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2007年4月 5日 (木)

『サント 絶体絶命!』(『Santo frente a la muerte 』『Santo Faces Death』 1972年)

 

『サント 絶体絶命!』(『Santo frente a la muerte 』『Santo Faces Death』 1972年)

 エメラルドを盗んで売り飛ばそうとする強盗団、彼らの目論見をくじかんと戦うサント。とにかくこの映画は「初めて見るもの」ばかり。何が初めてかって?それは読んでいくうちに分かります。

 このDVDはスペイン語音声のみ、英語音声・英語字幕は収録されておりません。私はまったくスペイン語が分かりませんので、この映画はいつもと違ってどこかの奇特な方が作って下さっているサント映画のストーリー解説サイト(英語)を参考にこのレビューをでっちあげております。だから実際の映画を誤解しているところもあるかも知れませんが、その辺はどうぞ、この事情を鑑みてご容赦くださるようお願いいたします。

 平たく言うと、「そんな細かいこと言っていると結婚できなくなるぞ、コノヤロー」ということでございますね。

ここは南米コロンビアのエメラルド鉱山。鉱山たって裏山に手書きで「エメラルド鉱山立ち入り禁止」って書かれた看板が二枚ばかり立っているだけなんだけれども、これはサント映画なのです。あんまり五月蝿いことは言わないように(笑)。まあ、何しろエメラルド鉱山ですからイッチョマエに銃を持った警備員が巡回している訳です。

 そこにギャングが10人ぐらいで襲ってきた!たちまち巻き起こるギャングと警備員たちとの激しい銃撃戦。これで警備員たちが勝ってギャングたちを全員射殺なんてことになると映画が終わってしまいますから、当然ながらギャングが勝利。彼らは鉱山事務所に押し入って鶏の卵ほどもあるエメラルド「南の十字」(南十字星のことでしょうか)を強奪するのでした。このギャングたちを指揮していたのは女子プロレスラーのアリシア(エルサ・カルディナス)、そして彼女たちのボスは「Great Unknown One」(ひみつのえらい大ボス)と呼ばれる男。「ひみつのえらい大ボス」はアリシアの父親を人質にとって彼女を手先として働かせていたのです。

 ひみつのえらい大ボス、この奪ったエメラルドをドクター・イゴール(エンジェル・メナンデス)に売りつけて大儲けしようと企んでいたのでした。

 ここでオープニングクレジット。しかしどうでも良いけどこのDVD画質汚いなあ。時々画面にびっくりするような赤い帯が映って見にくいったらありゃしない。

 オープニングクレジットが終わって空港に着陸する飛行機。中から出てくるのは当然ながらサント。その彼を出迎えたのはコロンビア警察の警視ヴィクター・ヴァリー(シーザー・デル・カンポ)であります。彼はサントに「あ、あなたがサントさんですか」と聞いておりますが、わざわざ聞かなくたって見りゃ分かります。サント、彼の目の前でリナ(マラ・クルツ)という金髪美人に「じゃ、お嬢さん、縁があったらまた会いやしょう」 フライト中に仲良くなったということらしいのですが、敏腕警視のヴィクター早くも「あの女、怪しいのではないか」と疑っております。まあ、飛行機の中で覆面レスラーと仲良くなっちゃうような女は怪しいに決まっているのですが(笑)。

 サントはヴィクターと共に車に乗り込みホテルへチェックイン。車を降りるなり観衆に取り巻かれるサント、さすがサント、コロンビアでも大人気であります。

 さて、サント、休む間もなくプロレスの試合に出場。タッグマッチなのですが、サント一人で相手二人と戦っております。サント側のパートナーはまったく知らん振りでリングの外で鼻くそなんかほじってる(笑)。この時怪しい男が立ち上がり階段を上がって上のほうへ。持っていたアタッシェケースから取り出したものはああ、あれはライフルじゃないか。男はライフルでサントを狙います。危うし、サントと思ったらあっさりと弾はずれちゃいました(大笑い)。サントの暗殺に失敗した男は慌てて逃げ出します。客席にいたヴィクターにつけられているなど夢にも思わずに。

 男が逃げ込んだのがナイトクラブ、ラ・タブリータ。男は彼を雇ったマリオが座っているテーブルに行きまして「すんません、失敗しちゃいました」激怒したマリオにどつかれてしまいます。このクラブにはご丁寧にマリオのボスであるドクター・イゴール、リナもいて何事か熱心に話しております。これを見たヴィクター、「俺の疑いは正しかった。あの女はドクター・イゴールのために働いているのだ」

何もそんなところで悪者大集合することはないですわな。

 その翌日、サントと二人でリナを尾行するヴィクター。この時のサント、ああ、体型がまったく別人だ(笑)。それに尾行するってアンタ、覆面レスラーというのは世界で一番尾行にむいていない職業だと思うのですが(大爆笑)。ほら、町行く人もみーんなサントを振り返ってみているぞ、こんなんで尾行なんかできる筈ないじゃないか。まあ、それでもリナは尾行に気がつかなかったりする訳ですけれども。サントとヴィクター、リナが別の女とすれ違いざまにバックを交換したのを目撃します。別の女とは皆さんすでにご存知のアリシア、覆面レスラーに尾行されている女が女子プロレスラーにバックを渡す、なんだかえらいことになっております。

このへん、リドリー・スコットの『ブラック・レイン』に似たような場面がありました。リドリー・スコット、えらいところからパクリましたな(笑)。

 サント、「いけねえ、リナは囮だ、本命はあの女なのだ」ということで今度はアリシアを追っかけます。アリシア、仲間の車に乗り込んで走り去ってしまいました。逃してなるものかとサント、ヴィクターも車で追いかけます。アリシアと仲間たちは何故かロープウェイに乗り込んで山の上に逃げるのでした。サントは密かにロープウェイの屋根へ。さすがサント、やることは一味違う。しかしロープウェイの車体の上に覆面レスラーがいるんですよ、慣れている私でもびっくりですよ。

 サント、アリシアと仲間たちが逃げ込んだ山の上のアジトを急襲、片っ端からぼこぼこにしてしまいます。でも肝心のアリシアには逃げられちゃった。寸前でロープウェイに乗り込むアリシアを捕まえそこなったのです。がっくりするサント。しかしなんだな、アリシアも逃げるのにまたロープウェイに乗り込むことはないんじゃないかと思うんだけどなあ(笑)。

 こうなったら一刻も早くサントを殺らなければ。あせったマリオ、サントの対戦相手の覆面レスラーに金をやって「これでサントを試合上の事故に見せかけて殺してくれ」と頼むのであります。覆面レスラー、大張り切りでサントの首を絞めたり卑怯な反則攻撃を繰り出したりするのですが、こんな展開でサントがやられる筈もありません。逆にドロップキックを決められてあっさりフォールされてしまいましたとさ。

 試合を終えたサント、自らクラブ、ラ・タブリータで張り込みをします。ここで踊っていたベリーダンサーがサントのテーブルによってきてそっとメモを置いていったのです。そのメモには「私は警察の潜入捜査官 X-25 後で楽屋に来て頂戴」もうちょっと目立たない方法で連絡とれよと思います。ほら、案の定、この不自然な動きに気がついたマリオに疑われちゃったではないですか。マリオ、部下を呼んで「おう、お前、あの女殺してこいや」で、部下がどうしたかといいますと、いきなりサントと同じマスクと同じ柄の洋服着て変装しやがった。お前、そんなものどっから調達してきたんだよ(大爆笑)。これでX-25の楽屋に入り込んだ部下、彼女の背中をナイフでぐさっ!殺害してしまったのです。ここでサントが来てサント対偽サントの戦いが始まります。マスクも服装も体型も同じなのですぐにどっちがどっちだか分からなくなっちゃいました(笑)。

 偽サント、隙をみて逃げ出します。後に残ったのはX-25の無残な死体だけでした。

 この後はいきなりアリシアの試合となります。見事勝利を収めたアリシアは控え室に戻ります。そこにやってきたのが客席でガールフレンドと一緒に試合を見ていたマリオ、こいつったらガールフレンドを放ったらかして楽屋に来た上になんとアリシアとキスしやがったのです。ぶちゅぶちゅぶちゅちゅちゅー。おまけにガールフレンドに見られちゃった。キーっとなってアリシアに飛び掛ったガールフレンドでしたがマリオに取り押さえられてしまいます。「わははは、単なるキスじゃないか、そんなに怒るなよ」

 収まらないガールフレンドはいきなりドクター・イゴールに匿名で電話をかけて「マリオはあなたを裏切っているわ」と言ってしまったのでした。次に彼女はサントにやっぱり電話して「ドクター・イゴールは明日自家用機でマリオと一緒に逃げることになっています」サント、この情報を元に空港へ行き、イゴールの自家用機セスナスカイマスターにもぐりこんだのでした。

飛行機に隠れるって言えば聞こえがいいですがサントったらただ一番後の座席で丸くなってたまたまそこにあった白い布をかぶっただけ。セスナスカイマスターに乗ったのがパイロットとドクター・イゴール、マリオの三人だけだったからいいようなもののそれ以上乗ってくる人がいたらどうするんだ(笑)。

 飛行機はドクター・イゴールのアジトへ到着します。イゴールたちが降りた後サントはパイロットの首筋に激しい空手チョップをお見舞い。彼を失神させてイゴールたちの後を追うのです。イゴールのアジト、まあたんなる民家なのですが、そこにはアリシアの父親が監禁され宝石のカッティングをさせられていたのです。え、宝石のカッティングですか。冒頭でエメラルドを盗んだのは「ひみつのえらい大ボス」じゃなかったの?ということは・・・。サントは見張りを倒して抜き足、差し足、忍び足でアジトへ。覆面レスラーの抜き足、差し足、忍び足なんて初めて見たよ(大笑い)。監禁されている父親を見たサントはどうやって戻ったのだか分かりませんが警察でヴィクターたちにことの次第を報告します。

 父親を見たサント、次の場面ではもう警察にいるのですからねえ。見ているこっちも大変ですよ、ほんと。

 そのサントにまたしても悪の手が。ホテルの部屋であの偽サントが襲ってきたのです。二人のサントがくんずほぐれつ。着ている服も一緒なのですぐに見分けがつかなくなっちゃう(笑)。それにしてもこの偽サント、律儀にサントとまったく同じ洋服を用意して偉いことですなあ。どたんばたんと戦いが続いてついに逃げ出す偽サント。でも考えなしにホテルの屋上へ逃げたからサントにあっという間に追い詰められちゃった。サントにぼこぼこにされる偽サント。ついにホテルの屋上から投げ落とされて路上にぐしゃり。これをヴィクターが目撃していたので偽のサントをホンモノと間違えて「ああ、大変だ、サントが死んでしまった」みたいな騒ぎになるかと思ったら、全然そんなことはなかったりするのです(笑)。

 「ひみつのえらい大ボス」は匿名の電話の情報をそのまま信じてマリオを裏切り者と断定。あっさりと処刑しちゃいます。その処刑方法とは手足を縛って崖の上からぽいという乱暴なもの。いつもこんな方法でやっているのですかねえ。上からは見えませんが崖の下は処刑された死体でいっぱいになってたりして。それにあ、あれ、マリオってドクター・イゴールの部下じゃなかったの?なんで「ひみつのえらい大ボス」がマリオを処刑するの?ひょっとしたら、そうです、「ひみつのえらい大ボス」はドクター・イゴールだったのです。彼の正体を知って驚くアリシア。「ええ?そんな意味のない一人二役初めてだわ」だって(笑)。じっさい「ひみつのえらい大ボス」なんていてもいなくても一緒だったですねえ。

 正体を現したイゴール。今度はマリオのガールフレンドを処刑しようとします。しかしそこでサントに案内された警官隊が急襲!激しい銃撃戦となってアリシア、あっさりと射殺されてしまいました。一応父親が捕まってその命を盾にされていやいやながら悪事を手伝っているという設定なのに「そんなことはまったく関係ねーよ!」とばかりに殺されてしまうアリシアが哀れ。ドクター・イゴールは一人の部下と共に逃げ出します。後を追ったサント、その部下との戦いに。部下とサント、アジトの壁に飾ってあったフェンシングの剣を取ってチンチン、カンカン、キンキンとフェンシング対決。フェンシングをする覆面レスラーというのも初めてだ、あははは(笑)。サント、部下を剣でぐさりとやって倒します。しかし残念ながら肝心のドクター・イゴールには逃げられてしまいましたとさ。

