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2007年12月27日 (木)

『Robot Pilot』 1941年

 

Robot Pilot』 1941

 新発明の飛行機遠隔操縦装置の実用化に取り組む科学者とパイロットの航空アクション映画かと思ったらさにあらず、ツンデレお嬢さんがからんでどたばたと珍騒動が繰り広げられるお気楽コメディなのでありました。ま、私はこういうのも嫌いではないですけどね。

ランバート航空会社社長 ジョージ・B・ランバート(ウィリアム・ハリガン)は陸軍から大量の爆撃機の注文を受けて大忙し。秘書のジョーンズ(ジョージ・シェアウッド)と共に各地を飛び回り生産調整に明け暮れております。そんなランバートに近づこうとしているのがテストパイロットのジェリー(フォレスト・タッカー)。実は彼は友人のドック・ウィリアムスと共に飛行機のリモートコントロール化を実験していたのです。この技術をランバートに売り込んでアメリカの航空技術発展に貢献したいと願っていたのでした。

 しかしジョーンズ氏、ジェリーに冷たい、冷たい。「社長さんに会いたいんすけど」とやってきたジェリーに「社長は忙しいですからお引取りください」とにべもありません。それでもジェリー「そこをなんとかお願いしますよ」としつこく頼んだら「じゃあ、暇になったらお知らせします。まあ、23週間待って貰いましょうか」ということになったのでした。喜んだジェリー、人里離れた航空管制出張所で働きつつ飛行機の実験に取り組むドックに電報を打って呼び寄せるのです。

 ちなみにドックが作っていたのは模型の小さな飛行機。これをちょっとしたテレビくらいの大きさがある操縦装置で操るのであります。ここでドックが無線連絡をしている最中、電報を運んできたギャグ担当のメキシコ人ペドロ(ソーントン・エドワーズ)が操縦装置にうっかり触ってしまい、飛行機が部屋の中を飛び回るという騒ぎになるのでした。ドックはこの管制所をペドロにまかせてっておいおい、大丈夫か(笑)デモンストレーションのために模型飛行機と操縦装置を持って飛行機で出発します。

 さて、ドックもデモンストレーションの機材も来た、準備はOK、いつでもやれますという状態になったジェリーたちでありますがいっかなランバート社長の予定が空きません。いつですか、いつですかとジョーンズに聞くと彼は決まって「うーん、あと二週間ぐらいかな」と言うばかり。「いつまでたってもあと二週間じゃん」ついに我慢しきれなくなったジェリーたち、ランバート社長が日曜にゴルフに出かけることを調べて、ゴルフ場でゲリラデモをすることになったのです。ゴルフ場で社長たちが来るのを待ち構えていて、いきなりも軽飛行機を離陸させる荒業です。

 しかし、これが大成功。ぶんぶんと自由自在に飛び回る模型飛行機と操縦装置を見せられたランバート社長、「よっしゃ、すぐにフルスケールの実験機を作ってくれたまえ。テストして結果が良ければ採用するぞ」大喜びのジェリーとドック。しかし着陸でちょっとした失敗をしてしまいました。操縦を誤まったドック、飛行機を水溜りにばちゃりと落としてしまったのです。この水しぶきを被ってしまったのがランバート社長の娘ベティ(キャロル・ヒューガス)だったからさあ大変、飛行機を取りに来たジェリー、ベティから「モー、なんてことすんのよ、あたしを誰だと思っているの、ランバート社社長令嬢なのよ」と散々怒られてしまったのでした。

 ええ、映画と言うのは便利なものであっという間に実験機が完成、ランバートはもとより陸軍高官の立会いの下にテストが行われることになりました。まずジェリーが飛行機を離陸させ高度3000フィートにまで上昇します。そこで遠隔操縦に切り替わるという段取り。予定通りドックが遠隔操縦を開始します。「ほら、旋回も宙返りも思うままですよ、凄いでしょう」しかしこれで納得しないのが陸軍高官。「そんなこと言って本当はあのパイロットがこっそり操縦しているんじゃないの」だって。これを無線で聞いたジェリー憤慨して「では間違いのない証拠をお見せしましょう」なんと、ジェリー、落下傘で飛行機から飛び降りてしまったのです。「おお、凄い、本当に遠隔操縦だ」と驚くみんな。しかし調子の良かったのはここまで。この後実験機はコントロールを失い錐揉み状態になって、そのまま地上にどかーん、墜落してしまったのでした。

 はい、実験は大失敗ということ当然ながら採用云々の話はパア。ジェリーも可愛そうにテストパイロットを首になってしまいます(笑)。しかしあきらめきれない彼は管制出張所に戻るドックに同行、そこで仕事を手伝いながらリモートコントロールの実用化を目指すことになりました。

 ランバート社長は会社に戻ってまた大忙しの毎日。陸軍からやいのやいのと爆撃機の納期を催促されております。しかも彼の悩みはこれだけではありません。社長の妹モウデ(エヴェリン・ブレント)と一緒にオフィスへやってきたベティ。なんと「あたし、ハリウッドに行きたいの」と言い出したのであります。「そんなとこ行ってどうするんだ」「ただの観光よ」社長はカッとなって「ウソつけ、どうせ、女優になりたいとかそんなことを思っているんだろう、いかん、いかん、行ってはいかーん!」

 しかし何しろベティというのは我儘娘でありますからそんなことでハリウッド行きを止めるはずがありません。モウデと一緒に車に乗り込み一路ハリウッドを目指したのであります。ところが・・・、いきなりパンク。ぶつぶつ言いながら何とかタイヤ交換を終えたベティ、車をスタートさせるとその後にジャッキやタイヤカバーなどがいっぱい残っているというギャグ(笑)。さらにいくらも走らないうちに今度はガソリンが怪しくなってきたのです。「もー、どうして走り出す前にガソリン点検しておかないのよ、どうするのこんな荒野の真ん中でガス欠なんて」もうモウデ叔母さんが怒る、怒る。とそこにやってきたのがペドロ。ガソリンを補給できるところはないかと尋ねられたペドロ、ちょっと考えて「えー、この先をずーっと行ってですな、右に曲がって左に曲がって三番目の角をまた左に曲がって今度は橋を渡ります。それから大きなサボテンを目印にまた右折してください。そしたら、わたしの家がある」ずっこける二人(笑)。「いや、だからあなたの家じゃなくってガソリンが欲しいのよ」再び、「じゃあ、この先をずーっと行ってですな」とまた延々道案内を続けるペドロ。「その先を右に曲がったら倉庫が見えます。そこにガソリンがある、あ、いや、タンクの底にちょっぴりしかなかったかな。あなたたちに分ける分はないかも知れない」再びずっこける二人。

 がっかりしている二人にペドロにやっとして「だったらちょっぴりしかないガソリンをこっそり給油しちゃえばいいじゃないですか」

 この言葉に従ってガソリン泥棒となるベティとモウデです(笑)。しかしこの時ジェリーに見つかってしまった。泥棒がベティであることを知った彼は「良いカモ来たれり」にやーっとします。彼はベティに「このガソリン泥棒め」驚いた彼女は「お金を払うから」と財布を取り出すのですが、「このガソリンは政府の所有物だ。非売品なのだ。とにかく管制出張所に連行する」という訳でまんまと二人を捕まえてしまったのです。「巡回判事が来週の火曜日にくる。それで裁判して縛り首だぞ」1941年ってそんな野蛮な時代だったのですか(大笑い)。

 二人をさんざんに脅かしたジェリー、ランバートに電報を打ちます。その内容は「ガソリン窃盗で娘さんを預っております。しかし小生のみるところこのお嬢さんにはちょっとした教育が必要でありましょう。良かったら私の方でその教育をしてさしあげようと思います」これを読んだランバート、大笑いして、「こりゃ、最近でもっとも嬉しいニュースだ。これで我儘娘が大人しくなってくれるなら言うことはない」すぐに電報の返事を返すランバート。「結構です、ひとつ大いに教育してやって下さい」

二度ぐらいしか会ってない男に娘と妹を預けるというのも軽率だと思いますが(笑)。

 さてジェリー、早速ベティに教育を施します。二人に「私たちは大切な仕事がある。そこで君たちには掃除・洗濯・料理をお願いしたい。きちんとやらないと縛り首だぞ」もう憤懣やるかたなしのベティですが、これじゃやらないわけにはいきません。ぶつぶつ言いながらも結局ジェリーの命令に従うのでした。この生活が2日・3日と続いてジェリーとベティは段々仲良くなっていくように思えたのですが、そうは問屋が許さないじゃなかった卸さない。ある夜、ジェリーから大量の洗濯物を渡されたベティ、ついに切れてしまいます。「きいい、もうなんなのよ、私、こんなのいや」洗濯物を片端から破り始めるという・・・。とその時シャツのポケットからはらりと落ちたのは、ああ、ランバートの電報ではないですか。これを読んだベティ、「そうか、そういうことだったのね」

