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2007年9月28日 (金)

『Treasure of Tayopa』(1974年)

 

Treasure of Tayopa』(1974年)

 砂漠でのお宝探し映画。意味もなく人がどんどん殺されて、大変に気持ちが良い(笑)。最低映画は人が殺されてなんぼです。またそんな映画を見て喜んでいる私も紛れもなく最低人間であります。

ここはメキシコ。トム(ボブ・コリガン)、サリー(フィル・トラパニ)、フェリペ(フランク・ヘルナンデス)という三人の男が馬で荒野を旅しております。と、その上空を飛ぶセスナ機。これを見たサリー、口をとんがらせて「ちぇっ、おいらたちは馬でクソ暑い砂漠をのたのた来たってのに、ボスは飛行機かよ、やってらんないね」「まあ、そう言うな。ボスとはそういうものなんだから」とトムがなだめたところでセスナ機が着陸。彼らの言っていたボスが降りてきます。その姿を見たサリーとフェリペは口をあんぐり。なんとそのボスは妙齢の美女だったからであります。

 ここでオープニングクレジット。主題歌つきです。

 ようやく長い主題歌が終わった後画面に現れたのはこの映画のホスト、ギルバート・ローランドであります。彼がこの映画について解説してくれるのです。なんというか、本当にもうゴクローさんという感じです(笑)。「皆さん、彼らはタヨパの秘宝を探そうとしているのです。時は16世紀、スペインより宣教師がよせばいいのに来まして布教活動を始めました。タヨパはその布教活動の中心だったのです。彼らは大きな教会をたて、メキシコの人々に神の存在を伝えたのであります。また同時に彼らは活動資金を得るために鉱山も掘っていました。このお宝がたまりにたまったところでインディアンの反乱ですわ。宣教師達は皆殺し、教会は焼かれて鉱山の場所も分からなくなってしまった。そしてそれ以来幾多の人々がお宝を見つけようとしたのですが、ついに果たせなかったのです」

 このボス、キャサリン・デラガディリオ(レナ・ウィンタース)はパパに死なれたばっかりなのですが、このパパ、どうやらこの鉱山の場所を見つけていたらしい。パパは彼女にお宝の一つ、蛇の腕輪(純銀製)と鉱山の地図を残していたのです。キャサリンはこれを使ってパパの代わりに財宝を手に入れようとしていたのでした。このヘンの説明はキャサリンのモノローグ。続いて「教会の瓦礫が・・・」と話しはじめたところで突然、ぶつりと切れて、その直後何事もなかったように「トムが雇った二人の男達がどうも気に入らない」と続きます。どうも編集のミスらしい。これぐらいちゃんと繋げろよと思います(笑)。

 さて、キャサリンの予感は当たっておりました。サリーは相手が女だからと思ってなめまくり。いきなりキャサリンの尻にタッチング!しかも武器まで持ってきたというではありませんか。呆れるキャサリンの前でクロスボウや拳銃を弄ぶサリー。「なんてことするのよ。私たち武器携帯の許可を取ってないのよ。捕まったらすぐに懲役50年よ、私なんか70を越えちゃうわよ、どうすんの!」「いや、ボス、この辺はブッソウなんですよ。盗賊もいるしガラガラヘビもたくさんだ。だから武器を持ってないと危なくって仕方ないんです」となだめるトム。彼女は一応これで納得したのですが、それでもサリーを見て「でもだからといってこんなバカに拳銃持たせるのはどうかと思うわ」

 たしかにのべつにやにやしているサリーを見れば無理もないと思いますけど。

 この騒動の後、一人のメキシコ人と出会う一行です。このメキシコ人、アンドレアス(アンドリュー・ファーンスワース)はいぶかしげに一行を眺めて「君たち、どこへ行くの」まさか、財宝を探しに行くのだとは言えませんから「山の方へ狩りに行くのだ」とテキトーなことを答えるわけです。アンドレアス、「ふーん、狩りねえ」と激しく怪しんでいる様子ですが、ここではそれ以上の展開はなく、「じゃあ、気をつけていってきな」と別れたのでした。

 この後、だらだら野山をいく一行。また主題歌が流れたりなんかして暢気なことおびただしい。

 そんなことしているから、途中で性質の悪そうなメキシコ人たちに絡まれちゃったじゃないか(笑)。さっきのアンドレアスを筆頭に、ホセ(ロバート・スパングラー)、パコ(ランディ・ヒル)、ジュアン(ケン・マッコーネル)の4人が馬を寄せてきてキャサリンに「セニョリータ、俺とどうだい。俺のアレはムイビエンだぜ」と喚きます。サリーは馬を押されてムカッ。さあ、撃ち合いになるのか、ようやく退屈な映画が面白くなるのかと思ったのですが、ここでも何も起こりません。一行は馬を急がせて彼らから逃げただけであります。

 一行は今日のキャンプ予定地に到着。荷物を降ろしてさあくつろごうかとしたところにガラガラ蛇が登場。トム、無造作に拳銃で撃ち殺します。本当にガラガラヘビの頭が吹っ飛んでいます(笑)。これで大丈夫、じゃあ、ゆっくり休みましょうということになったのですが、サリーがこんなことを言い出した。「トム、さっきのメキシコ人野郎たちが気になる。おれ、ちょっと行ってみてくるよ」「おい、絶対トラブルは起こすなよ、心配だからフェリペも連れていけ」こんな奴にトラブル起こすなといっても無駄に決まっているじゃないか(笑)。

 一方、件のメキシコ人たちもアンドレアスが「あいつらは怪しい、狩りに来たと言っていたが本当だとは思えない。俺が確かめに行ってくる」と同じようなことを言っております(笑)。もうホセ、パコ、ジュアンというみるからにメキシコ人の脇役っぽくてすぐ死んでしまうみたいな名前の三人組は喜んじゃって「ひひひ、あのセニョリータをひいひい言わせちゃおう。男は皆殺しだ」なんて物騒なことを叫んで大騒ぎ。苦笑したアンドレアス、「いや、そんなことはしなくていいから、君たち、俺が戻ってくるまでテキーラでも飲んでなさい」本当にテキーラをがぶ飲みする、みるからにメキシコ人の脇役っぽくてすぐ死んでしまうみたいな名前の三人組です。


 ここでやって来たのがサリーとフェリペですよ。フェリペはテキーラ飲んで騒いでいるみるからにメキシコ人の脇役っぽくてすぐ死んでしまうみたいな名前の三人組を見て「旦那、奴らはテキーラ飲んでいるだけだ。人畜無害って奴でさあ」しかしサリーはあろうことか「そんなことは関係ねえ、あいつらは俺の馬を押しやがった。そんなことする奴は死ぬのだ」彼はフェリペを睨みつけて「お前も協力するのだ。でないと殺すぞ」やれやれ、トムもえらい奴雇ってきたものですなあ。

 二人はみるからにメキシコ人の脇役っぽくてすぐ死んでしまうみたいな名前の三人組に奇襲をかけます。まずサリーのクロスボウの矢がホセの背中にぐさっ。次にフェリペの放った銃弾がジュアンを殺害、そして最後に蛮刀でパコを滅多切りにするサリー。これは酷い。おまけにサリーったら殺害現場に自分の帽子を忘れてしまうのです。

戻ってきたアンドレアス、仲間が殺されているのをみて愕然とします。彼はサリーの帽子を見つけて「アメ公の仕業か」と叫ぶのでした。以降、彼は仲間の復讐のためにキャサリンたちを付回すことになるのです。

 何食わぬ顔でキャンプに戻ってきたサリーとフェリペ。「ははは、何もなかったすっよ、あいつらテキーラ飲んで酔っ払ってましたよ」トラブルが起きなかったことにホッとするトムとキャサリン。しかし翌朝起きた彼らはびっくり仰天。夜中に何者かの手によって馬が全部逃されていたからです。慌てたトムは「これはもう無理です。戻りましょう。そして出直せばいいじゃないですか」しかしがんとして応じないキャサリン。「川までいけばなんとかなるわよ。それに馬を売ってくれるメキシコ人だっているわ」サリーとフェリペも「やっぱ財宝っすからねえ、早く行かないと駄目ですよ」ということでキャサリンに賛成。多数決で冒険を続けることになってしまいました。

 一行は徒歩で川を目指します。またこれが延々と歩くんだ。4分もだらだらと歩くんだ。早く話を進めんかいとイライラする私。いや実際本当に無駄に長いのですから。

 ようやく川にたどり着きます。大喜びで「水だ、水だ」と川に飛び込むみんな。その様子を遠くからじっと見ているアンドレアス。

 キャサリンは男達とは別の場所で服を脱ぎ全裸で泳ぎ始めます。ここで復讐に燃えたアンドレアスが川に毒を流した。毒にやられてもがき苦しむトム、フェリペ、サリー。顔が紫色になって絶命します。ぷかぷかと流れていく彼らの死体。そんなこととは夢にも思わず暢気に泳いでいるキャサリン、と彼女の前に姿を現したアンドレアスが拳銃で彼女を脅かして「ええやろ、させんかい!」「ひーっ」なんてことにはなりません(笑)。

 アンドレアスはじっと見ているだけ。その代わりにキャサリンに全裸でちんちんぶらぶらさせながら迫ったのはサリーでした。「キャサリン、トムは年寄りで役に立たないよ、フェリペは馬鹿だからもっと役に立たない。だから僕達二人がチームになってお宝探そうよ。その前にええやろ、させんかい!」「ひーっ」でも、やることはまったく同じだったりして(笑)。

 しかし、サリーの欲望は果たされることはありませんでした。悲鳴を聞いて駆けつけてきたトムが拳銃を彼に向けたのです。「てめえ、サリー、さっさとキャサリンから離れろ、今度やったらてめえの目の間に弾ァ撃ちこむからな」不可解なことにこんな無法なことをするサリーをとがめることなく旅を再開する一行。キャサリンのモノローグが「馬を盗まれたり犯されかけたりとロクなことが起こらない。これが呪いなのかしら」いや、だから呪いだの言う前にサリーを放逐しなさいよ。こんなの連れていったってトラブル起こすばかりでしょ(笑)。

 一行はキャサリンの言っていた「馬を売ってくれるメキシコ人」の牧場に到着します。あっさりと馬を手に入れて再び先を急ぎます。アンドレアスの妨害行為もまるっきり無駄になってしまいました。

 そしてついにタヨパの教会が存在したと思われる場所に到着します。崖には17世紀の坑道の入り口がいくつも残されていてそのうちどれかの中に財宝があるらしい。便利なことにキャサリンのお父さんが宝を探した時に作った小屋がそのまま残っておりまして、ここを拠点にできるのです。さあ、お宝までもう少しよ、と張り切るキャサリンたちであります。でもちょっと疑問に思うのですが、キャサリンのパパは銀の蛇の腕輪を見つけています。小屋なんかよりずばり腕輪を見つけた場所の地図を残せば話は早いと思うのですが(笑)。

 もう一つ、疑問点。坑道の入り口が妙に綺麗でとても17世紀のものとは思われません。もうちょっと汚すとかして欲しいものです。
 
 一行は金属探知機を使ったりして財宝を探します。またキャサリンのモノローグ。「急がなければ、ぐずぐずしていると雨季になって川が氾濫してしまう。そうなったらもう戻らなければならないのだ。17トンもの財宝が見つけられないままになってしまう」さあ、ここから延々宝を探す一行。またあの主題歌が流れます。もう三度目です。いい加減聞いていていらいらしてきます(笑)。

 このこう着状態を打開したのは意外にもサリーでした。彼はある坑道の入り口でインディアンの骸骨を見つけたのです。そしてちょっと中を掘ってみたら「こ、これは金のコインじゃないか」大喜びのサリー、川で洗濯していたキャサリンに知らせます。「まあ、よくやったわ、サリー」キャサリンも喜びますが、相手はあのサリーです。良かった、良かったで済むはずがありません。「俺が宝を見つけたんだ、だから、ええやろ、させんかい!」またかよ(大笑い)。組み敷かれたキャサリン、「トムに言うわ、今度こそあんた殺されるわよ」「知るか、そんなこと」サリーはキャサリンの服を破いたり、何故か馬用の鞭で彼女をばしばし叩いて血まみれにしたり暴虐の限りを尽くします。

 この間アンドレアスは何をしているのかというと、馬に乗ったり水筒から水を飲んだりぶらぶらしたり、なんだかまるっきりやる気がありません。

 鞭でさんざんに打たれたキャサリンが失神します。この時サリーに聞こえてきたのが彼女を呼ぶトムの声。サリー、にやっとするとトムとフェリペを待ち伏せし、トムをクロスボウで、フェリペを拳銃でそれぞれ射殺してしまったのでした。その後彼はまたあの坑道へ行って宝を掘り始めます。ぱらぱらコインが出てくるのでさらに喜ぶサリー。17トンの財宝ってこのコインのことなのでしょうか。だったら物凄い枚数になってこんな一枚一枚拾っていたらとても雨季が来る前に回収することなどできないと思います(笑)。

 失神から目覚めたキャサリン、よろよろと歩いているうちに一心不乱に坑道を掘っているサリーを見つけます。彼女は背後から忍び寄ると大きな石を抱え上げサリーの後頭部に叩きつけたのでした。たまらず即死するサリー。投げ出された石に血と髪の毛がこびり付いています。無駄にリアリティがあります(笑)。

 このアンドレアスは何をしているのかというとやっぱり馬に乗ったり水を飲んだり。まったくやる気がありません。これでアンドレアスが彼女を殺して〆という展開になるならまだいいのですが、アンドレアスの出番はここまで。後は一切映画から姿を消してしまうのです。仲間の復讐を誓って馬まで逃したりしたのに、後はまったく何もしない。そのうちにキャサリン達が勝手に殺しあって自滅する。どこか間違っていないでしょうか。見ていた観客が暴動を起こしたりしなかったのでしょうか。

 サリーをやっつけたキャサリン、ばったり倒れて失神、意識を取り戻してよろよろ歩く、またばったり倒れて失神というサイクルを繰り返します。と、ここでさらに不可解な出来事が発生。キャサリンはあの銀の腕輪に絡み付いているガラガラ蛇を発見します。彼女はまた石を振り上げてぐしゃ。ガラガラヘビをやっつけたのですが、何故かその後ナイフを取り出してガラガラヘビを切り裂き肉を食うのであります。お腹が減っていたということなのでしょうか。食料だったらまだ彼らが持ってきたのが残っている筈なのですがねえ。

 もちろん、ここでキャサリンに殺されて食べられてしまうのは本物のガラガラ蛇であります。

 またよろよろ歩くキャサリン。パパの小屋にたどり着いて水槽から水を飲もうとしたのですがあいにく中は空っぽ。「ひー、水、水、誰か助けて」すると突然神父さんが現れてキャサリンに水を飲ませてくれるのでした。え、この神父さんだれ、今までどこにいたの、なんで実に都合よく水筒持っているの、頭の中がクエスチョンマークで一杯になっている私のことなど関係なしにまたホストのギルバート・ローランドが出てきて「タヨパの宝は今だ発見されておりません。人々は今も探し続けているのです。宝を発見するのはひょっとしたらあなたかも知れない、もしかしたらこの私かも知れない」こんな戯言を聞かされているうちにまたあの主題歌が流れますって、これ4回目だよ!エンドクレジット。

