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2007年9月 1日 (土)

『プラン9・フロム・アウター・スペース』(『Plan 9 from Outer Space』1959)

 

『プラン9・フロム・アウター・スペース』(『Plan 9 from Outer Space1959)

 さあ、エド・ウッドの『プラン9・フロム・アウター・スペース』だよ、この映画はね、本当にこういう話なんだから、私が勝手にでっち上げたのではないから、誤解しちゃいけないよ。本当にこんな映画を作った人がいたんだよ。信じられないかもしれないけど、本当だよ。

冒頭からクリズウェルの大仰なナレーション。「あんたたち、怖かことが好きでしょうが。おいが今から恐ろしか事件のことば話します。ばってん、これは本当に怖かとです。心臓が止まるごとあるとです。覚悟はよかですか、始まりますバイ」

 その恐ろしい事件のきっかけとなったのは・・・ベラ・ルゴシの奥さん(ヴァンパイラ)のお葬式でした。愛する妻の死に打ちひしがれた様子のベラ・ルゴシ、涙の出ていない目にハンカチを押し当てております。葬式が終わって待機していた二人の墓掘り人 みんなが帰ったのを確かめて奥さんの棺を埋めに掛かります。

 場面はぱっと飛んでサンフェルナンド峡谷上空を飛行中の旅客機。この操縦席で板で出来た操縦桿を握っているのが本作の主人公?ジェフ・トレント(グレゴリー・ワーコット)であります。彼は副操縦士のダニー(デヴィッド・デ・メーリング)と「いやあ、もうすぐ着陸だな」という暢気な会話を交わしておりました。ところがその時操縦席を直撃した謎の光、円盤です。糸に吊られた空飛ぶ円盤だったのです。円盤はどうした訳かその後、ルゴシの奥さんが埋葬された墓地へ飛来。すると霧の中からヴァンパイラ出たァ。どうも円盤、奥さんを蘇らせたようで・・・。ヴァンパイラ、帰ろうとしていた二人の墓掘り人に襲い掛かって、殺してしまいます。あ、肝心の殺害場面はありませんよ、墓掘り人が悲鳴を上げた次の場面じゃもう地面に転がっているのですから(笑)。

 またも場面はぱっと飛んで家から出てくるベラ・ルゴシ。奥さんの死を忘れるために散歩へ出かけようというのです。ところがナレーション、「しかし彼が再び家に帰ることはなかった」だって。その直後、激しいブレーキ音が鳴り響いてルゴシの「ギャーッ」という悲鳴。ルゴシ、車に引かれてぺっちゃんこ(大笑い)。彼は納骨堂に埋葬されてしまったとさ。このお葬式に来ていた人が偶然、墓掘り人たちの死体を発見。警官隊が駆けつけることとなります。その指揮をとっていたのがダン・クレイ警部(トー・ジョンソン)。彼は何故か部下達に「おれ、ちょっと墓地見回ってくるから」車から懐中電灯を取り出して歩き始めます。

 この墓場の近くに住んでいたのが円盤を目撃したジェフ・トレントと奥さんのポーラ(モナ・マッキノン)だったという・・・。何も墓場のすぐそばにすまなくったって良さそうなものですが(笑)。奥さんに何か気になることがあるのと聞かれたジェフ。一気呵成に自分が空飛ぶ円盤を目撃したことを話し出したのです。「僕は見たんだ、空飛ぶ円盤を、葉巻のような形をしていた」ってウソつけ、紛れもない円盤だったじゃないか(大笑い)。「でも着陸したら軍からの命令で口止めされたんだ。こんな大事なことを僕は隠しておけない、発表しなくちゃと思うんだけど、やっぱり軍には逆らえないんだよ」「まあ、そんなことが」と奥さんが驚いた直後、びゅーんという大風に襲われます。また円盤です。タイミングの良い奴です。

 再び墓場に飛来した円盤、今度はよしときゃいいのに、ベラ・ルゴシを蘇らせるのでした。もっともこの場面は彼の死後撮影されたものでまったくの別人。だからマントで思いっきり顔を隠しております。このベラ・ルゴシ(別)はヴァンパイラと協力してトー・ジョンソンを挟み撃ち。殺害してしまったのです。この死体が心配して探しにきた部下達に発見されて、はい、またお葬式。ほんと、のべつ葬式やっている映画だよなあ。

