに出かけます。しかし、やっぱり背広は誰の目にもおかしく映ったようで、出迎えてくれたミルドレッド、彼女の両親もへんな顔。さらに奥から出てきた黒人召使の背広がまったくロイドのおじいさんのそれにそっくりだったという・・・。これでロイド、がっかりしますが、ミルドレッドは優しいですねえ、彼をピアノのところへ引っ張っていって「理想のあなた」なんて歌を歌ってくれるのでした。その歌詞が「愛してる、愛してる、あなた、愛してる」だったからたまりませんよ。ロイド、あっという間に機嫌を直してにやにやしております。

 しかし、ここでまた事件発生。靴を磨いた魚脂の臭いをかぎつけて子猫がやってきたのです。子猫はロイドの靴をぺろぺろ。追っ払ってもすぐに戻ってきます。しかも戻ってくるたびに猫の数が増えてくる。もう五匹ぐらいでぺろぺろやっているんです。弱ったロイド、犬の置物に目をつけて、それを床に置くと「うーわん、わん」子猫たちは驚いて一目散に逃げ出すのでした。

 さて、ミルドレッド、「あら、ロイド、ネクタイが緩んでいるわよ」結ぼうとして彼の背広に顔を近づけるのですが、「あれ、なんだか変なにおいがするわ」実はこれ虫食い予防の樟脳だったという・・・。慌てたロイド、彼女の目を盗んで樟脳を取り出すとお菓子入れの中に放り込んでしまいます。これで安心と思ったロイドですが、ミルドレッドがお菓子と間違えて樟脳をつまみ上げると、はい、あーん。ロイド、口をもぐもぐさせて「げーっ」でもまさか吐き出すわけにもいかないので必死にこらえております(笑)。

 ここで同じく招待されていたチャールスがやってきて図々しいことにロイドとミルドレッドの間に割り込むのでした。そして何の気なしにお菓子いれに手を伸ばすと、はい、彼もまた樟脳を食べてしまうのです。ロイドとチャールス、「げーっ」ミルドレッドが席を外したとたん、トイレへダッシュ!二人してげーげーやるのであります。

 いきなり保安官が飛び込んできます。なんでもあのローリング・ストーンが宝石店を襲い、駆けつけた警察官を一人撃ち殺してしまったというのです。保安官は彼を探すためにボランティアを募っていたのです。チャールス、これを聞いてニヤー。ロイドに「君、やりたまえよ」、ライフルをおしつけます。あろうことかミルドレッドも「ロイド、これはチャンスよ、あなたが一人前の男だって証明するのよ」なおもためらうロイドですが、ミルドレッドから励ましのキスをちゅっとしてもらって「よーし、やるぞー」でもやっぱり、ロイド。外に出るなり、「なんだ、僕一人かよ、保安官とかみんな、どこ行ったんだよ」いきなり置いてあった鍬を踏みつけます。バターンと跳ね上がった鍬の柄に背中を叩かれて「だ、誰だ、ひーっ、お助けー」馬小屋に逃げ込んだのですが、ここでも馬に鳴かれて「ヒーッ」豚に脅かされて「ギャーッ」鶏が飛び出してきて「アウ、アウ、アウ」ついにロイド、ライフルを放り出して家に逃げ帰ってしまったのです。

 どたばたと家に戻ってきて寝室に飛び込みぶるぶる震えているロイド。おばあちゃんはそんな彼の様子を見て「ここは私がなんとかしなくちゃ」と決心します。翌日、後悔の念に苛まされながら起きてきたロイドにおばあちゃんは「ロイドや、大事な話がある。お前のおじいさんのことだよ」おばあちゃんが指差したその先には口ひげ生やして軍服着たロイドの写真が飾ってあるという・・・(笑)。ここから場面は1862年南北戦争佳境の時代にすっ飛びます。北軍(多分)に従軍したロイドのおじいちゃん、やっぱり臆病者であちこちで爆弾が爆発する戦場をひいひい言いながら駆け回っております。ほどなく目的地である南軍(多分)の拠点に到着するのですが、警備が厳しくとても潜入できそうにありません。

 ここへやってきたのが物乞いの老婆。「あのよお、兵隊さんよお、おら、3日も食べてないだよう、何かおくれよう」しかし無慈悲な南軍(多分)の兵士は老婆をげしげしと殴る蹴るの乱暴。ほうほうの態で逃げ出した老婆、北軍(多分)のロイドおじいちゃんを見つけて「お兄ちゃんよう、頼むよう、あいつらやっつけておくれよう」「駄目だよ、僕はベル将軍の暗号を盗みにきたんだけど、臆病者だから潜入するなんてとてもできないよう」と見ず知らずの老婆に自分の任務をぺらぺら喋ってしまうのはどうかと思いますが(笑)。

 老婆はふところから木の人形を取り出してロイドおじいちゃんに渡します。「これはよう、ズンのお守りだよう、これさえ持っていれば怖いものなんかないよう」その言葉を裏付けるかのようにロイドおじいちゃんを襲ってきた南軍(多分)の兵士、かわされた銃剣が壁にぐさっ。抜けなくなったところで老婆がぽか。さらにもう一人襲ってくるのですが、ロイドおじいちゃんがたじたじと後ずさりをしていたら玄関の木の板踏み抜いて跳ね上がった端が兵士のアゴを直撃。気絶してしまいます。これに気をよくしたロイドおじいちゃん、にわかに元気になって南軍(多分)の基地に潜入します。まず最初にコックをぽかり。彼になりすますと会議に出すパンチにアルコールをどばどば。これじゃ馬だってひっくり返る(笑)。これを将軍たちに飲ませて酔っ払わせると次から次にぽかり、ぽかり。ついにベル将軍までやっつけて暗号書を手に入れたのです。ロイドおじいちゃん、大手柄で英雄になった、ここで場面が元に戻って・・・。

 しかし、ロイド、「僕にはお守りがないから」と肩を落とします。そこでおばあちゃん、「大丈夫、私が持っている」と言い出す調子の良さ(笑)。大槻教授に「そんなこと言うんだったら宇宙人の写真でも見せてみなさいよ」と言われて「いいの、あるよ」と取り出す韮澤さんのよう。ズンのお守りを受け取ったロイドは現金にもたちまち張り切って「うん、おばあちゃん、僕はやるから!」飛び出して行っちゃった。

 さて、あの乱暴者、ローリング・ストーンは保安官と町の人々によってミラーの小屋へ追い詰められております。両者は激しい銃撃戦を展開。ここへやってきたのがロイドです。なにしろお守りがありますから、いきなり「ようし、僕がいっちょぶわーっと行くからみんなついてこい!」その勢いにつられてロイドの後に続くのですが、ローリング・ストーンが一発撃つと、みんな蜘蛛の子散らすように逃げちゃった。一人になったロイド、一瞬あせりますが、何しろお守りがありますからなあ、「よし、こうなったら僕一人でやってやる!」ロイド、小屋に飛び込みローリング・ストーンをぽかり。見事に捕まえてしまったのです。

 ロイド、小屋の窓から「おーい、みんな僕が捕まえたぞ」みんなはわーっと歓声を上げて小屋に殺到します。しかし、ローリング・ストーン、その強力で手足を縛った紐をぶつん、ぶつんと切るやいなや、外へ逃げ出したのでした。とたんにまた蜘蛛の子散らすように逃げる町の人たち(笑)。ローリング・ストーンは車を奪って逃走します。町の人たちも車に飛び乗って追いかけます。ロイドも乗り込んだのですが、車はすし詰め状態。カーブで振り落とされてしまったのでした。しかし、なんたる幸運、先に逃げたローリング・ストーンもカーブでスピード出しすぎて車から放り出されていたのです。ロイドは偶然にも彼と同じ地点で振り落とされてしまったのであります。

 ローリング・ストーンを見つけたロイド、背後から木の枝押し当てて「やい、手を上げろ!」こんな方法で捕まえられてしまうローリング・ストーンが悲しい。ロイドは「やい、きりきりと歩くのだ」このまま町まで連行しようというのでしょうか。てくてく歩いていると知人が通りかかったので振り返って挨拶、そのまま前を歩いているローリング・ストーンとはぐれてしまいますが、気づかない。どんどん歩いているとカーブで再びローリング・ストーンにあって元に戻るというギャグ。この間両者とも全然気がつかないのが面白いですな。歩き疲れたロイド、ネコ車を見つけて、「やい、これで僕を運ぶのだ」ところが、穴ぼこに入ってネコ車転倒、ロイドも投げ出されてしまいます。この時とばかり再び逃げ出すローリング・ストーン。ロイド、丁度居合わせた車を奪って追いかけます。足でハンドルを操作しつつ、投げ縄を取り出します。ロープの一端を自分に巻きつけてヤッ、投げ縄をローリング・ストーンに投げつけるのですが、あにはからんや、郵便ポストに引っかかってロイド、激しい勢いで車から落っこちてしまうのでした。しかし、ロイド、そのまま走り続けている車に追いついて乗り込むとまたローリング・ストーンを追いかけるのです。ついにダウンするローリング・ストーン。ロイドは彼を町まで連行してやんやの喝采を受けるのでした。おばあちゃん、ミルドレッドは大喜び。

 ロイドは有頂天となってミルドレッドの家へ行こうとするのですが、ここで邪魔するのがチャールス。もうすっかり気の大きくなっているロイドですからこれまでのように泣き寝入りするはずもなし。たちまち殴り合いの喧嘩になるのでした。納屋の2階に上がって窓から落っこちそうになったり、落っこちたら落っこちたで下が干草の山でそのまま殴り合いを続けたり、もう大熱戦です。しかし、ついにチャールスは降伏、井戸の側でロイドに「悪かった、仲直りしようぜ」と手を差し伸べます。しかしこれは当然ながら彼の策略。チャールスはわっと手を引っ張ってロイドを井戸に落っことそうとします。「わああ、そんな人を貞子みたいに!」しかし、今回落っこちたのはチャールスの方でした。彼の企みを素早く察知したロイドが逆襲したのです。

 この喧嘩をずっと見ていたおばあちゃん。「ロイドや、良くやったね」しかし、ロイドは浮かぬ顔。「いや、お守りのおかげだ。僕は何もやってないよ」しかし、ああ、なんということでありましょう。おばあちゃんのお守り話はまったくの作り話だったのです。あの人形だって、おばあちゃんの傘の飾りだったのです。「だからね、みんなお前が自分の力でやってのけたのさ」「そうか、うわーい、おばあちゃん、ありがとう」

 ロイドは勇気を振り絞ってミルドレッドにプロポーズ、ミルドレッド頬を染めて「うれしいわ、あなた」となったところで映画は終わります。

 おばあちゃんの取り出すお守りとやらが見た目に安っぽくて、ロイドもこんなのに騙されるなよと思いますが、ハッピーエンドなのでヨシとしておきましょう(えっらそうに)。

 モノクロ・スタンダード、サイレント。画質は標準レベル。『The Harold Lloyd Comedy Collection Vols. 1-3 (1923)New Line Home VideoDVDボックスセット。

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2006年8月 3日 (木)

『足が第一』(『Feet First』 1930年)

 

『足が第一』(『Feet First』 1930年)

