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2007年4月 2日 (月)

『The Mole People』(1956年)

 

The Mole People』(1956年)

 地底王国があってもぐら人間がでてくるという映画。ジェリー・ワレン監督のゴミ映画『Wild World Of Batwoman』(1966年)で使われていたもぐら人間のフッテージを見て以来私はもぐら人間に恋してしまったのです。長いこともぐら人間の映画を見たい見たいと思い続けてこのたびついにその願いがかなったのです。人間、頑張れば何か良いことがあるものですね!

 警告、警告、このDVDのリージョンは1です。したがって日本国内のDVDプレーヤーでは再生できません。警告、警告。

冒頭いきなり南カリフォルニア大学のフランク・バクスター教授なる人が登場して馬鹿でかい地球儀をぽんぽん叩きながら「人類は地球の表面をほぼ探索しました。今や未知の秘境なぞ残っておらんのです。そして人類は宇宙にまで手を伸ばした。遠からず宇宙の時代がやってくるでしょう。しかし翻って地球の内部はどうか。我々人類はこの問題について最小限の知識しかもっていないのです」ここから過去に唱えられた地球の内部に関する珍説をいろいろ紹介する教授。あれですよ、御馴染みのチキュークードーセツって奴ですよ。

 まずは有名なシムスの地球はその両極に巨大な開口部を持った五層の同心球であるという説を図解つきで説明してくれる教授。親切です(笑)。教授はにやにやしながら「しかし世の中にはずいぶんとまあ変わったことを考える人がいるものですな」そのほかにもサイラス・リード・テッドの「地球人は地球の表面ではなく内側に住んでいる説」とかドイツ人、カール・ニューパートの「地球人はやっぱり地球の内側に住んでいて星や太陽は地球の中に浮かんでいるのだ説」などを紹介していきます。

 そして最後に「この映画は地球の内部を知りたいと強く思いすぎた人々の物語であります」で〆。はい、ようやくタイトルでます。これが火山の火口からタイトル、クレジットが浮かび上がってくるという凝った構成で私なんぞはとても嬉しくなってしまうのです。

 はい、舞台はどこか知らないけどとにかくアジア。現地の人々をたくさん使って発掘にいそしむ考古学者のグループあり。ロジャー・ベントレイ博士(ジョン・エイガー)、ポール・スチュアート博士(フィル・チャンバース)、ジャド・ベラミン博士(ヒュー・バーモント)、エティエンヌ・ラフォージ(ネスター・パイバ)の皆さんです。ここである地層から石版が発見されます。「こんな地層に石版が埋まっている筈がない。5,000年前の地層だぞ」「これは発見された人類最古の記録になるんじゃないか」コーフンした考古学者たちはさっそくその石版に書いてある象形文字を翻訳。すると「王の中の王 シャローが記す」という文章であることが分かったのでした。

 さらにコーフンする考古学者たち。「シャローっていったらあんた、ほらシュメールの、ジョージ・スミスが発見したギルガメシュの石版に書いてあったという、一夜にして突然地上から消えた謎の王国の王様じゃないですか」ここで地震が起こって考古学者たち大慌て。せっかくの石版がテーブルから落ちて粉々になってしまいましたとさ。でもみんな、あまり気にしないの(笑)。

 地震の後また新たな発見。凄く簡単に発見しますなー(笑)。現地の人の子供がクヒタラ山でドロにまみれたランプを見つけたのです。これを綺麗に磨いてみるとはい、また出ました。絵と象形文字が。今度の奴は人間の男と女、多数の番の動物たち、そしてドレイ。象形文字は「シャローは洪水を逃れて船に乗った」という意味でした。ベントレイ博士、もうこらたまらんというぐらいに舞い上がって「これはあれですよ、シュメール版のノアの箱舟ですよ。シャローは洪水を逃れてクヒタラ山の山頂に行ったのです」

 という訳でクヒタラ山の山頂に行ってみようという展開となるのです。

 ポーター頭ネーザー(ロッド・レッドウィング)を先頭にぐいぐいと登っていく考古学者たち。これが第一・第二キャンプを設営、最終的にアタックキャンプを経て頂上に達するという大変に困難な登山行。延々山登りのシーンが続いてしかもこれがほとんど流用フッテージなのですから時間稼ぎだといわれても仕方ありません(笑)。もういつまでも登っていて雪崩も起きたりします。途中雪崩で頂上から落ちてきた人形の腕を見つけて張り切る考古学者たちですが、これからまた延々登るのですから呆れる他ありません。しかもこの人形の腕、後のストーリーにあまり関係がなかったりするのですよねえ。

