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2006年12月28日 (木)

『Horror of the Zombies』(1974年 スペイン)

 

アマンド・デ・オッソリオ監督の『エルゾンビ/落武者のえじき(Tombs of the Blind Dead)』、『Return of the Evil Dead』に続くブラインドデッド・シリーズ第三弾!なんだそうであります。黒魔術を使って悪逆の限りを尽くしたゆえに呪われたテンプル騎士団。彼らがゾンビとなってこの世に蘇ってきたというお話で、まあ、お茶でも飲んで気軽なキモチでお付き合いくださいな。

悪魔の像をバックに気味の悪い詠唱がえんえん流れるオープニングが終わりますと、一転、今度はカメラスタジオでビキニのモデルさんたちの写真撮影。これを仕切っているのがモデルエージェントのリリアン(マリア・パーシィ)であります。「そうそう、手を頭の上に、はい、膝ついて」なんてポーズまでつけております。この撮影が終わったところで彼女の元にやってきたのがやっぱりモデルのナオミ(バーバラ・レイ)。彼女はモデル仲間でルームメイトのキャシー(ブランカ・エストラダ)が行方不明になったと言い出します。そしてリリアンに「あなた、数日前にキャシーに電話してたでしょ、あなたは私の知らないことを知っているはずよ、彼女はどこにいるの!」

 キャシーと聞いてすぐに「キャシー中島」と連想するのはオヤヂの証拠です。気をつけましょう。あと、このナオミとキャシーはレズの関係もあったということを覚えておいて下さい。まあ、忘れたって別にかまいやしませんが。

 リリアンは最初、「新しい仕事を見つけたのよ」とか「彼女は男性の恋人を見つけたのだわ」とごまかそうとするのですが、ついにナオミが「警察に連絡するわよ」と言い出したことで観念したのか、「明日、第三桟橋にいらっしゃい。そこで全てを話すわ」翌日のこのこナオミが出かけていきますとリリアンは彼女を倉庫に連れ込んで実業家のハリー・タッカー(ジャック・テイラー)とその右腕セルジオ(マニュエル・デ・ブラス)を紹介したのです。

ハリー・タッカーは「君の大事なキャシーはロレーナ(マルガリータ・メリーノ)というもう一人のモデルとわしの新型ボートに乗ってもらっておる。そこで美女二人が新型ボートに乗っていて遭難するという筋書きなのだ」驚いたキャシー、「ええ、それじゃ、二人が危ないじゃない」「大丈夫だ、船の航路で漂流させるからすぐ他の船に見つけて貰える。するってぇとどうなるかな」ハリー・タッカー、ニヤーッとして「ビキニの美女二人が遭難、救助さる。マスコミが放っておきませんよ、どんどんニュースに出るでしょ、それがわしのボートの宣伝費要らずの大CMになるのよ」

 あんまり遭難したボートを買いたがる人はいないと思うのですがねえ。なんでこんなややこしい計画を立てますかねえ。こんな計画のために親友(レズカップル)にも何も話さずぷいと出かけて心配させるキャシーもなんなんだかなあ。

 そのキャシーとロレーナから無線連絡が入ります。ナオミ、キャシーから直接「よく私の居場所が分かったわね」と言われて今の話は本当だったと安心しております。このまま他の船に見つかれば万事計画通り万々歳となるのですがそれでは映画が終わってしまいます。キャシーとロレーナが乗ったボートは正体不明の霧に取り巻かれていたのです。おまけに気温が急上昇、暑いし、霧のおかげで位置も分からなくなっちゃった。おまけにその霧の中から16世紀にしか存在しないはずのガレオン船がぬーっ。「ひいい、何、あれ、帆船よ、ガレオン船よぶつかるわ、ぶつかるってば、いや、超ピンチー!」ハリーはこの連絡を聞いて「照明弾を打ち上げて合図するんだ」女二人はその通りにするのですがガレオン船は止まりません。照明弾って言っても音がするだけで実際に発射してないし、光っているのはアカラサマな花火ですから、気がつかないもの無理はありません(笑)。

 ついにガレオン船はボートにごーん。幸いボートに大したダメージはなく多少の浸水があった程度でしたがハリーは計画の中止を決断します。女二人に「よし、そこで待っているのだ、ヘリコプターが助けに行くぞ」ヘリコプターが来るまでボートの中でじっとしていればいいのですが、そこは女の浅はかさ、ロレーナが「誰も船に乗っていないのはおかしい、中を調べてみる」と言い出してガレオン船に移乗してしまったのですな。不安そうにボートで彼女の帰りを待つキャシーでしたが不思議なる眠気に襲われて眠り込んでしまうのでした。