靴のセールスマンのロイドがひょんなことからお金持ちと間違われてしまうというストーリー。随分無理があるのですが(笑)船内のどたばたが巧みで笑わされます。ラスト近くのアクションシーンも『用心無用』を凌ぐほどの物凄さ。まさに一本で二度美味しいお得な映画ですなー。

 警告、警告、このDVDのリージョンは1です。したがって日本国内のDVDプレーヤーでは再生できません。警告、警告。

今回の舞台となるのはホノルルの靴の製造販売会社、ターナー靴店であります。社長のターナー氏(ロバート・マクウェード)はそれはもうモーレツ社長で今日も今日とて秘書を怒鳴りつけております。「あのね、うちにはね、新しいスローガン、宣伝文句が必要なの。それを思いつかないならクビですよ、クビ!」

 そんな中、ターナー靴店で販売助手として働いているロイド。マネキンの足を相手に靴のセールスの練習をやっております。「いやー、奥様、見事なおみ足でげすな。宅のワイフとは比べ物になりません、ああ、あやかりたい、あやかりたい」ここに店の支配人やってきて、「ロイド、それ、セールスじゃなくってタイコモチだから。君はセールスには向いておらんよ、無駄なことをやめてショーウィンドウのディスプレイを手伝うのだ」がっかりして立ち上がるロイド、言われたとおり、ディスプレイを手伝おうとしたのですが、何せロイドだからただで済むはずがない。まず、持っていたマネキンの足を店内のソファに置き忘れてしまいます。そこに女性客が座ったものだからどれが本物の足でどれがマネキンだか分からなくなっちゃった。ロイド、定石どおり、間違えて女性客の足を持っていこうとして悲鳴を上げられてしまうというギャグ。

 また先輩から言われて靴伸ばし機、ネジ式で靴の中身を広げるもの、を使って靴を伸ばしておりますと、ショーウィンドウ前にセクシーな女性が。ロイド、彼女に見とれていつまでもネジをぎりぎり。結局せっかくの靴を破壊してしまうのでした。

 ロイド、支配人から靴の配達をおおせつかります。てくてく歩いているのと行き当たったのが乱暴そうなトラック運転手が見るからにお嬢様の女性を怒鳴りつけているところ。「オメーの運転手がおらのトラックにぶつけただよ、こら、弁償してもらわんといかんのう」女性はおろおろするばかり。ロイド、義を見てせざるは優無きなりとばかりに運転手とお嬢さんの間に割って入るのであります。「君、君、ぶつけたというが、そもそも君が違法駐車していたのがいかんのではないかね、けしからんぞ、まったく」ロイドはお嬢さんの方を向いて「さ、お嬢さん、今のうちにお行きなさい」お嬢さんはこの親切な男に大感激で目が早くもハートマークになっております(笑)。「お名前だけでもお聞かせになって」「私はハロルドと申します」「あなたの御親切は忘れませんわー」車に乗り込んで走り去るお嬢さん。ロイドはきれいな人だったなあとにやにや。まあ、この後、運転手にぶん殴られるというオチがつくのですが(笑)。

 このお嬢さん、バーバラ(バーバラ・ケント)が実はターナー社長の親戚であったという・・・。彼女は相変わらず秘書を怒鳴りつけているターナー社長に「今日とても素晴らしい人に会いましたの。ああ、もう一度お会いできないかしら」なんてことを言っております。

 もう一度なんとかしてお会いしたいのはロイドも同じ(笑)。しかし、相手はお金持ちのお嬢様、自分はしがない靴の販売助手。彼はどうしたらいいのかしらと店の古参店員カールソン(アレック・B・フランシス)に相談します。カールソンは「じゃあ、とにかくセールスマンに昇格することだね」しかし、ロイドは「いやー、セールスマンぐらいじゃとてもつりあいがとれませんよ」「だったら、一生懸命働いて出世すればいいじゃないか、この店の支配人なんかどうだ、いっそのこと社長になったりなんかして」「そうか、その手があったか」ってねえよ(笑)。

 このやりとりの後、ロイドは雑誌でたまたま「半年で金持ちになるぞ講座」という怪しい学校を見つけまして、さっそく申し込むのであります。そして次の場面ではいきなり半年経過してロイドはその講座を卒業したという・・・。卒業証書を貰ったロイド、激しく演説いたします。「レザー(皮革)と人類文明は切っても切れない関係にあるのである!皮革がなければ戦争もできないのである!大砲を馬で引っ張ることもできなにのである!馬具も作れないからナポレオンも馬に乗れないのである!」わーっパチパチと激しい拍手。「靴と人類の関係も似ているのである!灼熱の砂漠を靴なしであるけるか?否!ぬかるみを靴なしで歩けるか?否!ことほど左様に靴は重要なものなのである!」

 えーもう皆さんお分かりだと思いますが、ロイドはカールソン相手に演説の練習をしていたのです。パチパチという拍手はレコード。彼はこれからカールソンのアドヴァイスに従って社交クラブ、エンバシークラブにもぐりこんで財界の要人達に自分を売り込んでやろうと思っていたのです。勇んで出かけるロイドにカールソンは「おい、私が用意したメンバーズカードを忘れるなよ」でも何せロイドだからやっぱり忘れてしまうと。

 そしてエンバシークラブの受付で店員に止められてしまいます。しかし、ロイドは一計を案じて「チャーリーはいるかい」店員はきょとんとして、「は、チャーリー様でございますか」「うん、そうそう、待ち合わせしてんの」といいつつするする入り込んじゃった。そして中に入ったロイド、今日の招待客リストを見てジョーンズという人になりすますのでした。彼はフロントに行って「ジョーンズ宛の電報は届いておるかね」「はい、ございます。手数料として75セント頂きます」「そりゃ、ジョーンズ違いだ」こそこそ逃げ出すロイド。何か、今回の映画はこういう小ネタが多いですなあ(笑)。

 そしてここでであったのがなんとバーバラだったという。二人とも思いがけない再会に大喜びです。「六ヶ月ぶりかしら」「いや、六ヶ月と三週間と3日ぶりですよ」ロイド、一生懸命彼女と話しているうちに無意識に手をツボの中に突っ込んで抜けなくなっちゃった。なんとか抜こうとぶんぶん振っていると、いきなりツボがすぽんと抜けてガラスのパーティションを破壊してしまいます。その大きな音にびっくりしてロイドに抱きつくバーバラ。ロイド、ニヤーッ、こんなことならガラスもう、2,3枚割ってやろうかと考えているという・・・(笑)。ここで現れたのがターナー社長です。バーバラは彼を社長に紹介、ロイドはいつばれるのではないかとはらはらしております(笑)。バーバラは「あのね、私たち、週末に本国に戻るの。あなたと御一緒できたらいいわねえ」つーことは客船ですか、そんなものに乗る金があるはずがない。ロイド、あわてて「いや、僕は仕事があって、あは、あは、あははは」と誤魔化すのでした。

 ここで店員が彼を呼び止めます。「あー、ジョーンズ様、お待ち合わせのチャーリー様が現れましたよ」ロイド、びっくりして「え、本物?」「はい、もちろん本物でございますとも」これ以上ここにいたら身の破滅だ、ロイド、呆れ顔の店員とチャーリー氏を残して逃げ出すのでありました。

 さて、翌日、ターナー靴店で仕事に励むロイド。彼はいつの間にかセールスマンに出世しておりました。彼は御夫人相手に「これはこれは見事なおみ足、まるでギリシャの彫像のごとき完璧さでございますな。このおみ足を靴で隠すのがもったいないくらい」やっぱタイコモチじゃん(笑)。良い気分になった御夫人、同じ靴を四ペア買うことになります。ロイド、この売り上げを支配人から誉められて大喜び。と、ここまでは良かったのですが、次に来店したのがなんとバーバラとターナー社長夫人(リリアン・レイトン)だったという・・・。

 幸いバーバラはストッキング売り場に行ったのですが、ターナー社長夫人の方はロイドを捕まえて「あなた、靴を見せてちょうだい」ロイド、ここでバーバラに会ってしまったら非常に不味いことになります。気が動転したロイドはターナー社長夫人にうっかり、「これは見事なおみ足ですな、蹄鉄でも似合いますな」あたしは馬?とむかっとする夫人です。この失言にあせったロイドはさらに支離滅裂となって隣で接客されていた御夫人の靴を商品だと勘違いして夫人にはかせてしまうのです。「あたしの靴に何すんのよ、ウキー」「あたしにナニを履かせているのよ!」御夫人とターナー夫人の両方から怒られるロイド。さらに悪いことにある客が火がついたままのタバコの吸殻を落としちゃった。それがよりによってターナー夫人の靴の中にぽとり。「もう、あたし、帰るざます、早くあたしの靴をはかせるざます」靴を履いて帰ろうとした夫人の表情がみるみる変わって「アチーッ、ヒーッ!」大騒ぎになってしまいましたとさ。

 さて、豪華客船でアメリカ本国へ里帰りしようとしているバーバラ、社長夫妻。出航直前にその客船に乗り込んできたロイド。靴を届けにきたのですが、偶然、バーバラに会ってしまったからさあ大変。バーバラは「やっぱりあなたもこの船でアメリカへ行くのね、御一緒できてうれしいわア」逃げるに逃げられないロイド、さらに社長夫妻に引き合わされてしまいます。「おお偶然だねえ」と上機嫌の社長、ターナー夫人はロイドの顔をしげしげと眺めて「あなたとどこかで会っているような気がするわ」はい、会ってます(笑)。しかし、社長、「誰にでも対して前に会ったと思ってしまうのがお前の悪い癖だ」と取り合いません。ロイド、内心でほっと胸をなで降ろします。

 しかしこうしてはいられない。パーサーと会うという口実でみんなから離れたロイド、急いで下船しようとしたのですが、すでに船は出港しておりました。ああ、どうしよう、無賃乗船だ、寝る船室だってないぞ、途方にくれるロイドです。彼は密かに階段の裏で寝ようとしたのですが、船員達が掃除を始めて水をぶっかけられてしまいました。仕方なく救命ボートにもぐりこみますが、すぐ近くでカップルが「ああ、あなた」「ああ、お前」「愛してるわ」「愛してる」「抱いて」「抱くとも」思わず、「ウルサイ」と飛び出したロイドでした。

 朝になりました。しかし当然ながら文無しで無賃乗船のロイド、朝飯を注文することなどできません。他の乗客が食べているのを腹をグーグー鳴らしながら見ている他ないのであります。ここにやってきたのがターナー夫妻とバーバラ。「ねえ、一緒に朝ごはん食べましょうよ」と誘われてしまいました。ロイド、さっと顔色を変えて「いや、ぼ、僕は朝食を食べない習慣なんです。これが家族の伝統なんです」だって(笑)。

 バーバラは「じゃあ、私が食べるのに付き合ってくださる」ということでロイド、可愛そうに同じテーブルで彼女が飯を食べるのをじっくり見せられる羽目となってしまうのです。しかし、ここで一計を案じたロイド、バーバラに「いやあ、昨日同じテーブルでとてもマナーの悪い奴がいましてな、ほら、パンを」ロイド、パンを彼女から受け取ってコーヒーにざぶり。「こんな上品な船でコーヒーにパンをつける奴がありますかってんだ、ねえ」ロイド、ぱくりとパンを食べてしまいます。「おまけにね、そいつはコーヒーをカップからコーヒー皿にこぼして飲むんですよ、」ロイド、コーヒーをコーヒー皿に入れてずずずっとすすります。「音をたててコーヒーをすするんだからねえ、もうまいっちゃった」

