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2007年8月30日 (木)

『Nightmare』(1964年)

 『Nightmare』(1964年)

 少女がだんだんおかしくなってキチガ×に!という映画と思いきや、意外なラストが私たちを待ち構えています。私はこのラストにびっくり仰天、3日間ほど眠れなくなりました(ウソ)。

 警告、警告、このDVDのリージョンは1です。したがって日本国内のDVDプレーヤーでは再生できません。警告、警告。

 陰鬱な建物、真っ暗な廊下。そしてこの廊下を進む一人の若い女性。「ジャネット、こっちへいらっしゃい、早くいらっしゃい」響き渡る不気味な声。若い女性、ジャネット(ジャニー・リンデン)はその声に導かれるかのようにあるドアを開きます。「そうよ、私はここよ、ジャネット」とたんにジャネットの背後でドアがばたんと閉まります。ぎょっとしたジャネットの目に飛び込んできたのは髪を振り乱した狂女。「あなたもこの部屋に囚われたのね、嬉しいわ、二人揃って発狂しましょう。まずは狂った笑い方から、ほら、ホホホホホホホ、さあ、あなたもやってごらんなさい、ホホホホホ」どうやらここは精神病院のようです。ジャネットは仰天して、「いやよ、私狂ってない、クルクルパーなんかじゃないわ」

 これは夢でした。しかし目が覚めてからもあまりの恐怖に絶叫を続けるジャネット。まあ、それでもこれが彼女の自宅であればよかった。ところがここはあいにくとハッチャー女子学園の寮だったのです。ジャネットの喚き声に同室の女の子たちが起きてきて大騒ぎとなります。こんな五月蝿い娘がいたのではたまらん、ジャネットは一旦療養のために自宅へ帰されることとなったのです。翌日、ジャネットはマリー・ルイス先生(ブレンダ・ブルース)に連れられて学校を去るのでした。

 汽車に揺られてジャネットの実家の町へ。そこで運転手のジョン(ジョージ・A・クーパー)に出迎えられます。彼女のお屋敷はここから車で一時間ほどのところにあるのです。その道中、今までにこやかに話していたジャネットがいきなり顔色を変えてジョンに「停めて、車を停めて」と叫びます。なんだ、オシッコにでも行きたくなったのかと思ったのですがどうやらそうではないらしい。ジョンは結局彼女の頼みを断ってそのまま車を走らせたのですが、そこにはジャネットの夢に出てきた精神病院があったという…。

 ようやくお屋敷に到着します。ジャネットとルイス先生を迎えたのは家政婦のギブス夫人(イリーナ・リッチモンド)とジャネットの保護司ヘンリー・バクスター(デヴィッド・ナイト)から彼女の友達になってくれと頼まれたという女性、グレース・マドックス(マイラ・レッドモンド)でした。ジャネットはグレースに奇異の目を向けるものの、彼女はヘンリーを強く信頼しています。そのヘンリーに頼まれてきた人に間違いはないということですぐ仲良くなるのでありました。このグレース、もちろん、ただジャネットと友達になるために来たわけではありません。彼女は医者や看護婦をいやがるジャネットのためにヘンリーが派遣した“かくれ看護婦”だったのです。

 そう、ジャネットは精神的に不安定な状態、手っ取り早くいえばもうすぐキチガイの人だったのであります(笑)。

 その夜、夕食の後片付けをしていたギブス夫人、ルイス先生にジャネットの病気の原因を聞かれて「あれは恐ろしい事件だったのです。6年前、ジャネットの11歳の誕生日でした。散歩から戻ってきたジャネットが両親の部屋へ行って・・・」ここからギブス夫人の回想場面。ジャネットが散歩で摘んできた花をお母さんに見せようとして階段を駆け上がります。その微笑ましい様子をにこにこして見守るギブス夫人。しかし、なんということでしょう、その直後、ジャネットの恐ろしい悲鳴が聞こえてきたのです。母親が発狂して父親をナイフで刺し殺していたのでした。お母さんはそのまま精神病院へ。ジャネットもあまりのショックに入院することになったのです。「お嬢様はほどなく退院したのですが、それ以来ある恐怖に苛まされているのです。自分も母親のようにいつか発狂するのではないかと」

 その夜、ふとジャネットのことが気になったルイス先生、彼女の寝室を覗くのですがベッドは空っぽです。驚いて探すと後から急に出たァ、ジャネットが(笑)。先生が何をやっていたのかと問いただすとジャネットは「ベッドのそばに女が立っていた。私が目を覚ましたらその女の人は出て行ったの。私は彼女の後を追って気がついたら部屋の外にいたのよ」ジャネット、これはやっぱり私が狂う前兆なのだと言い出したものですからルイス先生、慌てて「これは夢遊病よ、だれにだって起こることだわ」そ、そうですか(笑)。「あなたは発狂なんかしない、そんなこと考えちゃ駄目よ」やっとのことでジャネットを寝かせるのでした。

