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2007年10月29日 (月)

『執念のミイラ(『Mummy's Ghost』 1944年)

 

『執念のミイラ(『Mummy's Ghost』 1944年)

ユニバーサルのミイラ・シリーズ第四作。最初の頃の格調高さはどこへやら。単なるエジプトから怪人がアメリカの田舎町にやってきて、ミイラを使って悪さする映画に成り果ててしまいました。ヒロインの扱いも酷くて、悪趣味な私は大喜びです(笑)。ホラー映画なのですから、へんな格調の高さなんかいりません。このくらいが調度いいのであります。

 警告、警告、このDVDのリージョンは1です。したがって日本国内のDVDプレーヤーでは再生できません。警告、警告。

ところはエジプト、スフィンクスのあるところ、無残に破壊された神殿の中に一人の男が入っていきます。神殿で彼を迎えたのがエジプトの高僧、アンドゥハブ(ジョージ・ザッコ)であります・・・ってこの人はまだ生きていたんかいの(笑)。彼はぷるぷる全身を小刻みに震わせながら男をいぶかしげに見つめて「はて、あなたさんはどこのどなたじゃったろう」いきなり大ボケかまします。ずっこけた若い男は「何、言ってるんですか。私はアブドゥル・メリックの息子のユセフ・ベイ(ジョン・キャラダイン)ですよ。あなたがなにやら任務を授けるといって私を呼び出したのではないですか」

 アンドゥハブ、頭をかいて「いやー、すまん、すまん、最近物忘れが酷くての、往生しておるのだ。では改めてお前の任務について説明しよう。それはアメリカに奪われた王女アナンカとカリスを連れ戻すことじゃ。王女に正しい安息場所に戻っていただくのじゃ。アナンカとカリスの関係は」「あ、あれでしょ、アナンカは神の生贄になることが決まっていたのにカリスとできちゃったんでしょ、それで彼女の魂が永遠に呪われてしまったんですよね。カリスは罰として生きたまま彼女の側に埋葬されちゃったんです。おれ、映画見たから知っているんです」アンドゥハブは苦り切って「そういう賢しらげなギャグはもうよろしい。とっととアメリカへ行け。そして満月の夜に9枚のタナの葉を蒸留させるのじゃ。さすればその煙に惹かれてカリスが現れるであろう」

 前作のラストでミイラは炎に包まれて滅びたはずなのですが・・・。

 さあ、一転して場面はアメリカの田舎町メイプルトンへと移ります。ここの大学で過去に起こったミイラ騒動について講義しているのがマシュー・ノーマン教授(フランク・レイチャー)であります。「アナンカ王女のミイラを追って神アラカムの信徒がアメリカに来た。そして彼はミイラの怪物を伴っていたのだ。この怪物に元探検隊のメンバーは全員殺されてしまったのだよ」学生たちは半信半疑。口々に「ミイラって本物だったんスか、誰かが着ぐるみ被っていたんじゃないですか」と質問するのですが、教授は首を振って「間違いなく本物だった。私はこの目で見たのだ。他にも目撃者は100人以上いたのだ。そしてあの怪物はタナの葉という特殊な植物によって操られていたらしい」

 講義が終わって外へ出る学生たち。さっき教授に「ミイラって本物なんスか」と聞いた学生トム・ハーベイ(ロバート・ローリー)はさっそく恋人アミーナ(ラムゼイ・エイセス)のところへ。エジプト人である彼女に「さっき、ミイラ男の話を聞いたんだ。あれって、本当かい」と話しますとアミーナの様子が急変。真っ青となって「ああ、トム、ミイラの話はしないで。何だかよく分からないけど、その言葉を聞くと気分が悪くなるの」ああ、この人がひょっとしたら王女アナンカのあれですか。

 トム、ピーナッツという名前の小型犬を飼っておりまして、これをどこでも連れていくという・・・。この犬がまたわんわんわんわん鳴きやがって五月蝿いったらありゃしないんだ。

 その夜、自宅の研究室で宝箱の表面に書かれたエジプト文字の解読にやっきとなっているノーマン教授。「そうか、分かったぞ、中に入っているタナの葉を満月の夜に茹でろということなのだな」彼は止せばいいのにお鍋とランプの用意、あらあら、そんなもの用意してカップラーメンでも食べようというんですの?でも夜遅くに食べると体に毒ですよ、明日にしませんかと言って来た奥さんも「満月の夜じゃないと駄目なの。満月は今夜だけなの」と追い返してしまいました。そしてタナの葉と水(でしょうな)を入れた容器を火に掛けたのです。容器から立ち上る煙・・・。ノーマンはそれをじっと見つめております。

 さあ、観客の期待通りこの煙に惹かれてミイラ登場。ミイラはまっすぐ教授の家へ。同じ頃自宅のベッドで寝ていたアミーナも起き出し、もうとうとした意識のままでやはりノーマンの家を目指して歩き出したのです。ミイラは遠慮もへったくれもなく、教授の家へ侵入。教授をむんずと捕らまえて絞め殺してしまいます。そしてぐつぐつ煮え立っているタナの葉のスープ(笑)を一気飲み。そして再び夜の闇に消えていったのでありました。調度、この時アミーナは家から出てくるミイラを目撃して、失神してしまいます。

 さあ、翌日大学は大騒ぎ。何しろ教授が殺されてその家のすぐそばで女子学生が見つかったのです。家の中に残されていた包帯のきれっぱし、土くれで直接の殺害犯人はミイラだと判明したのですが、それでも彼女はミイラに何か関係があるのかと疑われてしまったのであります。友人からこのことを聞いたトム、急いで教授宅へ。エルウッド保安官(ハリー・シャノン)に昨夜のことを聞かれて「あたし、何も覚えていないんです。トムに送って貰って家で寝ていたはずなのに、気がついたら警備員に起こされていたんです」と涙ながらに話しているアミーナを連れ戻すのでした。

 保安官は「とりあえず返す。でもメイプルタウンから出てはいけないよ」という決まり文句。

 殺害犯人がミイラであることが公表されてメイプルタウンはパニック状態に陥ります。ミイラの恐怖再びという訳ですね。町の人々は自警団を結成し、保安官たちと協力して町をパトロールすることになりました。その様子を物陰から見てほくそ笑んでいるユセフ・ベイ。そして一週間後の満月の夜、彼は森の中で9枚のタナの葉を煮て、ミイラを召喚したのでした。この時ミイラ、行きがけの駄賃とばかりに近所の農家へ侵入。犬に吠えられて(笑)様子を見に来た農夫を惨殺しております。ちなみにトムとアミーナはこの時ドライブデートの真っ最中。止めた車の中で「一週間たってようやく君は笑えるようになったね」「みんなあなたのおかげよ、トム」なんてやっていたわけでして・・・。

 ミイラと合流したユセフ・ベイ。早速ミイラと共に王女アナンカのミイラと石棺が展示されているスクリプス博物館へ侵入します。しかし、なんとしたことでしょう。ミイラが王女のミイラを抱き上げようとしたその瞬間、ぼろぼろに崩れてしまったのです。息を呑むユセフ・ベイ。「ああ、これは王女の魂が他の体に転生したという印だ」他の体というのが誰か、皆さんもう分かってますね(笑)。この後大暴れするミイラ。よほど王女のミイラが崩れてしまったのがよほど悔しかったものと見えます。この騒ぎを聞きつけてきた警備員、あっさりとミイラに殺されてしまいます。迫るミイラに拳銃を乱射したのですが、もちろん効果なし。

博物館の惨劇から一夜明けた朝、トムは保安官を尋ねて「もうミイラ騒ぎで僕の大事なアミーナがふさぎ込んじゃって大変なんスよ。転地療養ってことでニューヨークへ連れて行きたいんスけど」博物館の事件でアミーナへの疑いが一応晴れたので彼の言い分はもっともなのですが、保安官の答えはノー。「この先何があるか分からん。わしだってもうアミーナを疑っちゃいないが、いてくれないと困る、そういう気がするんだ」トム、がっかりして帰ります。

 その頃博物館ではヴァルグリーン警視(バートン・マクレーン)が学芸委員のアヤド博士(レスター・シャープ)と共に現場検証の真っ最中。博士は石棺の中の崩れた包帯の山を興味深げに眺めて「これは王女のミイラが盗まれたということではありません。ごらんなさい、包帯はそのまんま繋がっていて切られた形跡がまったくないのです。包帯に手を加えず中身を取り出すなんてできやしませんよ」ここで石棺に刻まれた古代エジプト文字に注目する博士、「ん、何々、安息場所を追われた王女の魂は他の肉体を求め、遷移する、とこうありますなあ」警視ははっとなって、「んじゃ、今どこかに王女の生まれ変わりがいるってことですかい。なんてことだ、ミイラだけでもやっかいなのに、その生まれ変わりまで探さなきゃならんとは」

 続いてノーマン教授の自宅を調べます。博士は残っていたタナの葉を見つけて、「ああっ、タナの葉じゃないか。ミイラは絶対にこれが必要なんだ。警視さん、ミイラは誘導が可能ですよ!」ここにノーマン家を舞台にしたミイラ誘引撃滅作戦(M作戦)が開始されたのです。タナの葉っぱをぐつぐつやって現れたミイラを落とし穴に落っことすという実にシンプルな作戦(笑)。さらに確実を期すべく、奥さんに教授が殺された夜のことを聞いてみますと、「そう言えばあの人は9枚、9枚言っておりましたわ」これを聞いたアヤド博士、手のひらをぽんと打って「分かった。ミイラを誘い出すには9枚のタナの葉が必要なのだ」ノーマン家の玄関前にでっかい落とし穴を掘って準備完了。後はタナの葉を煮るだけだ。

 一方、トムはアミーナの下宿を訪ねて「明日、ニューヨークへたとう。何、保安官は駄目だって言ってたけど、所在さえ明らかにしときゃいいんだよ。後から電報を送ればいいんだ。そして、ニューヨークで僕たちは結婚するんだ!」どさくさに紛れてプロポーズしやがった(笑)。「まあ、嬉しい」とアミーナ、トムにすがりついてぶちゅぶちゅぶちゅちゅちゅー、熱いキスを交わしたのでありました。その後、トムは「じゃあ、明日朝早く迎えに来るから荷造りよろしくね!あ、ボディガード代わりにピーナッツ置いていくわ」と帰っていきます。彼を見送って幸せ一杯で眠りにつくアミーナでしたが、そうは問屋が許さない、じゃなかった、卸さない。

 ヨセフ・ベイ、ミイラに「王女の魂をもつ肉体を連れて参れ」と命令したのです。どうやって見つけるのかというと、祈ってれば神アラカムが教えてくれるだろうということでどうも便利な神様であります(笑)。その命令どおり出撃するミイラ。と、同時にノーマン家ではタナの葉をぐつぐつ煮立ててミイラ誘引撃滅作戦(M作戦)が発動。警視とその部下、いっしょうけんめいウチワで煮立っているタナの鍋を仰ぎます。「ミイラは多分この匂いに引かれてやってくるのだ、それ頑張れ」ぱたぱたぱた。部下、思わず「鰻屋さんみたいっすね」だって。

 しかし、この二人の努力はまったくミイラには届きません(笑)。ミイラ、そのまま一直線にアミーナの下宿へ。アミーナもベッドで目をさまし何かに魅入られたかのような足取りで外へ出てしまうのです。そしてミイラに会ったとたん、失神。ミイラは彼女を抱きかかえてヨセフ・ベイの待つ隠れ家へ戻るのでした。下宿のおばさん、ブレイク夫人(ドロシー・バーガン)は慌ててトムに電話してアミーナが攫われたことを伝えるのです。仰天したトム、ただちに飛び起きてミイラを追いかけ始めます。

 ノーマン家では自警団の皆さんが集まって用意万全。「ミイラが穴に落ちたらズッタンズッタンのギッタンタンにしてくれる」と待ち構えております。と、ここで走りこんできたのがブレイク夫人、「保安官、保安官はどこ、アミーナがミイラに攫われちゃった」と叫びながら落とし穴目掛けてまっしぐら。保安官あわてて、「わあ、そっちはまずいってば、落とし穴があるんだってば」ブレイク夫人、止めようとした保安官もろとも落とし穴にずぼっ!落っこちてしまいました(大笑い)。ブレイク夫人は穴の中から「みんな、ミイラを捕まえて、アミーナを助けて」

 これで警視や保安官、自警団もミイラ追跡に参加することになりました。

 さて、アミーナを探してあてもなく走り回るトム。これでは彼女とミイラを見つけることなんてとてもできやしないと思ったその時、ピーナッツがわんわん吠えながら駆けてきたのです。この犬、実はアミーナが攫われてからずっと後を追いかけていたのでした。トムは「よし、ピーナッツ、僕を彼女のところへ連れていっておくれ」「わんわんわん」元気良く吠えたピーナッツ、彼を従えて走り出したのでした。

 一方、ミイラは隠れ家に到着。大喜びのヨセフ・ベイはさっそく彼女をテーブルに縛り付けてミイラにするための注射を用意。しかしここで彼の内心の声が「おい、ヨセフ・ベイよ、この女はキレイだ、ミイラにするのは勿体無いぞ。なんだったら、お前、女と二人で不死になってここで幸せに暮らせばいいじゃないか」これでヨセフ・ベイ、あっさりと心変わりして「おお、王女アナンカよ、タナの葉の力で我ら不死とならん。エジプトへの帰参がならぬならばいっそこの地で添い遂げようぞ」これを聞いたミイラ、思いっきり「そりゃ、違うだろ、オマエ!」という感じで振り向きます(笑)。ヨセフ・ベイはそんなミイラに構わずタナの葉の液体をアミーナに飲ませようとします。これで完全に切れたミイラ、ヨセフ・ベイを殴り殺し彼女を再び抱きかかえて逃走するのでした。

 ピーナッツに導かれてやってきたトムがミイラを止めようと棒で殴りかかったのですが、さすが怪力のミイラ、苦もなく彼を殴り倒してしまいます。ミイラはその後アミーナを連れて沼地へ向うのでした。後から自警団のみなさんがわいわいやってきてトムを助けるのですが、その彼らにしてもミイラに手出しはできず、見守るのみ。おや、どういうことでしょう、ミイラに抱かれたアミーナの体がだんだん皺だらけになっていきます。しまいにはまったくミイラになっちゃった。ミイラに抱かれた女がミイラ化する、これがホントのミイラ取りって違いますか(笑)。

 呆然とする人間たちの前でミイラはアミーナを抱いたまま沼に沈んでいくのでした。エンドマーク。

 まあ、トムがアミーナを割りとあっさりと諦めたのはやっぱり彼女がミイラ化したからでしょうな。助けたって相手がミイラじゃ困りますからな(笑)。

 モノクロ・スタンダード。モノラル音声。今ひとつ解像度感に欠け、黒の階調も潰れ気味。再生機器のせいかも知れませんが全体に赤みががるのも気になります。音声は良好。英語字幕つき。『ミイラ再生』(『The Mummy』)『ミイラの復活』(『Mummy's Hand』)『ミイラの墓場』(『Mummy's Tomb』)『執念のミイラ』(『Mummy's Ghost』)『ミイラの呪い』(『Mummy's Curse』)を収録し たミイラ男・レガシー セット。 Umvd のDVD。

エロの冒険者 
       HOMEPAGE http://homepage3.nifty.com/housei/ 
      SFシネクラシックス 輸入DVDでみるSF黄金時代(笑)

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2007年10月26日 (金)

『サントとモクテスマの秘宝』 『El tesoro de Moctezuma』(『The Treasure of Montezuma』 1966年)

 

『サントとモクテスマの秘宝』 『El tesoro de Moctezuma』(『The Treasure of Montezuma』 1966年)

34本目のサント映画(笑)。これは『サント・オペレーション 67』と同じサント・ホルへシリーズの一本。秘密諜報部員のサントとホルへが香港に本部を置く悪の秘密組織と戦うという映画であります。

このDVDはスペイン語音声のみ、英語音声・英語字幕は収録されておりません。私はまったくスペイン語が分かりませんので、この映画はいつもと違ってどこかの奇特な方が作って下さっているサント映画のストーリー解説サイト(英語)を参考にこのレビューをでっちあげております。だから実際の映画を誤解しているところもあるかも知れませんが、その辺はどうぞ、この事情を鑑みてご容赦くださるようお願いいたします。

 平たく言うと、「文句言うなら人間ロケットで火星まで飛ばすぞ、コノヤロー」ということでございますね。


 真っ赤な背景に三人の男が現れてマシンガンを乱射。続いてサントが登場、黒尽くめの男たち三人と戦います。ここでオープニングタイトル。そして映画の始まりは秘密のアジトでパリのインターポール本部と連絡するサントの姿。インターポールの司令官は「あー、サント君、サント君、香港の例の組織がまた悪巧みをしているようだ。エージェントの「蓮の花」を送るから彼女と協力してよしなにやってくれたまえ」「合点承知でやんす」と頷いて連絡を終えるサント。

 この後香港がぱあっと映りまして悪の組織の秘密会議となります。スライドを使ってアズテカ亡国の王、モクテスマの紹介をする組織の考古学者。「この王様、こともあろうにスペイン人を神様と勘違いしよりましてな、大歓迎したもんで、スペイン人たちにつけこまれたんだす。これがアズテカ滅亡の遠因となったと言われておりましてほんま迷惑なおっさんですわ。私はこのおっさんがどこかに宝を隠していることを発見しましたのや」えー、この宝の地図が今はメキシコの博物館所蔵となっている「羽毛付コヨーテ」の像の台座に刻まれているのだそうな。そしてその暗号を解く鍵がホルへが持っているペンダントに隠されているという・・・。