 ここで乗客のペットらしき犬が登場。ロイドは犬をなでて「やあ、とても可愛いなあ。餌をあげよう」彼はバーバラからハンバーグのかけら?を貰って「ほらほら、お肉だよん」と犬に与えるふりをして自分の口に放り込んでしまうのです。犬、明らかにムッとしております。

 さて、まんまと食事をし終えたロイド、これでのんびりできると思ったのですが何気なくバーバラの持っていた雑誌を広げてびっくり。なんと例の「半年で金持ちになるぞ講座」の広告が載っていてしかもそこに使われているのが彼の写真ではないですか。「これを見られたら僕が金持ちの実業家でもなんでもないことがばれてしまう!」彼は大慌てで売店にすっとんでいき、5セントをぽんと放り投げて「この雑誌をちょうだい」店員がレジにお金を入れている隙にそこに並んでいた雑誌を根こそぎ持って行っちゃった(笑)。これを海に放り投げようとしたら風で煽られて逆戻り。甲板に散らばってしまいます。「アチャーッ、こりゃまずい」ロイド、一冊、一冊雑誌を拾ってあるくことになったのです。この雑誌が椅子の上へ。そこに女の人が座っちゃってロイド、もう大変。ようやく女の人が立ち上がったので雑誌を拾おうとしたら、ない。なんと、女性の尻に雑誌がくっついていたという・・・。ロイド、女性からさんざん変な目で見られるのですが、なんとかガムを使って雑誌を回収することに成功します。まったく苦労の耐えないロイドであります。

 彼のピンチは続きます。ターナー社長からディナーに誘われてしまったからです。ロイド、にこやかに頷くのですが内心、「げっ、豪華客船のディナーって正装しなくちゃならないじゃん!」彼は解決策を求めて船内をうろうろ歩き回ります。そして見つけたのが船酔いで凄く気持ち悪そうな乗客。「どうしたんですか」「いやー、気持ちが悪いの」「そりゃ、大変、僕も今朝の朝飯にでたぎっとぎとの塩漬け豚で気持ち悪くなりましたなあ」「塩漬け肉」ゲッと言う顔をする乗客です。「特にあの脂身、食っている時は美味しいんだけど、後からくるんすよねえ、いかんですねえ、脂身」乗客ますます気持ち悪くなっちゃった。ロイド、「おや、お加減がヨロシクないようですな、僕が船室に送って行きましょう」そうして乗客を寝かせてまんまと正装を手に入れてしまうのです。これでターナー夫妻・バーバラとの夕食を無事に済ませることができたのでした。

 しかし、ついに無賃乗船がばれる時がやってきた。「おい、あいつ、怪しいぞ」と船員に追っかけられるロイドです。なんとか彼らを撒いてバーバラのところへ。二人で楽しくおしゃべりしているところにかんかんになったターナー社長がやってきて、「バーバラ、君、なんてことをしてくれたんだね。陸軍との契約日は16日じゃないか、君は18日と言っていたぞ、これじゃ、契約がパーだ、ああ、大損だ!」ここでターナー社長、思いがけないことを言い出します。「君は首だ、私は新しい秘書をやとうことにする!」ロイド、仰天です。ターナー社長の姪ぐらいに思っていた高嶺の花バーバラが実はたんなる彼の秘書だったのです。彼はにわかに張り切りだして、「ターナーさん、そんなにがみがみ言わなくてもいいでしょ、私が契約間に合わせて見せます。明日の昼までにロサンゼルスに着きゃいいんでしょ!」「絶対無理だっつーの」ターナー社長は吐き捨てるのでした。

ただの秘書にしては明らかに親しすぎると思うのですが。

 ロイド、どうにかしてロサンゼルスまで行く方法はないかと考えておりますと、はい、また船員に見つかっちゃった。彼は大慌てで郵便室へ入り、郵便袋に隠れるのです。はい、もうお分かりでしょう。中に人が入っているなどとは夢にも思わない船員たちによってロイドは袋ごと水上飛行機に乗せられてロサンゼルスに運ばれちゃったのです(笑)。これで万々歳かと思いきや、そうは問屋がおろさない。郵便局員が彼の入った袋を誤ってビル清掃のゴンドラに乗せてしまったのですねえ。

 屋上で二人の男がゴンドラを引っ張り上げます。随分高いところまで上がってしまうのですが、袋の中で外のことがぜんぜん分からないロイド、もぞもぞともがきます。ヒーッ、おっかねえ。ようやくナイフを使って袋から出てきたロイド、いきなり自分が地上数十メートルのゴンドラにいることが分かって仰天、思わず、「助けてー」彼は開いていた窓に手を掛けて入り込もうとしたのですが、絶妙のタイミングで窓閉められちゃった。手を挟まれて動けなくなるロイド、ゴンドラは彼を残して引っ張り上げられてしまいます。「助けてー、助けてー」この悲鳴を聞きつけたのがビルの黒人作業員スリーピン・イート(役名が食っちゃ寝 ヒドイ名前だね)、彼は他の窓からロイドを見つけて「お前様、一体そんなところで何しているだね」

 スリーピン・イートはロイドに「上さあがれ、そしたらおらが窓開けてやっから」ロイドはなんとか窓から手を引き抜いてビルの壁面を登り始めます。この後、ビルの窓から捨てられた葉巻がロイドの背中に入ってぎゃーっ、危うく落っこちそうになったり、窓にしがみついたら窓枠ががたんと外れてぎゃーっ、危うくおっこちそうになったり、スリーピン・イートが約束どおり窓を開けてくれたけど、その窓には鉄格子がついていて、ぎゃーっ、危うく落っこちそうになったり、もう大変なの。

 ロイド、ある窓から手を伸ばして消火用のホースを掴みます。しかし当然ながらホースがひゅーっと伸びてロイド急降下。おまけに下を覗き込んだスリーピン・イートが間違えて水を出しちゃった。激しく噴出する水の勢いで人形のように跳ね回るロイド、「Cut it Off!(水止めてぇ)」と叫びますと、スリーピン・イートったら「Cut it Off?(ちょん切れだぁ?)、おら、知らね」斧でホースをがちょーんと切っちゃった(笑)。これで今度こそ墜落死と思われたロイド、偶然にも引き上げられていたゴンドラにつかまることができてついに屋上へ達します。

 「やれやれ助かった」屋上へ這い上がるロイドですが、うっかりペンキ塗りに使うシンナーの壜をこぼしちゃった。たっぷり吸い込んでもうろうとなるロイドです。やれやれやっとっととビルの縁でふらふらするロイド。見ているこっちがハラハラしますよ(笑)。さらにゴンドラを引っ張っていた二人の男が喧嘩を始めてそのパンチがそれてロイドに命中。再びビルから落下するロイド。今度こそ間違いなく死んだ!と思いきやロープが足に絡まって地上ぎりぎりのところで宙吊りになったのです。ロープを足から外してようやく助かったロイド。すぐ近くにあった海軍の事務所へ行って無事契約締結。めでたく西部地区の販売主任に出世、バーバラとも上手くいったという物語でございました。

地上数十メートルのいたっきれの上で袋に入ったまま、モゾモゾ。ヒーッ、夢見そうだよ(笑)。また、「Sleep'n'Eat」(食っちゃ寝て)という素晴らしい役名の黒人作業員、この人は1932年の『Monster Walks』にも出ていましたな。

モノクロ・スタンダード、モノラル音声。英語字幕付。画質・音質はいささか物足りないレベルですが、古い映画ゆえ我慢しようではありませんか。『The Harold Lloyd Comedy Collection Vols. 1-3 (1923)New Line Home VideoDVDボックスセット。

エロの冒険者
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『ドクター・ジャック』(『Dr. Jack』 1922年)

 

『ドクター・ジャック』(『Dr. Jack』 1922年)

               

 やさしいお医者様に扮したロイド、病弱な娘さんを藪医者から助けるために大活躍。ただ、その大活躍の方法というのがちょっとモンダイありかなと思うのです。

 警告、警告、このDVDのリージョンは1です。したがって日本国内のDVDプレーヤーでは再生できません。警告、警告。

あるお金持ちの娘(ミルドレッド・ディヴィス)、しかし彼女はそれはそれは病弱でした。彼女はあまりにも病弱であったので主治医のルドウィグ・フォン・ソールスバーグ先生(エリック・メイン)からいろんなことを禁じられております。まず日光、これは体に障るってドラキュラじゃないんですから(笑)。飾られている花の香りを楽しむのも駄目、体に良くない。階下でお手伝いさんが歌っている歌を聞くのも駄目、神経が休まりません。そんなこんなで4年間、家族の古い友人である弁護士(C・ノーマン・ハモンド)はさすがにソールスバーグ先生を怪しみ娘のお父さん(ジョン・T・プリンス)に「そろそろ医者変えたほうがいいんじゃないの」とささやくのでした。それを聞きつけたソールスバーグ先生、いきなり「私のサナトリウムで転地療養しましょう」と言い出します。あわただしく出かける一家。

 場面はさっと変わってここは田舎町、マグノリア・ミアドゥ。どのくらい田舎というと楽しみといえば蹄鉄投げとクロケットぐらいしかない、兵隊の位でいえば田舎の大将閣下というところで。ここで住民の信頼を集めているのがドクター・ジャック(ハロルド・ロイド)。今日も今日とて小さな女の子から電話。「マリーが死にそうなの、助けて」ロイドはお手伝いさんにテーブル持たせて朝飯を食べながら用意をして、朝飯食べながら家を出て朝飯食べながら車のエンジンかけて、出発です。しかし、「あ、しまった、薬箱忘れちゃった」ロイドは車のハンドルをぐいっ、家の前庭で車をぐるぐる周回させてさっと飛び降ります。家に入って薬箱をとってくると周回を続けている車にさっと飛び乗って今度は本当に出発したのでした。

 「いそげや、いそげ」車を飛ばすロイド。しかし運の悪いことに車がオーバーヒート、お手伝いさんに朝食を届けてくれと頼まれて追いかけてきた白バイに乗せて貰うのですが、いくらも走らないうちに振り落とされてしまいます。それではと自転車を修理していた少年にお金を渡して「これで君の自転車貸してくれたまえ」しかし走り出したとたんに、「おーい、ロイド先生、その自転車チェーンついてないよ」とたんにずっこけるロイド。まあ、それでもなんとか女の子の家に到着する訳です。女の子は泣きながら「マリーが井戸に落ちちゃったのよう」ロイド、急いで覗いてみると、なんと浮かんでいたのは女の子の人形でした。ロイド、苦笑しますが、それでも人形を拾い上げ心配する女の子のために人口呼吸の真似までしてあげるのでした。