 一方、ハリーたちに向って怒鳴るナオミ。「私、このことを警察に連絡するわ、大スキャンダルになるわよ」そうかなあ(笑)。ハリーたちはこのナオミをがっと捕まえて監禁してしまったのであります。その彼女にミルクとパンの食事を持っていったセルジオ、ナオミに「私、ミルク飲めないの、お腹がすぐごろごろいうの、水にして頂戴」お腹がごろごろされてはたまりませんからセルジオ、彼女の言うとおりに水を盛ってこようと出て行きます。ドアを開けっ放しにして。

当然ながらあっさりと逃げ出すナオミ(大笑い)。セルジオ、騙されたことに気がついて彼女をおっかけあっさりと捕まってしまいました。ナオミを無理やり部屋に連れ戻してベッドに押し倒し「ええやろ、させんかい」ナオミ、「ひーっ」どんな展開なんだよ(笑)。

 ナオミ、この時ハイヒールで逃げるものですから足音がかっこんかっこん倉庫中に響き渡っております(笑)。ハイヒール脱いで逃げたらどうなんでしょうかねえ。こんな足音たてたらすぐバレてしまうでしょうが。

 この間ずーっと船の中をさ迷っているロレーナ。どうも長いことさまよっておりますな。しかし霧の中にふっと姿が消えたと思ったら「ギャーッ」と物凄い悲鳴。どうやら何者かに襲われてしまったようです。ボートで深い眠りについているキャシー、身じろぎするのですが結局目を覚ましません。こんな女もとっととやられてしまえばいいのにと思います。

 夜が明けてハリーの手配したヘリコプターがぶんぶん飛び回るのですがボートを発見することはできません。報告を聞いたハリーはやめときゃいいのに「よし、俺のヨットで探しに行くぞ。リリアン、セルジオ、ついてこい。あのナオミも逃げられたら困るから一緒に連れていくのだ」とその前に海洋学者のグルーバー教授(カルロス・レモス)を訪ねます。教授から探しにいく海域の情報を得ようとしたのですが、「ウウーム、霧だって?天候観測船がそばにいるけれどもそんな報告はなかったぞ」と教授は不審な顔。「女の子二人が連絡してきたのですがねえ、それに暑いとも言ってましたよ」「馬鹿をいっちゃいかん、この季節にそんな熱気が起こるものか」

 この時リリアンがうっかり謎のガレオン船のことを口に出しちゃった。それを聞いた教授張り切るまいことか。「何、ガレオン船とな。ならばその女の子二人はもう戻ってこないぞ」驚くハリーたち。「そりゃ、何故なんで」「謎のガレオン船はこれまで何度も目撃をされているのだ。しかもその目撃を無線連絡してきた人々はみーんな行方不明となっておる」ハリーは「そんな話はムーにでもなさるがよろしい」とまったく信じないのですが、教授は興奮して「よし、わしもその探索行に連れていきなさい。わしもガレオン船が見たい」 彼らはヨットで出発します。

 その船上で余計な荷物が二人になっちゃったとぼやいているセルジオ。リリアンはにやにやしながら「いざとなったらみんな始末しちゃえばいいじゃない。海に放り込んでしまえばただの行方不明よ、ばれやしないわ」酷いことを考える奴もあったもので。

 映画はボートでぐーすか寝ているキャシーに戻ります。ようやく目を覚ましたキャシー、ロレーナがまだ戻ってきていないというのでよせばいいのに(こればっかりですな)船に乗り込んで彼女を探そうとするのです。船の上をあっちへうろうろこっちへうろうろ、船室でロレーナの荷物を見つけ中にあったラジオで音楽を聴いたりしているキャシー。ほらほらそんなことをしているから船のあちこちで木の棺桶の蓋が開けられるギギーという音が聞こえないじゃないか。そしてその棺桶から現れたのがほとんどミイラ化しているゾンビ軍団。彼らは甲板にわらわら上がってくるとのこのこ船室から出てきたキャシーを襲います。「ひーっ」と逃げ回る彼女でしたがハイヒールが甲板の割れ目に挟まってすっころんじゃった。だからどうしてこんなところまでハイヒールはいてくるの!キャシー、ゾンビ軍団に捕まって木の棺桶に閉じ込められてしまいましたとさ。

