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2007年7月 6日 (金)

『食人伝説』(『La Montagna del dio Cannible』 『Slave of the Cannibal God』 1978)

 

『食人伝説』(『La Montagna del dio Cannible』 『Slave of the Cannibal God』 1978

 ボンド・ガールが出てくるジャングル探検隊映画。それに食人部族まで出てきて、まあ、盛りだくさんな内容です。それでいて映画全体がだらだらしていてちっっとも面白くないというエクスプロイテーション映画の鏡でありますな。

オープニングクレジットの間に映されるニューギニアの野生動物たち、ニシキヘビ・アルビノコブラ、イグアナ、オランウータン、カメと戦っているワニ、もひとつおまけに大蜥蜴と戦うワニ、記録フィルムをただ漫然と繋いだだけの映像にこの映画に対する期待がしょぼしょぼと萎んでいきます(笑)。これが終わって着陸するジェット旅客機。降りてきたのはスーザン・スティーブンソン(ウルスラ・アンドレス 『ドクターノオ』のボンドガール)とその弟アーサー(アントニオ・マルシーナ)であります。二人を取り囲んだ新聞記者たち、口々に「ご主人は生きておられるのですか?」「性感じゃなかった生還の見込みは?」「性感ってそんな人をマッサージみたいに!」「昨日夕ゴハンに何を食べましたか?」

 実はスーザンの夫で高名な人類学者であるヘンリーが今だ人跡未踏の地が残されているというマラバラジャングルで消息を絶っておりスーザンとアーサーは彼を探すために遥々ニューギニアくんだりまでやってきたのです。空港を出た二人は早速ヘンリーの友人であるエドワード・フォスター教授(スティシー・キーチ)を尋ねます。なかなか色男風のフォスター、「彼が探検に行くといっていたので参加しようと思っていたのだが、彼は私を残して出発してしまったのだ」フォスターは地図を広げて「ここが彼が消息を絶ったマラバラジャングルだ。その沖合いにあるロカ島、彼はこの島の禁断の山、ララミー山に向ったのに違いない」断言しますね、フォスター教授(笑)。

 当然のごとくスーザンは「分かりました、私、その島に行ってみますわ」「ええっ、ほ、本当っすか」と驚くフォスター。「この山は呪われているという伝説があって、現地人も近づかないのですぞ」「かまいません、夫を見つけるためです。呪いなんかへいちゃらです」ということで急遽スーザン・フォスター・アーサー、現地の人5人によるヘンリー捜索隊が編成されることになります。

 ヘリでマラバラジャングルまで送ってもらう一行。この場面ヘリのローター音がばらばら五月蝿くてみんなの台詞が聞き取れません。いかにイタリアの食人映画といえどもちょっとはこういうところ気をつかえと思います。

 さてヘリを降りて今度は歩き。ジャングルを粛々と進む一行であります。とここでスーザンがぶっ倒れた。「夫のためならどこまでも」と勇ましいことを言っていた彼女、でも所詮都会暮らしの女です。慣れぬジャングルで体力をすり減らしていたのであります。「ううう」とか呻いてなかなか立ち上がれないスーザン。とここで彼女の顔のすぐ近くにタランチュラが現れた。すると立ち上がれなかった筈のスーザンがぴょんと飛び上がって逃げるのが面白いですな(笑)。フォスター、現地スタッフから山刀を借りると一振りでタランチュラを真っ二つにしてしまいます。うう、ホンモノを殺しているよう。「スーザン、危なかったな、これに噛まれると3日でお陀仏だぞ」

 ところがこのタランチュラ、現地の人にとっては聖なる存在であった訳で・・・。これを殺すと呪いが掛かるということで現地の人たち生贄を捧げることになります。その生贄というのが大蜥蜴。ううう、ホンモノの腹をいきなりかっさばいたよう、ううう、皮を剥いじゃったよう、ううう、みんなで寄ってたかって引きちぎっちゃったよう、ううう、みんなでその生肉食っているよう。役者さんも大変だけど見ているこっちだって決して気持ちの良いものではありませんぜ(笑)。

