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2006年12月 3日 (日)

『ザ・キラー・ビーズ』(『THE BEES』 1978年)

 

『ザ・キラー・ビーズ』(『THE BEES』 1978年)

SFシネクラシックス・レンタル。もっともらしい名前をつけておりますが、要するにレンタルショップで借りてきた映画のレビューをやろうということなのであります。その記念すべき第一弾はアメリカ大陸が殺人蜂に襲われる『ザ・キラー・ビーズ』、思いっきり同年公開のアーウィン・アレン作品「スウォーム」に便乗しておりますな(笑)。

何しろ『ザ・キラー・ビーズ』ですから、殺人蜂ですから、オープニングクレジットでいきなり蜂の巣で無数の蜂がぶんぶんぶんぶんと蠢いている絵ですよ。そしてこのキモチ悪い絵がようやく終わったところで「アフリカからブラジルに輸入された蜜蜂から攻撃的な新種が生まれた。この殺人蜂はあっという間に南米に広がり無数の動物や人間を刺し殺したのである。彼らが北アメリカに侵入するのも時間の問題であった」というナレーション。

 はい、ブラジルの農業試験場です。ここでこの新種の蜜蜂を品種改良をして大人しくすることができないかと研究しているのがミラー博士(クラウディオ・ブロック)と奥さんのサンドラ(エンジェル・トプキンス)であります。この蜜蜂は大人しくさせることさえできれば普通種の二倍の蜂蜜を作るのだ。そうなれば貧しい国も救われるぞという理想に燃えているのですが、地元の人々はそんなことにはおかまいなし。ある親子が蜂蜜を盗みに試験場に侵入してきたのでした。息子は「お父ちゃん、蜂やら怖か」「なんば言い寄るかたかが蜜蜂たい、煙を浴びせれば大人しくなると」ところが彼らがあけた巣箱はよりによって殺人蜂の奴。二人は怒り狂った蜂にぶすぶす刺されてしまいます。「うわー、こらいたか、たまらん、逃げるバイ!」父親の方はなんとか蜂を振り切ったのですが息子は哀れ刺し殺されてしまったのでした。

 次の日、朝食の席で博士がサンドラにいうことにゃ「どうも予算が回ってこんと思っとったら農務省で横領している奴がおるばいね、、50万ドルもくすねとっちゃが。帳簿を調べていたら分かったたい」どんな帳簿なんだか(笑)。博士、「この帳簿を証拠にして不正を暴くばい」と張り切ったのですが、そこに子供の死に怒った暴徒が押し寄せてきた。あの蜂蜜泥棒親父が「息子が死んだとはお前らのせいたい、こんな研究所やらいらん、潰してしまえ!」元はといえばお前が泥棒に入ったからだろうが(笑)と思いますが、とにかく地元民の皆さんは研究所で大暴れ。家具をぶっ壊したり研究所に放火したり。あげくに博士、「こいつが一番悪いったい!」と暴徒に殴られて昏倒してしまうのです。ここで巣箱から飛び出してきた殺人蜂に襲われて博士、死んだ。

 さて舞台はニューヨークへと飛びまして「殺人蜂対策国際会議」みたいなのが開かれております。ニューヨークで国際会議なのだから国連関連なのかな、良く分からないけどまあ、いいや。ここで熱弁を奮っているのがジョン・ノーマン博士(ジョン・サクソン)であります。彼は殺人蜂の入ったガラス瓶を出席者に配って「あの蜂は人ば殺します。品種改良せんと危なくって仕方ありまっせん!あの蜂は普通の蜂に比べて二倍の蜂蜜を作りますと。品種改良ばして大人しくさせることができたら役に立ちますタイ、だけんどこかに実験場が必要になるとです。協力ばお願いします」でもみんなぴんと来ない。「たかが蜂じゃなかですか」「我々途上国の人間には関係なか話ですたい」その中の一人がうっかりして蜂の壜を割っちゃった。蜂がぶーんと飛び出してみんな逃げ出すという不必要なギャグ(笑)。

