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2006年12月 4日 (月)

『戦慄の毒蜂軍団』(『TERROR OUT OF THE SKY』 1978年)

 

『戦慄の毒蜂軍団』(『TERROR OUT OF THE SKY 1978年)

この映画は『キラー・ビー』(THE SAVAGE BEES』 1976年)の直接の続編。前作でスーパーボウル会場に蜂を誘い込み冷凍作戦で蜂をやっつけた女性昆虫学者(たぶん別の女優さん)がその時の悪夢に悩まされるところから始まります。いきなりベッドの上の女が「うーん、うーん」と呻きだすのですから何事かと思ってしまいましたが。

 さてこの女性昆虫学者ジニー・デヴェロックス(トバー・フェルドッシュ)はニック・ウィリアムズ(ダン・ハガティ)という恋人がいるのですが、仕事が忙しすぎてお付き合いが疎遠になっておりました。その分を取り返そうとして「うち、今度休暇とってニックと仲直り旅行ばすると」と張り切っております。そこへ尋ねてきたのが国立蜂研究所(何を研究しているのかすぐ分かる親切な名前)の所長、デヴィッド・マーティン(エファーム・ジンバリスト・ジュニア)であります。ここでオープニングクレジット、続いて蜂の巣箱が映りまして「1978年 輸入された女王蜂に殺人蜂が混じっていて繁殖、なんとか退治されたものの人々の犠牲は大きかった」云々のナレーションが入ります。

 本編に戻って所長がジニーの家まで何をしにきたのかといいますと「蜂ば品種改良して殺人蜂に対抗できるようにせんといかんけん、その改良ば手伝うてくれ」ということなのです。しかし、ニックとの旅行に命をかけている(笑)ジニー、「やです、うちは休暇をとっとちゃん。それに今度すっぽかしたら本当にニックに振られてしまうわあ。そうなったら所長さん、責任ば取ってもらいますよ」あえなく退散する所長であります。

 研究所へ帰ったら帰ったでお役人の相手をしなければなりません。「お役人様、どうか助成金ばたっぷり出してつかあさい」とついつい卑屈になる所長です。しかしお役人は「あんた、もし殺人蜂の被害が出ても公表したらいかんち言いよるそうやなかな」「そりゃ仕方なかとです。殺人蜂が出たァやらニュースで流したら国民はフツーの蜜蜂まで皆殺しにします。そうしたら花粉が受粉できまっせん。作物が育たなくなって食料危機になりますたい」「とにかく、そんなことば言いよるうちは助成金やらあげられまっせんな」お役人は帰ってしまいました。

 所長の苦労はまだまだ続きます(笑)。巣箱112号の働き蜂が謎の大量死、これを調べていた研究員のイーライが蜂に襲われて無残な死を遂げたのです。体中を蜂に刺されてぼっこぼこ、おまけに口の中には蜂の死体がいっぱい詰まっているという、ひーっ。「こらあ、えらかことじゃ」研究所は大騒ぎ。可哀想に今にもニックの自家用機で旅行に出かけようとしたジニーはこの緊急事態で呼び戻されてしまいます。「人が死んだんやて、ニック、ごめん、うちいかんとならん」ニック怒って「これで三度目たい、もう次はなかとよ」

 この安っぽい愛憎劇が余計だなあ(笑)。

 さあてニックをほったらかして研究所へ戻ったジニー、所長に頼まれてイーライの口の中に入っていた(ひーっ)蜂を調べます。顕微鏡で蜂の死体を調べて殺人蜂ではないか鑑定しようというのですが、ここで映るのが前回の蜂事件の映像。蜂に真っ黒のたかられた車をスーパーボウル会場まで運転していった恐怖の記憶が蘇ってきたのです。脂汗をだらだらながすジニー、「うー、気分悪か、蕁麻疹がでるっちゃがー」などとぶつぶつ言っております。ようやくこの検査が終わってでた結論が「やっぱり殺人蜂ですたい」あの恐怖が再びということで戦慄する登場人物たち。

