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2006年8月31日 (木)

『The Astral Factor』(1976年)

 

超能力実験の末に自分の姿を消す能力を身に着けた殺人犯が、病院を脱走。その能力でもって自分に不利な証言をした女達に復讐を開始!という映画なのですが、断言しましょう。あなた、こんな映画見てると結婚できなくなりますよ。一生を棒に振りますよ。早く目を覚まさないと取り返しのつかないことになってしまいますよ。

ここはカリフォルニア州立病院、その一角に牢屋がしつらえてあって精神にモンダイのある(有体に言えばキチガ×)犯罪者が収容されております。ここでヨガのポーズで瞑想している男が一人。実の母親を絞め殺した罪で収監されているロジャー・サンズ(フランク・アシュモア)。夜の夜中に何やっているんだと思っておりますと、突然彼の体が緑色にぴかぴか輝いてあっ、透明になった!この出来事を偶然目撃した黒人囚人がびっくり。「うわああ、お前、一体何してんねん!」ロジャーはふっと姿を現すと「お前、よけいなこと言うたら殺すど」「へへん、牢の中やで、殺すっていったいどないするつもりじゃ」するとロジャーの目がぴかーっ。黒人のかけていた眼鏡のレンズがぱきっ(大笑い)。黒人は転がりまわって苦悶しはじめたのでした。「ひー、やめてんか、誰にもいわへん、堪忍しとくんなはれやー」どうやらこの男、透明になれるばかりか念力まで使えるらしい。

 この騒ぎを聞きつけた警備員が「こら、お前ら、 静かにせんかい」ここでロジャー、再び精神を集中。透明になります。警備員は空っぽの牢を見てびっくり。「ややっ、ロジャーの奴が脱走じゃ」中を調べようと入ったところでがちゃん、透明ロジャーに閉じ込められてしまったのです。「うわー、えらいこっちゃ、助けてくれー」他の警備員達がぞくぞく駆けつけてくるのですが、うかつにもドアを開けっ放しにしやがった。ロジャーはそのドアを通って難なく脱走に成功したのです。

 墓地まで来て姿を現したロジャー。ある墓の前にひざまずいて「母さん、母さん、僕は戻ってきたよ」どうやらここは彼の母のお墓のようですな。彼の記憶の中で母親が叫びます。「これからパーティに行くの。だいたい私には息子なんかいないことになっているのよ。戻ってこられても困るの!」ひでぇ母親だなあ(笑)。ロジャーが思い出し怒りに身を震わせているとやってきたのが墓地の警備員。「こら、お前、夜中にこんなところで何やっとるのや」またまたロジャーの目がぴかーっ。警備員、目に見えぬ何かに押されて埋葬に備えて掘られていた墓穴にどてっ。さらに脇に詰まれていた土がどさどさと降り注いで警備員を生き埋めにしてしまったのでした。

 さて、この後ロジャーはどうするか。透明になれるんだからお風呂屋に忍び込んで女湯覗こうか。それともポルノ映画を無料で覗くか、道路に寝転がって若い女のスカートの中を覗こうかって、あんた、覗いてばっかりですな!まあ、当然ながらこういうことにはならず、ロジャーはある女の後を付回すのでした。彼女の名前はダーリン・デロング(スー・リオン)、ロジャーの母親の友達で裁判でロジャーに不利な証言した5人の女達の一人だったのです。デロングはゴージャスな彼女のマンションへ戻ります。ロジャーはすかさず透明になって彼女の後を追い、まんまと部屋に潜入したのでした。そうとは知らぬデロング、バスタブにお湯をためてお風呂タイム。優雅に石鹸で体を洗っておりますと、透明のロジャーがすいと来て「ハロー、母さん」透明のまま彼女の首を絞めて殺害したのであります。
 
 さっと場面は変わってテレビで白黒のスラップスティック映画を見ている男。チャールズ・バレット警視(ロバート・フォックスワース)であります。傍らの電話がなって取り上げると「警視、殺人ですわ。すぐ来とくんなはれ」バレットはがくっとして「わしは休暇中やぞ」「それでも来とくんなはれ、これは警部の命令ですのや」しぶしぶながら起き上がるバレット。彼は服を着替えて妻のキャンディ(ステファニー・パワーズ)に「じゃ、行ってくるわ」。ちゅっとキスして出かけます。

 そして現場であるデロングの部屋へ。検視官といろいろ調べていくうちにバスルームのドアノブと電話に怪しい指紋を発見。これが脱走したロジャーのものであることがすぐに分かってしまうのがいいですな(笑)。奴は何らかの方法を使って自分を透明にして脱走、殺人を犯したらしい。バレット警視はすぐさまロジャーが犯人であると判断。彼の裁判のいきさつから「こら、あかん、他の証言者たちも襲われるわ!」ということで直ちに証言者の保護と護衛に取り掛かるのです。彼は部下のホールト刑事(マーク・スレイド)に「お前、ロクサーン・レイモンド(レナタ・ヴァシール)いう女を捜さんかい。わしはクリス・ハートマン(エルク・ソマー)を引き受けるから」

