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2007年7月 6日 (金)

『The Day the Earth Caught Fire』(1962)

 

The Day the Earth Caught Fire』(1962

核実験の影響で地球の軌道が変わって太陽目掛けて一直線!地球の気温が急上昇、出てくるキャラクターが全部汗まみれになるという大変暑苦しいSF映画であります。

警告、警告、このDVDのリージョンは1です。したがって日本国内のDVDプレーヤーでは再生できません。警告、警告。

冒頭映る赤茶けたロンドン。汗まみれで街をさ迷う男、ピーター・スタニング(エドワード・ジャド)。彼は新聞社のオフィスらしきところに入ってタイプライターを使おうとしたのですが、「あかん、これ、壊れとるわ」彼は電話を取り上げ交換室のジェニー(ジャネット・モンロー)に連絡します。「ジェニー、そっちで使えるタイプライターないか、記録を残すのや」ジェニーはこの通話をタイプライターが使える男に繋ぎます。そして電話口に向って話し始めるピーター。「後30分で最後の爆弾が炸裂や、これが人類の終わりになるか、それとも新しい歴史の始まりになるのか、誰にもわからへん。全ての始まりは90日前のことやった」

 ここからぱっとモノクロ画面に変わってお話の始まり。南極から60マイルの地点でアメリカによる核実験が行われました。その後太陽黒点の異常活動による航法装置のトラブルが続発します。これが核実験と関係あるのではと睨んだフリート・ストリーツ・ディリー・エクスプレス社の新聞記者ピートは気象庁のサー・ジョン・ケリー教授(オースティン・トレバー)に突撃取材を敢行せんと電話で申し込みます。この電話を取ったのが交換嬢のジェニー。「ジョン・ケリー教授に直接つないでんか」といういささか図々しいピートの申し出に「あきません、直接繋げないことになってます。記者室に繋ぎますから、そっちで一度申し込んでください」「ナニー、このアマ、おとなしくジョン・ケリーに繋がんかい、やい、わしゃ、ピート・スタニングじゃ、繋がんと口に手ェ突っ込んで奥歯がたがた言わせるど!」「繋げないものは繋げないんです。あんた、いい加減にしなさい」電話を切られてしまいました。

 憤然となったスタニング、直接気象庁に乗り込みます。そしてジョン・ケリー教授の秘書、ハルロイドに「この黒点異常は核実験と関係あるのやろ」と詰め寄ります。ハルロイドは「ピート、そんなの関係あらへん、これはまったくの偶然じゃ」「ええい、お前じゃ埒があかん、教授に会わせんかい」「こら何をするのや」しかし、ピート、結局教授には会えず追い出されてしまうという。彼はその後隙をみて教授の部屋に飛び込むのですが、ここでも相手にされず、「核実験やらいうのはやめておとなしく出ていきんさい」「ちょっ」舌打ちしたピートは他社の記者が情報持っていないかとプレスルームへ。

 そこで出合ったのがタイプライターの掃除をやっていたジェニーでした。ピート、彼女がさっき電話口で怒鳴りつけた相手だとは夢にも思わず、いつもの癖で「はーい、わし、ピート。フリート・ストリーツ・ディリー・エクスプレスの敏腕記者。良かったら茶ぁせえへん?」ジェニー、その名前を聞くなり「ウチが電話の相手よ」と激しいパンチをピートの顔面にたたきつけたのでした。目に大きな青あざを作ったピート。「取材を断られるわ、女には殴られるわ、わし、散々やわ」

 さて、ソ連がシベリアで世界最大規模の核実験を行ったというニュースがフリート・ストリーツ・ディリー・エクスプレス社に入ります。それがなんとアメリカの実験とほぼ同時だったというのですから、偶然にもほどがある(笑)。

