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2006年10月29日 (日)

『Million Dollar Kid』(1944年)

 

イーストサイドキッズ映画の4本目。今日も今日とてニューヨークの街でたむろっているイーストサイドキッズ。この映画では不良少年団イーストサイドキッズ唯一のマトモな少年であったダニー(ボビー・ジョーダン)が出演しておりません。その分マグスたちの不良少年ぶりは影を潜めお金持ちの紳士を助けてギャングと戦う正義のヒーローとなっております。

いつもの通り、イーストサイドキッズ、マグス(レオ・ゴーセィ)を中心に大騒ぎ。彼らの部屋で「この地域の治安は俺たちが守るのだ!」と張り切っております。そこに遅れて登場したのがグリンピー(ハンツ・ホール)、彼は従兄弟のハービィ(アル・ストーン)なる少年を連れてきていて「マグス、こいつ、俺たちのクラブに入りたいって言っているんだけど」マグスは少年というにはちょっと老けているハービィの顔をしげしげ眺めて「お前、いくつ」「14っす」「いや、お前いくつ」「だから14歳ですって」マグス、にやっとして「合わせて28歳、ほんとの年に近づいたな」とギャグのジャブ。あまり面白くはありませんけれども(笑)。

 このハービィの入会がイーストサイドキッズの投票によって認められます。大喜びのハービィ、マグスの肩を叩いて「マグス、よろしく頼むよ」マグスは彼を張り飛ばすと「俺のことはミスタープレジデントって呼ぶの!」

 キッズたちは街へ出ます。そこにいかにも金持ちそうな紳士あり。名前をジョン・コートランド(ハーバート・ヘイズ)といいまして乗っていた車が故障してしまったのです。運転手が修理している間にあたりをそぞろ歩きと洒落込んだのですが、たちまちギャングに目をつけられて「やい、じじい、顔をかしな」あっという間に暗がりに連れ込まれてぼっこぼこ(笑)。画質が悪くって真っ黒だから本当に暗がりなんだ。この時、ギャングの一人がコートマンの顔をみるなり「はっ」と驚いて仲間を止めにかかるのですが、無視されてしまいます。この人が誰なのかはまた後からのお楽しみ。

 この暴挙に気がついたイーストサイドキッズ、「俺たちの街で強盗やられてたまるもんか」ギャングたちに襲い掛かって見事撃退。このヘンも画質が悪くって画面が真っ黒ですから何が何やら分かりません、台詞で類推しております。助けられたコートランド氏は大感激。マグスたちに名刺を渡して「明日、尋ねてきなさい。お礼をしよう」ということになります。やった俺たち良いことしたなあと悦にいるイーストサイドキッズでしたが、グリンピーとハービィがコートランド氏のものと思われる財布を見つけて「おい、大金だぞ!」「うわ、手の切れそうな札束が!」マグスはさすがにリーダーですから、「おい、そりゃ、コートランドさんのだよ、明日返しに行こう」「ええ、そんな殺生な」こうやって騒いでいるうちにおまわりさんに見つかって「ややっ、お前ら、そんな大金を、そうかとうとう強盗に手を染めたのだな」と思いっきり誤解されてしまいます。そのまま留置場へ直行。

相変わらずおまわりさんとの折り合いが悪いようで。

 しかし翌朝、警察署長のマシュー警部(ノア・ビーリィ)がマグスたちがもっていたコートランド氏の名刺で連絡を取って無罪放免。ブーブーいいながら釈放されるキッズ。コートランド氏は彼らに後から自宅まで来るように誘います。そこで素晴らしいお礼をするというのでした。キッズたちは「お礼ってお金かな、そしたらクラブの部屋にトレーニング機器を揃えられるぞ」とわくわく。一人マグスだけが「そんな金持ちからお礼を貰うなんて」と気が進まないのですが、またメンバー全員で投票。結局コートランド氏のお屋敷にいくことになります。

 どやどやと屋敷に押しかけて呼び鈴をならすキッズたち。出てきた執事(ロバート・クレイグ)が彼らの人相風体を見て「君たち、ここは玄関だ、君たちは下の勝手口から入りなさい」と言われちゃった(笑)。これを聞いたコートランド氏はかんかんになって「彼らは私の友達なのだ。友達を勝手口から入れる奴があるか」彼はキッズを迎えいれてさっそく「お礼」を見せるのでした。それは立派な設備が整ったトレーニングジム。さすがニューヨークの金持ちともなると豪勢なものですなあ。仰天するキッズに「これはわしの長男が使っていた施設だけど、彼は今家を離れている。次男ははなっから興味がなくって今は誰も使っていないのだ。君たち、良かったらここを自由に使ってくれたまえ」執事、これがどうも面白くないらしく仏頂面をしております。これに気がついたコートランド氏、またカッとなって「もうお前、首ね」。

 コートマン氏はさらに自分の娘ルイス(ルイス・カリー)、先ほどちらっと話しに出てきた次男のロイ(ジョニー・ダンカン)を紹介します。ルイスは笑みを見せながらも「パパ、今夜パーティがあるのに執事を首にするなんて、彼、メイドやコックたちを連れて出ていっちゃったわよ」とぶつぶつ(笑)。ロイはロイで何やらくらーい顔をしております。おまけに手首には包帯、これを見たマグス、「そういやギャングの一人が手に怪我をしていたぞ、まさか・・・」実はこのロイ、兄のジョンが出征して以来ちょっとおかしくなっていたのです。コートランド氏やルイスはその寂しさからなんとか立ち直ったのですが、彼はグレてしまって(笑)いつの間にかギャングの仲間になっていたのでした。

 幸せそうな一家と思ったらいろいろとあるものですな。

 いろいろあると思ったらルイスが連れてきた恋人の軍人アンドレイ中尉(スタンレィ・ブラウン)も怪しい、怪しい。メイドやコックの代わりとしてマグスとグリンピーはそれぞれの母親を連れてきます。彼女達がルイスと一緒に台所でパーティの準備をしている間、アンドレイ中尉はこっそりと電話をかけます。それが「あ、ダーリン、僕だ」というもの。ぴんときたマグスとグリンピーはこの電話を立ち聞きするのでした。「うん、ジグザグクラブだ、今からそっちへ行くから、待ってて」その言葉通りタクシーを呼んだアンドレイ、ルイスに「ちょっと用があるので出かけてくるよ。パーティには間に合うよう戻ってくるから。その時、婚約のことをね、うふふふ」何がうふふだと思いますが、とにかくアンドレイ、タクシーで出かけます。そのタクシーの後部にしがみついたマグスとグリンピー、ムチャをしますなー(笑)。

 さあて、ジグザグクラブでアンドレイを待っていたのは予想通りの若い女。しかも悪そうです。その女ナディアは軍服姿でタクシーから降りてきたアンドレイに「ちょっとアンタ、なんてカッコしてんのよ」アンドレイは今の今までいやらしいフランス訛りの英語を喋っていたのが急に砕けて「へ、衣装屋で買ったのさ、今度の仕掛けに必要だったからな」ああ、なんということでしょう、このアンドレイ中尉、実は結婚詐欺師だったのです。

さて一方他のイーストサイドキッズのメンバーたち、街を歩いていたところ偶然にギャングのラスティとビリヤードをやっているロイを見つけるのです。「なんであんないいところのお坊ちゃんがあんな奴と」「ははあ、ひょっとしたらマグスが正しかったのかも」彼らは急いでマグスとグリンピーにロイのことを話します。マグスとグリンピー、ロイスにアンドレイの正体を説明して、あっさりと「馬鹿なこと言わないで、それにあんたたち、私のプライバシー侵害よ」と怒られたばかり(笑)。「ロイもか、またやっかいごとが増えたな」と顔をしかめるマグスであります。

 さて、コートマン家ではパーティが始まりました。ロイス、アンドレイをエスコートしてお客様に紹介して回っています。このまま、ロイスはアンドレイに誑かされてしまうのでしょうか。一気に「アレー」とヤラれちゃうのでしょうか、「田舎の親が病気で困っているんだ、このままだと結婚式まで持たないかもしれない。すぐに返すから治療費で100万円ほど貸してくれない」ってお金を騙し取られてしまうのでしょうか。っていうか、なんでドルじゃなくって円なんだ(笑)。しかし、そうは問屋が卸しません、マグスさんここにあり!彼は密かにあのアンドレイの恋人、ナディアをコートマン家に連れてきていたのです。彼女を見たアンドレイは飲んでいたシャンパンを「ぷーっ」派手に噴出します。ロイスは突然の女の出現に眉を逆立てて「何なの、説明してくださらない、アンドレイ中尉!」ナディアも負けじと「中尉?この人が中尉ならあたしはWAC(陸軍婦人部隊)よ!」ロイス、ようやくマグスのいっていたことが本当だと分かって「ンマー、あんたたち、さっさと出て行って頂戴」二人を追い出したのでした。ロイス、マグスに「ありがとう、あたし、あなたたちがいなければコロリと騙されていたわ」

 これでようやく厄介ごとの一つが片付いた訳です。

 さあ、後はロイを更生させるだけと思いきや、電報が届きました。その電報を読んでさっと顔色を変えるコートマン氏であります。そう、皆さん、もうお分かりでしょう。この電報はジョンの戦死を知らせるものだったのです。可哀想に大ショックを受けたコートマン氏は寝込んでしまいます。ロイスは気丈にもその父親を世話するのですが彼女自身の胸も悲しみに張り裂けそう。しかしジョンの死をたった一人知らないロイはパーティを抜け出すとラスティたちが屯すビリヤード場に行ってしまうのでした。そしてラスティに仲間から抜けさせてくれと頼むのです。ロイに自首でもされたらえらいことになりますから簡単に抜けさせてくれるはずもなし。「バカヤロー、お前は未来永劫仲間なんだよ」ここで飛び込んできたのが後をつけてきたイーストサイドキッズの面々。ラスティたちと散々に殴り合い、ロイを逃がします。しかしこの時、イーストサイドキッズのメンバー、スキニー(ウィリアム・ビリー・べネデクト)がラスティに捕まって監禁されてしまったのです。

 さてコートマン家に戻ってきたロイとイーストサイドキッズ(スキニー除く)、ロイはスネております(笑)。「僕が何をしようがあんたたちには関係ないだろ!」「バカヤロー」怒鳴りつけるマグスです。「お前、へたしたら刑務所行きになるんだぞ」「平気さ、どうせパパが助けてくれるから」「けっ、金持ちお坊ちゃんはいいよな」全然悔い改めないロイに対してマグスはボクシングのグローブを投げつけ「よし、拳で分からせてやる、ボクシングで勝負だ」かなり強引ですが、何しろイーストサイドキッズの映画ですからな、いいのです。これからロイとマグスが殴り合い。「ええい、コノヤロ、バカヤロ、デクノボー」もちろん、勝つのはマグスに決まってます(笑)。彼はどうと倒れたロイに「お前の兄さんは戦死した。お前がこの家の唯一の息子なんだ。だからしっかりしろ」とお説教。これでロイも改心して物音を聞きつけて起きだしてきたコートマン氏と「ああ、パパ、僕が悪かった」「おお、息子よ」と抱き合うのです。これでめでたし、めでたしと思いきや・・・、ああ、スキニーのことを忘れていたぁ。

 タイミングよく顔をだしたロイスが「ロイ、あなたにへんな電話よ。ラスティって人からスキニーのことだって」なるほど、ラスティはとっ捕まえたスキニーをネタにロイの更生をやめさせようとしていたのです。当然ながらそんな悪巧みが上手く行くはずがなく、ロイから聞き出したアジトにイーストサイドキッズが突入して見事スキニーを救出、ラスティらギャングも逮捕されたのでした。これで本当のめでたし、エンドマーク。

ニューヨークの一等地に豪邸を構えるお金持ち、でもその長男は戦死、次男はグレて、おまけに娘は結婚詐欺師にひっかかる。ダークだよなあ、リアルすぎるよなあ、やっぱりコメディじゃないよなあ。

モノクロ・スタンダード この作品も画質は極悪。暗いところは本当に真っ黒(笑)。音はすれども姿はみえず状態です。音声はこれまでの作品で最悪。大きくびーっというノイズが入って台詞をかき消してしまいます。Comedy Classics 50 Movies 12枚のDVD50本のコメディが収録されたボックスセット。Digital 1 StopDVD

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『Mr. Wise Guy』(1942年)

 

イーストサイドキッズ映画の3本目であります。今日も今日とてニューヨークの街でたむろっているイーストサイドキッズ。ダニーの兄さんが無実の罪で逮捕、これで刑務所へというのならまだしもなんと死刑にされちゃいそうになるというシリアスな物語。だからこれはコメディじゃないっての。

さて冒頭からマネキン女性を相手に自己紹介をしているマグスたちイーストサイドキッズ。マグス(レオ・ゴーセィ)はマネキン女性の腕を取って「お嬢さん おいらはマグス、イーストサイドキッズの頼もしくてハンサムで頭が良くって腕っ節も強いリーダー」彼はダニー(ボビー・ジョーダン)をぴゅっと引っ張ると「こいつはダニー、おいらの左腕」続いてグリンピー(ハンツ・ホール)を指差して「こいつはグリンピー、右腕さ」ついでにピーウィー(デヴィッド・ゴーセィ レオ・ゴーセィの実弟)に「こいつはピーウィー、おいらのイエスマン」はい上手くオチがついたところで「バカヤロー、五月蝿いんだよ、お前ら出て行けっての」と洋服屋のご主人に怒られてしまいましたとさ。

 追い出されたイーストサイドキッズが歩いておりますとすぐ近くのパン屋さんのショーウィンドーががちゃーん。割れてしまいます。パン屋の主人が転んだ拍子に割ってしまったのですがマグス、「まずい、俺たちがやったと思われるぞ」みんな逃げ出すのでした。そこを運悪くパトロール中のおまわりさんに見つかってあっさりとっ捕まってしまうイーストサイドキッズ。パン屋の主人が「いや、ガラスは俺が割っちゃったんだよ、そいつらのせいじゃないよ」と証言してくれたので逮捕は免れたのですが、このオープニングでイーストサイドキッズは大変な不良少年団、おまわりさんと折り合いが悪く、たとえ何も悪さをしていなくってもおまわりさんの姿を見ると反射的に逃げ出すということが分かります(笑)。

 ここで新たな登場人物、ダニーのお兄さん、ビル(ダグラス・フォーリィ)であります。彼はダニーと二人っきりの兄弟でしかももうすぐ陸軍に召集される身の上。彼はダニーのことを大変心配しております。彼自身もダニーくらいの年頃は不良で感化院に入れられていたこともあって、ダニーが自分の二の舞になるのではと思っていたのです。そんな兄の心を知ってか知らずか、イーストサイドなんたらという悪い仲間とつるんでいるダニー(笑)ということですね。

 ダニー・マグスとイーストサイドキッズはビルが働いている店にやってきて彼の陸軍入隊が決まったことを知ります。「おめでとう、兄さん」「ありがとう弟よ」なんていっているうちに警報が鳴り響いた。この警報、マンハッタンの側にある島の刑務所(ルーズベルト島でしょうか)から囚人が脱走したという知らせなのです。こんな騒ぎに目のないイーストサイドキッズの面々、「それ見に行こうぜ」と桟橋に駆けつけたのですが、何も見えません。退屈したキッズ、留めてあるトラックで人待ち顔のおっさん、ダフィをからかい始めるのでした。

 「おっさん、ひょっとしたらあんたが脱走犯じゃないの」「馬鹿、違うよ」「いやー、怪しいなあ」こんな問答をやっているうちに来た来た、キッズの天敵おまわりさんが(笑)。奇妙なことにダフィも怯えだし、こっそり隠れてしまいます。キッズはばらばらとトラックに乗り込んで働いているふり。マグス、おまわりさんに免許証を見せて「いやー、俺らだってやるときゃやるんスよ」と上手くごまかすのでした。これが後で大変なことになろうとは夢にも思わずに。おまわりさんが行ってしまった後、「きししし、上手く行きましたよ」「むひひひ、おまわりさん、馬鹿だねー」と喜ぶキッズであります。

 その時またヘンなおっさんが現れた。彼は大きな樽をえっちらおっちら運んでおります。彼は樽の蓋をそっと持ち上げて「おい、ルーク、大丈夫か、ダフィがトラックで待っているぞ。もう少しの我慢だ」そう彼は脱走してきたルークを樽の中に隠していたのです。あのダフィも仲間で本来ならトラックでルークごと樽を運ぶことになっていたのでした。しかし、そのダフィが警官に怯えて逃げてしまっています。途方にくれた男を助けたのはイーストサイドキッズ。「おっさん、樽重そうだね、俺たちが手伝ってやろう」みんなで抱えて樽をトラックの荷台に放り込みます。「小僧達、ありがとよ」男がぱっと投げてよこしたのは5セント玉。マグス、カッとなって「おい、いくらなんでも5セントはないだろう」と叫ぶのですが後の祭り。トラックは走り去ってしまいます。

 画面に現れる新聞記事。「警察、ルーク捜索を諦める。溺死したものと認む」という見出しが躍っております。ここでこの見出しの左下にご注目。「キッズ、トラック盗難で有罪となる!」へ?どういうことですか。キッズ、まだトラック盗んでいないですけど。ひょっとしたらこれ、未来の予言?と思っていたら本当にキッズ、トラック盗難の咎で逮捕されちゃった(笑)。あのトラックは脱走幇助に使うためにダフィが盗んできていたものだったのです。キッズがこのトラックに乗っていてあまつさえおまわりさんにマグスが免許証まで見せちゃってる。無実の罪なのですが、これじゃ言い逃れのしようがない。あっという間にキッズ、まとめて有罪となってウィルトン感化院に送られちゃいました。

 ここで改めてさっきの新聞の見出しが大写しとなります。「キッズ、トラック盗難で有罪となる!」、一面にいろいろ見出しつけて使いまわしているわけですな(大笑い)。

 仰天したビル、さっそくウィルトン感化院に向かいます。勝手知ったるなんとかで受付に行きアン・ミッチェル嬢(ジョアン・バークレー)にダニーとの面談を申し込みます。そして労働選択のための面接を受けているイーストサイドキッズのところへ行くのですが、この面接官ジェド・ミラー(ディック・ライアン)はビルが入れられていた頃からいる古株でしかもめっぽうな乱暴もの。ダニーにちょっと口答えされたのでカーッ。げしーんと彼を張り飛ばしてしまいます。これで怒ったビルが飛び掛り大騒動に。この騒ぎで出てきたのが感化院主任のジム・バーンズ(ジャック・ムーハル)。彼はジェドを叱り飛ばしてビルに「すまなかった。もうこんなことがないようにするよ」さらに彼はアンにビルに今の感化院を案内するように頼んだのでした。これでたちまち機嫌を直すビル。弟のことは放っておいて美人事務員と見学です。あまつさえ、今日のディナーを誘ったりしております(笑)。

 さて、ここで一旦我々の眼はウィルトン感化院を離れてビルとアンのデートの場面に入っていくのです。楽しい食事が終わって彼女を車で送るビル。「楽しかったわ、またさそってね」「うんお休み」などと会話を交わしてお別れ。ビルは車を留めたままタバコに火をつけて「次あたりあのアマ、ひーひー言わせたろうか」と考えております。しかしこの時あの脱走犯ルークとその仲間たちが現れた。彼らは警察の捜査が打ち切りになったのをいいことに強盗仕事を再開しようとしていたのです。彼らはピストルを構えて店(画質が悪すぎて何の店か良く分かりません)に突入、店主に「やい、金をだせ」でも「いやだ、金は出さん」と言われてしまったので思わずピストル発射。店主を射殺してしまったのです。

 逃走を図った一味が目をつけたのがビルの車。彼らは無理やり乗り込んでビルにピストルを突きつけると「やい、死にたくなかったら猛スピードで飛ばすのだ!」

 ここからビルと彼の車に乗り込んだルークたち、そしてパトカーのカーチェイスとなります。やっぱり画質が物凄く悪くてしかも夜の場面だから何が起こっているのか全然分かりません(笑)。とにかくパトカーに追われたビル、運転を誤って街頭にごつーん。悪党どもは彼一人を残して逃げてしまいました。そしてあろうことかビル、強盗犯の一味と間違われて逮捕されてしまったのであります。「そんな今から陸軍に入ろうとしている人がこんな強盗なんかする筈じゃいじゃありませんか」というアンの取り成しも相手にされません。

 感化院で一生懸命働いていたダニー。この事件を新聞で知って大ショック。

さあ、ビルの裁判が始まった。何故か明るい音楽が鳴るうちに(笑)あれよあれよとビルは有罪、そして死刑を宣告されてしまうのです。死刑執行日は717日。ダニーはこの新聞記事の切抜きを壁に貼って「ああ、あと4日しかないよ」と泣きべそをかいております。そんな彼をからかうのがチャーリー(ガブリエル・デル)とチャーキィ(ボブ・ストーンのコンビ。聞こえよがしに「絞首刑かな、うふふ、それとも電気椅子?」これでマグスが怒った。「テメーら、何言ってやがる」靴を投げつけます。ところが二人がひょいと頭を下げたもので靴は彼らの上を跳び越して丁度入ってきたミラーに命中。マグス、その靴で散々に殴られてしまうのでした。

 このチャーリー、実はルークの甥であったという、偶然にもほどがあるというか(笑)、それとも叔父・甥が揃って刑務所と感化院のご厄介になるとはとんだロクデナシだと呆れるべきなのか、ちょっと判断に迷いますねー。

 この後もチャーリーとマグス、いがみ合って喧嘩ばかりしております。そんな中、ドラッグストア強盗を成功させ、ああ、ここでやっと分かった、彼らが押し入ったのはドラッグストアだったのですな、しかもその罪をとっぽいお兄ちゃんに押し付けることができたとほくほくしているルーク、バトラー、ダフィーの三人組。ルークの情婦ドロシー(アン・ドーラン)も加わって四人組となり次なる悪巧みに勤しんでおります。

