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2007年7月27日 (金)

『妖怪巨大女』(『Attack of the 50 Foot Woman』 1958年)

 

世紀のクズ映画、まさにベスト・オブ・ザ・ベストならぬワースト・オブ・ザ・ワースト、こんな映画見ていると一生を棒に振りますよ、いや、マジで(笑)。

警告、警告、このDVDのリージョンは1です。したがって日本国内のDVDプレーヤーでは再生できません。警告、警告。

冒頭嬉しそうに登場したのはKRKR-TVのニュースキャスターです。「皆さん、今晩は。奇妙な事件が起こりました。スウェーデンの砕氷船がバレント海で謎の飛行物体を目撃したとのことです。その後もカイロ、アフリカ、ニュージーランドで同じものと思われる飛行物体が目撃されています」ここでキャスター、地球儀で飛行物体の軌跡をたどり「そうなると、次に現れるのはカリフォルニアの砂漠ということになりますな」

 なんで砂漠に?と思う間もなく、本編のヒロイン、ナンシー・アーチャー(アリソン・ヘイズ)の車がそのカリフォルニアの砂漠を走っている場面になります。

 何をいらついているのか猛スピードで車を走らせるナンシー。しかし彼女の前方に怪しい物体が現れ急停車したのです。それは白い巨大な球体でした。ナンシーが呆然と見ているうちに巨大な毛むくじゃらの手がニューッ、ナンシーのペンダントを狙っているかのように伸びてきたのです。ナンシーはあまりの恐怖に「ヒーッ」逃げ出します。「ハリー、助けて、ハリー」自分の夫の名を呼びながら物凄いスピードで走るナンシー。あっという間に町の保安官事務所に着いちゃった。

 ナンシーが球体と遭遇したのは砂漠の真ん中。見るからに距離が離れているのですが、ナンシーはあっという間に走破してしまいます。映画の都合とはいえ、大したものであります(笑)。

 ナンシーが助けを求めた夫、ハリー(ウィリアム・ハドソン)はそんな最中酒場でハニー・パーカー(イヴェット・ヴィッカーズ)という安い女と浮気中。周りの目もかまわず抱き合ったりキスしたり、ちょっとしたポルノショーみたい(笑)。ハリーはいかにも面白くなさそうに「ああ、なんでナンシーのところへ戻ったかなあ、別居したままでいればよかったなあ。だいたいあの女いちいち口ウルセーし、酒はがばがば飲むし」ハニー・パーカーも「あんたの奥さん、一度キチガイ病院へ入っていたんでしょ、早く別れちゃいなさいよ」しかしハリーは頭を振って「いや、キチガイ病院は言いすぎだ。精神療養所といったところさ。それにあの女は金持ちだ。金だけは持っているんだよ」

 ハニー・パーカーはぽつりと洩らします。「奥さんが死んでくれればいいのにねえ」

 夫が酒場の安い女とそんな会話を交わしているとは神ならぬ身の知る由もなくナンシーは保安官事務所で「あたし、砂漠で空飛ぶ円盤を見たのよ、おまけの30フィートの巨人が出てきたわ」当然みんな信じません。何しろ、ナンシーは年がら年中酔っ払っているような女です。今夜もまた酔って夢でも見たのだろうぐらいにしか思われていなかったのです。ナンシーは眉を吊り上げて「何よ、あたし、酔ってなんかいないわよ、本当よ、本当に見たんだから」この勢いに押されたダビッド保安官(ジョージ・ダグラス)、ついに折れましてナンシーと助手のチャーリーを連れて砂漠を調べることになります。

 乗り捨てられたナンシーの車はすぐに発見されたのですが、彼女のいう空飛ぶ円盤と巨人は影も形もなし。保安官、思わず「奥さん、あなた、ダイアを盗もうとした悪漢を見間違えたんじゃないですかあ」どんな見間違い方だよ、見間違いにもほどがあるだろ(笑)。これで激怒したナンシー、車に乗り込んで帰ってしまったとさ。保安官とチャーリー、彼女を見送りながら「そうは言ってもこのヘンで一番税金を納めているのは彼女だからな、扱いに苦労するよ」「奥さんも可哀想っす、ご亭主はハニー・パーカーとよろしくやっているんすからね」と話しております。

 ここで唐突にダイアの話が持ち出されます。実はナンシー、世界で有数の巨大ダイヤ「インドの星」を持っているのです。彼女はそれをペンダントにして日常的に首にかけているのです。今まで強盗に会わなかったのが不思議なくらいです(笑)。

 豪勢な自宅へ戻ったナンシー。執事ジェス(ケン・テレル)に出迎え中に入ったナンシーはすでにハリーが戻っているのを見てまたカッとなります。ウィスキーをぐっと呷って「なによ、あんた、どうせ女と遊んでいたんでしょ、私の金にたかる寄生虫め、ああ、あたし、どうしてこんな男とよりを戻しちゃったのかしら、別居したままでいれば良かった」なんだ夫婦二人して同じようなことを言ってるなあ。しかしナンシーの虚勢もここまで。彼女はハリーに抱きついて「でもやっぱりあたし、あなたを愛している、あなたが必要なの」と涙ながらにかきくどくのでありました。

 さらに今夜の出来事を話すナンシー。「私、本当に円盤と巨人を見たのよ、みんな信じてくれないけど、あなたは違う、私を信じてくれるわ」ハリー、面倒くさそうに頷いて「ああ、信じるともさ」もちろん、心の中ではこの女、いよいよ狂ってきた、いい気味じゃぐらいに思っているのですが(笑)。ハリーはナンシーをベッドに寝かせて優しく服を脱がせます。睡眠薬を飲ませて「おやすみ、ナンシー、君はぐっすりと寝たほうがいいよ」ハリー、その足で酒場へ行ってハニー・パーカーといちゃつきだすという・・・。ハリーは懐から例のペンダントを取り出します。ハニー・パーカー、目の色変えて「そ、それ、インドの砂ってダイヤじゃない」「いや、インドの星だから」軽くツッコンだハリー、ペンダントをぶらぶらさせながら「これがもうすぐ君のものになる。ナンシーはいよいよヤバイみたいだ。これで主治医のカッシング先生(ロイ・ゴードン)にキチガイ判定してもらえば彼女は病院行き。後の財産はおれのものという訳さ」

 ところがそうは問屋が卸しません。カッシング先生はナンシーが大変なショックを受けており療養が必要と診断したものの入院まではさせなかったのです。おまけにナンシーはナンシーで病人のくせに「あーた、昨晩はどこに行ってたのよ、ジェスが一晩中帰ってこなかったって教えてくれたわ」と俺を責めやがる。きいいい、もはや勘弁ならぬ、ナンシーもジェスも殺して財産奪ってやる・・・という風には展開せず、ぶすっとするハリーであります(笑)。

 ナンシーもいらついております。おまけにテレビのスイッチを入れればKRKR-TVのニュースキャスターが「アーチャー夫人が夫ハリーともめているそうです。アーチャー夫人、あんな奴早く見限ったほうがいいですよ、財産狙いに決まってますよ」カッとなったナンシー、酒瓶をテレビに投げつけて破壊してしまったのであります。もう我慢できない、彼女はハリーを無理やり車に乗せて「砂漠に私が見たものを探しにいくの。何だか私、呼ばれているような気がするのよ」

 ここから延々と砂漠を走り回るナンシーとハリー。何も見つかりません。ナンシーはついに彼女のアヤマチを認めて「ハリー、ごめんなさい、何も無かったわ」と泣き崩れます。さあ、帰ろうということになったのですがその途端に現れるあの球体。出てくるなら出てくるでもっと早くしろと思います(笑)。ナンシーは球体を見るなり車から飛び出して「見て、ハリー、実在したのよ、私は狂ってなんかいないわ」と大喜び。車の中で怯えているハリーを尻目に球体にぺたぺた触ったりなんかしております。その球体がもぐっと開いて現れたのが30フィートの巨人。ナンシー、「ヒーッ」、ハリーも「うわああ」、私も驚いています。何しろフツーのおっさんを接写しただけで30フィートの巨人であると言い張るのですから(笑)。

 ハリー、助けてと叫ぶナンシーを何のためらいもなく見捨てて逃げてしまいます。とことん酷い男ですな、こいつは。家へ戻ったハリー、荷造りをはじめます。これを見咎めたジェスが「奥様をどうしたのだ」と食って掛かってくるのを五月蝿いとばかりに酒瓶でぽかり。ジェスを失神させたのでした。

 ハリー、そのままハニー・パーカーのアパートメントへ行きまして「まずいことになった。急いで逃げるのだ」彼女と一緒に町を出ようとしたのですが、チャーリーに捕まって保安官事務所へ連行されてしまいます。ジェスが保安官に「奥様が行方不明、ハリーの関与の疑い大」と連絡していたのです。

 大ピンチのハリー。今更「空飛ぶ円盤から出てきた巨人にナンシーが攫われた」などと言えません。キチガイ扱いされてしまいます。かといってこのままナンシーの行方が分からなければ彼がナンシーをどうにかしたと思われてしまう。しかし幸いなことにナンシーが発見されました。彼女は何故かプールの小屋の屋根に寝ていたのです。彼女は自宅へ運び込まれてカッシング先生の手厚い看護を受けることになります。保安官はハリーとハニー・パーカーを釈放、「後の取調べはナンシーが意識を回復してからだ」

 ここでハニー・パーカーが悪巧み。彼女はカッシング先生が看護婦に与えた指示、「この薬の量を間違えるなよ、少しでも多く注射してしまったらナンシーの命に関わるのだ」を盗み聞きしていたのです。彼女はハリーに「だからその薬を使えばいいじゃん。ずっぽり注ぎ込んだらイチコロよ」とことん悪い奴らですなあ。松本清張先生の小説みたいですなあ。

ハリーは看護疲れでがーごー寝ている看護婦(アイリーン・スティーブンス)の隙をついて件の薬液を注射器にたっぷり注入。これをナンシーに注射すれば一巻の終わりじゃというのですが、そんなことしたら絶対彼の仕業とばれてしまうと思うのですがね(笑)。ハリーは注射器片手にナンシーの寝室へ。さあ、注射しようとしたその時、気配に気づいた看護婦がやってきて電気のスイッチをぱちり。「きゃー、ハリーさん、あなた、何やっているのですか」と叫ぶのかと思いきや、「ひーっ、ナンシーが巨大化している」だったという。ハリーの企みはこのどさくさに紛れてまったく露見しなかったのであります。いくら、看護婦が巨大ナンシーを見て動転したとはいえ、この展開はありえないだろうと思うのですが(笑)。

 ちなみに画面に現れる巨大ナンシーは腕の一部だけ。これがもうベッドの長さくらいありますから、とても体全部が寝室に収まる筈はないのですがねえ。

 とりあえず、鎖を大量に運び込んでナンシーを拘束。象用の注射器も用意しているのがおかしい。カッシング先生は友人の生物学者ヴォン・ローブ博士(オットー・ウォルディス)を呼んで彼女を調べてみますが詳しいことは分かりません。「ただ、彼女の首の傷が緑に変色しておる。なんらかの放射線障害かも知れない。だったら手術で巨大化を止めることができるかも知れない。しかし手術には夫であるハリーの許可が必要になるよ」これを盗み聞きしていたハリー、許可さえ出さなきゃ手術はできぬ、ってんで、そのままハニー・パーカーの部屋へしけこんじゃった。やっぱりとことん酷い男だなあ。

 さて、ここから新たな展開。ナンシーが発見されたプールの小屋を調べていた保安官、プール裏側の林に巨大な足跡があるのを発見します。しかもそれがずっと砂漠の方へ続いているのです。保安官はこれがナンシーの異変に関係あると判断、ジェスを連れてパトカーで足跡をたどるのでした。そして唐突に現れるあの球体。息を呑む保安官とジェス。「ナンシーの言っていたことは本当だったんだ。彼女は巨人に空飛ぶ円盤に連れ込まれてあんなことやそんなことをされた挙句プール小屋の屋根に放置されたのだ」

 二人はよせばいいのに球体の内部に潜入するのです。内部の調度品やドアがみんな普通のサイズなのはどうかと思いますが(笑)とにかく中に入っていろいろ見て回る二人。何だか良く分からない装置の上にガラス玉がたくさん乗っています。ジェスはその中で光っているものを指差して「保安官、見てください、これはダイヤですよ、ナンシーのインドの星だ」「奴らはやっぱりナンシーのダイヤを狙ったんだな。このダイヤを動力源にしているのだろう」世界一燃料費がかかる乗り物ですなあ。

 「よし、このダイヤを取って逃げよう」しかしこの時二人の前に現れたのが例の30フィートの巨人です。禿頭でヘンなマークのついた服を来た巨人、ゆっくりと二人を追いかけます。普通サイズのドアをどうやってくぐったのか分かりませんが、とにかく保安官とジェスは巨人に追われて球体を飛び出すのでした。保安官は巨人に向って散弾銃を乱射、まったく効果なし。それじゃあというのでチャーリーに用意させていた手りゅう弾を投げつけるのですが、これも効果なし。巨人は二人が乗ってきた車を持ち上げぽい。車はぐしゃぐしゃになってしまいました。巨人は車を壊したことで満足したのか球体に戻ります。普通サイズの入り口をどうやって潜ったのか分かりませんが、とにかく球体は巨人を乗せて舞い上がり飛び去ってしまったのです。保安官とジェス、車を壊されてしまったので仕方なしに町へ向って歩き出すのでした。

 ちなみにこの巨人、合成の仕方がまずくって半透明であります。スケスケでなんともいえないのであります。

 この巨人に呼応したのか、ナンシーも意識を取り戻します。チェーンを引きちぎらんかという勢いで暴れだし、「ハリーはどこ、ハリーに会いたい」 チャーリーは慌てて酒場でハニー・パーカーといちゃいちゃしているハリーを呼びに行くのですが、ハリー、生返事をするばかりで戻ろうとはしません。そのうち、ついに我慢できなくなったナンシー、ついに立ち上がります。ぐわらぐわらと大揺れのアーチャー家。画面ではブサイクな腕の模型がもぞもぞしているばかりで何が起こっているのか良く分からないのですが、そこを補ってくれるのが恐怖に顔を歪めた看護婦の叫び。「きゃあ、ナンシーが鎖を引きちぎったわ」「ヒーっ、ナンシーが立ち上がったわ」「ナンシーが屋根を突き破ったわ」この丁寧な看護婦さんの説明に感謝するばかりであります(笑)。

 外へでたナンシー、巨大ビキニスタイルで仁王立ち。こういう場合、何故か衣服(この場合はベッドのシーツのようですが)も同じく巨大化するのが世の理なのです。「わたし、ハリーのいるところを知っているわ、あの糞女と一緒よ、誓って見つけ出すわ」と叫ぶとのっし、のっし、町目指して歩き出したのです。送電塔もゴジラみたいにばりばりぶっ壊して進みます。保安官とジェスは彼らを探しにきたチャーリーの車に拾われてアーチャー家へ。そこでナンシーのことを聞いてさらにカッシング博士、ヴォン・ローブ博士、看護婦を乗せて町へ向うのでした。一台の車に6人、さすがアメリカの車は大きい。

 ナンシー、ついに町へ到達します。町はいきなり現れた巨大女に大騒ぎ。半透明でしかも時々サイズが変わる不気味な巨大女ですから無理もありません(笑)。ナンシーは最初にホテルの部屋を覗き込みます。手を突っ込んで中をめちゃくちゃにしたりします。しかしハリーは見つかりません。次に酒場へ向うナンシー。この時保安官たちが到着して拳銃で撃ったりするのですが、効果なし。夫の浮気に怒り狂っているナンシーを止めるすべはなかったのです。

 ナンシーは酒場の屋根をばりばりと壊し始めます。ハニー・パーカーは崩れ落ちた瓦礫に押しつぶされてあっさり絶命。さらにナンシーはハリーを掴みあげるのです。「ギャーッ、痛いよ、息ができないよ、ナンシー、やめてくれ」そんな悲鳴に一切耳を貸さないナンシー、人形丸出しのハリーを掴んだまま再び歩き始めるのです。保安官、これはまずいとついに散弾銃を使用。ズドン、ズドンと乱射したうちの一発が電柱の変圧器に命中し、大爆発。この爆発に巻き込まれたナンシー、ついに倒れふすのでした。

 ナンシーもハリーも共に絶命。カッシング博士が「これでついにナンシーはハリーを彼女一人だけのものにしたのだ」と重々しく呟いたところでエンドマーク。

ね、どうです、下らないでしょう、読んでいるだけでイヤになってくるでしょう。私はそんな映画をね、たった一人きりでみて、しかもレビューを書くためにメモまで取っているのですよ。人生の無駄遣いここに極まれりなんですよ。

モノクロ・スタンダード モノラル音声。黒が浮き気味で今ひとつ画面にしまりがありません。ノイズも目だってとても高画質とはいえないのですが、ま、いいや、こんな映画なんだから。音質は上々。巨大ナンシーの「ハリィィィィー!」という叫びがなんともいえません。Cult Camp Classics 1 - Sci-Fi Thrillers 『妖怪巨大女』『海獣ビヒモス』『惑星X悲劇の壊滅』を収録したボックスセット。ワーナーホームビデオのDVD

 エロの冒険者 

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      SFシネクラシックス 輸入DVDでみるSF黄金時代(笑)

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『惑星X悲劇の壊滅』(『Queen of Outer Space』 1958)

 

宇宙の果てのお星様に行ってみたら女だけの天国のようなところだったという女護ヶ島ならぬ、女護ヶ星ものであります。こうした設定は『月のキャットウーマン』『月へのミサイル』『凸凹火星探検』などですでに御馴染みでありますが、本当にみんな能天気。いくら客を呼ぶためとはいえ、よくもまあ、こんな下らないことを考えるものです。

警告、警告、このDVDのリージョンは1です。したがって日本国内のDVDプレーヤーでは再生できません。警告、警告。

時は1985年、人類は既に宇宙進出を果たしております。月はすでに征服済み、次は火星を伺おうかという勢い。そんな中宇宙基地司令に呼び出されたのは人類初の月着陸を行ったニール・パターソン(エリック・フレミング)、マイク・クルーズ(ディブ・ウィロック)、ラリー・ターナー(パトリック・ワルツ)のチームです。三人はいよいよ火星探検だ、よーし、いっちょブワーッとやったるぞと意気込んで出頭したのですが、あにはからんや下された命令は「コンラッド教授(ポール・ビーチ)を宇宙ステーションAまで送らんかい」

 この宇宙基地の隊員たちの制服は『禁断の惑星』からの流用です(笑)。

 「なんだよ、俺たちゃ、宇宙のタクシーかよ」とふて腐れる三人。でも命令は命令なので不承不承、コンラッド教授と共に宇宙船スターファイアー号で出発です。御馴染み宇宙ロケット打ち上げシーンの流用フッテージですが、これはなかなか迫力がありますな。まあ、地上で打ち上げられるロケットと宇宙を飛ぶスターファイアー号の形とがまったく違うのには困ったものですが(笑)。リクライニングシートで加速度に耐えるクルー達。この後、無重力となってうっかりベルトを外したおっちょこちょいの教授がふわりと舞い上がって「助けてくれー」というお約束になると思ったのですが、あ、無重力の無も出てきやしねえ。そのまま普通に歩いていやがる。

 一応この宇宙船には人工重力装置があるという設定になっているみたいです。でもだったら出発時の加速度も相殺できなきゃおかしいと思うのですがねえ。

 さて、コンラッド教授から今回の宇宙ステーション行きの目的が明かされます。それは「宇宙ステーション近辺の宙域で不穏な活動が観測された。これは地球の危機だ、我々はそれを調べに行くのだ」ということなのだそうで。不穏な活動というのが今ひとつ分かりませんが、それはおいおい明らかにされることでしょう。

 宇宙ステーションAが見えてきました。教授はしみじみと「いやー、あれの建設を計画したのが23年前だったなあ。初期のロケットで資材を軌道にちょこちょこ打ち上げて、それから組み立てたんだよなあ。大変だったなあ」ここで事件が発生。謎のビームがどこからともなくひゅんひゅん飛んできたのです。最初は意味もなく画面を乱舞するだけだったビームがついに宇宙ステーションに命中。ステーションは粉々に砕け散ってしまうのです。「わあ、大変だ」失神しそうになる教授。さらにマイク・クルーズが叫びます。「パターソン船長、今度は我々が狙われています」

 パターソンは「みんな急いで席につけ、急加速でビームから逃げるのだ!」再びリクライニングシートに収まってエンジンを全開です。猛スピードでダッシュするスターファイアー号。しかしその甲斐もなくビームが一発、また一発と命中。その衝撃でスターファイアー号のエンジンが暴走を開始。通常の10倍のスピードで飛び始めたのです。クルー達は全員失神、スターファイアー号はいずこともしれぬ深宇宙に向うのでした。ここでタイトルがどーんと出てオープニングクレジット。

 スターファイアー号はある惑星に接近します。というか、これどうみても月なんですけど(笑)。自動着陸装置が働いてスターファイアー号は雪に覆われた大地に中に乗っている奴、絶対死んでしまうという勢いで突っ込みます(大笑い)。失神から目覚めたクルー達、何時の間にこんな惑星に着いたのだと大騒ぎ。アラスカか、はたまた「天国」か、まあ、いつまで宇宙船の中で議論していたって始まらない。幸い、大気は地球そっくりで呼吸可能、重力もほぼ同じだからそのまま外へ出られるぞということで周囲を探検することになりました。

 宇宙船が雪に突っ込んだのだから、雪原を歩く場面があるかと思いきや、いきなり怪しい植物の茂ったジャングルですよ。雪はどこに行ったのかと思うのですよ(笑)。教授はこの怪しいジャングルを見てついにこの惑星の正体を明らかにします。「ここは金星だぞ」他のクルーたちはびっくりして「でも金星はとても生物のすめる星じゃないって学校で習いましたよ」宇宙飛行士が学校で習いましたなんていうなよ(笑)。しかし教授は彼らの言うことには耳を貸さず「最新の研究では地球に似た星であるという可能性が指摘されていたのだ」いや、私もびっくりしておりますが。

 さて、このジャングル、まったく生き物の気配がありません。鳥や動物、そして虫もまったくいないのです。「ひょっとしてこの星じゃ我々が唯一の生物なんすかね」不気味悪げに呟くマイク。そのとたん、ポイ・ホイ・ポイという奇妙な音が響いてきたのでした。この音はその後も数回鳴り響きます。教授は「これは何らかの電気的信号だ。この惑星には知性体がいるぞ。最もそれが人間とは限らないけどな」「じゃあ、どんなのがいるんで」と聞いたのがターナーです。「そうだね、虫という可能性もある」とたんにみんなでイヤーな顔になるのが面白いですな。

 夜になりました。火を炊いて野営をする探検隊。変わりばんこに見張りをして夜を明かすことになります。あっさりと夜が明けて周囲のジャングルからおお、色とりどりのユニフォームに身を包んだ美女たちが光線銃を持って現れたぞ。この時の見張り役、マイクはすーすー寝ていたのでまったくの役立たず。あっという間に女達に囲まれてしまうのです。ターナーは自分の宇宙ピストルを取り出します、ああ、こ、これはルガーP08のモデルガンを金色に塗っただけだ、これは酷い(大爆笑)。これで反撃しようとしたのですが、女達の一人が光線銃を発射、ピストルをばらばらにしてしまったのでした。