カラー・スタンダード モノラル音声 画質はそこそこ。残像が酷かったり人の動きがカクカクしていたり夜の場面で何が起こっているのかさっぱり分からないなんてことはないという程度なのですが(笑)。音質は台詞がクリアーで聞き取りやすいです。これも合格点をあげられますね。13枚組みのDVDボックスセット50 Movie Pack: Drive-In Movie Classics の一本。Digital 1 StopDVD

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『メシア・オブ・ザ・デッド』(『Messiah Of Evi』 1973年)

 

『メシア・オブ・ザ・デッド』(『Messiah Of Evi』 1973年)

 100年前の呪いで一つの町の住人全てがゾンビ化、ヒロインを襲うというお話。演出が間延びしておりまして、退屈そのものの映画。これはまさに一種の精神的拷問と言っても過言ではありますまい。

夜の住宅街をばたばた走る男。と、女が裏門を開いて男をプール付の庭に招き入れます。ああ、助かったァ、ばたりと倒れて荒い息をつく男。しかし女はやおらナイフを取り出して、男の喉をざっくり。はい、オープニングクレジットです。

 そして精神病院らしき場所が映って女のモノローグ。あ、さっき男の喉を掻っ捌いた女とは違うようですよ。ややこしいけれども、こんな映画ですからあんまり細かいことは気にしないで行きましょうや。女は苦しげに「みんなはあれが悪夢だったという。私がいくら違う、現実の出来事だと言っても信じてくれない。彼らは私がクルクルパーだと思っているのだ。あれが起きたのはポイント・ビューという街だった。夜な夜な何かが街をさ迷い人々を一人、また一人と連れ去っていく。誰も連れ去られるあなたの叫びを聞くことができないのだ」なんだかよく分かりません(笑)。

 ここから女の回想場面に入ります。彼女、アルレッティ(マリアナ・ヒル)は父が住むポイント・ビューへ車で向かっていました。画家である父はポイント・ビューにアトリエを持っていたのですが母親の死以降、そのアトリエにこもりっきり。めったにアルレッティに会うこともなかったのです。それでも手紙のやりとりはあったのですが、最近、その内容がどんどんヘンになってきていました。「会いに来てはいけない。夜の闇が恐ろしい、この街はおかしいのだ」という具合に。それで心配したアルレッティが深夜にも関わらずポイント・ビューへ車を飛ばすことになったのです。

 途中、ガソリンスタンドで給油します。そこの店員、彼女がポイント・ビューへ行くことを知ると「よしな、よしな、あんなとこいくの、ろくなもんじゃないから」と不吉なことを申します。この時別のトラックがガソリンスタンドにやってきました。このドライバーが明らかにおかしい。生気のない顔をして、まるで死人のよう。おまけにガソリン2ドル分しか頼まない(笑)。給油をし始めた店員、トラックの荷台に掛けられていたシートをめくって驚愕します。血まみれの死体がみっつほど並んでいたからです。うわあ、このドライバーがいきなり店員とマレッティを襲って惨殺、ヒロインがいなくなったので映画が終わり、エンドマークという展開になるかと思ったのですが、何事も起こらず、マレッティもトラックもあっさり出発するのでした。

 店員、このことを通報するのかと思いきや、まったく無視。ガレージで車の下に潜り込んで整備を始めます。なんだ、ゾンビが出るのか、出るのならとっとと出て来て店員やっつけろよと私がじりじりし始めた頃、遂に登場、おっさんのゾンビ。店員、がりぼり食われちゃいました。

 そんな惨劇があったとは夢にも思わないマレッティ。パパのアトリエに到着します。しかし呼び鈴を鳴らしてもパパは出てこない。思い余ったマレッティ、良くないこととは知りながら車から愛用のピッキング道具を取り出して30秒で鍵を解除、中に入りますって、ウソですよ、石でガラス破って入ったんですよ(笑)。彼女は実にお洒落な絵画だらけのアトリエを見て回ります。しかしパパの姿はなし。あ、テーブルの上にスケッチブックが置いてある。これを開いてみると出てきたのがパパの日記です。

 「630日 3日も寝ていない。幻想に苛まされている。夜中に一人でさまよってしまう。何か街にいるようだ。それに女が海を見つめていたぞ」パパはどうしちゃったのかしら、考え込むマレッティ。

 翌朝、マレッティは街の一番にぎやかなところへ。盲目の女主人が経営するいささか非常識な画廊に行ってパパのことを知らないかとたずねます。すると、得られたのはパパの居所は知らないが昨日もあなたと同じようなことを聞きに来た人がいるという返事。マレッティは街のモーテルに泊まっているというその人物を尋ねることにします。

 モーテルの部屋にいたのがその謎の人物トム(マイケル・グリア)と彼の二人のガールフレンド ローラ(アニータ・フォード)とトニ(ジョイ・バン)、そしてトニーが連れてきたらしい地元のアル中おっさん、チャーリー(エリーシャ・クック・ジュニア)であります。このトニー、なんでも伝説を収集する趣味があるということで、チャーリーからポイント・ビューに伝わる「赤い月の伝説」について聞いていたのです。その伝説というのが「100年前、月が赤く輝いて人々が狂い血まみれになった。子供たちが生肉を食べた」というもの。

 マレッティはこの雰囲気に怯え早々に帰ろうとしたのですが途中でチャーリーに捕まっていきなり「君のパパは殺さなくてはならん。そうして火葬にするのだ。決して土葬にしてはならんぞよ」と酒臭い息で言われてしまうのです。ますます混乱するマレッティです。

 その夜、トムと二人のガールフレンドは何故かアトリエに忍び込んで勝手にシャワーを浴びてドライヤーでがーがー髪を乾かしたりします。物音に気づいてマレッティが起きてくると、「ごめん、返事なかったから勝手に入らせて貰った。申し訳ないけど、しばらく僕らを泊めてよ」なんでもあのチャーリーが路地で死体となって見つかったというのです。しかもその死体は半分ほど何者かに食いちぎられていたとか。「それで、警察に五月蝿く聞かれたもんで、モーテル追い出されちゃったんだ」いきなり夜中に押しかけてくるトニーたちも非常識ですが、マレッティもマレッティで「いいわ、泊めてあげる」なんて言ってしまうのです。

こんな得体の知れない奴ら、気軽に泊めるなよ、マレッティ!

 この後、みんなで楽しいディナー。トムはローラを紹介して「彼女はモデルだったんだ。蛇と一緒にポーズをとるのが得意だったのだ」と聞きたくもない話を聞かせてくれます。さらにローラが「トムの下半身にも蛇がいるのよ、この蛇はね、ベッドで賢い動きをするの」私がマレッティの立場だったら確実に「出て行け、この変態ども」と言ってますね(笑)。

 この後トニーは一人で夜の海岸をお散歩。海岸で焚き火をしている人たちを見かけます。そしてアトリエに帰ったトムはマレッティに何故か「ベストのジッパーを降ろしてくれないか」と言い出します。当惑しながらマレッティが言うとおりにしてあげますと、彼はマレッティを抱きしめた。このままベッドに倒れこんでノルマンディ上陸作戦開始!かと思いきや、トニーはあっさり身を放して「おやすみ」しかし、この場面を偶然見てしまったローラ、トニーに愛想を着かして深夜にも関わらずサンフランシスコに行くからと言って出て行ってしまったのです。

 その彼女に声をかけたのがあのトラックのおじさんですよ。相変わらず生気のない顔で不気味悪いったらありゃしない。おまけに二台にはこれまたヘンなおじさんたちが五人ほど乗っている。「乗っていかないか、街まで送るぜ」ローラ、軽率にもこれに応じてトラックに乗ってしまうのです。トラックおじさんは「今夜は満月だからな、みんな、外に出ているんだ。それにね、俺はネズミを捕まえたんだ」彼はポケットからチューチュー鳴く生きたネズミを取り出します。そして「これが美味いんだよ」ああ、食べちゃった(笑)。ローラ、ドン引き。慌てて、「私、いいわ、ここで降りるから」

 トラックから降りたローラ、近くにあったモーテルに入って部屋を取ろうとするのですが誰も出て来ません。仕方なしにまた外へ出たローラ、彼女はここで足早に歩く男を見つけます。「ちょっとお兄さん、待って」彼を追っかけるローラ。男は巨大なスーパーマーケットへ入ります。続いたローラ、人の気配を感じて振り向きますと、わあ、肉売り場で地元の人々が生肉食っとる!悲鳴を上げて逃げ出したローラでしたが、地元の皆さんに捕まってはい、ぼりごりがりと食われてしまいましたとさ。

 再びパパの日記を読むマレッティ。「717日、夜が来るのが恐ろしい。浜辺で焚き火をしている人の数が増えている。伝説によると100年前の赤い月の晩、闇の訪問者がやってきて人々が狂ったそうだ」相変わらず良く分からない文章であります。

 その夜、寝ているマレッティを襲う怪事。ドアが開いて何者かが歩き回っているような気配がするのです。はっと起きたマレッティ、彼女は絵画の一枚に血がこびり付いているのを発見したのでありました。この場面でパパの声がオーヴァーラップ、「悪魔が私の体を乗っ取ろうとしているのだ」

恐怖に囚われたアレッティはトムの寝室へ。そしてトニがいるにも関わらず「誰かいたのよ、もしかしたらパパが帰ってきたのよ」トム、そんな彼女に「悪夢を見たんだ、怖いなら一緒に寝ようじゃないか」トニはこのトムの台詞にあきれ果てて寝室を出て行ってしまいます。そして一人になったト二にゾンビが襲い掛かる・・・というような展開はなく、次の朝になりました。

 なんでこうもたもた話を進めるかねえ(笑)。ゾンビが出てきた、ヒーッ、食われたでいいじゃないですかねえ。

 翌朝、掛かってきた電話を取ったアレッティ、「何ですって」と絶句します。海岸で彼女の父親が死体となって発見されたというのです。あわてて行ってみると、パパ、何を考えたのか海岸にオブジェを作っていたのであります。そのオブジェが満潮で崩れてパパはその下敷きになっちゃったという訳。アレッティは警察の人に「なぜこんなところでオブジェを」という至極もっともな疑問を投げかけるのですが、帰ってきた答えは「それはきまっとる。狂っていたのだ」だけでした。

 また聞こえてくるパパの声。721日、体温が29度を切った。体のあちこちから出血している。どうやら私の体を乗っ取ろうとしているものは人間の血が必要ではないらしい。

 恐ろしいことに海岸から戻ってきたアレッティの首から出血が始まったのです。しかもうっかりしてガス台の炎で火傷してしまったのですが、何も感じない。「一体、私の体はどうなってしまうの」と戦慄するのでした。そしてまたアレッティはトムに思いがけないことを話し出すのです。「あの死体は父じゃないわ、オブジェの下から見えていた手、あれは父のものじゃなかったの。この街の人々は何か隠しているのよ」これを聞いたトムは「いけない、ト二が街の映画館に出かけているんだ。彼女が危ない」

 そのト二、客が四人しかいない映画館で『西部と共に去りぬ』(『Gone With the West』)というどっかでみたようなタイトルの西部劇を見ております。ポップコーンをぽりぽりやりながら画面に見入っておりますと、ぽつり、ぽつり、お客さんが入ってくる。じっと映画を見るト二、また、お客がぽつりぽつりと入ってくる。ポップコーンをぽりぽりやる、ト二、さらにお客がぽつりぽつりと入ってくるって、何時までやっとんねん!こんな場面で4分も他の映画流す奴がどこにいる、ああっ、ここにいたァなんてものですよ(笑)。

 いつの間にか満席となった客席、この異変に気がついたト二がびっくりして周囲の観客を見回すと、ああ、みんな目から血を流している。これは不気味悪いということでトニ、悲鳴を上げて逃げ出します。しかし出入り口には鍵が掛けられており、トニが押そうが引こうが叩こうが蹴飛ばそうが開きません。そのうちに客席のゾンビ達がわらわら集まってきて、「ヒーッ」、トニ、がりぼり食べられちゃいました。

 トムはトニを探しに街へ出ます。車を止めたトム、映画館のネオンサインを確認して、「よし、あそこにトニがいるのだな」また車に戻ります。何をするのかと思ったら電動サンルーフを閉めたという・・・。なんでこんな無駄な場面入れるんだ(笑)。再び車から出たトム、映画館に入ろうとするのですがドアに鍵がかかってどうしようもありません。うろうろしているうちに、ゾンビがわらわら集まってきて、追いかけられることになるのです。一方、家で彼の帰りをまつアレッティ、針で手足をちくちく刺しております。またパパの声が聞こえてきて「725日、体を切ってみた。でも何も感じない」

さらにおぞましいことに彼女の口の中から昆虫が出てきたのです。あまりの気持ち悪さにトイレへ走って「おえーっ」すると、出てきたのは虫だけではなく、ミミズだのトカゲだの、もう便器の中が大変な騒ぎです。

 これはさすがにキモチ悪い。

 トムはトムでこの間、ずっとゾンビどもに追いかけられています。いつもより余計に追いかけられております。とここでパトカーが到着。二人の警官が迫り来るゾンビどもに拳銃を乱射。これで助かったと胸をなでおろすトムでしたが、そうは問屋が許さないじゃなかった卸さない。警官の一人が目からとろりと出血、たちまちゾンビ化してもう一人を射殺したのであります。警官は他のゾンビ共と一緒になって死体にむしゃぶりつくのでした。トム、この隙を狙ってまた逃走。しかし、長いこと走りますな。

 へろへろになっているアレッティ。ここでとうとうパパが帰ってきた!パパは悲しそうな目で娘を見つめて「何故逃げないんだ。あの死体をみてこの街から出て行くと思ったのに。この街には100年前と同じことが起ころうとしているのだ。逃げて外の世界の人間にこのことを知らせてくれ」この100年前の悲劇というのが前にもちらっと出てきた「闇の訪問者」のこと。この闇の訪問者はもと神父で雪山の中で他の人々と暮らしていたらしい。それが雪に閉じ込められて人肉を口にし、生き残るのができたのだそうな。「これは新しい信仰だ、私はこれを広めねばならぬ」というのでポイント・ビューにやってきたらしい。よく分かりませんけれどもまあ、はた迷惑な人ですなあ(笑)。この人に最初に捕まった猟師さん、怪しいことを聞かされて発狂してしまいます。猟師さんは哀れにも警察によって射殺されてしまったのです。

 これを見た闇の訪問者、時期尚早だということで「100年後にまた来る」と言い残して立ち去ったのでした。あ、あれ、これだけ?チャーリーは赤い月が出て人々が狂い子供たちが生肉を貪ったとかなんとか言ってなかった?