 怒り狂ったベティ、台所の皿を取ってぶんぶんジェリーに投げつけます。なんだ、なんだとドアを開けたドック、皿が頭を掠めたのに仰天してドアをパッと閉めてしまうギャグあり。ベティはジェリーの言い分にまったく耳を貸さず「もう私でていくわ、ええ?車は使わせないですって、いいわ、歩いていくから!」ついに女二人で夜の夜中に出て行くことになったのであります。しかしちっとも慌てないジェリー、「大丈夫かね」と心配するドックに「なあに、どうせすぐ戻ってくるさ」はい、その通り、女二人、響いてくるコヨーテの鳴き声に怯えてあっという間に戻ってきてしまいましたとさ。

 一方、ついに進発したランバートの新型爆撃機。しかし飛行中、パイロットが二人のスパイ?に殺され爆撃機が奪われてしまったのです。爆撃機は行方を眩ましてしまいました。そしてどこへ行ったのかというと偶然にもジェリーたちの管制出張所の近くだったという・・・(笑)。しかし何しろ夜中でありますからスパイは操縦を誤り爆撃機を墜落させてしまいました。スパイの内一人だけがなんとか脱出に成功します。墜落して大爆発した爆撃機を目撃したのがペドロ。彼はパジャマのまま、「こりゃ、えらいこっちゃ。助けに行かなくちゃ」と墜落現場に向います。

 翌朝、ベティは今度こそ出て行くわと張り切っております。一方ジェリーたちは爆撃機の事件を無線で知らされてびっくり。この時出張所のドアがノックされて現れたのがぼろぼろの背広の男。「私、この先で車を壊してしまいまして、すいませんが近くの駅まで送って頂けませんか」これを聞いたベティたちはじゃあ、ついでに私たちも送っていってと言い出すのですがジェリーにあえなく却下されてしまいます。彼女達が次に目をつけたのがドックの飛行機、二人はドックに「私たちを乗せていってよ」と言い出しますが、これまた却下。じゃあ、仕方ないってんでこっそり飛行機の前席に二人してもぐりこむのであります。

 ここで現れたのがペドロ。「ドック、ジェリー、大変だ、大変だ、飛行機が墜落したよ、尾翼にこのナンバーが書かれていたよ」 彼が差し出したメモをみたジェリーは驚愕します。「こ、これは盗まれた爆撃機じゃん、すると、車を壊したというのはウソであんたは」「お察しの通りスパイだよ!」スパイはぱっと拳銃を取り出します。「ばれたとあっちゃ仕方ねえ、お前らみんな外に出な!」最初スパイはみんなをジェリーのステーションワゴンに押し込めて運転させようとしたのですが、たまたまドックの飛行機を発見。「あ、車よりあっちの方がいいや」計画をがらりと変えて飛行機に乗っちゃいました。前席にベティとモウデが潜んでいるとは知らずに。

 スパイに操縦されてびゅーんと飛び上がる飛行機。仰天した女二人は前席から顔を出して、「ひー、助けてー、ジェリー」 ジェリーとドックはこの飛行機にセットしておいたリモートコントロール装置を使って飛行機を呼び戻そうとします。ところがこの前のデモと同じく操縦が効きません。うわあ、大変だ、逃げられる、ベティたちが攫われてしまう、大慌てで操縦装置をいじるジェリー。配線をちょっと入れ替えたら、あ、装置が直った。コントロール可能だ。ジェリーとドッグは飛行機を旋回させそして見事着陸させることに成功したのです。そして飛行機を取り囲んでライフルつきつけてスパイを捕らえたのでした。前席からジェリーに飛びついたベティ。今までのいさかいはどこへやら、ぶちゅぶちゅぶちゅちゅーと激しいキスを贈るのでありました。

 知らせを聞いたランバート社長も駆けつけてきて管制出張所の中は明るい笑いで満たされます。「いやいや、どうも娘がお世話になりました」と挨拶するランバート、照れるジェリーとベティ。なんとドックはモウデ叔母さんと仲良くなったようで「そろそろわしも身を固めるか」なんて言ってます。このままエンドマークかと思いきや出張所のドアが激しくノックされます。入ってきたのは小人ですが、じつに図々しい態度で「わしゃギルズリー判事じゃ」、判事(ビル・カーティス)はベティとモウデをじろりと見ると「お前さん方がガソリン盗人かね。よし、裁判の開始じゃ。お前たちは自分を有罪と認めるか」小人の勢いに思わず「はい、有罪です」と言ってしまう二人。「それで何ガロン盗んだ」「20ガロンです」「ならば罰金として20ドル支払いなさい。さあ、裁判は終わりだ。また来週の火曜日に来る」来たときと同じくどたばた立ち去る判事。モウデ叔母さんは非常に納得の行かない顔をしております。その顔を観客のほうへ向けて「ねえ、みなさん、私の考えていること分かります?」と聞いたところで映画はおしまい。

こういうのを小人オチというのでしょうか。

 モノクロ・スタンダード、モノラル音声。画質はこの手のDVDでは標準、ああ、標準と言っても決して画質が良い訳ではありませんからね(笑)。音質は極悪。音のブレが酷いし録音レベルも小さくて台詞の聞き取りに大変苦労させられます。12枚のディスクに50本の映画を収めたNightmare Worlds 50 Movie Pack CollectionMill Creek EntertainmentのDVD。

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2007年12月25日 (火)

『Ring of Terror』 1962年

 

Ring of Terror』 1962

 

 幼少の頃のトラウマに悩まされる男が解剖実験をきっかけに恐ろしい目に会う…というお話ですが、まあ、いつものように期待なんかせず、気軽な気持ちで読んでやって下さい。へたに期待するとラストで手ひどく裏切られてしまいますからね(笑)。

冒頭夜中の墓地でお葬式。そしてこの墓地で葬儀屋やっているR・J・ドブソン(ジョセフ・コンウェイ)という男が登場しまして、我々に向って「墓地、ここは死者たちの休息場所であります。不幸な人生を送ったもの、幸せな人生を送ったもの、いろいろです。もし、あなたが二度目の人生を送ることができたら一体何をしますか」こう問いかけた後、外に出た男。「ピューマ、ピューマ」と何者かを探します。「ピューマ、ピューマ、怖がらなくてもいいから出ておいて」えんえん墓場をさ迷った挙句に見つけたのが猫。

ドブソンは「おお、ここにいたのか、ピューマ、さあ、美味しいかつおぶしゴハンを食べようね」その途端、ふんぎゃあと飛び上がる猫。なんとドブソン氏、誤まって猫を踏んづけちゃったのであります。猫踏んじゃった、猫踏んじゃった、猫踏んづけちゃったら泣いちゃった、ぱーっと逃げ出すピューマ。またドブソン氏が「おおい、ピューマ、ごめんよう、そんなつもりはなかったんだよう、怖がらなくてもいいから出ておいで」また猫を探し始めるという・・・。このテンポの悪さに唖然とする私であります(笑)。

 ようやくピューマを見つけて抱きかかえるドブソン氏。この時足元にわざとらしく見えるのがルイス・B・モフェットという人物の墓石。193323日~19551117日没なんて書いてありますな。これを見たドブソン氏、にやりとして「このモフェットなる人物もなかなか興味深い御仁でありましたなあ」はい、画面がむやむやと揺れて大学の学生寮へと早変わり。つまらないプロローグがやっと終わったのです。

 学生寮ですから学生達が一杯います。医学生なのですが何しろ大学生ですから遊びたいさかり。今日も今日とて「カフェテリアに行こうじゃん、女の子達も来るじゃん、いいじゃん、いいじゃん」と浮かれております。そんな中一人で本読んで勉強しているのがルイス(ジョージ・E・マサー)。みんなの誘いも「いや、僕はちょっとこの本を読んでしまわなくてはならないから」と言って断る真面目ぶりであります。しかし、その彼もガールフレンドのベティ(エザー・ファースト)から「ねえ、ねえ、私たちもカフェテリアへ行きましょうよう」と電話で誘われたら速攻で「うん、行く、行く」と本を置いてしまうのですからいい気なもの(笑)。二人は車に乗り込み、これからしばらくドライブを楽しんでその後でカフェテリアに行ってみんなと合流しようということになります。

 ちなみにこのベティ、彼についてアリス(パメラ・レイモンド)を初めとする女子学生たちに「何だか時々彼の中に二人の人間がいるように思える時があるの、二つの異なった人格があって精神の主導権を握ろうと争っているような」あんまり彼氏のプライベートなことを大勢の前であっさり言っちゃうのはどうかと思いますが(笑)。

 ひとしきりドライブを楽しんだ二人。今度は車を止めていちゃつき始めるのです。もうオープンカーなのにぶちゅぶちゅぶちゅちゅちゅーと熱烈なキス。おまわりさんもこういう無軌道な若者は取り締まるべきでしょう。この時ベティが「ルイス、あなた、医者になるのはやめてくれない。お父様がお医者様だからと言ってあなたまで医者になるというのはおかしいわよ」「いや、父のことは関係ない。僕自身が医者になって病気の人々を救いたいのだ」「そう、だったらいいわ、もう医者になるなんて言わない」要するにこのベティという女、彼氏が解剖とかそんな気持ちの悪いことをして欲しくないと思っているのです。

