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2006年12月28日 (木)

『Snowbeast』(1977年 テレビ)

 

おお、この手の映画50本パックDVDセットとしては妙に画質がいいぞ。音もじーじーびーびーという雑音が混ざってなくて聞き取りやすい。たまにはこんなのも良いですなあ(笑)。

さて、ところはコロラドのスキーリゾート。ハイジ(アニー・マッケンロー)といういかにも山向きの名前の女性がジェニファー(キャシー・クリストファー)という友達とスキーを楽しんでおります。冒頭からこの二人のスキーシーンが延々と続いて、ふとハイジ、いやな気配を感じまして滑るのをやめ、ジェニファーに「ねえ、もう帰りましょうよ。なにかおかしいわ」しかしジェニファー、「何を怖がっているのよ、絶好のスキー日和じゃない」彼女を残してそのままツーッ滑っていきます。するとある日、森の中、熊さんに出会ったじゃなかった、雪男がわぁ。ジェニファーに襲い掛かってどてぽきぐしゃ。ハイジ、雪男の姿は見なかったものの、その恐ろしい唸り声、おまけに謎の足跡を見つけて震え上がり、ジェニファーの安否を確かめることなく逃げ出してしまったのです。ここからオープニングクレジット。

 舞台は移りましてキャリー・リル(シルビア・シドニー)のスキーロッジであります。間もなくこのリゾートのウィンターカーニバルが始まるというのでもう満員の大盛況。リルは後から後から詰め掛けるスキー客に向って「もうすぐウィンターカーニバルが始まるわ、犬ぞり競争、クロスカントリー競技、お茶もあります、お菓子もあります、皆さん、どうぞ楽しんで」と放送しております。有体にいって少々五月蝿い(笑)。実質上の支配人であるリルの孫のトニー(ロバート・ローガン)も大忙し。「ほら、定吉、お客様のお荷物を運ばないかね、なに、お部屋はどちらにいたしましょうだって、そんなの空き部屋にお連れするに決まっているじゃないかね、ええ、どうも実際、世話がやけるね」と汗だくになっております。

 ここへどたばたと飛び込んできたのがバスター・スミス(トーマス・ボブソン)。「てえへんだ、親分、てえへんだ」トニーは苦笑して「なんだい、そんな人を銭形平次みたいに」「ハイジとジェニファーが大変なことになったんでやすよう」「それはうちのロッジに泊まっているお客様かえ!」トニー、バスターと一緒にスノーモービルで山のスキーパトロール中継所に急ぐのでありました。そこで彼がみたものは真っ青になってぶるぶる震えているハイジの姿。「いったいぜんたいどうしたってんです、ハイジのお嬢」「ジェニファーが、ジェニファーが」むせび泣くハイジ。「怪物にやられちゃったのよ。ううん、姿は見なかったけど恐ろしい唸り声と足跡を見たわ、ああ、あたし、怖い」「あっしをその場所へ連れていってくれませんか」と今やすっかり江戸っ子になったトニーが頼みますとハイジはふるふる首を振って「駄目、恐ろしくってとても戻れないわ」結局ハイジをロッジに送り、トニーは数人の三人のスキーパトロールたちとジェニファーを捜索することになります。

 ここからまた延々と雪山を滑るスキーシーン。スキー映画はこれで尺を稼ごうとするからいけません(笑)。延々滑った挙句ついにジェニファーの折れたストックと引き裂かれたスキーウェアを見つけるトニー、しかもそのスキーウェアは血に染まっております。ここでまた唸り声。はっと振り向いた彼は毛むくじゃらの何者かが森の中へ消えていくのを目撃したのでした。

 ロッジに戻ったトニーはジェニファーがおそらく怪物に襲われて殺されたことをキャリーに報告します。トニー、付け加えて「みんなを避難させねえとなんないぜ、ばあ様」するとキャリー、「ええ、そんなこと言ってお客が逃げたらどうするんだい、ここのスキーリゾートは剣呑でございますって宣伝するようなものだ。せっかくのウィンターカーニバルも台無しだよ」結局この件に関してはお客を逃がさないためにとりあえず黙っておこうということになります。所謂「ジョーズシステム」でございます。