 4人は女達に囚われてこの星の宮殿に連行されてしまったのです。

 この女達はフツーに英語を喋ります。この理由が「地球からの通信を傍受していたから」というお約束のもの。しかし、なんですなあ、いつ来るか分からない地球人のために英語を習得しておくとは用心の良いことですなあ。いつか外人に道案内するために英語を習ってますという地球の人と同じですなあ。

 引き立てられた地球人たちの前に現れたのが仮面を被った5人の女。惑星カディア(金星)の支配者たる女王ヤーナ(ローリィ・ミッチェル)と彼女直属の評議会メンバーたちです。女王はいきなり、地球人たちに対して「そなたたちは地球の金星侵略のためのスパイであろう。攻撃計画を教えないと酷い目にあわせるぞよ」だって。パターソンは慌てて「いや、我々は平和目的できたのです。第一、この星に文明があることも知らなかったぐらいだ、どうして侵略をしなければならないのです」女王は激怒して、「ぬぬぬ、見え透いたウソをつきおってからに、死体を確認しにきたそなたの妻の髪があまりのショックに一瞬にして白髪となるようなそんな惨い目に会わせてくれる!」

「おれ、まだ独身なんですけど」とパターソンがつぶやいたとかつぶやなかったとか(笑)。

 地球人たち、監禁されることになってしまいました。アリのはいでる隙間もない堅牢な部屋。ドアの前には二人の見張りがたっておりとても脱走することはできそうにありません。しょうがないので「女王はなんだってあんな仮面を被っているのだ」という話題でおしゃべり。何もすることがないからとはいえ暢気なことですな。「いやもう、美女ばっかでしょ、女王様なんだからそれより凄い美女なんですよ、あんまりキレイだから、うっかり顔を見せるとみんな失神しちゃうかもしれない。それで被っているんすよ」と能天気なことをいうターナー。君君、馬鹿も休み休みにしたまえ(笑)。

 次に話題はあの謎のビームのことへ。コンラッド教授は断言します。「もう間違いない。あのビームを発射したのはこの惑星だよ」ここでまたターナーが、「いや、そんな筈ないっすよ、知っているでしょ、女の運転を。てんでへたなんだから、それでビームの狙いなんかつけられる筈ないっすよ」明らかに白ける残りの三人。だからターナー君、馬鹿も休み休みにしたまえと言っているでしょうが。

 さて、食事を持ってきた女あり。この女タリア(ザ・ザ・ガボール)は食器を置くやいなや地球人たちに向って「女王はもうあなた方と話し合うつもりはありません。あなたたちの命は非常な危険にさらされています。地球だって同じこと。私はあなた方を助けにきたのです」なんでもあまりに専制的な女王の統治に嫌気が差して反乱を起こそうという一派がいるのだそうな。そしてタリアはこの星がなぜ女ばかりになったのか訳を話し始めるのです。「地球の年でいえば10年前、このカディアはモルドーという惑星と大戦争を行ったのです。我々はモルドーを破壊したのですが、代償として大きな被害を被ってしまいました。そこでヤーナに率いられた女達が反乱を起こしたのです。そして科学者や数学者を除いた男達を虐殺、あとは金星の衛星タイラスに閉じ込めてしまったのです」

 まあ、ようするに君たちは「男のいない生活に飽きた」という訳やね。

 そしてタリアは恐ろしい言葉を口にします。「女王は地球から侵略されると思い込んでいます。だから彼女は地球を先に破壊しようとしているのです」

 ここで別の使いがやってきた。部屋の奥にそっと隠れるタリア。使いの用向きとは「女王様がパターソンを呼んでいる」ということ。それを聞いたみんなはパターソンに「隊長、女王くどいてくださいよ、そうすりゃ、俺たち助かりますよ」パターソン、使いに連れられて部屋を出て行きます。それを見送った教授、重々しい口調で「これで地球の命運はパターソンのセックスアピールに委ねられたのだ」と大馬鹿なことを言うのであります(大笑い)。

ターナー、「僕だったら女王を月光の照らす木の下に連れていって、ジャズを流しながら愛を語りますねえ」すかさずコンラッド教授、「金星の雲は厚いから月なんか見えないっての」いいツッコミです。さらにタリアがコワい顔をして、「あたし、あの女王大っきらい」こりないターナーは「うわあ、彼女嫉妬しているよ、地球から2,600万マイル離れてもやっぱり女は同じだねえ」ああ、本当に下らない。

 ニールは女王の居室に案内されます。女王ったらさっきとはうって変わって優しい態度。言葉遣いだって違います。「ねえ、船長さん、ワインを一緒に飲まない」彼を巨大なカウチに誘うのです。そしてニールににじり寄り「さっき私は地球の攻撃計画を喋らないと酷い目に会わせると言ったわ。でも別のやり方もあるのよ、それは私と、うふふふ、分かるでしょ?」何が分かるでしょ、だ(笑)。しかしニールも満更ではないようでにやにやしながら女王の肩に手を回したりなんかしちゃったりするんですねー。ところがニール、うっかり「じゃ、仮面をとってくれない、君の素顔が見たいのだ」と言ったのがまずかった。女王かっとなりましてニールから身を振りほどくやいなや、「そなた、なんということを言う」言葉遣いも元に戻っちゃうという・・・。「もう我慢できぬ、そなた、地球の攻撃計画を話せ、話さないというならば」女王は居室のモニターにてっぺんに巨大なアンテナがついている四角い小屋みたいなものを映し出します。「これはわれらの秘密兵器、ベータ・ディスインテグレーター、分子破壊砲じゃ、そなたたちの金星攻撃用前線基地宇宙ステーションを破壊したのはこれじゃ、地球だって容易に破壊可能であるぞ」

 ニールは女王の脅しに耳をかさず「君は本当の愛というものを知らぬのだ。私がそれを教えてあげよう、手始めにほら、その仮面をとりなさい」ぱっと手を伸ばして女王の仮面を毟り取ったのです。現れた女王の素顔はうわあ、火傷でぐちゃぐちゃだ。女王、真っ青になったニールに「そなた、こんな顔でもわらわを愛せるというの」と迫ります。ニールはあわてて手を振って「いや、すいません、ちょっと無理です」「ならば仲間と共に死ね」部下に命じてニールを退出させるのでした。ニールが出て行った後泣き崩れる女王。

 女王のこの傷は前の戦争で男達が作った原子爆弾によるものらしい。だから女王は男を憎んでいたのですな。

 仲間たちとタリアの待っている部屋へ戻ったニール。ことの顛末を彼らに話します。そして一刻も早くこの宮殿を脱出し、森のある場所に隠してある秘密兵器をベータ・ナントカを破壊しなくてはという結論に至ったのでした。彼らはタリアともう二人の美女、モティア(マリリン・バフェード)とカエール(バーバラ・ダロウ)の助けを借りてまんまと脱出に成功します。ちなみにこの脱出行でニールがタリア、ターナーがモティア、マイクとカエールがそれぞれ仲良くなる、そういうことになっております。

 地球人たちの脱走を知った女王はもうかんかん。脱走の手引きをした女を「この裏切りものめ」と叫んで光線銃(これも『禁断の惑星』からの流用)で蒸発させてしまいます。どうも女のヒステリーというのは怖いものですな。そして地球人たちが隠れている森へ大規模な捜索隊を派遣するのでした。

 その頃、洞窟に隠れていたニールたち。洞窟の中で焚き火なんか炊いちゃってくつろいでおります。そして、ニール・タリア、ターナー・モティア、マイク・カエールの三組のカップルがいちゃいちゃ。あ、キスなんかしてやがる。一人残されたコンラッド教授は苦笑して、「みんな忙しいから僕が薪を拾ってこよう」だって。洞窟の外へ出た教授、捜索隊の女達がぞろぞろやってきたので慌ててみんなのところへ戻ります。「このままだと見つかっちゃうぞ、どうしよう」とうろたえ騒ぐ男達。しかし、タリアに名案あり。「まだ私たちが脱走に協力したことは知られてないわ。私たちがあなたたちを見つけて捕まえたことにしましょう」

 タリア、モティア、カエールは光線銃を男達につきつけて洞窟から出て行きます。そして捜索隊の女達に「彼らは私たちが捕まえたわ、さあ、女王のところへ行きましょう」

 まんまと女王の居室に入ったタリアたち。迎えた女王にぱっと光線銃を突きつけて「動くと殺すわよ」 そして「この裏切りものめ」と喚く女王を縛り上げ、仮面を奪ってしまうのです。再び露になる女王の素顔。ニールを除いて他のみんなは見るのが初めてなのに、あんまり驚かないのが面白いですな(笑)。タリアはこの仮面をつけて女王に変装するのです。そしてモティアとカエールはベータ・ナントカを破壊するためにその隠し場所へ向うのでした。

 さあ、女王に化けたタリア、部下達を呼んでベータ・ナントカの発射準備を止めさせようとするのですが、ついたての奥に隠されていた女王が大暴れ。衝立が倒れてタリアが偽者なのが分かってしまいます。再び囚われの身となる地球人三人とタリア。女王は「こやつらにベータ・ナントカじゃなかった、ベータ・ディスインテグレーターで地球を破壊するところをじっくりと見せ付けてくれる。その後でこやつらを処刑じゃ」しかし女王、ニールについとにじり寄って「でもそなただけは助けてくれよう」キスをしようとします。顔を背けるニール、これで女王ますます怒り狂って「やっぱりみんな死ぬのじゃ」

 さて、ベータ・ナントカの基地に連れていかれたニールたち。女王はボタンを操作してスクリーンに鮮明な地球の映像を映し出します。「くくくく、この地球がベータ・ナントカじゃなかった、ベータ・ディスインテグレーターでばらばらになるのじゃ」そして、女王はベータ・ナントカの発射ボタンをぐいと押し込んだのです。ウィンウィンと高まる唸り、ああ、地球危うし、と思いきや音がするだけでベータ・ナントカは発射されません。女王、大いに慌てて「あら、ヤダ、故障かしら」ベータ・ナントカの内部に入っていろいろ弄るのですがやっぱり駄目。そう、ベータ・ナントカは既に先発したモティア、カエールとその仲間たちによって壊されていたのでした。

 この機に乗じてモティア・カエールたち反乱軍が女王たちに襲い掛かります。女王の部下達も勇敢に戦ったのですが衆寡敵せず、あっという間にやられてしまいました。彼女達はベータ・ナントカも破壊してしまいます。中にいた女王は爆発に巻き込まれて丸こげになってしまいましたとさ。

 今や新しい女王となったタリアが地球人たちとの別れを惜しんでおります。彼女はニールに「ああ、あなた、きっと戻ってくださいね」モティアとカエールもターナー、マイクと別れのキス。ああ、涙、涙と思いきや、この時、地球との交信が可能になったという知らせが入ります。さっそくビュースクリーンで通信してみますと、地球の基地司令が映って「あー、みんな、ご苦労さん、君たち、すぐ戻ってこなくていいから、次の探検隊が行くまで金星に残って頂戴」

 これでみんな大喜び。抱き合うニール・タリア、ターナー・モティア、マイク・カエールの三組のカップル。相手がいなかった筈のコンラッド教授も美女達に囲まれてにやにやしているという場面でエンドクレジット。

 ああ、しょうもないというか能天気というか、もうたまらんなあ。

カラーのスクイーズ・シネスコ収録。赤の発色がとても美しい。ノイズが多くて一般的な高画質とはいえませんが、これだけは本当に素晴らしいです。音質もなかなかのもの。BGMに力があります。Cult Camp Classics 1 - Sci-Fi Thrillers 『妖怪巨大女』『海獣ビヒモス』『惑星X悲劇の壊滅』を収録したボックスセット。ワーナーホームビデオのDVD

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『海獣ビヒモス』(『The Giant Behemoth』 1959年)

 

肝心の海獣ビヒモスのモーションアニメが今ひとつという悪評ばかり聞く映画ですが、実際に見てみたらこれが面白いのなんの。核実験の影響で体中に放射能を蓄えしかもそれを放射して敵をやっつけるという身も蓋もないゴジラのパクリが素敵です(笑)。

 警告、警告、このDVDのリージョンは1です。したがって日本国内のDVDプレーヤーでは再生できません。警告、警告。

荒れ狂う海をバックにオープニングタイトル。これが終わりますといきなり核実験。御馴染みのきのこ雲が皆さんのご機嫌を伺いに参ります。この核実験は実はフィルムで、これを使って「放射能は恐ろしいぞ」と学会で発表しているのが本作の主人公スティーブ・カーネス教授(ジーン・エヴァンス)であります。「良いか、皆さん、我々はその発見以来143回もの核実験をしてきた。放射性廃棄物も海に捨てている。今のところ影響はでてないかのように思われるが安心してはなりません。プランクトンは海水から放射能を取り込み2,000倍ため込む、そのプランクトンを食べる魚は4,000倍、その魚を食べる鳥は実に五万倍もの放射能をため込むのです。このアトミック食物連鎖は地球に重大な影響を与えるかも知れません。何かが海から出現し、我々に逆襲するかも知れないのです」

 舞台はぱっとコーンウォールのルー村へ。村民の大半が漁業で暮らしを立てている静かな村であります。ここで漁から戻ってきた親子。父親のトム、娘のジャニー(レイヒ・マディソン)、ジャニーは獲物を整理して村へ売りにいくというトムを残して夕食の準備のために先に家へ戻ったのでした。トム、一心不乱に働いておりますと、なにやら海の方から物音が。ん、なんだと顔を上げたトム、何者かを目撃して「ウワァー」そして白い光を浴びてばったり倒れてしまったのです。

 夕食の準備を終えたジャニー、父親がまさかそんな目に会っているとは露知らず、「パパったら魚を売って小金ができたものだから、また飲んだくれているのね」酒場へ行くのですが、パパはいません。心配になった彼女はボーイフレンドのジョン(ジョン・タマー)に頼んで一緒に探して貰うことになります。そして砂浜へ行きますと、はい、顔面ケロイドだらけのトムを見つけたのです。「きゃー、パパが顔面火ぶくれに」と叫んで彼を抱き起こすジャニー。瀕死のトムは「海からビヒモスが、炎が・・・」と意味不明なことを呟いてがくっ。絶命したのであります。

 変事はこれだけではありませんでした。数日後行われたトムの葬式の後、海岸へ行ったジャニーとジョンが見たものは海岸に打ち上げられた無数の魚だったのです。ジョンはここで魚に混じって打ち上げられていた白いクラゲのようなものを見つけます。好奇心を覚えたジョンがこれに触ってみますと「ギャーッ!」トムの時と同じく腕に火傷を負ってしまったのであります。

 さて、ロンドンのカーネス、ホテルで次のようなニュースを耳にします。「コーンウォールのルー村の海岸で無数の魚が打ち上げられたそうです。なんでも海で怪物を目撃したという話もあって、ははは、田舎の人はいろいろ考えますな」ニュースキャスターは冗談半分にニュースを伝えたのですが、これにピンと来たカーネス、原子力エネルギー委員会の長、ビックフォード教授(アンドレ・モレル)を尋ねます。すると果たしてビックフォード教授もこのニュースには注目しておりまして、「いや、報道されてないけど、人が一人死んでいるんだよ、酷い火傷で」カーネス、ますますピンと来て「それ、ヒロシマと同じじゃないっすかね」

 二人は直接ルー村へ赴き調査することになります。

 二人は漁に出ることもできずくすぶっていた漁師たちにインタビュー。「おらあ、海で光るものみただよ、海底のほうからぴかーっとしていただ」という証言を聞きだします。次にジョンに案内されて村のお医者さん、モリス先生のところへ。死んだトムのことを聞きにいったのであります。もっともモリス先生はトムの火傷を放射能によるものとは考えておらず、「クラゲか海草の毒じゃないの、それとアレルギー反応が重なってあんな風になったんじゃないですか」と暢気なことを言っております。彼はついでにジョンの腕を手当て。このむごたらしい火傷をみたカーネスは思わず「おぇーっ、キモチワルー」、じゃなくって(笑)「これはやっぱり放射線によるものだ」と自らの確信をますます深めたのであります。

 カーネスとビックフォードはトムが見つかった砂浜でガイガーカウンターを使って調査。しかし何の反応もありません。ジョンからあのクラゲ状の物体があった場所を聞き出してガイガーカウンターを当ててみたのですがやっぱり反応なし。それでも原因は放射能以外に考えられないということで、砂、海水、付近の岩場にはえているコケ、ルー村で獲れた魚などを大量にロンドンの研究所へ運び込み徹底的なテストを行うことになります。そしてついに近くの海で獲れたカレイから放射能の反応が。そのカレイは体内に多量の放射能を取り込んでおり、部屋を暗くすると光るのです(笑)。ビックフォードは直ちに政府に連絡。ルー村付近で獲れた魚の出荷を禁止させるのでした。

 一方カーネスは漁船をチャーターして海の探索。暗い海、沿岸警備隊からは「蒸気船ヴァルキリー号が消息を絶ちました。目撃した人は直ちに連絡を下さい」なんて連絡が入ってムード満点。といきなりカーネスが持ち込んでいたガイガーカウンターが激しい反応を示します。「ん、なんだ、なんだ」前方の海上を双眼鏡で見てみたら、おお、巨大な生き物の首が海中に没するところではありませんか。「わあ、あれだ、あれが怪物だ、ビヒモスだ」船の船長はきょとんとしております。「ビヒモスってあの体に良い乳酸菌ですか」「それはビフィズス、下らないボケかましてないでとっとと追いかけて下さい」最高スピードで怪物を追いかける漁船。しかしあえなく振り切られてしまったのであります。

 休む間もなく起こる次の事件。行方不明になっていたヴァルキリー号が海岸に難破しているのが見つかったのです。調査のために呼ばれたカーネス、めちゃくちゃに破壊された船体を見て「これは明らかに生き物の仕業だ、一体なんという化け物なのだ」と戦慄します。彼は急ぎロンドンへ戻り、ビックフォードと共に海軍省へ。提督へ怪物対策を要請したのです。直ちに下される怪物捜索命令。NATO諸国にも連絡が入ります。各国の海軍が一斉に捜索を開始。なかなか燃える場面ですなあ。

 ところがこれをあざ笑うかのように再び出現したビヒモス。たまたま目撃した農夫とその息子を全身から放射される放射線によって黒こげにしてしまったのです。

 この時ビヒモスが残した足跡の写真を調べるカーネスとビックフォード。大きさの比較用にちゃんと警察のパトカーが一緒に映っているのが親切です(笑)。二人はこれを持って王立博物館のサンプソン博士(ジャック・マクゴーワン)を尋ねるのでした。この足跡を見せて怪物の正体を調べようとしたのです。このサンプソン博士、足跡の写真を見るなり「これはパレオサウルスに似ていますね。しかし、パレオサウルスはこんなに大きくないはずだが」博士はこのヘンからニヤニヤし始めまして「でも凄いなあ、生きた恐竜か、僕はこの時を子供の頃から夢見ていたんだ」とうっとり。カーネスとビックフォード、「やべ、こいつ恐竜オタクだ」と引いております(笑)。

 さらにサンプソン博士の説明するところではパレオサウルスには電気鰻のように生体電気を発する能力があったそうな。カーネス、ぱんと手のひらを打って「そうか、あれはその電気を利用して放射能を放射しているんだ」

 「パレオサウルスを殺すのは仕方ないですけど、標本を残してくださいねー」と頼むサンプソンを残してカーネスとビックフォードは海軍省へ。提督にテムズ川を封鎖してくださいと進言します。提督は笑って「ははは、テムズ川はもう封鎖されているも同然だ。強力無比のレーダーで監視されているからな」提督、カーネス、ビックフォードはそのレーダー基地へ向います。

 レーダー基地で提督ご自慢のレーダー機器の説明を受けるカーネスとビックフォード。係官は得意そうにずらずら並んだレーダースコープを指差して、「ほら、これだけのレーダーが隙間なくカバーしているんです。見逃すなんてことは絶対にないっすよ」

 サンプソンとカメラマンのピーターが乗ったヘリコプターがビヒモスを捜索しております。「あ、あれはなんだ、水面下で何かが動いているぞ」ちゃちゃちゃちゃーんちゃちゃーんと故伊福部先生の音楽に乗りましてビヒモス出現。大喜びのサンプソンは「よし、パイロット君、ヘリコプターを降下させたまえ、近くからじっくり観察するのだ」ところが、ヘリコプター、ビヒモスからの放射線照射を食らって爆発してしまったのです。カーネスとビックフォードは愕然。しかも驚いたことにこの惨劇の最中にもビヒモスの姿はレーダーに捉えられていなかったのでした。

 提督ご自慢のレーダー群、まったく役に立たなかったという・・・(笑)。

 さて場面はテムズ川のフェリー乗り場へ。のべつ微笑みあっている馬鹿カップルとか、小さな女の子を連れたお母さん、杖をついたおじいさんなんかが乗り込んでおります。車も一杯乗せてさあ、出発だ。しかし、ここでビヒモス出現。ビヒモスはフェリーにどっかと乗りかかりついに転覆させてしまったのです。「うわあ」「ひい、わしゃカナヅチなんじゃ」「助けてくれー」と悲鳴を上げながら投げ出される乗客たち。そのままみんながぼがぼ溺れ死んでしまうというまさに地獄絵図。おまけに水死体の顔がケロイドだ。

 これが死者36名、行方不明50名の大惨事となりまして、ついに英国はビヒモスとの戦いを決意したのであります。

 軍隊が街中へ展開。住民の避難が始まりました。海軍省ではビヒモス対策会議が始まります。ビヒモス戦総責任者のチャールズ・ムーア提督が「ビヒモスは爆弾でやっつけよう。飛行機で投下させればイチコロだぞ」しかし出席していたカーネスとビットフォードは大反対。「あんた、何を言うておるのですか。ビヒモスは放射能の塊ですぞ。そんなもの爆弾でばらばらにしたらロンドン中が放射能汚染されてしまいます」さあ、困った、何かいい手はないのでしょうか。「はい、先生」ここで若手の大佐が手を上げます。「私にいい考えがあります」ムーア提督、「誰が先生だ」と軽く突っ込んでおいて「なに、いい考え、うむ早く説明しなさい」「大樽に酒をなみなみと注いで並べます。するってぇと上陸してきたビヒモスが、こりゃ、いいものがある、ゴチになりましょうってんでがぶがぶやりますな。そして酔いつぶれたところを・・・」「ヤマタノオロチじゃないっての」苦りきるムーア提督です。

 紛糾する会議ですが、ついにカーネスが妙案を発表します。「ビヒモスは自身の放射能でいずれ死ぬでしょう。そこでそのラジウムを撃ち込んでその最後を早めてやるのです。奴が水中にいる間、魚雷でラジウムを体の中に埋め込むのです」「よっしゃ、そのアイデア頂き!」とムーア提督が叫んでようやく作戦が決定したのでした。

