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2006年10月29日 (日)

『Pride of the Bowery』(1940年)

 

イーストサイドキッズという少年グループが活躍するドラマ。基本的にこのイーストサイドキッズというのは不良少年の集まりで(笑)ダニーというキャラクターを除いてみんな柄が悪いんです。リーダー格のマグスにいたってはなんというか、不良のミッキー・ルーニーみたい。

マグス(レオ・ゴーセィ)は駆け出しのボクサー、でも彼は練習場が狭いだの、空気が悪いだの、もっと美味いものを食わせろと不平たらたら。ついに練習をやめるのだ!と宣言します。友人でトレーナーのダニー(ボビー・ジョーダン)はふと道行くCivilian Conservation Corps campのトラックを見てニヤー。「じゃ、マグス、トレーニングキャンプに申し込もうよ。そしたら空気の良い山の中で練習できるぜ!」その言葉に一も二もなく乗ったマグス、ダニーやイーストサイドキッズの面々と一緒に申し込み。

 このCivilian Conservation Corps campというのはもちろん、トレーニングキャンプではありません。森林を保護する市民団体であります。そうとも知らぬマグスはキャンプ場に向かうトラックの上で「いやー、どんなところかなー、わくわくするなあ、楽しみだなあ」などと能天気に浮かれております。

 キャンプ到着。そして宿舎に入ろうという段になって彼らを向かえたのがキャンプリーダーのアーレン(マリー・アインスレー)。これが妙に口やかましい男。「さあさあ、急いで、あ、君、ゴミを落としたな、さっさと拾いたまえ!」これが気に入らないマグス、さっそく彼に食ってかかります。おまけに宿舎に入ったら入ったで「なんだ、個室じゃないのカヨ!」さらに彼は身体検査でも一騒動。ドクターの聴診器をぱっと掴むと大声で「こんにちわ、ドクター」「わあ、五月蝿い」ひっくり返るドクター(ロイド・イングラハム)であります。さマグスは薬の壜を見つけると蓋を開けて匂いをかぐと「ドクター、これ臭いっすよ、捨てた方がいいですよ」排水口にどばどば流しちゃうのでした。これでドクター、堪忍袋の尾が切れて、「貴様、キャンプの指揮官のところへ行ってこい」

 このホワイト指揮官(ケネス・ハーラン)はしぶしぶ出頭してきたマグスに「お前ナー、何か勘違いしているようだけど、ここはCivilian Conservation Corps campだぞ、働くところだぞ。お前、自分で六ヶ月コースに申し込んでいるだろ。あ、一ヶ月の給料は22ドルな」これで呆然とするマグス。「え、俺、働くの、ボクシングどうなるの」彼はダニーに「話が違うじゃないか」と食ってかかるのですが、時すでに遅し。どうにもならなかったのです。

 その後、マグスは遅刻するぞと呼びにきたアーレンと殴り合いになったり、食堂で他の面々と騒いで怒られたり、どうもトラブルを起こしてばかりであります。

 ここでちょっとギャグが入ります。ダニー、仮病を使って午後の仕事を休もうとしたのです。彼を診察したドクター、紙を渡すと「よし、午後は仕事に出なくていい。この紙を係りの人間に見せるのだ」ヤッター、大成功だと喜ぶダニーですが、この紙をみた係員、「うん、確かに仕事に出なくていいよ」しかしダニーを丸太置き場に引っ張っていって斧を渡すと「これで薪割りしてな」「ええ、そんなー」とダニーが抗議しますと、係員、にやっとして「だってこの紙にそうさせろってドクターが書いているもんね」ぎゃふんとなるダニー。その姿を見て大笑いする仲間たちです。

 さて、その後もキャンプ生活は続いて、今日の仕事は湖畔での土木作業。いつものごとくぶうぶう言いながら作業しているマグスたち。彼らは近くで木を切り倒しているのを見かけます。よし、面白そうだと休憩時間に見物に行くマグスたち。樵がどんどん斧を叩き込んで「倒れるぞー!」ところがその木の倒れる方向にいたのがアーレン。彼は倒れてくる木に気がつきません。「危ない!」飛び出したマグス、寸前のところでアーレンの命を救ったのでした。

 マグス、これで一気に評判を回復します。ホワイト指揮官も「君は良くやった、君は勇敢な男だな」と彼をべたほめ。そして「お金という訳にはいかんが、何か褒美をやろう。君は何かして欲しいことがあるかね」これを聞いたマグス、にやっとして傍らのアーレンを見ると「彼とボクシングの試合をさせてください」やや、強引な展開ですが、これでマグスとアーレンのボクシング試合が決定したのです。

 さっそくリングが設置されて、ウウーム、こういうキャンプでボクシングリンクの準備があるというのは当たり前のことだったのかなあ。何しろ60年以上昔のアメリカ映画ですからこのヘンの細かい風俗がまったく分かりませんやね。

