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2006年10月29日 (日)

『Smart Alecks』(1942年)

 

イーストサイドキッズ映画の二本目。今日も今日とてニューヨークの街でたむろっているイーストサイドキッズ。この映画ではメンバーである筈のダニーへのひどい仕打ちにびっくり。おれ、こんなことされたら絶対友達やめるぜ(笑)。

冒頭から街頭で黒人のダンにタップダンス躍らせて小金を稼ごうとしているマグス(レオ・ゴーセィ)、ダニー(ボビー・ジョーダン)、グリッピーらイーストサイドキッズの面々。グリッピーはハーモニカ担当、マグスやダニーは集金担当ということで集まってきた人々に帽子を回します。「いくらでもいいからお金を入れて欲しいッス」でも観客は帽子をみるなりみんなソッポを向いて帰っちゃうの(笑)。おまけにここに口うるさいおまわりさん、ジョー・リーガン(ロジャー・プロイア)がやってきて、「こらこら街頭でこんなことをやるのは法律違反だ、さあ、帰ったり、帰ったり」ぽんとグリッピーの肩を叩くと驚いた彼が思わずハーモニカを飲んでしまうギャグ有り。以降彼は喋るたびにぷわーぷわーハーモニカを鳴らすこととなります。

 ここで場面が変わって現れたのが悪名高いギャングのブッチ・ブロッコリー(マックス・ローゼンブルーム)と手下のマイク。彼は元イーストサイドキッズのハンク(ガブリエル・デル)を抱き込んで銀行強盗を企んでおります。最もハンクの役割は見張り。おまけに強盗を終えて出てきた二人はハンクに「これはご褒美だ」とわずかばかりの金を渡して呆然としている彼をほったらかして車で逃走したのです。「ええ、聞いてないよ」とダチョウ倶楽部の竜ちゃんのごとく叫んだハンク。逃げようとするのですが、丁度その時居合わせたリーガンにしっかり目撃されてしまったのでした。

 ちなみにこのリーガン、ダニーの姉で看護婦のルース(ゲール・ストーム)と恋人同士。ハンクを目撃したのもお互い忙しい仕事の合間をぬってのデートの最中だったのであります。具体的にいうと一緒に手紙を近くのポストまで出しにいったのであります。手なんかも繋いじゃっているのであります。

 さて、ぶらぶらと歩いていたイーストサイドキッズ。途中スポーツ店のショーウィンドウに飾ってある野球のユニフォームに夢中になります。「うわお、ドジャースのユニフォームじゃん。カッコいいなあ」「こんなの着れたら俺たちゃ無敵だね」「アマチュア野球でも優勝さ」でも先立つものがなし。みんなの分を揃えると100ドルも掛かっちまうんです。イーストサイドキッズの部屋というか部室というかとにかくみんなが集まる部屋に戻ってみんなの小銭を集めてみたのですが、マグス、舌打ちして「ちょっ、83セントしきゃないや!」100ドルと83セントではえらいチガイですなー(笑)。

 さあてどうしたものかと首を捻るイーストサイドキッズたち。ここに現れたのがハンクです。「よう、相変わらずシケた面してんな、おい」彼はグリッピーに5ドル札を差し出すと「これでも使いなよ」グリッピー、驚いて喉のハーモニカをぷわーっ。しかしマグスは「俺たちゃ、汚い金は受け取らないよ、クラブのルールを忘れたのか」グリッピー、「金が汚いぷわー、そんな汚れてなんかいぷわーないぞ。ぷわー日曜の朝のぷわータオルみたいにキレイじゃないか」あのね、グリッピー君、そのキレイキタナイじゃないのよ(笑)。

ハンクはなおも「俺の仕事を手伝ってくれたらたんまり礼を弾むぜ」「聞いてるぞ、ギャングとつるんでいるんだろ、どうせマトモな仕事じゃないんだ」マグスにこう言われてカッとなるハンクですが、ここでリーガン巡査がドアをどんどん叩いて「おい、開けろ、ハンクがいるだろ」とたんにぺこぺこして「頼む、俺を匿ってくれよ」と言い出すハンクであります。

 今はギャングの手下とはいえ、元はイーストサイドキッズの仲間、マグスやダニーは彼を匿おうとするのですが、しかし、残念リーガン巡査は彼らのたくらみをちゃーんと分かっていて首尾よくハンクを捕まえてしまったのです。ハンクは裁判にかけられて有罪。新聞に「イーストサイドキッド有罪判決 三年間の懲役!」えー、こんなことが大きな記事になるのですか(笑)。

