« 『豪勇ロイド』(『Grandma's Boy』 1922年) | トップページ | 『オレだって侵略者だぜ!!』(『The Galaxy Invader』 1985年) »

2006年8月31日 (木)

『Now or Never』(1921年)

 

ほぼ全編、列車の中で展開されるロイド喜劇。いささか退屈ではありますが(笑)ラストちかくでトンネルに突入せんとする列車の上でロイドが逆向きに走るアクションが凄い。この場面だけで僕はもうお腹いっぱいです。

警告、警告、このDVDのリージョンは1です。したがって日本国内のDVDプレーヤーでは再生できません。警告、警告。

大金持ちだけど、仕事で大忙しのパパ、社交界のお付き合いに夢中のママ、そうして放ったらかされた小さな女の子ドリー(アンナ・メイ・ビルソン)が出来上がり。今晩もママは舞踏会を開いてパパはお仕事で外出中。眠っていた女の子が目を覚まして降りてきてしまうのですが、ママはお手伝いのマリー(ミルドレッド・ディヴィス)を呼んで「ちゃんと見てくれてないと困るじゃないの」と叱りつけるばかり。この時いいタイミングでパパが帰ってきたのですが、「明日は出張で早いんだ。すぐ寝るからね」と女の子にキスひとつしようとはしません。

 マリーは明日、幼馴染のロイドと会うために実家へ帰ることになっていたのですが、この両親の冷たい仕打ちに憤然となって女の子を旅行に連れ出そうと決意するのですって、両親に無断なのですから、そりゃ誘拐ですがな(笑)。

 さて、ロイド、マリーの18歳の誕生日に実家で会うという約束を果たすために車を猛スピードで走らせております。暢気な田舎町を一瞬で駆け抜ける暴走車、驚いた保安官は次の町の保安官に「車をすっ飛ばしている阿呆がいるぞ、そっちで捕まえてくれ!」と電話するのですが、それが終わる前にびゅーん、ロイドの車は通り過ぎてしまうという・・・。ますますスピードを上げて暴走するロイドカー。ついに誤って農家の納屋に突っ込んでしまうのでした。納屋の反対から飛び出すとボンネットには男、運転席には豚とアヒルがいるというギャグ。ロイド、恐縮して男に「いやあ、すみません、修理代払いますよ」しかし、この男、農場の主人などではなく、納屋に潜り込んで寝ていた浮浪者だったのです。そのことに気がついたロイドは彼を追っかけます。

 列車の下に逃げ込んだ浮浪者。動き出した列車を追ってロイドも走る。そして首尾よく列車の下部にしがみつきます。ロイドは自分のベルトを浮浪者の足にひっかけてぎゅうぎゅう引っ張り、ついに彼が靴に隠していた金を取り戻すことに成功したのでした。ところが金を取り返した瞬間、近くのパイプからしゅーっと蒸気が噴出してきて、「アッチッチ」お金を全部飛ばしてしまいましたとさ。この後、列車から落っこちそうになったロイド、尻が線路に接触して火花がばちばち。また、「アッチッチ!」となります。列車が駅についた瞬間、ロイドはばっと飛び出して煙を上げる尻を氷の上にどさっ。すると氷が見る見る解けて氷売りのおじさんがびっくりというギャグ。

 この駅で偶然、ロイドはマリーと出会うのです。幼馴染との再会に喜ぶ二人ですが、悪いことにマリーの御主人が同じ列車に乗っていたと言う・・・。ドリーを連れているマリーは「こりゃ、やばいわ」と真っ青。ロイドに、「あなた、同じ列車に乗るんでしょ、だったらこの子を預って、私、ご主人様に説明してくるから」ってロイドにドリーを押し付けちゃった(笑)。ロイドは大弱りです。こんな小さな子供を連れていたら誘拐だと思われそうだし、何より彼はこの列車の切符を持ってないのですから。

 仕方なくドリーを連れて列車に乗り込むロイド。ところが上手くしたもので、この列車に乗り遅れたお客さんが「おーい、待ってくれー」ロイドはぱっと列車から飛び降りるとそのお客さんを助ける振りをして、切符をさっと取るとそのまま走って列車に乗り込んじゃった。憮然とする乗客、とりあえず切符は手に入ったと喜ぶロイド。ヒドイ奴ですなあ(笑)。さて、これで心配事はなくなったとドリーと一緒に客車へ移るロイドです。彼は仏頂面をしているドリーを慰めようと、鍵をかちゃかちゃ鳴らしたり、変な顔をしてみたり奮闘するのですが、ドリーは一言「バッカみたい」どうも子守というものはむつかしい。

