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2007年5月12日 (土)

『縮みゆく人間』(『The Incredible Shrinking Man』 1957年)

 

『縮みゆく人間』(『The Incredible Shrinking Man』 1957年)

クラシック・サイファイ・アルティメイト・コレクションDVD収録の映画作品の中で唯一スクイーズ・シネスコ収録された作品。その割に画質は黒が不安定で今ひとつでありますが(笑)。

警告、警告、このDVDのリージョンは1です。したがって日本国内のDVDプレーヤーでは再生できません。警告、警告。

 冒頭主人公のスコット・ケリー(グラント・ウィリアムス)自身のナレーションで映画が始まります。「これはロバート・スコット・ケリーの不思議な不思議な物語。その始まりはごく普通の夏の日だった・・・」ナレーションが終わって揺れるボートの上で優雅なバケーションを楽しんでいるのがスコットとルイーズ(ランディ・スチュアート)のラブラブ夫婦。ボートの上で寝そべって「ねえ、ルイーズ、僕達結婚しよう」「馬鹿ね、もう結婚してから6年になるんじゃないの」「あまりにも幸せだから6年が6週間に感じちゃうよ」などというバカヤローな会話を交わしております。

 ルイーズは喉が渇いたというスコットの求めに応じてキャビンへビールを取りに行きます。その間に異変が発生。水平線のかなたから白い雲がむくむくと押し寄せてきたのです。スコットたちのボートはあっという間にその雲に覆われてしまいます。ルイーズは大丈夫でしたが外にいたスコットの体には白い灰のようなものがびっしり。「なんじゃ、こりゃ」といぶかしがるスコットでした。その時は単なる霧で何でもないように思われたのですが・・・。はい、6ヶ月が立ちました。いつもの平凡な朝、ルイーズは朝食の支度を整えて「あなた、ゴハンできたわよ、早く降りていらっしゃい」しかしその頃スコットはズボンがぶかぶかになっているのに気がついてびっくりしていたのです。「あれ、俺、痩せたかなあ、あ、シャツも全然合わなくなってるぞ」当惑するスコットでしたがルイーズは「あら、痩せられていいじゃない、みんな羨ましがるわよ」なんて暢気なもの。

 ところがこの痩せ方がどんどん酷くなってきた。心配になったスコットがブロンサム先生(ウィリアム・シャラート)に身体測定をしてもらったところ身長は177センチ、体重79キログラム、これを聞いたスコットはびっくりして「そんな先生、私17の時から身長183センチあったんですよ。6センチも減っているじゃないですか。それに79キロって5キロ近くも痩せたんですか」ブロンサム先生もルイーズと同じく「体重は君、仕事のストレスかなんかで減ったんだろう。身長はそもそもの数字が計り間違えだったのだ。良くあるんだよそんなこと」

6センチも身長を測り間違えるのがよくあることだとはとても思えませんが(笑)。

 一旦は安心したスコットですがその後も身長と体重の減少は止まりません。彼はルイーズの手をとって「君が好きなのは背の高い僕だったんだろう、それがどんどん背がちっちゃくなってもう愛してはくれないんじゃないか」ルイーズはにこっと笑って「ううん、そんなことはないわ、私が愛したのはロバート・スコット・ケリー、あなた自身だもの。たとえあなたがどんなにチビになったとしても私はあなたを愛している」ええ、ところがその夜ベッドの中から「あ、やだ、アレもちっちゃくなっている」というルイーズの悲鳴が聞こえたとか聞こえなかったとか(笑)。

 もうアレがちっちゃくなっては大変ですからケリーはルイーズと一緒にまたブロンサム先生のところへ。ここでレントゲン検査をしたところ、やっぱり大幅に体そのものが縮んでいることが判明したのです。「まったくどうしてこんなことになったか見当もつかないよ」あっさり匙を投げちゃうブロンサム先生(笑)。「私ではもう力になれないからカリフォルニア・医学調査センターに紹介してあげよう」ここでトーマス・シルバー博士(レイモンド・ベイリー)の指揮の下、三週間にも及ぶ徹底的な検査が行われたのでした。バリウム飲んでレントゲン検査、ラジオアイソトープ入りの薬を飲んでガイガーカウンターで追跡する検査!血液検査、胸に聴診器をあてて内科検査、肺活量の測定、聴覚検査、視力の検査、後のほうになるにしたがってあまり関係がなくなるような気がするのですが(笑)。
 
