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2006年9月 3日 (日)

『恐怖城 ベラ・ルゴシのホワイト・ゾンビ』(『WHITE ZOMBIE』 1932年)

 

『恐怖城 ベラ・ルゴシのホワイト・ゾンビ』(『WHITE ZOMBIE』 1932年)

 ゾンビマスター、ベラ・ルゴシの力を借りて意中の女をものにしようとする男、ゾンビ映画の元祖はそんな悲しいモテナイ君の物語でありました。

ゾンビの話ですからところは当然ハイチ。ハイチですから住民の皆さんが歌って踊って葬式をしています。ただ、この葬式の場所が変わっていた。なんと道の真ん中に墓穴掘って棺桶を埋めていたのです。これを見て驚いたのが馬車でたまたま通りかかった本作の主人公カップル、ニール・パーカー(ジョン・ハロン)とマデリーン・S・パーカー(マージ・ベラミィ)であります。「夜中の道路工事かよ、渋滞になったらどうするんだよ」とニール。「後で雨が降ったらぬかるんじゃうわね」これはマデリーン。二人に馬車の御者(クラレンス・ミューズ)が説明します。「旦那様、奥様、あれは死体を盗もうとして捕まった男ですだ。そんなものをフツーの墓地に埋葬なんかできねェ、だから道の真ん中に埋めるんです」

 ここで闇の中からふらふら現れる謎の集団。彼らを率いているのはご存知、ベラ・ルゴシ。御者は彼らを見るなり「ひぃ、あれはゾンビだー」いきなり馬車を激しく走らせたので、中のニールとマデリーンは大変。ぐわんぐわんと揺られて馬車の天井に頭をぶつけたりしております。馬車は目的地であるチャールス・ボーマン(ロバート・フレーザー)の荘園に到着。頭にコブを三つばかりこさえたニールは馬車から降りるなり、「君、君、なんであんなに飛ばしたんだね、危ないじゃないか」御者は恐怖に顔を引きつらせたまま、「旦那、あれはゾンビですだ、歩く死体ですだよ、あいつらに捕まったらわしらもゾンビにされちまいますだよ」そして遠くの山の上を歩いているゾンビ(シルエットなのがおかしい)を見つけて「ウワ、またきやがった、旦那、これで失礼しますだ」御者はぱーっと帰って行っちゃいました。

 ニールとマデリーン、御者の慌てぶりにびっくり。そんな二人の前にのこのこと現れたのが宣教師のブルーナー博士(ジョセフ・カソーン)であります。彼もどうやらボーマンを尋ねてきたらしい。ニールは彼にゾンビのことを尋ねるのですが、博士はにっこりとして「私はここに30年奉職しておりますがゾンビなど知りませんなあ」

 さて、三人は連れ立ってボーマンの屋敷へ。そして執事のシルバー(ブランドン・ハースト)に迎えられるのでした。「主人はすぐに参ります。それまで客間でごゆるりとおくつろぎください」ブルーナー博士はソファに座るとニールとマデリーンに「ところであなた方はボーマン氏のご友人であらせられるのかな?」しかしニールは首を振って「いや、たまたま知り合っただけです。それで彼にこのマデリーンと」彼はマデリーンを抱き寄せます。「ハイチに来て結婚式を挙げないかと誘われたのですよ」ちょっと変な話で(笑)博士も怪しんだ様子。「それは、それはおめでとう。まあ、悪いことは言わない、結婚式が済んだらとっとと帰るのですな」

 ここで主人のボーマン登場。彼はニールとブルーナー博士とにはちょっとした会釈をしただけだったのに、マデリーンに対しては彼女の手をがばと掴んで「おお、マデリーン、よくこられた。ささ、長旅でお疲れになったでしょう。この私の秘蔵のワインをぐいといかれよ」やたら愛想が良い。あんまりマデリーンにべたべたするものでニール、かなりムッとしております(笑)。そんなニールを無視してボーマン、「さ、結婚式までゆるりと休まれよ、ささ、シルバー、この人たちをご案内しなさい」マデリーンとニール、あてがわれた部屋に入るのでした。

 ところがその後、謎の馬車がボーマンを迎えに来ます。こっそりとその馬車に乗り込んだボーマン、御者を見て「げっ、ゾンビかよ」ゾンビ御者は彼をベラ・ルゴシのサトウキビ処理工場へ案内したのでした。この工場で働いているのはみーんなゾンビ。みんな一言も発せずただもくもくと働くばかり。あまりの不気味悪さに顔を引きつらせるボーマンですが、ここまで来て引き返すわけにもいきません。ゾンビ御者の案内に従ってベラ・ルゴシのオフィスに連れていかれます。そんな彼を大歓迎するベラ・ルゴシ。「おお、よく来られましたな。この私のゾンビ労働者諸君を見ていただけましたか。一言命令すればただただ一心に働く。サボることも給料上げろと文句をいうこともありません。それどころか休息も食料もいらないのだ。どうです、ボーマンさん、あなたのところのプランテーションでも使いませんか」この提案にあわててふるふるごめんだと首をふるボーマンがおかしい。

 何故ボーマンはこんな薄気味の悪いところへきたのか。それはベラ・ルゴシに彼女を拉致して一ヶ月ほど監禁して欲しいと頼むためだったのです。そう、ボーマンはマデリーンに横恋慕していたのです。彼女にここで結婚式を挙げるよう誘ったのはその機会を利用して彼女をモノにせんと考えていたからなのであります。ルゴシはうっすらと笑って「一ヶ月の間に彼女の心を自分のものにするということですか。ははあ、そんなに上手く行きますかな。私ならもっと手っ取り早くことを進めますが」ルゴシはボーマンに耳打ちします。驚きに顔色を変えるボーマン。ルゴシは引き出しから何かの薬を取り出してボーマンに渡します。「これは一滴で十分な効き目があります。ワインに混ぜるか、花につけてその香りをかがせるか、やり方はおまかせしますぞ」ははあ、これが有名なゾンビ薬ちゅうやつですか。ボーマン、受け取って「一応貰っとくけど、これは最後の手段にするから」と言ったのですが・・・。

