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2007年3月 8日 (木)

『The Monolith Monsters』(1957年)

 

ずーっと見たかった映画、憧れだった映画、DVDで所有できたらどんなにいいかと思っていた映画、往々にしてこういう映画ほど実際に見たらつまらなかったということになりがちですが、この『The Monolith Monsters』は凄く面白かった。待っていた甲斐があった映画ランクNO1(どんなランクだ)でありました。

 警告、警告、このDVDのリージョンは1です。したがって日本国内のDVDプレーヤーでは再生できません。警告、警告。

地球にはたくさんの宇宙からのお客さんが訪れている、隕石である。大概は大気圏突入の際に燃え尽きてしまうのだが中には地表に落下するものもある。彼らは永遠からの使者なのだ云々というナレーションがありまして、その通りに地表に隕石がどっかーん、ここでタイトルが出ます。落下したのはサンアンジェロ近くの砂漠。翌朝になって明るくなると無数の隕石のかけらが散らばっているのが分かります。

 この時車で通りがかったのが地元の地質学者ベン・ギルバート(フィル・ハーベイ)、ラジエーターがオーバーヒートを起こしそうになっていたので車を止めタンクに水を流し込みます。と、何やら地表に黒いものが落ちている。地質学者らしい好奇心に駆られたベンはその物体を持ち帰ることにしたのです。それが前夜飛来した隕石のかけらだとは知らずに。またラジエーターからこぼれた水に濡れたほかの隕石のかけらがぶくぶくと煙を噴出しました。何だかとっても危なそうです。

 町へ戻ったベン、事務所へ入ってさっそく珍しい石を調べ始めます。とここでやってきたのが町の新聞記者であるマーチン・コクラン(レス・トレマイン)であります。彼はベンの同僚であるデイブを探しに来たのですが「まだ戻ってきてないよ」と言われてがっかり。ベンはそんな彼に例の石を見せて「ほら、あんまり他じゃ見られない石だろう、サンアンジェロロードで拾ってきたんだ」常々、この田舎町じゃ事件が起こらないから新聞記者なんていらねーんだよとスネているコクラン(笑)たちまちこの石に食いついて「うーむ、久しぶりに大きなニュースになるかも知れないな」

こんな石が大きなニュースですか。なるほど本当に事件らしい事件がないのですなあ。

 ぱっと時間が過ぎて夜になります。外は大荒れ、強い風がびゅうびゅうと吹き荒れています。こんな天候にも関わらず窓を開けっぱなしでがーがー寝ているベン。あ、風で煽られたカーテンが水の入ったフラスコを倒してしまいました。そして丁度その下に置いてあった隕石にこぼれた水がばしゃりと掛かります。たちまちしゅうしゅうと煙を上げ始める隕石。フラスコの割れる音で起きだしてきたベンが隕石を見て立ちすくんだところで場面は暗転。また時間がぱっと過ぎる訳です。

 翌日、どこに行っていたのか知りませんがデイブが戻ってきます。事務所に入るなり恋人のキャシー・バレット(ローラ・アルバート)が勤める小学校に電話をしたりして、なんだ、とんだ軟派野郎だなあ(笑)。キャシーは砂漠に子供たちを連れてフィールドトリップに出かけているとのことで思わず「ちぇっ」と舌打するデイブです。ここでやっとベンのことを思い出して隣の部屋へ行ってみたらああ、なんということでしょう。部屋がめちゃくちゃに破壊されているではありませんか。そしてたくさんの黒い石が転がっています。

 そしてデイブが見つけたものがもう一つ、それはかちかちに硬直しているベンの死体(?)でした。

 場面は変わって砂漠でフィールドトリップ中のキャシー。子供たちは思い思いに砂漠に散って植物や動物を観察しております。この中にジニー・シンプソン(リンダ・シャーレィ)という少女がおりまして二匹のトカゲを見つけて「あ、あのトカゲさんたちは結婚しているのかな。結婚と言えば先生、どうしてデイブさんと結婚しないの。あの人、先生のことが好きよ」なんていう大変なおませさんであります。この子がやっぱり隕石のかけらを見つけてお土産だと家に持ち帰っちゃう。しかもお母さんから「そんな汚い石なんか家に入れないで」と言われたので水で洗おうとしちゃう。さらに洗っている最中で「ゴハンよ」と言われたものだから隕石のことを瞬時に忘れて水の入ったバケツの中に置きっぱなしにしちゃう。当然ながら隕石がまたもぶくぶく煙を噴出します。

 さて保安官事務所にダン・コーレイ保安官(ウィリアム・フラハーティ)、医者のレイノルズ先生(リチャード・H・カッティング)、デイブ、キャシー、コクランの面々が集まってベンの謎の死について話し合っております。レイノルズ先生はもうほとほと困った顔で「何がなんやらさっぱり分からん。彼の体は石のように硬くなっているんだ。何が起こったのだ」「そういや、ベンの奴、珍しい石を拾ったとか言ってたな」「コクラン、それはこの石のことか」デイブがベンの死体の周囲に散らばっていた隕石を見せますと「そうそう、それだ、それ。それが何か関係しているのかなあ」ここでびっくりしたのがキャシーです。「その石だったら今日ジニーが拾っていたわ」大変だということで保安官、デイブ、キャシーが車でシンプソン家へ行ってみますと、はい、家はむちゃくちゃ、周囲には隕石だらけ。ジニーの両親はベンと同じくカッチコチ。ジニーは奇跡的に無傷だったのですが、激しいショックを受けたためか口も聞けなくなっていたのです。