 ドクター・イゴール、どこだか分からない家の鍵も掛からない戸棚にエメラルド「南の十字」を隠しリナと共にまた飛行機で逃げるのです。サントとヴィクター、これを軍用輸送機で追いかけます。別の軍用輸送機も飛び立ってパラシュート部隊が降下、あれどこに行くのかと思ったら彼らはアリシアの父親が監禁されているアジトを攻撃しにいったらしい。流用フッテージとの繋ぎが悪いのでどうも良く分かりません。まあ、良く分からなくても全然困ったりはしませんが。たちまち巻き起こる銃撃戦って銃撃戦ばっかりですな、この映画は。アリシアの父親はこの隙に逃げようとするのですが、はい、イゴールの部下にピストルで撃たれて即死。親子共々ヒドイ扱いではありませんか。

 ドクター・イゴールとリナは飛行機から降りて川へ向います。サントはあ、オレンジのツナギに着替えてヘルメット被ってああ、パラシュート背負ってスカイダイビングしやがった。スカイダイビングする覆面レスラーも初めてだよ(大爆笑)。降下したサント、イゴールたちを追いかけますがまたも逃げられてしまいます。イゴールたちはあらかじめ手配していた迎えのボートに乗り込んだのです。「チクショー、あっしも飛び込むか、いやいやよしておこう、アリゲーターがいると剣呑だからな」川辺で立ち尽くすサントです。

 スカイダイビングのサントはもちろんマスクだけで別人です。体つきが全然違うのですぐに分かります。もうちょっと体型を似せるぐらいの配慮があっても良いじゃないかと思うのですが。

 上手くしたものでいきなり警察のヘリコプターがやってきた(笑)。サントはヘリコプターに乗ってイゴールたちを追跡。ついに迎えのボートから別の大きな船に乗り込んだイゴールたちを見つけて大ジャンプ。船に着地したサント、「ここであったが百年目、おてんとさまが見逃してもこのサントさまは許さねえ!」と叫んで博士を川へぽいと放り込んでしまったのでした。ちなみにこの後川に落ちたイゴールを探したりはしません。そのまんまであります(笑)。

 残されたリナ、サントに「あたしはあの悪党に騙されていたの、もう改心するから、許してちょうだい」と涙ながらに頼みます。するとサント、「罪は憎めども人は憎まず、これがあっしのモットーでさあ」と言って本当にリナを逃しちゃった。えー、どうするんだ、サント、そんなことしてと思ったのですがこれはサントの作戦。エメラルドを探すために彼女を泳がしたのであります。そのサントの目論見どおりイゴールが隠したエメラルドの箱を取り出しリナは空港へ。これで国外逃亡、エメラルドを売って生涯贅沢暮らしができると思ったリナですがさにあらず。ぱっと現れたサントが彼女の手からエメラルドの箱を取り上げ「リナ、おめえの運命も極まったな」悄然と警察に連行されるリナでした。

 人々の歓声にこたえつつ旅客機に乗り込むサント。ここでエンドマーク。

どうです、初めて見るものばっかりでしょ、覆面をつけたまま街中で女を尾行する覆面レスラー、抜き足、差し足、忍び足をする覆面レスラー、フェンシングをする覆面レスラー、そしてスカイダイビングをする覆面レスラー、良く初物を食べると75日寿命が延びるなんてことを言いますが、こういうのはむしろ寿命を縮めそう。

カラー・スタンダード モノラル音声。画質は大ペケ。色の滲みが酷くダビングを重ねたVHSのテープのようです。音質もカセットテープなみ。Tekila FilmsDVD

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2007年4月 2日 (月)

『サントとカプリーナ』

 

『サントとカプリーナ』『Santo contra Capulina』(『Santo vs. Capulina』 1969年)

この映画でサントと共演するのは貿易会社の倉庫で夜警として働いている男、カプリーナ(ガスパー・へナイン・カプリーナ)。彼はメキシコの有名な喜劇役者。その喜劇役者がサントと絡むというのがこの映画の売りなのであります。

このDVDはスペイン語音声のみ、英語音声・英語字幕は収録されておりません。私はまったくスペイン語が分かりませんので、この映画はいつもと違ってどこかの奇特な方が作って下さっているサント映画のストーリー解説サイト(英語)を参考にこのレビューをでっちあげております。だから実際の映画を誤解しているところもあるかも知れませんが、その辺はどうぞ、この事情を鑑みてご容赦くださるようお願いいたします。

 平たく言うと、「お前はスペイン語分かるのか、分からないのなら黙っとけ、コノヤロー」ということでございますね。

 さて、倉庫に出勤、カプリーナ、歩き回って戸締りを確かめます。そして、あっ、ヒドイ、こいつ夜警なのにパジャマに着替えてナイト・キャップまでかぶってベッドにもぐりこみやがった。そして大きく伸びをしてはい、あっという間に熟睡します。サボリもここまで堂々とやられるといっそ爽快ですなあ。そこへ忍び込んでくる悪漢二人組。倉庫の鍵を釘一本でやすやす開けて侵入してきたのです。彼らは荷分け書類をぱらぱらめくって「あ、あの荷物はB-66区域にあるぞ」その区域を目指します。途中でぐーぐー鼾をかいているカプリーナを見つけると二人お互いに口に指を当てて「シー」そのまま放っておくという・・・。そんなん熟睡しているんだからとっととぶん殴るなり縄で縛り上げするなりするがいいじゃないかよ。

 B-66区域にたどり着いた悪漢二人、お目当ての箱を見つけて運び出そうとしたのですが、そこに現れたのがサント。いきなり照明のスイッチを入れて相手を霍乱したサント、「何でこんなところに覆面レスラーが」と驚く悪漢二人に飛び掛るのでした。悪漢二人はピストルを持っていましたが我らのサントにそんなものが通用するはずもありません。たちまちピストルを叩き落されて肉弾戦となります。どったんばったん凄い音、これでようやく目を覚ましたカプリーナ、悪漢と戦っているサントの姿を見ても格段驚くことなく手を振り上げて「サント、サント、ラララ!」という御馴染みのサントコール。そんなことやっている場合じゃないよ。

 ほら、サントの隙を突いて悪漢どもが逃げ出しちゃったじゃないか。カプリーナ、サントを手伝おうと物陰に隠れて走ってきた男に片足突き出します。その足にひっかかってバランスを崩した男、たまらず箱の中に転げ込みます。カプリーナは素早く蓋をしめて男を閉じ込めると「サント、捕まえたぞ、早く来てくれよ」しかし、彼が捕まえたのはサントその人であったというありがちなオチ。箱から出てきたサント、「まったくあんたってぇ人は何をするのかえ!」とカプリーナをぶっ飛ばすのでした。

 サント、悪漢二人が運び出そうとしていた荷物を警察へ。警察の上司(クロックス・アルバラード)の前で箱から陶器の皿を取り出したサント、「いいですか、よっく見ておいておくんなせえ」皿を叩き割ります。すると中からダイヤモンドがぽろり。「そうか、奴らはこの方法でダイヤを密輸していたのか」つまりですね、この貿易会社の倉庫は前々から密輸団に悪用されているのではないかと疑われていた、そこでこの映画では警察の密偵になっているサントがこの上司の命令で倉庫を見張っていたのであります。決して何の理由もなしに覆面レスラーが深夜の倉庫に現れた訳ではなかったのです。皆さん、分かりましたね。

 翌日カプリーナはスポーツ用品店でショーウィンドウに飾ってあるサントのマスク(レプリカ)を発見。喜び勇んで中に入り店主に「ねー、ねー、あのサントのマスク売ってくれよー」店主はあれは非売品でと断るのですがそんなことぐらいで諦めるカプリーナではありません。「そんなこと言わないで売ってくれよ、ねー」どんと店主を突き飛ばすと、いかにも「くずれますよー」という具合に積んである箱やボールに突っ込んではい、やっぱり崩れました。店主、泣く泣く「チクショー、持っていきやがれ、このドロボー」カプリーナ、早速マスクをかぶると得意満面で町を歩き回ります。

 それを見つけた昨夜の悪漢二人組み。「おい、あれ、サントじゃないか」「でもえらく太っているぜ」「バカ、ありゃ防弾チョッキを着ているんだ」なんと彼をホンモノのサントと思い込んで車で後を追いかけたのです。そうとは知らないカプリーナ、野球場に行って子供たちと大はしゃぎ。「ほらー、おれはサントだぞ」子供の一人が白けた顔で「いや、あんたはカプリーナだから」まあ、いくら子供でも騙せませんな。カプリーナ、マスクを脱いで素顔をさらし、「はっはっは、バレた?でもこのマスク良いだろう、それに昨日おれサントに会ったんだ。サインまで貰っちゃったよ」

 このマスクを脱いだカプリーナを見て「おお、あれがサントの素顔か」と二重に勘違いする悪漢二人組み。子供にだってすぐ分かったのにねえ(笑)。

 ここから事件はさらに奇妙な様相を呈し始めます。まずホテルのプールサイドでガウン着て(笑)ブレックファーストを楽しんでいるサント。そこにビキニの美女がやってきてサントに強烈な流し目。ふらふらと立ち上がるサント、彼女のところへ行ってその手をとってぶちゅぶちゅぶちゅちゅちゅーとキスと思いきや、いきなりプールに突き落とした。そして大爆発が起こります。サントは「あぶねえところだった、あの女はロボット爆弾だったのだ」ええっ、ロ、ロボットっすか。

 ちなみにこのロボット爆弾、爆発した後プールの水が真っ赤に染まるという・・・。嫌なロボットだなあ(笑)。

 このロボットを使ってサントを殺害せんと企んだのが車椅子の悪のボス、セドリック(カルロス・アゴステ)であります。彼は娘の命をたてに科学者(ゴメス・チカ)にこの殺人ロボットを作らせたのでした。彼のアジトでは他にもロボットを製造中。「我がロボット軍団あればサントなぞいちころよ」呵呵大笑するセドリック。さっきプールじゃ失敗したくせにねえ。

 サントはプロレスの試合会場へ向います。そこで数人のレスラーを相手にスパーリングしている男あり。これがむちゃくちゃに強い。サントは控え室に入って覆面を脱ごうとするのですが、そこで気がついて衝立を蹴り飛ばします。そこから現れたのはカメラを構えた女ジャーナリスト(リザ・カストロ)。彼女はサントの素顔を撮影しようとしていたのです。彼女を追い出してしまうサント。サントはそのまま例のやたらに強いプロレスラーとのスパーリングに突入。サント、懸命に戦いますがやっぱりこいつは強い。ぼっこぼこにされて「なんだ、こいつは。人間の力とはとても思えねえ」その通り、こいつもロボットだったのです。がんがん殴りつけてブレーンバスターでマットに叩きつけるとロボットレスラー、火花上げて動かなくなっちゃった。

 この時サントに会いにきたカプリーナ、さっきの女カメラマンに「あなた、サントの友達なんでしょ、だったら彼の素顔の写真を撮って、お礼はたっぷり弾むわよ」と言われてあっさり引き受けてしまいます。引き受けるなよ、オメー(笑)。

 サント、車で試合場を後にします。彼をつける悪漢二人組み。おお、サント映画にしては珍しいカーチェイスと思ったらあっさりサント、二人を撒いてしまいましたとさ。

 さて倉庫の夜警の仕事に戻るカプリーナ。ここにサントがやってきて「また悪漢がきたらあっしにすぐ知らせておくれ」ということで腕時計型の発信機を渡します。これをカチッと押すとサントのベルトがぴかーっと光って事件が起こったと分かる仕組み。サント、そのまま帰ろうとするのですがカプリーナがうっかり発信機のボタンを押しちゃった。ベルトが光ってサント、ばたばた走って戻ってきます。「ごめん、サント、間違ってスイッチ入れちゃった」サント、また帰ろうとします。何を考えたかカプリーナ、また発信機のスイッチをオン!またばたばた走って戻ってくるサント、ぜえぜえ言いながら「一体全体何が起こったというんでぇ」カプリーナ、にっと笑って「これはテストだから」「いい加減にしろ!」カプリーナをド突き倒すサントであります。

