« 『執念のミイラ(『Mummy's Ghost』 1944年) | トップページ | 『The Giant Claw』 (1957) »

2007年11月29日 (木)

『ミイラの呪い』(『Mummy's Curse』 1944)

 

『ミイラの呪い』(『Mummy's Curse』 1944

『執念のミイラ』事件から25年、マサーチュセッツ州メイプルタウンの沼に沈んだミイラがルイジアナの沼から出現するという空間的不条理に満ちたユニバーサル、ミイラ男シリーズの第5作であります。

 警告、警告、このDVDのリージョンは1です。したがって日本国内のDVDプレーヤーでは再生できません。警告、警告。

 最初に出てきたのがタンテ・バース・カフェ、バースおばさん(アン・コーディ)の酒場であります。そのバースおばさんがお客さんに歌を披露したりしてなかなかいい雰囲気。このお客さんたちは沼の灌漑事業の作業員たちであります。

 しかし、作業員たちは「沼の底にミイラ カリスとその王女アナンカが沈んでいる、その沼に手を出せば呪われる」という噂を信じ込んで大変怯えており、そのせいでなかなか作業が進みません。さらにアントンという作業員が沼の近くで行方不明になってしまったものですから、「ミイラにやられたんだ、俺たちもこのままだと危ないぞ」作業が完全にストップしてしまいました。現場監督のウォルシュ(アディソン・リチャーズ)はもういらいら。おまけにスクリプス博物館よりジェームズ・ハルゼー教授(デニス・ムーア)、イザール・ザンダブ教授(ピーター・コー)がやってきて、言ったことにゃ「この沼にミイラと王女が沈んでいる可能性が高い。我々に回収させて欲しい」ですって。当然ながらかんかんになるウォルシュ。「これ以上工事を遅らされてたまるものか、いかん、いかん、回収などさせんぞ」しかし、この直後、ウォルシュの部下であるグービー(ナポレオン・シンプソン)から行方不明だったアントンが殺されていたという知らせがもたらされたのです。

 この時怒り狂うウォルシュをなだめたのが、彼の姪であるベティ(ケイ・ハーディング)。早くもハルゼーといい雰囲気になりそう(笑)。ちなみに、イザール教授はどうみてもエジプト人であります。

 沼地で見つかったアントンの死体。彼の背中からナイフが生えていました。駆けつけてきた検死官のクーパー先生(ホームズ・ハーバート)は「むむ、わしの検死官生活30年の経験に賭けて誓う。これは間違いなく殺人だ」ってそれは見れば分かる(笑)。「むむ、何かヘンな包帯のきれっぱしがナイフについているぞ」しかも死体の近くには人間型の物体が埋まっていたような跡が!これはもう間違いなくミイラの仕業だということで作業員たち、もう工事どころじゃありません。

 さて、その夜、不可解な行動を見せるイザール教授。彼は夜陰に紛れてボートで沼を渡ります。そしてそこで会ったのがどうやら彼の部下らしい男、ラグハブ(マーティン・コスレック)でした。彼はイザールの耳に口を寄せて「例のものは丘の上の修道院跡に運び込みました。それから、邪魔者は消しましたぜ」なるほど、アントンを殺したのはこの男だったのです。例のものというのはもちろん、ミイラ。イザール教授の正体はミイラと王女奪回のために三度アメリカを訪れたアマン・ラーの高僧だったのであります。

 まあ、ミイラの映画にアッチの人が出てくる時点で丸分かりなのですが(笑)。

 修道院跡にはラグハブが言った通りにミイラの石棺、表面に人型の彫刻・装飾が施された所謂人型棺が二つ並んでおりまして、その一つにはもちろんカリスのミイラが入っております。イザール教授はタナの葉を三枚煮込んでそのスープをミイラに与えます。例によってむっそりと起き上がるミイラ。「よし、オマエは王女を探すのだ。そしてエジプトへ連れ帰り永遠の安息場所で王女に眠って貰うのだ」しかし、この人たちはこりませんな。何度も同じことを繰り返しますな(笑)。

 それからイザールは例のカリスと王女の物語を語り始めます。死んだ王女を生き返らせようとしてタナの葉を盗んだカリス。これがばれて捕まった彼は罰として舌を切り取られて包帯でぐるぐる巻きに。そしてそのまま棺桶に放り込まれて生きたまま埋葬されてしまったのでした。その後、また掘り出して王女の廟堂に運び込み、彼女の守護をさせたのです。ラグハブ、どうも同じ話を何回も聞かされていたようで、たいくつそう(笑)。あくびをこらえているようです。

 この時唐突に現れたのが修道院跡の管理人、マイケル。「お前ら、何やっているんだ、ここは立ち入り禁止だぞ、早くでていけぐっ」ミイラに首根っこをへし折られてしまいましたとさ。