 「よし、さっそく博物館からコヨーテを、ホルへからペンダントを奪うのだ!」と命令する悪の組織のリーダー(ミゲル・ゴメス・チカ)であります。

 さて、場面はレスリング試合会場の控え室。ウォーミングアップに余念のないサントとホルへ、しかし名うてのプレイボーイであるホルへはインターポールより派遣されてくるという女性エージェント「蓮の花」が気になって仕方のない様子。サントにしきりに「ねえ、彼女美人かなあ」と尋ねております。呆れたサントは「美人、美人って、おめえ、それじゃ色キチガイじゃないかえ、だいたい、お前さんの恋わずらいが始まるとろくなことがないんだよ。いっつもそのせいで剣呑な目にあっているじゃないか」しかしホルへは平然として「危険なくして何の恋よ」と浮かれております。

 さあ、試合がまもなく始まるぞ。控え室から出るサントとホルへ。しかしホルへは通りがかったブルネットの美女に一目ぼれ。ふらふらと後をつけようとするのです。サント、彼を引っつかんで連れ戻し、「おめえ、あっしがあれほど言ったのにまだ分からないのかえ」と怒鳴りつけるのでした。さあ、試合が始まりました。これからしばらくサントとホルへの雄姿をお楽しみ下さい。

 一方、夜陰に乗じてメキシコ博物館へ侵入する悪の組織。警備員に忍び寄ってガスを吹きかけます。警備員、ガスを吸ったとたんにぴんと硬直してしまう、ああ、これは一体なんと恐ろしいガスでしょう。彼らはこのデンで警備員たちを次々に硬直させ、ついにコヨーテの石像を奪ったのでした。彼らは車に乗り込んで逃走します。これを見つけた白バイ2台が追跡を開始したのですが、逆に追突されて二人とも即死してしまいます。

 そんなことが起こっているとは露知らず。サントとホルへは戦っております。いつもより余計に戦っております。一進一退の攻防が続いて、ついにサントとホルへが勝利を収めたのでした・・・というのはお約束。

 試合が終わって部屋へ戻るホルへ。するとそこにあのブルネット美女がいたという・・・。ブルネット美女はホルへにあなたのペンダントを売ってくださらないと持ちかけたのですが、地球人類の中で16番目くらいに下半身の要求に忠実な男、ホルへは話もそこそこに美女を抱きすくめるのでした。このままベッドに倒れこんであんなことやこんなことをとホルへが思った瞬間、背後から二人の男が痛撃!ホルへ、ばったり昏倒します。ブルネット美女は彼の首からペンダントを外して、「ふふふ、これで目的は達したわ、あなたたち、このスケベ男を始末してしまいなさい」男たちがピストルを構えます。ホルへ、絶対のピンチかと思いきや、まあ、ちゃーんとサントが飛び込んでくることになっているのですねえ。

 サントは二人の男と戦い、意識を取り戻したホルへはブルネット女を担当。どったんばったんやった挙句ついに三人を捕らえることに成功します。でもこの後がいけない。ホルへが「サントの旦那、警察に電話だ!」「合点承知、まかしとけってんだ」サントが電話を取り上げた瞬間、ブルネット女はイヤリングを耳から外して二人に投げつけます。どかーん、激しい爆発音と共に白煙に包まれる二人。「わあ、げほげほ、目、目が見えねえ」「サント、奴らが逃げるぞ、それ」ボカ、「あ、いてて、やりやがったな、このトウヘンボク、おいらのキックを受けみやがれ」ガスッ!「あうっ、なんてところを蹴るんだ、この卑怯ものめ」お察しの通り、白煙で視力を失った二人は同士討ちをしていたという・・・。この隙に三人はあっさり逃げてしまうというオソマツ。

 この後サントに電話が掛かってきます。それはインターポールのエージェント「蓮の花」からでした。彼女はサントにアズテカ遺跡のピラミッドまで来てと頼んだのです。翌日、その頼みにしたがってピラミッドまでサントカー(ジャガー!)を走らせるサント。なるほど、ピラミッドのてっぺんに女の姿が見えます。サントは舌打ちして、「ちょ、なんでわざわざ高いピラミッドのてっぺんで待ち合わせなんだ。ふもとでも構わねえじゃないか」ぶつぶつ言いながらピラミッドを駆け上がります。いかな鋼鉄の肉体を持つサントでもさすがにアズテカのピラミッドは難物。ぜえぜえ息も絶え絶えになってようやくてっぺんへ。しかしそこでサントが見たものは女の人形だったのであります。おまけにサントを見張っていたブルネット美女の部下が合図をするとどかーん、大爆発したのでありました。

 サント、人形だと分かった瞬間に素早く飛び下がって難を逃れたのですが、さらに部下が襲ってきます。ホルへの部屋での仇とばかりにやたら張り切る部下、サントはこの二人に倒されて泥まみれになってしまいました。こんなところで本当の泥レスが見られるとは。さすがにサント映画、サービス精神を忘れません(笑)。「ぷへえ、あっしは泥には弱いんだ」と叫びつつ戦うサント。部下の一人をピラミッドから叩き落します。もう一人もむんずと捕まえて「おい、死にたくなかったら、おめえらの企みをしゃべるのだ」しかし、こんな場面の定石どおり、仲間の悪漢たちが機関銃を乱射、「サント、しゃべるから助けてくれ」と叫んだ部下を殺してしまうのです。

 さて、インターポールのメキシコ支部(なんだろうな・・・。)に行ったサントとホルへ。科学者カルドナにホルへのペンダントの分析を依頼します。快諾したカルドナ、さらに二人に特殊ビデオ送信機をプレゼント。非常に小型で背広の襟にピン止めできるという優れもの。しかもこのビデオカメラ、つけている本人ごと映るのだそうな。「それは凄い、まるで映画を見ているようですな」とはしゃぐホルへ。ここでサントが「何かヘンだな」と微妙な顔をしているのがオカシイ。ちなみにカルドナ、このカメラの原理はあとから説明するのだそうです。

 カルドナはもうひとつプレゼント。それはネックレス状の爆弾。一見したところ爆弾には見えないので使い方によっては強力な武器となりそうですが、爆弾と聞いたとたん、サントとホルへは「あっしは遠慮すらあ」「いやいや、ここは我らのリーダーであるサントの旦那が」「あっしはリーダーなんかじゃねえ、リーダーに相応しいのはお前だ。だから爆弾は・・・」お互いに押し付け合いになるのです(笑)。しかし結局カルドナに諭されて年上だからという理由で爆弾ペンダントをつける羽目となったサント。物凄くいやそうにペンダントを見につけるのでした。

 ここで新たな登場人物、いかにも怪しい中国人 リー・チャンであります。彼はサントとホルへのアジトを訪れアタッシェケース一杯の札束を見せて「わたし、あなたのペンダントをこの金で買い取りたいアル」なんとホルへは「いいっすよ」と承知するのです。「おいおい、ホルへ、そりゃあ一体全体どういう了見なんでぇ」と驚くサントの前で小さな箱をリー・チャンに手渡します。リー・チャン、大喜びで箱を開けると、びよよよーん、飛び出してきたのはおもちゃの蛇。「なにアル、これ、びっくり箱アル、あなた、わたし、馬鹿にした、この報いきっと受けるアルね!」リー・チャン、ぷんぷん怒りながら帰っていったのでありました。

「この報いきっと受けるアルね」と言ったのはいいけど、リー・チャンの登場場面はここだけ(笑)。

 大いに気を良くしたホルへ、外出するのですが、その彼の目を捉えたのがブロンド美女のエステラ・ルイザ(アミディ・キャボット)です。ホルへは性懲りもなくまたこの美女に一目ぼれ。さっそく「ねえねえ、君の名前なんていうの、僕、ホルへ、デートしない、ねえデートしようよ」ビンタを食らってしまいます。この様子をモニターテレビで見てにやにやしているサント。しかしこのくらいで諦めるホルへではありません。彼はエステラの車を強引に止めると「君を逮捕する。君の美しさは罪だ、なーんちゃって」モニターテレビで見ていたサント、のけぞります。「まさか、今時なーんちゃってという言葉を使う奴がいるとはあっしも思わなかった」ホルへ、またエステラがビンタしようとするのを交わして抱きすくめ熱い、熱いキス。これでエステラ、陥落。ホルへの彼女になってしまうのであります。モニターテレビで見ていたサント。憮然としております(笑)。

 この後、ホルへとエステラは深夜のプールでオトナの水泳教室。あたしの唇で息継ぎしてぇーんという訳で水中キッス。

 翌日、トレーニングルームでホルへ、サントに自慢しております。「サントの旦那、おれ、また新しい彼女できちゃった」サントはうんざりした様子で「そんなことくらい分かってらぁ。あっしはテレビモニターで全部見てたんだから」ホルへびっくりします。「え、てことはサント、おれがエステラにビンタされたの見てたの?」頷くサント。「でも懲りずにアタックしてついにキスしたところも見てたの」頷くサント。「じゃ、じゃ、夜のプールで泳いだ後に部屋へ戻って一晩中・・・も見てたの」サント、「おめえ、そんなことまでしてたのかい。あっしが見ていたのはプールまでだよ」

 サント映画らしからぬアダルトなギャグであります。

 この後、エステラと連れ立って闘牛場へ赴くホルへとエステラ。顔なじみの闘牛士マニュエル・カピティーロ(本人)に挨拶して、席につきます。そして闘牛が開始。おや、また観客席に怪しい男たちがいるぞ。

男たち、懐からピストルを取り出してサイレンサーを装着します。これを目ざとく見つけたホルへ、エステラを席に残して男たちを追ったのです。しかし、男たちはまた一人、また一人と増えていきまして、ついにホルへは4人の男たちを相手にすることになったのです。闘技場の裏側に逃げ込んでピストルで応戦するホルへですが、多勢に無勢。肩を撃たれてしまいます。男たちはホルへを取り囲んで今にも襲い掛からんとする勢い。ホルへ、絶対のピーンチと思いきや、サントが絶好のタイミングで駆けつけます。男たちをばったばったとなぎ倒すサントの雄姿。男たちは一人を残して「ひぇーい、お助けえ」と逃げてしまいましたとさ。そしてその残った一人はどうなったかと言うとサントに「ソウレ」と牛の柵の中に投げ込まれまして、怒った闘牛にぐしゃぐしゃに踏み潰されてしまったのであります。

 ぐしゃぐしゃにされるのはまあ、アカラサマな人形ですけどね(笑)。

 さて続きましてはサントのシングルマッチ。今夜の相手は「ザ・ベア」という肥満型のレスラーです。試合が始まるともう観客は熱狂の頂点に達して「血だ!血を見せろ!」「頑張れ、サント、サント」「デブ、さっさと負けろ」もう大変な騒ぎであります。この時試合場に姿を現したのは双子の美女。双子の一人はホルへの近くに座るやいなやパチパチというウィンク攻撃。気づいたホルへ、たちまちヤニさがります。もう一人はこれはどうもサントがお目当てらしい。そうこうするうちにザ・ベアをフォールするサントです。

 試合が終わったらホルへ、さっそく件の美女に声を掛けて「ね、ね、俺の部屋へ行きましょう」本当にこういうことには気力・体力を惜しまない奴だなあ(笑)。一方サント、控え室を出て駐車場へ。と、襲ってきたのが秘密組織の部下たちであります。彼らは車2台でサントを追い掛け回し、マシンガンを撃ちまくります。「うわあ、剣呑、剣呑、さすがのあっしでもこれはたまらねえ」サント、懸命に走って何とか逃れることができました。と、彼の背後から迫る怪しい影、「曲者!」サントはそう叫ぶなり影の腕を取って思いっきり投げ飛ばしたのでした。しかし、その人影はあの双子の片割れだったという・・・(大爆笑)。投げ飛ばされた彼女は腰をしたたかに打って「いたーい、サント、何すんの」この光景を例のテレビカメラで見ていたホルへと双子のもう一人が大笑いという今ひとつ意味の分からない場面であります。

 この双子、登場場面はここだけなのでなおさら訳が分かりません。

 この頃研究室でホルへのペンダントの分析を続けていた科学者カルドナ、ついに分解に成功します。その中から出てきたのがマイクロフィルム。これをさらに調べようとしたカルドナですが、その時背後から何者かの手が伸びてきた。その手はカルドナの首を絞めて、うわあ、絞め殺しちゃった。これはもちろん、悪の秘密組織の仕業。彼らはそのマイクロフィルムを奪って例の台座の暗号を解読、ついにモクテスマの財宝のありかを発見したのでした。さっそくメキシコ実行部隊の長、スキ(ノエ・ムラヤマ)は財宝奪取チームを結成。割り出された地点に重機で穴を掘り、入り口を発見したのです。中に入ってみると、あるわ、あるわ、金銀財宝、金銀パールプレゼント!お宝の山。スキはさっそくその財宝を回収、サンフランシスコへ船で送ることを命令したのです。

 あのペンダントの分析はどうなったかと様子を見に来たサントとホルへ。カルドナが死んでいるのを見つけて愕然とします。しかし、さすがはインターポール一の科学者カルドナ、ちゃーんとテープレコーダーにダイイングメッセージを残していたのです。このダイイングメッセージというのが「財宝の隠し場所はどこそこで、秘密組織は財宝を奪ってサンフランシスコへ運ぼうとしている」と微に入り細を穿つというか、痒いところに手が届くというか、とにかく詳しいの(笑)。財宝の場所は良いとして、なんでサンフランシスコに運ぶって知っているんだ。

 サントとホルへは財宝の隠し場所へ急行するのですが、後の祭。財宝はすべて奪われた後でした。「サントの旦那、カルドナの言ったとおり奴らはサンフランシスコへ運ぶつもりだ」「このお宝の量からすると飛行機じゃねえ、船だ」二人は顔を見合わせて「船と言えば、港。よし行くぞ」

 場面はぱっと変わって港になります。そこに停泊しているのがフリゲート艦。どうやらこれが秘密組織の船らしい。うわあ、サント映画にしては随分と張り込んだものです(笑)。そしてこのフリゲート艦に空から迫ったのがサントとホルへが乗ったセスナ機。フリゲート艦は対空機関砲、高射砲、マシンガンで撃ち落そうとします。サントたちも負けずにセスナの翼に装着された機関砲で応戦です。ずどどど(対空機関砲)、ばばばば(マシンガン)、どんどんどん(高射砲)、ずばんずばん(セスナの機関砲)、もうえらい騒ぎ。

 しかし、ついに悪漢どもの放ったマシンガンの銃弾がセスナを直撃。ホルへとサントはパラシュートで辛くも脱出に成功するのですが、落ちたところが海。「わあ、あっぷ、あっぷ」ともがいているところにまた敵がモーターボートを繰り出してきた。唸るマシンガン、慌てて水中に逃れるサント、ホルへ。水中にマシンガンの弾がばすばす撃ち込まれて大変に危ない(笑)。しかし、さすがはサント、彼は力強い泳ぎで水中からモーターボートの船底に取り付くと例のペンダント型爆弾をセット。爆破してしまうのです。

 しかし、この後がいけない。悪漢の死体目当てに鮫が集まってきた。「わあ、あっしは鮫には弱いんだ」とうろたえるサント。ホルへも為す術もなし。二人は鮫に齧られてしまうのかといったところで唐突にクルーザーが登場。乗っていたのはあのエステラでした。なんということでしょうか、エステラがインターポールから派遣されてきたエージェント「蓮の花」だったのです。今更そんなこと言われてもねえ、もう大概の観客はそんなこと忘れてますよ(大笑い)。サントとホルへは彼女のクルーザーに助けあげられたのでした。

 「ようし、こうなったらあっしたちも桑港へ行くのだ」サントは決意します。まあ、港をでた組織の船を沈めると財宝は海の藻屑になっちゃいますからねえ。

 で、本当にサンフランシスコへ行くという。場所はチャイナ・タウン。おりしも祭の真っ最中、大変な人でであります。そんな中、アジトの場所を熟知しているらしいエステラ、わざわざアジトになっているアパートのインターホンを鳴らします。出たのが何故か日本人の男。「誰ですか」と日本語で聞いてくるから驚きますな。そして次に「雨降ってますか」これはどうやら合言葉らしい。エステラ、少しも慌てず「外降れません」と答えたのですが、この日本語があまりにヘンだったせいか一発でばれてしまった(大笑い)。

 アジトの中で財宝をめでていたボスやスキ、部下たちはこの知らせを聞いて一斉に戦闘準備です。この中に大胆にもドアを蹴破って飛び込むサント。「おめえたちの悪行、天が見逃してもこのサントさまがゆるさねえ、さあ、覚悟しな」いきなり銃弾が集中。「わあ、ちょ、ちょっと待ったァ」サント、慌てて物陰に飛び込みます。後から続いたホルへ、エステラはピストルで応戦。銃撃戦となります。サントもいつものプロレス技を封印してピストルばんばん撃っているのがおかしいですな。一人、一人と倒れてゆく悪漢たち。ついにボスもスキもやっつけた。ホルへとサント、奥の部屋で財宝を発見。この時応援のインターポールエージェント達も駆けつけて組織の野望は潰えたのでありました。

 しかしエステラは銃撃戦の最中に撃たれてもはや虫の息。彼女はホルへの腕の中で「愛しているわ、あなた」と言ったのを最後に息絶えたのであります。『オペレーション67』でも敵の女ボス、ラスが彼の腕の中で同じように死んでおりまして、このワンパターンをテレも躊躇いもなくやるところがサント映画の真骨頂でありましょうか。

 沈痛な面持ちでチャイナ・タウンの雑踏へ消えていくサントとホルへの姿でエンドマーク。

そう言えば科学者カルドナは例の小型カメラの原理を説明せずじまいでしたな。それにどうしてホルへのペンダントにマイクロフィルムが隠されていたのかさっぱり分かりません。この辺、やっぱり英語字幕付で見たかったものです。

カラー・スタンダード モノラル音声。画質は非常にヨロシイ。サントのマスクがこんなに綺麗に見えるのは初めて。音質もノイズがなく聞きやすいもの。Laguna FilmsのDVD。

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『クィンテット』(『Quintet』 1979)

 

『クィンテット』(『Quintet』 1979

 SFシネクラシックスハイビジョンであります。雪と氷に覆われた未来の地球、そこで繰り広げられる謎の殺人ゲーム!と聞けば誰しも、わ、面白そうと思うものですが…。この映画はそんな予想を微妙に裏切るものでした。

