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2007年11月29日 (木)

『クリーピング・テラー』(『The Creeping Terror』 1964年)

 

『クリーピング・テラー』(『The Creeping Terror』 1964年)

はい、ついに見ることができました。SF映画史上最悪の呼び名も高い『クリーピング・テラー』しかも日本国内版で。こんなものが日本語字幕付のDVDで発売される、まったく良い時代?になったものでありますなあ。

夜、車を飛ばす二人の男女。ナレーションが「彼らの名前はマーティン・ゴードン(アーサー・ネルソン)とその妻ブレッド(シャノン・オニール)である。彼らは二週間前に結婚したばかりの新婚夫婦で、新婚旅行からの帰りであった。彼らは幸せの絶頂にあるのだが、この幸せが一瞬にして悪夢に変わるとは神ならぬ身の知る由もなかった」 ナレーションがばんばん喋って状況説明。それに反して出てくるキャラクターはほとんど喋らない。たまに喋ると台詞と口の動きがずれている(笑)。もうのっけから最低で駄目な映画と分かる親切な造りになっております。

 ゴードン、保安官ベンの甥っ子で、叔父の後を継ぐべく保安官補として日々頑張っているという人。同僚に幼馴染のバーニー(ブランドン・ブーン)というのがおります。

 さて、夜空からいきなり異星のロケットが降りて来た。降りてきたといってももちろん、これはフツーのロケット打ち上げのフィルムを逆回転させたもの。ナレーション、「しかし、周囲の人々はこれを飛行機事故だと思った。森林警備官のジェフが現場に向かい、その後からゴードンの叔父である保安官ベンも駆けつけてきたのである」ベン、途中でマーティンとブレッドの車に行き当たって、「おい、飛行機事故だ、お前たちも来い」とパトカーに乗せてしまいます。車は放り出しているし、ブレットもそのまま連れていくし、いいのかなあ、そんなことで。

 ちなみにこの時すっかり夜が明けております。なんだ、さっきのナレーション、「幸せが悪夢に変わる」って言っていたのにもう朝じゃないか(笑)。

 山の中にごろんと転がっている円錐形のロケット。もちろん、さっき逆回転で降りてきたロケットとはまるっきり形が違います。そのロケットの下ががーっと上にスライドして出入り口が出来ました。もごもご音がしてここから這い出してきたのが、まあ、なんと言いますか、ヒトデのような怪物で、その後にぼろきれ貼り付けた布がずるーっと伸びているという誠にカッコ悪いというか、みんなで徹夜して作ったら2日でできちゃったみたいな、とにかくひどいもの。よくもまあ、こんなのを恥ずかしげもなく映画にしますなあ。怪物、のそのそと歩いて姿を消してしまいました。

 ようやくベンたちが現場に到着します。しかし先発したジェフの姿はどこにもありません。車が残されているだけです。彼を探すうちに、ロケットを見つけた三人、「これは飛行機事故ではなかったのだ」そしてベン、よせばいいのに、ロケットの下に空いている出入り口から中へ入ってしまうのです。ゴードンとブレットは外で心配そうに待っています。と、いきなり動物のような唸り声、がおー、がおー。ベン、「うわあ、なんだこれは」拳銃を乱射する音、がおー、がおー、「ひいい、た、助けてくれ、ぎゃあああ」この悲鳴を聞くなり速攻で逃げ出すゴードンとブレット(大笑い)。ちょっとは叔父さんを助けようとしたらどうだね。

 一時間後、彼らの通報によってコールドウェル大佐(ジョン・カレシオ)指揮のアメリカ陸軍部隊が到着。部隊って大佐合わせて6人きり、しかもフツーのトラックの荷台に乗ってやってきたという・・・(笑)。彼らはロケット=宇宙船の中を調べなにやら奇妙な生き物が金属のハーネスで固定されていることを発見したのです。この生き物にジェフもベンもやられてしまったらしい。しかし、これは地球人類が遭遇する初めての地球外生命体だ、ロケットも我々のものよりよほど進歩している、調べにゃ損だということで英国から地球外生命体とのコンタクトを研究しているブラッドフォード博士(ウィリアム・ソールビィ)を呼ぶのです。

 そして、この宇宙船の件は公表せず、飛行機事故として処理するようマーティンたちに指示するのでした。

 その間ももそもそ動いている怪物、昼間っから森の中でやっているカップルを見つけて襲います。女ががっと怪物にのしかかられて「ギャー、助けて」男、速攻で逃げるという・・・だからちょっとは助けようとしたらどうだね(大爆笑)。女、怪物に飲み込まれてしまいます。ナレーション重々しく、「あの宇宙船が公表されていたら、こんな事件は防げたはずだ」そ、そうかなあ。