  その結果判明したのがケリーの体の分子構造そのものが変化してしまっているということ。その原因になったのが放射線被曝と殺虫剤への露曝だそうな。そう言われてはっとなるケリー。「そうか、あの時の霧だな、それに殺虫剤といえばこの間並木に触れてしまったことがある」まあ、原因が分かってもこの奇妙な病気を回復する手立てはまだ分かりません。ケリーはさらに縮んであっという間に小学生低学年くらいになってしまいます。こうなれば当然仕事はできません。彼は兄、チャーリー(ポール・ラントン)からの金銭援助を受けることになったのでした。

 でもそのチャーリーも仕事で大失敗。これ以上の金銭援助が不可能になってしまったのです。こうなりゃもうやけのやんぱち。ケリーは自分に起きた不可思議な出来事をマスコミに公開。その取材費で生計をたてることになったのです。生活の心配はなくなりましたがその代償として家の前にはいつもマスコミと野次馬がぞろぞろ。子供は駆け回るし犬はわんわん吠える。電話はなりっぱなしでケリー、ひどくいらいらしております。おまけに聞いていたラジオからは「今日のシュリンキングマンニュース」、シュリンキングマンは依然として小さくなり続けています!って流れてくる(大笑い)。たまらなくなったケリー、ついにルイーズに「二人で誰も知らないところに引っ越そう」と言い出したのですが、今度は引っ越すべき家が見つからない。踏んだり蹴ったりとはこのことです。

 そんな中、シルバー先生がついに治療薬を開発。さっそくケリーに注射します。するとようやく小さくなるのが止まった。喜ぶルイーズでしたがケリーは「止まったのはいいけどいつ元に戻れるんスか」ちょっとふて腐れています。シルバー先生は困って「まあ、そのうち元に戻す方法も見つかるさ、そのうちなんとかなるだろォ!」と植木等みたいなことを言うのでした。

 ケリーは「元に戻らなくちゃしょうがないやい」とグレてしまって(笑)家出してしまうという・・・。その彼がふらふら歩いてたどり着いたのがカーニバル。その中でも彼の目を引いたのが「ひげ女、でぶ女、小人」が出演していたサイドショー。ケリーはコーヒーショップでこのサイドショーに出演していた小人女クラリス(エイプリル・ケント)と出会ったのです。ケリーは生まれつきの小人である彼女の「小人でも楽しく生きることができるのよ」という大変に前向きな言葉を聞いて「よし、俺もやってみよう」と決意するのでありました。

 この決意そのものは大変結構なのですが、やってみることというのがクラリスとのデート(笑)。どうもけしからんことですな。公園のベンチに二人してちょこなんと座り楽しくおしゃべり。そしてケリー「僕が元気になったのも全て君のおかげさ」などと言いましてケリーを抱きしめようとしたのですが・・・「あ、なんということだ。僕は君より小さくなってしまった。ああ、また小さくなり始めたのだ、ウワー」恐怖のあまりケリーはクラリスを放っておいて家に逃げ帰ったのであります。

このクラリスという小人の女の出番はこれだけ。もうちょっと活躍するかと思ったのですがねえ。

 その後再びケリーはどんどん小さくなって今や人形の家に住む羽目になりましたとさ。今やルイーズの足音や話し声すら彼に大きな苦痛を与えるほどになっています。そんな中買い物に出かけるルイーズ。あ、その隙をついてペットの猫、ブッチが家の中に侵入してきたぞ。ブッチはケリーのいる人形の家まっしぐら。窓から手を突っ込んでケリーの背中をがりっ!「ギャーッ」背中を引っかかれたケリー、必死に逃げ出します。ブッチはそんな彼に易々と追いついてひっかいたり転ばしたりしてやりたい放題。傷だらけで着ているシャツもずだぼろになったケリー、テーブルの上にあるスタンドの電気コードを引っ張ってうまくブッチの上に落下させることに成功します。「ニャー!」驚いたブッチが飛び跳ねたところで再び逃走。なんとか地下室に逃げ込むのでした。そして渾身の力を振り絞ってドアを閉めようとしたのですが、猫に体当たりされてケリーは吹っ飛ばされてしまいます。そのまま地下室にあった洗濯籠に落下。山と詰まれた洗濯物のおかげで怪我はしなかったのですがケリーは失神してしまったのです。

 ここでようやく帰ってきたルイーズ、ブッチにばらばらにされた人形の家を見て愕然。あ、これは引き裂かれたケリーのシャツ、しかも血まみれだわ。ルイーズは部屋の中でニャーニャー鳴いているブッチを見やって「ああ、大変、私の旦那様が猫の餌に!」ショックで倒れ病院に入院することになりましたとさ。

