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2006年10月12日 (木)

『La Sfida Dei Giganti』(『Hercules The Avenger』 1965年)

 

本作ではなんとハーキュリース(レグ・パーク)の偽者が登場。ウルトラマンしかり仮面ライダーしかり、偽者の存在はヒーローにつきもの。しかもその偽者が大地の女王ガイアのアンタィウス。こりゃ、私のような好き者にはたまりませんわ。

さて舞台はセレキュアスの都。王様を亡くしてまもない女王リタ。寡婦となった悲しみに浸る間もなく近隣の国から王様やら王子様がわらわら集まってきて「女王様、私と結婚してください」という状況であります。結婚すれば未亡人となった女王、さらにセレキュアスの国が手に入る。こんなケッコウな話があるものかということなのです。集いたるものサジェンスタの王子・ティアクリーズ、ミサナ王・マイミスタス、七つの国を統べるアモルディス、セグニト王・アジャストレイカス、セレヌンテの王子・アクリファナ、アグリジェント王・ジョオランティドの6人。マイミスタスなど白髪のおじいちゃんで、どうも図々しいことであります(笑)。

 この6人は「再婚は王族の勤め」「王不在の国など他の国に滅ぼしてくれというようなものです」などとリタを責め、再婚を迫るのです。「さあ、私たちのうちから一人を選びなさい」弱りきったリタ、神のアドヴァイスを受けるためにアンティクレアの神殿へ向かいます。そして女性僧正アンティクレアより神のアドヴァイスを伝えられるのですが、それは「ハーキュリースに相談しなさい、彼はこの国を脅かす大地の女神の息子をやっつけてくれるでしょう」今ひとつ意味がはっきりしないご宣託ですが、神の言葉なんてえものはこんなもの。リタ、「とにかくハーキュリースに会えばいいのね」とわずかな供回りを連れて彼の家へ出発するのです。

 ちなみに待たされている6人の再婚候補はどうしているのかというと、テーブルの上のご馳走や酒を食べ続けの飲み続け。赤ら顔で豚肉炙り焼きにがぶりと喰らいついては「わはははは、ただ酒、ただ飯、たまりませんなあ」「いつもこうだとこりゃ、泣けてくる、ですなあ」「まったくです、わはははは」そんなこったからリタに嫌われるんだよ。

 そのハーキュリースの家でも大事件が起こっていました。彼の息子、ザンティスが付近の羊飼いを脅かすライオン狩りをしようとして逆にライオンに重傷を負わされてしまったのです。傷は治療できたのですが、ザンティスの意識は回復しません。ただひたすらに苦しみもがいて「パパ、助けて、ライオンだ、ライオンが襲ってくるよ、うわああ」思わず「お前は松島トモ子か」とツッコンだハーキュリースですが、このまま放っておくわけにもいきません。彼もまた神殿に赴いて神のアドヴァイスを乞うのであります。そして女神が現れて言うことにゃ「これは大地の女神ガイアの仕業じゃ、お前の息子の魂はガイアに囚われておる。これを解放しない限りお前の息子は松島トモ子状態のままだぞえ」ハーキュリースはやっぱりそうかと頷いて「それでガイアめはどこにいるのです」「ハーキュリース、船に乗るのじゃ、神の風がそなたを目的の場所まで導くであろう」

 さっそくハーキュリース、船上の人となります。

 しかしハーキュリース、船員に目的地を教えません。「ハーキュリースさん、目的地分からないと私ら困りますよ」と抗議されても「ふふふふ」と笑うばかり。「だから目的地はどこですかって聞いているンです」でもやっぱり「ふふふふ、行けば分かるさ」「猪木ですか、あんたは」これで船員達、ハーキュリースに不信感持っちゃった。これがだんだんエスカレートして、ついに「よっしゃ、反乱起こして逃げちゃおう」ということになったのです。まず水袋を破って「水がなければどうにもならん。近くの島に上陸するしかなくなる。そのときに逃げるのだ」