 アレッティはだったら一緒に逃げようと言うのですがパパはかたくなに首を振ります。「それはできない。私はもう人肉を口にしてしまったのだ」大ショックを受けるアレッティ。パパが、パパがゾンビになっちゃった。しかもパパは急に暴れだしたのです。「うう、く、苦しいのだ」パパはなぜか置いてあった青いペンキの缶に手を突っ込んで顔を青く塗ってしまいます。青い顔で今度はマレッティに襲い掛かるパパ。この青い顔が物凄く間抜けです(大笑い)。そこで思い出したのがチャーリーの言葉。「パパを殺して焼くのです。埋めてはいけない」マレッティ、でっかいハサミでパパの首をぐさーっ。「ギャーッ」と床に転がったパパに暖炉の燃えさしで火をつけてしまいます。何しろペンキを塗ってますから(笑)あっという間に燃え上がる!「ぎょえーぎょえー」と悲鳴を上げて燃えるパパ。うわあ、この辺結構な迫力。全身が思いっきり火に包まれていて、こんな映画にもったいないほどのスタントですよ。

 パパ、黒焦げになってしまいました。

 翌朝、ようやく戻ってきたトム、パパを殺して呆然となっているアレッティを発見します。「良かった、無事だったんだね、早く逃げよう」しかしアレッティ、何を考えたのかナイフで彼の腕に傷を負わせてしまうのです。彼をゾンビだと思った風でもないし、一体どういう訳なのかしら。次の場面ではトムの腕に包帯巻いているし、手当てするくらいなら最初から刺すなと思うのですが。手当てが済んでさあ、逃げようということになったのですが、ゾンビ軍団が天井の吹き抜けガラスを破って家の中に入ってきたのです。こりゃあ、いけないと海岸に逃げるトムとアレッティ。しかしゾンビ共を振り切ることはできません。じゃあ、海に浮かんでいるボートで逃げよう、二人は海に入って泳ぎだすのですが、トムはアレッティにやられた腕の傷のせいで力尽きてしまいがぼがぼがぼ・・・、溺死してしまいました(笑)。残ったアレッティはゾンビ共に捕らえられ、闇の訪問者の貢物とされたのであります。

 海から現れる闇の訪問者、100年前の約束はついに果たされたのです。そして闇の訪問者にあんなことやこんなことをされた挙句解放されたアレッティ。彼女は警察で何が起こったのか話すのですが、当然信じて貰えず精神病院行き、そして冒頭のモノローグに繋がったのです。

 あ、あれ、その前に殺された男はなんだったんだろ、あの女はゾンビだったということか。でも女は殺しただけで食ってはいないのですが。不可解であります、謎であります。でもまあ、こんな映画だからいいですかね。

 人々がゾンビと化していく街の描写はムード満点でいいのですが、だらだらとして盛り上がりにかける展開、あまり意味のない台詞、放ったらかしの伏線等々、やはり酷い映画であります。

カラー・スタンダード モノラル音声。画質はやっぱり駄目。暗い場面で何をやっているのか分かるのはいいのですが、色の滲みが酷い。音質はかろうじて合格というレベル。ノイズが少ないのがヨロシイ。国内盤 日本語字幕付。レトロムービーコレクション 有限会社フォワードのDVD

 エロの冒険者
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『ゾンビの秘宝』(『La Tumba de los muertos vivientes』 『OASIS OF ZOMBIES』 1983年)

 

『ゾンビの秘宝』(『La Tumba de los muertos vivientes』 『OASIS OF ZOMBIES』 1983年)

よせばいいのに砂漠にお宝隠したナチスドイツ。その兵士たちがゾンビになってお宝探しに来る奴を食べちゃうという映画です。こんな映画に何も期待しちゃいけません。期待するだけ馬鹿を見ます。嘘だと思ったらあなたも見て御覧なさい。本当にしょうもないんですから。

砂漠を走るジープ。なにやら椰子の木の森のようなところへ到着します。このジープに乗っていたのが金髪のねーちゃん二人。タンクトップのTシャツでノーブラ、乳首ぽっちりという服装のこの二人、どうやら観光にきた様子。「これがグアダレストオアシスよ、素敵じゃない」車を降りてオアシスにつきものの泉を探し始めます。しかし、そんなものはいっこうに見つからない。見つかるのは頭蓋骨だの、ぞんざいなスワスチカが描かれた箱とか、チンケな大砲とかつまらないものばかり。おまけに時々がりごり不気味な音がしております。あっという間に飽きた二人、車に戻ろうとするのですが、出たァ、ゾンビが。一人は地面から飛び出した手に足をつかまれ、もう一人は追っかけられて悲鳴を上げます。そしてオープニングクレジット。

 この時点でまだゾンビはその姿をはっきりと現してはおりません。まあ、どうせテキトーな特殊メイクだと思うのでちっとも惜しくないです。

 オープニングクレジットが終わって出てきたのがカート元大佐(エドアルド・ファラージョ)とその奥さん(リナ・ロメイ)。ジープに乗った彼らはロバートなる人物の家を訪ねます。カート、奥さんに「わしがロバートを呼びに行って来る。お前はここで待っておれ」あ、カート、なにやら注射器みたいなものを用意しているぞ、怪しいぞ、こいつ。

 カートは注射器を隠し持ったままロバートに会って「600万ドルの金塊の場所を教えるのだ」と迫るのです。どういうことかと申しますとカートは実はナチスドイツの元大佐で19431116日、金塊輸送の任務を受けたのです。その輸送隊を襲撃して、全滅させたのがイギリス軍のロバートだったという訳。だから金のある場所を知っているという理屈なのです。ロバートはカートの唐突な要請に嫌がりもせず、地図を取り出して、「うん、エル・クースール村の近くのグアダレストオアシスだ」と教えるのでした。「ははは、ひょっとしたら兵士の霊が金を守っていたりしてな」こういうロバートにカートはにやっと笑って「みんな、わしの部下だったのだ。上官のことは覚えているだろうさ」

 なぜロバートは金の隠し場所を知っているのに40年間もほったらかしにしていたのでしょうか。何か金を探せない理由でもあるのでしょうか。でも、それにしてはカートにあっさり場所を教えてしまうのはいかにもヘン・・・、でもまあ、いいか、こんな映画だし。

 さあ、これでロバートも加わって宝探しと思いきや、カート、懐から注射器を取り出しロバートに襲い掛かって中の液体をたっぷり注入してしまうのでした。ロバート、ばったり倒れて頓死します。「ふふふ、これで宝は独り占めじゃ」ということですね。

 ここでいきなり場面が飛んでロンドンに。ロバートの息子、ロバート(マニュエル・ゲリン)はロンドンで大学生活を送っていたのです。その彼に届けられた電報、読んだロバートは愕然とします。「ええ、なんてことだ、パパが死んじゃった」すぐにアフリカへ飛ばなくちゃということになるのですが、何を考えたかロバート、実家に置いてあった父の大戦中の日記を読み始めたのでした。

 ここから回想シーンの始まり。これがまた長いんだ(笑)。ドイツ軍の輸送部隊を襲撃し、何を運んでいるのか確かめよという命令を受けたロバート、部下達と共にドイツ軍部隊を急襲します。戦車や装甲車が何台も出てきてこりゃ、凄いと思わされたのですがこの戦闘シーン、丸ごとイタリア映画『バトル・コマンド/熱砂の大作戦』の流用なのです。そうか道理でロバート、一度たりとも部下達と同じ画面に映らなかったはずだ。

 この場面、一人だけ違う服でうろちょろするロバート。椰子の木陰に隠れてみたり、ピストルを撃つ振りをして見せたり大奮闘。でもこの一人芝居、物凄く悲しいよう(大爆笑)。しかし、ドイツ軍に反撃されて部隊は全滅、ロバートだけが助かったのであります。その彼も重傷を負っていて砂漠でばたり。このままだと死んでからからのミイラになってしまう。その彼を助けたのがエル・クースール村の人々でした。族長のアル・カヒア(アントニオ・マヤナス)は娘のアイーシャ(ドリス・レジーナ)に彼の看護を命じます。彼女のおかげでみるみるうちに回復したロバートでしたが、同時にアイーシャともデキてしまったのです(笑)。

 負傷も癒えた、ドイツ軍をやっつけるために部隊へ復帰しなければならない。ロバートとアイーシャは別れを惜しんで砂漠の真ん中でデザート・ファック!「あ、砂が入った!いてててて」ロバート、再びドイツ軍に挑みます。また流用フッテージの戦闘が長々と繰り広げた挙句、ついにドイツ軍を殲滅させることに成功したのです。戦争が終わってアイーシャと会うためにエル・クースール村を訪ねたロバート。しかし彼は遅かったのです。彼を迎えた族長は「君の息子を出産しようとして彼女は死んでしまったのだ」

 これに激しいショックを受けたロバート。そのまま本国に帰ることなくトリポリに残ることになったのでした。ようやく長い長い回想場面の終了です。しかし、ドイツ軍を全滅させてから金塊はどうなったんでしょうねえ。よく分かりませんねえ。

 ロバート、この日記から600万ドルの金塊があるということを知って仲間4人と大盛り上がり。みんなでアフリカに行って宝探ししようということになります。この友達と言う奴らがまたボンクラで「来週試験だけど、どうせ、落第だ、だったら600万ドルの方がいいじゃんかなあ」とか言っている。これじゃ若者じゃなくて馬鹿者でさあ。

 さて、グアダレストオアシスに到着したカートたち。いつの間にかジープに屈強の若者二人が増えています。どうやらこの二人、どこぞで雇ったお手伝いらしい。この二人はちゃんと金塊のことを知っていて、二人で「なあ、このまま金塊見つけたって俺たちもらえるのアルバイト代だけじゃん、じゃあ、俺たちだけで見つけてがめちゃおうよ」と相談。カートと奥さんがテントで寝るのを見計らって金の捜索を開始します。まあ、捜索ったって、「あ、椰子の葉っぱが積み重なっているぞ、だいたいこんなところにお宝があるものなんだ」と言って掘りはじめるという極めて原始的なものなのでありますが(笑)。

 当然ながらここでゾンビが登場。ようやくその全貌を現したゾンビたち、目玉が飛び出ているのやら、腐った顔面にミミズ沸かせている奴やら、いろいろ。こいつらが二人に襲い掛かってはい、むしゃがりぺちょ食べてしまいましとさ。ゾンビ達はさらにカートたちをも襲います。テントから飛び出したカート、「おい、お前達、忘れたのか、わしゃ、お前達の上官だった、大佐だったんだぞ」って、そんなこと言ってもゾンビに分かる訳が無い。たちまち奥さん、数人のゾンビにのしかかられて内臓引きずり出されてしまいます。カートもゾンビに抱きつかれたのですが、これをなんとか振り払ってジープへ。命からがら逃げ出したのであります。

 一方、空路アフリカへ到着した馬鹿者じゃなかった、若者達。そんな惨劇が起こっているとは夢にも思わない彼らは暢気に市場を冷やかしております。「うわあ、何でもあるぞ」とはしゃぐ彼ら。ふん、今のうち楽しんでおくがいいさ、どうせ、後で酷い目に会うのだから。

市場ではしゃぐ若者達。ここでようやくみんなの名前が判明したのでお知らせしておきます(笑)。まずは主人公格のロバートはもう皆さん、御馴染みですね。後は男でロナルド、アハメド(ミゲル・アリツ)、そして紅一点のフランシス。彼らは市場をうろうろしているうちにアフリカに何かの調査にきたらしいデニケン教授(アルビノ・グラジアーニ)、助手のエリカと知り合ったのでした。

 ところがこの時教授に現地の人が耳打ち。「旦那、あのヨーロッパ人が大変です。逃げ出して近くの農家に匿われたそうでがんす」そりゃ、大変だと農家にジープで急行する教授たち。何故か「僕たちも一緒に行っていいですか」とついてくるロバート達。こら、お前らは何でついてくる。この大変なことになったというヨーロッパ人はもちろん、あのオアシスから命からがら逃げ出したカート。彼はショックで完全に発狂しており教授たちに向って、「来るな、寄るな、俺が分からないのか、ギャーッ!」と叫ぶという・・・。ドン引きの教授たち、しかしここでいきなりロバートが進み出て「僕はブラバート元大尉の息子だ、あなたはあのオアシスに行ってきたんでしょう、オアシスはどこです、教えてください」なんでお前がそんなこと知ってるんだ(大笑い)。パパの日記にカート出てきたのか、俺は出て来てないと思うぞ。

 また、このロバートは父親の死がきっかけでアフリカくんだりまでやってきたのに、父親の墓参りすらしようとはしません。いかに600万ドルの話に惑わされたとはいえ、これは酷いでしょう。

 カート、ロバートの質問に答えることなくそのまま死んでしまいます。がっかりするロバートたちですがまだ手はあります。「族長に会ってオアシスの場所を聞けばいいんだ」だったらさっさと行け(笑)。それでもこれですぐ出かければまだ救いがあるのですが、唐突にロナルドとエリカが出来ちゃう。二人で話をする場面もないのに、いきなり二人で川で泳いでるんですよ。エリカなんかトップレスのビキニで、まあ、なんとつつしみのないことでしょう。川から上がってきた二人、キスなんかしやがります。

 さて、デニケン教授たちは先にどこかへ調査旅行に出かけてしまいました。エリカが行ってしまったのでがっかりするロナルド。いい気味であります。彼らもまたエル・クースール村目指してジープで出発するのでした。そしてあっという間に村について族長とご対面。族長はロバートを見て、「おお、君は我が娘アイーシャの忘れ形見。娘の死後、父上は君をすぐロンドンに連れ帰ってしまったのだ」ロバートがオアシスの場所を教えてくださいと言い出すと、フツー、「あんなところへ言ってはいけない。恐ろしいことになる」とかなりそうなものですが、あっさりと「ウム、オアシスはここから南だ。ジープで1日くらいの距離かな」と言う族長。実の孫なんだからゾンビのいるオアシスなんかに行かせるなよ。

 しかし、なんですなあ、一応グアダレストオアシスの場所は秘密になっているのですな。だったら冒頭の二人の女は何で簡単にオアシスを見つけたんだという話になるんですよ、実際。

 オアシスに到着した若者達は愕然とします。デニケン教授のグループの車が放置されていたからです。驚いて周辺を捜索すると彼らのグループの大半は見るも無残な死体に成り果てていました。生き残っていたのは教授とエリカだけ。若者達に助けられて意識を取り戻した教授とエリカ、当然ながら「私たちはゾンビに襲われた」と言うかと思ったら、何にも言わないの(大笑い)。ただ、漫然とテントに寝ているだけ。エリカなんか、再会したロナルドとデザート・ファックですよ。「あ、砂が入った、いてててて」ですよ。