 翌日、次なる変事が起こります。工事現場の泥の中から女が現れたのです。泥だらけの体を沼の水でとりあえず洗った女、ふらふらと歩き出します。なお、この女は泥の中に埋まっていましたが、ちゃんと服を着ておりましたので誤解のないようにお願いします。これを見つけたのが作業員のケイジャン・ジョー(カート・カッチ)、彼は女をタンテ・バース・カフェに連れて行き、バースおばさんに世話を頼むのです。元来親切な性質のおばさん、医者を呼んだりベッドに寝かせたりして、彼女を介抱するのでした。

 しかし、この時ラグハブが王女を連れているジョーを偶然に目撃していたという…。

 イザール、ミイラにまたタナの葉を与えて「よし、行け、カリス、王女を連れてくるのだ。邪魔する奴は構わないからぶっ殺してしまえ」ミイラ出撃です。

ミイラ、アマン・ラーの導きもあって王女が匿われているバースおばさんの部屋へまっしぐら。有無を言わさず部屋に躍り込んでおばさんを絞め殺してしまいます。悲鳴を上げて外へ逃げ出す王女。ミイラはおばさんの死体をぽいっと捨てると彼女の後を追うのでした。懸命に走る王女、しかし彼女は道路へ出たところで力尽きばったり倒れてしまいます。ミイラはしめたといわんばかりに彼女へ手を伸ばすのですがここで偶然通りかかったのがドライブデートしていたハルゼーとベティの車。こいつら、いつの間にか仲良くなってやがる。まったく近頃の若い者ときたら何でもやることが早くっていやになります(笑)。

 二人は王女を見つけてびっくり。「大変だ、クーパー先生のところへ連れて行かなくちゃ」車へ乗せます。ミイラ、脇からこそーっと手を伸ばしてベティを捕まえようとしたのですが、はい、無情にも車が走り去ってしまったのです。手を宙に伸ばしたまま呆然とするミイラが悲しい。

 さて、工事現場のテントに運び込まれた王女ですが、クーパー先生の「君は誰かね、どうしてあんなところにいたんだね」という質問に首を振るばかり。それどころか「私、自分の名前も何も覚えていないんですの」クーパー先生は彼女を記憶喪失だと診断して、十分な休養を取らせるようハルゼーにアドヴァイスします。

 クーパー先生はバースおばさんの検死も担当。「これは相当な力で絞め殺されたのだ」と言ってます。記憶喪失の女を診察したり、おばさんの遺体を調べたり田舎の医者は忙しくてかなわない(笑)。おばさんの死を悲しんだ労働者たち、「きっとこの仇は俺たちがとる!」と涙ながらに誓うのでした。

 王女は急速に回復。元気になってハルゼーの顕微鏡を覗いたりしています。ハルゼーがにこにこと「君は何を見ているんだい」と聞きますと、王女はミイラの布切れを見せて、「これはアメノフィス王朝のものね。この模様からカリスが着ていたことが分かるわ」ハルゼー仰天して「い、一体、君はなんでそんなことを知っているんだ」と叫びますと王女、一転して表情を曇らせます。「そうね、どうしてわたしは知っているのかしら」それはあなたが王女アナンカだからです(笑)。

 この時唐突にイザールがやってきました。彼の姿を目にした王女、うつろな表情になって「カリス、カリス」と叫ぶのです。そしてイザールが去るとまた元に戻って「あ、あれ、どうしたのかしら、私、ええ?私、カリスって呼んでいたの、もう訳分かんない」だから王女アナンカなのだからカリスの名前ぐらい呼びますって(笑)。

 イザール、王女の所在が分かったというのでその夜、再びミイラを送り出します。テントでベティと一緒に寝ていた王女、ミイラの足音に気づいて目を覚まし、外へ出ます。そしてミイラを見て「ひいー」よせばいいのにクーパー先生の診療所へ逃げ込んだのです。いきなりやってきた王女にクーパー先生びっくり。「これって夜這いって奴かァ?」と思ったとか思わなかったとか。勿論、そんなことはありませんで、王女は必死に、「カリスが来ます。私を連れ戻しに来ます。もう私、何が何だか分からない、まるで私の中に別の人がいるようだわ」クーパー先生、「おい、それは一体どういう意味かねぐ」いきなり踊りこんできたミイラにあっさり首をへし折られてしまいましたとさ。王女、その隙にまた逃げ出します。

 やたらに逃げる王女様ですね。

 さあ、アントン、バースおばさんに続いて三人目の犠牲者が出た。しかも女が行方不明。ウォルシュがついに爆発します。彼はハルゼーを事務所へ呼びつけて「お前達が来てからろくなことが起こらん」彼はベティに「おい、博物館に電報を打ちなさい。もう調査の許可は取り消すってな」しかし、今やハルゼーの彼女になっているベティは知らん振り(笑)。しかもハルゼー、「あれはミイラの仕業なんですよ。だから捕まえなくちゃならない、手伝ってくださいよ」と言い出したので、もうウォルシュの顔はまっかっか。「知るか、ばかもん!」出て行ってしまいました。