 さあ、いよいよビヒモスとの戦闘が開始されます。テムズ川からドバーッと上陸してきたビヒモス。威風堂々とロンドンの街を闊歩します。さっき非難した筈のロンドン市民がいつの間にか沸いてきてきゃーきゃー言っているのが面白いですな。逃げ惑うロンドン市民、ぐしゃりと車を踏み潰すビヒモス、機関銃を乱射する軍隊、エキストラの数が実に多いものでこの辺は迫力がありますな。あ、ビヒモスが得意の放射能を放った。ひょひょひょひょーん、倒れふす無数の市民達、兵士たちもミイラになっちゃった。ひでー、市民はともかく兵士には防護服着せとけよと思います(笑)。

 ビヒモス、かさにかかってロンドンを蹂躙するのでありました。火の海と化すロンドン、ああ、このまま英国はビヒモスの前に屈するしかないのでしょうか。

 いや、ここに最後の希望あり。防護服着こんだビックフォードが手ずから誂えたラジウム弾頭付魚雷であります。これを小型潜水艇に積み込んでビヒモスがテムズ川に入るのを待っております。そして、ついに破壊に飽きたビヒモスが水中に戻った。「よし、出撃だ」潜水艇に艇長と二人で乗り込むカーネスです。

 ビヒモスの放射能を頼りに狙いを定め「もうこれ以上お前の好き勝手にはさせん、正義は必ず勝つ」と叫んだカーネス、魚雷を発射。狙い過たずビヒモスの口に命中です。大爆発が起こってもがき苦しむビヒモス。その目から光が消えてついに稀代の大怪獣ビヒモスはその姿を海底に消したのです。

 帰還したカーネスを迎えたビックフォード。二人で仲良く車に乗り込みます。「帰って一杯やって風呂入って寝よう」車をスタートさせたところでラジオから「アメリカのフロリダの海岸に無数の魚が打ち上げられました」というニュースが。愕然となる二人の姿で映画は終わります。

 確かにビヒモスはデザインも動きもダサい。しかしそれを補ってあまりあるのが大迫力のロンドン市街戦です。特撮と実写のコンビネーションが上手く本当に怪獣を迎え撃っているかのようなリアリティがあって…ちょっとホメすぎですか(笑)。

 モノクロ・スタンダード モノラル音声。画質は黒の表現に優れるもののノイジーで高得点はあげられません。音質は品位が高く実に聞きやすいです。Cult Camp Classics 1 - Sci-Fi Thrillers 『妖怪巨大女』『海獣ビヒモス』『惑星X悲劇の壊滅』を収録したボックスセット。ワーナーホームビデオのDVD

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『Spare Parts』(『Fleisch』 1979年)

 

これは1979年西ドイツ製作のTVムービーであります。新婚旅行でモーテルに泊まるといきなり救急車が怪我人・病人もいないのにやってきて夫を拉致するという不条理が、ディーン・クーンツの小説を思わせて、これはあんた、なかなかの傑作ですぞ…と思ったのですが。

 冒頭、スタジオでレコーディングをやっているらしいバンドが登場。そして、そのスタジオのガラスをがんがん叩いてなにやら叫んでいるウェディング・ドレス姿の女性。これが本作のヒロイン、モニカ(ユタ・スペイデル)であります。彼女が叫んでいる相手はこれから結婚しようとしている恋人マイク(ヘルベルト・ハーマン)、結婚式の時間が迫っているのに、何ギターなんか弄っているのよ、ねえ、あなた!という訳ですな。ようやくギターを置いたマイク、モニカの手をとって教会へ走り出します。バンドの仲間も一緒に走って「あははは、うふふふ、おほほほ」どうも楽しそうでよござんすな。

 教会で結婚式を挙げたあと、後はみんなでパーティ。またこの場面が長いんだ(笑)。乾杯したり、親戚のおじさんが出てきて「結婚生活には大切な三つの袋というものがありまして、それはお袋、胃袋、堪忍袋・・・」とスピーチしたり、モニカの女友達が三人くらいで「てんとうむしのサンバ」を歌ったり、モニカとマイクでウェディングケーキ入刀をやったりして、えんえんと続いた挙句、ようやくマイクとモニカは車に乗り込んで新婚旅行に出かけたのでありました。ちなみに彼らは大学を卒業してすぐに結婚式を挙げたという設定。またモニカは西ドイツからの交換留学生ということになっております。この設定、特に後者はあんまり映画に関係なかったりするのですが(笑)。

 LAを抜けてニューメキシコへ向う二人。まあ、モニカは新妻ですから、夜が待ち遠しいのに決まってる(オヤヂ臭い偏見)。もう運転席のマイクに「ねえーん、早く今夜のモーテルを決めましょうよう」苦笑したマイク、「まだ5時半だけど、まあ、いいか」二人の車はちょっとぼろいモーテル、「ハネムーン・イン」へ。新婚さんが「ハネムーン・イン」に泊まる、あははは、こりゃ、良いや、観客に大うけですよ、ねえ監督とか映画のスタッフがはしゃいだんでしょうなあ(笑)。ここの女主人は妙に親切です。「ああ、二号室が開いているよ、新婚さんかね、いいね、若い人は。はい、料金7.50ドル前払いね、はい、ありがとう、後でウエルカム・コーヒー持っていくから、コーヒーったって、他のモーテルみたいに淹れっぱなしで3時間ほったらかして少しすっぱくなってますなんてコーヒーじゃないよ、挽き立て、淹れ立てだよ」

 そのウェルカムコーヒーが来るのを待って、さっそくこの新婚夫婦はまだ明るいのに一回戦を開始。モニカ、思い切りよくオッパイをぽろーんと出します。むしゃぶりつくマイク、若い人は元気ですな。ここでどこかに電話を掛けている女主人。おお、ちょっと怪しくなってきました。この電話で呼び出されたらしい救急車がサイレン鳴らして走ってきます。ヤッているマイクとモニカ、ぴーぽーぴーぽー走る救急車、まだやっているマイクとモニカ、ピーポーピーポー走る救急車、おい、いつまで続けるねん!

 さて、ようやくファックを終えた二人、うとうとします。そして起きてみると既に夕陽が差しておりました。モニカは、「キャー、マイク、夕陽が綺麗よ、外に出ましょう」モニカはTシャツをさっと着て外の砂漠に飛び出します。「おおい、待ってくれよ」彼女を追いかけるマイクです。この二人、砂漠で「おほほほ」「あははは」と踊ったりするのですが、そこにいきなり救急車がやってきた。フツー、こんなところに救急車はきません、モニカは嫌な予感を覚えて、「マイク、あの救急車はヘンだわ、逃げましょう」しかしマイクはのんびりしたもの。「きっと道でも間違えたのさ、なんでもないよ」モニカ、一人で逃げ出します。

 すると救急車のドアががらりと開いて銃を持った二人の男が。彼らはマイクに飛び蹴りを浴びせて銃を突きつけると「おら、おとなしく救急車に乗らんかい!」ああ、拉致されてしまった。それをみたモニカ、悲鳴を上げて本格的に逃げ出します。救急車の二人は「おい、あの女を逃したらいかん、おいかけろ」さんざんモニカを追い回すのでした。モニカはブッシュに隠れ二人をなんとかやり過ごします。ついに彼女を諦めて走り去る救急車。

モニカは助けを呼ぶためにモーテルへ戻ります。出てきた女主人に「大変、夫が攫われたの、助けて」しかし、女主人、けげんな顔をして「あんた、誰」「誰って、私たち、このモーテルに泊まっているのよ。二号室よ、あなた、新婚さんかい、若い人はいいねって言ってたじゃないの」「知らんよ、全然知らん」半狂乱となったモニカ、自分で二号室に飛び込むのですが、ああ、なんということでしょう。二号室に彼らの荷物はまったく残されていません。女主人の言ったとおりまるっきりの空き室だったのです。

 呆然と立ち尽くすモニカ。おまけにあの忌まわしき救急車がぴーぽーぴーぽー。再び悲鳴を上げて逃げ出すモニカです。

 モニカ、窮余の一策、彼女は道路に飛び出てちょうど走ってきた16輪大型トラックに向って「止まって、お願い、止まって、助けぐしゃ」そのまま踏み潰されてしまいました・・・となっては映画が終わってしまいます(笑)。トラックは危ういところで停車。運転手のビル(ウルフ・ロス)は親切なことにモニカを乗せてくれました。がたがた震えるモニカ。彼女は何度も後ろを振り向きます。そしてビルに「ねえ、誰かにつけられてない?」としきりに聞くのでした。その様子に尋常でないものを感じたビルは何があったのかと彼女を問いただします。

 「私たち、新婚で、新婚旅行に来てたの。それでモーテルに泊まったらヘンな救急車が来て夫を攫っていった。私も追いかけられたのよ。それに、泊まったモーテルの女主人が私たちのことなんか知らないっていうの。お願い、警察に連れていって」しかしビルはこの奇妙な話を信じようとはしません。それにこのトラックはニューヨークへ冷凍牛肉を運ぶ便で余計なことをしている暇はないというのです。がっかりするモニカ。しかしビルはとりあえず彼女を近くの町まで乗せていってくれることになりました。

 途中、ガソリンスタンドのコーヒーショップに寄ってコーヒーの補給をするビル。彼はここで奇妙なものを目にします。救急車がやってきて乗っていた男がコーヒーショップのトラッカーたちに「おい、みんなラジオを聞いたか。警察が女を捜しているそうだ。Tシャツにホットパンツの軽装で、なんでも刑務所病院から逃げ出したそうだ。ジャンキーでやばいぞ」だいたい、患者の下に急行して、病院へ運ぶのが仕事の救急車。それなのにコーヒーショップにやってきて、警察が女を探しているなどという。ひょっとしたらこの救急車はテキトーに走っていて患者が出たら急行するという流しの救急車なのか(笑)。

 これでビル、ようやくモニカの話を信じたのでした。

 ビルはモニカに救急車の存在を教えて「あれが君を追いかけて来た奴かい」「そうよ、ひょっとしたらまだ夫が乗っているかも知れない」しかし、今ここで手を出すことはできそうにもありません。万が一、マイクが乗っていなかったら警察呼ばれてオシマイです。ビルのトラックも遅れることになってしまいます。ビル、とりあえずトラックを出し、交代役のロナルドが待つ地点へ急ぐのでした。ロナルドへトラックを渡したビル、モニカと共にロナルドと共用しているトレーラーハウスへ。ここでいろいろ話し合った末についにビル、モニカに協力してマイク奪回を目指すことになります。

 ちなみにこのトレーラーハウスで飼われている犬の名前が「ピカチュウ」 なんでもメキシコ風の名前なのだそうですが、ちょっとびっくりします(笑)。

 ビルは鬘で変装したモニカを連れて例の「ハネムーン・イン」へチェックイン。女主人、前と同じく「部屋は二号室だよ、7.50ドル先払いね、後でウェルカムコーヒーを持っていくから」モニカに逃げられているのだから、ちょっとは商売のやり方変えろよと思いますけど。ビルはモニカを隠すようにして二号室へ。そして敵の訪れを待つことになります。ウェルカム・コーヒーは今となっては睡眠薬が入っているのが丸分かりですから、トイレに流してしまいました。

 前回と同じく女主人がどこかへ電話。するとやってきますな、救急車が。救急車は意識を失っているフリの二人を収容してどこかへ走り去ります。しかし、その救急車を見張っていたのがビルの仲間のトラッカーたち。彼らは無線で救急車の行く先を報告しあうのでした。

 ピーポーピーポーと走る救急車の後を追っかけるトラッカー軍団。救急車の前に出るとその進路を妨害、同時に急ブレーキをかけて無理やり停車させるのです。「てめえ、何しやがる、コラ」降りてきた運転手、ピストル構えて「おら、さっさとトラックのけんかい、撃つぞ、てめぐ」逆にトラック運転手のライフルで射殺されてしまうという・・・。もう一人、救急車に乗っていた男はあっさり仲間が射殺されたので大いにびびって、「ひー、あんたら、何するんですか、私ら、ただの救急隊員ですよう」

 ここで仲間たちに救急車から助け出されたビルが尋問に加わります。彼はいきなり男をぶん殴って「そんなことはどうでもいいからさっさと白状するのだ。貴様達はどこに向っていた、この黒幕はどこのどいつだ」ビルは仲間たちに「おい、こいつを裸に剥いてトラックの冷凍庫に放り込め。5分でかちんこちんだぞ」「ひー、冷凍庫ってそんな人を冷凍食品みたいに!」5分が経過して冷凍庫から出して貰った男、かちんこちんにこそならなかったものの、全身真っ青になって震えております。これ以上やられたら適わないというのでぺらぺらと秘密を喋りだしました。「私たちはロズウェルの空軍基地病院へ向っていたんです。あそこで臓器の密売やっているんです。ジャクソン先生というのが黒幕で合言葉は肉もってきましたあなんです。ちなみに人間一人持って行くと2,000ドル貰えます」

 「私のマイクの値段がたった2,000ドル!」失神しそうになるモニカ。驚くところが違うと思いますけれども(笑)。とにかくビルとモニカは救急隊員に変装してそのロズウェル空軍基地病院へ向うこととなります。いきなり新参者が行って大丈夫かと思うのですが、さっきの男によれば「私ら、ジャクソンたちのことを良く知りません。ジャクソンたちも私たちのことをまったく知りません」なんだそうで。だから大丈夫という理屈のようです。

本当かよと思いますが。

 ぴーぽーぴーぽー救急車を走らせるビル。あっという間に空軍基地へ到着です。看護師達に元の救急隊員二人を引き渡してビル、そっと「あのジャクソン先生に肉持ってきたのですが」すると、どこそこあそこでお金受け取って下さい。ビルはモニカを救急車に残してお金を受け取りに行きます。ここでジャクソンのことを聞き出そうとしたのです。一方、救急車に残ったモニカに声をかけてきたのが女医さん。「あなた、そんなに急いでいないんでしょ、だったらコーヒーでも飲んで休憩しない」ちょっとここが不自然ですが(笑)まあ、目をつぶるということで。

 女医さんはモニカを病院の中へ。途中、親切にも臓器移植についていろいろ教えてくれます。摘出したばかりの肝臓を冷蔵パック処理している看護婦を見たりして、まるで臓器移植見学ツアーのよう。この親切さにすっかり心を許したモニカ、コーヒーを飲みながら、「あの、あたし、多分日曜にここに運び込まれた患者を探しているんです。いや、患者じゃなくって、まったく健康な人なんです。マイクといいます」女医さんはにっこり笑って「いいわ、私のオフィスで探してあげる。私の名前ジャクソン(シャーロット・カー)だから、呼び出す時はそういって頂戴」がーん、驚きのあまり立ち尽くすモニカ。あ、あたし、黒幕にマイクを探しているなんて言っちゃった。あたふたと逃げ出すモニカ。救急車で待っていたビルが「一体どこに行っていたんだ、心配したんだぞ」というのに構わず乗り込んで「早く、早く逃げましょう。私、ジャクソンに会った。ジャクソンは女医だったのよ」

 ところが二人の救急車は別の車に止められてしまうのです。降りて来た看護師は二人に、「ジャクソン先生のご指示です。ある患者に付き添ってニューヨークへ行って下さい。飛行機は20分後の離陸です。急いで下さい」ビルは真っ青になって「いや、行かん、わしら行かんよ」と首を振ったのですが、ある患者という言葉に何かを感じたモニカ、「いいわ、行きます」なんか、えらい展開になってきました。

 飛行機に乗り込むビルとモニカ。見送るジャクソン、モニカが持たされていたカルテを開いて、ばーん、あ、出してきたのはマイクとモニカのツーショット写真ではないですか。しかしジャクソンの言うことが「気をつけてね、私にはこれしかできないの。ニューヨークに行ったらセントラルパーク向かいのトーマス病院へ行って頂戴」え?ということはこの飛行機で送られる患者というのはマイクなのか、ジャクソンはマイクとモニカの関係を知ってつきそわせることにしたのか、ジャクソンはひょっとしたらモニカの味方なのか。首を捻りながら飛行機に乗り込むモニカ。もちろん、私も首を捻っております(笑)。

 離陸する飛行機。モニカは他の看護師・看護婦たちが「はいはい、あなたは席に座っていて頂戴」というのを押し切って患者達のところへ。五人ほど寝かされた患者の一人が果たしてマイクでありました。大喜びのモニカ、マイクにすがりついて「生きていたのね、無事だったのね、良かったわ」しかしすぐに看護婦達に抑えられて注射をぶすっ。眠らされてしまったのです。ビルも同じく注射を打たれてすやすや。飛行機は一路ニューヨークへ。

 しかし着陸直前に目覚めてしまうのが女の強さ。モニカ、隙をうかがってタラップがつけられた瞬間ダッシュ!止めようとした看護婦を突き飛ばして見事脱走に成功したのです。モニカは今の今まで睡眠薬で眠らされていた人とは思えない力強い足取りで空港の中を走り回ります。そしてついにトイレの窓から外へ逃げ出すことに成功したのです。彼女はそのまま列車に乗り込みマンハッタンを目指します。ジャクソンの言っていたトーマス病院を目指した彼女、病院が見えるセントラルパークへ行きましてそのまま疲れのために寝込んでしまったのでした。

 若い女性が深夜のセントラルパークに一人。しかも雨が降っている。そんな惨めな境遇の彼女に声をかけてきたのが警察の警視(ボブ・カニングハム)。彼女は彼に同行して警察署へ。そして今まであった出来事を証言したのです。

 翌朝、留置場に泊まったモニカを迎えに来た警視。「うーん、正直言って君の話はまったく信じられないのだが、目撃者と言う人が現れたんだよ」その目撃者というのがほかならぬジャクソンだったのであります。彼女は驚くモニカに「あなた、私と一緒に来なさい。ビルとマイクを助けるわよ」「いやよ、警察も一緒じゃないと行かないわ」「そんなことしたら奴らはあっという間に証拠を隠してしまう」やっぱりジャクソンは味方だったのですねえ。それでも渋るモニカにジャクソンは「急がないと二人の命が危ない」強引に連れ出してしまったのでした。

 ジャクソンはモニカを看護婦に変装させてトーマス病院へ。受付でマイクの名前を言うと、あっさり黒人の看護婦さんがマイクの病室へ案内してくれました。さらにビルも偶然見つかってしまいました(笑)。二人を救急車に運んでさあ、逃げ出そうとした時、一人のインターン(クリストフ・ラインダート)が追っかけてきます。「ジャクソン先生、あなた、何やっているんです。こんなことしたらあなたもただじゃすみませんよ」彼を振り切って救急車を発進させるジャクソンです。

臓器密売の犠牲になろうとしている男(マイク)と、それを探りにきた男(ビル)を普通に入院させるなよと思います。こんな場合、監禁しますよねえ(笑)。

 実はジャクソン先生、重い腎臓障害の息子がおりまして、ついつい、事故で脳死状態となった患者の腎臓を秘密裏に移植してしまったのですなあ。それをあのインターンに見つけられて以来三年間、臓器密売組織に協力させられていたのであります。

 この事情を説明しながら救急車を走らせるジャクソン。あ、前方で別の救急車が道を塞いでいるぞ。あのインターンが手を振って「止まれ、止まれ」言うとるぞ。何の躊躇もなく突進するジャクソン。インターンをひき殺してしまいます(大笑い)。そしてそのまま逃走。追っかけてくる敵の救急車。ジャクソンは隙をみて車を止めるとモニカ、マイク、ビルを降ろします。その後は敵の救急車と激しいカーチェイス。うわあ、本当に猛スピードで走りながら二台の救急車が体当たりをしているぞ。ニューヨークの高架道路でえらいことやってますなあ。ついにジャクソンの救急車は弾かれて下の道路へ転落してしまいました。

 ラスト、証言のためにニューメキシコへ戻るマイク、モニカ、ビル。それが終わってトラックに乗り込むビルを見送るマイクとモニカ。エンドクレジットであります。

いやー、本当に冒頭は調子が良かったのですがねえ。空軍基地へ乗り込んでからの奇妙な展開で訳が分からなくなってしまいます。特にジャクソン先生、味方するならするでもうちょっと上手くやってくれないと困るのです。だいたい、モニカが飛行機が脱出できなくてそのまま病院に運ばれたらどうするつもりだったんだ?