 さて、結婚式直前のマデリーン、すでに花嫁衣裳に着替えて準備万端なのですが、ボーマン、この彼女をいきなり口説きだしたのです。それも九州弁で、「実はおい、あんたのことすいとうっちゃが、ニールやら忘れておいと結婚してほしかー、たのむけん、結婚しちゃりー」まあ、こんな口説きが効を奏すべくもなし、マデリーン、きっとなって「私はニールと結婚します。それ以上仰らないで」見事に振られたボーマン(笑)カッとなってついにあの薬を取り出します。ルゴシに言われたとおりにあの薬をバラの花につけて「じゃあ、この花だけ受け取っちゃんない、これがおいの最後の頼みたい」ああ、マデリーン、よせばいいのに花を受け取って香りをかいじゃった。マデリーン、結婚式の最中にばったり倒れて死んでしまうのでした。ニール、彼女を抱きすくめて「マデリーン、死ぬな、死ぬな、初夜もまだじゃないか」と叫ぶのですが時すでに遅し。

 葬式が行われてマデリーンの遺体が廟堂に収められます。彼女の死を今だ受け入れられないニールは酒場で大荒れ。「マデリーン、マデリーン、ヒック、初夜をあんなに楽しみにしていたのに、ヒック」あなたはもういい加減初夜から離れなさい(笑)。一方、ゾンビ軍団を引き連れて墓地を訪れたルゴシとボーマン、廟堂の扉をこじ開けてマデリーンの遺体を棺桶ごと攫ってしまうのでした。その後もうべろんべろんになって墓地にやってきたニール、廟堂が暴かれてマデリーンの死体が消えていることを知るのです。

 ルゴシのゾンビ軍団、彼によるとこのゾンビたちはみんな、生前ルゴシの敵だった人たちなのだそうで。彼を投獄しようとした警官、処刑しようとした処刑人、etc,etc・・・、ここまではいいんだけど、あるおじいさんのゾンビはなんとルゴシの師匠のウィッチドクターだったそうで。敵はともかく自分のお師匠様までゾンビにしちゃったのかよ。

 二コール、唯一信頼できそうなブルーナー博士の屋敷に駆け込みます。「何、死体が消えたとな。これはもしやゾンビと関係が」ニールは「先生、ゾンビなんてものは迷信だと仰ったじゃありませんか」確かにそういってましたな(笑)。しかしブルーナー、「いや、君のいうゾンビと私の思うゾンビは違う。君のいうゾンビとは蘇った死体だ。これは疑いもなく迷信に過ぎぬ。私のそれは薬剤によって精神を麻痺させられている存在なのだよ。彼らは頭が働かないだけで立派に生きておる」よーし、ニールとブルーナー博士とでこの謎に立ち向かおうと張り切ったところで画面が暗転。

さて、哀れゾンビとなってしまったマデリーン、ボーマンと共にベラ・ルゴシの城に滞在しております。海辺の崖に聳え立つ荘厳な城、うわー、無駄に豪華なセットだなあ(笑)。マデリーンはゾンビのクセにピアノを弾いております。その音色に聞き入るボーマンですが、何か浮かない顔。そう、ゾンビとなったマデリーン、彼のいかなる愛の囁きかけにもまったく反応を示さなかったからです。彼が大枚はたいて用意したネックレスを見せても駄目、マデリーンの首にかけてやっても駄目、ええい、しょうがないとヤケになったボーマン、「ある日ウンコを見つけました。近くによってみてもやっぱりウンコでした。触ってみてもやっぱりウンコでした。念のために舐めてみても間違いなくウンコでした。あー、踏まなくて良かった」と小話を聞かせるのですがもとよりマデリーン、笑う筈もなし。「うう、これでは唯の抜け殻だ。私の愛した女ではない」

どうも贅沢をいう男です。

 ボーマンはベラ・ルゴシに泣きつきます。「あれじゃ、単なるダッチワイフだ。私はマデリーンの愛が欲しいのです!」ルゴシ、内心で「女が正気を取り戻したら速攻で逃げ出そうとするだろうさ」と思うのですが(笑)表面上はにこやかに、「はあはあ、それではなんとかしてみましょう」喜ぶボーマンに「前祝としてワインで乾杯しようじゃありませんか」ルゴシはボーマンの執事、シルバーを呼んでワインの用意をさせます。そして自らボーマンにワインを渡して「我々の未来のために!乾杯」

 ところがワインを一口飲んだボーマン、はっとなってグラスを落としてしまいます。「きさん、こら、マデリーンに使ったゾンビ薬じゃなかか!」ボーマン、マデリーンくどく時とか、酷くあせった時とかに九州弁が出るようですな。「ぐわ、ぐわわ、く、苦しか、おいばだましたとか!」ルゴシ、にやーっとして「この薬はほんの少しで効きますからな、ワインに混ぜて使えと私が言ったのをお忘れでしたかな」ルゴシ、体の前で両手の手のひらを組み合わせる不思議なポーズ。すると、ゾンビがわらわら出てきて呆然としているシルバーを担ぎ上げたのです。「わあ、何するんだ、離せ、離せ、こんちくしょう」シルバー、命がけでもがくのですがゾンビ軍団の力には叶いません。そのまま外に連れて行かれて荒れ狂う海にぽいされてしまったのです(笑)。「ギャーッ!」むなしく響くシルバーの悲鳴。ルゴシ、満足げに頷くのでした。

 一方馬でルゴシの城を目指すニールとブルーナー博士。ようやく城の見えるところまで来たのですがニールは疲労でダウン。「じゃ、わしが先発するわ、君はここで待っていなさい」と勇敢にも単独で城に潜入するブルーナー博士です。残されたニール、海岸ので寝ていたのですが、どこからともなく聞こえてくる美しい女性の歌声。「ああ、あれは確かにマデリーンの声」ニール、その声に引かれてよろよろと起き上がり、彼もまた城に入っていくのです。

 城のバルコニーで朗々と歌っているマデリン。その彼女を見てメイド二人が気味悪そうに話しております。「彼女はゾンビなのになぜ歌が歌えるの」「生前の記憶が残っているのだわ」メイドの片方は恐怖に顔を引きつらせて「ヒーッ、私もう耐えられない、逃げましょう」「そんなことをしたらあっという間に見つけられて彼女と同じゾンビにされちゃうわよ」このメイド二人、登場はここだけであとは一切出てこないのであります(笑)。

 ゾンビ薬を飲まされたボーマンは息も絶え絶え。もはや言葉を発することもできません。その傍らでにやにやと蝋燭を使ってボーマンの人形を作っているルゴシ、この人形を燃やせば彼の呪いは完了、ボーマンもまたゾンビになってしまうのです。ここでニールが現れた。しかし、疲労の極にあるニール、ルゴシとボーマンのいる大広間に入ったところで力尽き、どうと倒れてしまったのであります。彼を見つけたルゴシ、再び両手を組み合わせるあのポーズ。するとベッドに寝ていたマデリーンゾンビが起き上がり、ナイフを振りかざして意識のないニールを殺そうとするのです。ニール、絶対のピンチと思われたのですが、マデリーン、彼に関する記憶がうっすらと残っているのかナイフを振り上げたまま固まってしまうのでした。そこで背後から現れたブルーナー博士が彼女の手からナイフを奪い取った!