 さて、いよいよ始まるボクシングの試合。ところがこの直前、ウィリー(ボビー・ストーン)という少年が実に浮かない顔をしております。試合前のウォーミングアップをしていたマグスが彼に気がついて訳を尋ねてみますと、なんと兄さんが病気になったというではありませんか。ウィリーはもう泣きそうで「僕ら、親がいないから、兄さんが僕を育ててくれたんだよ」この病気の治療には大金が必要、一応キャンプでは月に22ドル給料を出すのですがそれではとても足りません。マグスは「よっしゃ、試合が終わったらなんとか方法を考えてみよう。だからそれまで待ってな」この頼もしい言葉にお礼をいうウィリーでしたが・・・。

 カーン、ゴングがなって試合開始。だっと飛び出したアーレンとマグスは「えいえい、コノヤロ、バカヤロ」とわめきつつボカボカと殴りあいます。スポーツ音痴の私からみても今のスマートなボクシングとは大違い。子供の殴り合いのような風情でございます。そのまま試合は推移して両者互角のまま2ラウンドが終了します。と、ここでマグスを応援していたウィリー、何事かを決意したのか、すっと応援席を抜け出します。そしてホワイト指揮官のオフィスに行くと机の引き出しから鍵を取り出し金庫を開けてしまったのです。そしてウィリー、お金を盗んでしまったのでした。

 机の引き出しという分かりやすいところに金庫の鍵を置いておく、うーん、金庫を使う意味がないっての(笑)。 

 ウィリーがお金を盗んだ後も延々続くボクシングの試合。「えいえい、コノヤロ、バカヤロ、テテナシゴ!」と喚きながら殴りあうアーレンとマグス。しかし結局決着がつかず、引き分けとなってしまいます。試合後アーレンはスポーツマンらしくマグスに握手を求めるのですが、結果に納得のいかないマグスは拒否、そして、「もっとやらせてくれ、そしたら俺がきっと勝つ」と喚きます。しかし、観客はこの暴挙に大ブーイング。マグス、これで嫌われて完全に孤立。みんなから口も聞いてもらえなくなってしまいます。おまけに隊長からは罰としてダニーと一緒にまき割りをやるよう命令されるのです。

 仏頂面でまきを割るマグ。しかし車でキャンプにやってきた美人を見つけて、「おお、ええ女じゃのう」まき割りの仕事放り出してソッチへ直行。「ねえねえねえ、君、どこの人、このキャンプに何の用?、俺、マグスってんだけど後でキャンプ案内しようか」この美人はエレイン・ホワイト(マリー・アインスリー)といいましてホワイト隊長の娘さん。それを聞いてちょっと引いたマグスですが(笑)約束しちゃったものはしょうがない。エレインと隊長の話が済んだ後で、キャンプを案内。湖のほとりを散策したりしております。

 エレイン、マグスにお礼のつもりか、「良かったら私の家に遊びにこない?歓迎するわよ」これでマグス、舞い上がってしまいます。「ええ?家に行っていいの、うんうん行く行く、次の土曜に行かせて貰いますとも」マグス君、世の中には社交辞令ってものがあるんだよ(笑)。マグス、彼女が帰った後早速隊長のところへ行って、「隊長、僕が間違っていました。そうですよね、スポーツマンシップって大事ですよね、僕、一から十まで心を入れ替えて真人間になります。だから外出許可をください」この現金な申し出に隊長苦笑い。それでも心を入れ替えるのならということで目出度く外出許可が下りたのです。

 次の土曜日、意気揚々と町に出かけたマグス。花なんか買っちゃってパイン通り37番地のエレインの家へ。しかしなんとしたことでしょう。エレインはマグスの目の前で別の男と車でデートに出かけてしまったのです。だから、マグス君、社交辞令ってものがあるって言ったじゃないか(笑)。がっかりして花を投げ捨てたマグス。ふらふらと町をさまようのでした。ふと気がつくと目の前はボクシングの試合場。その彼に話しかけてきたのはこないだの試合をキャンプで見たというプロモーター氏です。「おお、君、この前はよくやったじゃないか。君にはボクシングの才能がある。今夜試合をやらないか。賞金を出すぞ」しかし、マグスは首を振って「今日は気が乗らないんす。やめときます」またふらふらと歩き出すのです。

 その彼が見つけたのがウィリー。ところがウィリー、彼を見るなりきびすをかえして逃げ出してしまったのです。「おーい、ウィリー、どうしたんだよう」と追っかけるマグス。しばらく追いかけっこが続いてマグス、ついに彼を捕まえます。ウィリーはもう泣きそうになって「マグス、助けてくれよ、僕は隊長の金庫から100ドル盗んじゃったんだ。病気の兄さんのために使っちゃったんだ」「何、100ドルですと」驚くマグス、「そんな大金、ちょっとやそっとじゃ返せないぞ」しかし、そのマグスが思い出したのは先ほどのプロモーター氏の言葉、「賞金を出すぞ」であります(笑)。マグス、ウィリーに頷いて「いい考えがある。俺にまかせとけ!」