 デイブがシンプソン家に転がっていた石を調べるとこれがベンの周囲にあったものと同じ。純粋な圭土の塊でした。「ウウーム、やはりこの石が関係しているのか」

 この頃からジニーの体に異変が起こり始めます。片手が急速に硬化しはじめたのです。このままでは彼女の両親と同じくカッチコチになってしまう、「でも私には訳が分からない」と匙投げちゃうレイノルズ先生(笑)。「カリフォルニアの医療施設でドクター・ヘンドリックス(ハリー・ジャクソン)に診てもらうのだ」と言うことになりました。デイブは彼女とキャシーを連れて車でカリフォルニアへ。到着するなりジニーの検査をしたのですがヘンドリックス先生もお手上げ。「あと8時間くらいしか持ちませんなー」などという始末。ああ、かわいそうなジニー、彼女はこのままカッチコチになってしまうのでしょうか。

鉄の肺に入れられたままただ死を待つしかないジニーの哀れな姿が涙を誘います。ぐっすん。

 一縷の望みを求めて大学の恩師であるフランダース教授(トレバー・バーテッド)を尋ねるデイブ。例の石を見せますと午前4時という極めて非常識な時間帯に尋ねたのにも関わらず教授は目を輝かせて「デイブ君、これは君、隕石ですよ、私を拾った現場に連れていってくださいな」はい、翌朝、シンプソン家に到着します(笑)。教授は石の周囲の砂が変色していることに着目してこれを調べますと、「君、君、デイブ君、この砂からはシリコンが失われておる。この隕石は分裂するときに周囲にあるものからシリコンを奪ってしまうのだ。シリコンは人間の皮膚を柔軟にする働きを持っている。だから犠牲者たちがカッチコチになったのだ」随分乱暴な推論だと思いますが、他に妙案もなし、デイブはこのことをヘンドリックス先生に伝えてジニーにシリコン活性薬の注射をうたせます。

 続いてベンが隕石を拾ったサンアンジェロロードの近くを調べるデイブと教授。するとあった、あった、隕石の親玉が(笑)。地表との激突時に出来たと思われるクレーターの底に巨大な隕石が鎮座しております。二人は「これが分裂したら大変だぞ。一体奴らは何がきっかけで分裂するんだ」まあ、水なのですがね(笑)。

 デイブは教授に手伝って貰って隕石を分裂させるものを探しております。火で熱してみても駄目、電気を通しても駄目、「あー、もう全然分裂しないよ、俺、いやになっちゃったよー」と頭を抱えるデイブです。そんな中、最悪のタイミングで雨が降り始めたという・・・。クレーターの底にたちまち水がたまって隕石の親玉がぶくぶくと煙を発し始めたのです。

 そんな大変なことになっているとは夢にも思わないデイブと教授、そのまま実験を続けます。その時教授、こっそりと隕石のかけらを自分の股間に押し付けるという奇妙な仕草。デイブが気づいて「教授、何やっているんス?」「いや、わしも年だからこっちの方が・・・、この隕石触れたものを硬くするだろ・・・、そうしたら奥さんが」「アホなことしてないで戻してください」実験テーブルに隕石のかけらを慌てて戻す教授。勢い余って流しの底に落ちてしまいます。

 デイブ、「まったく教授ともあろうものが何を考えているんスか?そんなんバイアグラでも飲めばいいじゃないっスか」古くなったコーヒーを入れ替えるために流しにばしゃ!はい、隕石にかかってぶくぶくアワが出てきたのでした。「ああ、これだ、隕石は水だ、水で分裂するのだ!」二人ははっと気がついて顔を見合わせます。「今、外、雨降ってんじゃん!大変だ」車で隕石のクレーターまで急行する二人。果たして隕石は大量の水を浴びて嬉しそうにぶくぶく分裂していたのです。その大きさは三階建てのビルほどもあってしかも巨大化しては前につんのめるように倒れて砕け散り、その砕けたかけらがまた分裂・巨大化するというプロセスを繰り返しているのです。

 「ここからサンアンジェロの町まではなだらかな斜面になっているぞ。このままだと隕石のかけらが町を押しつぶしてしまう。大変だ、みんなを避難させなきゃ」二人は町に戻って保安官にこのことを知らせるのでした。そして電話で気象ステーションに今後の天気の動向を聞いてみたら「カナダからの冷気とここいらの暖かい空気がぶつかって境界断面ができまして、気圧が乱高下したり、猫が顔を洗ったりいろいろありまして・・・」いらだったデイブは「だから、雨が降るのか止むのかどっちなんだよ」と叫ぶという(笑)。結局「雨は朝には止む、しかし48時間以内にまた降り出すであろう」ということが判明したのでした。ということは48時間以内に避難を完了させるか、さもなくば今も分裂を続けているアレをなんとかしなくちゃならないのであります。