 再びキスをする二人。しかしこの時ガラガラヘビが車に侵入してきたのです。これに気がついたルイス、どこから取ってきたか分からないけれども、誂えたように先端がYの字になった木の枝で蛇を押さえ外に放り出してしまいます。そして「テメー、この蛇め」とばかりにばすばす踏みつけ殺してしまったのでした。画質が悪く画面も暗いので定かではありませんが、これ本当に蛇踏み殺してないか(笑)。この勇敢なルイスにベティは「まあ、あなたって本当に怖いものがないのね」と抱きつくのでありました。

 この後カフェテリアに行って仲間たちと騒ぐ場面。そこでルイスは明日の解剖実習で担当講師のレイバーン教授(ロマックス・スタディ)の助手をすることを決意するのでした。

 翌朝、さっそく教授を捕まえて助手になりたいと頼むルイスです。教授は「いや、逆に嫌がる人間が多いのに、自ら申請してくるとは君はなかなか見込みがありますよ」と言ってはい、めでたくルイスは助手に任命されるのです。さて、その夜午後845分から市の死体安置所で授業が開始。ここの医大はこんなところで解剖をやるのです(笑)。ルイスは教授の指示に従って解剖用の遺体ジョン・ドー(名前なし)をストレッチャーで運んできます。この後他の学生と一緒の席につくルイス。え、助手の仕事ってこれだけなんですか?

 教授は学生達を見渡して「うん、耐え切れないと思ったらどんどん出ていいよ」無造作に遺体にメスを入れていくのです。気持ち悪そうな顔をする学生、目を回してひっくりかえる学生、口を押さえて飛び出していく学生、いろいろいます。そんな中平然としているのがルイス。さすが恐れを知らない男であります。午後11時にようやく解剖が終了。ルイスは遺体を運び出すのでした。

 教授によるとこの解剖済みの死体はレイブンヒルズ墓地でしばらく保管されたのち埋葬されるとのこと。この時ストレッチャーにかぶされた布からすべり出てきた遺体の手。これに金の指輪がついております。これを見て「くわっ」と目を剥くルイス。ウウーム、何か怪しいぞ。

 解剖の時はまったく平気であったルイスでしたが、そのときから悪夢を見るようになったようです。今晩も午前4時過ぎだというのに、「ライトを消さないで」と寝言で叫んでルームメイトを起こしてしまいました。迷惑顔のルームメイト、カールはルイスを揺り起こして「また悪夢か、いつもライトを消さないでといっているぞ」ルイスは憮然として「子供の頃から同じ悪夢をみているのだ」これがどうやら彼の幼少期のトラウマに起因するようなのですが・・・。まあ、何しろ午前4時です。それ以上原因を探ることなく「もう寝るべ」となってしまったのも無理はありません。

 この解剖授業の後はお楽しみ。バーベキュー大会が開催されることになっており、学生達は気もそぞろ。しかも男子学生たちはこのバーベキュー大会の後で友愛会入会のための試験を受けることになっていますのでなおさら落ち着いてなんかいられません。

 そんな中、ルイスたちの同級生ボブ・カーンが交通事故で急死します。カールの知らせでこの悲報を知ったルイス、二人でお葬式に参列しようじゃないかということになります。そしてその夜葬儀屋さんに到着した二人。葬儀の筈なのに誰一人いないのが気にかかりますが、まあ、こんな映画ですのでいいでしょう(笑)。葬儀屋に入った時から明らかに様子がおかしくなるルイス。いつもの彼に似合わずそわそわしております。さらに彼が棺桶の中を覗きこんでウェーっという顔をした瞬間、一陣の風が舞い込み唯一の明かりであった蝋燭を吹き消してしまったのです。

 「ひいい」と怯えるルイス。「早く、明かりを、明かりをつけて、明かりを消さないで!」と叫びます。あわてて電気のスイッチを入れるカール。「おい、大丈夫か、今君は寝言と同じようなことを言ってたぞ。恐れを知らない筈の君が一体どうしたというのだ」顔を汗まみれにしたルイス、呻くような声で、「カール、僕の悪夢の原因が分かったよ、今のショックで思い出したんだ。あれは僕が八歳の時、おじいさんが死んだ晩のことだった。自宅のリビングルームに葬式のために彼の棺桶が置かれていた。僕は怖くって仕方なかったんだ。それでママに電気を消さないでと頼んだのだけれど、ママは取り合ってくれなかった。それどころか泣いているとおじいさんが起き上がってお前をさらいに来るよと脅かしたんだ」なんて酷いママか(大笑い)。「僕は一晩中おじいさんがいつ起き上がってくるかと思うと怖くって怖くってまんじりともできなかった。今の僕の悪夢はこのときの体験のせいなんだよ」

 カールに今のことは誰にも言わないでくれと頼むルイスです。

 えー、この後は場面が飛んでいきなりバーベキュー大会です。酒なんかもでてみんな大盛り上がり。ホットドックや牛肉を貪り食っております。食欲が満たされたら今度は性欲だってんで、森の木陰のあちこちで絡み合うカップルたち。当然のことながら我らがルイスもベティにキスしております。さあ、このまま最終ステージに突入じゃとルイスは思ったのですがあいにくと友愛会の入会試験の時間になってしまいましたとさ。彼は友愛会実行委員会から渡された指令書を取り出して内容を読み上げます。「なになに、レイバーンヒルズ霊園に行って廟堂に安置してあるジョン・ドーの残骸から金の指輪を持って来い!だって」

 要するにこれは肝試しではないですか。

 彼はベティに「心配ない、こんなの簡単だ、すぐ済ませるから待っていてくれ」車で霊園に直行します。夜なので当然玄関は閉まっておりますから塀を乗り越えて侵入って、おいおい(笑)。この辺になると恐れを知らぬルイスという面影はどこへやら。木の枝にぶつかりそうになって「ひいい」、石につまずいてすっころんだり、もうびくびくおどおどの極地。それでも肝試しに合格しなければ友愛会に入れません。ルイスは必死にその歩みを進めついに廟堂へ到着。中へ入ってついにジョン・ドーの棺桶を見つけました。

蓋を開けて何を見たのか実にいやそうな顔をするルイスが面白いですな(笑)。彼は顔を背けつつ指輪を取ろうとして棺桶の中をまさぐります。この時突然、側で猫がにゃーっと鳴いた。仰天したルイス、立ち上がったのですがああ、なんということでしょう、ジョン・ドーの手が彼のコートに絡んで棺桶から引きずりだされたのです。これを見たルイス、あまりの恐怖に「ぐわっ」胸を押さえて転倒し、そのままあの世行きになってしまったという・・・。

 はい、ドブソン氏が再登場。「彼はショック死したのですな、もう人間いろいろなことが起こるものです。それでは皆さん、サヨナラ、サヨナラ」エンドマーク。

 なんだ、これ幼少期のトラウマとか二重人格じゃないかとかいろいろ言ってたのに結局は肝試しでショック死というオチかよ、ふざけんな、コノヤロー。

 モノクロ・スタンダード モノラル音声。画質は最悪。残像が酷く落ち着いて見ていられません。音質もさ行の音が耳について大変に不快です。実際大変ですよ、こんなDVDを見るのも(笑)。12枚のディスクに50本の映画を収めたNightmare Worlds 50 Movie Pack CollectionMill Creek EntertainmentのDVD。

           エロの冒険者 
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『デビルズ・トラップ/密室ホテル 女子学生の恐怖』(『Terror at the Red Wolf Inn』 1972)

 

『デビルズ・トラップ/密室ホテル 女子学生の恐怖』(『Terror at the Red Wolf Inn』 1972

 いくらお金がないからと言って怪しい誘いにうかうか乗ると酷い目に会うよという教訓に満ちた物語。皆さんも振り込め詐欺なんかに引っかからないようにこの映画を見て学びましょう(笑)。多少映画がつまらなくったって詐欺に会わないための勉強なのですから仕方ありません。我慢してください。

ヒロインの女子大生レジーナ・マッケィ(リンダ・ギレン)はチョー貧乏。せっかくの夏休みだというのにどこにも行けません。ましてやリゾートでのバカンスなど夢のまた夢。そんな彼女に思わぬ幸運が舞い込んできました。届いた封筒を開けてみると「あなたは当選しました。つきましてはこれこれの番号に電話してください」急いで電話してみるとなんと「あなたに一流リゾートの一流ホテルでのバカンスが当選しました。すぐ用意して私どもがチャーターした飛行機に乗ってください」これでレジーナ、すっかり大喜びしてしまいましてこの怪しい話をまったく信じ込んでしまいます。それどころか学生寮の中をばたばた走り回りながら「みんな、チョー聞いて、あたしにバカンスが当たったのよ、チョーウレシー!」

