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2007年4月 2日 (月)

『サント対首狩り族』

 

『サント対首狩り族』(『Santo Contra los Cazadores de Cabeza』英語タイトル 『Santo vs. the Head Hunters』 1969年)

サントがジャングルでジャガーと戦うシーンがありますので最初は私家版邦題タイトルを『サントの猛獣狩り』にしようと思っていたのですが、豹一匹で猛獣狩りとはおこがましい。考え直して結局原題を直訳した『サント対首狩り族』にしました。

このDVDはスペイン語音声のみ、英語音声・英語字幕は収録されておりません。私はまったくスペイン語が分かりませんので、この映画はいつもと違ってどこかの奇特な方が作って下さっているサント映画のストーリー解説サイト(英語)を参考にこのレビューをでっちあげております。だから実際の映画を誤解しているところもあるかも知れませんが、その辺はどうぞ、この事情を鑑みてご容赦くださるようお願いいたします。

 平たく言うと、「ちょっとくらい間違っていたって文句を言うな、コノヤロー」ということでございますね。

いきなりアパートの空室で4人の男と戦っているサント。「おいらが来たからにゃもうすき放題の勝手にはさせねえぜ、観念しやがれ!」サントは4人のうち3人までをノシてしまいます。たった一人残された男、トリソ(ギルモ・ヘルナンデス)は懐から怪奇なナイフを取り出してなおも戦おうとしたのですが、そこで聞こえてきたのがパトカーのサイレン。トリソ、ナイフを放り出し一人で逃げてしまいました。サント、3人を駆けつけてきた警官隊に引き渡します。

 お金持ちのジャングル探検家、ドン・アロンソ(レネ・カルドナ)は娘やお客さんの前でトリソが残したナイフは首狩り族ジャイバロインディアンが敵の首を切るときに使うものだと説明します。どうせ、説明するならサントにすればいいのにねえ(笑)。

 ここで場面が変わっていきなりジャングルになります。踊っているジャイバロ族のインディオの人たち。彼らはかって南米を支配していたインカ人の末裔。彼らは侵略者であるスペイン人を恨み白人どもに復讐を誓っていたのです。この部族の一員であったトリソ、族長と会って「族長、そんなね、いくら首狩り族だからといって何時までも部族同士で争ったって仕方ありません。みんなで力を合わせて白人どもに復讐しましょう。その手始めにアロンソの娘、マリアナ(ナディア・ミルトン)を攫って生贄にしてしまうのです!」「インディオ、良く分かった」と頷く族長。「インディオ、マリアナに生贄の印である神のペンダントを送る」この神のペンダントとやらバイク便でドン・アロンソの豪邸に送られてくるという・・・(笑)。族長、わははと笑って「最近、とっても便利、荷物、1日で届く、インディオ、嬉しい」

 この不思議なペンダントを見たアロンソ、友人でこういうことに詳しいカストロ教授(エンリケ・ポントン)を呼んで調べて貰うのです。拡大鏡でペンダントをじっくりと調べた教授は暗い顔になって「あなた、こりゃ、マリアナが神の花嫁に選ばれたという印ですぞ」アロンソ、びっくりして「え、娘を嫁に、そんな娘にはカルロス(フレディ・フェルナンデス)という将来を誓い合った恋人がいるのに」ずっこっける教授、「いや、結婚じゃなくって、これは神の生贄に選ばれたということなのです」「ええっ」ようやく理解して驚愕するアロンソ。その傍らでそんなペンダントとは露知らずカルロスに首に掛けてもらって大はしゃぎのマリアナ。