 翌朝、ルイス先生は学校へ戻ることになります。ジャネットのことは気に掛かるけれども仕事をほうっておくわけには行きません。彼女はグレースにジャネットのことを頼み車に乗り込むのでした。しかし、その夜またも悪夢がジャネットを襲います。夜中に目を覚ますとベッドのそばに女が立っていたのです。そして昨日と同様、ジャネットを誘うように振り返りながら部屋を出て行きます。女のあとを追ったジャネット、いつの間にか元両親の部屋に。そこで見たものはナイフを突き立てられたパパの死体と火のついたローソク付のバースデーケーキだったのです。

 ぎゃあああと絶叫するジャネット。まったくもう夜中に五月蝿い娘ですこと(笑)。この悲鳴を聞いて駆けつけてきたグレース、ジャネットの様子を見て急遽ドクターを呼ぶのでした。睡眠薬でようやく眠りについたジャネット。翌朝、ドクターはようやく登場したヘンリー・バクスターにある提案をします。「ジャネットの病状はだんだん酷くなっている。今のうちに療養所へ移して本格的に治療したほうがいい」しかしヘンリーは「いや、ジャネットには療養所と精神病院の区別なんかつきません。療養所に入れたらああ、ここは精神病院だ、私はついに狂ったのだと思い込むに決まってます。なんとか自宅治療をお願いします」ウウーム、私もドクターの提案に従った方がいいと思うのですがねえ。

 この後ヘンリーはジャネットを見舞います。ジャネット、彼の来訪に大喜びして、おや、いきなりキスしやがったぞ。

 しかしその夜、またまた悪夢がジャネットを襲うのです。また女が現れてその後を追っていくと死体とバースデーケーキが!またぎゃあああと叫ぶジャネット。だから真夜中に五月蝿いって(笑)。またグレースに助けられて部屋に戻って御就寝。翌朝、目を覚ましたジャネット、階下へ降りて朝ごはんでも食べようかなと思った瞬間、昼間なのにあの女が現れた!「ぎゃああああ」ジャネット、迫ってくる女から逃れようと後ずさり。「あなたは誰、何を私に求めているの、いや、こっちにこないで」ついにジャネット“切れ”ます。彼女は自分の部屋に駆け込むと鏡台のガラスを叩き割ってその破片でリストカッティング!

 幸い命に別状なかったのですが、もう彼女は精神的にぼろぼろでした。

キチガイ寸前(笑)のジャネットを慰めようと開かれる彼女の誕生日パーティ。出席者はバクスター、ドクター、そしてバクスターがロンドンから呼び寄せたという謎の紳士、ダドリー卿(ヘドガー・ワラス)であります。いや、もう一人紹介するのを忘れていました。バクスターの奥さん、ヘレンです。しかし彼女の顔をみたジャネットは驚愕の悲鳴を上げるのでした。ヘレンの顔、頬に傷のある陰気な顔立ちはあのジャネットを苦しめている謎の女そっくりだったからです。ジャネットは再び“切れて”ケーキカット用のナイフを振り上げ彼女に襲い掛かります。そのまま胸にずばずばとメッタ刺し。ヘレンたまらず絶命するのでした。

 ジャネットは即、あの精神病院へ入院することとなりました。

 救急車に乗せられる彼女を屋敷の窓からあの謎の女が覗いています。女、ふっと窓から離れると自分の顔に手をかけて、ああ、ばりばりマスクを剥がしてしまいました。その下から現れたのはグレースではありませんか。ニヤニヤしながらマスクを暖炉にくべるグレース。そう、これはバクスターとグレースが共謀した殺人だったのです。ジャネットを散々に脅かしてヘレンを殺させる。ジャネットはそのまま精神病院行き、彼女がヘンな女を見たといっても全部妄想・幻覚と思われてしまう。だから二人に疑いがかかる可能性はまったくない。それでいてバクスターはヘレンの財産を、グレースは邪魔なヘレンを排除してバクスターと結婚できるという仕掛け。これこそまさに完全犯罪。

 でも事件後すぐ結婚したら疑われると思うのですがねえ、気持ちは分かりますけど、もうちょっと我慢したらどうですか、バクスターさんとグレースさん(笑)。

 新婚旅行でホテルへ滞在する二人。もう張り切っちゃって朝から濃厚なキスを交わしたりしております。しかしこのあたりからヘンなことが頻発し始めるのです。部屋にやたらに掛かってくる女からの電話。グレースが取り上げると「バクスターさんにアタシだといってくれれば分かります」おまけにホテルのバーではウェイターが「これはバクスターさん、この間はどうも、あのときの女性は・・・」グレースに気がついて「あ、すいません、なんでもありません」これでグレースがバクスターに別の女がいると疑わないわけがない。もうこれで大ゲンカですよ。「あんた、私を切り捨てようとしたらただじゃおかないからね」グレース、バクスターの頬桁張り飛ばします。「なんだ、テメー、このアマ」バクスターも殴り返す!うわあ、嫌な展開だなあ。