 このコントが終わって本当に帰るサント。車に乗り込もうとするとまたベルトがピカー。「カプリーナ、今度という今度は許さねえ、口から手を突っ込んで奥歯がたがた言わしてやらあ」これが警察上司であったという・・・。サント、大いに慌てて「いや、何、単なる人間違えなんで、ええ」細かいギャグを入れてきますな、今回のサント映画。警察上司は無線を通じて「サント、大変なことが判明した。すぐ出頭してくれたまえ」サント、「合点承知でさあ」車で急行します。

 しかしじつは警察上司、二人の悪漢に脅かされてサントを呼んでいたのです。悪漢は「これでサントも我らの罠に」と大喜び。上司はこの隙に銃を奪ってずどん、ずどん。しかし、なんとこの悪漢二人もロボットだったのです。当然ながら銃弾はまったく効かずやられてしまう上司でした。

サントが帰った後やっぱりベッドに潜り込んでグースカ寝てしまうカプリーナ。だからそれじゃ倉庫の見張りにはならないし、何かあったってサントに知らせることができないじゃないですか(笑)。果たして忍び込んできた二人の部下。彼らは証拠隠滅のために倉庫のあちこちにダイナマイトを仕掛けます。そして導火線にマッチで火をつけてダンボールの箱の陰に隠れるという・・・。ダイナマイト3本も4本もしかけておいてダンボールの陰ですか。絶対一緒に吹き飛ばされますって。

 導火線の燃える音がしゅーっ。カプリーナ、これでようやく目を覚まします。そして燃えている導火線をあわてて足で踏み消すのでした。彼を見た部下二人は、ええ、皆様、もうお忘れかも知れませんがこの二人はカプリーナがサントの正体だと思っておりますから、たちまち「ひゃーっ、サントだよう」と逃げてしまったのでした。

 一方警察上司のオフィスに戻ったサント、彼と対面するのですがどうも様子がおかしい。上司はぎくしゃくとした動きで「サント、あいつらのアジトのギギ、場所がギギ、判明したぞ、ギギギ」 これだけ様子がおかしければ誰にだってこいつがロボットであることは分かりまさあ。サント、いきなり上司=ロボットに飛び掛り大格闘。どったんばったんやった末についに組み伏せて必殺のチョップをがんがん叩き込みロボットをやっつけてしまったのでした。しかしなんですな、あのプールみたいにロボット爆弾だったら話は簡単だったのですがね、なんでいちいちサントと戦わせるのでしょうか(笑)。あと、どうもこの時点でサントの正体がカプリーナでないことが分かったみたい。倉庫と警察にほぼ同時に二人がいた訳ですから。

 とにかく英語字幕なしのスペイン語音声のみなので細かいところはよく分からないのです。勘弁してくださいね。

 さて、ロボットでサントをやっつけようというココロミは失敗しました。じゃあ次の手だってんで、セドリック、部下たちにカプリーナを攫ってくるよう命じます。部下たちは倉庫に潜入って、しかし誰でも自由に出入りできる倉庫だねえ(笑)。そして棒っきれでカプリーナの頭をぽかり。カプリーナ、じろりと部下たちを見やって腕まくり、さあ、やるぞと思ったとたんにばったり昏倒するというギャグ。部下たちはそのカプリーナを車に乗せアジトに連れ込んだのでありました。さっそく作られるカプリーナのロボット。あっという間に出来ますねえ、インスタントですねえ(大笑い)。

 しかもこのロボットが誤動作して見張っていた部下たちをやっつけてしまったのです。この時とばかりに逃げ出すカプリーナ。ここでロボットとカプリーナ本人が入れ替わってややこしいことになります。ロボットをカプリーナと間違えて襲い掛かる部下たち。ロボットがぼかりとやると二人でせっせっせ、ぱらりこせとやりながら立ち去る不思議なギャグ。カプリーナ、ついに脱出に成功します。

 カプリーナは試合場に行きサントに面会しようとします。しかし先に控え室にいたのが女ジャーナリスト。彼はこの女がサントのガールフレンドだと思って「あはは、どうもお呼びじゃないようで、ジャマしてごめんね」と慌てて控え室から出てしまいます。ここでまたセドリックの部下たちに捕まってロボットと入れ替わらされたのですが、ロボットは何をする訳でもなくサントの周りをうろうろするだけ。まったく役に立たないのでまたホンモノのカプリーナと入れ替えるという・・・。もう本当に意味がないんだから。

 この時、サントはベル型通信機を使ってセドリックのアジトに監禁されている警察上司に連絡。でもそれっきり。これでアジトの場所が分かる訳でもない。どうも役に立ちませんなあ、この通信機。

 女ジャーナリスト、ホンモノのカプリーノにしなだれかかってまた「サントの素顔を撮影してくれたら凄いことしてあげるわよ」「す、凄いことってどんなことっすか」「ふふふ、それは後のお楽しみ」もうカプリーノ、めろめろ一も二もなく女の頼みを受け入れてしまうのでしたって、これで二回目じゃないの(笑)。女はカプリーナにライフルのスコープ型カメラ(というよりスコープそのもの)を渡します。これにはアンテナがついていて撮影した映像をそのままセドリックのアジトに送信できるという優れもの。サントのベルト型通信機よりはよほど使えるのではありますまいか。

 カプリーナはサントにまつわりついて「ねえ、サント、マスクを脱いでおくれよう、頼むよう」意外なことにサント、「ははは、そんなことぐらいお安い御用さ」とあっさり応じます。期待に胸を膨らませたカプリーナ、例のスコープ型カメラを構えます。セドリックと女ジャーナリストもアジトのテレビモニターに釘付け。サント、マスクに手をかけます、そしてするりと脱ぎ捨てた、ああ、いよいよサントの素顔が明らかにと思ったら下にもう一枚マスクかぶっていたという・・・。派手にずっこけるカプリーナ。モニターにかじりついていたセドリックと女ジャーナリストも「なんじゃ、そりゃ!」まあ、予想通りのオチでしたけれども(笑)。

 これでセドリック、ついに切れてしまいました。部下たちを集めて「カプリーナロボットでサントをやっつけろ」彼と部下たち、サントを狙うならフツー試合場に行きそうなものですが、何故かまたあの倉庫へロボットを運び込むのです。サントもまた倉庫にいるし、ちょっと倉庫を使いすぎですね。

 倉庫に侵入したカプリーナロボット、サントとホンモノのカプリーナに襲い掛かります。しばらく続く激しい戦い。カプリーナはサントを助けようとバットを振り回すのですが間違えてサントを殴ってしまうこと2回(笑)。それでもやっぱり我らがサント、ついにロボットをやっつけてしまいます。

 ここで諸葛孔明も真っ青の名作戦が発動。ホンモノのカプリーナがロボットを装ってセドリックや部下たちのもとに戻りアジトに潜入しようというのです。何の疑いもなくぎくしゃく歩いてきたホンモノをロボットと思い込んで車に乗せるセドリックと部下たち。だから目立つところに目印ぐらいつけておけってえの(大笑い)。

 同時にアジトではあの科学者が警察上司を牢屋から救出。女ジャーナリストと共に逃げ出そうとします。実はこの女ジャーナリストは科学者の娘だったのです。彼女もまた同様に父の命をたてに無理やり悪事に加担させられていたのです。その割にはむしろ、積極的に喜んでやっていたように見えたのですがねえ。上手く見張りの目をごまかして外に出たとたん、最悪のタイミングで戻ってきたのがセドリックたちの車。ずだーん、セドリックの拳銃が火を噴いて警察上司射殺されてしまいました。

 再びアジトの中に連れ戻されてしまう科学者と娘。しかしここで車の後をつけてきたサントがついに到着。塀を乗り越えてアジトに潜入したのです。とたんに鳴り響く非常ベル、ああ、苦労して塀を乗り越えた甲斐がないよう(笑)。サントは駆けつけてきた悪党どもと大格闘。一方カプリーナもその正体を現して科学者と娘を守って戦います。サントは最初の悪党どもをあっという間にやっつけてアジトの内部へ。カプリーナたちと合流を果たしさらに襲い来る悪党どもと激闘を繰り広げるのでした。ここでカプリーナにやられて床に伸びていた悪党の一人が戦うサントと他の悪党に体を踏まれないようもぞもぞ動いて移動しているのが笑えます。

 サント、悪党の最後の一人をやっつけて残すは車椅子のセドリックのみ。突如、セドリック、立ち上がって走って逃げた。いきなり立ちますな、この男、いきなり走りますな、この男。思わず「やい、お前はせっかちなクララかえ」とサントがツッコむのも無理はありません。しかしセドリック、逃げ出すことはできませんでした。床に転がっていたピストルを拾った娘がずどん、彼を射殺してしまったのであります。サント、セドリックの車椅子をごそごそ探って赤い袋を発見。中を改めますと出てきたのが大粒のダイヤ。「奴はこれを車椅子に隠すために歩けねえふりをしていたんだ」ウウーム、なんだか返って無用心な気がするけれどサント映画だから、ま、いいか。

 ラスト、例の運動場で子供たちをトレーニングしているカプリーナ。あのセドリックの車椅子に乗っております。そこのやってきたサント、科学者、娘の三人。みんなでアハハと笑ってエンドマーク。

サント映画としてはなかなかの好編(本気)。カプリーナは愉快だし部下たちはいつも通りのお間抜け。ロボットまで出てくるとなりゃ面白くなるのに決まってる。

 カラー・スタンダード。モノラル音声。画質は今ひとつ。色が薄くって頼りないのがいけません。音は時々歪んでおりましたね。Laguna FilmsDVD

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『サント対誘拐団』

 

『サント対誘拐団』(『SANTO CONTRA LOS SECUESTRADORES』 『Santo versus the Kidnappers』 1973年)

誘拐団と戦うサント。でも前半はつまらないコメディのストーリーを延々やっててなかなか誘拐団と戦わない。誘拐団が出てくるのは映画の半分を過ぎてからといういかにサント映画といえどもこれは酷すぎるのではないかと憤った私でありました。

このDVDはスペイン語音声のみ、英語音声・英語字幕は収録されておりません。私はまったくスペイン語が分かりませんので、この映画はいつもと違ってどこかの奇特な方が作って下さっているサント映画のストーリー解説サイト(英語)を参考にこのレビューをでっちあげております。だから実際の映画を誤解しているところもあるかも知れませんが、その辺はどうぞ、この事情を鑑みてご容赦くださるようお願いいたします。

 平たく言うと、「文句を言うんだったら自分でやってみろ、コノヤロー」ということでございますね。

どこぞの港の船の上。大勢の観客が見守る中4人の男と戦うサント。相手はレスラーではないのですが、カメラマンもいるし、これはどうやら格闘ショーらしい。しばらくどったんばったん戦ってついに勝利を収めるサント。観客拍手喝采です。この後サントはいきなり機上の人となってどこぞの空港に到着します。彼を出迎えるブロンド美女。サントはこの美女と海岸でカモメやアシカに餌をやるというデートを楽しむのでありました。ここでタイトル出ます。『サント対誘拐団』ばーん、ああ、カッコいいなあ(ウソ)。

 また船にのって美女と仲良く海の景色を眺めているサント。「ああ、綺麗だねえ、あっしの心も洗われるようだ」とかなんとか言っております。そこに船員がやってきて「サントさん、お手紙が届いております」これがインターポールからの呼び出しであったという・・・(笑)。さっそくインターポールのオフィスに出向いたサント、「サント、君、エクアドルまで行って誘拐された偽札作りの名人、ペドロ・ミラーを探しておくれでないかね、どうも彼がギャングに無理やり協力させられているみたいなのだ」サントは快諾します。「へい、合点承知でさあ、このあっしが誓ってええと誰でしたっけ、ああ、そうそう偽札作りの名人、ペドロ・ミラーを助け出してみせますぜ」

 サント、急遽エクアドルへ飛びます。また飛行機が着陸して降りてくるサントの絵。どうして二回もやりたがるのか(笑)。サントはそのままホテルへチェックイン。エクアドルの人がみんなサントのことを知っていてホテルのクラークも「あ、サントさん、いらっしゃい」なんて言っているのがオカシイですな。

