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2006年10月29日 (日)

『Million Dollar Kid』(1944年)

 

イーストサイドキッズ映画の4本目。今日も今日とてニューヨークの街でたむろっているイーストサイドキッズ。この映画では不良少年団イーストサイドキッズ唯一のマトモな少年であったダニー(ボビー・ジョーダン)が出演しておりません。その分マグスたちの不良少年ぶりは影を潜めお金持ちの紳士を助けてギャングと戦う正義のヒーローとなっております。

いつもの通り、イーストサイドキッズ、マグス(レオ・ゴーセィ)を中心に大騒ぎ。彼らの部屋で「この地域の治安は俺たちが守るのだ!」と張り切っております。そこに遅れて登場したのがグリンピー(ハンツ・ホール)、彼は従兄弟のハービィ(アル・ストーン)なる少年を連れてきていて「マグス、こいつ、俺たちのクラブに入りたいって言っているんだけど」マグスは少年というにはちょっと老けているハービィの顔をしげしげ眺めて「お前、いくつ」「14っす」「いや、お前いくつ」「だから14歳ですって」マグス、にやっとして「合わせて28歳、ほんとの年に近づいたな」とギャグのジャブ。あまり面白くはありませんけれども(笑)。

 このハービィの入会がイーストサイドキッズの投票によって認められます。大喜びのハービィ、マグスの肩を叩いて「マグス、よろしく頼むよ」マグスは彼を張り飛ばすと「俺のことはミスタープレジデントって呼ぶの!」

 キッズたちは街へ出ます。そこにいかにも金持ちそうな紳士あり。名前をジョン・コートランド(ハーバート・ヘイズ)といいまして乗っていた車が故障してしまったのです。運転手が修理している間にあたりをそぞろ歩きと洒落込んだのですが、たちまちギャングに目をつけられて「やい、じじい、顔をかしな」あっという間に暗がりに連れ込まれてぼっこぼこ(笑)。画質が悪くって真っ黒だから本当に暗がりなんだ。この時、ギャングの一人がコートマンの顔をみるなり「はっ」と驚いて仲間を止めにかかるのですが、無視されてしまいます。この人が誰なのかはまた後からのお楽しみ。

 この暴挙に気がついたイーストサイドキッズ、「俺たちの街で強盗やられてたまるもんか」ギャングたちに襲い掛かって見事撃退。このヘンも画質が悪くって画面が真っ黒ですから何が何やら分かりません、台詞で類推しております。助けられたコートランド氏は大感激。マグスたちに名刺を渡して「明日、尋ねてきなさい。お礼をしよう」ということになります。やった俺たち良いことしたなあと悦にいるイーストサイドキッズでしたが、グリンピーとハービィがコートランド氏のものと思われる財布を見つけて「おい、大金だぞ!」「うわ、手の切れそうな札束が!」マグスはさすがにリーダーですから、「おい、そりゃ、コートランドさんのだよ、明日返しに行こう」「ええ、そんな殺生な」こうやって騒いでいるうちにおまわりさんに見つかって「ややっ、お前ら、そんな大金を、そうかとうとう強盗に手を染めたのだな」と思いっきり誤解されてしまいます。そのまま留置場へ直行。

相変わらずおまわりさんとの折り合いが悪いようで。

 しかし翌朝、警察署長のマシュー警部(ノア・ビーリィ)がマグスたちがもっていたコートランド氏の名刺で連絡を取って無罪放免。ブーブーいいながら釈放されるキッズ。コートランド氏は彼らに後から自宅まで来るように誘います。そこで素晴らしいお礼をするというのでした。キッズたちは「お礼ってお金かな、そしたらクラブの部屋にトレーニング機器を揃えられるぞ」とわくわく。一人マグスだけが「そんな金持ちからお礼を貰うなんて」と気が進まないのですが、またメンバー全員で投票。結局コートランド氏のお屋敷にいくことになります。