 ピートはカメラマンを連れてロンドンの中心部で行われた大規模な反核運動のデモを取材します。ここに「核爆弾は平和を維持する!」「反核運動に反対する!」「核爆弾万歳!」「私は核爆弾でアトピーが治った!」「私は核爆弾で素敵な彼氏ができた!」等々のプラカードを掲げた「核推進団体」が乱入してきます。たちまち各所で起こる乱闘。ピート、興奮して、「これじゃ、特ダネじゃ」と叫ぶのですが、TVの中継車のカメラマンが「あ、大変だ、太陽を見ろ」なんと予想より10日も早く日食が起こったのです。

 世界各地で異常気象が起こるわ、日食が早まるわ、やっぱりこれは「核実験のせいじゃ」と盛り上がるフリート・ストリーツ・ディリー・エクスプレス社の面々ですがテレビのニュース番組に出演したジョン・ケリー教授は「この日食は核実験と関係なんかありまへん。そんなのナンセンスだす。みなさん、何も心配することはありませんで」

 しかし異変は終わりません。ブライトンの気温は摂氏35度。街にはビキニのような、一歩間違えたら捕まってしまいそうな薄着の女性があふれ男性どもの目を楽しませております。街で目をさらのようにしてビキニ女性を見ていた男は「うひひひ、たまりませんな、こうなると異常気象もええものですな」とやに下がっております。海水浴場も大混雑。そんな中遊園地で息子のマイケルと遊んでいるピート。実はピート、奥さんと離婚しておりまして、マイケルとはたまにしか会えないのであります。目一杯遊んでマイケルが帰っていったあと、遊園地をぶらぶらするピート。そんな彼の目に止まったのは芝生の上で日光浴しているジェニーだったのです。

 「この間はどうもすんませんでしたなー、堪忍してくださいや」と男らしく謝罪するピート。この態度にジェニーの怒りもほぐれて二人はたちまち仲良くなるという・・・。しかしこの時、またも異変が発生。テムズ川に濃霧が発生したのです。この霧がたちまちロンドンを包み込んでしまい大混乱となります。ピートとジェニーは帰ろうとするのですがバスはストップ、あちこちで事故が発生して大渋滞。地下鉄も霧が構内に入り込んで動きません。こりゃとても社まで帰れないということでピート、歩いていける範囲にあったジェニーのアパートメントで電話を借りることになります。こりゃ良いチャンスじゃ、いろいろせずにおくものか、ピート、部屋に入るなりジェニーの肩に手を回そうとしたり、キスをしたりしようとするのですが、あっさりとかわされ「電話したらとっととかえんなさい。まあ、コーヒーぐらいは飲ませてあげるわ」なんて言われてしまうのでした。

 その頃フリート・ストリーツ・ディリー・エクスプレス社はこの霧についてまたまた大騒ぎ。記者のビル(レオ・マケイン)が「編集長、これはただの霧と違いまっせ。水蒸気や」「水蒸気ってあれか、機関車の煙突からもくもく出る奴か。阿呆、この霧、ビルの4階まできとるのやど、そんな水蒸気があるかいや。お前、テムズ川が風呂になったちうんか」「あれですよ、編集長、核実験で南極の氷が溶けたのや、その水蒸気がロンドンまできたのや」さらにビルは驚くべきことを話します。「わて、考えたんやけど、これ、地球が」ビルは地球の地図をぱんぱん叩きながら「地球の地軸が核実験のショックで傾いたのと違いますか」おー、なんだかえらいことになりましたなあ。

 ロンドンの大混乱は今だ収まりそうにありません。自分のマンションに帰れないピート。図々しくもジェニーの部屋に泊めて貰うことになります。「泊めてくれるちうんやから、やってもええよと言われたも同然じゃ。こうなったら男ピート、いろいろやらずにはおくまいぞ」ニヤニヤしながらジェニーの部屋に入りますが、彼女は枕とパジャマを渡して、「あんたはバスタブで寝るの!」だって。ピート、「コンチクショー」と叫びます。