カラー、スタンダード。モノラル音声。画質はこのボックスセットとしてはましなほうでしょうか。音質も歪みがありません。13枚組みのDVDボックスセット50 Movie Pack: Drive-In Movie Classics の一本。Digital 1 StopDVD

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2007年7月 6日 (金)

『The Day the Earth Caught Fire』(1962)

 

The Day the Earth Caught Fire』(1962

核実験の影響で地球の軌道が変わって太陽目掛けて一直線!地球の気温が急上昇、出てくるキャラクターが全部汗まみれになるという大変暑苦しいSF映画であります。

警告、警告、このDVDのリージョンは1です。したがって日本国内のDVDプレーヤーでは再生できません。警告、警告。

冒頭映る赤茶けたロンドン。汗まみれで街をさ迷う男、ピーター・スタニング(エドワード・ジャド)。彼は新聞社のオフィスらしきところに入ってタイプライターを使おうとしたのですが、「あかん、これ、壊れとるわ」彼は電話を取り上げ交換室のジェニー(ジャネット・モンロー)に連絡します。「ジェニー、そっちで使えるタイプライターないか、記録を残すのや」ジェニーはこの通話をタイプライターが使える男に繋ぎます。そして電話口に向って話し始めるピーター。「後30分で最後の爆弾が炸裂や、これが人類の終わりになるか、それとも新しい歴史の始まりになるのか、誰にもわからへん。全ての始まりは90日前のことやった」

 ここからぱっとモノクロ画面に変わってお話の始まり。南極から60マイルの地点でアメリカによる核実験が行われました。その後太陽黒点の異常活動による航法装置のトラブルが続発します。これが核実験と関係あるのではと睨んだフリート・ストリーツ・ディリー・エクスプレス社の新聞記者ピートは気象庁のサー・ジョン・ケリー教授(オースティン・トレバー)に突撃取材を敢行せんと電話で申し込みます。この電話を取ったのが交換嬢のジェニー。「ジョン・ケリー教授に直接つないでんか」といういささか図々しいピートの申し出に「あきません、直接繋げないことになってます。記者室に繋ぎますから、そっちで一度申し込んでください」「ナニー、このアマ、おとなしくジョン・ケリーに繋がんかい、やい、わしゃ、ピート・スタニングじゃ、繋がんと口に手ェ突っ込んで奥歯がたがた言わせるど!」「繋げないものは繋げないんです。あんた、いい加減にしなさい」電話を切られてしまいました。

 憤然となったスタニング、直接気象庁に乗り込みます。そしてジョン・ケリー教授の秘書、ハルロイドに「この黒点異常は核実験と関係あるのやろ」と詰め寄ります。ハルロイドは「ピート、そんなの関係あらへん、これはまったくの偶然じゃ」「ええい、お前じゃ埒があかん、教授に会わせんかい」「こら何をするのや」しかし、ピート、結局教授には会えず追い出されてしまうという。彼はその後隙をみて教授の部屋に飛び込むのですが、ここでも相手にされず、「核実験やらいうのはやめておとなしく出ていきんさい」「ちょっ」舌打ちしたピートは他社の記者が情報持っていないかとプレスルームへ。

 そこで出合ったのがタイプライターの掃除をやっていたジェニーでした。ピート、彼女がさっき電話口で怒鳴りつけた相手だとは夢にも思わず、いつもの癖で「はーい、わし、ピート。フリート・ストリーツ・ディリー・エクスプレスの敏腕記者。良かったら茶ぁせえへん?」ジェニー、その名前を聞くなり「ウチが電話の相手よ」と激しいパンチをピートの顔面にたたきつけたのでした。目に大きな青あざを作ったピート。「取材を断られるわ、女には殴られるわ、わし、散々やわ」

 さて、ソ連がシベリアで世界最大規模の核実験を行ったというニュースがフリート・ストリーツ・ディリー・エクスプレス社に入ります。それがなんとアメリカの実験とほぼ同時だったというのですから、偶然にもほどがある(笑)。

 ピートはカメラマンを連れてロンドンの中心部で行われた大規模な反核運動のデモを取材します。ここに「核爆弾は平和を維持する!」「反核運動に反対する!」「核爆弾万歳!」「私は核爆弾でアトピーが治った!」「私は核爆弾で素敵な彼氏ができた!」等々のプラカードを掲げた「核推進団体」が乱入してきます。たちまち各所で起こる乱闘。ピート、興奮して、「これじゃ、特ダネじゃ」と叫ぶのですが、TVの中継車のカメラマンが「あ、大変だ、太陽を見ろ」なんと予想より10日も早く日食が起こったのです。

 世界各地で異常気象が起こるわ、日食が早まるわ、やっぱりこれは「核実験のせいじゃ」と盛り上がるフリート・ストリーツ・ディリー・エクスプレス社の面々ですがテレビのニュース番組に出演したジョン・ケリー教授は「この日食は核実験と関係なんかありまへん。そんなのナンセンスだす。みなさん、何も心配することはありませんで」

 しかし異変は終わりません。ブライトンの気温は摂氏35度。街にはビキニのような、一歩間違えたら捕まってしまいそうな薄着の女性があふれ男性どもの目を楽しませております。街で目をさらのようにしてビキニ女性を見ていた男は「うひひひ、たまりませんな、こうなると異常気象もええものですな」とやに下がっております。海水浴場も大混雑。そんな中遊園地で息子のマイケルと遊んでいるピート。実はピート、奥さんと離婚しておりまして、マイケルとはたまにしか会えないのであります。目一杯遊んでマイケルが帰っていったあと、遊園地をぶらぶらするピート。そんな彼の目に止まったのは芝生の上で日光浴しているジェニーだったのです。

 「この間はどうもすんませんでしたなー、堪忍してくださいや」と男らしく謝罪するピート。この態度にジェニーの怒りもほぐれて二人はたちまち仲良くなるという・・・。しかしこの時、またも異変が発生。テムズ川に濃霧が発生したのです。この霧がたちまちロンドンを包み込んでしまい大混乱となります。ピートとジェニーは帰ろうとするのですがバスはストップ、あちこちで事故が発生して大渋滞。地下鉄も霧が構内に入り込んで動きません。こりゃとても社まで帰れないということでピート、歩いていける範囲にあったジェニーのアパートメントで電話を借りることになります。こりゃ良いチャンスじゃ、いろいろせずにおくものか、ピート、部屋に入るなりジェニーの肩に手を回そうとしたり、キスをしたりしようとするのですが、あっさりとかわされ「電話したらとっととかえんなさい。まあ、コーヒーぐらいは飲ませてあげるわ」なんて言われてしまうのでした。

 その頃フリート・ストリーツ・ディリー・エクスプレス社はこの霧についてまたまた大騒ぎ。記者のビル(レオ・マケイン)が「編集長、これはただの霧と違いまっせ。水蒸気や」「水蒸気ってあれか、機関車の煙突からもくもく出る奴か。阿呆、この霧、ビルの4階まできとるのやど、そんな水蒸気があるかいや。お前、テムズ川が風呂になったちうんか」「あれですよ、編集長、核実験で南極の氷が溶けたのや、その水蒸気がロンドンまできたのや」さらにビルは驚くべきことを話します。「わて、考えたんやけど、これ、地球が」ビルは地球の地図をぱんぱん叩きながら「地球の地軸が核実験のショックで傾いたのと違いますか」おー、なんだかえらいことになりましたなあ。

 ロンドンの大混乱は今だ収まりそうにありません。自分のマンションに帰れないピート。図々しくもジェニーの部屋に泊めて貰うことになります。「泊めてくれるちうんやから、やってもええよと言われたも同然じゃ。こうなったら男ピート、いろいろやらずにはおくまいぞ」ニヤニヤしながらジェニーの部屋に入りますが、彼女は枕とパジャマを渡して、「あんたはバスタブで寝るの!」だって。ピート、「コンチクショー」と叫びます。

 さて、ふて腐れてバスタブで寝ているピート。そこへ新聞社から電話がかかってきます。ジェニーに呼ばれてバスルームから出てきたピートが電話を取ると、「おー、君な」ビルであります。「明日一番で気象庁に行ってな、流氷のデーター貰ってきてくれへんか」電話を切ったピート、「わて、何やこきつかわれるなあ」しかし、この電話がきっかけとなって、ついにジェニーとキス、ベッドインと相成ったのでありました。

 ピートとジェニーが「オウオウオウ!」「アイム・カミング・アズ・ユー・アー・ソー・ナイス!」などと叫びながらベッドで大汗かいている頃、ロンドンに次なる異変が。激しい雷が鳴ったかと思うと台風もかくやという大風。車は飛ばされロンドン名物の二階建てバスは転倒、傘持って歩いていたおっちゃんが風に煽られてメアリー・ポピンズのように舞い上がります。おっさんを見た旅客機のパイロット、びっくりしてがらりと操縦席の窓を開け「おっさん、どこ行きまんねん」「分からん、この傘に聞いてんか」念のために言っておきますが、これはギャグですからね、実際の映画にこんな場面ありませんからね。

 一夜明けたロンドンはもうぐちゃぐちゃ。そんな中新聞社に意気揚々と出社するピートですが、編集長からは「お前、昨日どこにいたのや、まさか飲んでたんやあるまいな」ビルからは「ピート、流氷のデーターは、何、ない?え、自分の女に取りに行かせた?阿呆、自分でやらんかい」と言われてムッとしております。そんな中ジェニーから電話。「流氷のデーター手に入った?」と聞くピートに公衆電話ボックスのジェニー、「電話では話せないことが分かったんよ、ランチの時に会って話すわ」

 このジェニーは交換嬢、仕事をやっている時についついお偉方の秘密の会話を聞いてしまったのですな。この情報を人目につかぬよう遊園地の観覧車でジェニーから聞いたピート、「これは秘密にしといてね、記事にせんといてね」と懇願する彼女の言葉に「ええよ」と頷くのですが、次の場面ではもうビルに話しているという・・・(笑)。ビル、ピートから渡されたメモを読んで驚愕します。「うわ、こら、えらいこっちゃ、わての考えがあたっとるやないか、地球の地軸が傾いとるやんけ!」はい、さっそく新聞の一面を飾る大ニュースとなりました。

 「えらいこっちゃ、地球がひっくりこけるで! 赤道動きよるわと科学者が言いはった!」

 これで世界は大騒ぎ。ジェニーは守秘義務違反をしたということで可哀想に捕まっちゃった。知らせを聞いて駆けつけてきたピートの前で警察官に連行されてしまうのです。「あんた、嘘つき、あんたのせいやで」とジェニーは叫びます。まあ、もっともな文句ですな。

 英国政府は急ぎ公式のコメントをラジオを通じて発表します。「地軸が傾いたというのはホンマです。しかし核実験との因果関係はよう分かりませんわ。。また地球の歴史上、地軸が変化するのはこれが初めてじゃおまへんで。そりゃ、暑いところが寒くなったり、寒いところが暑くなったりするかもしれまへんけど、科学者の皆さんがいい考えだしてくれますわ。それに東西両陣営も核実験やめると言うてはります」なんか安心できない発表だよなあと英国民の76パーセントが思ったとか(笑)。その不安を裏付けるかのように大火事が起こるのでした。旱魃もおこり、やせ衰えた牛が次々と死んでいく嫌な絵も流れます。ロンドンでも水が配給制となり、市内の公園に共同シャワーが建設されます。

 一方、ジェニーの立場は微妙。新聞でも「ヒロインか、それとも裏切り者か、どないだ」なんて書かれております。ピートはビルに「彼女を助けるため、弁護士雇いたいんですわ」と相談しますが、「悪いことは言わん、やめときなはれ」と突き放されるばかり。しかし、ついにジェニーが無罪放免、釈放される時がやってきたのです。気象庁の仕事は首になってしまったのですが、そこで手を差し伸べたのがビル。ピートにあんなことを言っておきながら、無職になった彼女を新聞社で雇うよう働きかけたのです。

 そうこうするうちに地球の気温はどんどん上がっていきます。メキシコなんか摂氏70度近くですよ。もうみんな死んじゃいますよ。そんな中モスクワからさらに悪いニュースがもたらされます。科学者たちが「地球の地軸が傾いただけじゃありまへん。軌道も変わっとります。地球はこのまま太陽に突っ込みますわ」ピートとジェニーは仲直りしたけど、地球が太陽に衝突したらもうどうしようもありません。

 ロンドン市内の公園に設けられた共同シャワー場で田舎に疎開する息子マイケルに別れを告げるピート。別れた妻のアンジー(レネ・アッシャーソン)も、今の夫もこれまでのわだかまりをすててピートと握手するという感動場面。しかし、その背後ではシャワーで水を汲もうとした市民と警察官が「わての体を洗った水を貰っていくのやで、ええやないか、そのくらい」「シャワーにバケツもっていくのがそもそも禁止なのじゃ」と大乱闘。感動を台無しにしております(笑)。

 この危機を打開すべく世界各国が協力してシベリアで今までの最大規模の核爆弾を爆発させることになります。このショックで地球の軌道を元に戻そうという計画であります。

 その頃ロンドンの若者達はもうやけのやんぱち。車をひっくり返したり貴重な水をばしゃばしゃかけあったりのらんちき騒ぎ。あろうことかジェニーのマンションが襲われて、ジェニー、若者達に風呂に入れられてしまうという・・・。今ひとつ意味が分からないけれども、この危機に立ち上がったのがピート。彼はジェニーのマンションに急行すると「何時までもお前らの好き勝手にさせん、正義は必ず勝つ!」と叫んで若者達をたたき出してしまうのでした。たたき出された若者が一人、エレベーターシャフトに落っこちて「ぎゃああああ」ピート、そんな悲鳴を歯牙にもかけずジェニーとひしと抱き合うのでした。

 ここで画像が冒頭場面と同じように赤くなります。ピート、ビル、ジェニーの三人は行きつけのバーで核爆弾炸裂の瞬間を迎えます。幸運を祈って乾杯した直後、爆弾が炸裂。さすが史上最大規模のウルトラ核爆弾、シベリアで爆発したのにその振動が地震になってロンドンへ伝わったのです。この後、冒頭場面に戻って電話に語りかけるピート。「爆弾が成功したのか、失敗したのか、まだわからへん」ここで新聞社の印刷所が映ります。「人類は救われた、爆弾成功でっせ」、「人類はアカン、爆弾失敗や!」という二種類の紙面が作られているのが上手いですな。

 なおも続くピートの語り。「成功か、失敗か、人類は滅亡か、でもわてはどんな運命でも受け入れまっせ」教会の鐘がごーん、ごーん。結局人類の運命がどうなったか曖昧にされたまま映画は終わります。

 目だった特撮はロンドンを覆う霧ぐらいでじつに地味な映画であります。映画の中で都合三発も核爆発させるのですから、その場面を入れて欲しかった。まあ、どうせ流用フッテージでしょうが(笑)。

 モノクロ(一部赤の特殊効果)、スクイーズのワイド収録。モノラル音声。画質は悪くないのですが、輪郭強調が目立ちます。音声は非常にレベルが高い。台詞が聞き取り易いです。クローズドキャプションの英語字幕付。アンカーベイのDVD

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『Legacy of Blood』 1978年

 

Legacy of Blood』 1978

 ジョン・キャラダインが出てくる映画なのでロクでもないことは分かっているのですが、それでもこれはちょっと酷すぎる。え、みんあ、もうちょっと真剣に映画作ろうよ、映画ってのはテキトーにカメラ回してりゃできるってものじゃないんだよ。

いきなり真っ赤ッ赤の画面に豪勢なお屋敷、そしてタイトルが出ます。この屋敷に集まっているのは因業な大金持ち、クリストファー・ディーン(ジョン・キャラダイン)の息子、娘たち、それと彼に長年使えてきた使用人たちであります。弁護士が到着し、6ヶ月前に立会人を交えて作製した遺言のテープを皆に聞かせるのでした。「君たちがこれを聞くときは私はすでにあの世へ旅立っているだろう。さて、今君たちが一番気になっているであろう私の遺産の相続について話そう。私の可愛い娘たち、息子たち、グレゴリー(ジェフ・モロウ)、ベロニカ(フェイス・ドマーグ)、ジョニー(リチャード・ダヴァルス)、レスリー(ブルック・ミルズ)、私の財産は君たちに均等に相続させる。ただ、この相続には条件がある。今この瞬間より一週間きっかりこの屋敷に留まること。外にでたりすれば相続の権利は失われ、その財産は残りのものが同じように均等に相続することになる。そして、もちろん、死んだりした場合も同じだ」

 あ、だんだん遺言が怪しくなってきた(笑)。

 「不幸なことに君たち全員が死んだ場合、私の財産は家の使用人たちが相続することとなる。ではさらばだ、これが本当の別れだな、アハハハハ」もうですね、「殺し合いをしなさい」といわんばかりのひどい遺言ですよ(笑)。4人の兄妹たちはその嫁や旦那まで含めて「ンマー、なんてことざんしょ」と憤慨するのですが、やっぱり財産は大事。ぶつぶつ言いながらも屋敷に留まることになったのでした。

 ちょっとここで兄妹の嫁・旦那、そして使用人たちを紹介しておきましょう。グレゴリーの嫁、ローラ(メリー・アンダース)、レスリーの夫で医者のカール(ジョン・スミス)、そして執事のイゴール(バック・カルタリアン)、メイドのイーガー(アイヴィー・ベスーネ)、運転手のフランク(ジョン・ラッセル)・・・。ふう、こんなに人が多いと名前を聞き取るだけで一苦労です。

 ここからぐたぐた夫婦や兄妹の会話が続きまして、ジョニーがみんなから憎まれていること、レスリーは彼のことで深刻なトラウマを負っていていまだに精神的に不安定なことなどが次第に明らかにされます。でも会話がたいくつではっきり言ってものすごくつまんないです(笑)。

 それがようやく終わって事件が起こります。グレゴリーとローラの飼い犬、チンが庭に逃げ出したのです。犬を追いかける二人、あ、奥さん、奥さん、下着姿で庭に出られては困りますよ!二人は庭の池を見て悲鳴を上げます。そこにチンの死骸が浮かんでいたからです。私も悲鳴を上げました。なぜなら浮かんでいるのがまるっきりのぬいぐるみだったからです。しかもチン、白い犬なのに茶色のぬいぐるみなの(大笑い)。いくらジョン・キャラダインが出ている映画でもこのくらいのことは気をつけてくださいよ!下着姿のまま池にじゃぶじゃぶ入っていて犬(ぬいぐるみ)を抱き上げるローラ。

 えー、犬が池に嵌って死んだくらいでこいつらは保安官を呼びやがります。やってきた保安官のダン(ルドルフ・アコスタ)はローラの訴えを聞いて庭を見回るのですが、内心「犬くらいのことで呼ばんといて欲しいわ、わて、二人の助手だけでこのあたり一帯受け持っているのやで、ほんま忙しいんや」と思っているという・・・。その彼の背後から迫る斧。保安官、絶対のピンチかと思いきや、ここで魂切る悲鳴。保安官、何事ならんと駆け出します。斧、空振りです(笑)。

 この悲鳴の主はレスリー。悪夢を見て叫んだのだそうです。がくっとずっこけた保安官、「わて、もう帰りますわ」外へ出て車に乗り込もうとすると背後から迫る影、今度こそやられるぞと思いきや、それは執事のイゴールだったのであります。イゴールはびっくりした保安官に「犬可哀想だから埋めてやろうと思って」ほっとした保安官、車のエンジンをスタートしようとさせるのですが、どうしたことか掛からない。「もうなんだってんだ、コンチクショー」ボンネットを開けて調べ始めた保安官の背後に迫る影、三度目の正直、間違いなくやられるぞと思いきや、それは運転手のフランクだったという・・・。何回同じことやりゃ気が済むんだよ。保安官、フランクに車を直して貰うのでした。

 さて、犬を殺されたグレゴリーとローラ。台所で冷蔵庫から銀紙かぶせた大きなハムを取り出します。それをむしゃむしゃやりながら「犬を殺したのはジョニーかしら」「いや、そんな度胸、あいつにはないよ」という会話を交します。

 車で走っている保安官、道路を塞ぐように乗り捨ててある乗用車を見つけて舌打ち。降りて自動車をどかそうとします。その背後に迫る影。ははあ、今度はメイドのイーガーあたりかなと思っていたらこれがホンモノ、斧が振り向いた保安官の顔面にめり込みます。この殺害の瞬間がストップモーションになる演出が実にとんでもなく、ダサい(笑)。

 この後ベロニカとレスリーの夫カールが長い会話。「ジョニー、こっちへきて」と呼ぶレスリー、ふらふらとその声に引き寄せられるように歩くジョニー、「貴様、何やっている、そこから出て行け」と怒鳴るジョン・キャラダインという場面がオーヴァーラップします。ということはレスリーとジョニーは近親相姦的な関係にあったということかな、なんかよく分かりません。この会話で腹をすかせた二人、台所へ行ってまた銀紙かぶせたハムを取り出します。ハムが好きですな、この人たちは。その銀紙をぱっと取ると、はい、出てきたのはハムではなくて先ほど殺害された保安官の首でした。

 これでみんな大騒ぎ。通報しなくちゃということになるのですが、何故か電話が通じない。じゃあ、車で町に知らせにいこうとグレゴリーが叫ぶのですが、この時ガレージから戻ってきたフランクが「駄目っすよ、誰かが車からディストリビューター盗みやがったんです。これじゃ動きません」なんということでしょう、彼らはこの屋敷に閉じ込められることになったのです。しかも保安官を殺した殺人鬼がいる、それはもしかしたら身内の誰かかも知れないという大変な状況になった訳です。

 ところがみんなのんびりしたもの。グレゴリーとローラはパジャマに着替えて歯磨きしながら「犯人は誰かしら、ひょっとしたらこの家の誰かかも知れないわよ」「よしなさい」なんて言っております。まったく緊迫感がありません(笑)。

 ここで生前のジョン・キャラダインの異常な性癖が暴露されます。彼は愛用の杖でジョニーを庇うイゴールの背中を滅多打ちにしていたのです。笑いながら。イゴールに猿のカッコをさせて猿回しプレイを楽しんでいたのです、笑いながら。な、なんじゃ、こりゃ。杖で殴られたイゴールの傷は今だ癒えておらず彼はイーガーに手当てして貰っているのですが、何故かジョン・キャラダインの杖を手放そうとはしません。それどころかイーガーに「これでぶってくれない」と頼む始末。イーガー、「馬鹿をおいいでないよ」と逃げてしまいます。一人になったイゴール、壁にかけてあった鞭をとってワハハハと笑いながら振り回すのでした。フツー、こういう場合、杖を振り回しませんかねえ、なぜわざわざ鞭に持ち替える必要があるのでしょうかねえ(笑)。

 ジョニーもまたジョン・キャラダインによる虐待のトラウマに悩まされております。時々思い出しては「きいいい」と錯乱しております。こういうのを「思い出し笑い」ならぬ「思い出し錯乱」と申します。

 そのジョニー、「思い出し錯乱」が収まった後フランクとビリヤードをプレイ。フランクは「そろそろ腹が減ったな、そうだ、冷蔵庫にハムがあった、あれでハムサンドを拵えよう」ってまたハムかよ、これで三度目だよ、お前らどんだけハムが好きなんだよ(大笑い)。

 フランク、冷蔵庫からまた銀紙かぶせられたハムを取り出します。ジョニーは保安官の首のことを思い出して気持ち悪そうな顔をしています。フランク、にやっ笑って銀紙とるとわー、今度はカールあたりの生首がなんてことはなくちゃんとハムが乗っかっていましたとさ。

 さて、休む暇もなく次の殺人が起こります。グレゴリーとローラの夫婦がベッドに入って「おやすみなさい、ダーリン」「お休み、おまえ」グレゴリーがベッドサイドのランプのスイッチを切ろうとして手を伸ばした瞬間、びびびび、感電してしまったという・・・。電流はグレゴリーを通してローラにも流れます。二人の「しーびれちゃった、しーびれちゃった、しーびれちゃったよ」という悲鳴にみんな集まってきたのですが、どうすることもできません。結局グレゴリーとローラ、電流をこってり流されて感電死してしまったのです。

 二人の死体をガレージに運び込んで、対策を練るカール、ジョニー、フランク、ベロニカの面々。カールが「ここはどうやっても町に知らせに行かなければならん。誰か行かないか」しかしフランクは冷たく「あんた、町に行く奴こそ犯人ですぜ。暗い中歩いていてもやられる心配がないのは犯人だけなんですから」 その通りでカールの提案はあっという間に却下されてしまいます。その後ジョニーがおかしくなってカールに「お前の奥さんは俺が先にものにしたんだぜ」と言って殴りあいになりそうになったり、ぐたぐたしたちっとも面白くない場面が続くのでした。実際、つまんなくって、たまらないですよ、こんな映画。

 ジョニーはまたも「思い出し笑い」ならぬ「思い出し錯乱」 あ、こいつレスリーとキスしてやがる。ということはやっぱり近親相姦だったんだ、こいつら。妹萌えをリアルでやっちゃ洒落にならんぞ。

 この後もだらだらとした会話が続きます。酒を飲んで「きいい」と「思い出し錯乱」しているジョニーをヘルガが慰めます。「この家は昔は愛の家でした。奥様はそりゃお綺麗で旦那様と愛し合っておられた。あなた方は本当に可愛い赤ん坊で、輝くようなご家族でしたわ。しかし」表情を厳しくするヘルガ。「それがいつの間にか憎しみの家になってしまったのです」ジョニーは涙をぽろぽろこぼしながら「なんだよう、それじゃちっとも慰めにならないよう」次にやってきたベロニカ、ジョニーに「これが終わったら私たち大金持ちよ」と意味深なことを言います。驚くジョニーでしたが、これは別にベロニカが犯人だということはなさそうで、ただ言ってみただけらしい。意味深に聞こえてその実、ちっとも意味のない台詞だったのです。