 こんなことばっかりやっているから年中無休で112時間働いているのに年収が300ドルしかないんです(笑)。

 ロイドは今度はある少年の家へ。母親が「どうも息子は重い病気のようなんです」しかしロイドが脈を取ってみると、なんともありません。「ははあ、仮病だな」ロイドはお母さんに向かって「そういえば今朝学校が焼けちゃったそうですなあ、当分休校になるんじゃないですか」それを聞いたとたん、「ええ、本当?」と飛び上がる少年。はい、ばれちゃった。かんかんになったお母さん、少年の尻を棒でひっぱたこうとするのですが、可愛そうに思ったロイド、少年のズボンを借りてマクラを詰め込み、偽の尻を作ります。そしてそれをお母さんに叩かせるのでした。ロイドは少年にささやきます。「ほら、痛がっているふりをするんだ」このロイドの心遣いのおかげで少年はピンチを逃れることが出来たのです。

 続いてロイドは老婦人の家に。「おばあさん、元気を出して、僕が電報で注文した薬が届きますよ」呼び鈴がなって入ってきたのはあの弁護士ではありませんか。彼は元気な母親の姿を見てびっくり。「急病って言われたから仕事放り出して帰ってきたのに」ロイドはにこにこと「お母さんにとって、あなたが一番の妙薬なんですよ。これから月に一度、同じ処方箋を書きますからね」最初は憤然とした弁護士でしたが、何しろ母親が大喜びしているものですから怒るに怒れません。それどころか、ロイドのやり方にいたく感心してしまうのです。「この医者こそ、彼女(ミルドレッド)に必要じゃないのかな」と考えたのでした。

 さて、サナトリウムから帰宅することになったお嬢さん、ソールスバーグ先生と共に偶然にマグノリア・ミアドゥに立ち寄ることになりました。小腹も空いたからレストランで食事しようということになります。そこで偶然彼らと相席になったのがロイドという・・・。ところが外であの仮病少年が遊んでいた。彼はロイドの姿を見つけて「やあ、先生」とばかりにフットボールを投げ込んできます。ロイド、はっしと受け止めてすぐに投げ返す、ソールスバーグ先生はなんという男だろうと呆れています(笑)。さらに少年の飼い犬がテーブルの下にもぐりこんできた。先生はぎょっとして飛び上がり犬を蹴りだします。憤然となるロイドと病弱な少女。ここで少年が投げたフットボールが先生の頭に命中。「も、わし帰る!」少女を連れて出て行ってしまうのでした。ロイド、なかなか好ましい女性だと思っていたのでがっくり。

 この後、ホテルで若い女性からまた頼まれるロイド、「先生、父が上の階でポーカーやっているんです。いつも負けてばかりなんだけど、ちっともこりないんです、やめさせて貰えませんか」もはや医者の仕事とは全然関係ないし(笑)。でもロイドは快く引き受けてポーカールームへ。彼はトランプの箱を次々と開けてAの札を集めます。そして女性のお父さんをちょんちょんとつついて「いいの、ありますよ」もともとAのワンペアだったところにA二枚を渡してフォアカードにしちゃった。これで勝たせるのかと思いきや、隣のおっさんにも擦り寄って「いいの、ありますよ」今度はAのスリーカード!そんなこんなでゲームに参加している全員にAを渡しちゃうのです。みんな、うわあ、凄くいい手になったってんでどんどんレイズ。有り金全部掛けちゃいます。そして手札を開けてみるとAがたくさん、たくさん。「てめえ、イカサマやりやがったな」ということになってゲームはお開きに。ロイドは女性の頼みを見事果たしたのですが、場面が長かった割に今ひとつ面白くなかったですなあ(笑)。

 さて、ここからが本番。弁護士はロイドを病弱な女の子の家へつれていきます。そして、「ソーンバーグ先生は無視して君のやり方で治療したまえ、ヨロシク頼んだよ」女の子にあったロイドは驚いて「ああ、君はあの時の」女の子もうれしそうに「まあ、あの時の」何言ってんだか(笑)。ロイドは彼女を診察して「脈も正常、顔色も良い、君はどこも悪くないんじゃないの」ロイドはお手伝いさんに頼んで締め切ってあった窓を全開、女の子は大喜びです。ところがここでソーンバーグ先生がやってきた。彼は日の光の下ではしゃいでる女の子を見て顔色を変え「何をしているのだ、今すぐ窓を閉めるのだ!」そうして彼はロイドを別室に引っ張っていって「一体全体君は何をしてくれたのかね」と問い詰めるのでした。

 ソーンバーグ先生はがみがみと「いいかね、これからは私の治療方針にしたがって貰うよ、まず」彼はカルテを取り出してロイドに見せます。ロイドがそれをぺらりとめくるたびに先生の顔に当たるのがおかしい。先生はそれからいろいろ説明するのですが、ロイドは女の子の方に注意がいっててまるで上の空。そのうち、女の子に向かってハンケチ振り出します。先生が気がつくと、そ知らぬ顔で「ああ、どうも、ここは虫が多いですな」だって。

 続いて先生、ロイドに「彼女の目を診察してみたまえ、それでいろいろなことが分かるのだ」ロイドは前かがみになって女の子の目を覗き込みます。「もっと近づいて」立ち上がってさらに顔を近づけるロイド、「もっと、もっと」うっかり足を滑らせたロイド、女の子にチュッとキスしてしまったのです。それを見ていた父親、先生、そして彼を推薦した弁護士までがかんかん。「君はもうなんてことをするのだ。君はクビだ、明朝一番の列車で帰りたまえ!」キス一つでえらいことになっちゃった(笑)。

 その夜居間で物思いに沈むロイド。そこへやってきたのは女の子です。「明日は見送るなって言われてるから今のうちにさよならをしにきたの」女の子のこのかわいらしい台詞にロイドはがきーん!彼は女の子に「よし、僕は帰らないぞ、ここに残ってきっと助けてあげる」と、ここでいきなりどこかでピストルがずどん、ですよ。なんだ、なんだとみんな起きてきて大騒ぎ。二人のおまわりさんがやってきて、「脱走犯のバンピー・ローガンがこの辺に逃げ込んだようです。皆さん、戸締りをきちんとして外に出ないようにしてください」真夜中の大捕物でありますな。これでみんなは大コーフン。女の子まで目をきらきらさせて「怖いわ、脱走犯が来たらどうしましょう」その姿をみたロイドはぽんと手を打って「そうだ、彼女は今まで興奮したことがなかったのだ。興奮、スリル、これが彼女に必要なものだ」そ、そうかなあ(笑)。

 ロイド、部屋に隠れてモップで髪の毛をつくり、帽子を被ります。紙で鋭い牙をつけて、ああ、これは変装しているのですなあ。そしてぱっと飛び出してみんなを脅かしにかかるのです。これからロイド=悪漢の大活躍。悪漢、部屋へ逃げ込む、中で変装をといて転がりだしてくる。みんな、「あ、ロイドが悪漢と戦っている!」と思う訳ですよ。ロイド、また部屋へ飛び込んで椅子で床をがんがん叩いて大きな音を出します。みんなますます「ロイドが戦っている」と思うわけですよ(笑)。

 ロイド、部屋から出てきて「みなさん、悪漢はこの部屋の中ですぞ」そしてみんなを部屋へ呼び込むとベッドの下に飛び込んで隠して置いた変装道具でまた悪漢へ。ぴゃっと飛び出します。「あ、悪漢がいたぞ」みんなは彼を追いかけるのでした。女の子も大張り切り。「これでひっぱたいてやるわ!」と長い棒を振り上げます。そしてソファの後ろでもぞもぞやっていた人陰を一撃。しかし、それはロイド、「あ、ごめんなさい女の子は一生懸命ロイドを介抱します。そんなこんなでいいムードになりかけるのですが、ここで召使の一人が世界一余計なことをしちゃいました。なんと彼は番犬を家の中に話したのです。当然ながら三度悪漢に変装したロイドを追っかけます。一度は浴室にあった睡眠剤をしみこませたタオルで犬を眠らせたのですが(ヒドイ!)、逃げ出そうとしたら召使がドアをばんと開けちゃった。弾き飛ばされたロイドが朦朧としている内に犬復活(笑)。また追いかけられるのです。さんざんに追っかけまわされたロイド、ついに起死回生の妙手、戸棚の扉を開けると犬を誘い込んで閉じ込めちゃったのであります。

 さてと安心してソファーの陰で変装を解くロイド。これを女の子が見ていたのですねえ。「まあ、あの人だったの」と何故かさらに好意をもってしまう女の子(笑)。一方、ソーンバーグ先生はこの夜中にも関わらずホテルへ行くのだと言い出しております。「こんなアブナイところにいられませんな」しかしロイドが「いや、悪漢は僕が追い出しましたよ」というと態度を一変させ「んじゃ、残りましょうか」これを聞いて怒った女の子、ロイドが隠して置いた変装道具で悪漢に変身、うわっと飛び出て先生を脅かしたのであります。

 そして正体を現して父親に「ロイドが私たちのためにやってくれたのよ」ソーンバーグ先生は「一体全体なんてことをしてくれたのだ」と怒り狂うのですが、父親は彼に治療されて沈み込んでいる女の子、そして、今の元気一杯の女の子との姿を心の中で比べて、「先生、出て行くのはあなたです」と彼をクビにしてしまったのでありました。先生、なおも抗議するのですが、ここでロイドが戸棚を開けると閉じ込められた犬が飛び出してきて、先生の尻にがぶり。哀れ、先生、ズボンの尻を食い破られた格好ですごすご逃げ出していくのです。おしまい。

 いくら女の子のためとは言え、悪漢に変装して家族を死ぬほど怖がらせるのはどうかと思いますよ、ロイドさん。

  モノクロ・スタンダード、サイレント。画質はまあまあというところ。『The Harold Lloyd Comedy Collection Vols. 1-3 (1923)New Line Home VideoDVDボックスセット。

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『ロイドの人気者』(『The Freshman』 1925年)

 

『ロイドの人気者』(『The Freshman』 1925年)

 憧れの大学生となったロイドは学校の人気者になるべく、いろんなところで頑張るのですが…。

 警告、警告、このDVDのリージョンは1です。したがって日本国内のDVDプレーヤーでは再生できません。警告、警告。

テートカレッジへ入学することになっているロイド、前々から大学生活にあこがれていた彼は両親が心配するほど夢中になっております。彼はテート大学のイヤーブックをぱらぱらと眺めて「大学一の人気者、フットボールのヒーロー チート・トラスク(ジェームズ・アンダーソン)」の写真を壁にはってうっとりと眺めてみたり、『カレッジヒーロー』という映画を6回も見てみたり、とにかく頭の中は大学のことばかり。おまけに彼は両親の前でジグのステップを踊って見せて「『カレッジヒーロー』という映画の中じゃみんな自己紹介する時に踊るんだぜ」、両親、大はしゃぎのロイドに「あんなことやって皆から引かれなきゃいいのだが」と密かに思うのでありました。

 さて、いよいよカレッジへ入学する時がやってきました。走る列車の中でロイドは腹ごしらえをしようと食堂車へ。そこで偶然本作のヒロイン、ペギー(ジョビーナ・ラルストン)の隣に座ることになったのでした。この時、ジョビーナはクロスワードパズルに熱中。あまり熱心にやっていたのでついつい覗き込んでしまうロイドです。ペギーは鉛筆をなめなめ「あなたが愛する人の呼び方?うーん、スイートハートかしら」ロイド思わず「いや、ダーリンでしょ」「うーん、いとしい人(しと)なんてどうかしら」「それじゃゴクリです」この会話を聞いていた隣の老婦人、思いっきり勘違いして「あらあ、まったく仲の良いことねえ、若い人はいいわあ」ロイドは恥ずかしがって一目散にその場を逃げ出すのでした。

