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2007年10月25日 (木)

『Vudu sangriento』(『Voodoo Black Exorcist』 1973年)

 

Vudu sangriento』(『Voodoo Black Exorcist』 1973年)

 古代のミイラが蘇り、恋人が生まれ変わった女をひたすらに求めるというプロットは元祖ミイラの『ミイラ再生』と同じなのですが、さすがにイタリア映画。本家ユニバーサルの社長が顔色を変えて怒り出すような残酷映画となっております。

ここは数千年昔のナイジェリア。海で男がボートを漕いでおります。それに泳ぎ寄ってきた美女がボートに乗って男と抱き合い激しくキス、ぶちゅぶちゅぶちゅちゅちゅー。ボートが砂浜に着いてもその勢いは止まりそうもありません。放っておけば真昼間なのに砂浜でやってしまいそうです。しかし、幸いなことにここで女の夫が登場。砂浜で睦みあっている二人を見て「てめえ、俺のかかぁに何してやがんでえ」と激昂。槍を持って襲い掛かるのでした。

 間男と夫の戦いが始まります。間男は夫の槍を叩き落してしまいますが、夫はひるまず、今度は腰につけた鞘から蛮刀を抜いて振り上げた。でもこれもあっさり叩き落されちゃった(笑)。ならばというので素手で飛び掛ったのですが、今度はぼーんと投げられてしまいます。これで砂浜にどたっと倒れた夫、なんと、叩き落された蛮刀の上に落ちちゃいまして、これが胸にぐっさり。絶命したのであります。この罪で男、ヴードゥの魔術師であるガタネボ(アルド・ソンブレロ)は生きたまま棺桶に閉じ込められ鍾乳洞に埋葬、女ケニヤ(タニエカ・スタッドラー)はブードゥの儀式にかけられ首を切り落とされてしまったのです。

 ここでオープニングクレジット。

 舞台は現代(1973年頃ならん)に戻りまして、考古学者のケスリング博士(アルフレッド・メイヨ)が止せばいいのに、助手兼恋人のシルヴィア(エバ・レオン)、部下のフレイディなんかと一緒に探検に行ってガタネボの棺桶を発掘しちゃったのであります。あ、この探検や発掘の様子とかは一切出てきません、いきなり豪華客船に棺桶積み込んでいるところから始まりますのでご注意下さい。

 豪華客船でニューヨークまで休暇を兼ねて帰ろうという道行。他にカード占いの趣味を持つ奥さん、その夫、ロバート、なんだかよく分からないけれどもとにかく金持ちそうな太った男、その情婦のダンサーなど愉快な仲間がいます。カード占いの奥さんはカードをぱらぱら弄って「まあ、大変、恐ろしいことが起こると出たわ、あなた、船長さんを呼んで頂戴、用心しろって言わなくちゃ」ロバートはげんなりとした顔で「だから、カードはもうやめろっての」などと言っております。ところがどっこい、このいかにもいい加減そうな占いが現実のものになってしまう訳で・・・。

 ディナーパーティでダンサーが踊ったブードゥ風のダンスがガタボネを刺激したらしく、夜中にあの棺桶がいきなり開いたのです。よろよろと出てきたガタボネ=ミイラ男、まず手始めとばかりに船倉に積まれていた猫を籠ごと叩き潰すと(笑)上甲板に上がります。そしてほろ酔い加減で歩いていた乗客を殴り倒し服を奪ったのでした。と、ここで異変が起こります。乗客の服に着替えたミイラ、なんとその皺だらけの皮膚がだんだんと変化して通常の人間に戻ってしまったのでした。ミイラは続けてバーの船員を襲おうとしたのですが、その時歩いてきたシルヴィアを偶然目撃します。するといきなり画面が真っ赤になってあの海岸でガタボネとケニヤが戯れている場面が映ります。よく分からないけれども、これはシルヴィアがケニヤの生まれ変わりということなのでしょうか。ミイラ、何事かを決心し、そのまま棺桶へ戻ります。

 話は違いますが、多分、ミイラの着替えというのをやったのは世界でもこの映画が唯一ではないでしょうか(笑)。それにしてもミイラ、よく自分にぴったりのサイズの乗客を見つけたなあ。

 さて、翌日、せがまれて棺桶のミイラをカード奥さん、ロバートたちに披露するケスリング博士。そんな考古学的に貴重な標本が入っている棺桶をよくぱかぱか開けたり閉めたりできるよなあ(笑)。ケスリング、ミイラを見てドン引きの奥さんとロバートに「このミイラは指輪をはめています。これが無垢の金でして計り知れない価値があるんですよ」もう、誰かに盗んでほしい、いや、是非とも盗めと言わんばかりの余計な解説ですよ。これでのこのこ指輪を盗みにきたのがフレイディ(笑)。彼は夜に船倉に忍び込み棺桶を開けると指輪を取ろうとします。しかし、指輪はミイラの指に食い込んでおりなかなか外れようとはしません。フレイディ、棺桶に足をかけて力の限り引っ張りますって、だから貴重な標本にこんなことをしてはいけない(笑)。