 マデリーンはルゴシに操られて城の外へ。意識を取り戻したニールは彼女を追いかけます。マデリーンは崖に面した通路から海へ飛び込もうとしたのですが、危ういところでニールに抱きとめられます。「ああ、マデリーン、マデリーン、君はやっぱり生きていたんだね」しかしマデリーン、ボーッ(笑)。ゾンビだから仕方ない。しかもルゴシが彼らの後を追いかけてきて三度あの両手を組むポーズ、ゾンビ軍団を呼び寄せたのでした。ゾンビ軍団は「なんだ、君たちは」とわめくニールに迫ります。ニール、拳銃を乱射しますが、効果なし。じりじりと崖に追い詰められて再び大ピーンチ。しかし、悪の栄えたためしはなし。「いつまでも貴様らの思い通りにはさせん、正義は必ず勝つ!」と突然出てきたブルーナー博士がルゴシの頭をぽかり。ルゴシが失神しますとゾンビの動きも鈍り、ニール、危ういところで身をかわします。ゾンビたちはそのまま崖から海へどぼーん。ゾンビとはいえ、どうにも使えぬ奴らです(笑)。

 ニールとブルーナー博士は倒れているマデリーンに駆け寄って「マデリーン、マデリーン、僕だ、ニールだよ」マデリーン、ニールを認めたような様子を一瞬見せるのですがすぐにもとのボーッとした状態に戻ってしまうという演出がいいですな。ニール、それに勇気付けられてなおもマデリーンの名を呼ぶのでした。その背後でよろよろと立ち上がるベラ・ルゴシ、逃げ出そうとしたところをこれまたいつの間にかいたボーマンに体当たりされて海へどぼん。「ギャーッ」という悲鳴が聞こえると同時にマデリーンの表情がぱっと明るくなって「まあ、ニール、私どうしていたのかしら、夢でも見ていたのかしら」エンドマーク。

 モノクロ・スタンダード モノラル、画質はまあまあまともなのですが、音質がまるで駄目。歪みがヒドイし、ヴォリュームが急に小さくなったりします。ヒアリングに苦労させられました。Classic Monster Flicks DVD  WHITE ZOMBI』『THE KILLER SHREWS』『THE MONSTER WALKS』『CREATURE FROM THE HAUNTED SEA』『WASP WOMAN』 『WEREWOLF IN A GIRL'S DORMITORY』『CURSE OF THE SWAMP CREATURE』『LADY FRANKENSTEIN』『NIGHTMARE CASTLE』『INVASION OF THE BEE GIRLS』 を収録したボックスセット。St Clair VisionDVD

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2006年9月 1日 (金)

『Embryo』(1976)

 

えー、まず「これはまったくの絵空事ではない。今日・明日にも現実になるかもしれない医学技術の物語なのだ」という有難い言葉を賜りまして(笑)、タイトルでます。このタイトルバックは様々な胎児の映像という実に趣味のよろしいことでいやがおうにもこれから見せて頂く映画に対して期待が高まりますな。

 さて、本編が始まって嵐の夜、ハイウェイを疾走するポール・ホリストン博士(ロック・ハドソン)の車。しかしここで飛び出してきたのが犬、視界の悪さも手伝って犬の姿を認めるのが遅れた博士、なすすべもなく轢いてしまうのです。「わあ、大変だ、しまった」博士は犬を救助、自宅に連れ帰り同居している女性マーサ(ダイアン・ラッド)の助けを借りて実験室へ運びこむのでした。急いで診察してみると犬は瀕死の重傷、しかも彼女は妊娠していたのです。博士は「このままでは母子ともに死んでしまう。胎児を取り出そう」と決意。犬から三匹の胎児を取り出して培養カプセルで保護するのでした。その後懸命の手当てを施したのですが犬はどんどん弱っていきます。オマケにせっかく保護した胎児もその二匹までもが死んでしまったのです。「仕方ない、アレを使おう」ついに博士、かねてから研究していた胎児の成長促進剤プラセンタル・ラクトジェンを投与したのです。その効果は抜群、子犬はたった2日間で6週間分の成長を遂げてあっという間に成犬となったのでした。母犬は死んでしまったけれども、胎児を一匹だけ救えた、これでよかったのだと満足する博士です。

 ちなみにマーサ、どうやら博士の死んでしまった奥さん、二コールの妹だったらしい。姉が死んだから次に妹も、ウヒヒヒということなのでしょうか。この辺良く分かりませんや。また博士にはその二コールとの間にゴードン(ジョン・エラリック)を設けたのですが、その前に三人も流産で失っていました。その苦い経験から未熟児を成長させることのできるプラセンタル・ラクトジェンを研究していたのですな。

 博士は犬をNO1と名づけます。この犬がまさにスーパードック。訓練もなしで「お座り」や「伏せ」をらくらくこなしてしまう。腹が減ったら冷蔵庫の扉を自分で開けてドッグフードの入ったボウルを取り出してむしゃむしゃ。食い終わったらちゃんとボウルを流しに持っていくという頭の良さ。食器を流しにもっていくなんてそこらへんのオトーさんだってやりませんよ、フツー。博士は「この知能の高さは成長促進剤プラセンタル・ラクトジェンの副作用か」と考えます。そして二ヤッとして「じゃあ、人間に使ったらスーパーヒューマンになるじゃん!」一足飛びに人体実験を思い立つという・・・。

 さあ、思い立ったが吉日、博士は友人の医者、ジム・ウィンストン(ジャック・コルヴィン)が勤める病院へ出かけます。そうして彼にこっそりと「妊娠した女性が自殺とか事故で死ぬってことあるでしょ。そしたらその胎児を譲って欲しいんだけどなあ」と頼み込むのでした。ジムはさすがにしぶるのですが博士があまりに「なあ、友達だろ、いいじゃん、頼むよ」と言い募ったのでついにこの罰当たりな頼みを引き受けてしまったのでした。この間、車に残されたスーパードック、NO1、自分で車のドアを開けて外に出ます。そこで吠え掛かってきたのが小さな毛むくじゃらの犬。「わんわん、わわわん、わわわんわん」NO1は五月蝿いとばかりにこの犬の首筋を一噛み。あっという間に噛み殺してしまったのです。NO1は犬の死骸を植え込みの影に隠すとそ知らぬ顔をして車に戻り博士を迎えたのでした。

