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2007年11月30日 (金)

『The Alpha Incident』1978

 

The Alpha Incident1978

 あのビル・レバーンが『アンドロメダ病原体』のような映画を造った!でも何しろあのビル・レバーン親父のやることですからまともなものになろう筈がありません。実際の映画もその予想を1億パーセント裏切らない本当に最低の駄作でありました。

冒頭、研究所のようなところでなにやらバクテリアみたいなものの研究をしている科学者二人、ジム(ポール・ベンツェン)とフランク(ジョン・アルダーマン)。彼らの会話からこのバクテリアみたいなものが、火星探査機によって火星から持ち替えられた未知のバクテリアであること。良く分からないけれども致死性である恐れがあること、そしてこのバクテリアをもっと研究するために列車でコロラドの研究所へ運ぼうとしていることなどが分かります。

 列車移送のことを初めて聞いたジム、「ええ?わざわざ列車で運ぶのか。そりゃ、危ない、やめといた方がいいよ」「そんなこと言ったって仕方ないじゃん、もう決まっているんだから、でも大丈夫だよ、ちゃーんと生物学者のテッド・ソーレンソン(スタフォード・モーガン)が秘密裏に付き添うから」フランクはここで溜息ついて「でもやっぱりこのバクテリア、できることなら火星に送り返したいよな」レバーンの映画らしからぬ上手い台詞であります。

 場面はぱっと走る列車に移りまして暗い中何やらやっている男が登場。これが例のテッド・ソーレンソンなのですがもう画面が真っ黒になって何やっているのか全然分からないの。どうやらバクテリアが積まれた貨車を点検していたらしいのですが、ひょっとして警備役はこいつ一人?火星探査で持ち帰ったバクテリアという国家機密にも比肩しうる重大なものを一人で見張るの?やい、いくらなんでもこれは酷いぞ、ビル・レバーン。ほら、あんまりテッドが荷物を気にするものだから、機関士のハンク(ジョージ・バック・フラワー)が「あれは金目のものに違いねえ」と勘違いしちゃったじゃないか。ああ、おまけにテッド、「ちょっと寝るから」と言って本当に横になって寝息を立て始めやがった、おっと、さらにいかにも取りなさいといわんばかりに鍵束落としたぞ。ハンクはこれを見て「はい、取らせて頂きます」とその鍵を拾いあっという間にバクテリアのキャニスターを開けてしまったという・・・。もう頭っからレバーン節炸裂!本当にムチャクチャだァ!

 ハンク、キャニスターに入っていた薬壜のようなものを不思議そうに眺めます。「なーんだ、こんなの、金になりそうにもないや」とここでつい、うっかりその壜を落として割ってしまったハンク。「アチチ、ガラスの破片で手のひら切っちゃったわ」

 ここでまたフランクとジムの研究室へ戻ります。あのバクテリアを注射したラットをみた二人は愕然。なんとラットの頭が吹っ飛んで脳みそばらばらになっているではありませんか。「やっぱりこれは致死性のバクテリアなのだ、危険が危ない!」戦慄します。

 さて、バクテリアを輸送している列車、ムースポイントという田舎の駅で機関車を交換することになっております。そのムースポイント駅にのんびりだらだら出勤してくる駅員たち。まずは駅長(だと思う)チャーリィ(ラルフ・ミーカー)、パートタイム事務員のジェニー(キャロル・アイリーン・ニューウェル)、作業員のジャック(ジョン・F・ゴフ)であります。この面々が揃ったところで列車が到着。ようやく目覚めたテッドは早速貨物車を点検、ハンクは事務所に行ってジェニーに「手ェ切ったんだけど、バンソーコーない?」と尋ねるのでした。ジェニーが親切にも彼の手当てをしていると血相変えたテッドが飛び込んできて「問題が発生したぞ」いきなりそんなことを言われても訳が分かりません(笑)。彼はさらに「私は車掌の振りをしていたけれども、実は生物学者だ。あの列車でちょっと特殊なものを運んでいたのだ」これを聞いて驚くハンク。「そういや、わし、昨日は箱開けたわ、中には薬壜みたいなのが入ってたけど、わし、それ一つ割っちゃったんだわ」

 テッドも愕然とします。「わし、割っちゃったって、あれ、病原体なんだぞ、大変なんだぞ、もうみんな感染しちゃったぞ。畜生、みんなここで隔離だ。誰もこの事務所から出たらいけない!」人家の一つも見えないような田舎の山の中で4人が巻き込まれた病原体汚染事件。あまりにもしょぼくって笑ってしまいますが、レバーンなのでこれくらいはいつものことなのです。