 もう一生懸命にひっぱるフレイディ。とうとうミイラが目を覚ましていきなりビンタですよ。ミイラ、吹っ飛ばされたフレイディに馬乗りになると指輪のとがった部分で彼の首をぐさっ!そして「お前は俺の命令に従うのだ」ああ、フレイディ、ミイラの命令を何でも聞くゾンビになっちゃった。この後ミイラはまた人間に変身。シルヴィアの船室に忍び込むのです。しかし、このシルヴィアという女、部屋に鍵の一つも掛けないのかねえ。いくらなんでも無用心じゃないかねえ。ミイラ、彼女の部屋からあの鉈、自分達が酷い目に会わされる原因となったあれ、を発見、持ち去るのでした。ここではっと目を覚ますシルヴィア。「誰かが部屋にいたようだけど、夢かしら」

夢じゃない、ミイラだよ(笑)。

 鉈を奪ったミイラ、甲板で一人サイコロ博打に興じている船員に近づきます。そして、「次の目は7だ、その次の目は5だ」と次々と言い当てるのです。ミイラは仰天している船員に「後は4が三回続けて出る。それはお前が死ぬというサインなのだよ」船員、訳の分からぬことをいうキチガイめとむかっ腹をたてるのですが、とにもかくにもサイコロを振ってみる。すると彼のいった通り、3回続けて4が出た。ミイラは「ならばお前は死ね」鉈をぶんと振り下ろすと船員の首がちんぴょろすぽーんと転がるという・・・。

 ミイラは満足げに笑って「ケニヤ、復讐は果たされたぞ」 なんとあの船員、ケニヤの首を切った処刑人の生まれ変わりだったのです。なんだか生まれ変わりばっかり乗っている船です。

 翌日、首のない死体が見つかって大騒ぎとなる豪華客船。船員総出で乗客の船室まで含めた捜索を行うのですが犯人は見つかりません。シルヴィアは船員殺しに使われた凶器が自分の船室にあった鉈であることを知って戦慄します。「やっぱりあの時誰かが私の部屋へ来たのね」さらにこの頃から、シルヴィアは海岸で戯れる男女の幻影を見るようになります。彼女の前世の記憶も蘇りつつあるようです。

 その夜またもミイラがご出勤。彼はあろうことか船員の首を「私はお前のために復讐を果たした。これがその証拠だ」って眠っているシルヴィアの隣に置いていくのです。当然ながら目を覚ましたシルヴィア、この首を見つけて「ぎゃああああああ」と物凄い悲鳴を上げるのでした。

ミイラはシルヴィアの部屋から逃走します。途中捕まえようとした船員を二人、あっという間にのしてしまいます。まったく凄い力です。しかし、彼はこの時うっかりとあの大事な大事な秘密の指輪を落としてしまったのでありました。

 これでまたまた豪華客船は大騒ぎ。翌日到着した港で警察からドミンガス警視(フェルナンド・サンチョ)が派遣されます。このおっさん、始終扇子でぱたぱた扇ぎながら、「まったく暑いですな、ほんま、かなわんわ」とボヤく面白いキャラクター。いかにも暢気そうな人ですが、その外見とは裏腹になかなかのやり手のようです。この港でケスリング博士は空港へお出かけ。ここで合流する予定になっていた研究仲間のクレイグ博士を迎えにいったのですが、なんと、ミイラ、フレイディと共に先回りしてクレイグ博士を捕らえ、殺してしまったのです。ミイラは車で待っていたケスリング博士の隣にどっかと乗り込んで「騒ぐな、騒ぐと殺す」驚いたケスリング博士が「一体君は何者なのだ」と聞くと、ミイラ、にやりと笑って、「ふふふ、あんたの研究に役立つ男とだけ言っておこうか」ミイラの癖に意外とカッコいい台詞を言いますな(笑)。

 クレイグ博士の殺害方法というのがまた残酷でびっくりさせられます。ミイラが空手チョップでクレイグ博士を気絶させた後、フレイディがローラー車でぐしゃあと引き潰してしまうのです。クレイグ博士、文字通りのぺっちゃんこ。どうしてそう目立つことするかね。

 ミイラはクレイグ博士に成りすまして客船に乗船します。それからしばらくのんびりと船旅を楽しむミイラ。プールでシルヴィアに「今の君の名前はなんというのだ」と意味深なことを言ったりケスリング博士に自分はミイラであると正体を明かして、古代のブードゥ教儀式について説明したり。ミイラ、「いいかね、ブードゥの儀式には三つの段階がある。まず、神を呼ぶ、そして神の到着を確認する、生贄を捧げる、の三段階だ。これをブードゥ三段活用という」ケスリング博士、このつまんない冗談を一生懸命メモなんかしております(笑)。

