« 2006年12月 | トップページ | 2007年2月 »

2007年1月11日 (木)

『Don't Open Till Christmas』 (1984年)

 

クリスマスシーズンに謎の殺人鬼がロンドンでサンタクロースのカッコをした人をがんがん殺していくという聞くだに間抜けなホラー映画。殺せばいいってもんじゃないんですよ。

この殺人鬼の最初の犠牲となったのは夜の路上で恥ずかしげもなくカーセックスに突入せんとス!のカップル。男はサンタクロース姿でのサンドイッチマンかなにかのバイトから戻ってきたのかな。せっかくのサンタコスチュームを脱いで車の中で女とくんずほぐれつぜえぜえはあはあ、こらたまらんという状況になります。これを覗くのが殺人鬼(笑)。彼に気づいた男はパンツをずり上げると車から出て「おうおう、てめえ、何を見ているんだぐ」腹にナイフがグサー。ばったり倒れてあの世行き。女は悲鳴を上げながら車から飛び出て逃げようとするのですが、あっさり追い詰められて「いやー、やめてやめて殺さなぐ」やっぱり腹にナイフがグサー。

 はい、ここでオープニングクレジット。サンタの人形がめらめら燃えているというまことに心温まるオープニングでございます。

 一転して華やかなるパーティ会場。司会者がシャンパンのグラス片手に「さあ、一段と盛り上がって参りました。ここで今夜のスペシャルゲストを紹介したいと思います。わざわざグリーンランドからやってきてくれたサンタクロースです」サンタの扮装をしているおっさん(ローレンス・ハリングトン)が登場して「ほーほっほっほ、わしがサンタクロースじゃよ、今夜はみんなにプレゼントを持ってきたよぐ」後からやりが飛んできておっさんの後頭部にグサーッ。刃先が口から飛び出るというショッキングな場面。お面を被って変装した殺人鬼がヤリを投げつけたのです。

 この殺人事件の担当となったのが「ニュースコットランドヤード」の腕利きハリス警視(エドムンド・プーダム)とその部下パウル(マーク・ジョーンズ)。二人は殺されたおっさんの娘ケイト(ベリンダ・メイン)とその恋人クリフ・ボイド(ゲリー・サウンドキスト)のアパートメントを訪ねます。二人とも昨日のパーティ会場にいたので何かアヤシイ人間を見ていないかと聞きにきたのであります。ケイトは首を振って「いいえ、そんな人見ませんでしたわ、それに私のパパはとてもいい人だったんです。敵なんかいるはずありません」ハリス警視は頷いて「あなたのお父上は恨みで殺されたのではありません。サンタマーダーにやられたんです」

 殺人鬼の名前がサンタマーダー。どうもカッコ悪い名前です。なにか青島幸男が叫んだようです。「三多摩だぁ」お後がよろしいようで。

 次にサンタマーダーの犠牲になったのは路上で焼き栗を売っていた売り子サンタ。「はいはい、いかがっすか、美味しい焼き栗、クリスマス名物焼き栗、お安くしときぐ」後からいきなり針金で首を絞められた後、顔面を真っ赤に燃えているコンロ(焼き栗に使う奴でしょうか)に押し付けられてしまいます。びびびと痙攣する売り子サンタ。しかしサンタマーダー、手を離しません。売り子サンタの顔がぐずぐずと焼き崩れついに服に火が移ってボッ!売り子サンタ、火達磨になってしまいましたとさ。

 さて、出勤前のハリス警視、家政婦のミセス・シェリー(ウェンディ・ダンバーズ)からクリスマスプレゼントが届いていますよと知らされます。「箱にクリスマスまであけないことって書いてありますわ」しかし、ハリス警視、出勤前で時間がなくそのまま放っておいて出かけたのでした。そしてパウルといろいろ相談。ここで場面はケイトとボイドのアパートメントに移りまして、「ボイド、ハリス警視にあなたと何時結婚するつもりなのかって聞かれたわ」と言うケイト。すると、ハリス警視はボイドを疑っているということなのでしょうか。

 さらに新しい登場人物。パウルにジャイルズ(アラン・レイク)と名乗る男から電話が掛かってきます。デイリーニュースの記者だというジャイルズは「ふふふ、パウルさん、ヤードじゃろくな手がかりないんでしょ、容疑者もまだ上がってないんでしょう、私、ちょっとしたネタ持っているんですがねえ、それであなた、犯人を捕まえませんか、出世間違いなしですぜ」びっくりしたパウルは「んー、君は何か重大な手がかりを持っているのか」「それは後のお楽しみ。また連絡します」ジャイルズ、電話を切ってしまいました。

 第四のサンタ殺人が起こります。酔っ払いぐでんぐでんのサンタが見事な千鳥足。「ウィー、酔っ払ってますよう、酒を飲んだから酔っ払うのは当たり前ってんです、何か悪いのかよ、コノヤぐ」何者かに口にピストル突っ込まれてずどん。はい、酔っ払いサンタの後頭部が消し飛んでしまいましたとさ。

 ジャイルズはケイトにも接近します。町で彼女に付きまとって「ねえ、何か教えてくださいよ」しかしケイトは「ハリス警視からマスコミの人には何も喋るなと言われておりますの」でぷい。ジャイルズ、取りつく島もありません。

 さて、本職はストリートミュージシャンであるボイド、駅でフルートを吹いております。その合間にケイトが観客の間を回って持っている帽子に小銭を入れてもらうという・・・(笑)。ここで登場したのがボイドの旧友、ゲリー(ケヴィン・ロイド)であります。ゲリーとボイドは偶然の再会を祝ってパブで乾杯。そしてゲリーは「おれ、ヌードのカメラマンになったの」と言い出します。「あのケイトってブロンドだけど、あんたのこれだろ」小指をたててみせるゲリー。「彼女をモデルで使いたいなあ」二人でごにょごにょ話し合って(だから台詞が聞き取れないの)、ボイドはケイトを「奴のスタジオでお茶を誘われた」と騙して連れていくことになったのです。

 翌日ゲリーのスタジオに赴いた二人。ゲリーはシャロン(パット・アシュレー)というモデルを相手にヌード撮影の真っ最中。ボイドはうひひひと喜びケイトは渋い顔をしています。ようやく撮影が終わった、さあ、お茶だと思いきや、ゲリー「あのさ、予約していたモデルがキャンセルしてきやがって困っているんだ、ケイト、ヌードじゃなくてもいいからモデルになってくれない」と言い出し彼女を驚かせるのでした。「そんな冗談じゃない、なんで私がそんなことを」というケイトですが内心は満更でもなかったらしい(笑)。シャロンから「そんな素晴らしい体しているんだからモデルにならないと勿体無いわよ」なんて言われたこともあってついついOKしてしまうのであります。

 「ありがとう、助かるよ」と大喜びのゲリー。しかし「じゃあ、ちょっとこれを着てくれるかな」と持ってきたのがサンタのコスチュームだったという(大爆笑)。当然ながらケイトは「あたしのパパはサンタのカッコしていて殺されたのよ、なんて無神経なの」と激怒。帰ってしまいましたとさ。