 しかし一癖も二癖もある登場人物たち。当然ながらいきなり隔離だと言われて納得するはずがありません。テッドがどこかのオフィスにいる将軍(レイ・スツマンダ)に電話しようとした隙を狙って早くもジャックが逃げ出します。電話を放り出したテッド、彼を追っかけて「やめろ、止まれ、逃げるんじゃない」それでも止まらないジャックにいきなり拳銃を発射。肩を撃って連れ戻すのです。

 次に逃げたのはハンク。「おれのせいでみんな感染してしまった、ごめんよー、ごめんよー」と錯乱して外に飛び出したのであります。また拳銃をぱあんぱあんと乱射するテッド。今度は足に命中した!しかしめげないハンク、足を引きずり引きずりついに逃げ延びてしまったのです。テッドはあわてて将軍に電話。「一人逃げました。足を撃ったので遠くにはいけないと思います。州軍を出動させて捕まえてください」将軍は直ちに州軍に命令を下します。「殺しても構わん、しかし死体はそのままにしておくんだぞ」ぜいぜい言いながら逃げるハンク。

 さあ、州軍の出動だ。ジープが来た、トラックが来た、装甲車が来た、戦車まで来た(大爆笑)。それでもハンクなかなか捕まらない。ぜいぜい言いながら森の中へ逃げ込みついに夜になってしまいました。ここでばたんと座り込むハンク。「寒いよ、寒いよ、ママーっ!」と絶叫。そろそろ病原体が効いてきたようで・・・。

 これでハンクがどうなったのかというとこれ以降まったく登場しなくなるのです(笑)。はい、ビル・レバーン、大した面倒くさがりですね。さて、ソーレンソンに将軍様から電話が掛かってきました。「はい、はい、え、そうなんですか、はい、はい、了解しました」電話を切ったソーレンソン、みんなに向き直って「俺たちはずーっと起きていなくてはならない」みんな唖然とします。いきなりなんだか分からないウィルスに感染した、危ないので隔離すると言われただけでも納得しがたいのに、今度は眠るなというのです。ジャックはさっそく「俺たちゃ雪山で遭難した登山隊の人か」とイヤミを言います(笑)。「いやいや、試験前の中学生か、締め切り間近の漫画家かってんだよう」

 ソーレンソンは彼のイヤミをまったく無視。「俺たちは起きていなければならない。眠ると死んでしまうのだ。無意識の状態ではウィルスが活性化して中枢神経を襲うのだそうだ」がーん、これで三人あっという間に大人しくなってしまいました。「明日、物資が補給される。覚せい剤も貰えるぞ。そしてこのウィルスを無力化する方法が見つかるまで頑張るのだ」そんなの無理に決まってますやん(大笑い)。

 さて、物資が届く朝まで起きていなくちゃなりません。そこで彼らがどうしたのかというと、ポーカーやったりコーヒーをがぶ飲みしたりという。しまいにはそれじゃ駄目というので4人で車座になって一人一人がお互いを眠らないように監視することになります。何故かみんな手にハリセン持っていてちょっとでも眠そうな様子を見せたら即一撃を食らわせようと身構えております。ここでチャーリーがちょっと目を閉じた。ぱん、ぱん、ぱん!続けざまに残り三人のハリセンが顔面に炸裂。可愛そうにチャーリー鼻血を出しております。呆然とした彼はみんなに「おれ、寝てた?」「うん、寝てた、寝てた」今度はチャーリーの番。彼は目もつむってないソーレンソンを一撃。カッとなったソーレンソン、「おれ、寝てないって」「いや、寝てた、寝てた」「いや、寝てないって、良く見てよ、寝るってのはこうなるんだよ」目をつむって見せます。「ほら寝た」と残り三人が叫んでぱあんぱあんぱあん。顔面を大きく腫上がらせたソーレンソン、「おれ、一応主人公なのにどうしてこんな目に遭うの」とカメラ目線でぼやくという・・・。

 この後ジェニーが車にトランプを仕舞おうとして外にでると聞こえてきたのが「ぎゃあああ」という悲鳴。ジェニーは「あれは動物よ」と言って無理やり自分を納得させるのですが、チャーリーはぶすりと「この辺にあんな鳴き方をする動物がいるもんかよ」どうやら、あの悲鳴はハンクのものだったようです。

 ここで久々に登場するジムとフランクの科学者組。顕微鏡を覗いたり試験管を振ったりしながら「火星の環境を再現できれば対策が見つかるかも知れないなあ」研究はちーっとも進んでないようです。

 翌朝、飛んできたヘリコプター、食料を投下します。しかし中に入っていたのは宇宙食と覚せい剤の錠剤。あとは排泄物を貯めるためのプラスチックバックなど。ジャックはまたも「おれ、ステーキ食いたかったんだけどな、なんじゃ、このチューブ、歯ぁ磨こうってのか」とイヤミ。相手にせずみんなに覚せい剤を配るソーレンソンです。

