« 『La Mansion de la niebla』(スペイン アメリカ公開題名 『Murder Mansion』 1972年) | トップページ | 『Don't Open Till Christmas』 (1984年) »

2007年1月11日 (木)

『Mamma Dracula』(1980年)

 

 一応ドラキュラのパロディ映画なのでありますが訳の分からないストーリー、つまらなくてつまらなくてクスリともできないギャグ、訛りで実に聞き取りにくい英語の台詞、暗いところで何やっているのか全然見えない高画質(笑)。見るのが苦痛でしかたなかった凡作です。しょうもない映画にはしょうもない映画なりの楽しみ方があるのですが、これはいくらなんでも酷すぎる。

冒頭女性の肖像画が映りまして重々しいナレーション。これはウラジミール・トロッツィの手によるドラキュラ女伯爵(伯爵夫人かな、どっちかわかんないや)の肖像画である。彼女は血によって己の美しさ、若さを保ち続けた。そしてそれは現代に至るまで続いているのだ。あー、そうですか。

 場面はぱっと変わってボロい下宿らしきところでペット、それとも実験動物か、のウサギに向ってぶつぶつ言っている科学者の姿あり。彼の名はヴァン・ブロッド教授(ジミー・シューマン)で長年にわたって人工血液の研究をしていたという人。まあ、どうみたって30前半にしか見えませんのでこれで教授だとか、長年にわたって研究していたとかいうのは良い度胸だと思います(笑)。まあ、白衣を着せれば誰だって科学者に見えてしまうという、所謂白衣効果ですな。彼はウサギを抱き上げて「僕の人工血液の研究でノーベル賞を取ってやる」まあ、望みは大きい方がいいなとは思いますが。

 そんな彼に届いたのがドラキュラ女伯爵からの手紙。「トランシルバニアにて我が居城にて開催予定の世界血液会議に貴殿を招待します」だって、どんな会議やねん、世界血液会議って(大笑い)。大喜びの教授、さっそくニューヨークから東欧行きの船に乗り込みます。大食堂でディナーを食べようとする教授。ボーイが手渡してくれたメニューを開くとオープニングクレジットになっているというなんとも中途半端なギャグ。

 船から汽車に乗り換えてトランシルバニアまっしぐら。着いた村のホテルで大歓迎を受けるものの「僕、ドラキュラ女伯爵の城へ行くんスよ」と言ったとたん、みんなどん引きするのはドラキュラ映画の定石ですな(笑)。でも教授、訳が分からなくってさらに、「あのここからタクシー呼べませんか」なんていってやがる。もちろん、タクシーは呼べませんがドラキュラの従者はやってきます。うがーうがーとしか喋れないその従者は教授の荷物を乱暴に馬車に詰め込んではい出発。夜で暗くっておまけに画質がむちゃくちゃだから馬車がどんなところを走っているのかさっぱり分かりません。途中、教授が狼に襲われそうになってヒーっと悲鳴を上げるギャグがあるのですが、これも画質のせいでさっぱり笑えません。

 城へ到着しました。さっそくに女伯爵(ルイス・フレッチャー)と双子の息子に迎えられる教授です。ちなみにこの双子はどうやらオカマ。そしてもちろん、吸血鬼。教授の首をじっとりとした目つきで見つめるのでした。「どうにもやばいところに来ちゃったな」と怯える教授。女伯爵はそんな教授に「世界血液会議というのは口実で」まあ、そうでしょうな。「あなたは若さ、美しさを保つ研究をしていらっしゃる。それを私のために役立てて欲しいのです」教授はごくりと唾を飲んで「いや、しかし、こういう研究は個人のために使うものではなくて、公益のために・・・」「礼金、出すわよ」教授、ころりと態度を変えますな。「はい、はい、じゃ1万ドルじゃどうでしょ」「そんな1万ドルなんてけちくさい、100万ドルだしますわ」