 この意味の分からぬ珍展開に呆然としているうちにようやくゾンビどもが登場。がりごりと音をたてたり、砂の中から手を突き出したりさんざん私らをじらした挙句に出てきたゾンビ軍団、一人外に出て夜空を眺めていたアハメドをぼりぼりがりぼりくちゃ、ぺっと食べちゃった。人間一人で彼らの腹が満たされるわけもなく、ゾンビ軍団はロバートたちのテントに迫ります。ん?これは教授の仲間たちのゾンビかな。埋葬されたのが生き返ったのかな、あまりにも画質が悪いので良く分かりません。まあ、いいですか、そんなことどうでも。

 ロバートたちはようやくゾンビ軍団に気がついてテントから飛び出してきます。そして周囲を見回して「大変だ、僕たちは包囲されたぞ、わあ、どうしよう、どうしよう」ここでデニケン教授、「火だ、火を使え、奴らは火に弱いのだ」だから、そんなこと知っているのならどうして助けられた時に「ゾンビに襲われた、ここは危ないぞ」と言わなかったのか。その教授のアドヴァイスに従って車からガソリンを抜くロバートたち。これをテントの周囲に撒いて火をつけます。さらにガソリンを抜いて火炎瓶を造りゾンビを攻撃です。

 この時みんなジープに走っていって、チューブでガソリン抜くのですが、これが結構時間が掛かっている。そんなことする暇があったらみんなでジープに乗って逃げちゃえばいいじゃないか(笑)。

 しかし、ゾンビ軍団強い。彼らはついに火の障壁を突破、エリカを捕まえます。「ヒーッ、ロナルド、助けて、助けて」「今行くぞ、待ってろエリカ」この辺また最悪画質のせいで何が起こっているのかさっぱり分からないのですが、どうやら二人とも食われちゃったらしい。ザマーミロですな。

 その後もゾンビ軍団の戦いがえんえんと続きます。火炎瓶でゾンビを焼くロバート。ああ、いつの間にか太陽があんなに高く上っているぞ、一体何時間戦っているんだ。そしていつの間にか分からないうちに教授も食われてしまいます。ゾンビをなんとか撃退したのですが、結局生き残ったのはロバートとフランシスのみ。

 砂漠に倒れている二人のところに駱駝でやってきたのが族長さん。彼は目を覚ましたロバートに「探し物は見つかったかね」ロバートは首をふります。「いや、自分と向き合えただけだったよ」意味のない台詞だよ、まったく(笑)。族長は頷いて「では帰ろう」ということでエンドマーク。

 ええ?結局600万ドルの金はどうなったの?デニケン教授たちは何がしたかったの?矛盾が集まって出来ているような酷い脚本です。間延びした演出も私には耐えられません。いや、実際、これ、『プラン9・フロム・アウタースペース』あたりとタメを張る最低映画ですよ。こんなに酷いのも珍しいくらいです。

カラー・スタンダード モノラル音声。画質は最低。ノイズの嵐でしかも暗い場面は何が何だか分からない。音質もじーじーびーびー始終ノイズが入って五月蝿いったらありゃしません。国内盤 日本語字幕付。レトロムービーコレクション 有限会社フォワードのDVD

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2007年9月 1日 (土)

『サント・ブルーデーモンのアトランティス珍道中』(『Santo contra Blue Demon en la Atlantida』 1968年)

 

『サント・ブルーデーモンのアトランティス珍道中』(『Santo contra Blue Demon en la Atlantida』 1968年)

アトランティスとタイトルにありますが、実際に出てくる訳ではありません。悪の秘密組織の基地が海中にある、それがアトランティスっぽいというだけなのです。分かりましたか、皆さん。

このDVDはスペイン語音声のみ、英語音声・英語字幕は収録されておりません。私はまったくスペイン語が分かりませんので、この映画はいつもと違ってどこかの奇特な方が作って下さっているサント映画のストーリー解説サイト(英語)を参考にこのレビューをでっちあげております。だから実際の映画を誤解しているところもあるかも知れませんが、その辺はどうぞ、この事情を鑑みてご容赦くださるようお願いいたします。

 平たく言うと、「文句一つ言うたびに頭一発ぶんなぐるぞ、コノヤロー」ということでございますね。

冒頭いきなり登場したのはあら、あらあらあら、これは『怪獣大戦争』のP-1号ではありませんか。しかもX星から発進する場面を使っています。何故か胴体に日本語みたいな文字がテキトーに描かれているのがご愛嬌。P-1号はぴゅーっと飛んで地球へ。地上のレーダーはこれを感知、F-80シューティングスターを迎撃に向わせます。するとなぜかP-1号はX星へ逆戻り。その後発進してまたまた地球を目指します。ここで初めて登場したのが悪の組織のボスらしき人。彼は秘密基地と思われる場所でなにやら怪しげな装置のダイヤルを回してサモアへ照準を合わせます。P-1号、その照準の通り突入して核爆発。

 そう、X星から進発したP-1号と思われたのは核ミサイルだったのであります。悪の組織のボス、アキリス(ジョルジ・ラド)は「こらあ、言うこと聞かんと核ミサイルばんばん撃ち込んで地球を滅ぼしてしまうど」と人類を脅迫していたのであります。

 この対策にやっきとなっていたのがパリに本部を置く、ワールド・セキュリティ・オルガニゼーション。緊急会議が開かれアキリスはもとナチスの科学者、ヒューゴー・ウーリッヒで、彼があの忌まわしきV-2ロケットを作ったこと、だから彼の核ミサイルによる脅しは本気であること、しかし、彼のミサイルを防ぐ装置をジェラルド教授(ラファエル・バンケルス)が発明したことなどが語られます。しかし、ジェラルド教授が殺されたりしたら全てがパア。教授をなんとしてもアキリスの手から守るのだと満場一致で決定したのでありました。

ミサイルを防ぐ教授の発明品というのがどんなものなのか、今ひとつはっきりしないのが面白い(笑)。

 ジェラルド教授はメキシコのどこかの研究所にいます。彼の警備のために派遣されたのがエージェントのピエーレ・デュバル(オーガスティン・マルティネス・ソラレス)でありました。そして彼に協力するのはもちろん、我らがサントですよ(笑)。

 ところがこの成り行き、ワールド・セキュリティ・オルガニゼーションの本部にしかけてあった盗聴器でアキリス側に筒抜け。アキリス、「ふふふ、ではジェラルド教授の居場所を探ればいいのだな」4人のダイバー部隊を海底基地?から派遣します。物凄く浅い海を泳いであっという間に海岸についたダイバーたち(笑)、彼らは迎えの車に乗り込んでいずこへと消えたのでありました。

 さて、待ちに待ったサントの試合。しかも盟友ブルーデーモンとのシングルマッチと言う豪華な対戦です。サント・コール、ブルーデーモンコールが交互に繰り返されて凄い盛り上がりの中、ゴングが鳴って試合開始。さすがは二大ヒーローの試合だけあって一進一退の攻防。まず一本目は場外に落ちたサントにブルーデーモン決死のフライングボディアタックを敢行。サントリングアウトとなります。二本目は逆に場外のブルーデーモンにサントがフライングボディアタックを。これで一対一のイーブン、勝負は3本目に持ち込まれます。しかしここで異変が。喉の渇きを訴えたブルーデーモン、セコンドが差し出したビンの水を飲むのですが、これが何者かの手によって薬入りのものに摩り替えられていたのです。リング上でたちまちふらふらとなるブルーデーモン。「おい、ブルーデーモン、一体どうしたというんでぇ」と驚くサントの前でばったり倒れてしまいました。

 急ぎ控え室へ運ばれるブルーデーモン。サントは酷く心配そう。心配のあまり、せっかくエージェントのピエーレが来たのに、「今、ブルーデーモンが大変なんだ、後にしてくんな」とつれない返事。ブルーデーモン、救急車で病院へ運ばれます・・・と思いきや、この救急車がニセモノ、アキリスの手のものだったのです。彼らは止めにはいった警官隊をあっという間に殴り倒します。殴り倒された警官の体が燃えてしまうこの不思議よ。ピエーレはピストルでアキリスの部下の一人を射殺。彼の指輪を見て「アキリスか」と呟くのでありました。

 ブルーデーモンを乗せた救急車は猛スピードで逃走を図ります。サント、追跡するべくサントカーに乗り込もうとするのですが、「ち、きゃつら、車を壊しやがった」 サント、たまたまそこに駐車されていた一般人の車を奪って追跡って、酷いなあ(笑)。ここからしばらくサントと救急車の迫力あるカーチェイスをお楽しみ下さい。しかし、このカーチェイスの終わりは唐突にやってきます。対向車のトラックのライトに目を眩まされたサントが車を崖下へ転落させてしまうのです。サントは危ういところで脱出して無事だったのですが車は大爆発。これ、さっきも言いましたけど、たまたまそこにいた全然関係のない一般人の車だったんですけどねえ(笑)。サントも「ふう、あぶねえところだったぜ」とか呟いている場合じゃないと思いますよ。

 サントの無事を知ったピエーレ、喜ぶかと思いきや、なんと無線でアキリスに連絡しています。「ボス、サントは生きてます。ぴんぴんしてますぜ」 彼はアキリスのスパイだったのです。

 ピエーレはイロっぽい女をサントの部屋へ送り込みます。もうサントが帰ってくるといきなりすけすけネグリジェ着た女がいるというですね、物凄く分かりやすい罠(笑)。こんなのにひっかかる我らがサントではありません。サントは女の「ねえーん、キスしてえーん」というリクエストに応えてキスをするふり。しかし、ちゃんと彼の目は鏡で背後から襲ってきたピエーレの姿を捕らえていたのです。サントは女を突き飛ばすなり振り向いてピエーレにパンチ!取っ組み合いになります。まあ、こんな場面でサントが負けるはずもありません。女は誤ってピエーレの拳銃に撃たれ即死。ピエーレはサントに投げられて窓から道路へ向ってダイブ。ぐしゃりとつぶれてしまいましたとさ。

 さて、一方、アキリスの海底秘密基地へ連れてこられたブルーデーモン、彼に向って大演説をするアキリスです。「いいか、これからの地球は我々のようなエリート人類に支配されるのだ。そして我々より劣った非エリート人類はドレイとなって我らに尽くすのだ」もうえらいことを言っております。「ブルーデーモン、お前も我々の仲間になるのだ」 とうぜん断るブルーデーモン。「徹底的な馬鹿め、えらい目に合わせてくれる、覚悟せよ」

 この後、アキリスとその妻らしき女は壁一杯にギリシャの遺跡の写真が飾られた特殊な部屋でくつろぎます。アキリスは「ふふふ、古代ローマの栄光を現代に蘇らせるのだ」なんと、この人、不老不死の存在で古代ローマの時代から生きていたのですねえ。びっくりしますねえ。

この妻らしき女、出番はこれだけ。これ以降出て来なくなります。やっぱりいい加減ですねえ。

 場面はサントのアパートメントに戻ります。三人のアキリスの部下に襲われるサント、彼はエレベーターシャフトに飛び込みワイヤーを伝って階下へ脱出します。そしてそのままジェラルド教授の研究室へ。

 一方、ブルーデーモンはアキリスの命令で若いレスラーと戦わされております。赤い絨毯の上でレスラーと戦うブルーデーモン。周囲をアキリスの部下の女達、男達が取り囲んでおります。あ、体勢崩したブルーデーモンが女の前に倒れたら、女、びくっとして避けよるぞ。そして明らかににやにやしているぞ。なんだ、お前は、いくらサント映画だからと言って本番でにやにやしたらいかんだろう、もっと真面目にやれ、真面目に。

 激闘が続いてついにレスラーをやっつけたブルーデーモン。アキリスは再度彼に「どうだ、仲間になるか」と尋ねるのですが、答えは決まっています。「ノーだ!」でもアキリス、にやっとして、「ブルーデーモンを催眠装置にかけるのだ」哀れブルーデーモン、ミラーボールがくるくる光る催眠洗脳装置に寝かされてあっという間に洗脳されちゃったのでした。

 自分の意思を失ったブルーデーモン、アキリスの命令どおりにサントに電話を掛けて(笑)呼び出します。まさかブルーデーモンが敵の手先になっているとは夢にも思わないサント、のこのこ車で待ち合わせ場所へ。そしてブルーデーモンの車に乗り込むと、「おう、デーモン、大変だったなあ、よく逃げてこられたもんだ、さすが、ブルーの旦那だね」曖昧に頷いて車を発進させるブルーデーモン、唐突に「ジェラルド教授はどこにいるのだ」と尋ねます。当惑するサント、「教授の居場所は秘密だって言ったじゃねえか、なんだってそんなことを今時分聞くのだ?」この時、サントは見ました。ブルーデーモンの指に嵌っているアキリスの指輪を!「やや、さてはデーモン、おめえ、裏切りやがったな」たちまち始まる二人の戦い。走っている車の中で揉みあうのですから、車が蛇行して大変に危ない。ブルーデーモン、とっさに車をわき道に突っ込ませて停止させます。二人は車から飛び出して取っ組み合い。ここにアキリスの部下が三人加勢に駆けつけた。ブルーデーモン一人でも手に余るのに、三人も応援が来てはたまらない、サント、大ピーンチかと思いきや、突然現れた謎の美女がピストルを乱射。部下一人とブルーデーモンを撃ち倒したのでした。

 「こりゃ、ありがてえ」と美女と二人で逃げ出すサント。倒れたままのブルーデーモンはほったらかしです(大笑い)。

 この美女はワールド・セキュリティ・オルガニゼーションのエージェントX-25(マグダ・ジナー)でした。彼女はサントを自分のアパートメントに連れていって打ち合わせ。まあ、打ち合わせといってもマーティーニをサントに振舞ってキスするだけなのですが(笑)。サントもマーティーニを飲んで浮かれたのか「え、酒はいけるかって、いやね、あっしは浴びる方で」とか言ってます。この後、二人でソファーに横たわり何故か電気が消される怪しい展開。この二人、ヤリやがったな。ヤッたヤラないの二元論で言えばヤッのだろう。

 これが終わって二人でアキリスの基地を捜索することになります。ヘリコプターで上空から捜索に当たったのですが、またまたブルーデーモンがヘリでやってきた。彼は操縦席からピストルをずどんずどん、サントも負けずにずどん、ずどん。この銃弾がブルーデーモンのヘリコプターのパイロットを射殺、哀れ墜落してしまったのです。ブルーデーモンはからくもパラシュートで脱出します。危機を脱したサント、なおも捜索を続行。するといかにも秘密基地がありますぜ、旦那という風情の孤島を発見。サント、ヘリコプターを着陸させて地上を調べることになりました。彼はX-25に通信機を渡して、「おめえはヘリコプターで戻るのだ。そして教授にこのことを連絡してくれ」

 サントは島を歩き回ります。その時実に都合が良いというか、絶好のタイミングでというか、二人のダイバーが海に入るのを目撃したのであります。「むむ、彼奴らはアキリスの基地へ戻るに違いねえ」サント、彼らを追って海中へ飛び込みます。そしてアクアラングもなしで海中を泳ぎ進み、ついにアキリスの基地へ文字通りの潜入を果たしたのです。そして基地の中にあるギリシア風の巨大な石像、X-P核ミサイルなどを見て驚くサント。しかし、これはアキリスの罠でした。あっという間に部下達に取り囲まれるサント。そして彼の前にアキリスと共に進み出てきたのはああ、X-25じゃありませんか。もうワールド・セキュリティ・オルガニゼーションから派遣されてくるエージェントはみーんなスパイ。いくらなんでもこれは酷い(笑)。

 サント、あっという間にブルーデーモンと同じ催眠洗脳装置に掛けられちゃいました。この時、機械を操作しているジュノ(シルビア・パスケル)という女が微妙な表情を見せます。これが実は重大なる伏線になっておりますので、皆様どうぞお忘れなきよう。

 洗脳されたサント、アキリスの命令どおりジェラルド研究所に現れいきなり機械をぶっ壊し始めます。「わあ、なんだ、サント、何をするのだ」しかし、洗脳されているサントにこの悲痛な叫びは何の力もなかったのです。破壊を続けるサント、ああ、もう神も仏もあるものか、これでは世界はアキリスの思い通りになってしまう。ところが「ちょっと待ったァ」いきなり響いた御馴染みの叫び、「お前達の悪巧み、天は見逃してもこのサントさまが許さねえ!」現れたのはああ、なんということでしょう、二人目のサントです。実は研究所を破壊していたのは偽のサントだったのです。は、はあ?