 このマリアナをねっとりと見つめるアロンソの執事ハスカ(エンリケ・ルチェロ)であります。むむっ、こいつ怪しい。

 さて、事態が容易ならぬことを知ったカストロ教授、無線機でサントに緊急連絡。「もしもし、サント、アロンソの娘、マリアナが首狩り族に狙われている。助けてくれ」ただちに応答するサントですが「もしもし、サントでやんす。あいにくですがあっしは今ロンドンにいるんでやす。だからちっと時間が掛かります。それまでなんとかマリアナを守ってくだせえ」サントとロンドンの組み合わせ、似合いませんなあ(笑)。それでもサント、なんとか都合をつけて自家用飛行機で戻ってくるのですが、時既に遅し、マリアナはカルロスとのデート中に攫われてしまっていたのです。もっとも誘拐の場面はなくっていきなり額にバンソーコー貼り付けたカルロスが「チクショー、あいつら」と怒っているという・・・。こんな場面くらい撮影してくださいよ、別に金が余計にかかるというものでもないでしょ。

 拉致されたマリアナ、あっという間に首狩り族の村に連れていかれます。展開が早いですなー、このジャングル、一体どこにあるんだ(笑)。彼女を村の小屋に監禁したトリソとハスカ、もう白人の服なんかいらないやいということで着ていた服を脱ぎ捨てると足でさんざんに踏みにじるのでした。

ついでにマリアナの服もいらないやということで彼女の服を脱がしてさんざんに踏みにじる…という展開になれば良かったのに。

 その彼女を追ってサント達もジャングルに到着。いきなりジープに乗って進んでおります。しかもガイドも一人雇っている、一体どこで見つけたんだ、こんなガイド。彼らはある村に到着、ここで首狩り族のことを村人に聞こうとするのですが、みんな後難を恐れて逃げていってしまいます。たった一人残ったじいさんも「首狩り族はな、首を狩るのじゃ」と分かりきったことを喋りだしたとたん、何者かが放った吹き矢にやられてしまうのでした。まー、当たり前のツッコミなのですが、じいさんやる暇があったらサントやらんかい、一人だけ銀色の覆面かぶっているのだから一目で分かるだろうが(大笑い)。

 「仕方ありやせん、先にすすみましょう。」あれ、いつの間にかポーター4人雇っているぞ。村人がみーんな逃げたのに一体どこで雇ったんだ(笑)。それからまもなく道路がなくなります。これ以上ジープは使えないのでやむなく徒歩で進むことになりました。

 首狩り族たちはマリアナを御輿に乗せて生贄の儀式の場所を行う聖壇に向います。だらだらジャングルを歩く首狩り族たち。サント達も負けずにだらだら歩きます。だらだら歩く首狩り族、だらだら歩くサント達、だらだら歩く首狩り族、だらだら歩くサント・・・、いい加減にせえ!

 大きな川に行き当たったサントたち。茂みの中から都合よく誰かが隠しておいた丸木舟、それも人数に合わせて二隻も!を見つけ出し、これに乗って川を進み始めます。揺れる川面を見つめてつぶやくサント、「こんな川には得てしてワニの野郎がいるもんだが」はい、でました、ワニが。ワニは水中をすいーっと進み丸木舟に体当たり。ポーター一人が水中にじゃぼん。このまま放っておけばワニに食われてしまいます。しかしこんな時に活躍するのがサントです。彼は「あっしにまかせておくんなせえ」と叫ぶなり川に飛び込みます。そしてワニと大格闘、おー、ホンモノのワニと戦ってますわ。サントはスタントの人だろうけどこんな映画で頑張りますなあ。サントがワニをがきっと捕まえたところでカストロ教授のライフルがずだーん。見事ワニに命中したのでした。

 しかし、この時ジャングルに潜んでいた一人の首狩り族が弓矢でカストロの胸を射抜いてしまったのです。アロンソはピストルでこの首狩り族を射殺するのですが、あわれカストロ教授、ジャングルに死す。一同は悲しみのうちに教授の遺体をジャングルに埋葬します。

ジャングルの次の出し物、アハハ、出し物ってのはないか(笑)。お馴染み大アマゾンの猛魚ピラニアでございます。首狩り族の若い者が木の上にいる猿をぴゃっと弓で射落とします。この時猿に紐が繋がれているのが丸分かりですが、みなさん、もういい年して酸いも甘いもかみ分けた大人なのですから、見なかった振りをしてあげましょうや。