 どうやって逃げるのかというと、これが上手い具合にハーキュリース、上陸したとたんに砂浜でがーがー寝ちゃう(大笑い)。しめたとばかりに船員達船に戻ってハーキュリースを置き去りにしようとしたのですが、そうは問屋がおろさない。目を覚ましたハーキュリースがいかにも引っ張りなさいといわんばかりに砂浜に投げ出してあった碇の鎖を見つけます。これをエンヤコラと引っ張りますと哀れ船は島に引き戻されてしまったのです。ハーキュリース、逆に船員達を船に残して出発します。

 あー、この辺、『アトランティス征服』(1961年)のフッテージ、そのまま使ってますなあ。

 ここで場面は唐突に洞窟のようなところにいる大地の女神ガイアに移ります。彼女は息子たるアンタィウスを呼びつけると「ハーキュリースはわらわの呪いに囚われたぞ。今こそそなたがハーキュリースの後継者となる時じゃ」と彼を地上に送り出します。地上では王女リタがハーキュリースの家を訪ねて奥さんに「ハーキュリースは息子を助けるための旅にでていて留守です」と言われてがっかり。失意のうちにセレキュアスへ戻ろうとしたのですが、そこに現れたのがアンタィウス。「ハハハハ、我こそはハーキュリスの後継者なり!」リタ、不審げに彼を見つめて「えー、怪しいなあ、本物のハーキュリースはどこなのよ」アンタィウス、また笑って「ハハハハ、あいつはもう自分の力では戻ってこれないところに行っている。女王様、悪いことはいわん、ハーキュリースなど諦めて私を雇いなさい」

 そういうとアンタィウス、自分の力を誇示するために護衛の騎士三人を瞬殺!さらに逃げ出した侍女二人に向かって槍を投げつけます。狙い過たず槍は侍女たちの背中にぐさーっ。「なんということをするのです」と顔色を変えたリタですが、アンタィウスは平然として「何、秘密を守るためでさあ」リタ、ずるそうに笑うアンタィウスに恐怖してついに彼をセレキュアスに同行させることになったのでした。

 一方、本物のハーキュリースは大嵐に翻弄されております。そしてついに難破してしまう船。ハーキュリースは木の板にしがみついてかろうじて謎の島に上陸したのでした。と、現れる怪老人。「ここはお前のくるところではない。そうそうに立ち去るがよい」なんてことを申します。そしてぱっと消えると次に現れたのがトカゲ怪物。これと戦って倒すハーキュリースって、このヘンも『アトランティス征服』(1961年)のフッテージです。この手抜きパート(笑)を終えたハーキュリースは島の地下へ。するとこの洞窟に女神ガイアによって閉じ込められているという女王様と女官がでてきて「これ、ハーキュリースや。わらわを助けてくれるなら、いいことを教えましょう。黄金のりんごの取り方とかそなたの息子の居場所とか」同意するハーキュリース、しかし、これもまた女神ガイアの罠だったのです。

 燃え盛る火の沼、囚われの女王は沼の上に生えている巨大な木の根っこを指差して「あの木に黄金のリンゴがなっています。登ってお取りなさい」ハーキュリース、何の疑いもなく木の根っこに取り付きます。それを見ながら囚われの女王様、女官とひそひそ。「途中で間違いなくおっこっちゃうわよね。そうしたらガイアが私たちを解放してくれるわよね」そのひそひそ話の通り、木を伝って進むハーキュリースの頭上で雷鳴が鳴り響きます。「うわあ、こらたまらん」おまけに頭上から火の玉まで降ってきた。ハーキュリース、慌てて戻ろうとします。囚われの女王たちは彼が今落ちるか、今落ちるかと期待に目を輝かせているという・・・(笑)。しかしハーキュリース、その期待に反してなんとか戻ってきた。がっかりする女王様であります。

 雷に追われて命からがら大木から降りてきたハーキュリーズ、でっかい岩を見つけますとそれにロープをくくりつけます。そしてそのロープを掴んでぶうん、ぶうんと岩を振り回してぶん投げた!岩はびゅーんと飛んでいって見事黄金のリンゴを叩き落したのであります。「あらら」と驚く囚われの女王。思わず「これじゃ大地の女神、ガイアに怒られちゃうわ」と自分でバラしちゃった。ハーキュリース、目を吊り上げて「ナニー、お前は俺を罠にかけようとしていたのか。ふてぇアマだ。たたき殺してやる!」なんとも乱暴なことです。囚われの女王、びっくりして「ひーっ、火の谷を渡る方法を教えるから許して頂戴」