 私の困惑をよそに偽サントと戦うサント。ぐっと偽サントを壊れた機械の残骸に押し付けると飛び出していた鋭い破片が背中にぐさっ。偽サント、あっさり死んでしまったのでした。しかし偽サントが死ぬのと同時に現れたのがブルーデーモンとX-25号。「まだ、安心するのは早いよ、サント、あたしたちがいるからね」しかし、その背後にさらに現れたのがジュノ。彼女はピストルでX-25号を射殺してしまったのです。この隙にサント、ブルーデーモンに飛びついて彼を捕らえてしまいます。

 ええと、一体何が起こったのでしょう。呆然としている私の前でサントが種明かし。「ジュノが土壇場でアキリスを裏切ってくれたんでさあ、彼女のおかげであっしは洗脳されずに済んだのでやんす」え、では、あの偽サントは?アキリスたちはサントが洗脳されたと思っているんだからニセモノを用意する必要なんてなかったのでは?サントたちもなんでわざわざ機械を壊させたりしたの?無数のクエスチョンマークに支配される私の頭脳です(笑)。こんな時の解決方法はただひとつ。「まあ、いいや、何しろこれはサント映画だからな」と諦めてしまうこと。万事これで上手くいくのであります。

 ブルーデーモンもジェラルド教授によって洗脳を解かれます。

 サント、ジュノ、ブルーデーモン、教授の4人はアキリスの基地を爆破してミサイル発射を防ぐべく立ち上がったのであります。4人で仲良くアキリスの基地へ潜入。サントが一人で行った時も今回も、鮫がうろちょろしていますが、これはフッテージなのでサントと鮫が大格闘なんてことには決してなりませんのでご安心下さい。

 そしてサント、教授は爆弾を仕掛けに行きます。残されたブルーデーモンとジュノ、当然ながら彼らはアキリスの部下達に襲われることになる訳です。ここで残念ながらジュノー、ピストルで撃たれて瀕死の重傷を負ってしまいました。一方、首尾よく爆弾を仕掛け終わったサントと教授、彼らもアキリスたちに捕まってしまうのです。サント対アキリスの戦い。アキリスが意外に強い、強い。サントを転がすと石像を手にとって彼の頭を一撃しようとするのですが、この時飛び込んできたのがブルーデーモン。彼はたまたま偶然にそこにあった槍を手に取るとアキリスに投げつけます。狙い過たず背中にぐさぁっと突き刺さるヤリ。アキリス、ばったり倒れて絶命します。その彼の顔がだんだんしわくちゃになっていってついにミイラになってしまいました。古代ギリシアの時代から生きてきた不死の存在もこれにて一巻の終わり。

 この特殊メイクはなかなか良く出来ております。サント映画にはもったいないくらいです。

 サントとブルーデーモン、今にもミサイルを発射しようとしている部下達をとめようとします。部下がカチッとスイッチ入れるとぐいーんと地上にせりあがる核ミサイル、その部下を跳ね飛ばしてスイッチを切るブルーデーモン、核ミサイルがまた地下へ戻ります。すると今度は部下がブルーデーモン殴り飛ばしてスイッチカチッ、ぐいーんとせりあがる核ミサイル、この出たり入ったりが何度も繰り返されるのが面白い。しかしついにサントとブルーデーモン、部下達をやっつけてミサイル発射装置をぶっ壊すことに成功したのです。

 さあ、もうすぐ爆弾が破裂するぞ、早く逃げなくちゃ。途中で虫の息のジュノを見つけて抱き起こすサント。しかし彼女はそのまま息絶えてしまいます。その顔がだんだんしわくちゃになってミイラになるのはアキリスと一緒。彼女もまた不死の存在だったのです。

 サント、ブルーデーモン、教授が逃げ出し、待機していたヘリで空に舞い上がると同時に爆弾が爆発。恐ろしい爆発が続いてあのギリシア風の巨大石像や、いきなり出てきた古代ギリシアの神殿が崩れたりします。この辺はどこぞの「剣とサンダル映画」からの流用フィルムなのでありましょう。そして同時に大津波が押し寄せ、島は海に没したのでありました。エンドクレジット。

ストックフッテージの使用でいつもより豪華なサント映画になってます(笑)。アキリスにもカンロクがあって、安っぽさを感じさせない傑作(?)でありました。

カラー・スタンダード。モノラル音声。発色が非常に綺麗。サントの銀色のマスクが輝いています。音声もスケール感があって、ストックフッテージを不自然に見せません。Vive MexicoDVD

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『プラン9・フロム・アウター・スペース』(『Plan 9 from Outer Space』1959)

 

『プラン9・フロム・アウター・スペース』(『Plan 9 from Outer Space1959)

 さあ、エド・ウッドの『プラン9・フロム・アウター・スペース』だよ、この映画はね、本当にこういう話なんだから、私が勝手にでっち上げたのではないから、誤解しちゃいけないよ。本当にこんな映画を作った人がいたんだよ。信じられないかもしれないけど、本当だよ。

冒頭からクリズウェルの大仰なナレーション。「あんたたち、怖かことが好きでしょうが。おいが今から恐ろしか事件のことば話します。ばってん、これは本当に怖かとです。心臓が止まるごとあるとです。覚悟はよかですか、始まりますバイ」

 その恐ろしい事件のきっかけとなったのは・・・ベラ・ルゴシの奥さん(ヴァンパイラ)のお葬式でした。愛する妻の死に打ちひしがれた様子のベラ・ルゴシ、涙の出ていない目にハンカチを押し当てております。葬式が終わって待機していた二人の墓掘り人 みんなが帰ったのを確かめて奥さんの棺を埋めに掛かります。

 場面はぱっと飛んでサンフェルナンド峡谷上空を飛行中の旅客機。この操縦席で板で出来た操縦桿を握っているのが本作の主人公?ジェフ・トレント(グレゴリー・ワーコット)であります。彼は副操縦士のダニー(デヴィッド・デ・メーリング)と「いやあ、もうすぐ着陸だな」という暢気な会話を交わしておりました。ところがその時操縦席を直撃した謎の光、円盤です。糸に吊られた空飛ぶ円盤だったのです。円盤はどうした訳かその後、ルゴシの奥さんが埋葬された墓地へ飛来。すると霧の中からヴァンパイラ出たァ。どうも円盤、奥さんを蘇らせたようで・・・。ヴァンパイラ、帰ろうとしていた二人の墓掘り人に襲い掛かって、殺してしまいます。あ、肝心の殺害場面はありませんよ、墓掘り人が悲鳴を上げた次の場面じゃもう地面に転がっているのですから(笑)。

 またも場面はぱっと飛んで家から出てくるベラ・ルゴシ。奥さんの死を忘れるために散歩へ出かけようというのです。ところがナレーション、「しかし彼が再び家に帰ることはなかった」だって。その直後、激しいブレーキ音が鳴り響いてルゴシの「ギャーッ」という悲鳴。ルゴシ、車に引かれてぺっちゃんこ(大笑い)。彼は納骨堂に埋葬されてしまったとさ。このお葬式に来ていた人が偶然、墓掘り人たちの死体を発見。警官隊が駆けつけることとなります。その指揮をとっていたのがダン・クレイ警部(トー・ジョンソン)。彼は何故か部下達に「おれ、ちょっと墓地見回ってくるから」車から懐中電灯を取り出して歩き始めます。

 この墓場の近くに住んでいたのが円盤を目撃したジェフ・トレントと奥さんのポーラ(モナ・マッキノン)だったという・・・。何も墓場のすぐそばにすまなくったって良さそうなものですが(笑)。奥さんに何か気になることがあるのと聞かれたジェフ。一気呵成に自分が空飛ぶ円盤を目撃したことを話し出したのです。「僕は見たんだ、空飛ぶ円盤を、葉巻のような形をしていた」ってウソつけ、紛れもない円盤だったじゃないか(大笑い)。「でも着陸したら軍からの命令で口止めされたんだ。こんな大事なことを僕は隠しておけない、発表しなくちゃと思うんだけど、やっぱり軍には逆らえないんだよ」「まあ、そんなことが」と奥さんが驚いた直後、びゅーんという大風に襲われます。また円盤です。タイミングの良い奴です。

 再び墓場に飛来した円盤、今度はよしときゃいいのに、ベラ・ルゴシを蘇らせるのでした。もっともこの場面は彼の死後撮影されたものでまったくの別人。だからマントで思いっきり顔を隠しております。このベラ・ルゴシ(別)はヴァンパイラと協力してトー・ジョンソンを挟み撃ち。殺害してしまったのです。この死体が心配して探しにきた部下達に発見されて、はい、またお葬式。ほんと、のべつ葬式やっている映画だよなあ。

 この後、各地で目撃される空飛ぶ円盤、ハリウッド大通り、ワシントン DCを三機編隊で我が物顔に飛び回ります。ついにエドワード大佐(トム・キーン)指揮の下、ロケット弾攻撃が敢行されるのですがまったく効果なし。円盤は平然と飛び去ってしまいます。部下、大佐に「まいっちゃいましたねー、全然効果ないっすよ」「まだ秘密にされているがあの円盤によって小さな町の住民が皆殺しにされたのだ」当然、そんな派手な映像はありません(笑)。部下はびっくりして「えっマジっすか」「そうだ、奴らは敵なのだ。しかし、彼らは何の目的で地球にやってきたのだろう」

 多分、監督にも良く分かっていなかったのではないかと思われます。

 円盤は地球を離れてどこぞの宇宙に浮かんでいる母船に帰還します。円盤から降りた二人の宇宙人エロス(ダッドリー・マンラブ)男、タナ(ジャナ・リー)女 はカーテンで仕切って古い無線機を置いたセコさ極まる司令室で上官(ジョン・ブラッケンリッジ)に面会するのでした。エロスは「地球人は我々の存在を無視しております。あいにく地球人の意思は強固で洗脳できそうもありません。私はプラン9の発動を進言いたします」上官はちょっと嫌な顔をして「プラン9ちうたらあれか、死人をよみがえらせてコントロールする奴か、わしゃあまり好かんが、仕方ない、おやんなさい」「もう二人をよみがえらせました。そいつらは私らが持っている電子銃で操れるのです」エロスとタナは張り切って円盤に戻り地球へ向けて再出撃するのでありました。

 で、彼らが何をしたのかと言うとルゴシ(ホンモノ)を使ってポーラを襲うべく家に侵入させたという訳で。。あいにくレントは仕事で出かけちゃっています。ポーラ、悲鳴を上げて家から逃げ出すのでした。さらにヴァンパイラも登場、おまけにトー・ジョンソンも墓から這い出てきた。ルゴシ(別)、ヴァンパイラ、トー・ジョンソンの三体のゾンビはゆらゆら揺れながら逃げるポーラを追いかけるのです。危うし、ポーラ、と思ったらオープンカーが通りかかってあっさり運転手の男に助けられてしまったという・・・。この段取りの悪さがどうにもやるせない雰囲気をかもし出しております。

 ポーラ襲撃が失敗したので円盤へ呼び込まれるルゴシ(別)、ヴァンパイラ、ジョン・トー。タナが円盤の中の怪しい機械のスイッチを切ったら、あら、3人とも動かなくなっちゃった。ということはこの機械でコントロールできるということなのでしょうか。さっきエロスが「奴らは私らが持っている電子銃でコントロールできる」と言っていたのは何だったのでしょうか。

 ゾンビどもを収容した円盤、ひゅーんと飛び上がって消えてしまいました。

 ポーラの件でまたまた墓場にやってきたおまわりさんたち、指揮官の警部がトー・ジョンソンの墓が掘り返されているのを見つけまして、部下に「お前、中見て来いよ」「ええ、墓に入るんすか、おれ、いやっすよ」と逆らってみたものの上司の命令ですから仕方ありません。しぶしぶと墓穴にもぐりこむ警官。警部は「おい、誰の墓か分かるか」あんた、ジョン・トーの葬式に参列してたじゃないか。何で忘れてしまっているんだ(笑)。

 ジョン・ハーパー警部(デューク・ムーア)に命令されてしぶしぶジョン・トーの墓穴にもぐりこんだおまわりさん、「警部、暗いくって見えないっすよ、マッチ貸してください」懐中電灯ぐらい持って入れや、コラ。そして警部から渡されたマッチをすりますと「あ、大変だ、警部、死体ないっす、空っぽっす、ああ、け、警部、これはグレン警部の墓っすよ」どうやらこの墓、棺桶の内部に名前が書いてあるらしい(笑)。ハーパー警部、「ウウーム、こりゃ一体どういう訳だ、世の中間違っとるよー」

 この映画自体が間違ってますって。

 さて、場面は変わってワシントンに呼び出されるエドワーズ大佐。上官に会って「君、ほんまに空飛ぶ円盤の実在を信じておるんか、政府は公式に存在せえへんという見解を出しておる、このままだと軍法会議もんやど」といきなり言われてしまいます。しかしエドワーズ大佐ひるむことなく、「いや、だって、本当にいるんだから仕方ないじゃないですか、だったら私が攻撃したのは何だってことになる訳ですよ、実際の話」すると上官、ころりと態度を変えて最近受診した宇宙人からのメッセージの録音を彼に聞かせるのでした。テープレコーダーががーっと回って「私は外宇宙から来た宇宙人、イロスである。私たちは君たちを数世紀に渡って観察してきた。しかし地球を征服する意図はない。我々は友好的だ。むしろ君たちを助けに来たのだ」はあ、そうですか。「しかし、君たちは我々の存在を無視し、あまつさえ攻撃まで仕掛けてくる始末だ。てめえら、なんてことをしやがる、そんなことだからブッソウな兵器を作って宇宙を壊滅の危機にさらしているのだ。覚悟しやがれ、バカヤロー。本当はやりたくないんだけど、お前らが悪いんだからな、仕方ないんだ、コノヤロー」結局、彼らは敵になったということなのでしょうか。