 列車はいよいよ到着。どよどよと降りる新入生たち。ロイドも荷物を抱えてホームへ降り立ちます。しかし、ダサいセーターにTの文字という田舎モノ丸出しのロイドに意地悪な先輩が目をつけた。列車から降りてこれからどうしようと迷っているロイドに近づいた先輩は「君、カレッジへ行く車はアレだよ、早く乗りなよ」その車は校長先生の自家用車。そうとは知らずいそいそと乗り込むロイドです。自家用車の運転手も運転手で乗り込んだのが誰かも確認せず、じゃあ、行きまっせと発進させてしまうのでありました。取り残された校長、憮然として「あの生徒は何だ」

 さて、テートカレッジでは講堂に新入生がオリエンテーションのために集まっております。ここで校長が一席ぶつのが恒例。しかし舞台の幕が開けるとたっていたのはロイド、運転手、彼を校長だと思っていたので裏の出口につれていってしまったんですなあ。ロイドは子猫が舞台の柱の上で降りられなくなっていたのを助けようとしていたところで幕が開いたという訳。大慌てのロイドに新入生たちは大笑い。びっくりして引っ込もうとするとあの意地悪な先輩がおし戻して「おい、新入生はスピーチすることになってるんだ!」「ええっ、本当っすか」舞台に戻ったロイド、しどろもどろです。みんな、大笑い。おまけに助けた例の猫がセーターに入ってもぞもぞ、みんなさらに、大笑い。ついでに助けた子猫の母猫がやってきて心配そうににーにー、ロイド、セーターの首から無理やり子猫を引っ張り出して母猫に渡します。みんなはもう転げまわって涙まで流して笑っています。

 ここでロイド、大好きな映画、『カレッジ・ヒーロー』の主人公の決め台詞を思い出します。「僕はフツーの男さ、良かったら僕のことはスピーディと呼んでくれたまい!」これでさらに大うけ。みんなはひーひー言ってます。「もう死ぬもう死ぬおなかイタイ、やめてやめて」あの意地悪な先輩もまたなんとしたことか人気NO1男のチートまでロイドを取り囲んで「君、やるじゃないか、よし、アイスクリームでも食べにいこう」彼らはロイドを中心に外へ出てアイスクリームパーラー目指して行進します。途中、どんどん人数が増えていってしまいにはあの子猫と母猫が後からついていくという・・・。ロイド、「これで僕は人気者」と思い込んでしまったのでありました。

 もちろん、みんな、彼をからかって面白がっているのですが。

 さて、下宿へ戻ったロイド。汚れに汚れた部屋の鏡を布で拭きますと、背後に映っていたのがなんとあのペギー。彼女はこの下宿屋の娘さんだったのです。「あ、こりゃ、この間はどうも」「いえ、私こそ」なんてお互いもじもじしております(笑)。ペギー、猫に引っ張られて取れたシャツのボタンを見つけて「あら、おボタンが、私がつけて差し上げますわ」なにがおボタンなんですかねー。このペギーの優しさにもう夢心地のロイド。ボタン付けが終わってしまうとペギーが行ってしまう。ロイドはこの時間を長引かせるべく、次々に自分でボタンを毟り取ってしまうのでした。

 すっかり人気者きどりのロイド。そんな彼にあの意地悪な先輩がささやきます。「君、やっぱりね、人気者はフットボールしなくちゃ、ね、ぜひやりたまえ」ロイド、のこのこフットボールの練習をしているグラウンドに現れると(笑)。そこで大学のフットボールチームに激を飛ばしていたコーチ(パット・ハーマン)が彼を見咎めて「ん、なんだ、お前は。何、フットボールをやりたい?よろしい、ボールを蹴ってみろ」ロイドがぼいーんとボールを蹴ると何故か後ろに飛んでしまいます。犬小屋に命中して犬に追いかけられるロイド。コーチは呆れて「駄目だ、こりゃ」

 今度は「よし、お前、タックルしてみろ」ロープに吊り下げられたダミー人形に向かってロイド、突進します。しかしコーチがひょいとロープを引っ張ったので見事空振り。負けじとまた突進すると今度はロープを緩められてまた空振り。ここでコーチ、何かの用事でやってきた職員と話し始めます。この隙を狙ってロイドが三度突進。今度は首尾よく人形に飛びつくのですが、ロープが引っ張られて油断していたコーチがひっくり返ります。「お前、いい加減にしろ」大目玉を食らってしまいましたとさ。

 コーチはロイドを追い出そうとしたのですがあまりにロイドが熱心なために「よし、お前、みんなのタックルの練習台になれ!」ひどい目にあわせれば諦めるだろうということだったのですが、あにはからんやロイド、次々とタックルかまされてへろへろになりながらも頑張る、頑張る。ついにチーム全員のタックルを受けてしまったのです。おまけにこの後、みんなの道具を片付けるという巨人二軍時代の多摩川グラウンドでの星飛雄馬のような真面目さ。これにほだされたチートとコーチ、彼をチームのウォーターボーイとして採用することになったのです。

 ホテルのクラークで働いていたペギー、偶然あの意地悪な先輩がこう言っているのを聞いてしまいました。「おい、ロイドの奴、またいいネタができたぞ。あいつ、ウォーターボーイなのに、自分はフットボールのチームに入れたと勘違いしているんだ」あっはっはっはと笑いさんざめく友人達。ペギーは大層心を痛めます。そして下宿にへろへろで帰ってきたロイドに本当のことを話そうとするのですが、ロイドがあんまり嬉しそうに「おれ、フットボールのチームに入れたんだ、よーし、頑張るぞ」と張り切っているものですからついに言いそびれてしまったのであります。こうしてロイドの勘違いはますます酷くなっていくのでした(笑)。

 さてカレッジの秋のお楽しみ、フォールパーティが近づいてきました。そのホストに選べれたのがなんと我らがロイド、ホストには人気者しかなれないと思っていたロイドは大喜びです。もちろん、みんな、彼をからかって選んだのですが、そんなことロイドに分かる筈もなし。彼はいさんでパーティ用のスーツを仕立てます。ところがこの仕立て屋さん(ジョセフ・ハリングトン)が年寄りでどうも頼りない。おまけにいきなり失神したりします(笑)。慌てた奥さんが一杯のブランデーを飲ませたらたちまちしゃっきり。「一杯のお酒が特効薬ですの」っておいおい、アブねえなあ。

 ロイドの心配が当たってスーツは出来上がりません。ついにパーティの開始時間を過ぎてしまいました。やむなくロイド、今だ仮縫製しかしてないスーツを着て飛び出します。仕立て屋さん、あわてて「まだ完成してないんだから、気をつけて、あっあ、そんな急に動かないで、走らないで、スーツがばらばらになってしまう!」心配のあまり、仕立て屋さん、ロイドについてパーティ会場であるホテルへ行くことになります。そしてようやく到着。ロイドは途中で買ってきた花束をペギーに渡して意気揚々と会場に入っていくのでした。みんなは大喜び。大拍手です。しかし、ロイド、その拍手に答えて手を上げようとしたら、バリッ、脇の下が破けます。胸ポケットからハンケチ取り出そうとしたら胸ポケットごとバリリ、あっと驚いて振り向いたら今度は背中がバリリ。仕立て屋さん、大慌てで繕い始めるのでした。

 ロイドはダンスに引っ張り出されます。仕立て屋さん、「わし、見てるから、もしどっかが破れたらベルならすから」ダンスを始めるロイド。ところがテーブルのカップルがウェイター呼ぼうとしてベルをチーン、チーン、繰り返し鳴らします。その度に破れたのかと思ってあせるロイド。しかし鳴らしているのがカップルだと知って「なーんだ」と安心します。するとその直後に今度は本当に片袖が取れちゃった。しかもダンスパートナーの女の子のドレスに引っかかって持っていかれちゃった。必死にベルを鳴らす仕立て屋さん、しかし、ロイド、またカップルが鳴らしているので気にしないというギャグ。この後散々苦労して片袖を取り返したり、また仕立て屋さんがぶっ倒れて酒を求めて右往左往したりとギャグが続きます。

 ようやく一段落してふとクラークにいるペギーに目を留めたロイド。なんと彼女は貰った花束で恋占い。「ロイドは私を愛してる、愛してない、愛してる、あ、愛しているだわ、ウレシー!」ロイド、思わず「うおおお、激萌え-!、今時花びらで恋占い、そんな女の子がいたなんて!」ロイド、彼女を抱きしめてぶちゅぶちゅぶちゅちゅーとキス。一気に二人の仲が進展したのであります(笑)。ところがここでペギーにちょっかいを出す男が現れた。彼はペギーの手をがっと掴むと「ええやろ、させんかい!」ペギーの悲鳴に駆けつけてきたロイド、「何さらすんじゃ、ワレ!」と空中高く舞い上がって必殺のロイドキックです。蹴られた男はぼいーんと飛んでクローゼットにどすーん。ある種のコントのようにぼろぼろになって立ち上がってきて、「畜生、よくもやりやがったな、この勘違い男め。いいか、本当のことを教えてやろう」やめてやめてそんなこと言わないでという顔のペギーですが、すでに遅し。「お前は人気者なんかじゃない、皆からからかわれているんだよ、馬鹿にされているんだよ」ロイド、がーんとなります。ふらふらとパーティ会場に戻ってみると、みんながロイドのあの踊りを真似てげらげら大笑いしているという・・・。ロイド、「そうか、そうだったんだ、僕はなんて馬鹿だったんだろう」

 落ち込むだけ落ち込むロイド、彼の部屋で壁に貼り付けていた自分の写真がぱらりと剥がれてゴミ箱にぽとってそこまでやらなくても思いますが(笑)そんな彼を慰め勇気付けたのはペギーでした。「からかわれてたって、いいじゃない、あなたにできることを見せておやんなさいよ」好きな女の台詞一つで割りと安易に回復するロイドです。「よーし、フットボールの試合が最後のチャンスだ」だから君はウォーターボーイなんだって(笑)。

 そのフットボールの試合、ユニオンステートカレッジとの対抗戦です。ベンチで無闇に張り切っているのを見てまたあの意地悪な先輩たちが「おい、ロイドの奴、ウォーターボーイなのに試合に出る気だぜ」大笑いしております。試合はテートカレッジ不利。相手の大型選手のタックルでテートカレッジの選手は次々と負傷退場させられてしまいます。スコアは30、残り時間、10分、大ピンチであります。ここでコーチから呼ばれたロイド、「やった僕の出番だ」と駆け出すのですが、なんと「あ、彼のセーター破けちゃったから君のと取り替えて」だって(笑)。すごすごとベンチに戻ります。再開される試合、しかしまたもタックルを受けて選手が一人伸びちゃった。ロイド、チャーンス!とばかりにコーチに猛アピールです。「ねえ、コーチ、僕を出してくださいよ、もう控えの選手いないじゃないですか、僕出さないと棄権になってしまいますよ」審判からも早く交代選手を出せと催促されたコーチ、ついに、「ヨーシ、ロイド、お前行け!」