 ハルゼー達はウォルシュを放って、自分達で王女の探索に乗り出すのです。ジョーや、それにイザールもラグハブも何故か加わって捜索隊は総勢6名になりました。

 最初に王女を見つけたのは沼をボートで探していたジョー。ふらふら歩く彼女を発見し上陸して追いかけようとしたのですが、ミイラが登場。恐怖に顔を引きつらせながらライフルを乱射するジョーですが、当然ミイラには何の効果もありません。「うわああ、アッチ行け、お前ぐ」やっぱり首をへし折られてしまいましたとさ。この後三度逃げ出す王女。今度はベティのテントへ逃げ込みます。ベティ、意外な展開にびっくりして「あんた、どこにいたのよ、みんな探しているわよ」「アラカムの高僧が私を攫いにくる、助けて」一体何のこととベティが首をかしげた瞬間、ミイラ出現。ミイラはテントを叩き壊し、今度こそ王女を捕まえたのです。ミイラ、足取りも軽くあの修道院跡へ向います。

 テントの下敷きになってもがくベティ。「あー、もうイヤになっちゃう」ようやく這い出します。そこで初めて王女が攫われたことに気がついたのでした。「いけない、ハルゼーに知らせなきゃ、ハルゼーどこにいるの?」ここに絶妙のタイミングで現れたのがラグハブ、「わたしがハルゼーの居場所を知っています。さあ、私についておいでなさい」当然向う先はあの修道院跡ですね。

 ハルゼーはこの後のこのこやってきて「ああ、テントが壊されている、ベティがいない」と騒ぎ出すという・・・。遅いっての(笑)。彼はミイラの足跡を見つけて「そうか、ベティはミイラに攫われたんだ」全然違うんですけど。彼はグルービーを叩き起こして「ウォルシュさんにベティがミイラに攫われたと伝えろ」ハルゼー、足跡を追いかけます。ウォルシュもグルービーの話を聞いて「よーし、こうなりゃ全員で行くぞ」作業員引き連れて出動です。

 ようやく修道院跡に到着したミイラ、王女を石棺に寝かせます。イザール、彼女の唇にタナのスープを流し込んで「よし、このままエジプトへ、永遠の安息場所へ連れ帰るのだ」

 一方、ラグハブも修道院跡へベティを連れ込むことに成功します。「えー、こんなところにハルゼーいるの」ときょろきょろするベティ。フツー、もっと早く気がつくだろう(笑)。ラグハブ豹変して「げへへへ、ハルゼーはいないよ、お嬢さん、ええやろ、させんかい!」襲い掛かるという・・・。この騒ぎを聞きつけたイザールがやってきて、ラグハブのこの振る舞いに激怒。「こら、神聖なる場所で、何をしておる。何がええやろ、させんかいだ。呪われるぞ、お前ぐ」イザール、ラグハブに刺し殺されてしまいましたとさ。

 この時ハルゼーがようやく到着。再びベティに襲い掛かったラグハブに「こら、お前、やめろっての」二人の戦いとなります。ラグハブはナイフをハルゼーに叩き落されたのですが、代わりに壁の松明を取って彼をぼかり。昏倒するハルゼー。ラグハブは残忍な笑みを浮かべて止めを誘うとしたのですが、ここでミイラがやってきた。ミイラはイザールの死体を見て、さあ、怒ったね。ふんがーと唸り声を上げてラグハブに襲い掛かります。ラグハブは隣の部屋に逃げてドアに鍵を掛けるのですが、そんなことでミイラを止めることができる筈がない。ミイラ、壁をがんがん殴ってぶっ壊してしまったのです。その衝撃で天井が崩れて、大量の土砂がミイラとラグハブを埋めてしまったのでした。

 意識を取り戻したハルゼー、ベティを助けます。そしてウォルシュたちも到着。彼らは石棺の部屋で今や完全なミイラとなった王女を発見します。「そうか、彼女が王女アナンカだったのだ」ようやく気がつきましたか(笑)。そして、後から人数集めてミイラを掘り返し博物館に展示しようという計画が示唆されて映画はおしまい。

 本当にしょぼくなってしまったミイラ男。大変そうな特殊メイクでいろいろさせられたロン・チャーニィ・Jrが気の毒です。

モノクロ・スタンダード。モノラル音声。黒潰れが目立つのが気になります。全体に赤みががるのも『執念のミイラ』と同じ。音声は良好。英語字幕つき。『ミイラ再生』(『The Mummy』)『ミイラの復活』(『Mummy's Hand』)『ミイラの墓場』(『Mummy's Tomb』)『執念のミイラ』(『Mummy's Ghost』)『ミイラの呪い』(『Mummy's Curse』)を収録し たミイラ男・レガシー セット。 Umvd のDVD。

エロの冒険者 
       HOMEPAGE http://homepage3.nifty.com/housei/ 
      SFシネクラシックス 輸入DVDでみるSF黄金時代(笑)

|

« 『執念のミイラ(『Mummy's Ghost』 1944年) | トップページ | 『The Giant Claw』 (1957) »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 『ミイラの呪い』(『Mummy's Curse』 1944):

« 『執念のミイラ(『Mummy's Ghost』 1944年) | トップページ | 『The Giant Claw』 (1957) »