 同じ頃ブラジルから帰国したサンドラ。大きな荷物を抱えてタクシーから降りホテルのエレベーターに乗るのですが、一緒に乗り込んできた人相の悪い男二人が扉がしまるやいなや、「やい、ねーちゃん、この荷物ばおいていかんね」その荷物の中にブラジルから密かに持ち込んだ蜂が入っていたという。うっかりこれを開けてしまって蜂がぶーんぶーん。強盗二人、ぶすぶす刺されて一巻の終わり。サンドラ、この二人を放っておいて蜂の容器だけ持って逃げ出します。その逃げ込んだ先がノーマン博士のアパートメント。ノーマン博士はおりしもアリシアというラテン系の美女とキスなんかしたりしております。ノーマン博士は突然の珍客に驚くのですが相手がミラー博士の妻であったサンドラだと知ると大歓迎。「おうよくこられましたな、ゆっくりしていきんしゃい。おう顔に傷があるやなかや、どげんしたとですな?」彼はサンドラをベッドルームに連れていって手当てをします。

 この出来事に穏やかならぬのがアリシア。あの女は一体何者かしらということでこいつもサンドラの持ってきた蜂の容器を開けよる。たちまち蜂がぶーんと飛び出して「ひーっ」刺されたアリシア逃げてしまいます。えー、この後、この女の人は全然出てきません。サンドラは「二、三箇所刺されたぐらいじゃどうもならんと」と笑っておりますが、本当は死んじゃったんじゃないの(笑)。

 この後尋ねてきたのがサンドラの叔父、ジョン・キャラダイン。「おいはたくさんの映画にでとうばってんがこの映画じゃあサンドラの叔父さん役やけん、よろしゅう頼むぜ」という訳ですな。彼の助けを得てサンドラの連れてきた女王蜂と雄蜂で品種改良をしようと決心する二人です。ちなみにこれはまったく秘密。税関も誤魔化して持ち込んでいます。ひでー、蜂が危ない、危ないといいつつ非合法にアメリカに持ち込んでいるやんか、こいつら。

 他にも蜂の秘密を狙っている奴らがいました。蜂蜜会社や殺人蜂のロイヤルゼリーを使おうと企んでいる化粧品会社、そして彼らから賄賂を受け取っていると思しき農務省次官サムであります。彼らは手下をブラジルへ派遣。ミラー博士の試験場で働いていた黒人青年に蜂のアメリカ国内持込を頼むのでした。「上手くやってくれたら礼ば弾むぜ」黒人青年、手下から蜂を隠すことのできる特殊ベルトを貰ってその頼みを引き受けるのです。でもアメリカへ向かう飛行機の中で蜂が逃げて黒人青年刺し殺されてしまいます。飛行機はメキシコシティへ緊急着陸。この逃げた蜂があっと言う間にアメリカ国内へ侵入してしまうのでした。

 ここからしばらく蜂の大群大暴れの場面が続きます。黒人青年が持ち込んだわずかの蜂が爆発的に増えて空を覆いつくさんばかりの大群になったのです。いくらなんでも増えすぎじゃワレ!と思うのですが、何しろこんな映画だから仕方ありませんやね。

 蜂はビーチで大勢の人を刺し殺し、公園で大勢の人を刺し殺し、乗馬大会で大勢の人を刺し殺しって刺し殺してばっかりですな。挙句にローズパレードに殴り込みをかける蜂軍団。うわあ、本当にローズパレードの山車をロケに使っているよ、こんな映画なのに(笑)。ひとしきり人々を襲った蜂はある洞窟にこもって巣作り。ここにボールが転がり込んでとりにきた女の子が蜂に・・・という場面はちょっとイヤですなあ。

 テレビのニュースを見てやっとこの事態に気がつくノーマン博士たちって暢気すぎるだろう(笑)。テレビではキャスターが「蜂はサンディエゴにも現れました、アリゾナでも46人やられています!」このままではアメリカは殺人蜂の餌食となってしまう。「ノーマン、どげんしたらよかと、品種改良はもう間に合わんばい」サンドラに聞かれたノーマンは「殺虫剤はできん。蜂も殺すばってん使ったところば汚染してしまうけんね。よか、いっぺんフェロンば使ってみるたい」