 どやどやと屋敷に押しかけて呼び鈴をならすキッズたち。出てきた執事(ロバート・クレイグ)が彼らの人相風体を見て「君たち、ここは玄関だ、君たちは下の勝手口から入りなさい」と言われちゃった(笑)。これを聞いたコートランド氏はかんかんになって「彼らは私の友達なのだ。友達を勝手口から入れる奴があるか」彼はキッズを迎えいれてさっそく「お礼」を見せるのでした。それは立派な設備が整ったトレーニングジム。さすがニューヨークの金持ちともなると豪勢なものですなあ。仰天するキッズに「これはわしの長男が使っていた施設だけど、彼は今家を離れている。次男ははなっから興味がなくって今は誰も使っていないのだ。君たち、良かったらここを自由に使ってくれたまえ」執事、これがどうも面白くないらしく仏頂面をしております。これに気がついたコートランド氏、またカッとなって「もうお前、首ね」。

 コートマン氏はさらに自分の娘ルイス(ルイス・カリー)、先ほどちらっと話しに出てきた次男のロイ(ジョニー・ダンカン)を紹介します。ルイスは笑みを見せながらも「パパ、今夜パーティがあるのに執事を首にするなんて、彼、メイドやコックたちを連れて出ていっちゃったわよ」とぶつぶつ(笑)。ロイはロイで何やらくらーい顔をしております。おまけに手首には包帯、これを見たマグス、「そういやギャングの一人が手に怪我をしていたぞ、まさか・・・」実はこのロイ、兄のジョンが出征して以来ちょっとおかしくなっていたのです。コートランド氏やルイスはその寂しさからなんとか立ち直ったのですが、彼はグレてしまって(笑)いつの間にかギャングの仲間になっていたのでした。

 幸せそうな一家と思ったらいろいろとあるものですな。

 いろいろあると思ったらルイスが連れてきた恋人の軍人アンドレイ中尉(スタンレィ・ブラウン)も怪しい、怪しい。メイドやコックの代わりとしてマグスとグリンピーはそれぞれの母親を連れてきます。彼女達がルイスと一緒に台所でパーティの準備をしている間、アンドレイ中尉はこっそりと電話をかけます。それが「あ、ダーリン、僕だ」というもの。ぴんときたマグスとグリンピーはこの電話を立ち聞きするのでした。「うん、ジグザグクラブだ、今からそっちへ行くから、待ってて」その言葉通りタクシーを呼んだアンドレイ、ルイスに「ちょっと用があるので出かけてくるよ。パーティには間に合うよう戻ってくるから。その時、婚約のことをね、うふふふ」何がうふふだと思いますが、とにかくアンドレイ、タクシーで出かけます。そのタクシーの後部にしがみついたマグスとグリンピー、ムチャをしますなー(笑)。

 さあて、ジグザグクラブでアンドレイを待っていたのは予想通りの若い女。しかも悪そうです。その女ナディアは軍服姿でタクシーから降りてきたアンドレイに「ちょっとアンタ、なんてカッコしてんのよ」アンドレイは今の今までいやらしいフランス訛りの英語を喋っていたのが急に砕けて「へ、衣装屋で買ったのさ、今度の仕掛けに必要だったからな」ああ、なんということでしょう、このアンドレイ中尉、実は結婚詐欺師だったのです。

さて一方他のイーストサイドキッズのメンバーたち、街を歩いていたところ偶然にギャングのラスティとビリヤードをやっているロイを見つけるのです。「なんであんないいところのお坊ちゃんがあんな奴と」「ははあ、ひょっとしたらマグスが正しかったのかも」彼らは急いでマグスとグリンピーにロイのことを話します。マグスとグリンピー、ロイスにアンドレイの正体を説明して、あっさりと「馬鹿なこと言わないで、それにあんたたち、私のプライバシー侵害よ」と怒られたばかり(笑)。「ロイもか、またやっかいごとが増えたな」と顔をしかめるマグスであります。

 さて、コートマン家ではパーティが始まりました。ロイス、アンドレイをエスコートしてお客様に紹介して回っています。このまま、ロイスはアンドレイに誑かされてしまうのでしょうか。一気に「アレー」とヤラれちゃうのでしょうか、「田舎の親が病気で困っているんだ、このままだと結婚式まで持たないかもしれない。すぐに返すから治療費で100万円ほど貸してくれない」ってお金を騙し取られてしまうのでしょうか。っていうか、なんでドルじゃなくって円なんだ(笑)。しかし、そうは問屋が卸しません、マグスさんここにあり!彼は密かにあのアンドレイの恋人、ナディアをコートマン家に連れてきていたのです。彼女を見たアンドレイは飲んでいたシャンパンを「ぷーっ」派手に噴出します。ロイスは突然の女の出現に眉を逆立てて「何なの、説明してくださらない、アンドレイ中尉!」ナディアも負けじと「中尉?この人が中尉ならあたしはWAC(陸軍婦人部隊)よ!」ロイス、ようやくマグスのいっていたことが本当だと分かって「ンマー、あんたたち、さっさと出て行って頂戴」二人を追い出したのでした。ロイス、マグスに「ありがとう、あたし、あなたたちがいなければコロリと騙されていたわ」