 ここに珍客が二人。元68年冬季オリンピックの金メダリスト、ガー・サバーグ(ボー・スベンソン)。後からトニーに「おめえの狙撃手としての目を拝借してえんだ」と言われていますのでおそらくバイアスロンの選手だったのかな、そして彼の妻でありテレビレポーターでもあるエレン(イヴェッティ・ミミックス)の夫婦であります。実はガー、オリンピックの栄光がいつまでもいつまでも忘れられず、仕事がうまく行かない。おまけに夫婦仲も駄目になりかかっていたのです。その現状を打破するために旧知のトニーにガーの仕事を世話して貰おうとしていたのでした。それを聞いたトニー、快く「ほかならぬおめえのことだ。うちのロッジのスキー学校の先生をやってくんな」ガーとエレンは大喜びです。

 さて、トニー、スキーパトロールを呼びまして「ジェニファーの捜索は打ち切るんだ、その代わりおめえたちにはあの地域を立ち入り禁止にして欲しいのだ」と要請します。どうも要請というよりは部下に対する命令のイメージなのですが、トニー、スキーパトロールと何か関係があるのでしょうか。まあ、どうでもいいですが。この要請にしたがってスキーパトロールの一人が山に入ります。そしてまた延々とスキー。いつもより余計に滑っております。受験生が見たら怒りますよ、これ(笑)、その挙句にいきなり雪男出現。あわれスキーパトロールの人、ジェニファーと同じくどてぽきぐしゃとやられてしまったのです。

 場面はがらっと変わって雪の中牧場の仕事に励むフェアチャイルド家の人たち。これをがふーがふーと鼻息荒く雪男が見つめております。でも雪男が実際に画面に出てくるわけではなく鼻息がオーヴァーラップするだけの所謂「雪男の視点」映像であります。働いている人々から一人の男の子が抜け出した。彼は納屋に入っていったのですが、すぐに顔色を変えて出てきてげーげー。パパがびっくりして「どうしたってんでぇ、納屋に何があるってんでぇ」入ってみますと、はいばらばらのぐちゃぐちゃのぐずぐずになったジェニファーの死体が!パパもばたばた飛び出してきて男の子と並んでげーげー。

 トニーはキャリーばあ様の考えはさすがにムチャだと思ったのか、パラディ保安官(クリント・ウォーカー)に会いに行こうとするのですが、直前にフェアチャイルド牧場での死体発見の知らせを受けて保安官が出動、話ができないままになってしまいます。トニーは仕方なく、何しろキャリーばあ様がじろりと見張っておりますから(笑)ガーを温水プールに呼び出して「じつはこのあたりで雪男がうろついているらしいんだ、女のお客が一人行方不明になっちまった。おれは彼女のスキーウェアを血まみれでみつけたのだ」と話すのでした。

ガーは首を捻って「雪男ってぇとビッグフットってやつかい。おかしいな、うちのかかあがビッグフットの番組やった時は」奥様のご職業はそんな伏線ですか(笑)。「目撃者はみんな、じーっと見ているだけで何も剣呑なことはなかったって言っていたがね」「そこでおめえの狙撃手としての目をちょっくら拝借したいのよ」二人で雪男を探そうということになりました。

 この間エレンは何をしていたのかというとスキーを楽しんでいたのであります。そして偶然、フェアチャイルド牧場の現場を目撃してしまった。「何かある」とキャスター特有のカンという奴でぴんときたエレン、周りを調べてみると果たして謎の足跡が!止せばいいのにそれをたどって行くのであります。

