« 『回転』(『The Innocents』 1961年) | トップページ | 『Million Dollar Kid』(1944年) »

2006年10月29日 (日)

『Mr. Wise Guy』(1942年)

 

イーストサイドキッズ映画の3本目であります。今日も今日とてニューヨークの街でたむろっているイーストサイドキッズ。ダニーの兄さんが無実の罪で逮捕、これで刑務所へというのならまだしもなんと死刑にされちゃいそうになるというシリアスな物語。だからこれはコメディじゃないっての。

さて冒頭からマネキン女性を相手に自己紹介をしているマグスたちイーストサイドキッズ。マグス(レオ・ゴーセィ)はマネキン女性の腕を取って「お嬢さん おいらはマグス、イーストサイドキッズの頼もしくてハンサムで頭が良くって腕っ節も強いリーダー」彼はダニー(ボビー・ジョーダン)をぴゅっと引っ張ると「こいつはダニー、おいらの左腕」続いてグリンピー(ハンツ・ホール)を指差して「こいつはグリンピー、右腕さ」ついでにピーウィー(デヴィッド・ゴーセィ レオ・ゴーセィの実弟)に「こいつはピーウィー、おいらのイエスマン」はい上手くオチがついたところで「バカヤロー、五月蝿いんだよ、お前ら出て行けっての」と洋服屋のご主人に怒られてしまいましたとさ。

 追い出されたイーストサイドキッズが歩いておりますとすぐ近くのパン屋さんのショーウィンドーががちゃーん。割れてしまいます。パン屋の主人が転んだ拍子に割ってしまったのですがマグス、「まずい、俺たちがやったと思われるぞ」みんな逃げ出すのでした。そこを運悪くパトロール中のおまわりさんに見つかってあっさりとっ捕まってしまうイーストサイドキッズ。パン屋の主人が「いや、ガラスは俺が割っちゃったんだよ、そいつらのせいじゃないよ」と証言してくれたので逮捕は免れたのですが、このオープニングでイーストサイドキッズは大変な不良少年団、おまわりさんと折り合いが悪く、たとえ何も悪さをしていなくってもおまわりさんの姿を見ると反射的に逃げ出すということが分かります(笑)。

 ここで新たな登場人物、ダニーのお兄さん、ビル(ダグラス・フォーリィ)であります。彼はダニーと二人っきりの兄弟でしかももうすぐ陸軍に召集される身の上。彼はダニーのことを大変心配しております。彼自身もダニーくらいの年頃は不良で感化院に入れられていたこともあって、ダニーが自分の二の舞になるのではと思っていたのです。そんな兄の心を知ってか知らずか、イーストサイドなんたらという悪い仲間とつるんでいるダニー(笑)ということですね。

 ダニー・マグスとイーストサイドキッズはビルが働いている店にやってきて彼の陸軍入隊が決まったことを知ります。「おめでとう、兄さん」「ありがとう弟よ」なんていっているうちに警報が鳴り響いた。この警報、マンハッタンの側にある島の刑務所(ルーズベルト島でしょうか)から囚人が脱走したという知らせなのです。こんな騒ぎに目のないイーストサイドキッズの面々、「それ見に行こうぜ」と桟橋に駆けつけたのですが、何も見えません。退屈したキッズ、留めてあるトラックで人待ち顔のおっさん、ダフィをからかい始めるのでした。

 「おっさん、ひょっとしたらあんたが脱走犯じゃないの」「馬鹿、違うよ」「いやー、怪しいなあ」こんな問答をやっているうちに来た来た、キッズの天敵おまわりさんが(笑)。奇妙なことにダフィも怯えだし、こっそり隠れてしまいます。キッズはばらばらとトラックに乗り込んで働いているふり。マグス、おまわりさんに免許証を見せて「いやー、俺らだってやるときゃやるんスよ」と上手くごまかすのでした。これが後で大変なことになろうとは夢にも思わずに。おまわりさんが行ってしまった後、「きししし、上手く行きましたよ」「むひひひ、おまわりさん、馬鹿だねー」と喜ぶキッズであります。

 その時またヘンなおっさんが現れた。彼は大きな樽をえっちらおっちら運んでおります。彼は樽の蓋をそっと持ち上げて「おい、ルーク、大丈夫か、ダフィがトラックで待っているぞ。もう少しの我慢だ」そう彼は脱走してきたルークを樽の中に隠していたのです。あのダフィも仲間で本来ならトラックでルークごと樽を運ぶことになっていたのでした。しかし、そのダフィが警官に怯えて逃げてしまっています。途方にくれた男を助けたのはイーストサイドキッズ。「おっさん、樽重そうだね、俺たちが手伝ってやろう」みんなで抱えて樽をトラックの荷台に放り込みます。「小僧達、ありがとよ」男がぱっと投げてよこしたのは5セント玉。マグス、カッとなって「おい、いくらなんでも5セントはないだろう」と叫ぶのですが後の祭り。トラックは走り去ってしまいます。