フェロンってフェロモンのことなのかなあ。

 じゃあ、実地でテストばしましょうと二人は蜂の巣を探しに出かけます。ちなみにジョン・キャラダインはお留守番。まったくこの人は出る映画、出る映画で外でませんなー。研究室とか家にこもってあれこれ言うだけですなー。さて、木についている蜂の巣を見つけた二人、さっそくフェロンを振りかけます。するとにわかに殺人蜂たちが狂いたち「見てんね、蜂が同士討ちばしよるよ」「おお、女王蜂ば殺しよった。フェロンの効果は完璧バイ!」この事件に怒った蜂たちが例の洞窟から発進。二人は車の中へ逃げ戻ります。そして無数の蜂がぶんぶん飛んでいる中、ぶちゅぶちゅぶちゅちゅちゅーとキスを交わすのでありました。あー、なんだかなあ、もう。

 このフェロン作戦、対策会議でさっそく承認されることとなります。多数の飛行機が用意されて「蜂でんなんでんこれでしまいたい!」と張り切るノーマン。

 ここでジョン・キャラダインの一人語り。彼は「蜂はダンスば踊って仲間と話をするったい。だけん、そのダンスば解析すれば蜂とコミュニケーションできるったい」一応、これが後の伏線となっているらしい。

 いよいよフェロン作戦開始。フェロンがホースでどかどか輸送機に詰め込まれます。そして補助ロケットを使用して緊急離陸をするC-130、蜂の群れにフェロンを「さあ、いっちょやったるか」、バーッと撒き散らします。ヘリコプターでもバーッと撒きます。あっという間に蜂は退治され、ノーランの元に大統領から「あんたんおかげでアメリカは救われたバイ!」というお礼の電話が入ったのであります。いやもう本当にあっという間ですなあ(笑)。

 ちなみにこのフェロン作戦の最中に例の蜂が洞窟に作った巨大な蜂の巣が映るのですが、ここから蜂が出撃して輸送機を襲うとかそんなシーンはまったくありませんでした。

 さて、殺人蜂危機がやっと終わりました。ここで思いがけないことが起こります。今まで何が起こっても研究室にこもりきりだったジョン・キャラダインがついにその重い腰を挙げワシントンに飛んだのです。そこで彼は農務省次官にあって「わしゃあ、見つけましたバイ、予算を横領ばしよる悪か奴がおります。次官さま、どうか、この悪か奴を突き止めて懲らしめてやってつかあさい」ところがその横領していた悪い奴は次官その人であったと。彼から「おい、ジョン・キャラダインば始末しやい」と電話で命令された謎の組織、二人の殺し屋を研究所に送り込むのでした。

 あっさりと塀を乗り越えて研究所へ忍び込む殺し屋二人。上手い具合にサンドラは空港にノーマンを迎えにいっておりジョン・キャラダインが一人で研究をしているというシチュエーション。殺し屋、キャラダインを見つけると有無を言わさず拳銃を発砲。背中を撃たれたキャラダイン、ギャーッと叫んで倒れます。「よかよか、上手くいったごたぁ」にんまりする殺し屋二人ですが、その時突然ガラス窓を破って蜂の大群が飛び込んできた!なんですかな、これは蜂とコミュニケーションをとろうとしていたジョン・キャラダインが殺されたので蜂が怒ったということなのでしょうか。良く分かりませんが、まあ、いいや、とにかく殺し屋の一人が蜂に刺されまくって顔面がぼこぼこになって死んだとご理解下さい。

