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2007年9月28日 (金)

『メシア・オブ・ザ・デッド』(『Messiah Of Evi』 1973年)

 

『メシア・オブ・ザ・デッド』(『Messiah Of Evi』 1973年)

 100年前の呪いで一つの町の住人全てがゾンビ化、ヒロインを襲うというお話。演出が間延びしておりまして、退屈そのものの映画。これはまさに一種の精神的拷問と言っても過言ではありますまい。

夜の住宅街をばたばた走る男。と、女が裏門を開いて男をプール付の庭に招き入れます。ああ、助かったァ、ばたりと倒れて荒い息をつく男。しかし女はやおらナイフを取り出して、男の喉をざっくり。はい、オープニングクレジットです。

 そして精神病院らしき場所が映って女のモノローグ。あ、さっき男の喉を掻っ捌いた女とは違うようですよ。ややこしいけれども、こんな映画ですからあんまり細かいことは気にしないで行きましょうや。女は苦しげに「みんなはあれが悪夢だったという。私がいくら違う、現実の出来事だと言っても信じてくれない。彼らは私がクルクルパーだと思っているのだ。あれが起きたのはポイント・ビューという街だった。夜な夜な何かが街をさ迷い人々を一人、また一人と連れ去っていく。誰も連れ去られるあなたの叫びを聞くことができないのだ」なんだかよく分かりません(笑)。

 ここから女の回想場面に入ります。彼女、アルレッティ(マリアナ・ヒル)は父が住むポイント・ビューへ車で向かっていました。画家である父はポイント・ビューにアトリエを持っていたのですが母親の死以降、そのアトリエにこもりっきり。めったにアルレッティに会うこともなかったのです。それでも手紙のやりとりはあったのですが、最近、その内容がどんどんヘンになってきていました。「会いに来てはいけない。夜の闇が恐ろしい、この街はおかしいのだ」という具合に。それで心配したアルレッティが深夜にも関わらずポイント・ビューへ車を飛ばすことになったのです。

 途中、ガソリンスタンドで給油します。そこの店員、彼女がポイント・ビューへ行くことを知ると「よしな、よしな、あんなとこいくの、ろくなもんじゃないから」と不吉なことを申します。この時別のトラックがガソリンスタンドにやってきました。このドライバーが明らかにおかしい。生気のない顔をして、まるで死人のよう。おまけにガソリン2ドル分しか頼まない(笑)。給油をし始めた店員、トラックの荷台に掛けられていたシートをめくって驚愕します。血まみれの死体がみっつほど並んでいたからです。うわあ、このドライバーがいきなり店員とマレッティを襲って惨殺、ヒロインがいなくなったので映画が終わり、エンドマークという展開になるかと思ったのですが、何事も起こらず、マレッティもトラックもあっさり出発するのでした。

 店員、このことを通報するのかと思いきや、まったく無視。ガレージで車の下に潜り込んで整備を始めます。なんだ、ゾンビが出るのか、出るのならとっとと出て来て店員やっつけろよと私がじりじりし始めた頃、遂に登場、おっさんのゾンビ。店員、がりぼり食われちゃいました。

 そんな惨劇があったとは夢にも思わないマレッティ。パパのアトリエに到着します。しかし呼び鈴を鳴らしてもパパは出てこない。思い余ったマレッティ、良くないこととは知りながら車から愛用のピッキング道具を取り出して30秒で鍵を解除、中に入りますって、ウソですよ、石でガラス破って入ったんですよ(笑)。彼女は実にお洒落な絵画だらけのアトリエを見て回ります。しかしパパの姿はなし。あ、テーブルの上にスケッチブックが置いてある。これを開いてみると出てきたのがパパの日記です。

 「630日 3日も寝ていない。幻想に苛まされている。夜中に一人でさまよってしまう。何か街にいるようだ。それに女が海を見つめていたぞ」パパはどうしちゃったのかしら、考え込むマレッティ。

 翌朝、マレッティは街の一番にぎやかなところへ。盲目の女主人が経営するいささか非常識な画廊に行ってパパのことを知らないかとたずねます。すると、得られたのはパパの居所は知らないが昨日もあなたと同じようなことを聞きに来た人がいるという返事。マレッティは街のモーテルに泊まっているというその人物を尋ねることにします。