そんな中、ラジオのニュースから聞こえてきたのがレガッタ競技トトカルチョの結果。これを聞いたルーク、「あ、俺、当てちゃったよ、払い戻し5,000ドルだよ、わーい、わーい」しかしここで問題が。ルークは刑務所から脱走して溺れ死んだと思われている男です。そんな男が金を取りに来たらあっという間に捕まってしまう。ルークは悩んだあげく、バトラーに「おい、お前、俺の代わりに金とってきてくれよ」しかしバトラー慌てて「俺もサツに顔割れているから駄目っす」結局ダフィが行くことになりました。彼が出て行った後、ルークに囁くドロシー。「あいつ、そんなに信用できるの。金持ち逃げしないようにあたいが見張っておこうか」「おー、そりゃいい、頼むよ、ドロシー」彼女もダフィの後を追って出て行きます。ここでバトラーが言うことにゃ「ボス、あの女は大丈夫なんですかい」ってきりがないやん(笑)。

 感化院ではリクレーションの映画大会が開かれております。といっても娯楽映画ではなくってニュース映画なのですが。いきなり「我が軍の偵察機、ジャップの警戒網をかいくぐり無事帰還!」というニュースが流れるのでびっくりします。そうだ、太平洋戦争まっさかりだったんだ(笑)。そして次のニュースがレガッタ大会。レースの結果とともに大金を受け取るダフィとドロシーの姿が映ります。マグス、はっとなって「あいつ、トラックの男だ」ダニーも「あ、あいつ、ビルの車から見つかったタバコと同じ奴を吸っているぞ」さらに、チャーリーからルークが叔父だったという衝撃の告白(笑)、そしてもひとつおまけに「あれは叔父の部下のダフィと情婦のドロシーだ。ドロシーの住所だって分かるぞ」こういうのを怒涛の展開と申します。

 マグスたちはあのダフィが桟橋で盗んだトラックで待っていたのはルークの脱走を助けるために違いない、そして多分、ビルに罪を着せたのは彼とルークなのだという結論に達します。そして「脱走してドロシーのアパートへ行こう。そしてルークの居場所を突き止めるのだ」そのままわらわらと塀を乗り越えて脱走。首尾よくドロシーのアパートメントに忍び込み彼女の帰りを待ったのです。

 一方、金を取って車で戻ってきたドロシーとダフィ。この辺、ニュース映画と現実との時間差がほとんどないという・・・(笑)。ドロシー、車の中でダフィに嫣然と流し目をくれて「まさか、このままルークのところへ戻るなんていわないわよね。大金と美女と」ドロシーはにやりとして「なぜか飛行機のチケットまであるのに」要するに二人で逃げようと言うこと。悪い女ですなー。ダフィはそれでも躊躇ってむごむご言っているのですがドロシー、強引にキス、ぶちゅぶちゅぶちゅちゅちゅー。ついに持ち逃げに同意させてしまったのです。

 「じゃ、荷物とってくるわ」と自室へ入るドロシーですが、はい、待ち構えていたイーストサイドキッズに捕まってしまいました。ドロシーの帰りが遅いので様子を見に来たダフィも同じくあっさり御用。マグスは感化院のバーンズ主任に電話で「悪い奴ら捕まえたっす。このアパートメントに警察呼んでください」そして「ドロシーとダフィが帰ってこねえ、持ち逃げしやがったのか」とやってきたルーク、バトラーと駆けつけてきた警官隊が鉢合わせとなって全員まとめてお縄になってしまったのでした。

 この知らせが刑務所に届き神父さんとのお祈りを終えて今まさに処刑されんとスのビルが命びろい。ラストは出征していくビルをイーストサイドキッズといまや彼と将来を誓い合う仲となったアンが見送るという大団円であります。おしまい。

面白かったけど、やっぱりこれじゃ笑えないよ。

 モノクロ・スタンダード この作品も画質は最悪。暗いところは本当に真っ黒(笑)。音はすれども姿はみえず状態です。音声もノイズが多く耳が痛くなりました。Comedy Classics 50 Movies 12枚のDVD50本のコメディが収録されたボックスセット。Digital 1 StopDVD

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『回転』(『The Innocents』 1961年)

 

デジタルWOWOWで放送されたハイビジョン映画であります。モノクロ画質が凄くキレイ。おまけにノートリミングのシネスコ。いつもの貧乏くさい輸入DVDとは段違いですなあ。

 冒頭、叔父さん(マイケル・レッドグレーブ)の面接試験を受けるミス・ギデンス(デボラ・カー)。この叔父さんというのが途方もない大フゴーでイギリス各地に屋敷や別荘を持ち、忙しく仕事で飛び回っている人。でも彼はひょんなことから兄弟の遺児二人を預ることになったのでした。叔父さんは「いやー、甥はマイケル(マーティン・ステファンス)、姪はフローラ(パメラ・フランクリン)と言って二人ともとても良い子なのですが」叔父さん、ここでぴんと右手の小指を立てまして「私、こっちの方も忙しいんですわ」本当にこんなことを言っている(笑)。「だから子供たちになかなか手が回りませんでしてな。あなたに家庭教師をお願いしたいと思うのです。マイケルは寄宿学校に、フローラはブライの屋敷におりますよ」

 はい、目出度く採用決定。ギデンスは早速ブライという田舎町にある彼の豪勢な屋敷へ向かうことになります。もともと子供好きなギデンスはどんなお子様のお世話をするのかと楽しみにしています。ただ、さっきの面接で叔父さんが「子供たちに関する苦情は受け付けません。そのためにあなたを雇うのですから私を煩わせては困る!」と言ったこと、前任の家庭教師ミス・ジェセル(クライティ・ジェソフ)が不慮の死を遂げたらしいこと、などが気に掛かったのですが、彼女は「迷わず行けよ、行けば分かるさ」と猪木みたいなことを考えてその不安を振り払ったのです。

 馬車に揺られて小1時間。屋敷についたギデンスはその庭園の美しさに目を見張ります。美しいだけではなく、また無闇に広い、広い。敷地内には湖まであるのです。この光景に見とれているギデンスの耳に聞こえてきたのが「フローラ、フローラ」と呼ぶ声。同時に彼女は湖のほとりで遊んでいるそのフローラを見つけたのでした。はて、あの声は誰のものだったのでしょうと思いますが、とりあえずそれは無視(笑)。フローラも「あ、あなたがギデンス先生ね」と分かってくれましてたちまち二人は仲良くなったのであります。そしてフローラに連れられて屋敷へ行くと、「まあまあ、先生、ようこそいらっしゃいました」と出てきたのが家政婦のグロース夫人(メグス・ジェンキンス)。この人も良さそうだし、屋敷も庭に劣らず豪勢だし、こりゃまったくいいところに就職したものだわ、ほっと安心するギデンスなのでした。

フローラのペットがリクガメ。じっくり見てみるとどうやらこれはヘルマンリクガメらしい。

 しかしその夜うなされるギデンス。一緒の部屋で寝ていたフローラがその彼女をじっと見つめているのが不気味です。さらに窓から外を見下ろすフローラ。すると何かを見つけたかのように微笑むのでした。おー、だんだんホラーらしくなってきましたなー。

 しかし次の朝になるとそんなことはまるでなかったかのようにギデンスと楽しく遊ぶフローラです。でもフローラは時々「もうすぐお兄さんも帰ってくるわ」とおかしなことを言ってギデンスを困らせます。彼女がいくら口をすっぱくして「今学期の最中だから帰ってこれない」と言い聞かせてもフローラ、頑固に「いいえ、それでも帰ってくるの」と言い張るのでした。うんざりしたギデンスですが、丁度その時、寄宿学校から「マイケル退学」の知らせが届いたのです。仰天するギデンス、フローラに「あなた、何故このことが分かったの」と問いただすのですが、もちろん、はっきりとした答えは返ってきません。さらに悪いのがその退学になった理由。「不道徳で堕落しており他の生徒の害になる」思わずギデンス、「えー、これどういうこと。学校でスカートめくりとかちんぽ見せごっこでもやったのかしら」

 スカートめくりもちんぽ見せごっこも私が子供の頃実際にあった事件です(笑)。

 さて、その手紙による通告どおり屋敷へ戻ってきたマイケル。明るい利発そうな子供でギデンスともすぐ打ち解けます。いきなり「先生はキレイですね」とお世辞をかましやがる(笑)。それでいながら「叔父さんは僕たちのことなんかまったく気にかけちゃいないよ」と泣く可愛らしさもあってギデンス、もう夢中。「私がこの子の力になってあげなくちゃ」と決意するのであります。ところが、この頃から怪奇現象が頻発するようになったのでした。庭でバラを切っていたギデンス、屋敷の塔(こんなものがあるのですなあ)の屋上に不気味な男がいるのを見つけます。慌てて登ってみるとそこにいたのは鳩の世話をしているマイケルのみ。「ヘンな人を見なかった?」と聞いてもマイケルは「いない、ひょっとしたら先生、僕を見間違えたんじゃないの」

 さらにその夜子供達の発案でかくれんぼをしたらギデンスは屋根裏で怪しいメロディのオルゴールとこれまた怪しい男の写真を見つけるわ、自分が鬼の番になってカーテンの陰に隠れるとベランダからさっきの写真の男がひゅーどろどろと出てくるわ、もうたまりません。ギデンスははっと気がつきます。「あれは塔の上にいた男よ」どうやらこの屋敷、怪しい霊魂に取り付かれているらしい。グロース夫人にこの男の写真について聞いてみるとそれは叔父さんの従者で以前この屋敷を切り盛りしていたクイント(ペーター・ワインガルデ)ではないかというのです。彼は事故で死んでしまったのですが、それまではこの屋敷に君臨し、マイケルは彼に心酔していたといいます。おまけにどうも前任の家庭教師ジェセルとただならぬ関係にあったらしい。

 その後、ギデンスは子供達の奇妙な振る舞いからひょっとしたらあの霊魂、屋敷に取り付いているだけではなく子供達にも影響を及ぼしているのではないのかしらと考え始めます。そしてギデンスは湖で今度はミス・ジェセルの幽霊を目撃しますところが不可解なことに一緒にみた筈のフローラは知らん顔をしているのです。子供たちは幽霊に操られているのだ。この謎は過去に答えがあるという結論に達したギデンスはもう一度グロース夫人に問いただすのでした。始めは嫌がっていたグロース夫人、ついに観念したと見えて

 「そうですのよ、クイントはジェセルさんとそういう関係でした。でも決して良い関係ではなかった。クイントはジェセルを肉体的にも精神的にも支配していたんです。暴力もふるっていたし、何より」ここでグロース夫人ぽっと頬を染めまして「あのう、そのうアレが、アレが凄いんです。昼間っから部屋でやったり、子供の前でも隠さなかった、なんだか見られると返って燃えるのだと訳の分からないことを申しておりました。マイケルが不道徳で放校になったのはきっとクイントのせいですわ」ははぁ、いきなり凄いことになってきました(笑)。昼間っから部屋でやるのはともかくとして子供に見せちゃまずいでしょ、あんなもの。

 しかしクイントは不幸な最後を遂げます。ある冬の晩酷く酔っ払って帰ってきて「ういー、そうだよ、俺は酔っ払ってますよ、酒飲んだんだから酔っ払うのが当たりどぅっ」階段から転げ落ちて死んでしまったのでした(大笑い)。マイケルは大ショック。そしてジェセルは彼の死を儚んでとうとうあの湖に身を投げてしまったのでした。

 この話を聞いたギデンス、ロンドンの叔父さんのところへ助けを求めに行こうとするのですが、教室でジェセルの幽霊をまた目撃したことで考えを変えます。「今私がいなくなってしまったら大変なことになるわ。私はここに残って幽霊と戦うの。子供達自身の口から真実を語らせるの。そうすれば大丈夫よ」よく分かりませんが、子供達にクイントとジェセルが死んだことを納得させて、幽霊達に「あんた達、死んでいるんだよ」といわせるということなのでしょうか。

 さて、その晩戦いを決意したギデンスが図書室で一人聖書を読んでおりますとあのオルゴールのメロディーが聞こえてきたり、笑い声が聞こえてきたり不気味悪いことこの上なし。ギデンスは蝋燭を持って屋敷を調べに掛かります。よくまあ、ホラーの常道とはいえ、暗い屋敷の中を一人で歩けますなあ。私だったら多少音がしたって気にせずに酒をくらって寝ちまいますよ、ホント(笑)。ギデンス、いろいろな部屋を調べようとしたのですが、どれも鍵が掛かっています。そうするうちに幽霊達はますます騒がしくなって「キスして頂戴、お願いよ」「ふふふふ」「子供達を見てみろ」がたん、どたん、「ノックぐらいするがいいじゃないか」コンコンコンというノックの音。モー、めちゃくちゃ。さすがにたまらなくなったギデンス、寝室へ引っ込みます。

 しかしその寝室でもフローラが窓の外を見つめていて大変コワい(笑)。ギデンスがその視線の行く先を確かめてみるとこんな夜中に庭を歩くマイケルの姿が。しかもマイケル、塔の上の方向をじっとみております。

 ミス・ギデンスは急いで庭に降りていくとマイルスを捕まえます。なぜこんなことをしたのかと問い詰めるとマイルス、しれっとした顔で「僕、悪い子になりたかったの。だって良い子でいるって退屈でしょ」寝室に連れていき寝かしつけようとすると今度は枕の下から明らかに首を捻られた鳩の死体が!驚くミス・ギデンスにまたもマイルスはしれっとした顔で「可哀想だから明日埋めてやろうと思ってもってきたの」おまけに、マイルス、お休みのキスなのにギデンスに抱きついて口にぶちゅー。

 ギデンス、いよいよ彼がクイントの霊に操られていると確信するのでした。しかしどうでもいいですがなかなか話が進みませんのう。

 さらに今度はフローラに事件発生。姿が見えなくなった彼女を探すミス・ギデンス。彼女はあそこにいるに違いないと湖へ行きますと、果たしてフローラはいました。彼女はあのオルゴールの曲に合わせて踊っていたのです。そして再び現れる、ミス・ジェセルの幽霊。ギデンスは彼女の腕を掴むと「ほら、見えるでしょう、あそこにジェセルさんがいるわ」と叫ぶのですが、フローラは「見えないわ、誰もいないわ、先生、ヘン」と激しく首を振るばかり。いらだったギデンス、さらに「そんなこと言ったってそこにいるんじゃないの、見えないはずはないわ、さあ見えるとおっしゃい!」とうとうフローラ泣き出してしまいました。この騒ぎを聞きつけてやってきたグロース夫人の腕の中に飛び込んで「先生があたしをいじめるの」と叫びます。まあ、誰が見たって幽霊がいると言い張るキチガ×が少女をいじめているようにしか見えませんけどね(笑)。グロース夫人もそう思ったらしくフローラを連れて屋敷に戻ってしまうのです。

 しかし、フローラのヒステリーはなかなか収まりません。そのためミス・ギデンスがおかしくなったと警戒していたグロース夫人も次第に「この屋敷にはクイントとジェセルの幽霊が取り付いていて子供達を支配しようとしている」といういささかトンデモなギデンスの言葉を聞き入れるようになるのです。そしてギデンスは彼女にこんな提案をするのでした。「グロースさん、あなた、明日フローラを連れて叔父さんのところへ行って頂戴。私はマイルスと二人で残って彼を操っているモノと戦うわ」

 翌朝、この提言に従って本当にフローラを連れて叔父さんのいるロンドンに旅立つグロース夫人。いや、本当にいいのですか、あんなこという女と幼い子供を二人っきりで残してしまって(笑)。

 さあ、これで邪魔者はいなくなった。マイルスをとっつかまえて対決(説教)だ!と張り切るギデンスですが、あにはからんやマイルスの姿がどこにも見当たりません。がっかりするギデンス、私もなんだ、早く話を進めろよとイライラしております。このままなんとなく時間が過ぎてお茶の時間になった時にさあ、ようやくマイルス戻ってきた。「先生、みんな出て行ったの?僕ら二人っきり?」と聞くわけですよ。それから「みんな逃げたんだね、僕には分かる、でも先生は僕が守るよ、フローラもロンドンに行ったの、彼女はこの家をとても愛していたのに」「あなたはどうなの?」ギデンス先生にこう聞かれたマイルスははっとなって外へ駆け出します。その彼を追っかけたギデンス、庭で追いついて「なんであの夜庭にいたの」「だから悪い子になりたかったんだってば!」「ウソよ、本当の理由を話しなさい!あなたは操られている、学校を退学になったのもそのせいだわ」はっとなるマイルス、「知らないうちに悪いことをしていたんだ。夜になって暗くなると何も分からなくなって気がつくとみんなが怯えているんだ、僕が悪いことをしたって」「誰なの、誰に操られているの」「ウワー知らないよ」また逃げ出すマイルス、ギデンス同じようにおっかけてすぐ彼を捕まえます。どうも同じことを繰り返していてもどかしいですなー(笑)。

 さらに問い詰めるギデンス、「あの男ね、あの男がやらせているのね、さあ、その名前を言いなさい」こんな会話を延々やっているうちにいつの間にかとっぷり日が暮れておりまして、あたりは真っ暗。そしてずーんとクイントの幽霊が姿を現します。そんな中ギデンス、なおもマイルスを揺さぶって「あの男でしょ、さあ、名前を名前を言うのです!」ついに観念したマイルス、囁くような声で「クイントだよ・・・」ふっとクイントの幽霊が消えてしまいました。大喜びのギデンス、「これであなたは解放された、自由なのよ、もう大丈夫だわ」しかしその時すでにマイルスは事切れていたという・・・。言いようのない悲しみに囚われたギデンスがマイルスの唇にキスしたところでエンドマーク。

子供たちの口から真実を語らせるというのはこのことだったのでしょうか。何か釈然としません(笑)。

 ギデンス、絶対やばいです。「幽霊が子供達を操っている」などといって家政婦たちを遠ざけ自分はマイルスと二人っきり。そのマイルスが死んだのです。疑われないほうがおかしい。ショタ殺人だって言われちゃいますよ。

画質は大変美しい。暗部が若干浮き気味でありますが、まずは上質のモノクロ画像。音質もきらびやかさはありませんが聞き取り安いです。WOWOWデジタルハイビジョン放送版。日本語字幕付。

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『Smart Alecks』(1942年)

 

イーストサイドキッズ映画の二本目。今日も今日とてニューヨークの街でたむろっているイーストサイドキッズ。この映画ではメンバーである筈のダニーへのひどい仕打ちにびっくり。おれ、こんなことされたら絶対友達やめるぜ(笑)。

冒頭から街頭で黒人のダンにタップダンス躍らせて小金を稼ごうとしているマグス(レオ・ゴーセィ)、ダニー(ボビー・ジョーダン)、グリッピーらイーストサイドキッズの面々。グリッピーはハーモニカ担当、マグスやダニーは集金担当ということで集まってきた人々に帽子を回します。「いくらでもいいからお金を入れて欲しいッス」でも観客は帽子をみるなりみんなソッポを向いて帰っちゃうの(笑)。おまけにここに口うるさいおまわりさん、ジョー・リーガン(ロジャー・プロイア)がやってきて、「こらこら街頭でこんなことをやるのは法律違反だ、さあ、帰ったり、帰ったり」ぽんとグリッピーの肩を叩くと驚いた彼が思わずハーモニカを飲んでしまうギャグ有り。以降彼は喋るたびにぷわーぷわーハーモニカを鳴らすこととなります。

 ここで場面が変わって現れたのが悪名高いギャングのブッチ・ブロッコリー(マックス・ローゼンブルーム)と手下のマイク。彼は元イーストサイドキッズのハンク(ガブリエル・デル)を抱き込んで銀行強盗を企んでおります。最もハンクの役割は見張り。おまけに強盗を終えて出てきた二人はハンクに「これはご褒美だ」とわずかばかりの金を渡して呆然としている彼をほったらかして車で逃走したのです。「ええ、聞いてないよ」とダチョウ倶楽部の竜ちゃんのごとく叫んだハンク。逃げようとするのですが、丁度その時居合わせたリーガンにしっかり目撃されてしまったのでした。

 ちなみにこのリーガン、ダニーの姉で看護婦のルース(ゲール・ストーム)と恋人同士。ハンクを目撃したのもお互い忙しい仕事の合間をぬってのデートの最中だったのであります。具体的にいうと一緒に手紙を近くのポストまで出しにいったのであります。手なんかも繋いじゃっているのであります。

 さて、ぶらぶらと歩いていたイーストサイドキッズ。途中スポーツ店のショーウィンドウに飾ってある野球のユニフォームに夢中になります。「うわお、ドジャースのユニフォームじゃん。カッコいいなあ」「こんなの着れたら俺たちゃ無敵だね」「アマチュア野球でも優勝さ」でも先立つものがなし。みんなの分を揃えると100ドルも掛かっちまうんです。イーストサイドキッズの部屋というか部室というかとにかくみんなが集まる部屋に戻ってみんなの小銭を集めてみたのですが、マグス、舌打ちして「ちょっ、83セントしきゃないや!」100ドルと83セントではえらいチガイですなー(笑)。

 さあてどうしたものかと首を捻るイーストサイドキッズたち。ここに現れたのがハンクです。「よう、相変わらずシケた面してんな、おい」彼はグリッピーに5ドル札を差し出すと「これでも使いなよ」グリッピー、驚いて喉のハーモニカをぷわーっ。しかしマグスは「俺たちゃ、汚い金は受け取らないよ、クラブのルールを忘れたのか」グリッピー、「金が汚いぷわー、そんな汚れてなんかいぷわーないぞ。ぷわー日曜の朝のぷわータオルみたいにキレイじゃないか」あのね、グリッピー君、そのキレイキタナイじゃないのよ(笑)。