 そのベロニカ、フランクの部屋に行きまして、この部屋というのがナチスグッズで一杯という・・・(笑)。しかもランプシェードはフランクの手作り。ドイツ兵の皮っすよ。もうみんなこの家の奴ら、おかしいよ。ベロニカ、フランクに「私をここから連れ出して、車の部品が盗まれたというのはウソでしょう」とすがりつきます。しかしフランク、彼女をぱっと突き放して「そいつはできねえ相談だ、本当に部品は盗まれたんだ、何もウソは言ってやしませんぜ」これもあんまり意味のない場面だなあ。だいたい、ベロニカとフランクの絡みってここだけなんだもん。

 いい加減いらいらしてきたところでようやっと進展が。ジョニーがカールの隙をついてレスリーの寝室に忍び込んだのです。レスリーは彼を抱きしめて「ここから逃げましょう、チャンスよ」キスしようとするのですが、ここでジョニー、またも「思い出し錯乱」 うきいいいとレスリーを突き放し部屋から出て行ってしまったのです。その彼を追う斧を持った人物のシルエット。気配に気づいてジョニーが振り返ったところを斧がどすっ。「ギャーッ」はい、殺されました。この悲鳴を聞いてジョニーを探しにきたレスリー、プレイルームを覗いてびっくり。熱帯魚の水槽の中にジョニーの死体があったからです。「ひーっ」あまりの恐怖に外へ駆け出すレスリー。彼女を追ってカールも飛び出します。

 逃げるレスリー、しかし彼女が見たものは拳銃を構えた謎の人物。ズドン、ピストルが火を噴いて弾がレスリーの額に命中。即死です。駆けつけてきたジョニー、レスリーの死体をみて呆然。彼はそばに落ちていた銃を拾い上げるのです。しかしこれがまずかった、集まってきたフランク、ベロニカは彼がレスリーを射殺したのだと思い込んでしまったのでした。「そんな馬鹿な、なぜ自分の妻を殺さなければならないんだ」と抗議するカールですが、フランクは冷たく「だって死体があるんだもんね、お前、拳銃持っているんだもんね、理屈なんかいらないもんね」哀れカール、椅子に縛り付けられて小部屋に閉じ込められてしまったのです。

 ちなみに熱帯魚の水槽の中のジョニー、魚に齧られて骸骨になっております。一応ピラニアのつもりなのでしょうが、泳いでいる魚はどうみたってオスカーなんですけどね(笑)。そりゃオスカーは肉食の魚だけど、人間を骨にしたりはしませんやね。

 さてカールが閉じ込められた部屋のドアがそっと開かれて何者かが大きめの壜を置きます。その中身は無数の蜂。舞い上がった蜂は嬉しそうにカールにとりついて刺しまくり。「うぎゃあああ」物凄い悲鳴を上げるカールです。駆けつけてきたフランクとベロニカ、ドアを開けて中をちょっと見るなり「やべっ」ドア閉めてしまいました。そりゃ、蜂が怖いのは分かるけど、まだカール生きているんだよ、「ぎょえええ」と悲鳴を上げているんだよ、そのままドア閉じて知らん顔というのはいくらなんでもひどいんじゃありませんか(大笑い)。

 さて、この時点で映画の残り時間は9分と少々。殺人鬼の正体は一行に明らかにされません。こんなことでラストまでに間に合うのでしょうか、ちょっといやな予感がしてきました、まさか、ジョン・キャラダインが生きていて、彼が殺人鬼だって言うんじゃないだろうな、そんなことになったらただじゃおかねーぞ!って本当にキャラダイン生きていたじゃないか、コノヤロー(大爆笑)。唖然とする登場人物たち、ジョン・キャラダインは走って地下室へ逃げ込みます。後を追ったベロニカ、フランク。「お父様、なぜこんなことを!」ジョン・キャラダイン、ぜいぜい言いながら「お父様とか呼ぶな、コノヤロー、お前らは俺の子じゃないのだ。だいたいわしは子種がない体質だったのだ」「ええっ!」いきなり明かされる驚愕の事実に立ち尽くすベロニカ。「それなのにお前達の母親はぽこぽこ4人も子供作りやがってバカヤロー。だから死んだフリしてお前達を殺したのだ」「そ、そんな馬鹿な」いきなりここで地下室の棚が倒れてきます。「わあ」「ひいい」「キャーッ」三人はぐしゃっ、棚に押しつぶされてしまいましたとさ。

 この棚を押したのがイゴールとイーガー。なんとイゴール、キャラダインの正体、計画を知っていたのであります。しかしイゴールもイーガーに毒入りのクッキーを食べさせられて「なぜ、何故なんだ」と呟きながら死亡。たった一人残ったイーガー、にやっと笑ってピアノを弾く場面で映画はおしまい。

 ああ、本当に訳がわからん。それに音が悪くって台詞聞き取れねー、もう本当にいやになりました。

カラー、スタンダード。モノラル音声。画質はノイズまみれ。色の滲みも酷いです。音は歪みが酷くって台詞が聞き取れない!13枚組みのDVDボックスセット50 Movie Pack: Drive-In Movie Classics の一本。Digital 1 StopDVD

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『ワルプルギスの夜/ウルフVSヴァンパイア』(『The Werewolf vs. Vampire Women』 1971年』)

 

『ワルプルギスの夜/ウルフVSヴァンパイア』(『The Werewolf vs. Vampire Women』 1971年』)

 狼男対吸血鬼、これだけ見るとどんな面白い映画かと思って期待して見たのですが、まあ、おそまつものでした。もう400本以上この手の映画を見ていい加減分かっているのですが、いまだ、あらぬ期待を抱いてしまう、やっぱり私はこういうのが好きなのです。

夜の墓場・・・かな、イヤ何しろこのDVDは画質が極端に悪くことに暗い場面だとつぶれて何が映っているのかさえ、よく分からんのです。だからちょっと我慢してくださいや。出てきたのは検死医のハートウィグ先生(ジュリオ・ぺナ)と墓守のミュラー(ベルナビ・バルタ・バリー)であります。夜中に働かされるミュラーは不満たらたら。「こげん夜中に検死やらせんでいいやなかですか、明日まで待てんとですかねー」ハートウィグ先生はなだめるような口調で「ばってん、マリブ警視がなるたけはよう結果が知りたいちいいよるったい。あれが本当に狼男かどうか」ここでぷっと吹き出すハートウィグ先生。「だいたい狼男やら、どこの田舎者がいいようとか、今の世にそげんものがおる訳なかろうが、まったく」ミュラー、きっとなります。「先生はそげん言わっしゃるばってんが、おいは犠牲者の死体を見たとですたい。ずたずたにされてまったく惨か死体でした。おいは気持ち悪くなったとですたい。あれは絶対狼男に決まってます」

 二人はその狼男とやらの死体が置かれている安置所へ入ります。死体の名前はワルデマール・ダニンスキー(ポール・ナッシー)と言いまして外見は普通の人間とまったく同じ。彼は狼男の時に銀の弾丸で撃たれて殺されたというのですが・・・。ハートウィグ先生はにやにやしながら「ホンモノの狼男なら銀の弾丸を取り出したら蘇るっちゃろう。すぐ弾丸ほじりだしちゃるたい」メスを持ってダニンスキーの銃創をぐしゅっ。弾丸を取り出します。しかし死体に変化はなし。「ほうら、狼男やら迷信ていうたろうが」ハートウィグ先生、得意そうに言うと煙草を取り出して一服するのでした。

 まあ、このまま何事もなく終わると映画になりませんから(笑)、当然狼男復活。満月がぱっと映るとダニンスキーの顔がだんだん毛深くなってきて「ウォーでがんす、ウォーでがんす」「わあ、なんや、これは」「本当の狼男ですたい、蘇ったとですたい」狼男は二人に飛び掛ってずったんたんのぎったんたんにしてしまいましたとさ。そのまま外に飛び出る狼男。森の中でこんな夜更けなのにふらふら歩いている女を見つけます。当然、「ウォーでがんす、ウォーでがんす」女を襲って殺してしまったとさ。ここでタイトルが出ます。

 オープニングクレジットの間にもう一件怪事が勃発。石の棺桶の蓋がずるずると滑って開いてはい、女吸血鬼の登場。とここで上から狼男が転げ落ちてきます。この後、「ウォーでがんす」「何ざます」と狼男対女吸血鬼の戦いが始まるのかと思いきや狼男あっさりと逃げてしまいました。

 さて、オープニングクレジットが終わって映ったのが本作のヒロイン、エルバイラ(ギャビー・フュークス)であります。ライターである彼女は何でも17世紀フランスにいた魔女、ワンデッサ・ダバラヴィル・デ・ナダスディ女伯爵のことを研究しているそうな。いろいろ調べた結果、彼女の墓のだいたいの所在を突き止めた、それで友人のジェネビー(バーバラ・キャペル)と一緒に明日車で調査旅行に出発することになっていたのです。彼女は一緒に行きたいけどイスタンブールに出張しなくちゃいけないからと残念がるボーイフレンドに別れを告げて意気揚々車に乗り込みます。

 魔女ワンデッサは若さを保つために処女の生き血を吸ったと言われております。彼女は吸血鬼だったのです。彼女は大勢の処女を殺した挙句、胸に銀の十字架をつきたてられて死んだのでした。

 ところがこの二人、あっという間に道に迷いよる(笑)。「もーどうすんのよ、暗くならないうちにレイシャック村に着かなくちゃ大変よ」ハンドルを握っていたジェネビーに文句をいうエルヴァイラです。「ドラキュラ伯爵が出てきて、我が城へおいでなさいって言うかもね」「やめてー、そんなこと言うの」二人は倉庫らしき建物を見つけます。「あ、あそこに人がいるかも知れないわ、道を聞きに行きましょう」車を降りるエルヴァイラ。建物まで行って「すみません、誰かいませんか」と声をかけます。しかし誰も出てこない。エルヴァイラ、建物の中に入って「すみません、誰かいませんかー」とたんに蜘蛛がぽとりとエルヴァイラの腕に落ちてきた。「ひいいい」大げさに怖がるエルヴァイラ、お前は焼津の半次かっての(笑)。

 そうこうするうちにやっと人に出会ったエルヴァイラ。その人とはああ、ワルデマール・ダニンスキー(ポール・ナッシー)ではありませんか。狼男、こんなところに隠れていやがった。しかしエルヴァイラ、ジェネビーは彼の正体を知りませんから「私の屋敷へおいでなさい。そこから村に送らせましょう」というダニンスキーの誘いにあっさりと乗ってしまうのです。おまけに「私はフランスの教会の歴史を調べております。私もライターなのです」という物凄い偶然(笑)。エルヴァイラは彼にワンデッサの墓の調査を手伝ってくれるように頼んだのでした。

 夕食の席でこの誘いを受けたダニンスキー。ワンデッサの名前を聞いたとたん、ほんの一瞬凄い表情を見せる演技がよろしい。

 ダニンスキーにあてがわれた部屋で眠りにつく二人。ところが真夜中にドアのノブがゆっくりと回って入ってきたのが若い女。女は「すぐここから出て行くのだー」と言いながらエルヴァイラの首をがっ。エルヴァイラ、絶対のピンチと思いきや、ダニンスキーに助けられるのです。ダニンスキー、「詳しいことは明日説明しますが、今の女は私の妹エリザベスです、ちょっとあれは頭がクルクルパーなのです。だからどうか勘弁してやって下さい」殺されかけたのに勘弁なんかできるかと思うところでありますが、すでにこの時点でダニンスキーに好意を持っていたエルヴァイラ、彼の頼みを受け入れるのでした。

 ダニンスキーが翌朝説明したことによりますと、エリザベスは彼らの父親の死に大ショックをうけてあんなふうになってしまったのだそうで。彼ら兄弟がこんな辺鄙なところに暮らしているのもいわば転地療養のためだったのであります。
 
 一方、屋敷の中をぶらぶら歩き回っていたジェネビー、壁に手枷、足枷がついていてあちこちに血がこびり付いている不気味な部屋を発見。おまけにエリザベスに襲われてしまったのです。ダニンスキーとエルヴァイラに危ういところで助けられたものの、彼女はもうかんかん。エルヴァイラにやっぱりここの人たちおかしいわ、私帰ると訴えます。エルヴァイラは「あれは狩りの獲物を処理する部屋なんだって、だから怖がることはないのよ。妹さんだってただのクルクルパーよ、キチ○イなのよ、彼女に罪はないの」狩りの動物に手枷・足枷使うんかいと思いますけれども(笑)。これでなんとかエルヴァイラ、ジェネビーを説得します。一方ダニンスキーはダニンスキーで「あの女があの部屋を見てしまった、秘密を見つけられてしまう、大変だ」を喚くエリザベスを「大丈夫だ、何も起こらないから、彼女達のことは放っておきなさい」となだめるのでした。

 だんだん話が怪しくなってきましたなあ。僕、こういうの大好きです(笑)。

 さて、いよいよワンデッサの墓さがし。周囲に詳しいダニンスキーの手助けとはいえ5分と掛からず見つけてしまうのはどんなものか(笑)。しかも墓石には分かりやすく「ワンデッサ・ダバラヴィル・デ・ナダスディ女伯爵の墓 14521480」と書いてあるという・・・。大喜びのエルヴァイラ、ジェネビーは他に「最後の審判まで何者も彼女の眠りを妨げてはならぬ」と書いてあるのを無視して蓋を開けてしまうのでした。ばいーんと現れたワンデッサのミイラと思いきやこれは木の蓋ではありませんか。ホンモノの死骸はこの下になっているのです。ここでびびったエルヴァイラ、さっきのはしゃぎぶりはどこへやら「あたし、ホンモノ見るの怖いからその辺ぶらぶらしているわ」と立ち去ってしまいました。残されたジェネビーとダニンスキー、木の蓋をばりばりべりりと剥しますと、今度こそホンモノのミイラが。その胸には伝説どおり銀の十字架が突き刺さっております。

 何を考えたか十字架を抜きにかかるジェネビー。「あ、いたっ」よほどぶきっちょな性質なのか腕を切ってしまうという・・・。その血がよりにもよってミイラの口にぽたりぽたり・・・。ダニンスキーとジェネビーはミイラを埋め戻すのですが、これはどう考えたって生き返りますね(笑)。

 一方近くの礼拝堂の廃墟をうろうろしていたエルヴァイラに突然現れた黒衣の人物が襲い掛かります。その顔をみたエルヴァイラは「ぎゃあああ」と凄い悲鳴。そう、その黒衣の人物はミイラだったのです。エルヴァイラを追い掛け回すミイラ、エルヴァイラ、また絶対のピンチと思いきや彼女を再び救ったのがダニンスキー。彼はワンデッサから抜いた十字架でミイラをえいっ、突き刺しました。ぼろぼろと崩れてしまうミイラ。一体こいつは何者なんだろうと思いますが、ダニンスキー、エルヴァイラを連れてあっさりと屋敷に帰ってしまうのでありました。この後、この黒衣の人物については一切触れられません。一体何者だったのでしょうか。

 夜になりました。ワンデッサの墓に被せた土がもぞもぞ、もぞ、もぞもぞ。ほら、生き返ったでしょ(笑)。

 蘇ったワンデッサ、女ヴァンパイアはまず部屋から水を飲みに降りてきたジェネビーを襲います。「こっちへおいで、ジェネビー、私のいうことをお聞き」ふらふらと女吸血鬼に誘い出されるジェネビー。女吸血鬼は彼女の腕の傷に「いただきまーす」とかぶりついてちゅーちゅー。それから喉に噛み付いて飲みなおし(笑)。はい、あわれジェネビー、そのまま女吸血鬼に連れて行かれてしまったのであります。その光景を窓から見つめているエリザベス。

 いつまでも戻ってこないジェネビーを心配したエルヴァイラ、彼女を探しに行くのですが、いきなりエリザベスの死体を見つけて立ち尽くします。そこへどこからともなく聞こえてくる不気味悪い声。「エルヴァイラ、私よ、ジェネビーよ、私はとても幸せだわ、あなたも早くいらっしゃい」屋敷の中に霧が立ち込めまして、ばーんとジェネビー登場。恐怖のあまり動けなくなってしまったエルヴァイラに迫ります。エルヴァイラ、またまた大ピーンチ。しかしここで三度彼女を救ったのはダニンスキーでした。彼は例の十字架をジェネビーに向かって突き出します。ジェネビー、「これはいけない、たまらない、ヒー」逃げてしまいました。

 翌日、ダニンスキーはエルヴァイラに「ヴァンパイアが蘇ったのだ」と説明します。「しかもヴァルプルギスの夜が近い。ヴァルプルギスの夜は奴らに更なる魔力を与えるのです。エルヴァイラ、あなたはお逃げなさい。私が残って吸血鬼と戦う」エルヴァイラは彼にひしと抱きついて「いやいや、私、残ってあなたと一緒に戦うの、だって私、あなたを愛しているんだもの」おやおや、やっぱりそうなりましたか。しかし、最初の方に出てきたエルヴァイラの彼氏、うっかりイスタンブールなんかに行ったためにものの見事に振られてしまいましたなあ。

 ぶちゅちゅぶちゅちゅと暑苦しいキスを交すエルヴァイラとダニンスキー。

 その後エルヴァイラは下男の車で村へ向かいます。そこでみんなの助けを求めようというのであります。この下男、ちょっとおかしくて車を運転しながら「みんな、おいのことば疑いよう。狼男にやられた人がおったばってんが、みんな、おいが狼男ち思いよる」とぶつぶつ言っております。助手席のエルヴァイラが微妙な顔をしているのがおかしい。一方、残ったダニンスキー、エリザベスの死体を埋葬しております。この人もどうやら吸血鬼にやられたらしい。ダニンスキーは彼女の胸に木の杭をとんてんかんてん打ち込みます。さらに斧で首をはねてようやく不気味な埋葬を終えたのでした。

 下男の車は道路を塞いでいる倒木を見つけてストップ。「おいが木ばどかしますたい、ちょっと待っててつかあさい」そういって車を降りたところに出たァ!ワンデッサとジェネビーの女吸血鬼コンビが。しかしエルヴァイラがぱっと十字架を突きつけると「ヒーッ」逃げていっちゃった。せっかく苦労して木を倒したのに十字架一本で台無しですな。

 エルヴァイラはダニンスキーの屋敷に戻るのですが、こっちの方も何か様子がおかしい。彼は苦しそうに「今夜は満月だ、君はここにいてはいけない。山小屋で鍵をかけて篭っているのだ。十字架も忘れないように持って行け」エルヴァイラ、この奇妙な言葉に「鍵かけろったってあの女吸血鬼たちは壁を通り抜けてくるわ、役に立たないのよ、それより私、あなたと一緒にいたい」「それでも駄目なの、山小屋に行くと行ったらいくの!」はい、しぶしぶと出かけるエルヴァイラです。

 彼女を送り出した後、ダニンスキーに御馴染みの変化が現れます。顔面がだんだん毛むくじゃらになっていって、「ウォーでがんす、ウォーでがんす」外へ飛び出した狼男、森を歩いている男を見つけて襲い掛かりぎったんぎったんのずったんたんにしてしまったとさ。この場面、真っ暗なだけで何がどうなっているのかさっぱり分かりません。聞こえてくる音だけが頼りでございます。

 一方のエルヴァイラ、彼女が十字架を握りしめ不安そうにしておりますと、またまた出たァ、女吸血鬼コンビ。今度は何故か十字架が効きません。女吸血鬼たちはエルヴァイラを捕らえ鋭い爪で首筋をずばっ。切り傷をつけて流れ出た血をカップに受けたのです。そして一気飲み。「うー、飲んだ、飲んだ、ひっく」「お姉さま、あたし気持ちわるいわん」などといいつつ闇の中に消えていったのでありました。その後はっと目覚めるエルヴァイラ。今の出来事は夢かしらなどと暢気なことを考えております。

 翌日、ダニンスキーがぼろぼろになった服で帰ってきた。「まあ、どうしたの、ダーリン」と迎えるエルヴァイラにいきなり「おれは狼男なのだ」と告白するダニンスキー。いきなりすぎます(笑)。「おれはエリザベスと一緒にオーストリア国境近くの村に隠れ住んでいたのだが、人を殺してしまった。それで銀の弾丸で撃たれたのだ」はあはあ、これがこの映画の冒頭シーンに繋がる訳ですか。「しかし、それでは狼男の呪いは解けない。俺はまた蘇ったのだ。この呪いを永遠に解くためにはあのワンデッサの十字架が必要なのだ」ということは、この十字架(ワンデッサの墓)を探していたダニンスキーのところへこれまたワンデッサの墓を探していたエルヴァイラとジェネビーが迷いこんだという訳ですか。もんのすごい偶然ですなあ(笑)。

 「十字架は手に入ったが、そのためにワンデッサを蘇らせてしまったのだ」「違うわ、ワンデッサを蘇らせたのはジェネビーの血よ」と叫ぶエルヴァイラって、お前、その時見たくないからって礼拝堂の廃墟の方に行ってたじゃないか(笑)。「ジェネビーは吸血鬼になった。彼女達は次に君を狙うだろう。ヴァルプルギスの夜ももうすぐだ、君はいますぐここから出て行くのだ」「いやよ、私、あなたの側にいる」どこかで見たような押し問答があって、じゃあ、二人で頑張って吸血鬼退治しようということになったのです。

 しかし、その夜再びエルヴァイラの元に現れたジェネビー、今度は彼女の喉からチューチュー血を吸ったのであります。彼女の首筋に二つの穴がくっきり。あー、これはもうあかんですな。

 と思ったら、ダニンスキーがあっさりジェネビーの隠れ場所を見つけちゃった。わっと取っ組み合いになってダニンスキーがジェネビーを押したおすと下に合った鋭い木の板がばすり。ジェネビーの胸を貫通したのです。これであっさりジェネビーは灰になっちゃった。するとエルヴァイラの首の傷も消えてしまったという・・・。投げやりな展開だなあ(笑)。

 その後もういっぺんダニンスキーが狼男になって、「おい、あんたに一目ぼればしたったい」と叫んでエルヴァイラを攫おうとした下男を惨殺するというエピソードがありまして、後はラストに向って急展開。なんと、エルヴァイラの元彼、マーセル(アンドレス・レシーノ)が彼女を探しにやってきたのです。エルヴァイラとダニンスキーがベッドの中で「将来への望みはないが、私は決してこの素晴らしい時間を忘れない」「ああ、あなた、ダーリン」などという会話をしているとは夢にも思わずレイシャック村の酒場で「女の人が来なかったかね」と聞いて回るマーセルが哀れ(笑)。それでもマーセル、エルヴァイラがダニンスキーの屋敷に逗留していることをようやく聞きだして、さっそく向うのでした。実はこのマーセルは警視さま。あんまりこの設定は役に立ってないので忘れて貰っても結構です。