 ウッキッキーと悲鳴を上げて川へ落ちる猿。たちまち川面が波立って猿は骨だけになってしまいます。もちろんピラニアのピの字も見えません。川にボンベ仕込んで空気でぼこぼこさせているだけです。

 こういう場面があったのですから当然ピラニアのいる川に差し掛かるサント達、サントが「こんな川には得てしてワニの野郎がいるもんだが」のも構わず川に入ったポーターの一人がピラニアに襲われて「ひーっ」あっという間に骨だらけという展開を期待せずにはいられないじゃないですか。でもそんな場面まったくないの(笑)。ただまた首狩り族が襲ってきてポーターの一人が弓で射殺されるだけなのです。

 その代わりと言っちゃなんですが、次に登場したのがジャングルの猛獣、ジャガー。暢気に歩いていたカルロスに襲い掛かります。彼を助けてジャガーと戦うサント。おお、本当にジャガーが腕に齧りついている。サントはスタントの人だろうけどこんな映画で頑張りますなあ。サント、さんざんジャガーともみ合った挙句持ち上げてぽいと放り投げてしまうのでした。ジャガー、退散します。カストロ教授とポーター一人が死んでカルロスも怪我をした、ちょっと休みましょう旦那方というガイドの提案で野営します。

 昼間の疲れについうとうとするとなにやら首でもぞもぞするものが、「わあ、吸血蝙蝠だ!」仰天して飛び起きる探検隊の皆さん。でもサントが「このサントさまの血を吸えるものなら吸ってみやがれってんだ、コンチクショウ」と叫んで松明の炎で蝙蝠を焼き払うなどという場面はありません。みんな飛び起きた時点で蝙蝠は飛び去ってしまうのです。な、なんじゃそりゃ。

 翌日、首狩り族の本格的な襲撃に備えて砦を作るサント達。砦と言っても竹を切って先を尖らせたので柵を作ったぐらいの簡単な奴。それでもみんなぶきっちょなのか、立てようとした竹がからんからんとすぐ転がってしまいます。「急いでくだせえ」と繰り返すサントもこの不器用ぶりにちょっと呆れています。

 それでもようやく完成する砦(柵)。この完成するのを待って(笑)攻撃をしかけてくる首狩り族たち。火のついた槍をぽんぽん投げ込んできます。これがせっかく作った砦(柵)のあちこちに刺さって燃え出したのでみんな首狩り族そっちのけで火を消すのに大わらわ。その間に二人目のポーターがやられてしまいます。なんか砦(柵)全然役にたってないですけれどもと思った瞬間、突撃をしかけてきた首狩り族たち、勝手にとがった竹の先に突進してぐさぐさぐさささのさ、勝手に全滅してしまいましたとさ。ああ、もう。

 さらに先を進むサントたち。首狩り族が作ったと思しき干し首を見つけて戦慄します。ここでたった一人残ったポーターが「旦那、これは首狩り族の警告だ、おら、この先に行くのはもうイヤだ」サントは仕方なく彼に金をやって「おう、帰ったら警察に連絡してあっしたちに助けを呼んでくんな」ほくほくしながら戻ろうとするポーター。ここで前々から様子のおかしかったガイドがついにその正体を現した。ガイドはサントたちに「ちょっと小便行ってきますだ」と断って一行から離れます。そしてライフルで戻っていくガイドをずどーん。

 銃声に驚いてかけつけてきたサントたちに「ポーターは毒矢でやられましただ、ライフルで撃ちましたけど逃げましただ」だって。サント達もそんな説明に納得するなよう。傷口見ればライフルか毒矢でやられたのかぐらいすぐ分かるでしょうが。