 ボイド、これで彼女を追っていけばいいのですが、何しろええ体のヌードモデルのシャロンががいるんです。今やそのシャロン、ケイトが拒否したサンタコスチュームを着ているのです。こんな女を放っておけますかってんだ。彼らはスタジオを出て路上に立ち話。どうやらシャロン、ボイドに気があるようで「ねえーん、これ見てぇ」サンタコスチュームの前をぱっと開くとその下はマッパ。いきなりオッパイですよ。思わずごくりと唾を飲むボイド、しかし、これを見回りのおまわりさんに目撃されてしまったのです。「こら、そりゃ、公然わいせつだぞ」ボイドとシャロン、二人のおまわりさんに追われて逃げ回るのでした。あははは、ひどい、どんな話やねん、これ、あははは。

 さて警官から逃げるうちにボイドとはぐれてしまったシャロン、路地に迷い込みます。と、ここでサンタマーダー登場。お面を被ったサンタマーダー、怯えるシャロンに近づくと剃刀をぎらり。これで口の辺りから下腹部まで一気にずんべんばらりかと思えばさにあらず、サンタマーダー、剃刀で彼女の体を撫で回したのみ。そのまま夜の闇に消えてしまったのであります。ちなみにこの場面のBGMは「きよしこの夜」こら、なんて罰当たりなことをする(笑)。

 ハリスとパウル、さっそくシャロンにサンタマーダーのことを聞きに行くのですが、得られた証言は「背がパウルと同じくらいだった、お面を被っていたので顔は分からない、剃刀をもっていた」という実に役に立たないものばかり。これじゃああかんとため息をつくハリスとパウルです。

 そうこうしているうちに第五のサンタ殺人が発生。覗き部屋にサンタコスチュームで出かけた男、ってなぜそんな風俗にサンタのカッコででかけるか(大笑い)。ガラスの向こうで踊っている女に大興奮して、「ほら、ほら、もっと脱ぐんだ」女は冷静な声で「もっと見たけりゃ5ポンド追加ね」「何、5ポンド、高いが仕方なぐ」いきなり背後から現れたサンタマーダーがナイフで彼の喉をグサーッ。ガラスに血が飛び散ります。「ヒーッ!」悲鳴を上げて失神する女。

 この後パウルは自分のオフィスに見知らぬ人物がいるのを発見します。誰何するとそれが誰あろう、デイリーニュースのジャイルズ記者でありました。「君か、へんな電話かけてきたのは。たしかネタを握っているっていってたな」「へへへ、ネタね」にやにやするジャイルズ、「まあ、ネタというか、あれですよ、あなた、彼に注意していたほうがいいですよ。後をつけてみたらどうです」「彼ってハリス警視のことか」「へへへ、さあてね、わたしゃ何もハリス警視が怪しいなんて一言も言ってませんぜ」そのまま帰ってしまうジャイルズ、パウルは「ハリス警視じゃなくってお前のあとをつけてやる」部下を尾行させるのですが、はい、あっさりと巻かれてしまいました。

 このへん画面が暗くって何が起こっているのかさっぱり分かりません。

 えー、もう映画の最初っから5人もサンタ姿の男が殺されているのにまだサンタのカッコした奴がおる(笑)。自転車に乗ったそのサンタ、途中で不良にからまれ自転車を盗まれてしまいます。困っていたら犬に吠えられてびくっ!逃げ出します。おまけにサンタマーダーまで現れたので、サンタはたまらず閉館直後のお化け屋敷に逃げ込むのでした。彼を止めようとして立ちふさがった受付の女性を突き飛ばしお化け屋敷に隠れるサンタ。しかしお化け屋敷をさまよった末結局追い詰められて「おいおい、お前なにするんだ、お前がサンタマーダーというやつぐ」腹にナイフがグサーッ。おまけに受付の女性もどうやら殺されたらしい。

 これだけサンタが殺されているのには目ぼしい手がかりはなし。ハリス、上司に呼ばれて「お前なあ、いつまでも何もたもたやってんねん!犯人つかまえんと首にしたるど」と説教されてしまいます。これで弱気になったハリス、「おれ、首にされる前に警察やめちゃおうかしらん」なんてパウルにコボしたりなんかしております。しかしその言葉とは裏腹に遊園地でフルート吹いているボイドに執拗につきまとうハリス。もう彼の顔を見るだけでおもいっきり嫌そうな顔をするボイドです。(笑)。彼はケイトを残してどっかに行ってしまいました。ハリス、ケイトに「何かあったらすぐ連絡してくれ」と頼みます。

 ハリスはボイドを疑っているのか。それにしては具体的な動きを何一つせずにつきまとうだけなのですがねえ。

 この遊園地でもサンタ殺人が起こります。テントの中でクリスマスショーをやっていた二人のサンタ、ショーが終わってうろうろしているところをサンタマーダーが襲撃。「ああ、今日は疲れたなあ、サンタも楽じゃないぐ」サンタマーダー、靴に仕込んだナイフで一人をグサッ。もう一人が逃げ出すのをぱっと捕まえて「やめて、やめて、殺さないで、家には五つをかしらに三人の子供がいて、俺がいなくなったら、釜の蓋が開かなくなっちゃぐ」喉を掻き切られてしまいました。

 一方、パウルは覗き部屋の女に事情徴収。「あんた、すぐ近くでサンタマーダーを見たんだ、顔とか覚えていないのかね」しかしシャロンの時と同じく帰ってきた答えは「顔はお面を被っていたから分からなかった」と役にたたないもの。パウルはいらついて、「そんなことはないだろ、ガラスを隔てていたとはいえ、1メートルも離れていなかったんだぞ」ようやく女は思い出します。「そう言えばお面から覗いていた目が印象的だった。笑っているような目で、私、それを見たら犯人が分かると思うの」パウル、大喜びです。

 ここでハリスの家へ電話をかけるケイト。家政婦のミセス・シェリーが出て「警視さんはパークランドへ行っていますわ」このパークランドというのが・・・。

 じゃあ、犯人に狙われる可能性があるということで「仕事に戻りたい」と言う女をアパートメントまで送らせ24時間の警護をつけることになりましたと思いきや、女を送る筈の警官がトイレにいっていなかったという・・・。「チャーンス」こう呟いた女はあっさりとニュー・スコットランドヤードから抜け出て仕事にカムバックです。トイレに行っている間に女に逃げられてしまう、とんだ間抜けなおまわりさん。これじゃスコットランドヤードじゃなくってスットコランドヤードですよ。

さっそくブースに入ると鼻の下伸ばしたお客さんがやってくる。女はいつものように「オッパイ見たければあと5ポンド、裸が見たければ15ポンド、50ポンド出したら何でもするわよん」しかし、お客の目をみた女は凄まじい悲鳴を上げます。そう彼こそがサンタマーダーだったのです。サンタマーダーはブースのガラスを叩き割って女に襲い掛かります。女は逃げ出しますが、追い詰められてビルの地下室のようなところ(暗くってどこをどう通ったか良く分からないの)に監禁されてしまうのでした。