ハンクはなおも「俺の仕事を手伝ってくれたらたんまり礼を弾むぜ」「聞いてるぞ、ギャングとつるんでいるんだろ、どうせマトモな仕事じゃないんだ」マグスにこう言われてカッとなるハンクですが、ここでリーガン巡査がドアをどんどん叩いて「おい、開けろ、ハンクがいるだろ」とたんにぺこぺこして「頼む、俺を匿ってくれよ」と言い出すハンクであります。

 今はギャングの手下とはいえ、元はイーストサイドキッズの仲間、マグスやダニーは彼を匿おうとするのですが、しかし、残念リーガン巡査は彼らのたくらみをちゃーんと分かっていて首尾よくハンクを捕まえてしまったのです。ハンクは裁判にかけられて有罪。新聞に「イーストサイドキッド有罪判決 三年間の懲役!」えー、こんなことが大きな記事になるのですか(笑)。

 マグスたちは裁判でハンクに不利な証言をしたルースとリーガンにお冠。ルースは彼らの機嫌をとるため大好物のケーキを拵えることとなります。しかしここで何故か割り込んできたのがブッチ。彼は以前街でルースを見かけて気に入ってしまったのですなあ。偶然彼女の家を見つけたってんで図々しくもどかどか上がりこんで行き「いやいや、私、近所のブレイクと申します」と偽名を名乗って「いやいや、やはり近所のよしみというか、なんというか一度はご挨拶をと思いましてなあ」全然理由になってねえよ(笑)。おまけにこの男、ルースが作っていたケーキに目をつけると「おお、いいものがありますな、ケーキですか、しかも手作り、いやはやこれは頂かずにはおられませんぞ」ルースが止めるのを振り切って手づかみでがつがつ。

 ここへイーストサイドキッズの面々がやってくるのです。当然彼らはケーキを貪り食っているブッチを見て「あ、なんだ、おっさん、俺たちのケーキ食ってやがる。朝飯食ってないのかよ」と毒づくのですが、何しろ相手はギャング、平然としております。ここでダニーが妙案を思いついた。彼はケーキの半分を台所に持っていって塩・胡椒がたっぷり入った生クリームを作ってたっぷり塗りたくったのです。そして「おっさん、こっちも食べろよ」と差し出すとブッチ、喜んでその塩・胡椒入りケーキをがつがつ。みんなは今に飛び上がるぞと期待していたのですが、何にも起こらない。ブッチ、平然としてこのトンデモないケーキをがつがつやっております。仕方ないってんで、今度は紅茶に膠をたっぷり入れてだしてやった。今度は効果覿面。口が張り付いて「むわむわむわわ」としか喋れなくなったブッチ、慌てて退散するのでした。

 さて、刑務所に行ってハンクと面会したりアパートの中庭で野球を楽しむイーストサイドキッズの面々というのんびりした場面がしばらく続きます。その彼らをアパートの窓から眺めて「けっ、暇なことをやってんな」と言っているのがブッチとマイク。ここでダニーがボールをぼかーんと打った。そのボールはよりにもよってブッチの部屋の窓を粉砕し中に飛び込んだのであります。あー、「大事なボールが」と真っ青になるイーストサイドキッズ。先に窓のことを心配せんかと思いますが(笑)。かんかんになって降りてきたブッチ、「ふふふ、ボールは返さないもんね」おやおやこっちも大人気ないことですな。これで責任を感じたダニーが彼に食ってかかります。「ボール返してよ」「嫌だ」「返してったら」「嫌だっていっているだろう、このガキめ」

 しかしここで思わぬ出来事。この揉め事にリーガン巡査が気づいてお尋ねものだったブッチを見事逮捕したのであります。この逮捕のきっかけとなったのがダニーだったことからなんと賞金200ドルをもらえることになったのでした。しかしその授与式に参加したイーストサイドキッズの面々は不満たらたら。マグスなんかは「その賞金の67割は俺たちに権利があるだろ」とかムチャクチャ言ってます(笑)。ダニーはこの賞金でユニフォームを揃えようと思っていたのでふふふと笑ってごまかすだけ。後でみんなをびっくりさせようと思っていたのです。

 しかしそれが思いっきり裏目に出た。「あれは俺たちにも権利がある金なんだよ」といいつつ夜中にマグスたちがダニーのアパートに忍び込んできたのです。驚いて目を覚ましたダニーにマグスは「これはもともと俺らに7割の権利がある金だからな、貰っていくぜ。おい、グリッピー、200ドルの七割っていくらだ」「2,300ドルぷわー」「馬鹿、なんで元金より多くなるんだよ」イーストサイドキッズ、計算にヨワイです(笑)。結局いくらになるか良く分からないってんで200ドル全部持っていっちゃった。

 愕然とするダニー。ルースも起きだしてきて、マグスたちがお金を持っていったことを知ると、「ユニフォームのことを言わなかったの」ダニー、もうべそをかかんばかりになって「姉さん、もういいよ、何も言わないで。僕はもう知らないよ」うわあ、これじゃマグスたちイーストサイドキッズただのロクデナシじゃないですか(大笑い)。

マグスたちの惨い仕打ちに怒ったルース、ジョーに電話をかけてこのことを話します。ルースは怒って欲しいぐらいの気持ちで電話をかけたのでしょうが何しろジョーは警察官ですからな、「これは立派な窃盗罪だ」ということでイーストサイドキッズを逮捕、留置場に放り込んでしまいます。翌朝、ジョーがそこまでやるとは思っていなかったルースとダニーが警察に駆けつけ訴えを取り下げたのでイーストサイドキッズは釈放されたのですが、みんなかんかん。ダニーをクラブから除名してしまうのでした。悲しそうにうつむくダニー

 って、オメーらが金持っていくからこんなことになったんだろ(笑)。

 ダニーはかわいそうにイーストサイドキッズから仲間外れ。みんなが楽しそうに車で出かけるのを恨めしそうに見ているダニー。ああ、見ていて可哀想で可哀想で仕方ないぞ!そんな時、イーストサイドキッズの前に現れたのは刑務所に服役中のハンクだったのです。みんな驚いて「おい、まだ三年たってないぞ」つまりはハンク、脱走してきた訳で。ここでグリッピーが「なんでパトロールまで待てなかったんだよ」おいおい、グリッピー君、そりゃパトロールじゃなくってパロール(parole 仮釈放)だよ(笑)。こういう細かいギャグを挟んでハンクの言うことにゃ、なんとあのブッチも脱走したとのこと。しかも彼はダニーに復讐を企てているというのです。ハンクはそれを知らせるために自らも脱走してきたのでした。

 驚いたイーストサイドキッズの面々、今までのいきさつをすっかり忘れ、でも結局はこいつらが金持っていっちゃったのが悪いんですけどね、ダニーを守れ!ということになります。彼らはルースにブッチのことを知らせると同時にダニー捜索を開始するのですが時すでに遅し。ダニーはブッチとマイクに捕まってアジトの倉庫に連れ込まれ散々に殴られて瀕死の重傷を負ってしまったのです。彼を発見してルースの病院へ担ぎ込んだイーストサイドキッズでしたがお医者さんの診断を聞いて愕然。「高度な脳外科手術を受けないと彼は死亡するでしょう。あ、もちろん、その高度な外科手術は私には無理です」そこで脳外科の権威、オームスビィ先生(ウォルター・ウォーフキング)に頼もうということになるのですが、ルースは暗い顔で「駄目よ、あの先生の手術料はブラック・ジャックの次に高いのよ」

 でもなんでもいいからとにかく頼んでみようとオームスビィ先生のオフィスに押しかけるイーストサイドキッズであります。しかしルースの言ったとおりこの先生の手術料は高い、高い。「私の手術は最低でも1,000ドルかかるよ」これに対してイーストサイドキッズの所持金はわずかに6ドル83セント、わあ、ユニフォームの時よりひでぇ。それにこいつらこの期に及んであの200ドルを使おうという発想がないんかいの(笑)。先生は思いっきりこのビンボー人めという顔をして、「さ、私はこれから出張しなくちゃならないんだ。出て行ってくれ」しかし先生を行かせる訳にはいきません。何しろダニーの命が掛かっているのですから。マグス達は必死に先生をかきくどきます。「あいつは良い奴なんです。ギャングを捕まえたことがあるんです。でもそのギャングに復讐されてこんなことになったんです」この必死の懇願にほだされた先生、心変わりをして「よし、私が手術をしよう」

 長時間にわたった手術でしたがなんとか成功。しかしダニーは今だ昏睡状態、予断を許さない状況。面会したマグス達はダニーが苦しい息の中「みんな、誤解なんだよ、金を独り占めするつもりじゃなかったんだよ」とうわごとを言っているのに胸をつかれます。さらにジョーから「ダニーはあの金でみんなのユニフォームを拵えるつもりだったのだ」と本当のことを聞かされて、愕然。マグスなんか「お前なんかもう仲間じゃないやい、バカヤロ、コノヤロ」と叫んだことも忘れたかのようにおいおい泣いております。

 ダニーは何とか危機を脱しました。ほっとするみんなですが、ここで最後の事件が発生。ブッチとマイクがルースを人質にとって彼女の家に立てこもったのです。逃げる前に「一回だけじゃ、ええやろ、させんかい」ということらしい。ジョーは彼女を救出しようとするのですがブッチが拳銃を乱射するので近づけません。しかしイーストサイドキッズが大活躍。彼らはダニーの部屋の窓から侵入すると明かりを切ってブッチとマイクに奇襲をかけたのです。あえなく殴り倒されるマイク。ブッチは一人逃げようとするのですがハンクに右ストレートをぶち込まれて昏倒。ジョーによって逮捕されるのでした。

 ギャングのブッチが逮捕されてダニーも意識を取り戻した。イーストサイドキッズは彼を元気づけるために願いどおり野球のユニフォームを誂えて見舞いにいくという絵に書いたような大団円でございます。

最後に仲直りするダニーとイーストサイドキッズの面々は確かに感動的ですが、やっぱりこれはコメディじゃありませんよね。それに何度も言うようだけど、元はと言えばイーストサイドキッズがお金を持っていってしまったのが悪いので…。

モノクロ・スタンダード この作品も画質は最悪。暗いところじゃ例によって何をやっているのか分からないしノイズがひどい。音声も割れていて聞きづらいです。Comedy Classics 50 Movies 12枚のDVD50本のコメディが収録されたボックスセット。Digital 1 StopDVD

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『Pride of the Bowery』(1940年)

 

イーストサイドキッズという少年グループが活躍するドラマ。基本的にこのイーストサイドキッズというのは不良少年の集まりで(笑)ダニーというキャラクターを除いてみんな柄が悪いんです。リーダー格のマグスにいたってはなんというか、不良のミッキー・ルーニーみたい。

マグス(レオ・ゴーセィ)は駆け出しのボクサー、でも彼は練習場が狭いだの、空気が悪いだの、もっと美味いものを食わせろと不平たらたら。ついに練習をやめるのだ!と宣言します。友人でトレーナーのダニー(ボビー・ジョーダン)はふと道行くCivilian Conservation Corps campのトラックを見てニヤー。「じゃ、マグス、トレーニングキャンプに申し込もうよ。そしたら空気の良い山の中で練習できるぜ!」その言葉に一も二もなく乗ったマグス、ダニーやイーストサイドキッズの面々と一緒に申し込み。

 このCivilian Conservation Corps campというのはもちろん、トレーニングキャンプではありません。森林を保護する市民団体であります。そうとも知らぬマグスはキャンプ場に向かうトラックの上で「いやー、どんなところかなー、わくわくするなあ、楽しみだなあ」などと能天気に浮かれております。

 キャンプ到着。そして宿舎に入ろうという段になって彼らを向かえたのがキャンプリーダーのアーレン(マリー・アインスレー)。これが妙に口やかましい男。「さあさあ、急いで、あ、君、ゴミを落としたな、さっさと拾いたまえ!」これが気に入らないマグス、さっそく彼に食ってかかります。おまけに宿舎に入ったら入ったで「なんだ、個室じゃないのカヨ!」さらに彼は身体検査でも一騒動。ドクターの聴診器をぱっと掴むと大声で「こんにちわ、ドクター」「わあ、五月蝿い」ひっくり返るドクター(ロイド・イングラハム)であります。さマグスは薬の壜を見つけると蓋を開けて匂いをかぐと「ドクター、これ臭いっすよ、捨てた方がいいですよ」排水口にどばどば流しちゃうのでした。これでドクター、堪忍袋の尾が切れて、「貴様、キャンプの指揮官のところへ行ってこい」

 このホワイト指揮官(ケネス・ハーラン)はしぶしぶ出頭してきたマグスに「お前ナー、何か勘違いしているようだけど、ここはCivilian Conservation Corps campだぞ、働くところだぞ。お前、自分で六ヶ月コースに申し込んでいるだろ。あ、一ヶ月の給料は22ドルな」これで呆然とするマグス。「え、俺、働くの、ボクシングどうなるの」彼はダニーに「話が違うじゃないか」と食ってかかるのですが、時すでに遅し。どうにもならなかったのです。

 その後、マグスは遅刻するぞと呼びにきたアーレンと殴り合いになったり、食堂で他の面々と騒いで怒られたり、どうもトラブルを起こしてばかりであります。

 ここでちょっとギャグが入ります。ダニー、仮病を使って午後の仕事を休もうとしたのです。彼を診察したドクター、紙を渡すと「よし、午後は仕事に出なくていい。この紙を係りの人間に見せるのだ」ヤッター、大成功だと喜ぶダニーですが、この紙をみた係員、「うん、確かに仕事に出なくていいよ」しかしダニーを丸太置き場に引っ張っていって斧を渡すと「これで薪割りしてな」「ええ、そんなー」とダニーが抗議しますと、係員、にやっとして「だってこの紙にそうさせろってドクターが書いているもんね」ぎゃふんとなるダニー。その姿を見て大笑いする仲間たちです。

 さて、その後もキャンプ生活は続いて、今日の仕事は湖畔での土木作業。いつものごとくぶうぶう言いながら作業しているマグスたち。彼らは近くで木を切り倒しているのを見かけます。よし、面白そうだと休憩時間に見物に行くマグスたち。樵がどんどん斧を叩き込んで「倒れるぞー!」ところがその木の倒れる方向にいたのがアーレン。彼は倒れてくる木に気がつきません。「危ない!」飛び出したマグス、寸前のところでアーレンの命を救ったのでした。

 マグス、これで一気に評判を回復します。ホワイト指揮官も「君は良くやった、君は勇敢な男だな」と彼をべたほめ。そして「お金という訳にはいかんが、何か褒美をやろう。君は何かして欲しいことがあるかね」これを聞いたマグス、にやっとして傍らのアーレンを見ると「彼とボクシングの試合をさせてください」やや、強引な展開ですが、これでマグスとアーレンのボクシング試合が決定したのです。

 さっそくリングが設置されて、ウウーム、こういうキャンプでボクシングリンクの準備があるというのは当たり前のことだったのかなあ。何しろ60年以上昔のアメリカ映画ですからこのヘンの細かい風俗がまったく分かりませんやね。

 さて、いよいよ始まるボクシングの試合。ところがこの直前、ウィリー(ボビー・ストーン)という少年が実に浮かない顔をしております。試合前のウォーミングアップをしていたマグスが彼に気がついて訳を尋ねてみますと、なんと兄さんが病気になったというではありませんか。ウィリーはもう泣きそうで「僕ら、親がいないから、兄さんが僕を育ててくれたんだよ」この病気の治療には大金が必要、一応キャンプでは月に22ドル給料を出すのですがそれではとても足りません。マグスは「よっしゃ、試合が終わったらなんとか方法を考えてみよう。だからそれまで待ってな」この頼もしい言葉にお礼をいうウィリーでしたが・・・。

 カーン、ゴングがなって試合開始。だっと飛び出したアーレンとマグスは「えいえい、コノヤロ、バカヤロ」とわめきつつボカボカと殴りあいます。スポーツ音痴の私からみても今のスマートなボクシングとは大違い。子供の殴り合いのような風情でございます。そのまま試合は推移して両者互角のまま2ラウンドが終了します。と、ここでマグスを応援していたウィリー、何事かを決意したのか、すっと応援席を抜け出します。そしてホワイト指揮官のオフィスに行くと机の引き出しから鍵を取り出し金庫を開けてしまったのです。そしてウィリー、お金を盗んでしまったのでした。

 机の引き出しという分かりやすいところに金庫の鍵を置いておく、うーん、金庫を使う意味がないっての(笑)。 

 ウィリーがお金を盗んだ後も延々続くボクシングの試合。「えいえい、コノヤロ、バカヤロ、テテナシゴ!」と喚きながら殴りあうアーレンとマグス。しかし結局決着がつかず、引き分けとなってしまいます。試合後アーレンはスポーツマンらしくマグスに握手を求めるのですが、結果に納得のいかないマグスは拒否、そして、「もっとやらせてくれ、そしたら俺がきっと勝つ」と喚きます。しかし、観客はこの暴挙に大ブーイング。マグス、これで嫌われて完全に孤立。みんなから口も聞いてもらえなくなってしまいます。おまけに隊長からは罰としてダニーと一緒にまき割りをやるよう命令されるのです。

 仏頂面でまきを割るマグ。しかし車でキャンプにやってきた美人を見つけて、「おお、ええ女じゃのう」まき割りの仕事放り出してソッチへ直行。「ねえねえねえ、君、どこの人、このキャンプに何の用?、俺、マグスってんだけど後でキャンプ案内しようか」この美人はエレイン・ホワイト(マリー・アインスリー)といいましてホワイト隊長の娘さん。それを聞いてちょっと引いたマグスですが(笑)約束しちゃったものはしょうがない。エレインと隊長の話が済んだ後で、キャンプを案内。湖のほとりを散策したりしております。

 エレイン、マグスにお礼のつもりか、「良かったら私の家に遊びにこない?歓迎するわよ」これでマグス、舞い上がってしまいます。「ええ?家に行っていいの、うんうん行く行く、次の土曜に行かせて貰いますとも」マグス君、世の中には社交辞令ってものがあるんだよ(笑)。マグス、彼女が帰った後早速隊長のところへ行って、「隊長、僕が間違っていました。そうですよね、スポーツマンシップって大事ですよね、僕、一から十まで心を入れ替えて真人間になります。だから外出許可をください」この現金な申し出に隊長苦笑い。それでも心を入れ替えるのならということで目出度く外出許可が下りたのです。

 次の土曜日、意気揚々と町に出かけたマグス。花なんか買っちゃってパイン通り37番地のエレインの家へ。しかしなんとしたことでしょう。エレインはマグスの目の前で別の男と車でデートに出かけてしまったのです。だから、マグス君、社交辞令ってものがあるって言ったじゃないか(笑)。がっかりして花を投げ捨てたマグス。ふらふらと町をさまようのでした。ふと気がつくと目の前はボクシングの試合場。その彼に話しかけてきたのはこないだの試合をキャンプで見たというプロモーター氏です。「おお、君、この前はよくやったじゃないか。君にはボクシングの才能がある。今夜試合をやらないか。賞金を出すぞ」しかし、マグスは首を振って「今日は気が乗らないんす。やめときます」またふらふらと歩き出すのです。

 その彼が見つけたのがウィリー。ところがウィリー、彼を見るなりきびすをかえして逃げ出してしまったのです。「おーい、ウィリー、どうしたんだよう」と追っかけるマグス。しばらく追いかけっこが続いてマグス、ついに彼を捕まえます。ウィリーはもう泣きそうになって「マグス、助けてくれよ、僕は隊長の金庫から100ドル盗んじゃったんだ。病気の兄さんのために使っちゃったんだ」「何、100ドルですと」驚くマグス、「そんな大金、ちょっとやそっとじゃ返せないぞ」しかし、そのマグスが思い出したのは先ほどのプロモーター氏の言葉、「賞金を出すぞ」であります(笑)。マグス、ウィリーに頷いて「いい考えがある。俺にまかせとけ!」

 マグスは試合場に戻ってプロモーター氏に「気が変わったっす、やるっす。その代わり賞金100ドルにしてください」プロモーター氏、そんなマグスを頼もしく思ったのか、この頼みを快諾。それどころか相手が強いので6回までノックアウトされずに頑張ったら賞金100ドルやると言い出したのであります。

 さあ、試合の開始。プロモーター氏が6回まで立っていたら100ドルというだけあって相手が強い、強い。マグスは「えいえい、コノヤロ、バカヤロ、オマエノカアチャンデベソ!」と頑張るのですが、逆にばしばしパンチを浴びてしまいダウンすること数回。ここでキャンプの仲間たちが戻ってこないマグスについて「おいおい、夜も遅いぞ、奴を探しに行かなくていいのか」「放っておけ、今奴は俺たちよりもよっぽどいい思いをしているよ」このとたんにパンチを浴びてダウンするマグスというギャグが入ります。

 ようやく試合が終了。こてんぱんにやられたもののなんとかノックアウト負けは免れたマグス。プロモーター氏は約束どおり彼に100ドルを渡します。それから車でキャンプに送って貰いさあ、隊長の金庫にお金を返そうということになるのですが、ウィリー、「僕、怖くてできない。マグス、君やっておくれよ」誠に図々しいお願いですが、マグスは快く引き受けます。彼は隊長のオフィスに忍び込み、金庫を開けてお金を入れようとするのですが、はい、ここで隊長が来て「ああ、マグス、お前、わしのお金を!」という予想ぴったりの展開になったのでした(笑)。

 マグス、「いや、お金を盗んだのはウィリーで俺は彼に頼まれて金を返しにきたのです」と言えばいいのですが、そこはそれ、男らしいマグスですから言い訳はいっさいなし。ウィリーを庇ったのです。そして隊長はおかしい、マグスは何か隠していると思いつつも仕方なく「お前は査問会にかけられる。そこで有罪となればキャンプを不名誉除隊になるのだ」マグス、じゃあいいですってんで、査問会を待つことなく荷物をまとめてとっととキャンプを出て行ったのであります。その彼を心配したエレイン、マグスを無理やり車に乗せてキャンプに連れ戻すと「さあ、父に本当のことを話しなさい、本当はあなたが盗んだんじゃないんでしょう。誰かを庇っているんでしょ」しかし、マグス、「あんたには関係ないよ、コンチクショー」と車から飛び降りて町に戻ってしまったのです。