 マグスは試合場に戻ってプロモーター氏に「気が変わったっす、やるっす。その代わり賞金100ドルにしてください」プロモーター氏、そんなマグスを頼もしく思ったのか、この頼みを快諾。それどころか相手が強いので6回までノックアウトされずに頑張ったら賞金100ドルやると言い出したのであります。

 さあ、試合の開始。プロモーター氏が6回まで立っていたら100ドルというだけあって相手が強い、強い。マグスは「えいえい、コノヤロ、バカヤロ、オマエノカアチャンデベソ!」と頑張るのですが、逆にばしばしパンチを浴びてしまいダウンすること数回。ここでキャンプの仲間たちが戻ってこないマグスについて「おいおい、夜も遅いぞ、奴を探しに行かなくていいのか」「放っておけ、今奴は俺たちよりもよっぽどいい思いをしているよ」このとたんにパンチを浴びてダウンするマグスというギャグが入ります。

 ようやく試合が終了。こてんぱんにやられたもののなんとかノックアウト負けは免れたマグス。プロモーター氏は約束どおり彼に100ドルを渡します。それから車でキャンプに送って貰いさあ、隊長の金庫にお金を返そうということになるのですが、ウィリー、「僕、怖くてできない。マグス、君やっておくれよ」誠に図々しいお願いですが、マグスは快く引き受けます。彼は隊長のオフィスに忍び込み、金庫を開けてお金を入れようとするのですが、はい、ここで隊長が来て「ああ、マグス、お前、わしのお金を!」という予想ぴったりの展開になったのでした(笑)。

 マグス、「いや、お金を盗んだのはウィリーで俺は彼に頼まれて金を返しにきたのです」と言えばいいのですが、そこはそれ、男らしいマグスですから言い訳はいっさいなし。ウィリーを庇ったのです。そして隊長はおかしい、マグスは何か隠していると思いつつも仕方なく「お前は査問会にかけられる。そこで有罪となればキャンプを不名誉除隊になるのだ」マグス、じゃあいいですってんで、査問会を待つことなく荷物をまとめてとっととキャンプを出て行ったのであります。その彼を心配したエレイン、マグスを無理やり車に乗せてキャンプに連れ戻すと「さあ、父に本当のことを話しなさい、本当はあなたが盗んだんじゃないんでしょう。誰かを庇っているんでしょ」しかし、マグス、「あんたには関係ないよ、コンチクショー」と車から飛び降りて町に戻ってしまったのです。

 エレインはそんな彼の様子を父親に報告。二人して「やっぱり犯人を庇っているんだ、しかし盗んだのは一体誰なんだろうなあ」とため息をついております。そこで飛び込んできたのがダニー。彼は大興奮で「僕は犯人に気がつきました。ウィリーですよ。あの事件があった晩、夜も遅かったのに彼は外出着でした。それに僕のところへ来るなりマグスがお金を盗んだといったんです。その時、まだ誰も事件の内容を知らなかったはずなのに」隊長、エレインも「そうか、彼に違いない」「僕、ウィリーを連れてきますと外に飛び出したダニー。ウィリーはその剣幕に驚いて逃げ出します。ダニーは湖畔で彼に追いついて猛タックル。そのまま水に落ちてびしょ濡れになりながらも彼を捕らえたのでした。

 ついに隊長に自分の盗みを告白するウィリーです。その頃、自分の無実が証明されたとは夢にも思わないマグス、あの試合場でボクシングの試合をやっています。今夜はいつぞやと違ってマグスが優勢。「えいえい、コノヤロ、バカヤロ、ヒャッカンデブ!」と喚きながらパンチを立て続けに見舞って相手はグロッキー。しかし、ここで試合場に飛び込んできたダニーが「おい、マグス、もういいんだ。ウィリーが告白したんだ、キャンプに戻れるぞ」「えっ?」と気を取られたマグスに相手のパンチが炸裂。ノックアウト負けというオチ。

 さあ、みんなで隊長のオフィスに集まって目出度し、目出度し。そして改めて仲直りということでアーレンに手を差し出したマグス。しかし、アーレン、二ヤッとするとその手をはたいて「そうはいかないさ」勿論、冗談なのですが、これにカッとなったマグスが飛び掛って大喧嘩。ダニーが呆れ顔で「いやー、またこんなことになったですよ」と言ったところでエンドマーク。

ドラマとしては面白かったけど、これはコメディじゃないよなあ(笑)。
 モノクロ・スタンダード 画質は最悪。暗いところじゃ例によって何をやっているのか分からないし糸状のノイズが画面を汚している。音声も歪み・割れがひどくて聞き取りに苦労させられました。Comedy Classics 50 Movies 12枚のDVD50本のコメディが収録されたボックスセット。Digital 1 StopDVD

エロの冒険者 

       HOMEPAGE http://homepage3.nifty.com/housei/

      SFシネクラシックス 輸入DVDでみるSF黄金時代(笑)

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