 ようやく山登りが終わって山頂に着いた。わあ、シュメールの寺院の遺跡があるぞ。わー、あのランプに書いてあったことは本当だったんだ。勇んで駆け出すポール・スチュアート博士、でもその途端足元ががらがら崩れて「ギャーッ」地の底に呑まれてしまったのです(大笑い)。他の皆が穴をのぞいてみるとこれがとてつもなく深い。少なくとも200フィートはありそうだ。当然ポール・スチュアート博士の姿は見えません。みんな、「あいつは絶対死んだ」と思ったのですがまさか放っておく訳にもいかず、ロープを使ってみんなで穴の底へ降りることになったのです。まあ、だいたいこういう場合はみんな仲良く行かないで用心のために一人くらい残していくものですがね。

 ここからまた延々と穴を降りていく場面が続きます。さっきは登って今度は降りる、ちょっといい加減にせえと思います。ベントレイ博士とラフォージがようやく底についてポール博士を発見。しかし予想通り彼はすでに息を引き取っていたのです。そして次なる悲劇、岩から抜けそうになっていたアンカーを固定するためにトンカチでカンカン打ち込むネーザー、これが仇となって土砂崩れが発生。大き目の岩が彼の頭にごっ!即死です(笑)。ベントレイ博士、ベラミン博士、ラフォージは横穴に逃げ込んでなんとか土砂崩れから逃れたのですが、完全に閉じ込められてしまいました。

 呆然となる三人。特にラフォージは「うわあ、どうする、水も食料もないぞ、出られなきゃあっという間に餓死するぞ、大変だ、大変だ」パニック状態です。だから4人が4人とも降りずに一人残しておけば良かったんだよ(笑)。とにかく洞窟を先に進んで出口を探そうということになります。いつまでもバッテリーが続く懐中電灯(笑)の光を頼りに進む三人。と壁が崩れて恐ろしい鉤爪が現れた。続いてぎらぎらと光る大きな目玉が。ついにもぐら人間の登場か。いや、今回はここまで。なんだ、もっと良く見せろ、サービス悪いなあって私は性質の悪いストリップ劇場のお客か。

 三人は前方が明るくなっているのを発見。「ウワー、外へ出られるぞ」と歓び勇んでいってみたらなんとそこは大洞窟でありました。さっきの明かりは何かの化学物質だったらしい。おまけに洞窟中に広がるシュメール人の遺跡。ベントレイ博士は息を呑んで「この都市はもともと山頂にあったのだ。それが地震で地下に落ち込んでしまったんだよ。さっきの寺院はその残りだったのだ」シュメールの王様、シャローは洪水から逃れるためにわざわざ山のてっぺんに来たのに今度は地震で地下に落っことされてしまう、どうにも運の悪い人ですなあ(笑)。

 ここからさらに出口を探そうとしたのですがもう15時間歩きっぱなし。さすがにくたくたになっております。とにかく少しでも休息を取らなくてはということで三人は思い思いの場所に寝そべってぐーがー鼾をかき始めたのです。すると地面がもやもや動いておお、ようやくもぐら人間の登場だ。鉤爪と大きな目玉、猫背がとってもラブリーだぞ。もぐら人間たちは三人の頭に袋を被せるとさっと土中に引きずり込んでしまったのです。

 このもぐら人間たちには親玉がおりまして、それが地下で延々生き延びていたシュメール人の末裔だったのです。長年の地下暮らしでシュメール人たちはアルビノになっております。まあ、顔を白く塗っているだけですけどね(笑)。三人はシュメール人たちの宮殿に連れて行かれて神官と王様らしき人の前に引き出されてしまうのでした。神官、三人に問うて曰く「汝らいずこより来られしや」古代人の末裔だけあって古臭い言葉を使いますな。ベントレイ博士は思わず釣られて「我、外の世界よりきたれり」「外の世界、これは異なことを、他の世界は天国しかあらず、そこは神々の場所なり、汝ら、我が身を神と称するか」えー、面倒くさくなってきたので現代風の言葉でやりますね。