 この時ヘリが飛んできます。この探検行はニューギニア政府の許可なしでやっていますので見つかるとまずいことになってしまいます。スーザンたちは慌てて隠れるのですが現地の人たちはどこ吹く風。逃げもせずトカゲの肉をくちゃくちゃやっているのでありました。これで切れたのがアーサー。ヘリが飛び去るなり現地の人たちに殴る蹴るの暴行。「てめえ、この土ピーが、○○○の○○だろ、ピー○○が暢気に○ピー○○ピーピーしてんじゃねえ」これで現地の人たち二人が逃げちゃった。フォスター、アーサーに冷たい目を向けて「これで満足したか。逃げた二人の荷物は俺たちで運ばなくちゃならないんだぞ」

 それでも何とか海岸にたどり着いてほっとする一行です。フォスター、「よし、これでボートを準備して今夜ロカ島に渡るぞ。夜明け前には到着できるだろう」次の場面になるともうロカ島でキャンプしているという・・・(笑)。

驚くほど威勢のよい場面のすっ飛ばし。江戸っ子だってこんなに威勢よくないですよ。

 探検の疲れでぐっすりと寝込んでしまうスーザンたち。その時夜の森の中からアホアホアホーという不思議な呼び声が聞こえてきます。それに反応したのが一番若い現地の人のスーラ(ルイジーナ・ロッシ)、彼はふらふらと立ち上がるとキャンプを出て行きます。その彼を待っていたのは不気味な泥の仮面をつけた男。スーラはその男と一緒に森の中へ消えていったのでした。翌朝、彼がいないことに気がついたスーザンたちは愕然としますが、探しに行くわけにもいかず、そのまま探検を再開するのでありました。

 聖なる山ララミーは川の向こうだ、ということで筏を作って川を渡る一行。ここで筏が何かに引っかかって動かなくなります。現地の人が水中に手を突っ込んで外そうとしたらはい、ワニに食われてしまいました。

 残る現地の人はただ一人。川を渡った一行、再びジャングルを歩き始めるのですが聞こえてきたのがドンガドンガドンドンという不気味なタイコの音。恐怖に駆られた最後の現地の人はフォスターが止める間もなく悲鳴を上げて逃げ出します。しかしその彼を待ち伏せていたのは例の仮面の男。ぴゃっと飛び出してくるなり槍で現地の人の首をちょん切っちゃった。ゴロンと転がる現地の人の首。味もそっけもない残酷場面です(笑)。

 この現地の人を追いかけて飛び出していくフォスターとアーサー。一人取り残されたスーザンもまた仮面の男に襲われるのです。槍を振り上げる仮面の男、スーザン絶体絶命かと思われたのですがここで唐突に現れた白人の男が銃をズドーン。驚いた仮面の男はジャングルに逃げ込みます。スーザンの命を救った男、マノロ(クラウド・カッシネリ)、彼もまたジャングルを探検していたそうで、なにやら実に怪しげです。しかし命を救われたスーザン、彼にちょっとぽーっとなっておりまして「夫を見つけるのを手伝ってくださらない。他の二人はあてにならないの」などと言い出す始末。

 さて、一行はフォスターの旧知であるモーゼ神父(フランコ・ファンタジア)の村へ向います。「おー、神父、久しぶりです」「おー、フォスター、良く来たのう」と極めて親しげに挨拶を交わすフォスターとモーゼ神父。そんなに親しいなら一番にここに来れば良かったのに(笑)。フォスターは神父にスーザンの夫を探すためにララミーの牧場へ行くこと、そしてプーカ族に襲われたことを話すのです。神父は驚いて「そんなプーカ族はとうの昔に絶滅した筈じゃ」ここでフォスター、驚くべきことを言い出します。「6年前、この島に初めて来たとき私はプーカ族に捕まった。食われそうになったのだが病気だった酋長の息子を治療したので許され仲間になった。しかしやっぱり人食い人種の仲間はイヤですから他の部族が襲って来た時にその混乱に紛れて逃げ出したのです」