 エレインはそんな彼の様子を父親に報告。二人して「やっぱり犯人を庇っているんだ、しかし盗んだのは一体誰なんだろうなあ」とため息をついております。そこで飛び込んできたのがダニー。彼は大興奮で「僕は犯人に気がつきました。ウィリーですよ。あの事件があった晩、夜も遅かったのに彼は外出着でした。それに僕のところへ来るなりマグスがお金を盗んだといったんです。その時、まだ誰も事件の内容を知らなかったはずなのに」隊長、エレインも「そうか、彼に違いない」「僕、ウィリーを連れてきますと外に飛び出したダニー。ウィリーはその剣幕に驚いて逃げ出します。ダニーは湖畔で彼に追いついて猛タックル。そのまま水に落ちてびしょ濡れになりながらも彼を捕らえたのでした。

 ついに隊長に自分の盗みを告白するウィリーです。その頃、自分の無実が証明されたとは夢にも思わないマグス、あの試合場でボクシングの試合をやっています。今夜はいつぞやと違ってマグスが優勢。「えいえい、コノヤロ、バカヤロ、ヒャッカンデブ!」と喚きながらパンチを立て続けに見舞って相手はグロッキー。しかし、ここで試合場に飛び込んできたダニーが「おい、マグス、もういいんだ。ウィリーが告白したんだ、キャンプに戻れるぞ」「えっ?」と気を取られたマグスに相手のパンチが炸裂。ノックアウト負けというオチ。

 さあ、みんなで隊長のオフィスに集まって目出度し、目出度し。そして改めて仲直りということでアーレンに手を差し出したマグス。しかし、アーレン、二ヤッとするとその手をはたいて「そうはいかないさ」勿論、冗談なのですが、これにカッとなったマグスが飛び掛って大喧嘩。ダニーが呆れ顔で「いやー、またこんなことになったですよ」と言ったところでエンドマーク。

ドラマとしては面白かったけど、これはコメディじゃないよなあ(笑)。
 モノクロ・スタンダード 画質は最悪。暗いところじゃ例によって何をやっているのか分からないし糸状のノイズが画面を汚している。音声も歪み・割れがひどくて聞き取りに苦労させられました。Comedy Classics 50 Movies 12枚のDVD50本のコメディが収録されたボックスセット。Digital 1 StopDVD

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2006年10月12日 (木)

『Sansone Contro Il Corsaro Nero』(『Hercules And The Black Pirates 』 1964年)

 

ヒーローがハーキュリースである必然性がまったくない映画(笑)。だってフツーにスペインの植民地の話なんだもの。出てくる人だってみーんなスペイン人なんだもの、時代だってぜんぜん合ってないんだもの。ハーキュリースだって自分は漁師の息子であるとはっきり言っちゃうんだもの。

スペインの植民地(どこかは知らん)に攻め寄せてきた黒海賊。迎撃に立ち上がったのはハーキュリースを始めとする勇敢なスペイン兵士たち。大砲がどかーん、兵隊が行進、海賊船が現れて、また大砲がどかーん。海賊船が沈んだぁ。このあたり明らかに映像は他のもっと贅沢な映画からの流用。これにハーキュリース(アラン・スティール)の映像をオーヴァーラップして戦いに仕立てているのであります。

 ついに黒海賊退散します。

 植民地の城へ凱旋するハーキュリースたち。執政官は大喜びで彼らを迎えます。大広間にずらっと勇者たちを並ばせた執政官、端の男から名前を聞き始めるのでした。「あっしはアルフォンド・メンドーサでがす」「あっしはパブロ・デ・アラサクっていうんでさあ」「ペドロ・コーディでやんす」そして最後に「私がハーキュリースです」みんなちゃんとスペイン人の名前なのにハーキュリースって浮いているなあ。ちゃんと空気読めよなあ、「ロドリゲスです」とか「ダルテです」とかって言えよなあ(大笑い)。

 ここで隊長のロドリゴが進み出て執政官、「彼、ハーキュリースこそが今回の戦いの最大の功労者です」執政官はさらに喜んで「おお、それでは勲章をさずけないといかんな」「しかし」ロドリゴはちょっと困った顔で「このものは貧しい漁師のせがれでございます。そんな勲章を貰う身分ではありません」ハーキュリース自身も「そうです、私はとてもではありませんがそんなものを頂く立場ではございません」しかし、非常にハーキュリース贔屓である執政官の二人の娘、美しいロジータと幼いアルマが「そんな身分なんて関係ないわ」「そうよ、お父様、ハーキュリースに勲章を上げて」と言い出したので一件落着。執政官は上機嫌で「今宵、戦勝祝いのパーティを開く。皆、出席してくれよ」

 ぱっと夜になって、映画はこれだから便利ですな。お城で大宴会。芸人たちも集合して手品やジャグリングやアクロバット演技を披露してお客の目を楽しませております。その間、みんなの目を盗んで密会しているハーキュリースとロジータ。いきなりキス、ぶちゅぶちゅぶちゅちゅー。なんとこの二人は恋仲だったのです。貧しい漁師のせがれと執政官の娘の身分違いの恋。ふたりは「ああ、会いたかったわ、ハーキュリース」「ははは、僕は無敵さ、それに君やママ・リンダが僕の無事を祈ってくれていたからね」うっとりと彼を見つめるロジータです。「僕は明日からママ・リンダに会いに行ってくるの」「まあ、もう行ってしまうの、そんなのいや」「大丈夫さ、ははは、すぐ戻ってくるよ」「ああ、ハーキュリース」「おおお、ロジータ」あー、何時までもやってなさい。

 この後執政官から賞金を貰った軽業師(ジョヴァンニ・シャンフリーリア)がハーキュリースに挑戦します。「この賞金を賭けましょう」たちまち始まる取っ組み合い。軽業師もなかなかの強さなのですが、やっぱりハーキュリースには敵いません。どうと投げられてきゅう。仲間の仇をうてとばかりに飛び掛ってきたほかの軽業師たちも一撃で吹き飛ばしてしまいます。彼の大活躍にぽぉと頬を染めるロジータ。いい気なものですな(笑)。

 さて、宴会が終わって部屋へ引き上げたロドリゴ。その窓から怪しい影だ。ああ、アレは黒海賊(アンドレア・アウレリ)だ。危ない、ロドリゴ早くも大ピーンチかと思いきや「おお、これは黒ちゃん」「こんばんわ、ロドちゃん」って二人は仲間じゃないか。「ロドちゃん、もう参っちゃったよ、せっかく手引きして貰ったけど、さんざんにやられちゃったよ。部下も船もいっぱいやられちゃった」いきなり愚痴をこぼす黒海賊です(笑)。ロドちゃんじゃなかったロドリゴは黒海賊の肩をぽんと叩くと「まあ、そんなに気を落とさないで、黒ちゃん。まださ、城の中の財宝があるじゃないか」「ええっ、財宝?」とたんに元気になる黒海賊。「やっぱり僕が手引きするからぱっと侵入してやっちゃいなよ。ついでに執政官をやっつけてくれると僕嬉しいなあ」それから二人してにこにこ。「するってぇと何かい、ロドちゃんは次の執政官になろうってのかい」「そういう黒ちゃんは財宝が手に入るじゃないか」「むっしっしっし、応えられませんなあ」「むひひひ、しかし、ロドちゃんも悪だね」「何、君には敵いませんよ、くくくく」

 黒海賊、ロドリゴの船を借りて近くの海に潜伏することとなります。

 さて、養母のママ・リンダに会うため故郷の村に戻ってきたハーキュリース。ママ・リンダの営む居酒屋で感動の再会です。ママ・リンダ、そしてやっぱり彼女の世話になっているハーキュリースの弟分、ハキートも大喜び。彼の帰郷を聞きつけた村の衆も大勢押しかけてきて、歓迎パーティとなりました。マスター・ペドロ、そして奥さんの尻にしかれっぱなしのスケアクロウ、ハーキュリースの幼馴染で今はハキートの恋人のアステリタまでやってきて飲めや歌えの大宴会となります。どうも最初っから宴会ばっかりやっている映画であります。

 楽しい宴会が済んで翌日、早くも城に戻ることになったハーキュリース、ハキートも同行し軍隊に入隊するつもり。ハーキュリースの引きで出世するぞと張り切っております。二人はママ・リンダに別れを告げて馬を走らせるのでした。
 
 この間にもロドちゃんじゃなかったロドリゴの陰謀はちゃくちゃくと進んでおります。彼は奥方カメリータに弓を教えている執政官についと近寄って「カリニカの森に野生いのししがいるそうですぞ。どうぞ行って退治てくだされ」これにほいほい乗って早速狩りに出かける執政官。ところがカリニカの森では黒海賊の一団が待ち伏せしていた!彼らは執政官の一行を急襲、部下達をあっという間に切り倒して後は執政官を残すばかり。執政官大ピーンチと思いきや、偶然近くをハーキュリースとハキートが通りかかって剣戟の音を聞きつけたという、ご都合主義もここまで堂々とやられると何にもいえなません(笑)。

 ハーキュリースは海賊どもに岩を投げつけたり丸太を投げつけたりで大活躍。ハキートも良く戦ってついに二人は海賊を撃退したのであります。執政官、ハーキュリースの手を取って「君は命の恩人だ」と大感謝。ハーキュリースはしめた、これでロジータのこともうまくいくと思ったとか思わないとか(笑)。一方後から馬で駆けつけてきたロドリゴ、海賊を探すふりをして部下とはなれ黒海賊に合流します。「黒ちゃん、黒ちゃん、やっぱりハーキュリースをやっつけないといけないねえ」黒海賊はちょっと泣きそうな顔でボヤきます。「でもあいつは20人力だぜ、ロドちゃん、あいつをどうやってやっつけようっていうの」「黒ちゃん、そこは僕に任しておきなさい。城の兵器コレクションにアジアの秘密兵器で吹き矢ってのがあるんだよ。それでシビレ薬をハーキュリースに撃ち込めば後は思いのままさ」「そうか、さすがはロドちゃん、頼りになるねえ」そしてロドリゴ、黒海賊にこう囁きます。「君はハーキュリースの故郷の村を襲うんだ。そしてみんな人質にしちまいな」

 さて、ロジータ、この海賊事件のことを聞きまして「チャーンス」と思ったらしくハーキュリースに「今こそパパに私たちのことを話すのよ」とたきつけます。アルマもやってきて「パパは書斎にいるわ」そこでタイミング良く執政官からの呼び出しです。「ハーキュリース、頑張ってね」「お姉さんとのこと、応援しているわ」姉妹の声援を受けて書斎に行くのですが、そうは問屋がおろさない。始めは機嫌が良かった執政官、ハーキュリースとロジータが付き合っていると知ったとたんさっと表情を変えて「許さん、許さん、許しませんよ、私の娘が漁師の息子と結婚なんて、絶対許しません」「ですが、お父様」「って誰がお父様やねん!」激怒した執政官、ハーキュリースをあっさりと首にしてしまうのでした。「さっさと出て行け、そして金輪際娘に近づくことはならん」とぼとぼ城を出て行くハーキュリース。

 失意のハーキュリースに声をかけてきたのがロドリゴであります。「ハーキュリース、君の村が黒海賊に襲われているそうだ、早く戻ってやんなさい」驚愕したハーキュリース、馬に飛び乗って村を目指します。見送るロドリゴはニヤーッとして「これでハーキュリースもおしまいよ」ハーキュリース、途中でハキートに行き会って「村が襲われた。私は助けにいくがお前は残ってロジータを守るのだ」

 その頃黒海賊達が村に攻撃開始。「家は焼け、金は奪え、女は攫え」という海賊三段活用で(なんじゃ、そりゃ)大暴れ。たちまち村人全員捕虜となってしまったのでした。

 あっという間に海賊に占拠されてしまった村。ママ・リンダ、黒海賊から「お前、金隠してんだろ!さっさと出せ、じゃないとゴーモンするぞ」ママ・リンダ、大ピーンチ。しかしここで窓から飛び込んできたのが我らがハーキュリース。彼は単身海賊たちと戦って金的を蹴りつぶしたり、喉を握りつぶしたり、丸太で頭を砕いたりの大活躍。ついに黒海賊「うぬぬ、これではとてもかなわぬ、みんな、逃げるのだー」

 ハーキュリースはママ・リンダに「もう僕が来たからには大丈夫だよ」しかし、ママ・リンダ、悲しそうに首を振ります。「でも、大勢殺されたし、家も焼かれてしまった、これからどうすればいいのかえ」「ママ・リンダ、みんなで力を合わせて村を復興させればいいじゃないか」あー、いい場面ですなあ。感動的ですなあ。しかしロドリゴここにあり。彼は例の吹き矢でハーキュリースをぷっ。シビレ薬をたっぷり塗った吹き矢は見事に彼の首筋に吸い込まれバタンキュー。ハーキュリース、ひっくり返ってしまいました。驚くママ・リンダ、うろたえる村人たち。するとどやどやと今しがた逃げていった海賊たちが戻ってきて、「ソオレ」とハーキュリースを抱えて拉致してしまったのです。

 でも海賊たち、村人たちは放ったらかしなの(笑)。黒海賊がママ・リンダを「金隠してんだろ!」と脅かしていたのは一体なんだったのですかねえ。

 ハーキュリース、海賊船に運ばれます。黒海賊は大喜びでロドリゴを迎えると「ロドちゃん、ありがとう、本当にハーキュリースを捕まえてくれたね」ロドリゴもにこにこしながら「黒ちゃん、これで邪魔者はいなくなった。後は執政官をやっつけて財宝を頂くだけさ。僕に良いアイデアがあるから、黒ちゃんは吉報を楽しみに待ってなよ」「さすがロドちゃん、頼りになるなあ」ロドリゴ、船を下りて城に戻ります。さて、この後はハーキュリースの処刑。黒海賊は船底の一室に彼を鎖で縛り付けて「わはははは、この部屋には小さな穴があるから船が揺れるたびに海水が入ってくるぞ。お前はその海水で溺れ死ぬのだ。ちょっとずつしか水は入ってこないからすぐには死ねないぞ。長いことかかって苦しみながら死ぬのだ、わはははは、部下の仇だ、ざまあみろ、わはははは」そうして黒海賊と部下達はその船室から出て行ってしまうのです。だから、どうして目を離しちゃうの。そんなことするからハーキュリースに鎖切られちゃうんだ。そして逃げられちゃうんだ。

 そんなに苦しめたかったのなら剣でちょっとずつ傷をつけていくとかすればいいのにねえ。

 さて、城に戻ったロドリゴ、執政官とその家族に重大な告発をします。それはなんと、「ハーキュリースが復讐のために黒海賊と組んで責めてきます」というもの。ええっと驚く執政官。「嘘よ、嘘よ、そんなこと」と泣き出すロジータですが、執政官は激怒して「裏切り者め、よしロドリゴ、彼奴めを迎え撃つのだ」その頃、ハーキュリースは村の海岸に打ち上げられておりました(笑)。彼を見つけたスケアクロウの知らせによって村人たちに救出され手厚い看護を受けるのです。

 しかしロドリゴの悪巧み、留まるところを知りません。彼は城に海賊の部下を呼び込むとこともあろうに幼いアルマを誘拐させてしまったのです。しかもロドリゴ、彼女のベッドにハーキュリースの首飾りを残していくという悪辣さ。彼はそれを自ら発見してアルマ失踪にうろたえる執政官に「犯人はハーキュリースです。この首飾りこそが動かぬ証拠であります!」執政官はさらに激怒、ついに「ハーキュリースを賞金首とする。見つけたものは問答無用で彼奴めに矢を射込んでよいぞ」

 この命令を聞いてにやっとしたロドリゴ、腹心の部下に手紙を持たせて黒海賊に届けさせようとします。その手紙の内容とは「黒ちゃん、ハーキュリースを裏切り者にすることに成功したぞ。君はアルマの身代金として城の財宝を要求するんだ。頼んだぞ」しかし、この部下を途中で襲ったのがハキート。手紙を奪ってハーキュリースに届けたのであります。ハーキュリースは手紙を読んで「裏切り者はロドリゴか!ようし、こうしちゃいられない。皆で海賊をやっつけるぞ」

 その手始めとして城に、それもロジータの部屋に忍び込むハーキュリース。「ああ、ハーキュリース、無事だったのね」「心配させてすまなかった、ロジータ」ぶちゅぶちゅぶちゅちゅちゅーと暑苦しいキス。ハーキュリースはロジータに尋ねます。「執政官はどこだ、この手紙を渡さなければならない。裏切り者はロドリゴなのだよ」しかし、執政官はアルマの捜索に出かけていて留守。ハーキュリースはがっかりしますが気を取り直して「よし、私が海賊からアルマを助け出す」再びロジータにキスするとまた窓から出かけるのであります(笑)。

 ロジータは母のカメリータにこの手紙を見せるのです。「お母様、犯人はハーキュリースじゃないわ、あなたのご贔屓のロドリゴよ」真っ青になったカメリータ、拳銃を片手にロドリゴに会って「裏切り者はあなただったのね。アルマはどこ、言わないと撃ち殺してしまうわよ」と問い詰めます。しかしあっさりと拳銃を奪われて撃たれてしまいましたとさ。彼女が死んだと思ったロドリゴ、城を逃げ出して海賊船へ。

 さあ、黒ちゃん、ロドちゃんが海賊船上で揃って「よし、身代金を奪うぞ、おーっ」と張り切っております。しかしここで現れたのがボート群に乗ったハーキュリースと村の男達。彼らは海に飛び込んで海賊船にとりつくと鉤付のロープを甲板に引っ掛けて無理やり乗り込むのでした。そして始まる戦い。剣で斬ったり突いたり、殴ったり蹴ったり噛み付いたりもう大変な騒ぎ。ハーキュリースは黒海賊と一騎打ち、一進一退の攻防が続くのですがついにハーキュリース、黒海賊を持ち上げて甲板にたたき付けた。背骨を粉砕されて黒海賊、半死半生となります。これを見た海賊の面々、戦意を失って雪崩をうつように皆降参してしまったのです。

 これで終わりかと思いきやロドリゴが残っていた。彼はアルマを人質にして船室から出てくると、「ふふふ、わしはこの小娘めを人質にして逃げ延びてみせる。もちろん、身代金もしっかり頂くぞ」そのロドリゴに向かってナイフを投げつけたのが黒海賊。「ロドちゃん、それ以上罪を重ねるな」というつもりなのか、はたまた「ロドちゃん、僕を残していくなんて、この裏切り者」ということなのか、はっきりしませんが、ここに稀代の大悪党ロドリゴは滅んだのであります。

 海賊は退治された。アルマも無事戻ってきた。重傷を負ったカメリータも命を取り留めた。執政官はハーキュリースに謝ってロジータとの仲を許した。これですべてがハッピー、ハッピー、最後は仲むつまじく二人であるくハーキュリースとロジータの姿でエンドマーク。

面白いんですけどねえ。やっぱりねえ、ハーキュリースはゼウスの子じゃないとねえ。

 カラー、スタンダード。モノラル音声。画質は発色が悪し。まるで退色しているかのよう。音声は聞き取りやすいけれどもノイズがところどころで入るのがわずらわしい。『Hercules The Avenger』 1965年とのダブルフィーチャー。イメージエンタティメントのDVD

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『La Sfida Dei Giganti』(『Hercules The Avenger』 1965年)

 

本作ではなんとハーキュリース(レグ・パーク)の偽者が登場。ウルトラマンしかり仮面ライダーしかり、偽者の存在はヒーローにつきもの。しかもその偽者が大地の女王ガイアのアンタィウス。こりゃ、私のような好き者にはたまりませんわ。

さて舞台はセレキュアスの都。王様を亡くしてまもない女王リタ。寡婦となった悲しみに浸る間もなく近隣の国から王様やら王子様がわらわら集まってきて「女王様、私と結婚してください」という状況であります。結婚すれば未亡人となった女王、さらにセレキュアスの国が手に入る。こんなケッコウな話があるものかということなのです。集いたるものサジェンスタの王子・ティアクリーズ、ミサナ王・マイミスタス、七つの国を統べるアモルディス、セグニト王・アジャストレイカス、セレヌンテの王子・アクリファナ、アグリジェント王・ジョオランティドの6人。マイミスタスなど白髪のおじいちゃんで、どうも図々しいことであります(笑)。

 この6人は「再婚は王族の勤め」「王不在の国など他の国に滅ぼしてくれというようなものです」などとリタを責め、再婚を迫るのです。「さあ、私たちのうちから一人を選びなさい」弱りきったリタ、神のアドヴァイスを受けるためにアンティクレアの神殿へ向かいます。そして女性僧正アンティクレアより神のアドヴァイスを伝えられるのですが、それは「ハーキュリースに相談しなさい、彼はこの国を脅かす大地の女神の息子をやっつけてくれるでしょう」今ひとつ意味がはっきりしないご宣託ですが、神の言葉なんてえものはこんなもの。リタ、「とにかくハーキュリースに会えばいいのね」とわずかな供回りを連れて彼の家へ出発するのです。

 ちなみに待たされている6人の再婚候補はどうしているのかというと、テーブルの上のご馳走や酒を食べ続けの飲み続け。赤ら顔で豚肉炙り焼きにがぶりと喰らいついては「わはははは、ただ酒、ただ飯、たまりませんなあ」「いつもこうだとこりゃ、泣けてくる、ですなあ」「まったくです、わはははは」そんなこったからリタに嫌われるんだよ。