 はい、成長促進剤プラセンタル・ラクトジェンには被験体を凶暴にするという副作用があったのであります。

 そんな副作用があるとは夢にも思っていない博士、ジムから「妊娠したティーンエージャーが自殺したよ、さっさと胎児を取りに来てくれ」という電話に大喜び。博士はジムから14週目の胎児を受け取るとさっそく実験室の保護カプセルに入れ成長促進剤プラセンタル・ラクトジェンをがんがん投与したのでありました。その効果はすさまじく犬以上に成長が加速します。最初は24時間で一ヶ月の成長、次に24時間で一年、さらに二年、胎児はあっという間に赤ん坊、少女、女へと成長していきます。「わわ、成長が止まらん、これではあっという間にババァになってしまう」せっかくの実験体がババァになってしまってはつまらないですから博士はいろいろ薬を投与、成長を止めようとします。しかしなかなか上手く行かず諦めようとした矢先、ヤケクソで使ったメセトリクシィドという薬が効いてようやく成長が止まったのでした。この時すでに胎児は20代半ばの魅力的な女性となっていたのであります。

 博士はこの女性をヴィクトリア(バーバラ・カレラ)と名づけ、完全な人間とするべく言葉や数学、いろんなことを教えるのです。いわばちょっとイヤな『マイ・フェア・レディ』というところでしょうか(笑)。邪魔なマーサはゴードンの妻へレン(アン・シェディーン)のところへやってもうヴィクトリアと二人きり。「よっしゃやるぞー」と無闇に張り切る博士。

 最初は鏡の使い方も分からないヴィクトリアですが、何しろプラセンタル・ラクトジェンのおかげで知能が異様に高いのです。すぐに普通の人間と変わらぬくらいの知識をマスター、自分の成長過程を博士から教えて貰って「ママもパパも名前が分からないのね。私は作られた人間なのね」と言って寂しげに微笑んだりしております。そんなこんなで順調に行くかと思われた時、いきなりマーサが戻ってきたのです。どうやら忘れ物を取りに来たと思われるのですが、丁度博士が買い物で外出中と言うバッドタイミング。ヴィクトリア、マーサに見つかりそうになって慌てて隠れます。しかしその努力もむなしく今まさに見つからんとスという瞬間、NO1がマーサに吠え掛かったのです。「いやー、何、なんでそんなに吠えるの、ポール、一体どうしたのよ」なおもNO彼女に吠え立ててついにマーサを追い払ってしまったのでした。

 ヴィクトリアはようやく戻ってきた博士に抱きついて「今、マーサっていう人が来たわよ、わたし、怖い、どこか連れていってーん」博士は驚きながらも相好を崩して、いやあ、何しろ妙齢の美女にしな垂れかかれている訳ですからな(笑)。「うん、よしよしたまには外で楽しもう」

 ポール、約束どおりヴィクトリアを連れてあちこちお出かけ。他人という存在に彼女を慣らそうとします。最初こそ、頓珍漢な質問をしたりして奇異な眼で見られることの多かったヴィクトリアですが、何しろ成長促進剤プラセンタル・ラクトジェンのおかげで高い知能を持っていますからあっという間に順応していくのです。頃合よしと見たポール、彼女をマーサ・ヘレン・ゴードンに紹介しようとするのでした。おりしも彼らの家ではパーティの真っ最中、びびったポールは「また次の機会にしよう」と言うのですが学習意欲に燃えているヴィクトリア、「これがデビューって奴でしょ、私行くわ」ずいずいと家の中に入っていってしまうのでした。

 ポールは彼女をマーサたちに引き合わせます。自己紹介であらかじめ打ち合わせておいたプロフィールを喋るヴィクトリア。「私の名前はヴィクトリア・スペンサーです。出身はコロラド生まれの25歳。コロラド大学医学部で学んでおります。ウィルヘルム・ビックマン教授の紹介でポールの研究助手になりましたのよ」インテリでしかもええ女、パーティのお客たちが我も我もとヴィクトリアに群がりますな。しかし、さすがは長促進剤プラセンタル・ラクトジェンのおかげで天才のヴィクトリア、よってくる男達をたくみにあしらうのでした。あるコンピューター技師は「初恋とは少しばかりの愚かさとありあまる好奇心のことだ」などといいまして自分をインテリだと思わせようとするのですがヴィクトリアはあっさり「それ、ジョージ・バーナード・ショーね。本で読んだわ」がっかりするバーナード・ショー男です。

 ヴィクトリアはゲストがやっていたチェスに目を留めます。そして、チェスのチャンピオンを自称するフランク・ライリー(ロディ・マクドゥエル)に向かって「私だったらそこでポーンを取るわ」と岡目八目なことを言うのでした。むっとしたライリー、「ほほう、お嬢さん、随分自信がお有りだね。何年くらいチェスやってるの」「私、実際にやったことはないの。チェスの本で読んだだけよ」ライリー、かっとなりまして「じゃあ、私と一勝負だ!」しかしながら成長促進剤プラセンタル・ラクトジェンのおかげで天才であるヴィクトリアは(それはもういいから)初めてのチェス試合においてライリーを圧倒するのでした。彼女の勝利は疑いなしとなったところでポールが目配せ。頷いたヴィクトリアはわざとミスをしてライリーに勝たせたのです。しかし、あまりにもわざとらしかったのでライリーかんかん。「君、わざと負けたな、チクショー、オレの面目丸つぶれ」彼はわんわん泣き出して「僕、もう帰る」みんなチェスの腕を鼻にかけていたライリーが嫌いだったと見えヴィクトリアに拍手喝采です。こうしてヴィクトリアの所謂「デビュー」はこの上なく上手くいったのでした。

 その夜、ヴィクトリアはこっちの方もデビューよってんでポールに迫ります。寝室にスケスケのネグリジェで忍んでいって「ああ、あたし、体験したいの、アレを」驚いたポール、「君、なんでアレのことを知っているんだい」「本で読んだわ」ポールもそんなエロ本読ませるなって(大笑い)。はい、二人はキスをしてベッドイン、目出度く貫通と相成ります。ポールが情事の疲れで眠ってしまった後、ベッドから抜け出したヴィクトリア、おっぱい丸出しで幸せそうに踊ります。しかし、この時ヴィクトリアを激しい吐き気が襲った!そうです、成長促進剤プラセンタル・ラクトジェンが再びその効能を発揮、彼女の体は急速に老化していたのでした。