 この惨状を見て驚いたのが丁度空港から帰って来たサンドラとノーマン、サンドラは倒れているジョン・キャラダインを抱き起こして「叔父さん、叔父さん、一体どげんしたとね、まあ、こぎゃんたくさん血が出とお」「サンドラや」ジョン・キャラダイン、今わの際に「あの蜂は新種たい、電波の刺激で突然変異したったい、あれは人間の言葉ば分かる。人間のごと考えることができる」と言い残して死んでしまいましたとさ。「叔父さん、死なんといてー」と泣き喚くサンドラと思いきや、蜂の襲撃から逃れていた殺し屋の片方が襲ってきた。ノーマンと戦うことになるのですが、こんな下りを長々やっていても仕方ありませんから途中を省略します。ノーマンが倒れた男の顔に蜂の巣箱を押し当てて思いっきり刺させるとギャーッ、殺し屋の片方も顔面ぼこぼこになって死んでしまいましたとさ。

 蜂は例の農務省次官も襲います。オフィスでいかにも関係のありそうな秘書をからかってにやにやしている農務省次官、ちょっと時間が早かばってんが、一杯やるバイとオフィス備え付けのバーを開くとそこから無数の蜂がぶーん。こんな映画のこんな場面になるたけならツッコミたくないのですが、どうにもキモチが収まりません。「お前ら一体どうやって中に入ったんだよ!」

 これ以降も殺人蜂は猛威を振るいます。手っ取り早く焼いてしまおうやないやということでF-101ヴードゥやらF-サンダーチーフやらAD-1スカイレイダーやらが出撃してナパーム弾をばら撒きます。しかし蜂の大群を焼き尽くすことなど出来よう筈もなく、みんなゲキツイされてしまうのでした。なお、いうまでもないことですがこの場面はみーんな流用フィルムであります。

 ノーマンは濃縮したフェロンを使ってみるのですが、人間並みの知能を誇る新種の殺人蜂には効果なし。逆にフェロンを積んだトラックが襲われたりしてもうさんざん。だったらジョン・キャラダインのやっていた研究を利用するバイ、蜂の言葉ば研究するたい!方針を180度変えたノーマンとサンドラ、それから日夜研究に励みます。その努力が通じたのかある夜蜂が彼らを訪ねてきた!研究室が蜂で覆い尽くされております。二人の寝室も蜂でびっしり。体にも一杯蜂がついてこら、役者さんたちは良く頑張っていますなあ。こんな映画なのに(笑)。

 ノーマンとサンドラ、蜂たちに大声で話しかけるのでした。「あんたたちの頭の良かことは分かっとう。今、あんたたちの言葉ば分析しよるけん、もうちょっと待っちゃらんね!」すると蜂が本当に待つと言う・・・。

 さあ、時が流れて国連(かなあ)蜂対策会議に出席したノーマンとサンドラ。どうやら二人、蜂と話をしてへんなことを吹き込まれたらしい。いきなりこんな大演説をかますので会場の皆さんは唖然。「我々人類は環境ば破壊しよります。あの蜂は環境ば破壊する人類を懲らしめるために自然が作り出したとですたい。人類は環境破壊をやめて蜂と共存ばせななりまっせん!それが唯一人類の生き残る道ですたい!」皆さん、呆れ返ります。ぷっと吹き出すもの、耳の周りで指をくるくるさせるもの、そりゃ、気が狂ったと思われても仕方ないです(笑)。

 司会者はあいまいな笑顔を浮かべて「大変、結構なお話、ありがとうございます。お帰りはアチラですたい」ようするに訳の分からないことをいうのは止めてとっとと帰れということですな。ノーマン、サンドラはカッとなって「これが最後通告たい」「あんたたちは何馬鹿なことを言いようとな」この怒りを感知したのか窓を破って乱入してくる蜂軍団。ほら、自然破壊をやめて俺らと共存しろ、さもなければ刺すぞと驚かされて人類、ついに蜂との共存を受け入れるという、お話でございました。エンドマーク。

 なんだか、本当にしょうもない映画でどうもすみませんでした。

 ワイド・モノラル音声のレンタルビデオ。画質・音質は良くないけれどもいつも見ている輸入DVDよりかはマシだったりします(笑)。

 エロの冒険者 

       HOMEPAGE http://homepage3.nifty.com/housei/

      SFシネクラシックス 輸入DVDでみるSF黄金時代(笑)

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