荒れ果てた氷と雪の荒野を進む二人の人影。本作の主人公エセックス(ポール・ニューマン)とその妻ヴィヴィアン(ブリジッテ・ハッセー)であります。エセックスは身重の妻を彼の生まれ故郷である「シティ」へ連れていこうとしていたのでした。彼らは南の地方でアザラシを狩って暮らしていたのですが、近年めっきりその数も減り、このままじゃ、子供が生まれてもあかん、釜の蓋が開きまへん、だったらシティに戻りまひょということになったのです。

 エセックスは妻に「シティ」の様子を話して聞かせます。「五つの地区に別れとってな、一つの地区に100万、みんなで500万の人間が暮らしておるのや、わての産まれた地区は中央公園ちゅうのがあってな、湖があって、木も植えられてな、大層きれいやった」

 ここで場面が変わってどうやらここはシティの中らしい。外の世界と同様にあらゆるものが凍り付いておりまして、エセックスの話と随分違う。そして人々はテーブルに向って熱心に「クィンテット」と言われるゲームをしております。みんなサイコロを振っては「やった、わてが第六番目の男、生存者や」とか「殺しの順番を決めなあきまへんな」などとブッソウなことを言っております。一体これはどんなゲームなのでしょう。少なくとも負けたら「貧乏農場行き」みたいな暢気なものではなさそうです。そんな中、ゲームマスターのグレゴール(フェルナンド・レイ)は「あー、みなさん、またトーナメントやりますよって、今から名前呼ばれる人は準備してつかあさい、ゴールドスターはん(デビッド・ラングトン)、フランチャはん(トーマス・ヒル)、デュカはん(ニナ・ヴァン・パランド)、レッド・ストーンはん(クレイグ・リチャード・ネルソン)、アンブローシアはん(ビビ・アンダーソン)、セイント・クリストファーはん(ヴィットリオ・ガスマン)はん」

 その頃ようやく「シティ」にたどり着いたエセックス夫婦。情報センターに入り込み、兄のフランチャの所在を探します。このフランチャというのはトーナメントの参加者の一人ではありませんか。エセックスは首尾よく彼の住所を突き止め、ドアをどんどん叩いて「兄さん、わてや、エセックスや、10年ぶりに南から戻ってきましたわ、嫁さんも連れてきましたで」ここで展開されるフランチャ、エセックス兄弟の涙の再会。フランチャの家族、そしてヴィヴィアンも貰い泣きしております。ようやく再会の抱擁が終わってヴィヴィアンを紹介するエセックス。防寒服を脱いだ彼女を見てフランチャは驚愕します。「あんた、妊娠しとるやないかい。こら、人類最後の子供になるで」大喜びする彼とその家族。「こら、めでたい、正月と盆が一緒にやってきたようなものや、お祝いや、みんなで酒飲んでクィンテットやろうやないかい」

 ちなみに情報センターも「シティ」も荒れ果てており外とあんまり違いません。おまけにあちこちに人間の凍死体が転がっており、やけに一杯いる黒犬がぼりぼりくちゃくちゃ貪り食っております。ヴィヴィアンはさぞ「話と全然違うわ、こんなの」と思っていたことでしょう(笑)。

 テーブルを囲んでクィンテットが始まります。この時フランチャが「エセックス、すまんけど下の市場で薪買ってきてくれへんか。もうすぐなくなるねん」エセックスは出かけます。するとその隙を狙っていたかのようにドアが開いて何者かが黒い筒のようなものを部屋へ投げ込んだのです。大爆発、哀れフランチャ、ヴィヴィアン、フランチャの家族は即死してしまいました。びっくりして部屋へ戻るエセックス。彼は愛妻の無残な死体を見て立ち尽くします。その姿を部屋の外から見つめている男、どうやらこの男が犯人のようです。

 彼の視線に気づいたエセックス、「わての奥さん、ようも殺したな、コノウラミハラサデオクベキカ」と追いかけます。逃げる、男、おっかけるエセックス、ついに人間の顔を模したオブジェがある部屋に追い詰めるのですが、その時別の男が現れて爆弾男の首をかき切ってしまいました。「な、なんじゃ、そりゃ」立ち尽くすエセックス。犬が来て爆弾男の死体を齧り始めます。彼が爆弾男の衣服を調べると、ゴールドスター、フランチャ、デュカ、レッド・ストーン、アンブローシア、セイント・クリストファーと書かれたメモを見つけました。そして他に奇妙な形をしたゲームのコマもありました。妻の死はこのゲームが関係しているのに違いない。エセックス、真相を調べようと決意します。

 部屋へ戻ったエセックス、ここにも犬が入り込んできて、死体をくちゃくちゃ食っているという・・・(笑)。エセックス、慌てて妻の遺体だけを運び出し、犬に食われぬよう川に流すのです。後をつけてきた犬たち、死体が川に流されたのを見て思わず「舌打ち」したとかしなかったとか。

 エセックス、また情報センターに入り込み、レッドストーンの住所を調べます。そしてレッドストーンの奥さんに「わて、レッドストーンはんの友達ですねん」と偽り彼がトーナメントに出場していることを聞き出します。この時奥さんは竈の火に手をかざしているのですが、その手が近すぎて「ちょ、ちょっと奥さん、手ェ焦げてますがな」奥さんは無感動に「久しぶりの火ですねんから、ええのです」と訳の分からぬ返事。首を捻りながら退散するエセックスであります。この後も奥さん手をあぶり続けてもう、黒焦げになってるやんか!この深い絶望、どうやらもう旦那が死ぬものと決めてかかっているらしい。

 さて、エセックス、トーナメントの会場である第二セクターへ向います。そこで今度はレッドストーンの名を語ってホテルの部屋を借りたのです。このバレバレの行為はおそらく敵を誘引するためのものか。果たしてこの部屋に「いやー、ちょっと人恋しくなりましてな、話させてくれまへんか」とやってきたのがゲームマスターのグレゴール。「このままやと地球凍って人類滅びますなー、ははは、笑いごっちゃありまへんなー」などという世間話をした挙句、いきなり、エセックスに「あんた、ゲームのプレイヤーやろ、いいや、隠しても無駄だす。その目の光はプレイヤー以外あらしまへん」ということで、彼はデュカの主催するクィンテットに参加ことになりましたとさ。

 ゲームを始めた彼を残して立ち去るグレゴール。その彼にまた別の男が、ああ、これはトーナメントの参加者の一人、セント・クリストファーみたいです。「グレゴール、何考えてまんねん、あのレッド・ストーンはニセモノでっせ、何しろ本物はわてが殺したんや、あいつは2時間もトーナメントを早く始めてフランチャを爆弾で殺した、だからわてが罰したんだす」あー、あの男はセント・クリストファーだったのですね。そしてフランチャは一番最初のトーナメントの犠牲者になったということですか。グレゴールは「ニセモノはまだ放っておくねんで、奴が何の目的でここに来たのか、調べなならんからな」

 このトーナメント、どうやら殺し殺されで最後に残った人間が勝利者になるらしい。いわばクィンテットのゲームを実際にやるようなものらしいのです。

 セント・クリストファーが立ち去った後入れ替わりに現れたのがゴールドスター。なんかもう同じような服装の同じような顔立ちのおっさんが入れ替わり立ち代りくるものですから、見ている方は混乱します(笑)。「セント・クリストファーと何話してましたのや、まさかズルしようちゅうんではないでしょうな」「そんな心配なら第六の男に相談しなはれ」グレゴールに軽くあしらわれたゴールドスター、ぷんぷんしながら帰っていきます。寝ているというか死に掛けている老人を乱暴に蹴飛ばして、「おら、邪魔や、死ぬならもっと隅っこの方でしなんかい」どうもこのゴールドスターという男、思慮の足らぬ乱暴者のようであります。

 さて、デュカのゲームルームでクィンテットに興じていたレッド・ストーン=エセックスはアンブローシアと知り合いになります。おまけにホテルの部屋が隣同士という凄い偶然。ゲームが終わってホテルの部屋へ戻ると誰かが彼女を訪ねてやってきました。エセックス、「なんかエッチなことするかァ?」とほくそ笑んで壁に押し付けたコップに耳をあてて盗み聞き。しかし当然そんな展開になる訳もなく、客、ゴールドスターとアンブローシアの陰気な会話が延々と続くのです。「わてはセント・クリストファーが憎い。ぶち殺してダイチョー引きずりだす」こう言ったゴールドスター、アンブローシアを脅かすように睨み付けて「あんた、わてを陥れる謀があるやろ、教えんかい!」「知らんわ、うち、そんなの、あんたの被害妄想や」「はん、ならあんたもグルちゅうことやな、今度会ったら覚悟しとき、ついでにセント・クリストファーにもわてが狙ってるでと教えといてえな」

 この会話を聞いて考え込むエセックス。

 その翌日、エセックスはデュカにセント・クリストファーの居場所を尋ねます。第二地区の救護院にいると教えられて彼に会いに行くエセックス。セント・クリストファーは食事の前の長ーい説教をしておりました。その説教があんまり長かったので途中で帰っちゃうエセックス。一体何をしにきたのやら。ここで何者かにナイフで胸を刺されて倒れるゴールドスターの絵が挿入されます。

 ホテルへの帰途、偶然アンブロージアと会ったエセックス。彼女は「部屋にお酒があるねんけど、こん」と彼を誘います。部屋へ入ってみたら、わあ、窓の外に無残なゴールドスターの死体が転がっているではありませんか。驚愕する二人、「これはうちへの見せしめやん」「リストや」と喘ぐようにエセックスが叫びます。「リストにあった名前はみんな殺されるのや。わての兄貴もやられたわ」これでアンブローシアがうち、怖い、一人になるのはすかん、ここで一緒に寝て」とか言い出しまして、ベッドインとなる仕掛けでございます。

 翌朝、またゴールドスターの死体が犬にくちゃくちゃ食われているという・・・(笑)。

 さて、エセックスは謎を探るべくグレゴールに会いに行きます。グレゴール、やけに上機嫌で「まあ、まあ、酒でも飲みながら話しまひょか」酒場に行きまして、「あんさん、ゲームちゅうものは素晴らしいもんでっせ、人生で大切なことはみーんなゲームから学ぶんだす」ぐびぐび。「人生はゲームの体系のひとつにしか過ぎません」ぐびぐび。負けずとぐびぐび飲んだエセックス、ずばり、「じゃあ、あのリストも体系とやらに入ってるんでっか、ええ?」ぎくっとなったグレゴール、ぐびぐび飲んで「ははは、リスト、なんでっか、それ、あんさん、ちょっと飲みすぎたんと違いますう?」その後演技か本気なのか良く分かりませんが本格的に酔いつぶれてしまうエセックス。グレゴールは酔っ払いを助けるために酒場へやってきたセント・クリストファーに彼をホテルの部屋まで送らせるのでした。セント・クリストファー、エセックスをベッドに寝かせて傍らに置いてあったナイフを取り上げ、いきなり襲い掛かってきた!と思いきや「偽者め、しかし、死には順番がある。お前の番はもっと後や」と謎めいた台詞を残して出て行ったのです。

 一方、アンブローシアの部屋にデュカがやってきます。この二人は妙に険悪な雰囲気で、デュカはアンブローシアのローブを見て、「それ、いいわね、あなたが死んだら私に遺産として残してね」などと言っております。やっぱり殺し合いをしようということなのでしょうなあ。

 翌日、ようやく物語がラストに向けて動き始めた!ゲームに参加すべくデュカのゲームルームに赴いたアンブローシア。そこではすでにセント・クリストファーによってデュカが殺されていました。長い金串が顔を貫いているという恐ろしい死に様。アンブローシア、思わず「バーベキューか」とツッコンだとかツッコまなかったとか(笑)。続いてグレゴールもやってきます。セント・クリストファーは彼に「あの偽者をどないすんえん、殺すんか、殺さんのか、さあ審判を下せ」アンブローシアは懸命に庇ったのですが、グレゴールは「あれが偽者でもレッド・ストーンと名乗っている限りトーナメントに参加する義務がある。うん、プレイヤーになるのや」

 これを聞いたセント・クリストファー、「よっしゃ、もろた!」と出て行きます。何だか無闇に張り切っていて気味が悪いです(笑)。その頃エセックスはどこへいたかと言うと、フランチャの部屋に戻って証拠品を探すために外へ出て雪原を歩いていたのでした。これを追っかけるセント・クリストファー。いつの間にか槍を手にしております。「こら、待たんかい、レッド・ストーンの偽者め、この槍でぐっさりじゃ」その途端ひっくり返って自分の槍で自分を刺しちゃった。馬鹿ですね。

 フランチャの部屋に到着したエセックス、あちこちひっくり返して自分が持っているのと同じリストを発見したのです。「やっぱり兄貴はこのゲームに参加しとったんや、それで殺された」ここで背後に影、アンブローシアです。いつの間にか彼の背後に忍び寄っていた彼女は「謎が解けたのね」とささやきざまナイフを持ってエセックスに襲い掛かったのでした。しかしエセックス、身を翻すなり、やっぱりナイフで彼女の喉をすっぱり切り裂いてしまったのです。喉から血をしぶかせ倒れるアンブローシア。ドアのところには早くも餌をかぎつけた犬たちが集まっております。

 エセックスは第四地区に戻ります。そしてグレゴールに会うと「これは全てが殺人のゲームだったのですな。それで、わてが一番になった訳やけど、賞品とか賞金はないの?」グレゴールは笑い出して「勝利の快感、生存権、それが賞品ですわ。死を意識してこそ、生が充実する、これがこのゲームの目的ですねん。あんた、このゲームのチャンピオンになれまっせ、今度のトーナメントにまた参加してはどないだ?」しかし、エセックスは首を振ります。「そんな賞品もないようなゲーム、やってられまっかいな、わて、もう北へ戻りますわ」

 「北へ戻ったって何にもありまへん、死ぬだけだす」と止めるグレゴールを振り切って外にでたエセックス。雪原を歩きます。えんえん歩きます。姿が見えなくなったところでようやくエンドクレジット。でもまたこれが長いんだ(笑)。

 ハイビジョン画質は何の意図があってのことか分かりませんが、画像の中心部分にだけピントがあっており、周辺はぼけております。発色や解像度はそれなりにあるのですが、この絵作りのせいで見難いといったらありません。台詞は歪みあり。音量も控えめ。WOWOWのハイビジョン放送。

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『Enigma rosso』(『Trauma』『濡れたウィークエンド:女子学生寮半裸惨殺死体の謎』『ビー玉殺人 ビー玉は知っている』TV公開邦題 1978)

 

Enigma rosso』(『Trauma』『濡れたウィークエンド:女子学生寮半裸惨殺死体の謎』『ビー玉殺人 ビー玉は知っている』TV公開邦題 1978

 なんだか、やたら長いタイトルですいませんね(笑)。名門女子校生連続殺人事件。その背後に隠された謎は何か、デ・サルボ警視、決死の活躍!なんだかサスペンスドラマみたいですけど、本当にこんな話なので仕方ありません。悪く思わないで下さい。

冒頭、流れる川、カワサキのバイク、そして車が映ります。その車のトランクから川に投げ落とされるビニールに包まれた死体。はい、タイトルでます。犬がわんわん鳴いてなんだか五月蝿いです。

 さて場面は一転してスーパーマーケット。ペットフードを買っている警視ジアーニ・デ・サルボ(ファビオ・テッツィー)、本作の主人公であります。その彼が見つけたのが今まさに万引きせんとすという風情の女、クリスティーナ(クリスティーナ・カウフマン)。デ・サルボはその女に近づき「やあ、よくこのスーパーでお会いしますなあ」などと言葉巧みに近づき三時間でセックスに持ち込んだのであります。すっきりしてベッドで煙草をふかすデ・サルボ。すると俄かに電話が鳴って「警視、えらいことが起きました。すぐに来てください」

 デ・サルボ、クリスティーナを残して現場、あの少女の死体が捨てられた川に急行します。

 映画はビニールシートに包まれた全裸の美少女というもので観客を楽しませた後(笑)検視官とデ・サルボの会話へ。ここで少女は首を絞められて意識を失った後、腹を切り裂かれて殺害されたことが明らかになります。「むむっ」デ・サルボ、しゃがみこんで死体の局部のあたりを30秒ほど凝視した挙句、部下のスタスキーに「おい、行方不明者のリストをあたるんだ」これで少女の身元がぱっと判明するから映画というものは便利ですな。少女の名前はアンジェラ・ルッソ、名門のセント・テレサ女子校の高校生でした。

 デ・サルボはアンジェラのお母さん、同じくセント・テレサ女子校に通っている幼い妹のエミリー(ファスタ・アベリ)に会って彼女のことを話して貰います。「とても真面目な子で、いえいえ、そんな彼氏などとんでもない、いつも三人の女友達と遊んでいましたわ」往々にして男女のことは「知らぬは親ばかりなり」なものですけれども(笑)。なお、この場面でも犬がわんわん五月蝿く鳴いています。

 ここで冒頭のバイクと車が再登場。ガレージに入ります。降りて来た4人の男達は「おい、急ぐのだ」何をするかと思うと車の色を塗り替え始めたという・・・。この怪しさはよろしいですなー。

 次にデ・サルボが向ったのはセント・テレサ女子校。先生たちにあってアンジェラのことを聞いたのですが、取り立てて役に立つ情報はなし。彼女の机の中まで調べてみたのですが、こちらも空振り。なんの手がかりもありません。と、ここで突然、体育の時間が終わってシャワーを浴びる女子高生たちという美味しい場面になります(笑)。こんな映画ですから、もちろん、惜しげもなくオッパイぽろーん。輸入版ですから下のほうもばっちり。思いもかけないプレゼントであります。

この時出てきたのがアンジェラの友達であったという三人娘、タンカ・カーラとあと一人はええい、名前がわかんないや。面倒くさいので後から分かったらまた書きます、が登場。カーラはシャワーを浴びている間に気分が悪くなったのか倒れてしまいます。どうも彼女は妊娠しているみたい。

