« 『食人伝説』(『La Montagna del dio Cannible』 『Slave of the Cannibal God』 1978) | トップページ | 『恐怖 蛇地獄』(『Rattlers』 1976) »

2007年7月 6日 (金)

『Don't Look in the Basement』1973年

 

Don't Look in the Basement1973

 キチガ×病院のお話ですが、アイデアは良いんですよ、アイデアは。しかしそのせっかくの優れたアイデアが冗長な演出で台無し。見ていて、「モー早く話を進めんかい」といらいらしちゃいました。

風光明媚な町、グリーンズパークにスティーブンス博士(マイケル・ハーベイ)が院長を勤める精神病院がありました。入院している患者は自分が軍曹であるという妄想に取り付かれているサージャント(ヒュー・フィーギン)、乱暴ものだったのがスティーブンス博士のロボトミー手術によってすっかり大人しくなってついでに知能も八歳児なみになった黒人の大男、サム(ビル・マクギー)、人形を自分の赤ん坊だと思い込みひがな子守唄を歌っているハリエット(キャミラ・カー)、自分は判事であると妄想しているジャッジ(ジーン・ロス)、幻覚見えまくりの老女、カリングハム(リア・マカダムス)、言葉も話せないくらい頭がアッチの世界に行ってしまっている若い女、ジェニファー(ハリエッテ・ワレン)、男運のあまりの悪さに発狂してニンフォマニアになってしまったアリスン(ベティ・シャンドラー)、猿のごとく跳ね回る若い男、ダン(ジェシー・カービー)、みんなとっても楽しい人たちです。

 さて、この病院で看護婦を務めていた初老の看護婦、ジェニー(ジェシー・リー・フルトン)、彼女は病院をやめたがっておりました。彼女は外でジャッジに特殊な治療を施しているスティーブンスのところへ行って「先生、もう私、我慢できません」特殊な治療というのがジャッジに斧で木を切らせて彼のもつ攻撃性を発散させるというもの。スティーブンス、びっくりして「そんなベテランの君にやめられたらどうなるんだ」「私聞きましたわ、今日新しい看護婦さんが来るんでしょ、だったらいいじゃありませんか」「いや、それでも困るんだぐ」なんとジャッジの振るった斧がスティーブンスの背中にドスと突き刺さったという・・・。これがホントのキチ×イに刃物、いくら治療だからといってキチガ×に斧持たせてはいけません(大笑い)。あっという間に絶命するスティーブンス。

 この現場にやってきたのがスティーブンスの部下である女医のマスターズ先生(アナベラ・ウィーニック)。彼女は奇妙なことにこの事件を警察に知らせることなく院内で処理させるのです。彼女はサムを呼んで「いい、私ジャッジを診察してからすぐ戻ってくる。そうしたらスティーブンス先生の死体をどうするか教えるからその通りにして頂戴」彼女はこの後、自分がスティーブンスの後をついで院長になると宣言します。「この病院と家族は私が守る!」この家族というのは言うまでもなく患者たちのことです(笑)。

 さて、先ほど紹介した患者の一人、ハリエット。彼女は人形を自分の赤ん坊と思い込み溺愛しております。誰かがこの人形を弄ったりまして盗もうなどとするものなら「あたしの赤ちゃんを返して!」と大暴れするという厄介な人。スティーブンスの事件の後で別の部屋を片付けているジェニー。その部屋に何者かがハリエットの赤ん坊=人形を置いていきます。「私の赤ちゃんはどこ?」と半狂乱になって探していたハリエットがこれを見つけジェニーに「あんたが私の赤ちゃんを盗んだのね」と飛び掛ったのです。「うきいいいい」ジェニーの首をぐいぐい絞めるハリエット。場面が変わって大きなトランクの蓋をばたんと閉めます。すると彼女はジェニーを絞め殺して死体をトランクに詰め込んだということなのかしらん。

 いやな事件が立て続けに起こって気分が滅入りますが、まあ頑張って続けることにしましょう。その夜精神病院にジェニーが言っていた新しい看護婦、これが若くて美人のシャーロット・ビール(ロジー・ホリトック)です。彼女は応対に出てきたマスターズ先生に自分はスティーブンス博士に雇われた看護婦であると説明するのですが。マスターズは「スティーブンス先生は昼間、患者に殺されました。私が後任ですが、彼から一切あなたのことを聞いてないのです」病院に外部の人間を入れたくないマスターズ、なんとか彼女を追い出そうとしております。シャーロットはいきなりスティーブンスが死んだと聞かされてびっくり。さらに就職が駄目になりそうなのですからもう必死に「そんなあたし、グリーンパーク総合病院をやめてきたんですのよ、向こうでも随分引きとめられたけどどうしてもスティーブンス先生と働きたかったんです」しかしマスターズは譲りません。「ではその総合病院に戻ればいいではないですか」