 どたばた駆け回った末にクリス・ハートマンの護衛体勢を完了、ホールトからも「ロクサーンはプロのダンサーですわ、彼女の出演している劇場見つけましたわ」という報告も来て一安心。バレットはロジャーを担当した医者から彼についての話を聞くことになります。その結果、ロジャーは母親から息子である自分の存在を徹底的に否定されて彼女を絞殺したこと、彼女の友達を殺すことによって母親殺しを再体験していること、彼は超能力に関心を抱いていたこと。また彼に対して何らかのESP実験が試みられたこと、などが判明します。特にESP実験ではロジャーはいきなりぶっ倒れて失神、死んだかと思われたのですが、20分後に回復したというのです。これが彼の超能力を目覚めさせる結果になったのではないかと言うのですが、どうも捜査の役には立ちそうにない証言ですなあ(笑)。

 バレットはホールトを連れてロジャーの母親の家に。偶然にもそこにいたロジャーってご都合主義にもほどがあります(笑)。ロジャーは彼らの来訪を知ってすぐさま透明になるのでした。そして二階から飾りの石膏像をびゅんと投げつけるのです。バレットたちはこれを交わして拳銃で応戦。しかし何しろ相手は透明人間、弾が当たるはずもなくあっさり逃げられてしまったのでした。しかしロジャー、寝室になぜか「殺すべき女のリスト」を残していました。そのメモにはすでに御馴染みのデロング、クリス・ロクサーンのほかにコリーン・ハドソン(レスリー・パリッシュ)という名前が。バレットはホールトを呼んで「コリーン・ハドソンを探して保護するのや」でもコリーン・ハドソン、あっさりロジャーに殺されてしまうという…。

 わざわざ自分の目標を警察に教えてしまったに等しいロジャーのメモ。間抜けですが、こんな確かな手がかりを得ていながらコリーン・ハドソンを保護できずあっさりロジャーに殺させてしまう警察もなんなんだかなあ(笑)。

 やっと休みが取れて自宅へ戻りキャンディから今日はあなたの誕生日よと知らされるロジャー。キャンディはミョーに張り切って「だから私手作りのケーキ作ったのよ」このケーキとやらがまるでゴムのよう。ロジャーが実に不味そうにケーキを食うというあんまり意味のない場面がえんえん続きます。さらにキャンディと酒を飲んでベッドイン。バースディファックと洒落込んだのでした。しかし、夜中過ぎにやってきたホールトにたたき起こされてコリーン・ハドソンが殺されたことを知らされたバレットは愕然。寝不足に呻きながら出動することになります。

 一方、ロジャー、今度はロクサーンが出演している劇場へ。裏口を伺っていたところをパトロール中の警官に誰何されるのですが、またまたロジャーの目がぴかー。パトカーを遠隔操作して警察官をひき殺してしまったのです。どうもいろいろ便利に使える超能力ですね。邪魔者を排除したロジャー、劇場に忍び込みます。

 ロジャーがロクサーンに迫る。ロクサーン危うし!でもバレットはのんびりしたもの。ゆっくりゆっくり着替えをして、それから出かけると思いきやキャンディと一緒にコーヒーを一啜り。まったく意味のない場面であからさまな時間かせぎです。ようやくキャンディにお別れのキスをして外に出たバレット、劇場に急行するかと思いきやホールトに「お前、劇場に行け。ロクサーンにぴったり張り付いて絶対目を離すのやないぞ。必要だったらトイレも風呂も一緒に入れ」ってムチャなこと言ってる(笑)。自分はどうするのかというと、なぜかESP研究所というところに行ってドクター・オーマー(アレックス・ドレイラー)にテレキネシスの実験というか実演を見せて貰うのでした。「すると離れたところから犠牲者の首を絞めることもできよる訳ですな」とたんに張り切るバレット。すると今までの犯行は透明になったロジャーがテレキネシスで首を絞めていたってことなのかな。なんかよく分かりませんが、まあどうでもいいじゃありませんか。

 このあんまり意味のない場面が終わってようやく劇場に行くかと思いきやクリス・ハートマンの屋敷に立ち寄るバレット。警護のためとはいえ屋敷に閉じ込められるのに飽き飽きしたクリスは「うち、外へ出たいのん、ドライブがしたいのん」と彼に訴えるのです。もう面倒くさいからこんな女好きにさせとけと思いますがバレットの立場としてはそうはいかないようで「ま、もう少しの辛抱です。我慢しとくんなはれ」と懸命に彼女を説得するのでした。ここもほとんど意味のない場面だなあ。