 小さな旦那がいるんだから猫いつまでも飼ってんなよ、猫なんだから小さな生き物見たら襲うよ、まったく考えなしの女です。何が「ああ、私の旦那様が猫の餌に」だ。

 ケリーは失神から目覚めます。洗濯籠の隙間から脱出した彼は上の階に続く階段を見て「こんな階段登れるかコノヤロー」と呟きます。彼は声をからしてルイーズの名を呼ぶのですが前述の通りルイーズは病院。そんなこととは露知らないケリー、「ルイーズが来るまでなんとかしてこの地下室で生き延びるのだ」こうして地下室をさ迷い始めるケリーでした。

地下室でさまようスコット、病院へ入院してしまったルイーズ、最悪の結果です。おまけにラジオじゃ「今日のシュリンキングマンニュース」、悲しい事件が起こりました。あの我らがアイドル シュリンキングマンが猫に食べられてしまったのです。しかもその猫はシュリンキングマンの飼い猫でした。ああ、なんという悲劇でしょう。口じゃ愁傷なことを言っているけど絶対お前ら面白がっているだろう(笑)。

 スコットは家の温水ボイラーから垂れている水を発見。これで水はOK。続いて空のマッチ箱を見つけてこれで住む所も大丈夫。後は食べ物だけだ、何かないか、こんなところで飢え死になんてごめんだぞ。スコットはネズミ捕りにチーズがくっついているのを発見。さっそくチーズを取ろうとします。しかしこれはネズミ捕りですから妙なショックを与えたら留め金が外れてバネのパチンコで圧殺されてしまう。スコットは悩んだ挙句落ちていた釘を拾って罠にぽいっ。思惑通りパチンコがはじけます。これでチーズゲットだぜと思ったらパチンコのショックで跳ね飛んだチーズは排水口にぽとっ。愕然とするスコットであります。

 おまけに何か怪しい足音が聞こえてきた。ルイーズかなと一瞬希望に胸を膨らませたスコットでしたがその正体はタランチュラ。壁の穴から這い出てきたのです。「ぎゃっ」と叫んで逃げるスコット。なんとかタランチュラをやり過ごすことに成功するのですが、この先こうして逃げ続けられるという保証はありません。早くこの地下室から脱出しなければと焦るのでした。

 しかし先立つものは食い物。何か食べなければ脱出どころか待ち構えているのは飢え死にという運命です。必死にあたりを見回すスコット。そして見つけたのは高い高い壁の棚にちょこんと乗っているケーキでした。彼はタランチュラから逃げる途中で見つけた裁縫道具の針と糸を使って上へ登る道具を作ります。針を壁の穴に差し込んで曲げ、その端に糸を結びつけたのです。そしてこれを壁に立てかけてある大きな木の箱の隙間にひっかけ少しずつ登っていくという「食い物の為じゃなければとてもこんなことできないよ」な苦行。箱の上に登ったら登ったでそこには大きな隙間がありとても飛び越せそうにありません。ケーキのあるところはその先であります。スコットはペンキで箱に張り付いていた木の板を動かそうとしますがペンキが固まっていてびくともしません。スコットは仕方なしに飛び込み台のように隙間に突き出た木の板に乗って向こうへ飛び移ろうとします。そろそろと板の先に進むスコット。さあ、ここで飛び移るぞという瞬間、ペンキがばりばりはがれだして落ちそうになる板。スコットは悲鳴を上げながら飛び出します。なんとか向こう側に飛びついて必死に体を引き上げるスコット。彼の背後ではついにペンキがはがれた板が深淵に向って落下したのでした。

 ここまでくれば後は簡単。偶然棚にあった毛糸球から垂れている糸を使ってようやくケーキの棚に到着です。馬鹿でかい蜘蛛の糸があるのが気になりますが「なに俺はカンタダじゃないからな」と訳の分からないことを呟いたスコット。ようやくありついたケーキにかぶりつくのでした。

 ここでスコット、通風孔から洩れてくる外光に気がつきます。久しぶりの日の光に喜んだスコット、通風孔のところまで行ってみたのですが、残念、そこは金網でふさがれておりました。ちょっとばかり手で揺すったくらいではどうにもならない丈夫なもの。「チクショー、やっぱり俺はここから出られないのか」スコット、がっかりしてケーキの塊を持って下へ戻るのでした。この後、またタランチュラに襲われるのですが、今度もマッチ箱の家の中に逃げ込んでなんとかセーフ。

 こんなことやっている間に病院から戻ってきたルイーズ、チャーリーに薦められて引越しを決意してしまうのです。知らぬ間にスコット大ピーンチ!