 そのハーキュリースの家でも大事件が起こっていました。彼の息子、ザンティスが付近の羊飼いを脅かすライオン狩りをしようとして逆にライオンに重傷を負わされてしまったのです。傷は治療できたのですが、ザンティスの意識は回復しません。ただひたすらに苦しみもがいて「パパ、助けて、ライオンだ、ライオンが襲ってくるよ、うわああ」思わず「お前は松島トモ子か」とツッコンだハーキュリースですが、このまま放っておくわけにもいきません。彼もまた神殿に赴いて神のアドヴァイスを乞うのであります。そして女神が現れて言うことにゃ「これは大地の女神ガイアの仕業じゃ、お前の息子の魂はガイアに囚われておる。これを解放しない限りお前の息子は松島トモ子状態のままだぞえ」ハーキュリースはやっぱりそうかと頷いて「それでガイアめはどこにいるのです」「ハーキュリース、船に乗るのじゃ、神の風がそなたを目的の場所まで導くであろう」

 さっそくハーキュリース、船上の人となります。

 しかしハーキュリース、船員に目的地を教えません。「ハーキュリースさん、目的地分からないと私ら困りますよ」と抗議されても「ふふふふ」と笑うばかり。「だから目的地はどこですかって聞いているンです」でもやっぱり「ふふふふ、行けば分かるさ」「猪木ですか、あんたは」これで船員達、ハーキュリースに不信感持っちゃった。これがだんだんエスカレートして、ついに「よっしゃ、反乱起こして逃げちゃおう」ということになったのです。まず水袋を破って「水がなければどうにもならん。近くの島に上陸するしかなくなる。そのときに逃げるのだ」

 どうやって逃げるのかというと、これが上手い具合にハーキュリース、上陸したとたんに砂浜でがーがー寝ちゃう(大笑い)。しめたとばかりに船員達船に戻ってハーキュリースを置き去りにしようとしたのですが、そうは問屋がおろさない。目を覚ましたハーキュリースがいかにも引っ張りなさいといわんばかりに砂浜に投げ出してあった碇の鎖を見つけます。これをエンヤコラと引っ張りますと哀れ船は島に引き戻されてしまったのです。ハーキュリース、逆に船員達を船に残して出発します。

 あー、この辺、『アトランティス征服』(1961年)のフッテージ、そのまま使ってますなあ。

 ここで場面は唐突に洞窟のようなところにいる大地の女神ガイアに移ります。彼女は息子たるアンタィウスを呼びつけると「ハーキュリースはわらわの呪いに囚われたぞ。今こそそなたがハーキュリースの後継者となる時じゃ」と彼を地上に送り出します。地上では王女リタがハーキュリースの家を訪ねて奥さんに「ハーキュリースは息子を助けるための旅にでていて留守です」と言われてがっかり。失意のうちにセレキュアスへ戻ろうとしたのですが、そこに現れたのがアンタィウス。「ハハハハ、我こそはハーキュリスの後継者なり!」リタ、不審げに彼を見つめて「えー、怪しいなあ、本物のハーキュリースはどこなのよ」アンタィウス、また笑って「ハハハハ、あいつはもう自分の力では戻ってこれないところに行っている。女王様、悪いことはいわん、ハーキュリースなど諦めて私を雇いなさい」

 そういうとアンタィウス、自分の力を誇示するために護衛の騎士三人を瞬殺!さらに逃げ出した侍女二人に向かって槍を投げつけます。狙い過たず槍は侍女たちの背中にぐさーっ。「なんということをするのです」と顔色を変えたリタですが、アンタィウスは平然として「何、秘密を守るためでさあ」リタ、ずるそうに笑うアンタィウスに恐怖してついに彼をセレキュアスに同行させることになったのでした。

 一方、本物のハーキュリースは大嵐に翻弄されております。そしてついに難破してしまう船。ハーキュリースは木の板にしがみついてかろうじて謎の島に上陸したのでした。と、現れる怪老人。「ここはお前のくるところではない。そうそうに立ち去るがよい」なんてことを申します。そしてぱっと消えると次に現れたのがトカゲ怪物。これと戦って倒すハーキュリースって、このヘンも『アトランティス征服』(1961年)のフッテージです。この手抜きパート(笑)を終えたハーキュリースは島の地下へ。するとこの洞窟に女神ガイアによって閉じ込められているという女王様と女官がでてきて「これ、ハーキュリースや。わらわを助けてくれるなら、いいことを教えましょう。黄金のりんごの取り方とかそなたの息子の居場所とか」同意するハーキュリース、しかし、これもまた女神ガイアの罠だったのです。

 燃え盛る火の沼、囚われの女王は沼の上に生えている巨大な木の根っこを指差して「あの木に黄金のリンゴがなっています。登ってお取りなさい」ハーキュリース、何の疑いもなく木の根っこに取り付きます。それを見ながら囚われの女王様、女官とひそひそ。「途中で間違いなくおっこっちゃうわよね。そうしたらガイアが私たちを解放してくれるわよね」そのひそひそ話の通り、木を伝って進むハーキュリースの頭上で雷鳴が鳴り響きます。「うわあ、こらたまらん」おまけに頭上から火の玉まで降ってきた。ハーキュリース、慌てて戻ろうとします。囚われの女王たちは彼が今落ちるか、今落ちるかと期待に目を輝かせているという・・・(笑)。しかしハーキュリース、その期待に反してなんとか戻ってきた。がっかりする女王様であります。

 雷に追われて命からがら大木から降りてきたハーキュリーズ、でっかい岩を見つけますとそれにロープをくくりつけます。そしてそのロープを掴んでぶうん、ぶうんと岩を振り回してぶん投げた!岩はびゅーんと飛んでいって見事黄金のリンゴを叩き落したのであります。「あらら」と驚く囚われの女王。思わず「これじゃ大地の女神、ガイアに怒られちゃうわ」と自分でバラしちゃった。ハーキュリース、目を吊り上げて「ナニー、お前は俺を罠にかけようとしていたのか。ふてぇアマだ。たたき殺してやる!」なんとも乱暴なことです。囚われの女王、びっくりして「ひーっ、火の谷を渡る方法を教えるから許して頂戴」

 場面変わってセレキュアス。宮殿では王子・王様たちがまーだテーブルの上のご馳走や酒を食べ続けの飲み続け。赤ら顔で鳥の腿焼きにがぶりと喰らいついては「わはははは、ただ酒、ただ飯、たまりませんなあ」「いつもこうだとこりゃ、泣けてくる、ですなあ」「まったくです、わはははは」口の周りとか手とか脂でべったべた。本当にしょうがない奴らですなあ。

 ここに戻ってきたのがアンタィウスを伴ったリタ。彼女はいきなり「私はあなた方の誰とも結婚しません。とっととこの国を出て行ってください」当然ながら「なんてことを」といきり立つ結婚候補たちですが、アンタィウスに投げられたり、殴られたり、蹴られたりしてほうほうの態で退散するのです。アンタィウスはがははと笑って「我こそはゼウスの息子、ハーキュリースなり。文句のある奴はかかってこい!」リタは彼を自分の部屋に連れていくと1,000タラントの金貨を褒美として渡そうとするのですが、アンタィウス、にやりと笑って「そんなはした金などいらん」「では何が欲しいのです」「お前の持っているものすべてさ」アンタィウスはリタをベッドの上に押し倒すと「手始めにお前の体から頂こうか」「ひーっ」はい、こういうことになってしまいましたとさ。

 さて、火の沼にやってきたハーキュリースさん、沼の上に張られたロープを使って渡ります。こんなロープどうやって張ったんだと思いますがその辺一切説明なし。囚われの女王が火の沼を渡る方法を教えるからといってましたけれども、これもまったく関係なし。ま、いいか。首尾よく向こう岸についたハーキュリース、すると周囲にあった岩の棺桶がぎぎぎと開いたり土の中からもんぐり出てきたり、わあ、ミイラ人間だ。あっ、空を飛んでいるぞ(大笑い)。ハーキュリース、こいつらに取り囲まれて大ピーンチとなるのですが、なんとかミイラを振り切ると力任せに岩をどんどん投げつけてやっつけちゃったのです。

 次にハーキュリースを阻んだのは火の谷。火ばっかりでどうもワンパターンでございます(笑)。またロープでも使うのかと思いきやハーキュリース、両腕を天空に向かって差し伸べると「おお、我が父ゼウスよ、我を助けたまえ」と祈ります。するとぱっと火が消えて通れるようになるという・・・。神様というのは便利なものでございますな。この後洞窟の中で磔状態になっている息子ザルファスの魂を見つけて解放しようとしたのですが、なんということでしょう、洞窟に立ち込めるガスにやられて失神してしまったのです。

 さて、またセレキュアスに戻ってすっかりリタの夫、王様気取りの偽ハーキュリース、アンタィウス。市長さんが「今年はどうも不作でございまして、都は不景気でございます。だから税金これくらいしか取れませんでした。いつもなら有名な芸人さんを呼ぶところですが、今年はお金がないので松村邦弘さんになってしまいました。ではどうぞ、松村邦弘さんですっていったら松村さん怒っちゃったんです。そんな訳で勘弁して下さい」ああ、また分かりづらいクスグリを(笑)。アンタィウス、カッとなりまして「バカヤロー、金がないで済ませられるか。ええ、金がないなら、もっともっと税金搾り取れ、文句を言う奴はぶっ殺してかまわん!」あまりのヒドイやり方に憤慨して襲ってきた兵士を返り討ちにしたり、市長さんを牢屋へ叩き込んだり、逆に収監されていた凶悪犯どもを釈放して自分の親衛隊にしたり、セレキュアス中の女を集めて喜び組こしらえたりと絵に書いたような暴君ぶり。

 この暴虐ぶりに耐え切れなくなった市民達が暴動を起こすのですがたやすく鎮圧されてしまって苦しみの谷に放り込まれる始末。さらにこの暴動のきっかけになったとして、神殿の女性僧正アンティクレアを殺害してしまうのです。さすがにリタ、「こりゃ、ヤバイわ」と思ったものの、もはやアンタィウスを止めることはできなくなっていたのでした。アンタィウスはそのリタに向かって初めて自分の正体を明かします。「我こそは大地の女神ガイアの息子なり」リタはあっと息を呑んで「ご宣託のこの国を脅かす大地の女神の息子とはこいつのことだったのね」とようやく気がつくのですが、時すでに遅し。

 ハーキュリース、失神から目覚めます。あれ、このガスってガイアの罠じゃなかったの?いいえ、罠じゃなかったんです。ただの自然現象だったんです。罠どころかこの先ガイアは台詞だけしか出てこないんです(大爆笑)。彼はぱっと立ち上がると息子の魂を解放。同時にハーキュリースの家でザルファスが正気に戻るのでした。さて、これでハーキュリースの冒険も終わり。彼は意気揚々と帰還するのですが・・・。セレキュアスでハーキュリースが暴虐の限りを尽くしているという話が伝わってきたのですな。「俺の偽者だと、許せぬ」ハーキュリースは神殿へ行って神様にお伺いを立てます。すると帰ってきた返事が「それは大地の女神ガイアの企みなり。偽のハーキュリースとは彼の息子アンタィウスである。火山を爆発させてセレキュアスを滅ぼせ、アンタィウスも殺してしまえ」神の言葉とは思えぬ物騒さですな(笑)。

そう言えばあの黄金のリンゴとやらも何の役にたったのやら。

 はいと頷いたハーキュリース、さっそく馬を飛ばしてセレキュアス近くの火山へ。崖をよじ登って火口にたどり着くと周囲に転がっている岩をぼんぼん投げ込み始めたのです。呆れてみているうちにごごごと火山が唸りだして爆発してしまうと(笑)。この爆発でセレキュアスはもー大変。地震が起こるわ、火山弾はがんがん飛んでくるわ、溶岩が流れてくるわであっという間に壊滅状態。だいたい、悪かったのはリタとアンタィウス、その周辺の人間たちだけで、ましてや民間人など何の罪も犯していないのです。それを十把ひとからげに滅ぼしてしまうのはいくらなんでもヒドすぎる!おまけにアンタィウス、「母よ、我を救いたまえ」と祈ると宮殿の床が割れてあっさり地下に逃げちゃうし。

 さあ、アンタィウス、地下を逃げます。いつもより余計に逃げています。同じ場所を繰り返し繰り返し延々と逃げております(大笑い)。その同じところを延々と逃げているアンタィウスの前に立ちふさがったのが我らがハーキュリース。「いつまでもお前の好き勝手にはさせん、正義は必ず勝つ!」はい、取っ組み合いです。この時大地の女神、ガイアが息子にアドヴァイス。「息子よ、大地より離れてはならぬ。大地に接している限りお前は不死身じゃ」その通り、ハーキュリースにやられても大地に倒れるだけで完全復活するアンタィウスです。ハーキュリース、ようやくこのことに気がついて彼を持ち上げると、絞め殺してしまったのでした。

 ようやく映画の終わり。ハーキュリースは自宅で家族と団欒の時を過ごしております。そして、妻と熱烈なキス。ぶちゅぶちゅぶちゅちゅちゅー。おしまい。

偽ハーキュリースに税金搾り取られたり女を攫われたりした挙句、溶岩で焼き殺されてしまうセレキュアス市民の皆さんがもう可哀想で可哀想でなりません。ちょっとこれは洒落にならないと思います(笑)。

カラー、シネスコ。モノラル音声。画質・音質も上等、上等。いままでの「剣とサンダル映画」一番のクオリティじゃないかしらん。『Hercules And The Black Pirates 』 1964年とのダブルフィーチャー。イメージ・エンタティメントのDVD

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『La Leggenda di Enea』(『The Last Glory of Troy』 1962年)

 

トロイ戦争で滅ぼされたトロイ、この亡国の英雄、アエネーイス(スティーブ・リーブス)の物語であります。『Giant of Marathon1959年と同じくヘンな怪物や神様は出てきませんのでまあ、あまり期待してはいけませんゾ。

戦争からこっちあちこちをさ迷っているトロイの難民達。彼らのリーダーであるアエネーイスは彼らがようやくたどり着いたエトルリア(現在のイタリア西部)に腰を落ち着けようと決心します。彼はエトルリアのラティーノ王(マリオ・フェラーリ)に「すみまっせんが、誓って王様に迷惑はかけませんから、わしらをこの土地に住まわせてつかあさい」と願い出たのです。この英雄に好意的なラティーノ王は申し入れを受け入れる腹積もり。しかしそれを面白く思っていないのがラティーノ王の妃アマタ(ルラ・セリー)の甥で次期エトルリア王の呼び名も高いルザリー王トーノ(チアニ・ガルコ)。「トロイの乞食野郎など追い出してしまえ」と部下のメセンチイオ(マウリス・ポリ)と共に陰険でそして低次元のいやがらせをしかけるのでした。

 トロイの男達が泉で水を汲んでいると、そこに馬を乗り入れさせたり、おしっこしたり(笑)。トロイ人たちが一生懸命作っている村に暴れ牛の群れを突っ込ませたり、ホームページの掲示板に執拗に誹謗中傷を書き込んだり、トロイ人に「あ、オレ、オレ、ちょっと馬で人跳ねちゃったの、それでお金いるんだよ」とオレオレ詐欺をしかけたり、本当に意地悪な奴らです。

 そんな中、アエネーイスはラティーノ王の招きで首都レンタムに出発。直接土地の貸与を願い出ることになったのでした。と思ったらすぐにレンタムに到着して、いや、映画というものはこんな時便利ですな。ラティーノ王に拝謁するアエネーイス、王はこの英雄を笑顔で迎え「ようやくそなたと会うことができた。よく来られたトロイの英雄よ」そして彼は周囲の人々を彼に紹介します。「これは我が妃のアマタ、娘のラビニア(カルラ・マリーアー)」いや、このラビニアというのが凄い美女で、ええ、もう後からどうなるか分かったでしょう(笑)。続いてラティーノの同盟国の王族が紹介されます。ヴァルガーの女王カミラ(リオナ・オルフェ)、アバンティの王子ポランティ。そして最後に御馴染みのトーノ。彼はアエネーイスに向かって「我々はすでに出あっておりますな」とにやにや。やっぱり感じの悪い奴ですなあ。

 さて紹介が終わったところで「まあまあごゆるりと為されて旅の疲れを癒されよ」とラティーノの忠臣バーシャスが部屋へ案内します。このバーシャス、アエネーイスに好意的で「きっと願いが叶うよう王様に私からも申してみます。大船に乗ったつもりでお任せなされ」なんて言っております。この時、壁のフレスコ画に目を止めたアエネーイス、じっと見入るのでした。その絵というのがトロイ戦争の模様を描いたもの。これを見ながらアエネーイスの脳裏にトロイ戦争の思い出が去来するのです。トロイ戦争といえばこれ、の木馬とか、唯一の弱点である踝を射抜かれて「ハハハハ、これは参った、痛い、痛い、死んでしまう、ハハハハ」ともがくハーキュリースとか、どうも嫌な思い出ばかりであります(笑)。

 ここで現れたのがラビニア。彼女は壁画に見入っているアエネーイスに「あなたにその壁画を見て貰いたくなかった。あなたの復讐心をかきたてるばかりだもの」しかしアエネーイスは頭を振って「私に復讐心などありませんよ、姫。私はギリシャ人が憎くて戦ったのではない。愛するものを守るために戦ったのだ。破れたとはいえ、ギリシア人を悪く思ったりはしていない」どうもご立派なことです。ラビニア王女、このご立派な言葉に感激してちょっとアエネーイスを好きになっちゃったみたい。

 その成り行きが面白くないトーナ。叔母のアマタ女王に「ねえ、ねえ、叔母様、私をラビニアと結婚させてくださいよう。そしてトロイの乞食共を追い出しましょうよう」アマタ女王、仕方なく王にこのことを話すのですが、バーシャスの反対もあってはかばかしい反応が得られません。「王様、トーナ様は独裁者になって国を滅ぼすタイプですぞ」忠臣と妃の板ばさみになったラティーナ王、苦し紛れに「いや、アエネーイスたちに土地をやろう。その代わりにトーナとラビニアを結婚させる」という和洋折衷案を出すのでした。

 その夜宴会が開かれます。しゃなりしゃなりと踊るダンサーたち。これが一段落して立ち上がったラティーノ王、高らかに「トロイの民がこの土地に住むことを許可する」アエネーイスは大喜びなのですが、当然ながらトーナはブスーッ。王様に「きっと後悔なされますぞ」と捨て台詞。ちなみにこの措置に賛成なのがポランティ、カミラ女王は反対しております。どうやらカミラ女王、トーナと通じているみたい。宴会が終わってからも諦めきれずにアエネーイスの部屋におしかけるトーナ。「食料も水もやる、金だって持たせてやる。だからこの国から出て行くのだ」当然ながら「ごめんこうむる」とにべもなく断るアエネーイスです。

 トーナ、暗い顔で「コノウラミハラサデオクベキカ」と呟くのでありました。

 さっそく彼はトロイの民に謀略を仕掛けます。猟師チャファードをトロイの村に差し向けて「旦那、旦那、良い鹿の狩場がありますぜ」食料に困っていたトロイの人々はこの誘いにうかうかと乗って鹿狩りに出かけてしまうのです。しかしこのチャファードが教えた鹿狩りの穴場とはエトルリアが保護している聖なる鹿。何者もふれてはならない存在だったのです。トロイ人、あっさりトーナの罠に引っかかっちゃった。


 場面がさっと変わってレンタムでは馬術大会が行われております。対するはポランティとトーナ。途中までは互角だったのですがトーナ、二頭並んで障害を飛び越える際にポランティにキック(笑)。彼を叩き落して障害をクリア。そして弓で紐でつながれている鳥を射落とし優勝。ラビニアから勝利のトロフィーのベルトを授かるのです。ここでやめておけば良かったものを、トーナ、「誰か、この私に挑戦する勇気を持ったものはいないか!」もちろん、アエネーイスが「私が挑戦するぞ」と出てきますね。彼は馬にひらりとまたがると障害を次々とクリア。そして弓を取って矢を放ちます。矢は繋がれている鳥の紐に見事ヒット。断ち切ってしまうのでした。驚く観客達。さらにもう一度矢を放つアエネーイス。また別の鳥の紐を断ち切ります。観客はもう大喝采。

 トーナ、あっさりと勝利のベルトをアエネーイスに奪われてしまいます。その上アエネーイスはトーナの卑怯な手にやられたポランティに「君こそ、このベルトにふさわしい」と惜しげもなく贈ってしまうのです。またまた暗い顔で「コノウラミハラサデオクベキカ」と呟くトーナであります。

 ところがここで大事件発生。二人のトロイ人を拘束したメセンチィオが現れたのです。しかも彼の部下が二人の死体を運んできました。メセンチィオはその死体を王に見せると「王様、平和を求めてやってきたというトロイ人の本当の正体をお知らせします。彼らは我等の聖なる鹿を狩ろうとしていたのです。そして守ろうとしたこの二人を惨殺したのであります」二人のトロイ人は「これは罠だ、待ち伏せされたんだ。戦わなければ我々が皆殺しにされていた」と釈明するのですが、もとより彼らの無実を証明することはできません。さらにトーナ、この機に乗じて「こんなトロイ人を許すな、皆殺しだ」と軍勢を呼び込んでしまいます。

 アエネーイスたちは勇敢に戦うのですが、敵うべくもなし。ラティーナ王やラビニア、ポランティとその臣下たちと城に逃げ込むのがやっとでした。

 アエネーイスとトロイ人たち、そして彼の味方となったポランティはなんとかレンタムの都を脱出、急ぎキャンプに戻ろうとします。しかしこのままでは早晩トーナの軍勢に責め滅ぼされてしまう。いくら滅亡が似合うトロイ人だと言っても(笑)女・子供まで皆殺しにされてはたまりません。ここでポランティアがはい、はいと手を上げます。「先生、先生、僕にいい考えがあります」誰が先生か。アエネーイスは彼を指差して「はい、ポランティ君」「僕がひとっ走り行ってトラスカ人の人たちに助けを求めてきます。トラスカ人はトーナを恨みに思っているのできっと手伝ってくれると思います!」先生じゃなかった、アエネーイスは「うん、頼む、ポランティ君。部下のアーガノンを同行させるからよろしく頼むよ」