 この後ブラッドフォードが到着。宇宙船の中でなんだかごそごそやってます。この場面が何度も繰り返されるのですからイヤになってしまいますね。

 ここで唐突にバーニーを連れて自宅へ帰るゴードン。抜き足忍び足で台所へ行って皿洗いをしているブレットに「ワッ!」「きゃあ、あなた」そうして二人で暑苦しくキスをするのであります。こんな二人にバーニーはもう辟易。ナレーションは「バーニーはゴードンの結婚を快く思っていなかった。彼は独身主義者でいまもたくさんの女達とデートしていたのだ。それなのにゴードンはこうして一人の女に囚われている」バーニー、キスをしている二人を放っておいて帰ってしまいます。

 だから、この場面、映画に何の関係があるの(笑)。

 その後次々に人間を襲う怪物です。庭で洗濯物を干している奥さん、ベティ。夫と可愛い盛りの赤ん坊を持って大変幸せな毎日を送っていたのですが、この彼女を怪物が襲うのです。もっともベティが洗濯物を干している場面がだらだらえんえんと続いて、かったるいこと夥しい。そんなもん、省いてとっとと襲え!あ、ようやく怪物来てベティ食われてしまいました。次の犠牲者は川で釣りをしていたおじいちゃんと孫。まただらだら釣りをします。いい加減襲われるかと思ったら孫、釣竿放り出して「おじいちゃん、僕、散歩してくるよ」それで孫が襲われるのかと思ったらさにあらず、野原でトカゲ見つけてえんえん追いかけたりするのです。あー、もうめんどくさい、場面すっとばして、はい、おじいちゃんも孫もやられてしまいました、これでいいでしょ。

 ここでブラッドフォードが調査結果を発表します。「一つ、この宇宙船は太陽系外からきたものだ。一つ、船体を作っている合金は地球にはないもの。一つ、怪物は宇宙旅行中は仮死状態であった。一つ、コミュニケーションはまだとれない。どうも怪物の方で対話を拒否しているようだ」2日間の成果としては悪いものではありますまい(笑)。

 また人々を襲う怪物です。近くの野山で集まっていた若者達、そのうちの男女二人が目配せしてみんなから離れます。森の奥に行って、さあ、はじめようかというところで怪物出現。お、今度は話が早いですなー。あっという間に二人食われてしまいました。

 さあ、仲間の二人が食われたというのでギター持った男が憤激。「みんな、そこにいるんだ、動くんじゃない」と叫んで怪物に立ち向かいます。彼はギターを振り上げて怪物をがんがんどつくのですが、効果なし。あっさり食われてしまいました。残りの人たちは、ギター男の「みんな動くんじゃない」という指示を忠実すぎるほど守ってその場から動かない。この人たちも順番に食われてしまいましたとさ。

 あまりにも行方不明者が多いので、ついにマーティン、宇宙船の怪物がもう一匹いて人々を襲っているのではないかと思いつきます。彼は大佐にこれを報告。大佐は郡全体を捜索するよう命令を下すのです。

 ここでナレーションが「しかし遅かった。怪物はその時ダンスホールへ向っていたのである」これでね、すぐにダンスホールへ怪物が躍り込んで人々を食いまくるというならまだ話は分かる。ところがこの映画、モタモタすすむ怪物、でげでげとゴーゴーを踊りまくるダンスホールの若者達、を交互にだらだら延々と映すのですから呆れてものも言えない。おまけに宇宙船の中でなにやら調べるブラッドフォード博士まで加わって、怪物がダンスホールに着いたのは実にナレーションから5分を経過した頃だったという・・・。

 怪物を見て恐怖の叫びを上げる若者達。ここで唐突に殴り合いを始める奴らがおります。どうやらこのどさくさに紛れて女を攫おうとした男に彼氏が立ち向かったようなのですが、何の説明もないので良く分かりません。若者達に迫る怪物、ここでまたさっきとは別の二人が殴りあいを始めました。今度は「俺が先に逃げるんだ」「いや俺だっての」という争いだと思われますが、こっちの殴り合いもさっきと同じく何の説明もないのでさっぱり訳が分かりません。私が首を捻っている間、若者達はみーんな順序良く食われてしまいましたとさ。

 ぱっと場面が変わったらパトカーの中でマーティンがブレットとキスしてやがります。お前、怪物の捜索やっているんじゃなかったのか、真面目にやれ、真面目に。ここで大佐から連絡が入りました。「マーティン、ダンスホールで人々が襲われた。応援に来て欲しい」マーティン、ブレットをパトカーに乗せたまま現場に向うのでした。