 ようやく試合出場がかなったロイドですが、さすがにフットボールは甘くない。スクラムでいきなりつぶされたり、敵味方の下敷きになって担架で運ばれかけたり、興奮した観客が投げた帽子をボールと勘違いしてキャッチ、自分ひとりでトライを決めたり。みんな大笑い、コーチはかんかんです。しかし、そんな彼にもやっとチャンスがめぐってきた。ボールを偶然受け取ったロイド、走る、走る、しかし惜しくもタックルされてトライならず。審判がぴーっと笛を吹いたのですが、気がつかないロイド、なおも走ろうとします。コーチはそんな彼を引き止めて「笛が鳴ったらボールを地面に置くの!」

 これでどうなるのかと言うと、この後再びボールを受け取ったロイド、走りに走ってトライ直前というところで汽笛がぴーっ。これを審判の笛と勘違いしたロイドはゴールエリア直前で立ち止まり、ボールを地面に置いてしまうのでした。「もうお前、あと一分しかないんだよ、本当の最後のチャンスだったんだよ」もう泣きそうになっているチート。コーチはベンチに自分の頭をがんがんぶつけています。もちろん、観客は大笑い。心配そうなペギーと彼女のお母さん。試合が再開、もはや逆転のチャンスはないかと思われたのですが、ここで奇蹟が起こった。ロイド、ボールを持っている相手選手にタックルかましてボールを奪うとまたまた大激走!試合終了一秒前にトライを決めてしまったのです。大逆転勝利、野球で言うなら9回裏ツーアウトで一点差、三振したかと思いきや、キャッチャーがボールをそらして振り逃げ、次のバッターが逆転サヨナラホームランみたいなもんです。この瞬間、ロイドは本物の学園の人気者になったのでした。

 観衆はロイドを担ぎ上げて勝利のパレード。みんな、あれほど馬鹿にしていたロイドのジグのステップを練習したりなんかしております。コーチなんか練習している学生達に「いや、違う、そこはこうやるんだよ」そんな中、ペギーがこっそりメモをロイドに渡します。ロイドが読んでみると、「やっぱりあなたはやればできる人だったのよ、愛しているわ」ロイドにっこりというところで映画が終わります。

 最初はロイドがイタクってイタクってたまらなかったのですが(笑)、それだけにラストの大逆転勝利は痛快そのもの。いやあ、面白かった。

  モノクロ・スタンダード、サイレント。画質は良好。『The Harold Lloyd Comedy Collection Vols. 1-3 (1923)New Line Home VideoDVDボックスセット。

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『田吾作ロイド一番槍』(『Kid Brother』 1927)

 

『田吾作ロイド一番槍』(『Kid Brother』 1927

 「貧弱な坊や」と馬鹿にされていたロイドが強盗事件で大活躍。一人前の大人として認められるという典型的なロイド映画。ラストで可愛い恋人ジョビーナ・ラルストンと結ばれるのもお約束、お約束であります。

 警告、警告、このDVDのリージョンは1です。したがって日本国内のDVDプレーヤーでは再生できません。警告、警告。

田舎町をがらごろと進む馬車。パワー教授の「医学ショー」興行馬車であります。もっとも主催者のパワー教授は死んじゃってて残された娘のマリー(ジョビーナ・ラルストン)が仲間のフレッシュ(エディ・ボーランド)や猿使いの大男とともにこれからどうやっていこうかしらと思案しているような状態。しかし、悩んでいても仕方ないのでとりあえず近くの町、ヒッコリーヴィルで興行打ちましょうやということになったのです。

医学ショーというのは移動舞台で芸を見せて、ついでに薬を売りつけるという、いわば芸達者な越後の薬売りみたいなもの。

 このヒッコリーヴィルの有名人、ヒッコリー一家、シェリフで住民の尊敬を一心に集めるジム(ウォルター・ジェームス)、たくましい二人の息子レオ(レオ・ウィリス)とオーリー(オーリー・フランシス)、そして末弟でみそっかすのロイド。ロイドは知恵は働くのですが、ブルワーカー使う前のような貧弱な坊や。おまけに誕生日が41日で一家の中で馬鹿にされております。今日も今日とて父と上の兄二人がたくましい腕で丸太を抱えているのを羨ましそうに見ているロイド。彼の役目は洗濯。洗い終わった洗濯ものをタコを使って干しております。

 そこへ作業を終えたジムがやってきて、「おい、ロイド、町民会議に着ていくシャツの洗濯は済んだだろうな。そのシャツに何か起こったらタダじゃおかんぞ」こんなこと言われてシャツに何か起こらない訳がない(笑)。ロイドがちょっと目を話した隙に牛がシャツに噛み付いたのです。「わあ、ヤバイ」あわててタコの糸を引っ張ると今度はぶちっ、タコ糸が切れて洗濯物はタコに引っ張られて空中へ舞い上がります。「これはさらにヤバイ!」ロイド、洗濯物を追いかけて走り出します。

 その洗濯物、運の悪いことにロイドの宿敵ハンク・フーパー(ラルフ・ヤーズレー)の家に飛び込んじゃった。それも偶然、洗濯をしていたハンクの洗濯かごの中にすっぽり入っちゃったのです。ロイド、洗濯かごの中からパパのシャツや他の洗濯物を取り出して「ああ、良かった」しかし当然ながらハンクは「このロイドめ、なぜうちの洗濯物を盗むだ!」彼を追いかけるのでした。これからしばらく二人のおっかけっこ。ロイドはたくみに逃げ回りつつあちこちに散らばった洗濯物も回収。木の上に引っかかった洗濯物をとるためにわざと他の洗濯物をひっかけます。すると自分の洗濯物と勘違いしたハンクが木によじ登る。その重みで木がぐいっと曲がったところでロイドが飛びついて洗濯物を取る、そんなギャグが繰り返されるのでした。そしてついに自宅へ到着したロイド。ハーパーは彼に殴りかかったのですが、ここで出てきたのがジムとハーパーの父であるサム(フランク・ラニング)、ロイドはジムに「お前、わしのシャツをびりびりにしおって」ハンクはサムに「ここの家のもんと悶着起こすなって言ったろうが」それぞれぶん殴られてしまうのでした。

 ジムはサムに「もうすぐダムができる、ヒッコリーヴィルにとっての大事件になるぞ」するとサムはイヤミっぽく「そう、それにあんたにとっても大事件になるな」ちょっと意味深な会話ですね。これが後の伏線になっているのでしょう。

 さて、シャツのことは諦めて(笑)町民会議へ出かけるジムとレオ・オーリー。当然ながらみそっかすのロイドはお留守番。ここへ興行の許可を得るためにやってきたのが「医学ショー」一行ですよ。鬼の居ぬ間のなんとやらで父親の保安官バッヂやガンベルトをつけて遊んでいたロイド、彼らに保安官その人だと思われて訳も分からず許可書にサインしてしまったのです。「よーし、明日からさっそく店開きだ」張り切る医学ショー一行。そのままヒッコリーヴィルの町へ向かうのでありました。

父のジムは常々、「医学ショー」などといういかがわしい輩は町には入れん!と言っていたのですがねえ(笑)。

 そしてさっそくに舞台の準備。その合間に森へ散歩に出かけるマリーです。しかし彼女をつけていたのが猿使いの大男。彼はやにわにマリーに襲い掛かると「ええやろ、させんかい」「ヒーッ」マリー逃げ出します。追う猿使い、逃げるマリー、ここに颯爽と登場したのがロイド。彼は助けを求めてきたマリーを庇って猿使いに棒を振り上げ、「てめー、近寄るな、近寄ると・・・、ヒドイぞ」猿使いは彼の剣幕に怯え・・・じゃなくってこの棒に偶然絡みついた蛇を見て逃げ出してしまうのです。マリー、そんな彼にもうボーッ。「あなたのお名前は」「ヒッコリーです」「まあ、あの有名な、私、どうしてヒッコリーさんの家が有名なのか分かっちゃった。あなたがとても勇敢だからだわ」「有名なのは親父が保安官だから」「いいえ、そんなことはありませんわ」ええもうボーイ・ミーツ・ガールでたちまち仲良くなるという。この後二人は握手して別れることになるのですが別れがたいロイド、木の上によじ登って叫びます。「君の名前は?」「マリーよ」「じゃあ、マリー、さようなら」熱心に手を振り合う二人。しかしやっぱりまだ別れたくないロイド、さらに高く上って「君はどこに住んでいるの」「私、医学ショーの興行やってるわ、見に来てね」「うん、分かった、じゃあ、さよなら」あんまり手を振りすぎたのでバランスを崩したロイド、木から転げ落ちてしまいます。それでもうれしそうにニヤニヤしておりますな(笑)。

 しかし、ジムだったら絶対許さなかった医学ショーの興行、すんなり行くはずがありません。自分の知らぬうちに興行の許可が出されていたことを知ったジムは激怒して、「ロイド、お前だな、余計なことをしたのは。今から行って興行を中止させてこい!」と彼を家からたたき出してしまったのであります。仕方なく町へ向かうロイド。そしてマリーの可憐なる歌とダンスで大盛り上がりの観客の足元を潜り抜けて舞台へと上がります。彼はフレッシュにちょいちょいと合図して、「あの申し訳ないんだけどさ、パパが興行中止しろって言っているんだけど」そんなことを言っても相手にされるはずがありません。彼はフレッシュの「世紀の大魔術、このロイド君を1.2.3で消してごらんにいれます」という口上の後、床の仕掛けで床下に落とされたり、両手に手錠をかけられて吊るされたりもう散々な目に合わされるのです。

 これを見て喜んだのがハンク・ハーパー。彼はどこから持ってきたのか(笑)火のついた炭を入れた皿でロイドのお尻をあぶり始めたのです。「アチ、アチ、アチチチ、うわあ、僕のお尻が火事です!」あまりの熱さにあばれるロイド。炭の皿を蹴っ飛ばして落としてしまいました。これが舞台のカーテンに引火してたちまち燃え上がり、あわれ医学ショーの舞台は馬車もろとも燃えてしまったのであります。おまけにジムから「24時間以内の退去」を命ぜられたマリーは大ショック。大粒の涙をこぼして泣くのでありました。

 そんな彼女を慰めるロイド。しかし、また運の悪いことに大雨が降ってきたのです。ロイドは馬車を失ってしまった彼女を自宅にこっそり連れ帰りとめてあげることにします。ジムはすでに就寝。二人の兄はまだ起きていたのですが、何しろ西部の荒くれ男、女には弱い、弱い(笑)。ロイドがマリーを連れてきたのを見て止めるどころか「ウワー、女だ」って逃げちゃうの。ロイド、そんな兄たちを尻目に彼女にコーヒーを飲ませて食事をさせベッドの用意。さあ、寝ようということになったのですが、ここで現れたのがハンクとそのお母さん。実はハンク、ロイドが自宅に彼女を連れ込んだところを目撃して邪魔しにきたんですねえ(笑)。お母さんは「こんな男所帯に若い嫁入り前の娘がとまるなんてトンデモない。家にきなさい」と彼女を連れていってしまいます。がっかりするロイド。何を期待していたのか、これまたがっかりする兄二人。

