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2007年12月25日 (火)

『Ring of Terror』 1962年

 

Ring of Terror』 1962

 

 幼少の頃のトラウマに悩まされる男が解剖実験をきっかけに恐ろしい目に会う…というお話ですが、まあ、いつものように期待なんかせず、気軽な気持ちで読んでやって下さい。へたに期待するとラストで手ひどく裏切られてしまいますからね(笑)。

冒頭夜中の墓地でお葬式。そしてこの墓地で葬儀屋やっているR・J・ドブソン(ジョセフ・コンウェイ)という男が登場しまして、我々に向って「墓地、ここは死者たちの休息場所であります。不幸な人生を送ったもの、幸せな人生を送ったもの、いろいろです。もし、あなたが二度目の人生を送ることができたら一体何をしますか」こう問いかけた後、外に出た男。「ピューマ、ピューマ」と何者かを探します。「ピューマ、ピューマ、怖がらなくてもいいから出ておいて」えんえん墓場をさ迷った挙句に見つけたのが猫。

ドブソンは「おお、ここにいたのか、ピューマ、さあ、美味しいかつおぶしゴハンを食べようね」その途端、ふんぎゃあと飛び上がる猫。なんとドブソン氏、誤まって猫を踏んづけちゃったのであります。猫踏んじゃった、猫踏んじゃった、猫踏んづけちゃったら泣いちゃった、ぱーっと逃げ出すピューマ。またドブソン氏が「おおい、ピューマ、ごめんよう、そんなつもりはなかったんだよう、怖がらなくてもいいから出ておいで」また猫を探し始めるという・・・。このテンポの悪さに唖然とする私であります(笑)。

 ようやくピューマを見つけて抱きかかえるドブソン氏。この時足元にわざとらしく見えるのがルイス・B・モフェットという人物の墓石。193323日~19551117日没なんて書いてありますな。これを見たドブソン氏、にやりとして「このモフェットなる人物もなかなか興味深い御仁でありましたなあ」はい、画面がむやむやと揺れて大学の学生寮へと早変わり。つまらないプロローグがやっと終わったのです。

 学生寮ですから学生達が一杯います。医学生なのですが何しろ大学生ですから遊びたいさかり。今日も今日とて「カフェテリアに行こうじゃん、女の子達も来るじゃん、いいじゃん、いいじゃん」と浮かれております。そんな中一人で本読んで勉強しているのがルイス(ジョージ・E・マサー)。みんなの誘いも「いや、僕はちょっとこの本を読んでしまわなくてはならないから」と言って断る真面目ぶりであります。しかし、その彼もガールフレンドのベティ(エザー・ファースト)から「ねえ、ねえ、私たちもカフェテリアへ行きましょうよう」と電話で誘われたら速攻で「うん、行く、行く」と本を置いてしまうのですからいい気なもの(笑)。二人は車に乗り込み、これからしばらくドライブを楽しんでその後でカフェテリアに行ってみんなと合流しようということになります。

 ちなみにこのベティ、彼についてアリス(パメラ・レイモンド)を初めとする女子学生たちに「何だか時々彼の中に二人の人間がいるように思える時があるの、二つの異なった人格があって精神の主導権を握ろうと争っているような」あんまり彼氏のプライベートなことを大勢の前であっさり言っちゃうのはどうかと思いますが(笑)。

 ひとしきりドライブを楽しんだ二人。今度は車を止めていちゃつき始めるのです。もうオープンカーなのにぶちゅぶちゅぶちゅちゅちゅーと熱烈なキス。おまわりさんもこういう無軌道な若者は取り締まるべきでしょう。この時ベティが「ルイス、あなた、医者になるのはやめてくれない。お父様がお医者様だからと言ってあなたまで医者になるというのはおかしいわよ」「いや、父のことは関係ない。僕自身が医者になって病気の人々を救いたいのだ」「そう、だったらいいわ、もう医者になるなんて言わない」要するにこのベティという女、彼氏が解剖とかそんな気持ちの悪いことをして欲しくないと思っているのです。