 おまけに温水ボイラーが壊れて今までぽたぽた垂れていた水がいっきに流れ出し床が水浸しになってしまいます。フツーの人間なら「あら、やだわ、配管屋さんに修理頼まなくちゃ」で済むのですが、何しろ今のスコットは体長10センチもありません。流れ出た水が大洪水となって彼を押し流してしまったのです。壁から突き出た釘になんとか泳ぎ着いてしがみつくスコット。この時、ついに助けが現れました。ルイーズとチャーリーが地下室に置いてあったトランクを取りに降りてきたのです。必死に二人の名前を呼ぶスコット。しかし彼らには聞こえない!ルイーズとチャーリーは「あら、床が水浸しになっている、後で修理を呼ばなくっちゃ」「いや、バルブを閉めれば大丈夫だよ、どうせ引っ越すんだし」という会話を交わしたのみ。ボイラーのバルブを閉めて排水口に溜まっていたゴミを取り除いた二人はあっさりと上に上がっていってしまうのでした。そしてその夜二人は車でぶーっ。引っ越してしまったのであります。

 チャーリー達が排水口に詰まっていたゴミを取り除いてくれたおかげで水は引いたのですがマッチ箱の家は水浸しでもう使えません。おまけに上から持ってきていたケーキのかけらも流されちゃった。スコット、ついに切れてしまいます。「チクショー、俺はもう蜘蛛なんか怖くないぞ、さっさとやっつけてまたケーキを食ってやる、おお、何だか力が漲ってきた、神様、ありがとう」彼はまた針と糸で作ったフックを使ってケーキ目指してどんどん登ります。最初はあれほど苦労したのにさすが切れて開き直った男は強い、あっという間にケーキの棚までたどり着いてしまったのです。

 そして蜘蛛の巣にいるタランチュラに石をがんがん投げつけて「てめえ、蜘蛛、降りてきて戦え、この糸吐き野郎」と挑発するスコット、さらに蜘蛛の糸を揺すって「おらおら、降りてこい、バカヤロー・・・、あ、ああ、本当に降りてきやがった、まずい、ヒーッ」と逃げるという(笑)。まああんなのがざかざか迫ってきたら誰でも逃げるとは思いますけれども。逃げるスコット、振り返りざまに針のフックを蜘蛛に投げつけます。これが上手く刺さってタランチュラに大ダメージ。そしてあらかじめフックと糸で結んでいたハサミをけり落としてタランチュラも落下させようとしたのですがあにはからんや糸が切れちゃった。「げっ、それはないよ、ヒーッ」また逃げ出すスコット。しかしついに追いつかれて覆いかぶさられてしまいます。迫るタランチュラの毒牙、スコット、衣服の紐に差し込んで持っていたもう一本の針をなんとか抜いてタランチュラの頭めがけてぐさーっ。「いつまでも好き勝手にはさせん、正義は必ず勝つ!」タランチュラ、どうと倒れます。スコットはついにこの怪物を倒したのです。

 しかしスコットも力尽きて倒れてしまいます。気がついた時にはすでに夜になっていました。よろよろと立ち上がった彼は通風口から見える月光に導かれたかのように歩き出します。この時彼の衣服はぶかぶか。矮小化がさらに進んでいたのでした。そのおかげで前は通れなかった金網もらくらく潜り抜けられたのです。外に出たスコット、夜空を見つめて「いずれ私は消える。でも不思議に穏やかなキモチだ、私はまったく怖くない、ああ、小さくなる、小さくなる」スコットはさらに小さくなってついに見えなくなってしまいます。エンドマーク。

 ウウーム、あの飼い猫ブッチはどうなったのでしょうか。いくらミニミニサイズとはいえ人間一人食っちゃったのです(と思われた)。まさかそのままルイーズが飼っているなんてことはないでしょうな。

モノクロ・スクイーズ収録のワイド モノラル音声。画質は前述した通り黒が不安定で今ひとつ。音質は上出来。「クラシック・サイファイ・アルティメイト・セット」(『Tarantula 』『The Mole People』『The Incredible Shrinking Man』『The Monolith Monsters』『Monster on the Campus』を収録したボックスセット)。DVDのケースには薄いプラスチックのアウタースレーブまでついていてなんだかとっても豪華であります。こんなDVDセットならわたしゃ100万枚欲しい。英語字幕つき。ユニバーサルのDVD

 エロの冒険者 

       HOMEPAGE http://homepage3.nifty.com/housei/

      SFシネクラシックス 輸入DVDでみるSF黄金時代(笑)

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コメント

今晩は毎回、楽しみに読ませていただいています。
この作品…遥か昔に劇場で観たんですよね。

猫&蜘蛛のシーンが子供心に恐かったです。
超ローテク特撮ですが、昨今のCGより余程好感が持てますな。

投稿: 沙羅パパ | 2008年9月26日 (金) 22時37分

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