 しばらくぶりに登場する首狩り族の本隊。これから先は御輿で行くことはできないということでマリアナを降ろし、まただらだら進みます。なんというか全体的にやる気のない人たちですなあ。これからさらに野を越え山を越えつり橋で川を越えっていつまで行くねん!最後の橋は通った後追跡をたつためにロープを切って落としてしまいます。んー、追跡者たち、つまりサントたちは通れなくなるけど、君たち、帰りはどうするの(大笑い)。

 一方サント達は放棄された御輿を見つけます。「きゃつらにもう少しで追いつけますぜ」と張り切るのですがどうもガイドの様子がおかしい。彼は川を指してしきりに渡れ渡れと促すのです。不審を覚えたサントは「だったら、おめえ、一番に渡ってみな」はい、ガイド、襲い掛かってきました。「おめえ、きゃつらの手先だな!」と叫んでガイドと戦うサント。しばらくどったんばったんとやりあうのですがついにサント、ガイドを川に叩き込んでしまいました。その途端電気鰻の電気にやられてびりびりびりー、ガイド、感電死してしまったとさ。

 当然ながらピラニアの時と同じく電気鰻の実物は出てきません。水中にアカラサマな電極が2本あって、これがスパークしているのです。

 サントは首狩り族が置き捨てていった槍にロープを結んで向こう岸の木めがけて放り投げます。見事に命中した槍のロープを使って川を渡るサント達。後はもういい加減面倒臭くなったのでラストへ行ってしまいましょう。ようやく生贄の儀式を行う聖壇にたどり着いた首狩り族。夜になるのを待って生贄の儀式を開始します。あんだけマリアナの生贄にこだわっている彼らでしたから当然、マリアナを最初に血祭りにあげるのかと思いきや、他に二人の生贄がいたのですねえ。この二人が前座でマリアナはトリだったという・・・(笑)。こんな手間をかけているから、ほれ、忍び込んできたサント、アロンソ、カルロスが大暴れし始めたじゃないか。

 サントはプロレス技で、アロンソ、カルロスはピストルでそれぞれ首狩り族をやっつけます。この時逃げ出したマリアナ。その彼女を襲おうとした首狩り族の若者を改心したらしいハスカがやっつけるという場面が入ります。もうお忘れかもしれませんがハスカって長年アロンソの執事をやっていたあの人ですよ。しかしその後すぐ別の首狩り族に殺されてしまうハスカ。だからみんなはハスカが改心したことが分からなかったというお間抜け。なんでこんなことをしますかねえ(笑)。

 ついに立ち上がった首狩り族の族長、サントに一騎打ちを申し入れます。「ようがす、あっしが相手を承りましょう」サント、族長とどったんばったん戦います。両者まったくの互角でしたがさすがは我らがサント、時間がたつに連れて族長を圧倒し始めます。そしてついに族長を組み伏せ奪ったナイフを振り上げた。しかし、サント、このナイフを降ろして彼の命と引き換えに自分たちを無事帰すことを約束させたのです。承諾する族長。ここでことの成り行きに納得できなかったらしいトリソがナイフでサントに襲い掛かるのですが逆に槍でやっつけられてしまうのでした。

 はい、ラストシーン、ジープで文明社会へ戻ろうとするサント一行です。ジープの後部席でぶちゅぶちゅぶちゅーとキスをしているマリアナとカルロス。それを前部座席から振り返ってじっと見ているサント(笑)という絵で映画はおしまい。しかしなんですな、もしカストロ教授がいきていたらジープの定員オーバーでしたなー、するとカストロ教授はジープにマリアナのための空き座席を作るために殺されたのですなー(笑)。

 カラー・スタンダード、モノラル音声。画質はブルーレイディーガDMR-BW200とプロジェクター VPL-VW100の組み合わせで見たせいかミョーに綺麗。カラーの発色が良くサントの覆面にも光沢があります。音は歪みが激しくまた時々ぽつぽつというノイズが入ります。Laguna FilmsDVD

エロの冒険者 

       HOMEPAGE http://homepage3.nifty.com/housei/

      SFシネクラシックス 輸入DVDでみるSF黄金時代(笑)

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