 翌朝、雨は止みました。ラジオで早速「指示がありしだい避難できるように準備してください」という放送が流れます。しかし、この時隕石は雨が止んでいるのにも関わらず分裂を続けていたのです。隕石はしずしずとサンアンジェロに向って進み途中の送電線や電話線を破壊してしまったのでした。サンアンジェロの町は停電、電話も通じなくなります。

 ここで久しぶりに嬉しいニュース。ジニーが意識を回復したのです。手の石化も元通りになってもう心配なし。ヘンドリックス先生とキャシーは吉報をデイブに電話で伝えようとするのですが、電話線が途絶して不可能。そこでハイウェイパトロールのパトカーにサンアンジェロの町に行ってもらい無線を通じて連絡することになったのでした。喜ぶデイブでしたが、ここで彼は妙案を思いつきます。「ジニーを治したシリコン活性薬はあの隕石にも効くに違いない。有効な成分を見つけるのだ」ヘンドリックスから活性薬の成分を聞き出します。その成分とは珪酸、グルコース、あとはよう分からん奴(笑)。それを塩溶処理してあるのだそうな。

 よっしゃ、さっそくこの成分で実験してみようと張り切るデイブでしたがその時車で町に飛び込んできたのがジョー・ヒギンズ一家。雨も降らないのに分裂を続けている隕石に農場を潰されたと叫んでおります。この知らせを聞いたデイブ、「そんな馬鹿な」車で現場に向かいます。その彼の目の前で確かに分裂を続けまた農場を潰す隕石群。「そうだ、分かった、土中の水を吸って奴らは分裂しているのだ、このままでは78時間ほどでサンアンジェラは壊滅だ」

 州知事の非常事態宣言も出されてにわかに緊迫する映画。デイブは町に戻って有効な成分を見つけるべく実験を開始します。しかし、活性薬中の珪酸を使ってもグルコースを使ってもまるで駄目。教授が「じゃあ、二種類を混ぜてみたら」と言うので試してみましたがこれも駄目。頭を抱えるデイブです。と、ここで救急車でキャシーとヘンドリックスがサンアンジェロに到着しました。さっそく実験中の隕石を放り出してキャシーとキスをするデイブ。ぶちゅぶちゅぶちゅちゅー。そんなことやっている場合じゃないでしょうが。隕石はがんがん分裂を続けてまっしぐらにこの町めがけて進んでいるのですから。

 しかし映画もあと10分ほどを残すあまり。ついに有効な成分が発見されます。それは塩でした。有効なのは活性薬を処理するときに使われた塩だったのです。塩水作って隕石のかけらにかけるとはい、隕石の分裂がストップ。なんだかナメクジみたいですが(笑)やっと対抗策が見つかったのです。

 あの巨大な隕石群、モノリスモンスターをやっつけるためには大量の塩水が必要だ。塩はたまたま近くに塩鉱があったから大丈夫なのですがって凄い偶然だなあ(笑)。水はどうするか、そうだ、ダムがある。これをぶっ飛ばしてしまえばいい!600万ドルの灌漑事業用ダムだぞという反対もあったのですが、このまま放っておけばサンアンジェロの町は隕石に潰されてしまいます。背に腹は変えられないというのでダムに大量のダイナマイトを仕掛けてこれを爆破。デイブ、教授、キャシー、保安官達主要キャラクターの見守る前で破壊されたダムから流れ出た大量の水は塩鉱の塩を巻き込みながモノリスモンスターに向います。

 そして大量の塩水に取り巻かれたモノリスモンスター、ついにその活動を停止するのでした。「やった、やったぞ」「サンアンジェロの町は救われたわ」とみんなが大喜びしているところでエンドマーク。

 このモノリスモンスター、ただ分裂しちゃ崩壊しを繰り返しているだけなのですが、それだけにその無機的な恐怖がストレートに伝わってくる非常に優れたモンスターと言えましょう。まさにアイデアの勝利であります。

 モノクロ・スタンダード モノラル音声。画質・音質は優秀。ノイズが少なく場面によってはハイビジョンのように見えたほど。台詞にも実体感があり非常に聞き取りやすい。B GMの品位も高いです。「クラシック・サイファイ・アルティメイト・セット」(『Tarantula 』『The Mole People』『The Incredible Shrinking Man』『The Monolith Monsters』『Monster on the Campus』を収録したボックスセット)。DVDのケースには薄いプラスチックのアウタースレーブまでついていてなんだかとっても豪華であります。男と生まれたからにはやはりこういうDVD50年代SFを見たいものですなあ。ユニバーサルのDVD

 エロの冒険者 

       HOMEPAGE http://homepage3.nifty.com/housei/

      SFシネクラシックス 輸入DVDでみるSF黄金時代(笑)

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コメント

あ、この作品、中子さんの超SF映画で読んでからずっと観たかったんですよ。

小生英語がまるでダメ(日本語もダメだと言う噂が)なんでWHD社さんあたりが出してくれませんかね…

投稿: 沙羅パパ | 2008年9月27日 (土) 03時09分

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