 そしてなんということでしょうか、この殺人蜂の女王蜂が入った巣箱がすでにアメリカ各地へ出荷されていたのです。ニューメキシコ、カリフォルニア州のベーカーズフィールド、ミシシッピ、おまけに四つ目が今まさに運送会社の息子の車によって郵便局へ運ばれているそうな。「急げ、息子ば止めないかん」車で出動した所長とジニー、ようやく息子の車に追いついて巣箱を取り返したのでした。「ああ、やれやれ、ジニー、近くの湖で休憩ばしようや」やい、所長、何暢気なこと言ってんだよ(笑)。まだ三つ残っているだろ、さっき政府に知らせたらいかん、自分達で回収するったいって言ってたじゃないかよ。

 おまけに所長の奴、ジニーに向かって「実はおいはお前に惚れとったい」なんて言い出しやがった(大笑い)。ジニーはちょっと困った顔。彼女は昔所長が好きだったという過去があったのであります。しかしその時所長には奥さんがいたので泣く泣く諦めたのですね。ジニーは「所長、突然すぎるけん、ちょっと待ってつかあさい、時間にまかせましょう」と上手く誤魔化したのであります。

 さて、残りの巣箱をどうするか。発送業者に当たってみたところ74日の連休で火曜日までは無理ですばいという返事。所長、ジニー、「それじゃ、間に合わんて!」と悲鳴を上げるのでした。じゃあ、自分達で行って始末しようとするのですが、やっぱり連休で「飛行機の切符が取れん!」お前ら、ゴールデンウィークに帰省しようとしている人か!こうなったら背に腹は変えられない。ジニー、ニックの家へ行って「こんなこといえた義理じゃないばってん、飛行機に乗せてくれんね」と頼み込むのです。勝手な申し出にむっとするニックでしたが、俺があんたば飛行機に乗せちゃる、次はあんたが俺ば乗せるったいとでも思ったのか(笑)その願いを受け入れるのでした。

なんだか暢気なことやっているのですが、この間にも殺人蜂は繁殖を続けている訳で、国民に知らせたらいかんとか言っている場合じゃないですよ。「秘密にするやら言いよるうちは助成金やら出せん」というお役人の判断は間違ってませんでしたな。

 ニックの自家用機で所長とジニー、ニューメキシコに向かって出発します。ここでもニックに向かって「おいは実はジニーのことが好いとうったい」とか言い出しやがる。無理やり飛行機を借りておりながらジニーの元恋人?であるニックに向かってこんなことを言う。やっぱり無神経の謗りは免れませんなあ。こんなこったから殺人蜂を出荷したりするんだ。

 飛行機は無事ニューメキシコへ到着。郵便局員から借りたトラックで出荷先のローガン家へ向かいます。しかし、このローガン(ロニー・チャップマン)というのが腹黒い奴で「あに、女王蜂ば返せ、ええっ、金ば払う?ふーん、えらい値打ちもんみたいやねえ、ふふふ、そんな女王蜂を簡単に返す訳にはいかんばい!」こんなことを言い出した。おまけにライフル持ち出してきて「巣箱に手ば出したら命はなかバイ!」これでニックが切れた。彼はローガンの前に立ちふさがると「撃つなら撃ちんしゃい、ばってんそげんことしたらあんた、警察に捕まるバイ!」このムチャな脅しにローガンがひるみます。所長、この隙に殺人女王蜂が入った巣箱を奪いトラックに運び込んじゃった。そして殺虫剤をぷしゅーと吹きかけ一件落着。「よし、これでよか、次は養蜂業者のデルモットたい!」

 しかし、このデルモットという人、養蜂業者の常で花を求めてずーっと移動しております。そこで「空から探すったい!」ということになりまして、再び機上の人となるニック、所長、ジニー。その頃トラックに巣箱を載せて走り出したデルモット、「俺は村中で一番、蜂蜜作ると言われた男」なんて歌いながらご機嫌な彼ですが、荷台の巣箱から羽化した殺人蜂がぶーん。はい、あっという間に襲われて刺されまくりです。ギャーギャー喚きながらトラックから飛び出すのですが時既に遅し、デルモットは死んでしまいます。

