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2006年10月12日 (木)

『La Leggenda di Enea』(『The Last Glory of Troy』 1962年)

 

トロイ戦争で滅ぼされたトロイ、この亡国の英雄、アエネーイス(スティーブ・リーブス)の物語であります。『Giant of Marathon1959年と同じくヘンな怪物や神様は出てきませんのでまあ、あまり期待してはいけませんゾ。

戦争からこっちあちこちをさ迷っているトロイの難民達。彼らのリーダーであるアエネーイスは彼らがようやくたどり着いたエトルリア(現在のイタリア西部)に腰を落ち着けようと決心します。彼はエトルリアのラティーノ王(マリオ・フェラーリ)に「すみまっせんが、誓って王様に迷惑はかけませんから、わしらをこの土地に住まわせてつかあさい」と願い出たのです。この英雄に好意的なラティーノ王は申し入れを受け入れる腹積もり。しかしそれを面白く思っていないのがラティーノ王の妃アマタ(ルラ・セリー)の甥で次期エトルリア王の呼び名も高いルザリー王トーノ(チアニ・ガルコ)。「トロイの乞食野郎など追い出してしまえ」と部下のメセンチイオ(マウリス・ポリ)と共に陰険でそして低次元のいやがらせをしかけるのでした。

 トロイの男達が泉で水を汲んでいると、そこに馬を乗り入れさせたり、おしっこしたり(笑)。トロイ人たちが一生懸命作っている村に暴れ牛の群れを突っ込ませたり、ホームページの掲示板に執拗に誹謗中傷を書き込んだり、トロイ人に「あ、オレ、オレ、ちょっと馬で人跳ねちゃったの、それでお金いるんだよ」とオレオレ詐欺をしかけたり、本当に意地悪な奴らです。

 そんな中、アエネーイスはラティーノ王の招きで首都レンタムに出発。直接土地の貸与を願い出ることになったのでした。と思ったらすぐにレンタムに到着して、いや、映画というものはこんな時便利ですな。ラティーノ王に拝謁するアエネーイス、王はこの英雄を笑顔で迎え「ようやくそなたと会うことができた。よく来られたトロイの英雄よ」そして彼は周囲の人々を彼に紹介します。「これは我が妃のアマタ、娘のラビニア(カルラ・マリーアー)」いや、このラビニアというのが凄い美女で、ええ、もう後からどうなるか分かったでしょう(笑)。続いてラティーノの同盟国の王族が紹介されます。ヴァルガーの女王カミラ(リオナ・オルフェ)、アバンティの王子ポランティ。そして最後に御馴染みのトーノ。彼はアエネーイスに向かって「我々はすでに出あっておりますな」とにやにや。やっぱり感じの悪い奴ですなあ。

 さて紹介が終わったところで「まあまあごゆるりと為されて旅の疲れを癒されよ」とラティーノの忠臣バーシャスが部屋へ案内します。このバーシャス、アエネーイスに好意的で「きっと願いが叶うよう王様に私からも申してみます。大船に乗ったつもりでお任せなされ」なんて言っております。この時、壁のフレスコ画に目を止めたアエネーイス、じっと見入るのでした。その絵というのがトロイ戦争の模様を描いたもの。これを見ながらアエネーイスの脳裏にトロイ戦争の思い出が去来するのです。トロイ戦争といえばこれ、の木馬とか、唯一の弱点である踝を射抜かれて「ハハハハ、これは参った、痛い、痛い、死んでしまう、ハハハハ」ともがくハーキュリースとか、どうも嫌な思い出ばかりであります(笑)。

 ここで現れたのがラビニア。彼女は壁画に見入っているアエネーイスに「あなたにその壁画を見て貰いたくなかった。あなたの復讐心をかきたてるばかりだもの」しかしアエネーイスは頭を振って「私に復讐心などありませんよ、姫。私はギリシャ人が憎くて戦ったのではない。愛するものを守るために戦ったのだ。破れたとはいえ、ギリシア人を悪く思ったりはしていない」どうもご立派なことです。ラビニア王女、このご立派な言葉に感激してちょっとアエネーイスを好きになっちゃったみたい。