 場面変わってセレキュアス。宮殿では王子・王様たちがまーだテーブルの上のご馳走や酒を食べ続けの飲み続け。赤ら顔で鳥の腿焼きにがぶりと喰らいついては「わはははは、ただ酒、ただ飯、たまりませんなあ」「いつもこうだとこりゃ、泣けてくる、ですなあ」「まったくです、わはははは」口の周りとか手とか脂でべったべた。本当にしょうがない奴らですなあ。

 ここに戻ってきたのがアンタィウスを伴ったリタ。彼女はいきなり「私はあなた方の誰とも結婚しません。とっととこの国を出て行ってください」当然ながら「なんてことを」といきり立つ結婚候補たちですが、アンタィウスに投げられたり、殴られたり、蹴られたりしてほうほうの態で退散するのです。アンタィウスはがははと笑って「我こそはゼウスの息子、ハーキュリースなり。文句のある奴はかかってこい!」リタは彼を自分の部屋に連れていくと1,000タラントの金貨を褒美として渡そうとするのですが、アンタィウス、にやりと笑って「そんなはした金などいらん」「では何が欲しいのです」「お前の持っているものすべてさ」アンタィウスはリタをベッドの上に押し倒すと「手始めにお前の体から頂こうか」「ひーっ」はい、こういうことになってしまいましたとさ。

 さて、火の沼にやってきたハーキュリースさん、沼の上に張られたロープを使って渡ります。こんなロープどうやって張ったんだと思いますがその辺一切説明なし。囚われの女王が火の沼を渡る方法を教えるからといってましたけれども、これもまったく関係なし。ま、いいか。首尾よく向こう岸についたハーキュリース、すると周囲にあった岩の棺桶がぎぎぎと開いたり土の中からもんぐり出てきたり、わあ、ミイラ人間だ。あっ、空を飛んでいるぞ(大笑い)。ハーキュリース、こいつらに取り囲まれて大ピーンチとなるのですが、なんとかミイラを振り切ると力任せに岩をどんどん投げつけてやっつけちゃったのです。

 次にハーキュリースを阻んだのは火の谷。火ばっかりでどうもワンパターンでございます(笑)。またロープでも使うのかと思いきやハーキュリース、両腕を天空に向かって差し伸べると「おお、我が父ゼウスよ、我を助けたまえ」と祈ります。するとぱっと火が消えて通れるようになるという・・・。神様というのは便利なものでございますな。この後洞窟の中で磔状態になっている息子ザルファスの魂を見つけて解放しようとしたのですが、なんということでしょう、洞窟に立ち込めるガスにやられて失神してしまったのです。

 さて、またセレキュアスに戻ってすっかりリタの夫、王様気取りの偽ハーキュリース、アンタィウス。市長さんが「今年はどうも不作でございまして、都は不景気でございます。だから税金これくらいしか取れませんでした。いつもなら有名な芸人さんを呼ぶところですが、今年はお金がないので松村邦弘さんになってしまいました。ではどうぞ、松村邦弘さんですっていったら松村さん怒っちゃったんです。そんな訳で勘弁して下さい」ああ、また分かりづらいクスグリを(笑)。アンタィウス、カッとなりまして「バカヤロー、金がないで済ませられるか。ええ、金がないなら、もっともっと税金搾り取れ、文句を言う奴はぶっ殺してかまわん!」あまりのヒドイやり方に憤慨して襲ってきた兵士を返り討ちにしたり、市長さんを牢屋へ叩き込んだり、逆に収監されていた凶悪犯どもを釈放して自分の親衛隊にしたり、セレキュアス中の女を集めて喜び組こしらえたりと絵に書いたような暴君ぶり。