 この後、各地で目撃される空飛ぶ円盤、ハリウッド大通り、ワシントン DCを三機編隊で我が物顔に飛び回ります。ついにエドワード大佐(トム・キーン)指揮の下、ロケット弾攻撃が敢行されるのですがまったく効果なし。円盤は平然と飛び去ってしまいます。部下、大佐に「まいっちゃいましたねー、全然効果ないっすよ」「まだ秘密にされているがあの円盤によって小さな町の住民が皆殺しにされたのだ」当然、そんな派手な映像はありません(笑)。部下はびっくりして「えっマジっすか」「そうだ、奴らは敵なのだ。しかし、彼らは何の目的で地球にやってきたのだろう」

 多分、監督にも良く分かっていなかったのではないかと思われます。

 円盤は地球を離れてどこぞの宇宙に浮かんでいる母船に帰還します。円盤から降りた二人の宇宙人エロス(ダッドリー・マンラブ)男、タナ(ジャナ・リー)女 はカーテンで仕切って古い無線機を置いたセコさ極まる司令室で上官(ジョン・ブラッケンリッジ)に面会するのでした。エロスは「地球人は我々の存在を無視しております。あいにく地球人の意思は強固で洗脳できそうもありません。私はプラン9の発動を進言いたします」上官はちょっと嫌な顔をして「プラン9ちうたらあれか、死人をよみがえらせてコントロールする奴か、わしゃあまり好かんが、仕方ない、おやんなさい」「もう二人をよみがえらせました。そいつらは私らが持っている電子銃で操れるのです」エロスとタナは張り切って円盤に戻り地球へ向けて再出撃するのでありました。

 で、彼らが何をしたのかと言うとルゴシ(ホンモノ)を使ってポーラを襲うべく家に侵入させたという訳で。。あいにくレントは仕事で出かけちゃっています。ポーラ、悲鳴を上げて家から逃げ出すのでした。さらにヴァンパイラも登場、おまけにトー・ジョンソンも墓から這い出てきた。ルゴシ(別)、ヴァンパイラ、トー・ジョンソンの三体のゾンビはゆらゆら揺れながら逃げるポーラを追いかけるのです。危うし、ポーラ、と思ったらオープンカーが通りかかってあっさり運転手の男に助けられてしまったという・・・。この段取りの悪さがどうにもやるせない雰囲気をかもし出しております。

 ポーラ襲撃が失敗したので円盤へ呼び込まれるルゴシ(別)、ヴァンパイラ、ジョン・トー。タナが円盤の中の怪しい機械のスイッチを切ったら、あら、3人とも動かなくなっちゃった。ということはこの機械でコントロールできるということなのでしょうか。さっきエロスが「奴らは私らが持っている電子銃でコントロールできる」と言っていたのは何だったのでしょうか。

 ゾンビどもを収容した円盤、ひゅーんと飛び上がって消えてしまいました。

 ポーラの件でまたまた墓場にやってきたおまわりさんたち、指揮官の警部がトー・ジョンソンの墓が掘り返されているのを見つけまして、部下に「お前、中見て来いよ」「ええ、墓に入るんすか、おれ、いやっすよ」と逆らってみたものの上司の命令ですから仕方ありません。しぶしぶと墓穴にもぐりこむ警官。警部は「おい、誰の墓か分かるか」あんた、ジョン・トーの葬式に参列してたじゃないか。何で忘れてしまっているんだ(笑)。

 ジョン・ハーパー警部(デューク・ムーア)に命令されてしぶしぶジョン・トーの墓穴にもぐりこんだおまわりさん、「警部、暗いくって見えないっすよ、マッチ貸してください」懐中電灯ぐらい持って入れや、コラ。そして警部から渡されたマッチをすりますと「あ、大変だ、警部、死体ないっす、空っぽっす、ああ、け、警部、これはグレン警部の墓っすよ」どうやらこの墓、棺桶の内部に名前が書いてあるらしい(笑)。ハーパー警部、「ウウーム、こりゃ一体どういう訳だ、世の中間違っとるよー」