 こういう人のために「振込め詐欺」があるのだと思います(笑)。

 そして指示されたとおり急いで荷造りして指定の空港へ向ったレジーナ。パイロットがやたらに彼女を急かしてママに電話もさせてくれないのがちょっと気に掛かりますが、何しろ生まれて初めてチャーターの飛行機に乗るのです。レジーナは浮かれあがって「まー、チョー飛行機、チョー飛んでる、チョー飛行機って凄い」飛行機が飛ぶのは当たり前だっての。ここでちらほら姿を見せるのが彼女が滞在する予定になっているホテル、Red Wolf Inn、赤狼館とでも訳しておきましょうか、の人々。ヘンリー・スミス(アーサー・スペース)、その妻エブリン・スミス(マリー・ジャクソン)、そして孫のベビー・ジョン・スミス(ジョン・ネルソン)の三人であります。みんな、「新しい女の子が来るわよ」とその準備に大忙し。

 さて、夜になりました。レジーナの乗った飛行機は無事に着陸。彼女はそこでジョンに迎えられるのです。レジーナはハンサムなジョーを見て「うわー、チョーラッキー」と思いつつ(笑)車に乗り込みます。ボーっとなっていたので、ジョーが「車飛ばすのは好きかい」と呟いていきなり車を猛スピードで走らせたり、それでパトカーに追いかけられたら「いや、点数がヤバイんだ」散々パトカーから逃げ回った挙句物陰に隠れてやり過ごしたりするとんだイカレポンチだと分かっても気になりません(笑)。

 赤狼館に到着してヘンリー、エブリン、そして滞在中の二人の女の子、パメラ(ジャネット・ウッド)、エドウィナ(マーガレット・アベレィ)に迎えられるレジーナ。ママに電話しようとしたらここの電話が壊れていて駄目というのが気に掛かりますが、とにかく意匠を凝らした建物にうっとりとなるレジーナ。そしてさすがは若い女の子同士、レジーナはモデルというパメラ、美しいスタイルの黒人女性エドウィナとすぐ打ち解けるのであります。三人はディナーの前にちょっとしたおしゃべり。明日帰る予定のパメラは「うーん、こんなこと言っちゃ悪いけど退屈なところよ。食事だけは凄く美味しいけどね」皆様、この食事だけはというところを良く覚えていて下さいね。

何故か電話が掛けられない。ここでちょっとオカシイと気づけレジーナ。

 はい、ディナーの始まりです。このディナーは「パメラのサヨナラパーティ、レジーナの歓迎パーティ」を兼ねているというだけあってご馳走が後から後から山のようにどんどん出てくる。特に凄いのが骨付き肉のローストでこれをみんなが手づかみでばくばくやります。ばくばくばくばく美味しそうにいつまでも食べております。いつもより余計に食べております。この場面でさらにオチが読めてきました(笑)。またお手伝いをしようと思ったレジーナが台所へ行くと、なんだか妙にうろたえるエブリン。特に食料貯蔵庫の中はなんとしても見て欲しくないようなそぶりです。もう間違いない、これはアレに違いありませんよ、アレに。その後、ディナーはさらに続いてデザートにでっかいケーキまで出てきます。とんだ大食い大会でみんなベルトを緩めてふーふー言ってます。

 さすがに食いつかれたみんな、ブランデーで「パメラさようなら」と乾杯した後、それぞれの寝室に引き上げたのでした。この時レジーナ、「チョー美味しかったけど、これじゃ、チョー太っちゃうわ、学校に戻る時はもうチョー豚ね」と思ったとか思わなかったとか。

 そしてその夜、レジーナは奇妙な夢を見ます。早くもジョーと仲良くなってあのう、そのう手っ取り早く言えばヤッちゃった夢ですね。思わず「はっ、あたしってばチョー恥ずかしい」と飛び起きるレジーナ。その後食べ過ぎた夕食のせいでお腹が張って眠れなくなってしまったので、台所へ行き胃薬を飲んだのです。この時、思わず気になって食料貯蔵庫を開けてみたら、ばーん、大きなナイフを持ったジョーが飛び出してきた!あまりの驚きに「チョー怖い、ぎゃあああ」と悲鳴を上げるレジーナ。駆けつけてきたエブリン、レジーナを抱きしめると「大丈夫よ、大丈夫よ、ジョンはとても良い子なんだけど時々おかしくなるの、何でもないからもう寝なさい」

 ウウーム、夜中にナイフ持って食料貯蔵庫に篭るのを「時々おかしくなるの」で片付けられちゃたまりませんよねえ(笑)。「大丈夫よ、大丈夫よ」って絶対大丈夫じゃねえっての。ちなみにこの騒動、エドウィナはレジーナとジョンが夜中に何かやっていたのだと思っているようです。

 さて、翌日になりました。近くの森を散歩するレジーナです。彼女は小さな家を見つけて「誰かいるの?」って中に入っちゃった。いくら鍵がかかってなかったからと言ってこれはリッパな不法侵入ですぞ(笑)。彼女はそこで飛行機とパイロットの写真を見つけます。これはひょっとしてレジーナを乗せたチャーター機とパイロットなのかしら。

 とりあえずその疑問は脇においといて(笑)海岸でサンドウィッチを食べるレジーナとジョンです。お互いを見つめあいながらサンドウィッチを食べている間に、はい、たまらんごとなってキス。ぶちゅぶちゅぶちゅちゅちゅー。

 ジョーの投げ竿に魚信が!素早くリールを巻き上げるジョー。魚が見えた、鮫だ、鮫だ、鮫だ、このやろう。ジョーは異様に興奮して釣り上げた鮫を砂浜に何度も何度も叩きつけます。それでも飽き足りないのかしまいには「鮫だ、鮫だ、うきいいい」パンチの嵐ですよ。ようやく収まったジョー、レジーナの方を向くと「僕は君を愛していると思うのだ」と呟いて立ち去るのでした。残されたレジーナ、哀れに思ってか鮫の死体を砂浜に埋めるのでした。

 ちなみにこの鮫、釣り上げられた時からぴくりとも動きません。まあ、この手の映画では良くあることですから、あんまり気にしないようにしましょう。

 さて、その夜また開かれるパーティ。今夜のパーティは明日帰宅予定のエドウィナ、サヨナラパーティであります。また運び込まれる料理の数々、リボンで飾り付けられたダイニング、みんな三角帽子被ってクラッカー、ぱんぱん鳴らしてシャンパンをがぶがぶ。すると酔っ払ったヘンリーが立ち上がって「はい、私、一発芸やります」いきなり逆立ちして足をがっと広げて「通天閣!」 立ち上がって両腕を頭上で合わせ、口を四角にして「東京タワー!」このまま足をぐいっと広げて「エッフェル塔!」足と両腕を元に戻して体をぐいっと傾け「ピサの斜塔!」そしてオシマイに上からふにゃふにゃと床に崩れて「ワールド・トレード・センター!」こらこら、そんな不謹慎な一発芸はやめなさい。ヘンリーはこの後も歌を歌ったりタップダンスを披露してすっかり「長屋の寝床」状態。そんな旦那をエブリンは「ヘンリーは芸達者だから」とうっとりと眺めているという・・・。

 このパーティがようやく終わって自室へ引き上げたエドウィナ。荷造りしてベッドに入ります。そしてシャンパンの酔いで心地よい眠りに入ったのでした。えー、このままぐっすりと寝て朝を迎えて「じゃあ、私帰ります、どうもお世話になりました、さようならー」じゃ映画になりません。夜中過ぎに突然、ヘンリー、エブリン、ジョーの愉快な三人組が彼女の部屋に侵入。クロロフォルムをしみこませたハンカチで、エドウィナをクロロフォルムアタック!そして彼女を台所の食物貯蔵庫、そう、ジョンが夜中に潜んでいたあそこですよ、に連れ込むのです。バタンと閉まったドアの向こうから聞こえてくるのはナイフを研ぎ合わせる音、「ヒヒヒ」という笑い声、「こら、美味そうだ」とか言っている奴もいる。そして明らかに肉を切断していると思われるドスン、ドタンという音。そうです、この家族は無料バカンスだと言っちゃ女の子をおびき寄せて片っ端から殺害、その肉を食う食人一家だったのです。パーティで出てきたおいしそうなステーキもみーんな人間の肉だったのです。ああ、なんということでしょう。

 え、そんなことはもうとっくに分かっていたですって。まあ、分からないほうがおかしいですけど(笑)。

 翌朝、上機嫌で起きてきたレジーナはエブリンに「ああ、もうエドウィナは出発したわよ」と言われてびっくり仰天。そんなあたしにさよならも言わないで行っちゃうなんて!ここでレジーナは何かおかしいと直感。電話に飛びつきます。すると来た時は故障で使えなかった筈の電話がなぜか通じるではありませんか。レジーナは急いでママに電話して、「あの、あたし、赤狼館というホテルにいるの、ママ、何かチョーヘンなのよ」しかしここまで喋ったところでエブリンが彼女の手から受話器を取り上げパンと切ってしまいます。「ああら、そんなこと言っちゃいけないわ、みんな余計な心配するじゃない」にっこりとするエブリン。戦慄するレジーナであります。