 再びキスをする二人。しかしこの時ガラガラヘビが車に侵入してきたのです。これに気がついたルイス、どこから取ってきたか分からないけれども、誂えたように先端がYの字になった木の枝で蛇を押さえ外に放り出してしまいます。そして「テメー、この蛇め」とばかりにばすばす踏みつけ殺してしまったのでした。画質が悪く画面も暗いので定かではありませんが、これ本当に蛇踏み殺してないか(笑)。この勇敢なルイスにベティは「まあ、あなたって本当に怖いものがないのね」と抱きつくのでありました。

 この後カフェテリアに行って仲間たちと騒ぐ場面。そこでルイスは明日の解剖実習で担当講師のレイバーン教授(ロマックス・スタディ)の助手をすることを決意するのでした。

 翌朝、さっそく教授を捕まえて助手になりたいと頼むルイスです。教授は「いや、逆に嫌がる人間が多いのに、自ら申請してくるとは君はなかなか見込みがありますよ」と言ってはい、めでたくルイスは助手に任命されるのです。さて、その夜午後845分から市の死体安置所で授業が開始。ここの医大はこんなところで解剖をやるのです(笑)。ルイスは教授の指示に従って解剖用の遺体ジョン・ドー(名前なし)をストレッチャーで運んできます。この後他の学生と一緒の席につくルイス。え、助手の仕事ってこれだけなんですか?

 教授は学生達を見渡して「うん、耐え切れないと思ったらどんどん出ていいよ」無造作に遺体にメスを入れていくのです。気持ち悪そうな顔をする学生、目を回してひっくりかえる学生、口を押さえて飛び出していく学生、いろいろいます。そんな中平然としているのがルイス。さすが恐れを知らない男であります。午後11時にようやく解剖が終了。ルイスは遺体を運び出すのでした。

 教授によるとこの解剖済みの死体はレイブンヒルズ墓地でしばらく保管されたのち埋葬されるとのこと。この時ストレッチャーにかぶされた布からすべり出てきた遺体の手。これに金の指輪がついております。これを見て「くわっ」と目を剥くルイス。ウウーム、何か怪しいぞ。

 解剖の時はまったく平気であったルイスでしたが、そのときから悪夢を見るようになったようです。今晩も午前4時過ぎだというのに、「ライトを消さないで」と寝言で叫んでルームメイトを起こしてしまいました。迷惑顔のルームメイト、カールはルイスを揺り起こして「また悪夢か、いつもライトを消さないでといっているぞ」ルイスは憮然として「子供の頃から同じ悪夢をみているのだ」これがどうやら彼の幼少期のトラウマに起因するようなのですが・・・。まあ、何しろ午前4時です。それ以上原因を探ることなく「もう寝るべ」となってしまったのも無理はありません。

 この解剖授業の後はお楽しみ。バーベキュー大会が開催されることになっており、学生達は気もそぞろ。しかも男子学生たちはこのバーベキュー大会の後で友愛会入会のための試験を受けることになっていますのでなおさら落ち着いてなんかいられません。

 そんな中、ルイスたちの同級生ボブ・カーンが交通事故で急死します。カールの知らせでこの悲報を知ったルイス、二人でお葬式に参列しようじゃないかということになります。そしてその夜葬儀屋さんに到着した二人。葬儀の筈なのに誰一人いないのが気にかかりますが、まあ、こんな映画ですのでいいでしょう(笑)。葬儀屋に入った時から明らかに様子がおかしくなるルイス。いつもの彼に似合わずそわそわしております。さらに彼が棺桶の中を覗きこんでウェーっという顔をした瞬間、一陣の風が舞い込み唯一の明かりであった蝋燭を吹き消してしまったのです。

