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2007年11月29日 (木)

『The Giant Claw』 (1957)

 

The Giant Claw (1957)

 わが国に東宝特撮の『ラドン』あれば米国には『The Giant Claw』ありとうたわれた大怪獣映画。巨大怪鳥のつくりが物凄くぞんざいなのですが、そこさえ目をつぶればなかなかの傑作?ですぞ。

  警告、警告、このDVDのリージョンは1です。したがって日本国内のDVDプレーヤーでは再生できません。警告、警告。

冒頭ぞんざいで巨大な爪と羽が映ります。これに被せてタイトル、オープニングクレジット。そして登場したのはアメリカ軍の北極レーダー基地であります。そのレーダーの性能を試験するべくF-80シューティングスターを飛ばしているのが本作の主人公、電子技術者でパイロットのミッチー・マクマフィー(ジェフ・モロー)、レーダー基地で彼の飛行を見守っているのが恋人兼数学者のサリー・コールドウェル(マラ・コーディ)。順調に飛行を続けるシューティングスターでありましたが、突然ナレーションが17日の1332分、地球の滅びが始まったと物騒なことを言い出します。それと同時にマクマフィー機を掠めていったのが巨大な飛行物体。「わあ、なんだ、あれは」マクマフィー、機を反転させこの飛行物体を追いかけますが正体を知ることができないまま振り切られてしまいました。マクマフィー、基地に連絡して「緊急警報発令、謎の飛行物体米本土に向えり、ただちに迎撃の必要ありと認む!」しかし、彼が遭遇した飛行物体、その巨大な外見にも関わらずまったくレーダーに捕らえられていなかったという・・・。

 おかげでマクマフィーが誤警報を発したと思われ、彼は基地に戻ってくるなり司令官に呼び出されてしまいます。かんかんになった司令官、「お前が技術者じゃなくて、軍人だったら、直ちに軍法会議に掛けるところだ。お前の軽率な誤警報のせいで飛び立った迎撃機が一機消息を絶ったのだ。これはお前のせいだぞ」こうまくし立てられたマクマフィーも色をなして「そんなこと言ったって司令官、俺、本当に見たんすよ、俺の目を信じないんですか」「じゃあ、なんでお前の見た未確認飛行物体とやらはレーダーに映らなかったんだ、おかしいじゃないか、え?」

 ここで司令官の机の電話がリーンとなって電話にでた司令官。「うむうむ、わしじゃが、何、60人乗りの旅客機が消息をたった?パイロットは最後の通信で未確認飛行物体目撃を報告だと、おお、なんてことだ」この知らせでどうやらマクマフィーの目撃談が本当だったということになりまして、彼とサリーがニューヨークへ事情聴取のため呼び戻されることになりました。

 彼らはピート(フランクリン・グリフィン)というマクマフィーの旧知のパイロットが操縦する輸送機に乗り込みます。当然ながら、この輸送機が例の怪物体に襲われるのはお約束。びゅーんと飛んできた怪物体、なにやら2本の足をばたつかせているように見えるのは私の錯覚か(笑)。怪物体の巻き起こした衝撃波が一度、二度と輸送機を直撃。たまらず火をふくエンジン。このショックでピートは頭を打って昏倒してしまいます。代わりに操縦桿を握ったマクマフィーは必死の操縦、うわあ、きりもみして落ちているよ、輸送機。これじゃ絶対墜落だよ、それに、実物の輸送機と全然形が違うよ(笑)。

 一瞬にして姿形が大きく変わってしまった輸送機(笑)なんとか、カナダ山中に不時着します。マクマフィーとサリーは昏倒したままのピートを連れて脱出。一瞬後、輸送機は大爆発です。「ふいー、危ないところだった」マクマフィーはピートの容態を調べたのですが時既に遅く、彼は息絶えていたのです。