 時間は飛んで夜となります。エクアドルの歓楽街のネオンサインを映しているカメラが音楽に合わせてぐらぐら動きます。凄く見づらいです。サントはクィートというナイトクラブへ。やっぱり店員が入ってきたサントに「や、これはサントさま、ようこそいらっしゃいました」だって。エクアドルでもサントの人気は凄いね!ここでナイトクラブのセクシーダンサーが延々と踊りを披露。実はこのダンサー、ペドロ・ミラーの妹エルサ(ロジー・メンドーサ)だったのであります。ミラーの踊りが5分近くも続いた後(笑)サントは彼女の楽屋を訪ねて兄の捜索に協力してくれるよう頼むのでした。

 さらにこの後この映画の重要なる登場人物がもう一人登場します。タクシーの運転手をやっているエヴァリスト(アーネスト・アルバン)であります。彼女はナイトクラブのダンサーの送迎を担当しておりましてエルサと妙に仲が良いみたい。でも彼の乗っているタクシーはそれはもうぼろぼろ。もうちょっとちゃんとした車使って商売せえと言いたくなりますな。さて、このエヴァリストの趣味が競馬。今日も今日とて車の中でラジオで競馬中継を聞きながら大興奮。馬券を掛けたらしい馬を「それいけ、それいけノボリトーカイドー、他の馬なんか蹴散らしてしまえ!」エクアドルの競馬馬にノボリトーカイドーなんて名前がつけられるはずもありませんが、これは所謂ギャグであります。本気にしてはいけないのであります。

 「よし、もう少しだノボリトーカイドー、頑張れ、頑張れ、ノボリトーカイドー!」興奮のあまり車を飛び出したエヴァリスト、騎手になったつもりか車にまたがってしきりにムチを振るう真似。これじゃ単なるキチガイですよ(笑)。ついにノボリトーカイドー、トップでゴールイン。エヴァリスト、口からアワを吹き出しながら「やった、ぶぶぶ、万馬券だ、300万スクレ(ドル化政策で今はドルになっている筈です。ちなみに一ドル=25,000スクレ)の大儲けだ、ぶぶぶ、ばんざーい、ばんざーい」ドルに直すと120ドルですからねえ。そこまで喜ぶことはないんじゃないかと思うのですが。

 エヴァリストは有頂天になってエルサを迎えにいきます。エルサも彼の大儲けにコーフンして二人で「300万スクレ、300万スクレ」と合唱する始末。ついにエヴァリスト、車の運転を誤って他のタクシーに追突してしまうのでした。相手の運転手と喧嘩になって相手の運転手、エルサ共々警察に連行されてしまうのでした。

エヴァリストの話ばっかりでいつ誘拐団がでてくるのかなあと思っていたら…。

 ここでようやく再登場したサント、インターポールの女性アシスタント ロジータ(エリザベス・サルトーレ)と共に捜査開始。しかしサントはすぐに吸血鬼とか豚とかガイコツとかフランケンシュタインの怪物のマスクをかぶった怪しい男たちにつけられていることに気がつきます。こんなマスクを最初からかぶっているからあっという間に見破られてしまうんだ(笑)。サントは車をとめて彼らをやり過ごそうとしたのですが、さすがは怪しい男たち。サントの意図を見抜いて襲ってきたのでした。

やっと誘拐団の登場ですよ(笑)。

 サント、男たちと勇敢に戦います。しかし卑怯にも後から棒で頭をぽかりとやられてふらふらになってしまうのです。「むむ、いくらあっしだって、こりゃいけねえ」ばったりと倒れます。「それ今だ」とばかりにサントへ飛び掛る悪漢ども。サント、大ピーンチ。しかしここで彼を救ったのがロジータでした。彼女はピストルを取り出すと悪漢どもにむけてずどん、ずどん。4人は朱に染まって倒れた・・・というのではなくて空に向けてピストルを発射。近くをパトロールしていたパトカーを呼び寄せたのです。これで悪漢どもは逃げ去りサントは無事だったものの誘拐団の手がかりはまったくつかめなかったというオソマツ。

 一方、まだはしゃいでいるエヴァリストとエルサ。この興奮に裁判所の判事、ああ、御馴染みのカルロス・スアレズですよ、この人(笑)、も巻き込まれて二人を無罪放免にしてしまいます。残された運転手が憮然とするのにも関わらずカルロス・スアレズったらエヴァリストとエルサについていっちゃう。銀行へ行って馬券を換金しようというのです。しかし間の悪いことに銀行はもう営業時間を過ぎてしまっておりました。がっかりする皆さんですが、「じゃあ、一足先にエヴァリストさん、300万スクレ獲得おめでとう宴会をやろうじゃないの」

 それからサント・ロジータを交えてクラブ・クィートで大宴会。酒をがぶがぶやってエルサが踊っているのをにやにやしながら見るという、どうもあまり面白くなさそうな宴会でございます(笑)。とここで夜が明けて映し出される早朝の港。でも次の場面ではクラブクイートとは違う場所でまだ宴会やってる。お前ら徹夜でやっとたんかい(大笑い)。しかも今度はロジータがビキニになって踊っているというセクシーなおまけつき。なんなんだろうなあ、これは。おまけに怪しい男が登場してサントの様子を伺っている。これは危ないぞと思ったら男はなんと吹き矢を取り出してサントを狙って「ふっ」首筋に命中してサント昏倒するという・・・。

 そんなサントを放ったらかして、いや、本当にほったらかしてエヴァリストたち銀行に換金にいっちゃうのです。彼の介抱に残ったのはロジータだけなのです(笑)。いくら大金?を得て浮かれているからといってこれはあまりにも不人情ではないですかねえ。その罰が当たったのか銀行で判明したのは意外な事実。なんと、エヴァリストの持っていた馬券が偽物だったのです。たちまち掴まって牢屋へ放り込まれてしまいました。あ、カルロス・スアレズの判事も一緒に入っているぞ、これもまずいだろう(笑)。

偽造の馬券を使った容疑で留置場に入れられたエヴァリスト、エルサ、カルロス・スアレズの判事。しかしクラブ クィートの店主 ドン・カエサル(ギルモア・ガルベス)が彼らの身分を保証し釈放させてくれたのでした。

 さて、この後クラブクィートに戻ったエルザ、ここに誘拐団、ボスの右腕であるカルロス(フェルナンド・オセス)から電話が掛かってきます。もちろん、「お前のパパのペドロは預っているぞ」という電話。エルザは驚いてこの電話のことをサントに伝えるのでした。この電話を受けるサント、上半身裸でベッドにねており傍らにはロジータいるというなんとも怪しい場面。吹き矢を受けたサントを介抱したということなのでしょうが、これはどう見たって昼下がりの情事を楽しんだあとにしか見えませんよ(笑)。サント、電話の向こうで泣き喚くエルザに「おとっつあんのことはあっしに万事まかせておくんなせえ」と大見得を切るのでした。

 といいつつその後はプロレスの試合。リングとその周囲にいるごく少数の観客、セットなのが見え見えです(笑)。サント、ここで赤い覆面かぶったレスラーとシングルマッチ。観客席にどうも赤マスクの仲間がいるようでしてリングアウトした際にこっそり凶器を渡したりしております。もっともその凶器はまったく使われなかったりするのですが。しばらくどったんばったん試合が続いて最後はもちろんサントの勝利。これでサント、ペドロを助けに行くかと思いきやもう一回試合をやるのです(大笑い)。

 今度は実際の試合。試合前のセレモニーは10人以上の覆面レスラーが登場して非常に豪華。あ、ミル・マスカラスがいるぞ、おお、あれはブルー・デーモン、ああ、あの白衣を着ているのはメディコ・アセシーン。でも実際の試合はサントと知らないレスラーが組んだタッグマッチ。どうも気が抜けることでございます。この試合も当然ながらサント組が勝利。珍しく1本勝負で終わりました。

 ばらばらとヘリコプターが飛んでまいります。荒野に一軒だけぽつりとたった建物の側に着陸。降りてきたのは黒いマントに黒い覆面、おまけにシルクハットという怪しいいでたちの人物。こんなん悪のボスに決まっていますよ(笑)。悪のボスはカルロスに「おら、エルザを攫ってこんかい、彼女を殺すと脅してペドロに偽札の原版作らせるのじゃ!」ここでうろちょろしている怪物のマスクをかぶった部下の背広に注目。脇のあたりが破れています。さっきサントと戦った時にやぶれたのか。しかし、それにしても貧乏くさい話ですなあ。

 さあ、クラブクィートの楽屋にエルザを襲う部下たち。拉致は上手くいくかに思えたのですが、ここにサントが現れた。「おめえらの所業、おてんとさまは見逃してもこのサントさまが許さねえ!」サントは部下たちに飛び掛りぼこぼこにしてしまいました。たまらずひーっと叫んで車で逃げ出す部下たち。悪のボスはそんな部下たちに「あっさりやられおって、それじゃ部下じゃなくってバカですよ。サントがそんなにジャマなら今度はサントをさらってこいってえの」

 ここでサントはエヴァリストを呼び出して「大事な電話がかかってくるかもしれねえんだ。だから一つ、エヴァリスト、ホテルのへやであっしのために電話番をしておくれでないか」と頼みます。二つ返事でサントの頼みを引き受けたエヴァリスト、サントの部屋へ。そこで見つけたのがウィスキー。さっそく壜を抱え込んでぐびぐびやるエヴァリスト。もう電話のことなんかこれっぽっちも覚えていやしませんて。さらにエヴァリスト、サントのアルバムを見つけます。中を開いてみるとあるわ、あるわ、サントと美女のツーショット写真が(大笑い)。「やっぱりサントはもてるねえ」ぐいぐいウィスキー行っちゃいます。そしてついにサントの予備のマスクを見つけたエヴァリスト、さっそくそれをかぶってサント気分。挙句にベッドに倒れてぐーすかいびきをかきはじめるのです。

 エヴァリストは誠に自分に都合の良い夢を見始めます。彼はサントとなって試合に出場、見事に勝利を収めます。その彼を取り囲む三人の美女。彼はやおらマスクを脱ぎ捨てて「や、実はオレがサントだったのよ」「まー、そうだったの、カッコいいわ、エヴァリスト!」三人からキスの嵐、嵐、また嵐。

 ここでサントの部屋に乱入してきたのがあのバカじゃなかった部下たちです。なんと彼らはベッドで寝ているエヴァリストをサントと勘違いして誘拐しちゃったのでした。おいおい、いくらなんでも間違えないって、体格全然違うし、エヴァリスト、マスクの下から口ひげが見えているじゃないか。やっぱり部下じゃなくってバカだよ、これじゃ(笑)。

 部下たちはエヴァリストを車に乗せて逃走します。ん?あ、事の成り行きを見張っていたサントがこっそり車のトランクに隠れたぞ。さてはエヴァリストは囮だったのか。サント、エヴァリストの行動を見越して自室にウィスキーの壜と予備のマスクを置いていたのか、凄い、さすが我らがサント、FBI超能力捜査官もびっくりの予知能力だって、まあ、脚本が何も考えていないだけだとは思いますが。

 これでカルロスたちのアジトを突き止めたサント、まだエヴァリストをサントと思い込んでいる大間抜けの悪漢どもに飛び掛りやっつけてしまうのでした。サント、カルロスの腕をぎりぎりと捩じりあげて「やい、ペドロはどこだ、白状しねえか」

 と、こんなことをやっている間、バカならぬ部下にはまかせておけぬと自らエルザを誘拐する悪のボス。なんなんだかなー(笑)。彼女を人質に使ってペドロを脅しついに原版を完成させたのです。後はこれで偽札を印刷するだけ、これでわしゃ、大金持ちだよと高笑いのボスでしたが、そうは問屋が卸さない。カルロスからペドロの居所を聞きだしたサントが助けにやってきたのです。サントはボスと一騎打ち。どったんばったん戦った末ついに彼をやっつけてしまいます。サントが彼の覆面を剥ぎ取ると現れたのは・・・「ああ、あなたはドン・カエサル!」エルザが叫びます。なんとあのクラブ クィートの店主ドン・カエサルだったのです。いや、悪のボスの正体なんてもうどうでも良くなっているんですけど。

 帰国の途に着くサント。エルザ・ペドロ・ロジータ、エヴァリストに見送られて空港から飛び立とうとします。サント、車のキーをエヴァリストに渡して「つまらねえ車だが、良かったら使ってくんな」しかし、サントが飛び立った後、すぐに車をぶつけてしまうエヴァリストというオチでした。エンドクレジット。

この映画、あちらのファンには「エヴァリストのコメディ演技が全然面白くない」と大不評をかっているそうな。私もそのキモチ、よーく理解できますとも!