 怪物の活躍は続きます。今度はデートスポットに車を止めて抱き合っているカップル共を一網打尽。カップルたちは食われたり、車ごと転がされたりして、もう阿鼻叫喚の地獄絵図。ナレーションが重々しく、「この惨劇を見たものはもう二度とこのデートスポットに行かないだろう」なんだ、そりゃ、ギャグのつもりか(笑)。

 ようやくコールドウェル大佐率いるアメリカ軍がフツーのトラックの荷台に乗ってやってきた(笑)。ブラッド・フォード博士も一緒です。博士は「なるったけ生け捕りにしてください」と大佐に頼みます。大佐は頷いて「よーし、お前ら、行け、怪物をやっつけろ」兵隊達、と言っても七人しかおりませんが(笑)荷台から飛び降りて怪物のもとへ。そしてライフルや拳銃を乱射するという・・・。生け捕りにするつもりまったくなし(大笑い)。しかし、もちろん、この攻撃はまったく効果がありません。それどころか、「どうぞお食べになってください」といわんばかりの密集隊形を取っていたので、あっという間にみんな食われてしまいましたとさ。この大損害に激昂した大佐、「ちくしょー、こうなれば手りゅう弾でぶっ飛ばす」「ちょっと、それはやめてー」と止めるのを「おら、どかんかい」突き飛ばすなり手りゅう弾をぽい。どかーん、大爆発が起こってさしもの怪物もばらばらとなりました。

 これで一件落着かと思いきやさにあらず、何を考えたか博士、怪物の死体を調べます。するとなにやら箱のようなものが。これを見た博士、いきなり走り出してトラックに乗り込み猛スピードで走り去るのでした。何がなんやら分からないけれどもとにかくパトカーで後をおっかけるマーティンとブレット。走るトラック、走るパトカー、これをまた交互に延々と映してもう、お前、大概にせえ(大笑い)。

 博士の目的地はもちろん宇宙船。しかし、中に入るなり大爆発が起こって博士、瀕死の重傷を負ってしまったのです。ドリフの爆発コントのように真っ黒になって這い出してくる博士。この爆発で拘束が解けた怪物が外に出て、博士を追っかけてきます。危ない、博士、絶対絶命。この時ようやくマーティンたちが到着。マーティンはそのままパトカーで怪物に体当たりを敢行、見事やっつけるのです。マーティンとブレットは博士を抱き起こすのですが、すでに彼は虫の息。それでも彼は必死に「あの怪物は実験体なのだ。あれは人類を食って分析し、弱点を見つけていたのだ。その情報は宇宙船の通信機を通じて彼らの星へ伝えられてしまう。止めなければ地球の危機だ」

 これを聞いたマーティン、宇宙船の中に飛び込んで拳銃の台尻でがんがん機器を叩き始めます。しかし、これは地球にはない未知の合金、地球の金属では壊れない。そこでマーティン、宇宙船の支柱をもぎとってこれでまたがんがん機器を叩く。どうやら支柱だけはやたらに壊れやすい材質で出来ている模様(笑)。マーティン、がんがん叩きます。いつもより余計に叩いております。フツーの映画ならここで器械が爆発するなどして、壊れたことを観客に伝えるのですが、そうした心遣いは一切なし。唐突に叩くのをやめたマーティンが宇宙船から出てくるだけ。そうしてナレーションが「通信機は壊れた。しかし、すでに地球人の情報は送られてしまったのだ」

 この後、マーティンは死にそうな博士に「これからどうなりますか」と尋ねます。博士、「彼らは遠い遠い星からやってきたのだ。ひょっとしたらもうその星の文明は滅びてしまっているかも知れない」な、なんじゃ、そりゃ。「この情報を元にまた地球に責めてくるかも知れない」ってどっちなんですか。

 ナレーションが続けて「今度は地球人類が奴らを撃退するかも知れない。しかしそれは神のみぞ知ることであろう」はい、エンドマーク。

 しかし、撃退するかも知れないって、今回の事件でもちゃんと怪物やっつけているじゃないですかねえってんだ。

 モノクロ・スタンダード モノラル音声。画質は黒浮きが酷いけれども、この手の映画とすれば上出来。。音声は歪みがあるものの、これもとりあえずは聞けるというレベル。まー、これで画質も絵もずだぼろだったらたまりませんけどね。国内盤DVD。『フレッシュイーターズ 人喰いモンスターの島』とのダブルフィーチャー。

エロの冒険者 
       HOMEPAGE http://homepage3.nifty.com/housei/ 
      SFシネクラシックス 輸入DVDでみるSF黄金時代(笑)

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