 この後、寝室に案内された教授、大喜びで部屋を飛び回り、「うわーい、僕は億万長者だ」しかし、教授、どこからともなく聞こえてきた女の悲鳴を聞いて立ち尽くします。教授はその悲鳴の主を探しにいくのかと思いきやドアのチェーンロックをかけてってドラキュラ城にチェーンロックはやめろう!寝てしまうのでした。

 さてこの女ドラキュラ伯、双子の息子と街でブティックを経営しております。どうやら女伯爵と息子たちは吸血鬼なのに太陽の光を苦にしないタチみたい。双子の片割れが白昼どうどうとブティックで女性客を接客して試着室を送り込みます。反対側の壁が開いて双子のもう一人ががぁ!これで女性客を拉致してしまうのでした。ユダヤ人のブティックみたいな話ですな。これを袋に詰め込んで従者の運転するリムジンで城へご帰還です。途中、地元民が木を倒して車を妨害し、「人殺しは出て行け」と叫ぶのですが、次の場面になると誰もいないという・・・。

 この時、教授は城の中を見て回っております。彼が着目したのは贅沢なお風呂。中に血痕がついていたのです。不審に思った彼は脚立を持ち出してきて天井についたシャワーヘッドを調べます。ところが熱中しすぎて脚立の上でバランスを崩して思わずシャワーヘッド握っちゃった。根元からぽろりと外れしまいます。その穴から出てきたのは大量の血でした。

 その日のディナーでついに秘密を明かす女伯爵。「私はマダム・ポンパドールやマリリン・モンローが老いて死ぬのを見て来ました」マリリン・モンローはともかくとして(笑)ポンパドールは17世紀フランスの人、教授はびっくりして「一体あなたは何歳なのですか、どうしてその若さを保っているのですか!」と叫びます。女伯爵は嫣然と微笑んで「女に年を尋ねるものじゃなくってよ、おほほほ、それと私が若さを保っているのはね、ブラッドバスに入っているからなの」「ブラッドバスってぇとアレですか、特定外来生物の、元あのねのねの清水国昭が好きなやつ」女伯爵ががっくりして「それはブラックバスだから、あたしの言ってるのはブラッドバス、血のお風呂よ、この映画にそんなボケはいらないから」

 とにかく話を戻しまして、女伯爵は「私たちは女を攫ってその血を使ってきた。でも最近はあれよ、なんていうのか性風俗の乱れというのか、処女どころか高校生の一割がクラミジアわずらっているそうじゃない。若い処女の血じゃないと私は若返ることができないの。そこであなたにその血を作って欲しいのよ」思いがけない話に呆然とする教授です。「はあ、血ですか」「そう、その血よ、成功すればあなたは有名にも金持ちにも慣れる。若い女の犠牲も減る、私はいつまでも若々しいまま、あまった血は吸血鬼の息子たちにやればいい、一石四鳥よ」そんなもんですかね(笑)。

 ここでちょっと洒落たギャグ。双子が吸血鬼であることを知った教授が二人にいろいろ質問します。ナイフとフォークを組み合わせて十字架作り、「これ、キモチ悪い?」双子の一人がぱっとナイフとフォークを取って「ありがとう、丁度欲しかったところなんだ」にんにくを持って「にんにくはどう」双子のもう一人がにんにくがりがり齧り始めます。役者さんが大変だよ、こりゃ(笑)。「君たち棺桶でねるの」今度は双子が声を合わせて「いやよ、そんな汚いところ」あと、太陽も関係ないですし、こいつら本当にスーパー吸血鬼ですね。

 城の地下にある実験場、血液製造施設に案内された教授、おそらくブランデーなんかの蒸留所だとおもうのですが、大喜びしてさっそく実験にかかることになります。

 しかし実験を続けていくうちにだんだんおかしくなっていく教授。彼は女伯爵に向かって叫びます。「血がまるでたりません、すぐ10ガロンほど用意してください」、女伯爵と双子、ブティックでどんどん娘さんを攫いますな。「最近は性風俗の乱れで処女が少なくって困る」とぼやいていたのに、こんな無差別に娘さんをさらうのはちょっと矛盾していませんか。ここで「フィアンセが30分ほど前にここに入ったのですが、いくら待っても出てきません」と尋ねてきた男が登場。女伯爵夫人が慌てます。