 スーザンはびっくりします。「ええ?、あれはプーカ族なの?人食いなの?」そりゃ驚きます、フォスター、そんな大事なこともっと早くに言えと誰だって思いますね(笑)。

 ともあれモーゼ神父の村で歓迎される一行。夜さっそく歓迎の宴が開かれます。踊り狂う村人たち。その中で若い娘が何を考えたのか小屋で寝ていたアーサーのところへ夜這いに行くという・・・(笑)。驚くアーサーの前でおっぱいをぽろんと出す娘。アーサー、鼻息荒くして「こらたまらん」ヤッてしまう訳です。その光景を外から覗いて悔しそうにしている村の男が一人。はて、彼はこの娘の恋人か何かなのでしょうか。しかしその疑問が解消される間もなくいきなり小屋に飛び込んでくるプーカ族の男。槍を振り上げて娘をぐさぁ!ギャーッ、たまらず絶命する娘です。

 この悲鳴を聞きつけたフォスター、ピストル構えてプーカ族を追っかけます。すると目の前にぬっと出てきたのはアーサーと娘の情事を覗いていた男の首吊り死体。はあ?これは恋人を寝取られてヤケになったということなのでしょうか。「何が何だかよく分からん」と首を捻っているフォスターをプーカ族が襲います。鉈でフォスターの足をぐさっ。「げぇっ」転がるフォスターです。しかし彼は苦痛に耐えつつプーカ族に向けてピストル乱射。プーカ族ばたりと倒れて死んでしまったのでありました。その仮面を外すフォスター、はっと息を呑みます。仮面の下から現れた顔はキャンプから逃げたスーラのものだったからです。

 村に戻ったフォスター、スーザンに足の怪我を治療して貰いながら「私がプーカ族の村から逃げた時、実は一人じゃなかったんだ。酋長の息子も一緒だったんだ。それがスーラだったんだよ」みんな密かに、「だからそんな大事なことはもっと早くに教えろというんだ」と思ったとか(笑)。

。「娘と男が死んだのは貴様らのせいじゃ」翌朝、ころりと態度を変えるモーゼ神父と村人たち。スーザンたちは反論する間もなく追い出されてしまいました。これからえんえんと筏で川を下ります。あっ、ワニが大蜥蜴を食ってる!ここでフォスターがいきなり「ヘンリーがララミー山を目指したのは研究のためなんかじゃないぞ。金のためだ、だから彼は私を待たずに一人で出発したのだ」と言い出します。驚くスーザン、さらにヘンリーのことをあまりよく思ってないらしいアーサーが「そうだ、そうだ、ヘンリーはそんな奴なんだ」スーザン、アーサーを張り飛ばします。アーサーもビンタで反撃、すかさずビンタを返すスーザン、二人でビンタ合戦してどうするんだ(笑)。

 ここからまた延々と川下り。いつまで下るんだと思っていたら流れが速くなりまして筏はあえなく転覆してしまいます。なんとかみんな岸にたどり着くことができたのですが、筏は流されてしまいました。これからまた歩くのか、みんなうんざりした顔をしています。私もちょっとうんざりです(笑)。

 だらだら歩いて滝つぼにやってきました。マノン、皆に「よし、ここを登るぞ」 えんやこらとよじ登る訳です。マノン、スーザン、アーサーの順で上にたどり着いたのですが、フォスターがいけない。スーラにやられた太ももの傷が悪化して登れなくなっちゃった。彼はアーサーに手を差し伸べて「助けて、助けてくれ」アーサー、無視します。「え、ちょっとそんなやめてよ」あせるフォスター、ついに「ひーっ」崖から転落してお陀仏となります。このアーサーの行為に怒ったマノン、アーサーを殴りつけ「てめえ、見殺しにしやがったな。もう俺はついていけん、帰らせてもらう」しかしスーザンがすがり付いて「そんなのだめ、いや、私たちを助けて」と懇願するとさっと機嫌を直してしまうのが凄い。で、次の場面では何事もなかったように三人で歩いているの(笑)。

 延々と歩く場面が続きます。ジャングルを歩いたり沼地を水につかりながら進んだり本当に無駄に長い。そして唐突に巨大なニシキヘビに襲われるスーザン。危ないところでマノンに助けられるのですが、蛇の出番はここまで。次の場面ではまた何事もなかったように歩いております。実際しょうがないですなあ。