 この二人の喧嘩は屋敷に戻ってからも収まりません。未だに謎の女から電話がかかってきます。おまけにグレースの周りで不気味な事件が起こるようになるのです。バクスターと大ゲンカの最中、いきなり停電します。そして聞こえてきた女の笑い声。グレースの目に白い服を来た女の姿が飛び込んできます。おまけに廊下に落ちていたのはジャネットの人形ではありませんか。グレース、たまらなくなって精神病院へ電話をかけジャネットの様子を聞いたのですが帰ってきた返事は「申し訳ありません。ジャネットさんは3日前に逃げてしまいました。一応バクスターさんに連絡したのですが、彼女はとても危険です、気をつけてください」だったという・・・。

ひゃああ、ジャネットが戻ってきた、彼女はこの屋敷のどこかに隠れているのだ。戦慄するグレースであります。

 グレース、震え上がって自室に鍵をかけて閉じこもります。しかしその甲斐なく夜中にパジャマ姿の若い女が忍び込んできてグレースが枕元に置いておいたジャネットの人形をナイフと取り替えてしまうのです。翌朝、目を覚ましたナイフを見つけたグレース、ギブス夫人やジョンを捕まえてこのナイフは一体誰のものと喚き散らします。ジョン、「あ、それ、私の剪定用のナイフです。昨日バクスターさんにお貸ししました」これを聞いたグレース、バクスターを問いただすのですが、「知らんよ、そんなナイフ、わし全然知らん」と言われてしまうのでした。

 この事件でグレースはついにバクスターが自分を殺そうとしていると思い込んでしまいます。彼が精神病院からジャネットを脱走させこの屋敷に匿っている、そしてジャネットに私を殺させようとしているのだという訳ですな。

 グレースはギブス夫人やメイドのアンに屋敷を徹底的に捜索するよう命令するのですが、もちろん、ジャネットは見つかりません。しかしその後も彼女の部屋にジャネットの人形が戻ってきたり、ラジオが置かれて音楽が鳴らされたりするので、もうグレースはブチ切れ寸前です。

 その夜帰宅したバクスターを問い詰めるグレース。バクスターはまた「知らんよ、わしジャネットのことなんか全然知らん。君の勘違いだよ」グレース、この言葉でついに“切れて”しまいました。隠し持っていたナイフをぶんと振り上げ「ふん、あんたがジャネットを使って私を殺そうとしているのは分かっているんだ、あのヘレンと同じようにね。でも、今度はそうはいかないよ、あんたを先に殺してやる!」グレース、ナイフをバクスターの胸にグサーッ、ギャーッ、もう一回グサーッ、ギャーッ、はい、バクスターを刺し殺してしまいましたとさ。

 グレースは階下に下りるとギブス夫人、ジョンを呼び「大変よ、ジャネットがバクスターを殺したわ、すぐに警察を呼んで」しかしギブス夫人、ジョンは冷たい表情で彼女を見ております。ここでもう一人意外な人物が登場。これはルイス先生です。グレースはルイス先生の存在に驚きながらも「ジャネットは精神病院から逃げ出してこの屋敷に隠れているのよ」ジョンはうっすらと笑って「奥さん、ジャネットは逃げてなんかいませんよ、電話してお聞きになっちゃ如何です」ジャネットがその通りにしますとなんとジャネットは病院で大人しくしているというではありませんか。それどころか病状が劇的に回復してあと2~3ヶ月で退院できるのだとか。

 「ええ、どういうこと、私、直接電話して聞いたのよ、ジャネットが逃げたって」「その電話を受けたのは私でさあ。屋敷の電話は全部繋がっていますからねえ」とジョンが言ったものですから、グレースはもう半狂乱。「でも私は屋敷の中でジャネットの姿を見たのよ」今度はルイス先生が進み出ます。「その女は私ですわ」「じゃあ、あのホテルのウェイターが言っていた女は?」今度はギブス夫人が「あの手の男は50ポンドもやれば何でも言うことを聞くのです」

 三人は声をそろえて「あなた方のやったことは分かっているのですよ、それで今後は私らがあなたたちを罠にかけたのです」グレースはぐしゃっと顔を歪ませて、「なぜ、なぜ」「決まっているじゃありませんか、ジャネットのためです」グレースは完全におかしくなって「ホホホホホ」と笑い出します。三人が改めて警察に電話している間も「ホホホホホ」、そして最後に白目を剥いて死んでいるバクスターの姿が映ってエンドマーク。

真相を明かす三人の方がグレースよりもよっぽど怖かったりして(笑)。

モノクロ・スクイーズ・ワイド モノラル音声 黒がきっちり沈んでとてもきれいなモノクロ映像が楽しめます。音質も上々。英語字幕つき。Hammer Horror Series (『Brides of Dracula』『Curse of the Werewolf』『Phantom of the Opera (1962)』『Paranoiac』『Kiss of the Vampire』『Nightmare』『Night Creatures』『Evil of Frankenstein』)を収録したボックスセット。ユニバーサルのDVD。

     エロの冒険者
       HOMEPAGE http://homepage3.nifty.com/housei/
      SFシネクラシックス 輸入DVDでみるSF黄金時代(笑)

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