 ところがついに指輪をなくしたツケが巡ってきた。シルヴィアと夜の海を眺めながらいいムードになっていたのに、突然、ミイラのミイラ化が始まったのです。ミイラは船室に逃げ込み苦悶します。そして自分の醜い姿を見ないで済むように鏡を割って荒れ狂うのです。ミイラは様子を見に来たケスリング博士の喉元捩じり上げて、「てめえ、早く俺の指輪を探すのだ」これでまた大騒動になるかと思いきや、ケスリング博士、船長の部屋を探してあっさり指輪を見つけてしまうのでした。なんだ、拍子抜けだな。

 次の港に到着します。この街ではなんと、ケスリング博士とミイラのテレビ出演が予定されていたので(笑)博士は棺桶と一緒に下船。テレビ局に向うのです。その博士にまとわりつくドミンガス警視。「空港で人が殺されましてん。この船にのる予定の人やったんやけど、あなたはあの日空港へクレイグ博士を迎えにいきはりましたなあ、何か知りませんかな」当然ながら首を振るケスリング博士。今の彼は最早ミイラを失う訳にはいかなかったのです。

 ケスリング博士とシルヴィアはテレビ局へ。ミイラとフレイディも何故かついてきます。そしてミイラ、番組がブードゥの儀式を見世物にしていることに怒ったのか、ここでモニターを見ていたおっさんと、儀式で踊っていたダンサーの二人を殺害したのであります。そうとは知らずテレビ番組に出演する博士。そして棺桶をカメラに向って開いてみせるのです。中にはちゃんとミイラがいる。ミイラから人間になって殺人を犯し、またミイラに戻って棺桶に入る。これぞ完全犯罪ってちょっと違いますか。

 新たに起こった二件の殺人事件。ドミンガス警視はダンサーの体についていた犯人の血の分析結果を聞いて仰天します。「なんやと、数千年前の血やと、そら、ほんまか」ドミンガス警視、この時点でミイラを怪しんだらしい。彼はテレビ局に部下のサムをやってあの棺桶を見張らせたのです。はたしてサムがモニターで監視しているとも知らず棺桶を縛っている鎖をフレイディが解いた。サム、びっくりして警視に電話します。警視、えらいケンマクで「ええか、棺桶から何か出てきたらすぐにズドンと撃つのや、ためらったらいかんで」続いて棺桶からミイラ、でたぁ。サム、逃げたミイラを追いかけます。

 ミイラが外へ出たところでサム、何を考えたか非常用の消火ホースで水をばーっと掛けるという・・・。ミイラが乾燥しているからふやけさせるつもりなのでしょうか(笑)。ミイラ、木の箱をサムに投げつけてホースの水をそらし、その隙にまた逃げてしまいます。ホースを放り出して追いかけるサムでしたが、ミイラが崩した荷物の下敷きになってしまいましたとさ。

 この間フレイディはホテルの部屋でお風呂に入っていたシルヴィアを拉致します。お風呂ですから、当然裸。オッパイ見えてます。最後の最後でいらんサービスをしますな。フレイディはミイラと合流。彼が生き埋めにされた鍾乳洞へ向うのでした。どうやら、ミイラ、シルヴィアと一緒にここで永遠に眠ろうというつもりらしい。シルヴィア、いかにケニヤの生まれ変わりといえどえらい迷惑であります。

 ドミンガス警視はたくさんの部下を引き連れてケスリング博士と共に彼らを追跡します。そして鍾乳洞へ突入。部下達、マシンガンやうわあ、火炎放射器まで持っているぞ。これで映画のラスト丸わかりです(大笑い)。

 ミイラ、意識を取り戻したシルヴィアに「覚えていないだろうが、君と私はかって愛し合っていたのだ」数千年前のことですからね、今更そんなことを言われてもシルヴィア、きょとんとするばかりですよ。「私はようやく君をみつけた。もう放さない、これからは永遠に一緒だ」

 迫る警官隊。フレイディは隙をみて博士に飛び掛り殺害したのですが、そのとたんにマシンガンの乱射を浴びてこれまた死亡。この時点で映画は残り2分。2分でどうやってシルヴィアを助け出してミイラやっつけるんだと心配になったのですが、これはまったくの杞憂でありました。火炎放射器を持った部下、ミイラを見つけるなりシルヴィアもろとも焼き殺してしまったからです(大爆笑)。なんだ、これ、ひでー。

 豪華客船を舞台にするというアイデア、ドミンガス警視の面白いキャラクターなど見るべきところはあるのですが、この残酷なラストで全てが台無し。実際、おれ、こんなの見るの初めてだぜ。

 カラー、モノラル音声。画質は色が退色していますが、ノイズが少なく見やすい画調です。音質も台詞がクリアー。英語の吹き替えがとても聞きやすい。13枚組みのDVDボックスセット50 Movie Pack: Drive-In Movie Classics の一本。Digital 1 StopDVD

 エロの冒険者 

       HOMEPAGE http://homepage3.nifty.com/housei/

      SFシネクラシックス 輸入DVDでみるSF黄金時代(笑)

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