 さてハリーのヨット。にわかに周囲が霧に覆われしかも気温が急上昇。教授、「ほら、ほら、これですよ、異次元が我々の世界に現れたのですよ、みんな、ガレオン船に注意、注意」すると本当にガレオン船が現れたァ!あの教授の話は本当だったと仰天する一行であります。それでも女を捜さなくちゃならないというので小型ボートに乗り換えてガレオン船に接舷、乗り込んだのでありました。

 船内をうろうろする一行。あの船室でキャシーのバックを見つけたり今は無人となったボートを見つけて「やっぱり二人はこの船に乗り込んだのだ!」と呟くハリー。教授は「ひょっとしたら二人は元の次元に戻ったのかも知れない。行方不明になったのは我々かも知れませんぞ」みんなは教授の発言を無視して船内で一夜を明かすことになります。「よーし、夜が明けたら二人を探すのだ」ってなぜ今から探さない(笑)。

 一行の中でナオミだけがそう思ったらしく彼女は同じ部屋で寝ることになったリリアンががーがー鼾をかき出した隙に抜け出すのです。そしてランプを持って船倉へ降りていくとドアを片っ端からがんがんノックして「キャシー、そこにいるの、返事して」と大声で呼ぶのであります。駄目だよ、そんなでかい声出しちゃと思ったらほーら、ゾンビ軍団が起きてきた。ナオミは「ひーっ」と叫んで逃げ出そうとするのですがぐわっと首をつかまれてしまいます。その圧力で喉が潰れて夥しく出血するナオミ。「げぼげぼぶふふずぼぼ」と声にならぬ声を上げながらもがきなんとかゾンビの手を逃れたのでした。そのまま甲板へ這い上がろうとするのですが、いいところでああ、やっぱり足首ゾンビにつかまれて無理やり引きずり戻されちゃいました。ずるずるずるずる、ゾンビ、いつまでも余計に引きずっております(笑)。「げえげえ」と悲鳴を上げるナオミ。みんな、この騒ぎに気がつかないのが暢気。

 ナオミ、船倉へ引きずりこまれてああ、首をチョン切られてしまいました。ゾンビたちはその彼女の体に群がりばらばらにして貪り食ってしまったのです。げぷっ。

 さて、夜が明けましたって外はみんな霧に覆われていて太陽も見えないですけれども。ナオミがいなくなったことにはさして驚かない一行(笑)、船内を調べ始めます。すると教授がこの船の航海日誌を見つけ出してきた。それによるとこの船は黒魔術によって不死を求めた騎士の軍団をオランダへ連れ戻す目的で航海していたのだそうな。例によってハリーはまったく信じず「そんな馬鹿なこと言ってないで女たちを捜すよ」これでハリー・セルジオ、教授・リリアン組に別れて船内を捜索します。さっきナオミが食われたばかりの船倉へのこのこ降りていく教授とリリアン。あぶねーな。しかも教授、ゾンビの入っている棺桶見つけて「よっしゃ、これ開けてみよう」と言い出します。蓋に手をかけて「うーん」と開け様とするのですが、結局駄目。体勢を立て直してまた「うーん」やっぱり開かない。意味のないシーンです(笑)。

 この時リリアンの持っていたランプが壁にごつん。すると間の抜けたぽこんぽこんという音がします。二人は驚いて「これは向こうががらんどうになっているのだわ」「そうだ、隠された扉があるんだ。よし他の二人を呼んでこよう。リリアン、君はここで待ってなさい」こんな場合、一人残されたリリアンがゾンビに襲われて「ひーっ」という展開になるのが一般的なのですがこの映画では何も起こらないという(笑)。あっさり教授がハリーとセルジオを呼んできてしまうのです。

 みんなは壁を覆っていた網をせえので外します。すると現れたのがアヤシイ扉。開けて見ますとおおお、金銀財宝がごまんと積まれているではありませんか。思わず「金銀パールプレゼント!」と古臭いことを呟いてしまうリリアンです。セルジオも「うほほ」と鼻を鳴らして宝箱に飛びつきます。「これで俺たちゃ大金持ちよ、セコなボートを売ったりしないですむよ」しかしそんなに上手く行くわけがない。この部屋の奥にはしゃれこうべに水牛の角をむりやりくっつけた悪魔の像が安置してあったのです。まるでその像が命令を下したかのようにあちこちでギギー、ギギー、棺桶の蓋を開いてゾンビ軍団出撃ですよ。