 このあたりからこの映画だんだんおかしくなってくるのであります。

 まずハリスと電話で話しているパウル。「ええっ、警視、事件から外されちゃったんですか」ここにボイドが連行されてきます。「俺は何にも知らないっての、大体ケイトのパパが殺された時、俺、ケイトと一緒にいたっての」パウルは頷いて「君の言うとおりだ、もう帰っていいぞ」「ええっ」と驚くボイド。私だって「ええっ」と驚いています(笑)。「私は犯人を見つけたと思うのだ」ということはハリスがやっぱりアヤシイってことなのですかねえ。

 次のサンタ殺人は劇場の中。酔っ払ってサンタ、サンタマーダーに追われて劇場の中へ逃げ込みます。舞台では女性歌手のショーが始まっておりますが、その下でサンタうろうろ。「ひっく、なんだ、あいつ、俺を殺そぐ」突然闇の中から躍り出てきたサンタマーダーが鉈でサンタの顔面をどすっ。この死体が奈落からせりあがって舞台の上に登場、女性歌手が「ギャーッ」と悲鳴を上げるという段取りです。もうおれ、いい加減飽きてきたのですが(笑)。

 ケイトを尋ねるパウル、そこでケイトは奇妙なことを言い始めます。「ハリス警視は昨日家にいなかった。家政婦さんに聞いたらパークランドにいっているって、パークランドって有名な精神病院よ、つまり○チガイ病院なのよ。それにサマーセットハウスに彼の記録がないの。彼は存在しないことになっている。彼って名前を変えているんじゃなくて」「馬鹿なことを言うんじゃない」と取り合わないパウルです。これが悔しかったのか、そのままパークランド病院へ行くケイト。彼女はそこでブライド先生に面会を申し込むのでした。

サマーセットハウスってあのロンドンの美術館?なんでここで出てくるの。あまりに意味不明な台詞です。もっとも私が聞き違いをしているのかも知れませんが。

 さて、まだ殺されるサンタ。デパートで子供たちと写真撮影ショーをやっていたデブサンタ。休憩でトイレに向います。小便器にじゃあじゃあ小便をしながら、ああ、本当にじゃーじゃー音がしている、いやだなあ。デブサンタ、ため息ついて「ああ、もう疲れたなあ、俺、本当は子供が大っきらいなんだぐ」なんということでしょう、突然現れたサンタマーダーが剃刀で彼のちんちんをちょん切ってしまったのです(大爆笑)。なんか、もうなんでもありですよ、この映画。

 このあたりからこの映画はもっともっとおかしくなっていくのであります。

 突然ハリスのアパートメントを尋ねるケイト。迎えてくれたハリスに「ごめんなさい、押しかけちゃって、お仕事忙しいんでしょ」でもハリス、首をふって「いやいや、大丈夫、俺、停職処分になったから」寂しそうに笑っております。ケイト、何を考えたかハリスと夕食を共にします。レストランに出かけていって、「よーし、クリスマスだからな、七面鳥を食べるぞ」なんじゃ、そりゃ。ここに現れたのがボイド、「てめえら、こんなとこで何をしやがる」と怒鳴り込もうとしたのですが、ボーイさんに「あなたの服装はこのレストランに相応しくありません、出て行ってください」と追い出されちゃった。ケイト、そんな彼を見て「いやーね、あの人、私たちをつけてきたのよ」ふーん。

 ディナーを終えてアパートメントへ戻ったケイト。そこに突然侵入してきたのがジャイルズでした。ええ、何で、今頃突然と思っていましたら、ケイトがこんなこと言い出した!「わたし、ブライド先生と話したわ。ジャイルズ、あなたはハリスの弟ね!そしてハリスの本名はハリスンよ」急転直下とはこのことでございます。ジャイルズは壮絶な笑みを浮かべまして「そうさ、奴は俺を精神病院へ叩き込みやがった」「でも毎月見舞いに行っているじゃない」「そんなことで奴の罪が消えるものか。俺は奴に仕事を与えるために殺人をやったのだ」どうでもいいですけど、この手の精神病院って患者を自由に出入りさせていいの(笑)。

 この衝撃的な告白の後でジャイルズ、掛かってきた電話に無理やり出ようとしたケイトをナイフでぐさぐさのグサーッ!この電話をかけてきたのがパウルで、彼は受話器の向こうから聞こえる悲鳴で事件が起こったと知り、ケイトのアパートメントへ急行します。そして死体を見つけて周囲に緊急手配。ついでにハリス警視につけていた見張りの警官を呼び出して「ハリスは今どうしている」「いや、あの人今夜はずーっと家にいましたけど」パウル、はっとなって「じゃあ、ハリスは犯人ではなかったのだ」

 「今夜ずーっと家にいました」ってウソつけ。ケイトとディナーで七面鳥食ってただろうが(大笑い)。

 パウル、ジャイルズを追っかけます。しかし夜の駐車場に誘い込まれたパウル、ジャイルズの仕掛けた罠、バッテリーから線を繋いだ自動車にうっかり触って感電死してしまうというオソマツ。ああ。

 ジャイルズは監禁している覗き部屋の女のところへ戻ります。食事をさせようと女の戒めをほどいてやると女が「あなたは食事をしないの、クリスマスディナーとか食べないの」ジャイルズ、「俺はクリスマスが大嫌いなんだ、クリスマスに関係あることを聞くだけで頭が痛くなるんだよ、だからサンタクロースを狙って殺したんだ」ここで女、ぴんとひらめきまして「クリスマスキャロル」と叫びます。するとジャイルズ、ううと唸って頭を抱えるという。女は続けざまに「クリスマスプディング、クリスマスツリー、きよしこの夜、星はひかり、ホワイトクリスマス、ビング・クロスビー、山下達郎」ジャイルズ、「ぎゃー、やめてくれえ」ともがき苦しみますってお前ら、観客なめとるじゃろう。

 この隙を狙って逃げ出す女。ジャイルズ追っかけます。階段を駆け上がってさあ、捕まえた。しかし女に逆襲されたジャイルズ、バランスを失って階段の吹き抜けを落ちて墜落死。女がおそるおそる死体を確かめにいきます。そーっと近づいてみると、わあ、やっぱりジャイルズが起き上がったァ!

 ここから唐突に場面はハリスの悪夢へ。小学生くらいのハリスンとジャイルズの兄弟はクリスマスパーティでサンタに扮したパパからプレゼント貰って大喜び。ジャイルズがぱっと包みをあけるとそれはスイスアーミーナイフ。クリスマスに年端もいかない子供にナイフをプレゼントする馬鹿がどこにいるかあ。おまけにこのパパ、サンタの扮装のまま二階で別の女とずこばこファックしてやがる。これを見つけたのがジャイルズとママ。怒ったパパはママを突き飛ばします。哀れママ、階段を頭からがんごん落ちて死んじゃった。ナイフを握り締めるジャイルズ、ここでハリスの悪夢は終わります。

 子供のナイフをプレゼント、そしてサンタのカッコしたままですぐ二階で奥さんとは別の女を引っ張り込んでずこばこファック。こんなパパがどこにおるか!