 彼の突然の訪問を受けたエルヴァイラはびっくり。マーセルはダニンスキーに直接、「あの女を返せ、彼女は俺のものだ」と申し入れるのですが、ダニンスキーはもちろん拒否。「何をいうか、俺は彼女が必要なのだ、絶対渡さんぞ」ここでやにわにダニンスキー、狼男になってマーセルをぎったぎたのずったんたんに・・・ということはなく、「君には殺人の嫌疑がかけられているそうじゃないか。村のものはあんたが狼男じゃないかと言っているぞ。彼女のためだ、彼女を返せ」というマーセルの言葉にあえなく降参。「捕まるのは怖くないが彼女に迷惑はかけられない、よろしい、返しましょう」

 ダニンスキー、エルヴァイラを説得します。エルヴァイラ、「分かったわ、あなたのために私は行くわ」なんてことを涙ながらに言いましてマーセルの車に乗り込んだのであります。しかし、当然ながらこの車がワンデッサに襲われて二人とも囚われてしまうのでした。

 今夜はヴァルプルギスの夜。二人を廟堂に連れ込んだワンデッサ、サタン召喚の儀式を開始します。「おお、サタンよ、若い女の血を捧げます。処女じゃなくて申し訳ございません。最近は処女を見つけるのもなかなか難しいのでございます」余計なことを言う女吸血鬼です(笑)。この召喚に応じてサタンらしきものが現れた。まあ、牛の首のような影が見えるだけなのですが。ワンデッサは狂喜して、「おお、彼が現れた、これでこの世は我々のものじゃ!」しかし、そうは問屋が卸しません、そう、今この瞬間に「何時までもお前らの好きにはさせん、正義は必ず勝つ!」と叫んでダニンスキーが飛び込んできたからです。

 彼は例の十字架をかかげます。するとサタン、あっさりと消えてしまいましたとさ。サタン、随分弱々しいですね(笑)。とその時、満月の光が廟堂へ差し込んできた。たちまちダニンスキー、狼男に変身して「ウォーでがんす、ウォーでがんす」ワンデッサと死闘を開始します。ひとしきり取っ組みあったり殴りあったり引っかきあったり「お前のかあちゃん、デベソ」とお互いの悪口言い合ったりした末に何かをワンデッサの胸に刺す狼男。画質が悪くって何を刺したのか分かりませーん(笑)。ワンデッサ、たちまち溶け崩れてしまいます。後に残ったのは骸骨と無数の蛆虫。うえええ。

 女吸血鬼を倒してもなお「ウォーでがんす、ウォーでがんす」と暴れまわる狼男。エルヴァイラは彼が落とした十字架を拾うと狼男の胸にばすっ。狼男たまらず倒れてダニンスキーの姿に戻るのでした。エルヴァイラ、彼の遺体に取りすがって「これでやっとあなたは呪いから解放されたのよ」 はい、エンドマーク。

 ポール・ナッシーの濃いキャラクターがいいですね。これで狼男に変身しなかったらただの脂ぎったおっさんですよ(笑)。

 カラー、スタンダード。モノラル音声。画質は下の下の下。例によって暗い場面でなにやっているかさっぱり分かりません。おまけに残像が酷くて狼男が振り返ると白い目玉が後に残ってしまいます。音もじりじりというノイズが五月蝿いったらありゃしません。13枚組みのDVDボックスセット50 Movie Pack: Drive-In Movie Classics の一本。Digital 1 StopDVD

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『恐怖 蛇地獄』(『Rattlers』 1976)

 

『恐怖 蛇地獄』(『Rattlers』 1976

 

題名の通りガラガラ蛇が一杯出てきてガラガラガラガラ音をだす映画。B級映画には蛇が良く似合うのです。女の裸か蛇のどちらかを出しておけばたいがいお客が入るのです。

さて、ここはテキサスの砂漠。キャンピングカー二台を連ねてバカンスにやってきた友人家族二組。子ども二人が「パパ、谷のほうに遊びに行ってくるよ、夕食までには帰る」と出かけます。「ああ、気をつけるんだよ」パパ達、こう言って送り出したのがまずかった。岩場を探検していた二人、うっかりガラガラヘビで一杯のくぼみに落ちてしまいまして、がぶがぶがぶ。はい、即死です。タイトルでます。

 さて、場面は変わってカリフォルニア大学。登場するのは爬虫類全般、特にガラガラヘビが専門という爬虫類学者のトム・パーキンソン(サム・チュー・ジュニア)であります。しかし、この人は意外なうっかりさんのよう。自分の実験室に毒蛇を山と集めておりまして、その中には当然、キングコブラもいるのですが、このケージの鍵が留め金一つといういい加減さ。清掃員のサムが掃除をしていて箒でうっかり留め金引っ掛けただけで、ああ、開いちゃったぞ(笑)。開いた隙間から滑りでたキングコブラ氏、鳩の研究をしているトムの同僚ハワードに襲い掛かろうとするのです。危うし、ハワードと思われたのですが、ここに最高のタイミングでトムが現れキングコブラを見事に捕まえたのでした。「危ないところだったな」トムはキングコブラをさっきの檻に納めます。鍵の留め金はそのままに(笑)。ハワードは弱々しく微笑んで「気絶するかと思ったよ」いやいや、これはトムの管理が悪いのがいけないのですから、もっと文句を言っていいと思いますよ。

 さて、テキサスのゲイツ保安官(トニー・バレン)から調査を依頼されるトム。このところ、老人、子ども二人がガラガラ蛇に噛まれて死ぬという事件が相次いでいるというのです。トムは「はっはっはっ、何しろ私はガラガラ蛇の専門家ですからな、なんでも聞いてください」しかし子どもの死体を見せられたトム、「うわっ、なんだ、こりゃ、何十箇所も噛まれているじゃないですか、うう、おれ、気分悪くなってきちゃった、おええ」この人は頼りになるのかならないんだか。それでもトムは保安官に「これはヘンですな、通常ガラガラヘビはあまり攻撃性が高くないのです。こちらから挑発しない限り襲ってこない、ましてやさっきの子どものように執拗に攻撃を繰り返すなんて・・・うう、思い出したらまた気分が悪くなってきた、おええ」

 トム、保安官助手をお供に子どもが蛇に噛まれた地点を探すのですが大した発見はなし。一旦カリフォルニア大学に戻ります。

 しかし事件はこれで終わった訳ではありませんでした。フランク・サミュエルの一家、夫妻、息子、飼い犬、鶏(笑)が蛇に襲われて全滅したのであります。急遽呼び出されるトム。彼は大学が春休みになるのを待って急ぎテキサスに駆けつけたのでした。ゲイツ保安官は彼に政府へ蛇対策を申請するための調査を依頼します。そしてそのために雇われたのがなんと、女性カメラマン、アン・ブラッドリー(エリザベス・シューベット)でした。トムはそんな女カメラマンなんかとか働けるか、女はセーターでも編んでおけとぶんむくれるのですが(笑)、保安官に「彼女はベトナムに2年行っていたんだ、凄腕だぞ、そんじょそこらの男性カメラマンじゃ敵わないぞ」と言われてしぶしぶ同行をOKするのでありました。

 トムの態度にアンだって面白い筈がありません。「悪うござんしたね、女で、べーっ」とトムに向って舌を突き出します。トムはカッとなってまた文句を言うという具合でどうも困ったものであります。

 そんな二人の初仕事、それはガラガラ蛇に襲われたけれどもなんとか軽傷で済んだというデビット・アレスターからの聞き取り調査。病院で入院中のデビッドから襲われた状況を詳しく聞き出します。パイロットであるデビッド、セスナ機から降りたとたんに50匹ほどのガラガラ蛇に取り囲まれたのだそうで。ヤバイと思った彼は飛行機の中に戻ろうとしたのですが、ふくらはぎをガラガラ蛇に噛まれてしまったのです。しかも後から後から他のガラガラヘビが押し寄せてくる。彼は必死でふくらはぎに食らいついているガラガラヘビを毟り取りようやく飛行機に逃げ込むことができたというのでした。

 トム・アン、デビッドから襲われた場所を教えて貰い急行します。しかしあたりはすでにとっぷり暮れておりました。二人は砂漠にテントを張って(勿論、別々)翌朝に備えることにします。

 ここでぱっと画面が変わって砂漠の一軒家となります。ここにやってきたのが水道メンテナンス会社のバン。この家の湯沸かし器が壊れたかどうかしてお湯が出なくなったのを修理に来たのでした。奥さんと修理のお兄さんが「何やってんのよ、電話してから4時間もたっているのよ」「いや、それが同僚が風邪で寝込んじゃいましてね、てんてこ舞いなんですわ」「昔はこんな修理、旦那がやってくれたんだけどね、もう離婚しちゃったから」とどうでもいい会話します。何こんなところで時間をかけているのかと思います。とっととガラガラ蛇にやられてしまえばいいのです(笑)。

 ようやく床下にもぐりこむ修理のお兄さん、はい、修理していると出ました、ガラガラ蛇が。お兄さん、ばすばすと噛まれてはい昇天。奥さんの方はバスタブに台所で沸かしたお湯を入れて入浴します。はい、蛇がパイプを通ってバスタブに出現、奥さんは泡まみれの体をばすばすと噛まれてやっぱり、はい昇天。

 こんなことが起こっているとは夢にも知らず翌朝、爽やかに起きてきたトムとアン。昨日までの険悪なムードはどこへやら、アンが身の上話なんか始めちゃってちょっと良いムードになりました。そして調査開始。昨日の計画通りデビッドが襲われた場所に行って蛇の這った痕を見つけようとしたのですが、風ですでに消されています。困ったトム、地図を眺めて「ふーん、老人、子ども二人、フランクの牧場、デビッド、ウウーム、これはみんな陸軍のフォートウォールトン基地の近くで起きているぞ、何か関係があるのかな」藁をも掴むという気持ちでトムとアン、フォートウォールトン基地に行ってみることになりました。

 さて、フォートウォールトン基地で司令官であるストラウブ大佐(ダン・プリースト)に面会するトムとアン。大佐は二人がガラガラヘビの調査をしているといったとたんに、「あ、そうか、うちでブルックスという部下がガラガラヘビでやられたのだ、それを調査に来てくれたんだろ」びっくりする二人、「いや、それは知らなかったです。詳しい話を聞かせてください」

 ブルックスは夜中過ぎにガールフレンドと会うために基地の東半マイルの地点を歩いていたところをガラガラヘビにやられたらしい。基地の医者の話によると彼の体には12箇所もの噛み傷があったそうです。よーし、だったらブルックスがやられた地点を調べようと張り切るトムとアン。

トムは大佐からヘリコプターを借りて空から周囲を見回ることになります。一方アンは車での調査。何も二手に分かれることはないと思うのですがねえ。さて、トムを乗せたヘリコプターのパイロット(ダン・バレンタイン)は親切で陽気な男・・・というか軍人としてはいささか軽率な性質のようで口が軽い、軽い(笑)。「あっしはこの辺で一番のパイロットでさあ」という操縦技術自慢から口が滑って「何、一ヶ月くらい前でしたかね、何かの容器を運べって命令が来ましてね、それが容器を揺らすな、少しのショックも与えるな、生卵を扱うように慎重に慎重に運べって言うんでさあ。あんなの、あっしじゃなけりゃ無理ってもんですよ」「容器」ピンと来たトム、ジョージに尋ねます。「その容器はどこに運んだんだ。それに何が入っていたんだ」「古い鉱山でしたね、そこに突っ込んでセメントで封鎖しました。中身?これは分かりません、大佐に聞いてくださいな」

 アンは車を降りて動物の骨などを撮影しております。そのうちガラガラヘビの音が聞こえてきたので恐怖にかられ「ヒーッ」逃げ帰ってしまいました。ちょっとこっちの調査は何にもならなかったようで。

 トムは大佐に面会を要求します。そして容器の中身について尋ねるのですがその途端、今まで割りと親切で協力的だった大佐が豹変します。「それは軍事機密だ。何があろうと教える訳にはいかん」トムは「いや、大佐、それはおそらくガラガラ蛇事件に関係があると思うのです」「軍事機密だといったら機密なのだ」彼はインターフォンで部下を呼び出して「おい、トム・パーキンス先生がお帰りになるぞ」はい、追い出されてしまいました。基地を出たトムはアンと合流。「きっと中身が何だったのか調べてやる」と誓ったのでした。二人はまたテントで一泊します。

 しかし早くもその夜次の事件が起こったのです。ジープでパトロールしていた二人の兵士、ウィリーとパーマーがパンクの修理をしている時にガラガラヘビの群れに襲われ殺されてしまったのでした。アンとトムはテントからたたき起こされて基地に戻るよう要請されます。軍医のデラネィ大尉に二人の遺体を見せてもらったトム、「これはガラガラヘビの仕業に違いありません、でも、毒で体がぶくぶくに膨れ上がって、うう、おれ、気分悪くなっちゃった、おえ、は、吐きそう」この人はこればっかりであります。

 トムは決意します。「ようし、二人が襲われた地点を調べるぞ。時間がたってないからヘビの這った痕を見つけられる筈だ。それをたどれば巣が分かるぞ」ジープで急行します。すると彼の予想通りヘビの這った痕が見つかった。それをたどっていくと、おお、あれは廃坑の入り口ではありませんか。これがジョージの言っていた鉱山という奴なのか。トムとアン、さっそく中に入ってみることにします。ちなみに二人を送ってくれたジープの運転手は軍人の癖に「あ、いいっスよ、おれここで待ってますよ、だってコワいもん」だって(笑)。

 さあ、鉱山へ入っていくトムとアン、ぐんぐん中に入っていきます。すると出た出た、何が?って決まってますがな、ガラガラヘビですよ。それも鉱山の床を覆いつくさんばかりの凄い数。「わあ」「ひーっ」仰天した二人は一目散に逃げ出します。この時トムが壁に体を激しくぶつけたので鉱山の天井が崩れてしまいます。なんとか土砂の下敷きにならずに済んだのですが二人は埃まみれ。げほごほげほと咳をしながらようやく脱出に成功。「あー、えらい目にあった」これですぐに基地へ連絡、この鉱山を封鎖するのかと思いきや・・・なんとトムとアン、「お疲れさま会」と称してラスベガスで飯食ったりダンスしたりするんです。それも合間合間にちゅっちゅちゅちゅっちゅちゅとキスをしながら。そして最後はテントに戻ってベッドイン。

 なんという奴らか、ちゃんと仕事をせんか、仕事をとむかつきながら見ておりますと、やっぱりその報いが来た。トムとアンのテントがいつの間にかガラガラヘビの群れに取り囲まれていたのでした。ただならぬ気配に飛び起きた二人、「あ、テントの下からガラガラヘビが入ってきた」トムはシャベルでヘビを叩き殺し、アンは悲鳴を上げます(笑)。「このやろ、死ね、ヘビめ」「ひーっ」しかし侵入してくるヘビの数が多すぎてとても防ぎきれません。ついにアンが「イタッ!あたし、足噛まれちゃった」二人の運命ここに極まれりと思ったのですが絶妙のタイミングで陸軍の兵士たちが助けにやってきたのですねえ。兵士たちは機関銃でずがががが、あっという間にヘビを一掃してしまいます。アンは病院へ搬送、なんとか命を取り留めたのでした。

 ここで場面は一転、自室で一生懸命書類を焼いている大佐が映ります。そしてやってきたのが軍医のデラネィ大尉。明らかに様子のおかしい彼は大佐に「これってあれですよね、ヘビがおかしくなったのはあんたのお大事のCT3のせいですよね。ははは、私は4年前にあんたを止めておくべきだった」大佐、カッとなります。「うるさい、そこをどけ、これは命令だぞ」「もうやめましょう、正直に告白しましょう」手を差し伸べる軍医。「やかましい、どかないと殺すぞ」ついに大佐、ピストルで彼を射殺してしまったのです。

 保安官事務所へ赴いたトム。その騒然とした雰囲気に驚いておりますと、彼を見つけた保安官(久しぶりに登場ですな)が「おい、大変だ、ストラウブ大佐が軍医を射殺して逃げたぞ」その件で他の基地から駆けつけてきたヒンチ将軍もいてストラウブ大佐の秘密を話し出します。「ストラウブ大佐はCT3という神経ガスの開発に心血を注いでいた。これは呼吸した人間の理性を失わせる作用があって、敵軍に同士討ちをさせる計画だったのだ。その計画は立ち消えになってしまったのだが・・・」「なるほど、彼が鉱山に投棄した容器の中身はそのガスだったんですね。じゃあ、大佐はあの廃坑にいるに違いありません」

 トム・ヒンチ将軍を加えた警官隊、パトカーで鉱山に急行します。するといたいた大佐がピストルとガスのタンクを抱えて頑張っております。彼は警官隊に「来るな、来ると殺すぞ、コンチクショー」ピストルをぱあん、ぱあんと乱射します。あっ、一人が胸を朱に染めて倒れた!「ははは、ざまあみろ」ぱあん、ぱあん。さらに大佐は懐から手りゅう弾を取り出して「ほれ」ずがががーん、「やれ」ずがががーん、投げまくります。このままじゃ手をつけようがないと誰もが思ったとき、「あらよ、げぇ」丁度三発目の手りゅう弾を投げようとした大佐に銃弾が命中。倒れる大佐、手りゅう弾が爆発して彼の体を木っ端微塵にしてしまいました。同時に廃坑の入り口もふさがれてようやく人類は狂ったガラガラヘビの脅威から逃れることができたのです。

 ラスト、病院へアンを迎えにいくトム。「ふふふ、LAに行こう。美味い中華料理屋を知っているんだ」「それは楽しみね」などという暢気な会話を交わしております。彼らの車が走り去った後近くの洞窟の中から聞こえてくるガラガラヘビの音。エンドクレジット。

ストラウブ大佐の行動が矛盾だらけ。そんな秘密を隠しているのなら、わざわざ隊員がガラガラ蛇にやられたことを明かしてトムとアンに調査をさせたのか。「なに、ガラガラ蛇の調査中、うちじゃ何の被害も出ていないよ、うん、帰ってくれたまえ」と言っておけば何事もなく済んだのに。

 カラー、レターボックスのワイド収録。モノラル音声。画質は下の下。赤いちらちらや縞状のノイズがしょっちゅう入って落ち着いて見ていられません。音もビービーノイズが入っていて聞き取りが物凄く大変です。13枚組みのDVDボックスセット50 Movie Pack: Drive-In Movie Classics の一本。Digital 1 StopDVD

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『Don't Look in the Basement』1973年

 

Don't Look in the Basement1973

 キチガ×病院のお話ですが、アイデアは良いんですよ、アイデアは。しかしそのせっかくの優れたアイデアが冗長な演出で台無し。見ていて、「モー早く話を進めんかい」といらいらしちゃいました。

風光明媚な町、グリーンズパークにスティーブンス博士(マイケル・ハーベイ)が院長を勤める精神病院がありました。入院している患者は自分が軍曹であるという妄想に取り付かれているサージャント(ヒュー・フィーギン)、乱暴ものだったのがスティーブンス博士のロボトミー手術によってすっかり大人しくなってついでに知能も八歳児なみになった黒人の大男、サム(ビル・マクギー)、人形を自分の赤ん坊だと思い込みひがな子守唄を歌っているハリエット(キャミラ・カー)、自分は判事であると妄想しているジャッジ(ジーン・ロス)、幻覚見えまくりの老女、カリングハム(リア・マカダムス)、言葉も話せないくらい頭がアッチの世界に行ってしまっている若い女、ジェニファー(ハリエッテ・ワレン)、男運のあまりの悪さに発狂してニンフォマニアになってしまったアリスン(ベティ・シャンドラー)、猿のごとく跳ね回る若い男、ダン(ジェシー・カービー)、みんなとっても楽しい人たちです。

 さて、この病院で看護婦を務めていた初老の看護婦、ジェニー(ジェシー・リー・フルトン)、彼女は病院をやめたがっておりました。彼女は外でジャッジに特殊な治療を施しているスティーブンスのところへ行って「先生、もう私、我慢できません」特殊な治療というのがジャッジに斧で木を切らせて彼のもつ攻撃性を発散させるというもの。スティーブンス、びっくりして「そんなベテランの君にやめられたらどうなるんだ」「私聞きましたわ、今日新しい看護婦さんが来るんでしょ、だったらいいじゃありませんか」「いや、それでも困るんだぐ」なんとジャッジの振るった斧がスティーブンスの背中にドスと突き刺さったという・・・。これがホントのキチ×イに刃物、いくら治療だからといってキチガ×に斧持たせてはいけません(大笑い)。あっという間に絶命するスティーブンス。

 この現場にやってきたのがスティーブンスの部下である女医のマスターズ先生(アナベラ・ウィーニック)。彼女は奇妙なことにこの事件を警察に知らせることなく院内で処理させるのです。彼女はサムを呼んで「いい、私ジャッジを診察してからすぐ戻ってくる。そうしたらスティーブンス先生の死体をどうするか教えるからその通りにして頂戴」彼女はこの後、自分がスティーブンスの後をついで院長になると宣言します。「この病院と家族は私が守る!」この家族というのは言うまでもなく患者たちのことです(笑)。

 さて、先ほど紹介した患者の一人、ハリエット。彼女は人形を自分の赤ん坊と思い込み溺愛しております。誰かがこの人形を弄ったりまして盗もうなどとするものなら「あたしの赤ちゃんを返して!」と大暴れするという厄介な人。スティーブンスの事件の後で別の部屋を片付けているジェニー。その部屋に何者かがハリエットの赤ん坊=人形を置いていきます。「私の赤ちゃんはどこ?」と半狂乱になって探していたハリエットがこれを見つけジェニーに「あんたが私の赤ちゃんを盗んだのね」と飛び掛ったのです。「うきいいいい」ジェニーの首をぐいぐい絞めるハリエット。場面が変わって大きなトランクの蓋をばたんと閉めます。すると彼女はジェニーを絞め殺して死体をトランクに詰め込んだということなのかしらん。

 いやな事件が立て続けに起こって気分が滅入りますが、まあ頑張って続けることにしましょう。その夜精神病院にジェニーが言っていた新しい看護婦、これが若くて美人のシャーロット・ビール(ロジー・ホリトック)です。彼女は応対に出てきたマスターズ先生に自分はスティーブンス博士に雇われた看護婦であると説明するのですが。マスターズは「スティーブンス先生は昼間、患者に殺されました。私が後任ですが、彼から一切あなたのことを聞いてないのです」病院に外部の人間を入れたくないマスターズ、なんとか彼女を追い出そうとしております。シャーロットはいきなりスティーブンスが死んだと聞かされてびっくり。さらに就職が駄目になりそうなのですからもう必死に「そんなあたし、グリーンパーク総合病院をやめてきたんですのよ、向こうでも随分引きとめられたけどどうしてもスティーブンス先生と働きたかったんです」しかしマスターズは譲りません。「ではその総合病院に戻ればいいではないですか」

 しょぼんとなったシャーロット、「そうですか、私、戻らなくちゃならないんですね。でも総合病院の人たち、スティーブンス先生が死んだと分かったら驚くでしょうね」何の気なしに言ったシャーロットですが、マスターズの眉毛がぴくり。そんなことを他の病院で話されたらたまったものじゃありませんから。「ああ、でも来てしまったものは仕方ないですね、よろしい、明日から働いてください」態度が180度変わってシャーロットの採用が決定。