 何の成果もないまま学校から帰ろうとしたデ・サルボですが、ここでエミリーが彼を呼び止めて「ロッカーから持ってきたの」とアンジェラのカバンを渡します。中をみたデ・サルボはびっくり。「えらい大金が入っているじゃないか、彼女はどこでこんな金を」エミリーはあの三人娘に聞いてみてとデ・サルボに教えるのでした。当然、デ・サルボ学校へ戻って三人娘に話を聞くのかと思いきや、そのまま帰っちゃう。なんだ、エミリーのアドヴァイス、全然役に立ってないぞ。

 アンジェラのカバンの中には手帳も入っていて、なぜか毎週土曜日の欄に下手糞な猫のイラストが書いてある。「な、なんじゃこりゃ」といぶかしむデ・サルボです。「このマークにはきっと何か意味があるのに違いない」

 場面は学校へ戻ってあの三人娘、暗がりに集まってなにやらひそひそ話。彼女達のロッカーに謎のメモが入っていたのです。そのメモに書いてあったのは「死がお前達を迎えにいく」という不気味な予告。どうやらアンジェラと彼女達には大きな秘密が隠されているようです。その夜、ベッドから密かに起きだしたタンカ。部屋を出て礼拝堂へ。おお、これで秘密の一端が明かされるかと思いきや、さにあらず、いきなり出てきた男と礼拝堂でヤリ始めたという・・・。それもあなた、逢引なんてレベルのもんじゃありません。いきなりタンカ、すっぽんぽんになってのハード・ファック。罰当たりな奴らであります。

 さて翌日、スタスキーと車で走っていたデ・サルボ、あるものを見つけて車を止めさせます。そのあるものとは女のでっかい尻のポスター。スタスキー、あれをみろというデ・サルボの言葉に頬を緩めて「なるほど、いい尻してますな、警視もお好きですな、むひひひ」デ・サルボは「馬鹿、そっちじゃない」スタスキーの頭を引っぱたいて「こっち、こっち、ポスターの隅のマークだよ」そう、そのマークはアンジェラの手帳に残されていた猫のイラストと同じもの。「やっぱりあの猫には意味があるのだ」

 尻のポスターと同じだからあの猫のマークはセックスに関係あるのだということでしょうか。何だかよく分かりません。

 この後スタスキーがブティックにズボンを買いに行くという余分な場面(笑)。ズボンを買ったついでにレジの女の子にアンジェラの写真を見せて「ねえ、この娘知らない」と聞くスタスキー。そんな彼をじっと見つめる目つきの悪い男あり。しかもブティックの前にはあのカワサキのバイクが止めてある。ん?これは犯人が偶然ブティックでスタスキーに会ったということかな。それともスタスキーを尾行していた?これも何だかよく分からないですね。

 そうこうしているうちにセント・テレサ事件で次なる事件が発生。タンカが乗馬の授業を受けている時に何者かが吹き矢を馬に撃ち込んだのです。驚いて暴走する馬。タンカは投げ出されて首の骨を折って死亡・・・いえいえ、軽傷を負っただけでした。フツー、こういう場合は死ぬものですけれども(笑)。

 さて、その馬から発見された吹き矢をデ・サルボに持ち込んだのがエミリー、この人はちっちゃなくせにいろんなものを持ってきますね。さらにエミリーは「他の人が学校に入ってきたらすぐ分かる。これは学校の中の人の仕業よ」と名推理を披露するのですから、まるで江戸川コナンみたいです。「ウム、それは最もな話」と膝を叩いたデ・サルボは夜だというのに女子校へ急行。先生の抗議を押し切って中に入ります。「犯人は学校関係者だ」と叫んでいろいろ調べるのですがやっぱり手がかりなし。三人娘にも例の猫のマークを見せて「これは何だ」聞くのですが、首を振られるばかり。警視、すごすごと帰るのでありました。なんだ、これも意味分かんないぞ、一体どうなっているんだ、この映画。

 ちなみにデ・サルボを止めようとした先生の台詞が「やめないと警察を呼びますよ!」これに「いや私が警察ですから」とデ・サルボが答えるというのは定番のギャグでありますな。

 デ・サルボはこの後アンジェラの死体が発見された川の近辺で張り込み。近くにある小屋?家?この映画左右を大胆にトリミングしているものですから、この小屋だか家だかもドアのところしか映らずよく分からないのです、の鍵をナイフでこじ開けて忍び込み・・・ってこれは待ち伏せということかなあ。でも待ち伏せにしちゃあデ・サルボ冷蔵庫から卵取り出して目玉焼き作り始めたぞ、これを食ったらソファで毛布被ってガーガー寝始めたぞ、何をやっているんだ、こいつは。

 この後、あのバイクと車が再登場。といくらも走らないうちにバイク、トラックと正面衝突!ライダーは即死です。ええ?呆然とする私。なんでいきなり交通事故なの?この現場を調べていたスタスキー、ライダーの懐からあるメモを見つけるのでした。そのメモの内容は「死がお前達を迎えに行く・・・」あの三人娘が持っていたものと同じではないですか。

 そんな重大なことが起こっている間にもがーがー寝ているデ・サルボ。だから、何をやっているんだ、お前は(大笑い)。すると謎の人影が家に近づいて火をつけた!この煙でようやく目を覚ましたデ・サルボ、家から飛び出して男を追いかけたのですが、見失ってしまいます。

事故死したバイクのライダー、マックス・アンダーベイトンが犯人であるとされて、事件は終結に向うかと思われました。しかし納得いかないのが、デ・サルボ。上級警視のロカリオ(イワン・デスニィー)に「犯人はほかにいるっすよ、ちょっと今から自分について来てください」そして引っ張って行ったのがあのスタスキーがズボン買ったブティックです。彼がアンジェラの写真を女の子に見せている時に妙な顔をしていた店主、パラベッチーノ(ジャック・テイラー)に面会を申し込んだデ・サルボ、何事ですかと驚く彼に「いや、女子学生殺人事件の容疑者のバイクがこの店の前に止まっていたという報告がありましてな」いきなり鋭く切り込むデ・サルボ。さらに、「それにね、殺された女の子の手帳に猫のイラストが描いてあったんすよ、猫ってここの看板のマークと一緒っすねえ。何かご存知ないですか」パラベッチーノ、もう真っ青(笑)。その様子を見て満足したデ・サルボ、「じゃ、何か思い出したら連絡くださいな」と帰っていくのでした。

 デ・サルボとロカリオが店を訪れた時、どうもパラベッチーノ真昼間から励んでいた様子。女がいきなり上半身裸で客の前に出てくるのですから驚かされます。それにスタスキーがズボンを買ったのは偶然ではなく捜査の一貫だったのですね。そしてあの火をつけられた家はバイクのアンダーベイトンのものだったと。もうちょっとちゃんと説明してくれないと困りますなあ。

 さて、妊娠が発覚したジェニー、カーラとタントに手術代をカンパして貰って病院へ。堕胎手術を受けることになります。この手術の途中、どうやら乱交パーティらしい場面の記憶が彼女の頭の中に蘇ってきたらしい。呻く女たち、日本のそれより明らかに一サイズ大きい張方、犬(またかよ)、バイク、車のイメージが交互に繰り返されるのです。

やっと三人目の名前が分かりました(笑)。

 手術が済んで学校へ戻ったジェニー。まあ、いくらなんでも堕胎手術を受けた直後に休みナシですぐに学校へ戻るってのはムチャがありますけれども、そうしないと話が先に進まないから仕方ないのです。その夜、寝ていたジェニー、トイレに行くといってベッドから離れます。部屋から出て暗い階段を登っていたその時、からんからんと音がして上から転がってきたのが無数のビー玉。このビー玉踏んづけたジェニー、「ひゃああああ」と叫んでひっくり返り途中に置いてあったマリア像もろとも階段をがらごろ転がり落ちてしまったのです。

 幸い両腕を骨折しただけで命に別状はなかったのですが、駆けつけてきたデ・サルボ、ビー玉を見つけて「これは事故じゃない、何者かが彼女の命を狙ったのだ」

 この時デ・サルボに近づいてきたのがカーラ。彼女はデ・サルボに何か話したかったようなのですが、調度不味いタイミングでお医者さんが「警視さん、そんなジェニーに話しを聞きたいって無理ですよ、面会謝絶なんですから」これで機先をそがれてしまったカーラ、デ・サルボが医者と話している間に帰ってしまったのです。デ・サルボは後でこのことを死ぬほど後悔することになるのでした。

 カーラは自宅へ帰ります。その夜自室で着替えるカーラ。だからなんでいちいちオッパイだすか(笑)。これを覗いている何者かがいます。その何者かは家に易々と侵入し、カーラの背後から襲い掛かったのです。がりぼりと首の骨の折れる音が響いてはい、カーラ死亡。

 これで二人目。しかもカーラの部屋から例のあのメモが出てきたのです。やっぱり連続殺人鬼が女子校生たちを狙っていると確信したデ・サルボ、いきなり車を飛ばしてレストランで食事をしていたパラベッチーノを拉致、遊園地に連れ込んでジェットコースターに無理やり乗せてしまうのです。「うわあ、旦那、勘弁してくださいよ、ジェットコースターにだけは乗ってくれるなって親の遺言なんですよ」知らねーよ、そんなこと(笑)。ジェットコースターが動き出します。「うわああ、早い、高い、はひゃい、たひゃい、こ、こわいひょう」デ・サルボは彼の首根っこを掴んでジェットコースターから落とす振り。「おら、知っていることを喋れ。隠し立てすると叩き落とすぞ、コノヤロー」たまらずパラベッチーノが何事かを叫びます。ごめんなさい、実はこの台詞、ジェットコースターの轟音にかき消されて聞き取れなかったのです。たぶん、「○○を調べてみろ」みたいなことだったのでしょう。これでデ・サルボ、彼をやっと解放するのでした。

 その○○、パラベッチーノの部屋を訪ねます。そして「おい、デ・サルボの奴からいろいろ聞かれたぞ、お前、俺のことを喋ったな、この裏切り者め、こうしてくれる」ハサミを取ってパラベッチーノの喉にぐさーっ。「ギャーッ!」パラベッチーノ、あえなく死亡。見張っていたスタスキーが悲鳴を聞いて駆けつけたのですが、すでに○○は逃げた後でした。

 この後警察で事件ファイルをいろいろあさるデ・サルボ。どうやら犯人は数年前からパラベッチーノと関係していたらしい。だとしたらそれは・・・。

 場面は変わって女子校へ。エミリー、ジェニーの誕生日だから病院へお祝いを持っていくということで外出許可を貰います。出かけるエミリー。路面電車に乗ったり森の中を歩いたりする場面がやけに長い。てっきりここで犯人に誘拐されるのではないかと思ったじゃないか。

 何故かダム湖でビニール袋に包まれて発見されたパラベッチーノの死体。場所もビニール袋で包まれている点も最初の死体と同じ。おまけに中には紛失したと思しき事件ファイルも入っていました。犯人が現場に戻って死体を攫って改めて捨てたということなのかなあ。

デ・サルボは駆けつけてきたロカリオ上級警視をダムの上に呼び出し、「あなたでしょ、犯人」という衝撃の台詞。「あなた、ある事件でパラベッチーノと知り合ったんでしょ、それが事件の始まりだった」「そうだ、私がやった。私は奴と組んで女子校生を金持ちに紹介していたのだ、それがばれそうになったからアンダーベイトンやパラベッチーノ、そしてカーラをやったのだ」ええ?本当なんですか!ロカリオは悲痛な声で「でもアンジェラやビー玉の件は知らん、わしじゃない、信じてくれ」そう言うなりロカリオ、柵を乗り越えてダム湖に飛び込んだのです。「ぎゃああ」と悲鳴を上げながら落ちていくロカリオ。

 この後何を思ったからセント・テレサ女学院へエミリーの所在を尋ねたデ・サルボ。「何、ジェニーの見舞いに行った?どこの病院ですか」病院名を聞きだしたデ・サルボ、スタスキーを連れて車に飛び込みます。「さあ、急ぐのだ、手遅れにならないうちに」

 調度、その頃ジェニーの病室へ入ったエミリー。彼女に誕生日プレゼントのチョコレートを渡すのです。「うわあ、ありがとう、私チョコ大好き、でもこれだけ食べたら太っちゃいそう」と無邪気に喜ぶジェニーですが、突然エミリーが豹変、チョコのリボンでジェニーの首をぎりぎり締め上げ始めたのです。「あんたがアンジェラを殺したんだ、今度は私がお前を殺してやる」エミリー、小学校高学年くらいなのですが、何しろジェニーは両腕を骨折していますから抵抗するすべがありません、「げふ、ぐえ、た、助けて」とか細い声を出すのが精一杯です。

 「さあ、死ね、死ぬんだ」しかし、ここでデ・サルボが飛び込んできた。彼は「やめて、止めないで、殺させて」と叫ぶエミリーをジェニーから引き剥がすのでした。そう、あの奇妙なメモも馬に吹き矢命中させたのも、夜の廊下にビー玉ばらまいたのもこのエミリーだったのです。彼女はアンジェラの仇を討つために謎のメモで三人娘を怯えさせ一人ずつやっつけようとしていたのです。デ・サルボはビー玉やメモの字からこれは子供の犯行であると見破ったのでした。

 病院から連れ出されたエミリーがデ・サルボに「私、刑務所へ行くの」と聞いたのに「ふふふ、もう廊下でビー玉遊びはやっちゃ駄目だよ」と答えるデ・サルボ。ということは見逃すつもりなのか、でもいくら姉を殺されたからとはいえ、それはちょっと不味いのではないかと思ったところでエンドマーク。

 ジェニーたちが直接的にアンジェラを殺害したのか、それともアンジェラが三人娘の仲間になったがゆえに殺されたとエミリーが思っていたのか、ちょっと判然としません。もう最初っから最後まで必要以上にわかり難い映画でした。

 カラー・スタンダード モノラル音声。画質は色は滲むし残像は酷いし、暗いところでは何やっているのか分からない。この手のDVDに特有の画質三重苦であります。音質もぺけ。音は小さいしぼそぼそ言っていてはっきりしないし本当にヒアリングが大変でした。13枚組みのDVDボックスセット50 Movie Pack: Drive-In Movie Classics の一本。Digital 1 StopDVD

 エロの冒険者 

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2007年10月25日 (木)

『ゾンビの怒り』(『Rebelion de las muertas』 『Vengeance of the Zombies』 1973)

 

『ゾンビの怒り』(『Rebelion de las muertas』 『Vengeance of the Zombies』 1973

 ポール・ナッシーの意味のない二役、盛り上がりそうでちっとも盛り上がらないストーリー、ぼんやりとしていてあんまり役に立たないゾンビ達、退屈という言葉はこの映画のために生み出されたのかも知れません。本当につまらない映画です。

夜の闇に包まれたロンドンの墓地。近くに住んでいる墓守夫婦(フェルナンド・サンチェス・ポラック、モンテサレット・ジュリア)が額をつき合わせて何事か相談しております。「俺たちゃ、長年墓場泥棒やってきたが」やってたんですか(笑)。「今度ばかりはヤバイ。グロリアは有力者の娘だし、大変愛されていた。それが何者かに殺されたというのでみんな悲しがっている。そんな娘のものを盗んだら」夫はふるふる頭を振って「どんな罰くらうか知れたもんじゃない」しかし、何時の世にも強いのは奥さん。「あんた、何言ってんだい。私たちゃ金がいるんだよ。グロリアの宝石やなんかを盗まないともう釜の蓋が開かないんだよ。分かっているのかい」

 結局夫婦して夜の墓場へご出勤です。

 グロリア嬢が埋葬されている廟堂へ入り、棺桶の蓋を開ける夫婦。この辺ミョーに手馴れた感じなのが面白い(笑)。そして遺体からネックレス、ペンダントを盗みます。次は指輪だ、しかし、なかなか指から外れない。えーい、面倒くさいから指切っちゃえとナイフ取り出すこの夫婦の非道さに目を見張っておりますと、いきなり何者かが外から鍵を掛けちゃった。そしてそいつは懐から蝋人形を取り出すと血のようなものを振り掛けます。この人物、怪しいことに仮面を被っているようです・・・、ようですというのは例によって画質の悪さで何が起こっているのかよく分からないからです(笑)。怪人物、蝋人形に火をつけます。燃え上がる蝋人形、と、廟堂の中で異変が起こりました。棺桶からグロリアの死体が起き上がったのです。このグロリア、ゾンビ、あまりの恐怖に立ち竦んでいる夫婦に襲い掛かり両方とも殺してしまったのであります。

 その後、怪人物と共に闇に消えるグロリア・ゾンビ。ここでタイトルがでます。

 オープニングクレジットが終わって、とりあえず主要登場人物のご紹介。まずはエルヴァイラ・アーヴィング(ロミー)、そして精神科医のランス。エルヴァイラは殺されたグロリアの従姉妹で彼女の死を大変に悲しんでいるという設定。そしてこのエルヴァイラが夢中になっているのがヒンドゥーの導師?のクリシュナ(ポール・ナッシー)であります。このクリシュナ、今日も今日とてエルヴァイラや他の信者を集めてなにやら儀式をやっております。「んん!」と精神統一した彼の手のひらに助手のカーラ(ミルタ・ミラー)が火をつけたモグサを乗せても平気、さらに「んん!」と精神統一を高めると首筋にナイフを刺されてもやっぱり平気。この奇蹟に驚く信者たちって、怪しいことこの上なし。しかもクリシュナは拍手なんか打ってるし(大笑い)、導師というよりカルトの教祖さまというべきでしょうか。