 さて、ふて腐れてバスタブで寝ているピート。そこへ新聞社から電話がかかってきます。ジェニーに呼ばれてバスルームから出てきたピートが電話を取ると、「おー、君な」ビルであります。「明日一番で気象庁に行ってな、流氷のデーター貰ってきてくれへんか」電話を切ったピート、「わて、何やこきつかわれるなあ」しかし、この電話がきっかけとなって、ついにジェニーとキス、ベッドインと相成ったのでありました。

 ピートとジェニーが「オウオウオウ!」「アイム・カミング・アズ・ユー・アー・ソー・ナイス!」などと叫びながらベッドで大汗かいている頃、ロンドンに次なる異変が。激しい雷が鳴ったかと思うと台風もかくやという大風。車は飛ばされロンドン名物の二階建てバスは転倒、傘持って歩いていたおっちゃんが風に煽られてメアリー・ポピンズのように舞い上がります。おっさんを見た旅客機のパイロット、びっくりしてがらりと操縦席の窓を開け「おっさん、どこ行きまんねん」「分からん、この傘に聞いてんか」念のために言っておきますが、これはギャグですからね、実際の映画にこんな場面ありませんからね。

 一夜明けたロンドンはもうぐちゃぐちゃ。そんな中新聞社に意気揚々と出社するピートですが、編集長からは「お前、昨日どこにいたのや、まさか飲んでたんやあるまいな」ビルからは「ピート、流氷のデーターは、何、ない?え、自分の女に取りに行かせた?阿呆、自分でやらんかい」と言われてムッとしております。そんな中ジェニーから電話。「流氷のデーター手に入った?」と聞くピートに公衆電話ボックスのジェニー、「電話では話せないことが分かったんよ、ランチの時に会って話すわ」

 このジェニーは交換嬢、仕事をやっている時についついお偉方の秘密の会話を聞いてしまったのですな。この情報を人目につかぬよう遊園地の観覧車でジェニーから聞いたピート、「これは秘密にしといてね、記事にせんといてね」と懇願する彼女の言葉に「ええよ」と頷くのですが、次の場面ではもうビルに話しているという・・・(笑)。ビル、ピートから渡されたメモを読んで驚愕します。「うわ、こら、えらいこっちゃ、わての考えがあたっとるやないか、地球の地軸が傾いとるやんけ!」はい、さっそく新聞の一面を飾る大ニュースとなりました。

 「えらいこっちゃ、地球がひっくりこけるで! 赤道動きよるわと科学者が言いはった!」

 これで世界は大騒ぎ。ジェニーは守秘義務違反をしたということで可哀想に捕まっちゃった。知らせを聞いて駆けつけてきたピートの前で警察官に連行されてしまうのです。「あんた、嘘つき、あんたのせいやで」とジェニーは叫びます。まあ、もっともな文句ですな。

 英国政府は急ぎ公式のコメントをラジオを通じて発表します。「地軸が傾いたというのはホンマです。しかし核実験との因果関係はよう分かりませんわ。。また地球の歴史上、地軸が変化するのはこれが初めてじゃおまへんで。そりゃ、暑いところが寒くなったり、寒いところが暑くなったりするかもしれまへんけど、科学者の皆さんがいい考えだしてくれますわ。それに東西両陣営も核実験やめると言うてはります」なんか安心できない発表だよなあと英国民の76パーセントが思ったとか(笑)。その不安を裏付けるかのように大火事が起こるのでした。旱魃もおこり、やせ衰えた牛が次々と死んでいく嫌な絵も流れます。ロンドンでも水が配給制となり、市内の公園に共同シャワーが建設されます。

 一方、ジェニーの立場は微妙。新聞でも「ヒロインか、それとも裏切り者か、どないだ」なんて書かれております。ピートはビルに「彼女を助けるため、弁護士雇いたいんですわ」と相談しますが、「悪いことは言わん、やめときなはれ」と突き放されるばかり。しかし、ついにジェニーが無罪放免、釈放される時がやってきたのです。気象庁の仕事は首になってしまったのですが、そこで手を差し伸べたのがビル。ピートにあんなことを言っておきながら、無職になった彼女を新聞社で雇うよう働きかけたのです。