私だったらスティーブンス先生が殺されたと分かった時点でUターンしますけどね。だってコワいもの(笑)。

 マスターズ、シャーロットを部屋に案内します。えー、この病院、スティーブンス先生が「患者と医者の信頼関係は何より強固でなくてはならぬ」という信念の元、変わったつくりになっております。看護婦の居室が患者の病室と同じ建物。しかもドアには鍵がついておりません。戦慄するシャーロットですがここで文句を言ったらせっかく決まった就職が駄目になってしまいます。「すめば都」と自分を無理やり納得させたのでした。しかしシャワーを浴びて部屋へ戻ろうとしたときに早くも第一キ×ガイに遭遇。カリングハムです。彼女はシャーロットに向ってもごもごと「ここから出て行け、そして二度と戻ってくるな」と警告するのでした。

 さて翌日、ニンフォマニアのアリスンが「私はイチゴよ、私を食べて」とおっぱいをぼろんと出してジャッジに迫り激しく拒絶されたり、シャーロットがカリングハムを散歩に連れていくと「あんた、昨日言ったじゃないか、とっとと出て行きなさい、ここにいてはいかん」と再び警告されたり、シャーロットの部屋の電話線を何者かが切ったりと小ネタが続きます。なんかどうでもいいような場面を適当に繋いでいるというやる気の無さ。監督はきっと無気力大学なまけもの学部手抜き学科を首席卒業したのでありましょう。

 次の日、カリングハムの病室に入ったシャーロットはびっくり。彼女が口の周りを血で真っ赤に染めて床に倒れていたからです。彼女を抱き起こしたシャーロット、「ひいー、彼女の舌がないわ」しかしマスターズは少しも騒がず彼女の治療を済ませショックでぶすぶす泣いているシャーロットに「これは彼女の症状の一つなのよ。彼女は自分で舌を噛み切ったの」まあ、映画を見ている人にはカリングハムがシャーロットに警告したので口封じされたとおぼろげながら分かるようになっております。

 この後、精神病院にやってきたのが電話修理員のグレイ。電話局のほうで病院の回線に異常があると分かったので修理にやってきたのであります。「ごめんくださーい、誰かいませんか」はい、誰かいました。ジャッジと舌を切られて喋れなくなったカリングハムが。ジャッジは最初っから喧嘩腰で「何だ、お前は、何しに来たのだ」グレイは驚いて「いや、だから電話の修理に来たんすよ、通じない電話はどこです」するとカリングハムがもごもごもご。グレイは「どうしたんですか、猫に舌を取られたんですか」グレイ、彼女の口を覗き込んで「わあ、本当に舌がない」いやなギャグですなあ(笑)。

 これで完全にびびったグレイ、「ははは、は、私、また出直して参ります」ジャッジとカリングハムから逃げ出します。しかし逃げ出した彼の前に立ちふさがったのが怖い顔したマスターズ。「あんた、誰、一体何しに来たの」ジャッジと同じこと言っている(笑)。「いや、だから私は電話の修理に来たんです。電話局の方でこちらの回線に異常があることが分かったので」「だったら何故先に連絡しないのよ」「そんなの無理っすよ、だってこの病院電話通じなくなっているんすから」最もですな。

 マスターズ、倉庫の扉を開けてグレイを押し込むと、「電話線はその中よ、さっさと修理して出て行って頂戴」グレイ、「たかが電話線のことでえらい騒ぎだよ、コンチクショー」とぼやきながら修理を始めたのですが、いえいえ、えらい騒ぎはこれで終わりではなかったのです。ニンフォマニアのアリスンが若い男の匂いを嗅ぎつけてやってきたのです。彼女は狭い倉庫にぐいぐい身を入れ込んで辟易しているグレイに、「ふふふふ、あんた、私を愛しているっていいなさい、じゃないと酷いよ」グレイ、「ヒーッ」アリスンはオッパイをぼろんと出すと倉庫の扉をばたんと閉めてしまいました。

 その夜、そんなグレイの運命なども知る由もないシャーロット。自室でアイロン掛けした看護婦の制服を掛けようとクローゼットを開けた瞬間、飛び出してきました。包丁を持ったジェニファーが。シャーロットの悲鳴を聞いて駆けつけてきたマスターズに危ういところで助けられたシャーロットですが、昨日のカリングハム舌切断事件につづくショッキングな出来事でもう大ショック。まためそめそ泣いております。ついに「もう私やめたいわ」と言い出すのですがマスターズに冷たく「今更やめることなんてできないからね」と断言されてしまいましたとさ。

ほんと、あの時やめときゃ良かったのにねえ。

この後まただらだらと小さな事件が続きます。まずお調子者のダニーがアリスンに言い寄ります。「アリスン、僕は前から君のことが好きだった、綺麗な顔、綺麗な髪が」アリスンがその気になってベッドでオッパイをぽろーんと出した瞬間、ダニーはげらげら笑い出して「ウソだぴょーん」アリスン大ショック(笑)。この後彼女はジャッジに「私の男を捜して、昨日出合ったのよ、でも出て行ってしまった。でも彼は私を愛している。今も私を探しているかもしれない、ジャッジ、助けて」しかしジャッジは当惑した顔で「じゃあ、証拠を調べてみるよ」と言うだけです。証拠たって、この人は自分が判事であると妄想している人ですからね、具体的なものがある訳じゃありません。それを知ってか知らずか泣き崩れるアリスン。

 マスターズ博士の机が荒らされます。散乱している書類、マスターズはサージャントの部屋へ行き彼を詰問。彼が盗んだと思しき手紙?書類?を見つけ出すのでした。これはメモのようですが画質が悪くてちょっと読み取れません(笑)。マスターズは「こんなことをするのは本当はイヤなんだけどあなたに罰を与えなくちゃ」見つけたメモ?に火をつけてサージャントに持たせるのでした。「アチチチ」手のひらの上で燃えるメモの熱さに必死で耐えるサージャントです。

 サムがシャーロットにスティーブン博士の腕時計を渡そうとします。シャーロットは「あら、こんな高価なもの受け取れないわ」と断るのですがサムは「博士があなたを助けてあげるって言ってるんです、だから持っていて」と会話がかみ合わない。シャーロットはサムはスティーブンス博士が死んだことがまだ理解できないのだと考えて一応腕時計を受け取ったのでした。さて、その夜自室でグースカ寝ていたシャーロットはびっくり。いつの間にかダニーとジャッジが忍び込んできていたからです。しかもジャッジはスティーブンス博士を殺した斧を持っている!彼はささやきます。「時は来たれり」斧を振り上げたのでシャーロットは「ヒーッ、やめてー」このまま斧が振り下ろされて哀れシャーロットの首は胴体と泣き別れ・・・と思いきやジャッジ、「いや、もっと良いタイミングがくるのに違いない」とかなんとか言ってダニーと一緒に出て行ってしまったのでした。な、なんじゃ、こりゃ。

 翌日マスターズ博士となくなった薬品類について話しているシャーロット。昨晩のことはどうなったのかと思うのですが、何の言及もされません。もう意味が分かりません(笑)。まあ、とにかく一応れっきとした精神病院にしては異様に小さくて貧弱な(笑)薬品戸棚から薬が盗まれている、患者の部屋を探さなくちゃということになるのです。マスターズはジェニファーの部屋へいき箪笥からあっさり盗まれた薬品を探し出すのでした。その後部屋へ戻ってきたジェニファー、薬がないことに気がついて半狂乱。マスターズのオフィスに行ってみますが薬品戸棚にはしっかり鍵が掛かっています。あ、机の上の薬の壜が、喜んで飛びついたジェニファーですが、それは空き瓶でした。その瞬間、何者かが彼女の頭を掴んで机に叩きつけるのです。ぐさっ、メモ立てが彼女の右目にぐさっ!「びわー」ジェニファー、絶命します。

 ペロペロキャンディーをペロペロ舐めながら食堂の掃除をしていたサム、ドアを開けてびっくり。中に男の死体、そう、あの電話修理のグレイですね、サムは慌ててアリスンを呼びに行くのです。死体を見たアリスンは半狂乱、騒ぎを聞いて駆けつけてきたシャーロットに衝撃的な事実を告白するのでした。「彼女が殺したのよ、マスターズよ、彼が私を愛したからマスターズが殺したのよ。カリングハムの舌を切ったのもそうよ、彼女は医者なんかじゃない、私たちと同じキチ×イなのよ」シャーロット、がーん(大笑い)。なおも叫ぶアリスン、「彼女はあなたも殺すわ」

 仰天したシャーロット、アリスンを放ったらかしにしてジャッジのところへ。「マスターズも患者だって本当?」「ああ、本当さ」さらにジャッジは驚くべきことを言い出します。「あんたも患者だろ、マスターズが言っていたぞ」シャーロット、がーん、がーん(大爆笑)。「マスターズったらそんなあたしをキチガ×だなんて!」

ヒロインもまたキチガ×の一人と思われていたというこのアイデアは本当に良いのですがねえ。

 ここから映画は一気呵成にラストに向って突き進みます。アリスンはグレイの死体を自室に運び込んでベッドで同衾。この様子を見て悲鳴を上げたシャーロットに「あんた、わたしたちの邪魔をしないで!」ジャッジはマスターズに判決を下します。「もうあなたはここの院長ではないのだ」ギャーッと錯乱するマスターズ。「私はいつまでも院長よ、ここで病院とあなたたち家族を守らなくちゃならないのよ」

 さて、シャーロット、サムに「スティーブンスに会わせるから」と言われて地下室へ。途中の階段でいかにもこれで人を殴りなさいといわんばかりに置かれてある杭を取り上げてそろそろ降りていきますと、ばーん、いきなり下から手が伸びてきた。「きゃーきゃーきゃー」あまりの恐怖に反射的に杭を振り上げるシャーロット、相手も見ずにぼこすこと殴りつけるのです。謎の手の持ち主は頭を砕かれて死亡、その顔は・・・、あー、画質が悪くて誰が誰やら分からん(笑)。これはスティーブンス博士ということなのかなあ。背中に斧をつきたてられて死んだのではなく重傷どまり、そのまま地下室で瀕死の状態だったということなのでしょうか。まあ、いいか、こんな映画だし。

 地下室でひーひー泣いているシャーロットを抱き上げるサム。彼は彼女を部屋に運び込みます。そこで待っていたのがマスターズ。彼女は叫びます。「彼女は病気なんだ、正真正銘のキ×ガイなんだ、治療しなくちゃいけないんだよ」彼女の指示通りにシャーロットをベッドに寝かせます。もがくシャーロットですがサムの力は強くとても逃げられそうにありません。シャーロット、大ピーンチ!しかし次にマスターズが言ったことが悪かった。「こんな重傷の患者はね、ロボトミーしなくちゃならないんだ」これがサムの脳にずーんと来た訳です(笑)。サムはロボトミー手術で8歳児の知能にされてしまった男、当然ながらロボトミーという言葉を聞くと怒り出すのです。「ふんがー」サムはマスターズを突き飛ばしシャーロットを連れて逃げてしまうのでした。

 「待って、待ちなさい、早く治療をしなければ」と叫ぶマスターズですが、そんな彼女を取り囲んだのがアリスン、ジャッジ、サージャント、ダニー、カリングハムの患者達、ええとこれで全部だよな、見落としはないよな。みんな手に刃物を持ってます。ジャッジなんか得意の斧を振り上げています。次の瞬間マスターズに襲い掛かる患者達。はい、マスターズ、ずったんたんのぎったんたんにされてしまいましたとさ。これで怒ったのがシャーロットを逃して戻ってきたサム。「ママ、ママ」と叫ぶサム。なるほど、彼はマスターズを母と慕っていたのですねえ。彼はジャッジから斧を奪い取りみんなをずったんたんのぎったんたんにしてしまいましたとさ。この後嵐の中を逃げていくシャーロットが映ってエンドクレジット。

 シャーロットもこの病院がおかしいことに気づけよなあ。ずーっと電話は不通だし、電話修理人のグレイ以外、誰一人として病院に来なかったじゃないか。

カラー、スタンダード。モノラル音声。画質は明るくてちょっと良い(笑)。色の滲みは酷いですが、少なくとも暗い場面で何をやっているかが分かる。音質は小さく、台詞の聞き取りに苦労させられました。13枚組みのDVDボックスセット50 Movie Pack: Drive-In Movie Classics の一本。Digital 1 StopDVD

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『食人伝説』(『La Montagna del dio Cannible』 『Slave of the Cannibal God』 1978)

 

『食人伝説』(『La Montagna del dio Cannible』 『Slave of the Cannibal God』 1978

 ボンド・ガールが出てくるジャングル探検隊映画。それに食人部族まで出てきて、まあ、盛りだくさんな内容です。それでいて映画全体がだらだらしていてちっっとも面白くないというエクスプロイテーション映画の鏡でありますな。

オープニングクレジットの間に映されるニューギニアの野生動物たち、ニシキヘビ・アルビノコブラ、イグアナ、オランウータン、カメと戦っているワニ、もひとつおまけに大蜥蜴と戦うワニ、記録フィルムをただ漫然と繋いだだけの映像にこの映画に対する期待がしょぼしょぼと萎んでいきます(笑)。これが終わって着陸するジェット旅客機。降りてきたのはスーザン・スティーブンソン(ウルスラ・アンドレス 『ドクターノオ』のボンドガール)とその弟アーサー(アントニオ・マルシーナ)であります。二人を取り囲んだ新聞記者たち、口々に「ご主人は生きておられるのですか?」「性感じゃなかった生還の見込みは?」「性感ってそんな人をマッサージみたいに!」「昨日夕ゴハンに何を食べましたか?」

 実はスーザンの夫で高名な人類学者であるヘンリーが今だ人跡未踏の地が残されているというマラバラジャングルで消息を絶っておりスーザンとアーサーは彼を探すために遥々ニューギニアくんだりまでやってきたのです。空港を出た二人は早速ヘンリーの友人であるエドワード・フォスター教授(スティシー・キーチ)を尋ねます。なかなか色男風のフォスター、「彼が探検に行くといっていたので参加しようと思っていたのだが、彼は私を残して出発してしまったのだ」フォスターは地図を広げて「ここが彼が消息を絶ったマラバラジャングルだ。その沖合いにあるロカ島、彼はこの島の禁断の山、ララミー山に向ったのに違いない」断言しますね、フォスター教授(笑)。

 当然のごとくスーザンは「分かりました、私、その島に行ってみますわ」「ええっ、ほ、本当っすか」と驚くフォスター。「この山は呪われているという伝説があって、現地人も近づかないのですぞ」「かまいません、夫を見つけるためです。呪いなんかへいちゃらです」ということで急遽スーザン・フォスター・アーサー、現地の人5人によるヘンリー捜索隊が編成されることになります。

 ヘリでマラバラジャングルまで送ってもらう一行。この場面ヘリのローター音がばらばら五月蝿くてみんなの台詞が聞き取れません。いかにイタリアの食人映画といえどもちょっとはこういうところ気をつかえと思います。

 さてヘリを降りて今度は歩き。ジャングルを粛々と進む一行であります。とここでスーザンがぶっ倒れた。「夫のためならどこまでも」と勇ましいことを言っていた彼女、でも所詮都会暮らしの女です。慣れぬジャングルで体力をすり減らしていたのであります。「ううう」とか呻いてなかなか立ち上がれないスーザン。とここで彼女の顔のすぐ近くにタランチュラが現れた。すると立ち上がれなかった筈のスーザンがぴょんと飛び上がって逃げるのが面白いですな(笑)。フォスター、現地スタッフから山刀を借りると一振りでタランチュラを真っ二つにしてしまいます。うう、ホンモノを殺しているよう。「スーザン、危なかったな、これに噛まれると3日でお陀仏だぞ」

 ところがこのタランチュラ、現地の人にとっては聖なる存在であった訳で・・・。これを殺すと呪いが掛かるということで現地の人たち生贄を捧げることになります。その生贄というのが大蜥蜴。ううう、ホンモノの腹をいきなりかっさばいたよう、ううう、皮を剥いじゃったよう、ううう、みんなで寄ってたかって引きちぎっちゃったよう、ううう、みんなでその生肉食っているよう。役者さんも大変だけど見ているこっちだって決して気持ちの良いものではありませんぜ(笑)。

 この時ヘリが飛んできます。この探検行はニューギニア政府の許可なしでやっていますので見つかるとまずいことになってしまいます。スーザンたちは慌てて隠れるのですが現地の人たちはどこ吹く風。逃げもせずトカゲの肉をくちゃくちゃやっているのでありました。これで切れたのがアーサー。ヘリが飛び去るなり現地の人たちに殴る蹴るの暴行。「てめえ、この土ピーが、○○○の○○だろ、ピー○○が暢気に○ピー○○ピーピーしてんじゃねえ」これで現地の人たち二人が逃げちゃった。フォスター、アーサーに冷たい目を向けて「これで満足したか。逃げた二人の荷物は俺たちで運ばなくちゃならないんだぞ」

 それでも何とか海岸にたどり着いてほっとする一行です。フォスター、「よし、これでボートを準備して今夜ロカ島に渡るぞ。夜明け前には到着できるだろう」次の場面になるともうロカ島でキャンプしているという・・・(笑)。

驚くほど威勢のよい場面のすっ飛ばし。江戸っ子だってこんなに威勢よくないですよ。

 探検の疲れでぐっすりと寝込んでしまうスーザンたち。その時夜の森の中からアホアホアホーという不思議な呼び声が聞こえてきます。それに反応したのが一番若い現地の人のスーラ(ルイジーナ・ロッシ)、彼はふらふらと立ち上がるとキャンプを出て行きます。その彼を待っていたのは不気味な泥の仮面をつけた男。スーラはその男と一緒に森の中へ消えていったのでした。翌朝、彼がいないことに気がついたスーザンたちは愕然としますが、探しに行くわけにもいかず、そのまま探検を再開するのでありました。

 聖なる山ララミーは川の向こうだ、ということで筏を作って川を渡る一行。ここで筏が何かに引っかかって動かなくなります。現地の人が水中に手を突っ込んで外そうとしたらはい、ワニに食われてしまいました。

 残る現地の人はただ一人。川を渡った一行、再びジャングルを歩き始めるのですが聞こえてきたのがドンガドンガドンドンという不気味なタイコの音。恐怖に駆られた最後の現地の人はフォスターが止める間もなく悲鳴を上げて逃げ出します。しかしその彼を待ち伏せていたのは例の仮面の男。ぴゃっと飛び出してくるなり槍で現地の人の首をちょん切っちゃった。ゴロンと転がる現地の人の首。味もそっけもない残酷場面です(笑)。

 この現地の人を追いかけて飛び出していくフォスターとアーサー。一人取り残されたスーザンもまた仮面の男に襲われるのです。槍を振り上げる仮面の男、スーザン絶体絶命かと思われたのですがここで唐突に現れた白人の男が銃をズドーン。驚いた仮面の男はジャングルに逃げ込みます。スーザンの命を救った男、マノロ(クラウド・カッシネリ)、彼もまたジャングルを探検していたそうで、なにやら実に怪しげです。しかし命を救われたスーザン、彼にちょっとぽーっとなっておりまして「夫を見つけるのを手伝ってくださらない。他の二人はあてにならないの」などと言い出す始末。

 さて、一行はフォスターの旧知であるモーゼ神父(フランコ・ファンタジア)の村へ向います。「おー、神父、久しぶりです」「おー、フォスター、良く来たのう」と極めて親しげに挨拶を交わすフォスターとモーゼ神父。そんなに親しいなら一番にここに来れば良かったのに(笑)。フォスターは神父にスーザンの夫を探すためにララミーの牧場へ行くこと、そしてプーカ族に襲われたことを話すのです。神父は驚いて「そんなプーカ族はとうの昔に絶滅した筈じゃ」ここでフォスター、驚くべきことを言い出します。「6年前、この島に初めて来たとき私はプーカ族に捕まった。食われそうになったのだが病気だった酋長の息子を治療したので許され仲間になった。しかしやっぱり人食い人種の仲間はイヤですから他の部族が襲って来た時にその混乱に紛れて逃げ出したのです」

 スーザンはびっくりします。「ええ?、あれはプーカ族なの?人食いなの?」そりゃ驚きます、フォスター、そんな大事なこともっと早くに言えと誰だって思いますね(笑)。

 ともあれモーゼ神父の村で歓迎される一行。夜さっそく歓迎の宴が開かれます。踊り狂う村人たち。その中で若い娘が何を考えたのか小屋で寝ていたアーサーのところへ夜這いに行くという・・・(笑)。驚くアーサーの前でおっぱいをぽろんと出す娘。アーサー、鼻息荒くして「こらたまらん」ヤッてしまう訳です。その光景を外から覗いて悔しそうにしている村の男が一人。はて、彼はこの娘の恋人か何かなのでしょうか。しかしその疑問が解消される間もなくいきなり小屋に飛び込んでくるプーカ族の男。槍を振り上げて娘をぐさぁ!ギャーッ、たまらず絶命する娘です。

 この悲鳴を聞きつけたフォスター、ピストル構えてプーカ族を追っかけます。すると目の前にぬっと出てきたのはアーサーと娘の情事を覗いていた男の首吊り死体。はあ?これは恋人を寝取られてヤケになったということなのでしょうか。「何が何だかよく分からん」と首を捻っているフォスターをプーカ族が襲います。鉈でフォスターの足をぐさっ。「げぇっ」転がるフォスターです。しかし彼は苦痛に耐えつつプーカ族に向けてピストル乱射。プーカ族ばたりと倒れて死んでしまったのでありました。その仮面を外すフォスター、はっと息を呑みます。仮面の下から現れた顔はキャンプから逃げたスーラのものだったからです。

 村に戻ったフォスター、スーザンに足の怪我を治療して貰いながら「私がプーカ族の村から逃げた時、実は一人じゃなかったんだ。酋長の息子も一緒だったんだ。それがスーラだったんだよ」みんな密かに、「だからそんな大事なことはもっと早くに教えろというんだ」と思ったとか(笑)。

。「娘と男が死んだのは貴様らのせいじゃ」翌朝、ころりと態度を変えるモーゼ神父と村人たち。スーザンたちは反論する間もなく追い出されてしまいました。これからえんえんと筏で川を下ります。あっ、ワニが大蜥蜴を食ってる!ここでフォスターがいきなり「ヘンリーがララミー山を目指したのは研究のためなんかじゃないぞ。金のためだ、だから彼は私を待たずに一人で出発したのだ」と言い出します。驚くスーザン、さらにヘンリーのことをあまりよく思ってないらしいアーサーが「そうだ、そうだ、ヘンリーはそんな奴なんだ」スーザン、アーサーを張り飛ばします。アーサーもビンタで反撃、すかさずビンタを返すスーザン、二人でビンタ合戦してどうするんだ(笑)。

 ここからまた延々と川下り。いつまで下るんだと思っていたら流れが速くなりまして筏はあえなく転覆してしまいます。なんとかみんな岸にたどり着くことができたのですが、筏は流されてしまいました。これからまた歩くのか、みんなうんざりした顔をしています。私もちょっとうんざりです(笑)。