 ということでトロイ人たちの運命はポランティとアーガノンにゆだねられることになったのでしたと思ったらアーガノン、トーナの追っ手にあっという間に捕まっちまったよ(大笑い)。

 翌日、トロイ人キャンプにトーナの大軍が迫ります。進み出たトーナ、捕まえたアーガノンをトロイ人に見せて「いいか、お前ら、明日までに荷物をまとめて出て行け。そうすれば命ばかりは助けてやる。しかし、従わないというのならば女子供も含め皆殺しだ。どうだ、分かったか」アーガノンを解放します。そのままキャンプに行かせるのかと思ったら矢が飛んできて彼の背中にぐさーっ。真っ青となるアエネーイス、「これではポランティの命も危ない。こうなったら私自らトラスカ人に助けを求めにいくしかない」彼は急ぎ二人の部下を連れてキャンプを出発するのでしたと思ったら部下の二人あっという間に捕まって殺されちゃいましたけど。なんだかすぐに捕まって殺されてばかりですな(笑)。

 さあ、あっという間に次の日になってトーナ軍、トロイ人キャンプに攻撃開始。弓兵が進み出てラッパの合図で一斉に矢を発射。どすぐさばすびしぼすとキャンプに矢が降り注ぎます。反撃するトロイ人弓兵、しかしこちらは数がいかにも少なく大した効果はなし。おまけにすぐ矢がなくなっちゃった。彼らは女子供を使ってトーナ軍の撃ってきた矢を集めさせるのですが、うわあ、そんなことするから女子供に次々と矢が命中、どんどん死んでいくよう。この惨状見るに忍びなし。早く応援を連れて戻ってきてくれアエネーイス、トロイ人たちは君の帰りを待っているのだと思っていたら・・・。

 なんのためもなくアエネーイスとポランティ、そしてトラスカ人たちの軍勢が登場。うーん、うーん、せめてトラスカ人たちを説得している絵が欲しいよなあ(笑)。いくらなんでもこりゃ中抜きだよなあ。

 アエネーイスはポランティの軍勢に「ポランティ君、君はトーナ軍の注意をひきつけてくれ、その隙に我々はキャンプへ突入する!」おとり作戦です。「はい、先生、分かりました」と元気良く頷くポランティ。だから誰が先生だっての。ポランティ軍は作戦通りトーナ軍に突っ込みます。そして作戦通り彼らを森へ誘導したのです。「チャーンス」アエネーイスとトラスカ軍はキャンプに向かおうとするのですが、ここで現れたのがカミラ軍。「ち、しまった、最悪のタイミングだ」やむなくアエネーイス・トラスカ軍はカミラ軍と戦い始めるのでした。

 こうなるとおとり役となったポランティ軍は哀れなもの。助けとなるはずのアエネーイスたちはカミラ軍と戦うのに精一杯でついに孤立してしまうのです。そこを十重二十重に取り巻かれ一人、また一人と倒れていくのでした。ポランティも良く戦ったのですが、これではどうしようもありません。彼もまたトーナ軍の槍を受けて死んでしまうのでありました。もはやこれまでかと思われたのですがトラスカ軍、なんとか敵の大将であるカミラを倒すことに成功します。これでカミラ軍、大崩れ。雪崩を打って壊乱してしまうのです。この混乱はトーナ軍にも及んでもはや収拾がつかなくなってしまいます。トーナは勝利を目の前にしながらもやむを得ず全軍の退却を命令するのでした。

 戦い済んで日が暮れて両軍の戦死者を弔うトロイ人とトラスカ人。アエネーイスはポランティの遺体を見つめて「良く戦ってくれた。君を我が弟として葬ろう」またトロイ人の女子供も多数殺されてしまいました。アエネーイスはついに決意をします。「これ以上戦いを続けて無益な犠牲者を出すわけにはいかぬ」

 アエネーイスは単身レンタムへ赴き、ラティーノ王にこの戦争が一人の男の野心によって起こされたことを訴えます。もちろん、その男とはトーナのこと。アエネーイスは彼に一騎打ちを申し込むのでした。まあ、トーナもそんな一騎打ちなんかやめておけばいいのですが(笑)いろいろ意地もありますし、映画も盛り上げなくちゃならない。「よーし、明日私の方からトロイ人キャンプに行く、そこで決着をつけよう」と言ってしまうのであります。

 息子ジュリアに手伝って鎧をつけるアエネーイス、ここで現れたのがラビニア。彼女はアエネーイスにひしとすがりつくと「これが軽率な行為であることは分かっています。でも自分を抑えられないの、だってあなたを愛しているから」アエネーイスとラビニア、ぶちゅぶちゅぶちゅちゅちゅーと熱いキスを交わすのです。でもこれが意外とあっさりと流されてすぐさまトーナが現れて決闘が開始されるという・・・(笑)。まずは戦車に乗っての一騎打ち。お互いに槍を投げあうのですが命中しません。ならばということで今度はお互い体当たり。がきーんと音が響いてトーナの戦車の車輪が取れちゃった。

 トーナ、車輪のなくなった戦車を馬に無理やり引っ張らせて逃げようとします。そうはさせじと追いかけるアエネーイス、トーナさらに慌てて馬にムチをくれるのですが、ああ、戦車から転げ落ちてしまった。走って沼地へ逃げ込みます。アエネーイスも戦車から降りて今度は剣での戦い。かきんかきんと響く剣戟の音。あ、トーナがアエネーイスの肩を切り裂いた!苦痛の呻きを上げるアエネーイス、しかし彼は剣を持ちかえると、どす、トーナの腹に突き刺したのであります。ぎゃあと悲鳴を上げたトーナ、川にどぼんと落ちてついに絶命したのでした。

 そしてキャンプに戻るアエネーイス、彼を大歓声で迎えるトロイの人々。もちろんラビニアも大喜びです。ここでナレーション、「トロイの滅亡とローマの建国に関わった稀代の英雄、アエネーイスの物語でありました」最後にローマのコロッセウムが映ってエンドマーク。

 戦いの場面は大迫力で面白いのですが、やっぱりこういう真面目な映画は、僕、もういいや(笑)。

 カラー、スタンダード。モノラル。画質・音質共にちょっと物足りないけれども、画面に青い線が出たり、夜でもないのにジージーなっているよりよほどマシ。『The Giant of Marathon (1962)、『The Last Glory of Troy (1962)のダブルフィーチャー。ピーターパンスタジオのDVD

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『La Battaglia di Maratona』(『Giant of Marathon』1959年)

 

剣とサンダル映画ですが、ストーリーは割合まとも(笑)。ドラゴンも神様も出てこないのでその分素っ頓狂な面白さには欠けるのですが、たまにはこんなのもいいでしょ!

アテネで開催される古代オリンピック。槍投げ、レスリング、水泳、自転車(ねえよ!)、砲丸投げ、棒高跳び(ねえよ!)、そしてもちろん、古代オリンピックといえばマラソン。この全ての競技で並み居るライバルを打ち負かし優勝したのが本作の主人公フィリピデス(スティーブ・リーブス)でありました。表彰式で「あんたはエライ」と誉められて月桂樹の冠を授けられるフィリピデス。嬉しそうに笑っております。

 ここで文章によってギリシアの現況が説明されます。「紀元前490年のギリシアはアテネとスパルタの二つに分割されていた。アテネとスパルタはお互いを敵視し、またアテネ内部でも権力闘争が渦巻いていた。アテネが瓦解しないのはひとえにギリシア侵略を狙うペルシヤ王ダリオ(ダニエル・バーガス)の脅威があったからである」えー、オリンピックなんかやっている場合と違いますな(笑)。

 さて、オリンピックの表彰式の後、フィリピデスは高らかに宣言します。「ギリシアの政はクルーソス、守りはムタエティスに、そして私は「聖なる神」の一団を持ってアテネに尽くそうぞ」うわあと歓声を上げる大観衆。そんな中、ひとりだけこの騒ぎを冷ややかに見つめている男あり。アテネ議会の要人テオクリトスであります。彼はその心中に何かよからぬ企みを抱いているようです。

ちなみにフィリピデスの「聖なる神」とは彼直属の神殿守護隊のこと。半裸の青年たちで構成されているというちょっと怪しい一団であります。

 ここで登場したのが本作のヒロイン、アンドロメダ(ミレーヌ・ドモンジョ、ドロンジョ様じゃないっすよ)なにか病原体みたいな名前ですが(笑)、執政官クルーソスの娘で誰もが認めるアテネ第一等の美女。ひとたび彼女が外を歩けばその美しさに魅了された男達がぞろぞろついて歩くわ、犬はわんわん鳴くわ、猫はにゃーにゃーいうわで大変な騒ぎになるほどだったのです。しかし、彼女はあのテオクリトスの婚約者。彼女は彼を愛してはおらず近づく結婚の日を思って毎日憂鬱に過ごしていたのであります。クルーソスはテオクリトスを伴って帰宅。娘に「もうすぐ結婚だな」と空気の読めないことを言って彼女をますます落ち込ませるのでした。

 そのクルーソス、テオクリトスから「フィリピデスと彼の「聖なる神」を取り込もう」という企みを聞かされてびっくり仰天。さらにテオクリトス、ペルシャ王の軍勢を迎え入れアテネ市民によって追放された独裁者ヒッピアスの復権を目論んでいたのであります。クルーソス、「そんな企みに加担できるか!」とわめくのですが、まあ、娘のこととかいろいろあったんでしょうな、最終的に承知してしまったのです。

 そんな中、アンドロメダと劇的な出会いを果たすフィリピデス。アンドロメダと彼女の友達がボール遊びをしていたところに偶然行き当たったという調子の良さ。アンドロメダは筋骨たくましいフィリピデスに興味を持ったのか「ねー、あたし達とボール遊びをしない」と誘いかけてきます。「おう、やろう、やろう」フィリピデスも彼女の美貌にひとたまりもなくヤラれてしまったようです(笑)。アンドロメダは彼をボールが引っかかっている木の下に連れて行って「あのボールをとって頂戴」もうひとつのボールを手渡します。「これもゲームのうちよ」フィリピデス、手渡されたボールをちょっと見て「いらないや、こんなの」がっと木に取り付くと強力を持って揺さぶり始めたという・・・。ぽとりと落ちるボールって筋肉馬鹿はしょうがねえなあ(大笑い)。

 さらにフィリピデス、アンドロメダから「このボールを投げたりそれを受けとめたりして楽しむのよ」と言われたものだから、全身の力をこめてフルスイングでボールをびゅーっ。ボールは呆れるアンドロメダの頭上遥かを通り越し森の中へ消えていったのでありました。筋肉馬鹿は加減を知らねえなあ(大爆笑)。フィリピデス、アンドロメダをいたく気に入ったらしく突然、「そなたはそんじょそこらの女神より美しい」などと言い出します。これを冗談と受け取ったアンドロメダはムカーッ。「何、それ、いやらしい、あなた、もう帰って頂戴」フィリピデスは「私の名前はフィリピデス、そなたの名前は?」「ふん、教えてあげない」「もう一度会えるかな」「駄目、二度とあんたなんかには会いません」フィリピデス、しょぼーん(笑)。そんな彼を見かねたアンドロメダの友達がそっと「今夜、私たち神殿で踊るのよ、そこに来れば会えるわよ」

 「チャーンス」と呟いてその夜早速神殿に出かけるフィリピデス。しかし、何たることでしょう。彼は別の神殿に行ってしまったのです。しょうがねえなあ、筋肉馬鹿は方向音痴で(笑)しかもそこで老婆が彼を迎えて「あなたの望みの人はあちらで待っておられます」と言ったものですから、間違いに気がつかない。彼は素直にその老婆に従ってある部屋に通されるのです。そこで待っていたのはもちろんアンドロメダではなく妖艶な美女カーリス(ダニエラ・ロッカ)、彼はテオクリトスの情婦でこれも彼の企み。アンドロメダに会えると思って浮かれているフィリピデスをカーレスに誘惑させのっぴきならぬ関係にさせようとしたのです。そして後から「お前、わしの女に何すんねん、お前、わしの言うことなんでも聞かんかい」とやるつもりであったと。古代ギリシアの時代からすでに美人局が存在したのですなあ。

ギリシャ語風に「ツツモタッセ」とか言うのでしょうか。

 「あ、間違えた、オレ、別の場所に行かなくちゃ」とようやく気がついたフィリピデスをカリートス、そのお色気で引き止めます。「まあまあ、ゆっくりしていきなさいよ、ダンスもあるわよ、お酒もほらこんなにたっぷり」フィリピデス、たちまちヤラれて、どうもこの人はやたらにヤラれてしまいますな(笑)。彼女と一緒に酒を飲みながら芸人達が繰り広げるダンスや、レスリングに見入るのでした。その頃、別の神殿ではアンドロメダとその友達たちが神に捧げる踊りを踊っているとも知らずに・・・。

 ようやくフィリピデス、偶然山の向こうにある神殿に気がつきます。「あ、あそこでアンドロメダ踊ってんだ」彼は立ち上がるとひきとめようとするカーレスを押しのけて部屋を出ようとします。さっきまでレスリングやっていた男が行かせないぞと襲い掛かってくるのですが、そこはそれ、アテネで一番強い男ですからあっという間にレスリング男をのしてしまったのでありました。馬を駆って山の向こうの神殿に急ぐフィリピデス。しかし、間に合いませんでした。乙女達が燃やした焚き火のあとを見て呆然と立ち尽くすフィリピデスであります。

 カーレス、どうもフィリピデスに惚れてしまったようで、後からやってきたテオクリトスに「もう、こんなことやりたくない」と訴えるのですが、テオクリトス、「何をこの腐れアマ」と殴る蹴るの暴行。「フィリピデスを誘惑しないなら殺すぞ、こら」

 さて、フィリピデスのアンドロメダ狂いは止まりません。まだ名前も知らない女だというのに考えるのはアンドロメダのことばかり。飯食っていても便所に入っていてもぽわーんとアンドロメダの美しい姿が浮かんできます。友ムタエティスと剣術の練習をしていてもぽわーんとアンドロメダの姿。すると、訓練所の外を戦車に乗ったアンドロメダが通り過ぎていったではありませんか。フィリピデス、ムタエティスを放り出して「おーい、待ってくれー」彼は馬を走らせて戦車に追いつきます。そして降りてきたアンドロメダに「僕は君を愛してしまったのだ」アンドロメダは「何さ、私の名前も知らないのに図々しいわね」と素っ気無いのですがそんなことを斟酌するフィリピデスではありません。「だったら唇で分からせてやる」彼女を強引に抱きすくめてキス、ぶちゅぶちゅぶちゅちゅちゅー。うっとりとなりかかるアンドロメダでしたが、さすがに執政官の娘、一時の感情に流されることなく「ちょっと離して!」フィリピデスから逃れます。「キスなんかしたって駄目なんだから。もうあなたとは会わないんだから」戦車で走り去ってしまいます。がっかりするフィリピデス、「ああ、また名前を教えてくれなかった」

 アンドロメダってちょっとツンデレ?

 フィリピデスがアンドロメダに気があることを知って喜んだのはテオクリトス、さっそく彼をクルーソスの家に呼び出して、「君、アンドロメダ好きなんだってね。僕は彼女の婚約者なんだけど、子供の頃に決められたってやつでさ。正直あんまり嬉しくないんだ。だから君にその気があるなら、アンドロメダとのこと応援するよ」一瞬喜びかけたフィリピデスですが、まあ、こんなに美味い話がある訳がない。案の定、ムタエティスが「その代わりといっちゃなんだけど」要するにアンドロメダが欲しかったら例のたくらみに加担せよということだったのです。フィリピデスは「そんなことできるか、馬鹿」と叫んで席を立ってしまいます。門から帰ろうとするとアンドロメダが近寄ってきて「あの、私、本当はあなたのことが好きなの」と告白するのですが、フィリピデス、アンドロメダがテオクリトスのたくらみのために自分に接近してきたと思ってしまったのですなあ。アンドロメダに思いっきり「うるせえ、このドブス」と罵声を浴びせて故郷の田舎町に帰っちゃうのです。

 女に騙されたと思ってショックのあまり田舎に引きこもったのであります。

 しかし、ここで大事件が発生。ペルシャ王ダリオがそのギリシア侵略の意図を明らかにして、アテネ近くの海岸に大軍を上陸させたのです。しかもダリオの傍らには裏切り者ヒッピアスがついて「殿様、いやあ、凄い軍勢でございますな、これならばアテネもイチコロ、いやあ、わたくし、イッパチ、殿様の傍らに置いて頂いて本当に幸せでげす」こら、誰がイッパチか(笑)。このニュースにアテネは震撼。直ちに緊急会議が開かれて対策が話し合われます。ここで対立することになったのがテオクリトスとムタエティス。テオクリトスは彼の目論見どおり、戦力が段違い、さっさと降伏しようよ派、ムタエティスは徹底抗戦派。ひとしきり論争があった後、ムタエティスが最後の案を発表します。「スパルタに応援を求めるのです」「スパルタだと、わが国とは長年の仇敵ではないか、助けてくれる筈がない」テオクリトスの反論ににやりとしたムタエティス、「いや、一人だけスパルタを説得できる男がいる」

 これがフィリピデスという訳。彼はムタエティスの要望を受け入れて単身スパルタへ応援を請う使者となるのでした。えー、オリンピックの優勝者だから走っていくのかと思いきや、馬に乗ってやがる。冒頭のマラソン優勝は何のためだったんだ(笑)。彼にスパルタへ行かれては困るテオクリトス、刺客を差し向けるのですがあっさりと帰り討ち。怒り狂うテオクリトスです。

 ようやくのことでスパルタに到着したフィリピデス、最高会議の賢者たちの前でアテネ救援を訴えます。しかし賢者たちは渋い顔。「新月の晩までいかなる戦いをも避けよというのが神のお言葉じゃ、それに逆らう訳にはいかぬ。諦められよ、フィリピデス」カッとなったフィリピデスは「ならば神々の意思はギリシアを滅ぼすことなのだ!」彼のこの言葉で場内騒然となるのですが、ここで進み出てきたのがスパルタの勇者ユラス(セルジオ・チァーニ)でした。「私はオリンピックでフィリピデスと戦った。彼は紛れもない勇者だ。その言葉に嘘偽りはなかろう。私はアテネ救援に行くぞ」はい、これでとんとん拍子にスパルタのアテネ救援が決まっちゃった。

 さて、いよいよペルシャ・アテネ戦争の開戦であります。ペルシャの誇る騎馬部隊がダリスの命令でアテネの槍歩兵部隊に突撃を開始。歩兵部隊はよく戦うのですが、ダリスは騎馬部隊に続いて戦車部隊も投入。加えて弩による投石攻撃も開始します。この勢いにたまらず壊乱するアテネ歩兵部隊。指揮を執っていたムタエティス、「これはいかん、予備部隊を投入するのだ」戦争始まったばかりというのに早くもアテネ大ピーンチ!しかしここで単身スパルタから戻ってきたフィリピデスが現れて「おーい、みんな、スパルタが応援を約束してくれたぞ、だから頑張れ」これで元気づけられたアテネ軍、なんとかペルシャ軍をおし戻したのでありました。この結果戦線は膠着したまま夜となります。

ところで応援を約束したはずのスパルタ軍はまだやってこないのでしょうか。
 
 ペルシャ王、戦争を一気に決するべくテオクリトスを呼び出して「お前、ペルシャの精鋭戦艦部隊を預けるからこれでアテネを奇襲せい。失敗したらお前、殺すからな」殺されてはたまりませんからテオクリトス、ぱっと胸を叩いて「お任せください、きっと王の望みどおりにいたします」ところがこの会話を盗み聞きしていたものがいる。カーレスでした。彼女はそっと抜け出そうとするのですが、見張りに見つかって弓で撃たれてしまいます。背中に矢がぐっさり刺さって倒れるカーレス!テオクリトス、「ざまあみろ、裏切り女め」しかしカーレス、瀕死の体で立ち上がり、瀕死の体にしてはやけに力強く走って、瀕死の体にしては凄いスタミナでついにアテネ陣営に駆け込むのです。驚いて彼女を迎えたフィリピデスにカーレスは「テオクリトスが戦艦でアテネを襲うわ、アテネを守って」と言い残してがくっ。ついに死んでしまったのです。フィリピデスは「カーレス、よく知らせてくれた。あなたのことは忘れない」と呟くと「ムタエティス、後を頼む、私はアテネへ急行してテオクリトスを阻止する」馬でぱーっとアテネ目指して走り出すのです。

 しかし、急流を渡ろうとしたフィリピデス、馬が流されてしまってひひひーん(笑)。馬を失ったフィリピデス、アテネ目指して自分の足で走り出すのでした。ようやく冒頭のオリンピックの場面が生きてきたと。

 さて、戦艦部隊を率いてアテネ近くへ来たテオクリトス、まず少数の兵を伴ってボートで上陸。クルーセスの屋敷へ。そしてアンドロメダを捕らえるとクルーセスに「かねてから打ち合わせどおり、アテネ評議会に降伏するよう提言して貰いましょうか。その約束が果たされない時は」テオクリトス、ニヤーッとして「アンドロメダの命はないぞ」クルーセスは真っ青です。アンドロメダも父がそんな企みに加担していたことが分かって仰天。「お父様、なんということを」クルーセス、娘を返せとテオクリトスに飛び掛るのですが逆に殴り飛ばされて頭をがん。重傷を負ってしまったのであります。テオクリトス、そんなことをしたら彼に評議会に降伏を提言させることできないでしょ(笑)。アンドロメダを攫って船に戻ります。