 では、改めて…神官、王様の傍らに跪いて「あいつら、怪しいッスよ」と囁くのでした。

 王様は三人をじろっと見ると「お前らは生贄になれ!イシュタールの炎で焼き尽くされるが良い」「そんなああた、焼き尽くされるが良いって人を焼き鳥みたいに!」そんなことをされてはたまりません。ベントレイ、ベラミン、ラフォージの三人は必死の抵抗を試みます。近くにいた兵士を蹴り飛ばし剣を奪うと向ってくる奴らをしゅば、ずび、ずびずば、だばだ、切り伏せてしまいます。そして残りの兵隊がひるんだ隙にぱっと連れてこられた洞窟に逃げ込んだのでした。

 しかしここでラフォージがばったりと倒れてしまいます。追ってきた兵士が剣を振り上げてラフォージ大ピーンチかと思われたのですが、ベントレイが懐中電灯で照らしたとたん、兵士は目を覆って「ひーっ」「そうか、奴らは光に弱いのだ」しかしこの後もぐら人間の群れに襲われて懐中電灯のスイッチが壊れてしまいます。何をすることもできないままもぐら人間はラフォージに襲い掛かって彼をずたずたにしてしまったのです。怒ったベントレイが懐中電灯でもぐら人間の頭をがちん。あ、このショックでスイッチが直ったって安易ですなー(笑)。光をあててもぐら人間を追い払ったのですがラフォージはすでに息絶えておりました。彼の死を悼みつつ岩で遺体を覆うベントレイとベラミン。

 この後は意外な展開が待っていました。なんとあの懐中電灯の光を神の御技と勘違いしたシュメール人たちはベントレイとベラミンを神の使者として迎えることになったのです。「懐中電灯くらいで勘違いして、やっぱり○○○はしょーがねーな」と内心思っている二人ですが(笑)こうなりゃこっちのもの。急に態度がでっかくなって「おう、分かればよろしい。ところで飯はまだかね」もう一人の方はどうされたのですかと聞かれると「ああ、あいつはイシュタールの神に呼び戻されたのだ」だって。

 神官と王に歓待される二人です。この地下都市の暮らしはそれは不自由なもの。食料なども常に不足気味で人口は決まった数しか養えない。うっかり増えてしまったらどうするのかというとその分はイシュタールの神への生贄にしてしまうそうで・・・。「人口が減らせて神に生贄もできる、一石二鳥ですわ、はははは」と笑う王様。はははじゃねえだろうと思います。さてここでご馳走を運んできたドレイ娘、ご馳走といってもデカいきのこなのですが、うっかりこのボウルをひっくり返してしまいます。アダ(シンシア・パトリック)という名のドレイ娘は何故かアルビノではなく普通の女性。ベントレイ、このドレイ娘に一目ぼれして、神様の使者へ失礼なことをしたという咎で鞭打たれそうになる彼女を助けるのでありました。王様、にやりとして「そんなにこのドブスが好きならあなたに進呈いたしましょう」この地下都市ではアルビノでない女性はドブスにされてしまうのです。恐ろしいことですね。

 自分にあてがわれた部屋へアダを連れていきあれこれと語るベントレイ。「僕たちの世界には君や僕のように顔が白くない人たちがたくさんいるんだ。大きな都市もあって、こことは比べ物にならないくらい素晴らしいところだよ」アダ、うっとりとなって「それが神様の住まわれる天国なのですね、ああ、あたしも行ってみたい」「よし、一緒に戻るんだ、アダ」この会話を神官がこっそり聞いているという・・・。どうもおかしいと思った神官、部下を集めて「あの光を出す筒を奪うのだ。そうすればこの都市は我々のものぞ」と命令します。部下達は地上への脱出口を求めて歩き回るベントレイとベラミンの後をこっそりと付回し懐中電灯を奪う隙をうかがいます。しかし、これがなかなか上手くいきません。置いてある懐中電灯に部下が手を伸ばすとベントレイが彼らの存在に気づかないまま寸前で取り上げるということが繰り返されます。