 彼を発見した一行、飛行機を着陸させてって近くに飛行場なんかないんだけど(笑)トラックの巣箱を調べてみますと見事に空っぽ。「殺人蜂はもう逃げとるバイ!」今度はソッチを探さなくちゃならない、蜂は水を必要とするので湖や池などの周辺におるに違いなか、ということになりまして飛行機を離陸させます。だから飛行場なんかないんですけどねえ。

 ほどなく湖を発見。「あそこたい、蜂はあのへんにおるバイ!」ということでまた着陸。だから飛行場なんかないって言ってんだろ(笑)。おりしもこの湖近くの野球場では陸軍と地元青年団の皆さんによる親善ソフトボールが行われています。所長は陸軍の偉い人、マンガス大佐(リチャード・ハード)に「殺人蜂ですタイ、みんなば避難させてください」と申し込みます。ジニーはジニーで試合場にいたボーイスカウトの少年達を引き連れて蜂探し。なんで子供を使うかね、陸軍の若い精力もてあました兵隊さんがいっぱいいるだろうに(笑)。

 このボーイスカウトが蜂の先遣隊を見つけた、じゃあ、本体はと思ったらあっという間に無数の蜂軍団が襲来したのです。なんだかボーイスカウト使って山の中に蜂探しにいったのが全然役に立ってないという気がします(笑)。蜂はブラスバンドの演奏にひきつけられてソフトボール試合場へ。ジニーは子供たちを連れて試合場に戻りって、どっか別のところに逃げろよ!スクールバスに逃げ込むのでした。「窓、窓ば閉めんね」と叫ぶジニー。

 子供たちもいい迷惑ですよ。

 ボーイスカウトの子供たちと共にスクールバスへ逃げ込んだジニー。運転席についてけたたましくクラクションを鳴らします。これで蜂軍団を引きつけて人々に逃げる時間を与えようというつもり。「みんな、はよ、逃げんねー」しかし、当然ながらバスは集まってきた蜂に覆われてしまいます。子供たちのリーダー、エリック(アイク・アイゼマン)、彼はあの大佐の息子なのですが、「おばさん、おばさん」「なんね、おばさんて失礼かねー、おねえさんち呼ばんね」いや、そんなこと言っている場合じゃないっすから(笑)。

 エリックはバスの天井を指差して、「あそこに換気口があるばい、あそこから蜂が入ってきたらどげんするとな」ジニー、ハッとなって「そらおおごとね、バスば動かして逃げましょう」換気口なんか小さいのだから服でふさげばいいんじゃないの?ジニー、トラックを静々と発進させます。これで蜂が離れるかと思えばさにあらず逆にますます数が増えたのです。ジニーは考えます。「どっかに蜂ば閉じ込めなならん、エリック、近くにトンネルとかそういうのなかね!」「いいの、あるよ!」とエリックは「TVタックル」で宇宙人の写真を取り出す韮澤さんのような笑顔を見せると「この先に地震で廃棄されたミサイル基地があるったい。そこならトンネルがあると」軍人さんの息子だからエリック、そんなレア情報に詳しい(笑)。ジニー、バスを基地に向かわせるのですが到着まで後少しというところでガス欠になってしまいましたとさ。

 なんで子供たちの送り迎えを控えているスクールバスなのにガソリン少ししか入ってないんだ。運転手の怠慢だな、こりゃ。おまけに蜂が換気口見つけてどんどん入り込んできた。ジニーようやく気がついて「みんな、上着ば使って換気口ばふさぎんしゃい!」これでボーイスカウトの男の子たち、上半身裸になるという・・・。でもジニーはそのまんま、子供ばかり裸にしてちょっとそれはいい年した大人としてどうかと思いますが(笑)。換気口をふさいでなんとか蜂の侵入を阻止したのですが、今度はバスが酸欠になった。みんな赤い顔ではあはあ喘ぎだすのです。