 そのまま夜となって寝台車に移ります。寝台券を持ってないロイドはあせるのですが、上手いことに何時だと聞かれて木曜日だと答えるほどぐでんぐでんの酔っ払いが二人。二人を同じ寝台に押し込んでロイド、もう一人の寝台に乗り込んでしまいます。ここでマリーがやってきてしばらくイチャイチャ。しかし、ロイド、寝台のカーテンから突き出ていた他所の女の人の足をミルドレッドの手だと思って撫で回したからさあ、大変。散々に文句を言われてしまうのでした。この騒ぎでマリーは自分の寝台へ戻ってしまいます。がっかりしたロイド、寝ようとするのですが、今度はドリーが「ねえ、子守唄歌ってよ」ロイド、仕方なしに「眠れー、眠れー」と歌いだすのですがこれがトンデモなく下手糞で周りの人から怒鳴られるわ、モノは投げられるわ、さんざんな目に会ってしまうのでした。

 ドリーはさらに「あたち、寝る前にいつもミルク飲んでるの」ロイドは緊急停止レバーを引いて列車を止めると近くの農場で牛の乳を搾るのですってそんなムチャな(笑)。大騒ぎする車掌達を尻目に戻ってきたロイド、ドリーに牛乳を渡そうとするのですが、「ちぇ、もう寝てらあ」

 さて、翌日、洗面所でも大騒ぎ。一人の横柄な客がロイドにどうしても順番を譲りません。頭に来たロイド、そいつのチケットの行く先、エルミアなのを確かめると車掌の声マネで「まもなくエルミア到着です」男は慌てて出て行くというギャグ。この後でゆうゆうと洗面を済ませるロイドであります。客車に戻ってみるとドリーがいません。どうやら彼女も洗面所にいるらしい。しかし、ロイド、まさか女性用洗面所を覗く訳にもいかずやきもき、たまらずちょっと中を覗いてキャーチカンと他のご婦人に叫ばれたりしております。

 ドリーが戻ってきてこれでようやくゆっくり出来ると思いきや、検札に来た車掌さんがロイドの切符を見て、「こりゃ、お客さん、乗り過ごしてますよ、次の駅でおりなさい」まー、人の切符を奪ったのですから文句は言えません(笑)。無論、ドリーを置いていくわけにはいきませんので、ロイド一計を案じて、「いや、この切符は女の子のでして」ロイド、次の駅でドリー置き去りにしちゃった。それはないだろうと思っていると、ロイド、列車の中を猛スピードで走って最後尾へ。そこでドリーを無事拾い上げるのです。

自分で降りて戻ってきた方が手っ取り早いのではないかと思うのですが(笑)。

 こんなに頑張ったのにやっぱり車掌に見咎められてロイド、追っかけられることになります。彼は窓から列車の屋根へ。車掌をやり過ごそうとしたのですが、あ、窓を車掌が閉めちゃった。呆然とするロイドです。しかも前方にトンネルが迫ってくるではありませんか。ヤバイ、ロイド、列車の後部に向かって走り出します。でも列車の速度に叶うすべもなくトンネルとの距離がどんどん縮まって、ロイド、トンネルのすぐ前で走っている。ウワー、アブナイ、ロイド、ばったり倒れてついにトンネルの中へ吸い込まれてしまうのでした。あっという間に真っ黒になるロイド。

 やれやれと列車の後部デッキに下りますと、そこでは御主人と彼に説明を終えたマリー、そしてドリーがいました。マリーはロイドと抱き合ってキス、ぶちゅぶちゅちゅちゅちゅちゅー。これにてオシマイ。

モノクロ・スタンダード サイレント。画質はなかなかの出来。『The Harold Lloyd Comedy Collection Vols. 1-3 (1923)New Line Home VideoDVDボックスセット。

エロの冒険者
       HOMEPAGE http://homepage3.nifty.com/housei/
      SFシネクラシックス 輸入DVDでみるSF黄金時代(笑)

   バックナンバーはこちらhttp://homepage3.nifty.com/housei/SFcineclassics.htm

|

« 『豪勇ロイド』(『Grandma's Boy』 1922年) | トップページ | 『オレだって侵略者だぜ!!』(『The Galaxy Invader』 1985年) »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 『Now or Never』(1921年):

« 『豪勇ロイド』(『Grandma's Boy』 1922年) | トップページ | 『オレだって侵略者だぜ!!』(『The Galaxy Invader』 1985年) »