カラー・スタンダード、モノラル音声。画質はノイズが多いけれども発色が綺麗。サントの銀のマスクがじつにカッコ良い。音質は歪みが酷くって耳が痛くなりました。I.M. RecordsDVD

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『サント対首狩り族』

 

『サント対首狩り族』(『Santo Contra los Cazadores de Cabeza』英語タイトル 『Santo vs. the Head Hunters』 1969年)

サントがジャングルでジャガーと戦うシーンがありますので最初は私家版邦題タイトルを『サントの猛獣狩り』にしようと思っていたのですが、豹一匹で猛獣狩りとはおこがましい。考え直して結局原題を直訳した『サント対首狩り族』にしました。

このDVDはスペイン語音声のみ、英語音声・英語字幕は収録されておりません。私はまったくスペイン語が分かりませんので、この映画はいつもと違ってどこかの奇特な方が作って下さっているサント映画のストーリー解説サイト(英語)を参考にこのレビューをでっちあげております。だから実際の映画を誤解しているところもあるかも知れませんが、その辺はどうぞ、この事情を鑑みてご容赦くださるようお願いいたします。

 平たく言うと、「ちょっとくらい間違っていたって文句を言うな、コノヤロー」ということでございますね。

いきなりアパートの空室で4人の男と戦っているサント。「おいらが来たからにゃもうすき放題の勝手にはさせねえぜ、観念しやがれ!」サントは4人のうち3人までをノシてしまいます。たった一人残された男、トリソ(ギルモ・ヘルナンデス)は懐から怪奇なナイフを取り出してなおも戦おうとしたのですが、そこで聞こえてきたのがパトカーのサイレン。トリソ、ナイフを放り出し一人で逃げてしまいました。サント、3人を駆けつけてきた警官隊に引き渡します。

 お金持ちのジャングル探検家、ドン・アロンソ(レネ・カルドナ)は娘やお客さんの前でトリソが残したナイフは首狩り族ジャイバロインディアンが敵の首を切るときに使うものだと説明します。どうせ、説明するならサントにすればいいのにねえ(笑)。

 ここで場面が変わっていきなりジャングルになります。踊っているジャイバロ族のインディオの人たち。彼らはかって南米を支配していたインカ人の末裔。彼らは侵略者であるスペイン人を恨み白人どもに復讐を誓っていたのです。この部族の一員であったトリソ、族長と会って「族長、そんなね、いくら首狩り族だからといって何時までも部族同士で争ったって仕方ありません。みんなで力を合わせて白人どもに復讐しましょう。その手始めにアロンソの娘、マリアナ(ナディア・ミルトン)を攫って生贄にしてしまうのです!」「インディオ、良く分かった」と頷く族長。「インディオ、マリアナに生贄の印である神のペンダントを送る」この神のペンダントとやらバイク便でドン・アロンソの豪邸に送られてくるという・・・(笑)。族長、わははと笑って「最近、とっても便利、荷物、1日で届く、インディオ、嬉しい」

 この不思議なペンダントを見たアロンソ、友人でこういうことに詳しいカストロ教授(エンリケ・ポントン)を呼んで調べて貰うのです。拡大鏡でペンダントをじっくりと調べた教授は暗い顔になって「あなた、こりゃ、マリアナが神の花嫁に選ばれたという印ですぞ」アロンソ、びっくりして「え、娘を嫁に、そんな娘にはカルロス(フレディ・フェルナンデス)という将来を誓い合った恋人がいるのに」ずっこっける教授、「いや、結婚じゃなくって、これは神の生贄に選ばれたということなのです」「ええっ」ようやく理解して驚愕するアロンソ。その傍らでそんなペンダントとは露知らずカルロスに首に掛けてもらって大はしゃぎのマリアナ。

 このマリアナをねっとりと見つめるアロンソの執事ハスカ(エンリケ・ルチェロ)であります。むむっ、こいつ怪しい。

 さて、事態が容易ならぬことを知ったカストロ教授、無線機でサントに緊急連絡。「もしもし、サント、アロンソの娘、マリアナが首狩り族に狙われている。助けてくれ」ただちに応答するサントですが「もしもし、サントでやんす。あいにくですがあっしは今ロンドンにいるんでやす。だからちっと時間が掛かります。それまでなんとかマリアナを守ってくだせえ」サントとロンドンの組み合わせ、似合いませんなあ(笑)。それでもサント、なんとか都合をつけて自家用飛行機で戻ってくるのですが、時既に遅し、マリアナはカルロスとのデート中に攫われてしまっていたのです。もっとも誘拐の場面はなくっていきなり額にバンソーコー貼り付けたカルロスが「チクショー、あいつら」と怒っているという・・・。こんな場面くらい撮影してくださいよ、別に金が余計にかかるというものでもないでしょ。

 拉致されたマリアナ、あっという間に首狩り族の村に連れていかれます。展開が早いですなー、このジャングル、一体どこにあるんだ(笑)。彼女を村の小屋に監禁したトリソとハスカ、もう白人の服なんかいらないやいということで着ていた服を脱ぎ捨てると足でさんざんに踏みにじるのでした。

ついでにマリアナの服もいらないやということで彼女の服を脱がしてさんざんに踏みにじる…という展開になれば良かったのに。

 その彼女を追ってサント達もジャングルに到着。いきなりジープに乗って進んでおります。しかもガイドも一人雇っている、一体どこで見つけたんだ、こんなガイド。彼らはある村に到着、ここで首狩り族のことを村人に聞こうとするのですが、みんな後難を恐れて逃げていってしまいます。たった一人残ったじいさんも「首狩り族はな、首を狩るのじゃ」と分かりきったことを喋りだしたとたん、何者かが放った吹き矢にやられてしまうのでした。まー、当たり前のツッコミなのですが、じいさんやる暇があったらサントやらんかい、一人だけ銀色の覆面かぶっているのだから一目で分かるだろうが(大笑い)。

 「仕方ありやせん、先にすすみましょう。」あれ、いつの間にかポーター4人雇っているぞ。村人がみーんな逃げたのに一体どこで雇ったんだ(笑)。それからまもなく道路がなくなります。これ以上ジープは使えないのでやむなく徒歩で進むことになりました。

 首狩り族たちはマリアナを御輿に乗せて生贄の儀式の場所を行う聖壇に向います。だらだらジャングルを歩く首狩り族たち。サント達も負けずにだらだら歩きます。だらだら歩く首狩り族、だらだら歩くサント達、だらだら歩く首狩り族、だらだら歩くサント・・・、いい加減にせえ!

 大きな川に行き当たったサントたち。茂みの中から都合よく誰かが隠しておいた丸木舟、それも人数に合わせて二隻も!を見つけ出し、これに乗って川を進み始めます。揺れる川面を見つめてつぶやくサント、「こんな川には得てしてワニの野郎がいるもんだが」はい、でました、ワニが。ワニは水中をすいーっと進み丸木舟に体当たり。ポーター一人が水中にじゃぼん。このまま放っておけばワニに食われてしまいます。しかしこんな時に活躍するのがサントです。彼は「あっしにまかせておくんなせえ」と叫ぶなり川に飛び込みます。そしてワニと大格闘、おー、ホンモノのワニと戦ってますわ。サントはスタントの人だろうけどこんな映画で頑張りますなあ。サントがワニをがきっと捕まえたところでカストロ教授のライフルがずだーん。見事ワニに命中したのでした。

 しかし、この時ジャングルに潜んでいた一人の首狩り族が弓矢でカストロの胸を射抜いてしまったのです。アロンソはピストルでこの首狩り族を射殺するのですが、あわれカストロ教授、ジャングルに死す。一同は悲しみのうちに教授の遺体をジャングルに埋葬します。

ジャングルの次の出し物、アハハ、出し物ってのはないか(笑)。お馴染み大アマゾンの猛魚ピラニアでございます。首狩り族の若い者が木の上にいる猿をぴゃっと弓で射落とします。この時猿に紐が繋がれているのが丸分かりですが、みなさん、もういい年して酸いも甘いもかみ分けた大人なのですから、見なかった振りをしてあげましょうや。

 ウッキッキーと悲鳴を上げて川へ落ちる猿。たちまち川面が波立って猿は骨だけになってしまいます。もちろんピラニアのピの字も見えません。川にボンベ仕込んで空気でぼこぼこさせているだけです。

 こういう場面があったのですから当然ピラニアのいる川に差し掛かるサント達、サントが「こんな川には得てしてワニの野郎がいるもんだが」のも構わず川に入ったポーターの一人がピラニアに襲われて「ひーっ」あっという間に骨だらけという展開を期待せずにはいられないじゃないですか。でもそんな場面まったくないの(笑)。ただまた首狩り族が襲ってきてポーターの一人が弓で射殺されるだけなのです。

 その代わりと言っちゃなんですが、次に登場したのがジャングルの猛獣、ジャガー。暢気に歩いていたカルロスに襲い掛かります。彼を助けてジャガーと戦うサント。おお、本当にジャガーが腕に齧りついている。サントはスタントの人だろうけどこんな映画で頑張りますなあ。サント、さんざんジャガーともみ合った挙句持ち上げてぽいと放り投げてしまうのでした。ジャガー、退散します。カストロ教授とポーター一人が死んでカルロスも怪我をした、ちょっと休みましょう旦那方というガイドの提案で野営します。

 昼間の疲れについうとうとするとなにやら首でもぞもぞするものが、「わあ、吸血蝙蝠だ!」仰天して飛び起きる探検隊の皆さん。でもサントが「このサントさまの血を吸えるものなら吸ってみやがれってんだ、コンチクショウ」と叫んで松明の炎で蝙蝠を焼き払うなどという場面はありません。みんな飛び起きた時点で蝙蝠は飛び去ってしまうのです。な、なんじゃそりゃ。

 翌日、首狩り族の本格的な襲撃に備えて砦を作るサント達。砦と言っても竹を切って先を尖らせたので柵を作ったぐらいの簡単な奴。それでもみんなぶきっちょなのか、立てようとした竹がからんからんとすぐ転がってしまいます。「急いでくだせえ」と繰り返すサントもこの不器用ぶりにちょっと呆れています。

 それでもようやく完成する砦(柵)。この完成するのを待って(笑)攻撃をしかけてくる首狩り族たち。火のついた槍をぽんぽん投げ込んできます。これがせっかく作った砦(柵)のあちこちに刺さって燃え出したのでみんな首狩り族そっちのけで火を消すのに大わらわ。その間に二人目のポーターがやられてしまいます。なんか砦(柵)全然役にたってないですけれどもと思った瞬間、突撃をしかけてきた首狩り族たち、勝手にとがった竹の先に突進してぐさぐさぐさささのさ、勝手に全滅してしまいましたとさ。ああ、もう。

 さらに先を進むサントたち。首狩り族が作ったと思しき干し首を見つけて戦慄します。ここでたった一人残ったポーターが「旦那、これは首狩り族の警告だ、おら、この先に行くのはもうイヤだ」サントは仕方なく彼に金をやって「おう、帰ったら警察に連絡してあっしたちに助けを呼んでくんな」ほくほくしながら戻ろうとするポーター。ここで前々から様子のおかしかったガイドがついにその正体を現した。ガイドはサントたちに「ちょっと小便行ってきますだ」と断って一行から離れます。そしてライフルで戻っていくガイドをずどーん。

 銃声に驚いてかけつけてきたサントたちに「ポーターは毒矢でやられましただ、ライフルで撃ちましたけど逃げましただ」だって。サント達もそんな説明に納得するなよう。傷口見ればライフルか毒矢でやられたのかぐらいすぐ分かるでしょうが。

 しばらくぶりに登場する首狩り族の本隊。これから先は御輿で行くことはできないということでマリアナを降ろし、まただらだら進みます。なんというか全体的にやる気のない人たちですなあ。これからさらに野を越え山を越えつり橋で川を越えっていつまで行くねん!最後の橋は通った後追跡をたつためにロープを切って落としてしまいます。んー、追跡者たち、つまりサントたちは通れなくなるけど、君たち、帰りはどうするの(大笑い)。

