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2007年11月30日 (金)

『エイリアンドローム』(『Alien Contamination』 1981年)

 

『エイリアンドローム』(『Alien Contamination』 1981年)

イタリアの『エイリアン』パチモン映画であります(笑)。しかしその割にセットは上手く作ってあるわ、ニューヨークから南米へと舞台が変わるは、なかなか派手で安っぽさを感じさせません。パチモン映画とはいってもかなり良く出来た部類なのではないかと思います。

マンハッタン沖で発見された漂流貨物船カリビアン・レイディ号。ヘリコプターで上空から調べてみると船体には何の損傷もないのに上甲板にまったく人がいない。こらあ、えらいこっちゃということで港に引き入れて調査が入ります。その調査を担当したのがニューヨーク警察の警部トニー・アイリス(マーチン・マッセ)とその部下達。どうも船内で疫病でも発生したのではないかという疑いがあったものですからそっち方面の専門家ターナー博士(カルロ・モンニ)も呼ばれます。みんなで防護服を来てさあ、出発だ。

 しかしブリッジにも船室にも人がいません。航海日誌を読んでみても何の異常もなし。どうやら変事は瞬間的に乗組員たちを襲ったようです。食堂のテーブルには食べかけの食事がそのまんま残されており、軽薄な部下が「わはは、これはあれですな、マリー・アントワネット号みたいですな」「馬鹿、マリー・セレスト号だっての」と警部に突っ込まれるギャグ。しかし、ついに船員が見つかります。あるロッカーを開けたとたん、ごろんと死体が転がり出てきたのです。しかもその死体はぐちゃぐちゃ。みんな、仰天して「な、なんじゃ、こりゃ」

 この後続々と見つかる死体。それもみんな腹部が内部からの圧力によってはじけていたり、死体そのものがばらばらになっていたりでもう酷い有様であります。ターナー博士、「こら、疫病じゃないですよ、えらいことだ」そんな中、部下より不思議な知らせ。「貨物室にヘンなものが積んであります」このヘンなものというのがコーヒーの箱に入っていたラグビーボール状の物体。これが貨物室に満載されていたのです。思わず「卵みたいだな」と呟く警部。ここで博士が世界一余計なことをやらかした。彼はパイプの下でぴかぴか光っている卵を発見したのです。「ウウーム、これはもうすぐ孵化するんじゃないですか、このパイプはなんだろう、アチッ、水蒸気が通っていて熱い、分かった、卵は熱で孵化が促進させられるのだ」博士、よせばいいのに、「よーし、これを一つ持って帰って調べてみよう」その卵を持ち上げた瞬間、ばちーん、卵が弾けました!卵から出た汁を浴びた博士と部下達、次々に「ギャアー」「グワー」「ヒーっ」と悲鳴を上げながら腹が爆発。死んでしまったのです。生き残ったのは警部一人だけ。

 あの乗組員達はみんなこの卵のような物体にやられたのでした。

 知らせを受けた国家保安局は直ちにカリビアン・レイディ号と埠頭を封鎖。警部を地下施設に隔離します。ここに呼ばれてきたのが特殊部門NO5のステラ・ホームズ(ルイズ・マーロゥ)であります。女ながら大統領直属機関のNO5で大佐を勤めるという何だかよく分からないけれどもとにかくえらい人。彼女はアイリス警部から卵状の物体について聞き出すと、「もう、面倒くさいから貨物室ごと冷凍しちゃいましょう、すぐに手配して頂戴」何しろえらい人ですからこんな凄い命令もすぐさま実行されて氷づけになるカリビアン・レイディ号であります。

 ちなみにこの時アイリス警部はガラス張りの隔離室に入れられております。汚染を防ぐためというので服も没収。「えー、服返して貰えないの?あ、そうだ、クレジットカードや財布はどうなるの、免許証だって、警察のバッヂはどうするのよ、えー、こっちも返してもらえないの、そんな」と呆然とするのが面白いですな。警部はこれ以降、ステラに請われてこの事件で助手を務めることになります。

 凍らせた卵状の物体を一つ採取して早速研究開始。女科学者(ブリジッテ・ワーグナー)はステラたちに説明します。「これは卵ではありません。バクテリアの集合体です。これが熱で変異し致死性のものに変化するのです」彼女はマジックハンドを使って物体から汁を採取。これをマウスに注射します。「いいですか、よーく見てて下さい」いきなりマウスが爆発。おいおい、これ妙にリアルだけどまさか本物吹き飛ばしているんじゃないだろうな(笑)。