 上官はさらに「ハリウッドで円盤が目撃された。君は直ちに現地へ急行してこの宇宙人たちとコンタクトするのだ」とエドワーズに命令したのでありました。大佐、すぐにハリウッドへ向います。

 一方、こちらは円盤母船。イロス、支配者に「どうです、僕はもう三人も地球人をゾンビにしましたよ、凄いでしょう」支配者は呆れて、「バカモン、たった三人ゾンビにしてどうする、もっと増やさんかい」怒られてしまいました(笑)。おまけにジョン・トーのゾンビを支配者に見せようと連れてきたらコントロールがおかしくなってイロスに襲い掛かる始末。イロス、慌ててタナに「おい、電子銃でこいつを大人しくさせろ」と叫ぶのですが、電子銃故障していたのです。タナは慌てて弄繰り回すのですが治りません。そこで支配者、「おい、電子銃を床に投げるのだ。そうすればスイッチが切れるぞ!」そんな馬鹿なと思いますが、タナが銃投げ出すと本当にジョン・トーが動かなくなったという・・・。おまけに銃を拾い上げたタナはすました顔で「あら、投げたら故障直っちゃったわ」だって。呆れた支配者、「もうお前らいいからとっとと地球へ行って我々の存在を地球人に知らしめるのだ!」

 これで支配者が立てた作戦というのが「ベラ・ルゴシをうろうろさせる」ということでありました。ウソのようだけど、本当の話だぞ、これ。

 ハリウッドへ到着したエドワード大佐、ジョン・ハーパー警部と共にトレント家へ。ジェフとポーラから円盤を目撃した時の状況を聞き出すためであります。その時再び墓場に円盤が着陸。イロスはベラ・ルゴシ(別)を出動させ、大佐たちを襲わせるのです。ここでまたも生前のルゴシ(本物)のフィルムを使いまわし。もう何回目でしょうか。このフィルム、背後に通過するトラックが映っているんですよね、このフィルムを使うたびにトラックが通って何やら凄く物悲しい気分にさせられます(笑)。

 ルゴシはまずパトカーで待機していたオマワリさんに「うがぁ」おまわりさん、「ひゃあ」と驚いてトレント家へ逃げ込みます。後を追うルゴシ(別)。その彼を警部、エドワード大佐、おまわりさんの三人が拳銃で撃ちまくるのです。しかし、全然効果なし。ついにおまわりさん捕まって絶対のピンチと思いきや円盤からぴーっと光線が発射されて、ルゴシばたりと倒れてしまうのであります。そしてみるみるうちにガイコツになっちゃった(大笑い)。どうもイロスがコントロール装置をオフにしたかららしいのですが、なんでそんなことをする必要があるのかさっぱり分かりません。第一、「ベラ・ルゴシをうろうろさせて地球人驚かす」作戦はどうなったのか。

 さあ、ベラ・ルゴシは墓場からやってきた。だったら墓場に円盤がいるに違いない。ぞろぞろ墓場へ出かけるジェフ・ポーラ、エドワード大佐、ハーパー警部、おまわりさん。彼らは謎の光を発見、調べようということになります。ここでよせばいいのに「危ないから」という理由でおまわりさんと二人パトカーに残るポーラ。どうして二手に別れる、こんなん襲われるに決まってるやんか。案の定、ジョン・トーに襲われおまわりさんは失神、ポーラは拉致されてしまうのです。この時ヴァンパイラがうろうろしておりますが、ストーリーには何の関係もありません。

 一方、割にあっさりと円盤を見つけてしまうジェフたち三人。どう見ても四角い建物なのですが、この際ですから気にしないことにしましょう。この周りをうろうろして入り口を探します。この様子をモニターテレビで見ていたイロス、「よし、きゃつらを誘い込むのだ」タナに命じてハッチを開けさせます。三人は何の前触れもなく入り口が開いたのにびっくり。ジェフは張り切って「よし、中へ突撃だ」「いや、いつ飛び立つか分からんぞ」と忠告する警部を無視し突入するのでした。警部とエドワーズ大佐も彼一人行かせる訳にもいかず「もう困っちゃうな」とボヤキながら後に続きます。

 いよいよイロス、タナと対峙する地球人三人。ここから始まるイロスの大演説をお楽しみください。「我々は君たちを助けに来たのだ。地球人は愚かにも核兵器を開発している。そして君たちはそのうちソーラー爆弾なる新兵器を開発するのだ。いいか、ガソリン缶を太陽としよう。そこから導火線が地球に延びている。ガソリンを太陽の粒子だとした場合、地球はガソリンに浸かっていることになる。地球が点火されればその火が導火線を伝って太陽へ行き爆発させてしまうのだ。太陽の粒子が届くところはみんな破壊されてしまう。それだけじゃない、連鎖反応が起こって銀河系を破壊してしまうのだ。我々はそれを止めにきたのだぞ」なんですか、このヤク中の戯言は(大爆笑)。

 この間ポーラを抱えてえっちらおっちら円盤目指して歩いているジョン・トー。彼に襲われて失神していたおまわりさん、応援のおまわりさんに助けられてジョン・トーを追っかけます。そしてその背後から棒で頭をぼかっ。ジョン・トー、あっさり倒れてまた骨になっちゃいましたとさ。

 この時もヴァンパイラがうろうろ歩いておりますが、ストーリーには何の関係もありません。

 円盤内部でも戦いが勃発。余りにアホらしい話を聞かされてついに切れたジョンがイロスに襲い掛かったのであります。どったんばったん取っ組み合いをするうちに、いや、何しろ、この円盤の内部、古ぼけた機械がテーブルの上に置いてあるだけですから、取っ組みあう二人がテーブルにぶつかるたびにどんどん落ちてしまいます。ばちばちと火花が散って火災発生。こらあ、いかん、爆発するぜと逃げ出す地球人たち。後を追っかけようとしたイロス、ひときわ大きな爆発に巻き込まれてばったりと倒れてしまいます。慌てたタナ、円盤を緊急発進させるのでした。

 しかし時既に遅く、炎に包まれた円盤はロサンゼルス上空でどかーん、大爆発したのであります。ここに宇宙人イロスの今ひとつ良く分からぬ野望は潰えたのでありました。

 最後にまたクリズウェルが出てきて、「みなさん、こら、本当の話ですばい、油断したらいかんとですばい、宇宙人はまた来ますけん」と言って映画はおしまい。あーあ。

 確かに話は酷いです。宇宙人が地球に来て何をしたかったのか判然としないし、ソーラー爆弾の件にいたってはもはや、キチガイの戯言のよう。

 でもね、円盤や円盤母船の内部セットはまあ、フツーですよ。僕はね、事務机とロッカーが置いてあるだけで宇宙船ですよと言い張った『月のキャットウーマン』とか、それのリメイクで宇宙船が揺れると棚の上から工具箱が落ちてきて人間の頭を直撃、「ギャーッ」死んでしまう『月へのミサイル』なんかみていますからね、これくらいじゃ驚かんのです。

 モノクロ・スタンダード モノラル音声 こりゃまた酷い画質。ブロックノイズまみれでとても見られたものではありません。そしてどういう訳か人間の動きがカクカクしております。最低映画に相応しい最低画質ですな。音声はまだ、まとも。少なくともちゃんと聞き取れますから。500円のDVDとはいえ、もうちょっとちゃんと作って欲しいものです。日本語字幕付 国内盤 有限会社フォワードのDVD

 エロの冒険者

       HOMEPAGE http://homepage3.nifty.com/housei/

      SFシネクラシックス 輸入DVDでみるSF黄金時代(笑)

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『蝿男の呪い』(『Curse of the Fly』 1965)

 

『蝿男の呪い』(『Curse of the Fly』 1965

 『蝿男の恐怖』『蝿男の逆襲』に続く蝿男シリーズ第三弾。「今度は戦争だ!」奇怪な実験の失敗により街中の人間が蝿男に変身、逃げ遅れた主人公達に迫る…みたいな映画を想像していたのですが、実際の映画はまったく違っていたようで。

夜のフルニエ精神病院。一階の窓ガラスがいきなり砕け散ったかと思うと現れたのは下着姿の美女。下着姿の彼女は窓から抜け出すと、森に向って駆け出すのでした。ここでタイトルでます。オープニングクレジットの間、ずーっと走っている下着姿の女。どんどん走ってついに精神病院の門へ。持っていた鍵で開けた下着姿の女、外にでてなおも走ります。どうやら、この人、精神病院から脱走したみたいですね。

 オープニングクレジットが終わると同時に現れたのが本作の主人公、マーティン・ドランブル(ジョージ・ベーカー)の運転する車であります。彼は森からいきなり下着姿の女が出てきたのでびっくり仰天。車を降りて、「君、君、こんな夜中に下着姿でどこへ行くんだね」マーティンは自分の名を名乗り下着姿の女を車に乗せるのでした。下着姿の女はパトリシア・スタンレー(キャロル・グレイ)であると名乗り、家族も友達もいない、天涯孤独の身であると話します。天涯孤独がどうこの「夜中に下着姿で走り回っていること」に繋がるのかと思いますが(笑)、すっかり同情したマーティン。彼女を自分のホテルへ連れていくことになります。おっと、その前にいくらなんでも下着姿の女をホテルに連れて行くわけにはいかない。マーティン、近くの農家に干してあった女物の服を盗んでって、盗むなよ!パットに着せたのであります。

 フツー、こういう場合は「誰がただで車に乗せると言った、ん?ええやろ、賞味させんかい」「ヒーッ」という展開になりがちですが、さすが主人公、マーティン、何もせずに本当に彼女をホテルへ連れて行くのです。なんと紳士的なと思いましたが、考えたら紳士が服盗んだりしませんわな(笑)。

 このマーティン・ドランブルはパパのヘンリー(ドン・レヴィ)、兄のアルバート(マイケル・グラハム)とでなにやら怪しい実験を行っている様子。まあ、怪しいなどと言葉を濁さなくっても蝿男映画ですから、あれに決まってますよ、あれに。マーティンはあれに必要な部品を調達にモントリオールへ来て偶然、パットと出合った訳。彼はホテルからケベックの自宅へ電話。執事のタイ(バート・クゥオーク)に「ロンドンのパパ達に連絡してくれ。部品は水曜に手に入る。それから持って帰るからって。あと、パパの体の調子はどうかって聞いといて」

 タイはあれが鎮座ましましている実験室へ行き、ロンドンのヘンリーたちに無線連絡です。受けるヘンリーとアルバートも自宅と同じようなあれが鎮座ましましている実験室にいます。しかしヘンリーはベッドに寝ていていかにもしんどそう。無線に答えたアルバート、「よし、部品はもうすぐ手に入るのだな、マーティンにパパは元気だと伝えてくれ」交信終了、しかしアルバートは浮かない顔です。「パパ、もうこんな実験はやめよう。犠牲はジュディスとサミュエルズで十分じゃないか。僕は自分の人生が欲しい。結婚だってしたいんだ」ベッドのヘンリーは驚いて「今更何を言い出すのだ、お前達はケベックからロンドンまで私を転送することに成功したではないか。装置の完成はもう目の前なのだ」そう、ケベックとロンドンの二つの実験室に鎮座ましましているあれとは「転送器」だったのであります。え、もうそんなことはとうの昔に分かっていた?へへへ、そうでございましょうとも。

 「装置がもうすぐ完成って、パパ何を言っているんだ、こんな体になってまで」ヘンリーに歩み寄ったアルバート、うつぶせに寝ている彼のパジャマをぐいとめくります。現れたのは大きな火傷。どうやらこの転送器、今だ大きな欠陥があるようです。

 さて、部品の完成を待つ間、急速に仲良くなるマーティンとパット。ピクニックに出かけたりなんかしております。そしてマーティンはついに会ってから9日しかたっていないのに彼女に結婚を申し込んだのでした。「あなた、私のことを全然知らないのに」と困惑するパットに「ふふふ、愛に過去は関係ないさ」とカッコつけるマーティン。まあ、この二人とも精神病院だの怪しい実験だのろくでもない過去を抱えている訳ですが(笑)。パット、マーティンのプロポーズを承諾します。大喜びのマーティン、「ケベックの僕の屋敷に帰ろう。そして家族の皆に報告するんだ、僕達、結婚しましたって」ところがこの直後、体調を崩してばったり倒れるヘンリー。パットは彼をホテルの部屋へ運び込みます。

 何を考えたか鍵をかけて部屋にこもるマーティン。ベッドで呻いている彼の顔はおお、無残に溶け崩れているではありませんか。しかし数時間後にはすっかり回復しパットを安心させるのでした。一体、この不気味な症状は何なのでしょうか。

 ここで新たな登場人物。フルニエ精神病院の責任者フルニエ夫人(レイチェル・ケンプソン)がモントリオール警察のロネ警部(ジェレミー・ウィルキンス)にパットの捜索願いを出したのです。調べを開始した警部はホテルであの蝿男事件で有名な(笑)ドランブル家の人間がパットと一緒だったことを知って妙な予感に囚われるのでした。

 この時フルニエ夫人からパットが入院した原因が語られます。父を早くに亡くしたパットは母親と二人で頑張ってようやくプロのピアニストになれた。しかしそのデビューコンサートの直前に母が急死。それで精神が不安定になって精神病院行きとなったそうな。

 さて、結婚したマーティンとパット。ケベックの屋敷に戻ります。驚くタイとメイドのワン(イヴェッテ・リース)を尻目に「今夜は初夜だ、楽しいなったら楽しいな」と浮かれるマーティンであります。しかし、このまますんなり初夜が迎られるかというとそうは問屋が卸さない。ロンドンのヘンリーから「今夜私を転送でそちらへ戻してくれ。警察に私の不法入国を感づかれたらしいのだ」びっくりしたマーティン、急いで例の部品を転送装置に組み込みます。そしてそれを使ってヘンリーを転送。ガラス張りの棺桶のような転送台に寝かされたヘンリーがぴかっと光って消失、アルバートは無線で「よし、こっちは上手くいった、そちらで再統合を頼む」この再統合という言葉がカッコいいですな(笑)。マーティン、装置のツマミをいろいろいじくると、はい、こちらの転送台もぴかっと光ってヘンリーが現れた。