 そんな中、フィリピデス、走っております。いつもより余計に走っております。

 フィリピデス、ようやくアテネに到着。驚いて駆け寄ってくる兵士たちに「至急、聖なる神軍団を召集するのだ。ペルシャ軍が海からくるぞ!」わらわらと聖なる神軍団の若者たちが集まってきます。フィリピデスは彼らに先を尖らせた丸太を持たせて「よーし、これを海底に突き立てるのだ」と命令。とここで、クルーセスからの呼び出しで屋敷へ急ぐフィリピデス。クルーセスはテオクリトスに殴られて打った頭の傷が悪化。もう危篤状態だったのであります。彼は苦しい息の下、フィリピデスに「アンドロメダがテオクリトスめに攫われた。私は奴の企みに心ならずも加担してしまったが娘は何も知らぬのだ。助けてやってくれ、ぐふっ」クルーセス、死んでしまいます。フィリピデス、そうか、アンドロメダは私を悪事に加担させようとして近づいてきた訳ではなかったのだ。本当に私を愛してくれていたのだ。フィリピデス、張り切るまいことか。

ところでスパルタ軍はまだかのう。

 さて、フィリピデスの指揮の下、ボートで海に漕ぎ出した聖なる神軍団の面々、丸太を抱えて海に飛び込みます。その丸太を命令されたとおりに海底に突き立てます。そんなこととは露知らずアテネに向かって進撃していくテオクリトスの戦艦部隊。「よし、ギリシア人どもは海上戦力を持っておらぬ。だから我々に対抗する方法がないのだ。こてんぱんにやっつけてしまえ」ってあんたもギリシア人でしょうが、一応(笑)。この時捕らえられていたアンドロメダが逃げ出そうとしますが、あっさりと捕まって船首に縛り付けられてしまいましたとさ。ますます調子に乗るテオクリトス、「我らの勝利はゼウスにだって止めることはできぬ!」しかし、威勢が良かったのはここまで。海底の丸太がガレー戦艦群の船底にぐさぐさ、ぐさぐさ!たちまち大混乱に陥るペルシャ戦艦部隊。

 この機に乗じたフィリピデスと聖なる神軍団、二隻ほど戦艦を奪ってテオクリトスの旗艦に戦いを挑むのです。テオクリトスも「何を小癪な。よし衝角戦用意だ」彼の旗艦の船首にはとげとげのついた物騒な衝角が装備されております。彼の命令でこれがぐーっと開いて体当たり。フィリピデスの乗っている戦艦を挟み込んでしまったのです。すると衝角がぎりぎりと閉まって船体を破壊してしまったのでした。「これはいかん、みんな海へ飛び込め」これでオシマイかと思いきやさすが精鋭の聖なる神の軍団、槍を持って飛び込み水中からテオクリトスの旗艦を突き突き(笑)。これで浸水させようというのですなあ。船上からはそうはさせじと弓矢や槍で攻撃。水中でぐさぐさと刺されてもがく聖なる神の軍団たち。このへん、私のSFシネクラシックスで取り上げるのが勿体無いような大迫力であります。

 フィリピデスは船首に縛り付けられているアンドロメダを発見。ロープを使って乗り移ります。そしてテオクリトスと一騎打ち。剣で戦ったり殴りあったり、しかしついにフィリピデス、「何時までもお前の好きにはさせん、正義は必ず勝つ!」と叫んでテオクリトスを船外へ投げ飛ばしてしまったのであります。テオクリトスはあの衝角のとげとげにぐっさりやられてギャーッ!死んでしまったのでありました。稀代の悪漢テオクリトス、ここに彼の野望は潰えたのです。

ところでスパルタ軍はまだかのう。

 しかし、ペルシャ側にはまだ多くの戦艦が残されている、たちまち包囲されてしまうフィリピデスたち。フィリピデスは叫びます。「上陸して向かえ撃て」包囲網を抜け出してなんとか海岸にたどり着いたのですが当初100名いた聖なる神の軍団今は十数名を残すのみ。再びペルシャ軍に取り囲まれてしまいます。「もはや、これまでか」アンドロメダと共に死を覚悟したフィリピデスでしたが、ここでようやくユラスたちのスパルタ軍、ダリス王を打ち破ったムタエティス軍が到着。ペルシャ軍をとうとう追い返してしまったのでした。

ところでスパルタ軍はまだかのうってもう来ましたよ!


 戦い済んで日が暮れて、アンドロメダと二人で仲むつまじくあるくフィリピデス。エンドマーク。

カラー・スタンダード。モノラル。画質は比較的良好。音質も聞き取りやすく結構、結構。『The Giant of Marathon (1962)、『The Last Glory of Troy (1962)のダブルフィーチャー。ピーターパンスタジオのDVD

エロの冒険者 

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『Ulisse Contro Ercole』(『Ulysses Against the Son of Hercules』1961年)

 

ハーキュリースとユリシーズという二大英雄がついに対決。強力のハーキュリースか知恵のユリシーズか、勝つのはどっちだと胸を躍らせつつ見た映画ですが、ううーん、そんなに興奮することもなかったかと(笑)。

ハーキュリースシリーズの映画だから(この映画ではヘラクレスと発音)だから当然、あの能天気なテーマソングが流れます。)。「いけーいけー、僕らのヒーロー、ヘラクレスの息子、怪獣なんかやっつけろ、ひーひーいわせていてこませ、がんばれ僕らのヘラクレスの息子 (2番)走れー走れー、僕らのヒーロー、ヘラクレスの息子、悪の部族は皆殺し、女子どもも容赦なし、無敵の僕らのヘラクレスの息子」でも頭からでてくるのはギリシアの英雄ユリシーズ(ジョルジオ・マーシャル)。トロイア戦争で神々の怒りをかったユリシーズ、故郷イタカに容易に帰してもらえず、地中海のあちこちを、魔女キルケの島や一つ目巨人サイクロップスの島などさまよい続けることとなり、艱難辛苦の挙句、何年もかかってようやく故郷に辿り着いた・・・と思ったら、サイクロップスの目をつぶしちゃったのがまずかった(笑)。

 これでジュピター(ゼウス)の怒りをかっちゃった。どうもあちこちの神さまに怒られるヒトですな。ジュピターはユリシーズを捕らえてサイクロップスの奴隷にしようと決意。敵国の王子、ドレスカスと政略結婚させられようとしている恋人へレンと最後の逢瀬を交わしていたハーキュリース(マイク・レーン)を呼びつけて「お前、ユリシーズ捕まえてこんかい」ハーキュリースは困ってしまって「ハハハハハ、そんな神さま、私はいま忙しいんですが、ハハハハハ」神さま、耳を押さえて「いいからとっとと行ってこんかえ、わしゃ神さまじゃ、その命令に逆らうことはできんのじゃ。それにしてもお前は相変わらず声がでかいのう」

 さて、故郷のイタカ島はもう目の前。船上で「ああ、この時をどれほど待ったことか。ぺネロピー(妻)、テレスカス(息子)よ、わしはとうとう帰ってきたぞ」と感慨にふけるユリシーズ。しかしその時、怪しの船が体当たりをかましてきたのです。これはジュピターが差し向けたユリシーズ捕縛用の船。だから逆風でも神の力ですいすい進む(笑い)。乗組員同士の肉弾戦となりましたがジュピター船の奴らは何しろ神の力がありますから強い、強い。あっという間にユリシーズその人を捕らえてしまったのです。ユリシーズ船は撃沈、他の乗組員は全員虐殺って惨いことするなあ。

 ぐるぐるに縛られて船倉に叩き込まれるユリシーズ。ええ、ジュピターからユリシーズの捕縛をおおせつかった筈のハーキュリース、この戦いには加わっておりません。つまらなさそうに寝そべって「ハハハハ、退屈だなあ、こりゃ、ハハハ」と大きな声をだすばかり。神さまに言われたのだからちゃんと働けと思います。

 さて、ユリシーズ、船倉におあつらえむきに散らばっている木の棒を使って板をごしごし。火を起こします。その火で両手の縄を焼ききると、火にどんどん布だの板だのをくべて大きくするのです。がんがん燃える船室、ジュピター船の乗組員は「火事だ、火事だ」と大慌て。ユリシーズはこの騒ぎに乗じてまんまと脱出。海に飛び込んで逃走します。ちなみにハーキュリース、ユリシーズが閉じ込められていた船室に飛び込んで「ハハハハ、ユリシーズ、どこだ、ハハハハ、生かしてお前を連れていかないと神さまに怒られてしまうのだ、ハハハハ」とでっかい声で探していましたとさ。とっくにユリシーズは逃げ出しているというのにいつまでもでっかい声で探しているハーキュリース、間抜けなことであります。

 ようやくユリシーズが海に飛び込んだのが分かってジュピター船の乗組員はそれ追いかけろ!次々に海へ飛び込みます。ハーキュリースもようやく船室から出てきて彼も海へ。ついでにこの船の船長さん、船火事がとても消せそうにないのが分かってまたまた海へ。泳ぎながら「うわー、わしの船が、ハーキュリース、お前の責任だぞ、弁償しろ」と実にセコイことを叫ぶのでした。

 近くの島を目指して泳ぐユリシーズ、おっかけるハーキュリース、他の乗組員と船長さんは彼らの体力にとてもついていけず、「ひー、助けてー、がぼがぼ」みんな溺死してしまったとさ(大爆笑)。

 さて、ようやく島に泳ぎ着いたユリシーズとハーキュリース、浜辺を「こら、待て、ユリシーズ、ハハハハハ」とおっかけっこ。両雄すでに体力の限界にきておりまして、ぜえぜえはあはあ言っております。そこで突然鳥人間たちが現れた。鳥人間ったって、琵琶湖でやる奴じゃないですよ。本当に鳥の頭がついた鳥人間たちですよ。ユリシーズ、ハーキュリース、あっという間に捕まってしまいました。ハーキュリースはこんな時でも「ハハハハハ、こりゃまたどうした訳だ、世の中間違っとるよー、ハハハハ」と笑っております。ユリシーズ、思わず「鳥人間よりもこっちの方がウルセー」と呟くのでした。

 二人は鳥人間種族の女王様の前に引き出されます。こいつだけセクシーな毛皮ビキニで頭もフツーの人間の女王様、二人をじろじろと眺めて「この島に来たのが運のつき。我々の神、巨大ハゲタカの生贄となれ!」驚くハーキュリースとユリシーズ、「そんなあっしらは普通の船乗りですけん」とごまかしにかかります(笑)。しかし女王様、聞く耳もちません。「明日の朝、生贄の儀式をするのじゃ」しかし、この女王様、鳥頭ばっかりのところに二人のイケメンが突然現れたので心が揺れております。女王様はその夜更け縛られている二人のところへやってきて「そなたたちの存在がわらわの心をゆるがせる」なんて言い出しちゃうの。ユリシーズ、ハーキュリース、しめたとばかりにヨイショ攻撃を敢行します。「私は船でいろんなところにいっていろんな冒険をしてまいりましたが、へ、あなたさまのような美しい女性は見たことがありませんでげす」これはユリシーズ、「ハハハハ、そなたの肌はアフロディテより白い、ハハハハ、そればかりかジュノもびっくりのナイスバディだ、ハハハハハ、あー、歯が浮くなあ」これはハーキュリース。ユリシーズ、びっくりして「バカ、お前、なんてこというんだよ」というオチ(笑)。

 このヨイショ攻撃ですっかり機嫌を良くした女王様、ユリシーズとハーキュリースはこれで助けてくれるぞとにんまりしていたのですが、そうは問屋がおろさない。「二人で死ぬまで戦いなさい。勝った方を私の夫とします」はでにズッコけるユリシーズとハーキュリースです。

 翌日、儀式の開始。大木に縛り付けられた二人の周りで鳥人間たちが踊り狂います。どんがどんがと踊っています。いつもより余計に踊っております。ところがこの時一転にわかに掻き曇り雨がざーっ。ついでに雷もどかーん。二人が縛られていた大木に落ちて木が燃え出したのです。驚いて逃げてしまう鳥人間たち。ユリシーズとハーキュリース、「チャーンス」と叫んでまんまと逃げてしまったのでありました。あー、巨大ハゲタカは結局出てこないのね。おれ、楽しみにしていたんだけどなあ。

 さて逃げ出したとたん、再び仲が悪くなる二人。ハーキュリースはロープを使って彼と自分の手首を結んでしまいます。「ハハハハ、これで逃げられないぞ、ハハハハ」「だから声が大きいって」と顔をしかめるユリシーズであります。二人は森の中に住んでいる老人を発見。「ハハハハ、ご老人、近くに町はないかな」と聞くハーキュリース。老人はあまりの声の大きさに目を白黒。それでもこの老人は親切なので今焼いていた肉を二人にごちそう、ワインまで持たせてくれるのです。さらに「34日も歩くと町にでるから」

 再び歩き出すハーキュリースとユリシーズ。しかし、なんですな、英雄と言うものは暢気でありますな。ハーキュリース、休憩の時に飲んだワインに酔ってしまってぐーぐーがーがー高いびき。ユリシーズ、手首の紐をほどいて逃げ出してしまったのです。

 ユリシーズが逃げたところでパッと場面が変わっていきなりヘレンの部屋に現れるハーキュリース。実は老人の言っていた町がヘレンの故郷、エカーナルであったという・・・。いいっすねえ、この堂々としたご都合主義、「文句がある奴ァ俺んとこへ来い」みたいにこう堂々とやられると何も言えませんわ。ハーキュリース、驚くヘレンを抱きしめてキス、ぶちゅぶちゅぶちゅちゅちゅー。うっとりと身をまかせるヘレンですが「でもハーキュリース、後10日もすればドレスカスが戻ってくる。そうしたら私は彼と結婚しなければならないの」「ハハハハ、ヘレン、後10日か、それまでこのハーキュリースがなんとかしよう、ハハハハ」へレン、顔をしかめて「私はあなたをとても愛しているけどやっぱり五月蝿いわ、こりゃ」

 一方、逃げ出したユリシーズ、乱暴もので有名なラルゴ王(ジアーニ・サンタッチオ)のところへ逃げ込みます。しかしラルゴ王、汚いカッコで命からがら逃げ込んだユリシーズを信じず、「お前、偽者だろう」と言い出します。有名なギリシャの勇者がこんなところをボロを着てうろついている筈がないということなのですな。ラルゴ王、ユリシーズに向かって「ユリシーズというのは知恵者だと聞く。もしお前が本物ならわしの質問に答えられるはずだ!」

 まず、「大地と空の距離は」「820リーグと93キュービットでございます」次に「神は不死の種族をなぜ創造したか」「それは不死の種族と永遠に戯れるためでございます」「今、わしが何を考えているか申してみよ」「次の質問は何にしようかと考えておいでです」ラルゴ王、ユリシーズの見事な答えにたじたじ。頭じゃとうてい叶わないからってんで、傍らのドレイ女を差し出して、「この女を射殺してみよ」ユリシーズ、この難題にも動ぜず「殺すのはあまりに惨うございましょう。それより私が彼女の衣服を射ち落してごらんにいれましょう。そうして彼女の体にはまったく傷をつけません」「よーし、やってみろ」ということでラルゴ王、部下に弓矢を持ってこさせます。

 ユリシーズ、見事ドレイ女の肩口の止め金を矢で射ち飛ばしてローブを落としたのでした。すっかり感心したラルゴ王、「よろしい、お前を本物のユリシーズと認めよう」

 さて、このラルゴ王、世に聞こえた乱暴者ですからエカーナルを侵略することになります。そしてユリシーズを呼び出して「わしは空からエカーナルを攻めようと思う。だからユリシーズ、お前はわしの軍隊のために羽を作れ」「は、羽っすか」驚愕するユリシーズ、「そう、羽だ、なんといったかな、ええとイカルスだ、あんなふうに空を飛べるような道具を作るのだ」「そんなムチャな」「ムチャでもなんでもやるの!」ラルゴ王、羽の完成までに逃げられたらかなわないってんで、ユリシーズを牢屋へ叩き込んじゃった。

 その牢屋にはエカーナルから攫ってこられた女達もいました。彼は女達に隠し持っていたナイフを渡し「これで壁の石を刳り貫いて逃げるのだ。そして、エカーナルの王に知らせてくれ。ラルゴがエカーナルを襲うと。でもわしがここにいるって言っちゃ駄目だよ」女達、喜び勇んで壁をごりごりほじりだします。そしてなんとか穴を開けて逃げ出すのですが、途中でラルゴ王の部下に見つかってズバ、ドス、グサ、ギャリッ、遅れていた一人を残してみーんな殺されちゃった。残された女だけがただ一人、エカーナルへの帰還を果たし王にラルゴの侵略を知らせるのです。

 ちなみにラルゴ王の部下、言葉を喋れません。がうがう言うだけです。とんだ野蛮人ですね。

 ユリシーズ、ついに羽を完成させます。まあ、完成させたといっても鳥の羽をいっぱい集めてでっち上げただけなんですけれども、一応は鳥の翼に見える。彼は喜び勇んでやってきたラルゴ王に「さ、どうぞ、これをおつけなさいませ。あなたは空を飛ぶ最初の王になるのです」「そうか、そうか」と喜色満面のラルゴ王、ユリシーズに羽を装着して貰います。「よーし、飛ぶぞ」しかしラルゴ王、ここではっと気がついて「お前、わしを殺すつもりじゃないだろうな。これで本当に空を飛べるのか」ぎくっとするユリシーズ(笑)。あわてて「いやいや、そんなことはありませんとも。このユリシーズを信頼くだされ」ラルゴ王、もちろん信頼なんかしやしません。「じゃ、ユリシーズ、お前が最初に飛べっての」ユリシーズ、ぎくぎくっ。「いや、私、これを使って飛んで逃げちゃいますけど。王様、それでいいんですか」「ウーム、それは困るな」こんなやりとりがあってついにラルゴ王、部下の一人を指差して「お前、これで飛んでみろ」

 部下、もちろん、墜落死(大笑い)。ユリシーズ、「あ、あの、あれは部下の方がびびっておいでですね、それで操作をね、間違えたんすよ」「やかましい」ユリシーズ、再び牢へ叩き込まれてしまいました。ラルゴ王は獅子咆哮、「ええい、空を飛ぶ道具なぞいらん、わしの軍勢は世界最強だ、エカーナル、何するものぞ、者共、進撃じゃー」最初からそうしておけば良かったのに。

 ラルゴ王の軍勢、手始めにエカーナルの田舎の村を襲って村民を大虐殺。このニュースはただちにエカーナル王の耳に入ります。直ちに会議を開くエカーナル王、重臣達は徹底抗戦だ、いや、和平を請うのだ、都をすてて逃げ出そうと議論百出、どいつもこいつも役に立ちそうもありません。苦渋のエカーナル王、「わしの軍勢を指揮できる人材がおればのう」と呟きます。そこで登場したのがハーキュリース、「ハハハハ、王よ、私のその軍勢をお任せあれ、このハーキュリース、必ずやエカーナルに勝利をもたらしましょうぞ、ハハハハハ」エカーナル王、「そんな大きな声ださなくても聞こえるから、そうか、ハーキュリース、もしこの戦争に勝てば褒美は思いのままぞ!」あー、そういう流れになるのですか。

 もちろん、ハーキュリースの望む褒美とはヘレンだったのです。

 さあ、ハーキュリース指揮の下進発するエカーナル軍。かさにかかって攻め込んでくるラルゴ軍と激突です。エカーナル軍の一般兵士は今ひとつラルゴたちに歩がないのですが、その劣勢を跳ね返したのがハーキュリースの大活躍。一人で34人のラルゴ兵士を相手にしてぶん殴ったりけたくったり首を絞めたり岩で頭を叩き潰したり獅子奮迅の活躍とはこのことでありましょう。そしてついに起こるハーキュリースとラルゴ王の一騎打ち。ハーキュリースは彼を戦車から引きずり降ろすとのしかかって首をぐいぐい絞めた!がくっと頭をたれるラルゴ王。ハーキュリース、敵の王様を絞め殺したのであります。

フツー、こんな場合は剣で決着つけたりするものじゃないですかねー(笑)。

 ハーキュリースは部下の兵士二人を連れてラルゴへ。そして牢屋に飛び込むと仕掛け天井に押しつぶされそうになっていたユリシーズを危ういところで救出したのです。ちなみにこの場面、ハーキュリースはいかにも「引っ張りなさい」と言わんばかりにある鎖を怪力で引っ張って仕掛け天井の動きを止めたのでした。もうとにかく、鎖とかロープとか長いものがあったら引っ張らずにはおられないのが英雄の性でありましょうか。

 さあ、戦争は大勝利。ヘレンも手に入れて逃げていたユリシーズも捕まえた。「さあ、ジュピターのところへユリシーズ届けたら、さっそく結婚だ、ハハハハハ」ハーキュリース、上機嫌であります。しかしそんな絶好調の彼の心にユリシーズに対する同情心が芽生えていたのでした。「ハハハ、彼は紛れもない英雄だ、その彼をむざむざとサイクロップスのドレイにしていいものか、ハハハハ、あー、悩んじゃうなあ」部下の一人がそっとハーキュリースの背中をつついて「独り言にしては声が大きすぎますよ、ハーキュリースさん」だって。

 ここでずーっと忘れられていたドレスカスが登場(笑)。約束をいきなり反故にされて怒り狂った彼は兵士たちを連れて野営していたハーキュリースたちを襲ったのです。寝込みを襲われてひとたまりもなく殺されていくハーキュリースの部下達。ドレスカスはヘレンを拉致、逃げようとするのであります。しかし、その前に立ちふさがったのはユリシーズ。彼はこの騒ぎに乗じて逃げようとしていたのですが、ヘレンの悲鳴を聞いて戻ってきたのです。「ハーキュリースの女なんか放っておけばいいのに、バカだな、おれ」と自嘲しながらドレスカスと戦うユリシーズ。男ですなあ。