 さて、雪男退治で盛り上がっていたガーとトニーですが、その前に保安官から呼び出しがきた。例のフェアチャイルドの死体は「おめえのところの泊まり客じゃないのかえ、確かめておくれ」ということなのです。ガーと二人で現場に向ったトニー、保安官から「そのほう、スキーウェアで見分けがつくかの」と言われて怪訝そうに「いや、顔を見れば分かると思うんでやすが」「その顔がないのだ」こういう会話は嬉しいですねえ(笑)。その顔のない死体を見てああ、これはたしかにジェニファーのお嬢でうちのお客さんでやすと確認したトニー、意を決してこれまでのことを保安官に説明したのでした。「何、雪男とな、なぜ、そのほう、そんな大事なことを黙っておった」お代官さまかい(笑)。トニーは頭をかきつつ、「いやね、血だらけのスキーウェアが見つかっただけでやんしょ、あっしもしかと雪男を見たわけじゃないし、そんな大騒ぎをしてもね」保安官、考えたあげく、「よし、明日、辰の刻を期して雪男を探しに参るぞ」だって。

 足跡を追っていたエレン、ついにあのスキーパトロールの人が雪男にやられた現場を見つけるのです。と同時に響き渡る恐ろしい唸り声。びっくりしたエレン、急いで逃げ出すのでした。さあ、滑って逃げるエレン。がおーがおーと唸る雪男。エレン、ばたっと転んだァ。「あいたた、えらい目に会っちまったねえ」迫る雪男、立ち上がってまた滑り出すエレン、唸る雪男、やられたかと思いきや、そのままエレン逃げちゃいましたとさ(笑)。

 さて町の体育館では町民あげてウィンター・カーニバルの準備中。キャリーも大はしゃぎでみんなを励ましたりやってきたミス・雪の女王に王冠を渡したりしております。そこになんと雪男が躍り込んで来たァ!でも雪男は一瞬窓の外から顔を見せるだけであとはもっぱら悲鳴を上げながら逃げ惑う町民の皆さんでパニック感を演出しております。簡潔でしかもお金の掛からないまことに優れた演出方法と申しましょう。で、雪男はこの町民たちを襲うかと思いきや、何故か外に出て偶然車でやってきたカーニバル実行委員の女の人に「がおー」ずたずたにしてしまったのです。この騒ぎで転倒したキャリーも腕を負傷、救急車で病院へ運ばれるのでした。駆けつけてきたガーにキャリーが「ああ、私が間違っていた、早いところ通報しておくべきだったよ」と言い残すのはもはやこの手の映画の定石でありますな。

 さて、この騒ぎの後、部屋に戻って物思いにふけるガーであります。彼の頭の中に現役でカッコ良く滑っていた頃の自分の姿がぽわわーんと浮かんでくる。あれ、これは直滑降だな、狙撃手の目はどうしたんだ、バイアスロンの選手じゃなかったの、良く分からないけど、まあ、いいか。ついにガー、すっくと立ち上がりスキーウェアに着替えます。外へ出るとスキーでしゃー。深夜の山のなかをまたまたえんえんと滑るという・・・。あ、ところでエレンはどうなったんでしょう。ガーは今だ帰らないエレンを探しに行ったの?それともキャリーの言葉に発奮して雪男探しに行ったの?これもまた良く分からないのですが、まあ、いいでしょう。

 そのエレン、ある山小屋で夜明かしをしておりました。いきなりがたがたという音が響いて驚いて眼を覚まします。何者かが山小屋に入ってこようとしているのです。「お前さん、誰だい」と勇気を振り絞って叫びますと帰ってきた返事が、「かかあ、俺だ、俺だよ」ガーだったのであります。「あんた、良く見つけてくれたねえ、嬉しいよ」「おう、かかあ、怖かったろう、よく我慢したなあ」「あんた」「かかあ」「あんた」「かかあ」OHOOOHeyyyy!って五月蝿いよ(笑)。ここで今までのことをじっくり話し合ったりなんかしちゃったりなんかして(広川太一郎風)、二人はようやく夫婦の危機を脱したのであります。ぶちゅぶちゅぶちゅちゅちゅーとキスまでしちゃったりして雪男が外をうろついているというのになんとも暢気なことですな、けっ。