 「ひいい」と怯えるルイス。「早く、明かりを、明かりをつけて、明かりを消さないで!」と叫びます。あわてて電気のスイッチを入れるカール。「おい、大丈夫か、今君は寝言と同じようなことを言ってたぞ。恐れを知らない筈の君が一体どうしたというのだ」顔を汗まみれにしたルイス、呻くような声で、「カール、僕の悪夢の原因が分かったよ、今のショックで思い出したんだ。あれは僕が八歳の時、おじいさんが死んだ晩のことだった。自宅のリビングルームに葬式のために彼の棺桶が置かれていた。僕は怖くって仕方なかったんだ。それでママに電気を消さないでと頼んだのだけれど、ママは取り合ってくれなかった。それどころか泣いているとおじいさんが起き上がってお前をさらいに来るよと脅かしたんだ」なんて酷いママか(大笑い)。「僕は一晩中おじいさんがいつ起き上がってくるかと思うと怖くって怖くってまんじりともできなかった。今の僕の悪夢はこのときの体験のせいなんだよ」

 カールに今のことは誰にも言わないでくれと頼むルイスです。

 えー、この後は場面が飛んでいきなりバーベキュー大会です。酒なんかもでてみんな大盛り上がり。ホットドックや牛肉を貪り食っております。食欲が満たされたら今度は性欲だってんで、森の木陰のあちこちで絡み合うカップルたち。当然のことながら我らがルイスもベティにキスしております。さあ、このまま最終ステージに突入じゃとルイスは思ったのですがあいにくと友愛会の入会試験の時間になってしまいましたとさ。彼は友愛会実行委員会から渡された指令書を取り出して内容を読み上げます。「なになに、レイバーンヒルズ霊園に行って廟堂に安置してあるジョン・ドーの残骸から金の指輪を持って来い!だって」

 要するにこれは肝試しではないですか。

 彼はベティに「心配ない、こんなの簡単だ、すぐ済ませるから待っていてくれ」車で霊園に直行します。夜なので当然玄関は閉まっておりますから塀を乗り越えて侵入って、おいおい(笑)。この辺になると恐れを知らぬルイスという面影はどこへやら。木の枝にぶつかりそうになって「ひいい」、石につまずいてすっころんだり、もうびくびくおどおどの極地。それでも肝試しに合格しなければ友愛会に入れません。ルイスは必死にその歩みを進めついに廟堂へ到着。中へ入ってついにジョン・ドーの棺桶を見つけました。

蓋を開けて何を見たのか実にいやそうな顔をするルイスが面白いですな(笑)。彼は顔を背けつつ指輪を取ろうとして棺桶の中をまさぐります。この時突然、側で猫がにゃーっと鳴いた。仰天したルイス、立ち上がったのですがああ、なんということでしょう、ジョン・ドーの手が彼のコートに絡んで棺桶から引きずりだされたのです。これを見たルイス、あまりの恐怖に「ぐわっ」胸を押さえて転倒し、そのままあの世行きになってしまったという・・・。

 はい、ドブソン氏が再登場。「彼はショック死したのですな、もう人間いろいろなことが起こるものです。それでは皆さん、サヨナラ、サヨナラ」エンドマーク。

 なんだ、これ幼少期のトラウマとか二重人格じゃないかとかいろいろ言ってたのに結局は肝試しでショック死というオチかよ、ふざけんな、コノヤロー。

 モノクロ・スタンダード モノラル音声。画質は最悪。残像が酷く落ち着いて見ていられません。音質もさ行の音が耳について大変に不快です。実際大変ですよ、こんなDVDを見るのも(笑)。12枚のディスクに50本の映画を収めたNightmare Worlds 50 Movie Pack CollectionMill Creek EntertainmentのDVD。

           エロの冒険者 
       HOMEPAGE http://homepage3.nifty.com/housei/ 
      SFシネクラシックス 輸入DVDでみるSF黄金時代(笑)

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