 しょぼんとなったシャーロット、「そうですか、私、戻らなくちゃならないんですね。でも総合病院の人たち、スティーブンス先生が死んだと分かったら驚くでしょうね」何の気なしに言ったシャーロットですが、マスターズの眉毛がぴくり。そんなことを他の病院で話されたらたまったものじゃありませんから。「ああ、でも来てしまったものは仕方ないですね、よろしい、明日から働いてください」態度が180度変わってシャーロットの採用が決定。

私だったらスティーブンス先生が殺されたと分かった時点でUターンしますけどね。だってコワいもの(笑)。

 マスターズ、シャーロットを部屋に案内します。えー、この病院、スティーブンス先生が「患者と医者の信頼関係は何より強固でなくてはならぬ」という信念の元、変わったつくりになっております。看護婦の居室が患者の病室と同じ建物。しかもドアには鍵がついておりません。戦慄するシャーロットですがここで文句を言ったらせっかく決まった就職が駄目になってしまいます。「すめば都」と自分を無理やり納得させたのでした。しかしシャワーを浴びて部屋へ戻ろうとしたときに早くも第一キ×ガイに遭遇。カリングハムです。彼女はシャーロットに向ってもごもごと「ここから出て行け、そして二度と戻ってくるな」と警告するのでした。

 さて翌日、ニンフォマニアのアリスンが「私はイチゴよ、私を食べて」とおっぱいをぼろんと出してジャッジに迫り激しく拒絶されたり、シャーロットがカリングハムを散歩に連れていくと「あんた、昨日言ったじゃないか、とっとと出て行きなさい、ここにいてはいかん」と再び警告されたり、シャーロットの部屋の電話線を何者かが切ったりと小ネタが続きます。なんかどうでもいいような場面を適当に繋いでいるというやる気の無さ。監督はきっと無気力大学なまけもの学部手抜き学科を首席卒業したのでありましょう。

 次の日、カリングハムの病室に入ったシャーロットはびっくり。彼女が口の周りを血で真っ赤に染めて床に倒れていたからです。彼女を抱き起こしたシャーロット、「ひいー、彼女の舌がないわ」しかしマスターズは少しも騒がず彼女の治療を済ませショックでぶすぶす泣いているシャーロットに「これは彼女の症状の一つなのよ。彼女は自分で舌を噛み切ったの」まあ、映画を見ている人にはカリングハムがシャーロットに警告したので口封じされたとおぼろげながら分かるようになっております。

 この後、精神病院にやってきたのが電話修理員のグレイ。電話局のほうで病院の回線に異常があると分かったので修理にやってきたのであります。「ごめんくださーい、誰かいませんか」はい、誰かいました。ジャッジと舌を切られて喋れなくなったカリングハムが。ジャッジは最初っから喧嘩腰で「何だ、お前は、何しに来たのだ」グレイは驚いて「いや、だから電話の修理に来たんすよ、通じない電話はどこです」するとカリングハムがもごもごもご。グレイは「どうしたんですか、猫に舌を取られたんですか」グレイ、彼女の口を覗き込んで「わあ、本当に舌がない」いやなギャグですなあ(笑)。

 これで完全にびびったグレイ、「ははは、は、私、また出直して参ります」ジャッジとカリングハムから逃げ出します。しかし逃げ出した彼の前に立ちふさがったのが怖い顔したマスターズ。「あんた、誰、一体何しに来たの」ジャッジと同じこと言っている(笑)。「いや、だから私は電話の修理に来たんです。電話局の方でこちらの回線に異常があることが分かったので」「だったら何故先に連絡しないのよ」「そんなの無理っすよ、だってこの病院電話通じなくなっているんすから」最もですな。

 マスターズ、倉庫の扉を開けてグレイを押し込むと、「電話線はその中よ、さっさと修理して出て行って頂戴」グレイ、「たかが電話線のことでえらい騒ぎだよ、コンチクショー」とぼやきながら修理を始めたのですが、いえいえ、えらい騒ぎはこれで終わりではなかったのです。ニンフォマニアのアリスンが若い男の匂いを嗅ぎつけてやってきたのです。彼女は狭い倉庫にぐいぐい身を入れ込んで辟易しているグレイに、「ふふふふ、あんた、私を愛しているっていいなさい、じゃないと酷いよ」グレイ、「ヒーッ」アリスンはオッパイをぼろんと出すと倉庫の扉をばたんと閉めてしまいました。