 クリシュナは近日中にロンドンを離れ郊外のラングウェルに行く予定です。なんでも大都会の喧騒は彼の瞑想を妨げるのだそうで。

 ランスの車で自宅へ送られたエルヴァイラ、ベッドに入って静かな眠りにつくのですが、夜、目を覚ましたらいきなり死んだ筈のグロリアが立っているではありませんか。しかもグロリアは彼女の首を絞めようとしたのです。「ヒーッ」逃げ出すエルヴァイラ、階下へ行ってお父さんや執事に助けを求めようとしたのですが、なんと、この二人も先に侵入していた仮面の男によって殺されていたという・・・。二人の死体を発見して立ち尽くすエルヴァイラ、迫るグロリア、エルヴァイラ、大ピーンチ。しかし、ここで彼女の悲鳴を聞きつけた警察官が登場。仮面の男、グロリア・ゾンビ、エルヴァイラを残してあっさりと退散したのでした。

 お父さんが殺されて私一人ぼっちと嘆くエルヴァイラにランスは「君、恐ろしい経験をしたのだから、スイスにでも行って静養したまえよ」と提案したのですが、エルヴァイラは首を振って「ありがとう、でも私の行くところは決まっている。クリシュナよ。もう手紙出して行く事を知らせてあるわ」いくら心細いからといってそんな奴のところに行くな!と思います。それにエルヴァイラ、死んだ筈のグロリアに襲われたのに、何もそのことについて触れません。フツー、言うでしょ、こんな大事なこと(笑)。

 さて、エルヴァイラは列車でクリシュナが引っ越した町、ラングウェルへ向います。迎えを待っている間、親切な駅長さん、マクマードゥ(ルイス・チゲス)が彼女に声を掛けて「お寒いでしょう、迎えが来るまで私のオフィスでお待ちなさい」駅長はお茶を入れてくれて、「しかしなんだって、こんな田舎町に来られたので。ここは先日、グロリアという娘さんが殺されたというあまり縁起の良い場所ではないのですよ」エルヴァイラは微笑んで、「そのグロリアの従姉妹なんですの、わたくし」駅長仰天します。「なんたる偶然、しかしそれならなおさらなんで来られたのです。従姉妹が殺された町なんてフツー来ないでしょう」エルヴァイラは最近引っ越してきたクリシュナのところへ滞在すると話します。

 すると駅長、難しい顔になって「ああ、あのクリシュナですか。しかし彼が借りた家というのがなあ、いや、昔呪われた一家ウォードレーが住んでおりまして、人間を攫って悪魔に生贄として捧げていたんだそうです。そして怒った村人たちに一家皆殺しにされたとか。その後ずっと空き家になっていたんですよ」いかにもそんな怪しいところへ行くのはお止しなさいと言いたげな駅長ですが、ここでクリシュナからの迎え、ティザークリー(ピエーレ・べサーレ)が到着して、エルヴァイラを連れて行ってしまったのです。

 このティザークリー、顔に大きな傷がある黒人で、ちょっと怖いです。こんな人が迎えに来たら私は申し訳ないけどついていきませんなってそれじゃ映画が終わっちゃう(笑)。

 豪壮な屋敷でクリシュナに迎えられたエルヴァイラ。夕食をゴチになり、疲れたでしょう、早くお休みなさいなということで寝室に案内されます。そこでグースカピーと寝ておりますと、はい、悪夢が始まりました。駅長とティザークリーが彼女の部屋に侵入し、拉致したのです。彼女はそのまま怪しい部屋へ連れ込まれます。そこにいたのは数人の女ゾンビと角を生やした悪魔。金色になったカーラ(笑)もいて、なにやら大釜でぐつぐつ煮ております。そんな中、悪魔はナイフを取り出すとエルヴァイラの首にぐさーっ。流れ出た血をゴブレットについで一気飲み。「ぷはーっ、うまー」そしてエルヴァイラにキスをする悪魔。

 エルヴァイラ、悲鳴を上げて飛び起きます。これを聞きつけて現れたクリシュナに思わず抱きつくエルヴァイラ。その怪しからざる光景をじっと見ているカーラ。その目に浮かぶのは嫉妬の焔か、後からの展開が楽しみですねー。翌日、仲良く散歩するエルヴァイラとクリシュナ。やっぱりこれを見ているカーラ、うん、きっとこれは嫉妬に狂ったカーラが二人を惨殺とか、そういう流れになるのに違いないですよ、これは。

 さて、あなたの目は一旦この場を離れてロンドンへ戻ります。夜の食肉工場のオフィスで一人残業している男あり。ここに尋ねてきたのがコート姿の社長夫人。男は焦って「こんなところに来ちゃ駄目っすよ、どうするんすか、警備員に見つかったら」どうやら二人は不倫の仲のよう。女は男の言葉を聞き流してぱっとコートを脱ぎ捨てます。するとその下はパンツ一枚だったという(笑)。男は夫人に抱きついて、はい、始めてしまいました。

 ここで脈絡もなく登場したのがあの仮面の男。警備員をやっつけて工場内へ忍び込みます。そして一心不乱にヤッている二人をナイフで串刺し。男の死体は牛肉の冷凍庫につるし、女の死体を盗もうとします。しかし、ここで別の警備員が登場。死体を放り出して逃げ出す仮面の男。

 しかし、こいつは死体を諦めた訳ではありません。グロリア・ゾンビとモルグに忍び込んで死体に紛れ、チャンスをうかがったのであります。そのチャンスは意外に早くやってきた。監視員がサンドウィッチ出して夜食を食べ始めたのです。死体に紛れてストレッチャーに寝ていたグロリア・ゾンビ、シーツを跳ね除けて起き上がり監視員の首をナイフでばっさり。続いて起き上がった仮面の男、またも蝋人形取り出してマッチで火をつけます。すると、社長夫人の死体が起き上がるのはグロリアの時と同じ。奇妙なことに社長夫人、グロリア・ゾンビと同じフード付コートを着ております。一体、いつ着替えさせたんだか。仮面の男と二体のゾンビは闇に紛れて逃げ出します。

さて、ローレンス、オカルトに詳しい先生というのでスコットランドヤードに呼ばれ、一連の怪しい殺人事件についてのアドヴァイスを求められます。警視から捜査資料を見せてもらったローレンス、「ふむふむ、溶けた蝋人形、そして死体が盗まれる、ああ、これはヴードゥに違いありません」これを聞いた部下のベースハート(ラモン・リロ)は「ブードゥってぇとあの始終怒っている奴で」「そりゃ、怒りの葡萄だろ、スタインベックかっての」警視の激しいツッコミが入ってぼいーんと吹っ飛ばされてしまいました。

 これからしばらくローレンスのブードゥについての講義が続きます。「蝋人形を使って呪いをかけ、死者をゾンビとして蘇らせるのです。術者は儀式で黒い鶏を生贄とし、犠牲者の女の血を飲むのです。これで彼は不死の存在になると信じられている。またゾンビは彼の命令に従います。しかし、術者が死ねばゾンビも元の死者に戻るのです」

 警視はこの説明にドン引きしながらも、「まあ、仕方ありません、部下に墓場を見張らせましょう」そして、「この事件には三つの有力な名家が巻き込まれています。いずれも独立前のインドに住んでいたのですが、そこで何か事件があったらしい。独立後イギリスに引き上げてきているのですが、このことが何か関係しているのかも知れませんね」

 さて、クリシュナの屋敷で暢気に過ごしているエルヴァイラ。クリシュナはロンドンにお出かけだから、私一人で散歩でもしようなんて外に出ます。すると物陰からあの駅長さんが顔を出して、「あの、あなた、お話がある、ちょっとこっちへ来てくださらんか」エルヴァイラはそっちへ行きかけたのですが、調度その時彼女を呼ぶスーザンの声。「エルヴァイラ、お昼ご飯の用意ができたわよ」駅長さん、これで驚いて引っ込んじゃった。この人は彼女に何の話をしようとしていたのでしょう。

 駅へ戻った駅長さん、仕事に戻るのですが、あの仮面の男が登場。仮面の男、駅舎の窓から中を覗いて駅長さんがいるのを確認してから、カバンから蝋人形を取り出した。眼鏡かけて、帽子を被った、これは間違いなく駅長さんの人形だ。仮面の男はこの人形の首をナイフで切り落としてしまいます。この呪術の力が駅長さんを捉え、彼もまた自らナイフを取り上げ自分の首を切り裂いてしまったのです。恐るべし、ブードゥの呪い。

まあ、直接ナイフで殺した方が手間がかからないと思いますけど(笑)。

 ロンドンから帰ってきたクリシュナ、カーラの寝室へ。目を覚ましたカーラがすがりついてきて「エルヴァイラを返して」というのに、「彼女は私たちが守らなければならないのだ。嫉妬はやめろ」クリシュナ、カーラの服を脱がしてはい、そのまま始めてしまいましたとさ。あんまり意味のないベッドシーンですが、たまにこんなことやらないと観客が飽きてしまいますからな。

 エルヴァイラは食事の時にスーザンからこう囁かれます。「クリシュナを愛してはいけません。今のうちにお逃げなさい。信じられないのなら、今夜私が秘密を話しましょう。夜に庭の小屋に来てください」って今喋れ、今(笑)。その言葉に従って小屋を訪ねるエルヴァイラでしたが、彼女が見たものは首をチョン切られたスーザンの無残な死体でした。「ヒーッ」と立ち尽くすエルヴァイラ。彼女に大きな鎌を抱えたティザークリーが襲い掛かります。エルヴァイラも哀れ首ちょんぱかと思われましたが、クリシュナが絶好のタイミングで乱入。ティザークリーを殴り倒して彼女を救い出すのです。エルヴァイラを寝室に連れていったクリシュナ、彼女が「警察に行きましょう、私、もう怖いわ」というのにいきなりキス。どうも警察は呼べない事情があるようで、エルヴァイラを体で黙らせようというつもりらしい。そのまままた始めます。

 たまにこんなことやらないと観客が飽きてしまいますからな。

 さて、映画はいよいよクライマックスへ。仮面の男、夜の墓場で「ゾンビどもよ、蘇れ、復讐の時はきた。俺を酷い目にあわせたお前達の家族を殺すのだ」墓石がずりずり動いて姿を現す女ゾンビたち。彼女達は警視の命令で見張っていた二人の刑事を殺害、仮面の男へ導かれていずこへともなく消えてしまいます。

 さあ、ゾンビたちが復讐を果たすべくロンドンで殺戮を繰り広げる・・・のかと思いきや、いきなり登場したローレンスの車が女の自転車と衝突してしまいます。この女、エルシー(マリア・コッツィ)と瞬間的に仲良くなるローレンス。場面が変わったかと思うと、もうキスしてやがるんですから。このテキトーさ、いかに分かってみている私とはいえ、頭が痛くなりますわ。エルシーはローレンスに「今夜、私のところへ来て、気をつけてね」と囁くのでした。

 クリシュナは地下室でブードゥの儀式を始めます。いや、これはクリシュナじゃない、顔に酷い火傷があって、どうやら別人らしい。一体彼は何者なのか、黒い鶏の頭をちょん切ってその血を床に描いた文様に振り掛けるこの男に、ティザークリーが「カンタカ、あんた、ブードゥを私利私欲のために使っちゃいけない」と叫びます。そう、この男はクリシュナの兄、カンタカ(ポール・ナッシー)だったのです。カンタカはティザークリーの叫びに聞く耳もたず。逆に「さあ、ゾンビども、この裏切り者を片付けるのだ」ティザークリー、ゾンビにボコボコにされてしまいましたとさ。さらにカーラも出てきて、「あのエルヴァイラを殺して、クリシュナはあの女を愛している。クリシュナに愛されるのは私のはずなのに」しかしカンタカ、「エルヴァイラは目的のために生かしておくのだ」怒ったカーラ、ついうっかり、「何よ、頭にきちゃうわね、だったら、私はあなたの秘密を知っているんだから、あなたを破滅させてやるんだから」こう叫んだのが不味かった。怒り狂ったカンタカ、彼女の首を絞めて失神させるのであります。

 ここでようやくクリシュナの口から語られるカンタカの秘密。カンタカはインドでエリザベス・アービングという娘と恋に落ちたのです。しかし、インド人とイギリス人の良家の子女の恋が認められる筈もなし。思い余ったカンタカ、ついついエリザベスをバンガローでレイプしちゃったのだそうな。聞いていたエルヴァイラ、「ついついじゃないでしょ、ついついじゃ」と思ったとか思わなかったとか。エリザベスはこれで自殺、怒り狂ったアービング家の者達は他の二家族と結託してバンガローに火をつけたのです。辛くもその火から逃れたカンタカでしたが、見てのとおり、顔に酷い火傷を負ってしまった。それ以来彼は復讐の時を待っていたのであります。

 クリシュナはこの兄にブードゥの呪いで操られ復讐の片棒を担がされていたのでした。

 この後、エルヴァイラはゾンビたちに囚われてしまいます。肝心のクリシュナはカンタカの魔力でお腹を押さえて「あいたたたた、正露丸ちょうだい」まったく役に立ちません(笑)。そして儀式の部屋に引っ立てられるエルヴァイラ。カーラと共に柱へ縛り付けられてしまいます。

 ここでようやくスコットランドヤードへ連絡を入れるローレンス。「どうもクリシュナのところが怪しいみたいです」冒頭以外クリシュナとは全く関わっていないローレンスが何故分かったのか良く分かりませんが、とにかく警視とベースハート、部下数人を連れてパトカーで急行するのであります。

 その間にも生贄の儀式は進んでおります。カンタカに操られたクリシュナがナイフを片手にカーラににじり寄って首をすぱっ。次はエルヴァイラの番。彼女は必死に「私よ、エルヴァイラよ、あなたが愛したエルヴァイラよ」これでクリシュナの呪縛が解けたらしい。ナイフを落とし後ずさるクリシュナ。しかし、怒ったカンタカがゾンビたちに命令して彼を殺させてしまうのです。この辺、クリシュナとカンタカの一人二役やっているポール・ナッシーのめまぐるしい入れ替わりが本当にあなたをイライラさせてくれますよ。なんだ、この意味のない一人二役。

 さあ、改めてナイフを手に迫るカンタカ、エルヴァイラ、絶対のピンチかと思われたのですが、いきなり乱入してきたエルシー、ナイフでカンタカの背中をぐさぁ!え、え、何が起こったのと呆然とする私の前でエルシーは「あたしはね、あなたを監視するために送り込まれてきたのよ」ってどこからですかねえ。ブードゥの元締めみたいなところですかねえ。「あんたはブードゥを私利私欲のために使って冒涜した。だからわたしはお前を殺すのさ」息絶えるカンタカ、同時にゾンビ達も悲鳴を上げながら元の死体に戻ってしまいました。続いてエルヴァイラに迫るエルシー、「あんたも秘密を知りすぎた、可哀想だが死んで貰うよ」って一緒かよ(大笑い)。

 ナイフを手に迫るエルシー、同じような場面の繰り返しに私はうんざりしております。さあ、エルシー、ナイフを振り上げた、ここで銃声が響いてばったり倒れるエルシー。ローレンスと警官隊がようやく到着したのです。彼らはエルヴァイラを救出してパトカーに乗り込みます。森をうわーんと走るパトカーの場面で映画はおしまい。

 でもよう、一応、ローレンスとエルシー、恋仲だったんだろ、それがブードゥのスパイ?でしかも銃殺されたんだから、何か一言ぐらいコメントがあってもいいんじゃないの。知らん顔でパトカーに乗り込むってあまりにもテキトー過ぎやしませんかってんだ。

カラー・スタンダード モノラル音声 画質は残像が酷く見づらいったらありゃしません。例によって暗い場面では何が起こっているのかさっぱり分かりません。音声は歪んでいて、ヒアリングが大変です。13枚組みのDVDボックスセット50 Movie Pack: Drive-In Movie Classics の一本。Digital 1 StopDVD

 エロの冒険者

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      SFシネクラシックス 輸入DVDでみるSF黄金時代(笑)

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『Vudu sangriento』(『Voodoo Black Exorcist』 1973年)

 

Vudu sangriento』(『Voodoo Black Exorcist』 1973年)

 古代のミイラが蘇り、恋人が生まれ変わった女をひたすらに求めるというプロットは元祖ミイラの『ミイラ再生』と同じなのですが、さすがにイタリア映画。本家ユニバーサルの社長が顔色を変えて怒り出すような残酷映画となっております。

ここは数千年昔のナイジェリア。海で男がボートを漕いでおります。それに泳ぎ寄ってきた美女がボートに乗って男と抱き合い激しくキス、ぶちゅぶちゅぶちゅちゅちゅー。ボートが砂浜に着いてもその勢いは止まりそうもありません。放っておけば真昼間なのに砂浜でやってしまいそうです。しかし、幸いなことにここで女の夫が登場。砂浜で睦みあっている二人を見て「てめえ、俺のかかぁに何してやがんでえ」と激昂。槍を持って襲い掛かるのでした。

 間男と夫の戦いが始まります。間男は夫の槍を叩き落してしまいますが、夫はひるまず、今度は腰につけた鞘から蛮刀を抜いて振り上げた。でもこれもあっさり叩き落されちゃった(笑)。ならばというので素手で飛び掛ったのですが、今度はぼーんと投げられてしまいます。これで砂浜にどたっと倒れた夫、なんと、叩き落された蛮刀の上に落ちちゃいまして、これが胸にぐっさり。絶命したのであります。この罪で男、ヴードゥの魔術師であるガタネボ(アルド・ソンブレロ)は生きたまま棺桶に閉じ込められ鍾乳洞に埋葬、女ケニヤ(タニエカ・スタッドラー)はブードゥの儀式にかけられ首を切り落とされてしまったのです。

 ここでオープニングクレジット。

 舞台は現代(1973年頃ならん)に戻りまして、考古学者のケスリング博士(アルフレッド・メイヨ)が止せばいいのに、助手兼恋人のシルヴィア(エバ・レオン)、部下のフレイディなんかと一緒に探検に行ってガタネボの棺桶を発掘しちゃったのであります。あ、この探検や発掘の様子とかは一切出てきません、いきなり豪華客船に棺桶積み込んでいるところから始まりますのでご注意下さい。