 二人(及びピートの遺体)は近くに住む親切な農夫のピエール・ブウルサード(ルイス・メリル)の世話になります。彼の家に置いて貰って軍の迎えを待とうという算段。外は大嵐、「なんだかえらい天気になってきたなー」とぼやくマクマフィーにピエールは「なあに、旦那、心配ありませんや、それよりわっし特製の気付薬を飲んでやってくださいな」もちろん、彼の言う気付け薬というのは酒ですよ(笑)。マクマフィーもサリーも嫌いじゃないタチで、薦められるままぐいぐいやってますと突然の停電。おまけに外で犬だの馬だのが騒ぎ出したのです。

 「狼でも来たんかいの」と様子を見に外に出たピエール、いきなりギャーッと言う悲鳴を発します。驚いたマクマフィーとサリーが外に出てみると、彼は地面に倒れて震えていました。「わっしは見ただ、見ちまっただ、狼の頭に女の肉体、そして羽がはえていたんだあ、あれはラ・ラカーニャだ」このラ・ラカーニャというのはこのあたりで伝えられている嵐の悪魔。これを見ちゃうとその人はまもなく死ぬと言われているらしい。「死ぬのはいやだ、こわい、こわい」と喚くピエール。その時ようやく迎えが来まして、マクマフィーとサリーは彼の世話を警察に頼んでパトカーに乗り込むのでした。

 このパトカーが走り去ると、ピエールの農場に残された巨大な鳥の足跡が見えるというシーンがカッコいい。私みたいな人間は心がフルエますな!

 ニューヨークへ向う旅客機へ首尾よく乗り込んだサリーとマクマフィー。巨大飛行物体の出現パターンについて激論を交わしております。周囲の乗客はみんな寝ているのにデカイ声でああじゃない、こうじゃないと喚くから大変なメーワクですよ。ついに地図を取り出したマクマフィーが飛行物体の出現地点をプロットして、「そうか、あれは僕が目撃した地点かららせん状に飛行しているのだ。これで次の出現地点が予測できるぞ」と叫んだところで我慢できなくなった乗客たちから「ウルサーイ!」と怒られるという一幕。

 さすがに静かになる二人ですが、今度は二人でキスなんかしてやがる。どっちにしても迷惑な乗客だね(笑)。

 さて場面はがらりと変わりましてカナダに墜落したマクマフィーたちの輸送機を調べるために、調査団が出発します。同じような輸送機を使うのはどういうものかと思いますが、セットや飛行機の模型の都合というものがありますので、あまり気にしないようにしましょう(笑)。技術者たちを乗せたこの輸送機がまたも怪物体に襲われた。今度はその姿をはっきり見せる怪物体。こ、これは巨大な鳥だ。どんぐり眼でぞんざいな造りだが、これは間違いなく鳥だ。鳥はいきなり輸送機を咥えて破壊。技術者たちはあわててパラシュートで降下したのですが、みーんな鳥に食われてしまったのです。

 この惨劇はすぐにワシントンへ伝えられて大騒ぎになります。サリーとマクマフィーを呼んだ将軍、ヴァン・ヴァスカーク(ロバート・シャイン)は二人から「そう言えば観測気球にカメラついてますよ、あれに怪物体写っているんじゃないですか」というアドヴァイスを受けてさっそく調査開始。観測気球のフィルムを集めてスライド投射です。すると何枚目か分かりませんがついに彼らの求めるものが現れた。鳥です、鳥が写っていたのです。しかも連続写真で(大笑い)。最後はそのぞんざいな顔のどアップというのがまたおかしい。

 ヴァスカーク将軍は急ぎワシントンのコンシダント将軍にこの鳥のことを報告します。「鳥です、巨大な鳥です。しかもこの鳥は人ば食います。とにかく関係各方面に警戒ば促してください」どっかで聞いたような台詞の後、ヴァスカーク将軍は二人を連れてワシントンへ向うのでした。あっという間にコンシダント将軍のオフィスに通される三人。間もなく、鳥が発見され、アメリカ空軍が迎撃に向ったとの報告が入ってきました。コンシダント将軍は満足げにうなづいて「よし、これでその鳥とやらもおしまいだ。諸君、その勝利の瞬間を一緒に味わおうではないか」戦闘機隊の交信をそのままオフィスに流すのでした。ところが、鳥、F-80シューティングスター、F-86Dセイバードッグ、F-102デルタダガーの混合戦闘機隊のロケット攻撃、機関砲攻撃をまったく受け付けません。それどころか逆に戦闘機を一機一機、噛み付いて破壊していったのです。そして脱出したパイロットも残さず美味しく平らげちゃった。