 その暢気がわざわいしたのか翌朝、雪男が山小屋を襲撃。入り口のドアをがんがん叩いております。ガーとエレンは飛び起きて逃げようとしたら上から人形じゃなかった雪男にやられたスキーパトロールの人の上半身がぼとっ(大笑い)。ガーとエレンは壁を破って逃げ出そうとします。そこへ現れたのが保安官とその助手、トニーの雪男捜索隊、あるいはガーとエレン捜索隊の面々ですよ。雪男はあっという間に逃げ出してガーとエレンは救われたのです。トニーは二人を町まで送り、保安官たちはそのまま雪男を追っていくこととなりました。

 そして見事、怪しの生物を保安官がやっつけた。大喜びの町民の皆さんですが、ガーたちは保安官が撃ったという生き物を見て愕然とします。それは唯のグリズリー、熊だったからです。ガーとヘレンは道行く保安官を捕まえて「ありゃあ、あっしらが見たものと違いますぜ」保安官目を剥いて「何、違うとな」「お疑いなら、あの熊を解剖してみればいいや、食われた奴らのスキーウェアなんかでてきやしませんて」「ううーむ」保安官考え込みまして「よし、相分かった。その方、わしと同行せよ、雪男を退治に参るぞ」ヘレン、置いて行かれては大変と「お前さん、あたしも連れていっておくれ」これで仲間が三人になった!おまけにどこでこの話を聞きつけたのか、トニーがぱっと現れまして「あっしを入れて四人ですぜ」

 ガー・へレン・保安官・トニーの夢のカルテットでキャンピングカー仕立てて山の中にはいる訳です。ところが雪男、まさに「けり落としなさい」といわんばかりに積んである丸太を足でけり落とした。ぐわんぐわんぐわらんとキャンピングカーを襲う丸太!ががーんと激突、キャンピングカーはひっくり返ってしまいました。運悪く中にいた保安官は重傷を負ってしまいます。外にいた残りの三人は「えらいことだ、保安官をお助けしろ」とキャンピングカーを潰した丸太を動かそうとしたのですが、ここで雪男ががおーっと襲ってきた。あら、この三人、不人情にもひえええお助けぇと保安官ほったらかしで逃げちゃった(大爆笑)。哀れ動けない保安官、雪男にやられてしまったのです。

 ばたばたと山小屋(さっきの山小屋とは違うんかいの)へ逃げ込んだ三人ですが、こうしていても埒が明かないというのでキャンピングカーへ食料とライフルを取りにいくことになります。ひっくり返ったキャンピングカーに無理やり乗り込んで探す訳ですが、なかなか見つからない。やっとトニーがライフルならぬピストル一丁を見つけたところでがおーっ、再び雪男の襲撃です。トニーはこの雪男にピストルを乱射。あれ、あれれ、雪男あっさり逃げちゃった。ガーはエレンがようやく見つけたスキーを使ってこの雪男を追跡。彼はトニーからピストルを借りていたのですが、雪男に三発ほど発射したところで弾がなくなっちゃった。ガー、大ピーンチ!しかしさすがは冬季オリンピック、金メダリストです、え?この場合、それはあんまり関係ないのではないかですって、それもそうですな、承っておきましょう。とにかくガー、慌てず騒がずスキーのストックを迫ってくる雪男にぐさーっ。

 雪男、ばったり倒れて死んでしまったという・・・。これで映画は終わりです。しかし、なんですな、まさに死ぬその瞬間ですら雪男の全身像をはっきりと映しませんねー。ちらっと見た限りでは雪男スーツの出来はそれなりに良さそうなのになぜ、こんなに出し惜しみしたのでしょう。

カラー・スタンダード、モノラル音声。画質は意外に良好。コントラストが高く発色も綺麗です。音もノイズが少なくて台詞が聞き取りやすい。13枚組みのDVDボックスセット50 Movie Pack: Drive-In Movie Classics の一本。Digital 1 StopDVD

 エロの冒険者 

       HOMEPAGE http://homepage3.nifty.com/housei/

      SFシネクラシックス 輸入DVDでみるSF黄金時代(笑)

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