 一方サント達は放棄された御輿を見つけます。「きゃつらにもう少しで追いつけますぜ」と張り切るのですがどうもガイドの様子がおかしい。彼は川を指してしきりに渡れ渡れと促すのです。不審を覚えたサントは「だったら、おめえ、一番に渡ってみな」はい、ガイド、襲い掛かってきました。「おめえ、きゃつらの手先だな!」と叫んでガイドと戦うサント。しばらくどったんばったんとやりあうのですがついにサント、ガイドを川に叩き込んでしまいました。その途端電気鰻の電気にやられてびりびりびりー、ガイド、感電死してしまったとさ。

 当然ながらピラニアの時と同じく電気鰻の実物は出てきません。水中にアカラサマな電極が2本あって、これがスパークしているのです。

 サントは首狩り族が置き捨てていった槍にロープを結んで向こう岸の木めがけて放り投げます。見事に命中した槍のロープを使って川を渡るサント達。後はもういい加減面倒臭くなったのでラストへ行ってしまいましょう。ようやく生贄の儀式を行う聖壇にたどり着いた首狩り族。夜になるのを待って生贄の儀式を開始します。あんだけマリアナの生贄にこだわっている彼らでしたから当然、マリアナを最初に血祭りにあげるのかと思いきや、他に二人の生贄がいたのですねえ。この二人が前座でマリアナはトリだったという・・・(笑)。こんな手間をかけているから、ほれ、忍び込んできたサント、アロンソ、カルロスが大暴れし始めたじゃないか。

 サントはプロレス技で、アロンソ、カルロスはピストルでそれぞれ首狩り族をやっつけます。この時逃げ出したマリアナ。その彼女を襲おうとした首狩り族の若者を改心したらしいハスカがやっつけるという場面が入ります。もうお忘れかもしれませんがハスカって長年アロンソの執事をやっていたあの人ですよ。しかしその後すぐ別の首狩り族に殺されてしまうハスカ。だからみんなはハスカが改心したことが分からなかったというお間抜け。なんでこんなことをしますかねえ(笑)。

 ついに立ち上がった首狩り族の族長、サントに一騎打ちを申し入れます。「ようがす、あっしが相手を承りましょう」サント、族長とどったんばったん戦います。両者まったくの互角でしたがさすがは我らがサント、時間がたつに連れて族長を圧倒し始めます。そしてついに族長を組み伏せ奪ったナイフを振り上げた。しかし、サント、このナイフを降ろして彼の命と引き換えに自分たちを無事帰すことを約束させたのです。承諾する族長。ここでことの成り行きに納得できなかったらしいトリソがナイフでサントに襲い掛かるのですが逆に槍でやっつけられてしまうのでした。

 はい、ラストシーン、ジープで文明社会へ戻ろうとするサント一行です。ジープの後部席でぶちゅぶちゅぶちゅーとキスをしているマリアナとカルロス。それを前部座席から振り返ってじっと見ているサント(笑)という絵で映画はおしまい。しかしなんですな、もしカストロ教授がいきていたらジープの定員オーバーでしたなー、するとカストロ教授はジープにマリアナのための空き座席を作るために殺されたのですなー(笑)。

 カラー・スタンダード、モノラル音声。画質はブルーレイディーガDMR-BW200とプロジェクター VPL-VW100の組み合わせで見たせいかミョーに綺麗。カラーの発色が良くサントの覆面にも光沢があります。音は歪みが激しくまた時々ぽつぽつというノイズが入ります。Laguna FilmsDVD

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『世紀の怪物/タランチュラの襲撃』(『Tarantula』 1955年)

 

『世紀の怪物/タランチュラの襲撃』(『Tarantula』 1955年)

 子供の頃テレビで「わーい、大きな蜘蛛の怪獣がでてくる映画だい」と大喜びして見始めたらいきなり物凄い姿になった男の人がでてきて、いやもうびびったこと。それ以来30数年ぶりの再見となりました。

 警告、警告、このDVDのリージョンは1です。したがって日本国内のDVDプレーヤーでは再生できません。警告、警告。

砂漠をよろよろ歩く男(エディ・パーカー)。パジャマ姿でなんだかとっても具合が悪そう。あ、とうとうばったりと倒れてしまいました。その際に露になった彼の顔はどうしたことか醜く腫れあがっています。手にもその影響が現れておりまるで50年代SFのポール・ブレイズデルが作ったモンスターのようでありませんか。男はしばらくぴくぴくした後ついに動かなくなってしまいます。ここでバーンとタイトル。

この男が幼少の私を死ぬほどびびらせたのです(笑)。

 さて、セスナで砂漠の田舎町デザートロックに戻ってきた青年医師あり。名前をマット・ヘイスティングス(ジョン・エーガー)と申します。彼は診察所であるホテルの一室へ戻ってほっと一息つくのですが、とたんに保安官ジャック・アンドリュース(ネスター・パイヴァ)からの呼び出しが。「砂漠で生物学者エリック・ジェイコブの死体が発見された。ちょっとおかしなところがあるので見てくれないか」というのであります。マットは「まったく出張から戻ってきたばかりなのにこうお座敷が多いといやになっちゃうよ」とぼやきながら指定された死体安置所へ向うのでした。

 死体安置所で保安官に会うマット。保安官は「たぶん、エリック・ジェイコブだと思う。でも違うかも知れない」と訳の分からないことを言います。「はあ?なんです、それ」「とにかく遺体を見てくれよ」この遺体と言うのが冒頭に登場した顔の腫れあがった男だったのです。一目みたマットは仰天して「な、なんじゃこりゃ。末端肥大症ですか。しかし末端肥大症ってのは長患いするものです。前にディマー博士の研究所で彼に会った時、そんな兆候はみじんもなかったんですがねえ。ひょっとしたら別の病気なんじゃないですか」

 しかし彼の疑問は続いてやってきたエリック・ジェイコブの共同研究者であるディマー博士(レオ・G・キャロル)によってあっさりと覆されてしまいます。「これは末端肥大症で間違いない。彼は4日前に筋肉の痛みを訴えた。それがあっという間に酷くなって今朝錯乱状態になって砂漠へ飛び出していったんだよ」「そんなたった四日間で死ぬなんて信じられない」とマットは抗議するのですが、何しろ相手が高名な生物学者ですから、保安官も信じてくれないのです。さらに遺体の解剖を断ったりどうも怪しいのですが一介の町医者であるマットにこれ以上詮索する力はありませんでした。

 遺体の始末を終えたディマー博士、自宅兼実験室へ戻って早速実験の再開。怪しい壜から注射器に薬液を移しております。その彼の背後の檻では、あははは、でっかくなったラットやモルモット、それにタランチュラがもぞもぞ動いているではありませんか。ちょっと謎を明かすのが早すぎやしませんかね(笑)。博士は他の檻から猿を取り出して薬を注射しようとします。しかしその時、冒頭のエリックと同じく頭と手が異様に膨れ上がった男が現れた!彼はがぁっとディマー博士に襲いかかって「てめえ、エリックが死んだそうじゃないか、オレも死ぬのだろう、そうだろう、だったらお前も殺す」これが助手のポール(エディ・パーカーとの二役、お疲れ様ッス!)だったという・・・。

「ポール、うわあ、やめろう」取っ組み合いとなります。怒り狂ったポール、残った最後の力を振り絞って椅子を振り上げると当たりの機械を手当たり次第に叩き壊し始めました。当然、タランチュラが入っていた水槽も破壊してしまいます。「だからポール、やめてくれったら」彼に飛びつくディマー博士。巨大タランチュラはこの隙にきりきり鳴きながら逃げ出してしまいましたとさ。「あっ、ヤバイ、タラちゃんが逃げちゃった」名前つけとったんかい(笑)。呆然とするディマー、ポールはこのチャンスを逃さずディマーが猿に使う筈だった注射器を奪い取って左腕にぶすっ!

 この後ポールは力尽きて死んでしまいました。ようやく危機から逃れたディマー、ポールに破壊されて燃えている電子機器の火を消化します。火は消えたものの大事な機械がまっくろこげ。大事なタラちゃん逃げちゃったし、これからどうしよう。

 その夜ポールの死体を砂漠に埋めるディマー博士です。その彼の背後から影が忍び寄っていきなり飛び掛った!「うわ、もうここで巨大タランチュラにやられてしまうの」と思ったら、これが火事を逃げ延びていたあの猿だったというつまらないオチ。あー、どきどきして損した。

 さて、まだ末端肥大症についてこだわっているマット、保安官事務所に行きまして「保安官、僕はフェニックスの医療図書館に行って記録を調べたけどやっぱり末端肥大症がそんなに早く悪化するという症例はなかったよ、もう一度調べてみよう。だいたいディマー博士とエリックは栄養生物学ではトップクラスの科学者だ。その二人が一緒になっていったい何を研究していたんだ」マット、とにかく一度研究所を尋ねてみようということになります。ここで新たな登場人物、映画の紅一点ステファニー・クレイトン(マーラ・コーディ)であります。女性生物学者である彼女は博士号取得のための修行を兼ねてディマーとエリックの研究所で助手のアルバイトをすることになっていたのです。

 バスから降りてさあ、研究所までどうやっていこうかしら、でも研究所行きのバスはもう終わっているし町に一台しかないタクシーの運転手はもう飲みに出かけてしまってる(笑)、途方にくれるステファニー。これをみたマットが「私の車で一緒に行きましょう」と申し出るのはごく自然の成り行きと言えましょう。この車中でエリックの死を知らされて驚くステファニー。さらに逃げ出した時より数倍でっかくなった巨大タランチュラが出現と思いきやマットとステファニーの車が通り過ぎた後。二人はタランチュラの存在に気がつかないのでありました。

 研究所に到着します。ディマー博士はデザートロックの新聞記者ジョー(ロス・エリオット)の取材を受けている真っ最中。「いやあ事故で機械が燃えまして、マイってしまいましたわい」なんて言っている(笑)。ジョーの狙いは一応不審なエリックの死についてなのですが、さすがディマー博士、うまくあしらって取材を終わらせてしまいましたとさ。その後、マットはステファニーを博士に紹介します。「おー、君がエリックの言っていた助手の人だね。エリックは不幸にも亡くなってしまったが、君はここで働いてくれたまえ」博士は二人に研究室の内部を案内します。

 「私は成長促進薬を作っている。現在の地球の人口は20億人だ、今までの人口増加率からいくと1975年には30億、2000年には3,625,000,000人になってしまうのだ。これだけの人口を養うには絶対成長促進薬が必要なのだ」どうやら博士、この成長促進薬はアイソトープの放射線を使っている模様。「ははあ、やっぱり凄い研究をされておるのですなあ」マットすっかり感心してしまいます(笑)。その後博士はマットの頼みに応じてエリックの解剖も許可。「長年の友人を解剖するのがしのびなかったのだ。でも必要とあらば仕方ない、遠慮なくばらばらにしてくれたまえ」ばらばらってあなた(笑)。

 マットは町に飛んで帰ってエリックを解剖。しかし出てきた結果はやっぱり「末端肥大症」でしかありませんでした。保安官から「やっぱりあんたは間違っていたな、今度から死体の検死にはフェニックスから医者を呼んでくることにするよ」とイヤミを言われてマット、がっかりするのでありました。

 ディマー博士の助手として一生懸命に働くステファニー。実験の傍ら、6日間で成体になったウサギを見せられて「凄い、ホントだったら34ヶ月かかるのに」なんて驚いたりしております。この研究が一段落ついたステファニー、休みを貰ってデザートロックの町へお出かけするのでありました。当然ながら町でマットにばったり。狭い町ですからすぐにこういうことが起こるのです。決してご都合主義とかそんなのではありません(笑)。研究所に帰る前にちょっとお話しようということでベンチに座る二人。