 この後画面にパトカーが登場。サイレンを鳴らしながら猛スピードで走っています。これはきっと電話をうけたレジーナのママが通報したのに違いないと思いきや、このパトカーのおまわりさんったら赤狼館でやったことと言えば朝飯食っただけ。涙目でレジーナが「女の子が二人いなくなったんです。チョー怖いんです。チョー助けて下さい」と訴えているのに知らん顔。それでいてヘンリーたちの仲間でもないという、訳の分からない存在です。だいたい、サイレン鳴らしてきたのに飯食うだけというのがオカシイ。そんなに腹が減っていたのか。

 おまわりさんは飯食っている場面からそのままいなくなってしまいます。このテキトーな映画作りには感心せざるを得ません(笑)。

 さあ、電話も駄目、おまわりさんもアテにならない、自分でなんとかしなきゃと決心したレジーナです。彼女はヘンリーとエブリンが車で出かけたのを幸い、赤狼館の中を調べ始めます。鍵を見つけた彼女、これはあの台所の食料貯蔵庫の鍵に違いないというのでよせばいいのにさっそく開けてみた。中には冷蔵庫がしつらえてあって、開けてみたら、ばーん、エドウィナとパメラの首が並んでいるではないですか。「チョー首、チョー人肉、チョー内臓!」ぎょええええと悲鳴を上げた彼女、砂浜に逃げ出すのでした。彼女はそこで無人のボートを発見、乗り込んで逃げようとします。

 彼女がいなくなったことに気がついておっかけるジョン。ボートで逃げるレジーナ、おっかけるジョン、ボートを砂浜につけて近くの人家に助けを求めるレジーナ、当然ながら誰もいません。まだおっかけるジョン、えんえん単調なおっかけが続いた後、道路に出たレジーナ、偶然通りかかったピックアップトラックに「助けて下さい、チョーヘンな人たちに・・・」このトラックにヘンリーとエブリンが乗っているというのはもう定石中の定石であります。ほどなくジョンも駆けつけてあえなく連れ戻されるレジーナです。

 その夜またも開かれるパーティ。この席でようやく今までここで食べさせられていた肉が人肉であったことに気がついてオエー。しかもその夜には彼女も解体される運命にあるというまさに踏んだり蹴ったりです。しかし、神は彼女を見捨てず、彼女を愛してしまったジョーがエブリン、ヘンリーに反抗し始めるのでした。「僕は彼女が欲しい、うきいい」と荒れ狂うジョー。エブリンはそんな孫を見てもにこにこしながら「ほほほ、ジョーったら何言っているの、彼女は間違いなくお前のものになりますよ」「そういうことじゃないんだよ、うきいいい」

 ついにレジーナに「一緒に逃げよう」と持ちかけるジョン。車で逃げようとするのですが、エンジンが掛かりません。あっという間にヘンリーとエブリンに捕まってしまいます。エブリンは烈火のごとく起こりまして、「ジョン、お仕置きよ、ズボンを脱ぎなさい」彼の尻をベルトでぺっちんぺっちん叩き出すという・・・、な、なんじゃこりゃ(大笑い)。しかしジョンはひるみません。鞭打ちの罰が終わったところで隙をみてまた逃げ出すのです。画面が暗くてで良く分かりませんが、おそらく下半身丸出しのままだと思われます。

 ヘンリーの温室へ逃げ込んだ二人。エブリンは飼い犬に二人を追いかけさせたのですが、うわあ、ジョンがスコップで犬を滅多打ち!続いてヘンリーがナイフを片手に二人に迫ります。どしゅっびしゅっと音が響いて植物の葉に垂れ落ちる血。死体を引きずる音が聞こえてきて・・・・。

 翌朝、歌を歌いながら料理をしている女。それはなんとレジーナでした。ジョンと二人で楽しそうにしているその背後で貯蔵庫、冷蔵庫の扉が次々に開きます。冷蔵庫に入っていたのはヘンリーとエブリンの首でしたというオチ。いい加減呆れていたら、ヘンリーの首がぴくっと動いてウィンク。さすが芸達者のヘンリー、見事な二段落ちです。エンドマーク。

あのパイロットの写真とかおまわりさんとか、意味のない伏線が楽しい。普通だったら怒るところですが、私は何しろ似たような代物をたくさん見ておりますからな、これくらい平気なのであります。

 カラー・スタンダード モノラル音声。画質はエッジが腐っておりまるでVHS三倍録画のような印象。発色が鈍くまた夜の場面では例によって何をやっているのか良く分かりません。途中二度ほど画面が崩れました(笑)。音声も歪みが多くとても良好とは言えないコンデション。私も良くこんなDVD見ているなと自分で思いますよ。12枚のディスクに50本の映画を収めたNightmare Worlds 50 Movie Pack CollectionMill Creek EntertainmentのDVD。

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『実録UFO大接近・消えた412ジェット機隊』(『The Disappearance of Flight 412』 1974)

 

『実録UFO大接近・消えた412ジェット機隊』(『The Disappearance of Flight 412』 1974

えー、最初に言っておきます。この映画、UFO!とか大接近!とか消えたジェット機隊!とかいかにもアメリカ空軍対空飛ぶ円盤の大戦争が起こりそうな威勢の良い題名ですが、そんな派手な事件はいっさい起こりません。読んでなんだ、これはと怒られても当方一切関知いたしませんのでどうかご了承下さい。

冒頭流される空飛ぶ円盤フィルム。ナレーションが「これは19664月アメリカ カリフォルニア州サンタ・カタリナ島で撮影されたものである。UFOは各地で多くの人々に目撃されており多数の証拠写真もある。空軍でもUFO遭遇事件は起こっており、この映画はそれに基づいて作られたものだ」とぶち上げます。

 さて、ここはホイットニー空軍基地。レーダーのテストのためにムーア大佐(グレン・フォード)の命令でジェット機412便が飛び立ちます。乗組員はパイロットのビショップ(デヴィッド・ソウル)、クリフ・リッグス(ロバート・F・ライオンズ)、電子操作員のプドリスキ(グレッグ・ムーラヴィ)、ファーガソン(スタンリー・ベネット・クレイ)の4人。彼らは指示通りのコースを飛んでテスト空域へ向かいます。コールサインはシャドウ・デルタ1。このまま無事にテストが済めば午後2時には帰還する筈だったのですが・・・。

 彼らの飛行をモニターしていた海兵隊ブランコヴィスタレーダー基地。司令官のバーンズ大佐(サイモン・スコット)はムーア大佐と旧知の仲で電話で「ねえ、ゴルフ行こうよ」などと誘い合ったりしております(笑)。突然、この基地のレーダーが奇妙な物体を探知しました。三つの光点であるそれはどうやらシャドウ・デルタ1に接近している模様。ただちにシャドウ・デルタ1に連絡します。まもなくデルタ1の機上レーダーもその光点が確認されて、大騒ぎ。上空でも基地でも大騒ぎ。これが本当の上へ下への大騒ぎであります(笑)。

 ビショップたちは懸命に光点の正体を肉眼で確認しようとするのですがついに発見することができません。そうこうするうちにブランコヴィスタ基地から二機の迎撃機ファントムがスクランブル発進しました。さあ、勇躍空を翔るファントム機、驕敵UFOを発見しミサイル攻撃だと思いきや、そんな勇ましい場面は一切なし。唐突にファントム2機は消えてしまいます。それと同時にレーダーの光点は時速3,000キロというあり得ない速度でターン、レーダー圏外へ飛び去ってしまったのです。仰天したビショップは消えたファントム2機の捜索を申し出るのですが、「こっちでやるから良いよ」と断られてしまいました。いや、それどころか北米航空宇宙防衛司令部からの直接命令により所属基地から指揮権を剥奪、以降ディガー基地の司令に従うことになったのでした。

 そのディガー基地というのが砂漠の中の荒れ果てた航空基地。ここに5人の怪しげな男と護衛の兵士たちがヘリコプターで運ばれてきて、即席にレーダー基地を作っちゃったのでした。もう見るからに怪しいの。

 今やディガー基地の指揮下に入ったシャドウ・デルタ1 「あっちの方にずーっと飛んだら、こんどはそっちの方にずばーっと飛んで、そしたらちょこっと飛んで着陸せんかい」と言われまして(笑)不承不承従います。そして例の航空基地に着陸したのです。

 一方ムーア大佐はシャドウ・デルタ1の情報がぱたりと入ってこないことにいらいらしております。友人のバーンズ大佐に電話を入れても「うーん、さあ、わしは良く知らないよ」と言われるばかり。大佐はその曖昧な口調から「む、何か隠してやがるなこいつ」と直感。いろいろと調べ始めるのです。