 これは大変だと真っ青になるステラ。「これをニューヨーク中の下水に置かれたら大変なことになるわ。下水は温かいから変異が一気に進んで爆発する。そうしたらニューヨークは一晩で壊滅よ」そうかなあ()。さあ、急いで手を打たなければということでこの船の受け取り人となっていた輸入貿易会社の倉庫を急襲します。倉庫を警備していた人相の悪い男達と激しい銃撃戦。なんとか制圧して中に入るとそこはカリビアン・レイディ号の貨物室と同じくコーヒーの箱で一杯。全部あの物体入りです。さあ、生き残りの男達を捕まえて白状させようとしたその時、男の一人が物体に向って銃を発射。爆発してみーんな弾けてしまいましたとさ。

 犯人を捕らえて口を割らせることができなかった大佐、かんかんになって「物体をみんな火炎放射器で焼き払いなさい」熱で変異するのだから火炎放射器はヤバイのではないかと思いますが、何しろえらい人の命令ですから絶対です。たちまち倉庫ごと焼き払われてしまいます。

 さて、研究結果の第二弾が発表されます。女科学者が「この物体の組織組成は珪素です。ゆえにこれは地球のものではありません」これを聞いた大佐、「は、そう言えば火星探検の宇宙飛行士が何かヘンなことを言っていたわね」とピーンと来るという・・・。実はこの世界はすでに火星探検が成功していた世界だったのであります。大佐はその帰還した宇宙飛行士ハーバート(イアン・マッカロック)が「俺は火星で卵のようなものを見たんだー」と証言していたのを幻覚と決め付けたという過去があったのです。その後彼は退職して行方知らずになっていましたからなおさらバツが悪い(笑)。
 
 こりゃハーバートの方が正しかった。何も見ていないと証言していたもう一人の宇宙飛行士ハミルトン(ジークフリート・ラウヒ)の方が偽証していたのだ!急いでハーバートの行方を捜し会いにいく大佐。安アパートの一室で「うーい、ひっく。なんだ、お前、何しにきたのら、ひっく」と酒に溺れていたハーバートに例の物体の写真を見せるのでした。「なんらこれはひっく、お、お、おれが火星で見たやつだ、ういー」「これはアメリカ、ニューヨークで見つかったのよ」「な、なんらって」「教えて、一体火星で何を見たの」

 ここから火星探検の回想場面。極冠近くに降りたハーバートとハミルトン、うろうろ歩くうちに洞窟を見つけます。中に入ってみると洞窟の中には無数の例の物体があったという・・・。この辺、元ネタの『エイリアン』とあまりに似すぎた絵ですが、皆さん、もうオトナなのですから余計なことは言わないように(笑)。この時物体が光を発します。これに魅入られたのがハミルトン、どうやら、何らかの催眠暗示のようなものを掛けられたらしい。

 ちなみにこのハミルトン、半年前に自家用飛行機の事故で死んだことになっております。

 大佐はハーバートに協力を依頼。最初は渋っていたハーバートですが、大佐に、「今のあなたは瓦礫のようなもの。でも私には見えるわ、瓦礫の下にいる男が。人類で初めて火星へ行ったほどのガッツがある男が」「うるせえ、このドブス」げしーっと大佐の頬桁張り飛ばします。「分かったよ、行けばいいんだろ、行けば」

 大佐、ハーバートとアイリス警部を連れてカリビアン・レイディ号の出発地点である南米に向うことになりました。

早速飛行機で南米(コロンビアならん)に飛ぶ三人。しかし、彼らの来訪はすぐさま察知されてしまうのであります。唐突に登場するもと火星探検宇宙飛行士のハミルトン、死んだ筈なのだから、もうちょっと勿体つけて出てきなさいよ(笑)。彼に愛人かつ火星卵製造組織NO2の女ペルラ・デ・ラ・クルツ(リサ・ハーン)が空港で撮影したと思しき三人の写真を見せるのです。ハミルトンは「むむっ、この女はステラ・ホームズ大佐だ。早くも特殊部門NO5が動きだしたか。この中年の冴えない男は、これは警察だな。三人目は、ふふふ、我が旧友ハーバートよ」