 その夜、そんなグレイの運命なども知る由もないシャーロット。自室でアイロン掛けした看護婦の制服を掛けようとクローゼットを開けた瞬間、飛び出してきました。包丁を持ったジェニファーが。シャーロットの悲鳴を聞いて駆けつけてきたマスターズに危ういところで助けられたシャーロットですが、昨日のカリングハム舌切断事件につづくショッキングな出来事でもう大ショック。まためそめそ泣いております。ついに「もう私やめたいわ」と言い出すのですがマスターズに冷たく「今更やめることなんてできないからね」と断言されてしまいましたとさ。

ほんと、あの時やめときゃ良かったのにねえ。

この後まただらだらと小さな事件が続きます。まずお調子者のダニーがアリスンに言い寄ります。「アリスン、僕は前から君のことが好きだった、綺麗な顔、綺麗な髪が」アリスンがその気になってベッドでオッパイをぽろーんと出した瞬間、ダニーはげらげら笑い出して「ウソだぴょーん」アリスン大ショック(笑)。この後彼女はジャッジに「私の男を捜して、昨日出合ったのよ、でも出て行ってしまった。でも彼は私を愛している。今も私を探しているかもしれない、ジャッジ、助けて」しかしジャッジは当惑した顔で「じゃあ、証拠を調べてみるよ」と言うだけです。証拠たって、この人は自分が判事であると妄想している人ですからね、具体的なものがある訳じゃありません。それを知ってか知らずか泣き崩れるアリスン。

 マスターズ博士の机が荒らされます。散乱している書類、マスターズはサージャントの部屋へ行き彼を詰問。彼が盗んだと思しき手紙?書類?を見つけ出すのでした。これはメモのようですが画質が悪くてちょっと読み取れません(笑)。マスターズは「こんなことをするのは本当はイヤなんだけどあなたに罰を与えなくちゃ」見つけたメモ?に火をつけてサージャントに持たせるのでした。「アチチチ」手のひらの上で燃えるメモの熱さに必死で耐えるサージャントです。

 サムがシャーロットにスティーブン博士の腕時計を渡そうとします。シャーロットは「あら、こんな高価なもの受け取れないわ」と断るのですがサムは「博士があなたを助けてあげるって言ってるんです、だから持っていて」と会話がかみ合わない。シャーロットはサムはスティーブンス博士が死んだことがまだ理解できないのだと考えて一応腕時計を受け取ったのでした。さて、その夜自室でグースカ寝ていたシャーロットはびっくり。いつの間にかダニーとジャッジが忍び込んできていたからです。しかもジャッジはスティーブンス博士を殺した斧を持っている!彼はささやきます。「時は来たれり」斧を振り上げたのでシャーロットは「ヒーッ、やめてー」このまま斧が振り下ろされて哀れシャーロットの首は胴体と泣き別れ・・・と思いきやジャッジ、「いや、もっと良いタイミングがくるのに違いない」とかなんとか言ってダニーと一緒に出て行ってしまったのでした。な、なんじゃ、こりゃ。

 翌日マスターズ博士となくなった薬品類について話しているシャーロット。昨晩のことはどうなったのかと思うのですが、何の言及もされません。もう意味が分かりません(笑)。まあ、とにかく一応れっきとした精神病院にしては異様に小さくて貧弱な(笑)薬品戸棚から薬が盗まれている、患者の部屋を探さなくちゃということになるのです。マスターズはジェニファーの部屋へいき箪笥からあっさり盗まれた薬品を探し出すのでした。その後部屋へ戻ってきたジェニファー、薬がないことに気がついて半狂乱。マスターズのオフィスに行ってみますが薬品戸棚にはしっかり鍵が掛かっています。あ、机の上の薬の壜が、喜んで飛びついたジェニファーですが、それは空き瓶でした。その瞬間、何者かが彼女の頭を掴んで机に叩きつけるのです。ぐさっ、メモ立てが彼女の右目にぐさっ!「びわー」ジェニファー、絶命します。

 ペロペロキャンディーをペロペロ舐めながら食堂の掃除をしていたサム、ドアを開けてびっくり。中に男の死体、そう、あの電話修理のグレイですね、サムは慌ててアリスンを呼びに行くのです。死体を見たアリスンは半狂乱、騒ぎを聞いて駆けつけてきたシャーロットに衝撃的な事実を告白するのでした。「彼女が殺したのよ、マスターズよ、彼が私を愛したからマスターズが殺したのよ。カリングハムの舌を切ったのもそうよ、彼女は医者なんかじゃない、私たちと同じキチ×イなのよ」シャーロット、がーん(大笑い)。なおも叫ぶアリスン、「彼女はあなたも殺すわ」