 豪華客船でニューヨークまで休暇を兼ねて帰ろうという道行。他にカード占いの趣味を持つ奥さん、その夫、ロバート、なんだかよく分からないけれどもとにかく金持ちそうな太った男、その情婦のダンサーなど愉快な仲間がいます。カード占いの奥さんはカードをぱらぱら弄って「まあ、大変、恐ろしいことが起こると出たわ、あなた、船長さんを呼んで頂戴、用心しろって言わなくちゃ」ロバートはげんなりとした顔で「だから、カードはもうやめろっての」などと言っております。ところがどっこい、このいかにもいい加減そうな占いが現実のものになってしまう訳で・・・。

 ディナーパーティでダンサーが踊ったブードゥ風のダンスがガタボネを刺激したらしく、夜中にあの棺桶がいきなり開いたのです。よろよろと出てきたガタボネ=ミイラ男、まず手始めとばかりに船倉に積まれていた猫を籠ごと叩き潰すと(笑)上甲板に上がります。そしてほろ酔い加減で歩いていた乗客を殴り倒し服を奪ったのでした。と、ここで異変が起こります。乗客の服に着替えたミイラ、なんとその皺だらけの皮膚がだんだんと変化して通常の人間に戻ってしまったのでした。ミイラは続けてバーの船員を襲おうとしたのですが、その時歩いてきたシルヴィアを偶然目撃します。するといきなり画面が真っ赤になってあの海岸でガタボネとケニヤが戯れている場面が映ります。よく分からないけれども、これはシルヴィアがケニヤの生まれ変わりということなのでしょうか。ミイラ、何事かを決心し、そのまま棺桶へ戻ります。

 話は違いますが、多分、ミイラの着替えというのをやったのは世界でもこの映画が唯一ではないでしょうか(笑)。それにしてもミイラ、よく自分にぴったりのサイズの乗客を見つけたなあ。

 さて、翌日、せがまれて棺桶のミイラをカード奥さん、ロバートたちに披露するケスリング博士。そんな考古学的に貴重な標本が入っている棺桶をよくぱかぱか開けたり閉めたりできるよなあ(笑)。ケスリング、ミイラを見てドン引きの奥さんとロバートに「このミイラは指輪をはめています。これが無垢の金でして計り知れない価値があるんですよ」もう、誰かに盗んでほしい、いや、是非とも盗めと言わんばかりの余計な解説ですよ。これでのこのこ指輪を盗みにきたのがフレイディ(笑)。彼は夜に船倉に忍び込み棺桶を開けると指輪を取ろうとします。しかし、指輪はミイラの指に食い込んでおりなかなか外れようとはしません。フレイディ、棺桶に足をかけて力の限り引っ張りますって、だから貴重な標本にこんなことをしてはいけない(笑)。

 もう一生懸命にひっぱるフレイディ。とうとうミイラが目を覚ましていきなりビンタですよ。ミイラ、吹っ飛ばされたフレイディに馬乗りになると指輪のとがった部分で彼の首をぐさっ!そして「お前は俺の命令に従うのだ」ああ、フレイディ、ミイラの命令を何でも聞くゾンビになっちゃった。この後ミイラはまた人間に変身。シルヴィアの船室に忍び込むのです。しかし、このシルヴィアという女、部屋に鍵の一つも掛けないのかねえ。いくらなんでも無用心じゃないかねえ。ミイラ、彼女の部屋からあの鉈、自分達が酷い目に会わされる原因となったあれ、を発見、持ち去るのでした。ここではっと目を覚ますシルヴィア。「誰かが部屋にいたようだけど、夢かしら」

夢じゃない、ミイラだよ(笑)。

 鉈を奪ったミイラ、甲板で一人サイコロ博打に興じている船員に近づきます。そして、「次の目は7だ、その次の目は5だ」と次々と言い当てるのです。ミイラは仰天している船員に「後は4が三回続けて出る。それはお前が死ぬというサインなのだよ」船員、訳の分からぬことをいうキチガイめとむかっ腹をたてるのですが、とにもかくにもサイコロを振ってみる。すると彼のいった通り、3回続けて4が出た。ミイラは「ならばお前は死ね」鉈をぶんと振り下ろすと船員の首がちんぴょろすぽーんと転がるという・・・。

 ミイラは満足げに笑って「ケニヤ、復讐は果たされたぞ」 なんとあの船員、ケニヤの首を切った処刑人の生まれ変わりだったのです。なんだか生まれ変わりばっかり乗っている船です。

 翌日、首のない死体が見つかって大騒ぎとなる豪華客船。船員総出で乗客の船室まで含めた捜索を行うのですが犯人は見つかりません。シルヴィアは船員殺しに使われた凶器が自分の船室にあった鉈であることを知って戦慄します。「やっぱりあの時誰かが私の部屋へ来たのね」さらにこの頃から、シルヴィアは海岸で戯れる男女の幻影を見るようになります。彼女の前世の記憶も蘇りつつあるようです。

 その夜またもミイラがご出勤。彼はあろうことか船員の首を「私はお前のために復讐を果たした。これがその証拠だ」って眠っているシルヴィアの隣に置いていくのです。当然ながら目を覚ましたシルヴィア、この首を見つけて「ぎゃああああああ」と物凄い悲鳴を上げるのでした。

ミイラはシルヴィアの部屋から逃走します。途中捕まえようとした船員を二人、あっという間にのしてしまいます。まったく凄い力です。しかし、彼はこの時うっかりとあの大事な大事な秘密の指輪を落としてしまったのでありました。

 これでまたまた豪華客船は大騒ぎ。翌日到着した港で警察からドミンガス警視(フェルナンド・サンチョ)が派遣されます。このおっさん、始終扇子でぱたぱた扇ぎながら、「まったく暑いですな、ほんま、かなわんわ」とボヤく面白いキャラクター。いかにも暢気そうな人ですが、その外見とは裏腹になかなかのやり手のようです。この港でケスリング博士は空港へお出かけ。ここで合流する予定になっていた研究仲間のクレイグ博士を迎えにいったのですが、なんと、ミイラ、フレイディと共に先回りしてクレイグ博士を捕らえ、殺してしまったのです。ミイラは車で待っていたケスリング博士の隣にどっかと乗り込んで「騒ぐな、騒ぐと殺す」驚いたケスリング博士が「一体君は何者なのだ」と聞くと、ミイラ、にやりと笑って、「ふふふ、あんたの研究に役立つ男とだけ言っておこうか」ミイラの癖に意外とカッコいい台詞を言いますな(笑)。

 クレイグ博士の殺害方法というのがまた残酷でびっくりさせられます。ミイラが空手チョップでクレイグ博士を気絶させた後、フレイディがローラー車でぐしゃあと引き潰してしまうのです。クレイグ博士、文字通りのぺっちゃんこ。どうしてそう目立つことするかね。

 ミイラはクレイグ博士に成りすまして客船に乗船します。それからしばらくのんびりと船旅を楽しむミイラ。プールでシルヴィアに「今の君の名前はなんというのだ」と意味深なことを言ったりケスリング博士に自分はミイラであると正体を明かして、古代のブードゥ教儀式について説明したり。ミイラ、「いいかね、ブードゥの儀式には三つの段階がある。まず、神を呼ぶ、そして神の到着を確認する、生贄を捧げる、の三段階だ。これをブードゥ三段活用という」ケスリング博士、このつまんない冗談を一生懸命メモなんかしております(笑)。

 ところがついに指輪をなくしたツケが巡ってきた。シルヴィアと夜の海を眺めながらいいムードになっていたのに、突然、ミイラのミイラ化が始まったのです。ミイラは船室に逃げ込み苦悶します。そして自分の醜い姿を見ないで済むように鏡を割って荒れ狂うのです。ミイラは様子を見に来たケスリング博士の喉元捩じり上げて、「てめえ、早く俺の指輪を探すのだ」これでまた大騒動になるかと思いきや、ケスリング博士、船長の部屋を探してあっさり指輪を見つけてしまうのでした。なんだ、拍子抜けだな。

 次の港に到着します。この街ではなんと、ケスリング博士とミイラのテレビ出演が予定されていたので(笑)博士は棺桶と一緒に下船。テレビ局に向うのです。その博士にまとわりつくドミンガス警視。「空港で人が殺されましてん。この船にのる予定の人やったんやけど、あなたはあの日空港へクレイグ博士を迎えにいきはりましたなあ、何か知りませんかな」当然ながら首を振るケスリング博士。今の彼は最早ミイラを失う訳にはいかなかったのです。

 ケスリング博士とシルヴィアはテレビ局へ。ミイラとフレイディも何故かついてきます。そしてミイラ、番組がブードゥの儀式を見世物にしていることに怒ったのか、ここでモニターを見ていたおっさんと、儀式で踊っていたダンサーの二人を殺害したのであります。そうとは知らずテレビ番組に出演する博士。そして棺桶をカメラに向って開いてみせるのです。中にはちゃんとミイラがいる。ミイラから人間になって殺人を犯し、またミイラに戻って棺桶に入る。これぞ完全犯罪ってちょっと違いますか。

 新たに起こった二件の殺人事件。ドミンガス警視はダンサーの体についていた犯人の血の分析結果を聞いて仰天します。「なんやと、数千年前の血やと、そら、ほんまか」ドミンガス警視、この時点でミイラを怪しんだらしい。彼はテレビ局に部下のサムをやってあの棺桶を見張らせたのです。はたしてサムがモニターで監視しているとも知らず棺桶を縛っている鎖をフレイディが解いた。サム、びっくりして警視に電話します。警視、えらいケンマクで「ええか、棺桶から何か出てきたらすぐにズドンと撃つのや、ためらったらいかんで」続いて棺桶からミイラ、でたぁ。サム、逃げたミイラを追いかけます。

 ミイラが外へ出たところでサム、何を考えたか非常用の消火ホースで水をばーっと掛けるという・・・。ミイラが乾燥しているからふやけさせるつもりなのでしょうか(笑)。ミイラ、木の箱をサムに投げつけてホースの水をそらし、その隙にまた逃げてしまいます。ホースを放り出して追いかけるサムでしたが、ミイラが崩した荷物の下敷きになってしまいましたとさ。

 この間フレイディはホテルの部屋でお風呂に入っていたシルヴィアを拉致します。お風呂ですから、当然裸。オッパイ見えてます。最後の最後でいらんサービスをしますな。フレイディはミイラと合流。彼が生き埋めにされた鍾乳洞へ向うのでした。どうやら、ミイラ、シルヴィアと一緒にここで永遠に眠ろうというつもりらしい。シルヴィア、いかにケニヤの生まれ変わりといえどえらい迷惑であります。

 ドミンガス警視はたくさんの部下を引き連れてケスリング博士と共に彼らを追跡します。そして鍾乳洞へ突入。部下達、マシンガンやうわあ、火炎放射器まで持っているぞ。これで映画のラスト丸わかりです(大笑い)。

 ミイラ、意識を取り戻したシルヴィアに「覚えていないだろうが、君と私はかって愛し合っていたのだ」数千年前のことですからね、今更そんなことを言われてもシルヴィア、きょとんとするばかりですよ。「私はようやく君をみつけた。もう放さない、これからは永遠に一緒だ」

 迫る警官隊。フレイディは隙をみて博士に飛び掛り殺害したのですが、そのとたんにマシンガンの乱射を浴びてこれまた死亡。この時点で映画は残り2分。2分でどうやってシルヴィアを助け出してミイラやっつけるんだと心配になったのですが、これはまったくの杞憂でありました。火炎放射器を持った部下、ミイラを見つけるなりシルヴィアもろとも焼き殺してしまったからです(大爆笑)。なんだ、これ、ひでー。

 豪華客船を舞台にするというアイデア、ドミンガス警視の面白いキャラクターなど見るべきところはあるのですが、この残酷なラストで全てが台無し。実際、おれ、こんなの見るの初めてだぜ。

 カラー、モノラル音声。画質は色が退色していますが、ノイズが少なく見やすい画調です。音質も台詞がクリアー。英語の吹き替えがとても聞きやすい。13枚組みのDVDボックスセット50 Movie Pack: Drive-In Movie Classics の一本。Digital 1 StopDVD

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2007年10月 1日 (月)

『Prisoners of the Lost Universe』(1983年)

 

Prisoners of the Lost Universe』(1983年)

 次元転送装置の誤作動で異次元の世界に送られてしまったヒーロー・ヒロインが大冒険というSFファンタジー。これだけみると典型的なBSFみたいですが、なかなかどうして面白い映画だったりします。

ヒロインのキャリー・マディソン(ケイ・レンズ)は科学や医学技術を紹介するテレビ番組を制作するディレクター。まあ、当節で言うならばディスカバリーチャンネルみたいなものですか(違うかな)。彼女は自ら番組に出演し、シューシュー息を吐いているコブラとにらみ合い。彼女はンーという唸り声を出したかと思うと、さっとコブラを捕まえるのです。そして、「グローガン教授の理論は証明されました。蛇はハイBフラットの周波数の音声で催眠状態に陥るのです。でもだからと言って良い子のみんなは近所のガラガラ蛇で試してみようなんて思わないでね。危ないから、これはお姉さんからのお、ね、が、い」

おいおい、あんた危ない仕事をしているね!

 さて、彼女の次なる取材対象は次元転送装置を発明したと主張しているハートマン博士(ケネス・ヘンデル)。あいにく他の番組制作スタッフは現地到着が一時間ほど遅れるというので、キャリーは一人で博士の研究室に向うことになります。キャリー、密かに「そんなマッドサイエンティストと一時間も二人きりなんていやだわ」と思ったとか、思わなかったとか(笑)。快晴のLAを研究室に向けて車を飛ばします。

 この時地震が発生。これに気をとられたキャリー、ハンドル操作を誤まって対向車線に飛び出してしまいます。そして走ってきたトラックと危うく正面衝突。トラックはキャリーの車を寸前でかわします。しかし、その代償として道路わきの崖に激突してしまったのでした。「いてててて、あー、酷い目にあった」トラックから降りてきたのが本作の主人公のダン(リチャード・ハッチ)。彼はトラックの荷台を見て「あー、俺の大事なケンドー・ソードが折れている。どうしてくれるんだ、ケンドーの大会に出られなくなっちゃったぞ」キャリーは自分が全面的に悪いのにいっかな謝ろうとはしません。ダンが突き出した折れた竹刀を見ても「そのバンブー・スティックがどうしたというのよ」「バンブー・スティックじゃない、これはシナイだ、ケンドーのコンテストに使うんだ。一体どうしてくれるんだよ」キャリーは弁償すると言い出すのですがダンは「そんなお慈悲は受けたくないね」と拒否。さらに怒り始めます。このケンマクに恐れをなしたキャリー、彼を放って車で逃げてしまいましたとさ。

 残されたダン、しかしここでまた地震が起こって垂れ下がった電線が彼のトラックを直撃。トラックは炎上してしまったのです。がっかりしたダン、人家を求めて歩き出すのでした。

 一方博士の自宅兼研究室に着いたキャリー。さっそく博士から次元転送装置の説明を受けるのでした。「これはですな」博士は嬉しそうに装置の丸いプラットフォームを指差します。「この上においた品物を平行宇宙の他次元に送り込むことができるのです。ちょっとテストしてみましょう」博士はキャリーからコンパクトを借りてプラットフォームに置きます。そしてスイッチオン。ぴぴぴと装置が光って消えてしまうコンパクト。仰天するキャリー。「ちょ、ちょっと、あのコンパクト高かったのよ」驚いたのはそっちかい(笑)。

「ふふふ、心配しなくても大丈夫ですよ、お嬢さん、コンパクトは消えたのではない。他の次元にちゃんと存在している」再びスイッチオン、ぴぴぴと装置が光ってまたコンパクトが現れた。「ああ、良かった、本当に高かったの、このコンパクト」だから消えたり戻ってきたりしたのに、驚け、キャリー!