 さて、ハーパー家に泊めてもらったマリーですが、医学ショーの他の面々、フレッシュや猿使い男は野宿を余儀なくされております。次の朝、わらの中でううーんと起きた二人、落ちていた新聞を拾って読んでみますとなになに、「ダム建設資金、ダム建設祝典の日までシェリフが預かる」。二人は顔を見合わせてにやっ。何かよからぬことをたくらんだようです。というか、こんなことを記事にするなんてまるで、さあ、狙ってくれと言わんばかりですな(笑)。

まあ、マリーを強姦しようとしたり、建設資金をナニしようかと企んだり、どうもこの医学ショーの面々はロクでもないですなあ。ジムが絶対許さないというのも無理はありません。

 さて、ヒッコリー家、マリーは昨夜のうちにハーパー家へ行ってしまっているのですが、そうとは知らぬ二人の兄。台所のカーテンの向こうでマリーが寝ていると思ってそわそわ。実際はロイドが寝ているのですが、なんとか彼女に取り入ろうとする兄二人はお互いに隙をうかがいあって朝食の差し入れ。ロイドはそれをカーテンの向こうから受け取ってぱくぱく。朝飯を二食分、日ごろ虐げられている彼にとっては盆と正月がいっぺんに来たようなもの(笑)。しかし、その喜びも長くは続きませんでした。朝飯を食べているはずのマリーがやってきたからです。じゃあ、カーテンの向こうにいるのは誰?「ロイドじゃん!」怒り狂った兄二人はロイドを激しく追いかけるのです。

 ロイド、ジムの馬車に素早く乗るとジムの上着をひっかけます。そして追いかけてきた兄二人に「あっちだよ」「そう、パパ、ありがとう」だーっとあっちに向かって走ると馬車に乗っていた筈のジムがいた。「あれがロイドだったんじゃん!」再び激しくロイドを追いかける兄二人です。ところがこの間、ジムその人が馬車に乗って上着を着てしまったからさあ、大変。「同じ手は食わないぞ」ということでパパをタコ殴りにする兄二人。当然ながらジムに大目玉を食らうのでありました。

 ピンチを逃れたロイドにマリーは「もうメディシンショーできなくなったからハーパーの家でお手伝いさんになったの」と知らせます。ハーパーのところで、と嫌な予感に囚われるロイドですがとにかく彼女を送りだすのでした。ここでまた兄二人に追いかけられるロイドですが、いつの間にかマリーと二人でお花摘み。はっとたじろぐ兄たちですが、実はロイドがヤギにマリーの服を被せていたというオチ。これはなかなか面白い。

 さて、ダムの式典に行こうとするマリー。しかしここでちょっかいを出してきたのがハンクです。「なあなあ、俺と一緒にダム式典へ行こうよ、何、行かない!ふん、俺と行かないなら、この家からださないよーん」どうも、このへんの男達は女慣れしていないようですな(笑)。彼女を迎えにきたロイド、この勝手きわまるハンクの台詞を聞いて激怒。石を拾ってハンクの後頭部に投げつけます。がんと当たってハンク、「てめー、ロイド、ぶち殺してダイチョー引きずりだす!」と外に飛び出した。そして畑でロイドの帽子が動いているのを見つけて飛び掛るのですが、それはなんと豚。ロイドが自分の帽子を豚に乗っけていたのでした。この隙にロイド、まんまとマリーを連れ出すことに成功します。

 しかし、ここで大事件発生。ヒッコリー家からダムの建設資金が盗まれてしまったのです。ジムは家の中に医学ショーの許可書が落ちていたことから、犯人があの二人、フレッシュと猿使いではないかと考えます。そして彼はレオとオーリンにライフルを渡して「二人を捕まえてこい、頼んだぞ!」ロイドも志願したのですが、彼に対してジムは「これは男の仕事だ。お前のような貧弱な坊やが出る幕じゃない」これでがっかりしたロイド、なすすべくもなく立ち尽くすのでした。そんな彼を元気づけるマリー。「あなたはどうしていかないの?」「だって僕はみそっかすなんだもん、貧弱な坊やなんだもん、君は僕の事を買いかぶっているんだもん」「そんなことはないわ、もっと自信を持ちなさい」ちゅっとキスするマリーです。さあ、ロイド、たちまち元気になって「よし、マリー、僕も行くぞ!」だって(笑)。

 ところがこのキスを見たハンク、めらめらと嫉妬の炎を燃やしまして、町の人に「おい、あれは医学ショーの娘だ、ロイドが彼女を逃がそうとしているぞ!」町民たちはなんとしたことかわっと二人に襲い掛かってマリーを捕らえ、ロイドはボートに乗せられて海に流されちゃったのであります。

 ところがこのボートが幸いした。フレッシュと猿使いは海岸に座礁した船に潜んでいたのです。これにボートがごっつんこ。気を失っていたロイドがこのショックで目を覚ましますと船の上で見たことのある猿がうっきっきと遊んでいるではありませんか。そしてその猿が落とした紙を見ると、これがヒッコリー家一同でサインした金の預かり状だったのです。そうか、ここに隠れていたのか、ロイドはさっそく船の上によじ登るのでした。そして船室を覗いてみますと、いるいる、フレッシュと猿使いが盗んだ金を数えている。おまけに取り分めぐって大喧嘩はじめたぞ(笑)。猿使いはフレッシュをさんざんに殴り、失神した彼を床下にどぼん。落としてしまいました。フレッシュ、これで退場、以降映画に出てきません。可愛そうなものであります。

 ロイド、船室に潜入、金を奪い返さんとするのですが、あの猿が毛布を被って隠れたロイドのことを猿使いに知らせちゃった。毛布を剥がれて飛び上がるロイド、たちまち、彼と猿使いのおっかけっことなります。逃げる、ロイド、足にロープを引っ掛けられて引き倒されてしまいます。近くにあった斧でこのロープをヤッと切断、斧を振り上げて猿使いを脅かすのですが、ぽとりと刃が落ちちゃった(笑)。再び脱兎のごとく逃げ出すロイド。このままじゃ埒が明きません。ロイド、思案投げ首の末に猿を捕まえて自分の靴をはかせるのでした。猿は大きすぎるロイドの靴をはいて船内をどたんどたんと歩き回ります。そのまま上甲板にでてやっぱりどたん、どたん。これはとっても可愛いぞ(笑)。この足音をロイドと勘違いした猿使い、金を船室に残したまま上甲板に登っていくのです。この隙に金を取ったロイド、逃げ出そうとするのですが、猿のトリックに気がついた猿使いが戻ってきて戦いとなります。

 ロイド、ロープで垂れ下がっている滑車をえいと猿使いにぶつけますと彼は船の浸水部分にどぼーん。「わあ、助けてくれ、おれは泳げないのだ」ロイドも飛び込んで水中で戦い。ついに彼を失神せしめるのであります。大変な苦労をして男を引っ張りあげるとロープで縛ります。さあ、今度こそ金を取り返したぞと思ったのですが、男は復活。ロープをほどいてまたロイドに襲い掛かるのでした。

 一方町ではあのサム・ハーパーが「やっぱり金はシェリフが盗んだのだ。こいつを縛り首にしろ」町の人たちも無責任に「そうだ、そうだ」あっという間にジムの処刑が決まってしまったのです。どうにも野蛮きわまりないことですなあ。

 猿使いとまだ戦っているロイド。彼は浮き輪を男にぼんぼん被せることに成功しました。そのままどんどん被せていってついに男は動けなくなってしまうのです。ロイドはこれをまたロープで縛り上げ、滑車を使って海へどぼん。ロイドはぷかりと浮かんだ浮き輪に乗って箒をオール代わりにして陸へ上陸します。そのまま坂をごろごろ転がして町へ急ぐロイド。男は浮き輪の中で目を回しております。しかし、この間にも町民たちはジムを処刑台に引き立てています。さあ、間に合うか、どうなるか、まあ、間に合うに決まっていますな(笑)。ロイドは馬車に乗り換えて行進する町民たちの前に現れると「ほら、僕が捕まえましたよ」猿使いは捕まり、金も戻った。疑いが晴れたジムはロイドを抱きしめて「よくやった、息子よ、お前はもはや貧弱な坊やなどではないぞ、立派な男だ」

 そしてロイドはマリーとも再会。これを見てちぇっと舌打ちするハンクですが、ロイドがこれに気がついて殴りあい。もうもうと砂埃がたちます。この砂埃が晴れてみると、殴り倒されたハンク、マリーと仲良く歩いているロイド、こういう場面で映画は終わります。

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『ロイドの巨人征服』(『Why Worry?』 1923年)

 

病弱ロイドが南の島で革命軍相手に大暴れ!病弱な男が大暴れとは矛盾しておりますが、そこは映画を見れば分かります。さて、はじまり、はじまり…。

 警告、警告、このDVDのリージョンは1です。したがって日本国内のDVDプレーヤーでは再生できません。警告、警告。

なぜか自分を病弱だと思い込んでいる若き大富豪のロイド、ついに忠実なる召使(ウォーレス・フォー)と彼を密かにしたう看護婦(ジョビーナ・ラルストン)をつれて南米の島、パラディスコ島で療養することになったのであります。豪華客船の乗り込もうとするロイド一行ですが、ロイド曰く「何しろ僕は病弱ですからな」救急車で乗り付けるという慎重さ。召使は船酔いに効くというレモンを箱一杯持っております。もちろん、歩いて乗船なんかしやしません。ストレッチャーで寝たまま乗り込むのです。

 ロイドは同じようにストレッチャーに乗せられた老人を見つけて自慢げに話しかけます。「何しろ、僕は病弱ですからな。ドクターは僕が掛かってないのは天然痘ぐらいだと言っていましたな」すると老人、ぱちりと目を開けて「あ、天然痘ならわし、かかっとる」それを聞いたとたん、病弱な筈のロイドが脱兎のごとく走って逃げ出すというギャグ。しかし、なんですな、天然痘とは古いですな(笑)。さすがは1923年の映画ですな。

 二週間の船旅。ロイドを密かにしたう看護婦、胸をときめかせながらロイドの脈をとっております。その後ろで食事を運んできた召使がひっくり返った!びっくりしてロイドに飛びつく看護婦。ロイド、目を白黒させます。すると心臓がどきどき。ロイド、「まずい、心臓発作だ」と看護婦放り出して薬を飲むというオチ。次に男性船員を話す看護婦、その姿を見ていたロイド、何か頭がかっかしてくる。どうも嫉妬のようですが、「何しろ僕は病弱ですからな」のロイドです。熱が出てきたと勘違いしてまた薬。まったく楽しい船旅のようで結構、結構。

 さて、パラディスコ島ですが、一見いかにも暢気そう。みーんな寝ている、あんまり長く寝ているので蜘蛛の巣が張っているおじいさんもいる、馬車につながれたロバまでごろんと寝転んじゃった。そんな島でしたが、実はジム・ブレイク(ジム・メイソン)という男によって革命の計画が進んでいたのであります。今日も今日とて一番の部下、無敵のハーキュリー・ただし自称(レオ・ホワイト)が一般人の家庭を徴収、住人を追い出して会議を始めるのでしたってひどい(笑)。ジム・ブレイクはそこで部下達に手紙を見せます。「世界銀行より、ジム・ブレイクへ。君の行動は我々の商売に差し支えるのでこれ以上放っておけない。代理人を送るのでその指示に従え!」良く分かりませんが革命資金でも借りていたのですかね。