せこいコントのようなことを繰り返されてはたまりませんな。

 そうこうしているうちにシュメール人たちのドレイであるもぐら人間たちが彼らの命令に従わなくなるという事件が発生します。もぐら人間が兵士の死体から血を吸ってしまったことに対する罰として餌を食わさないようにしていたのですが、これでもぐら人間達が怒ってしまったのですな。王と神官はベントレイとベラミンを呼び出して「例の光をだす筒で彼らを抑えてくださらんか」と頼むのですが、二人はすげなく断ってしまいます。それどころかもぐら人間を鎖で拘留して鞭で痛めつけている兵士達を逆に追っ払ってしまうのです。二人はシュメール人たちがもぐら人間をあまりに粗末に扱うので腹をたてていたのでした。

 この時ついに懐中電灯の電池が切れてしまいました。二人はがっかりしますが「まあ、脅しくらいには使えるだろう、このまま持っておこう」ということになったのでした。

 これでもぐら人間たちの反抗がますます酷くなってきた。働かないので食料の供給が上手くいかない。このままでは飢えることになってしまう。じゃあ、どうするか、王様、「じゃ、余った奴らを生贄にせよ!」ってあんたねえ(笑)。なんともいい加減な王様ですが、その命令は絶対です。早速生贄の儀式が行われ三人の女性が光の部屋へ送り込まれます。ドアを開けるとまばゆい光がぴかー。向こうで溶岩が煮えているのかしらん。黒い布をかぶって目を保護した神官が三人を中に送り込みます。そしてしばらくたって死体を回収、みんな焼け焦げ(笑)。奇妙なことにこの時は光が収まっています。溶岩ならそのままの筈だしあの光は一体何なのでしょうか。

 ここで急展開。一人の兵士がラフォージの死体を発見したのです。これで「奴らは不死の存在である神の使者である筈がない、我々と同じ人間だ」ということが分かってしまったのです。怒った王様、さっそくベントレイとベラミンにシビレきのこを食べさせて捕らえ、生贄として例の光の部屋へ追い込んでしまったのでした。この時懐中電灯も奪って「よーし、もうコワいものはないぞ」と張り切ったところでついにもぐら人間の反乱が勃発。神官は懐中電灯で追い払おうとしたのですが、何せ電池が切れています。「あれー、お、おかしいな、光らないぞ」がーっともぐら人間に襲われてずったずたのぎったんたんにされてしまいましたとさ。

 アダは二人を救うため光の部屋のドアを開けようとします。しかし力が足りずドアはびくともしません。ここで彼女を助けてくれたのがもぐら人間達。彼らは彼女を手伝ってドアを押し開けてくれたのでした。中に駆け込むアダ。二人を捜し求めます。あ、二人がいた、てっきりあの生贄の女達のように黒焦げになっていると思いきや二人はぴんぴんしているではありませんか。あの謎の光とは地上から差し込んでくる太陽の光だったのです。光に弱いシュメール人にとっては致命的なのですが、地上の人間であるベントレイ、ベラミン、アルビノではないアダにはまったく危険はなかったのでした。死体を回収した時光がなかったのは外が夜だったということなのでありましょう。

 再会を喜びあうベントレイとアダ。ベラミンはそんな二人を促して壁をよじ登り始めます。そのまま外にでてみたらそこは例の山頂の寺院跡でした。残してきた登山服や装備もそのままになっている。これで下山しようとなったその時、実にタイミングよく地震が発生します。大規模な崩落が発生して今やもぐら人間のものになった地底都市はぐしゃり。ついにその長い歴史に幕を閉じたのでした。これだけではありません、寺院跡の巨大な柱が崩れてアダもぐしゃり。ベントレイが「アダ!」と絶叫したところでエンドマーク。

古代人類の末裔を結果的に絶滅させたり、連れてきた女がぐしゃりと潰されたりと案外後味の悪い映画でありました。

モノクロ・スタンダード モノラル音声。画質・音質は優秀。綺麗なモノクロ映画は大変に良いものです。「クラシック・サイファイ・アルティメイト・セット」(『Tarantula 』『The Mole People』『The Incredible Shrinking Man』『The Monolith Monsters』『Monster on the Campus』を収録したボックスセット)。DVDのケースには薄いプラスチックのアウタースレーブまでついていてなんだかとっても豪華であります。こんなDVDボックスセットならわたしゃ、死ぬまで添い遂げたい。ユニバーサルのDVD

 エロの冒険者 

       HOMEPAGE http://homepage3.nifty.com/housei/

      SFシネクラシックス 輸入DVDでみるSF黄金時代(笑)

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