 ユリシーズ、見事ドレスカスを倒してヘレンを取り戻します。ここでようやく駆けつけてきたハーキュリース、ヘレンに事情を聞いて「ハハハハ、バカだな、お前、そんなことをして、ハハハハ、でもありがとう」ハーキュリース、ついにユリシーズを許すことになります。彼は天を仰いでジュピターに語りかけるのでした。「おお、父なるジュピターよ、ハハハハ、我の願いを聞きたまえ」何しろ天空のジュピターと話そうというのですから、いつもより声がでっかい。みんな、目を回して地面にひっくり返っちゃった。ハーキュリースの語りかけは続きます。「ハハハハ、ユリシーズは自分の身を省みることなくヘレンを救いました。ハハハハ、彼は英雄です、英傑です、ハハハハ、私よりはちょっと劣りますけど、そんな男を許してやってください、ハハハハ」

 すると天空からジュピターの声が!「分かった、分かった、許してやるから、もう黙ってくれ。ハーキュリース、わしゃ、お前の声で頭が割れそうじゃ」これを聞いて「ハハハハ」と愉快そうに笑うハーキュリース。するとまたジュピターが「だからうるさいっての」

 そんなこんなで罪を許されたユリシーズ、船で故郷のイタカへ向けて出帆。見送るハーキュリースとヘレンが熱いキスを交わしたところでエンドマーク。

鳥の羽をめぐってのユリシーズとラルゴ王のやりとりはまさにコント。思わず大笑いしてしまいました。

カラー・スタンダード。モノラル音声。画質はやっぱり駄目。音質も歪んでいてとても誉められるようなレベルではありません。アルファビデオのDVD

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『豪勇ゴライアス』(『La Vendetta di Ercole』 『Goliath and the Dragon』 1960年)

 

英語版はゴリアテ対ドラゴンとなっていますが、イタリア原題を見れば分かるとおり実際登場するのはハーキュリースであります。ですからゴリアテではありますけれども、イタリアではハーキュリースですから、彼はとてつもなく強力で不死の存在ということになっております。

 さて、このゴリアテを憎んだポカリウスの王、ユリータスはジーブス(テーベ)の神殿から神々の象徴である宝石、ブラッドダイヤを盗み出してホラスの洞窟に隠しました。その洞窟にはユリータスの手によって様々な化け物が配置されており、英雄ゴリアテといえどもダイヤの奪還はたやすいことではありません。ユリータスはこれですっかりゴリアテをやっつけたつもりになって大宴会。酒をがぶがぶ飲みながら「ぐわははは、ゴリアテは死んだも同然。ゴリアテのいないジーブスなど無力だ。次はジーブスを我が物とするぞ、がははは」

 そんな中、ホラスの洞窟に降りていくゴリアテ。地面から煮え立つ溶岩が湧き出ている不気味な場所です。ゴリアテは「ダイヤはどこや」と駄洒落を呟きつつ進むのですが、突然現れたのはあー、あれは三つ首の犬だ。とほほほー、しょうもないと思った瞬間、いきなり口から本物の炎を吐き出す三つ首犬。犬の口の辺りが燃えております(笑)。ゴリアテはその炎をたくみにかいくぐりナイフで三つ首犬の胴体をぐさり。割合あっさりとやっつけてしまったのでありました。

 「わははは」なおも酒をがぶ飲みしているユリータス。彼は上機嫌で部下の将軍達に「のう、ゴリアテが死んだらすぐにジーブスに向かって進軍するのじゃ」しかし、将軍達は「いやー、本当にゴリアテが死んだと証明されないとねえ、兵はちょっと出せないですよ」と尻込み。ユリータスはカッとなって「この臆病ものめ!」とまた酒をがぶがぶ。

 三つ首犬をやっつけてさらに奥へと進むゴリアテ。そして次に現れたのはストップモーションのドラゴンだ!ゴリアテ、ナイフを振り上げて戦いを挑もうとするのですが、聞こえてきたのは女神の声。「ゴリアテよ、そんなものは相手にせず、宝石を捜すのじゃ」はいっと頷いてナイフをしまいドラゴンを本当にほったらかして宝石捜索を再開するゴリアテ。なんだ、つまんないな。

このドラゴンを放っておいたことが後になって祟るのですなあ。

 さて場面はがらりと変わってユリータスの囚われの女王であるテア(フレデリカ・ランチ)のお部屋。ここに忍んできたのがゴリアテの弟イラスでありました。二人は愛し合っていたのですが、ユリータスはゴリアテを宿敵と思っています。当然ながら弟のイラスとテアの逢引を許す筈などありません。ゴリアテもイラスにテアと会うことはならぬと命じていたのですが、そこはそれ、若い二人ですから、燃え盛る恋の炎を止めることはできないンです。イラスはテアを抱きすくめて情熱的に囁きます。「テア、僕と二人で逃げよう」しかし、テア、頭を振って「今は駄目よ、我慢なさって、チャンスがきたら私から連絡するわ」「きっとだよ、ダーリン」、こういう会話がありまして、イラス、引き上げようとしたのですが、はい、兵士に見つかってあえなく捕まってしまったのでした。彼は地下牢にぶち込まれてしまいます。

 そんなこととは露知らず、今だ洞窟でブラッドダイヤを探しているゴリアテ。いつもより余計に探しております。「お、あの土の塊から赤い血のようなものが流れ出しているぞ、そうか、ダイヤはあの中に隠されているのだ」これでようやく冒険が終わるかと思いきや出たんです、蝙蝠人間が、『緯度0大作戦』みたいな奴が。ギャーッと空からゴリアテに襲い掛かる蝙蝠人間。しかしその派手な登場の仕方とは裏腹にあっさり地面に叩きつけられて死んじゃったとさ(笑)。ゴリアテ、土の塊を掘り返し、ついにブラッドダイヤを見つけます。

 「わはははは」まだ酒をがぶがぶ飲んでいるユリータス。「ゴリアテの弟、イラスを捕らえたぞ、明日の朝、処刑してしまうのじゃ、ゴリアテはドラゴンに食われイラスは処刑される。者共、次に狙うはジーブスぞ」今度は将軍達も大賛成。「ユリータス様、やりましょう」「我が兵士を存分にお使いなされ」「勝利は我々のものでござる!」ところがここに使いのものが飛び込んできまして「大変です。ゴリアテは宝石を奪還、ジーブスに帰還したそうでございます」将軍達、あれほど盛り上がっていたのが一瞬にしてしゅん。「ゴリアテが生きているとなればさっきの話はなかったことに」だって(笑)。

 カンカンになったユリータス、酒器を投げ捨てて「畜生、こうなればイラスは絶対処刑じゃ、八つ裂きの刑でばらばらのばらにしてくれるわ!」と、そのユリータスに耳打ちしたのが彼の一癖も二癖もありそうな部下、テンダーであります。「王よ、それはあまり賢明とはいえませんぞ、それがしに策がございます。ここはひとつ、それがしにおまかせ下され」その策というのがユリータスの奴隷娘アルシノア(ギャビー・アンドル)を使ってイラスに「ゴリアテは和平を望んだユリータスに交換条件としてテアをよこせと言った」と吹き込むことだったのであります。根が単純なイラス、「兄がテアを奪うのか」とあっさり信じてしまいます。彼はアルシノアの手引きで脱走、ジーブスのゴリアテ屋敷に戻るのですが・・・、これも当然、テンダーの作戦だったのですね。

 さて、宝石奪還に成功したゴリアテ、神殿にいって宝石を奉納します。彼の手から、あら不思議、ブラッドダイヤが舞い上がり神像の額の穴にぴたりと治まるのでした。すると女神が姿を現して「ゴリアテよ、ご苦労じゃった。そなたの債務は果たされた。これからは自分の望むままに生きるがよいぞ」彼は迎えにきた盟友アントニウスの馬車でジーブスへ戻ります。

 途中、牛を使って農地の木を倒そうという男あり。彼の窮状を見かねたゴリアテ、牛の代わりにロープをぎりぎりと引っ張って、見事大木を引き倒してしまうのでした。ま、とにかく英雄というものはロープを引っ張りたがるものです(笑)。

 さて、ジーブスのゴリアテ屋敷に到着。ゴリアテは美しい妻デジャネラ(レオノーラ・ラッフォ)に迎えられます。しかし彼はイラスの姿がないことに気がついて「弟はどうしたのだ。迎えに出てこないなんておかしいぞ」そのイラスは屋敷の中でブスーッとしているという・・・。ゴリアテがテアを所望したという話を聞かされたものですから、兄を疑っていたのです。ゴリアテ、そんな弟を心配しながらもそのまま友人知人を招いての「ゴリアテお帰りなさい大パーティに雪崩こむのでした。

 テンダーの次なる悪巧み。彼はアルシノアにある薬を渡します。「これはゴリアテの意思を奪いユリータス様に従わせる薬なのだ。ジーブスにいってこれをイラスに渡せ。彼からゴリアテに飲ませるのだ」アルシノアは気が進まないながらもテンダー、ユリータスから見事この仕事を果たせば自由にすると約束されてしぶしぶジーブスに向かいます。そしてゴリアテ屋敷に行こうとしたら突然熊が出現、襲われるのですなあ。そこに駆けつけてきたのが我らがゴリアテ。彼は熊を撃退してアルシノアを助けるのです。ゴリアテはアルシノアをアントニウスたちに引き合わせようとするのですが、あれ、ちょっと目を離した隙にアルシノアは姿を消してしまいました。彼女はまさか命の恩人に怪しい薬を飲ませるわけにはいかず、薬をかくしてしまいます。そのまま戻ってユリータス、テンダーに「確かにイラスに渡しました」と報告するのですが、なんと彼女の後をつけていたお目付け役の兵士が薬を見つけてしまっていたのです。「この嘘つき女め」アルシノアは哀れ地下牢にぶち込まれてしまったのでした。

おまけにあの薬は意思を奪うなんて生易しいものではなくどんな豪傑でもイチコロの毒薬だったのです。

 ゴリアテの屋敷ではわいわいと宴会をやっております。その最中にそっと抜け出すイラス。テアに会いに行こうとしたのですが、ゴリアテに見つかっちゃった。ゴリアテは「テアに会うことはならん。考えが変わるまでこの木にしばりつけてくれる!」酷いことするなあ(笑)。ゴリアテは「いいか、考えが変わったら大声で呼べ、そしたらほどいてやる」宴会に戻ってしまいました。木にぐるぐるまきにされて憮然とするイラス。そこへテアの侍女という女が現れてあの薬を差し出します。「イラス様、ゴリアテにこれを飲ませるのです。そうすればゴリアテはテア様のことを忘れてしまいます」イラス、またころっと騙されて(笑)ゴリアテを呼びます。「兄さん、僕はもうテアを諦めるよ、だからほどいてよ」こうしてまた自由の身になったイラス、薬をゴリアテに飲ませるチャンスを虎視眈々とうかがうのでした。

しかし、ユリータス側の人たち、意思を奪うとか、記憶を失わせるとかいろんな薬をゴリアテに飲ませたがりますなあ。医者か、お前ら。

 一方、門番に賄賂を渡して地下牢のアルシノアと面会するテア。アルシノアは彼女にテンダーの悪巧みを全て喋ってしまいます。「ええっあの薬はゴリアテに私のことを忘れさせるものじゃなかったの!」「それどころか、テア様、ユリータスはあなたを妻にしようと思っていますわ。あなたの両親を殺したのもユリータスです」仰天するテア。しかし、ここにユリータスその人がやってきた。「ふふふ、真相に気づいたお前達を外に出すわけにはいかん。一緒に牢に入っておれ」あわれテアも地下牢に叩き込まれてしまいましたとさ。

 テアは嘆きます。「ああ、どうしましょう、このままではイラスがゴリアテに毒を飲ませてしまう。でもそのことをイラスに知らせることはできないのだわ!」すると、アルシノアはぽんと手を打って「いい手がありますわ。神様に祈るのです。ゴリアテのことを特に気にかけている風の女神様に祈ればきっとあなたの声をイラス様に届けてくれます」頷いたテア、両手を広げて「おお、慈悲深き風の女神よ、私の願いを聞いておくれ、私の声を届けておくれ」

 割と女神を簡単に使っているような気がしないでもないですが(笑)。

 そのころ宴会で大盛り上がりのゴリアテ屋敷。いい加減酔っ払ったアントニウスが立ち上がって「宴たけなわではございますが、ここでみなさん、ジーブスの英雄たるゴリアテに乾杯しようじゃありませんか」っておめーは幹事かよ(笑)。「チャーンス」と呟いたイラス、隙をみて例の薬をゴリアテの酒の中に入れてしまいます。さあ、ゴリアテ大ピーンチ。しかし、この時突然強風がごうごうと吹き始めます。その風音に混じってイラスに聞こえてきたのがテアの声。風の女神の計らいですね。「イラス、それは毒薬よ、ゴリアテに飲ませちゃだめ、みんなウソなのよ」イラス、ぱっと立ち上がって今まさに毒入りの酒を干さんとしていたゴリアテに体当たり。ゴリアテは杯を落としてしまいます。「何をするのだ、弟よ」かっとなるゴリアテ。イラスは「あ、ごめん、兄さん、僕が間違っていたよ、兄さんの言うとおりだったよ、だから僕を許してください」と強引に兄弟仲直りに持ち込んでしまいます。ゴリアテはさっと機嫌を直して、「そうか、では改めて乾杯だ、だれぞ私と弟に杯を持て!」どうも単純なものですな。

 なお、この騒動でこぼれた毒入り酒を犬がぺろぺろ舐めて即死という場面が入りますが、ゴリアテ、これに気がつきません。つまり、彼は自分が今にも毒を飲まされそうだったことにまったく気がつかなかったのです。これは間抜けだ!

 しかしイラス、翌朝、密かにオカリアに出発。テアを連れ出そうというつもりだったのでしょうが、あっという間に捕まってしまいます。ユリータスはテンダーに「お前の計画は全然駄目だったな」とイヤミを言って(笑)「今度こそイラスを処刑するぞ」その処刑方法というのが広場に大勢人間集めての公開処刑。X型の処刑台に縛り付けて地面に寝かせ、そこを象に踏み殺させるというややこしいもの。そんな面倒くさいことしないで首でもぽんと跳ねたらどうなのでしょうか。首が飛んで血がドバーですから絵的にも見栄えがするとおもうのですが。

 さあ、二人の囚人が象に踏み殺されて次はイラスの番。今度こそ間違いなく殺される、イラスが覚悟を決めたとき、ばーんと飛び込んできたのは誰あろう、ゴリアテでした。ゴリアテはイラスを踏み潰さんとしていた象と大格闘。怪力を奮って足を持ち上げぐいぐいと押していきます。力負けした象、ついに屈して跪くのでした。まあ、象の側を調教師がうろちょろしていますけど(笑)。ゴリアテ、イラスを救出、そして戦車で待機していたアントニウスと合流して見事脱出に成功します。

 さて、ゴリアテ、この不肖の弟を神殿に連れていき、神様の預言を頂くことにします。その預言というのが「その若者はオカリオの地でゴリアテを愛している女のために命をかけることになるであろう」ゴリアテ、びっくり。「へ、私を愛している女ってデジャネラのこと、彼女の命がイラスにかかるっての?なんだかよく分からないな」まあ、よく分からない預言であっても(笑)何しろ神さまのいうことですからデタラメである訳がない。ゴリアテ、なんとかその運命を避けるために自ら自慢の屋敷を破壊、放浪の旅にでることになります。

 一方オカリオではユリータスがテアに悪迫り。「お前はわしの嫁になるのじゃ、ウヒヒヒヒ」テアは当然ながら「私のお父様を殺したお前と結婚ですって?冗談じゃないわよ」と拒絶するのですが、それで済むわけがない。ユリータスは部下に命じてアルシノアを竪穴に吊るします。その底には蛇がいっぱいいてしゅーしゅー言ってます。ユリータス、「ウヒヒヒヒ、お前がうんと言わなければこの女を落とすぞ。蛇にかまれて一巻の終わりだぞ」この脅しに屈したテア、ついにユリータスとの結婚を承知してしまうのでした。

 そんなことが起こっているとは夢にも思わないゴリアテ一行。馬でぱかぱか旅を続けております。途中滝に行き当たってゴリアテやアントニウスが道を探すためにイラスとデジャネラを残して降りていくという場面、ここでデジャネラ、「テア、テア」と恋人の名前を呟いて悄然としているイラスを可愛そうに思ったのか、いきなりこんなことを言い出した。「おお、神よ、私のためにこの若者の命を差し出せとはあまりにもむごうございます。どうか、この若者の代わりに私の命をお召しくださいませ」するとなんとしたことか、突然半人半馬の怪人が現れて「呼ばれて飛び出てじゃじゃじゃじゃーん」この辺の地神、パリモファスだったのです。パリモファスは怯えるデジャネラに「あんた、自分が身代わりになるっていったね、間違いなく言ったね」デジャネラが頷くとパリモファス、「じゃ、もーらい」彼女を攫おうとするのであります。「身代わりになったんだからお前は俺のもの」大はしゃぎで逃げるパリモファス、うーん、ちょっと違うような気がするけどなあ(笑)。

 しかし、そんなに上手く行くはずはありません。デジャネラの悲鳴を聞きつけて戻ってきたゴリアテ、逃げるパリモファスに向かって槍をびゅう。背中にぐさーっと突き刺さります(大笑い)。瀕死の重傷を追ったパリモファスはそれでもデジャネラを離さず逃げさってしまいます。そのままオカリオへ行ってユリータスにデジャネラを渡し、「私はゴリアテにやられた。ユリータス、彼奴めに復讐してくれ」と叫んでばったり。ユリータス、こらええもんが手に入ったと大喜びで、デジャネラをホラスの洞窟に連れ込んでしまうのでした。そして大岩に縛り付けて「ドラゴンの生贄になるが良い」

 妻を攫われたゴリアテは大荒れ。例の神殿に乗り込んで行って「神よ、妻を取り戻すのを手伝ってくれ、この願いを聞かぬようであれば私も以降、神の言葉など聞かぬ。神も仏もあるものかと思うぞ」ゴリアテは暴れます。せっかく命を懸けて取り戻してきたあの宝石、ブラッドダイヤも自らの剣で打ち砕いてしまいます。さらに神像持ち上げて放り投げてばらばらに。このやりたい放題に大慌てで風の女神が出てきて、「ゴリアテや、これは他の神々から口止めされているのだが、こっそり教えてやる。デジャネラはオカリオじゃ、ホラスの洞窟で命の危険に晒されておるぞ」「そうか、分かった」急いでオカリオへ向かうゴリアテ。

 この後、風の女神は他の神々によって罰せられ電撃を浴びせられてしまうのですから、どうもたまったものじゃありませんな(笑)。

 岩に縛り付けられたデジャネラ、彼女の前に現れたのはあ、映画の最初の方でちらっと出てきたコマ撮りドラゴンじゃありませんか。ゴリアテが一度は戦おうと決意したものの、風の女神から「そんなもの放っておいて宝石を捜してくれ」と言われて諦めた、あいつですよ。ゴリアテ、あの時やっぱり戦っておけば良かったですなー。悲鳴を上げるデジャネラですが、ここでタイミングよくゴリアテが現れた!ゴリアテ、彼女を縛めから解放すると近くの岩陰に連れていき、「さ、ここに隠れているんだ」そしてゴリアテは単身ドラゴンに挑むのであります。とはいってもこのドラゴン、岩の隙間から首をにゅっと伸ばしてきて鼻息を吹きかけるだけですから、ぜんぜんコワくない。ゴリアテ、あっという間に剣を振るってドラゴンの片目を抉り出し(わあ)舌を切り取り(わあ)牙を全部たたきおって(わあ)ついに倒してしまいます。「やったぞ、デジャネラ」しかし、肝心のデジャネラ、ゴリアテがドラゴンと戦っている間にユリータスの兵士に攫われていたというオソマツ。

 さらに怒り狂ったゴリアテ、盟友アントニオと兵士達を引き連れてオカリオへ総攻撃をかけることになります。それに先んじてオカリオの地下へ潜入したゴリアテ、鍾乳石の柱をこれまた怪力を奮ってごんごん倒していくのです。すると地上のオカリアでは地面が陥没して宮殿が見事に破壊されてしまうという・・・。このチャンスを逃すなとばかりゴリアテとアントニオは兵士達とともに突入。あっという間にオカリオを制圧してしまったのです。

 ユリータスは最後の悪あがき、アルシノアと同じ地下牢に入れておいたデジャネラを引き出すと、ゴリアテの目の前で例の竪穴に落とそうとします。やっぱり底では蛇がしゅーしゅー。「ウヒヒヒヒ、蛇にかまれてイチコロだぞ。妻を助けたくば100万回土下座をして私が悪うございました。お代官さま、どうか妻の命だけはお救いくださいませと言え!」って誰がお代官様だ。ゴリアテ、さすがに妻を見捨てることはできずに言われたとおり100万回土下座を始めます。「ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい・・・」ぺこぺこと頭を下げ続けるゴリアテを見てユリータス、「ウヒヒヒヒ」と大笑い。しかし、その時、背後から忍び寄ったアルシノア、どーんとユリータスに体当たりして彼もろとも竪穴の底へ。二人とも蛇にかまれて死んでしまうのでした。ここに稀代の梟雄ユリータスの野望は潰えたのでした。

 だから、デジャネラとアルシノアを同じ地下牢に入れておくなんて不精をするからこんなことになるんだ(笑)。

 ラスト、アントニウスたちの手によって再建されるゴリアテ屋敷。それを嬉しそうに見ながらゴリアテ、デジャネラとキス、ぶちゅぶちゅぶちゅちゅちゅー。イリスもテアと幸せそうに微笑みあったりなんかしております。これでおしまい。

 まあ、今までこの剣とサンダルものの映画を見てきましていろんな悪役が登場しましたけれども、このユリータスほど威張っている割にはやることなすこと今ひとつという人はいなかったです。

 カラー・スタンダード。モノラル音声。画質はアルファビデオなので良い筈がない(笑)。カラーノイズが激しく目障りであります。音質はなかなか聞き取りやすいのですが。アルファビデオのDVD

     エロの冒険者 

       HOMEPAGE http://homepage3.nifty.com/housei/

      SFシネクラシックス 輸入DVDでみるSF黄金時代(笑)

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