 さて、この後、ジェニーがネグリジェに着替えたり(笑)、ラジオ見つけたジャックが退屈しのぎに音楽をかけたり、それでコーフンしたジャックがソーレンソンが止めるのにも聞かず「わしゃ、もう38歳でリッパなオトナじゃ、人の指図受けるかいや」とウィスキーをがばがば飲み始めたり、ジェニーもコーフンしてソーレンソンを「踊りましょう」と誘ったけれども断られ「じゃ」ということでジャックと踊ったり、それでジャック、ますますコーフンして、「わし、あんたとヤリたいんですけど」と外へ出ていったり、そして本当にヤッたり、この時ジェニーのオッパイが見えたり、すっきりして戻ってきたジャックが棚をあさってチャーリーのエロ本(プレイボーイ)見つけて「うわ、なんだ、チャーリー、堅物ぶっているくせにこんなもの隠してるじゃないか、わあ、すげー、びらびら丸見えじゃん!」とからかったり、こういうどうでもいい出来事がだらだらだらだら続くのであります。

 ウソだと思うでしょう。こんな映画あるはずないと思うでしょう。でもレバーンならやるんです。彼はそういう男なのです。

 しかしついにその時が訪れました。チャーリーが疲れのあまり耐え切れずついうとうとしてしまったのです。今度はみんなのハリセンも間に合わずついに寝てしまうチャーリー。そしていきなり「ウワーッ」と叫んで立ち上がります。立ち尽くす他の三人の前で今度は床に倒れてぴくぴく痙攣。その頭がどんどん膨らんでついには二つの目玉がぽんと押し出されてしまいました。それでも頭の膨張はとまらず頭蓋骨が割れる音が響いたかと思うと脳みそがどちゃー。「ひー、俺、これ以上見たくねえ」とチャーリーの体の上にロッカーを倒しこむジャック。なんてことするんだお前は(大笑い)。

 続いてジェニーが「もう耐えられないわ」と叫んでいかにもお使いなさいとばかりに置いてあったソーレンソンのピストルを取って外へ飛び出します。そして自分の車に飛び込むと「ああ、神様、助けて」と叫ぶなり銃口を頭に押し当ててズドン、自ら命を断ったのであります。ソーレンソンとジャックはただ呆然とするばかり。

 ここで久々に司令室のつもりの部屋の椅子から一歩も動かない(笑)将軍様が登場。電話で「とうとう決断の時がやってきた」などと言っております。この謎めいた言葉の意味は・・・。

 ヘリコプターが飛んできました。落としていったのは手紙とカプセルが入った袋。ソーレンソンが手紙を読んでみますと「これが解毒薬です。用法用量を守って正しくお使い下さい」わっと喜んだジャック、これで助かるぞと速攻でカプセルを飲み下します。ソーレンソンも彼に習って飲もうとしたその時、ジャックはにわかに苦しみだしてばったり倒れ絶命してしまったのです。ソーレンソンは愕然として「なんだ、これは、毒薬じゃないか、治療法が見つからなかったので俺たちを殺そうというのか」

 しかし、効き目の早いカプセルだよなあ(大笑い)。もうちょっと効き目が遅ければソーレンソンも気づかずに飲んでいただろうになあ。

 朝になりました。ジープがやってきます。乗っているのは防護服に身を固めた検疫部隊。でも運転している兵隊はフツーのカッコだという・・・(笑)。そして倒れているソーレンソンとジャック。おや、ソーレンソンも結局カプセルを飲んで自殺したのでしょうか。いや、そうではありません。ソーレンソンが目をさましたではありませんか。彼は不思議そうに自分の体を見回して「おれ、寝たのに生きている、そうか、もうバクテリアは死んだんだ、良かった、良かった」と立ち上がったところで検疫部隊が発射した銃弾?光線銃?なにかパチパチ光るだけなので良く分からない銃で撃たれて即死するソーレンソン。はい、エンドクレジット。

危険な病原体をフツーの貨物列車でしかもたった一人だけの警備で輸送したり、山奥の駅で隔離だと喚いてみたり、逃げ出した奴は結局捕まらなかったり、その間も貨物列車に病原体が積み込まれたままだったり、もう見ていて疲れますよ、ほんと。

 カラー・スタンダード モノラル音声。画質はぼんやりしていて解像度感まるでなし。時々ビデオのドロップアウトみたいなノイズが入ります。例によって暗いところでは何をやっているのか分かりません。音質はノイジー。こんなのヒアリングする身になってみやがれと思います。12枚のディスクに50本の映画を収めたNightmare Worlds 50 Movie Pack CollectionMill Creek EntertainmentのDVD。

           エロの冒険者 
       HOMEPAGE http://homepage3.nifty.com/housei/ 
      SFシネクラシックス 輸入DVDでみるSF黄金時代(笑)

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