 「ひーっ」と悲鳴を上げるリリアン。セルジオはいち早く財宝抱えて逃げ出します。ハリーは立ちすくむ教授とリリアンを引っ張って甲板へ。その後を追ってわらわら出てくるゾンビ軍団。とここで教授が「わしは悪魔祓いの方法を知っているぞ、それを試してみよう」その悪魔祓いの方法というのがそこらから木の棒2本拾ってきて十字架を作り布を巻く。これにライターのオイルをかけて火をつけるというかなりインスタントなもの(笑)。これを迫ってくるゾンビ軍団に突きつけて「父なる神の名にかけて下がれ、下がるのだ!」と叫ぶのです。するとゾンビ軍団、本当に船倉に引っ込んでしまいます。喜んだ教授、「やった、わしの研究が身を結んだ」ってあんたは海洋学者じゃなかったのか。調子に乗った教授、ゾンビの姿が見えなくなってもしつこく、「下がれ、下がれ、下がりおろう」ハリー、ついに「いつまでやっとんじゃい」と教授を蹴り飛ばしたのでした。

 この後大型客船が通りかかります。みんなは「こっちよー、助けてー」と船に向って叫ぶのですが客船はそのまま行ってしまいます。教授は「そうだ、だから言ったじゃないか、私らは今異次元の世界にいる。むこうの次元からでは存在しないも同じなのだ。だからゾンビを退治すればきっとアッチの世界に戻れると思うぞ」どうやってゾンビを退治するのかというと、船倉からゾンビの入った棺桶をえっちらおっちら運び出してきて、ソーレという掛け声でがんがん海に投げ込んでしまうのでありました(大笑い)。10ほどもある棺桶をみんな放り込んでしまうと、上手くしたもので今まで霧に覆われていた空がぱあっと晴れ上がります。おまけに向こうに陸地が見えるではありませんか。

 「やったー、助かったぞ、あそこまで泳いで行こう」でも教授は泳げないから後に残って助けを待つことになります。セルジオはセルジオで財宝もって泳いでいくなんて頑張っている。ハリーやリリアンに「そんなの絶対無理だって」と言われても船の上にあった小さな丸太を投げ込んで「あれを浮き袋代わりにするから大丈夫だよ」いや、大丈夫じゃないと思うけど。後の二人も丸太にしがみつくんだからそんな小さなやつじゃ沈んでしまうんじゃないの。案の上、海に飛び込んだその瞬間から丸太を巡って争う「カルネアデスの舟板」状態の三人です(笑)。「わあ、沈む、がぼ、お前、くるな、あっちいけ」「あんた、財宝を捨てなさいよ、そんもん持っているから重いのよがぼぼ」「ぐぼ、お宝をすてるなんてがぼぼぼぼぼ・・・」一旦沈んだセルジオ、最後の力でがぼっと浮上して「できるかよ、この丸太はおれのもんだがぼ、おまえらどっかにがぼいけ、がぼがぼ」ついにリリアン、セルジオが背中にしょっていた宝物の中から短剣を抜いてセルジオの首筋にぐさぁ。「びわー、がぼがぼ」と沈んでいくセルジオです。

 この時船ではあの悪魔の像の両眼がぴかぴか赤く光ったと思うと、ぼー、船は火災に包まれたのです。竹ひごで作ったようなちゃちなガレオン船がライターみたいなちんけな炎に包まれる大スペクタクルシーン。教授は煙に巻かれて「わあ、い、息ができん、でも泳げないから海にも飛び込めない」そのまま船もろとも焼かれてしまいましたとさ。

 一方、ようやく海岸にたどり着いたハリーとリリアン。疲労のあまり海岸に倒れて眠ってしまいます。ところが海底を歩いて移動してきたと思しきゾンビ軍団が次々と上陸してきて、二人を取り囲んだ。ようやく目を覚ました二人が絶叫したところでエンドマーク。ああ、このエンドクレジット、音楽入ってないや、ただ、びーびーじーじーと雑音がするだけ。どうも侘しいものですなあ。

 船上のセットやゾンビ軍団は非常によく作られていて映画のムードを盛り上げています。しかし対称的に酷いのがガレオン船。そこいらのプラモデルよりも酷い出来。これにちっちゃな火がついてぽうぽう燃えるのですから、笑ってしまいますよ、あっはっは。

 カラー・スタンダード、モノラル音声。画質はぺけ。ノイズがこれでもかと出まくりです。音質はじーというノイズが混じっていて、どうにも耳障りです。13枚組みのDVDボックスセット50 Movie Pack: Drive-In Movie Classics の一本。Digital 1 StopDVD

 エロの冒険者 

       HOMEPAGE http://homepage3.nifty.com/housei/

      SFシネクラシックス 輸入DVDでみるSF黄金時代(笑)

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