 さてディガー基地に着陸したシャドウ・デルタ1の面々、ビショップとリッグス、プドリスキとファーガソンの二組に分かれて宿舎に監禁されてしまいます。そして情報部のトロントマン大佐(ガイ・ストックウェル)と名乗る男が彼らを尋問していくのです。最も尋問と言ってもビショップたちが「いや、私ら、確かにレーダーで光点を見たんです」というのに「ふふふ、それはレーダーの故障だろう」「そんな筈はありません。確かにレーダーには映っていたんです」「ふふふ、肉眼では確認していないのだ、レーダーの故障に決まっているだろう」「でも2機の迎撃機が消息不明になって」「ふふふ、そんな報告はない。夢でも見ていたのではないかね。それともSF小説の読みすぎかな」

 どうやら彼らはビショップたちのUFO目撃をなかったことにしようとしているらしい。

 この時ムーア大佐にバーンズ大佐からの電話が入ります。なんと、バーンズ大佐、基地の電話じゃ話せないというのでわざわざ外へ出て公衆電話を使っていたのです。「いや、さっきは話せなかったんだけどさあ、どうやらこれはUFOの目撃事件だったらしい。おたくとは別にうちの迎撃機2機も消息を絶っているんだ。政府の秘密諜報機関が動いているらしいぞ」

 これでおぼろげながら事件の全容を掴んだムーア大佐、さっそくシャドウ・デルタ1の飛行をモニターしていたレーダー仕官を読んで飛行軌跡の検討を開始。おおよその着陸地点を突き止めたのでした。

 「ウウーム、そう言えばこの辺に1954年に廃棄された航空基地があった筈だ」よっしゃ、そこだ、構わないから行ってみるべと腹心の部下マイク・ダニング少佐(ブラッドフォード・ディルマン)を連れて車で出動。ダニングは車を運転しながらムーア大佐に「それでバーンズ大佐は何と言ってたんス?」「どうやらこの事件にはUFOが関係しているらしいんだと」これを聞いたダニング少佐、顔を歪めて「大佐、この件にはあんまり関わらない方がいいと思うっスよ。実は自分も二年前にUFO事件に巻き込まれてえらい目にあったんス。もうヘンな奴らがぞろぞろ来て、あれは見間違いだ、レーダーの故障だって、1日中説教されたんス。それで納得しなかった仲間がいて、そいつ大尉だったのにあっさり放り出されて今じゃシンシナティで靴のセールスマンっスよ」何と言うことでしょう、空軍でうっかりUFO目撃したら、田舎町で靴売らなきゃならなくなっちゃうのです(笑)。

 しかしそれでもムーア大佐、「馬鹿、だからと言って部下を見捨てることができるか!」男ですねえ。軍人の鑑たぁこの人のこと。

 二人はやけにあっさりとディガー基地へ到着します。飛行機であれだけ飛んでようやく着陸したというのに車だと随分近いものですな(笑)。そしてガードに「わしゃ、ムーア大佐だ。ここにわしの部下達がいるはずだ、出せ」ガード、すかさずトロントマンに連絡。二人を通します。出迎えたトロントマンを見たダニングはびっくり。「うわあ、俺、知ってるっスよ、こいつ。二年前にUFOで故障だ、錯覚だってさんざん言った奴っスよ」ムーアはトロントマンに部下の即時釈放を要求するのですが、当然ながらトロントマンは「国家保安の問題だから」と跳ねつけてしまいます。そのままムーアとダニングは別室に通されてそのまま待つようにと言われてしまうのでした。

 憤然とするムーア大佐。ダニングは「大佐、落ち着いて下さい。怒ったら不味いっスよ。UFOなんかのために自分のキャリアに傷をつけるなんて馬鹿馬鹿しいっスよ」となだめるのでありました。

 その後も特殊諜報員たちによるビショップたちの説得は続きます。「ふふふ、とにかくあれは見間違いだ、もしくは故障だ、ジェット機が行方不明になったなんて事件はない、ふふふ」もうこれが延々と続くという・・・(笑)。この時我慢しきれなくなったビショップが部屋から脱走するのですが、監視していた兵士達にあっさり取り囲まれてしまいます。ビショップは「チクショー、こうなりゃヤケだ、俺一人でも突破して飛行機で逃げてやる!」と叫ぶのですが、「仲間がどうなってもいいのか」と言われて、はい、おしまい。悄然として自ら部屋へ戻ったのでした。

 この後も説得が続いて、翌朝ついにビショップたちは釈放されます。ムーア大佐、ダニングと共に214便ジェットへ乗り込むビショップたち。

 この後、自分と部下の処遇についてどうしても納得がいかないムーア大佐はビショップたちを連れてこの件の最高責任者と思われるエンライト将軍(ケント・スミス)の自宅?に乗り込むのですが、同時にトロントマン大佐もやってきて、「あれは国家保安に関わる機密だ」と繰り返すばかり。憤然とするムーアでしたが、将軍はビショップたちを外へ出した後、「これは機密中の機密なのだが」と彼に一枚の写真を見せるのです。それはブランコヴィスタ基地から飛び立った迎撃機の残骸でした。「パイロットは行方不明だ。どうだ、これが国家機密で公にすることができないという意味が分かったかね。こんなことが外に洩れたらパニックになるぞ」ついに観念するムーア大佐です。

 彼は外で待っていたビショップたちに、「全て終わった。もう何も言うな。とりあえず飯でも食おうや」はい、UFO事件のもみ消しはこれにて完了したのであります。

 その4ヶ月後再び同じようなレーダー演習が行われました。再び出現したUFO。しかし、今回もまた前回のように事件の揉み消しが行われ何も状況は変わらなかったのです。そしてナレーションが事件に協力的なものは出世し、そうでないものは閑職に追いやられたと語ります。ムーア大佐はもちろん後者の立場でした。エンドマーク。

ね、ちっとも派手なところのない地味な映画だったでしょ?

 つまらん、退屈、国家機密の遵守というのは分かるけれども、その方法が「ふふふ、あれは錯覚だ、レーダーの故障だ」「いや、そんなことないですって」「ふふふ、どうだって錯覚なのだ、故障なのだ」「僕ら、本当に見たんです」「ふふふ、人間誰しもマチガイを犯すということだ」「駄目だ、こりゃ」相手が音を上げるまで錯覚だ、故障だ、UFOなんて存在しないのだといい続けるだけというのはいくらなんでも不味いんじゃないでしょうか。

カラー・スタンダード。モノラル音声。画質は普通。困ったのが音声で録音レベルが低く聞き取りが大変です。12枚のディスクに50本の映画を収めたNightmare Worlds 50 Movie Pack CollectionMill Creek EntertainmentのDVD。

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『サント対リングの極悪者』(『Santo Contra los Villanos del Ring』 1966)

 

『サント対リングの極悪者』(『Santo Contra los Villanos del Ring』 1966

 35本目のサント映画(大笑い)。今回のサントの敵はマフィアでもキチガイ科学者でもありません。なんとメキシコを根城にする心霊詐欺一味なのです。このあり得ない組み合わせ、はてさてどんなことになりますやら。

 警告、警告、このDVDのリージョンは1です。したがって日本国内のDVDプレーヤーでは再生できません。警告、警告。

のっけからサントの試合。相手はスプークという悪役レスラーであります。これが意外に強くサントをたびたび苦しめます。リングサイドには意味ありげなブロンド美女と二人の男。意味ありげなのはこのブロンド美女が本作のヒロイン エレナ・ラモス(シルヴィア・フォーリーナー)だからです(笑)。男の方は彼女の婚約者であるロドルフ(ウルフ・ルビンスキ)、そして相棒のフェルナンド(エドワルド・ボナダ)。三人はサントに惜しみのない声援を送るのですが、ややや、スプークがサントの首を絞め始めたぞ。ロドルフは怒って「おい、レフリー、あれは反則だぞ」エレナは「大変、私の名づけ親が殺されちゃう!」ええ、名づけ親ってサ、サントのことっすか。

 ここで場面がぱっと変わりまして豪壮な屋敷で部下に話をしている悪のボスが映ります。「あの女さえいなければ莫大な遺産はわしのものになる。それを邪魔するのがサントだ。ふふふ、まあ、この試合でスプークに殺されなければの話だがな」

 またぱっと試合に戻ります。サント、リング下に落とされたりピンチが続くのですが、そこは正義と真実の使途、銀の仮面のヒーロー、サントですから負けるなんてことはありません。一瞬の隙をついて反撃、逆にスプークをキャメルクラッチでギブアップさせたのであります。試合後握手で健闘をたたえあう両者、スプーク、とてもサントを殺そうとしていたようには見えないのですが(笑)。

 控え室に戻ったサント、さっそくエレナたちがやってきます。「サント、おめでとう、あなたが勝つって信じてた」サントはにっこり笑って「ははは、ありがとさん。ところでエレナ、おめえのお祖母さんが明日をも知れない病気だって、看護婦さんが知らせに来たぜ。お祖母さんはおめえに会いたいと言っているそうだ」このお祖母さん、ドナ・テレサは凄いお金持ち。しかし、これまで孫娘のエレナには何もしてくれなかったのです。両親を幼い頃になくしたエレナ、名付け親のサントがいなければ孤児院送りになっていた可能性もあったとかでお祖母さんを快くは思っていなかったのですが、サント、「おめえの気持ちは良く分かる。しかし相手は病人だ、行っておやりでないかい」エレナ、にっこり笑って「あなたの言うとおりね、言ってくるわ」