 この暴虐ぶりに耐え切れなくなった市民達が暴動を起こすのですがたやすく鎮圧されてしまって苦しみの谷に放り込まれる始末。さらにこの暴動のきっかけになったとして、神殿の女性僧正アンティクレアを殺害してしまうのです。さすがにリタ、「こりゃ、ヤバイわ」と思ったものの、もはやアンタィウスを止めることはできなくなっていたのでした。アンタィウスはそのリタに向かって初めて自分の正体を明かします。「我こそは大地の女神ガイアの息子なり」リタはあっと息を呑んで「ご宣託のこの国を脅かす大地の女神の息子とはこいつのことだったのね」とようやく気がつくのですが、時すでに遅し。

 ハーキュリース、失神から目覚めます。あれ、このガスってガイアの罠じゃなかったの?いいえ、罠じゃなかったんです。ただの自然現象だったんです。罠どころかこの先ガイアは台詞だけしか出てこないんです(大爆笑)。彼はぱっと立ち上がると息子の魂を解放。同時にハーキュリースの家でザルファスが正気に戻るのでした。さて、これでハーキュリースの冒険も終わり。彼は意気揚々と帰還するのですが・・・。セレキュアスでハーキュリースが暴虐の限りを尽くしているという話が伝わってきたのですな。「俺の偽者だと、許せぬ」ハーキュリースは神殿へ行って神様にお伺いを立てます。すると帰ってきた返事が「それは大地の女神ガイアの企みなり。偽のハーキュリースとは彼の息子アンタィウスである。火山を爆発させてセレキュアスを滅ぼせ、アンタィウスも殺してしまえ」神の言葉とは思えぬ物騒さですな(笑)。

そう言えばあの黄金のリンゴとやらも何の役にたったのやら。

 はいと頷いたハーキュリース、さっそく馬を飛ばしてセレキュアス近くの火山へ。崖をよじ登って火口にたどり着くと周囲に転がっている岩をぼんぼん投げ込み始めたのです。呆れてみているうちにごごごと火山が唸りだして爆発してしまうと(笑)。この爆発でセレキュアスはもー大変。地震が起こるわ、火山弾はがんがん飛んでくるわ、溶岩が流れてくるわであっという間に壊滅状態。だいたい、悪かったのはリタとアンタィウス、その周辺の人間たちだけで、ましてや民間人など何の罪も犯していないのです。それを十把ひとからげに滅ぼしてしまうのはいくらなんでもヒドすぎる!おまけにアンタィウス、「母よ、我を救いたまえ」と祈ると宮殿の床が割れてあっさり地下に逃げちゃうし。

 さあ、アンタィウス、地下を逃げます。いつもより余計に逃げています。同じ場所を繰り返し繰り返し延々と逃げております(大笑い)。その同じところを延々と逃げているアンタィウスの前に立ちふさがったのが我らがハーキュリース。「いつまでもお前の好き勝手にはさせん、正義は必ず勝つ!」はい、取っ組み合いです。この時大地の女神、ガイアが息子にアドヴァイス。「息子よ、大地より離れてはならぬ。大地に接している限りお前は不死身じゃ」その通り、ハーキュリースにやられても大地に倒れるだけで完全復活するアンタィウスです。ハーキュリース、ようやくこのことに気がついて彼を持ち上げると、絞め殺してしまったのでした。

 ようやく映画の終わり。ハーキュリースは自宅で家族と団欒の時を過ごしております。そして、妻と熱烈なキス。ぶちゅぶちゅぶちゅちゅちゅー。おしまい。

偽ハーキュリースに税金搾り取られたり女を攫われたりした挙句、溶岩で焼き殺されてしまうセレキュアス市民の皆さんがもう可哀想で可哀想でなりません。ちょっとこれは洒落にならないと思います(笑)。

カラー、シネスコ。モノラル音声。画質・音質も上等、上等。いままでの「剣とサンダル映画」一番のクオリティじゃないかしらん。『Hercules And The Black Pirates 』 1964年とのダブルフィーチャー。イメージ・エンタティメントのDVD

エロの冒険者 

       HOMEPAGE http://homepage3.nifty.com/housei/

      SFシネクラシックス 輸入DVDでみるSF黄金時代(笑)

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