 デ・ラ・クルツ、嫣然と微笑んで「彼らをせいぜい歓迎してあげますわ」

 ホテルにチェックインした三人、さっそく卵の捜索計画を立てます。ステラとアイリスは車でコーヒー豆を出荷した工場をへ直行。ハーバートは飛行機を使って上空から卵の製造場所を探すことになります。この後、長旅の疲れを癒すべくシャワーを浴びるステラ。あ、何者かが侵入してきたぞ、ステラ、シャワーの音で気がつきません。危うしステラ、『サイコ』以来シャワーを浴びる女は狙われるものと決まっているんだ(笑)。と思ったらバスルームのドアをロックして出て行ってしまう侵入者。ここでようやく気がついたステラ、シャワーを止めてバスタブから出てきます。どうしたのかしらとバスルームを見渡すと、がーん、あの卵が置いてあった。しかもこれは黄色く光って爆発寸前。爆発すれば狭いバスルームの中で逃げ場がないステラはあの激濃汁を浴びて体が弾けてしまいます。ドアはロックされている、卵は爆発寸前、恐怖に駆られたステラ、ドアをどんどん叩いて必死に助けを求めたのでした。

 しかし、なんですな、あの汁さえ浴びなければ良いんですから、何もこんなに慌てることはないと思うのですが。バスタブに隠れてシャワーカーテンを閉じてしまえば問題ないんじゃないか(笑)。

 その間、男二人はどうしているかと言うと、「んー、お腹減ったな、飯どうする?」「ホテルのレストランで食う?それとも外に出るかい」なんて暢気なことを言っていると。そうしてさんざん観客をじらした挙句、ようやく助けを求めるステラの声に気がつくのです。「どうした、ステラ」ドアを破って彼女の部屋に飛び込むハーバート。彼はバスルームから声が聞こえてくるのに気がついてそっちのドアも蹴破ります。ステラを引っ張り出した瞬間、卵が爆発。まさに間一髪のところでありました。

 もう一つ、何もバスルームに侵入したのだから卵を置いていくなんて手間はかけず、その時にナイフやピストルでステラをやってしまえば良かったのにと思います。

 卵が爆発した瞬間、びくりと身を震わせるハミルトン。なにやら彼と卵は精神的な繋がりがあるようであります。食事中だった彼はぱたりとフォークを落として「むむ、ぺルラ、お前の作戦は失敗だ、卵は爆発したけどステラは生きている!」

 さて、翌日、予定通り作戦を開始する三人。ハーバートはセスナで飛び立ち、アイリスとステラは車でコーヒー工場へ。アイリスは運転しながら、「ステラ、まずいよ、頭の内側から何かが引っかいているような気分だ。嫌な予感がするよ」この予感がぴたりと的中。コーヒー工場でオーナーであるというデ・ラ・クルツに面会し、「カリビアンレイディ号でコーヒーを出荷したのはあなたの会社ですな。我々もそのスペッシャルなコーヒー豆を買いたいと思っているのです」と申し込んだまでは良かったけれども、その後はまんまと倉庫に誘い込まれ、マシンガンで武装した男に囲まれてしまったのです。

 この時セスナで飛行中のハーバートにも危機が迫ります。突然セスナのエンジンが故障してしまったのです。やむなく都合よくあった空き地に不時着を試みるハーバート。実際はフツーに着陸しているのを効果音と音楽で誤魔化しているのですが(笑)。運よく不時着に成功したもののガンと頭を打って失神してしまったのでした。

 「やっぱりあんたたちの仕業だったのね」こう叫ぶステラにデ・ラ・クルツは「あら、一人ではなくってよ」にやにやしながらハミルトンが登場するという・・・。息を呑むステラとアイリスです。「あんたは死んだ筈じゃなかったの」「そう見せかけただけさ。さあ、あんた達は私のゲストになって貰おう。あ、ハーバートも私らの方で世話させて貰ったから。もう彼は残念ながら死んでいるよ」そのまま連行され監禁されてしまいます。

 しかし、死んではいなかったハーバート、ハミルトンたちはどうもこの当たりの詰めが甘いですなあ。部下を派遣して止めを刺せばよかったのに(笑)。彼は失神から目覚めると飛行機の外へ出ます。そこは広大なコーヒー豆プラントでありました。ハーバートはアテもなくさ迷ううちに腹を撃たれた現地の人を見つけます。彼は苦しい息の下から、「ホワイトゾンビ、ホワイトゾンビにやられただ・・・」といい残して絶命。このホワイトゾンビというのが何だったのかと申しますと、これが白い防護服、ガスマスクをつけたハミルトンの部下達であったという・・・。彼らはこのコーヒープラントで保存されていた卵を採取していたのです。ハーバート、彼らの一人を背後から殴り倒して防護服を奪います。そのまま一味に成りすまして採取隊のトラックに乗り込みコーヒー工場へと運ばれたのでした。