 マグスたちは裁判でハンクに不利な証言をしたルースとリーガンにお冠。ルースは彼らの機嫌をとるため大好物のケーキを拵えることとなります。しかしここで何故か割り込んできたのがブッチ。彼は以前街でルースを見かけて気に入ってしまったのですなあ。偶然彼女の家を見つけたってんで図々しくもどかどか上がりこんで行き「いやいや、私、近所のブレイクと申します」と偽名を名乗って「いやいや、やはり近所のよしみというか、なんというか一度はご挨拶をと思いましてなあ」全然理由になってねえよ(笑)。おまけにこの男、ルースが作っていたケーキに目をつけると「おお、いいものがありますな、ケーキですか、しかも手作り、いやはやこれは頂かずにはおられませんぞ」ルースが止めるのを振り切って手づかみでがつがつ。

 ここへイーストサイドキッズの面々がやってくるのです。当然彼らはケーキを貪り食っているブッチを見て「あ、なんだ、おっさん、俺たちのケーキ食ってやがる。朝飯食ってないのかよ」と毒づくのですが、何しろ相手はギャング、平然としております。ここでダニーが妙案を思いついた。彼はケーキの半分を台所に持っていって塩・胡椒がたっぷり入った生クリームを作ってたっぷり塗りたくったのです。そして「おっさん、こっちも食べろよ」と差し出すとブッチ、喜んでその塩・胡椒入りケーキをがつがつ。みんなは今に飛び上がるぞと期待していたのですが、何にも起こらない。ブッチ、平然としてこのトンデモないケーキをがつがつやっております。仕方ないってんで、今度は紅茶に膠をたっぷり入れてだしてやった。今度は効果覿面。口が張り付いて「むわむわむわわ」としか喋れなくなったブッチ、慌てて退散するのでした。

 さて、刑務所に行ってハンクと面会したりアパートの中庭で野球を楽しむイーストサイドキッズの面々というのんびりした場面がしばらく続きます。その彼らをアパートの窓から眺めて「けっ、暇なことをやってんな」と言っているのがブッチとマイク。ここでダニーがボールをぼかーんと打った。そのボールはよりにもよってブッチの部屋の窓を粉砕し中に飛び込んだのであります。あー、「大事なボールが」と真っ青になるイーストサイドキッズ。先に窓のことを心配せんかと思いますが(笑)。かんかんになって降りてきたブッチ、「ふふふ、ボールは返さないもんね」おやおやこっちも大人気ないことですな。これで責任を感じたダニーが彼に食ってかかります。「ボール返してよ」「嫌だ」「返してったら」「嫌だっていっているだろう、このガキめ」

 しかしここで思わぬ出来事。この揉め事にリーガン巡査が気づいてお尋ねものだったブッチを見事逮捕したのであります。この逮捕のきっかけとなったのがダニーだったことからなんと賞金200ドルをもらえることになったのでした。しかしその授与式に参加したイーストサイドキッズの面々は不満たらたら。マグスなんかは「その賞金の67割は俺たちに権利があるだろ」とかムチャクチャ言ってます(笑)。ダニーはこの賞金でユニフォームを揃えようと思っていたのでふふふと笑ってごまかすだけ。後でみんなをびっくりさせようと思っていたのです。

 しかしそれが思いっきり裏目に出た。「あれは俺たちにも権利がある金なんだよ」といいつつ夜中にマグスたちがダニーのアパートに忍び込んできたのです。驚いて目を覚ましたダニーにマグスは「これはもともと俺らに7割の権利がある金だからな、貰っていくぜ。おい、グリッピー、200ドルの七割っていくらだ」「2,300ドルぷわー」「馬鹿、なんで元金より多くなるんだよ」イーストサイドキッズ、計算にヨワイです(笑)。結局いくらになるか良く分からないってんで200ドル全部持っていっちゃった。

 愕然とするダニー。ルースも起きだしてきて、マグスたちがお金を持っていったことを知ると、「ユニフォームのことを言わなかったの」ダニー、もうべそをかかんばかりになって「姉さん、もういいよ、何も言わないで。僕はもう知らないよ」うわあ、これじゃマグスたちイーストサイドキッズただのロクデナシじゃないですか(大笑い)。

マグスたちの惨い仕打ちに怒ったルース、ジョーに電話をかけてこのことを話します。ルースは怒って欲しいぐらいの気持ちで電話をかけたのでしょうが何しろジョーは警察官ですからな、「これは立派な窃盗罪だ」ということでイーストサイドキッズを逮捕、留置場に放り込んでしまいます。翌朝、ジョーがそこまでやるとは思っていなかったルースとダニーが警察に駆けつけ訴えを取り下げたのでイーストサイドキッズは釈放されたのですが、みんなかんかん。ダニーをクラブから除名してしまうのでした。悲しそうにうつむくダニー