 三人が出て行きまして、サントも外に停めていたサントカーに乗り込んで帰ろうとします。そこで襲ってきたのが4人の男達。エルダー、ヴィク、メンドーサ、エル・ナチの悪のレスラー軍団。彼らもまた悪のボスのために働いていたのです。41の戦いにさしものサントもボコボコにされてしまいます。危うし、サント、しかし天は彼を見捨てず、フェルナンドとロドフルが戻ってきたのです。一般人が二人混じったところで4人のレスラーには敵わんと思うのですが(笑)そこはそれ、サント映画ですから激しい戦いが延々続いた挙句、いや、これが本当に長いの、ようやく4人を撃退するのでした。

 と、今度は猛スピードで走ってきた車からマシンガンが突き出され銃弾の雨嵐です。これもなんとか逃れたサントたち。「こりゃあ、きっとエレナを狙ってのことにちげえねえ、彼女を守らなくてはならないが、おめえさん方、良かったら手伝っておくれでないかい」快諾するフェルナンドとロドルフ、三人でがっちりと硬い握手を交わすのでした。

 さて翌日、サントとの約束どおりドナ・テレサの屋敷を訪ねるエレナであります。ベッドの上で看護婦のレベッカ(グラシエラ・ラ)から薬を飲ませて貰っていたテレサは彼女を見て大喜び。「私はあなたに言っておかなければならないことがあるの」と告白を始めます。「私は息子、あなたのお父さんね、とお母さんの結婚に反対していた。あの夜だって、二人はなんとか結婚を許してもらおうと思ってやってきたのよ。それを私は放り出してしまった。酷い雨の夜だったわ、その帰り道二人の車は事故で、うううう」

 それで私はもうすぐ死ぬから、あなたに財産を譲ろうと思うのというお話になりました。ここでお祖母さんが出してきた条件がオカシイ。弁護士立会いで行われる遺言開封にサントも立ち合わせろというのです。しかし、あっさり「はい、分かりました、お祖母さま」と頷くエレナ。頼む方も頼むほうだが、それを快諾する方も何だかなあ(笑)。

 ここでレベッカが奇妙なことを始めます。彼女は部屋の隅のテーブルで動いていたテープレコーダーのスイッチを切ってそのテープをこっそりとバックに入れてしまうのです。これはテレサの声を録音していたということなのでしょうか。そしてさらにヘンなことが。この時やってきた医者(カルロス・ニエト)がテレサを診察し始めるなり容態が急変。カンフル処置も役に立たず、お祖母さん、死んじゃったのであります。どうやら、この二人も悪の組織の一員のようですな。

 と、その悪のボス、4人のレスラーとマシンガン射撃でもサントを殺せなかったので怒り狂っております。彼は部下たちに、「なんで、サントを殺せないの、それじゃ、部下じゃなくて馬鹿ですよ」といつものお説教。「お前たちのせいでプロレスラー、もう一人雇わなくちゃならないだろ!」この雇われたレスラーがスタッド。サントを殺害し、彼の後釜となることを目論んでいるようです。

 そんなこととは露知らず、サントに会うエレナ。「お祖母様のお葬式に出て貰えないかしら」しかし、サントが言うことにゃ「いや、それはよしとくよ、あっしはマスクをつけたままであんまり外出したくないのだ」ええ、今までさんざんっぱらマスクで悪漢と戦ったりしてきたくせにどの口でそんなこと言うんだ、サント。この口かぁ(笑)。「でも遺言開封の時には来てくれるんでしょ、これはお祖母様の願いなのよ」「うん、そっちの方は大丈夫だ。誓って出席するから大船に乗った気で安心するんだ」葬式は駄目で、遺言開封はOK、どうも基準が良く分かりません。

 はい、テレサのお葬式です。墓穴に降ろされる棺をみて当たりはばからずに泣くレベッカ。しかしお葬式が終わったとたんにしゃきっとなって、ドクターと一緒に墓地の廟堂に向います。その中にいたのはもちろんボス。彼女は例の録音したテープを彼に渡すのでした。そしてさらにボスの悪巧み。このテープを組織お抱えの物まね師に練習させて、いや、冗談じゃないですって、本当に物まねしているんですって、「あー、ビート・たけしのオールナイト日本!うー、こら松村、お前、力みすぎて目ェ死んでいるじゃねえか」なんてやっているんですって。しかも今しがた墓穴に納められたばかりのテレサの遺体を強奪、彼女のデスマスクを取るのです。ひょっとしたら、この物まね師をテレサその人に化けさせようというのでしょうか。

これからの展開が期待されますねー(笑)。

 さてお待ちかねの遺言状の開封です。ちゃーんと会場となる弁護士の事務所にサント、来ています(笑)。そして発表されるテレサの遺言状。600万ペソにも及ぶ財産と家屋敷はエレナが相続。そのうちから200万ペソを福祉団体に寄付、さらに300万ペソをええ?レスリング協会へ寄付?怪我や年齢で引退するレスラーに年金支給する?どんな遺言やねん!サント、これを聞いて「さすがはテレサの姐御だ。これであっしたちレスラーも老後の心配がなくなるってもんだ」と大喜びしております(大笑い)。

 これが終わって再びサントの試合であります。相手はジャッカルという悪役レスラー。試合はごくまっとうに進んでいたのですが、何を考えたかあの部下のレスラーたちが突如乱入を開始。アナウンサー、興奮して叫びます。「おお、ヴィク、エルダー、メンドーサ、エル・ナチが来たぞ。これではサントも敵わない、大変だ、大変だ」レフリー、試合止めろよ(笑)。当然ながらタコ殴りにされてしまうサント。今度はこれに憤激したフェルナンドとロドルフが乱入です。アナウンサー、さらに興奮してツバを飛ばしながら「凄い、今度はフェルナンドとロドルフだ、これはもうバトルロイヤルだ!」いや、部下たちの名前を叫ぶのはいいのです。元からレスラーなのだから。でもなんで一般人のロドルフとフェルナンドの名前を知っているかという話なんですよ、実際。

 このバトルロイヤル状態が延々続きます。もう5分も続くのです。いい加減にやめろうと思ったとき、場内係員に頼まれた警察の警視がリングに上がりまして「おら、おら、みんな、帰れ」と天井に向ってピストル乱射。天井の照明に当たったらどうするんだと思いますけれども、とにかくこの荒っぽい処置でバトルロイヤルはようやく終結します。

 ここから唐突にサントたちの味方となる二人の覆面レスラーが登場。黒と灰色のマスクで名づけて「灰黒コンビ」。タッグチームなのでしょうがモノクロ画面だとどうにも区別がつけづらい二人組です(笑)。サントは自分のアパートメントに灰黒コンビ、ロドルフ、フェルナンド、エレナを集めて事件の総括。試合に乱入してきたレスラー達がギャングたちのために働いていると知らされた灰黒コンビは「サントの兄ィ、そんなのレスリング協会へ通報して追放してもらいやしょう!」しかしサントは首を振って「いや、それより先にきゃつらのリーダーを見つけなくちゃならねえ、話はそれからだ」

 みんなは一端解散。サントは自分のアパートメントで手がかりを見つけるために事件・犯罪ファイル!を調べ始めます。

 一方、二人きりとなったロドルフとエレナ。ロドルフ、突然、ぼかぁ、君と結婚できないよと言い出します。驚いたエレナがどうしてと尋ねると苦悩に顔を歪めたロドルフ、「君は今や600万ペソの財産を持つ大金持ちだ。これで結婚したらお金目当てだと思われてしまう」「ううん、そんなことないわ、あなた、私を愛しているんでしょ、だったらいいじゃない。もしどうしてもイヤだったら私、相続を拒否しても良いのよ」「おお、エレナ」「ああ、ルドルフ」ということで抱き合って暑苦しいキスを交わす二人。ぶちゅぶちゅぶちゅちゅちゅー。

 ここでドアベルが鳴って現れたのがなんと、悪の組織のボスではありませんか。なんだ、なんだ、こいつ、何しにきやがった、頼りない部下に痺れを切らしてボス自らロドルフをピストルで殺害、エレナを拉致監禁して苛烈な拷問を加え相続遺棄の書類にサインをさせようと言うのかと思ったのですがさにあらず、ボスは柔らかな口調で「ワタクシ、イースタンライト超心理学研究所の所長、フランシスコ・イグレシアス(フランシスコ・ジャンブリーナ)と申します。生前、お祖母さま、ドナ・テレサ様とは親しくさせて頂いておりました」と言うのです。さらに彼は「わたくし、ご葬儀の晩に行われた交霊会でドナ・テレサさまと超心理的なコンタクトを致しました。彼女の霊魂がセンターに現れて、あなたに会いたい、あなたに伝えたいことがあると仰るのです。にわかには信じられないかも知れませんが、どうか一度、私どもの施設にお出で頂き交霊会に参加頂きたいのです」