 ジム・ブレイクと部下達は「よーし、そんな代理人野郎なんかぶっ殺してやる!」と息巻く訳です。そしてこの代理人に間違われるのが・・・、後はもうお分かりでしょう。

 パラディスコ島に到着したロイド、車椅子を看護婦に押して貰っています。ところが急に坂道になったもので車椅子が看護婦の手から離れて走り出した。そしてロイドは運が悪くというか都合が良くというか、とにかくジム・ブレイクたちが作戦会議をしている家に突入してしまったのです。びっくり仰天のジム・ブレイクたち。ロイドは車椅子から立ち上がると、周りを見渡して「え、およびじゃない、およびじゃないね、こりゃまた失礼しました」どかーん、ジムたち派手にずっこけるってお前は植木等か!ゆうゆうと家を出て行くロイドにジム・ブレイクと部下達は顔を見合わせて「代理人というのはあいつに違いない!」

 さて、ロイドは看護婦と召使を残して散歩に出かけることに。散歩に出かけた直後、召使が攫われてしまいますが、そんなこととは露知らずのロイド。「のんびりしたいい町だなあ。何しろ僕は病弱ですからな、こんな町がいいのです」どかん、喧嘩で殴られた男が伸びてしまいます。「ほら、昼間っから寝ているよ、いいねー」また喧嘩で殴られた男、それを助けようとした女が抱きついたのを見て、「ほうほう、昼間からダンスかね、いいですなあ」とことん暢気なロイドです。

 しかし、ロイドの幸運もここまで。バルコニーで喧嘩ってみんなそればっかしですな(笑)。この喧嘩のとばっちりで置いてあった大きな植木鉢が落下。ロイドの頭を直撃します。ふらふらとなったロイド、「何しろ僕は病弱ですからな、おまけに頭に怪我して、こりゃ、急いでホテルに帰らなくちゃ」しかし、道が分かりません。ホテルを探してあっちへうろうろ、こっちへうろうろ。これを見ていたジム・ブレイク、ロイドに近づいて「私の部下に護衛と道案内させましょう」彼はスペイン語で部下たちに「このアホめを牢屋へぶち込んでしまえ!」スペイン語が分からないロイドは鷹揚に頷いて「皆さん、頼みますよ、何しろ僕は病弱ですからな」

 はい、まんまと牢屋へ叩き込まれてしまいましたとさ。この牢屋には先客がいました。その名はコロッサル、二メートルはあろうかと思われる巨人です。彼はジム・ブレイクの革命部隊と戦っていた世捨て人なのですが、運の悪いことに歯を悪くしちゃった。これで抵抗できなくなって捕まってしまったのです。ロイドは彼の助けを借りて窓の鉄格子をぶっこわし、苦労はしたもののなんとか脱獄に成功したのでした。

 一方一人残された看護婦、彼女に「お、ええ女やん」というジム・ブレイクの魔手が迫ります。いきなり真昼間からわっと抱きついて「ええやろ、させんかい!」看護婦、ひーっと逃げ出します。そして民家に逃げ込んで彼をなんとかやりすごすのでした。

 さて、ロイド、コロッサルと一緒に逃げようとするのですが、再びコロッサルの歯が痛み出した。はい、これから始まるのがおなじみ抜歯ギャグという奴であります。まず靴紐を悪い歯に結び付けてせいの!で引っ張ると紐が切れてしまう。次にもっと丈夫なロープを針金使って歯につなぎ、馬に引かせようとするのですが、肝心なところで馬からロープが外れてしまう。しかたないとロイドがロープ持って走り出すと、コロッサルが後から走っておいかけてくる。これじゃあ、歯は抜けません。

 「何しろ僕は病弱ですからな、いつまでもこんなことやってられません」ロイドはロープを木の枝に引っ掛けると建物の2階から飛び降ります。これでコロッサルの歯を抜こうという算段ですが、あにはからんや、ぶらーんとぶら下がっちゃった。また建物の2階に上がったロイド、今度は植木鉢抱えて飛び降りようとします。ところが何の拍子か、コロッサルの歯がぽろりと抜けちゃった。そうとは知らず飛び降りるロイド。植木鉢もろとも地面に激突するのでした。ヒドイ目にあったロイドでしたが、コロッサルはこれで感謝感激。ロイドの忠実なる仲間となったのであります。

 農民の家に隠れた看護婦、男の服を借りて変装、逃げ出そうとするのですが、あらくれ者二人が入り込んできて酒盛りを始めちゃう。これで逃げられなくなってしまいます。一方ロイド、捕まえられてようやく逃げ出してきたらしい召使に「旦那様、革命です、革命が起こりますぞ」これを聞いたロイドは憤然。「僕は何しろ病弱ですからな。この島には療養に来たんだ、革命なんて起こさせてたまるものか」彼はコロッサルを従えて革命軍と戦うのです。「何しろ僕は病弱ですからな、なるべくならこんなことはしたくないのだ」と兵士たちと殴り合い。コロッサルはもっと豪快に大砲を持ち上げてぽいぽい捨ててしまいます。ウワー、これはたまらぬと逃げ出した兵隊たち。勝ち誇るロイドとコロッサルでしたが、すぐに新手がやってきた。

 ロイドは転がっている大砲の弾を指差して「コロッサル、これで奴らをやっつけるんだ」コロッサルは弾を抱えてボーリング風に転がすのです。弾はごろごろ転がってボーリングのピンよろしく隊列を組んだ兵士達に見事命中。「ストライク!」とロイドがはしゃいでチョークでドアにスコアをつけるというギャグ。

 すでに町中いたるところで政府軍と革命軍が戦っています。ロイドはいちいちコロッサルに「みんなやっつけてしまえ」この時ロイド、井戸から水を汲んで薬を飲もうとするのですが、勢い余って靴をぬらしてしまいます。「濡れた靴は万病の元。何しろ僕は病弱ですからな、そんなものはとてもはいてられない」靴をすててしまいました。そしてコロッサルがやっつけた兵隊の靴をとってはこうとするのですが、サイズが合わなかったり底に穴があいていたり。コロッサルがずーっと戦っている最中、傍らに靴を山と積み上げて探すロイド。どうしても適当なのが見つからなくってしまいには竹馬にのっております。見かねたコロッサル、自分のでっかい靴をあげて紐で縛らせるのでした。

 またもやってきた革命軍。筏に大砲を積んで川を下ってきます。これはいけない、ロイドはコロッサルに大砲を担がせてまるでカメバズーカ状態。「よし、コロッサル、頭を下げろ!」ひもをぐいっと引くってぇとドカーン、大砲が発射されて筏をばらばらにしてしまいました。橋を渡ってくる革命軍の兵士、これにもコロッサルバズーカの大砲が炸裂。みんな大慌てで逃げ出します。

 さあ、これで静かになった。ロイドは「何しろ僕は病弱ですからな。病弱でも腹がへるのだ」飯を食いに行こうということになります。ここでようやく看護婦を探すことにしたロイド、またチョークを使って家のドアに看護婦の似顔絵書いて「コロッサル、こんな感じの女の人を探してくれ」するとコロッサル、全然関係ない女の人をどんどん連れてきてしまうのです。「何しろ僕は病弱ですからな、それでもその女は・・・違うって!」閉口したロイド、ある家のドアにもたれかかるとドアが開いて中に転がり込んでしまいます。ここが都合の良いことに看護婦が閉じ込められている家だったという(笑)。

 ロイドは彼女を見てびっくり。「君、何でそんなカッコをしているの」どうも彼は男装の看護婦を見て「目覚めてしまった」ようであります(笑)。いきなり「君の目はきれいだねえ」ここでやってきたジムにも「ねえ、彼女、きれいだと思わない」ジムは驚いて「何、彼女?そうか、変装していたのか、うへへへ、ええやろ、させんかい」どうもこの人はこればっかりですな。ロイド、そんなジムに対して戦いを挑みます。殴りあったりものを投げあったり、しまいにはジムの足を持って引きずり回したりして、とても病弱な人とは思えぬ戦いぶり。ジムが逃げ出した後、ロイドも気がついて「僕はなにしろ病弱ですからな、ああ、心臓がどきどきする」なんて言ってます(笑)。看護婦はそんなロイドにうっとり。いいムードになるかと思いきやロイド、「さあ、薬を早くちょうだいな!」看護婦がっかりするという・・・。

 コロッサル、また女の人をたくさん攫ってきて「もういいから、見つかったから」とロイドに怒られるのでした。

 この後ジムの部下が性懲りもなく看護婦を攫おうとします。追いかけるロイド、あ、あいつら2階に上ったな、よし、いきなり2階のバルコニーによじ登るロイド。でもあわてていたので隣の家だったとさ(笑)。しかし、コロッサルがロイドのいるバルコニーをもぎ取って隣へ運ぶという力技でむりやり解決。ロイド、看護婦を取り返します。看護婦、彼に薬を飲ませようとしたのですが、だいぶ元気になってきたロイド、「いいよ、いいよ、薬なんか」もはや病弱でもなんでもありません。

 しかし、彼の体を心配した看護婦はコロッサルの指に腕時計をはめて(笑)「二分ごとにあの人にお薬あげてね」以降、いいタイミングでコロッサルがロイドに無理やり薬を飲ませるギャグが繰り返されることになるのです。

 革命軍の目論見は崩れたかのように思えたのですが、さらに新手がやってきた。驚いたロイドは看護婦、コロッサルに手伝わせて偽装作戦です。梯子の片方の縦棒を取って塀の向こうから上に持ち上げてみせる。するとやってきた兵隊たちにたくさんの鉄砲部隊がいるように見えるという仕掛け。続いてコロッサルが葉巻、看護婦が太鼓、ロイドがやしの実を持って偽砲撃作戦。コロッサルが葉巻の煙を土管にぷう、看護婦が太鼓をどん!ロイドがやしの実をぽいっ。ぷう、どん、ぽい、ぷう、どん、ぽい、たちまちパニック状態に陥る革命軍。実際にやしの実が命中したりして、あっという間に敗走してしまうのでした。

 「わあ、良かった、勝ったんだ」抱き合って喜ぶロイドと看護婦。そして「僕は君を愛しているんだ」とキス。ぶちゅぶちゅぶちゅちゅー。そんないいところでコロッサルがロイドをひっぺがして薬を飲ませるというオチでありました。

 意気揚々とコロッサルをつれて帰国するロイドと看護婦。そして二人は結婚し一年後に玉のような赤ちゃんが生まれます。その知らせを聞いて会社から飛び出すロイド。今は警官になって交通整理をやっているコロッサルも彼を追いかけて、車が大混乱となった場面でおしまい。

 んー、椰子の実が飛んできたくらいで逃げ出してちゃ、とても革命はおぼつきませんな(笑)。やっぱり革命はカストロに限る?

  モノクロ・スタンダード、サイレント。英語字幕付。画質はまあ、不満のないレベル。なんてったって1923年の映画ですから贅沢言っちゃ罰があたろうってもんです。『The Harold Lloyd Comedy Collection Vols. 1-3 (1923)New Line Home VideoDVDボックスセット。

エロの冒険者
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      SFシネクラシックス 輸入DVDでみるSF黄金時代(笑)

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