 彼女はポールに内緒で自分の体のデーターを集めます。そしてあのバーナード・ショー男が勤めているコンピューター施設に行き、そのデーターを解析して貰ったのです。出てきた結果はというと、「56カゲツノタイジ、コノ「ズイエキ」ガヒツヨウデス。コレイガイハキキマヘン」そんな自分の命のために胎児を犠牲にする訳にはいかないわと思ったヴィクトリアですが、すぐにまた激しい発作に襲われて「じゃあ、仕方ないか」と安易に考えを変えてしまうのが面白いですな(笑)。

 さあ、妊婦を引っ張り込んでと思ったのですが、ここでマーサがポールに噛み付いた。「あの女、ヴィクトリアがコロラド大学の学生なんてウソでしょう、私調べたのよ」ポールは「まあまあ、彼女は助手として有能なんだからさ」となだめたのですが、マーサはがんとして譲らず。「あなた、私とあの女のどっちを選ぶの!」決まってます、ヴィクトリアです(笑)。カッとなったマーサ、「じゃあ、私は明日の朝一番で出て行くわ」なんで、明日の朝なんですかねえ、さっさとこの場で出ていけばいいのにねえ。ほら、言わんこっちゃない、その夜何者かが彼女の寝室に侵入して何かの薬を注射しちゃったじゃないか。

 翌朝、タクシーで家を出て行くマーサ。しかし、彼女は突然の心臓発作に襲われて頓死。知らせを聞いたポールは心配しながらもヴィクトリアを一人家に残して駆けつけることになります。「チャーンス」目をギラリと光らせたヴィクトリア、何を考えたかまず自分に関する研究ノートを焼却、音声記録のテープも塩酸で処理してしまいます。そして本を読みながら手術の練習(笑)。そしてある病院に忍び込むとカルテをあさって妊娠五ヶ月目の妊婦を選び出します。その妊婦の病室に行くと「200ドル上げるから家に来てくださらない」こんなこというヴィクトリアだけど、それで本当に来ちゃう妊婦も妊婦だ(笑)。そしてあっという間に手術されてしまうという・・・。ところが最悪のタイミングでヘレンがやってきた!慌てて妊婦の死体を始末するヴィクトリアです。しかし、ヘレンもまた妊娠五ヶ月であることを思い出したヴィクトリアはにやり、ヘレンに睡眠薬入りのコーヒーを飲ませてしまうのでした。

 場面変わってマーサの遺体を引き取ろうとしたポール、検視医からマーサの死因について疑問があることを知らされるのです。「あの人ですな、どうやら興奮剤飲みよったらしいですな、あれじゃどんな人でもイチコロですわ、これは殺人でっせ!」そりゃ、ヴィクトリアの仕業だ、こう直感したポール、ゴードンのところへ電話をかけたのですが、「ええー、へレンがヴィクトリアの手伝いに行きよったぁ!ゴートン、私は急いで帰るから空港まで出迎え頼む!」空港でゴードンと合流したポール、車で自宅へと急行します。その道すがら今までのいきさつを全て話すポール。ゴードンは呆れて「なんで、そんなことをしたの、パパ!」「私が愚かだったのだ」

 ようやく家に到着。研究室へ急ぎますと、ああ、なんということでしょう。すでにヴィクトリアはヘレンから胎児を摘出、今まさに髄液を抜き取らんとスというところだったのです。「ヘレン!」絶叫するゴードン、「やめろ、やめてくれ」と叫ぶポール。ヴィクトリアは既にしわの目立ち始めていた顔を彼らに向けて「私には赤ん坊が必要なの。ヘレンは若いからまだ赤ん坊を作れる。でも私は赤ん坊の髄液がなければこのまま死んでしまうのよ、私は生きたいの!」ポールとゴードンはわっと飛び掛ります。しかしゴードンはヴィクトリアのメスで背中を刺されて即死(笑)。ヴィクトリアはポールの手を交わすと外に飛び出して車で逃走するのです。ポールは呆然と死んだゴードンを見つめて「私は一体なんと言うことをしたのだ」と呟くのでした。

 しかし、このままヴィクトリアを逃がすわけにはいきません。ポールは救急車を呼んでヘレンを託すと自分も車に飛び乗ってヴィクトリアを追いかけます。展開される激しいカーチェイス。と運転を誤ったヴィクトリア、道端のジャリに乗り上げて車が横転、爆発炎上するのでした。このまま終わりかと思ったらあ、ヴィクトリア、車から這い出してきやがった。すでに白髪の老婆と成り果てた彼女の頭をぐっと掴んだポール、「てめえ、このアマ、死ね、死にやがれ」と水溜りに押し付けます。今度こそ死ぬかと思ったら警官が駆けつけてきて、「こら、お前、何をしとるのだ」とヴィクトリアから引き剥がされてしまったのです。おまけに、なんとヴィクトリアに陣痛の兆し。彼女は恐怖におののくポールに手を伸ばして「これは、あなたの子供よ」ああ、あの一発で見事命中しておった!(大爆笑)。彼女は救急車で病院へ搬送されます。そして画面が暗転、赤ん坊の産声が聞こえたところでエンドマーク。

ヴィクトリアのキャラクターがなかなか上手く作られていて、名作になる可能性があったのですがねえ、本を読んで手術の練習とかそういういらない場面いれちゃうからめりはりがなくとても退屈な映画になってしまったのは残念。

 カラー・スタンダード、モノラル。画質はやっぱりヒドイなあ。暗いシーンで何やっているか分からないし、書類の文字もまったく読めないや。音は音で歪んでばっかり。台詞が聞き取り難くて困りました。三枚のDVDに『Voyage to the Planet of Prehistoric Women』『Flash Gordon: Rocketship』『Phantom from Space』『Embryo』『Voyage to the Prehistoric Planet』『Killers from Space』『Night of the Blood Beast The Day the Sky Exploded』『Attack from Space』『Assignment: Outer Space』の10本の映画が収められてしかも9.98ドルという「Classics From Outer Space 」DVDボックス。Pro-Active Entertain のDVD。

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『スペースウルフ/キャプテン・ハミルトン』(『COSMOS: WAR OF THE PLANETS』 1977年)

 