 悪夢から目覚めたハリス、台所へ行ってコーヒーを飲もうとします。そこで気がついたのが例のプレゼント、「クリスマスまで開けるな」とラベルが貼ってあったやつですね。ハリスがこれを開けますと中身はサンタクロースのオルゴール。ついていた手紙には「弟より、最愛の兄へ送る」にこっとしたハリス、オルゴールのネジをまいて鳴らします。そしてその音に聞き入りながらコーヒーをすするハリス。どかーん、オルゴールが大爆発です。エンドクレジット。

 サンタクロースばっかり狙って殺すという殺人鬼は間抜けでしたが、いろいろ伏線なんかめぐらして侮れない映画だと思ったのに、後半あっという間にムチャクチャになるのが凄いですな。

カラー・スタンダード、モノラル音声。画質はやっぱり良くありません。解像度がなく画面のディテールが飛んでしまっています。例によって暗い場面では何やっているのかさっぱり分かりません。音はなんとか合格レベルでしょうか。13枚組みのDVDボックスセット50 Movie Pack: Drive-In Movie Classics の一本。Digital 1 StopDVD

 エロの冒険者 

       HOMEPAGE http://homepage3.nifty.com/housei/

      SFシネクラシックス 輸入DVDでみるSF黄金時代(笑)

| | コメント (0) | トラックバック (0)

『Mamma Dracula』(1980年)

 

 一応ドラキュラのパロディ映画なのでありますが訳の分からないストーリー、つまらなくてつまらなくてクスリともできないギャグ、訛りで実に聞き取りにくい英語の台詞、暗いところで何やっているのか全然見えない高画質(笑)。見るのが苦痛でしかたなかった凡作です。しょうもない映画にはしょうもない映画なりの楽しみ方があるのですが、これはいくらなんでも酷すぎる。

冒頭女性の肖像画が映りまして重々しいナレーション。これはウラジミール・トロッツィの手によるドラキュラ女伯爵(伯爵夫人かな、どっちかわかんないや)の肖像画である。彼女は血によって己の美しさ、若さを保ち続けた。そしてそれは現代に至るまで続いているのだ。あー、そうですか。

 場面はぱっと変わってボロい下宿らしきところでペット、それとも実験動物か、のウサギに向ってぶつぶつ言っている科学者の姿あり。彼の名はヴァン・ブロッド教授(ジミー・シューマン)で長年にわたって人工血液の研究をしていたという人。まあ、どうみたって30前半にしか見えませんのでこれで教授だとか、長年にわたって研究していたとかいうのは良い度胸だと思います(笑)。まあ、白衣を着せれば誰だって科学者に見えてしまうという、所謂白衣効果ですな。彼はウサギを抱き上げて「僕の人工血液の研究でノーベル賞を取ってやる」まあ、望みは大きい方がいいなとは思いますが。

 そんな彼に届いたのがドラキュラ女伯爵からの手紙。「トランシルバニアにて我が居城にて開催予定の世界血液会議に貴殿を招待します」だって、どんな会議やねん、世界血液会議って(大笑い)。大喜びの教授、さっそくニューヨークから東欧行きの船に乗り込みます。大食堂でディナーを食べようとする教授。ボーイが手渡してくれたメニューを開くとオープニングクレジットになっているというなんとも中途半端なギャグ。

 船から汽車に乗り換えてトランシルバニアまっしぐら。着いた村のホテルで大歓迎を受けるものの「僕、ドラキュラ女伯爵の城へ行くんスよ」と言ったとたん、みんなどん引きするのはドラキュラ映画の定石ですな(笑)。でも教授、訳が分からなくってさらに、「あのここからタクシー呼べませんか」なんていってやがる。もちろん、タクシーは呼べませんがドラキュラの従者はやってきます。うがーうがーとしか喋れないその従者は教授の荷物を乱暴に馬車に詰め込んではい出発。夜で暗くっておまけに画質がむちゃくちゃだから馬車がどんなところを走っているのかさっぱり分かりません。途中、教授が狼に襲われそうになってヒーっと悲鳴を上げるギャグがあるのですが、これも画質のせいでさっぱり笑えません。

 城へ到着しました。さっそくに女伯爵(ルイス・フレッチャー)と双子の息子に迎えられる教授です。ちなみにこの双子はどうやらオカマ。そしてもちろん、吸血鬼。教授の首をじっとりとした目つきで見つめるのでした。「どうにもやばいところに来ちゃったな」と怯える教授。女伯爵はそんな教授に「世界血液会議というのは口実で」まあ、そうでしょうな。「あなたは若さ、美しさを保つ研究をしていらっしゃる。それを私のために役立てて欲しいのです」教授はごくりと唾を飲んで「いや、しかし、こういう研究は個人のために使うものではなくて、公益のために・・・」「礼金、出すわよ」教授、ころりと態度を変えますな。「はい、はい、じゃ1万ドルじゃどうでしょ」「そんな1万ドルなんてけちくさい、100万ドルだしますわ」

 この後、寝室に案内された教授、大喜びで部屋を飛び回り、「うわーい、僕は億万長者だ」しかし、教授、どこからともなく聞こえてきた女の悲鳴を聞いて立ち尽くします。教授はその悲鳴の主を探しにいくのかと思いきやドアのチェーンロックをかけてってドラキュラ城にチェーンロックはやめろう!寝てしまうのでした。

 さてこの女ドラキュラ伯、双子の息子と街でブティックを経営しております。どうやら女伯爵と息子たちは吸血鬼なのに太陽の光を苦にしないタチみたい。双子の片割れが白昼どうどうとブティックで女性客を接客して試着室を送り込みます。反対側の壁が開いて双子のもう一人ががぁ!これで女性客を拉致してしまうのでした。ユダヤ人のブティックみたいな話ですな。これを袋に詰め込んで従者の運転するリムジンで城へご帰還です。途中、地元民が木を倒して車を妨害し、「人殺しは出て行け」と叫ぶのですが、次の場面になると誰もいないという・・・。

 この時、教授は城の中を見て回っております。彼が着目したのは贅沢なお風呂。中に血痕がついていたのです。不審に思った彼は脚立を持ち出してきて天井についたシャワーヘッドを調べます。ところが熱中しすぎて脚立の上でバランスを崩して思わずシャワーヘッド握っちゃった。根元からぽろりと外れしまいます。その穴から出てきたのは大量の血でした。

 その日のディナーでついに秘密を明かす女伯爵。「私はマダム・ポンパドールやマリリン・モンローが老いて死ぬのを見て来ました」マリリン・モンローはともかくとして(笑)ポンパドールは17世紀フランスの人、教授はびっくりして「一体あなたは何歳なのですか、どうしてその若さを保っているのですか!」と叫びます。女伯爵は嫣然と微笑んで「女に年を尋ねるものじゃなくってよ、おほほほ、それと私が若さを保っているのはね、ブラッドバスに入っているからなの」「ブラッドバスってぇとアレですか、特定外来生物の、元あのねのねの清水国昭が好きなやつ」女伯爵ががっくりして「それはブラックバスだから、あたしの言ってるのはブラッドバス、血のお風呂よ、この映画にそんなボケはいらないから」