 その成り行きが面白くないトーナ。叔母のアマタ女王に「ねえ、ねえ、叔母様、私をラビニアと結婚させてくださいよう。そしてトロイの乞食共を追い出しましょうよう」アマタ女王、仕方なく王にこのことを話すのですが、バーシャスの反対もあってはかばかしい反応が得られません。「王様、トーナ様は独裁者になって国を滅ぼすタイプですぞ」忠臣と妃の板ばさみになったラティーナ王、苦し紛れに「いや、アエネーイスたちに土地をやろう。その代わりにトーナとラビニアを結婚させる」という和洋折衷案を出すのでした。

 その夜宴会が開かれます。しゃなりしゃなりと踊るダンサーたち。これが一段落して立ち上がったラティーノ王、高らかに「トロイの民がこの土地に住むことを許可する」アエネーイスは大喜びなのですが、当然ながらトーナはブスーッ。王様に「きっと後悔なされますぞ」と捨て台詞。ちなみにこの措置に賛成なのがポランティ、カミラ女王は反対しております。どうやらカミラ女王、トーナと通じているみたい。宴会が終わってからも諦めきれずにアエネーイスの部屋におしかけるトーナ。「食料も水もやる、金だって持たせてやる。だからこの国から出て行くのだ」当然ながら「ごめんこうむる」とにべもなく断るアエネーイスです。

 トーナ、暗い顔で「コノウラミハラサデオクベキカ」と呟くのでありました。

 さっそく彼はトロイの民に謀略を仕掛けます。猟師チャファードをトロイの村に差し向けて「旦那、旦那、良い鹿の狩場がありますぜ」食料に困っていたトロイの人々はこの誘いにうかうかと乗って鹿狩りに出かけてしまうのです。しかしこのチャファードが教えた鹿狩りの穴場とはエトルリアが保護している聖なる鹿。何者もふれてはならない存在だったのです。トロイ人、あっさりトーナの罠に引っかかっちゃった。


 場面がさっと変わってレンタムでは馬術大会が行われております。対するはポランティとトーナ。途中までは互角だったのですがトーナ、二頭並んで障害を飛び越える際にポランティにキック(笑)。彼を叩き落して障害をクリア。そして弓で紐でつながれている鳥を射落とし優勝。ラビニアから勝利のトロフィーのベルトを授かるのです。ここでやめておけば良かったものを、トーナ、「誰か、この私に挑戦する勇気を持ったものはいないか!」もちろん、アエネーイスが「私が挑戦するぞ」と出てきますね。彼は馬にひらりとまたがると障害を次々とクリア。そして弓を取って矢を放ちます。矢は繋がれている鳥の紐に見事ヒット。断ち切ってしまうのでした。驚く観客達。さらにもう一度矢を放つアエネーイス。また別の鳥の紐を断ち切ります。観客はもう大喝采。

 トーナ、あっさりと勝利のベルトをアエネーイスに奪われてしまいます。その上アエネーイスはトーナの卑怯な手にやられたポランティに「君こそ、このベルトにふさわしい」と惜しげもなく贈ってしまうのです。またまた暗い顔で「コノウラミハラサデオクベキカ」と呟くトーナであります。

 ところがここで大事件発生。二人のトロイ人を拘束したメセンチィオが現れたのです。しかも彼の部下が二人の死体を運んできました。メセンチィオはその死体を王に見せると「王様、平和を求めてやってきたというトロイ人の本当の正体をお知らせします。彼らは我等の聖なる鹿を狩ろうとしていたのです。そして守ろうとしたこの二人を惨殺したのであります」二人のトロイ人は「これは罠だ、待ち伏せされたんだ。戦わなければ我々が皆殺しにされていた」と釈明するのですが、もとより彼らの無実を証明することはできません。さらにトーナ、この機に乗じて「こんなトロイ人を許すな、皆殺しだ」と軍勢を呼び込んでしまいます。