 モーテルの部屋にいたのがその謎の人物トム(マイケル・グリア)と彼の二人のガールフレンド ローラ(アニータ・フォード)とトニ(ジョイ・バン)、そしてトニーが連れてきたらしい地元のアル中おっさん、チャーリー(エリーシャ・クック・ジュニア)であります。このトニー、なんでも伝説を収集する趣味があるということで、チャーリーからポイント・ビューに伝わる「赤い月の伝説」について聞いていたのです。その伝説というのが「100年前、月が赤く輝いて人々が狂い血まみれになった。子供たちが生肉を食べた」というもの。

 マレッティはこの雰囲気に怯え早々に帰ろうとしたのですが途中でチャーリーに捕まっていきなり「君のパパは殺さなくてはならん。そうして火葬にするのだ。決して土葬にしてはならんぞよ」と酒臭い息で言われてしまうのです。ますます混乱するマレッティです。

 その夜、トムと二人のガールフレンドは何故かアトリエに忍び込んで勝手にシャワーを浴びてドライヤーでがーがー髪を乾かしたりします。物音に気づいてマレッティが起きてくると、「ごめん、返事なかったから勝手に入らせて貰った。申し訳ないけど、しばらく僕らを泊めてよ」なんでもあのチャーリーが路地で死体となって見つかったというのです。しかもその死体は半分ほど何者かに食いちぎられていたとか。「それで、警察に五月蝿く聞かれたもんで、モーテル追い出されちゃったんだ」いきなり夜中に押しかけてくるトニーたちも非常識ですが、マレッティもマレッティで「いいわ、泊めてあげる」なんて言ってしまうのです。

こんな得体の知れない奴ら、気軽に泊めるなよ、マレッティ!

 この後、みんなで楽しいディナー。トムはローラを紹介して「彼女はモデルだったんだ。蛇と一緒にポーズをとるのが得意だったのだ」と聞きたくもない話を聞かせてくれます。さらにローラが「トムの下半身にも蛇がいるのよ、この蛇はね、ベッドで賢い動きをするの」私がマレッティの立場だったら確実に「出て行け、この変態ども」と言ってますね(笑)。

 この後トニーは一人で夜の海岸をお散歩。海岸で焚き火をしている人たちを見かけます。そしてアトリエに帰ったトムはマレッティに何故か「ベストのジッパーを降ろしてくれないか」と言い出します。当惑しながらマレッティが言うとおりにしてあげますと、彼はマレッティを抱きしめた。このままベッドに倒れこんでノルマンディ上陸作戦開始!かと思いきや、トニーはあっさり身を放して「おやすみ」しかし、この場面を偶然見てしまったローラ、トニーに愛想を着かして深夜にも関わらずサンフランシスコに行くからと言って出て行ってしまったのです。

 その彼女に声をかけたのがあのトラックのおじさんですよ。相変わらず生気のない顔で不気味悪いったらありゃしない。おまけに二台にはこれまたヘンなおじさんたちが五人ほど乗っている。「乗っていかないか、街まで送るぜ」ローラ、軽率にもこれに応じてトラックに乗ってしまうのです。トラックおじさんは「今夜は満月だからな、みんな、外に出ているんだ。それにね、俺はネズミを捕まえたんだ」彼はポケットからチューチュー鳴く生きたネズミを取り出します。そして「これが美味いんだよ」ああ、食べちゃった(笑)。ローラ、ドン引き。慌てて、「私、いいわ、ここで降りるから」

 トラックから降りたローラ、近くにあったモーテルに入って部屋を取ろうとするのですが誰も出て来ません。仕方なしにまた外へ出たローラ、彼女はここで足早に歩く男を見つけます。「ちょっとお兄さん、待って」彼を追っかけるローラ。男は巨大なスーパーマーケットへ入ります。続いたローラ、人の気配を感じて振り向きますと、わあ、肉売り場で地元の人々が生肉食っとる!悲鳴を上げて逃げ出したローラでしたが、地元の皆さんに捕まってはい、ぼりごりがりと食われてしまいましたとさ。

 再びパパの日記を読むマレッティ。「717日、夜が来るのが恐ろしい。浜辺で焚き火をしている人の数が増えている。伝説によると100年前の赤い月の晩、闇の訪問者がやってきて人々が狂ったそうだ」相変わらず良く分からない文章であります。

 その夜、寝ているマレッティを襲う怪事。ドアが開いて何者かが歩き回っているような気配がするのです。はっと起きたマレッティ、彼女は絵画の一枚に血がこびり付いているのを発見したのでありました。この場面でパパの声がオーヴァーラップ、「悪魔が私の体を乗っ取ろうとしているのだ」