 この映画自体が間違ってますって。

 さて、場面は変わってワシントンに呼び出されるエドワーズ大佐。上官に会って「君、ほんまに空飛ぶ円盤の実在を信じておるんか、政府は公式に存在せえへんという見解を出しておる、このままだと軍法会議もんやど」といきなり言われてしまいます。しかしエドワーズ大佐ひるむことなく、「いや、だって、本当にいるんだから仕方ないじゃないですか、だったら私が攻撃したのは何だってことになる訳ですよ、実際の話」すると上官、ころりと態度を変えて最近受診した宇宙人からのメッセージの録音を彼に聞かせるのでした。テープレコーダーががーっと回って「私は外宇宙から来た宇宙人、イロスである。私たちは君たちを数世紀に渡って観察してきた。しかし地球を征服する意図はない。我々は友好的だ。むしろ君たちを助けに来たのだ」はあ、そうですか。「しかし、君たちは我々の存在を無視し、あまつさえ攻撃まで仕掛けてくる始末だ。てめえら、なんてことをしやがる、そんなことだからブッソウな兵器を作って宇宙を壊滅の危機にさらしているのだ。覚悟しやがれ、バカヤロー。本当はやりたくないんだけど、お前らが悪いんだからな、仕方ないんだ、コノヤロー」結局、彼らは敵になったということなのでしょうか。

 上官はさらに「ハリウッドで円盤が目撃された。君は直ちに現地へ急行してこの宇宙人たちとコンタクトするのだ」とエドワーズに命令したのでありました。大佐、すぐにハリウッドへ向います。

 一方、こちらは円盤母船。イロス、支配者に「どうです、僕はもう三人も地球人をゾンビにしましたよ、凄いでしょう」支配者は呆れて、「バカモン、たった三人ゾンビにしてどうする、もっと増やさんかい」怒られてしまいました(笑)。おまけにジョン・トーのゾンビを支配者に見せようと連れてきたらコントロールがおかしくなってイロスに襲い掛かる始末。イロス、慌ててタナに「おい、電子銃でこいつを大人しくさせろ」と叫ぶのですが、電子銃故障していたのです。タナは慌てて弄繰り回すのですが治りません。そこで支配者、「おい、電子銃を床に投げるのだ。そうすればスイッチが切れるぞ!」そんな馬鹿なと思いますが、タナが銃投げ出すと本当にジョン・トーが動かなくなったという・・・。おまけに銃を拾い上げたタナはすました顔で「あら、投げたら故障直っちゃったわ」だって。呆れた支配者、「もうお前らいいからとっとと地球へ行って我々の存在を地球人に知らしめるのだ!」

 これで支配者が立てた作戦というのが「ベラ・ルゴシをうろうろさせる」ということでありました。ウソのようだけど、本当の話だぞ、これ。

 ハリウッドへ到着したエドワード大佐、ジョン・ハーパー警部と共にトレント家へ。ジェフとポーラから円盤を目撃した時の状況を聞き出すためであります。その時再び墓場に円盤が着陸。イロスはベラ・ルゴシ(別)を出動させ、大佐たちを襲わせるのです。ここでまたも生前のルゴシ(本物)のフィルムを使いまわし。もう何回目でしょうか。このフィルム、背後に通過するトラックが映っているんですよね、このフィルムを使うたびにトラックが通って何やら凄く物悲しい気分にさせられます(笑)。

 ルゴシはまずパトカーで待機していたオマワリさんに「うがぁ」おまわりさん、「ひゃあ」と驚いてトレント家へ逃げ込みます。後を追うルゴシ(別)。その彼を警部、エドワード大佐、おまわりさんの三人が拳銃で撃ちまくるのです。しかし、全然効果なし。ついにおまわりさん捕まって絶対のピンチと思いきや円盤からぴーっと光線が発射されて、ルゴシばたりと倒れてしまうのであります。そしてみるみるうちにガイコツになっちゃった(大笑い)。どうもイロスがコントロール装置をオフにしたかららしいのですが、なんでそんなことをする必要があるのかさっぱり分かりません。第一、「ベラ・ルゴシをうろうろさせて地球人驚かす」作戦はどうなったのか。

 さあ、ベラ・ルゴシは墓場からやってきた。だったら墓場に円盤がいるに違いない。ぞろぞろ墓場へ出かけるジェフ・ポーラ、エドワード大佐、ハーパー警部、おまわりさん。彼らは謎の光を発見、調べようということになります。ここでよせばいいのに「危ないから」という理由でおまわりさんと二人パトカーに残るポーラ。どうして二手に別れる、こんなん襲われるに決まってるやんか。案の定、ジョン・トーに襲われおまわりさんは失神、ポーラは拉致されてしまうのです。この時ヴァンパイラがうろうろしておりますが、ストーリーには何の関係もありません。