 アエネーイスたちは勇敢に戦うのですが、敵うべくもなし。ラティーナ王やラビニア、ポランティとその臣下たちと城に逃げ込むのがやっとでした。

 アエネーイスとトロイ人たち、そして彼の味方となったポランティはなんとかレンタムの都を脱出、急ぎキャンプに戻ろうとします。しかしこのままでは早晩トーナの軍勢に責め滅ぼされてしまう。いくら滅亡が似合うトロイ人だと言っても(笑)女・子供まで皆殺しにされてはたまりません。ここでポランティアがはい、はいと手を上げます。「先生、先生、僕にいい考えがあります」誰が先生か。アエネーイスは彼を指差して「はい、ポランティ君」「僕がひとっ走り行ってトラスカ人の人たちに助けを求めてきます。トラスカ人はトーナを恨みに思っているのできっと手伝ってくれると思います!」先生じゃなかった、アエネーイスは「うん、頼む、ポランティ君。部下のアーガノンを同行させるからよろしく頼むよ」

 ということでトロイ人たちの運命はポランティとアーガノンにゆだねられることになったのでしたと思ったらアーガノン、トーナの追っ手にあっという間に捕まっちまったよ(大笑い)。

 翌日、トロイ人キャンプにトーナの大軍が迫ります。進み出たトーナ、捕まえたアーガノンをトロイ人に見せて「いいか、お前ら、明日までに荷物をまとめて出て行け。そうすれば命ばかりは助けてやる。しかし、従わないというのならば女子供も含め皆殺しだ。どうだ、分かったか」アーガノンを解放します。そのままキャンプに行かせるのかと思ったら矢が飛んできて彼の背中にぐさーっ。真っ青となるアエネーイス、「これではポランティの命も危ない。こうなったら私自らトラスカ人に助けを求めにいくしかない」彼は急ぎ二人の部下を連れてキャンプを出発するのでしたと思ったら部下の二人あっという間に捕まって殺されちゃいましたけど。なんだかすぐに捕まって殺されてばかりですな(笑)。

 さあ、あっという間に次の日になってトーナ軍、トロイ人キャンプに攻撃開始。弓兵が進み出てラッパの合図で一斉に矢を発射。どすぐさばすびしぼすとキャンプに矢が降り注ぎます。反撃するトロイ人弓兵、しかしこちらは数がいかにも少なく大した効果はなし。おまけにすぐ矢がなくなっちゃった。彼らは女子供を使ってトーナ軍の撃ってきた矢を集めさせるのですが、うわあ、そんなことするから女子供に次々と矢が命中、どんどん死んでいくよう。この惨状見るに忍びなし。早く応援を連れて戻ってきてくれアエネーイス、トロイ人たちは君の帰りを待っているのだと思っていたら・・・。

 なんのためもなくアエネーイスとポランティ、そしてトラスカ人たちの軍勢が登場。うーん、うーん、せめてトラスカ人たちを説得している絵が欲しいよなあ(笑)。いくらなんでもこりゃ中抜きだよなあ。

 アエネーイスはポランティの軍勢に「ポランティ君、君はトーナ軍の注意をひきつけてくれ、その隙に我々はキャンプへ突入する!」おとり作戦です。「はい、先生、分かりました」と元気良く頷くポランティ。だから誰が先生だっての。ポランティ軍は作戦通りトーナ軍に突っ込みます。そして作戦通り彼らを森へ誘導したのです。「チャーンス」アエネーイスとトラスカ軍はキャンプに向かおうとするのですが、ここで現れたのがカミラ軍。「ち、しまった、最悪のタイミングだ」やむなくアエネーイス・トラスカ軍はカミラ軍と戦い始めるのでした。