 ここで三度地震の襲来。ぐらぐらと揺れると装置が誤作動、モニターに木が映ったではありませんか。ここはカリフォルニアの山の中、こんな木、外に出ればいくらだってあるのに、「おお、あれは他次元に存在する木だ。他の次元にもこちらと同じく木が存在するのだ」異様に感動する博士です(笑)。ところがまた地震が発生。博士、バランスを崩してプラットフォームの上に倒れこみます。とたんに装置がぴぴぴと光って、ああ、消えちゃった。「あ、あれ、博士、どこに行ったんですか、あら、やだわ、もうこれ、ドッキリじゃないの」キャリー、他の次元に送るという説明聞いてなかったんかい(笑)。

 彼女がうろたえ騒いでいるところにダンがやってきます。彼は電話を貸してもらおうとここまで歩いてきたのであります。鍵がかかってないことを良いことに博士の自宅に入り込むダン。ちょっとそういうことをしてはいかんなあ。彼を泥棒と勘違いしたキャリーは物陰に隠れてダンの頭をハンドバックで一撃。「いてて、また君か、一体全体ここで何をしているんだい」頭をさすりながら尋ねるダンです。「取材していた博士が消えちゃったのよ、地震でぐらぐらっとなってぴぴぴと光って」彼女の要領を得ない説明に目を白黒させるダン。「何だか良く分からないよ、落ち着いて一から説明してくれよ」

 キャリーは彼を装置の側に連れていって、「博士がこのプラットフォームの側に立っていたのね」ダンを立たせます。「そうしたらぐらぐらと地震で揺れて」あ、また地震が来てぐらぐらと揺れた!「そしたら博士倒れちゃって消えたのよ」ダン、倒れちゃって消えてしまいます(大笑い)。今度は手を伸ばして彼を助けようとしたキャリーも巻き込まれて一緒に消えちゃうというおまけまでつきました。

 場面が変わってここは他の次元の世界。どうみたってただの山の中ですが(笑)。一人実体化したキャリー、ダンの姿を捜し求めるのですが見つかりません。「何よ、ここ、どうして私一人なの、どうやったら戻れるの、もう頭きちゃうわ」ぶつぶついいながら歩き回ります。そのうち疲れて岩の上に座って休もうとしたら背後から「ウォーッ」という呻き声。びっくりして振り返ったら底なし沼に男が沈みかけていたという・・・。哀れに思ったキャリー、その男に木の枝差し伸べて助けてあげるのでした。泥だらけで上がってきた男は毛皮をきており、まるで原始人のよう。言葉も喋れないようでそのまま歩き去ったのであります。「せっかく助けてあげたのにお礼もなしなの、失礼しちゃうわね」とキャリー憮然とするのでした。

 再びダンやハートマン博士を探して歩き始めたキャリー。その彼女を頭に黒いヘルメットのようなものを被った裸族が襲撃。このヘルメットの目の部分が赤く光っているのが不気味悪い。裸族はウバホホホと奇声を上げながらキャリーに襲い掛かります。その時響き渡るダンの叫び声「キャリー、逃げるんだ」木の影から現れた彼は彼女を助けて走り始めます。とたんに崖から落ちちゃった(笑)。どうもドジな人でありますな。二人は何とか崖の途中にしがみついて転落を免れたのですが、裸族は容赦なし。大きな岩を転がしてきて二人にぶつけようとするのです。

 ダンとキャリー絶対のピンチ。しかし彼らを救ったのはあのキャリーが助けた原始人でした。彼は強力を振るって裸族を崖からぽいぽいぽい。全部やっつけた後、そのまま舞台から退場。フツー、このあとキャリーとダンを引き上げて仲間になったりするものですがね(笑)。いつの間にか裸族がいなくなってしまったことをいぶかしむキャリーたちですが、このチャンスを逃すわけにはいかない、ダンの持っていたワイヤーを使ってなんとか崖を這い登るのです。そこで二人は奇妙な人物を見つけます。裸族に捕まっていたと思しき全身緑色の男、グリーンマン(レイ・チャールソン)です。

 二人は縛られていた彼を解放して「ハートマン博士を探す手伝いをして欲しい」と頼むのですが、うまくグリーンマンに話が伝わらない。水浴びの最中にウォータービースト(マイルズ・ロバートソン)に襲われたキャリーを助けたところで「じゃあ、これで借りはなしね」グリーンマンはさっさと行ってしまいましたとさ。

 再び二人になってハートマンを探す二人。ダンは奇妙なことを言い出します。「そう言えば、僕は君に出会うまで一週間近く掛かったぜ。この世界じゃ俺たちの世界よりも時間が長いんだ。だからもっと前にきたハートマン博士はここでずっと長い時間を過ごしているはず。ひょっとしたら一年にもなるかも知れない」キャリーがっかりして「一年もあったら博士、どこにでも行けるじゃない。そんなの探せないわよ」絶望しかけたキャリーですが、彼女はある木を見つけて大喜び。「この木、研究室のモニターで見たわ。博士はこの辺にいるのよ」いや、確かに博士はここに着いたかも知れないけど、それからどこへ行ったか分からないって話しでしょ。喜んでも仕方ないと思うのですが。

 キャリー、喜びのあまりダンとキス。ぶちゅぶちゅぶちゅちゅちゅー、そのまま地面に寝転がって・・・、あ、こいつら、ヤリやがったな。異次元ファックだな。

 そのまま夜が明けましてダン、近くの泉へヒゲを剃りに出かけますって、こいつはいつでも剃刀持ち歩いているのか(笑)。この間残されたキャリーを襲ったのがクリエル(ジョン・サクソン)率いる蛮族の一行。彼は金髪のキャリーを見て「おお、太陽の色の髪の毛を持った女だ」と感激、攫っていくことにしたのです。髭剃りから戻ってきたダンが「おい、俺の女に何をする」と止めようとしたのですが、クリエル、一切構わず、懐から取り出した銃!でズドン。倒れふすダン。悲鳴を上げるキャリーを引きずって馬に乗せ、「さあ、要塞に戻るぞ」

 倒れたダンはぴくりとも動きません。ここでまた新しい登場人物、盗人のマラカイ(ピーター・オファレル)です。彼はダンの死体から物を盗もうとしたのですが、体をまさぐりはじめたとたん、ダン、復活(笑)。一応撃たれたんだけどなあ、どうしてすぐ元気になるかなあ。彼はマラカイを捕まえると、「やい、あの蛮族のリーダーは誰なのだ、一体どこに住んでいるのだ」と尋ねます。マラカイ、大いにビビッて「あれはクリエルといいます。彼の一族は死の山にある秘密の要塞に住んでいます」と一気に答えてしまいました。

 ダン、彼の腕時計を餌に「やい、マラカイ、俺をその要塞とやらに案内するのだ」こうしてダンとマラカイは一頭の馬に相乗りして要塞を目指すことになりました。

 マラカイはダンを彼の盗人仲間?たちの根城である洞窟に案内します。そこに囚われていたのがなんとグリーンマン。盗賊仲間たちは彼に酒を飲ませてお宝のありかを聞き出そうとしていたのです。ダンはその席に割り込んで「おい、グリーンマン、やっぱり僕を助けてくれ、女が攫われたのだ、一緒に探してくれ」 これで怒ったのが盗賊たち。「何、じゃましやがるんだ、このトウヘンボク!」ということでダンに襲い掛かります。ダンは大奮闘、グリーンマンも加勢してついに盗賊たちを叩き伏せ逃げ出すことに成功したのです。

 盗賊たちは馬で彼らの後を追っかけます。一人残されたマラカイ、「ふふふ、おれは近道知っているもんね」と呟きまったく別の方向目指して出発するのでした。

 一方、クリエルたちの一行は要塞に到着。クリエルは彼の情婦であるシャリーン(ダーン・アブラハム)に迎えられてご機嫌です。彼はキャリーを彼女に見せて「どうだ、太陽の色の髪の女だ、凄いだろう」放して、放して下さい、やい、優しく言っているうちに放せ、コノヤローともがくキャリー。クリエルは「お前はその反抗的な態度を改める必要があるな」彼は部下に命じて彼女を檻に入れさせます。「おい、水も食い物もやるな、しばらくすれば大人しくなるだろう」ウハハハハ、本当に楽しそうに笑うクリエル。

酔っ払ったグリーンマンを連れて逃げたダン、一休みするなりがーがー大いびきのグリーンマンに呆れて「俺、なんでこんな酔っ払い助けたんだ」その彼の背後から忍び寄る影あり。マラカイです。彼はナイフを振り上げてダンの背中を狙ったのですが、寸前に気づかれて逆に手を捻り上げられてしまいました。「い、いや、違うって、俺、あんたに警告しにきたんだよ」「ナイフ持っていたくせに何を言うか。お前の言うことなど信じないぞ」マラカイ、ダンの背後に目をやって「じゃ、あんたの後ろに誰かいるよって言っても信じない」「ああ、信じない」ダンが首を振った瞬間、背後の男から頭を一撃されて昏倒します。マラカイ、溜息をついて「だから言ったじゃん」

 こうしてダン、マラカイ、グリーンマンの三人はナブー族という種族に捕まってしまったのであります。そうしてダンは「守護の岩チャンピオン大会」なる格闘技の大会への出場を強制されてしまったのです。これで勝てば3人を自由にしてくれるというのです。ダンは「やだ、やだ、そんな訳の分からない大会になんか出たくないよ」と叫んだのですが、さっきダンの頭を殴った男がにやっとして「出ないんなら、舌を引っこ抜いて塩茹でにしてお前らの目の前で食っちゃるけんのう、覚悟しときんさいよ」こんなこと言われたら出ない訳にはいかないじゃないですか(笑)。

 ちなみに守護の岩というのはこの種族が信奉している熱い溶岩?です。村の真ん中にどんとあって凶悪な熱気を放出しております。

 さて、大会に無理やり出場させられたダンの相手となったのは禿頭の巨漢。ダン、一生懸命この巨漢を殴ったり蹴ったりするのですがまるで効果なし。逆に巨漢のパンチ一発で吹っ飛ばされてしまう有様。ダンは金的を狙うのですがこれも効果なし。呆れて「こりゃまたどういう訳だ、世の中まちがっとるよー」と叫びます。ヤケのヤンパチで足を踏んづけてみたら意外なことにこれが大当たり。巨漢、踏まれた足を持って「オウオウアウアウ」と苦悶。ぴょんぴょん飛び跳ねているうちにバランスを崩して守護の岩に倒れこんでしまいました。ジュッと音がして巨漢、蒸発してしまうという・・・。

 ここで一旦場面はクリエルの要塞の内部へ。クリエル、魔道師と呼ぶ人物に向って「お前が約束した威力の大きい火薬を完成させよ。わしを失望させるな。分かっておるな」うっそうと頷いて退出する魔道師です。この時呼ばれたキャリーがやってきます。彼女は魔道師の顔を見てびっくり。「あなたはハートマン博士じゃありませんか」なるほど、そういう訳だったのですな。ハートマンが火薬や20世紀の技術をクリエルたちに教えていた。だから彼らはピストルや要塞の建物など他の種族とはかけ離れた文化水準を誇っていたのです。ハートマン博士は「話は後だ、とにかくクリエルのところへ行きなさい」立ち去ってしまいます。

 ハートマン博士はクリエルの命令でニトログリセリンを作ろうとしていたのです。

 クリエルは彼女に料理が乗っかった皿をやって「ほら、食え、腹が減っただろう」しかし、キャリーは押し黙ったまま。料理を口にしようとはしません。たちまちカッとなるクリエル。「このクソアマ、わしが食べてもいいと言っているのだから、食うがいいじゃないか。まったく強情な女だ。また檻に入れてやる。もちろん、水も食い物もなしだぞ」クリエルはキャリーの髪の毛を掴んでぎりぎりと引っ張ります。

 ここで意外なことが起こりました。ベッドに寝そべっていたシャリーンがナイフを持ってクリエルに襲い掛かったのです。あんまり酷い目に会わされるキャリーを見るに見かねたのか、それともシャリーン自身が元からクリエルを憎んでいたのか、よく分かりませんが、とにかくシャリーンはクリエルに取り押さえられてしまったと。そして「この売女め、こうしてくれる」と散々に鞭で打たれてしまったと。どうも女性に優しくない映画であります。

 一方、ナブーのダンたち。勝ったら自由にしてくれるという約束があっさり破られて、木製の檻に閉じ込められてしまいます。この檻の周囲には黒い液体が流れており、ナブーたちによるとこれは魔法の液体でなんと火がつくのだとか。この檻から守護の岩に溝が掘られておりまして、液体が流れるようになっています。液体が守護の岩に届いたと同時に火がついて檻のダンたちを丸焦げにする仕掛けになっているのです。そんなことをされてはたまらない、ダンはグリーンマンが持っていた弾薬を檻にセット、檻を壊して着火寸前に脱出に成功したのであります。

 と、同時にあのキャリーに命を助けられた大男が乱入。ダンたちと一緒になってナブーどもをやっつけるのです。

 そしてグリーンマンの通訳で意思の疎通に成功します。この大男の名前はカハールといいましてキャリーに命を助けられたこと。恩返しで彼女を助けたいと思っていることが分かります。じゃあ、一緒に行こうということでカハールもダンたちの一行に加わって、さあ、目指すはクリエルの要塞だ!

 グリーンマンが不思議な指笛で馬を集めて、さあ出発。そして彼らは山の中で蠢くものを見つけます。なんだ、なんだと近寄ってみたら、これがなんとシャリーンだったという・・・。クリエルの怒りを買った彼女は散々に鞭打たれた後、山に現れる魍魎どもへの生贄にされてしまったのでした。彼女を助けようとしたところでその魍魎どもが出現。地面の下から現れたそいつらは鎌を振りかざして一行を襲うのです。こらあ、たまらんということで洞窟に逃げ込む一行。都合の良いことにこれが要塞まで続いておりまして(笑)、洞窟の中で魍魎をやっつけつつ進むうちに要塞に着いちゃった。

 カハール、要塞を見るなり張り切っちゃって猪突猛進。塀を乗り越え侵入します。見張り台によじ登ると見張り二人を簡単にやっつけて、門を開きます。おかげでダンたちは易々と要塞に侵入することができました。しかし、その後がいけない。カハールは三人目の見張りのボウガンで撃たれてしまいます。カハール、見張りに襲い掛かるもバランスを崩してそのまま塀の外へ落下してしまいました。様子を見に行くこともできないので、あっさりと放ったらかしにされるカハール、ちょっと可哀想です(笑)。

 ダンたちは要塞の内部に進んでついに牢屋にいるキャリーを発見。助け出すことに成功したのでした。キャリーは「ああ、ダン生きていたのね」とむせび泣き。二人は抱き合ってこんな緊迫した場面なのに長めのキスシーンをやっております。ようやっと唇を離したキャリーはハートマン博士のことを彼らに知らせます。博士がいなけりゃ現代に戻ることはできない、彼を連れ出さなくてはならないということで一行は博士の研究室へ。白衣姿のまま二人の美女とベッドにいたハートマン(笑)と捕まえたのでした。

 さあ、逃げよう、外へでた彼らでしたが、そうは問屋が許さないじゃなかった、卸さない。すでに彼らのことを察知したクリエルたちに囲まれていたのであります。クリエルはシャリーンをピストルで射殺。「裏切り者は許しておけぬ」ってそんな山の中で生贄にしようとしたあんたらが悪いんだよ(笑)。研究室から持ち出した皮袋を掲げたマラカイ、「おい、おい、どいて俺たちを逃さないとこれ投げちゃうよ。これ爆発するんでしょ、そしたら酷いことになるよ」ここでハートマン博士、ぼそっと「それ、俺のワインなんだけど」唖然とするマラカイ、ぽいっと袋を投げ捨てると何故か、どかーん。呆然としているうちに捕まってしまうという今ひとつ意味が分からないギャグであります。

 牢屋へ入れられてしまっダン、グリーンマン、マラカイの三人ですが、彼らを助けたのがハートマン博士。さすがに現代人のダンを見殺しにすることはできなかったのです。牢屋から出ることができた三人は要塞のあちこちに爆弾・ニトログリセリンを仕掛けるのでした。火薬をたっぷり積んだところから、導火線代わりに火薬たらして準備完了。これに火をつけた後、ダンはキャリーを助けるためにクリエルの部屋へ向かいます。三人の命と引き換えにキャリーはクリエルの情婦になっていたのでした。

 フードを被って変装したダン、ワインを注ぐフリをしてクリエルを剣で不意打ち。しかし、クリエルも負けてはいません。パッと飛びのいて交わすと自分の剣を取り上げてダンと大チャンバラであります。キャリーはこの隙をついてクリエルの拳銃を奪って「動くと撃つわよ」そしてクリエルに今までの怨みをこめた拳を炸裂させるのです。失神して倒れるクリエル。「さあ、今のうちに逃げましょう」バツグンのタイミングで爆発も始まった。どかんどかんとあちこちで爆発が起こって大混乱となる要塞。ダンとキャリーはクリエルの部下達を切り捨てながら、馬車を用意して待っているグリーンマンたちと合流します。しかし、ここで失神から覚めたクリエルがピストルを構えた、ダン、大ピーンチと思いきや唐突に飛び出してきたカハールがボカッ。この大男生きていたんですねえ。

 ダン、キャリー、カハールを収容して走り出す馬車。門もニトログリセリンで吹き飛ばし脱出に成功します。

 ここで映画本編は残り2分。これからどうやって自分達の世界に戻るのかと思っていたら、マラカイが偶然岩の下に転がっていたキャリーのコンパクトを見つけたという・・・。キャリーとダンがコンパクトのあった場所にたつと次元転送器が作動、二人は元の次元に転送されたのです。ハートマン博士を置いてきぼりにして(大笑い)。立ち尽くすハートマン博士、その傍らでマラカイが「おーい、女助けたら時計くれるって言ってたじゃないかよう」と世にも情けない顔で叫んだところでエンドクレジット。

 意外と金もかかっているし、ストーリーもそれなりに面白い。こんな50本パックのしょうもないDVDセットではなく、もっとちゃんとしたソフトで見たいと思わされた映画でした。

カラー・スタンダード モノラル音声 画質は解像度感がまったくなくVHS三倍のようなぼけ気味の絵。音質は標準レベル。台詞の聞き取りが楽でした。13枚組みのDVDボックスセット50 Movie Pack: Drive-In Movie Classics の一本。Digital 1 StopDVD

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      SFシネクラシックス 輸入DVDでみるSF黄金時代(笑)

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『美人モデル 古城の惨殺』(『Il Boia scarlatto』『Bloody Pit of Horror』 1965年)

 

『美人モデル 古城の惨殺』(『Il Boia scarlatto』『Bloody Pit of Horror』 1965年)

キチガイ城主が数百年の時を経て蘇り、よせばいいのに古城でグラビア撮影していた美人モデル達を襲う!往々にしてこの手の映画の邦題は大げさなことが多いのですが、この映画に関してはその法則は当てはまりません。本当に美人モデルが続々と登場して続々と殺されていくのです。

冒頭、「我が復讐は血を以って購うべし マルキド・サド」というブッソウな文句が現れます。そんな購うなんて最近の子供は読めませんよ(笑)。時は1648125日、ある城主が処刑されようとしていました。彼は赤いマスクにタイツというあまりカッコよくない姿で人々を攫い己の快楽のためだけに頭をちょん切ったり、舌を抜いたり、目玉をくりぬいたり、油をかけてこんがり焼いたりして惨殺していたのであります。挙句ついたあだ名が「真紅の処刑人」 何かタイガーマスクあたりに出てきそうですな。

 彼は自身の居城の地下で己の悪行の報いを受け拷問具、鉄の処女に二人の警吏によって押し込まれます。「畜生、覚えておれ、きっと復讐してくれる」と喚く城主ですが、警吏たちは委細構わずに「おら、入れ、こら」 そして間髪をいれず鋭い剣が何本も埋め込まれた蓋をがちゃん。「あぴいいい」物凄い悲鳴が聞こえて鉄の処女の下から血がだらー。早くもイヤな気分になってしまいました(笑)。警吏は焼き鏝を使って鉄の処女の鍵を焼き潰し封印してしまいます。