 さて、蛇の後また延々と歩いた挙句、三人はプーカ族の墓というか食料(人体)の捨て場というか、そんな場所を見つけます。さらに怪しい洞窟を発見。いきなり荷物からガイガーカウンターを取り出したスーザン、ジジジと鳴るのを確かめて「やった、ついに私たちはウラニウム鉱脈を見つけた、これで大金持ちになれるわ」スーザン、呆然としているマノンに、「あら、行方不明になった夫を探すって話、信じていたの?馬鹿ね、そんなの嘘っぱちよ、最初っからこのウラニウム鉱脈が目的だったのよ」ええ、そ、そうだったんスか?私もマノンに負けないくらい呆然としております(笑)。アーサーも「ちなみにフォスターもこの鉱脈を探していたんだ。でも奴はこの鉱脈で得た金で良いことをしようとしていた。俺はそんなフォスターが邪魔だったから滝で見殺しにしたのだ」ふーん、そうですか。

 アーサーとスーザンは「よし、サンプルを採取して持ち帰ろう、そしてすぐに採掘開始だ」と盛り上がっております。ところがここで思ってもみなかったプーカ族の襲撃。ヤリがびゅうと飛んできてアーサーの腹にぐさっ。「ギャーッ」死にます。スーザンとマノンもあっさり捕まってプーカ族の住処である洞窟へ連行されてしまうのでした。

 洞窟の中でマノンとスーザンはあるものを見つけて驚愕します。そのあるものとは腐りかかったヘンリーの死体。その胸にはガイガーカウンターが埋め込まれていてジージー鳴っています。どうやらプーカ族、ヘンリーの死体を神として崇めている様子。ここで登場したプーカの族長、スーザンに彼女とヘンリーのツーショット写真を見せるのです。「ヘンリーが神ならここに映っているアンタもまた神じゃ」ということなのでしょうか。スーザン、プーカ族によってヘンな飾りを着せられます。これで女神として君臨するのかと思いきや、磔台に縛り付けられて動けないの。なんだかマノンとあまり代わらぬ扱いのようです。

 この後、アーサーの死体をこんがりとやいてみんなで焼肉パーティ。無理やり弟の肉を食わされるスーザンや哀れ。

 プーカ族は食い疲れてみんな眠ってしまいます。マノンがどうにかして逃げ出すのかと期待していたら唐突に蛇と戦う鳥の絵が挿入されてがっかり。あと映画9分ぐらいしか残っていないのにそんなことやってどうするんだっての(笑)。縛られて動けないマノンのところにプーカの小人がやってきてヤリでちくちく、彼を嬲り始めます。腹を立てたマノンが小人を「てめえ、何をしやがる」と蹴飛ばしますと小人倒れて岩に頭をごつっ。即死してしまいましたとさ。マノン、小人の槍を使って縄を切り逃げ出すのです。

 人を騙してウラニウム鉱脈探索につき合わせていたスーザンなど放っておけばいいのに、彼女を助け出すマノン。良い人であります。彼女の縄をほどいて二人で逃げ出します。洞窟の入り口で見張りのプーカ族三人と戦うことになったのですがなんとかこれを撃退。二人は川を丸太で下って逃げようとします。しかし川に入ったところで水中から仮面被ったプーカ族三人が出現!戦うマノン、意外とあっさりこの三人も倒しまして無事丸太で川を下り始めたのでした。全然盛り上がらなくってウラニウム鉱脈云々も放ったらかしですが、エンドマーク。

悪趣味ここに極まれり。こんなの見ていると脳が「馬鹿映画脳」になっておかしくなります。犯罪を起こしたりもします。これ、本当のことですよ。

カラー、スタンダード。モノラル音声。画質はうわあ、これは何時にも増して酷い。暗い場面が本当に何をやっているのか全然分からないや!音質もどうもねえ、何故ここまで歪みますかねえ。13枚組みのDVDボックスセット50 Movie Pack: Drive-In Movie Classics の一本。Digital 1 StopDVD

 エロの冒険者 

       HOMEPAGE http://homepage3.nifty.com/housei/

      SFシネクラシックス 輸入DVDでみるSF黄金時代(笑)

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