 仰天したシャーロット、アリスンを放ったらかしにしてジャッジのところへ。「マスターズも患者だって本当?」「ああ、本当さ」さらにジャッジは驚くべきことを言い出します。「あんたも患者だろ、マスターズが言っていたぞ」シャーロット、がーん、がーん(大爆笑)。「マスターズったらそんなあたしをキチガ×だなんて!」

ヒロインもまたキチガ×の一人と思われていたというこのアイデアは本当に良いのですがねえ。

 ここから映画は一気呵成にラストに向って突き進みます。アリスンはグレイの死体を自室に運び込んでベッドで同衾。この様子を見て悲鳴を上げたシャーロットに「あんた、わたしたちの邪魔をしないで!」ジャッジはマスターズに判決を下します。「もうあなたはここの院長ではないのだ」ギャーッと錯乱するマスターズ。「私はいつまでも院長よ、ここで病院とあなたたち家族を守らなくちゃならないのよ」

 さて、シャーロット、サムに「スティーブンスに会わせるから」と言われて地下室へ。途中の階段でいかにもこれで人を殴りなさいといわんばかりに置かれてある杭を取り上げてそろそろ降りていきますと、ばーん、いきなり下から手が伸びてきた。「きゃーきゃーきゃー」あまりの恐怖に反射的に杭を振り上げるシャーロット、相手も見ずにぼこすこと殴りつけるのです。謎の手の持ち主は頭を砕かれて死亡、その顔は・・・、あー、画質が悪くて誰が誰やら分からん(笑)。これはスティーブンス博士ということなのかなあ。背中に斧をつきたてられて死んだのではなく重傷どまり、そのまま地下室で瀕死の状態だったということなのでしょうか。まあ、いいか、こんな映画だし。

 地下室でひーひー泣いているシャーロットを抱き上げるサム。彼は彼女を部屋に運び込みます。そこで待っていたのがマスターズ。彼女は叫びます。「彼女は病気なんだ、正真正銘のキ×ガイなんだ、治療しなくちゃいけないんだよ」彼女の指示通りにシャーロットをベッドに寝かせます。もがくシャーロットですがサムの力は強くとても逃げられそうにありません。シャーロット、大ピーンチ!しかし次にマスターズが言ったことが悪かった。「こんな重傷の患者はね、ロボトミーしなくちゃならないんだ」これがサムの脳にずーんと来た訳です(笑)。サムはロボトミー手術で8歳児の知能にされてしまった男、当然ながらロボトミーという言葉を聞くと怒り出すのです。「ふんがー」サムはマスターズを突き飛ばしシャーロットを連れて逃げてしまうのでした。

 「待って、待ちなさい、早く治療をしなければ」と叫ぶマスターズですが、そんな彼女を取り囲んだのがアリスン、ジャッジ、サージャント、ダニー、カリングハムの患者達、ええとこれで全部だよな、見落としはないよな。みんな手に刃物を持ってます。ジャッジなんか得意の斧を振り上げています。次の瞬間マスターズに襲い掛かる患者達。はい、マスターズ、ずったんたんのぎったんたんにされてしまいましたとさ。これで怒ったのがシャーロットを逃して戻ってきたサム。「ママ、ママ」と叫ぶサム。なるほど、彼はマスターズを母と慕っていたのですねえ。彼はジャッジから斧を奪い取りみんなをずったんたんのぎったんたんにしてしまいましたとさ。この後嵐の中を逃げていくシャーロットが映ってエンドクレジット。

 シャーロットもこの病院がおかしいことに気づけよなあ。ずーっと電話は不通だし、電話修理人のグレイ以外、誰一人として病院に来なかったじゃないか。

カラー、スタンダード。モノラル音声。画質は明るくてちょっと良い(笑)。色の滲みは酷いですが、少なくとも暗い場面で何をやっているかが分かる。音質は小さく、台詞の聞き取りに苦労させられました。13枚組みのDVDボックスセット50 Movie Pack: Drive-In Movie Classics の一本。Digital 1 StopDVD

 エロの冒険者 

       HOMEPAGE http://homepage3.nifty.com/housei/

      SFシネクラシックス 輸入DVDでみるSF黄金時代(笑)

|

« 『食人伝説』(『La Montagna del dio Cannible』 『Slave of the Cannibal God』 1978) | トップページ | 『恐怖 蛇地獄』(『Rattlers』 1976) »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 『Don't Look in the Basement』1973年:

« 『食人伝説』(『La Montagna del dio Cannible』 『Slave of the Cannibal God』 1978) | トップページ | 『恐怖 蛇地獄』(『Rattlers』 1976) »