 さて、この間、所長とかニックはどうしていたのかと申しますと、バスを遠巻きにして「くそ、これ以上近づいたら蜂に襲わるるばい、ばってん、そげんいうてこのままにしとったらバスがすぐ酸欠になるバイ!」ここで所長が「よし、おいが蜂ば誘導しよう!大佐、ヘリば用意してくれんね!」どうするのかと申しますと、蜂防護服を着てその上から女王蜂のフェロモンを降りかける。そしてヘリで吊るしてバスから蜂を引き離そうという作戦であります。そのまま蜂をエリックの言っていたミサイル基地に連れ込んで地下に閉じ込めるのであります。防護服に身を包んだ所長、フェロモンを入念に振り掛けまして「大佐、準備はできた、もうよかバイ!」ヘリに吊るされた所長、蜂に覆い尽くされたバスの上にどんと降り立ちます。どうみたって靴の下で蜂がたくさん踏み潰されていますが(笑)。フェロモンの作用でバスから離れて所長に取り付く蜂軍団。所長、再び無線で大佐に呼びかけます。「よし、もうよかバイ、基地に運んでくれんね」またヘリに釣り上げられる所長。でもバスにはまだ蜂たくさん残っているのですがねえ。

 これでひとまずバスの危機は去りました。わあっとバスから駆け出して両親に迎えられる子供たち。ジニーもニックと抱き合って「ああ、良かった、助かったバイ!」

 しかし全てが終わった訳ではありません。ミサイル基地に蜂を誘導する難事が待ち構えています。びっしり体中に蜂をまといつかせた所長、ヘリで運ばれてミサイル基地へ。そのまま倉庫の天井から中に降ろされます。ここから歩いてトンネルに入り込み殺虫剤で蜂を全滅させ、先の出口から脱出するという段取り。基地のモニタールームでジニーやニックが見守るなか、トンネルへ足を進める所長であります。廃棄された基地のはずなのにモニターが使えるのが不思議ですなあ(笑)。

 もちろん、この基地はホンモノではありません。どこぞのでっかい工場を借りてロケしております。

 第一のトンネルに入り込んだ所長、用意してあった殺虫剤の缶を開きますって何時の間にこんなもん用意していたんだ。その煙から逃れて第二のトンネルへ。ここでまた殺虫剤の缶を開け、次に第三のトンネルへ。この手順を繰り返してさあ、脱出だと思いましたら脱出口が地震でそこだけに崩れ落ちた瓦礫でふさがれていたのです。天井からの脱出口もあったのですが、こちらも駄目。大佐の指示に従ってハッチを開くなりどかどかと大量の岩が落ちてきて所長は重傷を負ってしまったのでした。さらに悪いことにトンネルに充満しつつあった殺虫剤をたっぷり吸い込んでしまった。所長は防護服のヘルメットを脱いでモニター室のジニーとニックに語りかけるのでした。「おいはもう駄目たい、救助隊やらいらん、もうたっぷり殺虫剤ば吸って神経をやられとう。もうすぐ死ぬけん、救助隊やら無駄ぜ。ジニー、これからも蜂の研究ば続けてつかあさい、そしてニックと幸せになりんしゃい」「所長!」ジニーが絶叫したと同時に所長は目を閉じます。ここでエンドマーク。

 なんだかね、とてもつまらない映画でしたね。蜂が凶暴になって人を襲うなんて映画はしょうもないに決まってますけど、それにしたって限度というものがありますからね。

 ワイド・カラー・モノラル音声のレンタルビデオ。経年劣化で2.3箇所ノイズが入りましたが、別に気にするような映画でもないです。

  エロの冒険者 

       HOMEPAGE http://homepage3.nifty.com/housei/

      SFシネクラシックス 輸入DVDでみるSF黄金時代(笑)

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