 とにかく話を戻しまして、女伯爵は「私たちは女を攫ってその血を使ってきた。でも最近はあれよ、なんていうのか性風俗の乱れというのか、処女どころか高校生の一割がクラミジアわずらっているそうじゃない。若い処女の血じゃないと私は若返ることができないの。そこであなたにその血を作って欲しいのよ」思いがけない話に呆然とする教授です。「はあ、血ですか」「そう、その血よ、成功すればあなたは有名にも金持ちにも慣れる。若い女の犠牲も減る、私はいつまでも若々しいまま、あまった血は吸血鬼の息子たちにやればいい、一石四鳥よ」そんなもんですかね(笑)。

 ここでちょっと洒落たギャグ。双子が吸血鬼であることを知った教授が二人にいろいろ質問します。ナイフとフォークを組み合わせて十字架作り、「これ、キモチ悪い?」双子の一人がぱっとナイフとフォークを取って「ありがとう、丁度欲しかったところなんだ」にんにくを持って「にんにくはどう」双子のもう一人がにんにくがりがり齧り始めます。役者さんが大変だよ、こりゃ(笑)。「君たち棺桶でねるの」今度は双子が声を合わせて「いやよ、そんな汚いところ」あと、太陽も関係ないですし、こいつら本当にスーパー吸血鬼ですね。

 城の地下にある実験場、血液製造施設に案内された教授、おそらくブランデーなんかの蒸留所だとおもうのですが、大喜びしてさっそく実験にかかることになります。

 しかし実験を続けていくうちにだんだんおかしくなっていく教授。彼は女伯爵に向かって叫びます。「血がまるでたりません、すぐ10ガロンほど用意してください」、女伯爵と双子、ブティックでどんどん娘さんを攫いますな。「最近は性風俗の乱れで処女が少なくって困る」とぼやいていたのに、こんな無差別に娘さんをさらうのはちょっと矛盾していませんか。ここで「フィアンセが30分ほど前にここに入ったのですが、いくら待っても出てきません」と尋ねてきた男が登場。女伯爵夫人が慌てます。

しつこく「私の婚約者を見なかったですか」と尋ねる婚約者男、でもこれは単なるギャグでこれから話が展開するなんてことにはなりません。なんなんだか。さらに試着室のテレビカメラに自分の洋服をかけたアヤシイ女が登場。この女はどうも客を装ってブティックを調べに来たらしい。彼女こそドラキュラ女伯爵を狙う地元警察のアルバート警視の部下、ナンシー(マリア・シュナイダー)だったのです。この後ナンシーはブティックの車を調べたり車であちこち走り回ったりします。

 ここで非常に不可解な場面。女を満載して出発したブティックのトラック、たぶん城に着いたのだと思いますが、コンベアー式のベルトで女たちを中に搬入します。この時太った女が気がついて逃げ出しますのですが、次の瞬間、彼女はブティックにいて中からショーウィンドウのガラスを叩いて丁度通りがかった警視に助けを求めたのであります。あのベルトコンベアーはブティックの内部だったのか、じゃあ、ブティックのトラックが走っていたのは何故なのか、さっぱり分かりません。まあ、この女に警視も気づかなくって物語に何の影響もあたえないのですから、早く忘れてしまうのが良いと思います。

 ナンシー、この後警視を車で迎えに来て「あたし、あの城に潜入してみますわ」

 お城ではドラキュラ女伯爵の誕生日パーティが開かれます。女たちが一杯出てきて、あれ、あの中央の女はナンシーじゃないか。何時の間に潜入しやがったんだ、あのアマ。おまけに次のシーンでは何の説明もなく監禁されているし、私の忍耐心ももう限界に近づいておりますよ、何だ、このムチャクチャな映画は。ナンシー、ドラキュラ女伯爵の従者ローサ(マイケル・イスラエル)とジョギング中の教授に投げ文をします。これを見つけたローサが手紙をあっという間に食べちゃったのでその内容は分からなかったのですが、教授、一目見たローサの美しさにぽーっ。彼女に食事を運ぶローサの隙をついてなんとか彼女に会うことに成功したのでした。

 ところでこのローザ、フツーの役者さんなのにブティックが登場した頃から女装します。ブティックの女店員さんやったり城ではメイドさんになったり、やっぱりこれも訳分からない。

 教授、鉄格子の部屋に閉じ込められているナンシーに向って「ああ、いとしの君、あの手紙には何が書いてあったの、ローサに邪魔されて読めなかったんだ」ナンシーは訴えます。「私を逃がして、そしてあんな研究をやめて」しかし、教授は「もうすぐだ、もうすぐなんだ、実験が成功すれば僕たちは有名でお金持ちになれる」ん?僕たち?「僕たち結婚できるんだよ」またアホなことを言い出しましたな、だいたい教授、ナンシーと初対面でしょうがっての。ナンシーもナンシーで「駄目よ、ピーター」って教授の名前を知っていやがるのです(笑)。「私は警官なのよ」「そんなの関係ないさ、あー、二人のため、世界はあるのさ」なんだ、馬鹿野郎。

 警視は警視で宿屋の娘、ヴァージニアと何故かヤッております。ことが済んだら宿屋の主人である父親が大喜びで「吸血鬼よ、もう遅いぞ、ヴァージニアは最早バージンではなくなったのだ」それからヴァージニアが村の男たちを誘って乱交パーティへ。警視が宿屋を出るとその後からヘンな女が一人入っていきます。そしてその直後宿屋は大爆発してしまうのでした。警視、「サボタージュじゃ、サボタージュじゃ」テレビの前で呆然としている私がいると思って下さい(笑)。

こういう映画を見るのは本当に大変なのです。分かってくださいよ。

 教授の馬鹿野郎はまだ舞い上がっています。ドラキュラ女伯爵の写真に向って(これも訳が分からん。直接言えばいいじゃないですか)、「僕はナンシーと婚約したのです。彼女は役者ですが、そんなこと関係ありません、僕たち幸せになります」ナンシーから直接私は警官って言われた筈ですがね。教授はナンシーが警官のふりをしている役者だと思ったのかな。まあ、単純な脚本のミスなのかも知れませんが。そこへ双子が現れて「あれは警官だぞ」だから分かっているって(笑)、「あれはお前を愛してなんかいないぞ、そういうフリをしているだけだ」

 キョージュ、実験室で荒れ狂い実験道具をぶっ壊すのですが、ドラキュラ女伯爵に説得されて!あっさり実験に戻るのです。この辺もムチャクチャだよ。

 さあ、後はクライマックスまでまっしぐら。いきなり警視、何の前触れもなく城で女伯爵とご歓談。女伯爵は警視に「城でファッションショーをやるからいらしてくださいね。地元の人たちもお呼びしますわ」女伯爵ニヤーっとして「私たちのことを吸血鬼だなんていってる田舎ものたち、この城に来て同じことが言えるか試してやりますわ、オホホホホ。