 転送に伴う失神から目覚めたヘンリー、自分の体を調べて「良くやった、あの部品が効いたのだ。新たな放射能焼けが出来ていない」うわあ、あの傷跡は放射能焼けだったんスカ(大笑い)。

 とりあえず装置の欠陥は克服された。もう完成したも同然だと踊るヘンリーにマーティンは「お父さん、僕、結婚したんです」ヘンリーは仰天して「馬鹿な、他人を巻き込むつもりか、やめろ、すぐ別れろ」と怒鳴るのですが、もう屋敷に連れてきちゃっているのですからどうにもなりません。それにマーティンが彼女は天涯孤独で身よりも友達もいないと説明したのでヘンリー、しぶしぶながら彼の結婚を承諾したのです。

 まあ、いろいろ文句を言ったヘンリーですが、元が優しい性質で、息子の嫁となるとやっぱり可愛い。翌朝、朝食の席で紹介されて「息子をよろしく頼みますよ」と満面の笑顔をパットに向けるのでした。この時パット、リヴィングに置いてあるピアノを見つけ弾かせて貰います。この光景を見たワン、なぜか顔色を変え裏庭に走るのでした。そこには四つのドアがついた建物があって、不気味なことにそのドアの一つから女の泣き声が聞こえております。ワンはそのドアの下に設けてある扉を開いて「泣かないで、泣いちゃ駄目よ」ここで突然、扉からにゅっと手が伸びてワンを掴みます。しかもその手は見るも無残に変形しております。「痛いわ、話して、大丈夫だから」ワンがこうさとしてようやく手は扉の中に引っ込んだのでした。溜息をついて立ち上がるワン、その時今度は隣のドアから「うがあ、うがあ」といううめき声。ワンはそのドアをばんと蹴って「うるさい、お黙り、お前、昼飯抜きだからね」

 これはあれですな、アルバートが言っていた犠牲者、ジュディスとサミュエルズなのでしょう。実験の失敗で人外の化け物になった彼らをこの建物に監禁しているのです。

 ここで意外な訪問者、あのフルニエ夫人とロネ警部が尋ねてきたのです。彼らの名前を聞くなりパット逃げちゃった(笑)。彼女は裏庭に逃げて偶然あの四つのドアを発見してしまいます。そして止せばいいのに先ほどがうがう唸って飯抜きにされていた何者かがいる二つ目のドアに近寄って、覗き穴を見た。パット、中でもぞもぞ蠢く蝋燭みたいな人の頭を見て「ぎょえええ」 マーティン、半狂乱の彼女をなだめるのに言ったことがいい、「あれは実験動物だから」またそれで納得するパットもパットです(笑)。

 フルニエ夫人とロネ警部の方はどうなったかというと、「彼女は精神病院へ入院していました。戻らせて治療が必要です」と主張する彼らに対してヘンリーは「ウチの嫁を精神病院に入れる訳にはいかん。わしが身元引受人になる!」この時初めて明らかになったパットの過去にまったく動じず彼女の身元引受人になることを宣言したパパ、さすが、一家の長、これでヘンな実験に取り付かれていなければねー。こう言われてはフルニエ夫人も警部も引き下がらざるを得ません。

 マーティンもまたパットに「君が○○○イだったことなんて気にしない。愛しているよ」と囁くのでありました。しかしパットを部屋に行かせた直後、またばったり倒れるマーティン。介抱するヘンリーに「パパ、モントリオールでうっかり注射するのを忘れて以来、この有様なんだ、悪化し続けているんだよ」「やはり急がねばならん、早くしないとパットに気づかれてしまうぞ」ウウーム、一体マーティンの体に何が起こっているのでしょうか。

 一旦は引き上げたロネ警部ですが、それで調べを打ち切る訳ではありません。ロネ警部は今や老人ホームに入院しているシュラス元警部(チャールス・カールソン)に電話をします。シュラスはあの忌まわしき蝿男事件を捜査した人で彼からドランブル一家の情報を聞き出そうとしたのです。

ロイの問いに答えてシュラス、驚くべきことを話し出します。「何、マーティンが結婚した、いや、そんなことはない。彼にはジュディスという妻がいたはずだ」来ましたよ、来ましたよ、もうぞくぞくしますな、こういう展開(笑)。「私はあの忌まわしき事件以来、彼ら一族を監視していた。ジュディスが死んだり、離婚したりしていれば分かったはずだ。ジュディスはマーティンの大学の同級生でピアノの上手い美人だったよ」なるほど、それでヘンリーや夫のマーティンによって人三化七にされてしまったジュディスがパットの弾くピアノの音を聞いて泣いていたのですな。

 その夜ドランブル家のピアノを片手だけで弾いている女の姿あり。ジュディスです。今のところ、彼女の顔は横顔しか見えておらず、観客に「ははあ、きっと見えない半分が物凄いことになっているのだろう」と期待させる仕掛けになっております(笑)。この音を聞きつけて目を覚まし階下へ降りて来たパット、ぱっと電気のスイッチを入れますと、驚いたジュディスが振り向いた。おお、やっぱりぐちゃぐちゃだ、観客の期待を裏切らぬこのショックシーンでパット、気絶してしまったのでありました。この騒ぎを聞きつけたタイが来て、ジュディスを例の監禁場所へ連れ戻すのです。

 ちなみにジュディス、片手、顔半分ばかりか左足も酷いことになっているようで、包帯でぐるぐる巻き、引きずって歩いております。

 翌朝、このことをマーティンに訴えるパット。しかしまったく取り合って貰えません。マーティンは彼女が夢を見たのだと決め付けるばかりです。パット、「そんな夢を見るなんて私、またクルクルパーになりかけているのだわ」頭を抱えるのでした。

 彼女の様子を心配したマーティンは実験室でヘンリーに「パパ、本当のことを彼女に話したいんだ。でないと、彼女今におかしくなってしまう」「ムチャを言うものではない、素人をこの実験に巻き込んではならんのだ」素人ってあなた・・・(笑)。「それよりもサミュエルズとディルを処分しなければならん」ええっ、化け物になったのは二人だけじゃなかったんスカ!「でないと今にまたあのおせっかいな警部がやってくるぞ。二人をロンドンに送ってアルバートに処分させるのだ」「じゃあ、ジュディスはどうするのです」「彼女の運命は元夫であったお前が決めるのだ」二人は早速あの監禁場所へ行き、クロロフォルムを使って元サミュエルズとディルだったものを眠らせるのでした。

 さて、ロイ警部、今度は直接病院にシュラスを尋ねてさらに詳しい情報を聞き出します。シュラスは一枚の写真をロイに手渡すと「彼らの祖父は物質転送機の実験をしていた。そして自らを実験台として転送したのだが、その時蝿が紛れ込んでいたのに気がつかなかった。それで、彼は蝿男になってしまったのだ」ばーん、ロイの持っている写真が大写しになります。それはもちろん、あの蝿男。映画のスチールみたいですが(笑)そんなことを気にしてはいけません。「祖父はもう一度転送されることで一応人間に戻ったのだが、蝿の遺伝子が彼の体に残ってしまっていた。だから彼の息子であるヘンリー、孫であるマーティンには異常が現れた。やたらに手を擦り合わせたり、フマキラーを見ると真っ青になったり、小林一茶が大好きだったりするんだ」アルバートだけが正常な人間なのだそうで。「それに二人は蝿並みに寿命が短い。それを特殊な血清で補っているんだ」なるほど注射を忘れたマーティンがおかしくなったのはこういう訳だったのですな。

 マーティンは眠らせたサミュエルズとディルを実験室に運ぼうとしたのですが、片一方が途中で目を覚ましてしまいました。サミュエルズだかディルなのか良く分かりませんがとにかくそいつは「テメー、俺たちをこんな体にしやがって」とマーティンに襲い掛かるのです。危うしマーティン!と思われたのですがここで駆けつけたのがヘンリー。愛用のステッキでサミュエルズだかディルなのか良く分かりませんが、とにかくそいつの頭をがんがんどついて失神させてしまったのです。そして酷いことにヘンリーとマーティンはサミュエルズとディルを一緒に転送してしまったのでした。

 ここでワンがパットに嫌がらせ。睡眠薬で眠っているパットの枕元にジュディスの写真をおいたのです。その写真にはあなたを愛しているわ、マーティン、ジュディスという彼女直筆のサイン入り。目を覚ました彼女はぼんやりとした頭でこの写真を見るのですが、何しろ寝起きでぼーっとしておりますから落として割っちゃった。また寝てしまうパットであります。

 ロンドンの実験室でいやいやながら転送されてきたものを再統合させるアルバート。彼は実体化したものを見て「な、なんじゃ、こりゃ!」と絶叫します。それは一度に転送されたため遺伝子レベルで交じり合ってしまったサミュエルズとディルの無残な姿でありました。ぷちん、アルバートの頭の中で何かが切れます。彼は倉庫から斧を取ってくると転送器ににじり寄って・・・。

 一方マーティンはパットから「ヘンな写真を見たの」と言われて大慌て。とりあえずまた「夢だよ、夢」と誤魔化します。どうにもワンパターンであります(笑)。パットはまたもヘンな夢を見たということで「ああ、やっぱり私はクルクルパーになったのだわ」と懊悩するのです。これを見かねたマーティン、ついに「僕らは物質転送機の研究をしているんだ。君の見た化け物は実験の失敗でああなってしまったんだ。彼女は僕の元妻だったのだ」と本当のことを喋っちゃったのであります。「なんということを」と驚愕するパット。しかし飲ませられていた睡眠薬が効いてきて、そのまま寝てしまうのでありました。

 ロイ警部も彼らを厳しく追及し始めます。彼はヘンリーとマーティンを呼び出してちくちくとイヤミ。「マーティンの奥さん、ジュディスはどうなったのですかな。何、勝手に出て行った、それで捜索願も出さずにマーティンはメキシコで離婚の手続きした、ふーん、そうですか」さらに彼は人間だった頃の(笑)サミュエルズとディルの写真を見せて「彼らは助手だったのでしょう、一体どこへ行ったのですか、何、交換留学生だったので国に帰った、今でもたまに手紙がくる、ふーん、そうですか。彼らの所在は確認できなかったんですがねえ」

 これで完全にヤバイと思ったヘンリーとマーティン、全ての証拠を隠滅してロンドンへ逃走することを決意します。

 しかし彼らがロイ警部にイヤミを言われていた間、ドランブル家では恐ろしい事件が起こっていました。ジュディスが逃亡、嫉妬のあまりパットを襲ったのです。その彼女を助けようとしたタイ、馬鹿でっかいスパナでジュディスを殴り殺してしまったのです。真っ青になったタイ、ワンと相談してジュディスの死体を処分してしまったのでした。

 戻ってきたヘンリーとマーティン、この騒ぎを知ってがっかり。もう急がなきゃならないということでワンとタイに逃走を指示、そして自分達は早速に書類を焼き始めます。これが済んでさあ、「気分はもう転送」だ。ヘンリーは「わしが一番に転送される。それで異常が無かったら次にパット、そしてお前はタイに転送して貰え」転送台に横たわります。そしてまた繰り返される転送のプロセス。ぱっと光ってヘンリーが消えます。マーティンは無線でアルバートに再統合を指示したのですが、彼はすすり泣くばかり。そう、彼はとっくの昔にサミュエルズとディルもろとも転送機を破壊してしまっていたのでした。

 ヘンリーは分子レベルに分解されて虚空に消え去ったのであります。

 そうとも知らず今度はパットの転送準備を進めるマーティン。この時ワンとタイは「あとのことなんか知ったことか」と車で逃走します。その直後屋敷に到着したのがロイ警部でした。マーティン、準備を終えてさあ、「僕たちの好きな転送」だ。危うしパット、しかし絶好のタイミングでマーティンの体調がおかしくなります。また血清を打つのを忘れていたらしい。彼は目を覚まして転送機の中で暴れだしたパットを助けると「いや、放して、あっちへ行って、この転送馬鹿!」と暴れるのにも構わず車で逃走しようとするのです。

 しかしついに力尽きて車の中へ倒れこむマーティン。蝿男に変身だと思いきや、そのまま老化が進んでしわくちゃになってしまいましたとさ(笑)。逃げ出したパット、屋敷を調べていたロイ警部とばったり出会います。「マーティンが、マーティンがえらいことに!」二人で彼の様子を確かめに戻るとマーティンすでにガイコツになっていましたというオチ。エンドクレジット。

 なんだ、結局蝿男でないのか、面白かったけど蝿男の映画なんだから、やっぱり蝿男がでないとねえ。

モノクロ・スタンダード モノラル音声。画質はそれなり。黒の沈みが足りないのが残念です。音質は台詞の聞き取り易さが出色。転送器の唸りにも迫力があります。日本語字幕付 国内盤 20世紀フォックスホームエンターテイメントジャパンのDVD

エロの冒険者

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『サント対ドクター・デス』(『Santo contra el Dr. Muerte』1973年)

 

『サント対ドクター・デス』(『Santo contra el Dr. Muerte1973年)

 

 今回のサント映画の悪役は巧妙な手口で貴重なる絵画を我が物にせんとする教授。狙うのは絵画なのですが、何故かやっぱり女が手術台に縛り付けられて内臓?を摘出されてしまう。これ、これ、こういう場面が見たくって私はサント映画を集めているのです。

 このDVDはスペイン語音声のみ、英語音声・英語字幕は収録されておりません。私はまったくスペイン語が分かりませんので、この映画はいつもと違ってどこかの奇特な方が作って下さっているサント映画のストーリー解説サイト(英語)を参考にこのレビューをでっちあげております。だから実際の映画を誤解しているところもあるかも知れませんが、その辺はどうぞ、この事情を鑑みてご容赦くださるようお願いいたします。

 平たく言うと、「元から大した映画じゃないんだから、細かいことをグチグチ言うな、コノヤロー」ということでございますね。

深夜の美術館に忍び込む者あり。警備員の目を盗んでエレベーターシャフトをえっちらとよじ登り屋上へ。そして007ばりに滑車とロープを使って美術館の展示室に入り込んだのであります。そして彼は懐から小さなスプレーを取り出すとヴェラスケスの「Los borrachos (酔っ払い)」にぷしゅー。警備員にまったく気づかれないまま逃走します。翌日、展示を終えた絵は所有者のスペインの美術館へ空輸されるのでした。ここでタイトル、オープニングクレジット。

 無事にスペインの美術館に運び込まれた絵。しかし梱包を解いた美術館のスタッフ達はびっくり仰天。なんとあの侵入者がスプレーをかけたと思しき部分が無残に変色していたからであります。スタッフ達はやいのやいの相談したあげく一流の絵画修復家のマン博士(ジョルジ・デガード)に修復を依頼することになりました。