特撮はテキトー、話もテキトー、出てくるロボットもテキトー、敵のコンピューターもテキトーのテキトーづくしなイタリアSF映画です。1977年といえばあの『スターウォーズ』がブイブイ言わせていた頃ですが、そんな世界的ブームにはまったく関係なくこんな駄目映画が作られていたんですねー。

大宇宙でピカピカ光る星。ぴかぴかぴかぴかいつまでも光ってちょっとウザイです。その大宇宙を進む宇宙船、MK-31。艦長のキャプテン・ハミルトン(ジョン・リチャードソン)以下のクルー達は「もうすぐ地球に帰って休暇が取れる」と楽しみにしております。と、そこでいきなり起こる大爆発。惑星が爆発したらしく破片が隕石となって宇宙船を襲ってきたのです!「こら、いかんら、回避行動をとるら!」命令を下すキャプテン・ハミルトン、迫る隕石、間に合わないと思いきや宇宙船はまさに間一髪で隕石を回避します。「うわーっ」と喜ぶクルー達。ま、この事件、この後のストーリーには全然関係してこないんですけどね(笑)。ここでタイトルでます。

 さて宇宙ステーション、オライオンに帰還したMK-31。この場面、何の脈絡もなくNASAのロケット打ち上げやどこぞのミサイル基地らしいストックフッテージが「これが宇宙基地や、なんぞ文句ありますかいの」といわんばかりに延々と流されます。最初っからこの有様で私ははやうんざり(笑)。さて宇宙船を降りたキャプテン・ハミルトン、いきなり同僚のミラーにキャプテン・パンチ!「わしはコンピューターから命令されるのはすかんら。なんであんな装置を作るのら」いくらコンピューターから命令されるのが気に入らなかったとはいえ、いきなり同僚を殴りつけるのはあまりにも乱暴。キャプテンはこの咎によって基地司令から「お前、ベガ・セクターに行ってこんかい!」と命令されてしまうのでした。

 MK-31へ戻るキャプテン。その頃ピーターというお調子者が宇宙服を着て船外へ。バッテリーの修理をしようというのですが本来単独での船外活動は禁止されています。キャプテンは「こら、何してるのら、戻ってくるのら、一人じゃ危険が危ないのら」しかしピーターは意に介しません。「キャプテン、大丈夫っすよ、オレに任せておいてくださいよ」彼はパネルを開けて修理を始めたのですが案の定、バッテリーから染み出た酸が彼の宇宙服にじゅっ。「うわー、アチチチ」しかも宇宙服が破れて酸素だだもれ。三分以内に戻ることができなければ哀れ窒息死という大ピンチに陥ってしまうのです。「しょうがないのら、わしが行ってくるのら」キャプテン・ハミルトン、自ら宇宙服を着込み背中のロケットパックを作動させてシュー。見事酸素不足で失神しかかっていたピーターを連れ戻すのでありました。この活躍に宇宙船の女性乗組員たちは目配せしあって「あらあ、キャプテンって素敵じゃない?」ああ、そうですか(笑)。

 便宜上ロケットパックと書きましたが実際にロケット火炎を噴射したりする訳ではありません。そのまましゅーっと進んでいくだけです。ま、手足をばたばた動かして宇宙空間を泳ぐよりはましですか。

 さて、出発した宇宙船MK-31、シュパーっと飛んでおりますと艦載コンピューターが奇妙な信号をキャッチ。はるか彼方の虚空から送られてくる何らかのメッセージのようです。同時にこのメッセージは地球にも到達。そのあまりに強い出力で地球のラジオ・テレビ網をめちゃくちゃに霍乱してしまったのでした。オライオンステーションのオフマン大佐は「これはエイリアンの攻撃に違いない。彼奴らの星を見つけて殲滅するのだ。近くに我らの宇宙船はいないか」はい、当然ながらその宙域にいたのが我らがキャプテン・ハミルトンのMK-31というお約束。それを聞いた基地司令は嫌な顔をして「ハミルトンはあかん。奴は反抗的や」しかし彼以上の適任者はいないということでなし崩しに決定。しかし今度はハミルトンの方で「仕事終わったばかりでみんな疲れてますのら、そんな続けざまの任務なんてムチャですら」って嫌がるの(笑)。もー、なんでもいいからとっとと決めんかい!

「昇進させるぞ、給料上がるぞ、英雄になれるぞ」と言われても「そんなんいらないですら」とそっけないハミルトン。それからなおもすったもんだがあったのですが、結局旧知の女性科学者ジューン・フレーザー博士に説得されてようやく任務を承諾するのでした。だったら最初っから気持ちよく「分かりました、行ってきますら」というがいいじゃないか、キャプテン・ハミルトン!なんでこんなミョーな時間のかけ方するんだよ。

 宇宙船MK-31、またシュパーッとコースを変えて電波の発信源を目指すのです。到着するまでに時間があるからといってあちこちでいちゃつきだすクルーたち。リチャード(男)・アーコー(女)は廊下でやにわに抱きつき激しいキス、ぶちゅぶちゅぶちゅちゅちゅー。そのまま小部屋へなだれ込んで「コスミックラブ」という装置を使ってテレパシーファック。コスミックラブは黒い球形の装置でこれに二人で手を触れるとあら、不思議。二人してあんあんはーはー喘ぎだすという。イタリア人、世界なめとるじゃろう。

 ハミルトンはハミルトンでミラー女性乗組員とぶちゅぶちゅぶちゅちゅちゅー。「コスミックラブなんて使わないさ」といいつつノーマルファックに突入・・・かと思いきや突然の警戒警報。ブリッジより「キャプテン、正体不明の飛行物体が急速接近中です!」なんか垢抜けないスタートレックみたいですな(笑)。この飛行物体とはどうやら宇宙船らしい。オライオン基地へ報告すると「とにかく連絡とってみるのや」という命令。そこであらゆる周波数を使って呼びかけてきたのですが応答なし。それどころかビーム砲による攻撃を受けてしまうのです。ぐわらーん、ぐわらーんと揺れるMK-31、「キャプテン、オライオン基地との通信途絶、回復できません」「姿勢制御装置ダウン、船体がスピンします」そのままくるくると回り始めるMK-315Gの重力が乗組員たちを襲います。「うわー、こらたまらん、体が重いのら」

 MK-31が未知の宇宙船から攻撃を受けて通信途絶。オライオン基地詰めの新聞記者たちは「地球攻撃さる!宇宙戦争か」と色めきたち、こぞって地球にこの大ニュースを伝えたのでした。