 半信半疑ながらもついついドナ・テレサの名前にほだされて出席を承知してしまうエレナとロドルフです。そんなんウソに決まっているやんか(笑)。壜にありがとうと書いた紙を貼り付けて凍らせたらキレイな結晶になるとか信じているとこういうのに簡単に騙されるようになっちゃうんです。皆さんも気をつけましょう。

 この後悪のレスラーたちがフェルナンドを捕まえてサントのアパートメントに行き、「やい、フェルナンド、ドアをノックして、自分の名前を言うのだ。余計なことを言ったら承知しないぞ」しかしフェルナンド、ノックするなり「サント、フェルナンドだけど、奴らに捕まっているぞ、用心しろ!」この企み、なーんの役にも立たなかったですね(笑)。悪のレスラーたちは無理やりサントのアパートメントに入り込み肉弾戦となります。ここにどうして知ったのか分かりませんがあの黒灰コンビが駆けつけてきて大乱闘。なんとかレスラーたちを撃退したのでありました。

 この時黒灰コンビは悪のレスラーの一人スタッドを捕まえて「やい、やい、おめえたちのボスは誰なのだ、きりきりしゃべらねえと指の骨へし折って目ん玉抉り出すぜ」しかし、サント、そんな二人を止めて「よしな、そのまま逃してやるんだ」これを尾行してボスを突き止めるのかと思いきやサント、本当にそのまま逃してしまうという・・・。

 さて、エレナとロドルフ、交霊会へ赴きます。二人を愛想よく出迎えたフランシスコ、「はい、ロドルフさん、これが部屋の鍵です。あなた御自身で施錠してください。これで交霊会中誰も入ってこられません。部屋の中もご自由に調べられてかまいませんよ。トリックなどまったくないのですから」それでも用心深いロドルフ、催眠状態に入ったという霊媒師を怪しみ「本当に催眠状態なんですかァ?」いきなりマチ針を手に刺すという(笑)。霊媒師ぴくりとも動かずロドルフようやく納得します。そしてみんなで手を繋いで輪を作りいよいよ交霊会の開始であります。

 フランシスコが「天にましますドナ・テレサよ、今宵はあなたの最愛なる孫娘、エレナが来ております。どうかそのお姿を我々の前に現してくださいませ」これでひゅーどろどろと鳴り物が鳴ってドナの幽霊が登場です。「うわぁ、本当に出たァ」と驚愕しているエレナとロドルフの前に進み出た幽霊は「おお、おお、エレナ、良く来てくれました。どうか私の願いを聞いておくれ。これが聞き届けられないと私は成仏できないのです。世界に真実を知らしめなければなりません。私以外にもたくさんの霊魂が無念の思いを抱えて無明界をさ迷っております。彼らを救うためにイースタンライト超真理研究所に私の遺産を半分寄付するのです。頼みましたよ」またひゅーどろどろで幽霊消えました。フランシスコ、呆然としている二人に「では良く考えてお決めになってください。今宵の交霊会はおしまいです」

 すっかり信じ込んでしまって今にも大金を振り込んでしまいそうな二人って振り込め詐欺じゃないんだから(笑)、この二人を救ったのはやっぱりサント。彼は自分の犯罪ファイルから見つけた前科者の写真を二人に見せたのです。「は、これは研究所所長のフランシスコ」「ああ、これはお祖母さまの執事だったセルジオ、それにドクターだ」「セルジオは1000の声を持つという天才的な声色師だな。おめえたちが聞いたテレサの声はこいつの声色だったのだ」つまりこの三人は霊魂詐欺の常習犯だったのであります。しかし、サント、良く見つけたね。二人の話を聞いてからじゃないとこういう霊魂関係の詐欺だとは分からなかった筈だけどね(笑)。

 なんとか振り込め詐欺(だから違うって)の魔の手から逃れた二人ですが、この会話を盗聴していたものがいる。御馴染み悪のレスラー達であります。彼らはうわあ、御頭たちの企みばれちゃった、しょうがない、エレナを拉致監禁して苛烈な拷問を加え金を奪おうと決意。サントのアパートメントから出てきた二人を襲ったのです。そこに二人を待っていたフェルナンド、どうやって知ったのか分からないけれども駆けつけてきた黒灰コンビ、さらにサントまで参加してまたもバトルロイヤル。これがえんえん続くんだ。本当に5分くらいやっているのですからいやになります。この乱闘の結果、ロドルフが首に負傷、また敵側のレスラー、エルダーもサントに腕をへし折られて入院ということになりましたとさ。

 警察はエルダーを尋問するのですが、「あたしは何もやってないっすよ、この怪我?車に轢かれたんすよ」埒が明かないので今度はロドルフに聞くとやっぱり「何でもないっす、この怪我?車に轢かれたんすよ」警視、「やたらに交通事故が流行っているな」とぼやくという・・・。

なぜ警察に秘密にする必要があるんスかね。

 さて、フランシスコたちの次の狙いは大富豪のハイス・アリアス。例によって看護婦としてもぐりこんでいたレベッカをフェルナンドが見つけたのであります。果たしてアリアスは間もなく死亡。墓地でお葬式が行われた後、レベッカがフランシスコに録音テープを渡すという段取りはいつもの通り。これをフェルナンドが監視しています。そしてその夜、廟堂の地下室でデスマスクやセルジオが声色の練習をしている時に、サントがやってきた。うわ、夜の墓地に覆面レスラー、へたな幽霊より怖いよ(大笑い)。見張りのスタッドが彼に気づいて悪のレスラー達が出動。善玉のほうもまたまたフェルナンド、黒灰コンビがやってきまして、三度バトルロイヤル。今回のサント映画、ワンパターンの限りを尽くしております。

 しかし、この乱闘の最中、悪のレスラー一人がピストルを発射。銃弾はサントの左わき腹に命中してしまいます。ばったり倒れるサント。彼はそのまま死んでしまったのです・・・。このニュースを聞いたフランシスコたちは大喜び。フランシスコ、さっそくみんなが集まって御通夜をやっているサントのアパートメントへ乗り込んで、いや、あの盗聴で計画がばれたことを知っている筈なのに、なんでこんなことするかな。さては悪のレスラー達、報告するのを忘れたな。フランシスコ、いぶかしげな顔で出迎えたエレナに「お悔やみを言いに参りました」彼はサントの仏前にお線香を上げますと、「いや、実は交霊会にサントの霊魂が参りまして」ってやっぱりそれかい。「エレナにどうしても言いたいことがあると言っておりました。つきましては是非交霊会のほうへお出で下さいまし」

 この時フランシスコは棺桶の蓋をちょっと開けてサントの遺体が本当に入っているか確かめるという・・・。うわあ、本当にサントが棺桶入っているよう(大爆笑)。

 研究所へ戻ったフランシスコ、組織を挙げて交霊会の準備です。スタッドに覆面被せてサントに化けさせ、セルジオはサントの声色を猛練習。ドクターは霊媒師にマチ針刺されても痛くないように麻酔を打っております。フランシスコ、ぱんぱん手を叩いて「さあ、さあ、みんな急ぐんだよ、これが上手くいけば大金が手に入るんだからね」

 場面が変わるともう交霊会の真っ最中。偽サントスタッドがもう姿を現していて「世界に真実を知らしめなくちゃならねえ、それがあっしの定めだ。だからエレナ、超真理研究所に財産の半分を寄付してくんな」霊魂になるとみんな、「半分、半分」と言うのですな(笑)。ここで飛び込んできたのがサントを初めとする正義の味方軍団。「おめえらの所業、天が見逃してもこのサントさまはゆるさねえ」これでまたまた大乱闘。四度目のバトルロイヤルですよ。えんえんくんずほぐれつやった挙句にメキシコ警察が飛び込んできまして、ここにフランシスコの心霊詐欺軍団は一網打尽となったのであります。

 事件が終わって夜の道路をサントカーで爆走するサント。エンドマーク。

 覆面レスラーの霊魂が交霊会に!こんな発想日本には絶対ないわ。やっぱりサント映画は凄いや。あとですねえ、劇中で銃弾受けて倒れるばったり倒れるサントですが、傷口に大きめのバンソーコー張っただけで元気にカムバックして敵と戦っております。撃たれた場所とバンソーコーの張ってある場所が微妙に違うのが気に掛かりますが(笑)、さすがは鋼の肉体をもつサントだけのことはありますな。

 モノクロ・スタンダード、モノラル音声。黒が浮いてエッジがざわついておりますがまあ、この手のDVDとしては中の上という画質でありましょう。音声は標準。英語字幕付。Distrimax のDVD。

   エロの冒険者 
       HOMEPAGE http://homepage3.nifty.com/housei/ 
      SFシネクラシックス 輸入DVDでみるSF黄金時代(笑)

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