 ここであなたの目はあなたの体を離れてメキシコへ戻ります。そこで見るのは決まってます。我らが英雄、サントの試合ですよ。タッグマッチであっという間に相手チームをやっつけてしまうサント。さすが我らが英雄、強い、強い。さて、試合を終えて控え室でくつろぐサント。彼をマッサージしているのは御馴染み、カルロス・スアレズ(笑)。しかし今作での彼の役どころはサントの従者カリートではなく、単なるマネージャー(しかも名前なし)のようです。ややこしいことであります。

 ここに尋ねてきたのがインターポールの捜査官(笑)。彼はサントがスペインのマドリードでの試合を控えていることを知っておりまして、そのついでにスペインで起きているモデル失踪事件について調べてくれないかというのです。「ようがす、あっしにまかせておくんなせえ」いつもの通り頼もしく胸を叩くサントであります。ところが隣室で聴診器を壁に当てて盗み聞きしているものあり。係員を惨殺して侵入した男がサントたちの話を聞いていたのです。そして彼はサントが乗り出したという情報を無線でどこぞに知らせます。

 その知らせを受け取ったのはああ、なんということでしょう、先ほど美術館より絵画の修復を依頼されたマン博士ではありませんか。彼は一流の修復家を気取りながらその実、なんだか良く分からないけれども国際的犯罪組織のボスだったのであります。彼の自宅である城の地下にはモデルの女達がたくさん監禁されておりまして、あ、目つきの悪い博士の部下が一人の女をクロロフォルムで気絶させたぞ。そのまま手術室に連れ込んでマン博士自らメスをとって女の体から何か肉腫のようなものを取り出したのです。女は当然ながら死亡。その死体は博士の助手のサラ(ヘルガ・ライン)の手によって濃硫酸のプールに投げ込まれてしまいます。ぶくぶくと泡をたてて溶けてしまう死体。うわあ(笑)。

 この肉腫のようなものを使って博士は特殊な液体を作ります。これをプレスの機械に塗りつけてスペイン美術館から修復のためにもってきていたヴェラスケスの「酔っ払い」をぱちんと挟みますと、あら、不思議、そっくりなコピーが出来ちゃった。ははあ、なるほど、博士はこうやってコピーをつくり、それを美術館側に戻していたのです。そしてオリジナルは自分ががめてしまうという・・・。自分の部下を使って絵画を損傷させ、それを修復するといってはコピーを作りオリジナルを我が物とする、これぞ究極のマッチポンプ(笑)。サント映画らしからぬ知能犯・・・かなあ。

 さてスペインの空港に到着したサント。早くも博士の部下に後をつけられております。トイレに入ったサントを追いかけた部下、大便ブースのドアの下からサントの靴がのぞいているのを発見、ピストルを乱射します。しかしこれはサントの罠でした。サントは自分の靴だけを置いてあたかも今排便中であるかのように見せかけたのであります。部下に襲いかかったサント、彼をぼこぼこにします。しかしサント、靴を罠に使ったということは靴下だけでトイレの中にいたってことか、英雄も何かと大変ですなあ。

このトイレの床が綺麗に掃除されていたことを願ってやみません(笑)。

 事件に当たるのはサント一人ではありません。やはりインターポールのエージェント ポール(カルロス・ロメオ・マーチャント)が彼を手伝うことになっております。ホテルでポールと合流したサント、「へへへ、大仕事の前にまあ一杯。え、酒がお好きですかって、いやあ、もう浴びるほうで」ウィスキーをグラスに注いだところでいきなりピストルの弾が飛んできます。マン博士の部下が襲ってきたのです。45人の部下がピストルやマシンガンで襲ってくる、フツーならあっという間にやられてしまう筈ですが、そこはさすがサント。ポールと協力してたちまちのうちに皆殺しにしてしまったのであります。

 再び行われるサントの試合。サントのベルトをかけてのタイトルマッチであります。挑戦者はスペインのブラリオ・ベルツ。試合前に握手なんかしちゃって終始クリーンなファイト。サントはやはり強く一本目をキャメルクラッチ、二本目をオクトパスホールドでとってあっさり勝利を収めたのでした。

 試合が済んだら今度はインターポールの仕事ということでポールとサント、車でマン博士の城へ向かいます。しかし途中で待ち伏せていた博士の部下達、いきなりトラックで彼らの行く手を塞いだのです。「うわあ、危ねえ、なんてことをしやがる」サントはハンドルをぐいと捻ります。そのまま道路を飛び出して崖下に転落、ぼうと火が出てサントとポールはあえなく焼死、エンドマークということにはもちろんなりませんで(笑)急斜面をぶんぶん駆け下った挙句、なんとか道路に戻ったのでした。

 マン博士の城に到着した二人は彼から直接話を聞くのですが敵もさる者、ひっかくもの、当たり障りの無い会話に終始して尻尾をだしません。ポールが城にいたモデルのエスター(マリベル・ヒダルゴ)から「友人のモデルがマン博士の仕事をやった後に行方不明になっちゃったの」という話を聞きだしたのが唯一の収穫でした。

 サントとポールが引き上げた後、地下室へ降りていく博士、ボタンを押すと壁がぐーっとスライドして彼の自慢のコレクションが現れます。ヴェラスケス、マネ、ドガ、ゴーギャン、わあ、「モナリザ」まであるぞ。博士、にやにやしながら、「これらは全て私のものだ、そして他の絵もいずれ私のものにしてやる、ワハハハハ」壮大なる野望であります。

場面は変わってここは空港。到着した美女を迎えるポールです。実はこの美女、インターポールの女エージェント、スザンヌ(ミルタ・ミラー)なのでありました。サントのホテルへ行って三人で捜査の打ち合わせ。その結果、スザンヌがマン博士のところへモデルとして雇われ、中から様子を探ることになるのです。そのスザンヌをあっさりと雇いいれるマン博士。そりゃあ、モデルをあんなことに使いまわしていたらモデル不足になるでしょうからなあ。あまり詳しく身元を調べたりする余裕はないでしょうなあ(笑)。

 スザンヌはエスターと同じ部屋になります。しかしその部屋にはしっかり隠しマイクが取り付けてありまして、目ざとくこれを見つけたスザンヌ、エスターにこっそり教えて協力を仰ぐのであります。そしてさっそくその夜から捜査を開始するスザンヌ。こっそり部屋を出てうろうろ歩き回ります。歩き回るうちに地下への入り口を見つけて入ってみますと、ドアが三つある。そのドアのそばにいかにも引っ張ってごらんなさいといわんばかりに鉄の輪がついているのが大変ヨロシイ(笑)。スザンヌ、その輪をひっぱります。するとドアがぎーっと開くのでした。どんどん進んでいくと、あ、これは博士達が絵のコピーを作っていた部屋ではありませんか。たくさんある奇妙な機械を見つめるスザンヌって、フツー、こんな部屋見張りたてるとか鍵掛けるとかしないかね。次にスザンヌは博士の書斎に侵入、あれこれ調べ始めたのですが・・・、唐突にマン博士が入ってきて「君は一体全体何をしとるのかね、こんなところで」さらにこつこつという杖の音がして博士の部下ピーター(アントニオ・ピカ)もやってまいります。この人は可哀想に目が不自由なのですがこれがどっこい、見えないフリをしているだけというおかしな人。だって、この設定全然役に立たないのですから。

 さあ、スザンヌ、絶対のピンチかと思われたのですが、「あ、あたし、トイレ探してたら迷っちゃったんです、もうあたしってばドジなんだから、じゃあおやすみなさい」強引に部屋へ戻っちゃった。なんとかごまかしたと胸をなでおろすスザンヌですが彼女を見送った博士とピーターは顔を見合わせてにやり。もう彼女の正体はばれているようですね。

 ここで映画の流れを見事にぶった切って三度目のサントの試合。今度の相手は覆面レスラー。サントと覆面を掛けて戦うという所謂マスカラ・コントラ・マスカラ、「覆面剥ぎデスマッチ」という奴です。覆面レスラーは卑怯な手を使ってサントを苦しめるのですが、そんなことでくじけるサントではありません。隙をついて相手をバックドロップ、見事一本目を先取します。二本目もサントが優勢、覆面レスラーを場外に叩き落してしまうのです。ところがここで何者かが覆面レスラーに凶器を手渡した。ああ、あれはナイフだ、そんなんもう凶器じゃねー、殺人だ、殺人だと大騒ぎの観衆。しかしさすがは我らのサント、覆面レスラーを蹴りで倒すと、ナイフを持った右手を集中攻撃。「こいつ、放せ、放せ、やいやさしく言っているうちに放しなよ!」がすがす手を踏みつけてついにナイフを奪ったのです。さあ、後は簡単、戦意を失った相手をフォールしてサント、見事な勝利を収めたのです。

ナイフを渡したのは当然ながらマン博士の部下…と思ったらこの件はこれっきりになってしまいます。本当にいい加減です(笑)。


 さて、スザンヌの活躍は続きます。車のトランクに隠されている無線機を使ってサントとポールに連絡します。そしてピーターを散歩に連れ出して彼が本当に目が見えないのか確かめようとします。わざと彼を誘導して垂れ下がった木の枝に衝突させたり(笑)コンパクトの鏡で光を反射させて目に当てたりいろいろやります。そんなシウチを受けてもまばたきすらしないピーター役のアントニオ、本当にごくろうさんです(笑)。

 しかし上手く行っていると思っていたのはスザンヌ一人。マン博士とピーター、件の無線機をあっさりと見つけてしまいます。そんなこととは露知らず、スザンヌはエスターを連れて再び城の中を調べようとしたのですが、ちゃーんとモニターで見張られていました。マン博士、「ふふふ、馬鹿な奴らだ」スイッチをカチッ、壁がスライドして二人は閉じ込められてしまいました。同時に壁からシューッとガスが噴出してきて、意識を失ってしまったのであります。

 意識を取り戻したスザンヌ、自分が木のベッドに縛り付けられているのが分かって愕然となります。そこへにやにやしながらやってきたのがピーター。「やっぱりあんた、見えるんじゃない」と叫ぶスザンヌ。ほらね、目が見えないフリをしているという設定、本当に役に立ってないでしょ(笑)。ピーターは「やかましい、よくも鏡ぴかぴかさせやがったな、あれは本当に眩しかったんだぞ、おかげで今でも目をつぶるとうっすら明るい点が見えて夜眠れないのだ」その恨みはらさでおくべきか。ピーターは蠍の入ったガラス瓶をスザンヌの顔に近づけて「ほうら、ほうら、蠍だ、蠍だ、顔に乗せちゃうぞ」「ヒーッ」絶叫するスザンヌ。「だったらきりきり白状せんかい、一体お前は何者なのだ」白状する前にスザンヌ、あまりの恐怖に失神してしまったという・・・。結局正体を聞き出すことはできませんでしたとさ。

 その代わりといってはなんですが、地下の監禁場所から連れ出されたエスター、例の手術をされて殺されてしまいます。その死体はまたサラの手によって濃硫酸のプールにどぼんと投げ込まれて溶かされてしまいました。

 さあ、スザンヌから連絡が途絶えた。「彼女に何かあったのだ、ポールの旦那、急ぎやしょう」ということでサントとポールようやく出動です。彼らはロープを使って城の外壁をよじ登り無事潜入に成功・・・と思われたのですが、やっぱり博士たちにモニターで監視されていたのです。スザンヌとエスターと同じように動く壁で閉じ込められてしまうサントとポール、そして麻酔ガスが噴出します。しかし、そこはサント、壁が閉まりきる寸前に脱出に成功。襲ってきた博士の部下をぼこぼこにして「やい、壁を開けるスイッチはどこだ」部下に案内させたサント、装置を見つけましてスイッチをカチッ、ポールを助け出します。

 しかし、すぐにピーターに捕まってしまうポール。彼はあのコピー制作室へ連れていかれます。そしてサラが彼を濃硫酸のプールに投げ込もうとしたのですが、そうは問屋が卸さない。後ろ手に縛られているのにも関わらず暴れだしたポール、ひるむサラに激しいキック。「ヒーッ」サラは逆に濃硫酸のプールにじゃぼーん、ぶくぶくと溶けてしまうのでした。ここでサントがドアをブチ破って飛び込んできます。あまりの勢いにドアが吹っ飛び白煙が立ち込めるという物凄さ。火薬の使いすぎですよ(笑)。

 サント、マン博士に「この悪行、天は見逃してもこのサントさまがゆるさねえ」と叫んで殴る蹴るの暴行。顔面を朱に染めてぶっ倒れる博士!そしてポールの戒めを解いたサント、逃げ出したピーターを追うのでした。そのピーター、洞窟の中を逃げ回りながら壁についているスイッチをやたらに押しております。そのたびにサントを襲う落下する岩、床から燃え上がる炎、壁から飛び出す矢、マシンガン、おお、凝っておりますな。この死の罠をなんとか潜り抜けるサント。さすがですなあ、凡百のキャラクターならあっという間に岩に押しつぶされたり、黒こげになったり矢やマシンガンで穴だらけにされたりしますからなあ。

 さて、ピーターは海岸に出ます。そして桟橋に止めてあったモーターボートで海上へ逃走するのでした。これを見たサント、崖の上からためらうことなく海にダイビング。いかにもこれを使いなさいとばかりに係留してあったもう1台のモーターボートで後を追うのです。

 逃げるピーター、追うサント。ピーターは拳銃を取り出すとサントのボートに向けてずどん、ずどん。エンジンに見事命中させたのです。たちまちストップするサントのボート。ああ、稀代の悪漢の部下(笑)、ピーターはこのまま逃げおおせてしまうのでしょうか。

フツー、こういう逃げ方をするのはボスのマン博士の方じゃないかと思うのですがねえ。

 しかしここでポールが呼んだヘリコプターが飛んできた。縄梯子でサントを拾い上げ、ピーターのボートへ迫ります。タイミングを見計らってジャンプするサント、ピーターの船に飛び移ったのです。たちまち巻き起こるサントとピーターの死闘。あ、危ない、モーターボートは崖に向ってまっしぐらだ、サント、絶体絶命のピンチか。サントの放ったパンチを受けたピーターは失神。サントは寸前のところで海に飛び込んだのです。そのままピーターを乗せたままのボートは崖に激突して大爆発。

 海に飛び込んだサント、立ち泳ぎしながら「やれやれ、危ないところだったぜ」 しかしなんですな、海で覆面レスラーが立ち泳ぎ、正直なところを言わせて貰うと、うん、やっぱりこれは怖いですよ(笑)。

 ラスト、帰国の途に着くサントとカルロス・スアレズ。飛行機に乗り込む彼らを見送るポールとスザンヌ。エンドマークです。

絵画をニセモノと交換するアイデアは良かったのですが(本気)、何も女の内臓を使ってコピー作ることはないと思います。城の地下室にわんさとモデルを閉じ込めているという設定も羨ましすぎ(笑)。

カラー・スタンダード モノラル音声 画質は色が滲んでいます。発色や黒の沈みが良いだけにこれは残念。スペイン語音声はちょっと歪んでおりあまり聞いていて心地よいものではありません。I.M. RecordsDVD

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