 って、オメーらが金持っていくからこんなことになったんだろ(笑)。

 ダニーはかわいそうにイーストサイドキッズから仲間外れ。みんなが楽しそうに車で出かけるのを恨めしそうに見ているダニー。ああ、見ていて可哀想で可哀想で仕方ないぞ!そんな時、イーストサイドキッズの前に現れたのは刑務所に服役中のハンクだったのです。みんな驚いて「おい、まだ三年たってないぞ」つまりはハンク、脱走してきた訳で。ここでグリッピーが「なんでパトロールまで待てなかったんだよ」おいおい、グリッピー君、そりゃパトロールじゃなくってパロール(parole 仮釈放)だよ(笑)。こういう細かいギャグを挟んでハンクの言うことにゃ、なんとあのブッチも脱走したとのこと。しかも彼はダニーに復讐を企てているというのです。ハンクはそれを知らせるために自らも脱走してきたのでした。

 驚いたイーストサイドキッズの面々、今までのいきさつをすっかり忘れ、でも結局はこいつらが金持っていっちゃったのが悪いんですけどね、ダニーを守れ!ということになります。彼らはルースにブッチのことを知らせると同時にダニー捜索を開始するのですが時すでに遅し。ダニーはブッチとマイクに捕まってアジトの倉庫に連れ込まれ散々に殴られて瀕死の重傷を負ってしまったのです。彼を発見してルースの病院へ担ぎ込んだイーストサイドキッズでしたがお医者さんの診断を聞いて愕然。「高度な脳外科手術を受けないと彼は死亡するでしょう。あ、もちろん、その高度な外科手術は私には無理です」そこで脳外科の権威、オームスビィ先生(ウォルター・ウォーフキング)に頼もうということになるのですが、ルースは暗い顔で「駄目よ、あの先生の手術料はブラック・ジャックの次に高いのよ」

 でもなんでもいいからとにかく頼んでみようとオームスビィ先生のオフィスに押しかけるイーストサイドキッズであります。しかしルースの言ったとおりこの先生の手術料は高い、高い。「私の手術は最低でも1,000ドルかかるよ」これに対してイーストサイドキッズの所持金はわずかに6ドル83セント、わあ、ユニフォームの時よりひでぇ。それにこいつらこの期に及んであの200ドルを使おうという発想がないんかいの(笑)。先生は思いっきりこのビンボー人めという顔をして、「さ、私はこれから出張しなくちゃならないんだ。出て行ってくれ」しかし先生を行かせる訳にはいきません。何しろダニーの命が掛かっているのですから。マグス達は必死に先生をかきくどきます。「あいつは良い奴なんです。ギャングを捕まえたことがあるんです。でもそのギャングに復讐されてこんなことになったんです」この必死の懇願にほだされた先生、心変わりをして「よし、私が手術をしよう」

 長時間にわたった手術でしたがなんとか成功。しかしダニーは今だ昏睡状態、予断を許さない状況。面会したマグス達はダニーが苦しい息の中「みんな、誤解なんだよ、金を独り占めするつもりじゃなかったんだよ」とうわごとを言っているのに胸をつかれます。さらにジョーから「ダニーはあの金でみんなのユニフォームを拵えるつもりだったのだ」と本当のことを聞かされて、愕然。マグスなんか「お前なんかもう仲間じゃないやい、バカヤロ、コノヤロ」と叫んだことも忘れたかのようにおいおい泣いております。

 ダニーは何とか危機を脱しました。ほっとするみんなですが、ここで最後の事件が発生。ブッチとマイクがルースを人質にとって彼女の家に立てこもったのです。逃げる前に「一回だけじゃ、ええやろ、させんかい」ということらしい。ジョーは彼女を救出しようとするのですがブッチが拳銃を乱射するので近づけません。しかしイーストサイドキッズが大活躍。彼らはダニーの部屋の窓から侵入すると明かりを切ってブッチとマイクに奇襲をかけたのです。あえなく殴り倒されるマイク。ブッチは一人逃げようとするのですがハンクに右ストレートをぶち込まれて昏倒。ジョーによって逮捕されるのでした。

 ギャングのブッチが逮捕されてダニーも意識を取り戻した。イーストサイドキッズは彼を元気づけるために願いどおり野球のユニフォームを誂えて見舞いにいくという絵に書いたような大団円でございます。

最後に仲直りするダニーとイーストサイドキッズの面々は確かに感動的ですが、やっぱりこれはコメディじゃありませんよね。それに何度も言うようだけど、元はと言えばイーストサイドキッズがお金を持っていってしまったのが悪いので…。

モノクロ・スタンダード この作品も画質は最悪。暗いところじゃ例によって何をやっているのか分からないしノイズがひどい。音声も割れていて聞きづらいです。Comedy Classics 50 Movies 12枚のDVD50本のコメディが収録されたボックスセット。Digital 1 StopDVD

エロの冒険者 

       HOMEPAGE http://homepage3.nifty.com/housei/

      SFシネクラシックス 輸入DVDでみるSF黄金時代(笑)

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