 ナンシーはどうやら女伯爵によってドラキュラの後継者に選ばれたらしい。彼女がそのファッションショーとやらの主役にもなるのです。

 そして城に集まってくる人々。純粋にファッションショーを見に来た人たち、挑発的な招待を受けた地元の人たち、そして警視を始めとする警察関係者。ファッションショーが始まります。双子が出てきて「今日ここで発表される最新モードはヴァンプコレクションでーす。蝙蝠のテイストを取り入れました」私はこんなのに付き合うつもりはありません。とっとと話を進めてしまいましょう。

モデルとして登場したナンシー、他のモデルに紛れて逃げ出します。これを追っかける双子の一人、そんな中舞台にキョージュが登場して「できました、ついに完成しました、僕の人工血液が!」舞台に残ったもう一人の双子の方が(ややこしくてすみません)、「皆さん、もうこれでバンパイアを恐れることはありません。この血があれば誰でもヴァンパイアになって永遠の若さを享受できるのです、盛大な拍手をどうぞ」みんなパチパチ。

 一方、もう一人の双子とナンシーのおっかけっこは続いています。しかしナンシー、やにわに振り返って「今度は私の番よ」と逆に双子の片方を追いかけ始めるのでした。そしてベッドに追い詰めて何故かキス、ぶちゅぶちゅぶちゅちゅちゅー。

 ナレーション、こうしてナンシーは双子と結婚し、たくさんの子供をもうけて幸せに暮らしたのですって、だいたいあの双子はオカマキャラだったんじゃないか、なめてんのか、コノヤロー。これでおしまい。

こういう映画を作った監督は死体を発見したおまわりさんがあまりの惨さにたまらずオェーとなるような酷い殺され方をすればいいのだと思います。

 カラー・スタンダード、モノラル音声。画質はめちゃくちゃ。カラーノイズまみれでおまけに暗い場面では何やっているのかさっぱり分かりません。音も歪んでいて大変聞きづらいです。13枚組みのDVDボックスセット50 Movie Pack: Drive-In Movie Classics の一本。Digital 1 StopDVD

 エロの冒険者

       HOMEPAGE http://homepage3.nifty.com/housei/

      SFシネクラシックス 輸入DVDでみるSF黄金時代(笑)

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2007年1月 8日 (月)

『La Mansion de la niebla』(スペイン アメリカ公開題名 『Murder Mansion』 1972年)

 

沈うつな霧の墓地のセットが素晴らしい幽霊屋敷もの。これは久々に面白い映画に出会えたと思ったのですが、その私を待っていたのはあまりにトンチキなオチでありました。

冒頭から猛スピードで車を走らせるサングラスの男、ミスターポーター(フランコ・ファンタジア)であります。彼は前方を走っていたバイク、フレッド(アンドレ・レジーノ)に追いつくと「邪魔だ邪魔だどけどけこの野郎」とばかりにホーンを喚かせたのでした。フレッド、一旦ポーターに追い抜かせたのですが、かなり頭にきていたらしく彼の車を追いかけ始めます。このままえんえんぶーんぶーんと走っていささか退屈したころ、ポーターはヒッチハイクの女ローラ(アンナ・リサ・ナルディ)を発見、車を止めて彼女を乗せるのです。しかし、このポーターがとんだ最低男、走り出すなりギアチェンジのついでにローラの太ももにタッチング!これでローラ頭にきて給油のためにガソリンスタンド兼レストランに立ち寄った際にそこで飯を食っていたフレッドに乗り換えてしまったのです。バイクで走り去る二人にポーター、「てめえ、俺の女に何しやがる、今にえらい目に合わせてやるからな、覚えとけ」と叫んだのでありました。

頭っから品性下劣なことでウレシクなりますね。

 さて、もう一組の登場人物たちをご紹介しましょう。父親の死で莫大な財産を受け継ぐことになったエルサ(アナリア・ゲイド)、重要な契約があるのにサインをしなければならない夫が出張でソーレンの町から帰ってこないことにいらだっております。まあ、夫のアーネストは出張と言っておりましたが、それはウソで実は若い女とよろしくやっていたと。念のために言っておきますがよろしくやっているというのは「やあやあ、よろしくお願いしますよ」「いやいや、こちらこそ、よろしく」なんて挨拶のことじゃありませんからね(笑)。

 エルサはあせるあまりソーレンの町へ夫を迎えに行こうとします。それに同行したのが彼女の友人のトレモント氏(エドアルド・ファジャーロ)と妻のエレン(イングリッド・ガルボ)、私たちそっち方面に帰るから途中まで一緒に行くわということなのですが、この頃から深い霧が発生。道路も何も覆いつくしてしまったのでバイクのフレッド、ローラ、車のエルサ、トレモント夫妻はみーんな道に迷ってしまったのです。バイクを止めたフレッドはたまたまやってきて車を止めて道を尋ねようとしたのですが、車は止まるどころか手を振るフレッドに突っ込んできたのでした。危ういところでこれを交わしたフレッド、この時、いかにもこれが伏線ですよ、よく覚えていなさいよとばかりに車のナンバープレートが大写しになるのです。XB-6142、それが車のナンバープレートです。せっかくですから皆さん、覚えておいてくださいね。

 エルサの車は道から外れて古い墓地に突っ込んでクラッシュしてしまいます。フレッドのバイクはこれまた道から外れて大転倒。トレモント夫妻は前を走っているはずのエルサの車を見失ったことに焦ってスピードアップした挙句に同じく迷っていたポーターの車にどかーん。

 車から出たエルサ、墓地から脱出しようとしたのですが、向こうのほうから怪しい人影が二つ。どうも老女とやたらに背の高いショーファーらしき人物が彼女に向って近づいてきたではありませんか。「誰、誰なの」とエルサの誰何にも答えはなし。無言でじんじん近づいてくるだけ。不気味悪さに耐えられなくなったエルサは悲鳴を上げて逃げ出します。そして彼女はバイクが壊れて呆然としているフレッドとローラに行き当たったのでした。「た、助けて、後から誰か追いかけてくる、ひい、ひいいい」フレッドは彼女の指差す方向を見ますが「いや、何も来ないっすけど」「ひいい、あなた、この音が聞こえないの」「いや、何も聞こえないっすけど」「ひいい、幻覚じゃないのよ、本当に見たのよ、信じて」「そういうことにしておきましょうか」

 なんとかエルサをなだめて三人で歩き始めます。「墓地があるのだから近くに村がある筈だ」ということなのですが、どこにも村らしいものは見当たりません。その代わりに見つかったのが古ぼけた自動車。そのナンバープレートを見たフレッドは驚きます。自分をつい一時間前にひき殺しそうになった車のナンバー XB-6142だったからです。「さっき俺を轢きそうになった車がどうしてこんなに古ぼけているのだ」と叫ぶフレッド。しかしその答えが見つかるはずもありません。再び村を探そうとしたところで「あ、光が見えるわ!」ローラが指差したのはこれまた古ぼけた屋敷でした。確かにその窓から光がちらちらしております。やれ、助かった、あそこで道を聞こうと屋敷に向う三人です。