 この散々たる結果に呆然となるコンシダント将軍ですが、すぐに気を取り直して通信機に「よし、すぐに攻撃司令フェイズの準備に取り掛かれ」このフェイズというのは要するに核攻撃のこと。アメリカは鳥に対して核ミサイル攻撃を決意したのです。

さあ、核ミサイルをぶっ放して鳥をやっつけるぞ。しかし、そうは問屋が許さないじゃなかった卸さない。カナダで鳥に墜落させられた輸送機の分析結果がカール・ノイマン博士よりもたらされたのであります。博士の分析によると、なんと、この鳥、反物質でできているのだそうな。みんなは仰天します。「ええっ!は、反物質っすか、アンチマターですか、それはスタトレみたいっすね」年代の合わぬマクマフィーのボケは無視しましょう(笑)。コンシダント将軍、「わしゃ、良く分からんが確か、物質と反物質が出会えば消滅してしまうのではなかったのかね」博士は頷きます。「そうです、対消滅と言う奴です。それなのに何故あの鳥は地球上に存在できるかと申しますと、バリアーのおかげなのです」「バ、バリアーっすか、それはいよいよスタトレですなあ」「君はだまっとれ」とうとうマクマフィー、怒られちゃった(笑)。「そのバリアーが反物質なのです。だから我々のいかなる攻撃もあの鳥には通用しません」

 えらいこっちゃ、これじゃ核ミサイルでも駄目だということでフェイズ攻撃計画はあっさり中止されたのでした。ちなみに鳥は嘴や爪でジェット機を攻撃しておりましたが、これは別にマチガイではありません。この時は反物質バリアーを解除しているのです。

 この後鳥はニューヨークやロンドンなど世界中の大都市に現れキキキと鳴きながら大暴れ。地球はもう大パニックであります。アメリカではコンシダント将軍がラジオ放送で厳戒令を発令。いよいよただならぬことになって参りました。

 さて、懸命に鳥対抗策に取り組んでいるマクマフィーとサリー、ひょんなことからピエールのことを思い出します。あの農場に鳥が現れたのは巣を作るためだったのではないか。一羽でも大事なのに子供が生まれたらたまらん、ということで二人はカナダへ急行。ピエールを連れてヘリで鳥の巣を探すのです。すると、あった、あった、馬鹿でかい鳥の巣が(大笑い)。しかも卵だってあるぞ。マクマフィーは驚きの目で卵を見つめて「ウウーム、あれで卵焼き作ったら何人前できるかなあ」などと呟いております。折りしも鳥が戻ってきて卵を温め始めた、「いかん、あのままでは雛が孵ってしまう」ということで、マクマフィーとサリーはライフルで卵を攻撃します。「うわ、ちょっと旦那、そんなことしたら、ラ・ラカーニャが怒るじゃないか」慌てて逃げ出すピエール。

 サリーとマクマフィーはライフル弾を卵に叩き込みます。一発、二発、三発目で卵がついに割れちゃった。「くけけけー」 「美味しんぼ」の富井副部長のような怒りの声を上げた鳥、飛び立つやいなやサリーとマクマフィーを襲撃。二人は身を伏せてかわします。二人を見失った鳥は「じゃ代わりに」ということであたふた逃げていたピエールをやっつけちゃったのです。サリーは「ラ・ラカーニャを見たものはすぐ死ぬというのは本当だったのね」と人事のように呟くのでした。そら、あんたたちが必要もないのにピエール連れてきたからだ(笑)。

 二人はピエールの車で町へ戻ろうとします。ヘリはあるのですが、これを使うと鳥にやられてしまうからです。道路を走っていると後方から現れたのが若者5人が乗ったオープンカー。いかにも襲ってくれと言わんばかりにヘッドライトを煌々と光らせております。びっくりしたマクマフィー、その車に併走して「おい、ライトを消せ、危ない、やられるぞ」と叫んだのですが、こんな若者達が言うことを聞くはずがない。逆に「ウゼー、オヤジ、そんなオンボロに乗ってて超ウケる-」スピードを上げてマクマフィーたちを追い越したのでした。はい、そしてこの映画を見た人の99.9パーセントが予想したとおり鳥が襲来。若者達の車を破壊してしまったのです。