 一方、割にあっさりと円盤を見つけてしまうジェフたち三人。どう見ても四角い建物なのですが、この際ですから気にしないことにしましょう。この周りをうろうろして入り口を探します。この様子をモニターテレビで見ていたイロス、「よし、きゃつらを誘い込むのだ」タナに命じてハッチを開けさせます。三人は何の前触れもなく入り口が開いたのにびっくり。ジェフは張り切って「よし、中へ突撃だ」「いや、いつ飛び立つか分からんぞ」と忠告する警部を無視し突入するのでした。警部とエドワーズ大佐も彼一人行かせる訳にもいかず「もう困っちゃうな」とボヤキながら後に続きます。

 いよいよイロス、タナと対峙する地球人三人。ここから始まるイロスの大演説をお楽しみください。「我々は君たちを助けに来たのだ。地球人は愚かにも核兵器を開発している。そして君たちはそのうちソーラー爆弾なる新兵器を開発するのだ。いいか、ガソリン缶を太陽としよう。そこから導火線が地球に延びている。ガソリンを太陽の粒子だとした場合、地球はガソリンに浸かっていることになる。地球が点火されればその火が導火線を伝って太陽へ行き爆発させてしまうのだ。太陽の粒子が届くところはみんな破壊されてしまう。それだけじゃない、連鎖反応が起こって銀河系を破壊してしまうのだ。我々はそれを止めにきたのだぞ」なんですか、このヤク中の戯言は(大爆笑)。

 この間ポーラを抱えてえっちらおっちら円盤目指して歩いているジョン・トー。彼に襲われて失神していたおまわりさん、応援のおまわりさんに助けられてジョン・トーを追っかけます。そしてその背後から棒で頭をぼかっ。ジョン・トー、あっさり倒れてまた骨になっちゃいましたとさ。

 この時もヴァンパイラがうろうろ歩いておりますが、ストーリーには何の関係もありません。

 円盤内部でも戦いが勃発。余りにアホらしい話を聞かされてついに切れたジョンがイロスに襲い掛かったのであります。どったんばったん取っ組み合いをするうちに、いや、何しろ、この円盤の内部、古ぼけた機械がテーブルの上に置いてあるだけですから、取っ組みあう二人がテーブルにぶつかるたびにどんどん落ちてしまいます。ばちばちと火花が散って火災発生。こらあ、いかん、爆発するぜと逃げ出す地球人たち。後を追っかけようとしたイロス、ひときわ大きな爆発に巻き込まれてばったりと倒れてしまいます。慌てたタナ、円盤を緊急発進させるのでした。

 しかし時既に遅く、炎に包まれた円盤はロサンゼルス上空でどかーん、大爆発したのであります。ここに宇宙人イロスの今ひとつ良く分からぬ野望は潰えたのでありました。

 最後にまたクリズウェルが出てきて、「みなさん、こら、本当の話ですばい、油断したらいかんとですばい、宇宙人はまた来ますけん」と言って映画はおしまい。あーあ。

 確かに話は酷いです。宇宙人が地球に来て何をしたかったのか判然としないし、ソーラー爆弾の件にいたってはもはや、キチガイの戯言のよう。

 でもね、円盤や円盤母船の内部セットはまあ、フツーですよ。僕はね、事務机とロッカーが置いてあるだけで宇宙船ですよと言い張った『月のキャットウーマン』とか、それのリメイクで宇宙船が揺れると棚の上から工具箱が落ちてきて人間の頭を直撃、「ギャーッ」死んでしまう『月へのミサイル』なんかみていますからね、これくらいじゃ驚かんのです。

 モノクロ・スタンダード モノラル音声 こりゃまた酷い画質。ブロックノイズまみれでとても見られたものではありません。そしてどういう訳か人間の動きがカクカクしております。最低映画に相応しい最低画質ですな。音声はまだ、まとも。少なくともちゃんと聞き取れますから。500円のDVDとはいえ、もうちょっとちゃんと作って欲しいものです。日本語字幕付 国内盤 有限会社フォワードのDVD

 エロの冒険者

       HOMEPAGE http://homepage3.nifty.com/housei/

      SFシネクラシックス 輸入DVDでみるSF黄金時代(笑)

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