 「博士はね、凄いのよ、成長促進薬でうさぎを6日間で成長させちゃうの」と嬉しそうに話すステファニー、マットはこの話に興味を覚えて「よし、博士の話も聞きたいし、また車で君を送ってあげよう」ということになりました。再び砂漠のドライブ、ここでステファニー、マットの「このへんは大昔海底だったんだ、だから今でも貝殻の化石が見つかるんだ」という話に感激して、ちょっと車を止めてあたりを見てみようとおねだりするのです。二人で岩山のあたりをお散歩。ちょっと良いムードになりかけたところで突然、がらがらと岩山が崩れてきたのでした。あわてて飛びのき難を逃れた二人。マットは首を捻ります。「地震でもないのになぜ崩れたのだ?」決まってます。巨大タランチュラの仕業です。ほら、きりきりきりという鳴き声が響いて巨大タランチュラが姿を現した!でも今回もやっぱりマットとステファニーが車で走り去った後、どうも出のタイミングが悪い蜘蛛さんですなあ。

研究所についた二人。ステファニーったらディマー博士の姿が見えないのを良いことにマットを案内しちゃいます。「これが私が言っていた6日間で成長しちゃったウサギよ」そのウサギ、さらにでっかくなってケージ一杯に膨れ上がっていました(笑)。「あ、私が見たのはこんなのじゃなかったわ。34時間でこんなに大きくなっちゃったの」ここでマット宛にホテルから電話。「患者が待ってますから早く帰ってきてください」とのこと。マットは名残惜しそうに「じゃ、僕はこれで帰るわ。でもまた来てこの実験動物たちについて博士と話してみたいね。それに」マットはニヤッとして「君にも会えるからな」何を言ってんだ、お前(笑)。

 マットが帰った直後、二人の会話を盗み聞きしていた博士が出てきてステファニーを怒鳴りつけます。「そんな部外者に何を見せているのだ、ええ?今度そんなことをしたら首だぞ」至極全うなことを喚く(笑)博士。そりゃ、そうですわな、これはステファニーが非常識ですな。その博士の顔、注射の影響がついに現れたと見えてところどころ腫れております。ステファニーがそのことを口にすると「ええい、うるさい、黙っていなさい!」

 マットは町に帰る途中、崩れた岩山に立ち寄ります。そして崩れた原因を探るべくあたりを歩き回っておりましたところ、突然何者かに肩を叩かれてびっくり。は、さては秘密を見られたと思った博士がマットを殺しに来たのかと思ったら保安官でした。保安官は牧場を経営するアンディ(スティーブ・ダレル)から牛が何者かに食われてしまったという通報を受けて調べに行くところだったのです。保安官に頼まれて同行するマット。アンディの牧場ではなるほど牛が4頭ほど骨になっておりました。しかもその骨がなめたかのようにぴかぴか。肉片の一つも残っていません。アンディ、「こらあ、狼やコヨーテの仕業じゃないだよ」と首をかしげております。また牛の骨のそばに白い液体が水溜りを作っておりました。保安官、「ちょっとこれだけでは良く分からん。こっちでも調べるからあんたも夜見張りを立てて警戒してくれんかね。何かあったらすぐ呼んでくれ」これで終わってしまいましたとさ。

 その夜、言われた通りにライフルもって警戒しているアンディ。その時馬がひひーんと騒ぎ出したのです。何事ならんと外に飛び出したアンディを待ち構えていたのが巨大タランチュラ。キリキリキリ、「ヒーッ」アンディ、あっという間に食べられてしまいました。巨大タランチュラはこの他にも羊を積んだトラックを襲い二人の人間と羊を食ってしまったのです。この場面、ちゃんとタランチュラの影が地面に映っている。バート・I・ゴードン師匠の大雑把な特撮とはさすがに違うなあ(笑)。

 この怪奇なる事件に戦慄した保安官、すぐに大々的な捜査に取り掛かるのでした。一方、トラックの現場にアンディの牧場で見たのと同じ白い液体を発見したマット、これを採取して調べることにします。その結果この白い液体は昆虫からの分泌物らしいことが判明するのでした。

 ここで研究所のステファニーから電話です。博士の具合が大変に悪い、でも彼は医者に掛かろうとしない、マット助けて、この電話で研究所に急行するマット。ステファニーと二人で顔が激しく歪んでしまった博士を介抱するのでした。ディマー博士は弱々しい声で「我々は大変なことをしてしまった。我々の研究していた成長促進薬は未完成だったのだ。それなのにエリックとポールは私が出かけている間に人体実験を強行してしまったんだよ」はあ、そういう訳だったのですか。さらに告白を続ける博士。「あの成長促進薬でラットは八倍の大きさ、モルモットは警察犬なみになってタランチュラはとにかくでっかくなった」これを聞いたマット、はっと気がついて「ちょっと確認してくる」セスナでアリゾナまで一飛び。アリゾナ農業研究所であの白い液体の詳細な分析をやって貰ったのです。

 その結果、「あー、これはアラクニド種の蜘蛛ですたい。所謂タランチュラですな」ということになりましたとさ。検査を担当した博士は「しかし、あんた、どぎゃんしてこんなに大量の分泌液を見つけたとですな。こらぁ、普通の蜘蛛の100倍はありますたい」「これでも全体の一部なんですよ。大きな水溜りみたいになっていたんです」てっきり冗談だと思った博士は大笑いして「あんた、そら、ホラ吹き男爵だっちゃそげんことは言わんですバイ」

 マット、セスナで急いで戻ります。そして空港から保安官に「大変だ、巨大タランチュラだ、州警察に応援を頼んでください」その間荒野を悠々と歩き回っている巨大タランチュラ。送電線をぶっちぎったりします。そして当然のことながらディマー博士の研究所も襲われると。巨大タランチュラは研究所にのしかかって押しつぶしてしまいました。その時パジャマ姿で勉強中のステファニーは危うく外に逃れたのですが、ディマー博士は哀れ瓦礫の下敷きになってしまいます。最もこの時の博士は病状がさらに進んで顔がぐんにゃりとなっていましたから、たとえ蜘蛛から逃れることは出来ても長くはなかったでしょう。

 外に転がり出たステファニー、彼女を心配して駆けつけてきたマットに助けられます。二人は迫り来る巨大タランチュラから車で逃げだします。

 ここから人類対巨大タランチュラの戦い。まず駆けつけてきた保安官と州警察の皆さんがマシンガンを乱射。しかし、まったく効果がありません。それどころかおまわりさん、二人が逃げ遅れて食われてしまいました。次にデザートロックの町にあるだけのダイナマイトを集めて巨大タランチュラを爆破しようとするのですがこれもちーっともこたえやしない。さらに近くの空軍基地からF-80シューティングスター戦闘機の四機編隊、この編隊長を演じているのが若き日のクリント・イーストウッドというのは有名ですな。

 クリント・イーストウッド、「ゴー・アヘッド!」と叫んで巨大タランチュラにロケット弾攻撃。4機からシュバシュバシュババーと発射されたロケット弾がタランチュラに着弾しますが、これでも駄目。ついにイーストウッド、最後の手段で「メイク・マイ・ディ!」ナパーム弾攻撃です。これがようやく効いてタランチュラ、デザートロックの町を目前にして火達磨となるのでした。わーいと皆が喜んだところでエンドクレジット。

ホンモノのタランチュラをそのまま画面に合成するという手法ですが、さすがに大ユニバーサル、ちっとも安っぽさがありません。それどころか実にリアルでラストの炎上シーンも大変に良く出来ています。さっきも言いましたけどバート・I・ゴードン師匠とは本当にえらい違いですよ(笑)。

モノクロ・スタンダード モノラル音声。画質・音質は優秀。タランチュラの足の毛がとってもキモチ悪いです。「クラシック・サイファイ・アルティメイト・セット」(『Tarantula 』『The Mole People』『The Incredible Shrinking Man』『The Monolith Monsters』『Monster on the Campus』を収録したボックスセット)。DVDのケースには薄いプラスチックのアウタースレーブまでついていてなんだかとっても豪華であります。こんなDVDセットならわたしゃ一万枚欲しい。ユニバーサルのDVD

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『The Mole People』(1956年)

 

The Mole People』(1956年)

 地底王国があってもぐら人間がでてくるという映画。ジェリー・ワレン監督のゴミ映画『Wild World Of Batwoman』(1966年)で使われていたもぐら人間のフッテージを見て以来私はもぐら人間に恋してしまったのです。長いこともぐら人間の映画を見たい見たいと思い続けてこのたびついにその願いがかなったのです。人間、頑張れば何か良いことがあるものですね!

 警告、警告、このDVDのリージョンは1です。したがって日本国内のDVDプレーヤーでは再生できません。警告、警告。

冒頭いきなり南カリフォルニア大学のフランク・バクスター教授なる人が登場して馬鹿でかい地球儀をぽんぽん叩きながら「人類は地球の表面をほぼ探索しました。今や未知の秘境なぞ残っておらんのです。そして人類は宇宙にまで手を伸ばした。遠からず宇宙の時代がやってくるでしょう。しかし翻って地球の内部はどうか。我々人類はこの問題について最小限の知識しかもっていないのです」ここから過去に唱えられた地球の内部に関する珍説をいろいろ紹介する教授。あれですよ、御馴染みのチキュークードーセツって奴ですよ。

 まずは有名なシムスの地球はその両極に巨大な開口部を持った五層の同心球であるという説を図解つきで説明してくれる教授。親切です(笑)。教授はにやにやしながら「しかし世の中にはずいぶんとまあ変わったことを考える人がいるものですな」そのほかにもサイラス・リード・テッドの「地球人は地球の表面ではなく内側に住んでいる説」とかドイツ人、カール・ニューパートの「地球人はやっぱり地球の内側に住んでいて星や太陽は地球の中に浮かんでいるのだ説」などを紹介していきます。

 そして最後に「この映画は地球の内部を知りたいと強く思いすぎた人々の物語であります」で〆。はい、ようやくタイトルでます。これが火山の火口からタイトル、クレジットが浮かび上がってくるという凝った構成で私なんぞはとても嬉しくなってしまうのです。

 はい、舞台はどこか知らないけどとにかくアジア。現地の人々をたくさん使って発掘にいそしむ考古学者のグループあり。ロジャー・ベントレイ博士(ジョン・エイガー)、ポール・スチュアート博士(フィル・チャンバース)、ジャド・ベラミン博士(ヒュー・バーモント)、エティエンヌ・ラフォージ(ネスター・パイバ)の皆さんです。ここである地層から石版が発見されます。「こんな地層に石版が埋まっている筈がない。5,000年前の地層だぞ」「これは発見された人類最古の記録になるんじゃないか」コーフンした考古学者たちはさっそくその石版に書いてある象形文字を翻訳。すると「王の中の王 シャローが記す」という文章であることが分かったのでした。

 さらにコーフンする考古学者たち。「シャローっていったらあんた、ほらシュメールの、ジョージ・スミスが発見したギルガメシュの石版に書いてあったという、一夜にして突然地上から消えた謎の王国の王様じゃないですか」ここで地震が起こって考古学者たち大慌て。せっかくの石版がテーブルから落ちて粉々になってしまいましたとさ。でもみんな、あまり気にしないの(笑)。

 地震の後また新たな発見。凄く簡単に発見しますなー(笑)。現地の人の子供がクヒタラ山でドロにまみれたランプを見つけたのです。これを綺麗に磨いてみるとはい、また出ました。絵と象形文字が。今度の奴は人間の男と女、多数の番の動物たち、そしてドレイ。象形文字は「シャローは洪水を逃れて船に乗った」という意味でした。ベントレイ博士、もうこらたまらんというぐらいに舞い上がって「これはあれですよ、シュメール版のノアの箱舟ですよ。シャローは洪水を逃れてクヒタラ山の山頂に行ったのです」

 という訳でクヒタラ山の山頂に行ってみようという展開となるのです。

 ポーター頭ネーザー(ロッド・レッドウィング)を先頭にぐいぐいと登っていく考古学者たち。これが第一・第二キャンプを設営、最終的にアタックキャンプを経て頂上に達するという大変に困難な登山行。延々山登りのシーンが続いてしかもこれがほとんど流用フッテージなのですから時間稼ぎだといわれても仕方ありません(笑)。もういつまでも登っていて雪崩も起きたりします。途中雪崩で頂上から落ちてきた人形の腕を見つけて張り切る考古学者たちですが、これからまた延々登るのですから呆れる他ありません。しかもこの人形の腕、後のストーリーにあまり関係がなかったりするのですよねえ。