 ドアのノッカーをどんどんやりますと出てきたのがピストル構えた最低男のポーターでした(笑)。彼とそれに車を衝突させてしまったトレント夫妻がすでにこの屋敷にいたのです。なぜピストルなんか持っているんだとフレッドが尋ねますとポーター、ちょっとひるんだような表情になって「さっき、この屋敷に侵入しようとした二人組みがいたんだ」ここでトレント夫妻が付け加えて曰く「一人はおばあさんでもう一人はやたらに背が高かった。そうそう、ショーファーの制服を着ていたわ」こういうのはちょっとぞっとしますな。

 さて、この屋敷にいたのは彼らばかりではありませんでした。いきなり二階から降りて来た美女あり、彼女の名前はマーサ・クリントン(アイダ・ガリ)といいましてこの屋敷の女主人だったのです。彼女は屋敷に不法に侵入しあまつさえ暖炉まで燃やしている彼らを特にとがめることなく「明日の朝には霧も晴れるでしょう、この屋敷に泊まっておいきなさい」と一夜の宿を提供してくれる親切ぶり。しかし、彼女には何か奇妙なところがありました。「この村の住人は一年ほどまえに一夜にして20人を殺した吸血鬼に怯えて逃げ出したのです」ととても1972年当時のこととは思えない話をしだしたり、地下室からアヤシイ音が聞こえてきたと騒ぎ出したエルサに「あれはネズミです。私はネズミが嫌いですから地下室を調べるなんてやめてください」と言い張ったり、極めつけは壁に飾ってある老女の肖像画。年齢を別にすれば彼女はその絵にそっくりだったのです。それをフレッドが尋ねますよ「あれは私の叔母なのです。叔母は変わった人で自ら自分を魔女と名乗っていました。飾ってあるヒエロニムス・ボスの絵も彼女のコレクションでした」

驚くべき話はまだまだ続きます。「彼女は背の高いショーファー一人を雇ってこの屋敷に暮らしておりました。しかし、ある晩ショーファーが酔っ払い運転で叔母もろとも墓地の壁に激突して死んでしまったのです。叔母の頭はぐしゃりと砕け、ハンドルがショーファーの胸を貫いていたとか」ひーっ、悲鳴を上げてエルサが倒れます。そんな惨い話を聞かせるからです(笑)。

まあ酔っ払い運転で事故死なんてろくなショーファーじゃないですが。

 エルサはマーサに手厚い看護を受けてベッドでお休み。他の面々もそれぞれ寝室をあてがわれて寝ることになります。この時を待っていましたとばかり地下室への潜入を試みたのがフレッドとローラ。「あんな音を立てるネズミがいるものか、きっと何か秘密があるのだ」と地下室へ降りていったのですが、見つけたのは壁面を爪で引っかいたような跡だけ。がっかりして上に戻った二人は寝るかと思いきや服を脱ぎだします。はじめます(笑)。彼らが寝る場所は暖炉のある大広間、だから二階から丸見え。しかしそんなことに頓着せず「ひいひいはあはああへあへ」とやっております。屋敷のあちこちを調べて回っていたポッターが抱き合っている二人をみてムカッ。

フツーあんな場所でやらないよなあ。

 一人物思いにふけるエルサ。場面はとうとつに過去へ飛んでエルサのお家で大舞踏会。エルサのパパ(ジョージ・リガード)はまた年甲斐も無く若い女と踊ってはいちゃいちゃ。苦々しげにそれを見つめているエルサに一人の若い男が近づいてきて「シャル・ウィ・ダンス?」お前はアステアかっての。

エルサはこの父親にあてつけるように一旦別れを決意した恋人、アーネストとよりを戻すことになったのです。パパは若い女とお出かけ、エルサはアーネストとお出かけ、彼の部屋でついにベッドイン。結婚にいたったのでした。

 ここで最低男のポーター、エルサの部屋へやってきて「俺、さびしいんだよう、ちょっと話し相手になってくれよう、ウィスキーもあるよう」と彼女を誘うのですがエルサはにべもない。「あなたと話したくもないし、ウィスキーも飲みたくない、さっさと出て行ってよ!」

憮然としたポーター、今度はマーサ・クリントンの部屋へ。最低男だからエルサに肘鉄食らわされたぐらいでは諦めないのです。でも誘うパターンは乏しいらしくてやっぱり、「俺はさびしいんだよう、ちょっと話し相手になってくれよう、ウィスキーもあるよう」マーサ、嫣然と微笑んで「いいわ、入ってらっしゃい」そして「ひとつお願いがあるの」ポーター、身を乗り出しますな。「ええ、なんですか、なんですか」「ちょっと後を向いていてくださらない」「ええ、後をむけと、それはひょっとして服を脱ぐから見ないでということでやんすかねえ。ようがす、あっち向いていましょう、向くなって言われたって向きますよ、ええ」馬鹿ですな(笑)。

それでポーター、ぱっと後ろを向くと、おお、あのショーファーの亡霊が!「ギャッ」と飛び上がったポーター、逃げようとするのですが、あまりの恐怖に心臓麻痺を起こして死んでしまいましたとさ。マーサ、彼の遺体を見下ろしてニヤーッ。

 さて、フレッドとコトを終えて眠っていたローラ。目をさまします。「あら、フレッドがいないわ」彼を探さなきゃということで地下室へ。その彼女に襲い掛かる影・・・、かと思いきやそれはフレッドであったという。ローラは彼の胸を両のこぶしでどんどん叩いて「馬鹿、馬鹿、ばかーん、脅かさないでよ」二人はそのまま地下室とそれに続くトンネルの探検です。一方エルサは悪夢を見ております。アーネストが彼女に向って「おれはお前の夫で神ではない、お前の父親でもない、何もかも求めすぎなのだ。俺たちの結婚生活が駄目になったのはお前のせいなんだよ」ということで若い女との不倫に走ったということですか。ここでマーサ登場。「悪い夢を見たのね、可哀想に私が添い寝してあげる」

また地下へ戻ってクリントン家の廟堂へ入ったフレッドとローラ。ジェリー・クリントン、1864年~1942年と書かれた棺桶を見つけます。おお、これがあの酔っ払い運転手の車で墓地の壁に突っ込んで頭がぐしゃぐしゃになったマーサのおばあさんか、フレッドは棺桶の中を覗きこんでみるのですが、遺体はありません。フレッドびっくりして、「ひょっとしたらこのばあさんが吸血鬼だったんじゃ」とトンデモなことを言い出したのです。