 ようやく劇場にやってきたバレット。すでに公演が始まっております。ずーっと彼女に張り付いていたホールト、「彼女はこれから生贄の役やります」その時、舞台脇のドアがすーっと開いて見えないけど、ロジャーの登場。警備員はあれ、ドアがひとりでに開いたぞと不思議そうな顔をするのみ。そして舞台では磔台に鎖で縛り付けられるロクサーン、その彼女の表情ががらっと変わって「ぎゃーっ」という恐ろしい悲鳴。でも役者も観客もそれが生贄の演技だと思ってしまうのです。がくっと首を垂れて絶命するロクサーン。ここでようやく皆気がついて大騒ぎになるのでした。バレットは悔しそうに「あかん、またやられたがな」って本当に役に立ちませんな、あんたら(笑)。

 次なる犠牲者は女優のバンビ・グリア(マリアナ・ヒル)であります。彼女は愛人の映画プロデューサーのクルーザーに匿われておりました。警察官も二人乗り込んで警備も万全と思いきやロジャーがスキューバダイビングで海からやってきた。船によじ登って透明になるのかと思ったのですが、今回ばかりはそのまま。二人の警官を首を絞めたり水中銃で撃ったりして殺害してしまうのです。そのままバンビに襲い掛かって首をきゅう。ちょうどその時ボートでやってきたバレット、船から逃げ出したスキューバダイビング姿のロジャーを追跡するのですが、ロジャーはダイビングスーツを脱ぎ捨てて透明化、まんまと逃げ延びてしまいます。

 あれ、ロジャー、今まで着ている服ごと透明になっていたのに。ダイビングスーツじゃなぜ駄目なんだろう。なんかよく分かりませんが、まあどうでもいいじゃありませんか。


 さあ、これで残るはクリス・ハートマンのみ。警察の面子にかけてもこの女だけは殺させへんぞ!刑事が増援されて屋敷の周囲のフェンスには電流を流し、さらにライフルで武装という完全警備。屋敷の階段には電線を配置スイッチ一つで電流を流せるようにします。警備は完全、これで蟻一匹入ることはできんぞとみんな思ったのですが・・・、まあ、ロジャー、どこからともなく入り込んでくるのですなあ。彼は刑事達を銃で射殺、あれ、わざわざ銃を使わんでも得意のテレキネシスを使えばいいじゃないかと思うのですが。それとも透明になっている間はテレキネシス使えないってことなのかなあ。

 用事を終えた配達のトラックが屋敷から出て行くという場面がロジャーの侵入前に挿入されるので、私なぞはてっきりトラックのために開けられたゲートから忍び込んでくるのかと思ったのでありますが、そんな描写は一切なし。どうやらトラック、本当に出て行っただけのようです。なんかよく分かりませんが、まあどうでもいいじゃありませんかってあんた、そればっかりですな!

 ロジャーはクリスがこもる屋敷の二階を目指します。ドアがすっと開いてロジャーの侵入を確信したバレット、無線機を使ってクリスについていたホールトに「今や、クリスを階段へ向かわせんかい!」ええ、なんでそんなアブナイことするの、階段には電線通っているんだからスイッチ入れれば済むじゃないの。うわあ、本当に部屋からクリスが出てきたぞ(大爆笑)。彼女を見たロジャー、よせばいいのに、「ハロー、母さん、僕戻ってきたよ」と声出しちゃった。バレット、声が聞こえたあたりを狙ってライフルをずどーん。見事命中、ロジャー、電線の上に倒れこんで今度はびびびと感電します。ついに最後の時を迎えたロジャー、うわんうわんと姿を現して「ぐふっ」絶命したのでありました。

 ようやく事件が解決しました。疲れ切って自宅へ戻ったバレット、出迎えたキャンディに「うー、今日はえらかったわ、ほんと、しんどかった。キャンディ、わしを慰めてや」二人でキス、ぶちゅぶちゅぶちゅちゅちゅーとこれまた意味のない場面があってようやくエンドマーク。

 ようやく映画が終わりました。疲れきってテレビのスイッチを切る私。思わず「うー、この映画はえらかったわ、ほんと、しんどかった」でも慰めてくれるキャンディはいないのであります。

 カラー・スタンダード モノラル 画質はちょっとまし。極悪画質まではいかずせいぜい悪画質というところか。音質はなかなか聞き取り易かったです。12枚のDVD50本の SF映画が収録された「SciFi Classics Collection: 50 Movie Pack」の一本。 Digital 1 Stop DVD

         エロの冒険者 

       HOMEPAGE http://homepage3.nifty.com/housei/

      SFシネクラシックス 輸入DVDでみるSF黄金時代(笑)

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