 こうなるとおとり役となったポランティ軍は哀れなもの。助けとなるはずのアエネーイスたちはカミラ軍と戦うのに精一杯でついに孤立してしまうのです。そこを十重二十重に取り巻かれ一人、また一人と倒れていくのでした。ポランティも良く戦ったのですが、これではどうしようもありません。彼もまたトーナ軍の槍を受けて死んでしまうのでありました。もはやこれまでかと思われたのですがトラスカ軍、なんとか敵の大将であるカミラを倒すことに成功します。これでカミラ軍、大崩れ。雪崩を打って壊乱してしまうのです。この混乱はトーナ軍にも及んでもはや収拾がつかなくなってしまいます。トーナは勝利を目の前にしながらもやむを得ず全軍の退却を命令するのでした。

 戦い済んで日が暮れて両軍の戦死者を弔うトロイ人とトラスカ人。アエネーイスはポランティの遺体を見つめて「良く戦ってくれた。君を我が弟として葬ろう」またトロイ人の女子供も多数殺されてしまいました。アエネーイスはついに決意をします。「これ以上戦いを続けて無益な犠牲者を出すわけにはいかぬ」

 アエネーイスは単身レンタムへ赴き、ラティーノ王にこの戦争が一人の男の野心によって起こされたことを訴えます。もちろん、その男とはトーナのこと。アエネーイスは彼に一騎打ちを申し込むのでした。まあ、トーナもそんな一騎打ちなんかやめておけばいいのですが(笑)いろいろ意地もありますし、映画も盛り上げなくちゃならない。「よーし、明日私の方からトロイ人キャンプに行く、そこで決着をつけよう」と言ってしまうのであります。

 息子ジュリアに手伝って鎧をつけるアエネーイス、ここで現れたのがラビニア。彼女はアエネーイスにひしとすがりつくと「これが軽率な行為であることは分かっています。でも自分を抑えられないの、だってあなたを愛しているから」アエネーイスとラビニア、ぶちゅぶちゅぶちゅちゅちゅーと熱いキスを交わすのです。でもこれが意外とあっさりと流されてすぐさまトーナが現れて決闘が開始されるという・・・(笑)。まずは戦車に乗っての一騎打ち。お互いに槍を投げあうのですが命中しません。ならばということで今度はお互い体当たり。がきーんと音が響いてトーナの戦車の車輪が取れちゃった。

 トーナ、車輪のなくなった戦車を馬に無理やり引っ張らせて逃げようとします。そうはさせじと追いかけるアエネーイス、トーナさらに慌てて馬にムチをくれるのですが、ああ、戦車から転げ落ちてしまった。走って沼地へ逃げ込みます。アエネーイスも戦車から降りて今度は剣での戦い。かきんかきんと響く剣戟の音。あ、トーナがアエネーイスの肩を切り裂いた!苦痛の呻きを上げるアエネーイス、しかし彼は剣を持ちかえると、どす、トーナの腹に突き刺したのであります。ぎゃあと悲鳴を上げたトーナ、川にどぼんと落ちてついに絶命したのでした。

 そしてキャンプに戻るアエネーイス、彼を大歓声で迎えるトロイの人々。もちろんラビニアも大喜びです。ここでナレーション、「トロイの滅亡とローマの建国に関わった稀代の英雄、アエネーイスの物語でありました」最後にローマのコロッセウムが映ってエンドマーク。

 戦いの場面は大迫力で面白いのですが、やっぱりこういう真面目な映画は、僕、もういいや(笑)。

 カラー、スタンダード。モノラル。画質・音質共にちょっと物足りないけれども、画面に青い線が出たり、夜でもないのにジージーなっているよりよほどマシ。『The Giant of Marathon (1962)、『The Last Glory of Troy (1962)のダブルフィーチャー。ピーターパンスタジオのDVD

エロの冒険者 

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      SFシネクラシックス 輸入DVDでみるSF黄金時代(笑)

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