 さて、ハミルトン、ステラとアイリスを監禁場所から引っ張り出し「ふふふ、君たちをサイクロップスに会わせてあげよう」二人を連行します。途中通ったのが卵の倉庫。ガラスケースの中に無数の卵が並んでおります。ハミルトンは得意満面に「これらの卵は数日中に全世界へ向って出荷される。これで地球人類もおしまいよ、ぬは、ぬは、ぬははは」アイリスは「地球人類はおしまいよってお前も地球人類の一人じゃないか」とツッコムのですが、ステラは首を振って「まだ、分からないの、もうハミルトンは人間じゃなくなっているのよ」

 さらに地下へ降りるハミルトン。彼らの前に現れたのは一つ目玉の巨大な、例えて言うならばバイラスのような怪物でした。「これがサイクロップスさまよ、我がマスターよ、火星から小さな種で持ってきたのがこんなに巨大になったのだ。このマスターが卵を作ったのだ」ぴかぴか、ぴかぴか!サイクロップスの目玉が光ります。この光に囚われて棒立ちとなるアイリス。「ほれ、マスターがお前を呼んでおるわ、いかんかい」ハミルトンに背中を押されたアイリス、よろよろと怪物に向って歩き始めました。

 その頃首尾よく工場に潜入を果たしたハーバート、隙をみてデ・ラ・クルツを捕まえます。そして銃を突きつけ「卵はどこに保管されているのだ、きりきり教えんかい!」デ・ラ・クルツ、少しも慌てず、「あら、ステラと警部のお友達ね。ハミルトンが彼らを捕まえているわよ」「何、彼が生きているのか、まあ、いいや」意外な人物の意外な生存をまあ、いいやで済ませてしまうハーバートであります(笑)。「とにかく奴らのところへ連れていけ!」

 怪物へ向って歩き続けるアイリス。ついに怪物の腕が唸って彼を捻り殺してしまいます。それから怪物はにゅっとチューブ状の口を伸ばして彼の死体を飲み込んでしまったのでした。この時飲み込みながら全身の骨を砕いているらしくばきばきと音がするのがとってもイヤ(笑)。その後またぴかぴかと目玉を光らせる怪物。今度はステラが囚われます。「ほら、今度はお前の番だ、さあ、行かんかい!」ステラ、しずしずと歩き始めるのでした。

 一方例の卵の倉庫へさしかかったハーバートとデ・ラ・クルツ。彼女はぱっとハーバートの手から逃れると作業員に向って「侵入者よ、殺して」たちまち巻き起こる銃撃戦。少なくみても110ぐらいの銃撃戦なのですがハーバート、強い、強い、たちまち全員を射殺してしまったのです。これを見たデ・ラ・クルツ、悲鳴を上げながらサイクロップスがいる部屋のドアへ逃げるという・・・。ハーバート、にやりとして「そうか、みんなあそこにいるんだな」デ・ラ・クルツのお馬鹿(大笑い)。

 ハミルトン、侵入してきた二人に驚いて拳銃を発射。銃弾は命中します。デ・ラ・クルツの方に(笑)。ハーバートはそのままハミルトンに襲い掛かった。取っ組み合いがしばらく続いてついにハーバートは彼を殴り倒します。そしてステラに抱きついて引き戻すと「何時までもお前に好き勝手はさせん、正義は必ず勝つ!」と叫んでピストル発射。見事目玉に命中するのです。

 さあ、これでおしまいかと思いきやしつこくも立ち上がるハミルトン、んがあと叫んで二人を追おうとするのですが、いきなり腹が膨らんで爆発。ちゃんと内臓が飛び出てくる丁寧な特殊メイクが素晴らしい(笑)。同時に怪物も炎に包まれたのでした。

 地元の軍隊に助けられたハーバートとステラ 「もはや彼は人間ではなかった、あの怪物の生体端末のようなものになっていたのだ」「宇宙にはあんなものがまだまだいるのね、私なんだか怖い」と会話したところでエンドマークと思いきや舞台はニューヨークに変わります。忙しく行きかう人々や車、その街の片隅に山積みになっているゴミ袋。その中には例の卵が。これが爆発したところで今度こそエンドマークとなりました。

いや、面白い、面白い。パチモンでもこれくらいやってくれたら文句のつけようがありません。

カラー・スタンダード モノラル音声。画質は色の滲みが酷い。ただ暗部の再現はそれなりにできており、暗い中で何をやっているのか分からないということはありません。音質はややノイジーですが、ちゃんと台詞が聞き取れます。12枚のディスクに50本の映画を収めたNightmare Worlds 50 Movie Pack CollectionMill Creek EntertainmentのDVD。

           エロの冒険者 
       HOMEPAGE http://homepage3.nifty.com/housei/ 
      SFシネクラシックス 輸入DVDでみるSF黄金時代(笑)

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