 だらだら歩いて滝つぼにやってきました。マノン、皆に「よし、ここを登るぞ」 えんやこらとよじ登る訳です。マノン、スーザン、アーサーの順で上にたどり着いたのですが、フォスターがいけない。スーラにやられた太ももの傷が悪化して登れなくなっちゃった。彼はアーサーに手を差し伸べて「助けて、助けてくれ」アーサー、無視します。「え、ちょっとそんなやめてよ」あせるフォスター、ついに「ひーっ」崖から転落してお陀仏となります。このアーサーの行為に怒ったマノン、アーサーを殴りつけ「てめえ、見殺しにしやがったな。もう俺はついていけん、帰らせてもらう」しかしスーザンがすがり付いて「そんなのだめ、いや、私たちを助けて」と懇願するとさっと機嫌を直してしまうのが凄い。で、次の場面では何事もなかったように三人で歩いているの(笑)。

 延々と歩く場面が続きます。ジャングルを歩いたり沼地を水につかりながら進んだり本当に無駄に長い。そして唐突に巨大なニシキヘビに襲われるスーザン。危ないところでマノンに助けられるのですが、蛇の出番はここまで。次の場面ではまた何事もなかったように歩いております。実際しょうがないですなあ。

 さて、蛇の後また延々と歩いた挙句、三人はプーカ族の墓というか食料(人体)の捨て場というか、そんな場所を見つけます。さらに怪しい洞窟を発見。いきなり荷物からガイガーカウンターを取り出したスーザン、ジジジと鳴るのを確かめて「やった、ついに私たちはウラニウム鉱脈を見つけた、これで大金持ちになれるわ」スーザン、呆然としているマノンに、「あら、行方不明になった夫を探すって話、信じていたの?馬鹿ね、そんなの嘘っぱちよ、最初っからこのウラニウム鉱脈が目的だったのよ」ええ、そ、そうだったんスか?私もマノンに負けないくらい呆然としております(笑)。アーサーも「ちなみにフォスターもこの鉱脈を探していたんだ。でも奴はこの鉱脈で得た金で良いことをしようとしていた。俺はそんなフォスターが邪魔だったから滝で見殺しにしたのだ」ふーん、そうですか。

 アーサーとスーザンは「よし、サンプルを採取して持ち帰ろう、そしてすぐに採掘開始だ」と盛り上がっております。ところがここで思ってもみなかったプーカ族の襲撃。ヤリがびゅうと飛んできてアーサーの腹にぐさっ。「ギャーッ」死にます。スーザンとマノンもあっさり捕まってプーカ族の住処である洞窟へ連行されてしまうのでした。

 洞窟の中でマノンとスーザンはあるものを見つけて驚愕します。そのあるものとは腐りかかったヘンリーの死体。その胸にはガイガーカウンターが埋め込まれていてジージー鳴っています。どうやらプーカ族、ヘンリーの死体を神として崇めている様子。ここで登場したプーカの族長、スーザンに彼女とヘンリーのツーショット写真を見せるのです。「ヘンリーが神ならここに映っているアンタもまた神じゃ」ということなのでしょうか。スーザン、プーカ族によってヘンな飾りを着せられます。これで女神として君臨するのかと思いきや、磔台に縛り付けられて動けないの。なんだかマノンとあまり代わらぬ扱いのようです。

 この後、アーサーの死体をこんがりとやいてみんなで焼肉パーティ。無理やり弟の肉を食わされるスーザンや哀れ。

 プーカ族は食い疲れてみんな眠ってしまいます。マノンがどうにかして逃げ出すのかと期待していたら唐突に蛇と戦う鳥の絵が挿入されてがっかり。あと映画9分ぐらいしか残っていないのにそんなことやってどうするんだっての(笑)。縛られて動けないマノンのところにプーカの小人がやってきてヤリでちくちく、彼を嬲り始めます。腹を立てたマノンが小人を「てめえ、何をしやがる」と蹴飛ばしますと小人倒れて岩に頭をごつっ。即死してしまいましたとさ。マノン、小人の槍を使って縄を切り逃げ出すのです。

 人を騙してウラニウム鉱脈探索につき合わせていたスーザンなど放っておけばいいのに、彼女を助け出すマノン。良い人であります。彼女の縄をほどいて二人で逃げ出します。洞窟の入り口で見張りのプーカ族三人と戦うことになったのですがなんとかこれを撃退。二人は川を丸太で下って逃げようとします。しかし川に入ったところで水中から仮面被ったプーカ族三人が出現!戦うマノン、意外とあっさりこの三人も倒しまして無事丸太で川を下り始めたのでした。全然盛り上がらなくってウラニウム鉱脈云々も放ったらかしですが、エンドマーク。

悪趣味ここに極まれり。こんなの見ていると脳が「馬鹿映画脳」になっておかしくなります。犯罪を起こしたりもします。これ、本当のことですよ。

カラー、スタンダード。モノラル音声。画質はうわあ、これは何時にも増して酷い。暗い場面が本当に何をやっているのか全然分からないや!音質もどうもねえ、何故ここまで歪みますかねえ。13枚組みのDVDボックスセット50 Movie Pack: Drive-In Movie Classics の一本。Digital 1 StopDVD

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『Le Prigioniere dell'isola del diavolo』(『Women of Devil's Island』 1962年)

 

Le Prigioniere dell'isola del diavolo』(『Women of Devil's Island』 1962年)

 島自体が刑務所の孤島に詰め込まれ、強制労働をさせられる女囚たち。それでイタリア映画なのだから、エロエロに決まってるやんと思って見始めた私なのですが…。

大海原を航海する船。その甲板には大きな檻がしつらえてあって中に女がたくさん詰め込まれております。この船は実は囚人船。デヴィルズ・アイランドという孤島の刑務所へ女囚人たちを護送する途中だったのです。囚人ですから女達の待遇は最悪。この暑いのに水もろくすっぽ与えられていないようでみんな檻の中で「暑いー、喉乾いたー、死ぬー」と呻いております。

 その中にいたのが本作のヒロイン、マルティーニ・プルーシェー(ミシェール・マーシャー)であります。彼女自身はなんら罪を犯していないのですが彼女の父親のとばっちりを受けて政治犯として投獄されようとしております。そんな彼女の希望はただ一つ。彼女より前にデヴィルズ・アイランドへ収監されている筈の妹、ミシェル(フェデリカ・ランチ)を見つけることでした。

 船はあっという間にデヴィルズ・アイランドへ到着。見るからに意地悪そうな監督官リファーヴァー中尉(ポール・ミュラー)が「いいか、女達、この島で少しでも生き延びたければ力の限り働くことだ。脱走など努々考えてはならんぞ。すぐに捕まって葬式の参列者が遺体の凄さに手が震えて焼香の灰を撒き散らすようなそんな目に合わせてやるからな」この時マルティーニは懐かしい姿を目にします。ミシェルです、妹のミシェルです。彼女は妹にかけよって「ミシェル、ああ、良かった、無事だったのね」妹、偉く簡単に見つかりますなーと呆れていたら(笑)ミシェルは首を振って「あたしはあんたの妹なんかじゃない。ジャネットって言うんだ、あんた、気でも狂ったのか」と吐き捨てたのです。呆然とするマルティーニ。一体、ミシェルはどうしてしまったと言うのでしょうか。

 マーティーニたち新収監者も休む間もなく労働に借り出されます。このデヴィルズ・アイランドで女達がやることはただ一つ。川でジャリをザルでひたすらに救い上げ砂金を見つけ出すのです。この島はフランスにとってなくてはならぬ収入源になっていたのでした。女達は少しでも慰めを見出そうと声を合わせて歌いながら作業をするのですが意地悪な監督官リファーヴァーは「やかましい、女ども、その陰気臭い歌を今すぐやめろう!」

おまけにこの島の川に生息するワニにヘンリエッタという囚人が襲われてしまいました。看守たちは彼女を助けようとしてライフルを構えるのですが、リファーヴァー「弾丸の無駄だ。どうせ助からん、放っておけ」だって。さらにリファーヴァーはジャネットに「今夜、わしの部屋にくるか、ええ?どうだ、ウヒヒヒヒ」なんとこの刑務所、監督官のリファーヴァーを初めとしてみんな女囚人を夜の慰み者にしていたのであります。ジャネットは「へ、死んでもいやだよ」と拒否するのですが一度慰み者になると次の日の仕事が休みになるという特典がありまして、女達はいやいやながら相手をしていたのです。

ほら、ほら、やっとエロになってきましたよと私は喜んだのですが…。


 夕方、へとへとになった女達は獄舎に戻されます。ベッドに寝るなり鎖で繋がれてしまう女達。外には見張りが立っているし、なるほどリファーヴァーが言ったように簡単には脱走できないようです。しかしそれでも諦めない女達、どこからかくすねてきたノコギリを使って鎖を切ろうとしています。丈夫な鎖ですから一気に切ることはできません。何日もかけて少しずつ、少しずつ切れ目を入れていくのですって、それ絶対途中で見つかっちゃうよ(笑)。

エロからあっという間に離れてしまいました。

 ここであのジャネットがたまたま二段ベッドの上になったマルティーニに「さっきはごめんね、姉さん」と突然の告白。「私、ここじゃジャネット・ドビーってことになっているの。護送の途中で海に飛び込んだ女に成りすましているの。彼女の罪は売春で後四年でここを出られる。でもミシェル・プルシェーってことがばれたら終身刑よ、一生ここから出られなくなってしまうわ」そして母の消息を尋ねるミシェル、マルティーニに「去年の冬に死んだわ」と聞かされさめざめと泣いたのでありました。

意外と簡単に事の真相が明らかになりましたね。それにしてもまだエロにならないなあ。

 そしてミシェルは自分達の脱走計画をマルティーニに打ち明けるのでした。もうすぐ鎖が切れる、島から出るためのボートも見つけて一年前から修理している。準備は整った、後はやるだけだというのです。マルティーニ、本当に良いタイミングで島に連れてこられたものです(笑)。一人、過酷な労働で体を壊し脱走計画に参加できなくなった女マリーナが「私も連れていってよ」とミシェルにしがみつき「ええい、ムチャをお言いでないよ」と蹴り飛ばされた場面が気になるのですが、とにかく今夜脱走しようということになりました。

 ミシェルは「脱走した後お金が必要だわ。私、今夜リファーヴァーにヤラせて奴が油断したところで金を盗んでくる」と言い出します。マルティーニは止めるのですが、「じゃあ姉さんは一文無しでどうしようというの」と言い返されて黙ってしまいましたとさ。ミシェルはその夜リファーヴァーに体をまかせます。同時に女達の脱走計画が実行に移された!鎖をようやくのことで切った女達、看守の頭をノコギリで一撃して見事逃げ出すことに成功します。後は金を持ってくる筈のミシェルを待つばかり。

なんだ、やっとエロになったかと思ったのに。

 看守の殺害を引き受けた女、土壇場になってびびります。他の女達から「アンタ、どうしたのよ、ここには人殺しで入ったんでしょ」と言われるのに「アレはみんなに一目おいてもらうためのウソよ、本当は人殺しなんかしたことないわ」という会話が妙にリアルでおかしい。

 さてミシェル、コトを済ませた後リファーヴァーが眠ってしまったのを確認して部屋を離れます。そのまま地下の金貯蔵庫に行くのですが直後、眠っていた筈のリファーヴァーががばりと起き上がった!同時に副官のデュバル(カルロ・ヒンターマン)が飛び込んできて「隊長どの、全ての準備は整っておりますぞ」そう、女たちはまんまと罠に飛び込んでしまったのです。リファーヴァーはミシェルに蹴り飛ばされた女マリーナから密告を受けて脱走のことをとうに知っていたのであります。

 すぐに追っ手がかかってミシェルはリファーヴァーにあえなく射殺され、マルティーニたちも全員捕まってしまったのです。

 リファーヴァー、引き立てられた女達に向って「本来なら即刻縛り首にするところだが、何しろ金も掘らなければならぬ。今回はこの慈悲深いリファーヴァー様の大岡裁きで鞭打ち20回と野ざらしだけで済ませてやるわ。ははは、なんと幸運な女達よ」フランスの人が大岡裁きなんて言ってはいけないと思います(笑)。マルティーニはリファーヴァーを睨みつけて「よくも妹を殺したわね、コノウラミハラサズオクベキカ」と喚き散らすのでした。

 しかし鞭打ち20回はともかくとして炎天下での野ざらしは大変に過酷。船の残骸に縛り付けられた女達、あまりの暑さに「暑い、死ぬー、喉乾いたー」と呻いております。ついに耐え切れず一人が死亡。それでもリファーヴァーはこの苛烈な刑罰をやめようとはしません。「けけけけ、苦しめ、もっと苦しむのじゃ」と呵呵大笑しております。

 そんな中フランスから一隻の船が到着しました。リファーヴァーは「あ、あれは俺の出世の知らせを持ってきたのに違いない」とうきうきしております。ところがそれが取らぬ狸の皮算用、実はフランス海軍のヘンリー・バリエール少佐(ガイ・マディソン)が新たな監督官として赴任してきたのでした。リファーヴァーは出世どころか副官への格下げとなりまして内心激しく落胆しております。おまけにバリエール少佐、野ざらしにされていた女達の刑罰を中止する様に命令したり、女囚を慰み者とすることをやめさせたりでいよいよリファーヴァーの面目丸つぶれ(笑)。

ありゃりゃ、エロからどんどん遠くなるばかりですな。

 さらにヘンリーはムチで女達を働かせることさえ禁止するのです。デュバルは「少佐どの、ムチなしじゃ女達は働きませんぜ」と進言するのですが、ヘンリーは聞く耳もたず。なるほどムチの恐怖から逃れた女達はだらだらとしか動こうとはしません。しかしこの時マルティーニがワニに襲われた!「弾丸の無駄だから撃つな」と言ったリファーヴァーとは大違い、ヘンリーはためらうこともなく川に飛び込み張りぼてのワニと大格闘(笑)。ついに彼女を救出したのでした。これでマルティーニ、ヘンリーを見直したというか、ええ、はっきり言ってしまえば惚の字になってしまったという・・・。

 この後近くの漁師が嵐でデヴィルズ・アイランドに漂着します。リファーヴァーは「この島に迷い込んできたものは生かして帰すことはできません」と恐ろしい主張をするのですが、例によってヘンリー、「馬鹿なことを言っちゃいかん」とぴしゃり。ますますヘンリーに対してよからぬ思いを募らせるリファーヴァー。

 ヘンリー、今度は島全体の防備を改めると言い出します。図面を見ながら「たしかに島の防備は頑強だ。しかしここに大きな間隙が残されているではないか」リファーヴァーは「そこはジャングルですから、例えばもし海賊どもなんかがそこを突っ切ろうとすればワニにやられてしまうのです。だから補強の必要はございません」しかし納得しないヘンリー、リファーヴァーに「君、兵隊を引き連れてこの間隙を塞いでまいれ」と命令します。

このリファーヴァーとヘンリーの打ち合わせの最中にマルティーニが面会を求めてきます。彼女はリファードを指差して「私はこの腐れ○○○の血も涙もない犬にも吠えられる殺人鬼を告発します。こいつは私の大事な妹を殺したのよ!」びっくりしたリファーヴァー、「こら、何を言うか、お前の妹は金を盗んで逃げようとしたではないか、そんなの撃たれて当然じゃ」ヘンリー、あくまでもリファードに冷たい(笑)。彼はリファードの言葉を無視してマーティーニの手をとると「執政官に報告して彼には公正な裁判を受けさせるようにしよう」この成り行きに激怒したリファーヴァー、憤然として出て行きます。この後盛り上がったヘンリーとマーティーニ、見交わす目と目、この二人を誰も止められはしない、唇がそっと近づいてはい、キスをしたのでございます。ぶちゅぶちゅぶちゅちゅちゅー。

 翌日、防壁の工事に向うリファーヴァーと部下達。彼らを見送ったヘンリー、にやっとして地下へ降りるのです。そして山と積まれた金を発見すると「よっしゃ、やったぞ」とガッツポーズ、同時に海上から謎の船が艦砲射撃をしかけてきたのです。大混乱に陥るデヴィルズ・アイランド。リファーヴァーはあわてて要塞に引き返すのですが時すでに遅し、この隙をついたヘンリーが大量の金を盗んでしまった後でした。そう彼は反乱軍の首魁だったのです。どうやってやったのか分かりませんが転属の書類を偽造してまんまとリファーヴァーたちをだましていたのであります。

 しかしヘンリーはマーティーニのことが忘れられません。彼は部下のバートに命じてボートを出させます。バートはしきりに「やめなさいって、金も手に入ったのにあなたの命を危険にさらすことはないでしょうが」と止めるのですがヘンリーは聞く耳持たず。「3日後に戻ってきてくれ、その時まで俺が間に合わなければそのまま行っていいぞ」

 さて、見事にだまされて金を奪われたリファーヴァーの面目は丸つぶれ。彼は失点を取り返すべく前にもまして女囚どもの苛烈な労働を強いております。少しでも怠けるとムチでびしびし、ああ、「女囚残酷物語」みたいなものです。この時マーティーニは遠くの茂みの側に倒れている人間を見つけます。彼女はマーリーンを呼んで「私が騒ぎを起こして看守を引きつけるからあなたはその間にあの人が誰か確かめて頂戴」マーティーニは近くにいた看守に向って「やーい、やい、お前の母ちゃんでべそ、電車に引かれて死んじまえ」「何をこの糞アマ」そいつばかりか他の看守どもも集まってきてマーティーニに殴る蹴るの暴行。マーリーンは言われたとおりに茂みの人影を助けに走ります。その人影とはもちろんヘンリー。彼はボートを岩礁で打ち砕かれほうほうの態でようやくたどり着いたところだったのであります。彼を匿うマーリーン。

 その夜マーリーンから教えられて彼の隠れ場である海岸へ赴くマーティーニ。ヘンリーに会うなり「この裏切り者!もう金はないわよ、何故戻ってきたの」大変なケンマクです。ヘンリーは彼女を無理やり抱きすくめると「金のためじゃないんだ、僕は君のために戻ってきたのだ」これでたちまちぼーっとなるマーティーニ。恋する女はこれだから困ります(笑)。がらりと態度の変わったマーティーニ、「でもヘンリー、大変よ、あの島に流れ着いた若者があなたたちの仲間だと分かって拷問を受けているわ、助けてあげて」

 ああ、そうだ、いたいた、そんなの。私、すっかり忘れておりました(笑)。私ばかりではなくヘンリーとその一党も忘れていたのに違いありません。


 さっそく牢屋へ忍び込むヘンリー。見張りの後頭部をがんとやって昏倒させると若者、マイクを縛っている鎖を外します。そして拷問にやってきたデュバルを待ち受けてそれっと飛び掛り絞め殺してしまったのです。二人はその後無事脱出に成功します。

 これでリファーヴァーはかんかん。金の唯一の手がかりであった若者に逃げられたばかりか忠実な副官まで殺してしまったのです。おまけにフランス本国から金を取りに船がやってきてその船長から「金はどうしたんですか、フランスは金を必要としているのですぞ、金がなければ反乱軍を抑えることはできませんぞ」とやいのやいのと攻め立てられる。ついにリファーヴァー、マーリーンを呼び出して「お前、またスパイやらんかい、逃げた奴の場所を探らんかい」マーリーンは「いやいや、そんなのもう二度としない、許して」と拒否するのですが「だったらお前が脱走を密告したことをみんなに話してやろう」はい、これで逆らえなくなったマーリーン、ヘンリーと彼の隠れ場所のことをリファーヴァーに教えてしまったのでした。

 さてその翌日体調不良を理由に仕事を休みたいとリファーヴァーに申し出たマーティーニ。フツーなら「馬鹿言っていないで働け」と即刻却下されるところですが何しろリファーヴァー、腹に一物がありますので「いいよ、いいよ、休みなさい、なんならずっと」優しい笑顔でOKを出したのです。さっそくヘンリーとマイクの隠れ場所へ急ぐマーティーニ。当然ながらリファーヴァーの部下達に尾行されております。マーティーニ、二人と合流してボートの隠し場所へ案内した途端、リファーヴァーたちが現れて「はい、それまでよ」ヘンリーたちは思わず「泣けてくる~」と言ったとか言わないとか(笑)。たちまち捕まってしまいました。リファーヴァーはからからと笑って「金のありかを言え、さもなければお前ら縛り首じゃ」

 牢屋へつながれたヘンリーとマーティーニ。マーティーニは涙ながらにヘンリーに語りかけます。「ヘンリー、お願いだから金を返して命だけは助けて貰って私、あなたを愛しているのよ」しかしヘンリー、静かに首を振って「僕も君を愛している。でも仲間を裏切ることはできない。金がなければ武器も買えない、革命が不可能になってしまうんだ。だから金は返せないのだ」

 そして牢屋から引き出される三人。まずヘンリーとマイクが絞首刑台に登らされ首に縄を掛けられます。ああ、危うし、彼らの命は処刑台の露と消えるのか。この時飛び出したのがマーリーンです。彼女は警備の兵隊から松明を奪って猛ダッシュ。これ見よがしに並べてある火薬の樽に松明をかざして「リファーヴァー、その人たちを釈放しなさい。さもないと火薬を爆発させるわよ。お前は私をスパイにした。でもそれも今日でオシマイだ」彼女はヘンリーとマイクから縄が外され逃げるのを確認してから松明を火薬樽にぐい。ちゅどどどーん、大爆発が起こります。

 ここから始まる女囚対デヴィルズ・アイランドの兵隊達の大合戦。ヘンリーは生き残った女達にライフルを持たせて応戦させます。デヴィルズ・アイランドの兵隊達は大砲で持って応戦。ずどーん、きゃー、きゃー、ぱんぱんぱん、ひー、ぎぇー、大砲・ライフルの発射音と悲鳴が交互に聞こえる地獄絵図。兵隊達は大砲を持っているので有利かと思われたのですが、3日後の約束を守って戻ってきた革命軍の兵士達がボートで上陸して参戦、一気に形勢が逆転します。ぱんぱん、ぎゃーぎゃー、ぱんぱん、ひーひー、ついに兵士たちは制圧されてしまったのであります。リファーヴァーは一人逃げようとしたのですがその前に立ちふさがったのがライフル持ったマーティーニ、「妹の仇、思い知れ」哀れリファーヴァー、射殺されてしまいましたとさ。

 生き残った女達は革命軍の船に迎えられてデヴィルズ・アイランドを脱出することになります。船上で抱き合う、マーティーニとヘンリ、キスしたところでエンドマーク。

 なんですな、孤島の女囚ものというから女囚が裸に剥かれたりとか拷問されたりとかそんな展開を期待していたのですが、なんだ、中途半端に出来の良いフツーのアクション活劇でしたなあ(笑)。

カラー、スタンダード。モノラル音声。画質は色のにじみが酷く例によって暗い場面では何やっているのか分かりません。音質はそこそこ。ノイジーでありますが台詞が聞き取り易い。13枚組みのDVDボックスセット50 Movie Pack: Drive-In Movie Classics の一本。Digital 1 StopDVD

 エロの冒険者 

       HOMEPAGE http://homepage3.nifty.com/housei/

      SFシネクラシックス 輸入DVDでみるSF黄金時代(笑)

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