しつこく「私の婚約者を見なかったですか」と尋ねる婚約者男、でもこれは単なるギャグでこれから話が展開するなんてことにはなりません。なんなんだか。さらに試着室のテレビカメラに自分の洋服をかけたアヤシイ女が登場。この女はどうも客を装ってブティックを調べに来たらしい。彼女こそドラキュラ女伯爵を狙う地元警察のアルバート警視の部下、ナンシー(マリア・シュナイダー)だったのです。この後ナンシーはブティックの車を調べたり車であちこち走り回ったりします。

 ここで非常に不可解な場面。女を満載して出発したブティックのトラック、たぶん城に着いたのだと思いますが、コンベアー式のベルトで女たちを中に搬入します。この時太った女が気がついて逃げ出しますのですが、次の瞬間、彼女はブティックにいて中からショーウィンドウのガラスを叩いて丁度通りがかった警視に助けを求めたのであります。あのベルトコンベアーはブティックの内部だったのか、じゃあ、ブティックのトラックが走っていたのは何故なのか、さっぱり分かりません。まあ、この女に警視も気づかなくって物語に何の影響もあたえないのですから、早く忘れてしまうのが良いと思います。

 ナンシー、この後警視を車で迎えに来て「あたし、あの城に潜入してみますわ」

 お城ではドラキュラ女伯爵の誕生日パーティが開かれます。女たちが一杯出てきて、あれ、あの中央の女はナンシーじゃないか。何時の間に潜入しやがったんだ、あのアマ。おまけに次のシーンでは何の説明もなく監禁されているし、私の忍耐心ももう限界に近づいておりますよ、何だ、このムチャクチャな映画は。ナンシー、ドラキュラ女伯爵の従者ローサ(マイケル・イスラエル)とジョギング中の教授に投げ文をします。これを見つけたローサが手紙をあっという間に食べちゃったのでその内容は分からなかったのですが、教授、一目見たローサの美しさにぽーっ。彼女に食事を運ぶローサの隙をついてなんとか彼女に会うことに成功したのでした。

 ところでこのローザ、フツーの役者さんなのにブティックが登場した頃から女装します。ブティックの女店員さんやったり城ではメイドさんになったり、やっぱりこれも訳分からない。

 教授、鉄格子の部屋に閉じ込められているナンシーに向って「ああ、いとしの君、あの手紙には何が書いてあったの、ローサに邪魔されて読めなかったんだ」ナンシーは訴えます。「私を逃がして、そしてあんな研究をやめて」しかし、教授は「もうすぐだ、もうすぐなんだ、実験が成功すれば僕たちは有名でお金持ちになれる」ん?僕たち?「僕たち結婚できるんだよ」またアホなことを言い出しましたな、だいたい教授、ナンシーと初対面でしょうがっての。ナンシーもナンシーで「駄目よ、ピーター」って教授の名前を知っていやがるのです(笑)。「私は警官なのよ」「そんなの関係ないさ、あー、二人のため、世界はあるのさ」なんだ、馬鹿野郎。

 警視は警視で宿屋の娘、ヴァージニアと何故かヤッております。ことが済んだら宿屋の主人である父親が大喜びで「吸血鬼よ、もう遅いぞ、ヴァージニアは最早バージンではなくなったのだ」それからヴァージニアが村の男たちを誘って乱交パーティへ。警視が宿屋を出るとその後からヘンな女が一人入っていきます。そしてその直後宿屋は大爆発してしまうのでした。警視、「サボタージュじゃ、サボタージュじゃ」テレビの前で呆然としている私がいると思って下さい(笑)。