 そのMK-31、まだ回っております。いつもより余計に回っております。しかしなんとか逆噴射ロケットのスイッチを入れることに成功、ようやくスピンから回復するMK-31です。「うわー、えらかったのら、もうあんなことはこりごりら」とベルトを外す乗組員たち。あ、オイッチニー、オイッチニー、5Gで凝った筋肉ほぐそうとして体操している奴もいるぞ(笑)。

 しかし、すぐに新たなピンチが訪れたのでした。突如出現した未知の惑星、この重力でMK-31が引かれ始めたのです。このままだと地表に激突だ、「落ちるのら、落ちるのら、逆噴射するのら」「駄目です、キャプテン、パワーが足りません」「うわー、落ちるねんて、落ちるねんて!」ところがあれほど強力であった重力がうそのように収まった。MK-31はそのまま惑星の衛星軌道上に占位します。驚く乗組員たち、「惑星が重力制御しているのら」とつぶやくキャプテン・ハミルトン。「キャプテン、そんな馬鹿なことあり得ませんよ」「しかし、他に考えようがないら」

この謎を解明すべくこの惑星に着陸、調査しようということになったのです。

 MK-31は軌道上で着陸船を分離。着陸船、着陸脚を展張しながら降下、無事着陸に成功します。「よし、惑星を探査するのら」さっそく調査にかかるハミルトンたち。なお、都合のいいことに惑星の大気組成は地球のそれとほとんど同じ。宇宙服なしで探検が可能です。また時刻は夜、画面が暗すぎてみんな何やっているのかさっぱり分かりません(笑)。だらだら歩き回る乗組員たち、その時一人のおっちょこちょいが単独行動に出ます。砂山を登ってみると、ああ、あれはなんだ!石造りの鳥居のようなものがどーんと聳え立っているではありませんか(大笑い)。よせばいいのにおっちょこちょい、そのまま誰にも連絡することなく鳥居をくぐるとばちばちばちー、激しい電撃と共に姿が消えてしまったではありませんか。

 彼はそのまま洞窟らしきところへテレポートされてしまったのです。驚いて洞窟うろうろするおっちょこちょい。あー、やっぱり画面が暗くて良く分からん。本当に洞窟なのか、ここ(笑)。そんな彼の前に現れたのがウルトラセブンのユートムみたいなロボットだったのです。

 ロボットに追われたおっちょこちょい、無線で宇宙船に助けを求めます。「こちら、ジャクソン」はあ、この人はジャクソンというのですね。「ヒー、殺されるぅ、助けてください」しかし無線は届かずジャクソン、あっさりロボットに殺されてしまいます。「ギャーッ」「ん、なんら、あの悲鳴は」キャプテンたち驚いてあたりを見回します。無線は届かなくても悲鳴は聞こえるのですな(笑)。「大変だ、ジャクソンがいないら」「キャプテン、急いで彼を探しましょう」そうしてあたりをうろうろするうちにあの鳥居を見つけます。なぜかその下にジャクソンが倒れていて「あ、あれはジャクソンら」無用心にも走って近づいて、はい、テレポートされてしまいました。この時キャプテンたちから遅れたグレタという女性隊員、いきなりあのロボットが現れて攫われてしまうのです。

なんだかもう訳が分かりません。

 洞窟にテレポートされた隊員たち、突然の出来事に目をパチクリさせております。グレタがいなくなっていることに気がついたキャプテン、「クソー、ジャクソン、殺されたら、グレタも攫われたら、このままおめおめと宇宙船に戻れないら」ここでリタという女性隊員が「キャプテン、あの謎の電波の発生源はこの洞窟ですわ」「分かったら、早速探検ら」キャプテンはMK-31を呼び出して「おい、これから起こることを全て記録するのら」「はい、ビデオテープの準備は出来ています」ああ、ビデオですか、宇宙船がばんばん飛んでいる時代なのにビデオですか、イタリア人、こんな映画作っているくせにSFマインド足りませんなあ。

 えっちらおっちら洞窟を探検します。すると出た出た、この星の原住民が。緑色の皮膚にとんがり耳の中途半端な異星人が(笑)。わらわら出てきて乗組員達を取り囲んでしまうのです。そのリーダーらしき人物が「我はアマックなり、我が民族はその昔隆盛を極めていたが、コンピューターが反乱を起こして逆に支配されてしまったのじゃ。おまけにエイリアンと核戦争やりおって今じゃこの有様じゃ。敵はコンピューターぞ」しかしキャプテン、納得できません。「うそら、お前ら、仲間を殺したら」ここでリーダーとは別にイトーアという原住民が進み出て「いや、それは誤解だ。我々の仲間だってあのコンピューターに殺されているのだ。あのコンピューターのせいで我々はこの洞窟から出ることもできないのだ」

 ちなみに、この原住民たち、テレパシー能力で話しかけてくることになっております。だから地球の言葉、英語が分からなくっても安心なのです。

 これを聞いたホールトン隊員、キャプテンに耳打ち。「ここはひとつ彼らに協力しましょう。そのコンピューターとやらをやっつければあの電波も停止して問題解決ですぜ」「よし、そうするら」彼らはイトーアたちに案内されてそのコンピューターとやらが鎮座する地下都市へ向かいます。しかし、例のエイリアンとの原子戦争のせいでこの地下都市は放射線ばりばり。宇宙服がなければ絶対駄目ということで一旦宇宙船に戻ることになったのでした。

 洞窟を出ようとしたまさにその時あのロボットが三度出現。キャプテンたちと激しい撃ち合いになります。大ピンチかと思われたのですが割合あっさりと切り抜けて(笑)宇宙船へ戻るのでした。あ、リチャードとアーコーの二人、まだ部屋にこもってテレパシーファックしてやがる(大笑い)。こんなフマジメな乗組員たちは宇宙へ放り出せ!キャプテンたちはこの二人を完全無視、艦載コンピューターに今後の対策を検討させるのでした。コンピューターは分析を終えると「アレハコンピューターデスネン、アノロボットハエネルギーノブッシツカデスワ。ヤッツケルホウホウハコンピューターニツイテイルボタン、タブンアカヤトオモウケド、ソレヲオシナハレ!」キャプテン、顔をしかめて「多分赤ってそんなことじゃ困るら、もっと正確な答えをくれら」「ソナイナコトイワレテモアキマヘン、コノクライデカンベンシテクンナハレ」いやもうなんなんだかなあ(笑)。

しかしテレパシーファックの二人、未知の宇宙船から攻撃を受けてもあんあん、船体がスピンして5Gがかかってもはあはあ、謎の惑星に着陸してもひーひー、他の乗組員が探検していてもああああ、謎のロボットに攻撃されたっていくいく、そんなにセックスが好きならセックスの星に行きなはれ!