 これでようやく厄介ごとの一つが片付いた訳です。

 さあ、後はロイを更生させるだけと思いきや、電報が届きました。その電報を読んでさっと顔色を変えるコートマン氏であります。そう、皆さん、もうお分かりでしょう。この電報はジョンの戦死を知らせるものだったのです。可哀想に大ショックを受けたコートマン氏は寝込んでしまいます。ロイスは気丈にもその父親を世話するのですが彼女自身の胸も悲しみに張り裂けそう。しかしジョンの死をたった一人知らないロイはパーティを抜け出すとラスティたちが屯すビリヤード場に行ってしまうのでした。そしてラスティに仲間から抜けさせてくれと頼むのです。ロイに自首でもされたらえらいことになりますから簡単に抜けさせてくれるはずもなし。「バカヤロー、お前は未来永劫仲間なんだよ」ここで飛び込んできたのが後をつけてきたイーストサイドキッズの面々。ラスティたちと散々に殴り合い、ロイを逃がします。しかしこの時、イーストサイドキッズのメンバー、スキニー(ウィリアム・ビリー・べネデクト)がラスティに捕まって監禁されてしまったのです。

 さてコートマン家に戻ってきたロイとイーストサイドキッズ(スキニー除く)、ロイはスネております(笑)。「僕が何をしようがあんたたちには関係ないだろ!」「バカヤロー」怒鳴りつけるマグスです。「お前、へたしたら刑務所行きになるんだぞ」「平気さ、どうせパパが助けてくれるから」「けっ、金持ちお坊ちゃんはいいよな」全然悔い改めないロイに対してマグスはボクシングのグローブを投げつけ「よし、拳で分からせてやる、ボクシングで勝負だ」かなり強引ですが、何しろイーストサイドキッズの映画ですからな、いいのです。これからロイとマグスが殴り合い。「ええい、コノヤロ、バカヤロ、デクノボー」もちろん、勝つのはマグスに決まってます(笑)。彼はどうと倒れたロイに「お前の兄さんは戦死した。お前がこの家の唯一の息子なんだ。だからしっかりしろ」とお説教。これでロイも改心して物音を聞きつけて起きだしてきたコートマン氏と「ああ、パパ、僕が悪かった」「おお、息子よ」と抱き合うのです。これでめでたし、めでたしと思いきや・・・、ああ、スキニーのことを忘れていたぁ。

 タイミングよく顔をだしたロイスが「ロイ、あなたにへんな電話よ。ラスティって人からスキニーのことだって」なるほど、ラスティはとっ捕まえたスキニーをネタにロイの更生をやめさせようとしていたのです。当然ながらそんな悪巧みが上手く行くはずがなく、ロイから聞き出したアジトにイーストサイドキッズが突入して見事スキニーを救出、ラスティらギャングも逮捕されたのでした。これで本当のめでたし、エンドマーク。

ニューヨークの一等地に豪邸を構えるお金持ち、でもその長男は戦死、次男はグレて、おまけに娘は結婚詐欺師にひっかかる。ダークだよなあ、リアルすぎるよなあ、やっぱりコメディじゃないよなあ。

モノクロ・スタンダード この作品も画質は極悪。暗いところは本当に真っ黒(笑)。音はすれども姿はみえず状態です。音声はこれまでの作品で最悪。大きくびーっというノイズが入って台詞をかき消してしまいます。Comedy Classics 50 Movies 12枚のDVD50本のコメディが収録されたボックスセット。Digital 1 StopDVD

エロの冒険者 

       HOMEPAGE http://homepage3.nifty.com/housei/

      SFシネクラシックス 輸入DVDでみるSF黄金時代(笑)

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