恐怖に囚われたアレッティはトムの寝室へ。そしてトニがいるにも関わらず「誰かいたのよ、もしかしたらパパが帰ってきたのよ」トム、そんな彼女に「悪夢を見たんだ、怖いなら一緒に寝ようじゃないか」トニはこのトムの台詞にあきれ果てて寝室を出て行ってしまいます。そして一人になったト二にゾンビが襲い掛かる・・・というような展開はなく、次の朝になりました。

 なんでこうもたもた話を進めるかねえ(笑)。ゾンビが出てきた、ヒーッ、食われたでいいじゃないですかねえ。

 翌朝、掛かってきた電話を取ったアレッティ、「何ですって」と絶句します。海岸で彼女の父親が死体となって発見されたというのです。あわてて行ってみると、パパ、何を考えたのか海岸にオブジェを作っていたのであります。そのオブジェが満潮で崩れてパパはその下敷きになっちゃったという訳。アレッティは警察の人に「なぜこんなところでオブジェを」という至極もっともな疑問を投げかけるのですが、帰ってきた答えは「それはきまっとる。狂っていたのだ」だけでした。

 また聞こえてくるパパの声。721日、体温が29度を切った。体のあちこちから出血している。どうやら私の体を乗っ取ろうとしているものは人間の血が必要ではないらしい。

 恐ろしいことに海岸から戻ってきたアレッティの首から出血が始まったのです。しかもうっかりしてガス台の炎で火傷してしまったのですが、何も感じない。「一体、私の体はどうなってしまうの」と戦慄するのでした。そしてまたアレッティはトムに思いがけないことを話し出すのです。「あの死体は父じゃないわ、オブジェの下から見えていた手、あれは父のものじゃなかったの。この街の人々は何か隠しているのよ」これを聞いたトムは「いけない、ト二が街の映画館に出かけているんだ。彼女が危ない」

 そのト二、客が四人しかいない映画館で『西部と共に去りぬ』(『Gone With the West』)というどっかでみたようなタイトルの西部劇を見ております。ポップコーンをぽりぽりやりながら画面に見入っておりますと、ぽつり、ぽつり、お客さんが入ってくる。じっと映画を見るト二、また、お客がぽつりぽつりと入ってくる。ポップコーンをぽりぽりやる、ト二、さらにお客がぽつりぽつりと入ってくるって、何時までやっとんねん!こんな場面で4分も他の映画流す奴がどこにいる、ああっ、ここにいたァなんてものですよ(笑)。

 いつの間にか満席となった客席、この異変に気がついたト二がびっくりして周囲の観客を見回すと、ああ、みんな目から血を流している。これは不気味悪いということでトニ、悲鳴を上げて逃げ出します。しかし出入り口には鍵が掛けられており、トニが押そうが引こうが叩こうが蹴飛ばそうが開きません。そのうちに客席のゾンビ達がわらわら集まってきて、「ヒーッ」、トニ、がりぼり食べられちゃいました。

 トムはトニを探しに街へ出ます。車を止めたトム、映画館のネオンサインを確認して、「よし、あそこにトニがいるのだな」また車に戻ります。何をするのかと思ったら電動サンルーフを閉めたという・・・。なんでこんな無駄な場面入れるんだ(笑)。再び車から出たトム、映画館に入ろうとするのですがドアに鍵がかかってどうしようもありません。うろうろしているうちに、ゾンビがわらわら集まってきて、追いかけられることになるのです。一方、家で彼の帰りをまつアレッティ、針で手足をちくちく刺しております。またパパの声が聞こえてきて「725日、体を切ってみた。でも何も感じない」

さらにおぞましいことに彼女の口の中から昆虫が出てきたのです。あまりの気持ち悪さにトイレへ走って「おえーっ」すると、出てきたのは虫だけではなく、ミミズだのトカゲだの、もう便器の中が大変な騒ぎです。

 これはさすがにキモチ悪い。

 トムはトムでこの間、ずっとゾンビどもに追いかけられています。いつもより余計に追いかけられております。とここでパトカーが到着。二人の警官が迫り来るゾンビどもに拳銃を乱射。これで助かったと胸をなでおろすトムでしたが、そうは問屋が許さないじゃなかった卸さない。警官の一人が目からとろりと出血、たちまちゾンビ化してもう一人を射殺したのであります。警官は他のゾンビ共と一緒になって死体にむしゃぶりつくのでした。トム、この隙を狙ってまた逃走。しかし、長いこと走りますな。