 そうこうするうちに地球の気温はどんどん上がっていきます。メキシコなんか摂氏70度近くですよ。もうみんな死んじゃいますよ。そんな中モスクワからさらに悪いニュースがもたらされます。科学者たちが「地球の地軸が傾いただけじゃありまへん。軌道も変わっとります。地球はこのまま太陽に突っ込みますわ」ピートとジェニーは仲直りしたけど、地球が太陽に衝突したらもうどうしようもありません。

 ロンドン市内の公園に設けられた共同シャワー場で田舎に疎開する息子マイケルに別れを告げるピート。別れた妻のアンジー(レネ・アッシャーソン)も、今の夫もこれまでのわだかまりをすててピートと握手するという感動場面。しかし、その背後ではシャワーで水を汲もうとした市民と警察官が「わての体を洗った水を貰っていくのやで、ええやないか、そのくらい」「シャワーにバケツもっていくのがそもそも禁止なのじゃ」と大乱闘。感動を台無しにしております(笑)。

 この危機を打開すべく世界各国が協力してシベリアで今までの最大規模の核爆弾を爆発させることになります。このショックで地球の軌道を元に戻そうという計画であります。

 その頃ロンドンの若者達はもうやけのやんぱち。車をひっくり返したり貴重な水をばしゃばしゃかけあったりのらんちき騒ぎ。あろうことかジェニーのマンションが襲われて、ジェニー、若者達に風呂に入れられてしまうという・・・。今ひとつ意味が分からないけれども、この危機に立ち上がったのがピート。彼はジェニーのマンションに急行すると「何時までもお前らの好き勝手にさせん、正義は必ず勝つ!」と叫んで若者達をたたき出してしまうのでした。たたき出された若者が一人、エレベーターシャフトに落っこちて「ぎゃああああ」ピート、そんな悲鳴を歯牙にもかけずジェニーとひしと抱き合うのでした。

 ここで画像が冒頭場面と同じように赤くなります。ピート、ビル、ジェニーの三人は行きつけのバーで核爆弾炸裂の瞬間を迎えます。幸運を祈って乾杯した直後、爆弾が炸裂。さすが史上最大規模のウルトラ核爆弾、シベリアで爆発したのにその振動が地震になってロンドンへ伝わったのです。この後、冒頭場面に戻って電話に語りかけるピート。「爆弾が成功したのか、失敗したのか、まだわからへん」ここで新聞社の印刷所が映ります。「人類は救われた、爆弾成功でっせ」、「人類はアカン、爆弾失敗や!」という二種類の紙面が作られているのが上手いですな。

 なおも続くピートの語り。「成功か、失敗か、人類は滅亡か、でもわてはどんな運命でも受け入れまっせ」教会の鐘がごーん、ごーん。結局人類の運命がどうなったか曖昧にされたまま映画は終わります。

 目だった特撮はロンドンを覆う霧ぐらいでじつに地味な映画であります。映画の中で都合三発も核爆発させるのですから、その場面を入れて欲しかった。まあ、どうせ流用フッテージでしょうが(笑)。

 モノクロ(一部赤の特殊効果)、スクイーズのワイド収録。モノラル音声。画質は悪くないのですが、輪郭強調が目立ちます。音声は非常にレベルが高い。台詞が聞き取り易いです。クローズドキャプションの英語字幕付。アンカーベイのDVD

 エロの冒険者 

       HOMEPAGE http://homepage3.nifty.com/housei/

      SFシネクラシックス 輸入DVDでみるSF黄金時代(笑)

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コメント

検索結果で遅まきながらこちらを拝見させていただきました。「SFシネクラシックス」大変楽しそうですね。他の作品につきましても、時間をとってゆっくり読ませていただこうと思います。とりあえず、急ぎご挨拶まで。

投稿: 6 | 2007年9月23日 (日) 22時22分

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