 画面に現れる新聞記事。「警察、ルーク捜索を諦める。溺死したものと認む」という見出しが躍っております。ここでこの見出しの左下にご注目。「キッズ、トラック盗難で有罪となる!」へ?どういうことですか。キッズ、まだトラック盗んでいないですけど。ひょっとしたらこれ、未来の予言?と思っていたら本当にキッズ、トラック盗難の咎で逮捕されちゃった(笑)。あのトラックは脱走幇助に使うためにダフィが盗んできていたものだったのです。キッズがこのトラックに乗っていてあまつさえおまわりさんにマグスが免許証まで見せちゃってる。無実の罪なのですが、これじゃ言い逃れのしようがない。あっという間にキッズ、まとめて有罪となってウィルトン感化院に送られちゃいました。

 ここで改めてさっきの新聞の見出しが大写しとなります。「キッズ、トラック盗難で有罪となる!」、一面にいろいろ見出しつけて使いまわしているわけですな(大笑い)。

 仰天したビル、さっそくウィルトン感化院に向かいます。勝手知ったるなんとかで受付に行きアン・ミッチェル嬢(ジョアン・バークレー)にダニーとの面談を申し込みます。そして労働選択のための面接を受けているイーストサイドキッズのところへ行くのですが、この面接官ジェド・ミラー(ディック・ライアン)はビルが入れられていた頃からいる古株でしかもめっぽうな乱暴もの。ダニーにちょっと口答えされたのでカーッ。げしーんと彼を張り飛ばしてしまいます。これで怒ったビルが飛び掛り大騒動に。この騒ぎで出てきたのが感化院主任のジム・バーンズ(ジャック・ムーハル)。彼はジェドを叱り飛ばしてビルに「すまなかった。もうこんなことがないようにするよ」さらに彼はアンにビルに今の感化院を案内するように頼んだのでした。これでたちまち機嫌を直すビル。弟のことは放っておいて美人事務員と見学です。あまつさえ、今日のディナーを誘ったりしております(笑)。

 さて、ここで一旦我々の眼はウィルトン感化院を離れてビルとアンのデートの場面に入っていくのです。楽しい食事が終わって彼女を車で送るビル。「楽しかったわ、またさそってね」「うんお休み」などと会話を交わしてお別れ。ビルは車を留めたままタバコに火をつけて「次あたりあのアマ、ひーひー言わせたろうか」と考えております。しかしこの時あの脱走犯ルークとその仲間たちが現れた。彼らは警察の捜査が打ち切りになったのをいいことに強盗仕事を再開しようとしていたのです。彼らはピストルを構えて店(画質が悪すぎて何の店か良く分かりません)に突入、店主に「やい、金をだせ」でも「いやだ、金は出さん」と言われてしまったので思わずピストル発射。店主を射殺してしまったのです。

 逃走を図った一味が目をつけたのがビルの車。彼らは無理やり乗り込んでビルにピストルを突きつけると「やい、死にたくなかったら猛スピードで飛ばすのだ!」

 ここからビルと彼の車に乗り込んだルークたち、そしてパトカーのカーチェイスとなります。やっぱり画質が物凄く悪くてしかも夜の場面だから何が起こっているのか全然分かりません(笑)。とにかくパトカーに追われたビル、運転を誤って街頭にごつーん。悪党どもは彼一人を残して逃げてしまいました。そしてあろうことかビル、強盗犯の一味と間違われて逮捕されてしまったのであります。「そんな今から陸軍に入ろうとしている人がこんな強盗なんかする筈じゃいじゃありませんか」というアンの取り成しも相手にされません。

 感化院で一生懸命働いていたダニー。この事件を新聞で知って大ショック。

さあ、ビルの裁判が始まった。何故か明るい音楽が鳴るうちに(笑)あれよあれよとビルは有罪、そして死刑を宣告されてしまうのです。死刑執行日は717日。ダニーはこの新聞記事の切抜きを壁に貼って「ああ、あと4日しかないよ」と泣きべそをかいております。そんな彼をからかうのがチャーリー(ガブリエル・デル)とチャーキィ(ボブ・ストーンのコンビ。聞こえよがしに「絞首刑かな、うふふ、それとも電気椅子?」これでマグスが怒った。「テメーら、何言ってやがる」靴を投げつけます。ところが二人がひょいと頭を下げたもので靴は彼らの上を跳び越して丁度入ってきたミラーに命中。マグス、その靴で散々に殴られてしまうのでした。

 このチャーリー、実はルークの甥であったという、偶然にもほどがあるというか(笑)、それとも叔父・甥が揃って刑務所と感化院のご厄介になるとはとんだロクデナシだと呆れるべきなのか、ちょっと判断に迷いますねー。