そのまま放ったらかしになる鉄の処女。死体ぐらい始末しろと思うのですが(笑)。

 さっと場面は変わって時は現代、ところは城。三台の車がやってきます。これは実は雑誌表紙の撮影隊。メンバーはモデルの着替え場所にひょっと顔を出すスケベさで有名な編集長マックス(アルフレッド・リッツォ)、記者のリック(ウォルター・ブランディ)、カメラマンのダーモット(ラルフ・ザッカー)、女助手のイーディス(ルイザ・バラット)、以下女性モデルのスージー(バーバラ・ネリ)、ナンシー(リタ・クレイン)、アニー(フェミ・ベニース)、男性モデルのラウル、ペリー、大所帯で名前を覚えるだけで一苦労です。


 城についた彼らは豪壮なドアをノックするのですが返事なし。「あれ、おかしいな、誰も住んでないのかな」とリックがいぶかるのに、マックスは「いや、そんな筈はない。友達からちゃんと人が住んでいると聞いてきたんだから」ここでしゃしゃり出てきたのが金庫破り歴三年という異色すぎる経歴をもつペリー。彼はするすると塀をよじ登り窓から侵入します。彼が中から門を開けて、さっそくどやどやと入り込む撮影隊。マックスが「おお、これはわしのイメージにぴったりだ。よし、急いで撮影するぞ、締め切りが迫っているんだ」

 ところがそうは問屋が許さないじゃなかった卸さない。二人の男が突然現れて「貴様らは何者だ。この城にはご主人がおられるのだぞ」完全な不法侵入。フツーだったら絶対警察を呼ばれるシチュエーションです。マックスとリックは平謝りに謝って、「良かったら、そのご主人に会わせて下さいな」

しかしこの人たちは撮影許可とか事前に取らないのですかねえ。

 あわよくば主人を説得して城を撮影に使わせてもらおうと思っていたのですが、このご主人というのがまた頑固な性質で、「何、雑誌の撮影ですと、いかん、いかん、私は騒がされるのが何よりも嫌いなのだ。とっとと出て行ってくれ」とにべもない。がっかりしたマックスとリックはみんなを呼び集めて城を出ようとします。ところがご主人、部屋の隠し窓からイーディスの姿を見るなり息を呑んで彼女の名前を呟きます。そして一転、パークスに撮影許可を与えるのでした。「拷問室があなたたちの目的に会うでしょう。しかし、絶対地下牢へ入ってはいけませんよ」

 ご主人、イーディスを知っているのでしょうか。


 しかし、どうしてご主人が心変わりをしたかなんてことはどうでもいい。何しろ締め切りが迫っているのです。マックスは「よし、急いでみんな着替えるのだ。徹夜で撮影するぞ」その後すぐにモデル達が着替えしている部屋にノックもせずに入り込んで彼女達に悲鳴を上げさせたりしております。スケベだという評判は本当のようです(笑)。

 早速撮影が始まりました。しかし手持ち無沙汰になったラウル、ペリーに「地下にワインセラーがあるのを見つけたんだ。良さそうなのを見繕って飲んじゃおう」ご主人の警告もものかわ、何のためらいもなく地下牢へ入っていく二人。この二人も図々しいですがご主人も地下牢への通路を塞いだり、鍵をかけたりしておくべきではなかったのでしょうか。二人はのんのんずいずいと進んで地下牢へ。あ、ここはあれだ、冒頭で真紅の処刑人が処刑された部屋だ。おお、ごらんなさい、ちゃんと鉄の処女がそのまんま置いてある!

 ワインセラーを目指して進む二人。しかしここで突然蝙蝠が出現。これにキモを潰したペリー、ひゃあと飛びのいた拍子に壁にかけられていた斧を落としてしまいます。この斧が鉄の処女の鍵に当たって、はい、あっさりと封印が解けてしまいましたとさ。そうとも知らない二人、ワインセラーでワインを入手、意気揚々と撮影現場に戻ります。

 蝙蝠に脅かされて悲鳴をあげたペリーにラウルが言った言葉がおかしい。「おい、気をつけろ、幽霊起こしちゃうぞ」だって(笑)。

 その後順調に撮影は進みます。カメラマンのダーモットは怪しいサングラスをかけたナンシーに「君はあれだな、すっぴんでもべっぴんという奴だな。うん、うん、きれいだよー」ナンシーは内心、「すっぴんでべっぴんってそんな人を一昔前のグラビア雑誌みたいに」と思ったとか、思わなかったとか(笑)。途中BGMがあるところでぶつりと切れては前に戻るという堂々巡りを5回ほど繰り返します。なんだ、ひょっとしてレコードに傷が入っているんかいの。

 しかし、これがいつまでも続く訳ではありませんでした。そりゃ、撮影が順調に終わって城主に「どうもありがとうございました。お世話になりました。写真が雑誌の表紙になったら送ります」ってみんな帰っちゃったんじゃ映画になりません。エドガー・アラン・ポーの振り子の鎌がヤリに変わったみたいな拷問具にペリーを寝かせて撮影していたら、ロープがブツッ!振り子の槍がどすぐさばすびし、ぎゃああああ。ペリーが惨死してしまったのです。おまけにスージーとラウル、勝手に撮影現場を離れてあの地下牢へ。ペリーの事故など夢にも知らず「いやよ」「いいじゃないか」「いやだったら」「いいだろ」「いや・・・」と始めちゃったのです(笑)。

 ペリーの事故で困ったのがマックス。警察に知らせたら締め切りに間に合わなくなってしまいます。それじゃ大損害だというのでモデル達のギャラを三倍にして撮影を続けることにしたのです。しかし、現場ではさらに怪奇なことが起こります。事故直前のペリーの写真に何か奇妙なものが映っていたのです。これをダーモットが現像・拡大してみるとマスクを被った処刑人だったという・・・。「なんだ、これは」「うわあ、気味悪い」とダーモット、リックが騒いでおりますと、唐突にご主人が登場。この写真を見るやいなや真っ青になって「これは真紅の処刑人だ。彼が蘇ったのだ」

 この頃地下牢で真っ最中のラウルとスージー。はい、出ました、真紅の処刑人が。処刑人、ラウルをあっさり気絶させるとスージーに迫ります。スージー、「ひいいいいい」と物凄い悲鳴を上げるのですが、誰もその悲鳴を聞くものはありませんでした。

 ご主人はダーモットとリックに真紅の処刑人について説明を始めます。「彼はこの城の城主だった。しかし、多くの人を手にかけた罪であの地下牢で処刑されたのだ。それは数世紀前のことだったが、彼の怨霊はこの城に取り付いている。封印が解かれれば彼は蘇るのだ。そう、さっきの影は真紅の処刑人だったんだよ」この時イーディスがリックを探しに来ます。彼女の姿をみてまた動揺するご主人。リックが「彼女とお知り合いですか」と聞きますとご主人、激しく首を振って、「知らんよ、知らんよ、全然知らん。じゃあ、お休み」寝室に引っ込んでしまいました。イーディスにも心当たりはないそうですが、いかにも怪しい。

 ダーモットとリック、行方が分からなくなったままのラウルとスージーを探しに地下牢へ。あの部屋で鉄の処女をみたリック、「真紅の処刑人とやらはこれで処刑されたのに違いない」「なんだいこれは」ダーモットが尋ねます。「これは鉄の処女といってね、中を開けると鋭い剣や棘があって・・・」リック、鉄の処女の蓋を開けにかかります。「中に入れて蓋を閉じるとその剣が犠牲者の体に食いこ・・、わう、なんだ、これは」中から転がり出てきたのがスージーの死体であったという・・・。

 仰天したリックたちは地下牢から逃げ出します。リックは「ダーモット、君は警察に行け。僕はラウルを探すから」「よし、合点だ、君も気をつけるんだぜ」

ラウルを探すリック、と、彼は赤いタイツに上半身裸、そして赤いマスクの奇妙な男を見かけます。「怪しい奴!」と直感したリックはって、そんな格好をしてりゃ、誰でも怪しいと分かる(笑)。リックはそいつを追っかけるのでした。しかし、すぐに見失ってしまいます。ならばこの城の主人に会って、彼奴のことを聞こう。彼はきっと知っているのに違いない。リックは「ご主人は今誰とも会われない」と遮る部下をえいやと蹴り飛ばしてご主人の部屋へ。とそこにいたのは意外にもイーディスでした。

 そしてあっさりと主人の秘密を話すイーディス。「彼は私の婚約者だったトラヴィス(ミッキー・ハーガティ)よ。彼は数年前に失踪したの。その時は何故彼が失踪したか分からなかったの。おまけにこんな城で再会するなんて」確かに凄い偶然ですな。と、ここでモデルの一人、カニーニョ(モア・タイ)の悲鳴。駆けつけたリックが見たのは巨大なクモの巣状のワイヤーに囚われた彼女の姿でした。上から機械仕掛けのクモがぶーらぶら。さらにこの部屋には無数のワイヤーが張ってあり、それに触れてしまうと仕掛けてある弓から矢が発射されるという恐ろしい罠になっていたのです。カニーニョは叫びます。「このクモの足には毒が塗ってある。私はもう助からない、リック、あなただけでも逃げて!」

 リック、それでも「んじゃ、そうさせて貰います」と逃げる訳にもいきません(笑)。意を決した彼はワイヤーを避けてカニーニョのところへ行くべく床を這うように進み始めたのです。途中ボタンが引っかかって危うく矢が発射されそうになったりして実にスリリング。それでもじりじりと進むリック、もう少しでカ二ーニャを助けられるというところまで来たのですが、彼女はあっさりクモの足に刺されて死んでしまったのです。肩を落とした彼は様子を見に来たイーディスに「みんなを呼んで逃げろ。ダーモットが警察を呼びに行っているから、外へでて彼らを待つのだ」

 しかし、そのダーモットも既に殺害されておりました。首に矢が突き刺さったままのダーモットの死体を乗せて城の前庭をぐるぐる回り続ける車。おまけに城の扉は鍵が掛けられており、イーディス、マックスがいくら叩いても開けることはできません。彼らは完全に閉じ込められてしまったのです。

 一方ワイヤーの部屋を脱出したリックですが、彼は背後から忍び寄ってきた部下に一撃され失神してしまうのです。

 イーディスはトラヴィスの部屋へ行き、「全部あなたの仕業ね、あなたがみんなを殺したのね」トラヴィスはわははと笑って「私の完璧な肉体は俗な世間に耐えられなかった。孤独が欲しかった。女の愛情も邪魔だった。だからお前を捨ててこの城に来たのだ」トラヴィスは着ていたガウンを脱ぎ捨てます。その下から現れたのはもはや御馴染み、あの赤いタイツ。トラヴィスはカーテンをぱっと開きます。ああ、こ、これは真紅の処刑人の死体?人形じゃないか?トラヴィスは目をぎらぎらさせながら「いいか、これが真紅の処刑人だ。俺の理想の存在だ。お前達が不埒にも地下牢へ入って彼の封印を解いてしまった。俺は彼の精神を受け継いだのだ。今や俺が真紅の処刑人だ。みんな殺してやる」赤いマスクを取り出して頭につけるトラヴィスです。「よーし、いっちょぶわーっとやったるぞ」

 もうキチガイはしょうがないなあと(大笑い)。

 キチガイじゃなかったトラヴィス=真紅の処刑人はイーディスを閉じ込めると地下の拷問室へ。すでにナンシーとアニー、マックスが捕らえられています。女二人はぐるぐる回る筒に縛り付けられて、マックスは首に鎖を巻かれて首吊り状態。

 まずキチガイじゃなかったトラヴィスは女二人をいたぶりに掛かります。ぐるぐる回る筒の側にナイフが埋め込まれた柱がセットされておりまして、ナイフを手で押すと女達の方に向って突き出る仕掛けになっております。「それ!」ナイフが突き出てナンシーのブラジャーを切り裂きます。「ほら!」今度はアニーのブラジャーがやられた。「どうだ!」さらに突き出たナイフ、スージーとナンシーの胸を切り裂きます。たちまち血に染まる二人の上半身。酸鼻を極めるというのはまさにこのようなことを言うのでしょう。「うわはははは」哄笑するキチガイじゃなかったトラヴィス。「真紅の処刑人様の凄さを思い知ったか」

 たまらず叫ぶマックス。「やめろ、やめてくれ、お前はただの人殺しだ。真紅の処刑人なんかじゃない」これに怒ったキチガイじゃなかったトラヴィス。マックスの首に巻かれた鎖をぎりぎりと釣り上げてしまいます。「ぐえ、ぐえ、ぐえええ」マックス、足をばたばたさせております。

 一方、部下に殴られたリックはベッドで意識を取り戻します。「うーん」と伸びをした拍子に隣を見てびっくり。傍らにラウルの死体が寝かされていたからです。しかもベッドの天蓋には鋭い棘がつけてあって、吊り天井よろしくゆっくりと降りてきているではありませんか。リック、もがきますが駄目。彼とラウルの体はロープで縛られていたのです。どんどん下がる天蓋、あせるリック。彼はラウルの体をまさぐります。すると胸ポケットに良いものが。ナイフかと思ったら爪きりだ!リック、これを使ってロープをちまちま切り始めます。どんどん下がる天蓋、ちまちま切るリック、どんどん下がる天蓋、ちまちま切るリックって、いつまでやっとんねん!結局リック、爪きりでロープを切って寸前のところで逃げ出すのでした。

これ、フツーにナイフとかハサミでいいじゃないかと思うのですがねえ。なんで爪きりなのでしょうか。

 彼は同時にラウルの死体を蹴ってベッドから落としています。何気ない行為がこの後彼の命を救うことになろうとはむろん、神ならぬ身の知る由もありません。

 一方、拷問室ではキチガイじゃなかったトラヴィスが拷問を続けております。ナンシーを縛り付けて冷たい水をたらーり、たらり。アニーは特製のベッドに縛り付けられてぎりぎりと体を引き伸ばされるのでした。パーキンスは、ああ、鉄の籠に入れられて火あぶりだ。「ひーっ、やめてくれ、熱い熱い熱い」

 キチガイじゃなかったトラヴィスに閉じ込められていた部屋からようやく脱出したイーディス、止せばいいのに拷問室へ。そして火あぶりになっているマックスを見て「まあ、編集長がこんがりと」と叫んだのでした。この叫びを聞きつけたキチガイじゃなかったトラヴィスは彼女を捕らえてまた別の特製ベッドに縛り付けます。そのベッドの下にはかまどが作られてあって、燃える石炭を入れられるようになっているのです。イーディスは悲しげに「ああ、今度は私がこんがりと」と叫ぶのでした。

 この間城をうろうろしているリック。部下二人に相次いで襲われます。一人は素手でしたので、殴り合いの末に倒すことができたのですが、もう一人がいけない。ボウガン持って追いかけてきたのです。ばしゅっ、発射されたボウガンの矢は城壁の上に逃げ出したリックを捕らえます。哀れ城壁から落下するリック。

 戻ってきた部下の報告を聞いて「よし、邪魔者はやっつけた、あとは拷問三昧じゃ」とさらに張り切るキチガイじゃなかったトラヴィス。まずナンシーを殺害します。そしてアニーの背中に熱されてどろどろになったコールタールをたらーり、たらーり。「ひー、さっきは冷たい水で今度はコールタールなの、もう勘弁してよ」と苦悶するアニー。「わははははは」キチガイじゃなかったトラヴィスは次にイーディスのベッドの竈に石炭を大盛りサービス。「ひいい、熱い、熱い」イーディスもはや汗まみれ。

 このまま女二人は殺されてしまうのでしょうか。しかし、その時、リックの声が地下室へ響き渡ったのです。「お前らの所業、天は見逃してもこの俺がゆるさねえ」そして登場したのは真紅の処刑人。キチガイじゃなかったトラヴィスは「ああ、何だか分からなくなっちゃった。ここにいる俺は俺だけど、あそこにいる俺は誰なんだろ」「お前、何落とそうとしているんだ、粗忽長屋か」と叫んで真紅の処刑人の後ろから現れたのがリックでした。なんと彼は真紅の処刑人の死体だか人形だかを隠れ蓑に使っていたのです。

 「あ、あれ、ボス、俺、たしかにあいつを弓でやっつけましたよ」と首を捻る部下にリックは「バカめ、あれはラウルだ。彼の死体の俺の服を着せておとりにしたのだ」ああ、そうですか。

 当然始まるリックと部下の戦い。部下またもボウガンを発射。これがしゅーっと外れましてアニーの背中にぐさっ。冷たい水、コールタール、そして最後に矢。とことんついてない人です。「あ、しまった」と部下がひるんだところに鎖を持ったリックが飛びつきます。くんずほぐれつの挙句、首を鎖でぎりぎり絞めてついに部下をやっつけたのです。この間、不可解なことにトラヴィスじゃなかったキチガイ、もとい、キチガイじゃなかったトラヴィスは呆然と見ているだけ。二人で協力すればリックなんて簡単にやっつけられたと思うのですが。

 部下がやられた後になってようやくリックに飛び掛るキチガイじゃなかったトラヴィス。リックは「いつまでも貴様の思い通りにはさせん、正義は必ず勝つ」と叫んで彼を突き飛ばします。バランスを失ったキチガイじゃなかったトラヴィスは拷問具の毒針付人形に自ら抱きついてしまったのです。

 毒針に穴をあけられた自分の体を呆然と見つめるキチガイじゃなかったトラヴィス。「お、おれの完璧な肉体が毒に汚されてしまう。ああ、なんということだ」ばったり倒れてはい、おしまい。

 ラストでリックの言った台詞がいい。「もう僕にはホラー小説はかけないな。まさに事実は小説より奇なりだよ」もう、上手いね、どうも、山田君、座布団7,000枚ぐらいあげちゃってと歌丸師匠が叫んだところでエンドマーク。

カラー・スタンダード モノラル音声。画質は色のにじみが酷く見ていていやになってしまいます。音質は合格。せめてこれぐらいの水準は保って欲しいものです。国内盤 日本語字幕付。レトロムービーコレクション 有限会社フォワードのDVD

 エロの冒険者
       HOMEPAGE http://homepage3.nifty.com/housei/
      SFシネクラシックス 輸入DVDでみるSF黄金時代(笑)

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