こういう映画を見るのは本当に大変なのです。分かってくださいよ。

 教授の馬鹿野郎はまだ舞い上がっています。ドラキュラ女伯爵の写真に向って(これも訳が分からん。直接言えばいいじゃないですか)、「僕はナンシーと婚約したのです。彼女は役者ですが、そんなこと関係ありません、僕たち幸せになります」ナンシーから直接私は警官って言われた筈ですがね。教授はナンシーが警官のふりをしている役者だと思ったのかな。まあ、単純な脚本のミスなのかも知れませんが。そこへ双子が現れて「あれは警官だぞ」だから分かっているって(笑)、「あれはお前を愛してなんかいないぞ、そういうフリをしているだけだ」

 キョージュ、実験室で荒れ狂い実験道具をぶっ壊すのですが、ドラキュラ女伯爵に説得されて!あっさり実験に戻るのです。この辺もムチャクチャだよ。

 さあ、後はクライマックスまでまっしぐら。いきなり警視、何の前触れもなく城で女伯爵とご歓談。女伯爵は警視に「城でファッションショーをやるからいらしてくださいね。地元の人たちもお呼びしますわ」女伯爵ニヤーっとして「私たちのことを吸血鬼だなんていってる田舎ものたち、この城に来て同じことが言えるか試してやりますわ、オホホホホ。

 ナンシーはどうやら女伯爵によってドラキュラの後継者に選ばれたらしい。彼女がそのファッションショーとやらの主役にもなるのです。

 そして城に集まってくる人々。純粋にファッションショーを見に来た人たち、挑発的な招待を受けた地元の人たち、そして警視を始めとする警察関係者。ファッションショーが始まります。双子が出てきて「今日ここで発表される最新モードはヴァンプコレクションでーす。蝙蝠のテイストを取り入れました」私はこんなのに付き合うつもりはありません。とっとと話を進めてしまいましょう。

モデルとして登場したナンシー、他のモデルに紛れて逃げ出します。これを追っかける双子の一人、そんな中舞台にキョージュが登場して「できました、ついに完成しました、僕の人工血液が!」舞台に残ったもう一人の双子の方が(ややこしくてすみません)、「皆さん、もうこれでバンパイアを恐れることはありません。この血があれば誰でもヴァンパイアになって永遠の若さを享受できるのです、盛大な拍手をどうぞ」みんなパチパチ。

 一方、もう一人の双子とナンシーのおっかけっこは続いています。しかしナンシー、やにわに振り返って「今度は私の番よ」と逆に双子の片方を追いかけ始めるのでした。そしてベッドに追い詰めて何故かキス、ぶちゅぶちゅぶちゅちゅちゅー。

 ナレーション、こうしてナンシーは双子と結婚し、たくさんの子供をもうけて幸せに暮らしたのですって、だいたいあの双子はオカマキャラだったんじゃないか、なめてんのか、コノヤロー。これでおしまい。

こういう映画を作った監督は死体を発見したおまわりさんがあまりの惨さにたまらずオェーとなるような酷い殺され方をすればいいのだと思います。

 カラー・スタンダード、モノラル音声。画質はめちゃくちゃ。カラーノイズまみれでおまけに暗い場面では何やっているのかさっぱり分かりません。音も歪んでいて大変聞きづらいです。13枚組みのDVDボックスセット50 Movie Pack: Drive-In Movie Classics の一本。Digital 1 StopDVD

 エロの冒険者

       HOMEPAGE http://homepage3.nifty.com/housei/

      SFシネクラシックス 輸入DVDでみるSF黄金時代(笑)

|

« 『La Mansion de la niebla』(スペイン アメリカ公開題名 『Murder Mansion』 1972年) | トップページ | 『Don't Open Till Christmas』 (1984年) »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 『Mamma Dracula』(1980年):

« 『La Mansion de la niebla』(スペイン アメリカ公開題名 『Murder Mansion』 1972年) | トップページ | 『Don't Open Till Christmas』 (1984年) »