 さあ、そろそろ鳥をやっつける計画ができないといけない。このモンスター映画の定石に従って唐突にアイデアを閃かせるマクマフィー。「そうだ、中間子原子を使えば反物質バリアーを破壊できるぞ。その後は通常の兵器で攻撃可能だ」彼はコンシダント将軍の許可を得るとノーマン博士と共同で中間子原子投射装置の開発に取り掛かったのです。しかし、実験は失敗続き。スイッチを入れるたびに爆発するという・・・(笑)。そして、ノーマン博士とサリーが疲れ眠っている間についに装置が大爆発。一人装置を弄っていたマクマフィーは意識不明となって病院へ運ばれたのです。

 将軍、ノーマン博士は「計画は失敗だな。これ以上やっても無駄だ」 しかし、病院のベッドで意識を取り戻したマクマフィー、「ええ?中止ですって、そんな馬鹿な、あの爆発は事故じゃないっすよ、実験が成功したんですよ、すぐに飛行機に装置を組み込みましょう!」

成功と失敗の区別がつきにくい実験ですな(笑)。

 この間にも猛威をふるう鳥。走っている貨物列車に迫って巨大な爪でがっと掴みあげるのです。列車がソーセージのごとく繋がって離れないのがオカシイ(笑)。

 さあ、急げ、急げ、中間子原子投射装置がB-25爆撃機の尾部に組み込まれます。この機体自体を囮にして鳥が追っかけてきたところに中間子原子をたっぷり浴びせようと言う仕掛けであります。しかし、今だ最終のチェックが終わってない時点で鳥がニューヨークに出現します。エンパイアステートビルや国連ビルを破壊する鳥にもうチェックを待ってられない、飛び上がってからやれとムチャな命令を下すコンシダント将軍。改造B-25が発進します。ちなみにこのB-25を操縦しているのがコンシダント将軍とヴァスカーク将軍。あとはノイマン、マクマフィー、サリーが荷物室で装置のチェックを急いでおります。

 しかし、何も二人の将軍に操縦させることはなかろうに(笑)。

 計画通りB-25を追う鳥。後は中間子原子を浴びせるだけだ。しかし、今だ装置の準備が整わない、コンシダント将軍は真っ青になって叫びます。「うわー、早く、早く、やられちゃうよう」この時絶妙のタイミングで準備が完了。やっぱりこの世で一番肝心なことは素敵なタイミング、ですね。マクマフィーは「いつまでもお前の好き勝手にはさせん、正義は必ず勝つ!」と叫んで発射。狙い過たず鳥を包み込む中間子原子。ここに人類をあれほど悩ませた反物質バリアーが消滅したのです。

 「よーし、今度はロケット弾攻撃だ」コンシダント、ヴァスカークの両将軍はB-25を反転させて鳥にロケット弾発射。多数の命中弾を受けた鳥、たまらず海上に墜落するのでありました。その巨大な爪が海に没する場面でエンドマーク。

反物質バリアーの扱いが適当なのが気に掛かりますがやっぱり怪獣映画は面白いですなあ。

 モノクロ、スクイーズのワイド収録。画質は素晴らしいの一言。さすがHDリマスターで文句のつけようがありません。音声もリッパなもので、こんなDVDならわたしゃ一億万枚買いたい。『The Giant Claw』『Creature with the Atom Brain』『Zombies of Mora Tau』『The Werewolf』が収録されたアイコンズ・オブ・ホラー コレクション。ソニーピクチャーズのDVD。

エロの冒険者 
       HOMEPAGE http://homepage3.nifty.com/housei/ 
      SFシネクラシックス 輸入DVDでみるSF黄金時代(笑)

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投稿: KramerBeth | 2012年7月20日 (金) 21時37分

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