 ようやく山登りが終わって山頂に着いた。わあ、シュメールの寺院の遺跡があるぞ。わー、あのランプに書いてあったことは本当だったんだ。勇んで駆け出すポール・スチュアート博士、でもその途端足元ががらがら崩れて「ギャーッ」地の底に呑まれてしまったのです(大笑い)。他の皆が穴をのぞいてみるとこれがとてつもなく深い。少なくとも200フィートはありそうだ。当然ポール・スチュアート博士の姿は見えません。みんな、「あいつは絶対死んだ」と思ったのですがまさか放っておく訳にもいかず、ロープを使ってみんなで穴の底へ降りることになったのです。まあ、だいたいこういう場合はみんな仲良く行かないで用心のために一人くらい残していくものですがね。

 ここからまた延々と穴を降りていく場面が続きます。さっきは登って今度は降りる、ちょっといい加減にせえと思います。ベントレイ博士とラフォージがようやく底についてポール博士を発見。しかし予想通り彼はすでに息を引き取っていたのです。そして次なる悲劇、岩から抜けそうになっていたアンカーを固定するためにトンカチでカンカン打ち込むネーザー、これが仇となって土砂崩れが発生。大き目の岩が彼の頭にごっ!即死です(笑)。ベントレイ博士、ベラミン博士、ラフォージは横穴に逃げ込んでなんとか土砂崩れから逃れたのですが、完全に閉じ込められてしまいました。

 呆然となる三人。特にラフォージは「うわあ、どうする、水も食料もないぞ、出られなきゃあっという間に餓死するぞ、大変だ、大変だ」パニック状態です。だから4人が4人とも降りずに一人残しておけば良かったんだよ(笑)。とにかく洞窟を先に進んで出口を探そうということになります。いつまでもバッテリーが続く懐中電灯(笑)の光を頼りに進む三人。と壁が崩れて恐ろしい鉤爪が現れた。続いてぎらぎらと光る大きな目玉が。ついにもぐら人間の登場か。いや、今回はここまで。なんだ、もっと良く見せろ、サービス悪いなあって私は性質の悪いストリップ劇場のお客か。

 三人は前方が明るくなっているのを発見。「ウワー、外へ出られるぞ」と歓び勇んでいってみたらなんとそこは大洞窟でありました。さっきの明かりは何かの化学物質だったらしい。おまけに洞窟中に広がるシュメール人の遺跡。ベントレイ博士は息を呑んで「この都市はもともと山頂にあったのだ。それが地震で地下に落ち込んでしまったんだよ。さっきの寺院はその残りだったのだ」シュメールの王様、シャローは洪水から逃れるためにわざわざ山のてっぺんに来たのに今度は地震で地下に落っことされてしまう、どうにも運の悪い人ですなあ(笑)。

 ここからさらに出口を探そうとしたのですがもう15時間歩きっぱなし。さすがにくたくたになっております。とにかく少しでも休息を取らなくてはということで三人は思い思いの場所に寝そべってぐーがー鼾をかき始めたのです。すると地面がもやもや動いておお、ようやくもぐら人間の登場だ。鉤爪と大きな目玉、猫背がとってもラブリーだぞ。もぐら人間たちは三人の頭に袋を被せるとさっと土中に引きずり込んでしまったのです。

 このもぐら人間たちには親玉がおりまして、それが地下で延々生き延びていたシュメール人の末裔だったのです。長年の地下暮らしでシュメール人たちはアルビノになっております。まあ、顔を白く塗っているだけですけどね(笑)。三人はシュメール人たちの宮殿に連れて行かれて神官と王様らしき人の前に引き出されてしまうのでした。神官、三人に問うて曰く「汝らいずこより来られしや」古代人の末裔だけあって古臭い言葉を使いますな。ベントレイ博士は思わず釣られて「我、外の世界よりきたれり」「外の世界、これは異なことを、他の世界は天国しかあらず、そこは神々の場所なり、汝ら、我が身を神と称するか」えー、面倒くさくなってきたので現代風の言葉でやりますね。

 では、改めて…神官、王様の傍らに跪いて「あいつら、怪しいッスよ」と囁くのでした。

 王様は三人をじろっと見ると「お前らは生贄になれ!イシュタールの炎で焼き尽くされるが良い」「そんなああた、焼き尽くされるが良いって人を焼き鳥みたいに!」そんなことをされてはたまりません。ベントレイ、ベラミン、ラフォージの三人は必死の抵抗を試みます。近くにいた兵士を蹴り飛ばし剣を奪うと向ってくる奴らをしゅば、ずび、ずびずば、だばだ、切り伏せてしまいます。そして残りの兵隊がひるんだ隙にぱっと連れてこられた洞窟に逃げ込んだのでした。

 しかしここでラフォージがばったりと倒れてしまいます。追ってきた兵士が剣を振り上げてラフォージ大ピーンチかと思われたのですが、ベントレイが懐中電灯で照らしたとたん、兵士は目を覆って「ひーっ」「そうか、奴らは光に弱いのだ」しかしこの後もぐら人間の群れに襲われて懐中電灯のスイッチが壊れてしまいます。何をすることもできないままもぐら人間はラフォージに襲い掛かって彼をずたずたにしてしまったのです。怒ったベントレイが懐中電灯でもぐら人間の頭をがちん。あ、このショックでスイッチが直ったって安易ですなー(笑)。光をあててもぐら人間を追い払ったのですがラフォージはすでに息絶えておりました。彼の死を悼みつつ岩で遺体を覆うベントレイとベラミン。

 この後は意外な展開が待っていました。なんとあの懐中電灯の光を神の御技と勘違いしたシュメール人たちはベントレイとベラミンを神の使者として迎えることになったのです。「懐中電灯くらいで勘違いして、やっぱり○○○はしょーがねーな」と内心思っている二人ですが(笑)こうなりゃこっちのもの。急に態度がでっかくなって「おう、分かればよろしい。ところで飯はまだかね」もう一人の方はどうされたのですかと聞かれると「ああ、あいつはイシュタールの神に呼び戻されたのだ」だって。

 神官と王に歓待される二人です。この地下都市の暮らしはそれは不自由なもの。食料なども常に不足気味で人口は決まった数しか養えない。うっかり増えてしまったらどうするのかというとその分はイシュタールの神への生贄にしてしまうそうで・・・。「人口が減らせて神に生贄もできる、一石二鳥ですわ、はははは」と笑う王様。はははじゃねえだろうと思います。さてここでご馳走を運んできたドレイ娘、ご馳走といってもデカいきのこなのですが、うっかりこのボウルをひっくり返してしまいます。アダ(シンシア・パトリック)という名のドレイ娘は何故かアルビノではなく普通の女性。ベントレイ、このドレイ娘に一目ぼれして、神様の使者へ失礼なことをしたという咎で鞭打たれそうになる彼女を助けるのでありました。王様、にやりとして「そんなにこのドブスが好きならあなたに進呈いたしましょう」この地下都市ではアルビノでない女性はドブスにされてしまうのです。恐ろしいことですね。

 自分にあてがわれた部屋へアダを連れていきあれこれと語るベントレイ。「僕たちの世界には君や僕のように顔が白くない人たちがたくさんいるんだ。大きな都市もあって、こことは比べ物にならないくらい素晴らしいところだよ」アダ、うっとりとなって「それが神様の住まわれる天国なのですね、ああ、あたしも行ってみたい」「よし、一緒に戻るんだ、アダ」この会話を神官がこっそり聞いているという・・・。どうもおかしいと思った神官、部下を集めて「あの光を出す筒を奪うのだ。そうすればこの都市は我々のものぞ」と命令します。部下達は地上への脱出口を求めて歩き回るベントレイとベラミンの後をこっそりと付回し懐中電灯を奪う隙をうかがいます。しかし、これがなかなか上手くいきません。置いてある懐中電灯に部下が手を伸ばすとベントレイが彼らの存在に気づかないまま寸前で取り上げるということが繰り返されます。

せこいコントのようなことを繰り返されてはたまりませんな。

 そうこうしているうちにシュメール人たちのドレイであるもぐら人間たちが彼らの命令に従わなくなるという事件が発生します。もぐら人間が兵士の死体から血を吸ってしまったことに対する罰として餌を食わさないようにしていたのですが、これでもぐら人間達が怒ってしまったのですな。王と神官はベントレイとベラミンを呼び出して「例の光をだす筒で彼らを抑えてくださらんか」と頼むのですが、二人はすげなく断ってしまいます。それどころかもぐら人間を鎖で拘留して鞭で痛めつけている兵士達を逆に追っ払ってしまうのです。二人はシュメール人たちがもぐら人間をあまりに粗末に扱うので腹をたてていたのでした。

 この時ついに懐中電灯の電池が切れてしまいました。二人はがっかりしますが「まあ、脅しくらいには使えるだろう、このまま持っておこう」ということになったのでした。

 これでもぐら人間たちの反抗がますます酷くなってきた。働かないので食料の供給が上手くいかない。このままでは飢えることになってしまう。じゃあ、どうするか、王様、「じゃ、余った奴らを生贄にせよ!」ってあんたねえ(笑)。なんともいい加減な王様ですが、その命令は絶対です。早速生贄の儀式が行われ三人の女性が光の部屋へ送り込まれます。ドアを開けるとまばゆい光がぴかー。向こうで溶岩が煮えているのかしらん。黒い布をかぶって目を保護した神官が三人を中に送り込みます。そしてしばらくたって死体を回収、みんな焼け焦げ(笑)。奇妙なことにこの時は光が収まっています。溶岩ならそのままの筈だしあの光は一体何なのでしょうか。

 ここで急展開。一人の兵士がラフォージの死体を発見したのです。これで「奴らは不死の存在である神の使者である筈がない、我々と同じ人間だ」ということが分かってしまったのです。怒った王様、さっそくベントレイとベラミンにシビレきのこを食べさせて捕らえ、生贄として例の光の部屋へ追い込んでしまったのでした。この時懐中電灯も奪って「よーし、もうコワいものはないぞ」と張り切ったところでついにもぐら人間の反乱が勃発。神官は懐中電灯で追い払おうとしたのですが、何せ電池が切れています。「あれー、お、おかしいな、光らないぞ」がーっともぐら人間に襲われてずったずたのぎったんたんにされてしまいましたとさ。

 アダは二人を救うため光の部屋のドアを開けようとします。しかし力が足りずドアはびくともしません。ここで彼女を助けてくれたのがもぐら人間達。彼らは彼女を手伝ってドアを押し開けてくれたのでした。中に駆け込むアダ。二人を捜し求めます。あ、二人がいた、てっきりあの生贄の女達のように黒焦げになっていると思いきや二人はぴんぴんしているではありませんか。あの謎の光とは地上から差し込んでくる太陽の光だったのです。光に弱いシュメール人にとっては致命的なのですが、地上の人間であるベントレイ、ベラミン、アルビノではないアダにはまったく危険はなかったのでした。死体を回収した時光がなかったのは外が夜だったということなのでありましょう。

 再会を喜びあうベントレイとアダ。ベラミンはそんな二人を促して壁をよじ登り始めます。そのまま外にでてみたらそこは例の山頂の寺院跡でした。残してきた登山服や装備もそのままになっている。これで下山しようとなったその時、実にタイミングよく地震が発生します。大規模な崩落が発生して今やもぐら人間のものになった地底都市はぐしゃり。ついにその長い歴史に幕を閉じたのでした。これだけではありません、寺院跡の巨大な柱が崩れてアダもぐしゃり。ベントレイが「アダ!」と絶叫したところでエンドマーク。

古代人類の末裔を結果的に絶滅させたり、連れてきた女がぐしゃりと潰されたりと案外後味の悪い映画でありました。

モノクロ・スタンダード モノラル音声。画質・音質は優秀。綺麗なモノクロ映画は大変に良いものです。「クラシック・サイファイ・アルティメイト・セット」(『Tarantula 』『The Mole People』『The Incredible Shrinking Man』『The Monolith Monsters』『Monster on the Campus』を収録したボックスセット)。DVDのケースには薄いプラスチックのアウタースレーブまでついていてなんだかとっても豪華であります。こんなDVDボックスセットならわたしゃ、死ぬまで添い遂げたい。ユニバーサルのDVD

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