 場面はもう一度エルサの部屋へ。このめまぐるしい場面展開に頭がくらくらします(笑)。ベッドで寝返りうった彼女が見たものは80過ぎのババアの顔。隣で寝ていた筈のマーサがいつの間にかババアになっていたのです。「ひーっ」悲鳴を上げて逃げ出しますと、今度はショーファーが現れた。たまらず暖炉から燃えているマキを一本取って地下室へ逃げ込むエルサ。しかし彼女は天井からぶら下がった何かにぶつかって尻餅をついてしまいます。松明代わりのマキをかざしてみますと、はい、ぶら下がっていたのは若い女の死体でした。「ギャーッ」失神するエルサ。彼女の手からこぼれたマキの火が地下室に置いてあったロープかな、画面が暗くって良く分からないの(笑)、に燃え移ります。

 廟堂の出口から墓地へでたフレッドとローラ。すると墓石にもたれかかっているポーターの姿が。彼は死んだ筈じゃなかったのと思いきやポーターはピストルを発射します。しかし、銃撃はすぐにやみ、何かおかしいことに気がついたフレッドがおそるおそるポーターに近寄って「あ、この人死んでらあ。死んでから時間がたっているみたいでもう冷たいぞ。でもこの死体がどうやってピストル撃ったのだろう」私も不思議に思いますが、この謎は最後まで明らかにされないので考えても無駄です(笑)。

その時アヤシイ人影が現れた。もう御馴染みの老女、ジェリー・クリントンとショーファーの幽霊です。フレッドはポーターから取ったピストルを乱射するのですが効果なし。フレッドとローラがやられてしまうと思ったのですがさにあらず幽霊たちはそのまま消えてしまったのです。「なんじゃ、こりゃ」と首を捻るフレッドとローラでしたが、とにかくポーターの死体を屋敷に運び込むのでした。

 変事はさらに続きます。今までまったく目だってなかったトレモント氏がふらふらと出てきて「私の妻がいなくなった。おまけにエルサもいない。どこを探しても二人が見つからないのだ」その時ローラが目ざとく地下室への入り口から洩れてくる煙を見つけます。火事だ、大変だと地下室に降りるご一同様。エルサと女の死体を見つけて仰天。あまり驚いたせいか、地下室の火事をそのままにしてエルサを1階に引き上げたのです。もっとも放っておかれた火事が大きくなって後から屋敷を焼き尽くすみたいな展開にはなりませんのでどうぞ、ご安心下さい。

 この頃から帽子を被った人物が現れて屋敷の周りや地下室を調べまわることになります。これが誰かというと、それは後からのお楽しみ。

 フレッドはついに決意します。「この事件にはどこかおかしいところがある。屋敷の周囲を調べて真実を見つけねば」彼はエルサの看護にローラを残して一人外へ出ることになります。「どこへいくの」と聞いてきたマーサに「もう我慢できません、近くの村へなんとかしていってみます。警察にこの事件を届けなければ」と答えるフレッド。あれれ、屋敷の周囲を調べるつもりじゃないの、なぜマーサにこんなごまかしを言うのでしょうか。フレッドは外に出るなりこっそりとガレージに忍び込みます。そして車の中からアヤシイ音が録音されたテープレコーダーを発見したのでした。そう、幽霊二人が登場するときのアヤシイ音、それはこのテープレコーダーによるものだったのです。

 一方部屋に残されたローラとエルサ。服を着たいというエルサの願いに答えてクローゼットを開けるローラ、するとなかから顔面を血に染めた女の幽霊が現れたぁ!ピストルを撃つローラですが全然効果なし。またまた「ひーっ」と逃げ出すローラとエルサです。しかし部屋を出たら出たで廊下の向こうから今度はジュリーの幽霊が。「ギャーッ」やむを得ず他の部屋に飛び込むローラとエルサ。ドアが開かないようテーブルをあてがってようやく一息ついておりますと、ベッドでもぞもぞ動くものあり。三度「ひーっ!」しかし、それは行方不明だったはずのトレモント夫人だったのです。彼女は回らぬ口で「あわ、主人が私に睡眠薬だといって薬をくれたの、それを飲んだら訳が分からなくなって」

 賢明な読者諸君はもうお分かりであろう。これは幽霊や吸血鬼の仕業などではなかった。エルサの財産を奪わんためのトレモント氏とマーサのたくらみであったのである。若い女の幽霊はトレモント、ジュリーはマーサでそれぞれ精巧なマスクを使って幽霊に化けていたのである。ポーターのピストルには空砲を詰めておいたのでいくら撃っても彼らを傷つけることができなかったのだ。あのショーファーはマーサの下僕(だと思う)のイゴールで彼がテープレコーダーなどの証拠を始末することになっていたのである。

賢明じゃない私にはちーっとも分かりません。

 イゴールは墓地をうろうろしていたフレッドを不意打ちしてショーファーパンチ!彼をノックアウトしてしまいました。そうとは知らぬトレモント氏とマーサは「ふふふ、フレッドは警察に行って吸血鬼だとか幽霊だとか言うのだ」「あの人、精神病院にぶち込まれちゃうかもね、うふふふ」ここで一人の男が屋敷に入ってきます。「おお、イゴール、良くやったな、礼金は弾むぞ」しかし、それはイゴールではありませんでした。例の帽子を被った男だったのです。男が帽子をとるとおお、現れたのはエルサの夫、アーネストではありませんか。彼は驚愕に目をむくトレモント氏、マーサ、そして後からやってきたイゴールをピストルで容赦なく射殺してしまったのであります。

 失神から目覚めたフレッド、屋敷へ入って愕然とします。トレモント、マーサ、イゴールの死体を見つけたからです。彼は二階にどかどか上がるとローラを連れ出して「さあ、バイクで警察に行こう」こいつ、エルサとトレモント夫人をそのまま残していくのに呆れます。そしてエルサ、階下へ降りて三人の死体を見つけます。死体から取り上げたピストルで戻ってきたアーネストをずどん、ずどん。彼女の半ば狂った頭ではアーネストが自分の憎むべき父親に見えていたのでした。この後バイクで走るフレッドとマーサが映って映画ははい、おしまい。

 偶然濃い霧が出て偶然エルサが夫を迎えに行くと言い出して彼女が偶然道に迷ったら殺人劇の舞台としてセッティングしていた屋敷に偶然きて、しかもその時偶然に一緒になった若者が警察に「幽霊や吸血鬼の仕業なんです」と証言してくれて完全犯罪を助けてくれるって、どんな殺人計画ですか!最初のムードが凄く良くて老女とショーファーの幽霊も怖かったのに、なんでこう無理のある結末に持っていくのか。フツーに幽霊でした、吸血鬼でした、ああ、怖かったという話でよかったじゃないですかねえ。

カラー・スタンダード 例によって暗い場面では何が起こっているのかさっぱり分かりません。ノイズも酷くて目がちかちかします。音質は中の上というところ。歪んでいますが台詞は聞き取り易い方です。13枚組みのDVDボックスセット50 Movie Pack: Drive-In Movie Classics の一本。Digital 1 StopDVD

 エロの冒険者 

       HOMEPAGE http://homepage3.nifty.com/housei/

      SFシネクラシックス 輸入DVDでみるSF黄金時代(笑)

| | コメント (0) | トラックバック (0)

« 2006年12月 | トップページ | 2007年2月 »