 ここからちょっと良く分からない場面。あのロボットがやってきて船外警備の乗組員を襲った!そして未だにテレパシーファックやっていた二人が悲鳴を上げる!という場面なのですが、これっきりなのです。そして場面が切り替わるともう宇宙服を着たキャプテンたちがあの洞窟にいるという・・・。オリジナルのランニングタイムを考えてもそんなにカットされている筈はないのですが。まあ、いいか、どうでも(笑)。

 さて、キャプテンとホールトン隊員、イトーアに教えられてテレポートスポットへ。ぱっと雷鳴がなってあっという間に二人は地下都市の中へ。しかもその正面には敵であるコンピューターがどーんと聳え立っているという・・・。話が物凄く早いですなー(笑)。コンピューターはいきなり高飛車な調子で二人に武器を下ろせと命令します。そして、「地球人よ、お前らはわしがこの星へ呼び寄せたのだ。エイリアン船に攻撃されたお前達の船を引き寄せたのはこのわしなのだ」はー、そうだったのですか。「お前達を呼んだ目的とは・・・、わしを修理させようと思ってな」あらあら。「その昔、わしは創造主たる人間を裏切ってこの星を支配した。しかしエイリアンの核攻撃によってわしの星は壊滅してしまった。わし自身も大きな損傷を追ってフルパワーを出せなくなってしまったのだ。だからお前らに修理させてフルパワーを取り戻しこの銀河を支配しようと思うのだ」自分で自分の修理もできない奴が銀河征服なんて図々しい(笑)。

 ここでホールトン、キャプテンつついて「ほら、赤いボタンがありますよ」って本当に赤いボタンついてるんかい(大爆笑)。

 コンピューターはキャプテンたちをせかします。「ほら、何をしておる、こっちの回路とあっちの回路を交換するのだ。ほら、焦げてるだろ、これを綺麗な奴と取り替えるのだ」で、あっという間に修理完了。コンピューターは大喜びで「わはははは、これでフルパワーを取り戻したぞ、銀河はわしのものだ」ホールトン、隙をみて例の赤ボタンに飛びつくのですが、「うわ、アチーッ」なんとこのボタンが熱かったという・・・。ジューッと手を焼かれてしまうのです。それでも彼はめげずに「キャプテン、ベルトを貸してくださいな」「何をするのら」「細工はりゅうりゅう、仕上げをご覧じろ」彼はベルトを使って何かの部品のようなものをコンピューターの回路に投げ込んだのです。どうも表現があいまいで申し上げありませんが、何しろ画面が暗くって何やっているのか分からないんです。だからこれくらいで勘弁してください。

 銀河を支配するはずのコンピューター、小さな部品を投げ込まれたぐらいであっという間にショート。ばちばち火花を撒き散らして爆発してしまうのです。キャプテンとホールトンはテレポート装置を使って地下都市を脱出。驚いて近寄ってくる他の隊員たちに「急ぐのら、逃げるのら」コンピューターが破壊されたのでこの星も崩壊するというお約束ですな。

 この時見張りの二人、やっぱりおかしいよなあ、ロボットにやられたはずの見張りはどうなったんだろう、が倒れているジャクソンを発見、船内に連れ戻します。同時に血だらけになったグレタがよろよろと現れ彼女もまた船内に収容されたのでした。この後、すぐにキャプテンたちが戻ってきます。「星が爆発するら、緊急発進ら!」しゅごーっと発進するMK-31。ほどなく惑星が大爆発。大喜びする乗組員たちって、あの星にいた原住民たちはどうなったんだよ(笑)。と思っていたらイトーアだけこの船に乗り込んでいたという・・・。彼はこの船の制服を着せて貰ってにこにこしております。だから他の仲間はどうなったんだよ。そんなにこにこしている場合じゃないだろ!

 キャプテンはオライオン基地へことの顛末を報告。基地司令は「よくやった、君たちこそ地球の英雄だ」 このまま地球へ帰還、めでたし、めでたしと思いきやなんと最後に助けられたジャクソン、彼にコンピューターが憑依していたのです。今までフツーだったのにいきなり顔面がケロイドで覆われたかと思うと「わはははは、地球人め、殺してやる」ミラーに襲い掛かります。その彼女を守って戦うのがイトーア。素早いパンチをジャクソン=コンピューターの顔面に叩き込むのでした。ジャクソン=コンピューターも負けてはいません。手を伸ばしてイトーアの首をぎりぎりと絞め始めたのです。ここで助けに現れたのがキャプテン、と思ったらなんと、この男、ミラーを助けると、「さ、早くこの部屋から出るのら」そしてブリッジに「今ら、エアロックを開くのら」ええっ?まだイトーア、戦っているんですけど。がーっと壁が開いてイトーアとジャクソン=コンピューター もみ合ったまま宇宙へ放り出されてしまったのでした。ヒデー!一体なんてことするんだよ(大爆笑)。

 ようやく危機を脱しました。後は地球へ帰還するだけ。おりしもピーター隊員の赤ちゃんが誕生したというニュースが地球から届いてみんな大喜び。艦載コンピューターの電子音声が響きます。「チキュウキカンヨテイジカンハ、13時間後だ、地球人よ」あ、コンピューターが乗っ取られていた、驚愕するキャプテン・ハミルトン、これでオシマイ。後はだらだら飛ぶ宇宙船の映像が続きます。あのコンピューターに船を乗っ取られたことを知ったキャプテンが自爆したりするのかと思ったのですが、そんなことはなく映画はそのまま終わってしまうのでした。なんじゃ、こりゃ。

だいたい艦載コンピューターが見たこともない敵のコンピューターについて「アカイボタンツイテマス。コレヲオストバクハツシマッセ」なんてことを言ってですな、それが本当だったりするSF映画がどこにある、あ、ここにあったァ。いやいや、オソマツさまでした。

カラー・スタンダード モノラル 暗い場面が何やっているのかさっぱり分からないしブロックノイズも出まくりの極悪画質。音質もぺけ。ざーざー言うノイズが耳障りです。12枚のDVD50本の SF映画が収録された「SciFi Classics Collection: 50 Movie Pack」の一本。 Digital 1 Stop DVD

         エロの冒険者 

       HOMEPAGE http://homepage3.nifty.com/housei/

      SFシネクラシックス 輸入DVDでみるSF黄金時代(笑)

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