 この後もチャーリーとマグス、いがみ合って喧嘩ばかりしております。そんな中、ドラッグストア強盗を成功させ、ああ、ここでやっと分かった、彼らが押し入ったのはドラッグストアだったのですな、しかもその罪をとっぽいお兄ちゃんに押し付けることができたとほくほくしているルーク、バトラー、ダフィーの三人組。ルークの情婦ドロシー(アン・ドーラン)も加わって四人組となり次なる悪巧みに勤しんでおります。

そんな中、ラジオのニュースから聞こえてきたのがレガッタ競技トトカルチョの結果。これを聞いたルーク、「あ、俺、当てちゃったよ、払い戻し5,000ドルだよ、わーい、わーい」しかしここで問題が。ルークは刑務所から脱走して溺れ死んだと思われている男です。そんな男が金を取りに来たらあっという間に捕まってしまう。ルークは悩んだあげく、バトラーに「おい、お前、俺の代わりに金とってきてくれよ」しかしバトラー慌てて「俺もサツに顔割れているから駄目っす」結局ダフィが行くことになりました。彼が出て行った後、ルークに囁くドロシー。「あいつ、そんなに信用できるの。金持ち逃げしないようにあたいが見張っておこうか」「おー、そりゃいい、頼むよ、ドロシー」彼女もダフィの後を追って出て行きます。ここでバトラーが言うことにゃ「ボス、あの女は大丈夫なんですかい」ってきりがないやん(笑)。

 感化院ではリクレーションの映画大会が開かれております。といっても娯楽映画ではなくってニュース映画なのですが。いきなり「我が軍の偵察機、ジャップの警戒網をかいくぐり無事帰還!」というニュースが流れるのでびっくりします。そうだ、太平洋戦争まっさかりだったんだ(笑)。そして次のニュースがレガッタ大会。レースの結果とともに大金を受け取るダフィとドロシーの姿が映ります。マグス、はっとなって「あいつ、トラックの男だ」ダニーも「あ、あいつ、ビルの車から見つかったタバコと同じ奴を吸っているぞ」さらに、チャーリーからルークが叔父だったという衝撃の告白(笑)、そしてもひとつおまけに「あれは叔父の部下のダフィと情婦のドロシーだ。ドロシーの住所だって分かるぞ」こういうのを怒涛の展開と申します。

 マグスたちはあのダフィが桟橋で盗んだトラックで待っていたのはルークの脱走を助けるために違いない、そして多分、ビルに罪を着せたのは彼とルークなのだという結論に達します。そして「脱走してドロシーのアパートへ行こう。そしてルークの居場所を突き止めるのだ」そのままわらわらと塀を乗り越えて脱走。首尾よくドロシーのアパートメントに忍び込み彼女の帰りを待ったのです。

 一方、金を取って車で戻ってきたドロシーとダフィ。この辺、ニュース映画と現実との時間差がほとんどないという・・・(笑)。ドロシー、車の中でダフィに嫣然と流し目をくれて「まさか、このままルークのところへ戻るなんていわないわよね。大金と美女と」ドロシーはにやりとして「なぜか飛行機のチケットまであるのに」要するに二人で逃げようと言うこと。悪い女ですなー。ダフィはそれでも躊躇ってむごむご言っているのですがドロシー、強引にキス、ぶちゅぶちゅぶちゅちゅちゅー。ついに持ち逃げに同意させてしまったのです。

 「じゃ、荷物とってくるわ」と自室へ入るドロシーですが、はい、待ち構えていたイーストサイドキッズに捕まってしまいました。ドロシーの帰りが遅いので様子を見に来たダフィも同じくあっさり御用。マグスは感化院のバーンズ主任に電話で「悪い奴ら捕まえたっす。このアパートメントに警察呼んでください」そして「ドロシーとダフィが帰ってこねえ、持ち逃げしやがったのか」とやってきたルーク、バトラーと駆けつけてきた警官隊が鉢合わせとなって全員まとめてお縄になってしまったのでした。

 この知らせが刑務所に届き神父さんとのお祈りを終えて今まさに処刑されんとスのビルが命びろい。ラストは出征していくビルをイーストサイドキッズといまや彼と将来を誓い合う仲となったアンが見送るという大団円であります。おしまい。

面白かったけど、やっぱりこれじゃ笑えないよ。

 モノクロ・スタンダード この作品も画質は最悪。暗いところは本当に真っ黒(笑)。音はすれども姿はみえず状態です。音声もノイズが多く耳が痛くなりました。Comedy Classics 50 Movies 12枚のDVD50本のコメディが収録されたボックスセット。Digital 1 StopDVD

エロの冒険者 

       HOMEPAGE http://homepage3.nifty.com/housei/

      SFシネクラシックス 輸入DVDでみるSF黄金時代(笑)

|

« 『回転』(『The Innocents』 1961年) | トップページ | 『Million Dollar Kid』(1944年) »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 『Mr. Wise Guy』(1942年):

« 『回転』(『The Innocents』 1961年) | トップページ | 『Million Dollar Kid』(1944年) »