 へろへろになっているアレッティ。ここでとうとうパパが帰ってきた!パパは悲しそうな目で娘を見つめて「何故逃げないんだ。あの死体をみてこの街から出て行くと思ったのに。この街には100年前と同じことが起ころうとしているのだ。逃げて外の世界の人間にこのことを知らせてくれ」この100年前の悲劇というのが前にもちらっと出てきた「闇の訪問者」のこと。この闇の訪問者はもと神父で雪山の中で他の人々と暮らしていたらしい。それが雪に閉じ込められて人肉を口にし、生き残るのができたのだそうな。「これは新しい信仰だ、私はこれを広めねばならぬ」というのでポイント・ビューにやってきたらしい。よく分かりませんけれどもまあ、はた迷惑な人ですなあ(笑)。この人に最初に捕まった猟師さん、怪しいことを聞かされて発狂してしまいます。猟師さんは哀れにも警察によって射殺されてしまったのです。

 これを見た闇の訪問者、時期尚早だということで「100年後にまた来る」と言い残して立ち去ったのでした。あ、あれ、これだけ?チャーリーは赤い月が出て人々が狂い子供たちが生肉を貪ったとかなんとか言ってなかった?

 アレッティはだったら一緒に逃げようと言うのですがパパはかたくなに首を振ります。「それはできない。私はもう人肉を口にしてしまったのだ」大ショックを受けるアレッティ。パパが、パパがゾンビになっちゃった。しかもパパは急に暴れだしたのです。「うう、く、苦しいのだ」パパはなぜか置いてあった青いペンキの缶に手を突っ込んで顔を青く塗ってしまいます。青い顔で今度はマレッティに襲い掛かるパパ。この青い顔が物凄く間抜けです(大笑い)。そこで思い出したのがチャーリーの言葉。「パパを殺して焼くのです。埋めてはいけない」マレッティ、でっかいハサミでパパの首をぐさーっ。「ギャーッ」と床に転がったパパに暖炉の燃えさしで火をつけてしまいます。何しろペンキを塗ってますから(笑)あっという間に燃え上がる!「ぎょえーぎょえー」と悲鳴を上げて燃えるパパ。うわあ、この辺結構な迫力。全身が思いっきり火に包まれていて、こんな映画にもったいないほどのスタントですよ。

 パパ、黒焦げになってしまいました。

 翌朝、ようやく戻ってきたトム、パパを殺して呆然となっているアレッティを発見します。「良かった、無事だったんだね、早く逃げよう」しかしアレッティ、何を考えたのかナイフで彼の腕に傷を負わせてしまうのです。彼をゾンビだと思った風でもないし、一体どういう訳なのかしら。次の場面ではトムの腕に包帯巻いているし、手当てするくらいなら最初から刺すなと思うのですが。手当てが済んでさあ、逃げようということになったのですが、ゾンビ軍団が天井の吹き抜けガラスを破って家の中に入ってきたのです。こりゃあ、いけないと海岸に逃げるトムとアレッティ。しかしゾンビ共を振り切ることはできません。じゃあ、海に浮かんでいるボートで逃げよう、二人は海に入って泳ぎだすのですが、トムはアレッティにやられた腕の傷のせいで力尽きてしまいがぼがぼがぼ・・・、溺死してしまいました(笑)。残ったアレッティはゾンビ共に捕らえられ、闇の訪問者の貢物とされたのであります。

 海から現れる闇の訪問者、100年前の約束はついに果たされたのです。そして闇の訪問者にあんなことやこんなことをされた挙句解放されたアレッティ。彼女は警察で何が起こったのか話すのですが、当然信じて貰えず精神病院行き、そして冒頭のモノローグに繋がったのです。

 あ、あれ、その前に殺された男はなんだったんだろ、あの女はゾンビだったということか。でも女は殺しただけで食ってはいないのですが。不可解であります、謎であります。でもまあ、こんな映画だからいいですかね。

 人々がゾンビと化していく街の描写はムード満点でいいのですが、だらだらとして盛り上がりにかける展開、あまり意味のない台詞、放ったらかしの伏線等々、やはり酷い映画であります。

カラー・スタンダード モノラル音声。画質はやっぱり駄目。暗い場面で何をやっているのか分かるのはいいのですが、色の滲みが酷い。音質はかろうじて合格というレベル。ノイズが少ないのがヨロシイ。国内盤 日本語字幕付。レトロムービーコレクション 有限会社フォワードのDVD

 エロの冒険者
       HOMEPAGE http://homepage3.nifty.com/housei/
      SFシネクラシックス 輸入DVDでみるSF黄金時代(笑)

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